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特開2024-114513スケジュール管理システム、スケジュール管理装置、プログラム、およびスケジュール管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114513
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】スケジュール管理システム、スケジュール管理装置、プログラム、およびスケジュール管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/109 20230101AFI20240816BHJP
【FI】
G06Q10/109
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020323
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】武尾 優斗
(72)【発明者】
【氏名】大山 越志
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA10
5L049AA10
(57)【要約】
【課題】残業の事前申請に対応した自動残業申請技術を提供する。
【解決手段】スケジュール管理装置1は、スケジューラ端末2から受信したスケジュール登録要求で指定されている参加者および開催期間を含むイベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベースに登録する。また、スケジュール情報データベースに登録されているイベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、このスケジュール情報の開催期間により特定されるイベント開催日の出退勤計画情報を勤怠管理システム3から取得し、このスケジュール情報の開催期間により特定されるイベント終了時刻が取得した出退勤計画情報により特定される退社時刻を超過しているならば、この参加者の退社時刻をイベント終了時刻以降の時刻に変更するための残業申請情報を勤怠管理システム3に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントのスケジュールを管理するスケジュール管理装置と、前記スケジュール管理装置にイベントのスケジュールを登録するためのスケジューラ端末と、を備えたスケジュール管理システムであって、
前記スケジューラ端末は、
スケジュール登録操作を受け付けた場合に、当該スケジュール登録操作で指定されたイベントの参加者および開催期間の指定を伴うスケジュール登録要求を前記スケジュール管理装置に送信するスケジュール登録要求手段を有し、
前記スケジュール管理装置は、
前記スケジューラ端末より受信した前記スケジュール登録要求で指定されている参加者および開催期間を含むイベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベースに登録するスケジュール登録処理手段と、
前記スケジュール情報データベースに登録された前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、ユーザ各々の出退勤計画情報を管理する勤怠管理システムから、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定されるイベント開催日における当該参加者の出退勤計画情報を取得する出退勤計画取得手段と、
前記スケジュール情報データベースに登録された前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定されるイベント終了時刻が、前記出退勤計画取得手段により取得された当該参加者の出退勤計画情報により特定される退社時刻を超過している場合に、当該参加者の退社時刻を当該イベント終了時刻以降の時刻に変更するための残業申請情報を、所定の装置に送信する残業申請処理手段と、を有する
ことを特徴とするスケジュール管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のスケジュール管理システムであって、
前記残業申請処理手段は、
前記スケジュール情報データベースに登録されている前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定されるイベント終了時刻が、前記出退勤計画取得手段により取得された当該参加者の出退勤計画情報に含まれている退社時刻を超過している場合に、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定される開催日における当該参加者の残業申請状況を前記所定の装置から取得し、取得した当該残業申請状況に基づいて残業申請の要否を判断し、残業申請「要」と判断した場合に、当該参加者の退社時刻を当該イベント終了時刻以降の時刻に変更するための前記残業申請情報を前記所定の装置に送信する
ことを特徴とするスケジュール管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載のスケジュール管理システムであって、
前記残業申請処理手段は、
前記スケジュール情報データベースに登録されている前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者の残業申請情報を前記所定の装置に送信した場合に、当該参加者の残業申請の受領通知を前記所定の装置から所定時間内に受信しなかったならば、当該参加者に紐付けられている前記スケジューラ端末に、残業申請の提出に失敗した旨のメッセージを送信する
ことを特徴とするスケジュール管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載のスケジュール管理システムであって、
前記残業申請処理手段は、
前記スケジュール情報データベースに登録されている前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定されるイベント終了時刻が、前記出退勤計画取得手段により取得された当該参加者の出退勤計画情報に含まれている退社時刻を超過している場合に、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定される開催日における当該参加者の残業申請状況を前記所定の装置から取得し、当該残業申請状況に承認申請の結果が含まれているならば、当該参加者に紐付けられている前記スケジューラ端末に、当該承認申請の結果を示すメッセージを送信する
ことを特徴とするスケジュール管理システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載のスケジュール管理システムであって、
前記スケジュール管理装置は、
ユーザ毎に、当該ユーザの残業申請に対して承認権限を有する承認者の情報を記憶する承認者情報記憶手段と、
前記スケジュール情報データベースに登録されている前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者に紐付けられている前記スケジューラ端末に対して、当該スケジュール情報により特定されるイベントの出欠問合せを通知して、当該スケジューラ端末から出欠応答を受信し、当該出欠応答を、当該スケジュール情報に含まれている当該参加者に紐付ける出欠確認手段と、をさらに有し、
前記残業申請処理手段は、
前記スケジュール情報データベースに登録されている前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者の残業申請情報を前記所定の装置に送信する場合に、当該スケジュール情報が、当該参加者の残業申請の承認者として前記承認者情報記憶手段に記憶されている他の参加者を含んでおり、かつ当該他の参加者の出欠予定が「出席」である場合、当該参加者の残業申請に当該承認者による承認済情報を付加する
ことを特徴とするスケジュール管理システム。
【請求項6】
イベントのスケジュールを管理するスケジュール管理装置であって、
スケジュール登録要求を受信した場合に、当該スケジュール登録要求で指定されているイベントの参加者および開催期間を含むイベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベースに登録するスケジュール登録処理手段と、
前記スケジュール情報データベースに登録された前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、ユーザ各々の出退勤計画情報を管理する勤怠管理システムから、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定されるイベント開催日における当該参加者の出退勤計画情報を取得する出退勤計画取得手段と、
前記スケジュール情報データベースに登録された前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定されるイベント終了時刻が、前記出退勤計画取得手段により取得された当該参加者の出退勤計画情報により特定される退社時刻を超過している場合に、当該参加者の退社時刻を当該イベント終了時刻以降の時刻に変更するための残業申請情報を、所定の装置に送信する残業申請処理手段と、を有する
ことを特徴とするスケジュール管理装置。
【請求項7】
イベントのスケジュールを管理するスケジュール管理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
