(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114636
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】内視鏡アセンブリ、内視鏡カメラアセンブリおよび内視鏡装置
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20240816BHJP
A61B 1/04 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
A61B1/00 654
A61B1/04 540
A61B1/00 711
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024014219
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】23461515
(32)【優先日】2023-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】520339806
【氏名又は名称】ラパロ エスペー・ゾオ
【氏名又は名称原語表記】LAPARO SP. Z O.O.
【住所又は居所原語表記】ul. Wilcza 25c Wroclaw Republic of Poland
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】ノヴォシェルスキ ラドスワフ
(72)【発明者】
【氏名】ペルチャク ヤロスワフ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA24
4C161CC06
4C161DD01
4C161FF02
4C161FF11
4C161GG13
4C161JJ08
4C161JJ11
4C161LL01
(57)【要約】
【課題】カメラの鮮明度のパラメータおよびカメラに対する内視鏡の回転のパラメータを測定し得る訓練シミュレータを提供する。
【解決手段】本発明は、内視鏡の操作スキルを訓練することを目的とした訓練シミュレータを提供する。訓練は、訓練インサートを使用して、または仮想現実技術を使用して、実行され得る。
内視鏡装置は、請求項1から7のいずれか一項に記載の内視鏡アセンブリと、請求項8から13のいずれか一項に記載の内視鏡カメラアセンブリとを備えており、内視鏡アセンブリ(1)の内視鏡(3)は、内視鏡(3)がそれ自体の軸の周りを自由に回転し得るように、接眼レンズ保護窓(5)を介して内視鏡カメラアセンブリ(2)の光学アダプタ(19)に接続されるように構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡アセンブリであって、
好ましくは光ファイバ接続部(4)を備える内視鏡(3)と、
前記内視鏡(3)のハウジング(6)と
を備え、
前記内視鏡アセンブリは、前記内視鏡(3)の前記ハウジング(6)内に配置された前記内視鏡(3)の回転を測定するためのアセンブリをさらに備え、前記内視鏡(3)には、可動歯車(10)と協働するように構成された歯車(9)が固定的に取り付けられ、前記可動歯車(10)は、シャフト(13)の第1の端部に設置され、前記シャフト(13)は、回転を防止する方法で前記ハウジング(6)に設置され、前記シャフト(13)は、好ましくは軸受(15)を介して設置され、
前記内視鏡(3)の回転を測定するための前記アセンブリは、前記シャフト(13)の回転を測定するように構成された回転センサを備え、
前記内視鏡(3)の回転を測定するための前記アセンブリは、好ましくは、前記回転センサから測定データを転送するように構成された内視鏡コネクタ(18)の形態で、内視鏡インターフェースをさらに備え、好ましくは、前記内視鏡(3)の前記ハウジング(6)は、突出部(8)を備える
ことを特徴とする、内視鏡アセンブリ。
【請求項2】
前記歯車(9)および前記可動歯車(10)は、斜めの車輪であり、好ましくは、前記歯車(9)の軸と前記可動歯車(10)の軸とが直角を成すことを特徴とする、請求項1に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項3】
前記回転センサが、エンコーダ(17)と、前記シャフトの第2の端部に取り付けられた磁石(14)とを備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項4】
