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特開2024-114561フレキシブル熱交換器を有する熱交換システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114561
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】フレキシブル熱交換器を有する熱交換システム
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/16 20060101AFI20240816BHJP
   F24D 3/00 20220101ALI20240816BHJP
【FI】
F24D3/16 A
F24D3/16 Z
F24D3/00 E
F24D3/16 L
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070743
(22)【出願日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】202320197050.8
(32)【優先日】2023-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202320396468.1
(32)【優先日】2023-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202320396430.4
(32)【優先日】2023-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202320448672.3
(32)【優先日】2023-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202320636465.0
(32)【優先日】2023-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523154596
【氏名又は名称】浙江易斐科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Yifei Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 918, 9th Floor, Building A1, No. 1899 Gudun Road, Liangzhu Street, Yuhang District, Hangzhou City, Zhejiang Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】韓 斌斌
(72)【発明者】
【氏名】趙 云鵬
(72)【発明者】
【氏名】茅 新波
【テーマコード(参考)】
3L070
【Fターム(参考)】
3L070AA02
3L070AA03
3L070AA04
3L070BC01
3L070BC16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】包装・輸送及び取付が容易で、放熱効率が高いフレキシブル熱交換器を有する熱交換システムを提供する。
【解決手段】本願はフレキシブル熱交換器を有する熱交換システムに関し、前記フレキシブル熱交換器はフレキシブル基板152及び複数本の配管150を備え、複数本の配管が前記フレキシブル基板に並列設置され、前記配管の両端にそれぞれ導入ヘッダ151及び排出ヘッダ153が接続され、前記熱交換システムは更に室外熱交換ユニットを備え、前記室外熱交換ユニットがそれぞれ前記導入ヘッダ及び前記排出ヘッダに接続されて循環熱交換システムを形成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル熱交換器を有する熱交換システムであって、
前記フレキシブル熱交換器はフレキシブル基板及び複数本の配管を備え、複数本の配管が前記フレキシブル基板に並列設置され、前記配管の両端にそれぞれ導入ヘッダ及び排出ヘッダが接続され、前記熱交換システムは更に室外熱交換ユニットを備え、前記室外熱交換ユニットがそれぞれ前記導入ヘッダ及び前記排出ヘッダに接続されて循環熱交換システムを形成することを特徴とするフレキシブル熱交換器を有する熱交換システム。
【請求項2】
前記フレキシブル熱交換器が床スラブの上方に設置され、前記導入ヘッダ及び前記排出ヘッダが壁体の底部位置に設置され、前記フレキシブル熱交換器の端部に折曲部が形成され、前記導入ヘッダ及び前記排出ヘッダの外部に保護カバーが覆うようにして設けられることを特徴とする請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項3】
前記フレキシブル熱交換器のエッジ位置に保護ストリップが設けられ、前記保護ストリップが固定部材により床スラブに固定され、又は床スラブに貼り付けられることを特徴とする請求項2に記載の熱交換システム。
【請求項4】
前記フレキシブル熱交換器と前記床スラブとの間に断熱層が設置され、前記フレキシブル熱交換器の上方に装飾層が設置されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換システム。
【請求項5】
前記フレキシブル熱交換器が壁体に設置され、前記フレキシブル熱交換器と前記壁体との間に断熱層が設置されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項6】
前記フレキシブル熱交換器は間隔を置いて設置される複数組の配管を備え、複数組の配管間のフレキシブル基板に孔が設けられることを特徴とする請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項7】
前記フレキシブル熱交換器がバッテリーアセンブリ内に設置され、前記バッテリーアセンブリが並列に配列される少なくとも1つのバッテリーパックを備え、バッテリーパックが少なくとも1枚のバッテリーを備え、前記フレキシブル熱交換器が前記バッテリーパックの外部に設置されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項8】
前記フレキシブル熱交換器と前記バッテリーパックの外部との間に熱伝導接着剤が設けられ、或いは、前記フレキシブル熱交換器が直接に前記バッテリーパックの外部に設置され、又は前記バッテリーアセンブリのバッテリーコンパートメントの内壁に設置されることを特徴とする請求項7に記載の熱交換システム。
【請求項9】
前記バッテリーアセンブリは2つ以上のバッテリーパックを備え、前記フレキシブル熱交換器が前記バッテリーパックに連続して設置され、又は前記バッテリーパックに間隔を置いて設置されることを特徴とする請求項7又は8に記載の熱交換システム。