スケジュール登録要求を受信した場合に、当該スケジュール登録要求で指定されているイベントの参加者および開催期間を含むイベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベースに登録するスケジュール登録処理手段、
前記スケジュール情報データベースに登録された前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、ユーザ各々の出退勤計画情報を管理する勤怠管理システムから、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定されるイベント開催日における当該参加者の出退勤計画情報を取得する出退勤計画取得手段、および
前記スケジュール情報データベースに登録された前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定されるイベント終了時刻が、前記出退勤計画取得手段により取得された当該参加者の出退勤計画情報により特定される退社時刻を超過している場合に、当該参加者の退社時刻を当該イベント終了時刻以降の時刻に変更するための残業申請情報を、所定の装置に送信する残業申請処理手段として、前記コンピュータを機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
イベントのスケジュールを管理するスケジュール管理装置と、前記スケジュール管理装置にイベントのスケジュールを登録するためのスケジューラ端末と、を用いたスケジュール管理方法であって、
前記スケジューラ端末は、
スケジュール登録操作を受け付けた場合に、当該スケジュール登録操作で指定されたイベントの参加者および開催期間の指定を伴うスケジュール登録要求を前記スケジュール管理装置に送信し、
前記スケジュール管理装置は、
前記スケジューラ端末より前記スケジュール登録要求を受信した場合に、当該スケジュール登録要求で指定されている参加者および開催期間を含む前記イベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベースに登録し、
前記スケジュール情報データベースに登録されている前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、ユーザ各々の出退勤計画情報を管理する勤怠管理システムから、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定されるイベント開催日における当該参加者の出退勤計画情報を取得し、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定されるイベント終了時刻が、当該出退勤計画情報により特定される退社時刻を超過している場合に、当該参加者の退社時刻を当該イベント終了時刻以降の時刻に変更するための残業申請情報を、所定の装置に送信する
ことを特徴とするスケジュール管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、残業申請を伴うイベントのスケジュール管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従業員の退社時にタイムカード機にIDカードを通すだけの簡単な作業で計画外の残業の届出を自動的に提出できる勤務管理システムが開示されている。この勤務管理システムでは、退社時にタイムカード機にIDカードを通すと、IDカードに紐付けられた従業員の退社時刻が記録されるとともに、この従業員の勤務実績が算出される。そして、勤務実績と予め登録されたこの従業員の勤務計画(残業計画)とが比較されて、この従業員の残業届出の要否が判断される。その結果、残業届出が「要」であるならば残業申請処理が実行される。これにより、従業員は自ら残業届を提出する必要がなく、残業申請の出し忘れを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-341968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の勤務管理システムは、残業の事後申請に対応したものであり、残業の事前申請には対応していない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、残業の事前申請に対応したスケジュール管理技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明において、スケジューラ端末は、スケジュール登録操作を受け付けるとこのスケジュール登録操作で指定されたイベントの参加者および開催期間の指定を伴うスケジュール登録要求をスケジュール管理装置に送信する。これを受けて、スケジュール管理装置は、スケジュール登録要求で指定されている参加者および開催期間を含むイベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベースに登録する。また、スケジュール管理装置は、スケジュール情報データベースに登録されたイベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、このスケジュール情報により特定されるイベント開催日における出退勤計画情報を勤怠管理システムから取得する。そして、取得した出退勤計画情報により特定される退社時刻と、このスケジュール情報により特定されるイベント終了時刻とを比較し、イベント終了時刻が退社時刻を超過しているならば、この参加者の退社時刻をイベント終了時刻以降の時刻に変更するための残業申請情報を所定の装置(例えば勤怠管理システム)に送信する。
【0007】
例えば、本発明は、
イベントのスケジュールを管理するスケジュール管理装置と、前記スケジュール管理装置にイベントのスケジュールを登録するためのスケジューラ端末と、を備えたスケジュール管理システムであって、
前記スケジューラ端末は、
スケジュール登録操作を受け付けた場合に、当該スケジュール登録操作で指定されたイベントの参加者および開催期間の指定を伴うスケジュール登録要求を前記スケジュール管理装置に送信するスケジュール登録要求手段を有し、
前記スケジュール管理装置は、
前記スケジューラ端末より受信した前記スケジュール登録要求で指定されている参加者および開催期間を含む前記イベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベースに登録するスケジュール登録処理手段と、
前記スケジュール情報データベースに登録された前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、ユーザ各々の出退勤計画情報を管理する勤怠管理システムから、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定されるイベント開催日における当該参加者の出退勤計画情報を取得する出退勤計画取得手段と、
前記スケジュール情報データベースに登録された前記イベントのスケジュール情報に含まれている参加者について、当該スケジュール情報の前記開催期間により特定されるイベント終了時刻が、前記出退勤計画取得手段により取得された当該参加者の出退勤計画情報により特定される退社時刻を超過している場合に、当該参加者の退社時刻を当該イベント終了時刻以降の時刻に変更するための残業申請情報を、前記勤怠管理システムで管理されている出退勤計画情報を更新する所定の装置に送信する残業申請処理手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明において、スケジュール管理装置は、スケジュール情報データベースに登録されたスケジュール情報に含まれているイベントの参加者について、このスケジュール情報より特定されるイベント終了時刻が、イベント開催日におけるこの参加者の出退勤計画情報により特定される退社時刻を超えている場合、自動で残業申請を行う。したがって、本発明によれば、残業の事前申請に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1実施の形態に係るスケジュール管理システムの概略構成図である。
図2図2は、本発明の第1実施の形態に係るスケジュール管理システムの第1の動作例を説明するためのシーケンス図である。
図3図3は、本発明の第1実施の形態に係るスケジュール管理システムの第2の動作例を説明するためのシーケンス図である。
図4図4は、本発明の第1実施の形態に係るスケジュール管理システムの第2の動作例を説明するためのシーケンス図であり、図3の続きである。
図5図5は、スケジュール管理装置1の概略機能構成図である。
図6図6は、スケジュール情報データベース101の登録内容例を模式的に表した図である。
図7図7は、勤怠管理システム3から取得される出退勤計画情報の一例を模式的に表した図である。
図8図8は、勤怠管理システム3から取得される残業申請状況通知の一例を模式的に表した図である。
図9図9は、スケジュール管理装置1のスケジュール登録動作を説明するためのフロー図である。
図10図10は、スケジュール管理装置1の残業申請動作を説明するためのフロー図である。
図11図11は、スケジューラ端末2の概略機能構成図である。
図12図12は、スケジューラ端末2の動作を説明するためのフロー図である。
図13図13は、本発明の第2実施の形態に係るスケジュール管理システムの動作例を説明するためのシーケンス図である。
図14図14は、本発明の第2実施の形態に係るスケジュール管理システムの動作例を説明するためのシーケンス図であり、図13の続きである。
図15図15は、スケジュール管理装置1aの概略機能構成図である。
図16図16は、ユーザ情報記憶部102aの登録内容例を模式的に表した図である。
図17図17は、スケジュール管理装置1aの残業申請動作を説明するためのフロー図である。
