(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114598
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】絶縁抵抗測定方法、及び絶縁抵抗測定装置
(51)【国際特許分類】
G01R 27/02 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
G01R27/02 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023203522
(22)【出願日】2023-12-01
(31)【優先権主張番号】P 2023018887
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】増田 俊平
(72)【発明者】
【氏名】池田 佑允
(72)【発明者】
【氏名】中里 直人
(72)【発明者】
【氏名】土井 敏行
(72)【発明者】
【氏名】冨田 悠輔
【テーマコード(参考)】
2G028
【Fターム(参考)】
2G028BB20
2G028CG03
2G028DH04
(57)【要約】
【課題】ガス管を接続する絶縁継手が樹脂材料等の絶縁被覆で被覆されている場合でも絶縁継手の絶縁抵抗を測定できるようにする。
【解決手段】絶縁被覆1Aで表面を被覆された金属製のガス管1と、絶縁被覆2Aで表面を被覆された金属製のガス管2とを接続し、絶縁被覆で表面を被覆された絶縁継手100の絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定方法であって、ガス管1又は絶縁被覆1Aに測定器11の第1測定端子12を電気的に接続し、絶縁被覆2Aに測定器11の第2測定端子13を電気的に接続することにより、絶縁継手100と絶縁被覆2Aとが接続される、又は絶縁継手100と絶縁被覆1Aと絶縁被覆2Aとが接続される閉回路を形成する第1工程と、絶縁継手100と絶縁被覆2Aとガス管1又は絶縁被覆1Aとに第1測定端子12と第2測定端子13とを介して交流電圧を印加して絶縁継手100の絶縁抵抗を測定する第2工程とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁被覆で表面を被覆された金属製の第1ガス管と、第2絶縁被覆で表面を被覆された金属製の第2ガス管とを接続し、第3絶縁被覆で表面を被覆された絶縁継手の絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定方法であって、
前記第1ガス管又は前記第1絶縁被覆に測定器の第1測定端子を電気的に接続し、前記第2絶縁被覆に前記測定器の第2測定端子を電気的に接続することにより、前記絶縁継手と前記第2絶縁被覆とが接続される、又は前記絶縁継手と前記第1絶縁被覆と前記第2絶縁被覆とが接続される閉回路を形成する第1工程と、
前記閉回路に前記第1測定端子と前記第2測定端子とを介して交流電圧を印加して前記絶縁継手の絶縁抵抗を測定する第2工程と
を備える絶縁抵抗測定方法。
【請求項2】
前記第1工程において、前記第1ガス管に前記第1測定端子を電気的に接続し、
前記第2工程において、
前記第2絶縁被覆のリアクタンスX1に前記絶縁継手のリアクタンスX2及び絶縁抵抗Rからなる並列回路が接続された等価回路を用いて、前記絶縁継手の前記絶縁抵抗Rを算出する請求項1に記載の絶縁抵抗測定方法。
【請求項3】
前記第2工程において、下記(1)式を用いて前記絶縁継手の前記絶縁抵抗Rを算出する請求項2に記載の絶縁抵抗測定方法。
【数1】
但し、Zは、前記測定器により測定される前記絶縁継手と前記第2絶縁被覆との合成インピーダンスである。
【請求項4】
前記第1工程において、前記第1絶縁被覆に前記第1測定端子を電気的に接続し、
前記第2工程において、
前記第2絶縁被覆のリアクタンスX1に前記絶縁継手のリアクタンスX2及び絶縁抵抗Rからなる並列回路が接続され、当該並列回路に前記第1絶縁被覆のリアクタンスX3が接続された等価回路と下記(2)式とを用いて前記絶縁継手の前記絶縁抵抗Rを算出する請求項1に記載の絶縁抵抗測定方法。
【数2】
但し、Zは、前記測定器により測定される前記絶縁継手と前記第1絶縁被覆と前記第2絶縁被覆との合成インピーダンスである。
【請求項5】
下記(3)式で表される前記絶縁継手の前記絶縁抵抗Rの境界値R
Xに応じた前記合成インピーダンスの境界値Z
xを上記(1)式又は上記(2)式を用いて算出し、
前記測定器により測定された前記合成インピーダンスが、算出した境界値Z
X以下の場合、下記(4)式を用いて前記絶縁継手の前記絶縁抵抗Rを算出し、
前記測定器により測定された前記合成インピーダンスが、算出した境界Z
