(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114613
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】生地を周方向に合流させる重合ノズル及び方法
(51)【国際特許分類】
A23P 30/25 20160101AFI20240816BHJP
A23P 20/20 20160101ALI20240816BHJP
A21C 11/16 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
A23P30/25
A23P20/20
A21C11/16 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023221487
(22)【出願日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】P 2023019025
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115924
【氏名又は名称】レオン自動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 徹
(72)【発明者】
【氏名】小黒 芙未
(72)【発明者】
【氏名】亀山 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 育利
【テーマコード(参考)】
4B031
4B048
【Fターム(参考)】
4B031CA20
4B031CB02
4B031CB03
4B031CG14
4B048PE03
4B048PE08
4B048PM12
4B048PM14
(57)【要約】
【課題】異なる生地を周方向に合流させる重合ノズル及び方法を提供する。
【解決手段】重合ノズル(1)は、アウターノズル(3)と、インナーノズル(4)と、インナーノズルから下方に延びる筒状の内壁(22)と、内壁の外側において内壁を周方向に部分的に囲むようにインナーノズルから下方に延びるガイド壁(24)を有する。内壁及びガイド壁は、周方向に向けられた横出口開口(25b)を構成し、横出口開口は、内壁とガイド壁の間に供給された第2の生地が露出するように構成される。内壁及びアウターノズルは、横出口開口で露出した第2の生地を、内壁とアウターノズルの間に供給された第1の生地で覆うように構成されると共に、第1の生地に向かって横出口開口から周方向に押出された第2の生地が内壁に沿って第1の生地の内側に入り込むように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の生地(D1)と第2の生地(D2)を合流させる重合ノズル(1)であって、
アウターノズル(3)と、
前記アウターノズル(3)の内側に配置され且つ中空の筒部(21)を有するインナーノズル(4)と、
前記インナーノズル(4)から下方に延びる筒状の内壁(22)と、
前記内壁(22)の外側において前記内壁(22)を周方向に部分的に囲むようにインナーノズル(4)から下方に延びるガイド壁(24)と、
前記内壁(22)と前記ガイド壁(24)の間において前記インナーノズル(4)に形成された開口(23)と、を有し、
前記内壁(22)及び前記ガイド壁(24)は、周方向に向けられた横出口開口(25b)を構成し、
前記横出口開口(25b)は、前記内壁(22)と前記ガイド壁(24)の間に前記開口(23)から供給された前記第2の生地(D2)が露出するように構成され、
前記内壁(22)及び前記アウターノズル(3)は、前記横出口開口(25b)で露出した前記第2の生地(D2)を、前記内壁(22)と前記アウターノズル(3)の間に供給された前記第1の生地(D1)で覆うように構成されると共に、前記第1の生地(D1)に向かって前記横出口開口(25b)から周方向に押出された前記第2の生地(D2)が前記第1の生地(D1)と合流して前記内壁(22)に沿って前記第1の生地(D1)の内側に入り込むように構成される、重合ノズル(1)。
【請求項2】
前記ガイド壁(24)は、前記インナーノズル(4)と一体に形成され、前記ガイド壁(24)の少なくとも一方の周方向端部(24a)の外面(24b)は、前記アウターノズル(3)との間に隙間(28)を形成するように前記アウターノズル(3)から離れている、請求項1に記載の重合ノズル(1)。
【請求項3】