図18図18は、スケジュール管理装置1aの残業申請動作を説明するためのフロー図であり、図17の続きである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
[第1実施の形態]
まず、本発明の第1実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係るスケジュール管理システムの概略構成図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係るスケジュール管理システムは、業務処理、打合せ、会議等のイベントのスケジュールを管理するスケジュール管理装置1と、スケジュール管理装置1にイベントのスケジュールを登録するためのスケジューラ端末2-1~2-n(以下、単にスケジューラ端末2とも呼ぶ)とが、LAN(Local Area Network)4に接続されて構成されている。LAN4は、ゲートウェイ(GW)6を介してWAN(Wide Area Network)5に接続されており、スケジュール管理装置1は、LAN4、ゲートウェイ6、およびWAN5を介して、スケジューラ端末2に紐付けられたユーザ各々の出退勤計画情報および残業申請情報を管理する勤怠管理システム3に接続されている。
【0014】
なお、図1では、スケジュール管理装置1およびスケジューラ端末2がLAN4に接続され、勤怠管理システム3がWAN5に接続されているが、スケジュール管理装置1、スケジューラ端末2、および勤怠管理システム3は、同じネットワーク(LAN4またはWAN5)に接続されていてもよい。
【0015】
図2は、本実施の形態に係るスケジュール管理システムの第1の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0016】
まず、スケジューラ端末2―1は、ユーザ(ユーザA)からスケジュール登録操作を受け付けると(S100)、このスケジュール登録操作で指定された新規イベントの件名、参加者、および開催期間(イベント開催日、イベント開始時刻およびイベント終了時刻により特定されるイベント開催時間帯)を含むスケジュール登録要求をスケジュール管理装置1に送信する(S101)。ここでは、スケジュール登録操作により、新規イベントの件名および開催期間として「顧客の見積作成業務」および「2022/11/14 17:00~19:00」が指定されるとともに、新規イベントの参加者としてスケジューラ端末2―1のユーザ「ユーザA」のみが指定されたものとする。
【0017】
これを受けて、スケジュール管理装置1は、新規イベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベースに登録する(S102)。ここでスケジュール情報データベースに登録される新規イベントのスケジュール情報は、スケジュール登録要求で指定された新規イベントの件名「顧客の見積作成業務」、参加者「ユーザA」、および開催期間「2022/11/14 17:00~19:00」を含むとともに、イベント登録者として、スケジュール登録要求の送信元のスケジューラ端末2―1に紐付けられているユーザ「ユーザA」を含む。それから、スケジュール管理装置1は、スケジュール登録要求の送信元であるスケジューラ端末2―1にスケジュール登録通知を送信する(S103)。
【0018】
また、スケジュール管理装置1は、定期的にスケジュール情報データベースの登録状況を監視しており、S102によりスケジュール情報がスケジュール情報データベースに新規登録されたことを検出すると(S104)、このスケジュール情報(本シーケンスの以下の説明において、S104で検出したスケジュール情報を新規登録スケジュール情報と呼ぶ)に含まれる参加者が1人(イベント登録者「ユーザA」のみ)である場合には、この参加者「ユーザA」の指定と、新規登録スケジュール情報の開催期間「2022/11/14 17:00~19:00」により特定されるイベント開催日(ここでは「2022/11/14」)の指定と、を伴う出退勤計画要求を勤怠管理システム3に送信する(S105)。
【0019】
これを受けて、勤怠管理システム3は、出退勤計画要求で指定された参加者「ユーザA」について、出退勤計画要求で指定されたイベント開催日「2022/11/14」における出退勤計画情報を検索する。そして、検索した出退勤計画情報をスケジュール管理装置1に送信する(S106)。
【0020】
スケジュール管理装置1は、勤怠管理システム3から出退勤計画情報を受信すると、新規登録スケジュール情報の開催期間「2022/11/14 17:00~19:00」により特定されるイベント終了時刻(ここでは「19:00」)が、この出退勤計画情報に含まれる退社時刻を超過しているか否かを調べる。そして、イベント終了時刻「19:00」が退社時刻を超過していることを確認すると(S107)、この出退勤計画情報に紐付けられる参加者およびイベント開催日(出退勤計画要求で指定した参加者「ユーザA」およびイベント開催日「2022/11/14」)の指定を伴う残業申請状況要求を勤怠管理システム3に送信する(S108)。
【0021】
これを受けて、勤怠管理システム3は、残業申請状況要求で指定された参加者「ユーザA」について、残業申請状況要求で指定された開催日「2022/11/14」における残業申請情報を検索する。そして、その検索結果を含む残業申請状況通知をスケジュール管理装置1に送信する(S109)。ここでは、残業申請情報が検出されず、検索結果として「残業申請なし」が残業申請状況通知に含まれているものとする。
【0022】
つぎに、スケジュール管理装置1は、勤怠管理システム3から受信した残業申請状況通知を参照して残業申請要否を判断する。ここでは、残業申請状況通知に含まれる検索結果が「残業申請なし」であるので、残業申請「要」と判断する(S110)。そして、スケジュール管理装置1は、新規登録スケジュール情報に含まれるイベントの件名「顧客の見積作成業務」、残業申請「要」と判断された参加者(イベント登録者)「ユーザA」、および新規登録スケジュール情報に含まれる開催期間「2022/11/14 17:00~19:00」により特定されるイベント開催日「2022/11/14」を含み、この開催期間により特定されるイベント終了時刻「19:00」以降の時刻を退社時刻とする残業申請情報を勤怠管理システム3に送信する(S111)。
【0023】
つぎに、勤怠管理システム3は、スケジュール管理装置1から残業申請情報を受信すると、これを登録する(S112)。そして、スケジュール管理装置1に残業申請情報受領通知を送信する(S113)。
【0024】
図3および図4は、本実施の形態に係るスケジュール管理システムの第2の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0025】
まず、スケジューラ端末2-1は、ユーザ(ユーザA)から新規イベントのスケジュール登録操作を受け付けると(S120)、このスケジュール登録操作で指定された新規イベントの件名、参加者、および開催期間を含むスケジュール登録要求をスケジュール管理装置1に送信する(S121)。ここでは、スケジュール登録操作により、新規イベントの件名および開催期間として「〇〇発表会の打合せ」および「2022/11/15 17:00~19:00」が指定されるとともに、新規イベントの参加者としてスケジューラ端末2-1のユーザ「ユーザA」とスケジューラ端末2-2のユーザ「ユーザB」とが指定されたものとする。
【0026】
これを受けて、スケジュール管理装置1は、新規イベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベースに登録する(S122)。ここでスケジュール情報データベースに登録される新規イベントのスケジュール情報は、スケジュール登録要求で指定された件名「〇〇発表会の打合せ」、参加者「ユーザA(スケジューラ端末2-1に紐付けられているユーザ)」「ユーザB(スケジュール端末2-2に紐付けられているユーザ)」、および開催期間「2022/11/15 17:00~19:00」を含むとともに、イベント登録者として、スケジュール登録要求の送信元のスケジューラ端末2-1に紐付けられているユーザ「ユーザA」を含む。それから、スケジュール管理装置1は、スケジュール登録要求の送信元であるスケジューラ端末2―1にスケジュール登録通知を送信する(S123)。
【0027】
つぎに、スケジュール管理装置1は、スケジュール情報データベースに新規登録された新規イベントのスケジュール情報に含まれる参加者のうち、イベント登録者以外の参加者「ユーザB」に紐付けられているスケジュール端末2-2に、このスケジュール情報を含むイベント出欠問合せを送信する(S124)。
【0028】
これを受けて、スケジューラ端末2-2は、スケジュール管理装置1から受信したイベント出欠問合せに含まれるスケジュール情報を表示して、ユーザBに新規イベントの出欠を確認する(S125)。ここで、スケジューラ端末2-2は、ユーザBから新規イベントへの出席操作を受け付けると(S126)、スケジュール管理装置1に、イベント出欠問合せに対するイベント出欠応答としてイベント出席応答を送信する(S127)。これを受けて、スケジュール管理装置1は、スケジュール情報データベースを更新して、新規イベントのスケジュール情報に登録されている参加者のうち、イベント出席応答の送信元のスケジューラ端末2-2に紐付けられた参加者「ユーザB」の出欠予定を「出席」に更新する(S128)。
【0029】
