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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114638
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】偏光板とそれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20240816BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240816BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240816BHJP
   G02F 1/13363 20060101ALI20240816BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20240816BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20240816BHJP
   H10K 50/858 20230101ALI20240816BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20240816BHJP
【FI】
G02B5/30
G09F9/00 313
G02F1/1335 510
G02F1/13363
H05B33/14 Z
H10K50/86
H10K50/858
H10K50/844 445
【審査請求】未請求
【請求項の数】37
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024014452
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】10-2023-0018341
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ボン, ビョンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ミンソク
(72)【発明者】
【氏名】イ, デュクジン
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ヨンウン
(72)【発明者】
【氏名】イ, ウンオク
(72)【発明者】
【氏名】チョ, スアン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ソンファ
(72)【発明者】
【氏名】パク, ガヒ
(72)【発明者】
【氏名】ウ, ヨンスウ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン, ウスク
【テーマコード(参考)】
2H149
2H291
3K107
5G435
【Fターム(参考)】
2H149AA02
2H149AA18
2H149AB06
2H149BA02
2H149CA02
2H149DA02
2H149DA27
2H149EA02
2H149EA06
2H149EA07
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2H149FA02X
2H149FA03W
2H149FA05X
2H149FA05Y
2H149FD05
2H149FD09
2H149FD10
2H291FA22X
2H291FA30X
2H291FA94X
2H291FA95X
2H291FB02
2H291FB05
2H291FD12
2H291GA02
2H291PA07
2H291PA42
2H291PA44
2H291PA52
2H291PA53
2H291PA54
2H291PA59
2H291PA64
2H291PA67
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107BB07
3K107BB08
3K107CC05
3K107CC23
3K107CC32
3K107CC33
3K107EE21
3K107EE26
3K107EE48
3K107EE49
3K107EE50
3K107FF06
3K107FF15
5G435AA04
5G435BB04
5G435BB05
5G435BB06
5G435BB12
5G435FF05
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
5G435LL10
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】視聴者が色相の違いを感じることを防止することができる偏光板とそれを含む表示装置を提供することを目的の一つとする。
【解決手段】一実施形態にかかる偏光板は、互いに交差する吸収軸と透過軸を含む偏光子、前記偏光子の一面上に配置される第1位相差層、および前記偏光子の前記一面の反対面である他面上に配置される第2位相差層を含む。前記第2位相差層の面内位相差値は20nmより大きく100nmより小さく、前記偏光子の前記吸収軸および前記第2位相差層の遅延軸の間の角度は10°以上45°以下である。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差する吸収軸と透過軸を含む偏光子;
前記偏光子の一面上に配置される第1位相差層;および
前記偏光子の前記一面の反対面である他面上に配置される第2位相差層を含み、
前記第2位相差層の面内位相差値は20nmより大きく100nmより小さく、
前記偏光子の前記吸収軸および前記第2位相差層の遅延軸の間の角度は10°以上45°以下である、偏光板。
【請求項2】
前記第1位相差層の面内位相差値は前記第2位相差層の面内位相差値より大きい、請求項1に記載の偏光板。
【請求項3】
前記第1位相差層の遅延軸と前記偏光子の吸収軸の間の角度は45°である、請求項1に記載の偏光板。
【請求項4】
前記偏光子と前記第1位相差層は第1部分と定義され、
前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下を満たし、R(450)/R(550)の値が1.00以下であり、R(450)は前記第1部分の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)である、請求項1に記載の偏光板。
【請求項5】
前記偏光子と第1位相差層の間に配置される保護フィルムをさらに含む、請求項1に記載の偏光板。
【請求項6】
前記偏光子、前記保護フィルム、および前記第1位相差層は第1部分と定義され、
前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下を満たし、R(450)/R(550)の値が1.00以下であり、R(450)は前記第1部分の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)である、請求項5に記載の偏光板。
【請求項7】
光軸が一面の垂直方向であるポジティブC位相差層をさらに含む、請求項1に記載の偏光板。
【請求項8】
前記ポジティブC位相差層は前記第1位相差層の一面上に配置される、請求項7に記載の偏光板。
【請求項9】
前記第1位相差層は複数の位相差層を含み、
前記ポジティブC位相差層は前記複数の位相差層の間に配置される、請求項7に記載の偏光板。
【請求項10】
前記偏光子、前記ポジティブC位相差層、および前記第1位相差層は第1部分と定義され、
前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下を満たし、R(450)/R(550)の値が1.00以下であり、R(450)は前記第1位相差層の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は前記第1位相差層の550nm波長での面内位相差値(R)である、請求項7に記載の偏光板。
【請求項11】
光軸が一面の垂直方向であるポジティブC位相差層をさらに含む、請求項5に記載の偏光板。
【請求項12】
前記偏光子、前記ポジティブC位相差層、前記保護フィルム、および前記第1位相差層は第1部分と定義され、
前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下を満たし、R(450)/R(550)の値が1.00以下であり、R(450)は前記第1位相差層の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は前記第1位相差層の550nm波長での面内位相差値(R)である、請求項11に記載の偏光板。
【請求項13】
正面反射率が6%より小さい、請求項1に記載の偏光板。
【請求項14】
直交透過率が2%以上14%以下である、請求項1に記載の偏光板。
【請求項15】
前記第2位相差層はノルボルネン系樹脂を含む、請求項1に記載の偏光板。
【請求項16】
表示パネル;および
前記表示パネル上に配置される偏光板を備え、
前記偏光板は、
互いに交差する吸収軸と透過軸を含む偏光子;
前記偏光子の一面上に配置される第1位相差層;および
前記偏光子の前記一面の反対面である他面上に配置される第2位相差層を含み、
前記第2位相差層の面内位相差値は20nmより大きく100nmより小さく、
前記偏光子の吸収軸および前記第2位相差層の遅延軸の間の角度は10°以上45°以下である、表示装置。
【請求項17】
前記表示パネルは、
基板上に配置される画素電極;
前記画素電極上に配置される発光層;および
前記発光層上に配置される共通電極を含む、請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記表示パネルは、
前記共通電極上に配置されるキャッピング層;および
前記キャッピング層上に配置される封止層をさらに含む、請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記封止層は互いに異なる屈折率を有する少なくとも二つの封止無機膜;および
前記二つの封止無機膜の間に配置され、前記二つの封止無機膜と屈折率が異なる封止有機膜を含む、請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
色差最大値が0.0050より小さい、請求項16に記載の表示装置。
【請求項21】
0°以上360°以下の方位角でP°間隔と0°以上Q°以下の極角でR°間隔で色相値を算出し、二つの互いに異なる方位角である第1方位角と第2方位角で前記極角をR°間隔で変化させながら色差値を算出し、算出された色差値のうちの最大値を色差最大値として算出する、請求項20に記載の表示装置。
【請求項22】
最小認知色差(MPCD)は10以下である、請求項16に記載の表示装置。
【請求項23】
CIE XYZ三刺激値で表された赤色光の輝度比率または緑色光の輝度比率と青色光の輝度比率の間の差が10%より小さい、請求項16に記載の表示装置。
【請求項24】
前記第1位相差層の面内位相差値は前記第2位相差層の面内位相差値より大きい、請求項16に記載の表示装置。
【請求項25】
前記第1位相差層の遅延軸と前記偏光子の吸収軸の間の角度は45°である、請求項16に記載の表示装置。
【請求項26】
前記偏光子と前記第1位相差層は第1部分と定義され、
前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下を満たし、R(450)/R(550)の値が1.00以下であり、R(450)は前記第1部分の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)である、請求項16に記載の表示装置。
【請求項27】
前記偏光子と第1位相差層の間に配置される保護フィルムをさらに含む、請求項16に記載の表示装置。
【請求項28】
前記偏光子と前記第1位相差層は第1部分と定義され、
前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下を満たし、R(450)/R(550)の値が1.00以下であり、R(450)は前記第1部分の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)である、請求項27に記載の表示装置。
【請求項29】
光軸が一面の垂直方向であるポジティブC位相差層をさらに含む、請求項27に記載の表示装置。
【請求項30】
前記ポジティブC位相差層は前記第1位相差層の一面上に配置される、請求項29に記載の表示装置。
【請求項31】
前記第1位相差層は複数の位相差層を含み、
前記ポジティブC位相差層は前記複数の位相差層の間に配置される、請求項29に記載の表示装置。
【請求項32】
前記偏光子、前記第1位相差層、および前記ポジティブC位相差層は第1部分と定義され、
前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下を満たし、R(450)/R(550)の値が1.00以下であり、R(450)は前記第1部分の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)である、請求項29に記載の表示装置。
【請求項33】
光軸が一面の垂直方向であるポジティブC位相差層をさらに含む、請求項32に記載の表示装置。
【請求項34】
前記偏光子、前記ポジティブC位相差層、前記保護フィルム、および前記第1位相差層は第1部分と定義され、
前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下を満たし、R(450)/R(550)の値が1.00以下であり、R(450)は前記第1位相差層の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は前記第1位相差層の550nm波長での面内位相差値(R)である、請求項33に記載の表示装置。
【請求項35】
前記偏光板の正面反射率は6%より小さい、請求項16に記載の表示装置。
【請求項36】
前記偏光板の直交透過率は2%以上14%以下である、請求項16に記載の表示装置。
【請求項37】
前記第2位相差層はノルボルネン系樹脂を含む、請求項16に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は偏光板とそれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会が発展するにつれて、映像を表示するための表示装置に対する要求が多様な形態で増加している。表示装置は液晶表示パネル、有機発光表示パネル、無機発光表示パネルなどのような平板表示パネルを含み得る。
【0003】
表示装置は外部光による視認性低下を防止するために表示パネル上に配置される偏光板のような光学フィルムを含み得る。光学フィルムは表示装置に入射される外部光が表示パネルで反射することを防止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、視聴者が色相の違いを感じることを防止することができる偏光板とそれを含む表示装置を提供することにある。
【0005】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態にかかる偏光板は、互いに交差する吸収軸と透過軸を含む偏光子、前記偏光子の一面上に配置される第1位相差層、および前記偏光子の前記一面の反対面である他面上に配置される第2位相差層を含む。前記第2位相差層の面内位相差値は20nmより大きく100nmより小さく、前記偏光子の前記吸収軸および前記第2位相差層の遅延軸の間の角度は10°以上45°以下である。
【0007】
前記第1位相差層の面内位相差値は前記第2位相差層の面内位相差値より大きくてもよい。
【0008】
前記第1位相差層の遅延軸と前記偏光子の吸収軸の間の角度は45°であってもよい。
【0009】
前記偏光子と前記第1位相差層は第1部分と定義され、前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下を満たし、R(450)/R(550)の値が1.00以下であり、R(450)は前記第1部分の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)であってもよい。
【0010】
前記偏光子と第1位相差層の間に配置される保護フィルムをさらに含んでもよい。
【0011】
前記偏光子と前記第1位相差層は第1部分と定義され、前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下を満たし、R(450)/R(550)の値が1.00以下であり、R(450)は前記第1部分の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)であってもよい。
【0012】
光軸が一面の垂直方向であるポジティブC位相差層をさらに含んでもよい。
【0013】
前記ポジティブC位相差層は前記第1位相差層の一面上に配置されてもよい。
【0014】
前記第1位相差層は複数の位相差層を含み、前記ポジティブC位相差層は前記複数の位相差層の間に配置されてもよい。
【0015】
前記偏光子、前記ポジティブC位相差層、および前記第1位相差層は第1部分と定義され、前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下を満たし、R(450)/R(550)の値が1.00以下であり、R(450)は前記第1位相差層の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は前記第1位相差層の550nm波長での面内位相差値(R)であってもよい。
【0016】
光軸が一面の垂直方向であるポジティブC位相差層をさらに含んでもよい。
【0017】
前記偏光子、前記ポジティブC位相差層、前記保護フィルム、および前記第1位相差層は第1部分と定義され、前記第1部分の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下を満たし、R(450)/R(550)の値が1.00以下であり、R(450)は前記第1位相差層の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は前記第1位相差層の550nm波長での面内位相差値(R)であってもよい。
【0018】
