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特開2024-114609磁気記憶装置用の多層ロードビームフレキシャ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114609
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】磁気記憶装置用の多層ロードビームフレキシャ
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/21 20060101AFI20240816BHJP
   G11B 5/60 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G11B21/21 C
G11B5/60
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023217798
(22)【出願日】2023-12-25
(31)【優先権主張番号】63/445,219
(32)【優先日】2023-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/359,753
(32)【優先日】2023-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504056130
【氏名又は名称】ウェスタン デジタル テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村木 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】野口 宜伸
(72)【発明者】
【氏名】曽我 英司
(72)【発明者】
【氏名】土田 裕康
(57)【要約】      (修正有)
【課題】磁気記憶装置のサスペンションアセンブリの読取り/書込みヘッドと、データを読み書きするディスクとの間の離間距離の変動を低減させる。
【解決手段】磁気記憶装置用のサスペンションアセンブリ135は、ベースプレート192と、ロードビーム196と、フレキシャ140と、を備える。ロードビームのヒンジ141が、ロードビームの先端部をベースプレートに対して移動させるために撓むように構成される。フレキシャは、ヒンジ部140B及びヒンジ部に隣接する固定部を含む。フレキシャの固定部の各々は、第1層119及び第2層110を含み、第1層が第2層とロードビームの間に挟まれる。フレキシャのヒンジ部は、第2層を含むが、第1層を含まない。フレキシャのヒンジ部の第2層の厚さは、フレキシャの固定部の第2層の厚さより薄い。
【選択図】図4O
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレートと、
前記ベースプレートに取り付けられ、先端部及びヒンジを含むロードビームであって、前記ヒンジが前記先端部と前記ベースプレートの間に挟まれ、前記先端部を前記ベースプレートに対して移動させるために撓むように構成されるロードビームと、
前記ベースプレート及び前記ロードビームに取り付けられたフレキシャと、を備え、
前記フレキシャは、前記ロードビームのヒンジの少なくとも一部に重なるヒンジ部、及び前記ヒンジ部に隣接する固定部を含み、
前記フレキシャの固定部の各々は第1層及び第2層を含み、
前記第1層が前記第2層と前記ロードビームの間に挟まれ、
前記フレキシャの前記ヒンジ部は、前記フレキシャの前記固定部の前記第1層間にギャップを画定するように、前記第2層を含むが、前記第1層を含まず、
前記フレキシャの前記ヒンジ部の前記第2層の厚さ(t4)が前記フレキシャの前記固定部の前記第2層の厚さ(t3)より薄い、磁気記憶装置用のサスペンションアセンブリ。
【請求項2】
前記ヒンジ部の第2層の厚さに対する前記固定部の第2層の厚さの比率が1より大きく2.4以下である、請求項1に記載のサスペンションアセンブリ。
【請求項3】
前記ロードビームが金属材料で製作される、請求項1に記載のサスペンションアセンブリ。
【請求項4】
前記第1層が金属材料で製作される、請求項1に記載のサスペンションアセンブリ。
【請求項5】
前記第1層が前記ロードビームに直接隣接する、請求項1に記載のサスペンションアセンブリ。
【請求項6】
前記フレキシャの前記固定部の各々が第3層を更に含む、請求項1に記載のサスペンションアセンブリ。
【請求項7】
前記第2層が前記第1層と前記第3層の間に挟まれる、請求項6に記載のサスペンションアセンブリ。
【請求項8】
前記第3層が実質的に均一な厚さを有する、請求項6に記載のサスペンションアセンブリ。
【請求項9】
前記第3層が銅で製作される、請求項6に記載のサスペンションアセンブリ。
【請求項10】
前記第1層、第2層、及び第3層が積み重ねられた形態で配置される、請求項6に記載のサスペンションアセンブリ。
【請求項11】
前記第2層が感光性ポリイミド材料で製作される、請求項1に記載のサスペンションアセンブリ。
【請求項12】
前記第2層が誘電体材料で製作される、請求項1に記載のサスペンションアセンブリ。
【請求項13】
ベースプレートと、
大量のディスクと、
キャリッジアームと、を備え、前記キャリッジアームは、
前記ベースプレートに取り付けられたロードビームを含み、前記ロードビームは、
先端部と、
前記先端部と前記ベースプレートの間に挟まれ、前記先端部を前記ベースプレートに対して移動させるために撓むように構成されたヒンジと、
前記ベースプレート及び前記ロードビームに取り付けられたフレキシャと、を含み、
前記フレキシャは、前記ロードビームのヒンジにまたがるヒンジ部、及び前記ヒンジ部に隣接する固定部を含み、
前記フレキシャの前記固定部の各々は第1層及び第2層を含み、
前記第1層が前記第2層と前記ロードビームの間に挟まれ、
前記フレキシャのヒンジ部は、前記ヒンジにまたがるギャップを前記フレキシャの前記固定部の前記第1層間に画定するように、前記第2層を含むが、前記第1層を含まず、
前記フレキシャの前記ヒンジ部の前記第2層の厚さ(t4)が前記フレキシャの前記固定部の前記第2層の厚さ(t3)より薄い、磁気記憶システム。
【請求項14】
前記ヒンジ部の前記第2層の厚さに対する前記固定部の厚さの比率が1より大きく2.4以下である、請求項13に記載の磁気記憶システム。
【請求項15】
前記ヒンジが前記大量のディスクのうち少なくとも1つのディスクの表面へ付勢し、前記先端部のヘッドが前記少なくとも1つのディスクにデータを読み書きすることができるようにする、請求項13に記載の磁気記憶システム。
【請求項16】
第1層上に第2層を形成するステップと、
前記第2層上にマスクを塗布するステップであって、前記マスクの第1部分の透光性が前記マスクの第2部分の透光性と異なるステップと、
前記マスクの前記第1部分及び第2部分を介して光を照射するステップと、
前記マスクを前記第2層から除去するステップと、
前記マスクの前記第1部分が塗布された前記第2層の第1部分が第1厚さとなり、前記マスクの前記第2部分が塗布された前記第2層の第2部分が第2厚さとなるように、前記第2層をエッチングするステップであって、前記第2厚さが前記第1厚さより薄いステップと、を含む、磁気記憶装置のサスペンションアセンブリの製造方法。
【請求項17】
前記第2層の上に第4層を形成し、前記第1層の下に第5層を形成した後、前記第4層の少なくとも一部をエッチングすることにより前記第2層上に第3層を形成するステップと、
化学洗浄によって前記第4層及び前記第5層を除去するステップと、
前記第3層上に第6層を形成するステップと、
前記第1層の下に第7層を形成するステップと、
前記第1層の一部及び前記第7層の一部を除去するステップであって、除去された各部分が前記マスクの前記第2部分に位置合わせられるステップと、