また、スケジュール管理装置1は、定期的にスケジュール情報データベースの登録状況を監視しており、S122によりスケジュール情報がスケジュール情報データベースに新規登録されたことを検出すると(S129)、このスケジュール情報(本シーケンスの以下の説明において、S129で検出したスケジュール情報を新規登録スケジュール情報と呼ぶ)に複数の参加者が含まれているか否かを確認する。ここでは、参加者が複数(2人)登録されていること(イベント登録者とそれ以外のユーザが参加者として登録されていること)を確認する。その後、以下のように、それぞれの参加者について、順次、イベント開催日当日の出退勤計画を確認し、その確認結果に応じて残業申請を行う。
【0030】
まず、スケジュール管理装置1は、新規登録スケジュール情報に含まれる参加者のなかから、イベント登録者でもある参加者「ユーザA」を特定したものとする(S130)。それから、スケジュール管理装置1は、特定した参加者「ユーザA」および新規登録スケジュール情報の開催期間「2022/11/15 17:00~19:00」により特定されるイベント開催日(ここでは「2022/11/15」)の指定を伴う出退勤計画要求を勤怠管理システム3に送信する(S131)。
【0031】
これを受けて、勤怠管理システム3は、出退勤計画要求で指定されている参加者「ユーザA」について、出退勤計画要求で指定されたイベント開催日「2022/11/15」における出退勤計画情報を検索する。そして、イベント開催日「2022/11/15」における参加者「ユーザA」の出退勤計画情報をスケジュール管理装置1に送信する(S132)。
【0032】
スケジュール管理装置1は、イベント開催日「2022/11/15」における参加者「ユーザA」の出退勤計画情報を勤怠管理システム3から受信すると、新規登録スケジュール情報の開催期間「2022/11/15 17:00~19:00」により特定されるイベント終了時刻(ここでは「19:00」)が、この出退勤計画情報に含まれる退社時刻を超過しているか否かを調べる。ここでは、イベント終了時刻「19:00」が退社時刻を超過していないことを確認したとする(S133)。
【0033】
つぎに、スケジュール管理装置1は、新規登録スケジュール情報から「ユーザA」以外の参加者「ユーザB」を特定し、この参加者「ユーザB」のイベント出欠予定が「出席」であることを確認すると(S134)、特定した参加者「ユーザB」および新規登録スケジュール情報の開催期間「2022/11/15 17:00~19:00」により特定されるイベント開催日「2022/11/15」の指定を伴う出退勤計画要求を勤怠管理システム3に送信する(S135)。
【0034】
これを受けて、勤怠管理システム3は、出退勤計画要求で指定されている参加者「ユーザB」について、出退勤計画要求で指定されたイベント開催日「2022/11/15」における出退勤計画情報を検索する。そして、イベント開催日「2022/11/15」における参加者「ユーザB」の出退勤計画情報をスケジュール管理装置1に送信する(S136)。
【0035】
スケジュール管理装置1は、イベント開催日「2022/11/15」における参加者「ユーザB」の出退勤計画情報を勤怠管理システム3から受信すると、新規登録スケジュール情報の開催期間「2022/11/15 17:00~19:00」により特定されるイベント終了時刻「19:00」が、この出退勤計画情報に含まれている退社時刻を超過しているか否かを調べる。ここでは、イベント終了時刻「19:00」が退社時刻を超過していることを確認したとする(S137)。その後、この出退勤計画情報に紐付けられている参加者「ユーザB」およびイベント開催日「2022/11/15」の指定を伴う残業申請状況要求を勤怠管理システム3に送信する(S138)。
【0036】
これを受けて、勤怠管理システム3は、残業申請状況要求で指定されている参加者「ユーザB」について、残業申請状況要求で指定されたイベント開催日「2022/11/15」における残業申請情報を検索する。そして、その検索結果を含む残業申請状況通知をスケジュール管理装置1に送信する(S139)。ここでは、残業申請情報が検出されず、検索結果として「残業申請なし」が残業申請状況通知に含まれているものとする。
【0037】
つぎに、スケジュール管理装置1は、勤怠管理システム3から受信した残業申請状況通知に基づいて、参加者「ユーザB」の残業申請の要否を判断する。ここでは、残業申請状況通知に含まれている検索結果が「残業申請なし」であるので、参加者「ユーザB」の残業申請「要」と判断する(S140)。これを受けて、スケジュール管理装置1は、新規登録スケジュール情報に含まれるイベントの件名「〇〇発表会の打合せ」、残業申請「要」と判断された参加者「ユーザB」、および新規登録スケジュール情報に含まれる開催期間「2022/11/15 17:00~19:00」により特定されるイベント開催日「2022/11/15」を含み、このイベント開催期間により特定されるイベント終了時刻「19:00」以降の時刻を退社時刻とする残業申請情報を勤怠管理システム3に送信する(S141)。
【0038】
つぎに、勤怠管理システム3は、スケジュール管理装置1から残業申請情報を受信すると、これを登録する(S142)。そして、スケジュール管理装置1に残業申請情報受領通知を送信する(S143)。
【0039】
つぎに、本実施の形態に係るスケジュール管理システムを構成するスケジュール管理装置1およびスケジューラ端末2の詳細について説明する。
【0040】
なお、勤怠管理システム3には、残業計画管理機能および残業申請処理機能を備えた既存の勤怠管理システムを用いることができるので、その詳細な説明を省略する。
【0041】
まず、スケジュール管理装置1の詳細を説明する。
【0042】
図5は、スケジュール管理装置1の概略機能構成図である。
【0043】
図示するように、スケジュール管理装置1は、LANインターフェース部100と、スケジュール情報データベース101と、ユーザ情報記憶部102と、スケジュール登録処理部103と、出欠確認処理部104と、スケジュール情報監視部105と、出退勤計画取得部106と、残業申請処理部107と、を備えている。
【0044】
LANインターフェース部100は、LAN4を介してスケジューラ端末2および勤怠管理システム3と通信するためのインターフェースである。
【0045】
スケジュール情報データベース101には、イベント毎にイベントのスケジュール情報が記憶されている。
【0046】
図6は、スケジュール情報データベース101の登録内容例を模式的に表した図である。
【0047】
図示するように、スケジュール情報データベース101には、イベント毎にスケジュール情報のレコード1010が記憶される。スケジュール情報のレコード1010は、イベントの識別情報であるイベントIDが登録されたフィールド1011と、イベントの件名が登録されたフィールド1012と、イベントの開催期間(イベント開催日、イベント開催時間帯(イベント開始時刻、イベント終了時刻))が登録されたフィールド1013と、イベントの参加者各々のユーザ名がその出欠予定とともに登録されたフィールド1014と、イベント登録者のユーザ名が登録されたフィールド1015と、を有する。
【0048】
ユーザ情報記憶部102には、ユーザ毎に、ユーザ名およびスケジューラ端末2のアドレス情報を含むユーザ情報が記憶されている。
【0049】
スケジュール登録処理部103は、LANインターフェース部100を介してスケジューラ端末2より受信したスケジュール登録要求で指定された参加者および開催期間を含むイベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベース101に登録するとともに、このスケジューラ端末2にスケジュール登録通知を送信する。この際、イベントの各参加者の出欠予定について、イベント登録者である参加者は「出席」、それ以外の参加者は「未定」とする。また、スケジュール登録処理部103は、出欠確認処理部104の指示に従い、スケジュール情報データベース101に登録されているスケジュール情報のレコード1010に含まれている参加者の出欠予定を「未定」から「出席」または「欠席」に更新する。
【0050】
出欠確認処理部104は、スケジュール登録処理部103によりスケジュール情報データベース101に登録されたスケジュール情報のレコード1010に含まれる出欠予定「未定」の参加者毎に、この参加者に紐付けられてユーザ情報記憶部102に記憶されているアドレス情報により特定されるスケジューラ端末2に、このスケジュール情報を含むイベント出欠問合せを送信する。そして、イベント出欠問合せ送信先のスケジューラ端末2からイベント出欠応答を受信すると、このスケジューラ端末2のユーザの出欠予定を、受信したイベント出欠応答に従って更新するようにスケジュール登録処理部103に指示する。
【0051】
スケジュール情報監視部105は、定期的にスケジュール情報データベース101の登録状況を監視し、スケジュール情報データベース101に新規登録されたスケジュール情報を検出する。そして、検出したスケジュール情報から出欠予定「出席」の参加者を特定し、このスケジュール情報とともに出退勤計画取得部106に通知する。
【0052】
出退勤計画取得部106は、スケジュール情報監視部105から通知された出欠予定「出席」の参加者毎に、参加者およびスケジュール情報監視部105から通知された新スケジュール情報の開催期間により特定されるイベント開催日の指定を伴う出退勤計画要求を勤怠管理システム3に送信して、このイベント開催日における出欠予定「出席」の各参加者の出退勤計画情報を勤怠管理システム3から取得する。
【0053】
図7は、勤怠管理システム3から取得される出退勤計画情報の一例を模式的に表した図である。
【0054】
図示するように、出退勤計画情報は、ユーザ名1060、出勤日1061、出社時刻1062、および退社時刻1063を含んで構成される。
【0055】