正面反射率が6%より小さくてもよい。
【0019】
直交透過率が2%以上14%以下であってもよい。
【0020】
前記第2位相差層はノルボルネン系樹脂を含んでもよい。
【0021】
一実施形態にかかる表示装置は、表示パネル、および前記表示パネル上に配置される偏光板を備える。前記偏光板は互いに交差する吸収軸と透過軸を含む偏光子、前記偏光子の一面上に配置される第1位相差層、および前記偏光子の前記一面の反対面である他面上に配置される第2位相差層を含む。前記第2位相差層の面内位相差値は20nmより大きく100nmより小さく、前記偏光子の吸収軸および前記第2位相差層の遅延軸の間の角度は10°以上45°以下である。
【0022】
前記表示パネルは基板上に配置される画素電極、前記画素電極上に配置される発光層、および前記発光層上に配置される共通電極を含んでもよい。
【0023】
前記表示パネルは前記共通電極上に配置されるキャッピング層、および前記キャッピング層上に配置される封止層をさらに含んでもよい。
【0024】
前記封止層は互いに異なる屈折率を有する少なくとも二つの封止無機膜、および前記二つの封止無機膜の間に配置され、前記二つの封止無機膜と屈折率が異なる封止有機膜を含んでもよい。
【0025】
色差最大値が0.0050より小さくてもよい。
【0026】
0°以上360°以下の方位角でP°間隔と0°以上Q°以下の極角でR°間隔で色相値を算出し、二つの互いに異なる方位角である第1方位角と第2方位角で前記極角をR°間隔で変化させながら色差値を算出し、算出された色差値のうちの最大値を色差最大値として算出してもよい。
最小認知色差(MPCD)は10以下であってもよい。
【0027】
CIE XYZ三刺激値で表された赤色光の輝度比率または緑色光の輝度比率と青色光の輝度比率の間の差が10%より小さくてもよい。
【0028】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0029】
実施形態にかかる偏光板とそれを含む表示装置によれば、偏光子の視認側に配置される位相差層の面内位相差値を20nm以上であり、100nmより小さく設定し、前記位相差層の遅延軸と前記偏光子の吸収軸の間の角度を10°以上45°以下に設定することによって、視聴者が表示装置の映像で色相の違いを感じることを防止することができる。
【0030】
実施形態にかかる効果は以上で例示した内容によって制限されず、より多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】一実施形態にかかる表示装置を示す斜視図である。
図2】一実施形態にかかる表示装置を示す一側面図である。
図3】一実施形態にかかる表示パネルの表示領域を示すレイアウト図である。
図4図3のB-B’に沿って切断した表示パネルの一例を示す断面図である。
図5図4の封止層の一例を示す断面図である。
図6図4の封止層の他の例を示す断面図である。
図7図4の封止層の他の例を示す断面図である。
図8図4の封止層の他の例を示す断面図である。
図9】一実施形態にかかる偏光板を示す分解斜視図である。
図10a】屈折率が互いに異なる層の界面での光の屈折を示す例示図である。
図10b】第2位相差層の遅延軸と偏光子の吸収軸の間の角度を示す例示図である。
図11図9の偏光板でS偏光の振動方向が吸収軸と一致するとき、封止層、第1位相差層、および偏光子におけるP偏光とS偏光の経路を示す例示図である。
図12図9の偏光板でP偏光の振動方向が吸収軸と一致するとき、封止層、第1位相差層、および偏光子におけるP偏光とS偏光の経路を示す例示図である。
図13】赤色、緑色、および青色波長別に偏光子、第1位相差層、第2位相差層、およびカバーウィンドウを通過した光の偏光状態を示す例示図である。
図14】表示装置を基準として方位角と極角を説明するための例示図である。
図15】方位角と極角を示す例示図である。
図16】一実施形態にかかる隣接色差最小値と隣接色差最大値の間の差を算出する方法を示すフロー図である。
図17図16のS100段階を詳細に示すフロー図である。
図18図16のS200段階を詳細に示すフロー図である。
図19】第1方位角と第2方位角を示す表である。
図20図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置の、第2位相差層の面内位相差値による色差最大値を示すグラフである。
図21図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置の、第2位相差層の面内位相差値別に方位角による輝度を示すグラフである。
図22図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置の、第2位相差層の面内位相差値による最小認知色差を示すグラフである。
図23図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置の、第2位相差層の面内位相差値が100nmである場合のCIE色座標系で表された光の輝度比率を示す例示図である。
図24図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置の、第2位相差層の面内位相差値が70nmである場合のCIE色座標系で表された光の輝度比率を示す例示図である。
図25a】表示装置の偏光板の偏光子の吸収軸と偏光サングラスの吸収軸の間の角度を示す一例示図である。
図25b】第2位相差層の面内位相差値別に表示装置の偏光板の偏光子の吸収軸と偏光サングラスの吸収軸の間の角度による偏光サングラスを着用した後に測定された表示装置の輝度を示すグラフである。
図25c図25bのA領域を拡大して示すグラフである。
図25d】第2位相差層の遅延軸と偏光子の吸収軸の間の角度別に表示装置の偏光板の偏光子の吸収軸と偏光サングラスの吸収軸の間の角度による偏光サングラスを着用した後に測定された表示装置の輝度を示すグラフである。
図25e図25dのB領域を拡大して示すグラフである。
図26図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置で、第2位相差層の面内位相差値が100nmである場合の第2位相差層の遅延軸と偏光子の吸収軸の間の角度による色差最大値を示すグラフである。
図27図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置で、第2位相差層の面内位相差値が70nmである場合の第2位相差層の遅延軸と偏光子の吸収軸の間の角度による色差最大値を示すグラフである。
図28】また他の実施形態にかかる偏光板を示す分解斜視図である。
図29】また他の実施形態にかかる偏光板を示す分解斜視図である。
図30】また他の実施形態にかかる偏光板を示す分解斜視図である。
図31】また他の実施形態にかかる偏光板を示す分解斜視図である。
図32】一実施形態にかかる表示装置が適用されたスマートフォンを示す一例示図である。
図33】一実施形態にかかる表示装置が適用されたタブレットPCを示す一例示図である。
図34】一実施形態にかかる表示装置が適用されたTVを示す一例示図である。
図35】一実施形態にかかる表示装置が適用されたモニタを示す一例示図である。
図36】一実施形態にかかる表示装置が適用されたスマートウォッチを示す一例示図である。
図37】一実施形態にかかる表示装置が適用されたメガネ型表示装置を示す一例示図である。
図38】一実施形態にかかる表示装置が適用されたヘッドマウント表示装置を示す例示図である。
図39】一実施形態にかかる表示装置が適用されたヘッドマウント表示装置を示す例示図である。
図40】一実施形態にかかる表示装置が適用された車両用表示装置を示す一例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述している実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。
【0033】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」と称される場合は他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子が介在する場合をすべて含む。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を示すものとする。実施形態を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものであるから本発明が図示された事項に限定されるものではない。
【0034】
第1、第2などが多様な構成要素を叙述するために使われるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得る。
【0035】
本発明の様々な実施形態のそれぞれの特徴は部分的にまたは全体的に互いに結合または組み合わせることが可能であり、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施形態は互いに独立して実施することもでき、関連関係で共に実施することもできる。
【0036】
以下、添付する図面を参照して具体的な実施形態について説明する。
【0037】
図1は一実施形態にかかる表示装置を示す分解斜視図である。図2は一実施形態にかかる表示装置を示す一側面図である。
【0038】
図1図2を参照すると、一実施形態にかかる表示装置10は動画や静止映像を表示する装置であって、モバイルフォン(mobile phone)、スマートフォン(smart phone)、タブレットPC(tablet personal computer)、およびスマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、移動通信端末機、電子手帳、電子ブック、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーション、UMPC(Ultra Mobile PC)などのような携帯用電子機器だけでなく、テレビ、ノートパソコン、モニタ、広告板、モノのインターネット(internet of things,IOT)などの多様な製品の表示画面として使用することができる。
【0039】
一実施形態にかかる表示装置10は、有機発光ダイオードを用いる有機発光表示装置、量子ドット発光層を含む量子ドット発光表示装置、無機半導体を含む無機発光表示装置、および超小型発光ダイオード(micro or nano light emitting diode(micro LED or nano LED))を用いる超小型発光表示装置のような発光表示装置であってもよい。以下では、一実施形態にかかる表示装置10が有機発光表示装置である例を中心に説明したが、本明細書の実施形態はこれに制限されない。
【0040】
表示装置10は表示パネル100、表示駆動回路200、および回路ボード300を含む。
【0041】
表示パネル100は第1方向DR1の短辺と第1方向DR1と交差する第2方向DR2の長辺を有する長方形形状の平面で形成されてもよい。第1方向DR1の短辺と第2方向DR2の長辺が接するコーナー(corner)は所定の曲率を有するように丸く形成されたり、直角に形成されてもよい。表示パネル100の平面形状は四角形に限定されず、他の多角形、円形または楕円形で形成されてもよい。表示パネル100は平坦に形成されるが、これに限られない。例えば、表示パネル100は左右の端部に形成され、一定の曲率を有するか、変化する曲率を有する曲面部を含んでもよい。その他に、表示パネル100は曲がったり、反ったり、ベンディングされたり、折りたたまれたり、丸めたりすることができるように柔軟に形成されてもよい。
【0042】
表示パネル100の基板SUBはメイン領域MAとサブ領域SBAを含んでもよい。
【0043】
メイン領域MAは画像を表示する表示領域DAと表示領域DAの周辺領域である非表示領域NDAを含んでもよい。表示領域DAはメイン領域MAの多くの領域を占める。表示領域DAはメイン領域MAの中央に配置される。非表示領域NDAは表示領域DAに隣接して配置される。非表示領域NDAは表示領域DAの外側領域であってもよい。非表示領域NDAは表示領域DAを囲むように配置される。非表示領域NDAは表示パネル100のエッジ領域であってもよい。
【0044】
サブ領域SBAはメイン領域MAの一側から第2方向DR2に延在してもよい。サブ領域SBAの第2方向DR2の長さはメイン領域MAの第2方向DR2の長さより小さくてもよい。サブ領域SBAの第1方向DR1の長さはメイン領域MAの第1方向DR1の長さより小さいか、メイン領域MAの第1方向DR1の長さと実質的に同一であってもよい。サブ領域SBAは曲がってもよく、表示パネル100の下部に配置されてもよい。この場合、サブ領域SBAは第3方向DR3でメイン領域MAと重なってもよい。
【0045】
表示駆動回路200は表示パネル100を駆動するための信号と電圧を生成してもよい。表示駆動回路200は集積回路(integrated circuit,IC)で形成されてCOG(chip on glass)方式、COP(chip on plastic)方式、または超音波接合方式で表示パネル100のサブ領域SBAに取り付けてもよい。または、表示駆動回路200はCOF(chip on film)方式で回路ボード300上に取り付けてもよい。
【0046】
回路ボード300は表示パネル100のサブ領域SBAの一端に取り付けてもよい。これにより、回路ボード300は表示パネル100および表示駆動回路200と電気的に接続することができる。表示パネル100と表示駆動回路200は回路ボード300を介してデジタルビデオデータと、タイミング信号、および駆動電圧の入力を受けてもよい。回路ボード300はフレキシブルプリント回路ボード(flexible printed circuit board)、印刷回路ボード(printed circuit board)またはチップオンフィルム(chip on film)のような軟性フィルム(flexible film)であってもよい。
【0047】
タッチ駆動回路400は回路ボード300上に配置される。タッチ駆動回路400は集積回路(IC)で形成されて回路ボード300に取り付けてもよい。
【0048】
タッチ駆動回路400はタッチ感知部TDUの複数の駆動電極と複数の感知電極に電気的に接続されてもよい。タッチ駆動回路400は複数の駆動電極にタッチ駆動信号を印加し、複数の感知電極を介して複数のタッチノードそれぞれのタッチ感知信号、例えば相互静電容量のチャージ変化量を感知する。タッチ駆動回路400は複数のタッチノードそれぞれのタッチ感知信号に応じてユーザのタッチの有無と近接しているか否かなどを判断する。ユーザのタッチとは、ユーザの指またはペンなどのような物体がタッチ感知部TDU上に配置される表示装置10の前面に直接接触することを示す。ユーザの近接とは、ホバリング(hovering)のようにユーザの指またはペンなどのような物体が表示装置10の前面上で離間して位置することを示す。
【0049】
表示パネル100は図2のように基板SUB、薄膜トランジスタ層TFTL、発光素子層EML、封止層TFEL、およびタッチ感知部TDUを含んでもよい。
【0050】
基板SUBは高分子樹脂などの絶縁物質からなる。例えば、基板SUBはポリイミド(polyimide)からなる。基板SUBはベンディング(bending)、フォールディング(folding)、ローリング(rolling)などが可能なフレキシブル(flexible)基板であってもよい。
【0051】
基板SUB上には薄膜トランジスタ層TFTLが配置される。薄膜トランジスタ層TFTLはメイン領域MAとサブ領域SBAに配置される。薄膜トランジスタ層TFTLは薄膜トランジスタを含む。
【0052】
発光素子層EMLは薄膜トランジスタ層TFTL上に配置される。発光素子層EMLはメイン領域MAの表示領域DAに配置される。発光素子層EMLは発光部に配置される発光素子を含む。
【0053】
封止層TFELは発光素子層EML上に配置される。封止層TFELはメイン領域MAの表示領域DAと非表示領域NDAに配置される。封止層TFELは発光素子層を封止するための少なくとも一つの無機膜と少なくとも一つの有機膜を含む。
【0054】
タッチ感知部TDUは封止層TFEL上に配置される。タッチ感知部TDUはメイン領域MAの表示領域DAと非表示領域NDAに配置される。タッチ感知部TDUはタッチ電極を用いてヒトまたは物体のタッチを感知する。
【0055】
偏光板POLは表示パネル100のタッチ感知部TDU上に配置される。偏光板POLは外部光が表示パネル100で反射して表示パネル100が表示する映像の視認性が低下することを防止するための構造物であってもよい。偏光板POLはOCA(optically clear adhesive)フィルムまたはOCR(optically clear resin)のような透明接着部材TAMにより表示パネル100上に取り付けられてもよい。
【0056】
偏光板POLは最上部層に配置されるハードコート層のような表面処理層を含んでもよい。例えば、図9のように偏光板POLは最上部層である第2位相差層1300上に配置される表面処理層をさらに含んでもよい。
【0057】
カバーウィンドウCWは表示パネル100の上部を保護するために偏光板POL上に配置される。カバーウィンドウCWはOCAフィルムまたはOCRのような透明接着部材によって偏光板POL上に取り付けてもよい。カバーウィンドウCWはガラスのような無機物であってもよく、プラスチックまたは高分子材料のような有機物であってもよい。カバーウィンドウCWは省略することができる。
【0058】
図3は一実施形態にかかる表示パネルの表示領域を示すレイアウト図である。図3には発光素子層EMLの発光部EA1,EA2,EA3,EA4とタッチ感知部TDUのタッチ電極TE,REが示されている。図3にはタッチ電極TE,REのうち駆動電極TEと感知電極REの交差部であるタッチノードの一例が示されている。
【0059】
表示パネル100の表示領域DAは複数の画素PXを含んでもよい。複数の画素PXのそれぞれは第1色の光を発光する第1サブ画素の第1発光部EA1、第2色の光を発光する第2サブ画素の第2発光部EA2、第3色の光を発光する第3サブ画素の第3発光部EA3、および第2色の光を発光する第4サブ画素の第4発光部EA4を含んでもよい。例えば、第1色の光は赤色波長光であり、第2色の光は緑色波長光であり、第3色は青色波長光であってもよい。赤色波長光は概ね650nm波長の光と定義され、緑色波長光は概ね550nm波長の光と定義され、青色波長光は概ね450nm波長の光と定義されるが、本明細書の実施形態はこれに限られない。
