(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114624
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】ハイブリッド・モジュラー・マルチレベル・コンバータ(HMMC)とモジュラー・マルチレベル・コンバータ(MMC)
(51)【国際特許分類】
H02M 7/49 20070101AFI20240816BHJP
H02M 7/487 20070101ALI20240816BHJP
【FI】
H02M7/49
H02M7/487
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024007131
(22)【出願日】2024-01-22
(31)【優先権主張番号】18/167,727
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513132966
【氏名又は名称】ジーイー エナジー パワー コンバージョン テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GE Energy Power Conversion Technology Ltd.
【住所又は居所原語表記】Thomson Houston Way, Off Technology Drive, Rugby, Warwickshire, CV21 1BD
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】ツィ・ヂォゥ
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770BA01
5H770BA11
5H770CA04
5H770DA03
5H770DA23
5H770DA33
5H770DA41
5H770DA44
5H770JA10X
5H770JA18X
(57)【要約】
【課題】モジュラー・マルチレベル・コンバータ及びハイブリッド・モジュラー・マルチレベル・コンバータを提供する。
【解決手段】モジュラー・マルチレベル・コンバータ及びハイブリッド・モジュラー・マルチレベル・コンバータの各々は、サブモジュールを含む。各サブモジュールは、第1の接続部、第2の接続部、第3の接続部、及び第4の接続部を有する第1のハーフブリッジコンバータ、第2のハーフブリッジコンバータ、及びデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータを含む。第1のハーフブリッジコンバータは、第1のハーフブリッジに含まれる第1のコンデンサを介して第1及び第2の接続と相互接続され、第2のハーフブリッジコンバータは、第2のハーフブリッジに含まれる第2のコンデンサを介して第3及び第4の接続と相互接続される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ABCのN相構造を有するモジュール型マルチレベル・コンバータ(MMC)であって、
N組の同一の上側アーム及び下側アームを含み、各上側アーム及び下側アームはX個のサブモジュールで構成され、Xは整数であり、各サブモジュールは、第1の接続部を含む第1のハーフブリッジコンバータ、第2の接続部を含む第2のハーフブリッジコンバータ、及びデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータを含み、第1のハーフブリッジコンバータは、第1のハーフブリッジに含まれる第1のコンデンサを介して第1及び第2の接続部と相互接続され、第2のハーフブリッジコンバータは、第2のハーフブリッジに含まれる第2のコンデンサを介して第3及び第4の接続部と相互接続される、モジュール型マルチレベルコンバータ(MMC)。
【請求項2】
ハーフブリッジコンバータの各々は、Si IGBTで形成された2つの半導体スイッチを含む、請求項1に記載のMMC。
【請求項3】
ハーフブリッジコンバータの各々は、SiC MOSFET及び/又はGaN MOSFETで形成された2つの半導体スイッチを含む、請求項1に記載のMMC。
【請求項4】
デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータは、SiC MOSFET又はGaN MOSFETで形成された半導体スイッチを含む、請求項1に記載のMMC。
【請求項5】
中性点クランプトポロジー(NPC)又は能動中性点クランプトポロジー(ANPC)に基づくハイブリッドモジュラー型マルチレベルコンバータ(HMMC)であって、
N組の同一の上側アーム及び下側アームを含むABC N相構造を有し、各上側アーム及び下側アームは、X個のサブモジュール及びY組のスイッチから構成され、X及びYは整数であり、各サブモジュールは、第1のハーフブリッジコンバータ、第2のハーフブリッジコンバータ、及び第1の接続部、第2の接続部、第3の接続部、及び第4の接続部を含むデュアル能動ブリッジコンバータを含み、ハイブリッドモジュラー型マルチレベルコンバータ、各サブモジュールは、第1のハーフブリッジコンバータ、第2のハーフブリッジコンバータ、及び第1の接続部、第2の接続部、第3の接続部、及び第4の接続部を含むデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータから構成され、第1のハーフブリッジコンバータは、第1のハーフブリッジに含まれる第1のコンデンサを介して第1及び第2の接続部と相互接続され、第2のハーフブリッジコンバータは、第2のハーフブリッジに含まれる第2のコンデンサを介して第3及び第4の接続部と相互接続される、HMMC。
【請求項6】
各ハーフブリッジコンバータは、Si IGBTで形成された2つの半導体スイッチを含む、請求項5に記載のHMMC。
【請求項7】
各ハーフブリッジコンバータは、SiC MOSFET及び/又はGaN MOSFETで形成された2つの半導体スイッチを含む、請求項5に記載のHMMC。
【請求項8】
デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータは、SiC MOSFET又はGaN MOSFETで形成された複数の半導体スイッチを含む、請求項5に記載のHMMC。
【請求項9】
各セット内の複数のスイッチがカスケード接続され、直列に接続されている、請求項5記載のHMMC。
【請求項10】
Y組の各スイッチ内のスイッチはIGBTで形成されている、請求項5記載のHMMC。
【請求項11】
Y組の各スイッチ内のスイッチは、ダイオードで形成されている、請求項5記載のHMMC。
【請求項12】
Y組の各スイッチ内の複数のスイッチがSCRで形成されている、請求項5記載のHMMC。
【請求項13】
一組の半導体スイッチの少なくとも1つは、逆極性のIGBTで形成されている、請求項5記載のHMMC。
【請求項14】
Y組の各スイッチ内の複数のスイッチは、逆極性のIGBTで形成されている、請求項13記載のHMMC。
【請求項15】