xより大きい場合、下記(5)式を用いて前記絶縁継手の前記絶縁抵抗Rを算出する請求項3又は4に記載の絶縁抵抗測定方法。
【数3】
【数4】
【数5】
【請求項6】
第1絶縁被覆で表面を被覆された金属製の第1ガス管と、第2絶縁被覆で表面を被覆された金属製の第2ガス管とを接続し、第3絶縁被覆で表面を被覆された絶縁継手の絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定装置であって、
前記第1ガス管又は前記第1絶縁被覆に電気的に接続される第1測定端子と、
前記第2絶縁被覆に電気的に接続される第2測定端子と、
閉回路において接続される前記絶縁継手と前記第2絶縁被覆とに、又は閉回路において接続される前記絶縁継手と前記第1絶縁被覆と前記第2絶縁被覆とに前記第1測定端子と前記第2測定端子とを介して交流電圧を印加して前記閉回路の合成インピーダンスを測定する測定部と、
前記測定部により測定された前記合成インピーダンスを用いて前記絶縁継手の絶縁抵抗を算出する演算部と
を備える絶縁抵抗測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁抵抗測定方法、及び絶縁抵抗測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス管を接続する絶縁継手の絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定部を備えるガス保安装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のガス保安装置は、落雷の検知時に絶縁抵抗測定部により絶縁継手の絶縁抵抗を測定し、測定結果に基づいて絶縁継手が絶縁破壊されたか否かを判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガス管を接続する絶縁継手の表面が、樹脂材料で覆われている場合がある。その場合、測定端子を絶縁継手の表面に接触させた状態では、測定端子間を通電させることができず、絶縁継手の絶縁抵抗を測定できない。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ガス管を接続する絶縁継手が樹脂材料等の絶縁被覆で被覆されている場合でも絶縁継手の絶縁抵抗を測定できるようにする絶縁抵抗測定方法、及び絶縁抵抗装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る絶縁抵抗測定方法は、第1絶縁被覆で表面を被覆された金属製の第1ガス管と、第2絶縁被覆で表面を被覆された金属製の第2ガス管とを接続し、第3絶縁被覆で表面を被覆された絶縁継手の絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定方法であって、前記第1ガス管又は前記第1絶縁被覆に測定器の第1測定端子を電気的に接続し、前記第2絶縁被覆に前記測定器の第2測定端子を電気的に接続することにより、前記絶縁継手と前記第2絶縁被覆とが接続される、又は前記絶縁継手と前記第1絶縁被覆と前記第2絶縁被覆とが接続される閉回路を形成する第1工程と、前記閉回路に前記第1測定端子と前記第2測定端子とを介して交流電圧を印加して前記絶縁継手の絶縁抵抗を測定する第2工程とを備える。
【0007】
本発明に係る絶縁抵抗測定装置は、第1絶縁被覆で表面を被覆された金属製の第1ガス管と、第2絶縁被覆で表面を被覆された金属製の第2ガス管とを接続し、第3絶縁被覆で表面を被覆された絶縁継手の絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定装置であって、前記第1ガス管又は前記第1絶縁被覆に電気的に接続される第1測定端子と、前記第2絶縁被覆に電気的に接続される第2測定端子と、閉回路において接続される前記絶縁継手と前記第2絶縁被覆とに、又は閉回路において接続される前記絶縁継手と前記第1絶縁被覆と前記第2絶縁被覆とに前記第1測定端子と前記第2測定端子とを介して交流電圧を印加して前記閉回路の合成インピーダンスを測定する測定部と、前記測定部により測定された前記合成インピーダンスを用いて前記絶縁継手の絶縁抵抗を算出する演算部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ガス管を接続する絶縁継手が樹脂材料等の絶縁被覆で被覆されている場合でも絶縁継手の絶縁抵抗を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁抵抗測定方法を説明するための図である。
【
図2】
