IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 愛三工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011454
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】電池温調装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/633 20140101AFI20240118BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240118BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20240118BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240118BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240118BHJP
   H01M 10/6571 20140101ALI20240118BHJP
   H01M 10/6569 20140101ALI20240118BHJP
【FI】
H01M10/633
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/6556
H01M10/625
H01M10/6571
H01M10/6569
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113427
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 衛
(72)【発明者】
【氏名】河井 伸二
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031CC09
5H031KK03
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】電池の温調要求に応じ、電池を選択的に冷却又は暖機することで電池の温度調整を行うこと。
【解決手段】電池温調装置1は、電池パック2と、電池パック2と熱媒体とを熱交換する熱交換部12と、熱媒体を熱交換部12へ流す熱媒体回路3とを備え、熱媒体を熱媒体回路3により熱交換部12へ流して電池パック2と熱交換させることで電池パック2の温度を調整する。熱媒体回路3は、電池パック2を暖機するために昇温媒体を熱交換部12へ流す暖機回路5と、電池パック2を冷却するために冷却媒体を熱交換部12へ流す冷却回路6とを含む。電池温調装置1は、電池パック2を暖機するときは、熱交換部12と暖機回路5とを繋ぎ、電池パック2を冷却するときは、熱交換部12と冷却回路6とを繋ぐように回路を切り換える回路切換手段9を更に備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池と、
前記電池と熱媒体とを熱交換するための熱交換部と、
前記熱媒体を前記熱交換部へ流すための熱媒体回路と
を備え、前記熱媒体を前記熱媒体回路により前記熱交換部へ流して前記電池と熱交換させることにより前記電池の温度を調整する電池温調装置において、
前記熱媒体回路は、前記電池を暖機するために昇温した前記熱媒体を前記熱交換部へ流す暖機回路と、前記電池を冷却するために冷却した前記熱媒体を前記熱交換部へ流す冷却回路とを含み、
前記電池を暖機するときは、前記熱交換部と前記暖機回路とを繋ぎ、前記電池を冷却するときは、前記熱交換部と前記冷却回路とを繋ぐように回路を切り換えるための回路切換手段を更に備える
ことを特徴とする電池温調装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電池温調装置において、
前記電池は、ケースに複数の電池セルを収容した複数の電池スタックより構成され、
前記熱交換部は、複数の前記電池スタック毎に前記熱媒体が流れるように配設される
ことを特徴とする電池温調装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電池温調装置において、
前記熱交換部は、一端に前記熱媒体の第1出入口を有し、他端に前記熱媒体の第2出入口を有する熱交換配管より構成され、
前記熱交換配管は、前記第1出入口から前記電池の外周部近傍を廻り、更に前記電池の中央部近傍を廻ってから前記第2出入口に至るように配設される
ことを特徴とする電池温調装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電池温調装置において、
前記熱交換部は、前記熱媒体が出入りする第1出入口と第2出入口を有し、
前記電池を暖機するときは、前記回路切換手段を切り換えることにより、前記熱交換部と前記暖機回路とを繋いで前記第1出入口から前記第2出入口へ前記熱媒体を流し、前記電池を冷却するときは、前記回路切換手段を切り換えることにより、前記熱交換部と前記冷却回路とを繋いで前記第2出入口から前記第1出入口へ前記熱媒体を流すように構成した
ことを特徴とする電池温調装置。
【請求項5】
請求項3に記載の電池温調装置において、
前記電池を暖機するときは、前記回路切換手段を切り換えることにより、前記熱交換配管と前記暖機回路とを繋いで前記第1出入口から前記第2出入口へ前記熱媒体を流し、前記電池を冷却するときは、前記回路切換手段を切り換えることにより、前記熱交換配管と前記冷却回路とを繋いで前記第2出入口から前記第1出入口へ前記熱媒体を流すように構成した
ことを特徴とする電池温調装置。
【請求項6】
請求項1に記載の電池温調装置において、
前記電池に複数の前記熱交換部が設けられ、複数の前記熱交換部は、それぞれ前記熱媒体が出入りする第1出入口と第2出入口を有し、
前記暖機回路は、前記電池を暖機するために昇温した前記熱媒体を複数の前記熱交換部へ流すように構成され、
前記冷却回路は、前記電池を冷却するために冷却した前記熱媒体を複数の前記熱交換部へ流すように構成され、
複数の前記熱交換部それぞれの前記第1出入口及び前記第2出入口の少なくとも一方に電磁弁が更に設けられ、
前記回路切換手段及び複数の前記電磁弁を制御するための制御手段を更に備え、
前記制御手段は、前記電池を暖機する要求があるときは、複数の前記熱交換部と前記暖機回路とを繋ぐために前記回路切換手段を制御すると共に複数の前記電磁弁を制御し、前記電池を冷却する要求があるときは、複数の前記熱交換部と前記冷却回路とを繋ぐために前記回路切換手段を制御すると共に複数の前記電磁弁を制御する
ことを特徴とする電池温調装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電池温調装置において、
複数の前記熱交換部は、前記電池を冷却するときは、前記電池の中央部ほど前記熱媒体の流量が多くなるように、前記電池を暖機するときは、前記電池の外周部ほど前記熱媒体の流量が多くなるように前記電池に配設される
ことを特徴とする電池温調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に開示される技術は、主として充放電可能な二次電池の温度を調節するように構成した電池温調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載される「電池温調装置」が知られている。この装置は、複数の電池セルを含む電池パックにつき、複数の電池セルを熱媒体と熱交換させることで、複数の電池セルの温度を調整するようになっている。ここで、複数の電池セルそれぞれの温度は、それらのレイアウトによって異なる。そこで、この装置は、温度調整後の複数の電池セルの温度を同じ温度に近づけるために、次のような構成を有する。
【0003】
すなわち、この装置は、電池パック、熱媒体回路及び伝熱量調整部を備える。電池パックは、第1電池セルと、第1電池セルと電気的に接続された第2電池セルと、第1電池セルと熱媒体(冷媒)とを熱交換させる第1熱交換部と、第2電池セルと冷媒とを熱交換させる第2熱交換部とを含む。熱媒体回路は、温度調整された冷媒を第1熱交換部及び第2熱交換部へ流すようになっている。ここで、第1電池セル及び第2電池セルの温度が調整されていない状態では、所定の使用条件下において、第1電池セルと第2電池セルとの間で充放電による発熱によって温度差が生じる。伝熱量調整部は、所定の使用条件下で、非温度調整状態と比較して、温度調整後の第1電池セルと第2電池セルとの温度差が小さくなるように、第1電池セルと冷媒との間の第1伝熱量と、第2電池セルと冷媒との間の第2伝熱量とを調整するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-44135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の電池温調装置は、複数の電池セルのレイアウトを考慮し、複数の電池セルの充放電による発熱に対し、電池セルの間の温度差が小さくなるように冷媒により冷却する技術ではある。しかし、この装置は、冷間時に複数の電池セルを暖機する技術については開示していない。ここで、電池の通年使用を考えた場合、電池を適正温度に調整するには、電池の冷却と暖機の両方が必要となるので、それを達成できる電池温調装置の提案が望まれている。
【0006】
この開示技術は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電池の温度調整要求に応じ、電池を選択的に冷却又は暖機することで電池の温度調整を可能とした電池温調装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の技術は、電池と、電池と熱媒体とを熱交換するための熱交換部と、熱媒体を熱交換部へ流すための熱媒体回路とを備え、熱媒体を熱媒体回路により熱交換部へ流して電池と熱交換させることにより電池の温度を調整する電池温調装置において、熱媒体回路は、電池を暖機するために昇温した熱媒体を熱交換部へ流す暖機回路と、電池を冷却するために冷却した熱媒体を熱交換部へ流す冷却回路とを含み、電池を暖機するときは、熱交換部と暖機回路とを繋ぎ、電池を冷却するときは、熱交換部と冷却回路とを繋ぐように回路を切り換えるための回路切換手段を更に備えることを趣旨とする。