残業申請処理部107は、出退勤計画取得部106によって取得された出退勤計画情報毎に、スケジュール情報監視部105により検知されたスケジュール情報の開催期間により特定されるイベント終了時刻が、この出退勤計画情報に含まれている退社時刻を超過しているか否かを判断する。そして、イベント終了時刻が出退勤計画情報の退社時刻を超過しているならば、この出退勤計画情報にユーザ名が含まれる参加者およびこのスケジュール情報の開催期間により特定されるイベント開催日の指定を伴う残業申請状況要求を勤怠管理システム3に送信する。これにより、イベント開催日における出欠予定「出席」の各参加者の残業申請状況通知を勤怠管理システム3から取得する。
【0056】
図8は、勤怠管理システム3から取得される残業申請状況通知の一例を模式的に表した図である。
【0057】
図示するように、残業申請状況通知は、ユーザ名1070、出勤日1071、残業申請有無1072を含んで構成される。また、残業申請有無1072が「申請あり」の場合には、残業申請状況通知は、さらに残業申請内容1073を含んで構成される。残業申請内容1073は、残業が必要となるイベントの件名1074、および申請する退社時刻1075を含む。
【0058】
そして、残業申請処理部107は、取得した残業申請状況通知に基づいて、残業申請の要否を判断する。具体的には、スケジュール情報監視部105により検知されたスケジュール情報の開催期間により特定されるイベント終了時刻以降の時刻を退社時刻とする残業申請を行っているか否かを判断することにより、残業申請の要否を判断する。そして、残業申請「要」と判断した出欠予定「出席」の参加者について、このスケジュール情報の開催期間により特定されるイベント開催日における退社時刻をイベント終了時刻以降の時刻に延長するための残業申請情報を勤怠管理システム3に送信する。
【0059】
図5に示すスケジュール管理装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースを備えたパーソナルコンピュータ等において、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されるものでもよい。
【0060】
図9はスケジュール管理装置1のスケジュール登録動作を説明するためのフロー図である。
【0061】
このフローは、LANインターフェース部100を介してスケジューラ端末2からスケジュール登録要求を受信することにより開始される。
【0062】
まず、スケジュール登録処理部103は、以下のように新規イベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベース101に新規登録する。新規のイベントIDを発行して、このイベントIDを含むレコード1010をスケジュール情報データベース101に新規登録する。そして、このレコード1010のフィールド1012~1014に、スケジュール登録要求で指定されている新規イベントの件名、参加者、および開催期間を登録する。また、ユーザ情報記憶部102を参照して、スケジュール登録要求の送信元のスケジューラ端末2に紐付けられたユーザを特定し、このユーザをイベント登録者としてこのレコード1010のフィールド1015に登録する。さらに、このレコード1010のフィールド1014に参加者各々の出欠予定を追加登録する。本実施形態では、参加者がイベント登録者である場合にはその参加者の出欠予定を「出席」、それ以外の参加者である場合にはその出欠予定を「未定」とする。その後、スケジュール登録処理部103は、LANインターフェース部100を介してスケジュール登録要求の送信元のスケジューラ端末2にスケジュール登録通知を送信する(S200)。
【0063】
つぎに、スケジュール登録処理部103は、スケジュール情報データベース101に新規登録されたスケジュール情報のレコード1010のフィールド1014に出欠予定「未定」の参加者(すなわちイベント登録者以外の参加者)が含まれているか否かを判断する(S201)。
【0064】
そして、出欠予定「未定」の参加者が含まれていないならば(イベント登録者のみが参加する新規イベントである場合)(S201でNO)、このフローを終了する。
【0065】
一方、出欠予定状況「未定」の参加者が含まれているならば(イベント登録者以外の参加者も参加する新規イベントである場合)(S201でYES)、ユーザ情報記憶部102を参照して、出欠予定「未定」の参加者に紐付けられたスケジューラ端末2を特定する。そして、S200で登録した新規イベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベース101から読み出して、このスケジュール情報とともに、出欠予定「未定」の参加者のユーザ名とスケジューラ端末2のアドレス情報との対応情報を出欠確認処理部104に通知する。
【0066】
これを受けて、出欠確認処理部104は、LANインターフェース部100を介して、すべての出欠予定「未定」の参加者のスケジューラ端末2に、スケジュール登録処理部103から受け取ったスケジュール情報を含むイベント出欠問合せを送信する(S202)。
【0067】
つぎに、出欠確認処理部104は、LANインターフェース部100を介して、イベント出欠問合せの送信先であるスケジューラ端末2から、イベントIDを含むイベント出欠応答(イベント出席応答またはイベント欠席応答)を受信すると(S203でYES)、このスケジューラ端末2に紐付けられている参加者を出欠回答者として、受信したイベント出欠応答とともにスケジュール登録処理部103に通知する。
【0068】
これを受けて、スケジュール登録処理部103は、スケジュール情報データベース101に登録されたスケジュール情報のうち、イベントIDによりイベント出欠応答に対応付けられるスケジュール情報(S200でスケジュール情報データベース101に新規登録された新規イベントのスケジュール情報)に含まれている出欠回答者の出欠予定を、イベント出欠応答による出欠回答(イベント出席またはイベント欠席)に基づいて「未定」から「出席」または「欠席」に更新する(S204)。
【0069】
また、スケジュール登録処理部103は、スケジュール情報データベース101に新規登録された新規イベントのスケジュール情報に含まれるすべての参加者の出欠予定が確定したか否かを判断し、未だ出欠予定が「未定」のままの参加者が含まれているならば(S205でNO)S203に戻り、すべての参加者の出欠予定が確定したならば(S205でYES)、このフローを終了する。
【0070】
図10はスケジュール管理装置1の残業申請動作を説明するためのフロー図である。
【0071】
このフローは、定期的にスケジュール情報データベース101の登録状況を監視しているスケジュール情報監視部105が、新規登録されたスケジュール情報を検出することにより開始される(本フローの以下の説明において、スケジュール情報監視部105が検出したスケジュール情報を新規登録スケジュール情報と呼ぶ)。
【0072】
まず、スケジュール情報監視部105は、検出した新規登録スケジュール情報に含まれる出欠予定「出席」の参加者のなかから、未選択の参加者を残業申請要否判断対象の参加者として選択する(S210)。そして、残業申請要否判断対象の参加者を、新規登録スケジュール情報とともに出退勤計画取得部106に通知する。
【0073】
これを受けて、出退勤計画取得部106は、LANインターフェース部100を介して勤怠管理システム3に、残業申請要否判断対象の参加者の指定と、新規登録スケジュール情報の開催期間により特定されるイベント開催日の指定と、を伴う出退勤計画要求を送信する。そして、勤怠管理システム3から、イベント開催日における残業申請要否判断対象の参加者の出退勤計画情報(図7参照)を取得する(S211)。
【0074】
つぎに、出退勤計画取得部106は、新規登録スケジュール情報の開催期間により特定されるイベント終了時刻が、取得した出退勤計画情報に含まれている退社時刻を超過しているか否かを判断する(S212)。その結果、イベント終了時刻が退社時刻を超過している場合は(S212でYES)、S213に進み、超過していない場合は(S212でNO)、S217に進む。
【0075】
S213において、出退勤計画取得部106は、残業申請要否判断対象の参加者および新規登録スケジュール情報を残業申請処理部107に通知する。これを受けて、残業申請処理部107は、LANインターフェース部100を介して勤怠管理システム3に、残業申請要否判断対象の参加者の指定と、新規登録スケジュール情報の開催期間により特定されるイベント開催日の指定と、を伴う残業申請状況要求を送信する。そして、勤怠管理システム3から、イベント開催日における残業申請要否判断対象の参加者の残業申請状況通知(図8参照)を取得する。
【0076】
それから、残業申請処理部107は、取得した残業申請状況通知に基づいて、残業申請要否判断対象の参加者について残業申請要否を判断する(S214)。具体的には、新規登録スケジュール情報の開催期間により特定されるイベント終了時刻以降の時刻を退社時刻とする残業申請を行っているか否かを判断することにより、残業申請要否を判断する。
【0077】
そして、残業申請処理部107は、残業申請要否判断対象の参加者について残業申請「要」と判断した場合(S215でYES)、残業申請要否判断対象の参加者と、新規登録スケジュール情報に含まれるイベントの件名と、新規登録スケジュール情報に含まれる開催期間により特定されるイベント開催日と、この開催期間により特定されるイベント終了時刻以降の時刻(例えばイベント終了時刻の15分後)と、を含む残業申請情報を、LANインターフェース部100を介して勤怠管理システム3に送信して、勤怠管理システム3から残業申請情報受領通知を受信する(S216)。その後、S217に進む。これを受けて、勤怠管理システム3は、残業申請情報を登録する。