前記ガイド壁(24)の前記少なくとも一方の周方向端部(24a)の外面(24b)は、前記アウターノズル(3)との間にくさび形の隙間(28)を形成するように内側に向かって傾斜する、請求項2に記載の重合ノズル(1)。
【請求項4】
前記アウターノズル(3)の内面(3a)の水平方向断面は、下方に向かって小さくなる、請求項1に記載の重合ノズル(1)。
【請求項5】
前記アウターノズル(3)は回転可能に構成される、請求項1に記載の重合ノズル(1)。
【請求項6】
第1の生地(D1)と第2の生地(D2)を合流させる方法であって、
筒状の内壁(22)と、前記内壁(22)の外側を周方向に部分的に囲むガイド壁(24)を準備し、
前記内壁(22)と前記ガイド壁(24)の間に前記第2の生地(D2)を供給し、
前記内壁(22)と前記ガイド壁(24)の間で周方向に露出している前記第2の生地(D2)を覆うように前記第1の生地(D1)を供給し、
前記第2の生地(D2)を前記第1の生地(D1)に向かって周方向に押出して、前記第1の生地(D1)と前記第2の生地(D2)を合流させることにより、前記第2の生地(D2)を前記内壁(22)に沿って前記第1の生地(D1)の内側に入り込ませ、
前記第2の生地(D2)の厚さが周方向に薄くなるにつれて前記第1の生地(D1)の厚さが周方向に厚くなる境界領域(DR1)を形成する、方法。
【請求項7】
前記アウターノズル(3)と前記ガイド壁(24)の間に隙間(28)を構成し、前記第1の生地(D1)を前記隙間(28)に供給する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記隙間(28)は、くさび形断面を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アウターノズル(3)を回転させる、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包餡機等に使用され且つ異なる生地を周方向に合流させる重合ノズル及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
色が異なる2種類の生地を吐出して、色分けされた模様の食品を形成する重合ノズル及び方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された重合ノズル及び方法によって形成された食品では、異なる生地の境界がはっきりしている。一方、境界の見た目をぼかした製品の要望もある。
【0005】
そこで、本発明は、異なる生地を周方向に合流させる重合ノズル及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の生地と第2の生地を合流させる本発明による重合ノズルは、アウターノズルと、アウターノズルの内側に配置され且つ中空の筒部を有するインナーノズルと、インナーノズルから下方に延びる筒状の内壁と、内壁の外側において内壁を周方向に部分的に囲むようにインナーノズルから下方に延びるガイド壁と、内壁とガイド壁の間においてインナーノズルに形成された開口と、を有し、内壁及びガイド壁は、周方向に向けられた横出口開口を構成し、横出口開口は、内壁とガイド壁の間に開口から供給された第2の生地が露出するように構成され、内壁及びアウターノズルは、横出口開口で露出した第2の生地を、内壁とアウターノズルの間に供給された第1の生地で覆うように構成されると共に、第1の生地に向かって横出口開口から周方向に押出された第2の生地が第1の生地と合流して内壁に沿って第1の生地の内側に入り込むように構成されることを特徴としている。
【0007】
このように構成された重合ノズルにより、第2の生地を横出口開口から第1の生地に向かって周方向に押出して、第1の生地と第2の生地を合流させることにより、第2の生地を内壁に沿って第1の生地の内側に入り込ませ、第2の生地の厚さが周方向に薄くなるにつれて第1の生地の厚さが周方向に厚くなる境界領域を形成することができる。
【0008】
上記重合ノズルにおいて、好ましくは、ガイド壁は、インナーノズルと一体に形成され、ガイド壁の少なくとも一方の周方向端部の外面は、アウターノズルとの間に隙間を形成するようにアウターノズルから離れており、更に好ましくは、くさび形の隙間を形成するように内側に向かって傾斜する。
【0009】