【0008】
上記技術の構成によれば、熱媒体を熱交換部へ流すための熱媒体回路は、電池を暖機するために昇温した熱媒体(昇温媒体)を熱交換部へ流す暖機回路と、電池を冷却するために冷却した熱媒体(冷却媒体)を熱交換部へ流す冷却回路とを含む。そして、電池を暖機するときは、回路切換手段により回路を切り換えることにより、熱交換部と暖機回路とが繋がれて昇温媒体が熱交換部へ流れる。また、電池を冷却するときは、回路切換手段により回路を切り換ることにより、熱交換部と冷却回路とが繋がれて冷却媒体が熱交換部へ流れる。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、電池は、ケースに複数の電池セルを収容した複数の電池スタックより構成され、熱交換部は、複数の電池スタック毎に熱媒体が流れるように配設されることを趣旨とする。
【0010】
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、電池を暖機するときは、回路切換手段により回路を切り換えることにより、複数の電池スタック毎に熱交換部と暖機回路とが繋がれ、電池スタック毎に熱交換部へ昇温媒体が流れる。また、電池を冷却するときは、回路切換手段により回路を切り換えることにより、複数の電池スタック毎に熱交換部と冷却回路とが繋がれ、電池スタック毎に熱交換部へ冷却媒体が流れる。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項3に記載の技術は、請求項1又は2に記載の技術において、熱交換部は、一端に熱媒体の第1出入口を有し、他端に熱媒体の第2出入口を有する熱交換配管より構成され、熱交換配管は、第1出入口から電池の外周部近傍を廻り、更に電池の中央部近傍を廻ってから第2出入口に至るように配設されることを趣旨とする。
【0012】
上記技術の構成によれば、請求項1又は2に記載の技術の作用に加え、熱交換配管に、第1出入口から熱媒体が流入することにより、熱媒体は電池の外周部近傍を先に廻り、その後に電池の中央部近傍を廻ってから第2出入口から流れ出る。一方、熱交換配管に、第2出入口から熱媒体が流入することにより、熱媒体は電池の中央部近傍を先に廻り、その後に電池の外周部近傍を廻ってから第1出入口から流れ出る。従って、熱交換配管に対し、第1出入口から熱媒体が流入することにより、電池の外周部近傍が先に熱媒体と熱交換され、その後に電池の中央部近傍が熱媒体と熱交換される。一方、熱交換配管に対し、第2出入口から熱媒体が流入することにより、電池の中央部近傍が先に熱媒体と熱交換され、その後に電池の外周部近傍が熱媒体と熱交換される。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項4に記載の技術は、請求項1又は2に記載の技術において、熱交換部は、熱媒体が出入りする第1出入口と第2出入口を有し、電池を暖機するときは、回路切換手段を切り換えることにより、熱交換部と暖機回路とを繋いで第1出入口から第2出入口へ熱媒体を流し、電池を冷却するときは、回路切換手段を切り換えることにより、熱交換部と冷却回路とを繋いで第2出入口から第1出入口へ熱媒体を流すように構成したことを趣旨とする。
【0014】
上記技術の構成によれば、請求項1又は2に記載の技術の作用に加え、電池を暖機するときは、回路切換手段を切り換えることにより、熱交換配管に、第1出入口から昇温媒体が流入し、第2出入口から流れ出る。一方、電池を冷却するときは、回路切換手段を切り換えることにより、熱交換配管に、第2出入口から冷却媒体が流入し、第1出入口から流れ出る。従って、電池を暖機するときは、昇温媒体が第1出入口から熱交換配管へ流れ、電池の外周部近傍を先に昇温媒体により暖機し、その後に電池の中央部近傍を昇温媒体により暖機することが可能となる。一方、電池を冷却するときは、冷却媒体が第2出入口から熱交換配管へ流れ、電池の中央部近傍を先に冷却媒体により冷却され、その後に電池の外周部近傍を冷却媒体により冷却することが可能となる。
【0015】
上記目的を達成するために、請求項5に記載の技術は、請求項3に記載の技術において、電池を暖機するときは、回路切換手段を切り換えることにより、熱交換配管と暖機回路とを繋いで第1出入口から第2出入口へ熱媒体を流し、電池を冷却するときは、回路切換手段を切り換えることにより、熱交換配管と冷却回路とを繋いで第2出入口から第1出入口へ熱媒体を流すように構成したことを趣旨とする。
【0016】
上記技術の構成によれば、請求項3に記載の技術の作用に加え、電池を暖機するときは、回路切換手段により熱交換配管と暖機回路とが繋がれ、第1出入口から熱交換配管に昇温媒体が流入し、昇温媒体が電池の外周部近傍を先に廻り、その後に電池の中央部近傍を廻ってから第2出入口から流れ出る。一方、電池を冷却するときは、回路切換手段により熱交換配管と冷却回路とが繋がれ、第2出入口から熱交換配管に冷却媒体が流入し、冷却媒体が電池の中央部近傍を先に廻り、その後に電池の外周部近傍を廻ってから第1出入口から流れ出る。
【0017】
上記目的を達成するために、請求項6に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、電池に複数の熱交換部が設けられ、複数の熱交換部は、それぞれ熱媒体が出入りする第1出入口と第2出入口を有し、暖機回路は、電池を暖機するために昇温した熱媒体を複数の熱交換部へ流すように構成され、冷却回路は、電池を冷却するために冷却した熱媒体を複数の熱交換部へ流すように構成され、複数の熱交換部それぞれの第1出入口及び第2出入口の少なくとも一方に電磁弁が更に設けられ、回路切換手段及び複数の電磁弁を制御するための制御手段を更に備え、制御手段は、電池を暖機する要求があるときは、複数の熱交換部と暖機回路とを繋ぐために回路切換手段を制御すると共に複数の電磁弁を制御し、電池を冷却する要求があるときは、複数の熱交換部と冷却回路とを繋ぐために回路切換手段を制御すると共に複数の電磁弁を制御することを趣旨とする。
【0018】
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、電池を暖機する要求があるときは、複数の熱交換部と暖機回路とを繋ぐために制御手段が回路切換手段を制御すると共に複数の電磁弁を制御する。これにより、複数の熱交換部と暖機回路とが繋がれ、複数の熱交換部へ昇温媒体が流れる。一方、電池を冷却する要求があるときは、複数の熱交換部と冷却回路とを繋ぐために制御手段が回路切換手段を制御すると共に複数の電磁弁を制御する。これにより、複数の熱交換部と冷却回路とが繋がれ、複数の熱交換部へ冷却媒体が流れる。従って、制御手段が、回路切換手段を制御すると共に複数の電磁弁を選択的に開弁制御することにより、複数の熱交換部の一部へ選択的に昇温媒体又は冷却媒体が流れる。
【0019】
上記目的を達成するために、請求項7に記載の技術は、請求項6に記載の技術において、複数の熱交換部は、電池を冷却するときは、電池の中央部ほど熱媒体の流量が多くなるように、電池を暖機するときは、電池の外周部ほど熱媒体の流量が多くなるように電池に配設されることを趣旨とする。
【0020】
上記技術の構成において、電池を暖機する要求があるときは、電池の中央部よりも低温の外周部から暖機するのが好ましい。また、電池を冷却する要求があるときは、電池の外周部よりも高温の中央部から冷却するのが好ましい。上記技術の構成によれば、請求項6に記載の技術の作用に加え、複数の熱交換部は、電池を冷却するときは、その中央部ほど冷却媒体の流量が多くなるように配設されるので、電池の中央部へ多くの冷却媒体が流れる。一方、複数の熱交換部は、電池を暖機するときは、その外周部ほど昇温媒体の流量が多くなるように配設されるので、電池の外周部へ多くの昇温媒体が流れる。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の技術によれば、電池の温調要求に応じ、電池を選択的に冷却又は暖機することができる。
【0022】
請求項2に記載の技術によれば、請求項1記載の技術の効果に加え、電池を構成する複数の電池スタックそれぞれを選択的に冷却又は暖機することができる。
【0023】
請求項3に記載の技術によれば、請求項1又は2に記載の技術の効果に加え、熱媒体を第1出入口と第2出入口に対し選択的に流入させることで、電池の外周部近傍又は中央部近傍のどちらかを先に選択的に熱媒体と熱交換させることができる。
【0024】
請求項4に記載の技術によれば、請求項1又は2に記載の技術の効果に加え、電池を暖機するときは、電池又はそれを構成する電池スタックの外周部近傍を中央部近傍よりも先に効果的な暖機を図ることができ、電池を冷却するときは、電池又はそれを構成する電池スタックの中央部近傍を外周部近傍よりも先に効果的な冷却を図ることができる。
【0025】
請求項5に記載の技術によれば、請求項3に記載の技術の効果に加え、電池を暖機するときは、電池又はそれを構成する電池スタックの外周部近傍を中央部近傍よりも先に効果的に暖機することができ、電池を冷却するときは、電池又はそれを構成する電池スタックの中央部近傍を外周部近傍よりも先に効果的に冷却することができる。
【0026】
請求項6に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術の効果に加え、電池の一部分を選択的に暖機又は冷却することができる。
【0027】
請求項7に記載の技術によれば、請求項6に記載の技術の効果に加え、電池を冷却するときは、電池の中央部を効果的に冷却することができ、電池を暖機するときは、電池の外周部を効果的に暖機することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1実施形態に係り、電池温調装置を示す概略図。
