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特開2024-114617リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー、及び電池クラスタの制御方法
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  • 特開-リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー、及び電池クラスタの制御方法 図1
  • 特開-リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー、及び電池クラスタの制御方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114617
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー、及び電池クラスタの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240816BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20240816BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H02J7/00 K
H02J7/00 B
H02J7/00 302C
H02J7/02 F
H01M10/48 P
H01M10/48 301
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024001421
(22)【出願日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】202310100433.3
(32)【優先日】2023-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524011971
【氏名又は名称】深▲せん▼市未藍新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Vilion (Shenzhen) New Energy Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】811, Block A, Meixun Digital Technology Park, No.19 Jinxiu Middle Road, Laokeng community, Longtian sub-district, Pingshan District, Shenzhen, Guangdong 518118, China
(74)【代理人】
【識別番号】100194526
【弁理士】
【氏名又は名称】叶野 徹
(72)【発明者】
【氏名】宋峰
(72)【発明者】
【氏名】張迪
(72)【発明者】
【氏名】譚傑華
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA03
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CC02
5G503GB03
5H030AA10
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー及び電池クラスタの制御方法を提供する。
【解決手段】リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタ並列トポロジーは、少なくとも2つの並列接続された電池クラスタユニット1を含み、電池クラスタユニットは、N個の電池パック11(Nは2以上の自然数)と、N個の双方向DC/DC電圧変換モジュール12と、N個のバイパススイッチ14と、BDCM協調コントローラユニット13と、回路スイッチ15と、接続用一次母線16と、から構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジーであって、
前記リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジーは、P個の並列接続された電池クラスタユニット(Pは2以上の自然数)を含み、前記電池クラスタユニットは、それぞれN個の電池パック(Nは2以上の自然数)と、N個の双方向DC/DC電圧変換モジュールと、N個のバイパススイッチと、BDCM協調コントローラユニットと、回路スイッチと、接続用1次バスとから構成され、
前記N個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端は、順次直列接続され、第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端は、1次母線の負極に接続され、第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端は、第2の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第2の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端は、第3の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第(N-1)の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端は、第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端は、回路スイッチの一端に接続され、回路スイッチの他端は、1次母線の正極に接続され、
