(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114606
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】取出装置及び筒状ワークの製造方法
(51)【国際特許分類】
C03B 35/26 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
C03B35/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023210567
(22)【出願日】2023-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2023019412
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 凌
(72)【発明者】
【氏名】小林 正弥
(72)【発明者】
【氏名】池本 政幸
【テーマコード(参考)】
4G015
【Fターム(参考)】
4G015GD00
(57)【要約】
【課題】複数の筒状ワークが互いに近接して収容される収容容器の中から、特定の筒状ワークを取り出すことができる技術を提供する。
【解決手段】取出装置は、複数の筒状ワークが互いに近接して収容される収容容器から、前記複数の筒状ワークのうちの特定の筒状ワークを保持する保持部材を備え、前記保持部材は、前記特定の筒状ワークの内側において、前記特定の筒状ワークの内壁に嵌まり込む嵌合部を備えていてもよい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の筒状ワークが互いに近接して収容される収容容器から、前記複数の筒状ワークのうちの特定の筒状ワークを保持する保持部材を備え、
前記保持部材は、前記特定の筒状ワークの内側において、前記特定の筒状ワークの内壁に嵌まり込む嵌合部を備える、取出装置。
【請求項2】
前記複数の筒状ワークのうち、前記特定の筒状ワークの周辺に位置する1個以上の筒状ワークに当接する当接部材と、
前記保持部材を前記当接部材に対して前記特定の筒状ワークの軸方向に移動させる移動部と、をさらに備える、請求項1に記載の取出装置。
【請求項3】
前記嵌合部の外形寸法は、前記嵌合部の内部に気体量に応じて可変である、請求項1又は2に記載の取出装置。
【請求項4】
前記嵌合部に気体を供給する供給部をさらに備え、
前記供給部は、前記嵌合部に対して、予め決められた量の気体を供給する、請求項3に記載の取出装置。
【請求項5】
前記嵌合部の周囲を囲んで配置される案内部材をさらに備え、
前記嵌合部は、前記案内部材の内側から外側に前記特定の筒状ワークの軸方向に沿って移動可能である、請求項1又は2に記載の取出装置。
【請求項6】
前記収容容器に当接する位置決め部と、
前記位置決め部に取り付けられており、前記複数の筒状ワークのうち、最も外側に位置する1個以上のワークの外面に当接する当接部材と、をさらに備える、請求項1又は2に記載の取出装置。
【請求項7】
前記複数の筒状ワークは、ガラス管を含む、請求項1又は2に記載の取出装置。
【請求項8】
前記嵌合部は、
前記特定の筒状ワークの内径よりも大きい外形寸法を有し、
前記特定の筒状ワークの軸方向に沿って前記特定の筒状ワークに挿入される場合に、前記特定の筒状ワークの前記内壁に沿って収縮されて、前記特定の筒状ワークの前記内壁に嵌まり込む、請求項1又は2に記載の取出装置。
【請求項9】
前記嵌合部は、軸部と、前記軸部から外側に向かって延びる変形部と、を備え、
前記変形部は、前記特定の筒状ワークの内径よりも大きい外形寸法を有する、請求項8に記載の取出装置。
【請求項10】
前記変形部は、前記軸部から外側に向かって延びる複数本の毛を含む、請求項9に記載の取出装置。
【請求項11】
筒状ワークの内壁に嵌まり込む嵌合部を備える保持部材と、
前記嵌合部の周囲を囲んで配置される案内部材と、を備え、
前記嵌合部は、前記案内部材の内側から外側に筒状ワークの軸方向に沿って移動することによって、前記筒状ワークの前記内壁に挿入される、取出装置。
【請求項12】
筒状ワークの製造方法であって、
複数の筒状ワークが互いに近接して収容される収容容器の中から、欠陥を有する特定の筒状ワークを検出する検出工程と、
検出済みの前記特定の筒状ワークを取出装置によって保持する保持工程と、
前記取出装置によって保持済みの前記特定の筒状ワークを前記収容容器から取り出す取出工程と、を備え、
前記取出装置は、
前記保持工程において、前記特定の筒状ワークを保持する保持部材を備え、