【0078】
一方、残業申請要否判断対象の参加者について残業申請「否」と判断した場合(S215でNO)、直ちにS217に進む。
【0079】
S217において、スケジュール情報監視部105は、検出した新規登録スケジュール情報に含まれる出欠予定「出席」の参加者のなかに、未選択の参加者がいるか否かを判断する。そして、出欠予定「出席」の参加者のなかに未選択の参加者がいるならば(S217でYES)、S210に戻って処理を続ける。
【0080】
一方、出欠予定「出席」の参加者のなかに未選択の参加者がいないならば(S217でNO)、スケジュール情報監視部105は、新規登録スケジュール情報の参加者のなかに出欠予定「未定」の参加者がいるか否かを判断する(S218)。そして、出欠予定「未定」の参加者がいるならば(S218でYES)、この参加者の出欠予定が、スケジュール登録処理部103によって更新されるのを監視し、更新されたならば(S219でYES)、S217に戻って処理を続ける。一方、出欠予定「未定」の参加者がいないならば(S218でNO)、このフローを終了する。
【0081】
つぎに、スケジューラ端末2の詳細を説明する。
【0082】
図11は、スケジューラ端末2の概略機能構成図である。
【0083】
図示するように、スケジューラ端末2は、LANインターフェース部200と、マンマシンインターフェース部201と、スケジュール登録要求部202と、イベント出欠応答部203と、を備えている。
【0084】
LANインターフェース部200は、LAN4を介してスケジュール管理装置1と通信するためのインターフェースである。
【0085】
マンマシンインターフェース部201は、ユーザに情報を提示したり、ユーザから情報の入力を受け付けたりするためのインターフェースであり、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置と、液晶ディスプレイ等の表示装置と、を有している。
【0086】
スケジュール登録要求部202は、マンマシンインターフェース部201を介してユーザから新規イベントのスケジュール登録操作を受け付けた場合に、このスケジュール登録操作で指定された新規イベントの件名、参加者、および開催期間を含むスケジュール登録要求を、LANインターフェース部200を介してスケジュール管理装置1に送信する。また、このスケジュール登録要求に対する応答としてスケジュール管理装置1から受信したスケジュール登録通知をマンマシンインターフェース部201に出力する。
【0087】
イベント出欠応答部203は、LANインターフェース部200を介してスケジュール管理装置1からイベント出欠問合せを受信した場合に、このイベント出欠問合せに含まれている新規イベントのスケジュール情報をマンマシンインターフェース部201に出力して、ユーザに新規イベントの出欠を確認する。そして、マンマシンインターフェース部201を介してユーザから受け付けた出欠回答操作の内容(出席操作または欠席操作)に応じたイベント出欠応答(イベント出席応答またはイベント欠席応答)を、LANインターフェース部200を介してスケジュール管理装置1に送信する。
【0088】
図11に示すスケジューラ端末2の機能構成は、図5に示すスケジュール管理装置1の機能構成と同様に、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSPなどの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、および、NIC等の通信インターフェースを備えたパーソナルコンピュータ、スマートフォン等において、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されるものでもよい。
【0089】
図12は、スケジューラ端末2の動作を説明するためのフロー図である。
【0090】
スケジュール登録要求部202は、マンマシンインターフェース部201を介してユーザから新規イベントのスケジュール登録操作を受け付けると(S300でYES)、このスケジュール登録操作で指定された新規イベントの件名、参加者、および開催期間を含むスケジュール登録要求を、LANインターフェース部200を介してスケジュール管理装置1に送信する(S301)。そして、スケジュール登録要求部202は、LANインターフェース部200を介してスケジュール管理装置1から、このスケジュール登録要求に対するスケジュール登録通知を受信してマンマシンインターフェース部201に出力する(S302)。
【0091】
また、イベント出欠応答部203は、LANインターフェース部200を介してスケジュール管理装置1からイベント出欠問合せを受信すると(S303でYES)、このイベント出欠問合せに含まれている新規イベントのスケジュール情報をマンマシンインターフェース部201に出力して、ユーザから新規イベントの出欠回答操作を受け付ける(S304)。そして、イベント出欠応答部203は、この出欠回答操作の内容に応じたイベント出欠応答(イベント出席応答またはイベント欠席応答)を、LANインターフェース部200を介してスケジュール管理装置1に送信する(S305)。
【0092】
以上、本発明の第1実施の形態について説明した。
【0093】
本実施の形態において、ユーザがスケジューラ端末2を用いてスケジュール管理装置1に新規イベントのスケジュール情報を登録すると、スケジュール管理装置1は、この新規イベントのイベント終了時刻が、勤怠管理システム3に登録されているユーザの出退勤計画情報により特定されるイベント開催日の退社時刻を超過しているならば、自動で残業申請を行う。したがって、本実施の形態によれば、残業の事前申請に対応することができる。
【0094】
また、本実施の形態において、スケジュール管理装置1に登録された新規イベントのスケジュール情報に参加者が複数含まれている場合、スケジュール管理装置1は、イベント登録者以外の参加者のスケジューラ端末2にイベント出欠問合せを送信して、イベント登録者以外の参加者の出欠を確認する。そして、新規イベントのイベント終了時刻が、新規イベントに参加予定の参加者の出退勤計画情報により特定されるイベント開催日の退社時刻を超過しているならば、自動で残業申請を行う。したがって、本実施の形態によれば、イベント登録者以外の参加者についても残業の事前申請を自動で行うことができる。
【0095】
また、本実施の形態において、新規イベントのイベント終了時刻が、新規イベントに参加予定の参加者の出退勤計画情報により特定されるイベント開催日の退社時刻を超過している場合に、スケジュール管理装置1は、この参加者について、イベント開催日における残業申請状況を勤怠管理システム3から取得して、この残業申請状況に基づいて残業申請の要否を判断する。そして、残業申請「要」と判断した場合に、この参加者の残業申請を自動で行う。したがって、本実施の形態によれば、残業の重複申請を防止することができる。
【0096】
[第2実施の形態]
つぎに、本発明の第2実施の形態について説明する。
【0097】
本実施の形態に係るスケジュール管理システムが図1に示す本発明の第1実施の形態に係るスケジュール管理システムと異なる点は、スケジュール管理装置1に代えてスケジュール管理装置1aを用いたことである。その他の構成は、図1に示す本発明の第1実施の形態に係るスケジュール管理システムと同様である。
【0098】
図13および図14は、本実施の形態に係るスケジュール管理システムの動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0099】
まず、スケジューラ端末2-1は、ユーザ(ユーザA)からスケジュール登録操作を受け付けると(S400)、このスケジュール登録操作で指定された新規イベントの件名、参加者、および開催期間を含むスケジュール登録要求をスケジュール管理装置1aに送信する(S401)。ここでは、スケジュール登録操作により、新規イベントの件名および開催期間として「〇〇発表会の打合せ」および「2022/11/16 17:00~18:00」が指定されるとともに、新規イベントの参加者としてスケジューラ端末2-1のユーザ「ユーザA」およびスケジューラ端末2-2のユーザ「ユーザB」が指定されたものとする。
【0100】
これを受けて、スケジュール管理装置1aは、新規イベントのスケジュール情報をスケジュール情報データベースに登録する(S402)。ここでスケジュール情報データベースに登録されるスケジュール情報は、スケジュール登録要求で指定された新規イベントの件名「〇〇発表会の打合せ」、参加者「ユーザA{スケジューラ端末2-1に紐付けられているユーザ}」、「ユーザB(スケジューラ端末2-2に紐付けられているユーザ)」、および開催期間として「2022/11/16 17:00~18:00」を含むとともに、イベント登録者として、スケジュール登録要求の送信元のスケジューラ端末2-1に紐付けられているユーザ「ユーザA」を含む。それから、スケジュール管理装置1aは、スケジュール登録要求の送信元であるスケジューラ端末2―1にスケジュール登録通知を送信する(S403)。
【0101】
つぎに、スケジュール管理装置1aは、スケジュール情報データベースに新規登録された新規イベントのスケジュール情報に含まれる参加者のうち、イベント登録者以外の参加者「ユーザB」に紐付けられているスケジューラ端末2-2に、このスケジュール情報を含むイベント出欠問合せを送信する(S404)。
【0102】
