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▶ 赤壁 毅彦の特許一覧

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  • 特開-コンテナ輸送システム 図1
  • 特開-コンテナ輸送システム 図2
  • 特開-コンテナ輸送システム 図3
  • 特開-コンテナ輸送システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114550
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】コンテナ輸送システム
(51)【国際特許分類】
   B61B 13/00 20060101AFI20240816BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B61B13/00 A
B65D25/20 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023030428
(22)【出願日】2023-02-10
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】502365276
【氏名又は名称】赤壁 毅彦
(72)【発明者】
【氏名】赤壁 毅彦
【テーマコード(参考)】
3D101
3E062
【Fターム(参考)】
3D101BB16
3D101BB48
3D101BB54
3E062AA20
3E062AB20
3E062BA20
3E062BB10
3E062CA07
3E062CA12
(57)【要約】
【課題】 コンテナ輸送における、積み下ろしの省力化・貨物列車の停車時間削減・アクセス並びにイグレスの省力化のために、自走式コンテナと、上記の自走式コンテナを誘導して固定する機能を有する鉄道貨物車を用いた、コンテナ輸送システムを提供する。
【解決手段】 本コンテナ輸送システムは、床下に小径車輪(5)と固定装置(9)と底面位置合わせセンサー装置(8)を備えて、側面に側面位置合わせセンサー装置(6)を備えた自走式コンテナ(1)と、床上に固定装置(9)と搭載位置合わせ目標装置(14)を備えて、側面に搭載位置情報送信装置(13)を備えた鉄道貨物車(4)を用いたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床下に小径車輪(5)と固定装置(9)と底面位置合わせセンサー装置(8)を備えて、側面に側面位置合わせセンサー装置(6)を備えた自走式コンテナ(1)を用いることを特徴とするコンテナ輸送システム。
【請求項2】
床上に固定装置(9)と搭載位置合わせ目標装置(14)を備えて、側面に搭載位置情報送信装置(13)を備えた鉄道貨物車(4)を用いることを特徴とするコンテナ輸送システム。
【請求項3】
上記の自走式コンテナ(1)と鉄道貨物車(4)を用いることを特徴とするコンテナ輸送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテナ輸送における、積み下ろしの省力化・貨物列車の停車時間削減・アクセス並びにイグレスの省力化のための、コンテナ輸送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、貨物輸送用コンテナは、荷主のもとからトラックに積まれて貨物駅に到着し、フォークリフト等により貨物列車に積まれて、荷受人の近くの貨物駅でフォークリフト等により貨物列車から降ろされ、トラックに積まれて荷受人のもとに届くものである。
コンテナの代わりにトラックをあたかも自走式コンテナとして用いて、フォークリフト等を用いずにトラックが自力で貨物列車に乗る方法(ピギーバック)も試行された。(非特許文献1)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】モーダルシフト推進の観点から見た日本の鉄道貨物輸送の機能と役割に関する考察 吉岡泰亮(政策科学2011年10月号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これは、つぎのような欠点があった。
(イ)トラックへの積み下ろし・貨物列車への積み下ろしにフォークリフト等を用いるので積み下ろしに人手と時間がかかっていた。このため貨物列車出発時刻の1時間ほど前までには、コンテナは貨物駅に着かなくてはならなかった。途中の停車駅でも荷役のために20分程の停車時間が必要であった。
(ロ)この積み込み前の待ち時間のため、荷主から荷受人までの所要時間が余分にかかることが避けられなかった。また貨物列車の停車駅が多いと、これも所要時間が余分にかかる要因となっていた。そのため停車駅を減らさざるを得ず、鉄道貨物輸送を不便なものにしていた。
(ハ)その他にも、荷役作業員の人手不足・人件費によるコスト上昇の問題もあった。
(ニ)ピギーバック輸送においては、貨物列車のうえにトラックを載せる方式なので、トラックの運転席が場所を取り、そのうえトラックの床面高さが1m近くあり、高さ方向の制約が厳しく、積載効率が悪かった。
(ホ)またトラックが自力で列車から乗り降りするためには、列車の側面からはなく、列車の端部から乗り降りするため、編成の中ほどのトラックを途中の駅で降ろすこともできず、途中の駅での利用ができないなど不便なものであった。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成する本発明のコンテナ輸送システムは、自動運転機能を有する自走式コンテナと、上記の自走式コンテナを搭載する貨物列車に用いられる鉄道貨物車より構成される。
【0006】
上述した目的を達成する本発明のコンテナ輸送システムに用いる上記の自走式コンテナは、小径車輪を備えた走行機構を有する。小径車輪は回転台を介してコンテナの底部に取り付けられるか、あるいは小径車輪自体に走行のほかに横行も可能な機構を備える。
さらに自走式コンテナと鉄道貨物車との位置関係を検出するためのセンサー装置と、自走式コンテナを鉄道貨物車に固定する固定装置を備える。
【0007】
上述した目的を達成する本発明のコンテナ輸送システムに用いる上記の鉄道貨物車は、上記の自走式コンテナのセンサー装置による位置合わせに用いる搭載位置合わせ目標装置と、自走式コンテナの固定装置により結合される固定装置を備える。