前記N個の電池パックはN個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの入力端に並列接続され、第1の電池パックの正極端は第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極入力端に接続され、第1の電池パックの負極端は第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極入力端に接続され、第Nの電池パックの正極端は第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極入力端に接続され、第Nの電池パックの負極端は第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極入力端に接続され、
前記N個のバイパススイッチはN個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端に並列接続され、第1のバイパススイッチの一端は第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第1のバイパススイッチの他端は第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端に接続され、第Nのバイパススイッチの一端は第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第Nのバイパススイッチの他端は第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端に接続され、
前記双方向DC/DC電圧変換モジュールは、電池パックの充電状態計算、健康状態推定、電池パック安全管理を行う電池管理ユニットBMUの機能を統合し、BDCM協調コントローラユニットの指令に応じて、その出力電圧を調節し、
前記BDCM協調コントローラユニットは、電池クラスタを管理し、電池クラスタの充放電管理、電池クラスタの充電状態計算、電池クラスタの安全管理、バイパススイッチOFF/ONの制御、回路スイッチOFF/ONの制御の機能を有し、且つ外部との通信および情報のやりとりを行う機能を有し、
電池クラスタの制御方法は、電池クラスタ目標総電圧を計算するステップと、プロセス制御を始動するステップと、プロセス制御を停止するステップとを含んでおり、
前記した電池クラスタ目標総電圧を計算するステップのコアアルゴリズムは、第nの電池クラスタ目標総電圧V_target_cluster_nを確定することであり、V_target_cluster_n=V_max_cluster+V_conとなり、そのうち、V_max_clusterは、全てのP個の電池クラスタユニットにおける電池クラスタ総電圧の最大値であり、nは、1~Pの自然数であり、V_conは固定制限値であり、V_conの値はV_con≦V_DC_sum-V_max_clusterを満たし、そのうち、V_DC_sumは電池クラスタ総電圧の最大値となる当該電池クラスタ内の全ての双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧制限値の和であり、
前記プロセス制御を始動するコアアルゴリズムは、双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧を確定することであり、第nの電池クラスタの全ての無故障電池パック状態の一致性が良い場合に、第nの電池クラスタの全ての双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧V_out_n=V_target_cluster_n/mとなり、mは第nの電池クラスタの全ての無故障電池パックの数であり、第nの電池クラスタの全ての無故障電池状態の一致性が低い場合、第nの電池クラスタの第kの双方向DC/DC電圧変換モジュール放電出力電圧は、下記数式1
【数1】
となり、第nの電池クラスタの第kの双方向DC/DC電圧変換モジュール充電出力電圧は、下記数式2
【数2】
となり、そのうち、SOCnkは、第nの電池クラスタの第kの電池パックの充電比であり、mは、第nの電池クラスタの全ての無故障電池の数であり、下記数式3
【数3】
は、第nの電池クラスタの全てのm個の無故障電池充電比の和を表すことを特徴とするリチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー。
【請求項2】
前記バイパススイッチは、双方向DC/DC電圧変換モジュールとして機能し、前記電池パックは、直列接続された2つ又はそれ以上のリチウムイオン電池セルからなり、前記BDCM協調コントローラユニットは、双方向DC/DC電圧変換モジュール、バイパススイッチ、回路スイッチと通信バスを介して接続され、双方向DC/DC電圧変換モジュールの電池管理ユニットBMUは、電池パックの基礎管理ユニットと通信接続されることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー。
【請求項3】
前記電池クラスタの制御方法における電池クラスタ目標総電圧を計算するステップは、
第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットのN個の電池それぞれの現在の電圧を読み取り、N個の電池パックの電圧を加算して、第nの電池クラスタユニットの総電圧V_total_Nを取得し、そのうち、nは、1~Pの自然数であるステップ1と、
各BDCM協調コントローラユニットは、対応する電池クラスタユニットの総電圧をその通信バスで放送し、各BDCM協調コントローラユニットは、該電池クラスタユニットの総電圧と他の電池クラスタユニットの総電圧とを比較し、自身が判定した電池クラスタユニットにおける電池クラスタユニット総電圧の最大値をその通信バスで放送するステップ2と、
