(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114616
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボード及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20240816BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20240816BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240816BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H01L23/12 J
H01L23/36 C
H05K3/46 U
H05K1/02 F
H05K1/02 Q
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024001158
(22)【出願日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】202310109554.4
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 先 明
(72)【発明者】
【氏名】黄 高
(72)【発明者】
【氏名】黄 本 霞
(72)【発明者】
【氏名】張 治 軍
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
5F136
【Fターム(参考)】
5E316AA22
5E316AA36
5E316AA43
5E316CC01
5E316CC21
5E316CC32
5E316DD24
5E316FF14
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5E316GG17
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5E338EE02
5F136BB02
5F136BB03
5F136BC07
5F136FA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】放熱効果を確保しながら、製造コストを削減させることができる高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボード及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1枠部が設けられた金属キャリアボード200と、第1金属層と第2金属層を含み、第1金属層と第2金属層との間に並設された複数の銅壁が接続されており、隣接する2つの銅壁の間に形成されたキャビティに相変化材料が充填された金属放熱モジュール100を含むパッケージキャリアボードであって、金属放熱モジュール100は、第1枠部に埋め込まれ、金属放熱モジュール100と第1枠部の内側壁との間の隙間に第1誘電体層230が充填されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードであって、
第1枠部が設けられた金属キャリアボードと、
第1金属層と第2金属層を含み、前記第1金属層と前記第2金属層との間に並設された複数の銅壁が接続されており、隣接する2つの前記銅壁の間に形成されたキャビティに相変化材料が充填された金属放熱モジュールであって、前記金属放熱モジュールは前記第1枠部に埋め込まれ、前記金属放熱モジュールと前記第1枠部の内側壁との間の隙間に第1誘電体層が充填されている金属放熱モジュールと、を含む、ことを特徴とする高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボード。
【請求項2】
前記金属放熱モジュールは、
熱伝導性媒体層をさらに含み、前記熱伝導性媒体層は前記金属放熱モジュールの熱伝導溝に充填され、前記熱伝導溝は前記第1金属層、前記第2金属層及び前記銅壁で構成された、片側が開口した凹溝であり、前記熱伝導性媒体層は縁部が前記第1金属層の縁部と面一である、ことを特徴とする請求項1に記載の高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボード。
【請求項3】
前記第1金属層及び/又は前記第2金属層の内側面に複数の銅柱が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボード。
【請求項4】
チップと、
一方の側面が前記チップの背面に密着しており、他方の側面が前記金属放熱モジュール及び前記金属キャリアボードに密着している金属載置台と、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボード。
【請求項5】
前記金属載置台の幅が前記第1枠部の幅以下である場合、前記金属載置台は、一端が前記金属放熱モジュールに密着しており、他端が前記金属キャリアボードに密着しており、又は、
前記金属載置台の幅が前記第1枠部の幅よりも大きい場合、前記金属載置台の両端が前記金属キャリアボードに密着しており、かつ、前記第1枠部の外側を覆っている、ことを特徴とする請求項4に記載の高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボード。
【請求項6】
前記金属キャリアボードには、前記第2誘電体層が充填された第2枠部がさらに設けられる、ことを特徴とする請求項4に記載の高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボード。
【請求項7】
前記金属キャリアボード、前記金属放熱モジュール、及び前記チップの外側に、第3誘電体層がさらに圧着されており、前記第3誘電体層には、貫通穴、少なくとも1つの第1止まり穴、及び少なくとも1つの第2止まり穴が開けられ、前記第1止まり穴の内側は前記チップの正面に連通しており、前記第2止まり穴の内側は前記金属キャリアボードの表面に連通しており、前記貫通穴は前記第2枠部を貫通している、ことを特徴とする請求項6に記載の高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボード。
【請求項8】
前記第1止まり穴を介して前記チップの正面に接続され、前記第3誘電体層の外側まで延びている第1金属パターンと、
前記第2止まり穴を介して前記金属放熱モジュールの外側面に接続され、前記第3誘電体層の外側まで延びている第2金属パターンと、