中性点パイロットトポロジー(NPP)に基づき、ABC N相構造を有する、ハイブリッド・モジュラー・マルチレベル・コンバータ(HMMC)であって、
N組の同一の上側アーム及び下側アームを含み、各上側アーム及び下側アームは、X個のサブモジュールとY組のスイッチから構成され、X及びYは整数であり、各サブモジュールは、第1のハーフブリッジコンバータと、第2のハーフブリッジコンバータと、第1の接続部、第2の接続部、第3の接続部及び第4の接続部を含むデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータとを含み、第1のハーフブリッジコンバータは、第1のハーフブリッジに含まれる第1のコンデンサを介して第1及び第2の接続部と相互接続され、第2のハーフブリッジコンバータは、第2のハーフブリッジに含まれる第2のコンデンサを介して第3及び第4の接続部と相互接続される、HMMC。
【請求項16】
各ハーフブリッジコンバータは、Si IGBTで形成された2つの半導体スイッチを含む、請求項15に記載のHMMC。
【請求項17】
各ハーフブリッジコンバータは、SiC MOSFET及び/又はGaN MOSFETで形成された2つの半導体スイッチを含む、請求項15に記載のHMMC。
【請求項18】
デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータは、SiC MOSFET又はGaN MOSFETで形成された複数の半導体スイッチを含む、請求項15に記載のHMMC。
【請求項19】
各セット内の複数の半導体スイッチがカスケード接続され、直列に接続されている、請求項15記載のHMMC。
【請求項20】
Y組の各スイッチ内の複数のスイッチは、複数のIGBTで形成されている、請求項15記載のHMMC。
【請求項21】
Y組の各スイッチ内の複数のスイッチは、複数のダイオードで形成されている、請求項15記載のHMMC。
【請求項22】
Y組の各スイッチ内のスイッチは、複数のSCRで形成されている、請求項15記載のHMMC。
【請求項23】
一組のスイッチの少なくとも1つは、複数の逆極性のIGBTで形成されている、請求項16記載のHMMC。
【請求項24】
Y組の各スイッチ内のスイッチは、複数の逆極性のIGBTで形成されている、請求項16記載のHMMC。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、一般に、モジュラー・マルチレベル・コンバータ(MMC:modular multilevel converters)に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド・モジュラー・マルチレベル・コンバータ(HMMC:Hybrid modular multi-level converters)又はモジュラー・マルチレベル・コンバータ(MMC:modular multi-level converters)は、サブモジュール(SM:submodules)及びスイッチから構成される。
【0003】
しかし、HMMC及び従来のMMCは、それ自体ではガルバニック絶縁を内蔵していない(do not have built-in galvanic isolation:内蔵ガルバニック絶縁を有していない)。
【0004】
HMMC又はMMCは、トランスレス用途(transformerless applications)に使用することができる。
【0005】
ガルバニック絶縁を提供するために、必要なガルバニック絶縁を提供する外部標準スタンドアロン従来型基本周波数変圧器(external standard stand-alone conventional fundamental frequency transformer to provide the required galvanic isolation)を追加することが知られている。
【0006】
しかし、1つの欠点は、そのような変圧器を追加すると、サイズが大きくなり、重量が重くなる傾向があり、したがって、HMMC又はMMCとそのような変圧器とを含む電力システム全体の電力密度(lower power density)が低くなることである。
【0007】
定置ユーティリティ(stationary utility)又は電力網(electric power grid)の用途では、体積が大きく重量が重いことは問題ではないかもしれない。しかし、動力用途(例えば、海洋推進:marine propulsion)では、コストに加えて、体積、重量、及び出力密度が重要な要件となる。
【発明の概要】
【0008】
前述の欠陥(foregoing deficiencies)を考慮すると、従来のガルバニック絶縁MMC又はHMMCソリューション(traditional galvanic isolated MMC or HMMC solutions)と比較して、フットプリント/体積、重量、及びコスト(footprint/volume, weight, and costs)を低減するためのMMC又はHMMCのシステム及び方法が必要である。このような方法及びシステムは、HMMC及びMMCのモジュール性、拡張性、及び電力品質性能(modularity, scalability, and power quality performance)を維持すべきである。
【0009】
特定の状況において、実施形態は、ABC N相構造(ABC N-phase structure)を有するモジュール式マルチレベル・コンバータ(MMC)を含む。
【0010】
MMCは、N組の同一の上側アーム及び下側アーム(N pairs of identical upper and lower arms)を含み、上側アーム及び下側アームのそれぞれは、X個のサブモジュールから構成される(composed of X submodules)。
【0011】
各サブモジュールは、第1のハーフブリッジコンバータ、第2のハーフブリッジコンバータ、及び第1の接続、第2の接続、第3の接続、及び第4の接続を含むデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ(dual active bridge converter)から構成される。
【0012】
第1のハーフブリッジコンバータは、第1のハーフブリッジに含まれる第1のコンデンサを介して第1及び第2の接続部と相互接続され、第2のハーフブリッジコンバータは、第2のハーフブリッジに含まれる第2のコンデンサを介して第3及び第4の接続部と相互接続される。
【0013】
別の実施形態は、中性点クランプ形ポロジー(NPC:neutral point clamped topology)又は能動中性点クランプ形ポロジー(ANPC:」active neutral point clamped topology)に基づき、ABC N相構造(ABC N-phase structure)を有するハイブリッド・モジュラー・マルチレベル・コンバータ(HMMC:hybrid modular multilevel converter)を含む。
【0014】