各BDCM協調コントローラユニットは、通信バスで放送された電池クラスタ総電圧最大値を受信し、これらの結果と、自身が判定した電池クラスタ総電圧最大値の結果とを比較し、結果が異なれば、ステップ1に戻って再計算を行い、結果が同じであれば、電池クラスタ目標総電圧を計算し、第nの電池クラスタ目標総電圧V_target_cluster_nは、V_target_cluster_n=V_max_cluster+V_conとなり、そのうち、V_max_clusterは、全てのP個の電池クラスタユニットにおける電池クラスタ総電圧の最大値であり、nは、1~Pの自然数であり、V_conは固定制限値であり、且つV_con≦V_DC_sum-V_max_clusterを満し、そのうち、V_DC_sumは電池クラスタ総電圧の最大値となる当該電池クラスタの全ての双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧制限値の和であるステップ3と、を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー。
【請求項4】
前記電池クラスタの制御方法におけるプロセス制御を始動するステップは、
第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの電池パックと双方向DC/DC電圧変換モジュールの、電池パックの充電状態、電池パックの電圧、電池パックの温度、双方向DC/DC電圧変換モジュールの故障情報を含む情報を読み取るステップ1と、
第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの全てのN個の電池パックの状態の一致性を判定するステップ2と、
第nの電池クラスタユニットの電池パック状態の一致性が要求に適合している場合、第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタの全ての双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧V_out_nを通信バスで放送し、且つV_out_n=V_target_cluster_n/mとなり、そのうち、mは、第nの電池クラスタの全ての無故障電池パックの数であり、第nの電池クラスタユニットの電池パック状態の一致性が要求に適合していない場合、第nの電池クラスタの第kの双方向DC/DC電圧変換モジュールの放電出力電圧は、下記数式4
【数4】
となり、第nの電池クラスタの第kの双方向DC/DC電圧変換モジュールの充電出力電圧は、下記数式5
【数5】
となり、そのうち、SOCnkは、第nの電池クラスタの第kの電池パックの充電比であり、mは、第nの電池クラスタの全ての無故障電池の数であり、下記数式6
【数6】
は、第nの電池クラスタのm個の無故障電池それぞれの充電比の和を表し、明らかに、m≦Pであるステップ3と、
第nの電池クラスタのb個の双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧が限界値を超えている場合(限界値をV_out_limitと仮定する)、第n個のBDCM協調コントローラユニットは、双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧をV_out_limitとなるように制御し、第nの電池クラスタの他の全ての双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧は、V_out_n=(V_target_cluster_n-V_out_limit*b)/(m-b)となり、そのうち、mは、第nの電池クラスタの全ての無故障電池パックの数であり、bは、1~mの自然数であるステップ4と、
第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの総電圧が第nの電池クラスタ目標総電圧V_target_cluster_nに達したか否かを判断し、達していなければ、ステップ1に戻り、達していれば、充電または放電動作段階に移行するステップ5と、を含んでおり、
以上のステップ1~5において、nは1~Pの自然数であり、Pは電池クラスタの数であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー。
【請求項5】
前記電池クラスタの制御方法におけるプロセス制御を停止するステップは、
第nのBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの第r個の電池パックの故障、または第r個の電池パックの充電遮断状態、または第r個の電池パックの放電遮断状態、または第r個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの故障を検出したステップ1と、
第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの第r個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力電圧をゼロに制御するステップ2と、
第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第r個の双方向DC/DC電圧変換モジュールと並列する第nの電池クラスタユニットのバイパススイッチを閉じるように制御するステップ3と、
第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの第r個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力をオフにするように制御するステップ4と、
電池クラスタ目標総電圧を計算するステップに戻って、プロセス制御を始動するステップを実行し、電池クラスタユニットの総電圧が該電池クラスタ目標総電圧に達していない場合、または電池クラスタユニットが過電流保護状態になる場合、該電池クラスタユニットの動作を停止するステップ5と、を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システムの技術分野に関し、特に、リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー、及び電池クラスタの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2020年9月22日、中国政府は第75回の国連大会において、「中国は国家自主貢献力を高め、より強力な政策と措置を取り、二酸化炭素排出力が2030年前にピークに達し、2060年前にカーボンニュートラルを達成するように努力を争う」と発表した。エネルギー貯蔵技術は、この目的を達成するための重要な技術の1つであり、その中でも、リチウムイオン電池エネルギー貯蔵技術が、最も広く応用されている電気化学エネルギー貯蔵技術として注目されている。同時に、我が国は世界最大の新エネルギー自動車市場になり、2020年以降、我が国には大量のリチウムイオン動力電池が段々退役し、これらの退役電池に対して、現在、主に2つの処理方式を有し、1つ目は、廃棄することなく、ただ容量が低下して電気自動車に使用できなくなる電池について、他の分野(例えば、電気貯蔵)でカスケード利用することであり、2つ目は、廃棄された動力電池を分解し、価値のある材料を回収することである。