【0060】
画素PXのそれぞれの第1発光部EA1と第2発光部EA2は第4方向DR4で互いに隣り合い、第3発光部EA3と第4発光部EA4は第4方向DR4で互いに隣り合う。画素PXのそれぞれの第1発光部EA1と第4発光部EA4は第5方向DR5で互いに隣り合い、第2発光部EA2と第3発光部EA3は第5方向DR5で互いに隣り合う。
【0061】
第1発光部EA1、第2発光部EA2、第3発光部EA3、および第4発光部EA4のそれぞれが菱形の平面形状または長方形の平面形状を有することができるが、これに限られない。第1発光部EA1、第2発光部EA2、第3発光部EA3、および第4発光部EA4のそれぞれは四角形以外の他の多角形、円形、または楕円形の平面形状を有することができる。また、図5では第3発光部EA3の面積が最も大きく、第2発光部EA2と第4発光部EA4の面積が最も小さい場合を例示したが、これに限られない。
【0062】
第2発光部EA2と第4発光部EA4は奇数行に配置される。第2発光部EA2と第4発光部EA4は奇数行のそれぞれで第1方向DR1に並んで配置される。第2発光部EA2と第4発光部EA4は奇数行のそれぞれで交互に配列されてもよい。第2発光部EA2のそれぞれは第4方向DR4の長辺と第5方向DR5の短辺を有することに対して、第4発光部EA4のそれぞれは第4方向DR4の短辺と第5方向DR5の長辺を有してもよい。第5方向DR5は第1方向DR1と第2方向DR2の間の方向であり、第1方向DR1に対して45度傾斜した方向であってもよい。第5方向DR5は第4方向DR4と直交する方向であってもよい。
【0063】
第1発光部EA1と第3発光部EA3は偶数行に配置される。第1発光部EA1と第3発光部EA3は偶数行のそれぞれで第1方向DR1に並んで配置される。第1発光部EA1と第3発光部EA3は偶数行のそれぞれで交互に配置されてもよい。
【0064】
第2発光部EA2と第4発光部EA4は奇数列に配置される。第2発光部EA2と第4発光部EA4は奇数列のそれぞれで第2方向DR2に並んで配置される。第2発光部EA2と第4発光部EA4は奇数列のそれぞれで交互に配置されてもよい。
【0065】
第1発光部EA1と第3発光部EA3は偶数列に配置される。第1発光部EA1と第3発光部EA3は偶数列のそれぞれで第2方向DR2に並んで配置される。第1発光部EA1と第3発光部EA3は偶数列のそれぞれで交互に配置されてもよい。
【0066】
タッチ感知部TDUは駆動電極TEと感知電極REを有するタッチ電極TE、REを含んでもよい。駆動電極TEと感知電極REは同じ層に配置されるので、互いに離れて配置されてもよい。すなわち、互いに隣接した駆動電極TEと感知電極REの間にはギャップ(gap)が形成されてもよい。
【0067】
接続電極BEは駆動電極TEおよび感知電極REと異なる層に配置される。接続電極BEは少なくとも一度折り曲げられるように形成されてもよい。接続電極BEは基板SUBの厚さ方向である第3方向DR3で第2方向DR2に隣接した駆動電極TEに重なってもよい。接続電極BEは第3方向DR3で感知電極REと重なってもよい。接続電極BEの一側はタッチコンタクトホールTCNT1を介して第2方向DR2に隣接した駆動電極TEのいずれか一つの駆動電極TEに接続されてもよい。接続電極BEの他側はタッチコンタクトホールTCNT1を介して第2方向DR2に隣接した駆動電極TEのうち他の駆動電極TEに接続されてもよい。
【0068】
接続電極BEによって、駆動電極TEと感知電極REがそれらの交差部で電気的に分離されてもよい。これにより、駆動電極TEと感知電極REの間には相互静電容量が形成されてもよい。
【0069】
駆動電極TE、感知電極RE、接続電極BEのそれぞれはメッシュ構造または網構造の平面形状を有してもよい。これにより、駆動電極TE、感知電極RE、および接続電極BEのそれぞれは画素PXのそれぞれの発光部EA1、EA2、EA3、EA4と重ならない。したがって、発光部EA1、EA2、EA3、EA4から発光した光が駆動電極TE、感知電極RE、および接続電極BEによって隠されることによって、光の輝度が減少することを防止することができる。
【0070】
図4図3のB-B’に沿って切断した表示パネルの一例を示す断面図である。
【0071】
図4を参照すると、基板SUB上にはバリア膜BRが配置される。基板SUBは高分子樹脂などの絶縁物質からなる。例えば、基板SUBはポリイミド(polyimide)からなる。基板SUBはベンディング(bending)、フォールディング(folding)、ローリング(rolling)などが可能なフレキシブル(flexible)基板であってもよい。
【0072】
バリア膜BRは透湿に脆弱な基板SUBを介して浸透する水分から薄膜トランジスタ層TFTLのトランジスタと発光素子層EMLの発光層172を保護するための膜である。バリア膜BRは交互に積層された複数の無機膜からなる。例えば、バリア膜BRは、シリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、およびアルミニウムオキシド層のうち一つ以上の無機膜が交互に積層された多重膜で形成されてもよい。
【0073】
バリア膜BR上には第1薄膜トランジスタTFT1が配置される。第1薄膜トランジスタTFT1は第1アクティブ層ACT1と第1ゲート電極G1を含んでもよい。
【0074】
バリア膜BR上には第1薄膜トランジスタTFT1の第1アクティブ層ACT1が配置される。第1薄膜トランジスタTFT1の第1アクティブ層ACT1は多結晶シリコン、単結晶シリコン、低温多結晶シリコン、非晶質シリコン、または酸化物半導体を含んでもよい。
【0075】
第1アクティブ層ACT1は第1チャネル領域CHA1、第1ソース領域S1、および第1ドレイン領域D1を含んでもよい。第1チャネル領域CHA1は基板SUBの厚さ方向である第3方向DR3で第1ゲート電極G1と重なる領域であってもよい。第1ソース領域S1は第1チャネル領域CHA1の一側に配置され、第1ドレイン領域D1は第1チャネル領域CHA1の他側に配置される。第1ソース領域S1と第1ドレイン領域D1は第3方向DR3で第1ゲート電極G1と重ならない領域であってもよい。第1ソース領域S1と第1ドレイン領域D1はシリコン半導体または酸化物半導体にイオンまたは不純物がドープされて導電性を有する領域であってもよい。
【0076】
第1薄膜トランジスタTFT1の第1アクティブ層ACT1上には第1ゲート絶縁膜130が配置される。第1ゲート絶縁膜130は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されてもよい。
【0077】
第1ゲート絶縁膜130上には第1薄膜トランジスタTFT1の第1ゲート電極G1と第1キャパシタ電極CAE1が配置される。第1ゲート電極G1は第3方向DR3で第1アクティブ層ACT1と重なってもよい。図4では第1ゲート電極G1と第1キャパシタ電極CAE1が互いに離れて配置された場合を示しているが、第1ゲート電極G1と第1キャパシタ電極CAE1は互いに接続されてもよい。第1ゲート電極G1と第1キャパシタ電極CAE1はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されてもよい。
【0078】
第1薄膜トランジスタTFT1の第1ゲート電極G1と第1キャパシタ電極CAE1上には第1層間絶縁膜141が配置される。第1層間絶縁膜141は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されてもよい。第1層間絶縁膜141は複数の無機膜で形成されてもよい。
【0079】
第1層間絶縁膜141上には第2キャパシタ電極CAE2が配置される。第2キャパシタ電極CAE2は第3方向DR3で第1薄膜トランジスタTFT1の第1キャパシタ電極CAE1と重なってもよい。第1キャパシタ電極CAE1が第1ゲート電極G1と接続された場合、第2キャパシタ電極CAE2は第3方向DR3で第1ゲート電極G1と重なってもよい。第1層間絶縁膜141が所定の誘電率を有するので、第1キャパシタ電極CAE1、第2キャパシタ電極CAE2、およびそれらの間に配置された第1層間絶縁膜141によりキャパシタが形成されてもよい。第2キャパシタ電極CAE2はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されてもよい。
【0080】
第2キャパシタ電極CAE2上には第2層間絶縁膜142が配置される。第2層間絶縁膜142は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されてもよい。第2層間絶縁膜142は複数の無機膜で形成されてもよい。
【0081】
第2層間絶縁膜142上には第1アノード接続電極ANDE1が配置される。第1アノード接続電極ANDE1は第1ゲート絶縁膜130、第1層間絶縁膜141、および第2層間絶縁膜142を貫通する第1接続コンタクトホールANCT1を介して第1薄膜トランジスタTFT1の第1ドレイン領域D1に接続されてもよい。第1アノード接続電極ANDE1は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されてもよい。
【0082】
第1アノード接続電極ANDE1上には第1薄膜トランジスタTFT1による段差を平坦化するための第1平坦化膜160が配置される。第1平坦化膜160は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されてもよい。
【0083】
第1平坦化膜160上には第2アノード接続電極ANDE2が配置される。第2アノード接続電極ANDE2は第1平坦化膜160を貫通する第2接続コンタクトホールANCT2を介して第1アノード接続電極ANDE1に接続されてもよい。第2アノード接続電極ANDE2は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されてもよい。
【0084】
第2アノード接続電極ANDE2上には第2平坦化膜180が配置される。第2平坦化膜180は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されてもよい。
【0085】
第2平坦化膜180上には発光素子LELとバンク190が配置される。発光素子LELのそれぞれは画素電極171、発光層172、および共通電極173を含む。
【0086】
画素電極171は第2平坦化膜180上に配置される。画素電極171は第2平坦化膜180を貫通する第3接続コンタクトホールANCT3を介して第2アノード接続電極ANDE2に接続されてもよい。
【0087】
発光層172を基準として共通電極173方向に発光する上部発光(top emission)構造において、画素電極171はアルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITO(Indium Tin Oxide)の積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、およびAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)のような反射率が高い金属物質で形成されてもよい。APC合金は銀(Ag)、パラジウム(Pd)、および銅(Cu)の合金である。
【0088】
バンク190は第1発光部EA1、第2発光部EA2、第3発光部EA3、および第4発光部EA4を定義するために、第2平坦化膜180上で画素電極171を区切るように形成されてもよい。バンク190は画素電極171の縁を覆うように配置される。バンク190はアクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されてもよい。
【0089】
第1発光部EA1、第2発光部EA2、第3発光部EA3、および第4発光部EA4のそれぞれは画素電極171、発光層172、および共通電極173が順次積層されて、画素電極171からの正孔と共通電極173からの電子が発光層172で再結合することによって発光する領域を示す。
【0090】
画素電極171とバンク190の上には発光層172が配置される。発光層172は有機物質を含んで所定の色を発光することができる。例えば、発光層172は、正孔輸送層(hole transporting layer)、有機物質層、および電子輸送層(electron transporting layer)を含む。
【0091】
共通電極173は発光層172の上に配置される。共通電極173は発光層172を覆うように配置される。共通電極173は第1発光部EA1、第2発光部EA2、第3発光部EA3、および第4発光部EA4に共通して形成される共通層であってもよい。共通電極173上にはキャッピング層(capping layer)が形成される。
【0092】
上部発光構造で共通電極173は光を透過させ得るITO、IZOのような透明な金属物質(TCO、Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)で形成されてもよい。共通電極173が半透過金属物質で形成される場合、マイクロキャビティ(micro cavity)により出光効率が高くなる。
【0093】
バンク190上にはスペーサ191が配置される。スペーサ191は発光層172を製造する製造工程中にマスクを支持する役割をすることができる。スペーサ191は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されてもよい。
【0094】
共通電極173上には封止層TFELが配置される。封止層TFELは発光素子層EMLの発光層172に酸素または水分が浸透することを防止するために少なくとも一つの無機膜を含んでもよい。また、封止層TFELはゴミのような異物から発光素子層EMLを保護するために少なくとも一つの有機膜を含んでもよい。封止層TFELは多様な実施形態により無機膜と有機膜を含んでもよく、封止層TFELに係る説明は図5ないし図8を参照して後述する。
【0095】
封止層TFEL上にはタッチ感知部TDUが配置される。タッチ感知部TDUは第1タッチ絶縁膜TINS1、接続電極BE、第2タッチ絶縁膜TINS2、駆動電極TE、感知電極RE、および第3タッチ絶縁膜TINS3を含む。
【0096】
第1タッチ絶縁膜TINS1は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されてもよい。
【0097】
第1タッチ絶縁膜TINS1上には接続電極BEが配置される。接続電極BEはモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されてもよい。
【0098】
接続電極BE上には第2タッチ絶縁膜TINS2が配置される。第2タッチ絶縁膜TINS2は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されてもよい。または、第2タッチ絶縁膜TINS2は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されてもよい。
【0099】
第2タッチ絶縁膜TINS2上には駆動電極TEと感知電極REが配置される。また、駆動電極TEと感知電極REだけでなく、図4に示すダミーパターンDE、第1タッチ駆動配線TL1、第2タッチ駆動配線TL2、およびタッチ感知配線RLが第2タッチ絶縁膜TINS2上に配置される。駆動電極TEと感知電極REはモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されてもよい。
【0100】
駆動電極TEと感知電極REは第3方向DR3で接続電極BEと重なってもよい。駆動電極TEは第1タッチ絶縁膜TINS1を貫通するタッチコンタクトホールTCNT1を介して接続電極BEに接続されてもよい。
【0101】
駆動電極TEと感知電極RE上には第3タッチ絶縁膜TINS3が形成される。第3タッチ絶縁膜TINS3は駆動電極TE、感知電極RE、および接続電極BEによって形成された段差を平坦化する役割をすることができる。第3タッチ絶縁膜TINS3は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されてもよい。
【0102】
図5図4の共通電極、キャッピング層、中間層、および封止層の一例を示す断面図である。
【0103】
図5を参照すると、キャッピング層CPLは共通電極173上に配置される。キャッピング層CPLはアルミニウムオキシド、チタンオキシド、タンタルオキシド、ハフニウムオキシド、亜鉛オキシド、シリコンオキシド、シリコンナイトライド、シリコンオキシナイトライドの少なくとも一つの無機絶縁物を含んでもよい。
【0104】
中間層MELはキャッピング層CPL上に配置される。中間層MELはフッ化リチウム(LiF)を含んでもよい。
【0105】
封止層TFELは中間層MEL上に配置される。封止層TFELは第1封止無機膜INL1、第2封止無機膜INL2、第3封止無機膜INL3、封止有機膜ORL、および第4封止無機膜INL4を含んでもよい。
【0106】
第1封止無機膜INL1は中間層MEL上に配置され、第2封止無機膜INL2は第1封止無機膜INL1上に配置され、第3封止無機膜INL3は第2封止無機膜INL2上に配置される。また、封止有機膜ORLは第3封止無機膜INL3上に配置され、第4封止無機膜INL4は封止有機膜ORL上に配置される。
【0107】
第1封止無機膜INL1、第2封止無機膜INL2、第3封止無機膜INL3、および第4封止無機膜INL4はアルミニウムオキシド、チタンオキシド、タンタルオキシド、ハフニウムオキシド、亜鉛オキシド、シリコンオキシド、シリコンナイトライド、シリコンオキシナイトライドの少なくとも一つの無機絶縁物を含んでもよい。例えば、第1封止無機膜INL1と第4封止無機膜INL4はシリコンナイトライド(SiNx)であり、第2封止無機膜INL2はシリコンオキシナイトライド(SiON)であってもよい。
【0108】
有機膜ORLはモノマーを含んでもよい。有機膜ORLはモノマーを塗布した後熱や紫外線を用いてモノマーを硬化することによって形成してもよい。
【0109】