HMMCは、N組の同一の上側アーム及び下側アーム(N pairs of identical upper and lower arms)を含み、各上側アーム及び下側アームは、X組のサブモジュール及びY組のスイッチから構成される。
【0015】
各サブモジュールは、第1のハーフブリッジコンバータ、第2のハーフブリッジコンバータ、及び第1の接続、第2の接続、第3の接続、及び第4の接続を含むデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ(dual active bridge converter)から構成される。
【0016】
第1のハーフブリッジコンバータは、第1のハーフブリッジに含まれる第1のコンデンサを介して第1及び第2の接続部と相互接続され、第2のハーフブリッジコンバータは、第2のハーフブリッジに含まれる第2のコンデンサを介して第3及び第4の接続部と相互接続される。
【0017】
別の実施形態は、中性点パイロットトポロジー(NPP:neutral point pilot topology)に基づき、ABC N相構造(ABC N-phase structure)を有するハイブリッド・モジュラー・マルチレベル・コンバータ(HMMC:hybrid modular multilevel converter)を含む。
【0018】
HMMCは、N組の同一の上側アーム及び下側アーム(N pairs of identical upper and lower arms)を含み、各上側アーム及び下側アームは、X個のサブモジュール及びY組のスイッチ(X submodules and Y sets of switches)から構成される。
【0019】
各サブモジュールは、第1のハーフブリッジコンバータ、第2のハーフブリッジコンバータ、及び第1の接続、第2の接続、第3の接続、及び第4の接続を含むデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ(dual active bridge converter)から構成される。
【0020】
第1のハーフブリッジコンバータは、第1のハーフブリッジに含まれる第1のコンデンサを介して第1及び第2の接続部と相互接続され、第2のハーフブリッジコンバータは、第2のハーフブリッジに含まれる第2のコンデンサを介して第3及び第4の接続部と相互接続される。
【0021】
複数の実施形態では、必要なガルバニック絶縁を提供するための外部標準スタンドアロン従来型基本周波数変圧器(external standard stand-alone conventional fundamental frequency transformers)に関連するHMMC又はMMCの体積が大きく、重量が重く、コストが高いという課題を克服する。
【0022】
様々な実施形態の追加の特徴、動作モード、利点、及び他の態様(modes of operations, advantages, and other aspects)を、添付の図面を参照して以下に説明する。本開示は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。これらの実施形態は、例示のみを目的として提示されている。追加の実施形態、又は開示された実施形態の改変は、提供された教示に基づいて、関連技術の当業者には容易に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
例示的な実施形態は、様々な構成要素及び構成要素の配置において形態をとることができる。例示的な実施形態は、添付の図面に示されており、全体を通して、同様の参照数字は、様々な図面において対応する又は同様の部分を示す場合がある。図面は、実施形態を説明するためのものであり、本開示を限定するものとして解釈されるものではない。以下の可能な図面の説明を考慮すれば、本開示の新規な態様は、関連する技術分野における通常の技術者に明らかになるはずである。
【
図1】本開示の実施形態に従って電力変換を実行するための例示的なシステムのブロック図を示す。
【
図2】実施形態による例示的なSMのブロック図を示す。
【
図3A】実施形態による、シリコン(Si)絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を有する例示的なハイブリッド半導体スイッチのブロック図を示す。
【
図3B】実施形態による、炭化ケイ素(SiC)金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を有する例示的なハイブリッド半導体スイッチのブロック図を示す。
【
図3C】実施形態に従った、シリコン制御整流器(SCR)及び逆並列ダイオードを 有する例示的なハイブリッド半導体スイッチのブロック図を示す。
【
図3D】実施形態による、シリコン制御整流器(SCR)及び反平行同一SCRを有する例示的なハイブリッド半導体スイッチのブロック図を示す。
【
図4】実施形態による例示的なデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータのブロック図を示す。
【
図6A】本開示の様々な実施形態による3レベルANPC HMMCのブロック図を示す。
【
図6B】本開示の様々な実施形態による3レベルANPC HMMCのブロック図を示す。
【
図6C】本開示の様々な実施形態による3レベルANPC HMMCのブロック図を示す。
【
図7A】実施形態による、逆極性アンチブロッキングスイッチを使用する3レベルANPCベースのHMMCのブロック図を示す。
【
図7B】実施形態による、逆極性アンチブロッキングスイッチを使用する3レベルNPCベースHMMCのブロック図を示す。
【
図7C】実施形態による3レベルNPCベースのHMMCのブロック図を示す。
【
図8A】実施形態による、3レベルNPPベースのHMMCのブロック図を示す。
【
図8B】実施形態による、各相アームブランチにおいてアンチブロッキングスイッチを使用する、3レベルNPPベースのHMMCのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
例示的な実施形態は、特定の用途のために本明細書に記載されているが、本開示はそれに限定されないことが理解されるべきである。当業者であって、本明細書で提供される教示にアクセスできる者は、その範囲内の追加の用途、変更、及び実施形態、ならびに本開示が重要な有用性を有するであろう追加の分野を認識するであろう。
【0025】
図1は、電力を変換するためのシステム100を含む。一実施形態では、システム100は、ソース102、電力コンバータ104、及びソース/負荷106を含む。本明細書で使用するソースという用語は、再生可能電源、非再生可能電源、発電機、グリッド、燃料電池、エネルギー貯蔵(放電時)など(a renewable power source, a non-renewable power source, a generator, a grid, a fuel cell, an energy storage (when discharged), and the like)を指す。また、本明細書で使用する負荷という用語は、モータ、電気器具、エネルギー貯蔵(再充電時)など(a motor, an electrical appliance, an energy storage (when re-charged) and the like)を指す場合がある。