図2】第1実施形態に係り、電池スタックを示す概略図。
図3】第1実施形態に係り、電池パックの暖機冷却制御の内容を示すフローチャート。
図4】第1実施形態に係り、運転モード2の電池温調装置における冷却媒体の流れを示す概略図。
図5】第1実施形態に係り、運転モード1の電池温調装置における昇温媒体の流れを示す概略図。
図6】第1実施形態に係り、運転モード2における電池スタックの状態を示す図2に準ずる概略図。
図7】第1実施形態に係り、運転モード1における電池スタックの状態を示す図2に準ずる概略図。
図8】第2実施形態に係り、運転モード1における電池スタックの状態を示す図7に準ずる概略図。
図9】第2実施形態に係り、運転モード2における電池スタックの状態を示す図6に準ずる概略図。
図10】第3実施形態に係り、電池温調装置を示す概略図。
図11】第4実施形態に係り、六方弁を示す断面図。
図12】第4実施形態に係り、六方弁を示す断面図。
図13】第5実施形態に係り、電池温調装置を示す概略図。
図14】第5実施形態に係り、電池パック冷却制御の内容を示すフローチャート。
図15】第5実施形態に係り、電池パック冷却制御による電池パックの温度制御結果を示すグラフ。
図16】第5実施形態に係り、電池パック冷却制御による電池パックの温度制御結果を示すグラフ。
図17】第6実施形態に係り、電池パック冷却制御の内容を示すフローチャート。
図18】第7実施形態に係り、電池パックの暖機冷却制御の内容を示すフローチャート。
図19】第8実施形態に係り、電池温調装置を示す概略図。
図20】第9実施形態に係り、電池温調装置を示す概略図。
図21】第10実施形態に係り、電池温調装置を示す概略図。
図22】第11実施形態に係り、電池温調装置を示す概略図。
図23】第12実施形態に係り、電池温調装置を示す概略図。
図24】第13実施形態に係り、電池温調装置を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、電池温調装置を具体化した幾つかの実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態につき、図1図7を参照して説明する。以下の説明では、一例として、電気自動車に搭載される電池(二次電池)の温度を調整するための電池温調装置について説明する。
【0031】
[電池温調装置の概略について]
図1に、この実施形態の電池温調装置1を概略図により示す。電池温調装置1は、概略的には、一つの電池パック2と、熱媒体回路3と、熱媒体回路3における熱媒体の流れを制御するための電子制御装置(ECU)4とを備える。電池パック2は、この開示技術の「電池」の一例に相当し、並列に配置された複数の電池スタック11A~11Eと、複数の電池スタック11A~11Eと熱媒体とを熱交換するために各電池スタック11A~11E毎に設けられた複数の熱交換部12とを含む。熱媒体回路3は、熱媒体を複数の熱交換部12へ流すように構成される。この実施形態で、熱媒体は、例えば、水により構成される。この電池温調装置1は、熱媒体を熱媒体回路3により複数の熱交換部12へ流して複数の電池スタック11A~11Eそれぞれと熱交換させることにより複数の電池スタック11A~11Eの温度を、延いては電池パック2の温度を調整するようになっている。なお、図1の電池パック2において、隣り合う電池スタック11A~11Eの間隔は便宜上広めに示すが、実際の間隔は狭くなっている(以後に説明する他の図においても同様。)。
【0032】
[電池スタックについて]
この実施形態で、各電池スタック11A~11Eは、一列に並んだ複数の電池セル13がケース14に収容されて構成され(図1の電池スタック11A,11Eに電池セル13とケース14を例示的に示す。)。これら電池スタック11A~11Eが、一つのハウジング15に収容されることで一つの電池パック2が構成される。各電池スタック11A~11Eは、各電池セル13の電極が並列に接続されたスタック電極(図示略)を有する。ここで、複数の電池セル13それぞれには、その温度(電池セル温度TBCX)を検出するためのセル温度センサ19が設けられる(図1には、便宜上、各電池スタック11A~11Eに一つのセル温度センサ19のみを例示的に示す。)。
【0033】
[熱交換部について]
図2に、電池スタック11A~11Eを概略図により示す。図2に示すように、電池スタック11A~11Eにおいて、熱交換部12は、一端に熱媒体の第1出入口16aを有し、他端に熱媒体の第2出入口16bを有する熱交換配管16より構成される。この熱交換配管16は、第1出入口16aから電池スタック11A~11Eの外周部近傍を廻り、更に電池スタック11A~11Eの中央部近傍を廻ってから第2出入口16bに至るように配設される。すなわち、図2に示すように、第1出入口16aから電池スタック11A~11Eの内部へ伸びる熱交換配管16は、電池スタック11A~11Eの外周部に沿ってほぼ一周してから、折り返しほぼ半周戻り、更に、電池スタック11A~11Eの中央部をジグザグに折れ曲がりながら第2出入口16bに至るように配設される。この構成により、熱交換配管16は、各電池スタック11A~11Eにて、一列に並んだ複数の電池セル13に対し熱媒体が順次流れるように配設される。この実施形態では、図1に示すように、各電池スタック11A~11Eに対応した第1出入口16aは、第1共通配管17に並列に接続され、各電池スタック11A~11Eに対応した第2出入口16bは、第2共通配管18に並列に接続される。
【0034】
上記した熱交換配管16の配置により、第1出入口16aに流れ込んだ熱媒体は、電池スタック11A~11Eの外周部近傍を流れた後、中央部近傍を流れて第2出入口16bから流れ出るようになっている。このとき、各電池セル13では、その外周部近傍を熱媒体が流れた後、中央部近傍を熱媒体が流れることになる。これに対し、第2出入口16bに流れ込んだ熱媒体は、電池スタック11A~11Eの中央部近傍を流れた後、外周部近傍を流れて第1出入口16aから流れ出るようになっている。このとき、各電池セル13では、その中央部近傍を熱媒体が流れた後、外周部近傍を熱媒体が流れることになる。
【0035】
[熱媒体回路について]
図1に示すように、この実施形態の熱媒体回路3は、暖機回路5と、冷却回路6と、第1三方弁7及び第2三方弁8を含む回路切換手段9とを備える。暖機回路5は、暖機配管21と、その暖機配管21にて熱媒体を加熱するヒータ22と、暖機配管21にてヒータ22で昇温した熱媒体(昇温媒体)を圧送する電動式の第1ポンプ23と、ヒータ22と第1ポンプ23との間の暖機配管21に設けられ、昇温媒体の温度(昇温媒体温度HTHW)を検出するための第1媒体温度センサ24とを含む。ヒータ22として、例えば、電気的に動作するヒータを使用することができる。冷却回路6は、冷却配管31と、その冷却配管31にて熱媒体を冷却するクーラ32と、冷却配管31にてクーラ32で冷却した熱媒体(冷却媒体)を圧送する電動式の第2ポンプ33と、クーラ32と第2ポンプ33との間の冷却配管31に設けられ、冷却媒体の温度(冷却媒体温度CTHW)を検出するための第2媒体温度センサ34とを含む。クーラ32として、例えば、電気的に動作するクーラを使用することができる。
【0036】
第1三方弁7は、第1ポート7a、第2ポート7b及び第3ポート7cを有し、第2三方弁8は、第1ポート8a、第2ポート8b及び第3ポート8cを有する。暖機配管21の一端は、第1三方弁7の第1ポート7aに接続され、暖機配管21の他端は、第2三方弁8の第3ポート8cに接続される。第1共通配管17は、第1三方弁7の第2ポート7bに接続される。冷却配管31の一端は、第2三方弁8の第1ポート8aに接続され、冷却配管31の他端は、第1三方弁7の第3ポート7cに接続される。第2共通配管18は、第2三方弁8の第2ポート8bに接続される。第1三方弁7及び第2三方弁8として、例えば、電気的に動作する弁を使用することができる。
【0037】
ここで、第1三方弁7と第2三方弁8は、各電池スタック11A~11Eを暖機するときは、各熱交換配管16と暖機回路5とを繋ぎ、各電池スタック11A~11Eを冷却するときは、各熱交換配管16と冷却回路6とをつなぐように回路を切り換えるようになっている。
【0038】
上記の構成により、暖機回路5は、複数の電池スタック11A~11Eを暖機するために、ヒータ22により昇温した昇温媒体を第1ポンプ23により圧送して各熱交換配管16へ流すように構成される。また、冷却回路6は、複数の電池スタック11A~11Eを冷却するために、クーラ32により冷却した冷却媒体を第2ポンプ33により圧送して各熱交換配管16へ流すように構成される。
【0039】
[電池温調装置の電気的構成について]
この実施形態において、ECU4は、電池温調装置の制御を司り、この開示技術の制御手段の一例に相当する。すなわち、上記した第1媒体温度センサ24、第2媒体温度センサ34及び多数のセル温度センサ19は、それぞれECU4に接続される。また、上記した第1三方弁7、第2三方弁8、ヒータ22、第1ポンプ23、クーラ32及び第2ポンプ33は、それぞれECU4に接続される。そして、ECU4は、各センサ19,24,34の検出値に基いて第1三方弁7、第2三方弁8、ヒータ22、第1ポンプ23、クーラ32及び第2ポンプ33を制御するようになっている。
【0040】
ここで、電池パック2は、各電池セル13の温度が低いほど性能が低下し、各電池セル13を、例えば「25℃以上」で使用すると劣化する傾向があるとする。そこで、電池パック2の性能を確保するためには、各電池セル13をできる限り「25℃近傍」で使用する必要がある。そこで、電気自動車を如何なる環境条件下でどのように運転しても上記課題を満足させるためには、熱媒体回路3の高性能化又は大型化が必要になるが、電池温調装置1のコストアップと体格増(車両搭載性悪化)を招いてしまう。そこで、この実施形態では、熱媒体回路3の性能を最大限に引き出し、電池パック2の性能確保と劣化抑制を低コストで図るために、ECU4は、次のような「電池パックの暖機冷却制御」を実行するようになっている。