図2は、絶縁継手の構造を示す断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る絶縁抵抗測定方法において用いられる等価回路を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の他の実施形態に係る絶縁抵抗測定方法において用いられる等価回路を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態及び他の実施形態に係る絶縁抵抗測定方法を説明するための工程図である。
【
図6】
図6は、本発明の他の実施形態に係る絶縁抵抗測定装置を示す図である。
【
図7】
図7は、絶縁継手の絶縁抵抗の算出値の一例を示す表である。
【
図8】
図8は、絶縁抵抗測定装置の演算装置による絶縁継手の絶縁抵抗の算出、及び絶縁継手の絶縁抵抗の低下の有無の判定の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用される。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁抵抗測定方法を説明するための図である。この図に示すように、本実施形態に係る絶縁抵抗測定方法を用いて絶縁抵抗を測定する対象物(以下、被測定物という)は、ガス管1とガス管2とを接続する絶縁継手100である。
【0012】
ガス管1は、金属製の管材であり、表面が絶縁被覆1Aで被覆されている。また、ガス管2は、金属製の管材であり、表面が絶縁被覆2Aで被覆されている。これらの絶縁被覆1A,2Aは、絶縁、外傷防止、耐腐食性の確保等を目的として設けられている。絶縁被覆1A,2Aの材料は、樹脂材料等、上記目的に応じた機能を有するものであればよい。
【0013】
絶縁継手100は、ガス管1,2の設置場所のコンクリートと土壌との間で形成される電位差に起因する腐食の防止、異種金属接触腐食の防止等を目的として、ガス管1とガス管2との間に設置され、ガス管1とガス管2との間を電気的に絶縁する。ここで、ガス管1とガス管2とは、異種金属で構成されている場合があり、その場合には、絶縁継手100は、異種金属接触腐食を防止する目的で設置される。この絶縁継手100の構造については後述する。
【0014】
図1には、本発明の一実施形態に係る絶縁抵抗測定装置10の概略構成が示されている。この図に示す絶縁抵抗測定装置10は、測定器11と、第1測定端子12と、第2測定端子13と、演算装置14と、出力装置15とを備える。測定器11は、LCRメータであり、被測定物に流れる電流と被測定物の両端の電圧とを測定し、これらの測定値から被測定物のインピーダンスを算出する。
【0015】
ここで、インピーダンスは、複素平面上のベクトルとして表現されることから、LCRメータは、電圧実効値と電流実効値との比に加えて、電圧波形と電流波形との位相差を測定する。LCRメータにより求められるインピーダンスは、下記(1)~(3)式で表される。
【数1】
Z:インピーダンス、V:両端電圧(の実効値)、I:電流(の実効値)、θ
V:電圧波形の位相、θ
I:電流波形の位相、θ:電圧波形と電流波形との位相差
【数2】
Z
i:インピーダンスの実数部、Z
q:インピーダンスの虚数部
【数3】
【0016】
第1測定端子12は、LCRメータ用のプローブであり、ガス管1の表面に不図示の治具により固定されている。ここで、ガス管1の表面の一部は、絶縁被覆1Aが除去されて金属が露出した金属露出部1Bとなっており、第1測定端子12は、金属露出部1Bに接触している。これにより、第1測定端子12は、ガス管1に電気的に接続されている。なお、第1測定端子12は、ガス管1と導通が確保された金属部分(例えば、ガス管1が接続されるガスメータや当該ガスメータが取り付けられるユニット等)に接触することにより、ガス管1に電気的に接続されてもよい。また、第1測定端子12は、絶縁被覆1Aに電気的に接続されてもよい。この場合、第1測定端子12は、絶縁被覆1Aに直接又はシリコンシート等の不図示の誘電体を介して間接的に接触すればよい。また、上記治具は、第1測定端子12と金属露出部1Bを内包する筐体を備えている。
【0017】
第2測定端子13は、LCRメータ用のプローブであり、ガス管2の表面に不図示の治具により固定されている。ここで、ガス管2の表面全体が、絶縁被覆2Aにより被覆されており、ガス管2の表面に金属露出部は存在しない。即ち、第2測定端子13は、絶縁被覆2Aに接触している。なお、第2測定端子13を絶縁被覆2Aに接触させるのは必須ではなく、シリコンシート等の不図示の誘電体を絶縁被覆2Aに接触させ、この誘電体に第2測定端子13を接触させるようにしてもよい。
【0018】
演算装置14は、PC(Personal Computer)等であり、測定器11から出力されたインピーダンス、位相差等の測定値を用いて絶縁継手100の絶縁抵抗を算出し、算出値を出力装置15に出力する。出力装置15は、PC等の表示画面やプリンタ等であり、演算装置14から出力された絶縁継手100の絶縁抵抗の算出値を出力する。