前記貫通穴を介して前記第3誘電体層の両側面まで延びている第3金属パターンと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボード。
【請求項9】
高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの作製方法であって、
第1金属層上に複数の並置された銅壁を作製し、2つの前記銅壁によるキャビティ中に相変化材料を圧着するステップと、
銅壁の上面に金属を電気めっきして、第2金属層を得るステップと、
第1枠部付きの金属キャリアボードを用意し、前記金属放熱モジュールを前記第1枠部に埋め込み、前記金属放熱モジュールと前記第1枠部の側壁との間に基板誘電体材料を圧着し、第1誘電体層を得、前記第1誘電体層を研磨して、金属キャリアボード及び前記金属放熱モジュールを露出させるステップと、
積層造形を行って、パッケージキャリアボードを得るステップと、を含む、ことを特徴とする高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの作製方法。
【請求項10】
2つの前記銅壁によるキャビティ中に相変化材料を圧着する前記ステップの前に、
前記第1金属層上に複数の銅柱を作製するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項9に記載の高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの作製方法。
【請求項11】
銅壁の上面に金属を電気めっきして、第2金属層を得る前記ステップの前に、
前記第1金属層のうちキャビティの外にある領域に高熱伝導性媒体材料を圧着して、熱伝導性媒体層を形成し、研磨プロセスによって前記熱伝導性媒体層の縁部と前記第1金属層との縁部を面一にするステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項9に記載の高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの作製方法。
【請求項12】
前記金属キャリアボードは第2枠部をさらに含み、前記金属放熱モジュールと前記第1枠部の側壁との間に基板誘電体材料を圧着し、第1誘電体層を得、前記第1誘電体層を研磨して、金属キャリアボード及び前記金属放熱モジュールを露出させる前記ステップは、
前記金属放熱モジュール及び前記金属キャリアボードに基板誘電体材料を圧着することで、前記金属放熱モジュールと前記第1枠部の側壁との間に第1誘電体層を形成し、前記第2枠部に第2誘電体層を形成するステップと、
前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層を研磨して、金属キャリアボード及び前記金属放熱モジュールを露出させるステップと、を含む、ことを特徴とする請求項9に記載の高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの作製方法。
【請求項13】
積層造形を行って、パッケージキャリアボードを得る前記ステップは、
前記金属放熱モジュール及び前記金属キャリアボードの表面に第1シード層を配置するステップであって、前記第1シード層の幅が前記第1枠部の幅よりも小さい場合、前記第1シード層の両端がそれぞれ前記金属放熱モジュール及び前記金属キャリアボードに位置し、又は、前記第1シード層の幅が前記第1枠部の幅よりも大きい場合、前記第1シード層の両端が前記金属キャリアボードに密着しており、かつ、前記第1枠部の外側を覆っている、ステップと、
前記第1シード層に金属載置台をパターン電気めっきプロセスにより作製するステップと、
チップの背面を前記金属載置台に貼着するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項9に記載の高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの作製方法。
【請求項14】
チップの背面を前記金属載置台に貼着する前記ステップの後に、
前記金属放熱モジュール及び前記金属キャリアボードの両面に基板誘電体材料を圧着して、第3誘電体層を形成するステップと、
前記第3誘電体層にレーザを照射して、内側が前記チップの正面に連通する少なくとも1つの第1止まり穴と、内側が前記金属キャリアボードの表面に連通する少なくとも1つの第2止まり穴を得るステップと、
第3誘電体層に穴を機械的に開けて、前記第2枠部を貫通する貫通穴を得るステップと、
前記第1止まり穴、前記第2止まり穴、及び前記貫通穴内に第2シード層を設け、パターン電気めっきプロセスによって、前記第1止まり穴に第3誘電体層の外側まで延びている第1金属パターンを作製し、前記第2止まり穴に第3誘電体層の外側まで延びている第2金属パターンを作製し、前記貫通穴に前記第3誘電体層の両側面まで延びている第3金属パターンを作製するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項13に記載の高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージ構造の技術分野に関し、特に、高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボード及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、埋め込みデバイスのパッケージ基板の製造過程では、予め作製された枠部板を必要とし、枠部内にチップを接着し、次にパッケージして、積層造形を行う。
【0003】
従来の枠部は、通常、有機材料で製造されており、多層チップを埋め込んだパッケージキャリアボードの場合は、放熱性能が確保されていない。この問題を克服するため、関連技術では、枠部に金属放熱モジュールを設置し、金属モジュールに相変化材料を充填し、相変化材料の吸熱が速く、金属の熱伝導が速いような特性を利用して放熱効果を高めることを提案した。しかし、パッケージキャリアボードごとに枠部のサイズが異なるので、金属放熱モジュールを様々な枠部に埋め込むことを確保するために、製品開発ごとに金属放熱モジュールのプロセスサイズを調整する必要があり、このため、金属放熱モジュールの適用性が低く、製造コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術に存在する技術的課題の少なくとも1つを解決することを目的とする。そのため、本発明は、放熱効果を確保しながら、製造コストを削減させることができる、高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボード及びその作製方法を提案している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様では、本発明の実施形態は、高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードを提供する。前記高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードは、