【0041】
[電池パックの暖機冷却制御について]
図3に、この「電池パックの暖機冷却制御」の内容の一例をフローチャートにより示す。処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ100で、ECU4は、複数の電池スタック11A~11Eにつき、各電池セル13のセル温度センサ19により検出される電池セル温度TBCXを取り込む。
【0042】
次に、ステップ110で、ECU4は、取り込まれた複数の電池セル温度TBCXの中から最高電池セル温度TBCMXと最低電池セル温度TBCMNを求める。
【0043】
次に、ステップ120で、ECU4は、冷却回路6の第2媒体温度センサ34により検出される冷却媒体温度CTHWと、暖機回路5の第1媒体温度センサ24により検出される昇温媒体温度HTHWをそれぞれ取り込む。
【0044】
次に、ステップ130で、ECU4は、最高電池セル温度TBCMXが、電池劣化の基準となる「25℃」より高いか否かを判断する。ECU4は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ140へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ190へ移行する。
【0045】
ステップ140では、ECU4は、冷却媒体温度CTHWが最高電池セル温度TBCMXより低いか否かを判断する。ECU4は、この判断結果が肯定となる場合は、運転モード2(DM2)を実行するために処理をステップ150へ移行し、この判断結果が否定となる場合は、運転モード3(DM3)を実行するために処理をステップ170へ移行する。
【0046】
そして、運転モード2(DM2)において、ステップ150では、ECU4は、第1三方弁7をオンし、第2三方弁8をオンする。
【0047】
また、運転モード2(DM2)において、ステップ160では、ECU4は、第1ポンプ23をオフし、第2ポンプ33をオンする。その後、ECU4は、処理をステップ100へ戻す。
【0048】
図4に、運転モード2(DM2)の電池温調装置1における冷却媒体の流れを概略図により示す。この場合、冷却回路6から電池パック2へ流れる冷却媒体は、図4に矢印で示すように、各電池スタック11A~11Eにて、熱交換配管16へ第2出入口16bから流入し、熱交換配管16より第1出入口16aから流出する。この場合の電池スタック11A~11Eにおける冷却媒体の流れを図6に矢印で示す。図6には、運転モード2(DM2)における電池スタック11A~11Eの状態を図2に準ずる概略図により示す。この場合、各電池スタック11A~11Eの中央部ほど温度が高いことから、冷却媒体が高温の中央部から流れて冷却することになる。
【0049】
一方、ステップ140から移行したステップ170で、運転モード3(DM3)において、ECU4は、第1三方弁7をオフし、第2三方弁8をオフする。
【0050】
また、運転モード3(DM3)において、ステップ180では、ECU4は、第1ポンプ23をオフし、第2ポンプ33をオフする。その後、ECU4は、処理をステップ100へ戻す。
【0051】
図1に、この運転モード3(DM3)における電池温調装置1の状態を示す。この場合、図1に示すように、電池パック2へは、冷却回路6からも暖機回路5からも熱媒体が流れない。
【0052】
一方、ステップ130から移行してステップ190では、ECU4は、昇温媒体温度HTHWが最低電池セル温度TBCMNより高いか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合は、運転モード1(DM1)を実行するために処理をステップ200へ移行し、この判断結果が否定となる場合は、運転モード3(DM3)を実行するために処理をステップ170へ移行する。
【0053】
そして、運転モード1(DM1)において、ステップ200では、ECU4は、第1三方弁7をオフし、第2三方弁8をオフする。
【0054】
また、運転モード1(DM1)において、ステップ210では、ECU4は、第1ポンプ23をオンし、第2ポンプ33をオフする。その後、ECU4は、処理をステップ100へ戻す。
【0055】
図5に、この運転モード1(DM1)の電池温調装置1における昇温媒体の流れを概略図により示す。この場合、暖機回路5から電池パック2へ流れる昇温媒体は、図5に矢印で示すように、各電池スタック11A~11Eにて、熱交換配管16へ第1出入口16aから流入し、熱交換配管16より第2出入口16bから流出する。この場合の電池スタック11A~11Eにおける昇温媒体の流れを図7に矢印で示す。図7には、運転モード1(DM1)における電池スタック11A~11Eの状態を図2に準ずる概略図により示す。この場合、各電池スタック11A~11Eの外周部ほど温度が低いことから、昇温媒体が低温の外周部から流れて暖機することになる。
【0056】
上記した「電池パックの暖機冷却制御」によれば、ECU4は、電池パック2を構成する複数の電池セル13の温度(電池セル温度TBCX)、冷却回路6から電池パック2へ流れる冷却媒体の温度(冷却媒体温度CTHW)及び暖機回路5から電池パック2へ流れる昇温媒体の温度(昇温媒体温度HTHW)を取り込む。そして、ECU4は、電池パック2に暖機が必要な場合(最高電池セル温度TBCMXが「25℃」より高くない場合)であって、昇温媒体温度HTHWが全電池セル13の最低電池セル温度TBCMNより高い場合は、運転モード1(DM1)を実行する。すなわち、ECU4は、電池パック2の暖機を継続し、暖機回路5から電池パック2へ昇温媒体を流し続けるために、第1及び第2の三方弁7,8と第1及び第2のポンプ23,33を制御する。この場合、昇温媒体温度HTHWが低くても、最低電池セル温度TBCMNより高ければ、電池パック2の暖機効果を得ることができ、電池パック2を性能を確保することができる。
【0057】
一方、ECU4は、電池パック2に冷却が要求な場合(最高電池セル温度TBCMXが「25℃」より高い場合)であって、冷却媒体温度CTHWが最高電池セル温度TBCMXより低い場合は、運転モード2(DM2)を実行する。すなわち、ECU4は、電池パック2の冷却を継続し、冷却回路6から電池パック2へ冷却媒体を流し続けるために、第1及び第2の三方弁7,8と第1及び第2のポンプ23,33を制御する。この場合、冷却媒体温度CTHWが高くても、最高電池セル温度TBCMXより低ければ、電池パック2の冷却効果を得ることができ、電池パック2の劣化を抑制することができる。
【0058】
また、ECU4は、上記した運転モード1及び運転モード2以外の場合は、運転モード3(DM3)を実行する。すなわち、ECU4は、昇温媒体及び冷却媒体による電池パック2の暖機と冷却を停止するために、第1及び第2の三方弁7,8と第1及び第2のポンプ23,33を制御する。ここで、運転モード2から運転モード3への切り換え時に、三方弁7,8をオンしたまま第2ポンプ33をオフすることで、電池パック2の冷却機能を停止することができるが、三方弁7,8を同時にオフするので無駄な電力消費を防止することができる。
【0059】
更に、ECU4は、運転モード1では、三方弁7,8を両方オフするので、電池パック2に暖機が必要な電池性能の低い場合には、三方弁7,8を両方オフすることで電池パック2への負荷を低減することができる。
【0060】
[電池温調装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の電池温調装置1の構成によれば、熱媒体を熱交換部12(熱交換配管16)へ流すための熱媒体回路3は、電池パック2を暖機するために昇温した熱媒体(昇温媒体)を熱交換配管16へ流す暖機回路5と、電池パック2を冷却するために冷却した熱媒体(冷却媒体)を熱交換配管16へ流す冷却回路6とを含む。そして、電池パック2を暖機するときは、回路切換手段9により回路を切り換えることにより、熱交換配管16と暖機回路5とが繋がれて昇温媒体が熱交換配管16へ流れる。また、電池パック2を冷却するときは、回路切換手段9により回路を切り換えることにより、熱交換配管16と冷却回路6とが繋がれて冷却媒体が熱交換配管16へ流れる。このため、電池パック2(電池)の温調要求に応じ、電池パック2を選択的に冷却又は暖機することができる。
【0061】
この実施形態の構成によれば、電池パック2を暖機するときは、回路切換手段9により回路を切り換えることにより、複数の電池スタック11A~11E毎に熱交換部12(熱交換配管16)と暖機回路5とが繋がれ、電池スタック11A~11E毎に熱交換配管16へ昇温媒体が流れる。また、電池パック2を冷却するときは、回路切換手段9により回路を切り換えることにより、複数の電池スタック11A~11E毎に熱交換配管16と冷却回路6とが繋がれ、電池スタック11A~11E毎に熱交換配管16へ冷却媒体が流れる。このため、電池パック2を構成する複数の電池スタック11A~11Eそれぞれを選択的に冷却又は暖機することができる。
【0062】
この実施形態の構成によれば、熱交換配管16に、第1出入口16aから熱媒体が流入することにより、熱媒体は各電池スタック11A~11Eの外周部近傍を先に廻り、その後に各電池スタック11A~11Eの中央部近傍を廻ってから第2出入口16bから流れ出る。一方、熱交換配管16に、第2出入口16bから熱媒体が流入することにより、熱媒体は各電池スタック11A~11Eの中央部近傍を先に廻り、その後に各電池スタック11A~11Eの外周部近傍を廻ってから第1出入口16aから流れ出る。従って、熱交換配管16に対し、第1出入口16aから熱媒体が流入することにより、各電池スタック11A~11Eの外周部近傍が先に熱媒体と熱交換され、その後に各電池スタック11A~11Eの中央部近傍が熱媒体と熱交換される。また、熱交換配管16に対し、第2出入口16bから熱媒体が流入することにより、各電池スタック11A~11Eの中央部近傍が先に熱媒体と熱交換され、その後に各電池スタック11A~11Eの外周部近傍が熱媒体と熱交換される。このため、熱媒体を第1出入口16aと第2出入口16bに対し選択的に流入させることで、各電池スタック11A~11Eの外周部近傍又は中央部近傍のどちらかを先に選択的に熱媒体と熱交換させることができる。