前記第6層及び前記第7層を除去するステップと、を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記マスクの一部がハーフトーンガラスマスクを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1層がステンレス鋼で製作され、
前記第2層がポリイミド材料で製作され、
前記第3層が銅で製作され、
前記第4、第5、第6、及び第7層がそれぞれドライフィルムフォトレジストで製作される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第2層の前記第2部分が前記ロードビームのヒンジ部にまたがるように、前記フレキシャをベースプレート及びロードビームに貼り付けるステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して磁気記憶装置に関し、より具体的には磁気記憶装置用の多層ロードビームフレキシャに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記憶装置、例えばハードディスクドライブ(「HDD」)は、企業のデータ処理システム、コンピュータワークステーション、携帯型計算装置、デジタルオーディオプレーヤ、デジタルビデオプレーヤ等におけるデジタルデータ又は電子情報の記憶に広く用いられている。一般的には、HDDは磁気ディスクへのデータ記憶を容易にする読み書きヘッドを含む。各読み書きヘッドは、サスペンションアセンブリ上で支持される。一部のHDDは、フレキシャを有するサスペンションアセンブリを含む。
【発明の概要】
【0003】
磁気記憶装置、及び該磁気記憶装置のサスペンションアセンブリの読取り/書込みヘッドと、データを読み書きするディスクとの間の離間距離の変動を低減させる製造方法が求められている。本出願の主題は磁気記憶装置の現状に応じて開発されたものであり、具体的には、上述したような、現在利用可能な磁気記憶装置によっては完全に解決されていない当分野の問題及び需要に応じて開発されたものである。従って、本開示の実施例は少なくとも従来技術の欠点の一部を解消する。
【0004】
以下は、本明細書に開示された主題の、特許請求される場合もされない場合もある実施例の非網羅的なリストである。
【0005】
本明細書は磁気記憶装置用のサスペンションアセンブリを開示する。前記サスペンションアセンブリは、ベースプレートと、前記ベースプレートに取り付けられたロードビームと、を備える。前記ロードビームが先端部及びヒンジを含む。前記ヒンジが前記先端部と前記ベースプレートの間に挟まれ、前記先端部を前記ベースプレートに対して移動させるために撓むように構成される。前記サスペンションアセンブリは、前記ベースプレート及び前記ロードビームに取り付けられそれらと共に移動可能なフレキシャを備える。前記フレキシャが、前記ロードビームのヒンジにまたがるヒンジ部、及び前記ヒンジ部に隣接する固定部を有する。前記フレキシャの固定部の各々が第1層及び第2層を有する。前記第1層が前記第2層と前記ロードビームの間に挟まれる。前記フレキシャのヒンジ部が、前記ヒンジにまたがるギャップを前記フレキシャの固定部の第1層間に画定するために、前記第2層を含むが、前記第1層を含まない。前記フレキシャのヒンジ部の第2層の厚さが前記フレキシャの固定部の第2層の厚さより薄い。この段落の前述の主題は本開示の実施例1を特徴付けるものである。
【0006】
前記第2層の第2部分の厚さに対する前記第2層の第1部分の厚さの比率が1より大きく2.4以下である。この段落の前述の主題は本開示の実施例2を特徴付けるものであり、ここで実施例2は上記実施例1に記載の主題をも含む。
【0007】
前記ロードビームが金属材料で製作される。この段落の前述の主題は本開示の実施例3を特徴付けるものであり、ここで実施例3は上記実施例1~2のいずれかに記載の主題をも含む。
【0008】
前記第1層が金属材料で製作される。この段落の前述の主題は本開示の実施例4を特徴付けるものであり、ここで実施例4は上記実施例1~3のいずれかに記載の主題をも含む。
【0009】
前記第1層が前記ロードビームの上に直接位置する。この段落の前述の主題は本開示の実施例4を特徴付けるものであり、ここで実施例5は上記実施例1~4のいずれかに記載の主題をも含む。
【0010】
前記フレキシャの固定部の各々が第3層を有する。この段落の前述の主題は本開示の実施例4を特徴付けるものであり、ここで実施例6は上記実施例1~5のいずれかに記載の主題をも含む。
【0011】
前記第2層が前記第1層と前記第3層の間に挟まれる。この段落の前述の主題は本開示の実施例7を特徴付けるものであり、ここで実施例7は上記実施例6に記載の主題をも含む。
【0012】
前記第3層が実質的に均一な厚さを有する。この段落の前述の主題は本開示の実施例8を特徴付けるものであり、ここで実施例8は上記実施例6~7のいずれかに記載の主題をも含む。
【0013】
前記第3層が銅で製作される。この段落の前述の主題は本開示の実施例9を特徴付けるものであり、ここで実施例9は上記実施例6~8のいずれかに記載の主題をも含む。
【0014】
前記第1層、第2層、及び第3層が積み重ねられた形態で配置される。この段落の前述の主題は本開示の実施例10を特徴付けるものであり、ここで実施例10は上記実施例6~9のいずれかに記載の主題をも含む。
【0015】
前記第2層が感光性ポリイミド材料で製作される。この段落の前述の主題は本開示の実施例11を特徴付けるものであり、ここで実施例11は上記実施例1~10のいずれかに記載の主題をも含む。
【0016】
前記第2層が誘電体材料で製作される。この段落の前述の主題は本開示の実施例12を特徴付けるものであり、ここで実施例12は上記実施例1~11のいずれかに記載の主題をも含む。
【0017】
本明細書は磁気記憶システムを開示する。前記磁気記憶システムは、ベースプレートと、大量のディスクと、キャリッジアームと、を備える。前記キャリッジアームが、前記ベースプレートに取り付けられたロードビームを含む。前記ロードビームが、先端部、ヒンジ、及びフレキシャを含む。前記ヒンジが、前記先端部と前記ベースプレートの間に挟まれ、前記先端部を前記ベースプレートに対して移動させるために撓むように構成される。前記フレキシャが前記ベースプレート及び前記ロードビームに取り付けられ、それらと共に移動可能である。前記フレキシャが、前記ロードビームのヒンジにまたがるヒンジ部、及び前記ヒンジ部に隣接する固定部を含む。前記フレキシャの固定部の各々が第1層及び第2層を含む。前記第1層が前記第2層と前記ロードビームの間に挟まれる。前記フレキシャのヒンジ部が、前記ヒンジにまたがる前記ギャップを前記フレキシャの固定部の第1層間に画定するために、前記第2層を含むが、前記第1層を含まない。前記フレキシャのヒンジ部の第2層の厚さが前記フレキシャの固定部の第2層の厚さより薄い。この段落の前述の主題は本開示の実施例13を特徴付けるものである。
【0018】
前記第2層の第2部分の厚さに対する前記第2層の第1部分の厚さの比率が1より大きく2.4以下である。この段落の前述の主題は本開示の実施例14を特徴付けるものであり、ここで実施例14は上記実施例13に記載の主題をも含む。
【0019】
前記ヒンジが前記大量のディスクのうち少なくとも1つのディスクの表面へ付勢し、前記先端部のヘッドが前記少なくとも1つのディスクにデータを読み書きすることができるようにする。この段落の前述の主題は本開示の実施例15を特徴付けるものであり、ここで実施例15は上記実施例13~14のいずれかに記載の主題をも含む。
【0020】