【0026】
さらに、電力コンバータ104は、マルチレベルコンバータであってもよい。一実施形態では、ソース102は、電力コンバータ104の第1の端子(図示せず)に動作可能に結合され得る。電力コンバータ104の第2の端子(図示せず)は、ソース/負荷(source/load)106に動作可能に結合されてもよい。第1の端子及び第2の端子は、電力コンバータ104の入力端子又は出力端子として交互に採用されてもよい。
【0027】
システム100は、コントローラ108をさらに含む。コントローラ108は、実施形態に係る電力コンバータ104の動作を制御するように構成される。例示に過ぎず、限定するものではないが、コントローラ108は、電力コンバータ104内の複数の半導体スイッチ及びサブモジュール(SM:submodules)のスイッチングを制御することによって、電力コンバータ104の動作を制御するように構成され得る。
【0028】
背景として、上述したように、2レベルコンバータは、MMCの基本的な構成要素(fundamental component )である。
【0029】
図2は、実施形態による例示的なSM200のブロック図である。
図2の例示的なSM200は、2つの端子201、202、半導体スイッチ203、204、205、206、2つの平滑コンデンサ(smoothing capacitors)207、208、及びデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ(dual active bridge converter)209を含む。
【0030】
各半導体スイッチ203、204、205、206は、第1の接続部203a、204a、205a、206a、第2の接続部203b、204b、205b、206b、及び第3の接続部203c、204c、205c、206cを含む。
【0031】
デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209は、第1の接続部209a、第2の接続部209b、第3の接続部209c及び第4の接続部209dを含む。
【0032】
第1の半導体スイッチ203の第1の接続部203aは、第1の平滑コンデンサ207の第1の端部及びデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209の第1の接続部209aに接続される。
【0033】
第1の半導体スイッチ203の第2の接続部203b及び第2の半導体スイッチ204の第1の接続部204aは、SM200の第1の端子201に接続される。
【0034】
第2の半導体スイッチ204の第2の接続部204bは、第1の平滑コンデンサ207の第2の端部及びデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209の第2の接続部209bに接続される。
【0035】
第1の半導体スイッチ203、第2の半導体スイッチ204、及び第1の平滑コンデンサ207は、第1のハーフブリッジコンバータ210aを形成する。
【0036】
第3の半導体スイッチ205の第1の接続部205aは、第2の平滑コンデンサ208の第1の端部及びデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209の第3の接続部209cに接続される。
【0037】
第3の半導体スイッチ205の第2の接続部205b及び第4の半導体スイッチ206の第1の接続部206aは、SM200の第2の端子202に接続される。
【0038】
第4の半導体スイッチ206の第2の接続部206bは、第2の平滑コンデンサ208の第2の端部及びデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209の第4の接続部209dに接続される。
【0039】
第3の半導体スイッチ205、第4の半導体スイッチ206、及び第2の平滑コンデンサ208は、第2のハーフブリッジコンバータ211aを形成する。
【0040】
半導体スイッチ203、204、205、206の第3の接続部203c、204c、205c、206cは、コントローラ108に接続される。
【0041】
図3Aは、シリコン(Si)IGBT及びパワーダイオードに基づく例示的な半導体スイッチ203、204、205、206のブロック図である。
【0042】
各半導体スイッチ203、204、205、206は、パワーダイオード210及び絶縁ゲートバイポーラトランジスタIGBT(insulated gate bipolar transistor IGBT)211を含む。
【0043】
トランジスタ211のドレイン及びパワーダイオード210のカソードは、制御可能スイッチ203、204、205、206の第1の端部203a、204a、205a、206aに接続される。
【0044】
トランジスタ211のソース及びパワーダイオード210のアノードは、半導体スイッチ203、204、205、206の第2の端部203b、204b、205b、206bに接続される。
【0045】
トランジスタ211のゲートは、半導体スイッチ203、204、205、206の第3の接続部203c、204c、205c、206cに接続される。
【0046】
図3Bは、炭化ケイ素(SiC:silicon carbide)MOSFETに基づく別の例示的な半導体スイッチ203、204、205、206のブロック図である。
【0047】
各半導体スイッチ203、204、205、206は、パワーダイオード212及びSiC MOSFET213から構成される。
【0048】
トランジスタ213のドレイン及びパワーダイオード212のカソードは、制御可能スイッチ203、204、205、206の第1の端部203a、204a、205a、206aに接続される。
【0049】
トランジスタ213のソース及びパワーダイオード212のアノードは、半導体スイッチ203、204、205、206の第2の端部203b、204b、205b、206bに接続される。
【0050】
トランジスタ213のゲートは、半導体スイッチ203、204、205、206の第3の接続部203c、204c、205c、206cに接続される。
【0051】
変形例では、半導体スイッチ203、204、205、206は、電界効果トランジスタ(FET:field effect transistors)、注入促進ゲートトランジスタ(IEGT:injection enhanced gate transistors)、窒化ガリウム(gallium nitride)ベースのスイッチ、ガリウムヒ素(gallium arsenide)ベースのスイッチ、又はそれらの等価物で形成され得る。
【0052】
図3Cは、シリコン制御整流器(SCR:silicon controlled rectifiers)及び逆並列ダイオード(antiparallel diodes)を有する別の例示的な半導体スイッチ203、204、205、206のブロック図である。