第1枠部が設けられた金属キャリアボードと、
第1金属層と第2金属層を含み、前記第1金属層と前記第2金属層との間に並設された複数の銅壁が接続されており、隣接する2つの前記銅壁の間に形成されたキャビティに相変化材料が充填された金属放熱モジュールであって、前記金属放熱モジュールは前記第1枠部に埋め込まれ、前記金属放熱モジュールと前記第1枠部の内側壁との間の隙間に第1誘電体層が充填されている金属放熱モジュールと、を含む。
【0006】
本発明の実施形態による高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードは、少なくとも以下の有益な効果がある。まず、金属キャリアボードの第1枠部内に金属放熱モジュールが設けられることによって、放熱が速いという金属の特性を利用して熱伝達効果を高め、パッケージキャリアボードの内部放熱効率を高めることができる。次に、金属放熱モジュールの間に銅壁によりキャビティが構成され、キャビティ内に相変化材料が充填されることによって、第1金属層及び第2金属層を介して伝達してきた熱を相変化材料で迅速に吸収し、他方の側に伝達して外部へ放出することができ、金属放熱モジュールの両側の金属層を利用して放熱効率を高め、また、銅壁によって第1金属層と第2金属層との間の熱伝達効率を高めることができる。さらに、金属放熱モジュールと第1枠部の側板との間の隙間を第1誘電体層で充填することによって、金属放熱モジュールがより多くの枠部に対応することが可能になり、枠部の寸法に対してプロセス寸法を調整することが不要になり、金属放熱モジュールの生産コストの効果的な削減が図られる。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記金属放熱モジュールは、
熱伝導性媒体層をさらに含み、前記熱伝導性媒体層は前記金属放熱モジュールの熱伝導溝に充填され、前記熱伝導溝は前記第1金属層、前記第2金属層及び前記銅壁で構成された、片側が開口した凹溝であり、前記熱伝導性媒体層は縁部が前記第1金属層の縁部と面一である。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1金属層及び/又は前記第2金属層の内側面に複数の銅柱が設けられる。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードは、
チップと、
一方の側面が前記チップの背面に密着しており、他方の側面が前記金属放熱モジュール及び前記金属キャリアボードに密着している金属載置台と、をさらに含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記金属載置台の幅が前記第1枠部の幅以下である場合、前記金属載置台は、一端が前記金属放熱モジュールに密着しており、他端が前記金属キャリアボードに密着しており、又は、
前記金属載置台の幅が前記第1枠部の幅よりも大きい場合、前記金属載置台の両端が前記金属キャリアボードに密着しており、かつ、前記第1枠部の外側を覆っている。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記金属キャリアボードには、前記第2誘電体層が充填された第2枠部がさらに設けられる。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記金属キャリアボード、前記金属放熱モジュール、及び前記チップの外側に、第3誘電体層がさらに圧着されており、前記第3誘電体層には、貫通穴、少なくとも1つの第1止まり穴、及び少なくとも1つの第2止まり穴が開けられ、前記第1止まり穴の内側は前記チップの正面に連通しており、前記第2止まり穴の内側は前記金属キャリアボードの表面に連通しており、前記貫通穴は前記第2枠部を貫通している。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、
前記第1止まり穴を介して前記チップの正面に接続され、前記第3誘電体層の外側まで延びている第1金属パターンと、
前記第2止まり穴を介して前記金属放熱モジュールの外側面に接続され、前記第3誘電体層の外側まで延びている第2金属パターンと、
前記貫通穴を介して前記第3誘電体層の両側面まで延びている第3金属パターンと、をさらに含む。
【0014】
第2態様では、本発明の実施形態は、また、
第1金属層上に複数の並置された銅壁を作製し、2つの前記銅壁によるキャビティ中に相変化材料を圧着するステップと、
銅壁の上面に金属を電気めっきして、第2金属層を得るステップと、
第1枠部付きの金属キャリアボードを用意し、前記金属放熱モジュールを前記第1枠部に埋め込み、前記金属放熱モジュールと前記第1枠部の側壁との間に基板誘電体材料を圧着し、第1誘電体層を得、前記第1誘電体層を研磨して、金属キャリアボード及び前記金属放熱モジュールを露出させるステップと、
積層造形を行って、パッケージキャリアボードを得るステップと、を含む高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの作製方法を提供する。
【0015】
本発明の実施形態による高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの作製方法は、少なくとも以下の有益な効果がある。まず、金属キャリアボードの第1枠部内に金属放熱モジュールが設けられることによって、放熱が速いという金属の特性を利用して熱伝達効果を高め、パッケージキャリアボードの内部放熱効率を高めることができる。次に、金属放熱モジュールの間に銅壁によりキャビティが構成され、キャビティ内に相変化材料が充填されることによって、第1金属層及び第2金属層を介して伝達してきた熱を相変化材料で迅速に吸収し、他方の側に伝達して外部へ放出することができ、金属放熱モジュールの両側の金属層を利用して放熱効率を高め、また、銅壁によって第1金属層と第2金属層との間の熱伝達効率を高めることができる。さらに、金属放熱モジュールと第1枠部の側板との間の隙間を第1誘電体層で充填することによって、金属放熱モジュールがより多くの枠部に対応することが可能になり、枠部の寸法に対してプロセス寸法を調整することが不要になり、金属放熱モジュールの生産コストの効果的な削減が図られる。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、2つの前記銅壁によるキャビティ中に相変化材料を圧着する前記ステップの前に、