本発明は、以上の構成よりなるコンテナ輸送システムである。
【発明の効果】
【0008】
(イ)本発明においては、貨物駅におけるコンテナが貨物列車を待つ時間、貨物列車の停車時間を削減ことができる。
(ロ)そのため、貨物列車の停車駅を増やすことも可能になる。旅客列車に貨車を連結して、旅客の乗降時間の間に荷役することも可能である。
(ハ)荷役の時間が少なくて済むので、貨物列車から別の貨物列車への積み替えも容易である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態として示すコンテナ輸送システムの全体構成図である。
図2】本発明の実施の形態として示すコンテナ輸送システムに用いる、自走式コンテナの概略図である。
図3】本発明の実施の形態として示すコンテナ輸送システムに用いる、自走式コンテナの底面図である。
図4】本発明の実施の形態として示すコンテナ輸送システムに用いる、鉄道貨物車を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0011】
この実施の形態は、自動運転機能を備えた自走式コンテナが、あるいは自ら走行して、あるいは上記の自走式コンテナを搭載する機能を有する鉄道貨物車により編成された貨物列車に搭載されることにより、貨物輸送を行うコンテナ輸送システムである。
【0012】
このようなコンテナ輸送システムを実現するためには、自動運転機能を備えた自走式コンテナと、上記の自走式コンテナを搭載する機能を有する鉄道貨物車を、如何に構成するかが重要となる。
【0013】
まず、実施形態の全体構成について説明する。
【0014】
図1に、本発明によるコンテナ輸送システムの全体構成を示す。自走式コンテナ1は、荷主のもとから、あるいは複数の荷主から集荷してから、貨物駅2に向かう。貨物駅2に到着した自走式コンテナ1は、荷役機械などを用いず自力で、貨物列車3を構成する鉄道貨物車4に乗る。
【0015】
降車する際も自走式コンテナ1は自力で鉄道貨物車4から降車して荷受人のもとに向かう。
【0016】
貨物列車3からべつの貨物列車3に乗り換える際にも、自走式コンテナ1は荷役機械などを用いず自力で乗り換える。
【0017】
以下では、この全体構成を実現するための、自走式コンテナ1と鉄道貨物車4について説明する。
【0018】
図2に、自走式コンテナ1の概略図を示す。自走式コンテナ1は小径車輪5と側面位置合わせセンサー装置6を備えている。本発明における自走式コンテナ1は、行程の大部分を貨物列車3に搭載されることより輸送されるので、走行性能に優れている必要はないので車輪を小さくすることができる。例えば直径を30cm程度にすれば、床の高さは45cm程度になり、ピギーバック用トラックに比べて荷室の高さを増やすことができる。
【0019】
側面位置合わせセンサー装置6により、後述する鉄道貨物車4に取り付けた、搭載位置情報送信装置13からの信号を検出して、あたかも旅客列車に乗車する人間が、自らの乗車すべき号車の座るべき座席を認識するように、搭載されるべきスペースの正面に位置を合わすことができる。
【0020】
図3に自走式コンテナ1の底面図を示す。自走式コンテナ1の底面に設けた小径車輪5にインホイールモーターを使用すれば、小径車輪5は向きを自在に調節できる回転台7に取り付けることができる。これにより、搭載されるべきスペースの正面に位置を合わせたのちは、搭載されるべきスペースに向けて直角に進入することができる。
【0021】
搭載されるべきスペースに進入した自走式コンテナ1は、底面位置合わせセンサー装置8により、後述する鉄道貨物車4に取り付けた、搭載位置合わせ目標装置14からの信号を検知して搭載位置に停止したのち、固定装置9により鉄道貨物車4に固定される。固定装置9にはたとえば電車の連結に用いられる密着連結器に類似したものを使用することが考えられる。固定装置9には入り勝手としてテーパーが設けてあるので、位置合わせの若干の誤差は許容される。
【0022】
図4に鉄道貨物車4の自走式コンテナ搭載部分を示す。鉄道貨物車4の側面には搭載位置情報送信装置13を設け、床面には搭載位置合わせ目標装置14と固定装置9を設ける。
【0023】
鉄道貨物車4の側面の搭載位置情報送信装置13としては、たとえば位置合わせのマーカーとしてレーザー発振器を用いて、号車と搭載位置番号の情報は電波発信機に送信することが考えられるが、号車と搭載位置番号の情報はQRコードを添付しても良い。この搭載位置情報送信装置13をたよりに、自走式コンテナ1は搭載されるべき位置を認識できる。
【0024】
鉄道貨物車4の床面の搭載位置合わせ目標装置14としてはたとえば位置合わせのマーカーとしてレーザー発振器を用いることが考えられる。固定装置9は自走式コンテナ1の底面に設けた固定装置9と同じものを設ける。
【0025】
自走式コンテナ1の固定装置9と鉄道貨物車4の固定装置9は、電車用密着連結器と同様の装置を用いることにより、噛み合わせると自動的にロック装置が働き固定される。自走式コンテナ1の固定装置9は鉄道貨物車4から降りるべき駅に着くと、ロック装置を開錠し、鉄道貨物車4の固定装置9も自走式コンテナ1を降ろすべき駅に着くと、あたかも旅客列車のドアが開くようにロック装置を開錠する。
【0026】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した形態では、小径車輪5は回転台7を介して自走式コンテナ1の底面に取り付けられているが、小径車輪5を走行も横行も可能な構造として、回転台7を省略することもできる。
【0027】
また、上述した形態では貨物輸送を前提としているが、自走式コンテナ1をコンテナハウスをベースとして作るならば、旅客輸送に供することも可能である。
【0028】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 自走式コンテナ
2 貨物駅
3 貨物列車
4 鉄道貨物車
5 小径車輪
6 側面位置合わせセンサー装置
7 回転台
8 底面位置合わせセンサー装置装置
9 固定装置
10 バッテリー
11 電力制御ユニット
12 自動運転制御ユニット
13 搭載位置情報送信装置
14 搭載位置合わせ目標装置
図1
図2
図3
図4