エンコーダ(17)と内視鏡インターフェースとを含む前記内視鏡(3)のプリント回路(16)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項5】
前記歯車(9)と前記可動歯車(10)との間の遊びを排除するための機構を備え、前記遊び除去機構は、前記シャフト(13)および前記ハウジング(6)にトルクを加えるように配置されたバネ(12)、好ましくは渦巻きバネを備え、好ましくは、前記バネ(12)と前記シャフト(13)との間に、前記バネ(12)が取り付けられる取り付けピン(11)があることを特徴とする、請求項1、2、3または4に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項6】
前記内視鏡(3)の視野の中心軸が、前記内視鏡(3)の軸に対して平行であるか、または角度が付いていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項7】
前記内視鏡ハウジング(6)は、前記内視鏡(3)が前記ハウジング(6)に対して前記内視鏡(3)自体の軸の周りを完全に回転することを防止する回転制限機構を備え、好ましくは、前記内視鏡(3)の前記軸に対して垂直に取り付けられたアーム、および前記アームの上に突き出た前記内視鏡(3)に平行な要素の形態であり、より好ましくは、前記アームは、光ファイバ接続部(4)であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項8】
内視鏡カメラアセンブリであって、
視覚センサ(28)用のセンサケース(26)を備えたカメラハウジング(29)であって、前記視覚センサ(28)が、好ましくは前記視覚センサのセンサプリント回路(27)上に配置される、カメラハウジング(29)と、
好ましくは内視鏡コネクタ(32)の形態で、前記内視鏡カメラアセンブリからデータを送信するように構成されたカメラインターフェースと
を備え、
光学アダプタ(19)は、前記内視鏡(3)からの画像が前記視覚センサ(28)に転送されるように、請求項1から7のいずれか一項に記載の内視鏡アセンブリ(1)の前記内視鏡(3)に接続されるように、および、好ましくは、前記内視鏡アセンブリ(1)の前記突出部(8)への成形された接続を介して、前記内視鏡アセンブリ(1)が前記内視鏡(3)の軸に対して回転することを防止するように構成されており、
前記光学アダプタ(19)にはアダプタハウジング(21)が固定的に取り付けられており、
前記光学アダプタ(19)は、鮮明度調整ノブ(20)を含み、
前記内視鏡カメラアセンブリ(2)は、前記鮮明度調整ノブ(20)の位置を測定するためのアセンブリを備え、
前記鮮明度調整ノブ(20)の位置を測定するためのアセンブリが、好ましくは加速度計を含む
ことを特徴とする、内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項9】
前記鮮明度調整ノブ(20)の前記位置を測定するための前記アセンブリは、反射体(25)と、前記反射体(25)の位置を読み取るように構成されたノブ位置センサ(23)とを備えることを特徴とする、請求項8に記載の内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項10】
前記ノブ位置センサ(23)が、前記アダプタハウジング(21)内に配置され、好ましくは、前記ノブ位置センサ(23)および/または加速度計が、前記光学アダプタのプリント回路(22)上に設置されることを特徴とする、請求項9に記載の内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項11】
前記内視鏡カメラアセンブリが、前記内視鏡インターフェースからデータを受信し、前記受信されたデータを前記カメラインターフェースに転送するように構成されたアダプタインターフェースを備え、好ましくは、前記アダプタインターフェースが、前記光学アダプタのプリント回路(22)上に配置されることを特徴とする、請求項8から10に記載の内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項12】
前記反射体(25)が、前記鮮明度調整ノブ(20)の側壁にあることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項13】