この時、キャッピング層CPLの屈折率は2.0であり、中間層MELの屈折率は1.4であってもよい。第1封止無機膜INL1の屈折率は1.89であり、第2封止無機膜INL2の屈折率は1.62であり、第3封止無機膜INL3の屈折率は1.57であってもよい。封止有機膜ORLの屈折率は1.51であり、第4封止無機膜INL4の屈折率は1.89であってもよい。
【0110】
図6図4の封止層の他の例を示す断面図である。
【0111】
図6を参照すると、封止層TFEL_1はキャッピング層CPL上に配置される。封止層TFEL_1は第1封止無機膜INL1_1、第2封止無機膜INL2_1、第3封止無機膜INL3_1、封止有機膜ORL_1、および第4封止無機膜INL4_1を含んでもよい。
【0112】
第1封止無機膜INL1_1はキャッピング層CPL上に配置され、第2封止無機膜INL2_1は第1封止無機膜INL1_1上に配置され、第3封止無機膜INL3_1は第2封止無機膜INL2_1上に配置される。また、封止有機膜ORL_1は第3封止無機膜INL3_1上に配置され、第4封止無機膜INL4_1は封止有機膜ORL_1上に配置される。
【0113】
第1封止無機膜INL1_1、第2封止無機膜INL2_1、第3封止無機膜INL3_1、および第4封止無機膜INL4_1はアルミニウムオキシド、チタンオキシド、タンタルオキシド、ハフニウムオキシド、亜鉛オキシド、シリコンオキシド、シリコンナイトライド、シリコンオキシナイトライドの少なくとも一つの無機絶縁物を含んでもよい。例えば、第1封止無機膜INL1_1はシリコンオキシド(SiOx)またはシリコンオキシナイトライド(SiON)であり、第4封止無機膜INL4_1はシリコンオキシナイトライド(SiON)であってもよい。
【0114】
有機膜ORL_1はモノマーを含んでもよい。有機膜ORL_1はモノマーを塗布した後、熱や紫外線を用いてモノマーを硬化することによって形成してもよい。
【0115】
この時、キャッピング層CPLの屈折率は2.0であり、第1封止無機膜INL1_1の屈折率は1.52より小さくてもよい。第2封止無機膜INL2_1の屈折率は1.77または1.89であり、第3封止無機膜INL3_1の屈折率は1.62または1.70であってもよい。封止有機膜ORLの屈折率は1.51であり、第4封止無機膜INL4_1の屈折率は1.62であってもよい。
【0116】
図7図4の封止層の他の例を示す断面図である。
【0117】
図7を参照すると、封止層TFEL_2はキャッピング層CPL上に配置される。封止層TFEL_2は第1封止無機膜INL1_2、封止有機膜ORL_2、および第2封止無機膜INL2_2を含んでもよい。
【0118】
第1封止無機膜INL1_2はキャッピング層CPL上に配置され、封止有機膜ORL_2は第1封止無機膜INL1_2上に配置され、第2封止無機膜INL2_2は封止有機膜ORL_2上に配置される。
【0119】
第1封止無機膜INL1_2と第2封止無機膜INL2_2はアルミニウムオキシド、チタンオキシド、タンタルオキシド、ハフニウムオキシド、亜鉛オキシド、シリコンオキシド、シリコンナイトライド、シリコンオキシナイトライドの少なくとも一つの無機絶縁物を含んでもよい。例えば、第1封止無機膜INL1_2はシリコンオキシナイトライド(SiON)であり、第2封止無機膜INL2_2はシリコンナイトライド(SiNx)であってもよい。第1封止無機膜INL1_2の厚さは第2封止無機膜INL2_2の厚さより厚くてもよい。例えば、第1封止無機膜INL1_2は概ね10,000Åの厚さを有してもよい。
【0120】
有機膜ORL_2はモノマーを含んでもよい。有機膜ORL_2はモノマーを塗布した後、熱や紫外線を用いてモノマーを硬化することによって形成してもよい。
【0121】
この時、キャッピング層CPLの屈折率は2.0であり、第1封止無機膜INL1_2の屈折率は1.52より小さくてもよい。第2封止無機膜INL2_2の屈折率は1.77または1.89であり、第3封止無機膜INL3_2の屈折率は1.62または1.70であってもよい。封止有機膜ORLの屈折率は1.51であり、第4封止無機膜INL4_2の屈折率は1.62であってもよい。
【0122】
図8図4の封止層の他の例を示す断面図である。
【0123】
図8を参照すると、封止層TFEL_3はキャッピング層CPL上に配置される。封止層TFEL_3は第1封止無機膜INL1_3、第2封止無機膜INL2_3、封止有機膜ORL_3、および第3封止無機膜INL3_3を含んでもよい。
【0124】
第1封止無機膜INL1_3はキャッピング層CPL上に配置され、第2封止無機膜INL2_3は第1封止無機膜INL1_3上に配置される。また、封止有機膜ORL_3は第2封止無機膜INL2_3上に配置され、第3封止無機膜INL3_3は封止有機膜ORL_3上に配置される。
【0125】
第1封止無機膜INL1_3、第2封止無機膜INL2_3、および第3封止無機膜INL3_3は、アルミニウムオキシド、チタンオキシド、タンタルオキシド、ハフニウムオキシド、亜鉛オキシド、シリコンオキシド、シリコンナイトライド、シリコンオキシナイトライドの少なくとも一つの無機絶縁物を含んでもよい。例えば、第1封止無機膜INL1_3と第2封止無機膜INL2_3はシリコンオキシナイトライド(SiON)であり、第3封止無機膜INL3_3はシリコンナイトライド(SiNx)であってもよい。
【0126】
有機膜ORL_3はモノマーを含んでもよい。有機膜ORL_3はモノマーを塗布した後、熱や紫外線を用いてモノマーを硬化することによって形成してもよい。
【0127】
この時、キャッピング層CPLの屈折率は2.0であり、第1封止無機膜INL1_3の屈折率は1.77であってもよい。第2封止無機膜INL2_3の屈折率は1.62であり、封止有機膜ORLの屈折率は1.51であり、第3封止無機膜INL3_3の屈折率は1.89であってもよい。
【0128】
図9は一実施形態にかかる偏光板を示す分解斜視図である。
【0129】
図9を参照すると、偏光板POLは第1部分PR1と第2部分PR2を含んでもよい。第1部分PR1は外部光による表示パネル100の映像の視認性低下を防止するための反射防止部としての役割をする。第2部分PR2は偏光サングラスを着用した視聴者の表示パネル100の映像視認性を高めるためのサングラスフリー位相差層(sunglass free retarder)を含んでもよい。
【0130】
第1部分PR1は偏光子1100、第1位相差層1200、および保護フィルム1400を含んでもよい。第2部分PR2は第2位相差層1300を含んでもよい。
【0131】
第1部分PR1が反射防止部としての役割をするために、偏光子1100、第1位相差層1200、および保護フィルム1400を含む第1部分PR1の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下であってもよい。また、第1部分PR1のR(450)/R(550)の値が1.00以下であってもよい。R(450)は第1部分PR1の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は第1部分PR1の550nm波長での面内位相差値(R)であってもよい。
【0132】
偏光子1100は入射された光を透過軸TAXISと同じ方向の光に偏光する役割をする。図9では偏光子1100の吸収軸AAXISは第1方向DR1に対して45°傾斜し、偏光子1100の透過軸TAXISは第1方向DR1に対して135°傾斜した場合を例示したが、本明細書の実施形態はこれに限られない。偏光子1100の透過軸TAXISと吸収軸AAXISは互いに交差してもよい。偏光子1100の透過軸TAXISと吸収軸AAXISの間の角度は90°であってもよい。
【0133】
偏光子1100はポリビニルアルコール(PVA:Poly Vinyl Alcohol)樹脂フィルムに偏光子または二色性色素(dichroic dye)を含んでもよい。
【0134】
ポリビニルアルコール樹脂はポリ酢酸ビニル系樹脂をけん化することによって得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂の例として酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニル、または酢酸ビニルおよびこれと共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。前記酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体の例として不飽和カルボン酸系、不飽和スルホン酸系、オレフィン系、ビニルエーテル系、アンモニウム基を有するアクリルアミド系単量体などが挙げられる。
【0135】
ポリビニルアルコール系樹脂は変性されたものであってもよく、例えば、アルデヒド類に変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度は85モル%以上100モル%以下であってもよく、好ましくは98モル%以上であってもよい。前記ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は約1,000以上10,000以下であり、好ましく1,500以上5,000以下であってもよい。
【0136】
ポリビニルアルコール系樹脂は偏光子1100の原反フィルムとして使用してもよい。原反フィルムの厚さは概ね10μm以上150μm以下であってもよい。
【0137】
二色性色素はヨード分子または染料分子になる。
【0138】
偏光子1100は水溶液上で連続的にポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸する工程、二色性色素で染色して吸着させる工程、ホウ酸水溶液で処理する工程、および水洗、乾燥工程などにより製造することができる。ポリビニルアルコール樹脂フィルムは一方向に延伸され、ヨードまたは二色性染料の溶液に浸漬されてもよい。この場合、ヨード分子または二色性染料分子は延伸方向に並んで配列される。ヨード分子と染料分子は異色性を示すので延伸方向に振動する光は吸収し、それに直角である方向に振動する光は透過させることができる。
【0139】
第1位相差層1200は偏光子1100の一面上に配置される。すなわち、第1位相差層1200は偏光子1100の下面上に配置される。
【0140】
第1位相差層1200は逆波長分散性、フラット波長分散性または正波長分散性を有してもよい。第1位相差層1200はより優れた斜面での色相偏差減少のために逆波長分散性を有してもよい。
【0141】
第1位相差層1200は外部から入射される光の反射防止性能を示すことができるものであれば限定なく使用することができる。第1位相差層1200は単一の位相差層を含むかまたは複数の位相差層を含んでもよい。
【0142】
第1位相差層1200が単一の位相差層を含む場合、単一の位相差層は四分の一波長(λ/4)位相差層であってもよい。四分の一波長位相差層は入射された光で遅相軸方向に振動する成分に対して1/4だけ位相を遅延させて出射する。四分の一波長位相差層は表示パネル100から出光される光を円偏光または楕円偏光に変換させることができる。
【0143】
第1位相差層1200が複数の位相差層を含む場合、複数の位相差層は2個の位相差層、例えば二分の一波長(λ/2)位相差層と四分の一波長(λ/4)位相差層を含むか2個の三分の一波長((λ/3)位相差層を含んでもよいが、本明細書の実施形態はこれに限られない。
【0144】
第1位相差層1200の遅延軸SAXIS1と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度は概ね45°±αであり得る。例えば、αは0.5°であってもよいが、本明細書の実施形態はこれに限られない。
【0145】
第2位相差層1300は偏光子1100の他面上に配置される。すなわち、第2位相差層1300は偏光子1100の上面上に配置される。
【0146】
本明細書で、「視認側(viewer side)」は偏光板POLが表示パネル100の一面上に付着する場合、ユーザまたは視聴者に隣接する面を示す。「パネル側」は視認側の反対側であって、表示パネル100に隣接する面を示す。したがって、偏光子1100の上面と第2位相差層1300は偏光板POLの視認側に配置され、偏光子1100の下面と第1位相差層1200は偏光板POLのパネル側に配置されてもよい。
【0147】
第2位相差層1300は偏光子1100を通過した線偏光を円偏光または楕円偏光に変換することによって、視聴者は視聴者が着用したサングラスの偏光方向に関係なく表示パネル100の映像を視聴することができる。
【0148】
第2位相差層1300の550nm波長での面内位相差値(R)は100nmより小さくてもよい。より具体的には、第2位相差層1300の550nm波長での面内位相差値(R)は20nm以上であり、100nmより小さくてもよいが、本明細書の実施形態はこれに限られない。この場合、第1位相差層1200が四分の一波長位相差層である場合、550nm波長での面内位相差値(R)は概ね140nmであるから、第2位相差層1300の550nm波長での面内位相差値(R)は第1位相差層1200の550nm波長での面内位相差値(R)より小さくてもよい。
【0149】
第2位相差層1300の面内位相差値(R)は下記数式1により算出することができる。
[数式1]
【数1】
【0150】
数式1において、nxとnyはフィルムの面内屈折率を示す。面内屈折率が最大になる振動方向をxとするとき、nxは前記振動方向に振動する光による屈折率を示す。この時、nxとnyは互いに垂直をなす。dはフィルムの厚さを示す。
【0151】
第2位相差層1300の波長分散特性は、特に限定されるものではなく、例えば、逆波長分散特性、フラット波長分散特性などを有するものであってもよく、逆波長分散特性を有することが色差低減の側面において好ましい。
【0152】
第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度は10°以上45°以下であってもよい。より好ましくは、第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度は15°以上40°以下に具現することもできる。第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度は偏光子1100の吸収軸AAXISと第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2がなす角度を示す。例えば、図10bのように第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度(∠θ)は時計回りで偏光子1100の吸収軸AAXISから第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2’までの角度(∠θ1)および反時計回りで偏光子1100の吸収軸AAXISから第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2”までの角度(∠θ2)を示す。第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISは第1方向DR1と第2方向DR2により定義される平面上に定義されるので、第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度(∠θ)も第1方向DR1と第2方向DR2により定義される平面上に定義されてもよい。
【0153】
本明細書で、遅延軸は面内において偏光された光の屈折率が最大になる軸を示す。遅延軸は遅相軸またはslow axisと称することもできる。また、本明細書で、「吸収軸」は線偏光された光を吸収する軸を示す。「吸収軸」は「透過軸」と垂直な配向の軸であってもよい。
【0154】
以上で調べた通り、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が100nmより小さく、第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度は10°以上45°以下である場合、表示装置10で方位角によって色相偏差が発生することを最小化するか、防止することができる偏光板POLが提供される。
【0155】
また、偏光子1100により偏光された光が第2位相差層1300を通過する時楕円偏光されるので、偏光サングラスを着用した視聴者が表示装置10の映像を視聴することができる。
【0156】
第1位相差層1200と第2位相差層1300のそれぞれは例えば、フィルムタイプまたは液晶コート層で形成されてもよい。フィルムタイプ位相差層は高分子フィルムを一軸方向、両軸方向またはその他適切な方法で配向させることによって得ることができる。例えば、前記高分子フィルムは、環状高分子オレフィン(COP)系、ポリカーボネート系、ポリエステル系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、セルロースアセテート系、ポリメチルメタクリレート系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリレート系、ポリアミド系高分子などを含んでもよい。
【0157】
液晶コート層タイプ位相差層はネマチックまたはスメクチック液晶物質を含む反応性液晶組成物を使用して製造されてもよい。例えば、前記反応性液晶組成物を基板の上にコートして平面配向に配向させて熱または紫外線に露出させて重合を誘導して製造することができる。
【0158】
例えば、液晶コート層タイプ位相差層はネマチック液晶物質を含む場合、ネマチック液晶は下記構造式1のような構造を有することができる。
[構造式1]
【化1】
【0159】
この時、Terminal/linkageグループは液晶分子の長さおよび粘度に影響を及ぼし得る。Terminalグループは炭素数1以上20以下のアルキル、アルコキシ、アルケニルまたはアルケニルオキシであってもよい。Linkageグループはトルエン、エステルエチレン、C-C結合、OCH2または(CH2)nであり、nは1以上20以下であってもよい。しかし、構造式1は本明細書の実施形態であるだけであり、本明細書の実施形態はこれに限られない。
【0160】
また、構造式1においてCentralグループは屈折率値および屈折率異方性特性に影響を及ぼし得る。Centralグループは次の化学式1以上8以下より選択される一つ以上を含んでもよいが、本明細書の実施形態はこれに限られない。
[化学式1]
【化2】

[化学式2]
【化3】

[化学式3]