【0053】
各半導体スイッチ203、204、205、206は、逆並列ダイオード300とシリコン制御整流器301とを含む。
【0054】
逆並列ダイオード300のカソード及びシリコン制御整流器301のアノードは、制御可能スイッチ203、204、205、206の第1の端部203a、204a、205a、206aに接続される。
【0055】
逆並列ダイオード300のアノード及びシリコン制御整流器301のカソードは、半導体スイッチ203、204、205、206の第2の端部203b、204b、205b、206bに接続される。
【0056】
シリコン制御整流器301のゲートは、半導体スイッチ203、204、205、206の第3の接続部203c、204c、205c、206cに接続される。
【0057】
図3Dは、実施形態に従った、シリコン制御整流器(SCR:silicon controlled rectifiers)及び逆並列同一SCR(antiparallel identical SCRs)を有する別の例示的なハイブリッド半導体スイッチ203、204、205、206のブロック図である。
【0058】
各半導体スイッチ203、204、205、206は、シリコン制御整流器302と、シリコン制御整流器302と同一の逆並列シリコン制御整流器303とを含む。
【0059】
シリコン制御整流器302のアノード及び逆並列シリコン制御整流器303のカソードは、制御可能スイッチ203、204、205、206の第1の端部203a、204a、205a、206aに接続される。
【0060】
シリコン制御整流器302のカソード及び逆並列シリコン制御整流器303のアノードは、制御可能スイッチ203、204、205、206の第2の端部203b、204b、205b、206bに接続される。
【0061】
シリコン制御整流器302のゲートは、半導体スイッチ203、204、205、206の第3の接続部203c、204c、205c、206cに接続される。
【0062】
逆並列シリコン制御整流器303のゲートは、コントローラ108に接続される。
【0063】
図4は、例示的なデュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209のブロック図である。
【0064】
デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209は、8個の半導体スイッチ401、402、403、404、405、406、407、408と、一次回路(primary circuit)409aと二次回路(secondary circuit)409bとを含む高周波トランス(high frequency transformer:高周波変圧器)409とを含む。
【0065】
第1及び第2の半導体スイッチ401、402は第1のレグ(first leg)を形成し、第3及び第4の半導体スイッチ403、404は第2のレグを形成し、第5及び第6の半導体スイッチ405、406は第3のレグを形成し、第7及び第8の半導体スイッチ407、408は第4のレグを形成する。
【0066】
第1及び第2のレグは、デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209の第1の接続部209aと第2の接続部209bとの間に延び、一次回路409aの異なる端部(different end)に接続される。
【0067】
第3及び第4のレグは、デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209の第3の接続部209cと第4の接続部209dとの間に延び、二次回路409bの異なる端部に接続される。
【0068】
デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209は、2つのコンデンサ410、411をさらに含み得る。
【0069】
それぞれの半導体スイッチ401、402、403、404、405、406、407、408は、第1の接続部401a、402a、403a、404a、405a、406a、407a、408a、第2の接続部401b、402b、403b、404b、405b、406b、407b、408b、第3の接続部401c、402c、403c、404c、405c、406c、407c、408c、パワーダイオード412、SiC MOSFET413を含む。
【0070】
トランジスタ413のドレイン及びパワーダイオード412のカソードは、制御可能スイッチ401、402、403、404、405、406、407、408の第1の接続部401a、402a、403a、404a、405a、406a、407a、408aに接続される。
【0071】
トランジスタ413のソース及びパワーダイオード412のアノードは、半導体スイッチ401、402、403、404、405、406、407、408の第2の接続部401b、402b、403b、405b、406b、407b、408bに接続される。
【0072】
トランジスタ413のゲートは、半導体スイッチ401、402、403、404、405、406、407、408の第3の接続部401b、402b、403b、404b、405b、406b、407b、408bに接続される。
【0073】
変形例では、半導体スイッチ401、402、403、404、405、406、407、408は、電界効果トランジスタ(FET:field effect transistors)、注入促進ゲートトランジスタ(IEGT:injection enhanced gate transistors)、窒化ガリウムベースのスイッチ、ガリウムヒ素ベースのスイッチ、又はそれらの等価物で形成され得る。
【0074】
第1及び第3の半導体スイッチ401、403の第1の接続部401a、403aは、デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209の第1の接続部209aに接続される。
【0075】
第2及び第4の半導体スイッチ402、404の第2の接続部402a、404aは、デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209の第2の接続部209bに接続される。
【0076】
第1の半導体スイッチ401の第2の接続部401b及び第2の半導体スイッチ402の第1の接続部402aは、一次回路409aの第1の接続部に接続される。
【0077】
第3の半導体スイッチ403の第2の接続部403b及び第4の半導体スイッチ404の第1の接続部404aは、第1のコンデンサ410を介して一次回路409aの第2の接続部に接続される。
【0078】
第5及び第7の半導体スイッチ405、407の第1の接続部405a、407aは、デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209の第3の接続部209cに接続される。
【0079】