前記保持部材は、前記特定の筒状ワークの内側において、前記特定の筒状ワークの内壁に嵌まり込む嵌合部を備える、筒状ワークの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、取出装置及び筒状ワークの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガラス管支持具が開示されている。ガラス管支持具は、基部と、基部から互いに同方向に延出し一直線上に等間隔で複数並設され、ガラス管に挿入される棒状の挿入部と、挿入部に外挿されたガラス管の下端部を支持する支持部材と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のガラス管支持具は、複数のガラス管を同時に支持するために用いられる。一方で、複数の筒状ワークが互いに近接して収容される収容容器の中から、特定の筒状ワークを取り出すことは想定されていない。
【0005】
本明細書では、複数の筒状ワークが互いに近接して収容される収容容器の中から、特定の筒状ワークを取り出すことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示される技術の第1の形態は、取出装置である。取出装置は、複数の筒状ワークが互いに近接して収容される収容容器から、前記複数の筒状ワークのうちの特定の筒状ワークを保持する保持部材を備え、前記保持部材は、前記特定の筒状ワークの内側において、前記特定の筒状ワークの内壁に嵌まり込む嵌合部を備えていてもよい。
【0007】
この構成によると、保持部材が特定の筒状ワークの内壁に嵌まり込むことによって特定の筒状ワークを保持することができる。特定の筒状ワークを外側から把持せずに済むため、特定の筒状ワークの周りに筒状ワークが近接して配置されていても、特定の筒状ワークを保持することができる。
【0008】
本明細書で開示される技術の第2の形態は、上記第1の形態において、前記複数の筒状ワークのうち、前記特定の筒状ワークの周辺に位置する1個以上の筒状ワークに当接する当接部材と、前記保持部材を前記当接部材に対して前記特定の筒状ワークの軸方向に移動させる移動部と、をさらに備えていてもよい。
【0009】
この構成では、複数の筒状ワークが収容容器に詰め込まれて収容されている状態で、保持部材が特定の筒状ワークを軸方向に沿って移動させる場合に、特定の筒状ワークの周囲に位置する筒状ワークが当接部に当接する。この構成よると、特定の筒状ワークの周囲に位置する筒状ワークが、特定の筒状ワークに連れて移動されることを抑制することができる。
【0010】
本明細書で開示される技術の第3の形態は、上記第1又は第2の形態において、前記嵌合部の外形寸法は、前記嵌合部の内部に気体量に応じて可変であってもよい。
【0011】
この構成によると、収縮状態の嵌合部を、特定の筒状ワークに挿入した後、嵌合部内の気体量を調整して外形寸法を変化させることによって、嵌合部を特定の筒状ワークの内壁に嵌め込むことができる。
【0012】
本明細書で開示される技術の第4の形態は、上記第3の形態において、前記嵌合部に気体を供給する供給部をさらに備え、前記供給部は、前記嵌合部に対して、予め決められた量の気体を供給してもよい。
【0013】
この構成によると、収縮状態の嵌合部に過剰に気体が供給されることを防止することができる。
【0014】
本明細書で開示される技術の第5の形態は、上記第1から第4の形態のいずれか1つにおいて、前記嵌合部の周囲を囲んで配置される案内部材をさらに備え、前記嵌合部は、前記案内部材の内側から外側に前記特定の筒状ワークの軸方向に沿って移動可能であってもよい。
【0015】
この構成によると、嵌合部を特定の筒状ワークにスムーズに挿入することができる。
【0016】
本明細書で開示される技術の第6の形態は、上記第1から第5の形態のいずれか1つにおいて、前記収容容器に当接する位置決め部と、前記位置決め部に取り付けられており、前記複数の筒状ワークのうち、最も外側に位置する1個以上のワークの外面に当接する当接部材と、をさらに備えていてもよい。
【0017】
この構成によると、位置決め部と位置決め部に取り付けられる当接部材とによって、収容容器に対する複数の筒状ワークの移動を規制することができる。これにより、嵌合部を特定の筒状ワークに挿入し易くすることができる。
【0018】
本明細書で開示される技術の第7の形態は、上記第1から第6の形態のいずれか1つにおいて、前記複数の筒状ワークは、ガラス管を含んでいてもよい。
【0019】
この構成によると、収容容器に収容される複数のガラス管から特定のガラス管を取り出すことができる。
【0020】
本明細書で開示される技術の第8の形態は、上記第1又は第2の形態において、前記嵌合部は、前記特定の筒状ワークの内径よりも大きい外形寸法を有し、前記特定の筒状ワークの軸方向に沿って前記特定の筒状ワークに挿入される場合に、前記特定の筒状ワークの前記内壁に沿って収縮されて、前記特定の筒状ワークの前記内壁に嵌まり込んでもよい。
【0021】
この構成によると、筒状ワークが嵌合部を筒状ワークの内壁に沿って変形させることによって、嵌合部を筒状ワークに嵌め込むことができる。このため、嵌合部を変形させるための機構を別途配置せずに済む。
【0022】
本明細書で開示される技術の第9の形態は、上記第8の形態において、前記嵌合部は、軸部と、前記軸部から外側に向かって延びる変形部と、を備え、前記変形部は、前記特定の筒状ワークの内径よりも大きい外形寸法を有していてもよい。
【0023】