【化4】

[化学式4]
【化5】

[化学式5]
【化6】

[化学式6]
【化7】

[化学式7]
【化8】

[化学式8]
【化9】
【0161】
化学式1と化学式2において、nは1以上10以下であってもよい。
構造式1においてTグループは極性に影響を及ぼし得る。Tは炭素数1以上20以下のアルキル、アルコキシ、CNおよびハロゲン原子から選択されてもよい。
【0162】
構造式1において、Centralグループの芳香族環含有量によって短波長屈折率が上昇する傾向性が現れる。したがって、Centralグループの芳香族環とTerminalグループの比率を適宜調節して波長分散性を調整できるが、これは一実施形態である。
【0163】
第2位相差層1300は少なくとも一面上に配置される表面処理層を含んでもよい。例えば、表面処理層はハードコート層、防眩層、防汚層、帯電防止層、易接着層などであってもよい。表面処理層は単層または2層以上で形成されてもよい。
【0164】
ハードコート層は透光性樹脂、光開始剤および溶剤を含むハードコート組成物を用いて形成されてもよい。ハードコート組成物は紫外線吸収剤、無機酸化物微粒子、フッ素系添加剤などをさらに含んでもよい。
【0165】
透光性樹脂は光硬化型樹脂であり、光硬化型樹脂は光硬化型(メタ)アクリレートオリゴマーおよび/またはモノマーを含んでもよい。
【0166】
光硬化型(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、通常エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アアクリレートなどを使用し、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。ウレタン(メタ)アアクリレートは分子内にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとイソシアネート基を有する化合物を触媒存在下で反応させて製造することができる。分子内にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートの具体的な例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン開環ヒドロキシアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどがある。また、イソシアネート基を有する化合物の具体的な例としては、1,4-ジイソシアナトブタン、1,6-ジイソシアナトヘクサン、1,8-ジイソシアナトオクタン、1,12-ジイソシアナトドデカン、1,5-ジイソシアナト-2-メチルペンタン、トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘクサン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、トランス-1,4-シクロヘキセンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、トルエン-2,4-ジイソシアネート、トルエン-2,6-ジイソシアネート、キシレン1,4-ジイソシアネート、テトラメチルキシレン-1,3-ジイソシアネート、1-クロロメチル-2,4-ジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルイソシアネート)、4,4’-オキシビス(フェニルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導される3官能イソシアネート、トリメタンプロパノールアダクトトルエンジイソシアネートなどがある。
【0167】
モノマーは通常使用するものを制限なく使用することができ、光硬化型官能基として(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などの不飽和基を分子内に有するモノマーが好ましく、その中でも(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが好ましい。
【0168】
(メタ)アクリロイル基を有するモノマーは具体的な例として、ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4-シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートおよびイソボルネオール(メタ)アクリレートからなる群より1種以上選択されてもよい。
【0169】
例示した透光性樹脂である光硬化型(メタ)アクリレートオリゴマーおよびモノマーはそれぞれ単独でまたは二つ以上を組み合わせて使用することができる。
【0170】
光開始剤としては光照射によってラジカルを形成できるものとして当該技術分野で使用されるものであれば制限なく使用することができる。例えば、ヒドロキシケトン類、アミノケトン類、水素引き抜き型光開始剤などを使用することができる。
【0171】
具体的には、光開始剤としては、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]2-モルホリンプロパノン-1,ジフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-オン、2,2-ジメトキシ-2-フェニル-アセトフェノン、アントラキノン、フルオレン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3-メチルアセトフェノン、4-クロロアセトフェノン、4,4-ジメトキシアセトフェノン、4,4-ジアミノベンゾフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドなどがある。例示した光開始剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0172】
溶剤は当該技術分野で使用されるものであれば、制限なく使用することができる。具体的には、アルコール系(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、ケトン系(メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノンなど)、アセテート系(酢酸エチル、プロピルアセテート、ノーマルブチルアセテート、ターシャリーブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなど)、ヘキサン系(ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど)、ベンゼン系(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、エーテル系(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど)などを使用することができる。例示した溶剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0173】
ハードコート層の厚さは3μm以上20μm以下、具体的には3μm以上15μm以下であり得る。上述した範囲の厚さを有するハードコート層を含むことによって、優れた表面硬度と取り扱いの容易性、柔軟性を有することができる。
【0174】
ハードコート組成物を塗布する方法は、本技術が属する技術分野で適用できるものであれば特に制限されず、例えば、バーコート方式、ナイフコート方式、ロールコート方式、ブレードコート方式、ダイコート方式、マイクログラビアコート方式、コンマコート方式、スロットダイコート方式、リップコート方式、ソリューションキャスティング方式などを用いることができる。
【0175】
ハードコート組成物が紫外線吸収剤を含む場合、紫外線吸収剤は、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、およびシアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましい市販の紫外線吸収剤としては、例えば、住化ケムテックス(株)製のSumisorb(登録商標)340、(株)ADEKA製のアデカスタブ(登録商標)LA-31、およびBASFジャパン(株)製のTINUVIN(登録商標)1577などが挙げられる。
【0176】
表面処理層の他の例においても、本発明の効果を達成できる範囲でそれぞれの表面処理機能のために公知の組成物および塗布方法などを採用することができる。
【0177】
保護フィルム1400は偏光子1100と第1位相差層1200の間に配置される。例えば、保護フィルム1400は偏光子1100の下面の上に配置され、第1位相差層1200の上面の上に配置される。保護フィルム1400は接着剤または粘着剤を介して偏光子1100および第1位相差層1200と接着または粘着することができる。
【0178】
第2位相差層1300と保護フィルム1400のそれぞれは透明性、機械的強度、熱安全性、水分遮蔽性、等方性特性に優れる樹脂フィルムを含んでもよい。例えば、第2位相差層1300と保護フィルム1400のそれぞれはノルボルネン系樹脂を含んでもよい。第2位相差層1300と保護フィルム1400のそれぞれはポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルム、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系またはノルボルネン構造を有するポリオレフィン系、エチレン-プロピレン共重合体などのポリオレフィン系樹脂フィルムなどを含んでもよい。
【0179】
第2位相差層1300と保護フィルム1400のそれぞれは添加剤をさらに含んでもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、増白剤、シリカ分散剤、酸化防止剤、pH調整剤およびレベリング剤が挙げられる。第2位相差層1300と保護フィルム1400のそれぞれは単層であるか、複数層からなる積層構成であってもよく、本発明の目的を達成する範囲であれば、特に限られない。複数層である場合、例えば、樹脂フィルムを片面または両面に機能層が積層された形態であってもよい。
【0180】
図10aは屈折率が互いに異なる層の界面での光の屈折を示す例示図である。
【0181】
図10aを参照すると、屈折率が互いに異なる二つの層L1、L2の間の界面INTFを通過する光の透過率は数式2により定まる。図10aでは第1層L1の屈折率が第2層L2の屈折率より低い場合を例示したが、本明細書の実施形態はこれに限られない。すなわち、第1層L1の屈折率が第2層L2の屈折率より高い場合にも、屈折率が互いに異なる二つの層L1、L2の間の界面INTFを通過する光の透過率は数式2により定まる。
[数式2]
【数2】
【0182】
数式2において、Tは光の透過率、RsはS偏光の反射率、RpはP偏光の反射率、θ1は第1層L1から第2層L2に入射する光の入射角度、θ2は第1層L1と第2層L2の界面INTFで屈折した光の屈折角度を示す。光の入射角度θ1は前記界面INTFと垂直である法線VLと入射光線がなす角度を示し、光の屈折角度θ2は前記法線VLと屈折光線がなす角度を示す。
【0183】
屈折率が互いに異なる二つの層L1、L2の間の界面でP偏光の反射率とS偏光の反射率が異なるので、P偏光の透過率とS偏光の透過率は相異なってもよい。例えば、屈折率が互いに異なる二つの層の間の界面でS偏光の反射率がP偏光の反射率より高く、これによりP偏光の透過率がS偏光の透過率より高くてもよい。
【0184】
図5から図8のように、封止層TFELは屈折率が互いに異なる複数の層を含む。すなわち、発光層172の上部には屈折率が互いに異なる複数の層を含む封止層TFELが配置されるので、屈折率が互いに異なる二つの複数の層を通過するP偏光の透過率とS偏光の透過率は相異なってもよい。
【0185】
また、図2のように、順次積層された偏光板POLの屈折率と透明接着部材TAMの屈折率、順次積層された透明接着部材TAMの屈折率とカバーウィンドウCWの屈折率、およびカバーウィンドウCWの屈折率と空気の屈折率が相異なるので、偏光板POLと透明接着部材TAMの界面、透明接着部材TAMとカバーウィンドウCWの界面、およびカバーウィンドウCWと空気の界面を通過するP偏光の透過率とS偏光の透過率は相異なってもよい。具体的には、偏光板POLと透明接着部材TAMの界面、透明接着部材TAMとカバーウィンドウCWの界面、およびカバーウィンドウCWと空気の界面を通過するP偏光の透過率がS偏光の透過率より高くてもよい。
【0186】
図11図9の偏光板でS偏光の振動方向が吸収軸と一致するとき、封止層、第1位相差層、および偏光子におけるP偏光とS偏光の経路を示す例示図である。図12図9の偏光板でP偏光の振動方向が吸収軸と一致するとき、封止層、第1位相差層、および偏光子におけるP偏光とS偏光の経路を示す例示図である。
【0187】
図11および図12を参照すると、第1位相差層1200でP偏光が円偏光または楕円偏光に変換され、S偏光が円偏光または楕円偏光に変換されるので、P偏光で変換された円偏光または楕円偏光とS偏光で変換された円偏光または楕円偏光はいずれも偏光子1100を透過し得る。例えば、図11のようにS偏光の振動方向が吸収軸AAXISと一致する場合、P偏光が偏光子1100を通過し得る。また、図12のようにP偏光の振動方向が吸収軸AAXISと一致する場合、S偏光が偏光子1100を通過し得る。
【0188】
図10aのように屈折率が互いに異なる複数の層を含む封止層TFELを通過した光でP偏光の透過率がS偏光の透過率より高いので、偏光子1100を通過するP偏光で変換された円偏光または楕円偏光の透過率がS偏光で変換された円偏光または楕円偏光の透過率より高くてもよい。
【0189】
封止層TFELの複数の層の厚さは第1発光部EA1で発光した赤色波長光の共振距離、第2発光部EA2と第4発光部EA4で発光した緑色波長光の共振距離、および第3発光部EA3で発光した青色波長光の共振距離を考慮して設定することができる。この時、封止層TFELの複数の層の厚さは赤色波長光の共振距離、緑色波長光の共振距離、および青色波長光の共振距離をすべて考慮して設計することは難しい。第1発光部EA1で発光する赤色波長光の効率(または寿命)は、第2発光部EA2と第4発光部EA4で発光する緑色波長光の効率(または寿命)と第3発光部EA3で発光する青色波長光の効率(または寿命)より優れる。したがって、赤色波長光の共振距離より緑色波長光の共振距離および青色波長光の共振距離を優先的に考慮して設計することができる。そのため、表示パネル100で出力される映像は偏光子1100の透過軸に沿って赤い色を帯びる(reddish)色感を有することができる。したがって、表示パネル100で出力される映像が赤い色を帯びる色感を有することを改善する必要がある。
【0190】
図13は赤色波長光、緑色波長光、および青色波長光別に第1位相差層、偏光子、第2位相差層、およびカバーウィンドウを通過した光の偏光状態を示す例示図である。
【0191】
図13を参照すると、第1位相差層1200を通過した赤色波長の光、緑色波長の光、および青色波長の光は円偏光または楕円偏光を有してもよい。
【0192】
偏光子1100を通過した赤色波長光、緑色波長光、および青色波長光は透過軸TAXISと並んだ方向で振動する線形偏光を有してもよい。
【0193】
線形偏光を有する赤色波長光、緑色波長光、および青色波長光は第2位相差層1300を通過して円偏光または楕円偏光に変換されてもよい。第2位相差層1300を通過した赤色波長光、緑色波長光、および青色波長光はそれぞれS偏光とP偏光を有してもよい。この場合、第2位相差層1300を通過した赤色波長光のS偏光の透過率とP偏光の透過率、緑色波長光のS偏光の透過率とP偏光の透過率、および青色波長光のS偏光の透過率とP偏光の透過率は方位角および極角によって相異なってもよい。
【0194】
さらに、第2位相差層1300を通過した円偏光または楕円偏光を有する赤色波長光、緑色波長光、および青色波長光が偏光板POLと透明接着部材TAMの界面、透明接着部材TAMとカバーウィンドウCWの界面、およびカバーウィンドウCWと空気の界面を通過するとき、円偏光または楕円偏光を有する赤色波長光、緑色波長光、および青色波長光のP偏光の透過率はS偏光の透過率より高くてもよい(P波優勢(dominant))。
【0195】
したがって、第2位相差層1300において、表示装置10に表示される映像にカラーシフト(color shift)が発生し得る。しかし、第2位相差層1300は偏光サングラスを着用した視聴者が表示装置10の映像を視聴するために必要な構成であるから、第2位相差層1300を省略することは難しい。したがって、偏光板POLで第2位相差層1300を省略せず、図11図12を参照して説明した表示パネル100で出力される映像が赤い色を帯びる色感を有することと図13を参照して説明した第2位相差層1300によるカラーシフトを改善する必要がある。
【0196】
図14は表示装置を基準として方位角と極角を説明するための例示図である。図15は平面上での方位角と極角を示す例示図である。
【0197】
図14図15を参照すると、平面上で表示装置10の上面の中央である原点OPを基準として、第1方向DR1の軸をX軸、第2方向DR2の軸をY軸、第3方向DR3の軸をZ軸と定義する。この時、極角(θ)はZ軸の正の方向から原点OPと与えられた地点Pがなす直線SL1までの角度を示す。方位角(φ)はX軸の正の方向から原点OPとPがなす直線SL1をX軸とY軸により定義される平面に投影させた直線SL2までの角度を示す。極角(θ)は0°以上90°以下、方位角(φ)は0°以上360°以下で表され、方位角0°は方位角360°と実質的に同一であり得る。
【0198】
図16は一実施形態にかかる色差最大値を算出する方法を示すフロー図である。図17図16のS100段階を詳細に示すフロー図である。図18図16のS200段階を詳細に示すフロー図である。図19は第1方位角と第2方位角を示す表である。
【0199】
最初に、0°以上360°以下の方位角(φ)でP°(Pは正の整数)間隔と0°以上Q°以下(Qは正の整数)の極角(θ)でR°(RはQより小さい正の整数)間隔で、測定装置SPMを用いて表示装置10により表示される映像を測定し、測定された映像から色相値(u’v’)を算出する(図16のS100)。
【0200】