【0019】
本実施形態の絶縁抵抗測定方法では、測定器11により第1測定端子12と第2測定端子13との間のガス管1、絶縁継手100、及びガス管2に所定の周波数の交流電圧を印加する。この状態で、測定器11によるインピーダンス測定を実施する。そして、演算装置14により、測定器11から出力されたインピーダンス、位相差等の測定値を用いて、絶縁継手100の絶縁抵抗を算出する。以下、絶縁継手100の絶縁抵抗の算出方法について説明するが、まず、絶縁継手100の構造について説明する。
【0020】
図2は、絶縁継手100の構造を示す断面図である。この図に示すように、絶縁継手100は、ガス管1に接続されるインナー101と、ガス管2に接続されるアウター102と、カラー103と、絶縁被覆104と、絶縁材105とを備える。
【0021】
インナー101は、雄ネジ部101Aを備え、アウター102は、雌ネジ部102Aを備える。雄ネジ部101Aと雌ネジ部102Aとが螺合することにより、インナー101とアウター102とが締結されている。また、インナー101は、不図示の雌ネジ部を備え、ガス管1は、不図示の雄ネジ部を備える。インナー101の雌ネジ部とガス管1の雄ネジ部とが螺合することにより、インナー101とガス管1とが締結されている。さらに、アウター102は、不図示の雌ネジ部を備え、ガス管2は、不図示の雄ネジ部を備える。アウター102の雌ネジ部とガス管2の雄ネジ部とが螺合することにより、アウター102とガス管2とが締結されている。
【0022】
カラー103は、樹脂材料で形成された管状部材である。このカラー103は、インナー101の雄ネジ部101Aの基端部とアウター102の雌ネジ部102Aの先端部との間に嵌め込まれている。このカラー103は、インナー101とアウター102との気密性及び止水性の確保を目的として設けられている。
【0023】
絶縁被覆104は、インナー101、アウター102、及びカラー103の表面全体を被覆している。この絶縁被覆104は、絶縁、外傷防止、耐腐食性の確保等を目的として設けられている。絶縁被覆104の材料は、樹脂材料等、上記目的に応じた機能を有するものであればよい。
【0024】
絶縁材105は、インナー101の雄ネジ部101Aとアウター102の雌ネジ部102Aとの間に充填されており、雄ネジ部101Aと雌ネジ部102Aとは、絶縁材105を介して螺合している。絶縁材105は、インナー101とアウター102との電気的な絶縁を目的として設けられている。絶縁材105の材料は、樹脂材料等、絶縁機能を有するものであればよい。
【0025】
ここで、被測定物が絶縁被覆104で被覆されていない絶縁継手である場合には、第1測定端子12をインナー101に接触させ、第2測定端子13をアウター102に接触させて測定器11により第1測定端子12と第2測定端子13との間を通電させればよい。この場合、絶縁材105を小容量コンデンサとみなして絶縁材105のリアクタンス及び絶縁抵抗からなる並列等価回路を仮定し、上記(1)~(3)式により、合成インピーダンスZ、位相差θ、実数部Zi、及び虚数部Zqを算出すればよい。インピーダンスの実数部Ziが、絶縁継手100の絶縁抵抗に相当する。
【0026】
それに対して、本実施形態の被測定物は、絶縁被覆104で被覆された絶縁継手100であることから、第1測定端子12(
図1参照)と第2測定端子13とを絶縁被覆104に接触させた状態では、第1測定端子12と第2測定端子13との間を通電させることができない。そこで、本実施形態では、絶縁被覆1Aで被覆されたガス管1の表面の一部を金属露出部1Bとして第1測定端子12を金属露出部1Bに接触させ、第2測定端子13をガス管2の表面を被覆する絶縁被覆2Aに接触させる。この状態で、測定器11により第1測定端子12と第2測定端子13との間を通電させ、所定周波数の交流電圧を、絶縁継手100と絶縁被覆2Aとが接続された閉回路に印加する。そして、以下に説明するように、測定器11の測定値を用いて絶縁継手100の絶縁抵抗を算出する。なお、第1測定端子12を、ガス管1と導通が確保された金属部分に接触させることにより、ガス管1に電気的に接続してもよい。また、第1測定端子12を、絶縁被覆1Aに電気的に接続してもよい。この場合、第1測定端子12を、絶縁被覆1Aに直接又はシリコンシート等の不図示の誘電体を介して間接的に接触させればよい。
【0027】
図3は、本実施形態の絶縁抵抗測定方法において用いられる等価回路を示す図である。ここで、測定器11により所定の周波数の交流電圧を印加する閉回路では、絶縁材105(
図2参照)と絶縁被覆2Aとが接続されている。当該閉回路を等価回路に置換する際には、絶縁被覆2Aを、容量性リアクタンスとみなす必要がある。即ち、