本明細書は磁気記憶装置のサスペンションアセンブリの製造方法をも開示する。前記方法は第1層上に第2層を形成するステップを含む。前記方法は前記第2層上にマスクを塗布するステップをも含む。前記マスクの第1部分の透光性が前記マスクの第2部分の透光性と異なる。前記方法は前記マスクの前記第1部分及び第2部分を介して光を照射するステップをも含む。前記方法は、前記第2層から前記マスクを除去するステップと、前記マスクの前記第1部分が塗布された前記第2層の第1部分が第1厚さとなり、前記マスクの前記第2部分が塗布された前記第2層の第2部分が第2厚さとなるように、前記第2層をエッチングするステップであって、前記第2厚さが前記第1厚さより薄いステップと、をも含む。この段落の前述の主題は本開示の実施例16を特徴付けるものである。
【0021】
本明細書は磁気記憶装置のサスペンションアセンブリの製造方法を開示する。前記方法は、前記第2層の上に第4層を形成し、前記第1層の下に第5層を形成した後、前記第4層の少なくとも一部をエッチングすることにより前記第2層上に第3層を形成するステップを含む。前記方法は、化学洗浄によって前記第4層及び前記第5層を除去するステップと、前記第3層上に第6層を形成するステップと、前記第1層の下に第7層を形成するステップと、前記第1層の一部及び前記第7層の一部を除去するステップと、をも含む。除去された各部分が前記マスクの前記第2部分に位置合わせられる。前記方法は前記第6層及び前記第7層を除去するステップをも含む。この段落の前述の主題は本開示の実施例17を特徴付けるものであり、ここで実施例17は上記実施例16に記載の主題をも含む。
【0022】
前記マスクの一部がハーフトーンガラスマスクを含む。この段落の前述の主題は本開示の実施例18を特徴付けるものであり、ここで実施例18は上記実施例16~17のいずれかに記載の主題をも含む。
【0023】
前記第1層がステンレス鋼で製作される。前記第2層がポリイミド材料で製作される。前記第3層が銅で製作される。前記第4、第5、第6、及び第7層がそれぞれドライフィルムフォトレジストで製作される。この段落の前述の主題は本開示の実施例19を特徴付けるものであり、ここで実施例19は上記実施例16~18に記載の主題をも含む。
【0024】
磁気記憶装置のサスペンションアセンブリの製造方法は、前記第2層の前記第2部分が前記ロードビームのヒンジ部にまたがるように、前記フレキシャをベースプレート及びロードビームに貼り付けるステップを含む。この段落の前述の主題は本開示の実施例20を特徴付けるものであり、ここで実施例20は上記実施例16~19のいずれかに記載の主題をも含む。
【0025】
本開示の主題の記載された特徴、構造、利点、及び/又は特性は1つ又は複数の実施例及び/又は実装例において任意の適切な形で組み合わせることができる。以下の説明において、本開示の主題の実施例を包括的に理解するために多数の具体的な詳細を提供する。当業者であれば、本開示の主題は特定の実施例又は実装例の詳細な特徴、詳細、コンポーネント、材料、及び/又は方法の1つ又は複数がなくても実施できることを認識するであろう。他の例では、更なる特徴及び利点は特定の実施例及び/又は実装例において認識され得るが、全ての実施例又は実装例に存在しないことがある。更に、幾つかの例では、本開示の主題の態様を曖昧にしないように、周知の構造、材料、又は動作は詳細に図示又は記載しない。本開示の主題の特徴及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、又は以下に説明する主題の実施によって理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示の利点を容易に理解できるように、添付の図面に示された特定の実施例を参照して、上記で概説した本開示のより具体的な説明を提供する。これらの図面は本開示の典型的な実施例を示すものに過ぎないことから、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解すべきであり、添付の図面の使用により、本出願の主題は更に具体的に且つ詳細に説明及び解釈される。図面の説明を次に記載する。
【0027】
図1】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、磁気記憶装置の概略斜視図である。
【0028】
図2】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、磁気記憶装置のサスペンションアセンブリの概略下面図である。
【0029】
図3】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、磁気記憶装置のサスペンションアセンブリの製造方法のフローチャートである。
【0030】
図4A-O】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、磁気記憶装置のサスペンションアセンブリの多層フレキシャを製造する様々な段階での、磁気記憶装置のサスペンションアセンブリの概略断面側面図である。
【0031】
図5A】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、磁気記憶装置のサスペンションアセンブリの概略断面側面図である。
【0032】
図5B】ロードビーム及びフレキシャがヒンジ周りに折り曲げられている、図5Aのサスペンションアセンブリの概略断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書全体を通じて「1つの実施例」、「実施例」又は同様の表現への言及は、該実施例と関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。本明細書全体を通じて出てくる「1つの実施例において」、「実施例において」及び同様の表現は、必ずしも全て同一の実施例を指すわけではない。同様に、使用された用語「実装例」は、本開示の1つ又は複数の実施例と関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性を有する実装例を意味するが、そうでないことを示す明らかな相関性がない限り、実装例は1つ又は複数の実施例と関連付けられてもよい。
【0034】
図1を参照し、1つの実施例に係る磁気記憶装置100は、ハードディスクドライブ(HDD)として記載される。しかし、別の実施例において、磁気記憶装置100は本開示の主題の本質から逸脱することなく様々な磁気記憶装置のいずれであってもよい。磁気記憶装置100は、その中で画定された内部キャビティ114を密封又は囲むハウジング102を含む。ハウジング102はベース130及びカバー132(磁気記憶装置100のハウジング102の内部キャビティ114における内部機構を曖昧にしないように、破線で示されている)を含む。カバー132はハウジング102の外部環境から内部キャビティ114を囲むためにベース130に結合される。幾つかの実装例において、ベース130とカバー132の間の密封を促進するために、ベース130とカバー132の間にシール又はガスケットが配置される。幾つかの実施例において、ベース130が金属材料、例えばステンレス鋼で製作される。
【0035】