【0063】
この実施形態の構成によれば、電池パック2を暖機するときは、回路切換手段9を切り換えることにより、熱交換配管16に、第1出入口16aから昇温媒体が流入し、第2出入口16bから流れ出る。一方、電池パック2を冷却するときは、回路切換手段9を切り換えることにより、熱交換配管16に、第2出入口16bから冷却媒体が流入し、第1出入口16aから流れ出る。従って、電池パック2を暖機するときは、昇温媒体が第1出入口16aから熱交換配管16へ流れ、電池パック2を構成する各電池スタック11A~11Eの外周部近傍を先に昇温媒体により暖機し、その後に電池スタック11A~11Eの中央部近傍を昇温媒体により暖機することが可能となる。一方、電池パック2を冷却するときは、冷却媒体が第2出入口16bから熱交換配管16へ流れ、電池パック2を構成する各電池スタック11A~11Eの中央部近傍を先に冷却媒体により冷却され、その後に各電池スタック11A~11Eの外周部近傍を冷却媒体により冷却することが可能となる。このため、電池パック2を暖機するときは、電池パック2を構成する各電池スタック11A~11Eの外周部近傍を中央部近傍よりも先に効果的な暖機を図ることができ、電池パック2を冷却するときは、電池パック2を構成する各電池スタック11A~11Eの中央部近傍を外周部近傍よりも先に効果的な冷却を図ることができる。
【0064】
この実施形態の構成によれば、電池パック2を暖機するときは、回路切換手段9により熱交換配管16と暖機回路5とが繋がれ、第1出入口16aから熱交換配管16に昇温媒体が流入し、昇温媒体が電池パックを2を構成する各電池スタック11A~11Eの外周部近傍を先に廻り、その後に各電池スタック11A~11Eの中央部近傍を廻ってから第2出入口16bから流れ出る。一方、電池パック2を冷却するときは、回路切換手段9により熱交換配管16と冷却回路6とが繋がれ、第2出入口16bから熱交換配管16に冷却媒体が流入し、冷却媒体が電池パックを2を構成する各電池スタック11A~11Eの中央部近傍を先に廻り、その後に各電池スタック11A~11Eの外周部近傍を廻ってから第1出入口16aから流れ出る。このため、電池パック2を暖機するときは、電池パック2を構成する各電池スタック11A~11Eの外周部近傍を中央部近傍よりも先に効果的に暖機することができ、電池パック2を冷却するときは、各電池スタック11A~11Eの中央部近傍を外周部近傍よりも先に効果的に冷却することができる。
【0065】
ここで、電池パック2又は各電池スタック11A~11Eを暖機する要求があるときは、電池パック2又は各電池スタック11A~11Eの中央部よりも低温の外周部から先に暖機するのが好ましい。また、電池パック2又は各電池スタック11A~11Eを冷却する要求があるときは、電池パック2又は各電池スタック11A~11Eの外周部よりも高温の中央部から先に冷却するのが好ましい。この実施形態では、電池パック2を暖機するときは、各電池スタック11A~11Eにつき中央部よりも低温の外周部から先に昇温媒体により暖機するので、各電池スタック11A~11Eを、延いては電池パック2を効果的に暖機することができる。一方、電池パック2を冷却するときには、各電池スタック11A~11Eにつき外周部よりも高温の中央部から先に冷却媒体により冷却するので、各電池スタック11A~11Eを、延いては電池パック2を効果的に冷却することができる。
【0066】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態につき、図8図9を参照して説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同等の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
【0067】
[熱交換配管の構成について]
この実施形態では、熱交換部12の構成の点で第1実施形態と異なる。図8図9に、電池スタック11A~11Eを概略図により示す。図8図9に示すように、この実施形態の電池スタック11A~11Eでも、熱交換部12は、一端に熱媒体の第1出入口16aを有し、他端に熱媒体の第2出入口16bを有する熱交換配管16より構成される。この熱交換配管16は、第1出入口16aから電池スタック11A~11Eの外周部近傍を廻り、更に電池スタック11A~11Eの中央部へ向けて渦巻き状に廻ってから第2出入口16bに至るように配設される。すなわち、第1出入口16aから電池スタック11A~11Eの内部へ伸びる熱交換配管16は、電池スタック11A~11Eの外周部から中央部へ向けて徐々に渦巻き状に周回しながら近付き、中央部から直線的に第2出入口16bに至るように配設される。この構成により、熱交換配管16は、電池スタック11A~11Eにて、一列に並んだ複数の電池セル13に対し熱媒体が順次繰り返し流れると共に、電池セル13の外周部から徐々に中央部へ向けて又は中央部から徐々に外周部へ向けて流れるように配設される。
【0068】
上記した熱交換配管16の配置により、第1出入口16aから熱交換配管16に流れ込んだ熱媒体は、電池スタック11A~11Eの外周部近傍を流れた後、外周部から中央部へ向けて徐々に渦巻き状に周回しながら流れ、中央部から一気に第2出入口16bから流れ出るようになっている。このとき、各電池セル13では、その外周部近傍を熱媒体が流れた後、中央部近傍へ熱媒体が流れる。これに対し、第2出入口16bから熱交換配管16に流れ込んだ熱媒体は、電池スタック11A~11Eの中央部近傍を流れた後、中央部から外周部へ向けて徐々に渦巻き上に周回しながら流れ、外周部から一気に第1出入口16aから流れ出るようになっている。このとき、各電池セル13では、その中央部近傍を熱媒体が流れた後、外周部近傍へ熱媒体が流れる。
【0069】
[電池温調装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の電池温調装置1の構成によれば、熱交換配管16(熱交換部12)の構成が異なるものの第1実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。
【0070】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態につき、図10を参照して説明する。
【0071】
[電池温調装置の概要について]
図10に、この実施形態の電池温調装置1を概略図により示す。この実施形態では、電池パック2の構成の点で前記各実施形態と異なる。図10に示すように、この実施形態では、一つの電池10のみに対し、熱媒体回路3から熱媒体が流れるように構成される。ここで、一つの電池10は、単体の電池要素であってもよく、又は、複数の電池セルで構成された電池スタックであってもよい。
【0072】
従って、この実施形態の電池温調装置1の構成によれば、電池パック2の構成が異なるものの、前記各実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。
【0073】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態につき、図11図12を参照して説明する。
【0074】
[回路切換手段について]
この実施形態では、回路切換手段9の構成の点で前記各実施形態と異なる。前記各実施形態では、回路切換手段9が二つの三方弁7,8により構成されたが、この実施形態では、回路切換手段9が一つの六方弁41により構成される。図11図12に、その六方弁41の一例を断面図により示す。図11は、電池パック2の冷却要求時における六方弁41の切り換え状態を示し、図12は、電池パック2の暖機要求時における六方弁41の切り換え状態を示す。
【0075】
図11図12に示すように、六方弁41は、平面円形状をなすケーシング42と、そのケーシング42の内部にて、回転可能に設けられた平面円形をなす回転体43とを備える。回転体43は、例えば、モータにより回動駆動されるようになっている。この回転体43には、略円弧状をなす第1~第4の四本の連通路44~47が並列に設けられる。各連通路44~47の両端は、回転体43の外周にて開口する。
【0076】
ケーシング42の外周には、第1~第6の六つのポート42a~42fが放射状に設けられる。ここで、第1ポート42aは、上記した第2三方弁8の第1ポート8aに対応し、第2ポート42bは、上記した第1三方弁7の第3ポート7cに対応し、第3ポート42cは、上記した第2三方弁8の第2ポート8bに対応し、第4ポート42dは、上記した第2三方弁8の第3ポート8cに対応し、第5ポート42eは、上記した第1三方弁7の第2ポート7aに対応し、更に、第6ポート42fは、上記した第1三方弁7の第2ポート7bに対応する。
【0077】
ここで、六方弁41の第1及び第2のポート42a,42bは、冷却配管31に接続され、第3ポート42cは、第2出入口16bの第1共通配管18に接続される。また、第4及び第5のポート42d,42eは、暖機配管21に接続され、第6ポート42fは、第1出入口16aの第2共通配管17に接続される。
【0078】
従って、電池パック2の冷却要求時に、六方弁41を図11に示す状態に切り換えることにより、図4と同様に電池パック2へ冷却媒体を流すことができる。また、電池パック2の暖機要求時に、六方弁41を図12に示す状態に切り換えることにより、図5と同様に電池パック2へ昇温媒体を流すことができる。
【0079】