【請求項10】
各前記バッテリーパックは1列又は2列のバッテリーを備えることを特徴とする請求項9に記載の熱交換システム。
【請求項11】
室内熱交換ユニット、室外熱交換ユニット及びそれらを接続するパイプラインを備える自然対流を利用した冷凍システムであって、
前記室内熱交換ユニットはフレキシブル熱交換器を備え、前記フレキシブル熱交換器は建物の天井板又は壁面に設置され、並列する複数本の熱交換管及びフレキシブル基板を備え、並列する複数本の熱交換管の両端にそれぞれ導入ヘッダ及び排出ヘッダが設けられ、前記熱交換管が前記フレキシブル基板に設置されることを特徴とする自然対流を利用した冷凍システム。
【請求項12】
前記室内熱交換ユニットは更に凝縮水受け装置を備えることを特徴とする請求項11に記載の冷凍システム。
【請求項13】
前記凝縮水受け装置はホルダ及びファンを備え、前記フレキシブル熱交換器が前記ホルダに設置され、前記ホルダが建物に取り付けられ、前記ファンが前記ホルダに取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の冷凍システム。
【請求項14】
前記フレキシブル熱交換器の表面に装飾層が更に設けられ、前記フレキシブル熱交換器、前記装飾層及び建物の天井板又は壁面が全体を形成し、前記凝縮水受け装置はホルダ及びファンを備え、前記ホルダが建物に取り付けられ、前記ファンが前記ホルダに取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の冷凍システム。
【請求項15】
前記フレキシブル基板に複数のスルーホールが設けられ、前記スルーホールが前記フレキシブル基板を貫通し、前記スルーホールの直径が1~2mmであり、又は1mmよりも小さいことを特徴とする請求項11に記載の冷凍システム。
【請求項16】
前記室外熱交換ユニットは室外熱交換器及びスロットル弁を備え、前記スロットル弁が前記室外熱交換器と前記フレキシブル熱交換器との間に設置されることを特徴とする請求項11に記載の冷凍システム。
【請求項17】
冷凍システム及び床暖房熱交換器を備える熱交換システムであって、
前記冷凍システムが請求項11に記載の冷凍システムであり、前記床暖房熱交換器と前記室内熱交換ユニットが前記室外熱交換ユニットに並列接続されることを特徴とする熱交換システム。
【請求項18】
更に弁アセンブリを備え、前記室内熱交換ユニットの熱交換システムが前記弁アセンブリにより前記室外熱交換ユニットの熱交換システムに接続され、前記床暖房熱交換器が前記弁アセンブリにより前記室外熱交換ユニットの熱交換システムに接続され、前記室内熱交換ユニットの熱交換システムと前記床暖房熱交換器が前記室外熱交換ユニットの熱交換システムに並列接続され、前記弁アセンブリの冷凍剤供給排出配管がそれぞれ前記室内熱交換ユニットの熱交換器、前記床暖房熱交換器、並びに前記室外熱交換ユニット内の圧縮機及び室外熱交換器に接続されることを特徴とする請求項17に記載の熱交換システム。
【請求項19】
冷凍循環をするとき、前記弁アセンブリが前記室外熱交換ユニットの熱交換システムと前記床暖房熱交換器との接続を遮断し、暖房循環をするとき、前記弁アセンブリが前記室外熱交換ユニットの熱交換システムと前記室内熱交換ユニットの熱交換システムとの接続を遮断することを特徴とする請求項18に記載の熱交換システム。
【請求項20】
フレキシブル熱交換器であって、前記フレキシブル熱交換器はフレキシブル基板及び複数本の配管を備え、複数本の前記配管が前記フレキシブル基板に並列設置され、前記配管の等価直径が0.1~4mmであり、前記フレキシブル基板の厚さが10mm以下であることを特徴とするフレキシブル熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は熱交換システムに関し、特にフレキシブル熱交換器を有する熱交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換シートによる暖房を除いて、床暖房もよく見られる暖房形式である。よく使用される床暖房形式は放射床暖房、水を媒体とする床暖房及びフッ素を媒体とする床暖房を含み、3種の床暖房はいずれもまず熱をコンクリート層に交換し、次に上方に敷設される床板又は床タイルに伝達し、最後に室内に放散し、室内の空気を昇温させる。コンクリート層の厚さが比較的大きく、一般的に2~3cmであり、このようにすると、必然的に熱伝導効率が低下することをもたらし、室内の昇温速度が遅い。フッ素を媒体とする床暖房は一般的にヒートポンプ熱交換方式を用い、熱エネルギー変換効率が最も高く、使用コストが最も低い。フッ素を媒体とする床暖房は一般的にいずれも金属配管で製造された熱交換器を用い、内径が比較的大きく、一般的に4mmよりも大きいこととなり、放熱面積が限られ、且つ熱交換器の剛性が比較的高く、包装・輸送及び取付がいずれも不便である。
【0003】
一方、従来のバッテリーパック放熱装置は一般的にバッテリーの隙間内に充填され、放熱装置とバッテリーとの接触部分により熱を伝達し、それによりバッテリーから放散した熱を交換する。該技術の欠陥は、放熱装置の硬度が比較的大きく、バッテリーに緊密に張り合わせられることができず、このため、熱交換効率を低下させてしまうことにある。
【0004】
従って、従来技術において、包装、輸送及び取付が容易で、放熱効率が高い熱交換器を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願はフレキシブル熱交換器を有する熱交換システムを提供し、包装・輸送及び取付が容易で、放熱効率が高い技術的優位を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願はフレキシブル熱交換器を有する熱交換システムに関し、前記フレキシブル熱交換器はフレキシブル基板及び複数本の配管を備え、複数本の配管が前記フレキシブル基板に並列設置され、前記配管の両端にそれぞれ導入ヘッダ及び排出ヘッダが接続され、前記熱交換システムは更に室外熱交換ユニットを備え、前記室外熱交換ユニットがそれぞれ前記導入ヘッダ及び前記排出ヘッダに接続されて循環熱交換システムを形成する。
【0007】
前記フレキシブル熱交換器が床スラブの上方に設置され、前記導入ヘッダ及び前記排出ヘッダが壁体の底部位置に設置され、前記フレキシブル熱交換器の端部に折曲部が形成され、前記導入ヘッダ及び前記排出ヘッダの外部に保護カバーが套設され、前記フレキシブル熱交換器の前記導入ヘッダに垂直である方向におけるエッジ位置には保護ストリップが設けられ、前記保護ストリップが固定部材により床スラブに固定され、又は床スラブに貼り付けられ、前記フレキシブル熱交換器と前記床スラブとの間に断熱層が設置され、前記フレキシブル熱交換器の上方に装飾層が設置され、前記フレキシブル熱交換器が壁体に設置され、前記フレキシブル熱交換器と前記壁体との間に断熱層が設置され、前記フレキシブル熱交換器は間隔を置いて設置される複数組の配管を備え、複数組の配管間のフレキシブル基板に孔が設けられる。