これを受けて、スケジューラ端末2-2は、スケジュール管理装置1aから受信したイベント出欠問合せに含まれているスケジュール情報を表示して、ユーザBに新規イベントの出欠を確認する(S405)。ここで、スケジューラ端末2-2は、ユーザBから新規イベントへの出席操作を受け付けると(S406)、スケジュール管理装置1aに、イベント出欠問合せに対するイベント出欠応答としてイベント出席応答を送信する(S407)。これを受けて、スケジュール管理装置1aは、スケジュール情報データベースを更新して、新規イベントのスケジュール情報に登録されている参加者のうち、イベント出席応答の送信元のスケジューラ端末2-2に紐付けられた参加者「ユーザB」の出欠予定を「出席」に更新する(S408)。
【0103】
また、スケジュール管理装置1aは、定期的にスケジュール情報データベースの登録状況を監視しており、S402によりスケジュール情報がスケジュール情報データベースに新規登録されたことを検出すると(S409)、このスケジュール情報(本シーケンスの以下の説明において、S402で検出したスケジュール情報を新規登録スケジュール情報と呼ぶ)に複数の参加者が含まれているか否かを確認する。ここでは、参加者が複数(2人)登録されていること(イベント登録者とそれ以外のユーザが参加者として登録されていること)を確認する。その後、以下のように、それぞれの参加者について、順次、新規イベント開催日当日の出退勤計画を確認し、その確認結果に応じて残業申請を行う。
【0104】
まず、スケジュール管理装置1aは、新規登録スケジュール情報に含まれる参加者のなかから、イベント登録者でもある参加者「ユーザA」を特定したものとする(S410)。
【0105】
つぎに、スケジュール管理装置1aは、特定した参加者「ユーザA」が。残業申請の承認権限を保持する者(承認者)でないこと確認して(S411)、特定した参加者「ユーザA」および新規登録スケジュール情報に登録されている開催期間「2022/11/16 17:00~18:00」により特定されるイベント開催日(ここでは「2022/11/16」)の指定を伴う出退勤計画要求を勤怠管理システム3に送信する(S412)。
【0106】
これを受けて、勤怠管理システム3は、出退勤計画要求で指定されている参加者「ユーザA」について、出退勤計画要求で指定されたイベント開催日「2022/11/16」における出退勤計画情報を検索する。そして、イベント開催日「2022/11/16」における参加者「ユーザA」の出退勤計画情報をスケジュール管理装置1aに送信する(S413)。
【0107】
スケジュール管理装置1aは、イベント開催日「2022/11/16」における参加者「ユーザA」の出退勤計画情報を勤怠管理システム3から受信すると、新規登録スケジュール情報の開催期間「2022/11/16 17:00~18:00」により特定されるイベント終了時刻(ここでは「18:00」)が、この出退勤計画情報に含まれる退社時刻を超過しているか否かを調べる。ここでは、イベント終了時刻が退社時刻を超過していることを確認したとする(S414)。スケジュール管理装置1aは、この出退勤計画情報に紐付けられている参加者「ユーザA」およびイベント開催日「2022/11/16」の指定を伴う残業申請状況要求を勤怠管理システム3に送信する(S415)。
【0108】
これを受けて、勤怠管理システム3は、残業申請状況要求で指定されている参加者「ユーザA」について、残業申請状況要求で指定されたイベント開催日「2022/11/16」における残業申請情報を検索する。そして、その検索結果を含む残業申請状況通知をスケジュール管理装置1aに送信する(S416)。ここでは、残業申請情報が検出されず、検索結果として「残業申請なし」が残業申請状況通知に含まれているものとする。
【0109】
つぎに、スケジュール管理装置1aは、勤怠管理システム3から受信した残業申請状況通知に基づいて、参加者「ユーザA」の残業申請の要否を判断する。ここでは、残業申請状況通知に含まれている検索結果が「残業申請なし」であるので、スケジュール管理装置1aは、残業申請「要」と判断する(S417)。
【0110】
つぎに、スケジュール管理装置1aは、参加者「ユーザA」の残業申請承認者が新規登録スケジュール情報に出欠予定「出席」の参加者として含まれているか否かを判断する。ここでは、参加者「ユーザA」の残業申請承認者が、新規登録スケジュール情報に出欠予定「出席」の参加者として含まれているユーザBであることを確認したものとする(S418)。これを受けて、スケジュール管理装置1aは、新規登録スケジュール情報に含まれる新規イベントの件名「〇〇発表会の打合せ」、残業申請「要」と判断された参加者「ユーザA」、および残業申請承認者である参加者「ユーザB」による承認済情報を含み、新規登録スケジュール情報の開催期間「2022/11/16 17:00~18:00」により特定されるイベント終了時刻「18:00」以降の時刻を退社時刻とする残業申請情報(承認済)を、勤怠管理システム3に送信する(S419)。
【0111】
勤怠管理システム3は、スケジュール管理装置1aから残業申請情報(承認済)を受信すると、これを登録する(S420)。そして、スケジュール管理装置1aに残業申請情報受領通知を送信する(S421)。
【0112】
つぎに、スケジュール管理装置1aは、新規登録スケジュール情報に登録されている参加者のなかから、ユーザA以外の参加者「ユーザB」を特定し、この参加者「ユーザB」のイベント出欠予定が「出席」であることを確認すると(S422)、ユーザBが残業申請の承認者であるか否かを確認する。そして、特定した参加者「ユーザB」が残業申請の承認者であることを確認すると(S423)、この参加者「ユーザB」の残業申請は不要と判断し、処理を終了する。
【0113】
つぎに、スケジュール管理装置1aの詳細を説明する。
【0114】
図15は、スケジュール管理装置1aの概略機能構成図である。
【0115】
本実施の形態に係るスケジュール管理装置1aが図5に示す第1実施の形態に係るスケジュール管理装置1と異なる点は、ユーザ情報記憶部102、スケジュール情報監視部105、および残業申請処理部107に代えて、ユーザ情報記憶部102a、スケジュール情報監視部105a、および残業申請処理部107aに用いたことである。その他の構成は、図5に示す第1実施の形態に係るスケジュール管理装置1と同様である。
【0116】
ユーザ情報記憶部102aには、ユーザ毎に、ユーザ名およびスケジューラ端末2のアドレス情報に加えて、残業申請の承認権限の有無を含むユーザ情報が記憶されている。残業申請の承認権限「なし」のユーザのユーザ情報には、さらに、このユーザの残業申請に対して承認権限を有する承認者のユーザ名が含まれている。
【0117】
図16は、ユーザ情報記憶部102aの登録内容例を模式的に表した図である。
【0118】
図示するように、ユーザ情報記憶部102aには、スケジューラ端末2のユーザ毎に、ユーザ情報のレコード1020が記憶されている。ユーザ情報のレコード1020は、ユーザ名が登録されたフィールド1021と、ユーザに紐付けられたスケジューラ端末2のアドレス情報が登録されたフィールド1022と、残業申請の承認権限の有無が登録されたフィールド1023と、残業申請の承認権限「なし」の場合に残業申請承認者のユーザ名が登録されるフィールド1024と、を有する。
【0119】
スケジュール情報監視部105aは、定期的にスケジュール情報データベース101の登録状況を監視し、新規登録されたスケジュール情報を検出する。そして、検出したスケジュール情報に含まれる出欠予定「出席」の参加者のなかから、ユーザ情報記憶部102aのユーザ情報に承認権限「なし」と記憶されている参加者を特定して、特定した参加者を、検出したスケジュール情報とともに出退勤計画取得部106に通知する。
【0120】
残業申請処理部107aは、出退勤計画取得部106によって取得された出退勤計画情報毎に、スケジュール情報監視部105aにより検知されたスケジュール情報の開催期間により特定されるイベント終了時刻が、この出退勤計画情報に含まれている退社時刻を超過しているか否かを判断する。そして、イベント終了時刻が出退勤計画情報の退社時刻を超過しているならば、この出退勤計画情報にユーザ名が含まれる参加者およびこのスケジュール情報の開催期間により特定されるイベント開催日の指定を伴う残業申請状況要求を勤怠管理システム3に送信する。これにより、勤怠管理システム3から残業申請状況通知を取得する。
【0121】
そして、残業申請処理部107aは、取得した残業申請状況通知に基づいて、残業申請の要否を判断する。具体的には、スケジュール情報監視部105により検知されたスケジュール情報の開催期間により特定されるイベント終了時刻以降の時刻を退社時刻とする残業申請を行っているか否かを判断することにより、残業申請の要否を判断する。そして、残業申請「要」と判断した出欠予定「出席」の参加者について、このスケジュール情報の開催期間により特定されるイベント開催日における退社時刻をイベント終了時刻以降の時刻に延長するための残業申請情報を勤怠管理システム3に送信する。この際、ユーザ情報記憶部102aを参照してこの参加者の残業申請の承認者を特定し、特定した承認者が、このスケジュール情報に出欠予定「出席」の参加者として含まれているならば、承認者による承認済情報を付加した残業申請情報を勤怠管理システム3に送信する。
【0122】
図15に示すスケジュール管理装置1aの機能構成は、図5に示す第1実施の形態に係るスケジュール管理装置1と同様に、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSPなどの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、およびNIC等の通信インターフェースを備えたパーソナルコンピュータ等において、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されるものでもよい。
【0123】
