(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114557
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】口腔ケア用歯ブラシ
(51)【国際特許分類】
A61C 17/22 20060101AFI20240816BHJP
A46B 5/00 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
A61C17/22 C
A46B5/00 C
A61C17/22 E
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023033189
(22)【出願日】2023-02-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】522146510
【氏名又は名称】森川 順一
(72)【発明者】
【氏名】森川 順一
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202AB00
3B202AB15
3B202CA02
3B202CA05
3B202CA06
3B202DB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】歯磨きは長い柄で運動習性が着いてしまっている。歯ブラシが短くても持ち手部の改良で指先操作ができれば歯ブラシヘッドの可動域が広がり、隅々まできれいに磨けるようになる。歯ブラシの理にかなった持ち手部を提供する。
【解決手段】指先で取り廻せる持ち手部が精度の高いブラッシングを可能にする。
掌の内に収まり、かつ三本指(親指人差し指中指)で取り廻せるサイズ、ヘッド部の後方に半球状の突起を配し後方からチューブを差し入れ持ち手部とする。角度の違う歯の曲面を磨くには毛先で磨きたい接面を捉え三本指を固定し前後左右上下にブラッシングする。指先で持ち方を変えても突起部および持ち手部の弾力が指掛かりとなり筒状のチューブがしなり歯の接面に均等圧を送ることを可能にする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛束からなる刷毛部(1)と、先端側に前記毛束が植毛されたヘッド部(2)と持ち手部(4)とを備えている口腔ケア用歯ブラシであって、前記ヘッド部後端側に半球状の1または2個の突起からなる突起部(3)を有し、前記持ち手部(4)が、筒状で前記突起部(3)を内接してヘッド部(2)に被せられていて、掌の内に収まる長さであることを特徴とする口腔ケア用歯ブラシ。
【請求項2】
前記持ち手部(4)が、軟質材を用いたチューブである請求項1記載の口腔ケア用歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
1907年以来プラスチックが生み出され、余分なものを削り捨ててきた歴史がある。プラスチックごみがピークに達し海洋環境汚染を如何にすべきか議論されている。プラスチックを限られた資源と捉え、短くても機能性をもった歯ブラシが望ましい。
【背景技術】
【0002】
歯ブラシの長い柄を握る、持ち替えるといった運動習性が広く全般に行われている。360度ある歯の曲面への移動転回の都度握り直し持ち手の位置を変える度、歯の接面への強度がかわり大雑把な磨き方になる。握るという動作は細部に気が届かないいい加減さがある。長い持ち手で磨き辛い部位になると長い柄が邪魔になり磨き足りない箇所が日常的にでき、その為に虫歯の要因を排除できない。つまり長い柄は円滑な身体技法を妨げていると言える。
【0003】
道具とは「匠の技」に習い、指先の機能(身体技法)と修練により成り立つもの。身体技法の本質が指先の道具に進化を与え運動習性を呼び起こす。指先への神経と道具が連動して(美)は保たれており、すなわち道具を選ぶ。長い柄は無用の長物と言える。
【先行技術文献】
【0004】
【特許文献1】実登3060555号
【特許文献2】特許4471233号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
虫歯予防や歯周病予防に精度の高い、優しい歯磨きが必須です。