図3に示すように、上記閉回路の等価回路は、絶縁材105のリアクタンスX2及び絶縁抵抗Rからなる並列回路に絶縁被覆2AのリアクタンスX1を接続した構成になる。しかしながら、LCRメータで用いられる等価回路は、一つのリアクタンス及び一つの抵抗からなる直列等価回路又は並列等価回路に限られ、LCRメータによる測定において、
図3に示す等価回路を用いることはできない。そのため、絶縁継手100の絶縁抵抗Rが十分に小さい若しくは十分に大きい等の特定の条件を除いて、LCRメータでは、絶縁継手100の絶縁抵抗Rを精度良く測定することができない。
【0028】
そこで、本実施形態の絶縁抵抗測定方法では、LCRメータである測定器11による並列等価回路を用いたインピーダンス、位相差等の測定を行うが、演算装置14において、測定器11の測定値を用いた演算処理を実行し絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出する。なお、
図4は、本発明の他の実施形態に係る絶縁抵抗測定方法において用いられる等価回路を示す図である。第1測定端子12(
図1参照)を誘電体(図示省略)を介して絶縁被覆1A(
図1参照)に間接的に接触させ、第2測定端子13(
図1参照)を誘電体(図示省略)を介して絶縁被覆2A(
図1参照)に接触させる場合には、絶縁被覆1Aの容量性リアクタンスと誘電体の容量性リアクタンスとを合成した容量性リアクタンスが
図4におけるX3となり、絶縁被覆2Aの容量性リアクタンスと誘電体の容量性リアクタンスとを合成した容量性リアクタンスが
図4におけるX1となる。以下、本発明の一実施形態及び他の実施形態に係る絶縁抵抗測定方法について詳述する。
【0029】
図5は、本発明の一実施形態及び他の実施形態に係る絶縁抵抗測定方法を説明するための工程図である。この図に示すように、まず、ガス管1の表面を被覆する絶縁被覆1Aの一部を除去して金属露出部1Bを形成し、第1測定端子12を金属露出部1Bに接触させる(ステップS1)。なお、ステップS1では、第1測定端子12を、ガス管1と導通が確保された金属部分に接触させることにより、ガス管1に電気的に接続してもよい。また、第1測定端子12を、絶縁被覆1Aに電気的に接続してもよい。この場合、第1測定端子12を、絶縁被覆1Aに直接又はシリコンシート等の不図示の誘電体を介して間接的に接触させればよい。金属露出部1Bは、ガス管1の製造時に予め形成してもよい。また、第1測定端子12は、金属露出部1Bに電気的に接続されていればよく、導電体を金属露出部1Bに接触させて第1測定端子12を導電体に接触させるようにしてもよい。
【0030】
次に、ガス管2の表面を被覆する絶縁被覆2Aに第2測定端子13を接触させる(ステップS2)。なお、ステップS2は、ステップS1の前に実施してもよく、ステップS1と同時に実施してもよい。また、第2測定端子13は、絶縁被覆2Aに電気的に接続されていればよく、誘電体を絶縁被覆2Aに接触させて第2測定端子13を誘電体に接触させるようにしてもよい。
【0031】
次に、測定器11を第1測定端子12と第2測定端子13とに接続し、第1測定端子12と第2測定端子13との間を通電させる(ステップS3)。この際、所定の周波数の交流電圧を、第1測定端子12と第2測定端子13との間の絶縁材105及び絶縁被覆2Aに印加する。なお、第1測定端子12と第2測定端子13とは予め測定器11に接続されていてもよい。
【0032】
次に、測定器11による並列等価回路を用いたインピーダンス等の測定を行う(ステップS4)。この際、測定器11は、絶縁材105と絶縁被覆2Aとの合成インピーダンスZ、位相差θ、実数部Zi、及び虚数部Zqを測定値として演算装置14に出力する。
【0033】
次に、演算装置14による演算処理を行い、絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出する(ステップS5)。この際、第1測定端子12をガス管1の金属部分に直接的又は間接的に接触させる場合、演算装置14は、
図3に示す等価回路と下記(4)式とを用いて絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出する。他方で、第1測定端子12をガス管1の絶縁被覆1Aに直接的又は間接的に接触させる場合、演算装置14は、
図4に示す等価回路と下記(5)式とを用いて絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出する。
【数4】
【数5】
【0034】