前記第1金属層上に複数の銅柱を作製するステップをさらに含む。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、銅壁の上面に金属を電気めっきして、第2金属層を得る前記ステップの前に、
前記第1金属層のうちキャビティの外にある領域に高熱伝導性媒体材料を圧着して、熱伝導性媒体層を形成し、研磨プロセスによって前記熱伝導性媒体層の縁部と前記第1金属層との縁部を面一にするステップをさらに含む。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記金属キャリアボードは第2枠部をさらに含み、前記金属放熱モジュールと前記第1枠部の側壁との間に基板誘電体材料を圧着し、第1誘電体層を得、前記第1誘電体層を研磨して、金属キャリアボード及び前記金属放熱モジュールを露出させる前記ステップは、
前記金属放熱モジュール及び前記金属キャリアボードに基板誘電体材料を圧着することで、前記金属放熱モジュールと前記第1枠部の側壁との間に第1誘電体層を形成し、前記第2枠部に第2誘電体層を形成するステップと、
前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層を研磨して、金属キャリアボード及び前記金属放熱モジュールを露出させるステップと、を含む。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、積層造形を行って、パッケージキャリアボードを得る前記ステップは、
前記金属放熱モジュール及び前記金属キャリアボードの表面に第1シード層を配置するステップであって、前記第1シード層の幅が前記第1枠部の幅よりも小さい場合、前記第1シード層の両端がそれぞれ前記金属放熱モジュール及び前記金属キャリアボードに位置し、又は、前記第1シード層の幅が前記第1枠部の幅よりも大きい場合、前記第1シード層の両端が前記金属キャリアボードに密着しており、かつ、前記第1枠部の外側を覆っている、ステップと、
前記第1シード層に金属載置台をパターン電気めっきプロセスにより作製するステップと、
チップの背面を前記金属載置台に貼着するステップと、を含む。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、チップの背面を前記金属載置台に貼着する前記ステップの後に、
前記金属放熱モジュール及び前記金属キャリアボードの両面に基板誘電体材料を圧着して、第3誘電体層を形成するステップと、
前記第3誘電体層にレーザを照射して、内側が前記チップの正面に連通する少なくとも1つの第1止まり穴と、内側が前記金属キャリアボードの表面に連通する少なくとも1つの第2止まり穴を得るステップと、
第3誘電体層に穴を機械的に開けて、前記第2枠部を貫通する貫通穴を得るステップと、
前記第1止まり穴、前記第2止まり穴、及び前記貫通穴内に第2シード層を設け、パターン電気めっきプロセスによって、前記第1止まり穴に第3誘電体層の外側まで延びている第1金属パターンを作製し、前記第2止まり穴に第3誘電体層の外側まで延びている第2金属パターンを作製し、前記貫通穴に前記第3誘電体層の両側面まで延びている第3金属パターンを作製するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態による高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの構造概略図である。
【
図2】本発明の別の実施形態による金属放熱モジュールの構造概略図である。
【
図3】本発明の別の実施形態による第1金属層及び銅壁の概略図である。
【
図4】本発明の別の実施形態による相変化材料及び熱伝導性媒体層を圧着した場合の概略図である。
【
図5】本発明の別の実施形態による金属キャリアボードの構造概略図である。
【
図6】本発明の別の実施形態による、金属載置台を作製した場合の概略図である。
【
図7】本発明の別の実施形態による、チップを実装し、第3誘電体層を圧着した場合の構造概略図である。
【
図8】本発明の別の実施形態による、第3誘電体層への穴開けの概略図である。
【
図9】本発明の別の実施形態によるパッケージキャリアボードの構造概略図である。
【
図10】本発明の別の実施形態による高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの作製方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明し、前記実施形態の一例を図面に示すが、図面を通じて、同一又は類似の符号は、同一又は類似の素子あるいは同一又は類似の機能を有する素子を示す。図面を参照して以下に説明する実施形態は、本発明を説明するためにのみ使用される例示的なものであり、本発明を限定するものと理解すべきではない。
【0023】
なお、本発明の説明において、方位を説明する際には、上、下、前、後、左、右などに示される方位または位置関係が、図面に示される方位または位置関係に基づくものであり、単に本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであって、特定の方位を有したり、特定の方位で構成され、動作しなければならないことを指示または暗示するものではなく、本発明を限定するものとは理解すべきではない。
【0024】
本発明の説明において、いくつかの意味は1つまたは複数であり、複数の意味は2つ以上であり、「よりも大きい」、「よりも小さい」、「超える」などは、本数を含まないと理解され、「以上」、「以下」、「以内」などは本数を含むと理解される。「第1」、「第2」が記載される場合、単に技術的特徴を区別することを目的としたものであって、相対的重要性を指示若しくは暗示し、又は指示された技術的特徴の数を暗示し、又は指示された技術的特徴の前後関係を暗示すると理解すべきではない。
【0025】
本発明の説明において、別途明確な限定がない限り、「設ける」、「実装」、「接続」などの用語は広義に理解されるべきであり、当業者は技術案の具体的な内容と組み合わせて上記の用語の本発明における具体的な意味を合理的に判定することができる。
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照してさらに説明する。
【0027】
図1に示すように、