前記反射体(25)が、可変の光学パラメータを有するステッカー、または円の断面に沿って可変の深さを有する溝であることを特徴とする、請求項9から12のいずれか一項に記載の内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項14】
前記カメラハウジング(29)が、視覚カメラ(28)のパラメータおよび機能を制御するように構成されたカメラ押しボタン(31)を備え、好ましくは、前記カメラ押しボタン(31)が、カメラ・プリント回路(30)上に配置され、より好ましくは、前記カメラ・プリント回路(30)上に加速度計が取り付けられていることを特徴とする、請求項8から13のいずれか一項に記載の内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項15】
内視鏡装置であって、
請求項1から7のいずれか一項に記載の内視鏡アセンブリと、請求項8から13のいずれか一項に記載の内視鏡カメラアセンブリとを備え、前記内視鏡アセンブリ(1)の前記内視鏡(3)は、前記内視鏡(3)がそれ自体の軸の周りを自由に回転し得るように、接眼レンズ保護窓(5)を介して前記内視鏡カメラアセンブリ(2)の前記光学アダプタ(19)に接続されるように構成されていることを特徴とする、内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の操作スキルを訓練することを目的とした訓練シミュレータの分野に関する。訓練は、訓練インサートを使用して、または仮想現実技術を使用して、実行され得る。
【背景技術】
【0002】
現在、仮想現実および拡張現実を使用して腹腔鏡検査手術を訓練するための既知のシミュレータが存在する。
【0003】
低侵襲手術の訓練では、内視鏡カメラの操作スキルを訓練することが非常に重要である。標準的な内視鏡セットは、カメラ、光学アダプタ、および内視鏡を備えている。カメラは光学アダプタに接続されており、内視鏡はアダプタを中心に回転し得る。角度付き内視鏡の場合、角度付き内視鏡は、カメラに対してそれら自体の軸を中心に回転するため、外科医はカメラ画像の向きと調整を維持しながら、外科手術中に視覚的にアクセスしにくい部位を検査し得る。このような角度付き内視鏡を適切に操作するスキルは、特に内視鏡手術の訓練の初期段階において重要である。さらに、カメラの操作者は、カメラから常に鮮明な画像が得られるように注意する必要がある。
【0004】
内視鏡カメラの操作スキルを訓練するための訓練システムは、仮想現実で実行され得る。カメラで捕捉された画像はその後、コンピュータでシミュレーションされる。訓練は、それぞれの演習を含む訓練インサートを使用して実行することもできる。どちらの場合も、内視鏡カメラの主要なパラメータ、すなわち、カメラに対する内視鏡の回転角度および画像の鮮明度調整ノブの角度を測定する必要がある。
【0005】
EP1504431A1明細書は、腹腔鏡器具が挿入される人体の形状の装置を備える腹腔鏡シミュレータを教示している。カメラがビデオ画像を捕捉し、グラフィックエンジンが3Dデータを使用して内部シーンの表現を生成する。シミュレータは、機器の監視に動作分析エンジンを使用して、軸を中心とした回転の範囲を決定する。器具は円錐形のマーキングをさらに有し、これにより回転と器具の挿入深さとを監視できる。
【0006】
米国特許出願公開第20220139260(A1)号明細書は、仮想現実および拡張現実におけるシミュレータおよびシミュレーションシステム、特に内視鏡シミュレータについて教示している。さらに、システムは回転要素にセンサを備えているか、解剖学的モデルの向きを検出するために2台のカメラを使用している。
【0007】
米国特許出願公開第20190355278(A1)号明細書は、触覚フィードバック結合を備えた仮想現実での手術システムを教示している。このシステムは、ラインが配置されたコードホイールと、測定されたラインに基づいてコードホイールの回転を測定するように構成されたPCBを含むツール回転センサアセンブリを備えている。
【0008】