【0003】
退役電池も新しい電池も、健康状態、内部抵抗、自己放電などの要因による性能の不一致がある。大中型のリチウムイオン電池のエネルギー貯蔵システムは、一般的に、複数の電池クラスタが直列又は並列又は混列方式で構成され、電池クラスタが、複数の電池パックにより直列又は並列又は混列方式で構成され、電池パックが、複数の単電池により直列又は並列又は混列方式で構成されるため、単電池の性能の不一致は、必然的に電池パック、電池クラスタの不一致を招き、電池パック及び電池クラスタの性能の発揮に影響を及ぼし、深刻な場合に安全事故に繋がる可能性もある。
【0004】
新旧電池の維持交換、鉛酸電池を更迭するリチウムイオン電池の適用において、電池の種類、性能状態の不一致に起因して、既存の解決策は、電池クラスタ全体または全ての電池パックを交換しなければならず、電池の資源を非常に浪費するとともに、コストも増大する。
【0005】
多電池クラスタの並列応用において、電池クラスタの間の電池の種類、性能状態が一致しない場合、電池クラスタの間に突入電流と還流電流が発生させることを招き、厳重な場合、電池の過充電、過放電などの安全問題の発生を招き、エネルギー貯蔵システムの統合において極力避けるべきである。
【0006】
したがって、リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システムのトポロジー構造、制御方法及び制御対策などの包括的角度から、リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システムのセットコスト又は維持交換コストを如何に低減し、システム効率を高め、安全性及び信頼性を向上するかは、非常に必要となる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、従来技術に存在する上記の欠点を克服し、リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー、及び電池クラスタの制御方法を提供することにある。
本発明は、以下の態様により達成される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジーであって、前記リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジーは、P個の並列接続された電池クラスタユニット(Pは2以上の自然数)を含み、前記電池クラスタユニットは、それぞれN個の電池パック(Nは2以上の自然数)と、N個の双方向DC/DC電圧変換モジュールと、N個のバイパススイッチと、BDCM協調コントローラユニットと、回路スイッチと、接続用1次バスとから構成される。
【0009】
前記N個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端は、順次直列接続され、第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端は、1次母線の負極に接続され、第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端は、第2の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第2の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端は、第3の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第(N-1)の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端は、第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端は、回路スイッチの一端に接続され、回路スイッチの他端は、1次母線の正極に接続される。
【0010】
前記N個の電池パックはN個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの入力端に並列接続され、第1の電池パックの正極端は第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極入力端に接続され、第1の電池パックの負極端は第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極入力端に接続され、第Nの電池パックの正極端は第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極入力端に接続され、第Nの電池パックの負極端は第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極入力端に接続される。
【0011】
前記N個のバイパススイッチはN個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端に並列接続され、第1のバイパススイッチの一端は第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第1のバイパススイッチの他端は第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端に接続され、第Nのバイパススイッチの一端は第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第Nのバイパススイッチの他端は第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端に接続される。