上記重合ノズルにおいて、好ましくは、アウターノズルの内面の水平方向断面は、下方に向かって小さくなる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、第1の生地と第2の生地を合流させる本発明による方法は、筒状の内壁と、内壁の外側を周方向に部分的に囲むガイド壁を準備し、内壁とガイド壁の間に第2の生地を供給し、内壁とガイド壁の間で周方向に露出している第2の生地を覆うように第1の生地を供給し、第2の生地を第1の生地に向かって周方向に押出して、第1の生地と第2の生地を合流させることにより、第2の生地を内壁に沿って第1の生地の内側に入り込ませ、第2の生地の厚さが周方向に薄くなるにつれて第1の生地の厚さが周方向に厚くなる境界領域を形成することを特徴としている。
【0011】
上記方法において、好ましくは、アウターノズルとガイド壁の間に隙間を構成し、第1の生地を隙間に供給し、更に好ましくは、隙間はくさび形断面を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による重合ノズルを含む包餡機の部分的な断面図である。
【
図3】生地がない状態の
図1の線A-Aにおける断面図である。
【
図4】生地がある状態の
図1の線A-Aにおける断面図である。
【
図7】変形例の重合ノズルを含む包餡機の部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1~
図3を参照して、本発明による重合ノズルの実施例を説明する。以下の説明において、「周方向」は、重合ノズル1の中心軸線Cの周りの方向を指し、「外側」は、中心軸線に遠い側を指し、「内側」は、中心軸線に近い側を指す。
【0014】
図1に示すように、包餡機100は、重合ノズル1と、シャッタ式の切断装置9を含む。切断装置9は、開閉可能な複数のシャッタ片9aを含む。切断装置9は、従来技術であるので、その説明を省略する。
【0015】
重合ノズル1は、筒状の本体2と、筒状のアウターノズル3と、筒状のインナーノズル4と、筒状のセンター部材5を有する。アウターノズル3、インナーノズル4、及びセンター部材5は、後で説明するように、2種類の外皮材D1、D2を供給する通路10、11を構成する。
【0016】
重合ノズル1は、更に、センター部材5の内側に配置された二重のインナーパイプ7、8を有する。インナーパイプ7、8は、後で説明するように、2種類の内材F1、F2を供給する通路12、13を構成する。
【0017】
本体2は、上部分2aと、下部分2bに分離可能である。センター部材5は、本体2の上部分2aに挿入される。アウターノズル3は、センター部材5の下方に配置され、本体2の下部分2bによって保持される。インナーノズル4は、アウターノズル3の内側に配置されると共に、センター部材5の下方に配置され、例えば、ねじ留めによって、センター部材5に支持される。アウターノズル3は、内面3aを有し、内面3aの水平方向断面は、下方に向かって小さくなっている。
【0018】
本体2の上部分2aは、第1の外皮材D1が供給される第1の入口通路10aと、第2の外皮材D2が供給される第2の入口通路11aを有する。センター部材5は、外周面5aと、内周面5bを有する。外周面5aは、第1の入口通路10aと連通し且つ下方に通じる溝5cと、第2の入口通路11aと連通し且つ内周面5bと連通する貫通孔5dを有する。
【0019】
溝5cは、アウターノズル3の内部空間と連通している。かくして、第1の入口通路10a、センター部材5の溝5c、及びアウターノズル3とインナーノズル4の間の空間は、第1の外皮材D1を供給する通路10を構成する。第1の外皮材D1の供給を促進させる羽根付きのアジテータ6が通路10に設けられることが好ましい。
【0020】
貫通孔5dは、インナーノズル4の内部空間と連通している。かくして、第2の入口通路11a、貫通孔5d、センター部材5とインナーパイプ7の間の空間、及びインナーノズル4とインナーパイプ7の間の空間は、第2の外皮材D2を供給する通路11を構成する。
【0021】
図2に示すように、インナーノズル4は、中空の筒部21と、底壁21aを有する。
【0022】
重合ノズル1は、更に、インナーノズル4から下方に延びる筒状の内壁22と、内壁22の外側において内壁22を周方向に部分的に囲むようにインナーノズル4から下方に延びるガイド壁24と、内壁22とガイド壁24の間においてインナーノズル4に形成された開口23を有する。本実施例では、開口23は、底壁21aに形成され、ガイド壁24に沿って周方向に約180度延びている。本実施例では、内壁22とガイド壁24は、インナーノズル4と一体に形成されている。内壁22の下端のレベルとガイド壁24の下端のレベルは同じであることが好ましい。
【0023】