磁気記憶装置100はハウジング102の内部キャビティ114内に位置する様々な機構を含む。幾つかの実施例において、磁気記憶装置100は、内部キャビティ114内のキャリッジ103、ディスク115、スピンドルモータ121、及びボイスコイルモータ(VCM)125を含む。キャリッジ103は、複数のキャリッジアーム105と該複数のキャリッジアーム105の各キャリッジアームの先端チップに結合された少なくとも1つのヘッドジンバルアセンブリ109(例えば、サスペンション)とを含むヘッドスタックアセンブリ107を含む。各ヘッドジンバルアセンブリ109はサスペンションアセンブリ135及びスライダ142を含む。スライダ142は該スライダ142に結合された(例えば、埋め込まれた)少なくとも1つの読み書きヘッドを含む。図1の磁気記憶装置100は5つのキャリッジアーム105及び4つのディスク115を有すると示されているが、別の実施例において、磁気記憶装置100は、5つ以上又は以下のキャリッジアーム105、又は4つ以上又は以下のディスク115を有してもよい。1つの実施例において、ディスク115に面するキャリッジアーム105の各側はヘッドジンバルアセンブリ109を有する(例えば、上部と下部キャリッジアーム105のそれぞれはヘッドジンバルアセンブリ109を1つ有し、前記上部と下部キャリッジアーム105間の中部キャリッジアーム105はヘッドジンバルアセンブリ109を2つ有してもよい)。同様に、磁気記憶装置100は1つのスピンドルモータ121及び1つのVCM125を有すると示されているが、別の実施例において、磁気記憶装置100は任意数のスピンドルモータ121及びVCM125を有してもよい。
【0036】
スピンドルモータ121はベース130に結合される。一般的には、スピンドルモータ121は、ベース130に対して移動不能に固定された据え置き部、及び該据え置き部及びベース130に対して回転可能なスピンドルを含む。従って、スピンドルモータ121のスピンドルはスピンドルモータの一部又はそれと一体であると考えることができる。一般的には、スピンドルモータ121はスピンドルをベース130に対して回転させるように動作可能である。ディスク115又はプラッタは、各ハブ122を介してスピンドルモータ121のスピンドルに共回転可能に固定され、これらのハブ122は各ディスク115及びスピンドルに共回転可能に固着される。スピンドルモータ121のスピンドルが回転すると、ディスク115は対応して回転する。このように、スピンドルモータ121のスピンドルは各ディスク115の回転軸を画定する。スピンドルモータ121は、回転方向190において、制御された量及び制御された速度でディスク115を回転させるように動作可能に制御され得る。
【0037】
ディスク115の各々は様々なタイプの磁気記録媒体のいずれであってもよい。一般的には、1つの実施例において、各ディスク115は、基板、及び該基板上に直接又は間接的に塗布された磁性材料を含む。例えば、ディスク115の磁性材料は各ビット上に複数の磁性粒子がある磁性層ビットを有する従来のグラニュラ磁気記録ディスク又はウェハであってもよい。グラニュラ磁気媒体において、ビットは全て同一平面上にあり、ディスクの表面116は実質的に滑らかで連続的である。1つの実施例において、各ビットは、面内(縦)配向又は面外(垂直)配向のいずれかを持ち得る磁気双極子モーメントを有する。
【0038】
ディスク115が読み書きモードで回転すると、VCM125はキャリッジアーム105のボイスコイルに電磁的に係合して、ディスク115の読み書き面155に平行な平面に沿う回転方向にディスク115に対してキャリッジアーム105及び該キャリッジアーム105に結合されたヘッドジンバルアセンブリ109を回転させる。キャリッジアーム105は、読取り及び/又は書込み動作を行うために、ヘッドジンバルアセンブリ109の読み書きヘッドを対応するディスク115の読み書き面155の指定された半径方向領域上に位置決めするように回転され得る。VCM125はキャリッジアーム105のボイスコイルと係合してベース130に固定され、該キャリッジアーム105はキャリッジ103を貫通するスピンドル127を介してベース130に回転可能に結合される。一般的には、スピンドル127は、VCM125によって作動された時にキャリッジアーム105がその周りを回転する回転軸を画定する。
【0039】
キャリッジアーム105は、キャリッジ103のベースに移動不能に固定され(例えば、一体型モノリシックボディとして一体化)、互いに間隔をあけてキャリッジ103のベースから離れて延在する。幾つかの実装例において、キャリッジアーム105は、互いに等距離で離れ、互いに平行に延在する。ディスク115のそれぞれは隣接するキャリッジアーム105の間に位置する。アイドルモードで(例えば、読み書き動作が行われていない場合)、VCM125は、ディスク15に対して半径方向外側の方向にキャリッジアーム105を回転させるように作動され、それによってヘッドジンバルアセンブリ109はベース130に固着されたランプサポート117上に止められ又は降ろされる。
【0040】
スライダ142の各読み書きヘッドは、少なくとも1つの読取りトランスジューサ及び少なくとも1つの書込みトランスジューサを含む。読取りトランスジューサは、ディスク115の磁気特性(例えば、磁気ビットパターン)を検出し該磁気特性を電気信号に変換するように構成される。それに対して、書込みトランスジューサは電気信号に応答してディスク115の磁気特性を変更する。各ヘッドジンバルアセンブリ109について、電気信号は、スライダ142及びフレキシャ140内に形成され又はそれらに結合された電気トレース又は電気線198を介して読み書きヘッドとの間で伝送される(例えば、図5~7を参照)。スライダ142の電気トレース及びフレキシャ140は、読み書きヘッドと、磁気記憶装置100の制御モジュールと通信する磁気記憶装置100のフレックスコネクタ104との間の電気信号の伝送を容易にするために、電気的に相互接続される(例えば、図1を参照)。制御モジュールは、電気信号を処理し、磁気記憶装置100と1つ又は複数の外部計算装置との間の電気信号の通信を容易にするように構成される。一般的には、制御モジュールは、磁気記憶装置100の様々なコンポーネントの動作を制御するためのソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアを含む。制御モジュールは、ハードウェアがその上に又はその中に装着されたプリント回路基板を含んでもよい。はんだ溶接部はスライダ142の対応する電気接触パッド(及び対応する電気トレース)とフレキシャ140とを電気的に接続するために利用される。
【0041】
図示されていないが、幾つかの実装例において、ヘッドジンバルアセンブリ109は、読み書きヘッドをフレキシャ140のヒンジ部140Bに対して移動させるように選択的に動作可能なヘッドアクチュエータをも含む。
【0042】
図2は、本開示の1つ又は複数の実施例に係る磁気記憶装置100のサスペンションアセンブリ135の下面図である。本開示の幾つかの実施例において、サスペンションアセンブリ135は、図2で下面として示されるように、ベースプレート192と、先端133を有するロードビーム196と、を備える。ベースプレート192はキャリッジアーム105の先端133とロードビーム196との間にまたがりそれらを結合する。ロードビーム196は、ロードビーム196のヒンジ141を介してサスペンションアセンブリ135のベースプレート192に結合され、それに対して曲がる。幾つかの実施例において、ヒンジ141は、ロードビーム196内のギャップ199両側における2つのヒンジを含む。ヒンジ141は、大量のディスク115のうち少なくとも1つのディスクからデータを読み取り及び/又はそこにデータを書き込むことができるように、ロードビーム196を大量のディスク115のうち少なくとも1つのディスク115の表面116に偏らせる。幾つかの実施例において、読み書きヘッド134は表面116から浮上する。
【0043】
幾つかの実施例において、ロードビーム196が金属材料で製作される。曲げられると、ヒンジ141は、ばねとして機能して力(本明細書では「グラムロード」と呼ばれる)を生成して、表面116に向かって表面116と読取り/書込みヘッド134との間の浮上量が最小な位置内にロードビーム196のヘッド134を移動させる。これは、例えば、押し込み空気によって実現される。読み書きヘッド134とディスク115の間のギャップは本明細書で「浮上量(flying height)」又は「浮動量(floating height)」と呼ばれる場合がある。多くの場合、ディスク115と読み書きヘッド134との間で伝送されたデータの信号品質を最大化するためにこのギャップを最小化し及び/又は安定化することが好ましい。幾つかの実施例において、浮上量は約5ナノメートル(「nm」)以下である。しかし、本開示の実施例はそれに限定されない。