【0012】
前記双方向DC/DC電圧変換モジュールは、電池パックの充電状態計算、健康状態推定、電池パック安全管理を行う電池管理ユニットBMUの機能を統合し、BDCM協調コントローラユニットの指令に応じて、その出力電圧を調節する。
前記バイパススイッチは、双方向DC/DC電圧変換モジュールとして機能する。
【0013】
前記BDCM協調コントローラユニットは、電池クラスタを管理し、電池クラスタの充放電管理、電池クラスタの充電状態計算、電池クラスタの安全管理、バイパススイッチOFF/ONの制御、回路スイッチOFF/ONの制御の機能を有し、且つ外部との通信および情報のやりとりを行う機能を有する。
前記電池パックは、直列接続された2つ又はそれ以上のリチウムイオン電池セルからなる。
【0014】
前記BDCM協調コントローラユニットは、双方向DC/DC電圧変換モジュール、バイパススイッチ、回路スイッチと通信バスを介して接続され、双方向DC/DC電圧変換モジュールの電池管理ユニットBMUは、電池パックの基礎管理ユニットと通信接続される。
【0015】
前記電池クラスタの制御方法は、電池クラスタ目標総電圧を計算するステップと、プロセス制御を始動するステップと、プロセス制御を停止するステップとを含んでいる。
前記電池クラスタの制御方法における電池クラスタ目標総電圧を計算するステップは、以下のとおりである。
【0016】
ステップ1:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットのN個の電池それぞれの現在の電圧を読み取り、N個の電池パックの電圧を加算して、第nの電池クラスタユニットの総電圧V_total_Nを取得し、そのうち、nは、1~Pの自然数である。
【0017】
ステップ2:各BDCM協調コントローラユニットは、対応する電池クラスタユニットの総電圧をその通信バスで放送し、各BDCM協調コントローラユニットは、該電池クラスタユニットの総電圧と他の電池クラスタユニットの総電圧とを比較し、自身が判定した電池クラスタユニットにおける電池クラスタユニット総電圧の最大値をその通信バスで放送する。
【0018】
ステップ3:各BDCM協調コントローラユニットは、通信バスで放送された電池クラスタ総電圧最大値を受信し、これらの結果と、自身が判定した電池クラスタ総電圧最大値の結果とを比較し、結果が異なれば、ステップ1に戻って再計算を行い、結果が同じであれば、電池クラスタ目標総電圧を計算し、第nの電池クラスタ目標総電圧V_target_cluster_nは、V_target_cluster_n=V_max_cluster+V_conとなり、そのうち、V_max_clusterは、全てのP個の電池クラスタユニットにおける電池クラスタ総電圧の最大値であり、nは、1~Pの自然数であり、V_conは固定制限値であり、且つV_con≦V_DC_sum-V_max_clusterを満し、そのうち、V_DC_sumは電池クラスタ総電圧の最大値となる当該電池クラスタの全ての双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧制限値の和である。
前記電池クラスタの制御方法におけるプロセス制御を始動するステップは、以下のとおりである。
【0019】
ステップ1:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの電池パックと双方向DC/DC電圧変換モジュールの、電池パックの充電状態、電池パックの電圧、電池パックの温度、双方向DC/DC電圧変換モジュールの故障情報を含む情報を読み取る。
ステップ2:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの全てのN個の電池パックの状態の一致性を判定する。
【0020】
ステップ3:第nの電池クラスタユニットの電池パック状態の一致性が要求に適合している場合、第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタの全ての双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧V_out_nを通信バスで放送し、且つV_out_n=V_target_cluster_n/mとなり、そのうち、mは、第nの電池クラスタの全ての無故障電池パックの数であり、第nの電池クラスタユニットの電池パック状態の一致性が要求に適合していない場合、第nの電池クラスタの第kの双方向DC/DC電圧変換モジュールの放電出力電圧は、下記数式1
【数1】
となり、第nの電池クラスタの第kの双方向DC/DC電圧変換モジュールの充電出力電圧は、下記数式2
【数2】
となり、そのうち、SOCnkは、第nの電池クラスタの第kの電池パックの充電比であり、mは、第nの電池クラスタの全ての無故障電池の数であり、下記数式3
【数3】
は、第nの電池クラスタのm個の無故障電池それぞれの充電比の和を表し、明らかに、m≦Pである。
【0021】
ステップ4:第nの電池クラスタのb個の双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧が限界値を超えている場合(限界値をV_out_limitと仮定する)、第n個のBDCM協調コントローラユニットは、双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧をV_out_limitとなるように制御し、第nの電池クラスタの他の全ての双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧は、V_out_n=(V_target_cluster_n-V_out_limit*b)/(m-b)となり、そのうち、mは、第nの電池クラスタの全ての無故障電池パックの数であり、bは、1~mの自然数である。
【0022】