筒部21の内側の空間は、底壁21aの中心開口22aを介して内壁22の内側の空間と連通していることが好ましい。また、第2の外皮材D2を供給する通路11は、開口23を介して、内壁22とガイド壁24の間の空間26と連通している。また、内壁22とガイド壁24は、下向きの下出口開口25aと、周方向に向けられた縦長の横出口開口25bを構成する。また、通路10は、アウターノズル3と内壁22の間の空間27と連通している。ガイド壁24の上下方向長さは、ガイド壁24と内壁22の間の間隔よりも大きいことが好ましい。
【0024】
図1に示すように、ガイド壁24は、その上端において、アウターノズル3の内面3aから離れているが、その下端において、アウターノズル3の内面3aと接している。したがって、ガイド壁24の外側の領域(アウターノズル3とガイド壁24の間の空間)27aに供給された第1の外皮材D1が、ガイド壁24の下端のところで、ガイド壁24の外側の領域から排除されるように構成されている。
【0025】
図3に示すように、ガイド壁24の周方向端部24aの外面24bは、アウターノズル3から離れていることが好ましく、内側に向かって傾斜していることが更に好ましい。それにより、ガイド壁24の下端において、第1の外皮材D1が、ガイド壁24とアウターノズル3との間の(好ましくは、くさび形断面の)隙間28に入り込むことが可能である。
【0026】
第1のインナーパイプ7は、第1の内材F1が供給される第1の入口通路12aを有する。第2のインナーパイプ8は、第1のインナーパイプ7の内側に配置され、第2の内材F2が供給される第2の入口通路13aを有する。第1のインナーパイプ7は、底壁21aの中心開口22a及び内壁22に嵌合し、内壁22よりも下方に延びることが好ましい。
【0027】
次に、本発明による重合ノズルの作動を説明する。
【0028】
第1の外皮材D1を第1の入口通路10aに供給し、第2の外皮材D2を第2の入口通路11aに供給する。
【0029】
第1の外皮材D1を、通路10を通して(センター部材5の溝5c及びアウターノズル3とインナーノズル4の間の空間を通して)、アウターノズル3と内壁22の間の空間27及びアウターノズル3とガイド壁24の間の空間27aに供給する。アジテータ6を回転させることによって、第1の外皮材Dの供給を促進させることが好ましい。また、第2の外皮材D2を、通路11(センター部材5及びインナーノズル4と第1のインナーパイプ7との間)及び開口23を通して、内壁22とガイド壁24の間の空間26に供給する。これにより、第2の外皮材D2を、内壁22とガイド壁24の間の横出口開口25bで周方向に露出させる。また、第1の外皮材D1は、横出口開口25bにおいて、周方向に露出している第2の外皮材D2を覆っている。
【0030】
引続いて、第2の外皮材D2を、横出口開口25bから空間27内の第1の外皮材D1に向かって周方向に押出して、第1の外皮材D1と第2の外皮材D2を合流させる。このとき、第1の外皮材D1が、横出口開口25bのところで周方向に露出している第2の外皮材D2を覆っているので、周方向に押出した第2の外皮材D2は、内壁22に沿って第1の外皮材D1の内側に入り込む。
【0031】
第1の外皮材D1及び第2の外皮材D2が縦長の横出口開口25bに沿って下方に移動する間、第2の外皮材D2は、第1の外皮材D1の内側に更に周方向に入り込む。その結果、
図4及び
図5に示すように、第2の外皮材D2の厚さが周方向に薄くなるにつれて第1の外皮材D1の厚さが周方向に厚くなる境界領域DR1を形成する。すなわち、第1の外皮材D1と第2の外皮材D2の間の境界領域DR1は、周方向に拡大している。境界領域DR1において、第1の外皮材D1と第2の外皮材D2の間の境界面DBは、ガイド壁24から内壁に斜めに延びる。第1の外皮材D1が比較的透明な生地である場合、製品Pを外から見たときの第1の外皮材D1と第2の外皮材D2の境界をぼやけさせることができる。
【0032】
また、第1の外皮材D1及び第2の外皮材D2が、ガイド壁24の上端から下端まで下方に押出される間、アウターノズル3の内面3aの水平方向断面が小さくなる。また、第1の外皮材D1は、ガイド壁24の端部24aとアウターノズル3の間の(くさび形断面の)隙間28に入り込む。
【0033】
ガイド壁24の下端において、アウターノズル3の内面3aがガイド壁24に接するので、第1の外皮材D1が存在する領域と第2の外皮材D2が存在する領域が、周方向に分離される。このとき、
図4及び