従来技術では、仮想現実および拡張現実を使用し、内視鏡カメラの回転角度を測定するためのセンサをさらに使用する腹腔鏡検査訓練シミュレータに関するいくつかの商用解決策が存在する。ただし、これらの腹腔鏡には、腹腔鏡の回転および鮮明度のレベルを測定するためのセンサのセットが設けられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】EP1504431A1明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第20220139260(A1)号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第20190355278(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、カメラの鮮明度のパラメータおよびカメラに対する内視鏡の回転のパラメータを測定し得る訓練シミュレータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の主題は、好ましくは光ファイバ接続部を含む内視鏡と内視鏡ハウジングとを備える内視鏡アセンブリを提供する。内視鏡アセンブリは、内視鏡のハウジング内に配置される内視鏡回転測定アセンブリをさらに備えることを特徴とする。内視鏡には歯車が固定的に取り付けられており、前記歯車は、可動歯車と協働するように構成されている。可動歯車は、シャフトの第1の端部に設置され、シャフトは、ハウジング内に回転可能に設置される。好ましくは、シャフトは、軸受を介して取り付けられる。内視鏡の測定アセンブリは、シャフトの回転を測定するように構成された回転センサを備えており、内視鏡回転測定アセンブリは、好ましくは、回転センサからデータを転送するように構成された内視鏡コネクタの形態で、内視鏡インターフェースをさらに備えている。好ましくは、内視鏡ハウジングは、突出部を備えている。
【0012】
好ましくは、歯車および可動歯車は、斜めの車輪であり、より好ましくは、歯車の軸と可動歯車の軸とが直角を成す。
【0013】
好ましくは、回転センサは、エンコーダと、シャフトの他端に配置された磁石とを備えている。
【0014】
好ましくは、内視鏡アセンブリは、エンコーダと内視鏡インターフェースとを含む内視鏡プリント回路を備えている。
【0015】
好ましくは、内視鏡アセンブリは、歯車と可動歯車との間の遊びを除去するための機構を備えている。遊び除去機構は、バネを備え、より好ましくは、シャフトおよびハウジングにトルクを加えることができる渦巻きバネであり、さらにより好ましくは、バネとシャフトとの間に、バネが取り付けられる取り付けピンが配置されている。
【0016】
好ましくは、内視鏡の視野の中心軸は、内視鏡の軸に対して平行であるか、または角度が付けられている。
【0017】
好ましくは、内視鏡ハウジングは、ハウジングに対して内視鏡がそれ自体の軸の周りを完全に回転することを防止する回転制限機構を備えており、より好ましくは、内視鏡の軸に対して垂直に取り付けられたアームと、内視鏡に平行でアームの上に突き出た要素の形態であり、より好ましくは、アームは光ファイバ接続部である。
【0018】
本発明の別の目的は、内視鏡カメラアセンブリであって、
視覚センサのセンサケースを備えるカメラハウジングであって、視覚センサが、好ましくは視覚センサのセンサプリント回路上に配置される、カメラハウジングと、
好ましくはカメラコネクタの形式で、内視鏡カメラアセンブリからデータを転送するように構成されたカメラインターフェースと、
を備える、内視鏡カメラアセンブリである。内視鏡カメラアセンブリは、内視鏡からの画像が視覚センサによって捕捉されるように、光学アダプタが内視鏡アセンブリに接続され、好ましくは内視鏡アセンブリの突出部との成形された接続を使用することにより、内視鏡アセンブリが内視鏡軸に対して回転するのを防ぐように構成されていることを特徴とする。光学アダプタにはアダプタケースが固定されている。光学アダプタは鮮明度調整ノブを含む。内視鏡カメラアセンブリは、鮮明度調整ノブの位置を測定するためのアセンブリを含む。内視鏡カメラアセンブリは、加速度計を含むことが好ましい。
【0019】
好ましくは、鮮明度調整ノブの位置を測定するためのアセンブリは、反射体と、反射体の位置を読み取るように構成されたノブ位置センサとを含む。
【0020】
ノブ位置センサは、アダプタケース内に配置されることが好ましく、ノブ位置センサおよび/または加速度計は、光学アダプタのプリント回路上に設置されることがより好ましい。
【0021】