ここで、第1測定端子12をガス管1の金属部分に直接的又は間接的に接触させる場合、絶縁被覆2AのリアクタンスX1と絶縁材105のリアクタンスX2とは既知の値として、演算装置14に記憶されている。演算装置14は、記憶しているリアクタンスX1,X2と、測定器11から出力された合成インピーダンスZとを上記(4)式に代入して絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出する。他方で、第1測定端子12をガス管1の絶縁被覆1Aに直接的又は間接的に接触させる場合、絶縁被覆2AのリアクタンスX1と絶縁材105のリアクタンスX2と絶縁被覆1AのリアクタンスX3とは既知の値として、演算装置14に記憶されている。演算装置14は、記憶しているリアクタンスX1,X2,X3と、測定器11から出力された合成インピーダンスZとを上記(5)式に代入して絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出する。
【0035】
その後、演算装置14は、絶縁継手100の絶縁抵抗Rの測定値を出力装置15に出力する(ステップS6)。
【0036】
図6は、本発明の他の実施形態に係る絶縁抵抗測定装置20を示す図である。この図に示す絶縁抵抗測定装置20は、
図4に示す等価回路を用いて絶縁継手100(
図2参照)の絶縁抵抗Rを測定する。なお、上述の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、上述の実施形態についての説明を援用する。
【0037】
図6に示すように、絶縁抵抗測定装置20は、測定器11と、第1測定端子12(
図1参照)と、第2測定端子13(
図1参照)と、演算装置24と、出力装置15と、入力装置26と、記憶装置27とを備える。第1測定端子12は、絶縁被覆1A(
図1参照)に直接又はシリコンシート等の不図示の誘電体を介して間接的に接触する。また、第2測定端子13は、絶縁被覆2A(
図1参照)に直接又はシリコンシート等の不図示の誘電体を介して間接的に接触する。
【0038】
入力装置26は、タッチパネルやキーパッド等であり、測定対象の絶縁継手100の種類の入力に用いられる。また、記憶装置27は、内部記憶媒体であり、複数種類の絶縁継手100の容量C2を記憶している。
【0039】
演算装置24は、PC等であり、入力装置26で入力された絶縁継手100の種類に対応する絶縁継手100の容量C
2を記憶装置27から読み出し、下記(6)式を用いて絶縁抵抗の境界値R
X及びリアクタンスX
2を算出する。ここで、絶縁継手100のリアクタンスX
2と絶縁抵抗の境界値R
Xとは一致する。また、演算装置24は、絶縁抵抗の境界値R
X及びリアクタンスX
2に対応する合成インピーダンスの境界値Z
Xを上記(5)式を用いて算出する。
【数6】
fは、測定器11が印加する交流電圧の周波数である。
【0040】
ここで、絶縁継手100の絶縁抵抗Rの算出値は、下記(7)式を用いて算出することができ、式中の±が、絶縁抵抗の境界値R
Xを境に変化する。具体的には、絶縁抵抗Rが境界値R
Xを超えて増加する際に-(マイナス)から+(プラス)に変化する。そのため、絶縁抵抗Rは、境界値R
X以下の場合には下記(8)式を用いて算出され、境界値R
Xより大きい場合には下記(9)式を用いて算出される。
【数7】
【数8】
【数9】
【0041】
図7は、絶縁継手100の絶縁抵抗Rの算出値の一例を示す表である。この一例では、絶縁継手100の容量C
2は300[pF]である。この表に示すように、絶縁抵抗Rが境界値R
X=530,516[Ω]以下、合成インピーダンスZが境界値Z
X=2,176,187[Ω]以下では、絶縁抵抗Rの真値と、上記(8)式を用いた算出値とが一致する。それに対して、絶縁抵抗Rが境界値R
X=530,516[Ω]を超え、合成インピーダンスZが境界値Z
X=2,176,187[Ω]を超えると、絶縁抵抗Rの真値と、上記(9)式を用いた算出値とが一致する。
【0042】
そこで、
図6に示す演算装置24は、測定器11から出力された合成インピーダンスZが境界値Z
X以下の場合には、上記(8)式を用いて絶縁抵抗Rを算出し、測定器11から出力された合成インピーダンスZが境界値Z
Xより大きい場合には、上記(9)式を用いて絶縁抵抗Rを算出する。
【0043】
演算装置24は、絶縁抵抗Rの算出値と絶縁抵抗Rの低下の有無の判定結果とを出力装置15に出力する。出力装置15は、表示画面を備え、絶縁抵抗Rの算出値と絶縁抵抗Rの低下の有無の判定結果とを表示画面に表示させる。
【0044】
図8は、絶縁抵抗測定装置20の演算装置24による絶縁継手100の絶縁抵抗Rの算出、及び絶縁継手100の絶縁抵抗Rの低下の有無の判定の処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示すように、まず、演算装置24は、入力装置26で入力された絶縁継手100の種類の情報に対応する絶縁継手100の容量C