この構成によると、嵌合部が軸部と変形部とを備えることによって、軸部において強度を確保させ、変形部に筒状ワークに沿って収縮可能な程度の柔軟性を持たせることができる。
【0024】
本明細書で開示される技術の第10の形態は、上記第9の形態において、前記変形部は、前記軸部から外側に向かって延びる複数本の毛を含んでいてもよい。
【0025】
この構成によると、複数本の毛のそれぞれを軟らかくすることによって筒状ワークに挿入される際に筒状ワークが損傷することを抑制しつつ、複数本の毛全体では、筒状ワークの内壁に嵌まり込んで、筒状ワークを保持することができる。
【0026】
本明細書で開示される技術の第11の形態は、取出装置である。取出装置は、筒状ワークの内壁に嵌まり込む嵌合部を備える保持部材と、前記嵌合部の周囲を囲んで配置される案内部材と、を備え、前記嵌合部は、前記案内部材の内側から外側に前記特定の筒状ワークの軸方向に沿って移動することによって、前記筒状ワークの前記内壁に挿入されてもよい。
【0027】
この構成によると、嵌合部を特定の筒状ワークにスムーズに挿入することができる。嵌合部が筒状ワークの内壁に嵌まり込むことによって特定の筒状ワークを保持することによって、筒状ワークを外側から把持せずに、筒状ワークを保持することができる。
【0028】
本明細書で開示される技術の第12の形態は、筒状ワークの製造方法である。筒状ワークの製造方法は、複数の筒状ワークが互いに近接して収容される収容容器の中から、欠陥を有する特定の筒状ワークを検出する検出工程と、検出済みの前記特定の筒状ワークを取出装置によって保持する保持工程と、前記取出装置によって保持済みの前記特定の筒状ワークを前記収容容器から取り出す取出工程と、を備え、前記取出装置は、前記保持工程において、前記特定の筒状ワークを保持する保持部材を備え、前記保持部材は、前記特定の筒状ワークの内側において、前記特定の筒状ワークの内壁に嵌まり込む嵌合部を備えていてもよい。
【0029】
この構成によると、収容容器に互いに近接して配置されている複数の筒状ワークから欠陥を有する筒状ワークを取り出すことができる。これにより、欠陥を有する筒状ワークを出荷前に取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図2】実施例の取出装置の構成を説明する概要構成図を示す。
【
図3】実施例の収容容器の固定部材の平面図を示す。
【
図5】実施例の嵌合部の構成を有する拡大図を示す。
【
図6】実施例の嵌合部の構成を有する拡大図を示す。
【
図7】実施例のガラス管の製造方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(取出装置の構成)
本実施例の取出装置10は、六角形の収容容器70に密に収容されている複数のガラス管100の中から、前工程で欠陥が検出された特定のガラス管100だけを取り出す。複数のガラス管100が収容容器70に密に収容されている状態とは、1個のガラス管100と、1個のガラス管100の周囲に位置する他の1個以上のガラス管100が互いに接触しており、収容容器70内に、他の筒状ワークを収容可能なスペースが無い状態である。なお、複数のガラス管100が収容容器70に密に収容されている状態であっても、複数のガラス管100と収容容器70の外壁との間には多少の隙間が設けられるように設計されている。このため、複数のガラス管100は、収容容器70に密に収容されている状態で、がたつき得る。
【0032】
変形例では、取出装置10は、複数のガラス管100が収容容器70に密に収容されていないものの、隣り合うガラス管100が互いに近接して配置されている状態で、複数のガラス管100の中から特定のガラス管100だけを取り出してもよい。複数のガラス管100が互いに近接して配置されている状態は、隣り合うガラス管100が互いに接触するか、あるいは、接触し得るほど近くに配置されている状態であってもよい。複数のガラス管100が互いに近接して配置されている状態は、収容容器70に何本かの筒状ワークを追加で収容可能な状態であってもよい。複数のガラス管100が互いに近接して配置されている状態は、例えば収容容器70に収容されている現状の総本数に対して、0.1~2%程度の筒状ワークを追加で収容可能な状態であってもよい。
【0033】
ガラス管100は、円筒形状を有するガラス製の部材である。ガラス管100は、多角形筒状等の円筒以外の筒形状を有していてもよい。取出装置10は、ガラス管100に替えて、樹脂、金属等のガラス以外の材料で作製される筒状ワークを取り出してもよい。
【0034】
図1に示すように、取出装置10は、取出機構20と、位置決め機構50と、制御装置80と、を備える。本実施例では、理解を容易にするために図面に示される方向で前後上下左右方向を規定する。取出機構20は、支柱12及び支持梁14を介して、床面Xに取り付けられている。取出機構20は、支持梁14に取り付けられている。支柱12と支持梁14との間及び支持梁14と取出機構20との間の少なくとも一方には、取出機構20を、床面Xに対して、床面Xと平行に移動するための、モータ、シリンダ等のアクチュエータが配置されている。