第6及び8半導体スイッチ406、408の第2の接続部406b、408bは、デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209の第4の接続部209dに接続される。
【0080】
第7の半導体スイッチ407の第2の接続部407b及び第8の半導体スイッチ408の第1の接続部408aは、二次回路409bの第1の接続部に接続される。
【0081】
第5の半導体スイッチ405の第2の接続部405b及び第6の半導体スイッチ406の第1の接続部406aは、第2のコンデンサ411を介して2次回路409bの第2の接続部に接続される。
【0082】
各サブモジュールは、当該サブモジュールがガルバニック絶縁機能を備える(equipped with galvanic isolation functionality)ように、デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209を含む。
【0083】
以下に表されるように、前記サブモジュールは、MMC、(A)NPCベース及びNPPベースのHMMC(MMCs, (A)NPC-based and NPP-based HMMCs)に実装され得る。
【0084】
図2~4に描かれているSMの様々な組合せを直列に接続して、従来のMMCにおいて任意の望ましい数の変換レベル(any desirable number of conversion levels)を生成することができる。
【0085】
図5は、直列に接続された複数のSM200を使用する、説明されるようなMMC500のブロック図である。
【0086】
図5において、MMC500は、それぞれ正及び負のDC電圧レール(positive and negative DC voltage rails)502及び504を含むABC3相構造を有する。正及び負レール502及び504は、DC端子(DC terminals)505を形成する。3相(A、B、C)の各々は、位相レグ(phase legs)506、508、510のうちの1つに対応する。位相レグ506、508、510は、それぞれ交流端子512A、512B、512Cに接続されている。
【0087】
一例として、位相レグ510は、上側アーム516A及び同一の下側アーム516Bを含む。
図5の例では、上側アーム及び下側アーム(516A及び516B)は、AC端子512Cに1つのリードで一緒に接続され、それぞれ電流抑制のためのアームインダクタ(arm inductors)518A及び518Bを含む。上側アーム516Aと下側アーム516Bは、対向するリード(opposing leads)で、それぞれ正レール502と負レール504に接続されている。
【0088】
位相レグ510に関する説明(discussion)は、位相レグ506及び508にも同様に適用される。各位相レグ506、508、及び510の上側アーム及び下側アームは、直列に接続された2レベルサブモジュール(2-level submodules)SM1~SMnを含む。各2レベルサブモジュールSM1~SMnは、
図2に示されるサブモジュール200である。
【0089】
デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209を使用してガルバニック絶縁を内蔵したサブモジュールを含むMMC500コンバータは、従来技術から知られている独立型変圧器(stand-alone transformer)及びMMCコンバータ(MMC converter)を含むシステムとしてより高い電力密度を有し、よりコンパクトである。
【0090】
さらに、内蔵されたガルバニック絶縁(built-in galvanic isolation)は、軍/海軍用途(military/Navy applications)などの特定の用途に必要とされる可能性がある故障処理及び保護(fault-handling and protection)のための追加機能を提供する。デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209を使用するガルバニック絶縁を内蔵したサブモジュールは、DC側又はAC側で障害が検出されると、DC端子505で構成されるDC側を、AC端子512A、512B、及び512Cで構成されるAC側から絶縁する。
【0091】
図6A~6Cは、アクティブ中性点クランプトポロジー(ANPC:active neutral point clamped topology)に基づくHMMCとも呼ばれるSM200を含む3レベルアクティブ中性点クランプ(ANPC:3-level active neutral-point clamped)コンバータ600の実施形態を示す。
【0092】
デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209を使用してガルバニック絶縁を内蔵したサブモジュールを含む開示されたANPC HMMCコンバータ(ANPC HMMC converters)は、先行技術から知られているスタンドアロン変圧器及びHMMCコンバータを含むシステムとしてより高い電力密度を有し、よりコンパクトである。
【0093】
さらに、内蔵されたガルバニック絶縁は、軍事/海軍用途などの特定の用途に必要とされる可能性のある故障処理及び保護のための追加機能を提供する。
【0094】
図6Aは、SM200の第1の端子201が別の隣接するSM200の第2の端子202に接続されるように直列に接続された複数のSM200を使用する、3レベル能動中性点クランプ(ANPC:active neutral-point clamped)コンバータ600の第1の実施形態のブロック図である。
【0095】
ANPCコンバータ600は、それぞれ正及び負のDC電圧レール602及び604を含むABC3相構造を含む。正レール602及び負レール604は、DC端子606を形成する。3相(A、B、C)の各々は、対応する位相レグ608、610、612を含む。位相レグ608、610、612はそれぞれAC端子614A、614B、614Cに接続され、AC側616を形成する。ANPCコンバータ600は、DC中点ノード(DC midpoint node)620を含む。
【0096】
位相レグ608は、それぞれアームインダクタ619A及び619Bとともに、上側アーム618A及び下側アーム618Bを含む。一例として、上側アーム618Aは、1つのスイッチ622Aと、中点ノード620を能動的に制御して接続するための別のスイッチ624Aとを含む。また、第3のスイッチ626Aも含まれる。上側アーム618Aと対称である下側アーム618Bは、スイッチ622B、624B、626Bを含む。
【0097】
スイッチ622A及び624Aは、
図3A、3B、3C、又は3Dに示されるような半導体スイッチを含み得る。
【0098】
位相レグ608の上側アーム618Aのスイッチ626Aは、SM1-A及びSM2-Aを含む複数のSMを含む。
【0099】
2レベルのサブモジュールSM1-A及びSM2-Aの各々は、
図2に示されるサブモジュール200である。
【0100】