ステップ5:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの総電圧が第nの電池クラスタ目標総電圧V_target_cluster_nに達したか否かを判断し、達していなければ、ステップ1に戻り、達していれば、充電または放電動作段階に移行する。
以上のステップ1~5において、nは1~Pの自然数であり、Pは電池クラスタの数である。
前記電池クラスタの制御方法におけるプロセス制御を停止するステップは、以下のとおりである。
【0023】
ステップ1:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの第r個の電池パックの故障、または第r個の電池パックの充電遮断状態、または第r個の電池パックの放電遮断状態、または第r個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの故障を検出した。
【0024】
ステップ2:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの第r個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力電圧をゼロに制御する。
【0025】
ステップ3:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第r個の双方向DC/DC電圧変換モジュールと並列する第nの電池クラスタユニットのバイパススイッチを閉じるように制御する。
【0026】
ステップ4:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの第r個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力をオフにするように制御する。
【0027】
ステップ5:電池クラスタ目標総電圧を計算するステップに戻って、プロセス制御を始動するステップを実行し、電池クラスタユニットの総電圧が該電池クラスタ目標総電圧に達していない場合、または電池クラスタユニットが過電流保護状態になる場合、該電池クラスタユニットの動作を停止する。
従来技術と比較して、本発明のリチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー、及び電池クラスタの制御方法は、以下の利点を有する。
【0028】
(1)電池パックの性能を十分に発揮させるのに有利である。本発明の各電池クラスタにおいて、各電池パックが、双方向DC/DC電圧変換モジュールの入力端に並列接続され、その後、双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端を介して直列に接続され、且つ各双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端にバイパススイッチが並列に接続されているため、このようなトポロジー構造は、本開示の電池クラスタの制御方法により、各電池パックの動的な管理及び制御を実現し、電池パックの性能に応じて電池パックの充電及び放電を能動的に調整して、電池パックの性能を十分に発揮できるようにし、特に一致性の低いカスケード利用電池パックに対して、より有利である。
【0029】
(2)リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システムの安全性を高めるのに有利である。本発明の各電池クラスタユニットは、並列に充電及び放電動作を行う前に、まず、電池クラスタ目標総電圧を計算し、プロセス制御を始動する過程を経て、各電池クラスタの総電圧が何れも偏差が小さい状態に達したため、電池クラスタの並列充電及び放電動作過程における偏流及び環流現象を非常に減少させることができ、安全性が向上した。また、エネルギー貯蔵システムの動作中に、いずれの電池クラスタの電池パック又は双方向DC/DC電圧変換モジュールが故障し、又は保護条件に達した場合、当該双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端に並列接続されたバイパススイッチを閉じることにより、即時に双方向DC/DC電圧変換モジュール及び電池パックの動作を停止することができ、安全性の向上に非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施例に係わる電池クラスタユニットの回路連結の概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電池クラスタの並列トポロジーの図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
本発明の一実施例は、リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジー、及び電池クラスタの制御方法を提供するものである。図1図2に示すように、当該リチウムイオン電池エネルギー貯蔵システム用の電池クラスタトポロジーは、P個(Pは2以上の自然数)の並列接続された電池クラスタユニット1を含み、前記電池クラスタユニットは、それぞれN個(Nは2以上の自然数)の電池パック11と、N個の双方向DC/DC電圧変換モジュール12と、一つのBDCM協調コントローラユニット13と、N個のバイパススイッチ14と、回路スイッチ15と、接続用1次母線16と、から構成される。
【0033】
図1に示すように、双方向DC/DC電圧変換モジュール12の出力端は、順次直列に接続され、第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端は、1次母線の負極に接続され、第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端は、第2の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第2の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端は、第3の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第(N-1)の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端は、第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端は、回路スイッチの一端に接続され、回路スイッチの他端は、1次母線の正極に接続されている。