【0035】
(取出機構20の構成)
図2に示すように、取出機構20は、支持板22と、アクチュエータ24、26、28と、供給部30と、案内部材34と、当接部材36と、保持部材40と、を備える。支持板22は、例えば、金属製の平板形状を有する。支持板22は、床面Xに垂直方向に支持梁14に取り付けられている。支持板22は、一方の面において支持梁14と連結されている。支持板22の他方の面には、アクチュエータ24、26、28と、供給部30と、供給管32と、案内部材34と、当接部材36と、保持部材40と、が配置されている。
【0036】
アクチュエータ24、26、28のそれぞれは、支持板22に固定されている。アクチュエータ24、26、28のそれぞれは、上下方向に伸縮するシリンダを備える。アクチュエータ24、26、28の少なくとも1つは、モータによって上下方向に移動されるロッド等、シリンダ以外の構成を備えていてもよい。
【0037】
アクチュエータ24の下端には、床面Xと平行に延びる金属又は樹脂製の連結片46を介して、供給部30が連結されている。供給部30は、連結片46に取り付けられている。供給部30は、予め決められた容積を有する空間30bを画定するケーシング30aと、空間30b内の気体を空間30b外に押し出すピストン30cと、を備える。ピストン30cは、空間30b内に配置され、上下方向に移動することによって、空間30b内の気体を空間30b外に押し出す。ピストン30cは、図示省略されたシリンダ等のアクチュエータによって移動される。
【0038】
供給部30には、保持部材40が連結されている。保持部材40は、供給管42と、嵌合部44と、を備える。供給管42は、上下方向に延びる中空の円管形状を有する。供給管42は、金属又は樹脂材料で作製されている。供給管42は、少なくとも下端部において、ガラス管100の内径よりも小さい外径を有する。供給管42は、上端において、供給部30に連結されている。供給部30は、ピストン30cによって空間30bから押し出される気体を、供給管42に供給する。これにより、供給部30は、空間30bの容積分の気体を供給管42の中空部分に供給することができる。また、空間30bを大気に連通させることによって、空間30b内の気圧を大気圧に維持することができる。これにより、空間30b内に大気圧以上の気体が圧縮されて収容されることを防止することができる。なお、供給部30は、予め決められた量の気体を、供給管42に供給することができる構成であればよい。
【0039】
供給管42の下端には、嵌合部44が取り付けられている。
図5に示すように、嵌合部44は、中空の筒形状を有する。嵌合部44は、弾性変形によって形状が変形可能な弾性体である。嵌合部44は、供給管42の下端において、供給管42の下端を塞ぐように、供給管42に接着されている。嵌合部44の内部は、供給管42に形成された貫通孔42aを介して、供給管42の内側に連通している。嵌合部44は、二点鎖線で示される収縮状態と、実線で示される嵌合状態と、の間で、変形可能である。嵌合部44は、収縮状態で維持され、供給部30から供給管42を介して、決められた量の気体が供給されると、嵌合状態まで膨張する。嵌合部44は、収縮状態において、供給管42の外周に接触している。嵌合部44は、収縮状態では、ガラス管100の径方向において、ガラス管100の内径よりも小さい。ガラス管100の内側に挿入されていない状態では、嵌合部44は、嵌合状態まで膨張すると、ガラス管100の径方向において、ガラス管100の内径よりも大きく膨張する。この結果、嵌合部44がガラス管100の内側に挿入されている状態で嵌合状態まで膨張すると、嵌合部44は、ガラス管100の内壁に強く接触して嵌合される。
【0040】
図2に示すように、連結片46は、アクチュエータ24の上下方向の伸縮によって、上下方向に移動される。連結片46の上下方向の移動に伴って、供給部30と供給管42とが上下方向に移動される。これにより、供給管42の下端に配置されている嵌合部44が上下方向に移動される。
【0041】
図2に示すように、アクチュエータ26の下端には、床面Xと平行に延びる金属又は樹脂製の連結片48を介して、案内部材34が連結されている。案内部材34は、上下方向に延びる中空の円管形状を有する。案内部材34は、金属又は樹脂材料で作製されている。案内部材34は、全長に亘って、供給管42の外径及び収縮状態の嵌合部44の案内部材34の径方向における寸法よりも大きい内径を有する。案内部材34には、供給管42が挿入されている。案内部材34は、ガラス管100の外径よりも小さく内径よりも大きい内径を有する。
【0042】
連結片48は、アクチュエータ26の上下方向の伸縮によって、上下方向に移動される。連結片48の上下方向の移動に伴って、案内部材34が上下方向に移動される。案内部材34は、保持部材40と独立して上下方向に移動することができる。
【0043】