同様に、位相レグ608の下側アーム618Bのスイッチ626Bは、SM1-B及びSM2-Bを含む複数のSMを含む。
【0101】
残りの位相レグ610及び612は、位相レグ608と対称(symmetrical to)であり、位相レグ608と同じ配置(same arrangement)を含む。
【0102】
モジュール性の均一性の目的(purposes of modularity uniformity)のために、複数のSM626A内のSM1-A及びSM2-Aのような配置内のSMは、典型的には、実質的に等しい値である。しかしながら、特定の実施形態では、SM1-A及びSM2-A、又は同様の配置内の他のSMが、不均等な(例えば、混合された:mixed)値(values)であることが必要とされる場合がある。
【0103】
サブモジュールSMは、DC側又はAC側で故障が検出されると、DC端子606を含むDC側をAC側616から絶縁する。
【0104】
図6Bは、HMMC ANPC600の第2の実施形態を示す。
【0105】
HMMCANPC600の第2の実施形態は、スイッチ626A及び626Bが、
図3A、
図3B、
図3C、又は
図3Dに図示されるような半導体スイッチを含むことができ、位相レグ608の上側アーム618Aのスイッチ624Aが、SM1-A及びSM2-Aを含む複数のSMで置き換えられる点で、HMMCANPC600の第1の実施形態と異なる。同様に、下側アーム618Bは、スイッチ624BをSM1-B及びSM2-Bを含む複数のSMに置き換える。
【0106】
残りの位相レグ610及び612は、位相レグ608と対称であり、個々のスイッチとサブモジュールとの対応する置き換え(corresponding replacement)を反映する。
【0107】
図6Cは、HMMC ANPC600の第3の実施形態を示す。
【0108】
HMMCANPC600の第3の実施形態は、スイッチ626A及び626Bが、
図3A、3B、3C又は3Dに図示されるような半導体スイッチを含むことができる点で、HMMCANPC600の第1の実施形態と異なる。位相レグ608の上側アーム618Aのスイッチ622Aは、SM1-A及びSM2-Aを含む複数のSMに置き換えられる。同様に、下側アーム618Bは、スイッチ622BをSM1-B及びSM2-Bを含む複数のSMに置き換える。
【0109】
残りの位相レグ610及び612は、位相レグ608に対して対称であり、個々のスイッチとサブモジュールとの対応する置き換えを反映する。
【0110】
図7Aは、本開示のさらに別の実施形態のブロック図を示す。
図7Aにおいて、3レベルANPC HMMC700は、
図6Aのスイッチ622A、624A、及び626Aのうちの1つなどの単一のスイッチを、直列に接続され、逆極性(opposite polarity)の2つのアンチブロッキングスイッチ(two anti-blocking switches)で置き換える。例えば、ANPC HMMC700は、直列に接続された逆極性であるスイッチ702A及び702Bのアンチブロッキングペア702を含み、スイッチ624Aはスイッチ704によって置き換えられ、スイッチ626Aはスイッチ707によって置き換えられる。スイッチ704は、
図3A、
図3B、
図3C、又は
図3Dに示されるような半導体スイッチを含むことができる。スイッチ704は、
図2に例示したSM200を含む複数のSMを含む。スイッチ707は、
図3A、
図3B、
図3C、又は
図3Dに示されるような複数の半導体スイッチを含んでもよい。
【0111】
この構成の利点は、逆極性(opposite polarity)であるスイッチ702A及び702Bが、AC側705からのより高い電圧がDC側706のDCリンクにフィードバックするのを遮断することによって、短絡絶縁保護(short circuit isolation protection)を提供することである。一例として、HMMC700は、中性点(neutral point)708に接続するための半導体モジュール707(各相アームに)を含む。
図7Aでは、半導体モジュール707は、必要に応じて中性点708に能動的に接続する能動スイッチとして機能するIGBTである。
【0112】
図7Bは、実施形態による、逆極性アンチブロッキングスイッチを使用する3レベルNPCベースのHMMC701のブロック図を示す。HMMC701は、中性点708に接続するための半導体モジュールとして受動ダイオード(passive diode)709(各位相アームにおいて)を使用することによって、
図7AのHMMC700とは異なる。
【0113】
図7Cは、直列で同じ極性を有するIGBT、SCR、又はダイオードスイッチとして実装されたスイッチ710(各位相アームにおいて)を含む、3レベルNPCベースのHMMC703のブロック図を示す。
【0114】
サブモジュールSMは、DC側又はAC側で故障が検出されると、DC側706をAC側705から絶縁する。
【0115】
NPPの概念を紹介し、NPPの概念に焦点を当てることによって、
図8Aは、本開示のさらなる実施形態のブロック図を示す。NPP HMMC810を使用する
図8Aの実施形態は、
図7AのANPC HMMC700と同様の分離機能(similar isolation functionality)を提供する。例えば、NPP HMMC810は、実施形態に従って、逆極性であり直列に接続されたスイッチ814A及び814Bのアンチブロッキングペア814を含む。
図7AのANPCコンバータ700において実現されるように、NPP HMMC810はまた、AC側806からのより高い電圧がDCリンク中性点にフィードバックされるのを遮断するように構成される。スイッチ812は、
図2に図示されたSM200を含む複数のSMを含む。
【0116】
図8Bは、
図8AのNPPコンバータ810と類似点を共有する3レベルNPP HMMC830の詳細ブロック図を示す。しかしながら、以下でより詳細に説明されるように、NPP HMMC830は、位相アームの両方のブランチ(both branches)上にアンチブロッキングペアのスイッチを提供する。したがって、アンチブロッキングスイッチを使用することにより、NPP HMMC830は、DCリンクの短絡のブロッキングも提供する。
【0117】
限定ではなく便宜上、アンチブロッキングスイッチは、
図7A~7B及び
図8A~8Bにのみ図示されている。しかしながら、AC側からのより高い電圧がDCリンクにフィードバックされるのを防止するためにアンチブロッキングスイッチを使用するという概念は、
図6A~6Cの例示的な実施形態にも同様に適用されることに留意されたい。
【0118】
図8Bの例示的なHMMC830は、正側831及び負側832のDC電圧レールを含む。AC側833は、AC相A、B、及びCにそれぞれ対応するAC出力端子834A、834B、及び834Cを含む。AC位相レグ836、838、840もそれぞれAC相A、B、Cに対応し、中性点(neutral point)842に電気的に結合されている。HMMC830のABC構造は3つのAC相を示しているが、実施形態は、(N)個のAC相を含むシステムに適用することができる。