【0034】
前記N個の電池パックはN個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの入力端に並列に接続され、第1の電池パックの正極端は第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極入力端に接続され、第1の電池パックの負極端は第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極入力端に接続され、第Nの電池パックの正極端は第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極入力端に接続され、第Nの電池パックの負極端は第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極入力端に接続されている。
【0035】
前記N個のバイパススイッチは、N個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端に並列接続され、第1のバイパススイッチの一端は、第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第1のバイパススイッチの他端は、第1の双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端に接続され、第Nのバイパススイッチの一端は、第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの負極出力端に接続され、第Nのバイパススイッチの他端は、第Nの双方向DC/DC電圧変換モジュールの正極出力端に接続されている。
【0036】
前記双方向DC/DC電圧変換モジュールは、電池パックの充電状態計算、健全性推定、電池パック安全性管理を行うことができる電池管理ユニットBMUの機能を統合し、BDCM協調コントローラユニットの命令に従ってその出力電圧を調節する。
前記バイパススイッチは、双方向DC/DC電圧変換モジュールをバイパスするように機能する。
【0037】
前記BDCM協調コントローラユニットは、電池クラスタを管理し、電池クラスタの充放電管理、電池クラスタの充電状態計算、電池クラスタの安全管理、バイパススイッチのON/OFF制御、回路スイッチのON/OFF制御の機能を有し、且つ外部との通信と情報のやり取りを行う機能を有する。
【0038】
本開示の実施例において、前記電池パックは、2つ以上のリチウムイオン電池セルが直列接続されて構成され、電池パックは、電圧サンプリング、温度サンプリング、均等化用途の基礎管理ユニットを統合している。
【0039】
前記BDCM協調コントローラユニットは、双方向DC/DC電圧変換モジュール、バイパススイッチ、回路スイッチと通信バスを介して接続され、双方向DC/DC電圧変換モジュールの電池管理ユニットBMUは、電池パックの基礎管理ユニットと通信で接続される。
【0040】
前記電池クラスタの制御方法は、電池クラスタの目標総電圧を計算するステップと、プロセス制御を始動するステップと、プロセス制御を停止するステップとを含む。
前記電池クラスタの制御方法において、電池クラスタの目標総電圧を計算するステップは、以下のとおりである。
【0041】
ステップ1:第n個のBDCM調整コントローラユニットは、第n個の電池クラスタユニットのN個の電池パックそれぞれの現在の電圧を読み取り、これらN個の電池パックの電圧を加算して、第nの電池パックユニットの総電圧V_total_nを取得し、nは1~Pの自然数である。
【0042】
ステップ2:各BDCM協調コントローラユニットは、対応する電池クラスタユニットの総電圧をその通信バスで放送し、各BDCM協調コントローラユニットは、該電池クラスタユニットの総電圧と、他の電池クラスタユニットの総電圧とを比較し、自身が判定した電池クラスタユニットにおける電池クラスタ総電圧の最大値をその通信バスで放送する。
【0043】
ステップ3:各BDCM協調コントローラユニットは、通信バスで放送された電池クラスタ総電圧の最大値を受信し、これらの結果と、自身が判定した電池クラスタ総電圧の最大値の結果とを比較し、結果が異なれば、ステップ1に戻って再計算を行い、結果が同じであれば、電池クラスタ目標総電圧を計算し、第nの電池クラスタ目標総電圧V_target_cluster_nは、V_target_cluster_n=V_max_cluster+固定制限値となり、そのうち、V_max_clusterは、全てのP個の電池クラスタユニットにおける電池クラスタ総電圧の最大値であり、固定制限値は、P個の電池クラスタ総電圧に許容されるばらつきであり、nは1~Pの自然数である。
前記電池クラスタの制御方法におけるプロセス制御を始動するステップは、以下の通りである。
【0044】
ステップ1:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの電池パックと双方向DC/DC電圧変換モジュールの、電池パックの充電状態、電池パックの電圧、電池パックの温度、双方向DC/DC電圧変換モジュールの故障情報を含む情報を読み取る。
ステップ2:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの全てのN個の電池パックの状態の一致性を判定する。
【0045】
ステップ3:第nの電池クラスタユニットの電池パックの状態の一致性が要求に適合している場合、第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタの全ての双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧V_out_nを通信バスで放送し、且つV_out_n=V_target_cluster_n/第個の電池クラスタの全ての無故障電池パックの数となる。第nの電池クラスタユニットの電池パックの状態の一致性が要求に適合していない場合、第nの電池クラスタの第kの双方向DC/DC電圧変換モジュールの放電出力電圧は、下記数式4