アクチュエータ28の下端には、当接部材36が連結されている。当接部材36は、床面Xに沿って延びる直方体形状の基部分36aと、基部分36aの下端から下方に突出する直方体形状の当接部分36bと、を備える。当接部材36は、金属又は樹脂材料で作製されている。当接部材36には、保持部材40が挿入されている案内部材34が上下方向に貫通している。
図5に示すように、当接部材36は、上下方向に沿って、案内部材34が配置される貫通孔36dを有する。貫通孔36dは、案内部材34の外径よりも若干大きな内径を有する。
【0044】
当接部材36は、アクチュエータ28の上下方向の伸縮によって、上下方向に移動される。当接部材36は、案内部材34及び保持部材40と独立して上下方向に移動することができる。
【0045】
(位置決め機構の構成)
図1に示すように、取出機構20の下方には、位置決め機構50が配置されている。位置決め機構50は、床面X上に配置されている。
図3に示すように、位置決め機構50は、台座60と、位置決め部52、54、56、58を備える。台座60は、平板形状を有する。台座60は、金属材料で作製されている。台座60は、床面Xと平行な上面を有する。
【0046】
台座60の上面には、位置決め部52、54、56、58が取り付けられている。位置決め部52は、台座60に固定されている。位置決め部52は、台座60の上面から上方に突出している。位置決め部52は、位置決め部材52aと、当接部材52bと、を備える。位置決め部材52aは、金属又は樹脂材料で作製されている。位置決め部材52aの後端面は、収容容器70の前面に沿った形状を有している。位置決め部材52aは、後端面が収容容器70の前面に当接されることによって、収容容器70の位置決めを行っている。
【0047】
当接部材52bは、位置決め部材52aに固定されている。当接部材52bは、ゴム、樹脂等のガラス管100と接触してもガラス管100が破損し難い軟らかい材料で作製されている。当接部材52bは、収容容器70の前面の形状に沿った形状を有する。当接部材52bは、位置決め部材52aに対して、収容容器70の外壁の厚み分だけ後方に突出して配置されている。当接部材52bは、収容容器70の前面に沿って並ぶ複数のガラス管100に対して、前方から当接する。
【0048】
位置決め部52の左後方には、位置決め部54が配置されている。位置決め部54は、位置決め部材54aと、当接部材54bと、基部材54cと、アクチュエータ54dと、ばね部54e(
図4参照)と、を備える。基部材54cは、台座60の上面に固定されている。基部材54cは、金属又は樹脂製の平板形状を有する。アクチュエータ54dは、基部材54cに固定されている。アクチュエータ54dは、基部材54cから右側に延びている。
【0049】
アクチュエータ54dは、シリンダ、ボールねじ等を含み、位置決め部材54aを、台座60に対して左右方向に移動させる。位置決め部材54aは、金属又は樹脂材料で作製されている。位置決め部材54aの右端面は、収容容器70の左側面に沿った形状、即ち、前後方向に平行に延びる平面形状を有している。位置決め部材54aは、右端面が収容容器70の左端面に当接されることによって、収容容器70の位置決めを行っている。
【0050】
当接部材54bは、位置決め部材54aにばね部54eを介して取り付けられている。当接部材54bは、当接部材52bと同様の材料で作製されている。当接部材54bは、収容容器70の左端面の形状に沿った形状を有する。当接部材54bは、位置決め部材54aに対して、収容容器70の外壁の厚みよりも若干の長さだけ右方に突出して配置されている。当接部材54bは、収容容器70の左端面に沿って並ぶ複数のガラス管100に対して、左方から当接する。当接部材54bは、複数のガラス管100に当接すると、ばね部54eによって、複数のガラス管100に付勢される。ばね部54eは、コイルばね等の弾性体を有する。ばね部54eは、位置決め部材54aと複数のガラス管100とによって圧縮され、複数のガラス管100を右方に付勢する。なお、位置決め部52は、位置決め部54と同様に、当接部材52bが複数のガラス管100に当接している状態で、当接部材52bを複数のガラス管100に向けて(即ち後方)に付勢されてもよい。
【0051】
位置決め部56は、位置決め部54に対して、収容容器70を挟んで左右対称に配置されている。位置決め部56は、位置決め部54と同様の構成を有する。即ち、位置決め部56では、基部材56cに固定されているアクチュエータ56dによって左右方向に移動される位置決め部材56a及び当接部材56bによって、収容容器70の右端面及び収容容器70の右端面に沿って並ぶ複数のガラス管100に対して、右方から当接する。当接部材56bは、複数のガラス管100に当接すると、ばね部(図示省略)によって、複数のガラス管100に向けて(即ち左方)に付勢される。ばね部は、位置決め部材56aと複数のガラス管100とによって圧縮され、複数のガラス管100を右方に付勢する。
【0052】