【0119】
位相レグ836、838、及び840は、正レール831及び負レール832の間に接続される。位相レグ836、838、及び840の各々は、上側アーム及び下側アームを含む。例えば、位相レグ836は、上側アーム844Aと下側アーム844Bとを含む。以下の説明では、上側アーム844Aに焦点を当てるが、説明する概念は、下側アーム844B、ならびに位相レグ838及び840の上側アーム及び下側アームにも同様に適用される。
【0120】
HMMC830は、DCリンクコンデンサC1及びC2を含む。コンデンサC1及びC2のそれぞれのリード線は、一緒に接続され、中性点842に接続される。コンデンサC1及びC2の反対側のリード線は、それぞれ、正レール(positive rail)831及び負レール832に接続される。
【0121】
図8Bに描かれているように、上側アーム844Aは、カスケード接続され、好ましくは逆極性で直列接続された半導体スイッチ846の第1の組を含む。スイッチ対(switch pair:スイッチペア)846の一方のリードはAC電圧端子834Aに結合され、他方のリードは中性点842に接続される。上側アーム844Aはまた、反対の極性で描かれた第2の組の半導体スイッチ848を含む。半導体スイッチ848は逆極性で示されているが、実施形態はそれほど限定されない。スイッチ対848の開放リード(open lead)は、正レール831に結合される。
【0122】
上側アーム844Aはまた、複数の直列接続されたSM850を含み、したがって、HMMC位相レグの上側アーム及び下側アーム内にSM及び半導体スイッチの混合のハイブリッドアプローチを導入する。SMs850は、
図2に示されるSMs200を含む。直列接続されたSM850の一方のリードはスイッチペア848のリードに結合され、他方のリードはアームインダクタ854に結合される。アームインダクタ854の他方のリードは、AC端子834Aに結合されている。
【0123】
開示された、デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ209を使用してガルバニック絶縁を内蔵したサブモジュールを構成するNPP HMMCコンバータは、より高い電力密度を有し、先行技術から公知のスタンドアロン変圧器及びHMMCコンバータを含むシステムとしてよりもコンパクトである。
【0124】
さらに、内蔵のガルバニック絶縁は、軍用/海軍用途などの特定の用途に必要とされる可能性がある故障処理及び保護のための追加機能を提供する。サブモジュールSMは、DC側又はAC側で障害が検出されると、DC側をAC側から絶縁する。
【0125】
本開示の様々な実施形態は、真に可変のDCリンク電圧レベル(truly variable DC link voltage levels)、特にAC側の電圧よりも低いレベルを可能にする。
【0126】
本開示のHMMCの様々な実施形態は、DCリンク電圧が可変であり、AC入力電圧よりも低いことを必要とする用途、例えば、ACモータ駆動/インバータとインターフェースするアクティブフロントエンド(AFE:active front end)コンバータの場合によく適している。
【0127】
各AC端子におけるピーク又は最大位相-ニュートラル電圧値(peak or maximum phase to neutral voltage values)は、DCリンク電圧値よりも低くても高くてもよい。
【0128】
本明細書における説明は、当業者が本開示を製造又は使用できるようにするために提供される。本開示の様々な修正は当業者には明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形例に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書に記載された実施例及び設計に限定されるものではなく、本明細書に開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられる。
【符号の説明】
【0129】
100:システム 102:ソース 104:電力コンバータ 106:ソース/負荷 108:コントローラ 200:サブモジュール(SM) 201:第1の端子 202:第2の端子 203、204、205、206:半導体スイッチ 203a、204a、205a、206a:第1の接続部 203b、204b、205b、206b:第2の接続部 203c、204c、205c、206c:第3の接続部 207、208:平滑コンデンサ 209:デュアル・アクティブ・ブリッジ・コンバータ 209a:第1の接続部 209b:第2の接続部 209c:第3の接続部 209d:第4の接続部 210:パワーダイオード 210a:第1のハーフブリッジコンバータ 211:絶縁ゲートバイポーラトランジスタIGBT 211a:第2のハーフブリッジコンバータ 212:パワーダイオード 213:SiC MOSFET 300:逆並列ダイオード 301:シリコン制御整流器 302:シリコン制御整流器 303:逆並列シリコン制御整流器 401、402、403、404、405、406、407、408:半導体スイッチ 401a、402a、403a、404a、405a、406a、407a、408a:第1の接続部 401b、402b、403b、404b、405b、406b、407b、408b:第2の接続部 401c、402c、403c、404c、405c、406c、407c、408c:第3の接続部 409:高周波トランス 409a:一次回路 409b:二次回路 410、411:コンデンサ 412:パワーダイオード 413:SiC MOSFET 500:MMC 502、602:正のDC電圧レール 504、604:負のDC電圧レール 505、606:DC端子 506、508、510:位相レグ 512A、512B、512C:交流端子 516A、618A:上側アーム 516B、618B:下側アーム 518A、518B:アームインダクタ 600:3レベルアクティブ中性点クランプコンバータ/HMMC ANPC 608、610、612:位相レグ 614A、614B、614C:AC端子 616:AC側 619A、619B:アームインダクタ 620:DC中点ノード 622A、624A、626A、622B、624B、626B:スイッチ 626:SM 700:3レベルANPC HMMC 701、703:HMMC 702:アンチブロッキングペア 702A、702B:スイッチ 704、707、710:スイッチ 705:AC側 706:DC側 707:半導体モジュール 708:中性点 709:受動ダイオード 806:AC側 810:NPP HMMC 812:スイッチ 814:アンチブロッキングペア 814A、814B:スイッチ 830:3レベルNPP HMMC 831:正側DC電圧レール 832:負側DC電圧レール 833:AC側 836、838、840:位相レグ 834A:AC電圧端子 842:中性点 844A:上側アーム 844B:下側アーム 846、848:半導体スイッチペア 850:SM 854:アームインダクタ
【外国語明細書】