図1は、本発明の一実施形態による高効率金属放熱モジュール100を埋め込むパッケージキャリアボードの概略図である。本実施形態による高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードは、
第1枠部210が設けられた金属キャリアボード200と、
第1金属層110と第2金属層150を含み、第1金属層110と第2金属層150との間に並設された複数の銅壁120が接続されており、隣接する2つの銅壁120の間に形成されたキャビティに相変化材料130が充填された金属放熱モジュール100であって、金属放熱モジュール100は、第1枠部210に埋め込まれ、金属放熱モジュール100と第1枠部210の内側壁との間の隙間に第1誘電体層230が充填されている、金属放熱モジュール100と、を含む。
【0028】
なお、金属キャリアボード200は、複数種の枠部が設けられた金属製のキャリアボードであってもよく、
図5に示すように、金属キャリアボード200には、任意の数の第1枠部210が設けられてもよく、第1枠部210は、チップ300を実装するための枠部であり、第1枠部210の数は、チップ300の配置の実際のニーズに応じて決定されればよく、第1枠部210ごとに設けられたチップ300の数も限定されず、
図7に示すように、第1枠部210の上側には2つのチップ300、下側には1つのチップ300が設けられ、チップ300の底面と金属放熱モジュール100の位置にポートが重なる。チップ300の作動中に生じた熱が金属放熱モジュール100に吸収され、金属材料によって外部に伝達され、それによって、放熱効率が効果的に高まる。
【0029】
なお、本実施形態の金属には、良好な熱伝導効果を持ちながら、材料コストを効果的に抑えることができる銅が使用されてもよいが、もちろん、実際のニーズに応じて他の熱伝導可能な金属が使用されてもよい。
【0030】
なお、第1枠部210のそれぞれに1つの金属放熱モジュール100が埋め込まれており、金属放熱モジュール100の寸法が第1枠部210に一致し、つまり、埋め込まれたものに隙間がない場合、第1誘電体層230を省略することができ、金属放熱モジュール100の寸法が第1枠部210よりも小さい場合、本実施形態では、第1枠部210の内側壁と金属放熱モジュール100との間に第1誘電体層230を圧着する。第1誘電体層230は、一般的な基板誘電体材料を簡単な圧着及び研磨により金属放熱モジュール100と第1枠部210との間の隙間に充填したものであってもよく、このように、第1枠部210の寸法ごとに対応する寸法の金属放熱モジュール100を作製する必要がなくなり、標準版寸法の金属放熱モジュール100の適用範囲が広がり、効果的な生産コスト削減が図られ、生産効率が向上する。放熱に影響しないように、基板誘電体材料を充填して第1誘電体層230を得た後に、研磨などのプロセスにより金属放熱モジュール100及び金属キャリアボード200の表面を露出させてもよい。
【0031】
なお、第1金属層110と第2金属層150は互いに平行であり、第1金属層110と第2金属層150との間に銅壁120が接続され、生産に際して、第1金属層110に銅壁120を製造した後に、銅壁120の上面に第2金属層150が電気めっきされてもよい。銅壁120の両端が第1金属層110及び第2金属層150に接続され、それによって、第1金属層110による熱は第2金属層150に伝導され、又は、第2金属層150による熱は第1金属層110に伝導され、このようにして、金属放熱モジュール100の両側への加熱が不均一である場合の放熱効率を向上させる。例えば、第1金属層110にチップ300が設けられず、第2金属層150にチップ300が設けられることから、作動中に第2金属層150へ多くの熱が導入され、第1金属層110の方の温度が低く、この場合、銅壁120は、第2金属層150による熱を第1金属層110に伝導することができ、第1金属層110及び第2金属層150の両方が熱を放散することによって、放熱効率が高まる。
【0032】
なお、銅壁120が第1金属層110及び第2金属層150に接続されるため、金属放熱モジュール100の内側に密閉キャビティが形成され、本実施形態では、キャビティに相変化材料130が充填され、吸熱が速いという相変化材料130の特性によれば、第1金属層110及び第2金属層150による熱を吸収して、第1金属層110及び第2金属層150を比較的低温の状態に維持し、それらの個別の熱伝導効率を高めるとともに、金属放熱モジュール100における熱の更なる分配を促進し、金属放熱モジュール100を利用して全体的な放熱を十分に行うことができる。例えば、引き続き上記の例を参照すると、第1金属層110にチップ300が設けられず、第2金属層150にチップ300が設けられ、第2金属層150の方の温度が高く、銅壁120は熱を第1金属層110に伝導するとともに、相変化材料130は第2金属層150の熱を吸収して、第2金属層150の温度を迅速に下げ、チップ300の作動による熱をより効果的に伝導し、さらに、相変化材料130がキャビティに充填され、すなわち、相変化材料130が銅壁120の壁に直接接触し、壁の面積が大きいため、吸収された熱が面積の大きな壁を介して温度の低い第1金属層110からより効率的に放出され、それによって、金属放熱モジュール100全体の熱伝導効率が高まる。
【0033】
相変化材料130は、有機相変化材料130であってもよいし、無機金属合金材料であってもよい。第1金属層110に銅壁120が作製された後、常温で液体の相変化材料130が使用される場合、作製する際には、第2金属層150を電気めっきした後、第2金属層150に注液孔を開けて相変化材料130を注入する必要があり、このため、作製プロセスが複雑で、また、穴開けにより第2金属層150の密封性や信頼性が悪影響を受けてしまい、このため、本実施形態では、相変化材料130には、常温で固体、加熱されると液体や気体になる相変化材料130が使用されてもよい。第1金属層110に銅壁120が作製された後、常温で固体の相変化材料130はキャビティに圧着され、さらに第2金属層150が電気めっきされ、それによって、作製プロセスが簡素化される。
【0034】
また、一実施形態では、
図2を参照して、金属放熱モジュール100は、
熱伝導性媒体層140をさらに含み、熱伝導性媒体層140は金属放熱モジュール100の熱伝導溝に充填され、熱伝導溝は第1金属層110、第2金属層150、及び銅壁120で構成された、片側が開口した凹溝であり、熱伝導性媒体層140は縁部が第1金属層110の縁部と面一である。
【0035】
なお、第1金属層110と第2金属層150との間に並設された銅壁120が接続され、隣接する2つの銅壁120の間にキャビティが形成され、一方、最外側にある銅壁120は、第1金属層110及び第2金属層150の縁部と面一ではなくてもよい。