好ましくは、内視鏡カメラアセンブリは、内視鏡インターフェースからデータを受信し、受信されたデータをカメラインターフェースに転送することができるアダプタインターフェースを備え、好ましくは、アダプタインターフェースは、光学アダプタ・プリント回路上に配置される。
【0022】
好ましくは、反射体は鮮明度調整ノブの側壁に配置される。
【0023】
好ましくは、反射体は、可変の光学パラメータを備えたステッカー、または円の断面に沿って可変の深さを備えた溝である。
【0024】
好ましくは、カメラハウジングは、視覚センサのパラメータおよび機能を制御するように構成されたカメラ押しボタンを備え、好ましくは、カメラ押しボタンは、カメラ・プリント回路上に配置され、より好ましくは、加速度計がプリント回路上に取り付けられる。
【0025】
好ましくは、カメラコネクタはアダプタケース内またはカメラハウジング上に配置される。
【0026】
本発明の第3の目的は、内視鏡アセンブリと内視鏡カメラアセンブリとを備えることを特徴とする内視鏡装置を提供することであり、内視鏡アセンブリの内視鏡は、内視鏡がそれ自体の軸の周りを自由に回転し得るように、接眼レンズの保護窓を介して内視鏡カメラアセンブリの光学アダプタに接続されるように構成されている。
【0027】
本発明は、添付の図面を参照して、好ましい実施形態においてさらに詳細に提示される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2】センサ付き内視鏡カメラの不等角投影図である。
【
図4】組み立てられた内視鏡および内視鏡カメラの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の対象は、腹腔鏡検査訓練のための仮想現実および拡張現実を使用する内視鏡アセンブリ1、内視鏡カメラアセンブリ2、および内視鏡アセンブリ1と内視鏡カメラ2とを備えた内視鏡装置である。
【0030】
本発明は、内視鏡アセンブリ1(
図1および
図3)と内視鏡カメラアセンブリ2(
図2)という、2つの主要な要素で構成されている。これらの部品は、低侵襲外科手術の条件下で分離可能である。
【0031】
内視鏡3は、接眼レンズ保護窓5を介して光学アダプタ19に接続され、それ自体の軸を中心に回転できるように構成されている(そのような接続の例示的な実装は
図4に示されている)。内視鏡アセンブリ1および内視鏡カメラアセンブリ2は、例えば成形された接続によって、それらの相対的な回転を防止する方法で互いに接続される。操作者は、内視鏡3の光学系を、内視鏡3の軸に対して平行または傾斜した内視鏡3の視野の中心軸の光学系に変更することができる。内視鏡3は、内視鏡3のハウジング6に対して光軸の周りを回転することができる。
【0032】
内視鏡アセンブリ1は、内視鏡3を備えており、内視鏡3は、好ましくは光ファイバ接続部4と、内視鏡3のハウジング6と、内視鏡3のハウジング6内に設置された内視鏡3の回転を測定するためのシステムとを備えている。内視鏡3の回転測定システムは、内視鏡3のハウジング6内に配置されている。一実施形態では、内視鏡3の接眼レンズに近い後部に、可動歯車10と協働するように構成された内視鏡3の歯車9が固定して取り付けられている。可動歯車10は、一実施形態では、シャフト13の第1の端部に設置され、シャフト13は、回転可能な方法でハウジング6内に設置され、好ましくは、軸受(15)を介して設置される。当業者であれば、ボール軸受の使用など、さまざまな方法で軸受を取り付けることが可能であることを認識するであろうが、滑り軸受も考えられ、シャフト13をハウジングの開口部に直接設置することも可能であり、その場合、ハウジングが滑り軸受としての機能も有する。可動歯車10は、内視鏡3がその光軸の周りを回転すると、内視鏡のハウジング6内で回転する。内視鏡3の回転を測定するためのアセンブリは、シャフト13の回転を測定するように構成された回転センサを備えている。内視鏡3の回転を測定するためのアセンブリは、回転センサから測定データを転送するように構成された内視鏡インターフェースを備えている。内視鏡インターフェースは、内視鏡コネクタ18の形態であることが好ましい。また、好ましくは、内視鏡3のハウジング6は突出部8を備えており、突出部8は、内視鏡3のハウジング6が回転しないように内視鏡アセンブリ1を内視鏡カメラアセンブリ2に取り付けるように意図されている。当業者であれば、内視鏡カメラアセンブリ2に対する内視鏡アセンブリ1の回転を防止するという目的を達成するための他の方法を認識するであろうことに留意されたい。