測定装置SPMは分光光度計(または分光測定器)(Spectro Photo meter)であってもよい。
【0201】
例えば、P°が45°であり、Q°が60°であり、R°が10°である場合、方位角を45°ずつ増加させて、0°、10°、20°、30°、40°、50°、および60°の極角(θ)のそれぞれで表示装置10により表示されるイメージを測定し、測定されたイメージから色相値(u’v’)を算出する。
【0202】
以下では、図14図15および図17を参照してS100段階の色相値算出方法について詳細に説明する。説明の便宜上、方位角φと極角θで算出された色相値(u’v’)をu’v’(φ,θ)と定義する。例えば、u’v’(0,0)は方位角(φ)が0°であり、極角(θ)が0°である位置で算出された色相値(u’v’)を示す。
【0203】
先に、方位角(φ)を0°に設定し、極角(θ)を0°に設定する(図17のS110)。
それから、方位角(φ)が0°であり、極角(θ)が0°である位置で測定装置SPMを用いて表示装置10の映像を測定し、測定された映像から色相値(u’v’(0,0))を算出する。この時、表示装置10の映像は表示装置10が最大輝度ですべての画素が白色光を表示する映像であってもよい(図17のS120)。
【0204】
それから、極角(θ)がQ°以上であるかを確認する(図17のS130)。
【0205】
極角(θ)がQ°より小さい場合、極角(θ)を現在の極角(θ)にR°を加えた値(θ= θ +R)に設定し、方位角(φ)が0°であり、極角(θ)がR°である位置で色相値(u’v’(0,R))を算出する(図17のS140)。
【0206】
図17のS120からS140段階は、極角(θ)がQ°以上になるまで繰り返してもよい。例えば、P°が45°であり、Q°が60°であり、Rが10°である場合、色相値(u’v’(0,0)、u’v’(0,10)、u’v’(0,20)、u’v’(0,30)、u’v’(0,40)、u’v’(0,50)、u’v’(0,60))が算出されてもよい。
【0207】
極角(θ)がQ°以上である場合、方位角(φ)が0°で色相値の算出が完了したので、方位角(φ)を現在の方位角(φ)にP°を加えた値(θ= θ +P)に設定し、極角(θ)を0°に設定する(図17のS150)。
【0208】
それから、方位角(φ)が360°より小さいかを確認する(図17のS160)。
【0209】
方位角(φ)が360°より小さい場合、図17のS120からS150段階を繰り返す。例えば、P°が45°であり、Q°が60°であり、R°が10°である場合、色相値(u’v’(45,0)、u’v’(45,10)、u’v’(45,20)、u’v’(45,30)、u’v’(45,40)、u’v’(45,50)、u’v’(45,60))が追加で算出されてもよい。
【0210】
すなわち、図17のS120からS160段階は、方位角(φ)をP°間隔で増加させて、方位角(φ)が360°になるまで繰り返されるので、0°以上360°以下の方位角でP°間隔と0°以上Q°以下の極角でR°間隔で色相値が算出されてもよい。
【0211】
方位角(φ)が360°以上である場合、算出しようとするすべての色相値が算出されたので、色相値算出は終了する。
【0212】
二番目に、二つの互いに異なる方位角である第1方位角(φ1)と第2方位角(φ2)で極角(θ)をS°(Sは正の整数)間隔で変化させて色差値(Δu’v’)を算出する(図16のS200)。
【0213】
以下では、図14図15および図18を参照してS200段階の色差値算出方法について詳細に説明する。説明の便宜上、いずれか一つの極角(θ)で第1方位角(φ1)と第2方位角(φ2)の色差値(Δu’v’)をΔu’v’(φ1,φ2,θ)と定義する。図19のように、第1方位角(φ1)と第2方位角(φ2)は互いに異なる方位角であってもよい。
【0214】
先に、第1方位角(φ1)を0°に設定し、極角(θ)を0°に設定する。この時、第2方位角(φ2)は0°以上360°以下範囲内にあるので、φ1+Pが360以上の場合は、第2方位角(φ2)はφ1+P-360に設定することができる。また、φ1+Pが360より小さい場合は、第2方位角(φ2)はφ1+P°に設定することができる(図18のS210)。
【0215】
それから、Δu’v’(φ1,φ2,θ)が数式3により算出することができる。
[数式3]
【数3】
【0216】
数式3において、u’v’(φ1,θ)は第1方位角(φ1)と極角(θ)での色相値であり、u’v’(φ2,θ)は第2方位角(φ2)と極角(θ)での色相値を示す。例えば、P°が45°であれば、u’v’(0,0)とu’v’(45,0)の間の差が極角0°で第1方位角である0°と第2方位角である45°での色差値(Δu’v’(0,45,0))が算出されてもよい(図18のS220)。
【0217】
それから、極角(θ)がQ°以上であるかを確認する(図18のS230)。
【0218】
極角(θ)がQ°より小さい場合、極角(θ)を現在の極角(θ)にR°を加えた値(θ= θ +R)に設定する。それから、S220段階の繰り返しにより極角 θ+R°で第1方位角である0°と第2方位角である45°での色差値(Δu’v’(φ1,φ2,θ+R)が算出されてもよい(図18のS240)。
【0219】
図18のS220からS240段階は極角(θ)がQ°以上になるまで繰り返されてもよい。例えば、P°が45°であり、Q°が60°であり、Rが10°であり、T°が0°の場合、色差値(Δu’v’(0,45,0)、Δu’v’(0,45,10)、Δu’v’(0,45,20)、Δu’v’(0,45,30)、Δu’v’(0,45,40)、Δu’v’(0,45,50)、Δu’v’(0,45,60))が算出されてもよい。それから、極角(θ)が60°以上である場合、第1方位角(φ1)が0°であり、第2方位角(φ2)が45°で色差値の算出が完了したので、極角(θ)を0°に設定し、第1方位角(φ1)をφ1+Pに設定する(図18のS250)。
【0220】
それから、第2方位角(φ2)は0°以上360°以下範囲内にあるので、φ1+Pが360以上の場合は第2方位角(φ2)はφ1+P-360に設定することができる。また、φ1+Pが360より小さいと、第2方位角(φ2)はφ1+P°に設定することができる(図18のS260)。
【0221】
第1方位角(φ1)が360°より小さい場合、図18に示すS220からS260段階を繰り返してもよい。すなわち、図18のS220からS260段階は、第1方位角(φ1)をP°間隔で増加させ、第1方位角(φ1)が360°になるまで繰り返されるので、0°以上360°以下の第1方位角(φ1)でP°間隔と0°以上360°以下の第2方位角(φ2)でP°間隔、および0°以上Q°以下の極角でR°間隔で、極角(θ)ごとに互いに異なる第1および第2方位角(φ1,φ2)で色相値が算出されてもよい。
【0222】
第1方位角((φ1)以上の場合、算出しようとするすべての色差値が算出されたので、色差値算出は終了する。
【0223】
三番目に、算出された色差値(Δu’v’(φ1,φ2,θ))のうち最大値を色差最大値(max_Δu’v’)として算出する(図16のS300)。
【0224】
色差最大値(max_Δu’v’)が大きいほど表示装置10により表示される映像の色相の均一度が低い。逆に、色差最大値(max_Δu’v’)が小さいほど表示装置10により表示される映像の色相の均一度が高い。
【0225】
図20図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置の、第2位相差層の面内位相差値による色差最大値を示すグラフである。図20の横軸は第2位相差層1300の面内位相差値(R)を示し、縦軸は色差最大値を示す。具体的には、ここで、第2位相差層1300の面内位相差値(R)は第2位相差層1300の550nmでの面内位相差値(R)を示す。
【0226】
図20を参照すると、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が120nmである場合、色差最大値(max_Δu’v’)は概ね0.0050である。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が100nmである場合、色差最大値(max_Δu’v’)は概ね0.0045である。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が90nmである場合、色差最大値(max_Δu’v’)は概ね0.0039である。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が80nmである場合、色差最大値(max_Δu’v’)は概ね0.0035である。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が70nmである場合、色差最大値(max_Δu’v’)は概ね0.0034である。
【0227】
すなわち、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が小さくなるほど色差最大値は減少し得る。したがって、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が小さくなるほど表示装置10の映像の色相が均一に表現されると見ることができる。この時、視聴者が二つのディスプレイを横並びにして比較するとき色差値(Δu’v’)が一定水準以上になると色相の違いを認識することができる。例えば、色差最大値(max_Δu’v’)が0.0050以上である場合、視聴者は色相の違いを感じると知られている。したがって、色差最大値(max_Δu’v’)が0.0050より小さいことが好ましく、これを満たす第2位相差層1300の面内位相差値(R)は図20のように100nm以下であってもよい。
【0228】
図21図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置において、第2位相差層の面内位相差値別に方位角による輝度を示すグラフである。
【0229】
図21において、横軸は方位角を示し、縦軸は輝度を示す。具体的には、図21には、方位角0°、45°、90°、135°、および180°のそれぞれの場合、極角0°で測定された表示装置10の輝度が示されている。
【0230】
図21を参照すると、第2位相差層1300の面内位相差値(R)は第2位相差層1300の550nmでの面内位相差値(R)に該当する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)に関係なく方位角0°、90°および180°での輝度は概ね52ニット(nit)以上53ニット(nit)以下に該当する値を有する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が120nmである場合、方位角45°で概ね64ニット(nit)の輝度を有する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が110nmである場合、方位角45°で概ね70ニット(nit)の輝度を有する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が100nmである場合、方位角45°で概ね76ニット(nit)の輝度を有する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が90nmである場合、方位角45°で概ね80ニット(nit)の輝度を有する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が80nmである場合、方位角45°で概ね85ニット(nit)の輝度を有する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が70nmである場合、方位角45°で概ね90ニット(nit)の輝度を有する。
【0231】
また、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が120nmである場合、方位角135°で概ね44ニット(nit)の輝度を有する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が110nmである場合、方位角135°で概ね39ニット(nit)の輝度を有する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が100nmである場合、方位角135°で概ね31ニット(nit)の輝度を有する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が90nmである場合、方位角135°で概ね25ニット(nit)の輝度を有する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が80nmである場合、方位角135°で概ね22ニット(nit)の輝度を有する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が70nmである場合、方位角135°で概ね17ニット(nit)の輝度を有する。
【0232】
図21のように、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が小さくなるほど方位角0°での輝度に対して方位角45°での輝度の比率が大きくなる。また、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が小さくなるほど方位角0°での輝度に対して方位角135°での輝度の比率が小さくなる。
【0233】
図22図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置において、第2位相差層の面内位相差値による最小認知色差を示すグラフである。図22での横軸は第2位相差層1300の面内位相差値(R)を示す、縦軸は最小認知色差を示す。
【0234】
第2位相差層1300の面内位相差値(R)は第2位相差層1300の550nmでの面内位相差値(R)に該当する。最小認知色差は最小認知できる色相の違い(Minimum Perceptible Color Difference、MPCD)を意味する。視聴者が二つのディスプレイを横並びにして比較するとき色差値(Δu’v’)が一定水準以上になると色相の違いを認識することができるという。例えば、色差最大値が0.0050以上である場合、視聴者は色相の違いを感じると知られている。1 MPCDは0.0005Δu’v’に該当するので、MPCDが10以下であることが好ましく、これを満たす第2位相差層1300の面内位相差値(R)は図22のように100nm以下であってもよい。
【0235】
まとめると、図21および図22のように、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が小さくなるほど方位角0°での輝度に対して方位角45°での輝度の比率が大きくなり、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が小さくなるほど方位角0°での輝度に対して方位角135°での輝度の比率が小さくなるが、色相と輝度の認知水準をすべて考慮するMPCDが10以下であることを満たす第2位相差層1300の面内位相差値(R)は100nm以下であり得る。
【0236】
図23図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置において、第2位相差層の面内位相差値が100nmである場合、CIE色座標系で表された光の輝度比率を示す例示図である。図24図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置において、第2位相差層の面内位相差値が70nmである場合のCIE色座標系で表された光の輝度比率を示す例示図である。
【0237】
図23図24には表示装置10が最大輝度で白色光を表示する状態で測定されたCIE XYZ三刺激値で表された赤色光(X)の輝度比率、緑色光(Y)の輝度比率、および青色光(Z)の輝度比率が示されている。図23図24において、1:30、3:00、4:30、6:00、7:30、9:00、10:30、および12:00は表示装置10を上面中央である原点OPを基準として第1方向DR1と第2方向DR2により定義される平面での時計回りを示す。
【0238】
図23図24を参照すると、第2位相差層1300の面内位相差値(R)は第2位相差層1300の550nmでの面内位相差値(R)に該当する。第2位相差層1300の面内位相差値(R)が100nmである場合、4:30方向と10:30方向で、赤色光(X)の輝度比率と緑色光(Y)の輝度比率が概ね0.41であることに比べて、青色光(Z)の輝度比率は0.37に過ぎない。すなわち、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が100nmである場合、4:30方向と10:30方向で、赤色光(X)の輝度比率または緑色光(Y)の輝度比率と青色光(Z)の輝度比率の間には概ね10%程度の差がある。
【0239】
これに比べて、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が70nmである場合、4:30方向と10:30方向で、赤色光(X)の輝度比率と緑色光(Y)の輝度比率が概ね0.46であることに比べて、青色光(Z)の輝度比率は0.43に近い。すなわち、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が70nmである場合、4:30方向と10:30方向で、赤色光(X)の輝度比率または緑色光(Y)の輝度比率と青色光(Z)の輝度比率の間には概ね5%程度の差がある。
【0240】
このように、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が70nmである場合、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が100nmである場合に比べて、赤色光(X)の輝度比率または緑色光(Y)の輝度比率と青色光(Z)の輝度比率の間の差を減らすことができる。したがって、赤色光(X)の輝度比率または緑色光(Y)の輝度比率と青色光(Z)の輝度比率の間の差は10%より小さいことが好ましい。したがって、第2位相差層1300の面内位相差値(R)は100nmより小さいことが好ましい。