図2及び
図3に示すように、最左側及び最右側にある銅壁120と第1金属層110及び第2金属層150との間に、片側が開口した凹溝が形成される。凹溝が密閉空間でないため、相変化材料130が加熱されて液化又は気化すると、相変化材料130が損失され、このため、本実施形態では、凹溝に熱伝導性媒体材料が充填され、熱伝導性媒体層140が形成され、熱伝導性媒体層140により、銅壁120と第1金属層110及び第2金属層150との間での熱伝導が促進され、具体的な効果については、上記の実施形態の相変化材料130の説明を参照してもよく、ここでは繰り返して説明しない。
【0036】
なお、製造する際には、銅壁120の上側に第2金属層150が電気めっきにより形成されるため、
図4を参照して、キャビティに相変化材料130を圧着するとともに、両側に熱伝導性媒体材料を同時に圧着して熱伝導性媒体層140を形成し、研磨により縁部を合わせた後に、第2金属層150を電気めっきしてもよい。
【0037】
また、一実施形態では、第1金属層及び/又は第2金属層の内側面に複数の銅柱が設けられている。
【0038】
なお、銅柱と銅壁の相違点としては、銅柱は第1金属層又は第2金属層にのみ接続され、密封領域を形成することはない。本実施形態では、銅柱の設置により、第1金属層及び第2金属層の表面積を大きくし、熱伝導効果を高めることができる。
【0039】
なお、銅柱は、キャビティ内に設けられて、相変化材料130が吸収する熱の伝導効率を高めてもよいし、キャビティ外に設けられて、第1金属層110及び第2金属層150の表面積を大きくすることで、熱伝導効率を高めてもよい。
【0040】
また、一実施形態では、
図6及び
図7を参照して、高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードは、
チップ300と、
一方の側面がチップ300の背面に密着しており、他方の側面が金属放熱モジュール100及び金属キャリアボード200に密着している金属載置台250と、をさらに含む。
【0041】
なお、チップ300の正面には、通常、デバイスが設けられるので、正面の平坦度が背面よりも低い。本実施形態では、チップ300の背面が金属載置台250に貼着されるので、金属載置台250はチップ300の背面における熱を迅速に放出し、また、金属載置台250は、金属放熱モジュール100及び金属キャリアボード200に密着するため、熱を外部へ迅速に伝導し、それによって、パッケージキャリアボードの内部熱伝導効果が向上する。
【0042】
なお、金属載置台250の表面は金属放熱モジュール100及び金属キャリアボード200の両方に接触し、金属放熱モジュール100と金属キャリアボード200との間に第1誘電体層230が充填され、両方が直接接触しない場合、金属載置台250は金属放熱モジュール100と金属キャリアボード200との間の熱伝導媒介として機能し、金属放熱モジュール100が熱を迅速に吸収する場合、熱は金属載置台250により金属キャリアボード200に伝導され、さらに外部に伝導され、それによって、熱の伝導経路が増加し、放熱効果が高まる。
【0043】
一例として、
図7を参照して、チップ300の作動時に生じた熱が背面を通じて金属載置台250に伝達され、金属載置台250は、その熱を金属放熱モジュール100及び金属キャリアボード200に伝導し、金属キャリアボード200は、金属載置台250により伝導されてきた熱を外部に放出するとともに、金属放熱モジュール100の第1金属層110及び第2金属層150は、上記の実施形態に記載の原理を利用して、金属載置台250により伝達されてきた熱を迅速に吸収し、温度の低い他の金属載置台250を介して金属キャリアボード200に伝達され、それによって、熱伝導経路が増加し、放熱効果が高まる。
【0044】
なお、本実施形態では、金属載置台250及びチップ300の数は限定されず、金属載置台250ごとに、寸法上許容する場合、1つ又は複数のチップ300が実装されてもよく、具体的な配置方式については、チップ300の実装の実際のニーズに応じて決定すればよい。
【0045】
また、一実施形態では、
図6及び
図7を参照して、金属載置台250の幅が第1枠部210の幅以下である場合、金属載置台250は、一端が金属放熱モジュール100に密着しており、他端が金属キャリアボード200に密着しており、又は、
金属載置台250の幅が第1枠部210の幅よりも大きい場合、金属載置台250の両端は金属キャリアボード200に密着しており、かつ、第1枠部210の外側を覆っている。
【0046】
一例として、
図6を参照して、上側にある金属載置台250は、第1枠部210よりも幅が小さく、金属放熱モジュール100及び金属キャリアボード200の両方に接触するために、金属キャリアボード200と金属放熱モジュール100との間に設けられてもよく、それによって、放熱効果が確保される。
【0047】
一例として、
図6を参照して、下側にある金属載置台250の幅が第1枠部210の幅よりも大きく、この金属載置台250は、第1枠部210の両端にまたがり、かつ、金属放熱モジュール100の外側を覆って、それによって、金属放熱モジュール100の熱は金属載置台250を介して金属キャリアボード200に伝達可能になり、放熱効率が高まる。
【0048】
また、一実施形態では、
図5及び
図6を参照して、金属キャリアボード200には、第2誘電体層240が充填された第2枠部220がさらに設けられる。
【0049】
なお、第2枠部220は、チップ300が設けられない枠部であり、その内部に第1誘電体層230と同じ基板誘電体材料が充填され、圧着され研磨され、第2誘電体層240が形成されてもよく、それによって、金属キャリアボード200に金属パターンを設けることを構造的に可能にする。
【0050】
また、一実施形態では、
図8を参照して、金属キャリアボード200、金属放熱モジュール100、及びチップ300の外側に、第3誘電体層400がさらに圧着されており、第3誘電体層400には、貫通穴430、少なくとも1つの第1止まり穴410、及び少なくとも1つの第2止まり穴420が開けられ、第1止まり穴410の内側はチップ300の正面に連通しており、第2止まり穴420の内側は金属キャリアボード200の表面に連通しており、貫通穴430は第2枠部220を貫通している。
【0051】
なお、金属キャリアボード200をパッケージするために、
図6に示す構造を得た後、すなわち、金属キャリアボード200に金属放熱モジュール100を埋め込み、金属載置台250及びチップ300を設けた後に、当該構造の両面に基板誘電体材料を圧着して第3誘電体層400を形成することによって、金属キャリアボード200をパッケージしてもよい。第3誘電体層400の材料は、実際のニーズに応じて選択すればよく、第1誘電体層230、第2誘電体層240の材料と同じものとしてもよい。