位置決め部58は、位置決め部52に対して、収容容器70を挟んで前後方向に対向する位置に配置されている。位置決め部58は、位置決め部54と同様の構成を有する。即ち、位置決め部58では、基部材58cに固定されているアクチュエータ58dによって左右方向に移動される位置決め部材58a及び当接部材58bによって、収容容器70の後面及び収容容器70の後面に沿って並ぶ複数のガラス管100に対して、後方から当接する。当接部材58bは、複数のガラス管100に当接すると、ばね部(図示省略)によって、複数のガラス管100に向けて(即ち前方)に付勢される。ばね部は、位置決め部材58aと複数のガラス管100とによって圧縮され、複数のガラス管100を前方に付勢する。
【0053】
(制御装置の構成)
制御装置80は、取出機構20と、位置決め機構50と、を制御する。制御装置80は、CPU及びメモリを備える。CPUは、予めメモリに格納されているコンピュータプログラムに従って、取出機構20と位置決め機構50とを制御する。これにより、アクチュエータ24、26、28、54d、56d、58d及び供給部30が、制御装置80によって制御される。
【0054】
(筒状ワークの製造方法)
次いで、ガラス管100の製造方法を説明する。
図7に示すように、製造方法では、まず、S12において、ガラス管100を形成する形成工程が実行される。具体的には、例えば、ダンナー法、即ち、軸が下方に傾斜した状態で軸回りに回転する筒状のスリーブに、溶融ガラスを流して巻き付けてガラス製の筒形状を形成し、筒形状をスリーブから引き出しながらスリーブ内から筒形状内に気体を送ることによって、ガラス管を形成する。形成工程で用いられる工法は、ダンナー法に限らず、例えば、ダウンドロー法等、ガラス管を形成する工法であればよい。ガラス管を所定の長さに切断することによって、複数のガラス管100を形成する。
【0055】
次いで、S14において、複数のガラス管100を収容容器70に収容する収容工程が実行される。収容工程は、複数のガラス管100を収容容器70に並べて配置する配置装置を用いて実行される。収容工程は、作業者によって手作業で複数のガラス管100を収容容器70に収容してもよい。S16では、検出工程が実行される。具体的には、収容容器70に収容されている複数のガラス管100の中から、欠陥を有するガラス管100を検出する。検出工程は、検出装置によって実行される。検査装置は、制御装置80によって制御される。検出装置は、位置決め機構50と同様の位置決め機構を有している。制御装置80は、位置決め機構を用いて、収容容器70及び複数のガラス管100を、検出装置に対して位置決めされる。検出装置の位置決め機構については、後述するS18の位置決め工程と同様の処理が実行される。
【0056】
制御装置80は、位置決めされている収容容器70に収容されている複数のガラス管100を、基準点に対して予め決められた複数の位置に配置されるカメラによって撮像する。基準点は、例えば、台座に固定されている前方の位置決め部(位置決め部52に相当する位置決め部)上の予め決められた点である。前方の位置決め部材は、台座に固定されているため、台座に対して位置ずれが発生しない。これにより、基準点と収容容器70との位置関係が変化することを防止することができる。
【0057】
次いで、撮像済みの複数の画像を画像解析によって、例えば、チッピング、欠け、クラック、端面形状の不良、ガラスが球状に形成されている、湾曲している等の欠陥を有する特定のガラス管100を特定する。画像解析では、例えば、予め制御装置80に格納されている欠陥を表す複数の画像及び正常なガラス管の画像の少なくともいずれかの画像を用いて、パターンマッチングが実行される。制御装置80は、撮像された複数の画像のうち、欠陥を表す画像に近似する画像によって表される特定のガラス管100及び正常なガラス管の画像に近似しない画像によって表される特定のガラス管100の少なくとも一方の特定のガラス管100の位置を特定する。制御装置80は、特定のガラス管100の画像を撮像したカメラの基準点からの位置、カメラで撮像された画像内の特定のガラス管100の画像の位置を用いて、基準点に対する特定のガラス管100の位置を表す位置情報(例えば基準点を(0,0)とした場合の特定のガラス管100の位置を表すXY座標)を特定する。
【0058】
次いで、S18では、位置決め工程が実行される。具体的には、収容容器70が搬送装置によって検出装置から取出装置10の台座60上に搬送される。搬送装置は、例えば、収容容器70を挟持するアームを備えている。制御装置80は、搬送装置を用いて、検出装置に載置されている収容容器70を挟持させてアームを動作させることによって、収容容器70を、位置決め部52、54、56、58に囲まれる範囲に載置させる。制御装置80は、位置決め部54、56、58のアクチュエータ54d、56d、58dを作動させて、位置決め部材54a、56a、58aと、当接部材54b、56b、58bと、を台座60に対して移動させる。これにより、位置決め部材54a、56a、58aが収容容器70に接触し、当接部材54b、56b、58bが収容容器70の上端から上方に出ているガラス管100に接触する。アクチュエータ54d、56d、58dが作動されると、収容容器70が、位置決め部材52a、54a、56a、58aに押圧されて位置決めされる。収容容器70は、位置決め部材52a、54a、56a、58aに当接され、収容容器70内の複数のガラス管100は、当接部材52b、54b、56b、58bに当接される。それによって、ガラス管100が収容容器70内でガタつくこと無く位置決めされる。