【0044】
サスペンションアセンブリ135は、ベースプレート192及びロードビーム196の下面に沿って延在するフレキシャ140をも含む。フレキシャ140は、ヒンジ141の上を延在する(例えば、横切る)部分140Bを含む。本開示の実施例において、フレキシャ140の厚さはフレキシャ140のヒンジ部140Bで低減する。本明細書で使用されるように、ある機構の「ヒンジ部」とは、ヒンジ140と交差し及び/又は重なる任意の部分を指す。よって、フレキシャ140のヒンジ部140Bは、ほぼ図2において破線で示された領域内のフレキシャ140の部分である。それに対応して、フレキシャ140の第2層110のヒンジ部110Bは、図5A及び5Bに示すように、ヒンジ部140B内の第2層110の部分である。
【0045】
ヒンジ141の剛性(即ち、フレキシャ140のヒンジ部140Bの剛性)は、浮上量に影響する。ヒンジ部140Bの剛性が比較的高いと、ロードビーム196は、ヒンジ141周りの回転が制限されるため、浮上量を最小化するようにそれ自体を位置決めすることができなくなる。従って、ヒンジ141周りの剛性を最小化するシステム及び方法は有利である。加えて、ヒンジ部140Bにかかる応力は浮上量の変動をもたらす。ヘッド134を所要の浮上量で表面116上にロードするためのグラムロード又は反動力は、ヒンジ領域140Bにおける応力(例えば、後方屈曲応力又は熱応力)により変化する。これは、浮上量の不要な変動を引き起こし、最終的に信号品質に影響する。幾つかの例では、これらの変動は熱浮上量制御(「TFC」)によって補償され得る。例えば、スライダ142のようなTFCスライダは浮上量を制御できる。しかし、変動が大きくなりすぎると、TFCによる補償はできなくなる。従って、幾つかの実施例において、ヒンジ部140Bにおける応力を低減させることにより浮上量制御を改善することが好ましい。
【0046】
図3は、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、磁気記憶装置100のサスペンションアセンブリ135を製造する方法300のフローチャートである。具体的には、前記方法300は磁気記憶装置100のサスペンションアセンブリ135のフレキシャ140を製造するステップを含む。本開示の1つ又は複数の実施例に係る、前記方法300の一部のステップ、及び多層フレキシャ140を形成する方法の追加のステップは、磁気記憶装置100のサスペンションアセンブリ135の断面である図4A~Oに示される。よって、図4A~Oに図示されたステップの一部は、図3に示された方法300のステップを含む。しかし、図3に挙げられたステップ以外に、追加のステップは図4A~Oに図示されている。当業者であれば、図3及び4A~Oに示され、及び/又は本明細書に記載されたステップのいかなる組合せも採用され得ることを理解するであろう。
【0047】
図4A及び4Oに示すように、サスペンションアセンブリ135は、ヒンジ部140B又はヒンジ141に重なる部分における応力を低減させるように設計されたフレキシャ140を含む。フレキシャ140は、例えば第1層119、第2層110、及び第3層124を含む多層フレキシャである。本明細書で説明するように、異なる層119、110、及び/又は124の部分はヒンジ部140Bにおける応力を低減させるために異なる厚さを有する。
【0048】
前記方法300は、フレキシャ140の第1層(即ち、図4A~Mにおける層119)を形成する第1ステップ340を含む。幾つかの実施例において、第1層119はロードビーム196の上に直接形成される。ロードビーム196と同様に、第1層119は、ステンレス鋼又は他の類似材料で製作されることが多く、多層フレキシャ140の他の層より厚い厚さを有する。幾つかの実施例において、第1層119が金属材料で製作される。幾つかの実施例において、例えば、第1層119はステンレス鋼シートである。幾つかの実施例によれば、第1層119は約20マイクロメートル(「μm」)の厚さ(図5Aでt2と示される)を有する。幾つかの実施例において、多層フレキシャ140が形成された後、第1層119は、フレキシャ140全体をロードビームに取り付けるためにロードビーム196に取り付けられる。言い換えれば、第1層119はロードビーム196に直接隣接する。
【0049】
第1層119は、比較的厚い厚さでステンレス鋼又は他の金属材料で製作されることが多いため、好ましくは、幾つかの実施例において、キャリッジアーム105(及びそれゆえにロードビーム196)がディスク115の上に浮いている位置にある時、キャリッジアーム105の上(例えば、ヘッド134の上)に下向きの増大する圧力を加えるのを回避するために第1層119がヒンジ141の上を延在しない。増大する圧力の印加を回避することは、浮上量の変動を防止するのに役立つ。このため、図5Aに示すように、第1層119にギャップ144が存在する。ギャップ144は実質的にヒンジ領域140Bに位置合わせられるため、ヒンジ141に実質的に位置合わせられる。加えて、ギャップは、図5Bに示すように、ヒンジ141周りの曲がりに適応するために第2層110の非ヒンジ部分110Aの厚さt3に比べて低減した厚さt4を有する第2層110のヒンジ部110Bに実質的に位置合わせられる。
【0050】
フレキシャ140の第2層110は第1層119上に形成される(例えば塗布される)(即ち、図3のステップ342)。幾つかの実施例において、第2層110は誘電体材料及び/又は液体ポリイミドのような感光性材料で製造される。図5Aに示すように、第2フレキシャ層110は第1層119と第3層124の間にバリアを形成する。これは信号品質の維持に重要である。第2層110の厚さは信号品質と正の相関がある。しかし、ヒンジ領域140Bにおける第2層110が厚くなりすぎると、ヒンジ領域140Bに張力が生じ得る。この張力はキャリッジアーム105に対するヒンジ141のばね力を助長するため、読取り/書込みヘッド134とディスク115の上面116との間の浮上量の変動をもたらす。従って、第1層119をヒンジ部140Bから除去することではヒンジ部140Bにおける応力を低減できるが、第2層110のヒンジ部110Bの厚さt4を低減させることではこの応力を更に低減させることができる。このように、本開示の実施例はヒンジ領域140Bにおける張力を低減させることによって、浮上量の変動を低減させる。
【0051】
第2層110が第1層119上に形成された後、第2層110の上にマスク(例えば、図4Aのマスク120)が配置される(図3のステップ344)。本明細書で「の上に配置される」という表現を使用したが、本開示の実施例はそれに限定されない。例えば、マスク120は第2層110上に形成されてもよい。このマスク120はフレキシャ140のヒンジ部140Bの上に位置する部分120Bを含む。この部分120Bはマスク120の残留部120Aと透光性が異なる。部分120Bは実質的にヒンジ部140Bに位置合わせられる。幾つかの実施例において、部分120Bは部分120Aより透光性が高い。幾つかの実施例において、マスク120はグラスフォトマスク及び/又はハーフトーンマスクである。例えば、マスク120のヒンジ部120Bはハーフトーンガラスマスクであり、マスク120の残留部120Aは全面グラスマスクである。
【0052】