【0052】
なお、第1止まり穴410及び第2止まり穴420は、第3誘電体層400にレーザを照射することによって得られ、貫通穴430は、機械的穴開けによって得られてもよい。
図8に示すように、第1止まり穴410の位置はチップ300の正面におけるデバイスに対応してもよく、第2止まり穴420の位置は、金属キャリアボード200の位置に対応してもよく、それは、金属パターンを電気めっきして熱を外部に放散するための構造的な基礎となる。
【0053】
なお、第2枠部220に対応する位置に貫通穴430が設けられることによって、パッケージキャリアボードの両層同士の電気的接続を構造的に可能にし、電気的なニーズがない場合、貫通穴430を開けなくてもよく、本実施形態はこれについて限定しない。
【0054】
また、一実施形態では、
図9を参照して、高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードは、
第1止まり穴410を介してチップ300の正面に接続され、第3誘電体層400の外側まで延びている第1金属パターン510と、
第2止まり穴420を介して金属放熱モジュール100の外側面に接続され、第3誘電体層400の外側まで延びている第2金属パターン520と、
貫通穴430を介して第3誘電体層400の両側面まで延びている第3金属パターン530と、をさらに含む。
【0055】
なお、
図9に示すように、第1止まり穴410の第1金属パターン510はチップ300の正面から第3誘電体層400の外側まで延びており、それによって、第1金属パターン510によりチップ300の正面におけるデバイスの熱が外部へ放熱される。第2止まり穴420の第2金属パターン520は金属キャリアボード200から外部まで延びており、上記の実施形態に記載のように、チップ300による熱は、金属載置台250及び金属放熱モジュール100によって金属キャリアボード200に伝達され、金属キャリアボード200による熱は、第2金属パターン520を介して外部に伝達される。第1金属パターン510及び第2金属パターン520により、パッケージキャリアボードの内部熱伝導効率を高める場合、内部の熱は迅速に外部へ伝達され、第1金属パターン510及び第2金属パターン520によって外部へ放熱され、パッケージキャリアボードの放熱効果が高まる。
【0056】
なお、第3金属パターン530が貫通穴430を介して第3誘電体層400の両側面まで延びていることによって、第3誘電体層400の両側に金属部分が形成され、パッケージキャリアボードの両側にある回路構造を電気的に接続することを可能にする。
【0057】
また、
図10を参照して、
図10は、高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの作製方法のフローチャートであり、本発明の実施形態による高効率放熱モジュールを埋め込むパッケージキャリアボードの作製方法は、以下のステップS1~S4を含むが、これらに限定されない。
ステップS1:第1金属層上に複数の並置された銅壁を作製し、隣接する2つの銅壁で構成されたキャビティ中に相変化材料を圧着する。
ステップS2:銅壁の上面に金属を電気めっきして、第2金属層を得る。
ステップS3:第1枠部付きの金属キャリアボードを用意し、金属放熱モジュールを第1枠部に埋め込み、金属放熱モジュールと第1枠部の側壁との間に基板誘電体材料を圧着して第1誘電体層を得、第1誘電体層を研磨して、金属キャリアボード及び金属放熱モジュールを露出させる。
ステップS4:積層造形を行って、パッケージキャリアボードを得る。
【0058】
なお、第1金属層110の幅及び厚さは、実際のニーズに応じて決定されてもよく、本実施形態では、限定されない。第1金属層110ができた後、電気めっきなどによって第1金属層110の上側に銅壁120を作製し、
図3に示す構造を得、隣接する2つの銅壁120に固体の相変化材料130を圧着してもよい。銅壁120の間の距離からキャビティの体積を算出してから、当該体積に対応する体積の相変化材料130を入れて圧着し、
図4に示す構造を得てもよく、それによって、相変化材料130を節約しつつ、圧着後の研磨にかかる時間を短縮させ、施工効率を高めることができる。
【0059】
なお、相変化材料130を圧着して銅壁120の上面と面一にする場合、銅壁120の上面に第2金属層150を電気めっきし、金属放熱モジュール100を得ることができる。金属放熱モジュール100の放熱効果及び原理については、上記の構造実施形態の説明を参照してもよく、ここでは繰り返して説明しない。
【0060】
なお、第1枠部210付きの金属キャリアボード200の構造は
図5に示されており、第1枠部210の数や寸法は、チップ300の実装のニーズに応じて調整されてもよい。金属放熱モジュール100を第1枠部210に埋め込んだ後、第1枠部210と金属放熱モジュール100との間の隙間に基板誘電体材料を圧着し、研磨して金属放熱モジュール100及び金属キャリアボード200を露出して、第1誘電体層230を形成するようにしてもよい。
【0061】
なお、積層造形は、パッケージキャリアボードのニーズに応じて行われてもよく、例えば、
図7に示すように、金属キャリアボード200及び金属放熱モジュール100には、金属載置台250、第3誘電体層400、及び金属パターンが増設されているが、本実施形態は、これを特に限定しない。
【0062】
また、一実施形態では、ステップS1において、隣接する2つの銅壁で構成されたキャビティ中に相変化材料を圧着する前に、ステップS11をさらに含むが、これに限定されない。
【0063】
ステップS11:第1金属層上に複数の銅柱を作製する。
【0064】
なお、銅柱は、電気めっきによって第1金属層110上に作製されてもよく、その分布領域及び効果については、上記の構造実施形態の説明を参照してもよく、ここでは繰り返して説明しない。
【0065】
なお、電気めっきにより第2金属層を得る場合、第2金属層に銅柱を作製する必要があれば、相変化材料において溝を開け、電気めっきをする際に、第2金属層に接続された銅柱を当該溝に形成してもよい。
【0066】
また、一実施形態では、ステップS2の前に、ステップS12をさらに含むが、これに限定されない。
【0067】
ステップS12:第1金属層のうちキャビティの外にある領域に高熱伝導性媒体材料を圧着し、熱伝導性媒体層を形成し、研磨プロセスによって熱伝導性媒体層の縁部と第1金属層の縁部とを面一にする。
【0068】
なお、