そのためには、360度の口腔内の歯又は歯茎の全ての部位に歯ブラシ刷毛部を当接し移動転回するには短い柄を口元近くで操作することが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
毛束からなる刷毛部(1)と、先端側に前記毛束が植毛されたヘッド部(2)と持ち手部(4)とを備えている口腔ケア用歯ブラシであって前記ヘッド部後端側に半球状の1または2個の突起からなる突起部(3)を内接してヘッド部(2)に被せられていて、掌の内に収まる長さであることを特徴とする口腔ケア用歯ブラシ。
【0007】
前記持ち手部が、軟質材を用いたチューブである。
持ち手部の長さは掌(てのひら)サイズである。
即ち、3.5~7.5センチの長さの軟質材のチューブを使用するが5~6センチの長さが効果的であり好ましい。
持ち手部として半球状の突起部を包含するようにチューブを差し込み使用する。持ち手部の操舵は親指から始まりチューブの丸みを利用し転回する。2本の指(人差し指、中指)は親指に追随し指の置き場を変えながら持ち手として捻転を補佐する。大人男子の太い指2本の指幅が4センチを超えるので持ち手部長さを5センチ以上6センチが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
三本指(親指 人差し指 中指)でつまんだ持ち手部を指先で操ることで歯の一本一本のケアを可能にし、可動域を広げやすい形状の工夫ができる。即ち、刷毛部の可動域が広がる効果がある。持ち手部の差し込み深さを変えることができるので年齢や性別を問わず使用できる。刷毛部に植毛された毛先を歯の磨こうとする部位に当て指先に当接面を感じ、縦に横にとブラッシングを進めることができる。
【009】
全ての歯の当接面を捉えるには指先と歯ブラシヘッドの距離が近いほど良く、刷毛部を届けたい箇所への操作、歯の凸凹への力の入れ具合、きれいに磨けている感覚がブラッシング動作を促す。口腔内における刷毛部の可動域を広げる為には手指の柔軟な持ち替え、手首の回転も応用するとなお効果的である。持ち手部を三本指でつまむと言っても握る力と同等の押し引き上下左右の操舵が必要で、歯の凸凹又は隙間への接触には適度の力が要る。その為に力点となる丸い突起部とチューブの捻転が三本指での操舵を可能にする。
【0010】
歯磨きは歯ブラシヘッドの連続移動であり前後左右上下への多岐にわたる働きで磨きあげるものである。三本指で持ち手部を回し持ち、歯の表面のどの角度にも寸時にヘッドを誘導できる特性がチューブの丸みであり弾力にある。筒状の弾力有るチューブは三本指で操る持ち手部に柔軟かつ繊細な力を創出でき、力点である丸い突起と相乗効果を発揮し親指以外の2本の指にも軟質材が馴染み、次なる可動域に対し取り回しやすい構成である。
【0011】
程よい手指の屈曲動作で歯、歯茎の表面に優しく均等な力が加えられ、口腔内の全ての部位に刷毛部の毛先が意識でき、歯の凸凹を指先で感じながら一本一本を正確に磨くことができる。短い持ち手部を口元で指先操作するので、ピンポイントで歯間にもアタックでき歯詰まり除去を大幅にアップでき自身の歯の在り様を指先が覚え弱点をケアする事ができる。
【0012】
本発明の口腔ケア用歯ブラシは従来品と比較して短いため省資源、省エネルギー、低コストであり、自立ができるので省スペース、また分離をすれば携行携帯の利用度も高まる。プラごみ半減、SDGsに貢献、エイジフリーで地球環境を守れる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】 本発明に係る口腔ケア用歯ブラシの側面図(突起1個の場合)
【
図2】 本発明に係る口腔ケア用歯ブラシの側面図(突起2個の場合)
【
図3】 持ち手部分を透視した図である。(突起2個の場合)
【符号の説明】
【0014】
(1)刷毛部
(2)ヘッド部
(3)突起部
(4)持ち手部
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の口腔ケア用歯ブラシは刷毛部(1)、ヘッド部(2)、突起部(3)、持ち手部(4)で構成される。刷毛部(1)は、植毛されて歯に当接する部位である。特徴ある毛束部分の形状、毛束の材質が多種存在する。ヘッド部(2)は9cmの長さが好ましく、ヘッド部後方には半球状の突起部を1又は2個備える。