【0008】
本願は更に、室内熱交換ユニット、室外熱交換ユニット及びそれらを接続するパイプラインを備える自然対流を利用した冷凍システムに関し、前記室内熱交換ユニットはフレキシブル熱交換器を備え、前記フレキシブル熱交換器は建物の天井板又は壁面に設置され、並列する複数本の熱交換管及びフレキシブル基板を備え、並列する複数本の熱交換管の両端にそれぞれ導入ヘッダ及び排出ヘッダが設けられ、前記熱交換管が前記フレキシブル基板に設置されることを特徴とする。
【0009】
前記室内熱交換ユニットは更に凝縮水受け装置を備え、前記凝縮水受け装置はホルダ及びファンを備え、前記フレキシブル熱交換器が前記ホルダに設置され、前記ホルダが建物に取り付けられ、前記ファンが前記ホルダに取り付けられ、前記フレキシブル熱交換器の表面に装飾層が更に設けられ、前記フレキシブル熱交換器、前記装飾層及び建物の天井板又は壁面が全体を形成し、前記凝縮水受け装置はホルダ及びファンを備え、前記ホルダが建物に取り付けられ、前記ファンが前記ホルダに取り付けられ、前記フレキシブル基板に複数のスルーホールが設けられ、前記スルーホールが前記フレキシブル基板を貫通するように設置され、前記スルーホールの直径が1~2mmであり、又は1mmよりも小さく、前記室外熱交換ユニットは室外熱交換器及びスロットル弁を備え、前記スロットル弁が前記室外熱交換器と前記フレキシブル熱交換器との間に設置される。
【0010】
本願は更に、冷凍システム及び床暖房熱交換器を備える熱交換システムに関し、前記冷凍システムが以上に記載の冷凍システムであり、前記床暖房熱交換器と前記室内熱交換ユニットが前記室外熱交換ユニットに並列接続されることを特徴とする。
【0011】
更に弁アセンブリを備え、前記室内熱交換ユニットの熱交換システムが前記弁アセンブリにより前記室外熱交換ユニットの熱交換システムに接続され、前記床暖房熱交換器が前記弁アセンブリにより前記室外熱交換ユニットの熱交換システムに接続され、前記室内熱交換ユニットの熱交換システムと前記床暖房熱交換器が前記室外熱交換ユニットの熱交換システムに並列接続され、前記弁アセンブリの冷凍剤供給排出配管がそれぞれ前記室内熱交換ユニットの熱交換器、前記床暖房熱交換器、並びに前記室外熱交換ユニット内の圧縮機及び室外熱交換器に接続される。冷凍循環をするとき、前記弁アセンブリが前記室外熱交換ユニットの熱交換システムと前記床暖房熱交換器との接続を遮断し、暖房循環をするとき、前記弁アセンブリが前記室外熱交換ユニットの熱交換システムと前記室内熱交換ユニットの熱交換システムとの接続を遮断する。
【0012】
本願に係るフレキシブル熱交換器は更にバッテリーアセンブリに使用されてもよく、前記バッテリーアセンブリが並列に配列される少なくとも1つのバッテリーパックを備え、バッテリーパックが少なくとも1枚のバッテリーを備え、前記フレキシブル熱交換器が前記バッテリーパックの外部に設置される。前記フレキシブル熱交換器と前記バッテリーパックの外部との間に熱伝導接着剤が設けられてもよく、或いは、前記フレキシブル熱交換器が直接に前記バッテリーパックの外部に設置されてもよく、又は前記バッテリーアセンブリのバッテリーコンパートメントの内壁に設置されてもよい。前記バッテリーアセンブリは2つ以上のバッテリーパックを備えてもよく、前記フレキシブル熱交換器は前記バッテリーパックに連続して設置され、又は前記バッテリーパックに間隔を置いて設置されてもよく、各前記バッテリーパックは1列又は2列のバッテリーを備えてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本願に係るフレキシブル熱交換器を有する熱交換システムは、
第(1)として、本願に係るフレキシブル熱交換器はフレキシブル基板を用い、配管が4mmよりも小さな内径を用いて、熱交換器全体のフレキシブル性をより高くし、折り畳み、輸送及び取付が容易で、熱交換面積が一層大きく、且つフレキシブル基板が容易に接触面に張り合わせられることができ、空洞を形成しにくく、熱交換効率を向上させ、
第(2)として、本願に係るフレキシブル熱交換器は直接に床板又は壁体に設置されてもよく、コンクリート層に埋設される必要がなく、コンクリート層が比較的厚いことに起因して熱抵抗が大きくて熱伝導効率が低いという欠陥を回避し、更にメッシュクロスの方式を参照して壁体に敷設されてもよく、外部熱交換ユニットに接続されることにより、室内の循環熱交換を実現するだけでなく、構造の強度を強化することもでき、二重効果を実現し、
第(3)として、本願に係るフレキシブル熱交換器はバッテリーの表面に緊密に張り合わせられることができ、バッテリーの熱交換効率を向上させて熱をできる限り速く放散させることができ、バッテリーの耐用年数及び使用の安全性を向上させる、という技術的効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】フレキシブル熱交換器の部分模式図である。
図2】フレキシブル熱交換器の模式図である。
図3】フレキシブル熱交換器が床暖房熱交換システムに使用される模式図である。
図4】フレキシブル熱交換器が壁面に設けられる模式図である。
図5】複数組の配管がフレキシブル基板に間隔を置いて設けられる模式図である。
図6】他のフレキシブル熱交換器の構造模式図である。
図7】冷凍システムの模式図である。
図8】室内熱交換器の冷凝システムの第1実施例の模式図である。
図9】室内熱交換器の冷凝システムの第2実施例の模式図である。
図10】冷凍システムと床暖房熱交換器とが係合設置される模式図である。
図11】床暖房とエアコンとの連動制御システムの模式図である。
図12】エアコンの冷凍降温過程におけるシステム循環の模式図である。
図13】エアコンの暖房暖房過程におけるシステム循環の模式図である。
図14】フレキシブル床暖房熱交換器の舗装平面模式図である。
図15】フレキシブル床暖房熱交換器の側面模式図である。
図16】フレキシブル床暖房熱交換器のヘッダ側の組み立て模式図である。
図17】フレキシブル床暖房熱交換器のサイドエッジ箇所の組み立て模式図である。
図18】本願に係るフレキシブル熱交換器付きのバッテリーパックの模式図である。
図19】本願に係るフレキシブル熱交換器付きのバッテリーアセンブリの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に図面を参照しながら本願の実施例を詳しく説明する。なお、衝突しない限り、本願の実施例及び実施例の特徴は互いに任意に組み合わせられることができる。
【0016】