図3を参照して、第1金属層110上に銅壁120を作製した後、隣接する銅壁120の間に相変化材料130を圧着し、また、最左側及び最右側にある銅壁120の外側に高熱伝導性媒体材料を圧着し、熱伝導性媒体層140を形成し、
図4に示す構造を得、圧着後に研磨して、熱伝導性媒体層140、銅壁120、及び相変化材料130の上面を面一にし、電気めっきによる第2金属層150の表面を平坦にする。
【0069】
また、一実施形態では、金属キャリアボード200は第2枠部220をさらに含み、ステップS3は、ステップS31とステップS32をさらに含むが、これらに限定されない。
【0070】
ステップS31:金属放熱モジュール及び金属キャリアボードに基板誘電体材料を圧着することで、金属放熱モジュールと第1枠部の側壁との間に第1誘電体層を形成し、第2枠部に第2誘電体層を形成する。
【0071】
ステップS32:第1誘電体層及び第2誘電体層を研磨して、金属キャリアボード及び金属放熱モジュールを露出させる。
【0072】
なお、金属キャリアボード200の構造は、
図5に示すように、第1枠部210と第2枠部220を含む。金属放熱モジュール100を第1枠部210に埋め込んだ後、同じ基板誘電体材料を同時に圧着し、研磨して、上記の第1誘電体層230を形成し、第2枠部220に第2誘電体層240を形成するようにしてもよい。第1誘電体層230及び第2誘電体層240の作用については、上記の実施形態の説明を参照してもよく、ここでは繰り返して説明しない。
【0073】
また、一実施形態では、ステップS4は、ステップS41~ステップS43をさらに含むが、これらに限定されない。
ステップS41:金属放熱モジュール及び金属キャリアボードの表面に第1シード層を配置し、第1シード層の幅が第1枠部の幅よりも小さい場合、第1シード層の両端がそれぞれ金属放熱モジュール及び金属キャリアボードに位置し、又は、第1シード層の幅が第1枠部の幅よりも大きい場合、第1シード層の両端が金属キャリアボードに密着しており、かつ、第1枠部の外側を覆っている。
ステップS42:第1シード層に金属載置台をパターン電気めっきプロセスにより作製する。
ステップS43:チップの背面を金属載置台に貼着する。
【0074】
なお、金属載置台250は、第1シード層を電気めっきすることにより得られ、これに基づいて、第1シード層の配置方式及び寸法は、金属載置台250のニーズに応じて調整されてもよく、得られた金属載置台250の構造は
図6に示されており、金属載置台250及び作用効果については、上記の構造実施形態の説明を参照してもよく、ここでは繰り返して説明しない。
【0075】
なお、第1シード層から金属載置台250を得た後、加熱又は加圧によりチップ300の背面を金属載置台250に密着させ、基板誘電体層を圧着して、
図7に示す構造を得るようにしてもよい。チップ300の背面を金属載置台250に密着させることによる作用効果については、上記の構造実施形態の説明を参照してもよく、ここでは繰り返して説明しない。
【0076】
また、一実施形態では、ステップS43の後に、ステップS44~ステップS47をさらに含むが、これらに限定されない。
ステップS44:金属放熱モジュール及び金属キャリアボードの両面に基板誘電体材料を圧着して、第3誘電体層を形成する。
ステップS45:第3誘電体層にレーザを照射して、内側がチップの正面に連通する少なくとも1つの第1止まり穴と、内側が金属キャリアボードの表面に連通する少なくとも1つの第2止まり穴を得る。
ステップS46:第3誘電体層に穴を機械的に開けて、第2枠部を貫通する貫通穴を得る。
ステップS47:第1止まり穴、第2止まり穴、及び貫通穴に第2シード層を設け、パターン電気めっきプロセスによって、第1止まり穴に第3誘電体層の外側まで延びている第1金属パターンを作製し、第2止まり穴に第3誘電体層の外側まで延びている第2金属パターンを作製し、貫通穴に第3誘電体層の両側面まで延びている第3金属パターンを作製する。
【0077】
なお、チップ300を実装した後、両側に基板誘電体材料を圧着して第3誘電体層400を得、
図7に示す構造を得るようにしてもよく、内部の熱を外部に伝導するために、本実施形態では、レーザ照射によりチップ300の正面に対応する位置に第1止まり穴410を開け、金属キャリアボード200に対応する位置に第2止まり穴420を開け、
図8に示す構造を得、第2シード層の配置及びパターン電気めっきにより第1金属パターン510及び第2金属パターン520を得る。具体的な作用効果については、上記の構造実施形態の説明を参照してもよく、ここでは繰り返して説明しない。
【0078】
なお、第1止まり穴410及び第2止まり穴420はパッケージキャリアボードを貫通していないため、レーザ照射により開けることができ、一方、貫通穴430は、電気的接続用の第3金属パターン530を作製する役割を果たし、このため、機械的穴開けにより製造されてもよく、貫通穴430が第2枠部220の第2誘電体層240を貫通するようにし、パッケージキャリアボードの両面を電気的に接続することを可能にする。
【0079】
当業者は、明細書を考慮し、本明細書に開示された実施形態を実施することにより、本願の他の実施形態を容易に想到し得る。本願は、本願の一般原理に従った、本願に開示されていない技術分野における公知の常識又は慣用技術的手段を含む、本願のあらゆる変形、用途又は適応的変化を対象とすることを意図している。
【0080】
なお、本願は、上記で説明され図面に示された正確な構造に限定されず、様々な修正および変更が、その範囲を逸脱することなく実施され得ることを理解されたい。本願の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定される。
【0081】
以上、本発明の好ましい実施形態について具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、当業者は、本発明の精神に反しない共有の条件下で様々な均等な変形または置換を行うことができ、これら均等な変形または置換はいずれも本発明の特許請求の範囲に限定される範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
100 金属放熱モジュール
110 第1金属層
120 銅壁
130 相変化材料
140 熱伝導性媒体層
150 第2金属層
200 金属キャリアボード
210 第1枠部
220 第2枠部
230 第1誘電体層
240 第2誘電体層
250 金属載置台
300 チップ
400 第3誘電体層
410 第1止まり穴
420 第2止まり穴
430 貫通穴
510 第1金属パターン
520 第2金属パターン
530 第3金属パターン