2を記憶装置27から読み出し、読み出した容量C
2と上記式(6)とを用いて、絶縁抵抗の境界値R
X及びリアクタンスX
2を算出する(ステップS11)。
【0045】
次に、演算装置24は、ステップS11で算出した絶縁抵抗の境界値RX及びリアクタンスX2と上記式(5)とを用いて、合成インピーダンスの境界値Zxを算出する(ステップS12)。なお、リアクタンスX1,X3は既知の値である。次に、演算装置24は、測定器11で測定された合成インピーダンスZと位相差θとを取得する(ステップS13)。
【0046】
次に、演算装置24は、ステップS13で取得した合成インピーダンスZがステップS12で算出した境界値Zx以下であるか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14で肯定判定がされた場合にはステップS15に移行し、ステップS14で否定判定がされた場合にはステップS16に移行する。
【0047】
演算装置24は、合成インピーダンスZが境界値ZX以下の場合には、上記(8)式を用いて絶縁抵抗Rを算出する(ステップS15)。他方で、演算装置24は、合成インピーダンスZが境界値ZXより大きい場合には、上記(9)式を用いて絶縁抵抗Rを算出する(ステップS16)。
【0048】
次に、演算装置24は、ステップS15又はステップS16で算出された絶縁抵抗Rが閾値以下であるか否かを判定する(ステップS17)。ステップS17において肯定判定がされた場合にはステップS18に移行し、ステップS17において否定判定がされた場合にはステップS19に移行する。
【0049】
演算装置24は、絶縁抵抗Rの算出値が閾値以下である場合、絶縁継手100の絶縁抵抗Rの低下が有ると判定する(ステップS18)。他方で、演算装置24は、絶縁抵抗Rの算出値が閾値より大きい場合、絶縁継手100の絶縁抵抗Rの低下が無いと判定する(ステップS19)。
【0050】
次に、演算装置24は、絶縁継手100の絶縁抵抗Rの算出値と絶縁継手100の絶縁抵抗Rの低下の有無の判定結果とを出力装置15に出力する(ステップS20)。以上で、
図8のフローチャートに示す処理を終了する。
【0051】
以上説明したように、本発明の一実施形態及び他の実施形態に係る絶縁抵抗測定方法は、絶縁被覆1Aで表面を被覆された金属製のガス管1と、絶縁被覆2Aで表面を被覆された金属製のガス管2とを接続し、絶縁被覆104で表面を被覆された絶縁継手100の絶縁抵抗を測定する方法である。本発明の一実施形態に係る絶縁抵抗測定方法では、ガス管1の表面の一部を金属が露出した金属露出部1Bとして当該金属露出部1Bに測定器11の第1測定端子12を電気的に接続する。他方で、ガス管2の表面を被覆する絶縁被覆2Aに測定器11の第2測定端子13を電気的に接続する。これにより、絶縁継手100とガス管2の絶縁被覆2Aとが接続される閉回路が形成される。この閉回路の絶縁継手100と絶縁被覆2Aとに交流電圧を印加して絶縁継手100の絶縁抵抗を測定する。なお、第1測定端子12を、ガス管1と導通が確保された金属部分に接触させることにより、ガス管1に電気的に接続してもよい。また、本発明の他の実施形態として説明したように、第1測定端子12を、絶縁被覆1Aに電気的に接続することにより、絶縁継手100とガス管1の絶縁被覆1Aとガス管2の絶縁被覆2Aとが接続される閉回路を形成してもよい。この場合、第1測定端子12を、絶縁被覆1Aに直接又はシリコンシート等の不図示の誘電体を介して間接的に接触させればよい。
【0052】
ここで、絶縁被覆2Aは、所定の周波数の交流回路では容量性リアクタンス成分を持ちながらも電気を流す誘電体として機能する。そのため、上記閉回路に交流電流を流すことができ、絶縁継手100が絶縁被覆104で被覆されている場合でも、当該絶縁継手100の絶縁抵抗Rの測定が可能になる。なお、本発明の他の実施形態として説明したように、第1測定端子12を絶縁被覆1Aに電気的に接続する場合には、絶縁被覆1A,2Aは、所定の周波数の交流回路では容量性リアクタンス成分を持ちながらも電気を流す誘電体として機能する。そのため、絶縁被覆1A,2Aと絶縁継手100とが接続される閉回路に交流電流を流すことができ、絶縁継手100が絶縁被覆104で被覆されている場合でも、当該絶縁継手100の絶縁抵抗Rの測定が可能になる。
【0053】