図1~2にはフレキシブル熱交換器を示し、フレキシブル基板12及び複数本の配管11を備え、複数本の配管11がフレキシブル基板12に並列設置されて1組の配管を構成する。配管11は金属管を用いることが好ましく、円形管又はねじ管であってもよい。配管11の外側に更に保護層が包まれてもよく、保護層はプラスチック層、例えば耐熱が高くとも摂氏120度に達するPVCプラスチックであってもよい。配管の等価直径は0.1~2mmの小内径を用いてもよく、好ましくは、内径が0.2~1.0mmであり、例えば0.4mmであってもよい。内径が小さければ小さいほど、熱交換器の管壁が薄くなり、より高いフレキシブル性を有し、折り畳み、輸送及び取付が容易であり、且つ更に一層大きな熱交換面積を取ることができる。フレキシブル基板12は熱伝導性能が良い有機材料、例えばアクリル又は他の改質材料を用いる。フレキシブル基板12の厚さは10mm以下であり、例えば3~6mmであってもよく、ひいては1~2mmであってもよい。厚さが小さければ小さいほど、金属管が熱伝導する熱抵抗を減少させることができる一方、熱交換器のフレキシブル性も高く、巻取として輸送できる。且つ、フレキシブル基板がレベリングされた接触面に張り合わせられることが容易であり、空洞を形成しにくく、触覚の快適性を向上させる。複数本の配管11の間隔は同じであってもよく、異なってもよい。配管11のフレキシブル基板12における埋設深さは均一であってもよく、均一でなくてもよく、ひいては部分的に露出してもよい。熱交換器の一方の面のみが熱交換面として使用される場合、埋設深さが均一でなくてもよく、即ち厚さが比較的薄い面が熱交換面とされ、フレキシブル基板の熱抵抗を減少させることに寄与する。
【0017】
並列配管11の両端にそれぞれ導入ヘッダ13及び排出ヘッダ14が接続され、更に並列接続される複数本の配管内の熱交換媒体が均一に流れるようにするために、導入ヘッダ13及び排出ヘッダ14に少なくとも1つの流れ止めシート15を設置してもよい。熱交換器1の導入ヘッダ13及び排出ヘッダ14が接続管により室外に置かれる熱交換ユニット2に接続されて熱交換循環システムを構成する。熱交換ユニット2により室外空気の熱エネルギーを取り換え、熱交換媒体により接続管を通過して熱交換器1に輸送し、熱交換器1により内部空気と熱交換し、これにより内部温度を上昇させる。本願は複数本の並列配管を導入ヘッダと排出ヘッダとの間に設置し、熱交換媒体がまず導入ヘッダに流れ込み、次に並列配管を通過して排出ヘッダに流れ込み、最終的に排出ヘッダから集まって流れ出し、熱交換媒体の流れ距離を短縮し、それにより流れ距離が比較的長いことによるエネルギー損失及び熱抵抗を減少させる。
【0018】
図3に示すように、上記熱交換器は室内に設置されて床暖房熱交換器として使用されてもよく、熱交換器の厚さは3~4mmであってもよい。具体的に、フレキシブル熱交換器1は床スラブ4の上方に設置される。熱交換器が床スラブに熱を伝達することを防止するために、フレキシブル熱交換器1と床スラブ4との間に断熱層6を設置してもよい。美しくして快適にするために、更にフレキシブル熱交換器1の上方に装飾層5を設置してもよい。装飾層は床板であってもよく、美しくする機能を有する他の緩衝層であってもよい。室内物品によるフレキシブル熱交換器特に配管に対する押出を軽減するために、装飾層5と断熱層6との間又は装飾層5と床スラブ4との間にスペーサブロックを設けることによりフレキシブル熱交換器が占有する空間を支持することができる。導入ヘッダ13と排出ヘッダ14が部室内の壁の隅に設置され、又は壁体に設置されてもよく、それにより床スラブの中央に配置されることに起因して快適に歩くことができず、踏みつけられて損傷されてしまうことを回避する。
【0019】
図4に示すように、上記熱交換器は更に壁体内に敷設され、又は壁体に掛設されてもよく、熱交換器の厚さは1~2mmであってもよい。具体的に、フレキシブル熱交換器1は部屋の内壁に取り付けられてもよい。熱交換器が壁面に熱を伝達することを防止するために、フレキシブル熱交換器1と壁面との間に断熱層6を設置してもよい。美しくして快適にするために、更にフレキシブル熱交換器1の外壁に装飾層5を設置してもよい。導入ヘッダ13と排出ヘッダ14が部室内の壁の隅に設置され、又は壁面内に埋設されてもよい。当業者であれば分かるように、本願の熱交換器は更に同時に地面及び壁体に設置されてもよい。
【0020】
図5に示すように、間隔を置いて設置される複数組の配管11を使用する必要がある場合、更に複数組の配管間のフレキシブル基板12には、熱交換器を固定し、或いは熱交換器の下方又は上方の被覆物が孔を通り抜け又は孔から押し出されるようにして、熱交換器と被覆物とを一体にするための複数の孔16を設置してもよい。熱交換器を壁体に設置する場合を例とし、このとき、図5に示される熱交換器をメッシュクロスの方式で全体として壁に貼り付け、次にセメントモルタルを塗ってもよい。セメントモルタルが孔から通り抜けて壁面に接触することにより、熱交換器を堅固に貼り付けて壁面に固定する。このとき、熱交換器は熱交換の作用を果たすことができるだけでなく、壁体の強度及び堅固度を強化することもでき、二重機能を実現する。
【0021】
なお、本願に言及した「室外熱交換ユニット」は建物に応用される以外に、更に他の密閉空間に応用されてもよく、例えば、フレキシブル熱交換器を貯蔵箱内又はバッテリーパック内に置いてもよい。フレキシブル熱交換器を貯蔵箱内に置いている場合、フレキシブル熱交換器を貯蔵箱の内壁に寄せて置き、次に導入ヘッダと排出ヘッダを室外の熱交換ユニットに接続してもよく、これにより貯蔵箱内に加熱又は冷凍の環境を形成することができる。フレキシブル熱交換器をバッテリーパック内に置いている場合、フレキシブル熱交換器をバッテリーの外部に包んで、両方が良好な熱接触を形成し、次に導入ヘッダと排出ヘッダを室外の熱交換ユニットに接続してもよく、これによりバッテリーの外部に冷凍の環境を形成することができる。
【0022】
図7に示すように、本願に係るフレキシブル熱交換器は更に冷凍システムに応用されてもよく、冷凍システムは室内熱交換ユニット101、室外熱交換ユニット102及びそれらを接続するパイプライン103を備える。室内熱交換ユニット101は冷凍剤により室内空気と熱交換し、室内空気が冷凍剤の冷凍により温度が降下し、冷凍剤が室内空気の熱により温度が上昇する。室外熱交換ユニット102は圧縮後に温度が室外環境温度よりも高い冷凍剤を利用して室外空気と熱交換し、室外空気が熱により温度が上昇し、冷凍剤が冷凍により温度が降下する。エアコンの室内機の強制対流に比べて、本願に係る自然対流を利用した冷凍システムは、自然対流の熱交換係数が強制対流よりも小さいが、自然対流を利用した室内熱交換器の熱交換面積がエアコンの室内機の熱交換器の数倍であり、熱交換係数が小さいことによる影響を完全に相殺して最終的に熱交換効率を向上させることができる。従って、エアコンに比べて、自然対流を利用した冷凍システムは明らかな省エネ優位性を有する。本実施例に係る並列配管を用いる熱交換器は図6に示されるように、並列する複数本の熱交換管150を備え、等価直径が0.1~4mmであり、好ましくは0.2~2mmであり、例えば1mmであってもよい。並列する複数本の熱交換管150の両端にそれぞれ導入ヘッダ151及び排出ヘッダ153が設けられ、熱交換管150がフレキシブル基板152に設置される。本願に係るフレキシブル熱交換器は容易に輸送及び取付することができ、且つその内径が一般的な意味における熱交換管よりも小さいため、熱交換管の比表面積を増大させ、それにより熱交換効率を向上させる。