【0241】
図20および図22を参照して説明したように、色差最大値を考慮すると、第2位相差層1300の面内位相差値(R)は100nm以下であることが好ましい。しかし、図23および図24のように、赤色光(X)の輝度比率または緑色光(Y)の輝度比率と青色光(Z)の輝度比率の間の差を10%より低くするためには、第2位相差層1300の面内位相差値(R)は100nmより小さいことが好ましい。
【0242】
図25aは表示装置の偏光板の偏光子の吸収軸と偏光サングラスの吸収軸の間の角度を示す一例示図である。
【0243】
図25aを参照すると、表示装置10の偏光板POLの偏光子1100の吸収軸AAXISは表示装置10の短辺方向である第1方向DR1に対して45°傾斜し、偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISが第1方向DR1と並んだ方向であることを例示した。
【0244】
図25aの(a)のように、表示装置10の上側が時計回りを基準として1:30方向で配置され、表示装置10の下側が時計回りを基準として7:30方向に配置される場合、偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が0°であってもよい。
【0245】
図25aの(b)のように、表示装置10の上側が時計回りを基準として0:00方向で配置され、表示装置10の下側が時計回りを基準として6:00方向に配置される場合、偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が45°であってもよい。
【0246】
図25aの(c)のように、表示装置10の上側が時計回りを基準として10:30方向で配置され、表示装置10の下側が時計回りを基準として4:30方向に配置される場合、偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が90°であってもよい。
【0247】
図25aの(d)のように、表示装置10の上側が時計回りを基準として3:00方向で配置され、表示装置10の下側が時計回りを基準として9:00方向に配置される場合、偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が45°であってもよい。
【0248】
図25bは第2位相差層の面内位相差値別に表示装置の偏光板の偏光子の吸収軸と偏光サングラスの吸収軸の間の角度による偏光サングラスを着用した後に測定された表示装置の輝度を示すグラフである。図25cは図25bのA領域を拡大して示すグラフである。
【0249】
図25bと図25cを参照すると、横軸には図25aの(a)から(d)に示す偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が示されている。縦軸には表示装置10が最大輝度ですべての画素が白色光を表示する場合、偏光サングラスSUNを着用した後に測定された表示装置10の輝度が示されている。
【0250】
第2位相差層1300の面内位相差値(R)別に、サングラスを着用した後に測定された表示装置10の輝度は偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が0°である場合最も高い。これに比べて、偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が90°である場合、表示装置10の偏光子1100の透過軸TAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度が実質的に0°に該当する。したがって、サングラスを着用した後に測定された表示装置10の輝度は偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が90°である場合は最も低い。
【0251】
偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が90°である場合、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が小さいほど偏光サングラスSUNを着用した後に測定された表示装置10の輝度は低くなる。すなわち、偏光サングラスSUNを着用した後に測定された表示装置10の輝度は第2位相差層1300の面内位相差値(R)に比例する。
【0252】
図25cのように、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が10nmの場合、偏光サングラスSUNを着用した視聴者が視聴する表示装置10の映像の輝度が最小臨界値である5ニット(nit)より低くてもよい。したがって、偏光サングラスSUNを着用した視聴者が視聴する表示装置10の映像の視認性が非常に低い。したがって、偏光サングラスSUNを着用した視聴者が視聴する表示装置10の映像の品質を保障するために、第2位相差層1300の面内位相差値(R)は20nm以上であってもよい。
【0253】
まとめると、図23および図24に示すように赤色光(X)の輝度比率、緑色光(Y)の輝度比率、および青色光(Z)の輝度比率の間の差異を最小化し、図25aから図25cのように偏光サングラスSUNを着用した視聴者が視聴する表示装置10の映像の視認性を確保するためには、第2位相差層1300の面内位相差値(R)は20nm以上であり、100nmより小さいことが好ましい。
【0254】
図26図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置において、第2位相差層の面内位相差値(R)が100nmである場合の第2位相差層の遅延軸と偏光子の吸収軸の間の角度による色差最大値(max_Δu’v’)を示すグラフである。
【0255】
図26において、横軸は第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度を示し、縦軸は色差最大値(max_Δu’v’)を示す。
【0256】
図26を参照すると、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が100nmである場合、第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度が増加するほど色差最大値(max_Δu’v’)は増加してもよい。
【0257】
図27図9の実施形態にかかる偏光板を含む表示装置において、第2位相差層の面内位相差値が70nmである場合の第2位相差層の遅延軸と偏光子の吸収軸の間の角度による色差最大値(max_Δu’v’)を示すグラフである。
【0258】
図27において、横軸は第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度を示し、縦軸は色差最大値(max_Δu’v’)を示す。
【0259】
図27を参照すると、第2位相差層1300の面内位相差値(R)が70nmである場合、第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度が増加するほど色差最大値(max_Δu’v’)は増加してもよい。
【0260】
図26および図27のように、第2位相差層1300の面内位相差値(R)に関係なく、第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度が増加するほど色差最大値(max_Δu’v’)は増加してもよい。
【0261】
図25dは第2位相差層の遅延軸と偏光子の吸収軸の間の角度別に表示装置の偏光板の偏光子の吸収軸と偏光サングラスの吸収軸の間の角度における偏光サングラスを着用した後に測定された表示装置の輝度を示すグラフである。図25eは図25dのB領域を拡大して示すグラフである。
【0262】
図25d、および図25eを参照すると、横軸には図25aの(a)から(d)に示す偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が示されている。縦軸には表示装置10が最大輝度ですべての画素が白色光を表示する場合、偏光サングラスSUNを着用した後に測定された表示装置10の輝度が示されている。
【0263】
第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度別に、サングラスを着用した後に測定された表示装置10の輝度は、偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が0°である場合は最も高い。これに比べて、偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が90°である場合、表示装置10の偏光子1100の透過軸TAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度が実質的に0°に該当する。したがって、サングラスを着用した後に測定された表示装置10の輝度は偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が90°である場合は最も低い。
【0264】
偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が90°である場合、第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度が小さいほど偏光サングラスSUNを着用した後に測定された表示装置10の輝度は低くなる。すなわち、偏光サングラスSUNを着用した後に測定された表示装置10の輝度は第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度に比例し得る。
【0265】
図25eのように、偏光子1100の吸収軸AAXISと偏光サングラスSUNの吸収軸SAAXISの間の角度(∠θA)が90°であり、第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度が5°である場合、偏光サングラスSUNを着用した視聴者が視聴する表示装置10の映像の輝度が最小臨界値である5ニット(nit)より低くてもよい。したがって、偏光サングラスSUNを着用した視聴者が視聴する表示装置10の映像の視認性が非常に低い。したがって、偏光サングラスSUNを着用した視聴者が視聴する表示装置10の映像の品質を保障するために、第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度は10°以上であってもよい。
【0266】
まとめると、図26および図27に示すように色差最大値(max_Δu’v’)を最小化し、図25a、図25d、および図25eのように偏光サングラスSUNを着用した視聴者が視聴する表示装置10の映像の視認性を確保するためには、第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度が10°以上45°以下、好ましくは15°以上40°以下であり得る。
【0267】
図28は他の実施形態にかかる偏光板を示す分解斜視図である。
【0268】
図28を参照すると、偏光板POLは偏光子1100、第1位相差層1200、第2位相差層1300、保護フィルム1400、第1粘着剤1500、および第2粘着剤1600を含んでもよい。すなわち、偏光板POLの第1部分PR1は偏光子1100、第1位相差層1200、保護フィルム1400、第1粘着剤1500、および第2粘着剤1600を含んでもよい。図28に示す偏光板POLは第1粘着剤1500と第2粘着剤1600が追加されたことを除いては図9と関連して説明した偏光板POLと同一であるので、重複する説明は省略する。
【0269】
第1粘着剤1500は保護フィルム1400と第1位相差層1200の間に配置され、第2粘着剤1600は第1位相差層1200の下面上に配置される。第1位相差層1200を基準として、第1粘着剤1500は視認側に配置され、第2粘着剤1600はパネル側に配置される。
【0270】
第1粘着剤1500と第2粘着剤1600は積層体の取り扱いの際、剥離、気泡などが発生しないように適切な粘着力を有すると同時に、透明性および熱安全性を有することが好ましい。
【0271】
第1粘着剤1500と第2粘着剤1600として、従来のまたは今後開発される粘着剤を使用することができる。例えば、第1粘着剤1500と第2粘着剤1600はアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリールアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤、およびビニルアルキルエーテル系粘着剤のうちいずれか一つであってもよい。第1粘着剤1500と第2粘着剤1600は粘着力と粘弾性を有するものであれば、特に制限されないが、入手しやすさなどの側面から好ましくはアクリル系粘着剤であってもよい。例えば、(メタ)アクリレート共重合体、架橋剤および溶剤などを含むものであってもよい。
【0272】
この時、架橋剤として、従来のまたは今後開発される架橋剤を使用することができる。例えば、架橋剤はポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、およびメチロールポリマーのうちいずれか一つを含んでもよい。好ましくは、前記架橋剤はポリイソシアネート化合物を含んでもよい。
【0273】
また、溶剤として、樹脂組成物分野で使用される通常の溶媒を使用することができる。例えば記溶剤はメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールメトキシアルコールなどのアルコール系化合物;メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトンなどのケトン系化合物;メチルアセテート、エチルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールメトキシアセテートなどのアセテート系化合物;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブなどのセロソルブ系化合物;ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系化合物などの溶媒を使用することができ、これらは単独であるいは2種以上を組合わせて使用することができる。
または、第1粘着剤1500は接着剤(層)に代えてもよい。この場合、第1粘着剤1500は保護フィルム1400の下面上に接着剤組成物を塗工して付着した後、露光工程により接着剤組成物を架橋させて形成されてもよい。
【0274】
接着剤として、従来のまたは今後開発される接着剤を使用することができる。例えば、接着剤として光硬化性接着剤を使用することができる。光硬化性接着剤は紫外線(Ultraviolet、UV)、電子線(Electron Beam、EB)など活性エネルギ線を受けて架橋および硬化して強い接着力を有することができる。光硬化性接着剤は反応性オリゴマー、反応性モノマー、および光重合開始剤を含んでもよい。
【0275】
反応性オリゴマーは接着剤の特性を決める重要な成分であり、光重合反応により高分子結合を形成して硬化被膜を形成する。反応性オリゴマーはポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアクリル系樹脂、およびシリコン系樹脂のうちいずれか一つであってもよい。
【0276】
反応性モノマーは反応性オリゴマーの架橋剤および希釈剤としての役割をし、接着特性に影響を及ぼす。反応性モノマーは単官能性モノマー、多官能性モノマー、エポキシ系モノマー、ビニルエーテル類、および環状エーテル類のいずれか一つであってもよい。
【0277】
光重合開始剤は光エネルギを吸収してラジカルあるいは陽イオンを生成させて光重合を開始する役割をする。光重合開始剤は光重合樹脂によって好適なものを選択して使用することができる。
【0278】
第1粘着剤1500と第2粘着剤1600の付着性を向上させるために、第1位相差層1200と保護フィルム1400の付着面上にプライマー処理、プラズマ処理、コロナ処理、けん化(アルカリ)表面処理が行われてもよい。
【0279】
図29は他の実施形態にかかる偏光板を示す分解斜視図である。
【0280】
図29を参照すると、偏光板POLは偏光子1100、第1位相差層1200、第2位相差層1300、第1粘着剤1500、および第2粘着剤1600を含んでもよい。すなわち、偏光板POLの第1部分PR1は偏光子1100、第1位相差層1200、第1粘着剤1500、および第2粘着剤1600を含んでもよい。図29に示す偏光板POLは保護フィルム1400を含まないことを除いては図28を参照して説明した偏光板POLと同一であるので、重複する説明は省略する。
【0281】
第1部分PR1が反射防止部としての役割をするために、偏光子1100と第1位相差層1200を含む第1部分PR1の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下であってもよい。また、第1部分PR1のR(450)/R(550)の値が1.00以下であってもよい。R(450)は第1部分PR1の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は第1部分PR1の550nm波長での面内位相差値(R)であってもよい。
【0282】
図30は他の実施形態にかかる偏光板を示す分解斜視図である。
【0283】
図30を参照すると、偏光板POLは偏光子1100、第1位相差層1200、第2位相差層1300、保護フィルム1400、第1粘着剤1500、第2粘着剤1600、接着剤1700、およびポジティブC位相差層1800を含んでもよい。すなわち、偏光板POLの第1部分PR1は偏光子1100、第1位相差層1200、保護フィルム1400、第1粘着剤1500、第2粘着剤1600、接着剤1700、およびポジティブC位相差層1800を含んでもよい。図30に示す偏光板POLは接着剤1700とポジティブC位相差層1800が追加されたことを除いては図28を参照して説明した偏光板POLと同一であるので、重複する説明は省略する。
【0284】