【数4】
であり、第nの電池クラスタの第kの双方向DC/DC電圧変換モジュールの充電出力電圧は、下記数式5
【数5】
であり、そのうち、SOCnkは、第nの電池クラスタの第kの電池パックの充電比であり、mは、第nの電池クラスタの全ての無故障電池パックの数であり、下記数式6
【数6】
は、第nの電池クラスタの全てのm個の無故障電池パックの充電比の和を表し、明らかに、m≦Pである。
【0046】
ステップ4:第nの電池クラスタのある双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力電圧が限界値を超えている場合(限界値をV_out_limitと仮定する)、第n個のBDCM協調コントローラユニットは、双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧をV_out_limitとなるように制御し、第nの電池クラスタの他の全ての双方向DC/DC電圧変換モジュール出力電圧V_out_n=(V_target_cluster_n-V_out_limit)/(第nの電池クラスタの全ての無故障電池パックの数-1)である。
【0047】
ステップ5:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの総電圧が第nの電池クラスタ目標総電圧V_target_cluster_nに達したかどうかを判断し、達していなければ、ステップ1に戻り、達していれば、充電または放電動作段階に移行する。以上のステップ1~5において、nは1~Pの自然数であり、Pは電池クラスタの数である。
前記電池クラスタの制御方法におけるプロセス制御を停止するステップは、以下の通りである。
【0048】
ステップ1:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの第r個の電池パックの故障、または第r個の電池パックの充電遮断状態、または第r個の電池パックの放電遮断状態、または第r個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの故障を検出した。
【0049】
ステップ2:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの第r個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力電圧をゼロに制御する。
【0050】
ステップ3:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第r個の双方向DC/DC電圧変換モジュールと並列する第nの電池クラスタユニットのバイパススイッチを閉じるように制御する。
【0051】
ステップ4:第n個のBDCM協調コントローラユニットは、第nの電池クラスタユニットの第r個の双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力をオフにするように制御する。
【0052】
ステップ5:電池クラスタ目標総電圧を算出するステップに戻り、プロセス制御を始動するステップを実行し、電池クラスタユニットの総電圧が該電池クラスタの目標総電圧に達していない場合、または電池クラスタユニットが過電流保護状態になる場合、電池クラスタユニットの動作を停止する。
【0053】
本発明は、電池パックの性能を十分に発揮させるのに有利である。本発明の各電池クラスタにおいて、各電池パックが、それぞれ双方向DC/DC電圧変換モジュールの入力端に並列接続され、その後、双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端を介して直列接続され、且つ各双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端にバイパススイッチが並列に接続されているため、このようなトポロジー構造は、本開示の電池クラスタの制御方法により、各電池パックの動的な管理及び制御を実現し、電池パックの性能に応じて電池パックの充電及び放電を能動的に調整して、電池パックの性能を十分に発揮できるようにし、特に一致性の低い消すケード利用電池パックに対して、より有利である。
【0054】
本発明の各電池クラスタは、各電池パックが、双方向DC/DC電圧変換モジュールの入力端に並列接続され、その後、双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端を介して直列接続され、且つ各双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端にバイパススイッチが並列接続されているため、このようなトポロジーは、本開示の電池クラスタの制御方法により、各電池パックの動的な管理及び制御を実現し、電池パックの性能に応じて電池パックの充電及び放電を能動的に調整して、電池パックの性能を十分に発揮できるようにし、特に一致性のカスケード利用電池パックに対して、より有利である。
【0055】
本発明の各電池クラスタユニットは、並列に充電及び放電動作を行う前に、まず、電池クラスタ目標総電圧を計算するステップ、プロセス制御を始動するステップを経て、各電池クラスタの総電圧が何れもばらつきが小さい状態に達したため、電池クラスタの並列の充電及び放電動作過程における偏流及び環流現象を非常に減少させることができ、安全性が向上した。また、エネルギー貯蔵システムの動作中に、いずれかの電池クラスタにおける電池パック又は双方向DC/DC電圧変換モジュールが故障したり、保護条件に達した場合、当該双方向DC/DC電圧変換モジュールの出力端に並列接続されたバイパススイッチを閉じることにより、即時に双方向DC/DC電圧変換モジュール及び電池パックの動作を停止することができ、安全性の向上に非常に有利である。
図1
図2