【0023】
湿り空気の場合には、室内の異なる温度及び湿度条件において異なる露点温度に対応するため、熱交換媒体の循環配管にスロットル弁を設置することにより室内熱交換器内の熱交換媒体の異なる蒸発温度を制御することができ、それにより熱交換器の表面には湿り空気の露点温度よりも高い表面温度を形成し、このようにすると、熱交換器の表面の凝縮水の形成を減少させることができる。熱交換器の表面温度が上昇することも室外熱交換ユニットのエネルギー効率比を向上させることとなるが、室内熱交換器の熱交換温度と環境温度との温度差が減少することとなり、単位時間あたりの熱交換量が減少することとなり、所要の冷凍量の補給を実現するために一層長い始動時間を必要とし、又は熱交換面積を増大させることで補う。冷凍過程において発生した凝縮水が室内又はユーザーの体に滴下することを回避するために、熱交換器の表面温度が湿り空気の露点温度よりも低い場合、凝縮水受け装置を設置することを考慮する必要がある。
【0024】
図8に示すように、室内熱交換器111はホルダ115に設置され、ホルダ115は建物に取り付けられ、例えば床スラブ141に取り付けられてもよい。凝縮水が滴下することを防止するために、更にホルダ115内にファン112を取り付けて、室内熱交換器111の表面の凝縮水を吸い出して迅速に蒸発乾燥させてもよい。ファン112が抽出した水蒸気を凝縮水収集器113に輸送し、凝縮水収集器113内に湿っぽい空気が更に水に凝縮し、凝縮水が排水管131から排出される。図9に示すように、他の実施形態では、室内熱交換器111の表面に装飾層114が設けられ、室内熱交換器111、装飾層114及び床スラブ141が全体を形成する。凝縮水が滴下することを防止するために、ファン112を設置してもよく、ファン112は装飾層114の表面の凝縮水を吸い出して迅速に蒸発乾燥させる。ファンが抽出した湿っぽい空気は凝縮水収集器113に輸送され、凝縮水収集器113内に水に凝縮し、凝縮水が排水管131により室外に排出される。
【0025】
凝縮水の収集又は排出を容易にするために、室内熱交換器111をファン112の方向に向かって傾斜して設置してもよい。湿り空気の熱交換器での凝縮を容易にするために、室内熱交換器111のフレキシブル基板152に複数のスルーホールを配置してもよく、スルーホールが熱交換管150の間に配置されてフレキシブル基板152を貫通する。スルーホールの直径が1~2mmであり、又は1mmよりも小さい場合、毛細管現象を形成することとなり、室内熱交換器上の凝縮水をスルーホールの毛細管作用により滴下せずにしっかりと閉じ込めることができ、且つ表面張力の存在により凝縮水を室内熱交換器上に露出させることとなる。更に、フレキシブル基板152上のスルーホールが十分に多く、フレキシブル基板をスポンジのような開けた穴を有するマイクロ孔構造にし、このようにすると、室内熱交換器の表面に形成された凝縮水がフレキシブル基板内に吸い込まれることとなる。凝縮水がフレキシブル基板に均一に分布し、フレキシブルベース層が凝縮水の良好な熱伝導性能により熱交換管のエネルギーを迅速に伝導できるようにし、室内熱交換器全体に均一な温度場を形成させ、室内空気との熱交換効率を向上させる。ファンは吸い出し作用によってフレキシブル基板に吸着された水を抽出して、室内熱交換器上の凝縮水が落ちることを防止することができる。
【0026】
フレキシブル基板152上のスルーホールの直径が2mmよりも大きい場合、室内熱交換器111を床スラブ141に貼らせることができ、装飾層114を形成する材料、例えばセメント、結合用セメントなどの材料はスルーホールに入ることができ、装飾層114が乾燥硬化された後、室内熱交換器111と床スラブ141とが全体を形成する。室外熱交換ユニット102は圧縮機、室外熱交換器、スロットル弁、ファン及び制御部材などを備え、ファンにて気流を発生させて室外熱交換器と室外空気との間に強制対流を発生させ、室内熱交換器内の冷凍剤が室外空気中の冷凍量を吸収して室内に循環輸送する。制御部材はスロットル弁を制御して絞り膨張された冷凍剤の温度を室内空気の湿度よりも少々高くし、大量の凝縮水を発生させるほどではない。室内空気の湿度が比較的大きい場合、先にファンを起動して室内空気を除湿して水蒸気の室内熱交換器上での凝縮を減少させてもよい。
【0027】
図10に示すように、本願に係る自然対流を利用した冷凍システムは更に床暖房熱交換器104に並列接続してもよく、即ち室内熱交換器101と床暖房熱交換器とをパイプライン103により室外熱交換ユニット102に並列接続し、それぞれ冷凍システム及び床暖房熱交換器104を制御するように室外熱交換ユニット102内に制御弁群を設置する。冷凍する必要がある場合、室外熱交換ユニット102の圧縮機から排出された熱交換媒体は室外熱交換器に入って室外空気と熱交換して、吸収した冷凍量を絞り膨張によって室内熱交換器内に室内空気と熱交換して、冷凍量を室内空気に伝達して室内空気の温度を降下させ、更に圧縮機に流れ込み、これにより循環を形成する。室内に暖房する必要がある場合、室外熱交換ユニット102の圧縮機から排出された熱交換媒体は室内床暖房熱交換器に入って室内空気と熱交換し、室内空気が熱により温度が上昇し、熱交換媒体がスロットル弁に流れ込んで絞り膨張して室外熱交換器内に室外空気と熱交換し、熱を吸収してから圧縮機に流れ込み、これにより熱交換循環を形成する。
【0028】
図11には床暖房とエアコンとの連動制御システムを示し、室外熱交換ユニット201、室内熱交換ユニット202、床暖房熱交換器203及び制御アセンブリを備える。制御アセンブリにより命令を出して、制御アセンブリと室外熱交換ユニット201、室内熱交換ユニット202と床暖房熱交換器203との連動協調運転を実現する。制御アセンブリは弁アセンブリ211及び制御パネル241を備え、弁アセンブリ211は制御パネル241に接続され、制御パネル241が出した制御命令によって弁の開閉を制御する。弁アセンブリ211は室外熱交換ユニット201内に設置されてもよく、室外熱交換ユニットを出入りする冷凍剤循環配管の制御を形成し、弁アセンブリ211の制御信号が制御アセンブリにおける制御パネル241からのものである。更に、室内熱交換ユニット202の熱交換システムは弁アセンブリ211により室外熱交換ユニット201の熱交換システムに接続される。床暖房熱交換器203は弁アセンブリ211により室外熱交換ユニット201の熱交換システムに接続される。室内熱交換ユニット202の熱交換システムと床暖房熱交換器203とが並列接続され、これにより、室内の冷凍及び暖房を実現するように弁アセンブリ211によりそれらをそれぞれ連動制御することができる。なお、図11における弁アセンブリ211は単に模式的なものであり、更に実際の必要に応じて2つ以上の独立した弁に設置してもよく、例えば図12及び図13を参照してもよい。