なお、スケジュール管理装置1aのスケジュール登録動作は、図9に示すスケジュール管理装置1のスケジュール登録動作と同様であるので、その詳細は説明を省略する。
【0124】
図17および図18はスケジュール管理装置1aの残業申請動作を説明するためのフロー図である。
【0125】
このフローは、定期的にスケジュール情報データベース101の登録状況を監視するスケジュール情報監視部105aが、新規登録されたスケジュール情報を検出することにより開始される(本フローの以下の説明において、スケジュール情報監視部105aが検出したスケジュール情報を新規登録スケジュール情報と呼ぶ)。
【0126】
まず、スケジュール情報監視部105aは、検出した新規登録スケジュール情報に含まれる出欠予定「出席」の参加者のなかから、未選択の参加者を残業申請要否判断対象の参加者として選択する(S500)。そして、特定した残業申請要否判断対象の参加者を新規登録スケジュール情報とともに出退勤計画取得部106に通知する。
【0127】
これを受けて、出退勤計画取得部106は、LANインターフェース部100を介して勤怠管理システム3に、残業申請要否判断対象の参加者および新規登録スケジュール情報の開催期間により特定されるイベント開催日の指定を伴う出退勤計画要求を送信する。そして、勤怠管理システム3から、イベント開催日における残業申請要否判断対象の参加者の出退勤計画情報(図7参照)を取得する(S501)。
【0128】
つぎに、出退勤計画取得部106は、新規登録スケジュール情報の開催期間により特定されるイベント終了時刻が、取得した出退勤計画情報に含まれている退社時刻を超過しているか否かを判断する(S502)。その結果、イベント終了時刻が退社時刻を超過している場合は(S502でYES)、S503に進み、超過していない場合は(S502でNO)、S510に進む。
【0129】
S503において、出退勤計画取得部106は、残業申請要否判断対象の参加者および新規登録スケジュール情報を残業申請処理部107aに通知する。これを受けて、残業申請処理部107aは、ユーザ情報記憶部102aを参照し、残業申請要否判断対象の参加者が残業申請の承認権限を保持するか否か(承認者か否か)を判断する。承認者である場合は(S503でYES)、S510に進み、承認者ではない場合は(S503でNO)、S504に進む。
【0130】
S504において、残業申請処理部107aは、LANインターフェース部100を介して勤怠管理システム3に、残業申請要否判断対象の参加者および新規登録スケジュール情報の開催期間により特定されるイベント開催日の指定を伴う残業申請状況要求を送信する。そして、勤怠管理システム3から、イベント開催日における残業申請要否判断対象の参加者の残業申請状況通知(図8参照)を取得する。
【0131】
それから、残業申請処理部107aは、勤怠管理システム3から取得した残業申請状況通知に基づいて、新規登録スケジュール情報の開催期間により特定されるイベント終了時刻以降の時刻を退社時刻とする残業申請を行っているか否かを判断することにより、残業申請の要否を判断する(S505)。そして、残業申請要否判断対象の参加者について残業申請「否」と判断した場合(S506でNO)、S510に進む。
【0132】
一方、残業申請要否判断対象の参加者について残業申請「要」と判断した場合(S506でYES)、残業申請処理部107aは、ユーザ情報記憶部102aを参照して、残業申請要否判断対象の参加者の承認者を特定し、特定した承認者が出欠予定「出席」の参加者として新規登録スケジュール情報に含まれているか否かを判断する(S507)。
【0133】
残業申請の承認者が出欠予定「出席」の参加者として新規登録スケジュール情報に含まれている場合(S507でYES)、残業申請処理部107aは、残業申請要否判断対象の参加者と、新規登録スケジュール情報に含まれている新規イベントの件名と、新規登録スケジュール情報に含まれている開催期間により特定されるイベント開催日と、この開催期間により特定されるイベント終了時刻以降の時刻(例えば15分後)と、承認者による承認済情報と、を含む残業申請情報(承認済)を、LANインターフェース部100を介して勤怠管理システム3に送信して、勤怠管理システム3から残業申請情報受領通知を受信する(S508)。その後、S510に進む。これを受けて、勤怠管理システム3は、残業申請情報(承認済)を登録する。
【0134】
一方、残業申請の承認者が出欠予定「出席」の参加者として新規登録「スケジュール情報に含まれていない場合(S507でNO)、残業申請処理部107aは、残業申請要否判断対象の参加者と、新規登録スケジュール情報に含まれている新規イベントの件名と、新規登録スケジュール情報に含まれている開催期間により特定されるイベント開催日と、この開催期間により特定されるイベント終了時刻以降の時刻(例えば15分後)と、を含む残業申請情報(未承認)を、LANインターフェース部100を介して勤怠管理システム3に送信して、勤怠管理システム3から残業申請情報受領通知を受信する(S509)。その後、S510に進む。これを受けて、勤怠管理システム3は、残業申請情報(未承認)を登録する。
【0135】
S510において、スケジュール情報監視部105aは、新規登録スケジュール情報に含まれる出欠予定「出席」の参加者のなかに、未選択の参加者がいるか否かを判断する。そして、出欠予定「出席」の参加者のなかに未選択の参加者がいるならば(S510でYES)、S500に戻って処理を続ける。
【0136】
一方、出欠予定「出席」の参加者のなかに未選択の参加者がいないならば(S510でNO)、スケジュール情報監視部105aは、新規登録スケジュール情報に含まれる参加者のなかに、出欠予定「未定」の参加者がいるか否かを判断する(S511)。そして、出欠予定「未定」の参加者がいるならば(S511でYES)、この参加者の出欠予定が、スケジュール登録処理部103によって更新されるのを監視し、更新されたならば(S512でYES)、S510に戻って処理を続ける。一方、出欠予定「未定」の参加者がいないならば(S511でNO)、このフローを終了する。
【0137】
以上、本発明の第2実施の形態について説明した。
【0138】
本実施の形態は、上記第1実施の形態の効果に加えて、つぎの効果を有する。すなわち、本実施の形態において、スケジュール管理装置1aは、新規イベントの参加者の残業申請情報を勤怠管理システム3に送信する際、ユーザ情報記憶部102aを参照して、この参加者の残業申請の承認者を特定し、特定した承認者が、同一イベントの出欠予定「出席」の参加者であるならば、残業申請に承認済情報を付加して勤怠管理システム3に送信する。この場合、勤怠管理システム3の管理者は、参加者の残業申請の承認者からこの残業申請の承認をあらためて得ることなく、この参加者の出退勤計画情報に残業申請情報を反映させることができる。したがって、本実施の形態によれば、勤怠管理システム3の管理者の利便性が向上する。
【0139】
なお、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0140】
例えば、上記の各実施の形態において、スケジュール管理装置1、1aは、勤怠管理システム3に残業申請情報を送信後、勤怠管理システム3から残業申請情報受領通知を受信することなく、所定時間(例えば1分)の経過によりタイムアウトした場合、勤怠管理システム3に対する残業申請情報の登録に失敗したものと判断し、残業申請情報に含まれている参加者に紐付けられているスケジューラ端末2に、残業申請の提出に失敗した旨のメッセージを送信するようにしてもよい。
【0141】
また、上記の各実施の形態において、スケジュール管理装置1、1aは、勤怠管理システム3に、残業申請要否判断対象の参加者および新規登録スケジュール情報の開催期間により特定されるイベント開催日の指定を伴う残業申請状況要求を送信して、勤怠管理システム3から、イベント開催日における残業申請要否判断対象の参加者の残業申請状況通知(図8参照)を取得した場合、この残業申請状況通知の実績に承認申請の結果(承認済または申請却下)が含まれているならば、その承認申請の結果を示すメッセージを、この参加者のスケジューラ端末2に送信するようにしてもよい。
【0142】
また、上記の各実施の形態では、スケジュール情報データベース101をスケジュール管理装置1、1aに内蔵しているが、本発明はこれに限定されない。スケジュール情報データベース101は、スケジュール管理装置1、1aにネットワーク接続あるいはローカル接続されたものでもよい。
【0143】
また、上記の各実施の形態では、スケジューラ端末2に紐付けられたユーザ各々の残業申請情報を勤怠管理システム3が管理しているが、本発明はこれに限定されない。勤怠管理システム3とは別途設けられた残業申請管理装置にユーザ各々の残業申請情報を管理させてもよい。この場合、スケジューラ端末2は、残業申請管理装置に残業申請状況要求を送信して、残業申請管理装置から残業申請状況通知を取得する。そして、残業申請管理装置に残業申請情報を送信する。
【符号の説明】
【0144】
1、1a:スケジュール管理装置
2、2-1~2-n:スケジューラ端末
3:勤怠管理システム 4:LAN
5:WAN 6:ゲートウェイ
100、200:LANインターフェース部
101:スケジュール情報データベース
102、102a:ユーザ情報記憶部
103:スケジュール登録処理部 104:出欠確認処理部
105、105a:スケジュール情報監視部
106:出退勤計画取得部 107、107a:残業申請処理部
201:マンマシンインターフェース部
202:スケジュール登録要求部 203:イベント出欠応答部
図1
図2
図3
図4
図5
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