図5に示すように、第1の外皮材D1の厚さと第2の外皮材D2の厚さの合計は、周方向に略一定であり、外皮材D1、D2は管状である。また、上述したように、第2の外皮材D2が薄くなるにつれて第1の外皮材D1の厚さが周方向に厚くなる境界領域DR1を形成されている。
【0034】
また、第1の外皮材D1がガイド壁24の下端よりも下方に押出されたとき、ガイド壁24の端部24aとアウターノズル3の間の(くさび形断面の)隙間28に入り込んだ薄い第1の外皮材D1が、第2の外皮材D2の上に残り、境界領域DR2を形成する。くさび形断面の隙間28の場合、境界領域DR2において、第2の外皮材D2の厚さが第1の外皮材D1に向かって薄くなる。
【0035】
境界領域DR1、DR2において、第1の外皮材D1の厚さが薄い又は変化しているので、第1の外皮材D1が比較的透明な生地である場合、第1の外皮材D1と第2の外皮材D2の境界をぼやけさせることができる。
【0036】
第1の外皮材D1及び第2の外皮材D2を更に下方に押出すと、アウターノズル3の内面3aの断面がさらに小さくなり、第1の外皮材D1及び第2の外皮材D2が圧縮され、密着する。
【0037】
また、第1の内材F1及び第2の内材F2を、管状の外皮材D1、D2の内側に吐出させる。最終的に、第1の外皮材D1及び第2の外皮材D2が管状に吐出され、その内側で二重の内材F1、F2が吐出される。その後、棒状の生地を切断装置9で切断することにより、球状の製品Pにしてもよいし、棒状の製品にしてもよい。
【0038】
本発明による重合ノズルの実施例を説明したけれども、本発明の範囲は実施例に限られない。即ち、特許請求の範囲において種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含される。
【0039】
上記実施例では、ガイド壁24の周方向端部24aの外面24bが内側に向かって傾斜して隙間28を構成したけれども、変形例として、例えば、アウターノズル3の内面3aに凹部を設け、ガイド壁24とアウターノズル3との間に隙間を形成してもよい。上記実施例では、隙間28はガイド壁24の両方の周方向端部24aに形成されているけれども、一方の周方向端部24aだけに形成されてもよい。また、隙間28は、くさび形断面を有していてもよいし、同一の幅の断面を有していてもよい。
【0040】
上記実施例では、内壁22は、インナーノズル4と一体構成されていたけれども、例えば、第1のインナーパイプ7によって構成されてもよい。また、ガイド壁24は、インナーノズル4と一体構成されていたけれども、例えば、アウターノズル3によって構成されてもよい。
【0041】
上記実施例では、横出口開口25bがガイド壁24の両方の周方向端部24aに構成されていたけれども、横出口開口25bが一方の周方向端部24aにだけ構成されていてもよい。この場合、内壁22と他方の周方向端部24aの間が、仕切り壁等によって閉鎖されるのがよい。
【0042】
インナーパイプ7、内壁22、アウターノズル3の内面3aの水平方向断面の形状は、任意であり、例えば、円形であってもよいし、四角形等の多角形状であってもよい。また、ガイド壁24の水平方向断面の輪郭は任意であり、円弧状であってもよいし、多角形の複数の辺で構成されてもよい。
【0043】
上記実施例では、内材F1、F2を供給したけれども、例えば、内壁22の内部空間を削除することによって、内材F1、F2を供給しなくてもよい。
【0044】
上記実施例では、2種類の外皮材D1、D2を周方向に合流させた製品Pを説明したけれども、例えば、通路11を周方向に分離することによって、3種類以上の外皮材を周方向に合流させてもよい。
【0045】
また、アウターノズル3及びインナーノズル4を回転可能に構成することによって、異なる生地の境界を螺旋模様にしてもよい。
【0046】
また、
図7に示すように、アジテータ6を削除し、その代わりに、アウターノズル3を任意の速度で回転可能に構成してもよい。それにより、第1の外皮材D1及び第2の外皮材D2の周方向の移動を促進させ、第2の外皮材D2が第1の外皮材D1の内側に周方向に入り込みやすくなる。その結果、第1の外皮材D1及び第2の外皮材D2が、境界領域DR1を形成しにくい比較的硬い生地、例えば餅生地であっても、境界領域DR1を形成することが可能になる。
【符号の説明】
【0047】
1 重合ノズル
3 アウターノズル
3a 内面
4 インナーノズル
21 筒部
22 内壁
23 開口
24 ガイド壁
24a 周方向端部
24b 外面
25b 横出口開口
28 隙間
D1 第1の外皮材(第1の生地)
D2 第2の外皮材(第2の生地)
DR1 境界領域