【0029】
具体的に、室外熱交換ユニット201は圧縮機212、室外熱交換器213及び室外ファン214を備え、室内熱交換ユニット202は室内ファン221及び室内熱交換器222を備える。弁アセンブリ211の冷凍剤供給排出配管がそれぞれ室内熱交換ユニット202の室内熱交換器222、床暖房熱交換器203並びに室外熱交換ユニット201内の圧縮機212及び室外熱交換器213に接続される。制御パネル241が更に室内熱交換ユニット202に設けられる温度センサ242及び信号センサ243に接続される。制御アセンブリは制御パネル241、温度センサ242及び信号センサ243を備える以外に、複数の制御素子を配置することにより室外熱交換ユニット201における圧縮機212、室内ファン221及び室外ファン214などの部材の動作を制御することができる。
【0030】
室内に冷凍して降温する必要がある場合、図12に示すように、室外熱交換ユニットの圧縮機212から排出された冷凍剤は室外熱交換器213により室外空気と熱交換し、スロットル弁215により室内熱交換ユニットの室内熱交換器222内に絞り膨張して蒸発し、室内の熱を吸い取って室内を降温させ、更に弁アセンブリ211を通過して圧縮機212に流れて、冷凍循環を形成する。信号センサ243は信号を受信してから制御パネル241にフィードバックし、制御パネル241は更に温度センサ242の信号を収集して温度閾値の判定を行い、温度要件を満たす場合、命令を弁アセンブリ211における弁に出し、又は圧縮機212、室外ファン214、室内ファン221の稼動動作を制御する。上記信号センサが受信した信号は制御による遠隔制御信号、押圧された信号又は開閉信号などであってもよい。弁アセンブリ211は圧縮機212から排出された冷凍剤が床暖房熱交換器203に入ることなく室内熱交換器222に入るように制御するため、床暖房熱交換器203は動作しない。それと同時に、弁アセンブリ211の制御状態に応じて、制御パネル241によって室内ファン221が稼働することが実現され得る。
【0031】
室内に暖房して昇温する必要がある場合、図13に示すように、室外熱交換ユニットの圧縮機212から排出された冷凍剤は床暖房熱交換器203を通過して室内空気と熱交換して、室内の空気を昇温させ、更にスロットル弁215により室外熱交換ユニットの室外熱交換器213に絞り膨張して蒸発し、室外空気中の熱を吸い取って、更に圧縮機212に流れ込んで、暖房循環を形成する。信号センサ243は信号を受信してから制御パネル241にフィードバックし、制御パネル241は更に温度センサ242の信号を収集して温度閾値の判定を行い、要件を満たす場合に命令を弁アセンブリ211に出して弁の制御を行い、又は圧縮機212、室外ファン214の稼動動作を制御する。弁アセンブリ211は圧縮機212から排出された冷凍剤が室内熱交換器222に入ることなく床暖房熱交換器203に入るように制御するため、室内熱交換器は動作しない。それと同時に、弁アセンブリ211の制御状態に応じて、制御パネル241によって室内ファン221が稼働しないことが実現され得る。
【0032】
本願の上記連動システムは既存の室内エアコンユニットを基に、床暖房熱交換器の配管をエアコン室外ユニットにおける弁に接続するだけで、空気熱源ヒートポンプ式床暖房と室内ユニットとの連動制御を実現することができ、独立した室外ユニットを別途に設置して床暖房熱交換器に接続する必要がなく、それによりコストを削減して全体構造をより簡単にすることができ、床暖房の暖房動作及び温度のサンプリング制御などはすべて室内ユニットにより行われ、増設したサンプリング素子及び制御素子を減少させ、コストを削減し、冷凍循環をするとき、本願の弁アセンブリは室外ユニットの熱交換システムと床暖房熱交換器との接続を遮断し、暖房循環をするとき、弁アセンブリは室外ユニットの熱交換システムと室内ユニットの熱交換システムとの接続を遮断し、それにより制御の利便性を実現し、室内ファンによる風騒音を低減することもでき、ユーザー体験を向上させる。
【0033】
図14~17には本願に係るフレキシブル床暖房熱交換器301の部室内での敷設模式図を示す。フレキシブル床暖房熱交換器301は直接に床スラブ306に舗装又は貼付されてもよい。フレキシブル床暖房熱交換器301は複数列の並列配管313及びフレキシブル基板311を備え、並列配管313がフレキシブル基板311に設置され、並列配管313の両端にそれぞれヘッダ312が設けられ、並列配管313がヘッダ312に密封接続される。熱交換媒体がその中の1つのヘッダから合流して流れ込んで、並列配管間を同時に流れ、次にヘッダから合流して流れ出す。
【0034】
並列配管313はフレキシブル基板311に埋設又は嵌設されてもよく、フレキシブル基板311から部分的に露出してもよい。当業者であれば分かるように、熱伝導のニーズを満たすために、並列配管313とフレキシブル基板311とが良好な熱接触を形成する必要がある。ヘッダ312は更に室外熱交換ユニットに接続されてもよく、冷凍剤の循環によって暖房循環を実現する。フレキシブル床暖房熱交換器301に更に装飾層304が設けられてもよく、フレキシブル床暖房熱交換器301を保護することができる一方、室内の地面をより美しくすることができる。フレキシブル床暖房熱交換器に形成された熱抵抗を減少させるように、装飾層はフレキシブルカーペット又は比較的薄い床板などの材料を選択してもよい。装飾層304はフレキシブル床暖房熱交換器301と別々に敷設されてもよく、一体に敷設されてもよく、即ち、装飾層304はフレキシブル床暖房熱交換器301と一体に設置又は別々に設置されてもよい。
【0035】
フレキシブル床暖房熱交換器301のヘッダ312の寸法が比較的大きく、直接に室内の人員の活動位置に埋設されることに適せず、それぞれ壁体305に近接して設置されてもよい。室内の幅が一致しない恐れがあるため、ヘッダ312をすべて壁体305に近接することが実現されにくく、ヘッダ312を保護せずに直接に床スラブ306に置けば、ヘッダの直径が比較的大きいため、室内に住んでいる人員が歩く際に足が快適でなく足を引っかけて倒しやすいとともに、フレキシブル床暖房熱交換器も損傷されることとなる。従って、本願では、ヘッダを壁体の底部に取り付け、例えば巾木302内に取り付けて保護することができる。当業者であれば理解されるように、巾木を設置しない場合、更にヘッダを底部壁体の凹溝内又は独立して設置される取付箱内に埋設してもよい。