[電池温調装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の電池温調装置1の構成によれば、回路切換手段9の構成が異なるものの、前記各実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。加えて、この実施形態では、一つの六方弁41により電池パック2への熱媒体の流れを切り換えることができるので、二つの三方弁7,8を使用する前記各実施形態よりも電池温調装置1をコンパクトに構成することができる。
【0080】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態につき、図13図16を参照して説明する。
【0081】
近時の電池について、主として次のような課題が考えられる。すなわち、(1)充電時間が長いこと、(2)温度上昇により劣化すること、(3)電池コストが高いこと。ここで、(1)の課題については、急速充電の大容量化(大電流化)で対応可能である。(2)の課題については、大容量化(大電流化)による背反として、急速充電(大電流)により電池温度が上昇して電池の劣化が進んでしまう。そこで、電池の急速充電時に電池温度の上昇を抑制するために、電池の冷却を空冷式から水冷式にすることが考えられる。ところが、水冷式にはポンプが不可欠になる。ポンプに要求される出力は、急速充電時の冷却性能により異なるが、急速充電時の電池の温度は、電池(電池セル等)の中央部ほど高くなる。電池の温度上昇を効率良く抑制するには、電池の最大温度を抑制する必要があるため、電池の温度を効率良く均一化する必要がある。ここで、ポンプへの出力要求は、走行時には過剰要求仕様になるため、できるだけ小型ポンプの採用が望まれる。(3)の課題については、製品改良や大量生産により低コスト化を図ることができる。
【0082】
そこで、この実施形態では、複数の電池スタック11A~11Fを含む電池パック2とそれに関連した構成を変更し、各電池スタック11A~11Fの温度に応じて各電池スタック11A~11Fへ流す冷却媒体の流量を制御するように構成した。
【0083】
[電池温調装置の構成について]
図13に、この実施形態の電池温調装置1を概略図により示す。図13に示す電池温調装置1は、電池パック2とそれに関連する構成の点で前記各実施形態と異なる。図13に示すように、この実施形態の電池パック2は、6つの電池スタック11A~11Fを含む。各電池スタック11A~11Fの基本的な構成は、例えば、第1実施形態のそれと同じである。ただし、この実施形態では、熱交換配管16(熱交換部12)が各電池スタック11A~11Fの長手方向(電池セル13の配列方向)と平行に配置される。また、各電池スタック11A~11Fにおいて、熱交換配管16の第2出入口16bの直後、すなわち、各電池スタック11A~11Fにおける冷却媒体の入口側に、それぞれ電磁弁20が設けられる。これら電磁弁20は、ECU4に接続され、ECU4が実行する「電池パック冷却制御」により制御されるようになっている。なお、図13において、各電池スタック11A~11Fを構成する複数の電池セル13については、便宜上、左端の電池スタック11Aのみで示し、その他の電池スタック11B~11Fでの図示は省略した(以後に説明する他の図においても同様。)。
【0084】
[電池パック冷却制御について]
図14に、「電池パック冷却制御」の内容の一例をフローチャートにより示す。ECU4は、処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ200で、ECU4は、複数の電池スタック11A~11Fにつき、各電池セル13のセル温度センサ19により検出される電池セル温度TBCXを取り込む。
【0085】
次に、ステップ210で、ECU4は、取り込まれた複数の電池セル温度TBCXより各電池スタック11A~11Fの温度(電池スタック温度)TBSX2を求める。ECU4は、電池スタック温度TBSX2を、各電池スタック11A~11Fの中の電池セル温度TBCXの最高温度から求めることができる。
【0086】
次に、ステップ220で、ECU4は、電池スタック温度TBSX2が、「40℃」以上か否かを判断する。ECU4は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ230へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ300へ移行する。
【0087】
ステップ230では、ECU4は、全ての電池スタック11A~11Fの電池スタック温度TBSX2が「40℃」を超えたか否かを判断する。ECU4は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ240へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ280へ移行する。
【0088】
ステップ240では、ECU4は、最も高温の電池スタック11A~11Fの電磁弁20を開弁する。
【0089】
次に、ステップ250で、ECU4は、他の電池スタック11A~11Fの電磁弁20を閉弁する。
【0090】
そして、ステップ260で、ECU4は、電池パック2を冷却するために、第1三方弁7をオンし、第2三方弁8をオンする。
【0091】
また、ステップ270で、ECU4は、第1ポンプ23をオフし、第2ポンプ33をオンする。その後、ECU4は、処理をステップ200へ戻す。
【0092】
図13に、電池パック2を冷却する場合における電池温調装置1の状態を概略図により示す。この場合、冷却回路6から電池パック2へ流れる冷却媒体は、図13に矢印で示すように、各電池スタック11A~11Fにて、熱交換配管16へ第2出入口16bから流入し、熱交換配管16より第1出入口16aから流出する。この場合の電池スタック11A~11Fにおける冷却媒体の流れを図13に矢印で示す。ただし、図13には、全ての電池スタック11A~11Fの電磁弁20が開弁した場合を示す。この場合、各電池スタック11A~11Fの中央部ほど温度が高いことから、冷却媒体が高温の中央部を流れて冷却することになる。
【0093】
一方、ステップ230から移行してステップ280では、ECU4は、「40℃」以上の全電池スタック11A~11Fの電磁弁20を開弁する。
【0094】
次に、ステップ290で、ECU4は、「40℃」未満の全電池スタック11A~11Fの電磁弁20を閉弁した後、処理をステップ260へ移行する。
【0095】
一方、ステップ220から移行してステップ300では、ECU4は、全電池スタック11A~11Fの電磁弁20を閉弁する。
【0096】
そして、ステップ310では、電池パック2の冷却を停止するために、ECU4は、第1三方弁7をオフし、第2三方弁8をオフする。
【0097】
また、ステップ320では、ECU4は、第1ポンプ23をオフし、第2ポンプ33をオフする。その後、ECU4は、処理をステップ200へ戻す。
【0098】
[電池温調装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の電池温調装置1の構成によれば、電池パック2を暖機する要求があるときは、複数の熱交換部12(熱交換配管16)と暖機回路5とを繋ぐためにECU4が回路切換手段9を制御すると共に複数の電磁弁20を制御する。これにより、複数の熱交換配管16と暖機回路5とが繋がれ、複数の熱交換配管16へ昇温媒体が流れる。一方、電池パック2を冷却する要求があるときは、複数の熱交換配管16と冷却回路6とを繋ぐためにECU4が回路切換手段9を制御すると共に複数の電磁弁20を制御する。これにより、複数の熱交換配管16と冷却回路6とが繋がれ、複数の熱交換配管16へ冷却媒体が流れる。従って、ECU4が、回路切換手段9を制御すると共に複数の電磁弁20を選択的に開弁制御することにより、複数の熱交換配管16の一部へ選択的に昇温媒体又は冷却媒体が流れる。このため、複数の電池スタック11A~11Fの一部、すなわち電池パック2(電池)の一部分を選択的に暖機又は冷却することができる。
【0099】
この実施形態の構成によれば、電池パック2を構成する複数の電池スタック11A~11Fそれぞれの熱交換配管16毎に電磁弁20を設け、電池パック2の冷却時には、各電池スタック11A~11Fの温度に応じて電磁弁20等を制御することで、各電池スタック11A~11Fに対する冷却媒体の流れを制御するようになっている。すなわち、上記「電池パック冷却制御」によれば、全電池スタック11A~11Fの中で高温の電池スタック11A~11Fに対応する電磁弁20のみ開弁することで、冷却媒体の流れを制御している。従って、選択的に開弁された電磁弁20に対応する高温の電池スタック11A~11Fの熱交換配管16にて冷却媒体の流速がアップし、その高温の電池スタック11A~11Fにて冷却媒体による冷却性能を向上させることができる。
【0100】
ここで、上記「電池パック冷却制御」による電池パック2の温度制御結果を図15図16にグラフにより示す。図15図16において、実線LSは、電磁弁により流量制御しない場合の温度分布を示し、破線LBは、従来例の温度分布を示し、2点鎖線LDは、目標抑制温度を示し、太線LTは、本実施形態の温度分布を示す。図15は、図14のステップ240~ステップ270の制御による電池パック2の温度制御結果を示す。図15に示すように、上記した電池パック冷却制御によれば、電池パック2の温度は、目標抑制温度より高くなるものの、流量制御なしの場合や従来例よりも温度が低くなり、電池パック2の最外部(両端)から中央部の全域にわたり温度を均一にできることがわかる。図16は、図14のステップ280,290,260,270の制御による電池パック2の温度制御結果を示す。図16に示すように、上記した電池パック冷却制御によれば、電池パック2の温度は、電池パック2の最外部(両端)付近で目標抑制温度より低くなり、電池パック2の中央部で目標抑制温度に制御できることがわかる。
【0101】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態につき、図17を参照して説明する。
【0102】
[電池パック冷却制御について]