幾つかの実施例において、マスク120は、1つ又は複数の開口又は透明もしくは半透明部分を有する不透明なプレートである。従って、光はマスク120を透過し得る。幾つかの実施例において、ヒンジ部140Bに位置合わせられた部分120Bは残留部120Aより透光性が高い。言い換えれば、部分120Bは、より薄い厚さ(例えば、図5Aのt4)が望まれる第2層110の部分110Bに位置合わせられる。幾つかの実施例において、部分120Bにおけるマスク120のより高い透光性は、部分120Bの形成に使用された材料の透光性が残留部120Aの形成に使用された材料の透光性より高いことによるものである。幾つかの実施例において、より高い透光性は、部分120Bにおける開口及び/又は透明部分のより大きな数及び/又は濃度に少なくとも部分的に起因する。
【0053】
図3のステップ346で示すように、光はマスク120を介して照射される。光はマスク120のヒンジ部120B及び固定部120Aの両方を介して照射される。幾つかの実施例において、これはレンズによって完了される。部分120Bの透光性が残留部120Aより高いが、光は依然としてマスク120全体を介して照射される。
【0054】
次いでマスク120は第2層110から除去される。次のステップ348は、第2層のヒンジ部110Bが第2層110の残留の非ヒンジ部110Aの厚さt3より薄い厚さt4を有するように、第2層110から残留物をエッチング除去するか又は除去することを含む。非ヒンジ部110Aは本明細書において「固定部」と呼ばれてもよい。
【0055】
図4Bはこのような実施例を示す。マスク120を介して光を照射することで、後でヒンジ部110Bの一部を除去することが容易になる。従って、マスク120の使用により、ヒンジ部110Bの厚さをより負荷の低いプロセスで低減させることが可能になる。
【0056】
幾つかの実施例において、厚さt3は厚さt4の約2倍である。例えば、非ヒンジ部分110Aは10マイクロメートル(「μm」)の厚さt3を有し、エッチングされたヒンジ部110Bは5μmの厚さt4を有する。しかし、本開示の実施例はそれに限定されない。幾つかの実施例において、エッチングされた部分110Bの厚さt3は残留の非ヒンジ部分110Aの厚さt4の30%~70%の間にある。厚さt3とt4の間の差により、第2層110における凹み197が形成される。
【0057】
幾つかの実施例において、異なる透光性により、ヒンジ部110Bは、より高い透光性を有するマスク120の部分120Bに位置合わせられ、非ヒンジ部110Aは、より低い透光性を有するマスク120の残留部120Aに位置合わせられるようになる。
【0058】
図4Cに示すように、幾つかの実施例において、第2層110上にフォトレジスト材料113が形成される。例えば、フォトレジスト材料113はドライフィルムフォトレジストである。幾つかの実施例において、フォトレジスト材料113は、まずフォトレジスト材料113の層を第2層110に取り付け、次にマスクを介してそのフォトレジスト材料113の層を形成することによって、第2層110上に形成される。幾つかの実施例において、マスクは、図4Aに示すように、第2層110の異なる厚さt3及びt4を形成するために使用されたマスク120と同様である。
【0059】
フォトレジスト材料113も、第2層110に接触しない側において第1層119上に形成される。フォトレジスト材料113は、フォトレジスト材料113を最初に取り付けることでフレキシャの層110及び119上に形成される。図4Cには示していないが、幾つかの実施例において、フォトレジスト材料113は次いでパターン形成されたガラスマスクを介して紫外線(「UV」)光を照射することで層119及び110上に形成される。フォトレジスト材料113の層は本明細書でフレキシャ140の「第4層」、「第5層」、「第6層」、及び/又は「第7層」と呼ばれる場合がある。しかし、本明細書で説明するように、幾つかの実施例において、多層フレキシャ140を形成するプロセスは、フォトレジスト材料113の1層又は複数層を、その目的を果たした後(即ち、フレキシャの対応する層110、119が除去された後)に除去することを含む。
【0060】
図4Dに示すように、1つ又は複数の開口111がフォトレジスト材料113中にエッチングされる。図4D図4Cに示す断面の平面に垂直な平面におけるサスペンションアセンブリ135の断面を示す。図4Dに示すように、1つ又は複数の開口111は、エッチングされたフォトレジスト材料113がその上に形成された層である最初の第2層110を露出させ得る。
【0061】
図4Eに示すように、幾つかの実施例において、追加の第3層がフレキシャ140に追加される。図4Jに示すように、フレキシャ140の固定部140Aの各々は第3層124を含む。幾つかの実施例において、固定部140Aのみが第3層124を含む。別の実施例において、固定部140A及びヒンジ部140Bの両方とも第3層を含む。これらの実施例において、第3層124は、比較的柔軟で第1層119の材料(例えば、ステンレス鋼)のようにヒンジ141内に過剰な張力を発生させない材料で製作される。このため、第3層124は、読取り/書込みヘッド134の浮上量に変動をもたらすことなくヒンジ部140Bに含まれ得る。
【0062】
幾つかの実施例において、第3層(例えば、図4E~4M及び5A~Bに示す層)が銅で製作される。幾つかの実施例において、第3層124の銅は高純度であるため、剛性が低くなり、可撓性が高くなる。例えば、第3層124は、99%超の純度又は電子級銅箔と同様の純度を有する銅を含む。
【0063】
図4Eに示すように、幾つかの実施例において、第3層124は、第3層124を形成しようとした材料をフォトレジスト113の開口111内に堆積することで第2層110上に形成される。例えば、材料は、約6マイクロメートル(「μm」)の厚さt5(図4E)を有する第3層124を形成するのに十分な材料が堆積されるまで、開口111内に堆積される。図4A~5Bに示すように、第2層110は第1層119と第3層124の間に挟まれる。幾つかの実施例において、第3層124の厚さt5は第2層110のヒンジ部110Bの厚さt4より厚いが、第1層119の厚さt2より薄い。別の実施例において、第3層124の厚さt5は実質的に第2層110の非ヒンジ部110Aの厚さt3に等しいが、依然として第1層119の厚さt2より薄い。別の実施例において、厚さt2、t3、及びt5はそれぞれほぼ等しく、厚さt4は厚さt2、t3、及びt5のいずれよりも薄い。
【0064】
幾つかの実施例において、第3層124は、フレキシャ140のための1つ又は複数の信号トレースの部分である。幾つかの実施例において、フレキシャ140は、信号を読取り/書込みヘッド134から装置100の他のコンポーネントに伝えるために、信号トレース(「回路トレース」と呼ばれる場合がある)を含む。このトレースは銅及び/又は銅箔で製作されることが多いが、本開示の実施例はそれに限定されない。例えば、幾つかの実施例において、トレースは、アルミニウム、金、又はそれらの任意の組合せで製作される。開口111の幅wはフレキシャ140のトレースの所要の幅wに等しい。開口111の数はフレキシャ140用の銅トレースの所要の数である。例えば、2つの開口111は、図4D及び4Eに示すように、フレキシャ140上に2つのトレースを形成するためのものである。
【0065】
本明細書では示していないが、幾つかの実施例において、図4Eに示す断面に垂直なサスペンションアセンブリ135の断面は、フォトレジスト材料113の最下層、フレキシャの第1層119、異なる厚さを有するフレキシャの第2層110、及びフォトレジスト材料113の最上層を含む図4Cに示す断面と同様に見える場合がある。幾つかの実施例において、フォトレジスト材料113の最上層は実質的に均一な厚さであるが、より薄い厚さt4を有する第2層110のヒンジ部110Bとより厚い厚さt3を有する部分110Aとの間の厚さの差を埋める凹み136を含む。
【0066】
フォトレジスト材料113はフレキシャ140から除去される。幾つかの実施例において、これは化学洗浄によって完了される。図4Fに示すように、フォトレジスト材料113が除去された後、フレキシャは第1層119、第2層110、及び第3層124を含む。第2層110は、非ヒンジ部110Aの厚さより薄く、第1層119の厚さよりも薄い厚さを有するヒンジ部110Bを含む。第3層124は実質的に均一な厚さであり、第2層110に隣接するため凹み138を含む。