第1部分PR1が反射防止部としての役割をするために、偏光子1100、第1位相差層1200、保護フィルム1400、およびポジティブC位相差層1800を含む第1部分PR1の550nm波長での面内位相差値(R)は100nm以上180nm以下であってもよい。また、第1部分PR1のR(450)/R(550)の値が1.00以下であってもよい。R(450)は第1部分PR1の450nm波長での面内位相差値であり、R(550)は第1部分PR1の550nm波長での面内位相差値(R)であってもよい。
【0285】
接着剤1700は第1位相差層1200と第2粘着剤1600の間に配置され、ポジティブC位相差層1800は接着剤1700と第2粘着剤1600の間に配置される。
【0286】
ポジティブC位相差層1800は視認側の傾斜方向で反射色感を向上させて画質をより改善することができる。ポジティブC位相差層1800は光軸が面の垂直方向(例えば第3方向DR3)に存在する位相差プレートを示し、例えば、屈折率比(Nz)が負の無限大であるフィルムを含み、実質的に-6以下である場合を含んでもよい。屈折率比(Nz)は数式4により算出することができる。
【0287】
[数式4]
【数4】
【0288】
数式4において、nxとnyはフィルムの面内屈折率を示す。面内屈折率が最大になる振動方向をxとするとき、nxは前記振動方向に振動する光による屈折率を示す。この時、nxとnyは互いに垂直をなすことができる。nzはフィルムの厚さ方向での屈折率を示す。
【0289】
ポジティブC位相差層1800は高分子フィルムを適切な方法で配向させることによって製造されるか、重合性コレステリック液晶化合物を基板の一面に塗工して一定の方向に配向させた後に硬化させて製造されてもよい。重合性コレステリック液晶化合物を使用する場合には基板としてゼロ(Zero)位相差フィルムを使用することができる。ゼロ位相差フィルムとは光が透過しても実質的な位相差が発生しないフィルムを示す。
【0290】
ポジティブC位相差層1800は接着剤1700により第1位相差層1200と接合されてもよい。この時、接着剤1700は図28で説明した接着剤を使用できるが、本明細書の実施形態はこれに限られない。
【0291】
また、図30ではポジティブC位相差層1800が第1位相差層1200の一面上に配置される場合を例示したが、本明細書の実施形態はこれに限られない。例えば、第1位相差層1200が複数の位相差層を含む場合、ポジティブC位相差層1800は前記複数の位相差層の間に配置されてもよい。
【0292】
図31は他の実施形態にかかる偏光板を示す分解斜視図である。
【0293】
図31を参照すると、偏光板POLは偏光子1100、第1位相差層1200、第2位相差層1300、保護フィルム1400、第1粘着剤1500、第2粘着剤1600、接着剤1700、およびポジティブC位相差層1800を含んでもよい。図31に示す偏光板POLは保護フィルム1400を含まないことを除いては図30を参照して説明した偏光板POLと同一であるので、重複する説明は省略する。
【0294】
図9、および図28から図31に示す偏光板POLは、有機発光ダイオードを用いる有機発光表示装置、量子ドット発光層を含む量子ドット発光表示装置、無機半導体を含む無機発光表示装置、マイクロ単位またはナノ単位の超小型発光ダイオード(micro or nano light emitting diode(micro LED or nano LED))を用いる超小型発光表示装置、液晶層を含む液晶表示装置、プラズマ表示装置、電界発光表示装置などに適用することができる。
【実施例0295】
以下、本発明の理解を深めるために好ましい実施形態を含む実施例を提示するが、これらの実施形態は本発明を例示するだけであり、添付の特許請求の範囲を制限するものではなく、本発明の範疇および技術思想範囲内で実施形態について多様な変更および修正が可能であることは当業者にとって明白であり、このような変形および修正は添付された特許請求の範囲に属することも当然のことである。
【0296】
[製造例:図9に示す偏光板POLの製造]
けん化度が99.9%以上である透明な未延伸ポリビニルアルコールフィルム(PE60、KURARAY社)を30℃の水(脱イオン水)で2分間浸漬して膨潤させた後、ヨード1.25mM/Lとヨウ化カリウム1.25重量%、硝酸0.0005重量%が含有された30℃の染色液に4分浸漬して染色した。具体的には、膨潤および染色段階でそれぞれ1.3倍、1.4倍の延伸比で延伸して染色槽までの累積延伸比が1.82倍になるように延伸した。
【0297】
次に、ヨウ化カリウム10重量%、ホウ酸3.7重量%が含有された50℃の架橋用水溶液に30秒間浸漬(第1架橋)して架橋させながら、2倍の延伸比で延伸した。その後、ヨウ化カリウム10重量%、ホウ酸3.7重量%が含有された50℃の架橋用水溶液に20秒間浸漬(第2架橋)して架橋させながら1.5倍の延伸比で延伸した(第1および第2架橋の累積延伸比は3倍)。膨潤、染色および架橋段階の総累積延伸比は5.46倍になるようにした。架橋を完了したポリビニルアルコールフィルムを70℃のオーブンで4分間乾燥させて偏光子1100を製造した。接着剤を用いて偏光子1100の下面に保護フィルム1400を付着して、接着剤を用いて偏光子1100の上面に第2位相差層1300を付着した。その後、保護フィルム1400の下面に粘着剤(リンテック社)を間に置いて厚さ2umのλ/4位相差層(Fuji、R 140nm)に該当する第1位相差層1200を付着して、上部から下部まで「第2位相差層1300、偏光子1100、接着剤、保護フィルム1400、粘着剤、第1位相差層1200」からなる図9に示す偏光板POLを製造した。
【0298】
[実施例および比較例]
実施例1
第2位相差層1300は30μmシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン、R 70nm)を使用し、保護フィルム1400としては20μmトリアセチルセルロースフィルム(Fuji、Rth 0nm)を使用し、偏光子1100の吸収軸AAXISおよび第2位相差層1300の遅延軸の間の角度は45°になるように、実施例1の偏光板POLを製作した。
【0299】
実施例2
第1保護フィルムは30μmシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン、R 80nm)を使用したことを除いては実施例1の構成と同様の方法により実施例2の偏光板POLを製作した。
【0300】
実施例3
第1保護フィルムは30μmシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン、R 90nm)を使用したことを除いては実施例1の構成と同様の方法により実施例3の偏光板POLを製作した。
【0301】
実施例4
第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度が30°であることを除いては、実施例1の構成と同様の方法により実施例4の偏光板POLを製作した。
【0302】
実施例5
第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度が15°であることを除いては、実施例1の構成と同様の方法により実施例5の偏光板POLを製作した。
【0303】
実施例6
第2位相差層1300は30μmシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン、R 99nm)を使用し、保護フィルム1400は20μmトリアセチルセルロースフィルム(Fuji、Rth 0nm)を使用し、第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度が30°である偏光板POLを製作した。
【0304】
実施例7
第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度が15°であることを除いては、実施例6の構成と同様の方法により実施例7の偏光板POLを製作した。
【0305】
比較例1
第2位相差層1300は30μmシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン、R 100nm)を使用したことを除いては実施例1の構成と同様の方法により比較例1の偏光板POLを製作した。
【0306】
比較例2
第2位相差層1300は30μmシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン、R 110nm)を使用したことを除いては実施例1の構成と同様の方法により比較例2の偏光板POLを製作した。
【0307】
比較例3
第2位相差層1300は30μmシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン、R 120nm)を使用したことを除いては実施例1の構成と同様の方法により比較例3の偏光板POLを製作した。
【0308】
比較例4
第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度が0°であることを除いては、実施例1の構成と同様の方法により比較例4の偏光板POLを製作した。
【0309】
比較例5
第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度が0°であることを除いては、比較例1の構成と同様の方法により実施例5の円偏光板を製作した。
【0310】
実験例
正面反射率の評価
実施例および比較例で製造された偏光板POLの正面反射特性を測定した結果は表1および表2のとおりである。実施例および比較例で製造された偏光板POLは基板の上面上に配置し、反射率95%以上の反射板は基板の下面上に配置される。この時、正面反射率は偏光板POLに入射した光に対して偏光板POLを通過して反射板によって反射した光が再び偏光板POLを通過した光の比率を示す。正面反射率は分光光度計(または分光測定器)としてCM-2600D(Konica minolta)装備を用いて測定した。
【0311】
直交透過率の評価
実施例または比較例の偏光板POLの直交透過率を測定した結果は表1および表2のとおりである。偏光板POLの直交透過率は偏光板POLの偏光子1100の吸収軸と垂直である偏光が偏光板POLを通過する光の比率を示す。偏光板POLの直交透過率は分光光度計としてV7100(JASCO)を用いて測定した。
【0312】
表1と表2では第2位相差層1300の遅延軸SAXIS2と偏光子1100の吸収軸AAXISの間の角度を相互角と記載した。
【0313】
【表1】

【0314】
【表2】
【0315】
表1と表2を参照すると、一実施例による偏光板POLは、正面反射率が6%より小さく、直交透過率が2%以上14%以下であるから、正面反射率および直交透過率の特性もまた良好であることがわかる。
【0316】
図32は一実施例による表示装置が適用されたスマートフォンを示す一例示図である。図32を参照すると、一実施例による表示装置10が適用されたスマートフォンが電子装置の一例として示されている。
【0317】
図33は一実施例による表示装置が適用されたタブレットPCを示す一例示図である。図33を参照すると、一実施例による表示装置10が適用されたタブレットPCが電子装置の一例として示されている。
【0318】
図34は一実施例による表示装置が適用されたTVを示す一例示図である。図34を参照すると、一実施例による表示装置が適用されたTVが電子装置の一例として示されている。
【0319】
図35は一実施例による表示装置が適用されたモニタを示す一例示図である。図35を参照すると、一実施例による表示装置が適用されたモニタが電子装置の一例として示されている。
【0320】
図36は一実施例による表示装置が適用されたスマートウォッチを示す一例示図である。図36を参照すると、一実施例による表示装置はスマート機器の一つであるスマートウォッチに適用されてもよい。
【0321】
図32から図36を参照すると、一実施例による表示装置はそれが適用される電子装置の平面形状を追従することができる。例えば、スマートウォッチ1の時計表示部が長方形の平面形状を有してもよい。一実施例による表示装置10_1は長方形の平面形状を有してもよい。または、スマートウォッチ1の時計表示部が円形または楕円形の平面形状有する場合、一実施例による表示装置10_1は円形または楕円形の平面形状を有してもよい。しかし、本明細書の実施例はこれに限定されず、一実施例による表示装置はそれが適用される電子装置の平面形状を追従しなくてもよい。
【0322】
図37は一実施例による表示装置が適用されたメガネ型表示装置を示す一例示図である。
【0323】
図37を参照すると、一実施例による表示装置10_2は、拡張現実装置として用いられるメガネ型表示装置1_2に適用することができる。一実施例によるメガネ型表示装置1_2は、表示装置10_2、左眼レンズ10a、右眼レンズ10b、支持フレーム20、つる部分30a、30b、反射部材40、および表示装置収納部50を備えてもよい。
【0324】
表示装置収納部50は表示装置10_2と反射部材40を含んでもよい。表示装置10_2に表示される画像は反射部材40で反射して右眼レンズ10bを介してユーザの右眼に提供される。これにより、ユーザは右眼を介して表示装置10_2に表示される仮想現実映像を視聴することができる。
【0325】
図37では表示装置収納部50が支持フレーム20の右端に配置されていることを例示しているが、本明細書の実施例はこれに限られない。例えば、表示装置収納部50は支持フレーム20の左端に配置されてもよく、この場合、表示装置10_2に表示される画像は反射部材40で反射して左眼レンズ10aを介してユーザの左眼に提供されてもよい。これにより、ユーザは左眼を介して表示装置10_2に表示される仮想現実映像を視聴することができる。または、表示装置収納部50は支持フレーム20の左端と右端の両方に配置されてもよく、この場合、ユーザは左眼と右眼の両方を介して表示装置10_2に表示される仮想現実映像を視聴することができる。
【0326】
図38図39は一実施例による表示装置が適用されたヘッドマウント表示装置を示す例示図である。
【0327】
図38図39を参照すると、一実施例による表示装置10_3、10_4は頭部装着型表示装置(Head Mount Display)に適用することができる。第1表示装置10_3はユーザの右眼に映像を提供し、第2表示装置10_4はユーザの左眼に映像を提供する。
第1レンズアレイ310は第1表示装置10_3と収納部カバー700の間に配置される。第1レンズアレイ310は複数のレンズ311を含んでもよい。複数のレンズ311は収納部カバー700方向に膨らんでいる凸レンズで形成されてもよい。
【0328】
第2レンズアレイ410は第2表示装置10_4と収納部カバー700の間に配置される。第2レンズアレイ410は複数のレンズ411を含んでもよい。複数のレンズ411は収納部カバー700方向に膨らんでいる凸レンズで形成されてもよい。
【0329】
表示パネル収納部600は第1表示装置10_3、第2表示装置10_4、第1レンズアレイ310、および第2レンズアレイ410を収納する役割をする。第1表示装置10_3、第2表示装置10_4、第1レンズアレイ310、および第2レンズアレイ410を収納するために、表示パネル収納部600の一面は開放され得る。
【0330】
収納部カバー700は表示パネル収納部600の開放された一面を覆うように配置される。収納部カバー700はユーザの左眼が配置される第1開口部710とユーザの右眼が配置される第2開口部720を含んでもよい。図38図39では第1開口部710と第2開口部720は四角形状に形成された場合を例示したが、これに限られない。第1開口部710と第2開口部720は円形状、または楕円形状に形成されてもよい。または、第1開口部710と第2開口部720が合わさって一つの開口部として形成されてもよい。
【0331】
第1開口部710は第1表示装置10_3および第1レンズアレイ310と整列し、第2開口部720は第2表示装置10_4および第2レンズアレイ410と整列してもよい。したがって、ユーザは第1開口部710を介して第1レンズアレイ310により虚像として拡大した第1表示装置10_3の映像を見ることができ、第2開口部720を介して第2レンズアレイ410により虚像として拡大した第2表示装置10_4の映像を見ることができる。
【0332】
ヘッド装着バンド800は収納部カバー700の第1開口部710と第2開口部720がユーザの左眼と右眼にそれぞれ配置されるように表示パネル収納部600をユーザの頭に固定する役割をする。ヘッド装着バンド800は表示パネル収納部600の上面、左側面、および右側面に接続されてもよい。
【0333】
図40は一実施例による表示装置が適用された車両用表示装置を示す一例示図である。
【0334】
図40を参照すると、一実施形態にかかる表示装置10_a、10_b、10_c、10_d、10_eが車両用表示装置に適用されてもよい。一実施形態にかかる表示装置10_a、10_b、10_cは、自動車の計器板に適用されるか、自動車のセンターフェイシア(center fascia)に適用されるか、自動車のダッシュボードに配置されたCID(Center Information Display)に適用されてもよい。また、一実施形態にかかる表示装置10_d、10_eは自動車のサイドミラーに代わるルームミラーディスプレイ(room mirror display)に適用されてもよい。
【0335】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0336】
10 表示装置、100 表示パネル、200 表示駆動回路、300 回路ボード、400 タッチ駆動回路、SUB 基板、TFTL 薄膜トランジスタ層、EML 発光素子層、TFEL 封止層、TDU タッチ感知部、POL 偏光板、CW カバーウィンドウ、1100 偏光子、1200 第1位相差層、1300 第2位相差層、1400 保護フィルム、1500 第1粘着剤、1600 第2粘着剤、1700 接着剤、1800 ポジティブC位相差層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図25a
図25b
図25c
図25d
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図26
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図37
図38
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図40