【0036】
本願に係るフレキシブル床暖房熱交換器は高い熱交換効率を有するため、いっぱいに敷設する必要がなく、部室内に部分的に敷設すればよい。図14に示すように、フレキシブル床暖房熱交換器の敷設範囲は保護ストリップ303間の範囲内である。保護ストリップ303はフレキシブル床暖房熱交換器301のヘッダ312に垂直である方向におけるエッジ位置に設置され、それによりエッジ位置の保護を実現する。即ち、保護ストリップはフレキシブル床暖房熱交換器の敷設範囲のエッジ位置に設置され、図14においてフレキシブル床暖房熱交換器301の長さ方向のエッジ位置である。フレキシブル床暖房保護器301の厚さが極めて薄いため、保護ストリップ303は金属型材又は折損された金属板又はプラスチックを押出成形することで製造されて極めて薄い保護構造を形成することができる。保護ストリップ303はねじなどの固定部材307又は接着剤の方式で床スラブ306に固定されて、フレキシブル床暖房熱交換器の全体保護構造を形成することができ、それにより室内の人員が歩く際に足を引っかけて倒し又はフレキシブル床暖房熱交換器を損傷することがないようにする。本願では、金属型材とは全体をプリフォーム成形する型材を指すが、折損された金属板とは金属板を折損して二層板構造を形成するものを指し、当業者であれば理解されるように、両方は異なる部材であって、いずれも一般的に理解され得る意味を有する。
【0037】
図15~16に示すように、フレキシブル床暖房熱交換器の敷設長さは室内空間の長さよりも大きくてもよく、フレキシブル床暖房熱交換器のフレキシブル性を十分に利用し、余分な寸法を折損することで取り巻かれて巾木302内に隠す。フレキシブル床暖房熱交換器のヘッダには配管313に接続される複数の接続点がある。冷凍剤が漏れる場合、巾木を取り外して検査するだけで漏れ箇所を見つけることができ、容易に補修・保守できる。フレキシブル床暖房部材を更に保護するために、更にヘッダ312に保護カバー314を覆うようにして設けることができ、それによりヘッダ312、配管313及びフレキシブルベース層311を端部で強度の高い全体を形成する。保護カバー314はシリコンゴムなどのフレキシブルで耐熱の有機材料を用いてもよく、ねじなどで接続を強化することができ、仮締め構造を形成することを容易にする。
【0038】
フレキシブル床暖房熱交換器は効率的な熱交換能力を有し、室内に部分的に舗装すれば熱交換ニーズを満たすことが実現され得るため、入居した空間に対して、室内の固定施設を取り外さずに容易な取り付けを実現することができ、且つフレキシブル床暖房熱交換器は更に実際の必要に応じて折曲設置されてもよく、本願はヘッダを壁体の底部例えば巾木内に取り付けて保護してもよく、更に熱交換器に舗装されるサイドエッジに保護ストリップを設置してもよく、室内の人員の活動に干渉することを防止し、熱交換器が損傷されることを回避することもできるとともに、ヘッダを巾木内に設置することにより容易に補修・保守でき、本願はヘッダに保護カバーを覆うようにして設けてもよく、それによりヘッダ、配管及びフレキシブルベース層を端部で強度の高い全体を形成し、保護カバーは更に締め具で接続を強化して、組み立て機構全体を形成してもよい。
【0039】
【0040】
図18~19には本願に係るフレキシブル熱交換器をバッテリーパック又はバッテリーアセンブリに使用する模式図を更に示す。バッテリーアセンブリは並列に配列される少なくとも1つのバッテリーパックを備え、バッテリーパックが少なくとも1枚のバッテリー401を備え、バッテリーパックの外部にフレキシブル熱交換器403が包まれており、フレキシブル熱交換器403とバッテリーパックの外部とが熱伝導接着剤402により接着されてもよく、フレキシブル熱交換器403を直接にバッテリーパックの外部に包んでもよく、このとき、主に熱伝導の方式で熱を放散する。他の実施形態では、更にフレキシブル熱交換器403をバッテリーコンパートメントの内壁に敷設し、次にバッテリーアセンブリをバッテリーコンパートメントに入れてもよい。バッテリーアセンブリから放散した熱は熱対流によりバッテリーコンパートメントの内部の空気に伝達し、次にフレキシブル熱交換器によりバッテリーコンパートメントの内部の空気中の熱を伝達する。
【0041】
第1ヘッダ404と第2ヘッダ405が外部熱交換アセンブリに接続され、熱交換媒体の循環によってバッテリーの降温を実現する。バッテリーが2組以上ある場合、複数の導入ヘッダを接続して複数の排出ヘッダを接続してもよく、接続後にそれぞれバッテリーパックの外部の放熱ユニットに接続して、熱交換媒体の冷凍循環を実現する。図19に示すように、複数組のバッテリーの第1ヘッダ404を連通し、複数組のバッテリーの第2ヘッダ405を連通し、次にそれぞれ外部放熱ユニットの熱交換器の入口及び出口に接続してもよい。図19に示すように、並列に配列される各バッテリーパックは1列であり、当業者であれば分かるように、更に2列のバッテリーを1組としてもよく、フレキシブル熱交換器で包まれる隣接する2つのバッテリーパック間の1列のバッテリーの外部にフレキシブル熱交換器を設置せず、当業者であれば分かるように、更に各組のバッテリーの外部にいずれもフレキシブル熱交換器を設置してもよい。即ち、本願に係るフレキシブル熱交換器は間隔を置いて設置されてもよく、連続して設置されてもよい。本願に係るフレキシブル熱交換器はバッテリーの表面に緊密に張り合わせられることができ、バッテリーの表面の起伏変化に適応することができ、バッテリーの熱交換効率を向上させることができ、バッテリーの耐用年数及び使用の安全性を向上させ、且つ折り畳みやすく、包装・輸送及び取付が容易であり、熱交換管の比表面積を大幅に向上させることができ、熱交換効率を向上させ、材料の使用量を減少させ、製造及び取付コストを削減することができる。
【0042】
以上は本願に開示される実施形態であるが、前記内容は単に本願を理解しやすくするために用いた実施形態であって、本願を制限するためのものではない。当業者であれば、本願に開示される主旨及び範囲を逸脱せずに、実施形態及び細部に対していかなる修正及び変化も行うことができるが、本願の特許保護範囲は依然として添付の特許請求の範囲により制限される範囲に従うべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-07-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル熱交換器を有する熱交換システムであって、