【0067】
図4G図4Fに示す段階でのサスペンションアセンブリ135の断面図であり、ここで図4Gの平面は図4Fの平面に垂直である。図4Fに示すように、幾つかの実施例において、サスペンションアセンブリ135は2つの銅トレース124を含む。
【0068】
この段階で、第1層119の部分は、フレキシャ140のヒンジ部140Bが第1層119の剛性材料のいずれも含まないことを確保するために、依然として除去する必要がある。従って、図4Hに示すように、より多くのフォトレジスト材料113がフレキシャ140に取り付けられて第1層119の部分の除去を可能にする。幾つかの実施例において、フォトレジスト材料113は第3層124の上に堆積される。しかし、本開示の実施例はそれに限定されない。例えば、フォトレジスト材料113は第1層119の特定の部分上にのみ形成される。
【0069】
図4Hに示すように、フォトレジスト材料113は、ヒンジ領域140Bを収容するために除去される部分ではない第1層119の部分に形成される。言い換えれば、フォトレジスト材料113は、フレキシャ140がロードビーム196上に置かれた時にヒンジ部140Bに交差しない又は重ならない第1層119の部分に取り付けられる。
【0070】
図4Iは、図4Hに示す段階でのサスペンションアセンブリ135の断面である。しかし、図4Iの断面は図4Hに示す断面に垂直である。図4Iの断面はフレキシャ140のヒンジ部140Bに実質的に位置合わせられる第2層110の部分110B内にある。このように、層124(幾つかの実施例ではトレースである)を覆うフォトレジスト113のみが図4Iに示される。
【0071】
図4Jに示すように、第1層119の部分は、ヒンジ部140Bが第1層119のいずれも含まないよう、除去される。言い換えれば、ヒンジ部140Bの第1層119の全ては除去される。フォトレジスト113は、他の部分が除去されると同時に第2層110の幾つかの部分を所定の位置に保持するように機能する。幾つかの実施例において、除去はエッチングによって実現される。
【0072】
図4Kはフレキシャ140のヒンジ領域140B内のサスペンションアセンブリ135の断面図を示す。図4Kに示す断面は図4Jに示す断面に垂直である。図4Kに示すように、ヒンジ部140Bに含まれるフレキシャ140の部分は、第2層110の部分110B及び第3層124(又はトレース)のみである。第1層119の部分が除去されていると同時にフォトレジスト材料113が第2層110の上部にも塗布される実施例を示すために、フォトレジスト材料113は図4Kにも示される。
【0073】
図4Lに示すように、フォトレジスト材料113は次いで除去される。幾つかの実施例において、これは、図4Fと関連して説明されたように、化学洗浄によって完了される。
【0074】
図4Mはフレキシャ140のヒンジ領域140B内のサスペンションアセンブリ135の断面を示す。図4Mに示す断面は図4Lに示す第1層119のギャップ144における断面に垂直である。
【0075】
図4Nは、図2に示すロードビーム196のギャップ199におけるヒンジ部140Bと交差するアセンブリ135を示す。図4Nに示すように、前記方法の最終ステップは、第2層の部分110Bがロードビーム196のヒンジ部141にまたがるよう、フレキシャ140をベースプレート192及びロードビーム196に貼り付けることを含む。例えば、ロードビーム196は第1層119の第2層110とは反対の側に貼り付けられる。
【0076】
図4Nに示す実施例において、アセンブリ135は一直線で曲がっていない位置にある。ヒンジ141は図4Nに示す。幾つかの実施例において、ヒンジ141は図2に示すロードビーム196におけるギャップ199の1つ又は複数の側に位置する。
【0077】
フレキシャ140はベースプレート192及びロードビーム196に取り付けられ、それらと共に移動可能である。フレキシャ140の第1層119、第2層110、及び第3層124は積み重ねられた形態で配置される。第2層110は第1層119と第3層124の間に挟まれる。フレキシャ140は、ロードビームのヒンジ141に重なるヒンジ部140Bを含む。フレキシャ140は、ヒンジ部140Bに隣接する固定部140Aをも含む。フレキシャ140の固定部140Aの各々は、第1層119及び第2層110を含む。第1層119は第2層110とロードビーム196の間に挟まれる。
【0078】
第2層110が、液体ポリイミドのような、ヒンジ141周りの湾曲を可能にする材料から形成されるため、フレキシャのヒンジ部140Bは第2層110のヒンジ部110Bを含む。しかし、ヒンジ部140Bは、第1層119を含まないため、第1層119をより高い剛性を有する材料から形成することができる。第2層110の材料における、第1層119の材料と比較してより低い剛性に加えて、第2層110の非ヒンジ部110Aの厚さt3と比較して低減したヒンジ部110Bの厚さt4も、ヒンジ領域140Bにおける張力を低減させ、浮上量の変動を最小化する。幾つかの実施例において、t4に対するt3の比率は1より大きく2.4以下である。例えば、t4が5μmであり、t3が約10μmである場合、t4に対するt3の比率は2となる。
【0079】
第1層119はヒンジ部140B全体にわたって均一な厚さt2及びギャップ144を有する。よって、ヒンジ部140Bは、第2層110(例えば、第2層の部分110B)を含むが、第1層119を含まない。幾つかの実施例において、ヒンジ部140Bは第3層124の少なくとも一部をも含む。ロードビーム196も、少なくともヒンジ141に沿って、実質的に均一な厚さt1を有する。フレキシャ140の第2層110は、それぞれ異なる厚さを有する110Aと110Bの2部分を有する。ギャップ144及びヒンジ141に重なる(フレキシャ140のヒンジ部140Bの一部である)部分110Bは、それに重ならない部分110Aの厚さt3より薄い厚さt4を有する。第3層124は均一な厚さt5を有する。
【0080】
図4Oにおいて、図4Nのフレキシャ140及びロードビーム196は、ベースプレート192に対して移動するためにヒンジ141周りに曲げられる。このように、ロードビーム196の先端部(例えば、図2に示す部分133)はベースプレート192に対して移動する。ロードビーム196が図4Oに示すように曲げられる際に、少なくとも1つのディスク(例えば、図1に示すディスク115)の表面116に向かって曲げられ、それによって先端部133の読取り/書込みヘッド134と表面116の間の浮上量が最小化される。例えば、ディスク115がロードビーム196の下に位置する場合、ヒンジ141周りにロードビーム196及びフレキシャ140を曲げることによって、先端部133はディスク115の表面116により近くなる。
【0081】
図4N及び4Oは、固定部140A及びヒンジ部140Bの両方の一部である(即ち、第2層110全体に沿って延在する)第3層124を示しているが、本開示の実施例はそれに限定されない。幾つかの実施例は、第1層119におけるギャップ144と同様に、第3層124におけるギャップを含む。このような実施例において、固定部140Aのみは第3層124を含み、ヒンジ部140Bはそれを含まない。
【0082】
図4N及び4Oは、第1層119におけるギャップ144、及び第2層110と第3層124における凹み197を示す。凹み197は、(1)第2層の非ヒンジ部110Aとヒンジ部110Bの間のそれぞれの厚さt3とt4の差と、(2)第2層110の第1層119に接触する側とは反対の側において第2層110の材料を除去することで形成されたヒンジ部110B(図4Bに示される通り)と、(3)第2層110の凹み197(例えば、図4Bに示す凹み197)上に直接形成された第3層124と、に起因するものである。言い換えれば、第2部分110Bは第3層124に向かって開口される。