この実施形態では、「電池パック冷却制御」の内容の点で第5実施形態と異なる。図17に、この実施形態の「電池パック冷却制御」の内容の一例をフローチャートにより示す。図17のフローチャートは、ステップ230とステップ240との間にステップ400~ステップ420の処理が加わり、ステップ230とステップ280との間にステップ430~ステップ450の処理が加わった点で、図14のフローチャートと内容が異なる。
【0103】
ECU4は、処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ200~ステップ230の処理を実行し、ステップ230の判断結果が肯定となる場合は処理をステップ400へ移行し、ステップ230の判断結果が否定となる場合は処理をステップ430へ移行する。
【0104】
そして、ステップ400では、ECU4は、最も高温の電池スタック11A~11Fを判定する。
【0105】
次に、ステップ410で、ECU4は、高温の電池スタック11A~11Fが切り換わったか否かを判断する。ECU4は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ420へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ200へ戻す。
【0106】
次に、ステップ420では、ECU4は、第1ポンプ23をオフし、第2ポンプ33をオフする。
【0107】
そして、ECU4は、ステップ240~ステップ270の処理を実行し、処理をステップ200へ戻す。
【0108】
一方、ステップ230から移行してステップ430では、ECU4は、「40℃」を超えた電池スタック11A~11Fを判定する。
【0109】
次に、ステップ440で、ECU4は、「40℃」を超えた電池スタック11A~11Fが切り換わったか否かを判断する。ECU4は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ450へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ200へ戻す。
【0110】
ステップ450では、ECU4は、第1ポンプ23をオフし、第2ポンプ33をオフする。
【0111】
そして、ECU4は、ステップ280、ステップ290、ステップ260及びステップ270の処理を実行し、処理をステップ200へ戻す。
【0112】
[電池温調装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の電池温調装置1の構成によれば、上記「電池パック冷却制御」において、第5実施形態と異なり、ECU4は、高温の電池スタック11A~11Fを冷却するために対応する電磁弁20を開弁するときは、その開弁前に各ポンプ23,33を停止する。従って、電磁弁20の入口と出口との間の冷却媒体の圧力差(弁前後差圧)が低減する。このため、電磁弁20で使用されるコイルを小型化することができ、これによって電磁弁20のコストを低減することができる。
【0113】
<第7実施形態>
次に、第7実施形態につき、図18を参照して説明する。
【0114】
[電池パックの暖機冷却制御について]
この実施形態では、第5及び第6の実施形態と同様、図13に示すシステム構成を備えたことを前提にして、「電池パック冷却制御」ではなく「電池パックの暖機冷却制御」を実行するようになっている。図18に、この実施形態の「電池パックの暖機冷却制御」の内容の一例をフローチャートにより示す。図18のフローチャートは、第1実施形態で説明した図3のフローチャートのステップ160の後にステップ500を設け、ステップ210の後にステップ510を設けた点で図3のフローチャートと内容が異なる。
【0115】
処理が図18のフローチャートのルーチンへ移行すると、ECU4は、電池パック2を冷却するためにステップ160の処理を実行すると、ステップ500で、電池パック2の中央部ほど冷却媒体の流量が多くなるように複数の電磁弁20を制御する。例えば、図13において、電池パック2の左右外周部に位置する電池スタック11A,11B,11E,11Fに対応する電磁弁20をオフ(閉弁)し、電池パック2の中央部に位置する電池スタック11C,11Dに対応する電磁弁20のみオン(開弁)する。その後、ECU4は、処理をステップ100へ戻す。
【0116】
一方、ECU4は、電池パック2を暖機するためにステップ210の処理を実行すると、ステップ510で、電池パック2の外周部ほど昇温媒体の流量が多くなるように複数の電磁弁20を制御する。例えば、図13において、電池パック2の左右外周部に位置する電池スタック11A,11B,11E,11Fに対応する電磁弁20のみオン(開弁)し、電池パック2の中央部に位置する電池スタック11C,11Dに対応する電磁弁20をオフ(閉弁)する。その後、ECU4は、処理をステップ100へ戻す。
【0117】
[電池温調装置の作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態の電池温調装置1の構成によれば、電池パック2を暖機する要求があるときは、電池パック2の中央部よりも低温の外周部から暖機するのが好ましい。また、電池パック2を冷却する要求があるときは、電池パック2の外周部よりも高温の中央部から冷却するのが好ましい。上記構成によれば、複数の熱交換部12(熱交換配管16)は、電池パック2を冷却するときは、その中央部ほど冷却媒体の流量が多くなるように配設されるので、電池パック2の中央部へ多くの冷却媒体が流れる。一方、複数の熱交換配管16は、電池パック2を暖機するときは、その外周部ほど昇温媒体の流量が多くなるように配設されるので、電池パック2の外周部へ多くの昇温媒体が流れる。このため、電池パック2(電池)を冷却するときは、電池パック2の中央部を効果的に冷却することができ、電池パック2を暖機するときは、電池パック2の外周部を効果的に暖機することができる。
【0118】
<第8実施形態>
次に、第8実施形態につき、図19を参照して説明する。
【0119】
[電池温調装置の構成について]
この実施形態では、電池パック2における熱交換配管16と電磁弁20の配置の点で第5~第7の実施形態と構成が異なる。図19に、この実施形態の電池温調装置1を概略図により示す。この実施形態では、図19に示すように6つの電池スタック11A~11Fに対し、それらの熱交換配管16の第2出入口16bの直前、すなわち、各電池スタック11A~11Fにおける冷却媒体の入口側に、3つの電磁弁20A,20B,20Cが設けられる。3つの電磁弁20A~20Cのうち、第1電磁弁20Aは、並列に配置された6つの電池スタック11A~11Fのうち、両端に位置する二つの電池スタック11A,11Fの熱交換配管16に対応して設けられ、第2電磁弁20Bは、二つの電池スタック11A,11Fに隣接する二つの電池スタック11B,11Eの熱交換配管16に対応して設けられ、第3電磁弁20Cは、中央に位置する二つの電池スタック11C,11Dの熱交換配管16に対応して設けられる。これら電磁弁20A~20Cは、ECU4に接続され、ECU4が実行する「電池パック冷却制御」及び「電池パック暖機冷却制御」により制御されるようになっている。すなわち、この実施形態では、複数の電池スタック11A~11Fの配置エリアを左右両端、その中側及び中央に分けて、各エリアに対応する二つずつの電池スタック11A~11Fに対応して一つずつの電磁弁20A~20Cが設けられ、各配置エリア毎に電池スタック11A~11Cに対する冷却媒体の流れ及び昇温媒体の流れを制御するようになっている。
【0120】
[電池温調装置の作用及び効果について]
この実施形態の電池温調装置1の構成によれば、前記第6及び第7の実施形態と異なり、6つの電池スタック11A~11Fにより構成される電池パック2を、3つのエリア(左右外側の電池スタック11A,11F、外内側の電池スタック11B,11E及び中央の電池スタック11C,11D)に分け、それらエリアに対応して3つの電磁弁20A~20Cを設けて各エリアに対する冷却媒体及び昇温媒体の流れを制御している。従って、電池スタック11A~11Fの数よりも少ない電磁弁20A~20Cを使用して各エリアに対する冷却媒体及び昇温媒体の流れを制御することができる。このため、電磁弁20A~20Cの数が少ない分だけ、電池温調装置1を簡略化及びコンパクト化することができる。
【0121】
<第9実施形態>
次に、第9実施形態につき、図20を参照して説明する。
【0122】
[電池温調装置の構成について]
この実施形態では、電池パック2における熱交換配管16の構成の点で前記各実施形態と異なる。図20に、この実施形態の電池温調装置1を概略図により示す。ここで、電池パック2の急速充電時には、電池セル13及び電池スタック11A~11Fにつき、それらの配置エリアの中央部ほど高温になり易い。そこで、この実施形態では、電池パック2の中央部、すなわち複数の電池スタック11A~11Fのうち、それらの中央寄りエリアに位置する電池スタック11B~11Eの冷却性を向上させる熱交換配管16の構成となっている。すなわち、この実施形態では、図20に示すように、並列に配置された6つの電池スタック11A~11Fのうち、両端に位置する二つの電池スタック11A,11Fにはそれぞれ1本の熱交換配管16が配設され、それら二つの電池スタック11A,11Fに隣接する二つの電池スタック11B,11Eにはそれぞれ2本の熱交換配管16が配設され、中央に位置する二つの電池スタック11C,11Dにはそれぞれ3本の熱交換配管16が配設される。つまり、この実施形態では、並列に配置された6つの電池スタック11A~11Fのうち、中央寄りエリアに配置された電池スタック11B~11Eほど、熱交換配管16の本数を増やすことで配管の合計通路壁面積を増やし、エリア毎の冷却媒体及び昇温媒体の流量を変えている。
【0123】
[電池温調装置の作用及び効果について]