【0059】
次いで、S20では、特定のガラス管100の取出工程が実行される。取出工程では、制御装置80は、S16において特定された位置情報を用いて、検出された特定のガラス管100を収容容器70から取り出す。具体的には、制御装置80は、嵌合部44が特定のガラス管100の上方に配置されるように、取出機構20を移動させる。次いで、制御装置80は、アクチュエータ24、26、28を作動させて、嵌合部44と、案内部材34と、当接部材36と、を下方に移動させる。嵌合部44は、収縮状態で案内部材34に収容されている。嵌合部44と、案内部材34の下端部分は、当接部材36の貫通孔36dに収容されている。
【0060】
図5に示すように、案内部材34及び当接部材36は、複数のガラス管100の上端縁に対してわずかな隙間を空けて、下方への移動が停止される。案内部材34及び当接部材36の下降時の停止位置は、予め決められている。これにより、案内部材34及び当接部材36によってガラス管100が損傷することを回避することができる。変形例では、カメラ、赤外線等によって複数のガラス管100の上端縁の位置を検出する検出装置を用いてもよい。検出装置によって検出される複数のガラス管100の上端縁の位置よりも予め決められた距離だけ離れた位置で、案内部材34及び当接部材36を停止してもよい。嵌合部44は、案内部材34及び当接部材36より下方に移動されて、特定のガラス管100の内側に挿入される。制御装置80は、嵌合部44が特定のガラス管100の内側に完全に挿入されると、アクチュエータ24を停止して、嵌合部44の下降を停止させる。
【0061】
次いで、制御装置80は、供給部30を作動させて、嵌合部44を収縮状態から膨張状態に変形させる。これにより、嵌合部44が特定のガラス管100に嵌合する。制御装置80は、アクチュエータ24、26と作動させて、嵌合部44と案内部材34とを上方に移動させる。当接部材36は、複数のガラス管100の上端縁から小さな隙間を空けた状態で維持される。
図6に示すように、特定のガラス管100は、嵌合部44の移動に伴って、上方に引き抜かれる。特定のガラス管100は、周囲に位置する複数のガラス管100に密接している。このため、特定のガラス管100の周囲に位置するガラス管100(例えば
図5、
図6に示すガラス管100a、100b)が、特定のガラス管100に伴って上方に移動される場合がある。取出装置10では、当接部材36の当接面36cが、上方に移動されたガラス管100a、100bのガラス管100の上端縁に当接することによって、周囲に位置する複数のガラス管100が特定のガラス管100とともに、収容容器100から引き抜かれることを防止することができる。なお、
図6では、ガラス管100a、100bが特定のガラス管100に伴って上方に移動されている。しかしながら、特定のガラス管100の周囲に位置する複数のガラス管100うち、少なくとも1個のガラス管100は、特定のガラス管100に伴って上方に移動されない場合がある。
【0062】
制御装置80は、特定のガラス管100を収容容器70に収容されている複数のガラス管100の上方に引き上げると、取出機構20を収容容器70に対して移動させて、特定のガラス管100を収容容器70から取り出す。S16の検出工程と、S20の取出工程と、を含む検出方法によって、欠陥を有する特定のガラス管100を収容容器70から取り出すことができる。
【0063】
次いで、S22において、収容容器70を取出装置10から搬出する搬出工程が実行される。具体的には、制御装置80は、搬送装置を用いて、収容容器70を位置決め機構50から取出装置10の外側に搬出させる。これにより、収容容器70に収容されている状態で、複数のガラス管100を出荷することができる。
【0064】
(効果)
取出装置10によると、嵌合部44を特定のガラス管100に挿入して、特定のガラス管100に嵌合させることによって、特定のガラス管100を保持することができる。この構成によると、特定のガラス管100を外側から把持せずに済む。このため、特定のガラス管100の周りにガラス管100が近接して配置されていても、特定のガラス管100を保持して、収容容器70から取り出すことができる。
【0065】
嵌合部44は、内部の気体量に合わせて収縮状態と膨張状態とに変形することができる。この構成によると、嵌合部44の気体量を調整することによって、ガラス管100を保持することができる。また、嵌合部44の気体量を調整することによって、嵌合部44に保持されているガラス管100を取り外すことができる。
【0066】
供給部30は、空間30b内の気体を嵌合部44に供給する。この構成によると、供給部30は、嵌合部44にあらかじめ決められた量の気体を供給することができる。これにより、嵌合部44に過剰な気体が供給されることを防止することができる。なお、予め決められた量の気体とは、予め決められた容積を有する空間30bに収容される気体ということができる。なお、変形例では、供給部30は、上記の構成に限らず、例えば、一定量の気体を供給可能なポンプを有していてもよい。