【0033】
歯車9および可動歯車10は、好ましくは斜めの車輪であり、好ましい実施形態では、歯車9の軸と可動歯車10の軸とは直角を成す。
【0034】
好ましい実施形態では、回転センサは、エンコーダ17と、シャフト13の第2の端部に適用された磁石14とを備え、これらの要素は、シャフト13の回転を測定するように構成された回転センサの機能を実行する。当業者であれば、シャフト13の回転を測定するための他の方法を認識するであろう。
【0035】
好ましい実施形態におけるエンコーダ17は、内視鏡3のハウジング6内の内視鏡3のプリント回路16上に設置される。内視鏡3のプリント回路16上には、好ましくは内視鏡コネクタ18の形態の内視鏡インターフェースが配置されてもよい。内視鏡インターフェースは、回転センサから測定データを転送するように構成されており、内視鏡3の光学パラメータおよび較正パラメータに関して不揮発性メモリに保存されているデータも転送してもよい。エンコーダ17は磁石14の直下に設置されている。
【0036】
内視鏡アセンブリ1は、歯車9と可動歯車10との間の遊び除去機構をさらに備えていてもよい。好ましい実施形態に示すように、遊び除去機構は、バネ12、好ましくはシャフト13およびハウジング6にトルクを加えるために配置された渦巻きバネを備えている。さらに、バネ12とシャフト13との間に、バネ12が取り付けられる取り付けピン11が配置されていてもよい。当業者であれば、遊びを除去するための他の方法を認識しているであろうことを強調すべきである。
【0037】
さらに、内視鏡ハウジング6は、ハウジング6に対して内視鏡3がそれ自体の軸の周りを完全に回転することを防止する回転制限機構を備えていてもよい。回転制限機構は、内視鏡3の軸に対して垂直に取り付けられたアームと、内視鏡3に平行でアームの上に突き出た要素とを介して実装されていてもよい。内視鏡3が光ファイバ接続部4を備える場合、光ファイバ接続部4はアームの機能を実行することができる。回転制限機構は、内視鏡3の突出要素と回転止め7との機械的接触を介して、内視鏡3がハウジング6に対してそれ自体の軸の周りを完全に回転することを防止する。
【0038】
内視鏡カメラアセンブリ2は、視覚センサ28のセンサケース26が配置されるカメラのハウジング29を備えている。視覚センサ28は、センサケース26内のセンサプリント回路27上に配置され、内視鏡3の反対側に配置される。内視鏡カメラアセンブリ2は、例えばカメラコネクタ32の形態で、カメラアセンブリからデータを転送するように構成されたカメラインターフェースも備えている。
【0039】
内視鏡カメラアセンブリ2は、例えば一実施形態に示すように、突出部8による成形接続を介して内視鏡アセンブリ1の内視鏡3に接続するように構成された光学アダプタ19も備えている。これにより、内視鏡3から視覚センサ28への画像の転送が可能になる。光学アダプタ19は、好ましくは突出部8との成形された接続を介して、内視鏡3の軸に対する内視鏡アセンブリ1の回転を防止することにも留意すべきである。
【0040】
光学アダプタ19にはアダプタケース21が固定されている。カメラコネクタ32は、アダプタケース21上またはカメラハウジング29上に配置されていてもよい。
【0041】
内視鏡カメラアセンブリ2は、使用者が自由に鮮明度を調整できるようにするために、鮮明度調整ノブ20をさらに備えている。内視鏡カメラアセンブリ2はさらに、鮮明度調整ノブ20の位置を測定するように構成されており、これはノブ位置測定アセンブリ20によって実現される。ノブ20は、1つの要素として作られてもよく、または、鮮明度調整ノブ20と、その上に取り付けられた鮮明度調整ノブ・キャップ24とを備えてもよいことに留意されたい。
【0042】
また好ましくは、内視鏡カメラアセンブリ2は加速度計を備えていてもよい。
【0043】
鮮明度調整ノブ20の位置を測定するためのアセンブリは、反射体25と、反射体25の位置を読み取るように構成されたノブ位置センサ23として実装され得る。ノブ位置センサ23は、視覚センサ、例えば反射センサであってもよい。この構成のノブ位置センサ23は、光を発し、鮮明度調整ノブ20に設けられた反射体25からの反射光の強度を測定する。反射体25は、鮮明度調整ノブ20の側壁に配置することができ、可変の色や明るさなどの可変の光学パラメータを備えたステッカーとして、または円の断面に沿って可変の深さを有する溝として実装することができる。したがって、ノブ位置センサ23は、鮮明度回転ノブ20の回転角度の測定に使用され、この情報は、仮想現実シナリオにおける模擬訓練において鮮明度を設定するために使用され得る。