この実施形態の電池温調装置1の構成によれば、並列に配置された6つの電池スタック11A~11Fのうち、中央寄りエリアに配置された電池スタック11B~11Eほど、熱交換配管16の本数を増やすことで配管の合計通路壁面積を増やすように構成される。このため、電池スタック11A~11Fの配置エリアの違いに応じて冷却媒体及び昇温媒体の流量を変えることができる。しかも、そのために電磁弁等を設けていない分だけ電池温調装置1を簡略化及びコンパクト化することができる。
【0124】
<第10実施形態>
次に、第10実施形態につき、図21を参照して説明する。
【0125】
[電池温調装置の構成について]
この実施形態では、電池パック2における熱交換配管16の構成の点で第9実施形態と異なる。図21に、この実施形態の電池温調装置1を概略図により示す。第9実施形態では、並列に配置された6つの電池スタック11A~11Fのうち、中央寄りエリアに配置された電池スタック11B~11Eほど、熱交換配管16の本数を増やすことで配管の合計通路壁面積を増やすように構成した。これに対し、この実施形態では、図21に示すように、並列に配置された6つの電池スタック11A~11Fのうち、中央寄りエリアに配置された電池スタック11B~11Eほど、断面円形の熱交換配管16の外径を大きくすることで配管の通路壁面積を増やすように構成している。すなわち、この実施形態では、図21に示すように、6つの電池スタック11A~11Fのうち、両端に位置する二つの電池スタック11A,11Fの熱交換配管16の外径が細く、それら二つの電池スタック11A,11Fに隣接する二つの電池スタック11B,11Eの熱交換配管16の外径が次に太く、中央に位置する二つの電池スタック11C,11Dの熱交換配管16の外径が更に太くなっている。
【0126】
[電池温調装置の作用及び効果について]
この実施形態の電池温調装置1の構成によれば、中央寄りエリアに位置する電池スタック11B~11Eほど熱交換配管16の通路面積を増やしているので、それらの熱交換配管16を流れる冷却媒体が低圧損となり、その冷却媒体の流量を増加させることができる。また、電池スタック11A~11Fの配置エリアの違いに対応して冷却媒体及び昇温媒体の流量を変えることができる。しかも、そのために電磁弁等を設けていない分だけ電池温調装置1を簡略化及びコンパクト化することができる。
【0127】
<第11実施形態>
次に、第11実施形態につき、図22を参照して説明する。
【0128】
[電池温調装置の構成について]
この実施形態では、電池パック2における熱交換配管16の構成の点で前記各実施形態と異なる。図22に、この実施形態の電池温調装置1を概略図により示す。前記第5~第10の実施形態では、並列に配置された複数の電池スタック11A~11Fに対し、熱交換配管16を電池スタック11A~11Fの長手方向(電池セル13の配列方向)に沿って配置し、複数の電池スタック11A~11Fのうち、中央寄りエリアに配置された電池スタック11B~11Eほど、熱交換配管16の本数を増やしたり、配管の外径を増やしたりすることで、配管の合計通路壁面積を増やすように構成した。これに対し、この実施形態では、図22に示すように、並列に配置された複数の電池スタック11A~11Fに対し、それらの長手方向と直交する方向に複数の熱交換配管16を平行に配置し、複数の電池スタック11A~11Fの長手方向における中央部ほど熱交換配管16の配置間隔を狭めて配管本数を増やすように構成している。
【0129】
[電池温調装置の作用及び効果について]
この実施形態の電池温調装置1の構成によれば、並列に配置された複数の電池スタック11A~11Fに対し、それらの長手方向における中央部ほど熱交換配管16の配置間隔を狭めて配管本数を増やすことで配管の合計通路壁面積を増やしている。このため、複数の電池スタック11A~11Fの長手方向におけるエリア毎の冷却媒体及び昇温媒体の流量を変えることができる。しかも、そのために電磁弁等を設けていない分だけ電池温調装置1を簡略化及びコンパクト化することができる。
【0130】
<第12実施形態>
次に、第12実施形態につき、図23を参照して説明する。
【0131】
[電池温調装置の構成について]
この実施形態では、電池パック2における熱交換配管16の構成の点で第11実施形態と構成が異なる。図23に、この実施形態の電池温調装置1を概略図により示す。第11実施形態では、並列に配置された複数の電池スタック11A~11Fに対し、それらの長手方向と直交する方向に複数の熱交換配管16を平行に配置し、それら長手方向における中央部ほど熱交換配管16の配置間隔を狭めて配管本数を増やすように構成した。これに対し、この実施形態では、図23に示すように、第11実施形態の構成に加え、並列に配置された複数の電池スタック11A~11Fに対し、それらの長手方向と平行に複数の熱交換配管16を更に配置し、複数の電池スタック11A~11Fのうち、それらの中央エリアに配置された電池スタック11B~11Eほど、熱交換配管16の配管本数を増やすように構成している。すなわち、複数の電池スタック11A~11Fのうち、並列の両端に位置する電池スタック11A,11Fには、それらの長手方向と平行な交換配管16を配置せず、それら電池スタック11A,11Fに隣接する電池スタック11B,11Eには、それらの長手方向と平行な熱交換配管16を1本ずつ配置し、中央に位置する電池スタック11C,11Dには、それらの長手方向と平行な熱交換配管16を2本ずつ配置している。
【0132】
[電池温調装置の作用及び効果について]
この実施形態の電池温調装置1の構成によれば、第11実施形態の構成に加え、並列配置の電池スタック11A~11Fに対し、それらの長手方向と平行に複数の熱交換配管16を更に配置し、中央エリアに配置された電池スタック11B~11Eほど熱交換配管16の配管本数を増やしている。このため、複数の電池スタック11A~11Fを含む電池パック2の中央エリアほど冷却媒体及び昇温媒体の流量を増やすことができる。しかも、そのために電磁弁等を設けていない分だけ電池温調装置1をコンパクト化することができる。
【0133】
<第13実施形態>
次に、第13実施形態につき、図24を参照して説明する。
【0134】
[電池温調装置の構成について]
この実施形態では、電池パック2における熱交換配管16の構成の点で第9実施形態と異なる。図24に、この実施形態の電池温調装置1を概略図により示す。第9実施形態では、並列に配置された複数の電池スタック11A~11Fに対し、単にそれらの長手方向と平行に複数の熱交換配管16を配置し、複数の電池スタック11A~11Fのうち、それらの配置の中央寄りエリアほど熱交換配管16の配置間隔を狭めて配管本数を増やした。これに対し、この実施形態では、図24に示すように、並列に配置された複数の電池スタック11A~11Fのうち、それらの配置の中央寄りエリアの電池スタック11B~11Eほど熱交換配管16の長さを増やし、しかも中央部にてジグザグに配設している。
【0135】
[電池温調装置の作用及び効果について]
この実施形態の電池温調装置1の構成によれば、並列に配置された複数の電池スタック11A~11Fのうち、中央寄りエリアに位置する電池スタック11B~11Eほど、熱交換配管16の長さと分布を増やすことで配管の合計通路壁面積を増やしている。このため、電池スタック11A~11Fの配置エリアの違いに応じて冷却媒体及び昇温媒体の流量を変えることができる。しかも、そのために電磁弁等を設けていない分だけ電池温調装置1を簡略化及びコンパクト化することができる。
【0136】
<別の実施形態>
なお、この開示技術は前記各実施形態に限定されるものではなく、開示技術の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
【0137】
(1)前記第5及び第8の実施形態では、電池パック2を構成する電池スタック11A~11Fにおいて、熱交換配管16の第2出入口16bの直後、すなわち、電池スタック11A~11Fにおける冷却媒体の入口側に電磁弁20,20A~20Cを設けた。これに対し、電池パックの電池スタックにおいて、熱交換配管の第1出入口の直後、すなわち、電池スタックにおける冷却媒体の出口側にそれぞれ電磁弁を設けてもよい。この場合は、電磁弁の前後差圧が低下するので、電磁弁のコイルを小型化し、延いては電磁弁を小型化することができる。
【0138】
(2)前記第10実施形態では、並列に配置された6つの電池スタック11A~11Fのうち、中央エリアに配置された電池スタック11A~11Fほど、断面円形の熱交換配管16の外径を大きくすることで、配管の通路壁面積を増やすように構成した。これに対し、中央エリアに配置された電池スタック11A~11Fほど、配管の断面形状を長円にすることで等断面積当たりの外周長を増やすこともできる。
【0139】
(3)前記第9~第13の実施形態では、複数の熱交換配管16(熱交換部12)に電磁弁を設けなかったが、複数の熱交換配管(熱交換部)のそれぞれに電磁弁を設け、それら電磁弁の一部を選択的に開弁させることで、並列に配置された複数の電池スタックのうち、特定のエリアに位置する電池スタックのみに冷却媒体又は昇温媒体を流すようにすることもできる。これにより、電池パックの中央寄りエリアに位置する電池スタックへ多くの冷却媒体や昇温媒体を流すようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0140】
この開示技術は、電気自動車に搭載される二次電池の温度調節に利用することができる。
【符号の説明】
【0141】
1 電池温調装置
2 電池パック(電池)
3 熱媒体回路
4 ECU(制御手段)
5 暖機回路
6 冷却回路
7 第1三方弁(回路切換手段)
8 第2三方弁(回路切換手段)
9 回路切換手段
10 電池
11A~11F 電池スタック(電池)
12 熱交換部
13 電池セル
14 ケース
16 熱交換配管(熱交換部)
16a 第1出入口
16b 第2出入口
20 電磁弁
20A 第1電磁弁
20B 第2電磁弁
20C 第3電磁弁
41 六方弁(回路切換手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24