【0067】
取出装置10では、案内部材34が嵌合部44に伴って移動することによって、嵌合部44が、当接部材36の貫通孔36dでガタつくことを抑制することができる。これにより、嵌合部44をスムーズに特定のガラス管100に挿入することができる。
【0068】
(別の実施例)
本実施例では、保持部材240が、上記の実施例の保持部材40と異なる。
図8に示すように、保持部材240は、嵌合部244を備える。嵌合部244は、軸部242と、変形部246と、を備える。軸部242は、上下方向に延びる直線形状を有する。軸部242は、例えばステンレス鋼製の鋼線等の金属線を複数本撚り合わせて形成されている。軸部242の下端には、変形部244が取り付けられている。変形部244は、複数本の毛が軸部242を中心に、軸部242の径方向に放射状に延びている。複数本の毛は、螺旋状に並んで配置されている。変形部244は、複数本の毛が、ブラシ状に並んでいる。変形部244を下方から見ると、円形状の外形を有する。複数本の毛のそれぞれは、例えばナイロン等、ガラス管100よりも柔軟な材料で作製されている。変形部244の直径D1は、ガラス管100の内径D2よりも大きい。
【0069】
図9に示すように、S20の取出工程では、嵌合部244は、案内部材34及び当接部材36より下方に移動されて、特定のガラス管100の内側に挿入される。嵌合部244が特定のガラス管100の内側に挿入されると、変形部244の複数本の毛のそれぞれが、ガラス管100の内壁によって変形される。これにより、変形部244の外形は、ガラス管100の内壁に沿って収縮される。この結果、嵌合部244は、特定のガラス管100に嵌合する。制御装置80は、アクチュエータ24、26と作動させて、嵌合部244と案内部材34とを上方に移動させる。これにより、特定のガラス管100を取り出すことができる。
【0070】
変形例では、
図10に示すように、保持部材340は、軸部342と、嵌合部344と、を備えていてもよい。軸部342は、上下方向に直線状に延びてもよい。嵌合部344は、軸部342に下端に配置されてもよい。嵌合部344は、上方から下方に向かって連続的に直径が小さくなる円錐台形状を有していてもよい。嵌合部344は、例えば、ゴム、樹脂等、ガラス管100よりも柔らかく、弾性変形可能な材料でもよい。嵌合部344の下端は、ガラス管100の内径よりも小さく、嵌合部344の上端は、ガラス管100の内径よりも大きくてもよい。S20の取出工程では、嵌合部344が降下して、ガラス管100の内側に挿入されてもよい。この場合、嵌合部344がガラス管100の内壁に接触して嵌まり込むまで嵌合部344が降下されてもよい。
【0071】
別の変形例では、
図11、
図12に示すように、保持部材440は、嵌合部444を備えていてもよい。嵌合部444は、軸部442と、変形部446と、を備えていてもよい。軸部442は、上下方向に延びる直線形状を有していてもよい。軸部442の下端には、変形部446が取り付けられていてもよい。変形部446では、軸部442から複数枚の平板が軸部442の径方向に延びていてもよい。例えば、
図12に示すように、変形部446を下方から見ると、複数枚の平板が等間隔に並んでいてもよい。複数枚の平板のそれぞれは、ゴム、ナイロン、樹脂等のガラス管100よりも柔らかく、弾性変形可能な材料で作製されてもよい。変形部446の外形は、ガラス管100の内径よりも大きくてもよい。
【0072】
S20の取出工程では、嵌合部444が降下して、ガラス管100の内側に挿入されてもよい。変形部446は、ガラス管100の内壁に沿って変形することによって、ガラス管100に嵌まり込んでもよい。
【0073】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0074】
例えば、嵌合部44は、気体量による変形以外の手段で、外形寸法が変形される構成であってもよい。例えば、嵌合部44は、上下方向に圧縮することによって、上下方向に垂直な方向に膨らむように変形される弾性体であってもよい。
【0075】
例えば、取出装置10は、嵌合部44を備えていればよい。例えば、作業者が嵌合部44を有する取出装置10を手で把持して、特定のガラス管100に嵌合部44を挿入してもよい。
【0076】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0077】
10:取出装置、20:取出機構、22:支持板、24、26、28:アクチュエータ、30:供給部、30b:空間、30c:ピストン、32:供給管、34:案内部材、36:当接部材、36c:当接面、36:貫通孔、40:保持部材、42:供給管、42a:貫通孔、44:嵌合部、50:位置決め機構、52、54、56、58:位置決め部、
52b、54b、56b、58b:当接部材、60:台座、70:収容容器、80:制御装置、100:ガラス管