また、本発明の一実施形態に係る絶縁抵抗測定方法では、所定の周波数の交流電流が流れる上記閉回路は、絶縁被覆2AのリアクタンスX1に絶縁継手100のリアクタンスX2及び絶縁抵抗Rからなる並列回路が接続された等価回路に置換することができる。そこで、本発明の一実施形態に係る絶縁抵抗測定方法では、当該等価回路を用いて、絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出する。具体的には、LCRメータである測定器11では、並列等価回路を用いて絶縁被覆2A及び絶縁継手100の合成インピーダンスZ、位相差θ等を測定し、演算装置14の上記等価回路を用いた演算処理により、測定器11の測定値から絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出する。より具体的には、演算装置14の上記(4)式を用いた演算処理により、測定器11の測定値から絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出する。
【0054】
これにより、被測定物を一つの抵抗と一つのリアクタンスとからなる直列等価回路又は並列等価回路としかみなすことができないLCRメータのような測定器11を使用する場合でも、絶縁被覆2A及び絶縁継手100のリアクタンスX1,X2が既知であれば、絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出できる。なお、本発明の他の実施形態として説明したように、第1測定端子12を絶縁被覆1Aに電気的に接続する場合には、絶縁被覆1A,2Aと絶縁継手100とが接続される閉回路は、絶縁被覆2AのリアクタンスX1に絶縁継手100のリアクタンスX2及び絶縁抵抗Rからなる並列回路が接続され、さらに当該並列回路に絶縁被覆1AのリアクタンスX3が接続された等価回路に置換することができる。この場合には、当該等価回路を用いて、絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出すればよい。具体的には、演算装置14の上記(5)式を用いた演算処理により、測定器11の測定値から絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出すればよい。
【0055】
また、本発明の一実施形態に係る絶縁抵抗測定方法では、上記(6)式で表される境界値RXに応じた合成インピーダンスの境界値Zxを上記(5)式を用いて算出する。そして、測定器11により測定された合成インピーダンスZが、算出した境界値ZX以下の場合、上記(8)式を用いて絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出し、測定器11により算出された合成インピーダンスZが、算出した境界値Zxより大きい場合、上記(9)式を用いて絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出する。これにより、絶縁継手100の絶縁抵抗Rを正確に算出することができる。
【0056】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、適宜公知や周知の技術を組み合わせてもよい。
【0057】
例えば、上記実施形態では、測定器11がLCRメータであるが、測定器11は、上記閉回路の絶縁継手100及び絶縁被覆2Aに所定の周波数の交流電圧を印加して絶縁継手100及び絶縁被覆2Aの合成インピーダンスZ、位相差θ等を測定する機能を備えればよい。また、測定器11と演算装置14とを別の機器とすることは必須ではなく、一つの機器として構成してもよい。
【0058】
また、
図6~
図8に示す実施形態では、絶縁継手100と絶縁被覆1Aと絶縁被覆2Aとが接続される閉回路を形成し、境界値R
Xに応じた合成インピーダンスの境界値Z
xを上記(5)式を用いて算出した。しかしながら、絶縁継手100と絶縁被覆2Aとが接続される閉回路を形成し、境界値R
Xに応じた合成インピーダンスの境界値Z
xを上記(4)式を用いて算出してもよい。いずれの場合でも、測定器11により測定された合成インピーダンスZが、算出した境界値Z
X以下の場合、上記(8)式を用いて絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出し、測定器11により算出された合成インピーダンスZが、算出した境界値Z
xより大きい場合、上記(9)式を用いて絶縁継手100の絶縁抵抗Rを算出すればよい。
【符号の説明】
【0059】
1 ガス管(第1ガス管)
1A 絶縁被覆(第1絶縁被覆)
1B 金属露出部
2 ガス管(第2ガス管)
2A 絶縁被覆(第2絶縁被覆)
10 絶縁抵抗測定装置
20 絶縁抵抗測定装置
11 測定器(測定部)
12 第1測定端子
13 第2測定端子
14 演算装置(演算部)
24 演算装置(演算部)
100 絶縁継手
104 絶縁被覆(第3絶縁被覆)
X1 リアクタンス
X2 リアクタンス
X3 リアクタンス
R 絶縁抵抗
RX 境界値
Z 合成インピーダンス
ZX 境界値