ヘッド部の好ましい長さとは奥歯にもヘッド毛束が深く働き、又持ち手部先端切り口が唇に当ることが不快であるため避けることができ、接触により口腔内の液だれを誘うことがあるために持ち手部の挿入深さを調整した上で割り出されたサイズである。
【0016】
突起部(3)は、半球状の突起を1又は2個有して持ち手部に内接し強い摩擦で歯ブラシを一体化させる役割を果たし、持ち手部の差し込み深さを安定維持する。突起部(3)は口腔内の可動域を広げる部位として存在し、突起が1又は2個であることは、口腔内の刷毛部の働き深さの調整役を担い浅く、深くと歯磨きを展開する時、2個の突起でリフトアップされたチューブ持ち手部は指先の腹部に軟・硬・軟・硬・軟の手触りを感じさせ優しく指掛かりとなる。三本指が非力な方でも指先の接触面を多くとれるので持ち回ししやすい。突起が1個でも指先の腹部に軟・硬・軟の手がかりが得られる。2個の突起の幅は22ミリで指1本が収まる寸法である。
従がって持ち手部の差し入れ深さを含め考慮すればヘッド部の長さは9cmが好ましい。
【0017】
持ち手部(4)は、チューブの刷毛部側端部から反対側端部までを言い、半球状の突起部の1又は2個を内接した、5~6センチの長さで掌の内に収まるサイズである。弾力有るチューブがヘッド部後端から差し入れられ持ち手部として機能する。持ち手部の操舵は親指から始まりチューブの丸みを利用し転回する。2本の指(人差し指、中指)は親指に追随し指の置き場を変えながら持ち手として捻転を補佐する。
大人男子の太い指2本の指幅が4センチを超えるので持ち手部長さを5センチ以上6センチとした。持ち手部の差し入れ深さを調整することで各自に適した位置を選べる。筒状の持ち手部は適度に必要な弾力で指掛かりとなり指先の繊細な働きを妨げない。
【0018】
持ち手部のチューブは外に張り出す丸い形状と外圧によるチューブ内の空気の「あそび」が捻転を促していると言え、歯ブラシヘッドの全方向への働き、転回に対し理にかなった持ち手部の構造である。
【0018】
作例では内径10ミリ、外形13ミリのシリコンゴム製であるがチューブの厚み(2~2.5mm)、を変えることにより新たな効果が生まれることが予想できる。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛束からなる刷毛部(1)と、先端側に前記毛束が植毛されたヘッド部(2)と、持ち手部(4)とを備えている口腔ケア用歯ブラシであって、前記ヘッド部後端側に設けられ、親指と人差し指と中指で前記口腔ケア用歯ブラシをつまむように保持し、力点として持ち手部(4)を前記親指と人差し指と中指で捻転する半球状の1または2個の突起からなる突起部(3)を有し、円筒状で弾力性を有する前記持ち手部(4)が、前記突起部(3)を内接してヘッド部(2)に被せられていて、掌の内に収まる長さであることを特徴とする口腔ケア用歯ブラシ。
【請求項2】
前記持ち手部(4)がシリコンゴム製のチューブである請求項1に記載の口腔ケア用歯ブラシ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
毛束からなる刷毛部(1)と、先端側に前記毛束が植毛されたヘッド部(2)と、持ち手部(4)とを備えている口腔ケア用歯ブラシであって、前記ヘッド部後端側に設けられ、親指と人差し指と中指で前記口腔ケア用歯ブラシをつまむように保持し、力点として持ち手部(4)を前記親指と
人差し指と中指で捻転する半球状の1または2個の突起からなる突起部(3)を有し、円筒状で弾力性を有する前記持ち手部(4)が、前記突起部(3)を内接してヘッド部(2)に被せられていて、掌の内に収まる長さであることを特徴とする口腔ケア用歯ブラシ。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
全ての歯の当接面を捉えるには指先と歯ブラシヘッドの距離が近いほど良く、刷毛部を届けたい箇所への操作、歯の凸凹への力の入れ具合、きれいに磨けている感覚がブラッシング動作を促す。口腔内における刷毛部の可動域を広げる為には手指の柔軟な持ち替え、手首の回転も応用するとなお効果的である。持ち手部を三本指でつまむと言っても握る力と同等の押し引き上下左右の操舵が必要で、歯の凸凹又は隙間への接触には適度の力が要る。その為に力点となる丸い突起部とチューブの捻転が三本指での操舵を可能にする。