前記フレキシブル熱交換器は、1mm以上4mm以下の厚さを有し、フレキシブル基板及び、前記厚さ以下の直径を有する金属製の複数本の配管を備え、複数本の配管が前記フレキシブル基板に並列設置され、前記配管の両端にそれぞれ導入ヘッダ及び排出ヘッダが接続され、前記熱交換システムは更に室外熱交換ユニットを備え、前記室外熱交換ユニットがそれぞれ前記導入ヘッダ及び前記排出ヘッダに接続され、前記室外熱交換ユニットからの熱交換媒体が、該熱交換媒体の流れを均一にするための流れ止めシートを有する前記導入ヘッダに流れ込み、前記複数本の配管を介して前記排出ヘッダに合流して循環熱交換システムを形成することを特徴とするフレキシブル熱交換器を有する熱交換システム。
【請求項2】
前記フレキシブル熱交換器が床スラブの上方に設置され、前記導入ヘッダ及び前記排出ヘッダが壁体の底部位置に設置され、前記フレキシブル熱交換器の端部に折曲部が形成され、前記導入ヘッダ及び前記排出ヘッダの外部に保護カバーが覆うようにして設けられることを特徴とする請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項3】
前記フレキシブル熱交換器のエッジ位置に保護ストリップが設けられ、前記保護ストリップが固定部材により床スラブに固定され、又は床スラブに貼り付けられることを特徴とする請求項2に記載の熱交換システム。
【請求項4】
前記フレキシブル熱交換器と前記床スラブとの間に断熱層が設置され、前記フレキシブル熱交換器の上方に装飾層が設置されることを特徴とする請求項3に記載の熱交換システム。
【請求項5】
前記フレキシブル熱交換器が壁体に設置され、前記フレキシブル熱交換器と前記壁体との間に断熱層が設置されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項6】
前記フレキシブル熱交換器は間隔を置いて設置される複数組の配管を備え、複数組の配管間のフレキシブル基板に孔が設けられることを特徴とする請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項7】
前記フレキシブル熱交換器がバッテリーアセンブリ内に設置され、前記バッテリーアセンブリが並列に配列される少なくとも1つのバッテリーパックを備え、バッテリーパックが少なくとも1枚のバッテリーを備え、前記フレキシブル熱交換器が前記バッテリーパックの外部に設置されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項8】
前記フレキシブル熱交換器と前記バッテリーパックの外部との間に熱伝導接着剤が設けられ、或いは、前記フレキシブル熱交換器が直接に前記バッテリーパックの外部に設置され、又は前記バッテリーアセンブリのバッテリーコンパートメントの内壁に設置されることを特徴とする請求項7に記載の熱交換システム。
【請求項9】
前記バッテリーアセンブリは2つ以上のバッテリーパックを備え、前記フレキシブル熱交換器が前記バッテリーパックに連続して設置され、又は前記バッテリーパックに間隔を置いて設置されることを特徴とする請求項7又は8に記載の熱交換システム。
【請求項10】
各前記バッテリーパックは1列又は2列のバッテリーを備えることを特徴とする請求項9に記載の熱交換システム。
【請求項11】
室内熱交換ユニット、室外熱交換ユニット及びそれらを接続するパイプラインを備える自然対流を利用した冷凍システムであって、
前記室内熱交換ユニットはフレキシブル熱交換器を備え、前記フレキシブル熱交換器は、1mm以上4mm以下の厚さを有し、建物の天井板又は壁面に設置され、並列する前記厚さ以下の直径を有する金属製の複数本の熱交換管及びフレキシブル基板を備え、並列する複数本の熱交換管の両端にそれぞれ導入ヘッダ及び排出ヘッダが設けられ、前記熱交換管が前記フレキシブル基板に設置されることを特徴とする自然対流を利用した冷凍システム。
【請求項12】
前記室内熱交換ユニットは更に凝縮水受け装置を備えることを特徴とする請求項11に記載の冷凍システム。
【請求項13】
前記凝縮水受け装置はホルダ及びファンを備え、前記フレキシブル熱交換器が前記ホルダに設置され、前記ホルダが建物に取り付けられ、前記ファンが前記ホルダに取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の冷凍システム。
【請求項14】
前記フレキシブル熱交換器の表面に装飾層が更に設けられ、前記フレキシブル熱交換器、前記装飾層及び建物の天井板又は壁面が全体を形成し、前記凝縮水受け装置はホルダ及びファンを備え、前記ホルダが建物に取り付けられ、前記ファンが前記ホルダに取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の冷凍システム。
【請求項15】
前記フレキシブル基板に複数のスルーホールが設けられ、前記スルーホールが前記フレキシブル基板を貫通し、前記スルーホールの直径が1~2mmであり、又は1mmよりも小さいことを特徴とする請求項11に記載の冷凍システム。
【請求項16】
前記室外熱交換ユニットは室外熱交換器及びスロットル弁を備え、前記スロットル弁が前記室外熱交換器と前記フレキシブル熱交換器との間に設置されることを特徴とする請求項11に記載の冷凍システム。
【請求項17】
冷凍システム及び床暖房熱交換器を備える熱交換システムであって、
前記冷凍システムが請求項11に記載の冷凍システムであり、前記床暖房熱交換器と前記室内熱交換ユニットが前記室外熱交換ユニットに並列接続されることを特徴とする熱交換システム。
【請求項18】
更に弁アセンブリを備え、前記室内熱交換ユニットの熱交換システムが前記弁アセンブリにより前記室外熱交換ユニットの熱交換システムに接続され、前記床暖房熱交換器が前記弁アセンブリにより前記室外熱交換ユニットの熱交換システムに接続され、前記室内熱交換ユニットの熱交換システムと前記床暖房熱交換器が前記室外熱交換ユニットの熱交換システムに並列接続され、前記弁アセンブリの冷凍剤供給排出配管がそれぞれ前記室内熱交換ユニットの熱交換器、前記床暖房熱交換器、並びに前記室外熱交換ユニット内の圧縮機及び室外熱交換器に接続されることを特徴とする請求項17に記載の熱交換システム。
【請求項19】
冷凍循環をするとき、前記弁アセンブリが前記室外熱交換ユニットの熱交換システムと前記床暖房熱交換器との接続を遮断し、暖房循環をするとき、前記弁アセンブリが前記室外熱交換ユニットの熱交換システムと前記室内熱交換ユニットの熱交換システムとの接続を遮断することを特徴とする請求項18に記載の熱交換システム。
【請求項20】
フレキシブル熱交換器であって、前記フレキシブル熱交換器は、1mm以上4mm以下の厚さを有し、フレキシブル基板及び金属製の複数本の配管を備え、複数本の前記配管が前記フレキシブル基板に並列設置され、前記配管の等価直径が0.1~4mmであることを特徴とするフレキシブル熱交換器。