【0044】
好ましい実施形態では、ノブ位置センサ23はアダプタケース21内に配置され、好ましくはノブ位置センサおよび/または加速度計は光学アダプタのプリント回路22上に設置される。光学アダプタ・プリント回路22は、例えばアダプタケース21内に配置されていてもよい。
【0045】
アダプタインターフェースは、内視鏡インターフェースからデータを受信し、受信したデータをカメラインターフェースに転送するように構成されており、好ましくは、アダプタインターフェースは、光学アダプタ・プリント回路22上に配置される。このような解決策により、1つのインターフェースを使用して、内視鏡アセンブリ1と内視鏡カメラアセンブリ2とを、データを受信する別のデバイスに接続することが可能になる。内視鏡アセンブリ1と内視鏡カメラアセンブリ2とを、データを受信する装置に別々に接続することは可能であるが、すべてのデータを転送する1つのインターフェースにより、訓練システムの簡素化を通じて、本発明の使用がより容易になる。
【0046】
さらに、カメラハウジング29には、内視鏡カメラアセンブリ2を制御するためのカメラ押しボタン31を備えるカメラ・プリント回路30が取り付けられる。それにもかかわらず、カメラ押しボタン31はプリント回路基板に設置される必要はなく、カメラハウジング29に直接取り付けられてもよいことを強調すべきである。さらに、光学アダプタ・プリント回路22またはカメラ・プリント回路30上に加速度計を配置して、地球に対する内視鏡カメラアセンブリ2の傾斜角およびそれ自体の軸の周りの絶対回転角の絶対測定を提供することができる。
【0047】
内視鏡アセンブリ1と内視鏡カメラアセンブリ2とが光学アダプタ19を介して接続されると、内視鏡3のコネクタ18が光学アダプタ・プリント回路22に接続される。内視鏡カメラアセンブリ2は、内視鏡インターフェースからデータを受信し、受信したデータをカメラインターフェースに転送するように構成されたアダプタインターフェースをさらに備えていてもよい。
【0048】
本発明の明細書全体を通じて、プリント回路とは、プリント回路基板上に実装された適切な電子部品を含むプリント回路基板を意味し、単にプリント回路基板そのものを意味するものではないことに留意されたい。
【符号の説明】
【0049】
1 内視鏡アセンブリ
2 内視鏡カメラアセンブリ
3 内視鏡
4 光ファイバ接続部
5 接眼レンズ保護窓
6 内視鏡ハウジング
7 回転止め
8 突出部
9 歯車
10 可動歯車
11 取り付けピン
12 バネ
13 シャフト
14 磁石
15 軸受
16 内視鏡プリント回路
17 エンコーダ
18 内視鏡コネクタ
19 光学アダプタ
20 鮮明度調整ノブ
21 アダプタケース
22 アダプタ・プリント回路
23 ノブ位置センサ
24 鮮明度調整ノブ・キャップ
25 反射体
26 センサケース
27 視覚センサプリント回路
28 視覚センサ
29 カメラハウジング
30 カメラ・プリント回路
31 カメラ押しボタン
32 カメラコネクタ
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡アセンブリであって、
内視鏡(3)と、
前記内視鏡(3)のハウジング(6)と
を備え、
前記内視鏡アセンブリは、前記内視鏡(3)の前記ハウジング(6)内に配置された前記内視鏡(3)の回転を測定するためのアセンブリをさらに備え、前記内視鏡(3)には、可動歯車(10)と協働するように構成された歯車(9)が固定的に取り付けられ、前記可動歯車(10)は、シャフト(13)の第1の端部に設置され、前記シャフト(13)は、回転を防止する方法で前記ハウジング(6)に設置され、
前記内視鏡(3)の回転を測定するための前記アセンブリは、前記シャフト(13)の回転を測定するように構成された回転センサを備え、
前記内視鏡(3)の回転を測定するための前記アセンブリは、内視鏡インターフェースをさらに備える
ことを特徴とする、内視鏡アセンブリ。
【請求項2】
前記歯車(9)および前記可動歯車(10)は、斜めの車輪であることを特徴とする、請求項1に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項3】