【0083】
しかし、本開示の実施例はそれに限定されない。図5A及び5Bは、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、ロードビーム196のギャップ(例えば、図2中のギャップ199)におけるヒンジ141に垂直な、磁気記憶装置100のサスペンションアセンブリ135の断面図である。図5A~Bに示すように、第2層110の材料は第2層の第1層119に面する側から除去されてもよい。このように、第2層110の第3層124が形成された側が比較的平らになるため、第2層100のその側又は第3層124において凹み197はない。第2部分110Bは、第3層124ではなくギャップ144に向かって開口された凹みを画定する。
【0084】
図5Aは、一直線で曲がっていない位置にあるサスペンションアセンブリ135を示す。図5Bは、フレキシャ140及びロードビーム196がヒンジ141周りに軽く曲げられている図5Aのサスペンションアセンブリ135の断面図であり、ここでヒンジ141は先端部(例えば、図2に示す先端部133)とベースプレート192の間に挟まれる。
【0085】
部分110Bは本明細書で「ヒンジ部140Bの第2層」と呼ばれてもよい。図5Bにおいて厚さt3を有する部分110Aは、「固定部140Aの第2層」と呼ばれてもよい。
【0086】
本明細書で使用されるように、用語「層」は複数の連続又は非連続の層を説明するために用いられ得る。ただし、それは材料層の複数の部分を説明するためにも用いられ得る。例えば、図5Aに示すように、第2層110は、部分110A及び110Bを含む様々な厚さを有する複数の部分を含む。部分110A及び110Bは「第2層110」及び/又は「該第2層110」と総称されてもよい。加えて、部分110Aは「フレキシャの固定部140Aの第2層」と呼ばれてもよい。
【0087】
以上の説明において、「上」、「下」、「上部の」、「下部の」「水平」、「鉛直」、「左」、「右」、「の上」、「の下」等のような特定の用語を使用する場合がある。これらの用語は、相対関係を扱う際に説明を明確にするために、該当する場合に使用される。しかし、これらの用語は、絶対的な関係、位置、及び/又は方向を暗示することを意図したものではない。例えば、ある物体について、物体をひっくり返すだけで「上部」の表面が「下部の」表面となり得る。それにも関わらず、該物体は依然として同じものである。更に、用語「含む」、「備える」、「有する」及びそれらの変形は、特に明記しない限り、「…を含むが、…に限定されない」を意味する。項目の列挙リストは、特に明記しない限り、項目のいずれか又は全てが相互排他的及び/又は相互包含的であることを暗示するものではない。用語「一」、「一つ」及び「該」は、特に明記しない限り、「1つ又は複数」をも指す。更に、用語「複数」は「少なくとも2つ」と定義してもよい。
【0088】
本明細書で使用されるように、指定された機能を実行する「ように構成された」システム、装置、構造、物品、要素、コンポーネント、又はハードウェアは、単に更なる修正後に該指定された機能を実行する可能性を有するものに過ぎないものではなく、実際に何ら変更を加えることなく該指定された機能を実行することができる。言い換えれば、指定された機能を実行する「ように構成された」システム、装置、構造、物品、要素、コンポーネント、又はハードウェアは、該指定された機能を実行する目的で特に選択、作成、実装、利用、プログラム、及び/又は設計されたものである。本明細書で使用されるように、「ように構成された」とは、システム、装置、構造、物品、要素、コンポーネント、又はハードウェアが更なる変更を加えることなく指定された機能を実行できるようにする、該システム、装置、構造、物品、要素、コンポーネント、又はハードウェアの既存の特性を示す。本開示の目的上、特定の機能を実行する「ように構成された」と記載されたシステム、装置、構造、物品、要素、コンポーネント、又はハードウェアは、その機能を実行する「ように適合された」及び/又はその「ように動作する」と追加的に又は代替的に記載されてもよい。
【0089】
加えて、1つの要素が別の要素に「結合された」本明細書における例は、直接又は間接的結合を含んでもよい。直接結合は、1つの要素が別の要素に結合され且つ何らかの接触をしていると定義してもよい。間接的結合は、互いに直接接触していないが、結合された要素間に1つ又は複数の追加要素がある2つの要素間の結合と定義してもよい。更に、本明細書で使用されるように、1つの要素を別の要素に固着することは直接固着及び間接的固着を含んでもよい。また、本明細書で使用されるように、「隣接」とは、必ずしも接触を示すわけではない。例えば、1つの要素は、別の要素と接触せずにそれに隣接してもよい。
【0090】
本明細書で使用されるように、語句「の少なくとも1つ」は、項目のリストで使用される場合、1つ又は複数の列挙された項目の異なる組合せが使用され得ること、及び該リストにおける項目のうち1つのみが必要とされ得ることを意味する。項目は、特定の物体、物、又はカテゴリであってもよい。言い換えれば、「の少なくとも1つ」とは、任意の組合せ又は数の項目がリストから使用され得るが、リストにおける全ての項目が必要とされ得るわけではないことを意味する。例えば、「項目A、項目B、及び項目Cの少なくとも1つ」は、項目A、項目Aと項目Bの組合せ、項目B、項目Aと、項目Bと、項目Cとの組合せ、又は項目Bと項目Cの組合せを意味してもよい。何らかの場合において、「項目A、項目B、項目Cの少なくとも1つ」は、例えば、項目Aの2つと、項目Bの1つと、項目Cの10個との組合せ、項目Bの4つと項目Cの7つとの組合せ、又は他の適切な組合せを意味してもよいが、それらに限定されない。
【0091】
特に断らない限り、用語「第1」、「第2」等は、本明細書において単にラベルとして使用され、これらの用語で言及した項目に対して順序的、位置的、又は階層的な要件を課す意図はない。また、例えば、「第2」項目への言及は、例えば、「第1」又はそれ以下の番号の項目、及び/又は、例えば、「第3」又はそれ以上の番号の項目の存在を要求したり排除したりしない。
【0092】
本明細書に含まれる概略フローチャート図は、一般に論理フローチャート図と記載されている。このように、記述された順序及びラベル付けされたステップは提示された方法の一例を示す。図示された方法の1つ又は複数のステップ又はその一部と機能、論理、又は効果において同等な他のステップ及び方法は考慮してもよい。加えて、採用されたフォーマット及びシンボルは、方法の論理ステップを解釈するために提供され、方法の範囲を限定するものではないと理解される。フローチャート図において様々な矢印タイプ及び線分タイプが使用され得るが、それらは対応する方法の範囲を限定するものではないと理解される。実際に、幾つかの矢印又は他のコネクタは方法の論理フローのみを示すために使用されてもよい。例えば、矢印は、記述された方法の列挙されたステップ間の未指定の期間における待機期間又は監視期間を示してもよい。加えて、具体的な方法が実行される順序は、示された対応するステップの順序に厳密に準拠してもしなくてもよい。
【0093】
本発明の主題は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具現化することができる。記載された実施例は、あらゆる点で、限定的なものではなく、単に例示的なものであると考慮されるべきである。特許請求の範囲の均等の意味及び範囲内にある全ての変更は、その範囲内に包含されるものとする。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図4M
図4N
図4O
図5A
図5B
【外国語明細書】