前記回転センサが、エンコーダ(17)と、前記シャフトの第2の端部に取り付けられた磁石(14)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項4】
エンコーダ(17)と内視鏡インターフェースとを含む前記内視鏡(3)のプリント回路(16)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項5】
前記歯車(9)と前記可動歯車(10)との間の遊びを排除するための遊び除去機構を備え、前記遊び除去機構は、前記シャフト(13)および前記ハウジング(6)にトルクを加えるように配置されたバネ(12)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項6】
前記内視鏡(3)の視野の中心軸が、前記内視鏡(3)の軸に対して平行であるか、または角度が付いていることを特徴とする、請求項1に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項7】
前記ハウジング(6)は、前記内視鏡(3)が前記ハウジング(6)に対して前記内視鏡(3)自体の軸の周りを完全に回転することを防止する回転制限機構を備えることを特徴とする、請求項1に記載の内視鏡アセンブリ。
【請求項8】
内視鏡カメラアセンブリであって、
視覚センサ(28)用のセンサケース(26)を備えたカメラハウジング(29)と、
前記内視鏡カメラアセンブリからデータを送信するように構成されたカメラインターフェースと
を備え、
光学アダプタ(19)は、前記内視鏡(3)からの画像が前記視覚センサ(28)に転送されるように、請求項1に記載の内視鏡アセンブリ(1)の前記内視鏡(3)に接続されるように構成されており、
前記光学アダプタ(19)にはアダプタハウジング(21)が固定的に取り付けられており、
前記光学アダプタ(19)は、鮮明度調整ノブ(20)を含み、
前記内視鏡カメラアセンブリ(2)は、前記鮮明度調整ノブ(20)の位置を測定するためのアセンブリを備えることを特徴とする、内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項9】
前記鮮明度調整ノブ(20)の前記位置を測定するための前記アセンブリは、反射体(25)と、前記反射体(25)の位置を読み取るように構成されたノブ位置センサ(23)とを備えることを特徴とする、請求項8に記載の内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項10】
前記ノブ位置センサ(23)が、前記アダプタハウジング(21)内に配置されることを特徴とする、請求項9に記載の内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項11】
前記内視鏡カメラアセンブリが、前記内視鏡インターフェースからデータを受信し、前記受信されたデータを前記カメラインターフェースに転送するように構成されたアダプタインターフェースを備えることを特徴とする、請求項8に記載の内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項12】
前記反射体(25)が、前記鮮明度調整ノブ(20)の側壁にあることを特徴とする、請求項9に記載の内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項13】
前記反射器(25)が、可変の光学パラメータを有するステッカー、または円の断面に沿って可変の深さを有する溝であることを特徴とする、請求項9に記載の内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項14】
前記カメラハウジング(29)が、視覚カメラ(28)のパラメータおよび機能を制御するように構成されたカメラ押しボタン(31)を備えることを特徴とする、請求項8に記載の内視鏡カメラアセンブリ。
【請求項15】
内視鏡装置であって、
請求項1から7のいずれか一項に記載の内視鏡アセンブリと、請求項8から13のいずれか一項に記載の内視鏡カメラアセンブリとを備え、前記内視鏡アセンブリ(1)の前記内視鏡(3)は、前記内視鏡(3)がそれ自体の軸の周りを自由に回転し得るように、接眼レンズ保護窓(5)を介して前記内視鏡カメラアセンブリ(2)の前記光学アダプタ(19)に接続されるように構成されていることを特徴とする、内視鏡装置。
【外国語明細書】