(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114646
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】コネクタ位置保証機構を有するコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/641 20060101AFI20240816BHJP
H01R 13/629 20060101ALI20240816BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H01R13/641
H01R13/629
H01R13/639 Z
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024016840
(22)【出願日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】10 2023 103 379.4
(32)【優先日】2023-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】カルシュテン ブック
(72)【発明者】
【氏名】マクシミリアン ファイール
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA09
5E021FA14
5E021FB07
5E021FC38
5E021HB04
5E021HC11
5E021HC35
5E021KA06
5E021KA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているという情報を提供するCPAを有するコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ100は、嵌合方向に沿って延び、コネクタ100および相手側コネクタ200が接続される嵌合位置と、コネクタ100および相手側コネクタ200が接続解除される接続解除位置との間でコネクタのハウジングに対して移動可能に装着される伝達要素120を備える。伝達要素120の接続解除位置において、ロック解除要素129は、CPA400がロック位置に移動可能となることを防止する。伝達要素120の嵌合位置において、ロック解除要素129は、CPA400がロック位置に移動可能となることを可能とする。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタ(200)に接続するためのコネクタであって、
前記コネクタ(100)は、
- 前記相手側コネクタ(200)への接続のための相手側コネクタ端部(112)と、前記相手側コネクタ端部(112)とは反対側のコネクタ端部(114)との間で嵌合方向(20)に延びる、ハウジング(110)と、
- 前記相手側コネクタ(200)への前記コネクタ(100)の接触位置を固定するためのコネクタ位置保証機構、CPA(400)であって、前記CPA(400)は、前記コネクタ端部(114)に設けられ、前記CPA(400)は、前記コネクタ(100)および前記相手側コネクタ(200)が分離可能である開位置と、前記コネクタ(100)および前記相手側コネクタ(200)がロックされるロック位置との間で移動可能であるように構成されている、CPA(400)と、
- 前記嵌合方向(20)に沿って延び、前記コネクタ(100)および前記相手側コネクタ(200)が接続される嵌合位置と、前記コネクタ(100)および前記相手側コネクタ(200)が接続解除される接続解除位置との間で前記ハウジング(110)に対して移動可能に装着されている伝達要素(120)と、
- 前記ハウジング(110)の前記相手側コネクタ端部(112)にある相手側コネクタ通路(124)であって、前記相手側コネクタ通路(124)は、前記相手側コネクタ(200)および前記コネクタ(100)が接続されたときに前記伝達要素(120)が前記接続解除位置から前記嵌合位置に移動するように、前記相手側コネクタ(200)を前記伝達要素(120)と協働させるように配置されている、相手側コネクタ通路(124)と、
- 前記伝達要素(120)に接続されているロック解除要素(129)を通過させるための前記ハウジング(110)の前記コネクタ端部(114)にあるコネクタ端部通路(127)であって、前記伝達要素(120)の前記接続解除位置において、前記ロック解除要素(129)は、前記CPA(400)が前記ロック位置に移動可能となることを防止し、前記伝達要素(120)の前記嵌合位置において、前記ロック解除要素(129)は、前記CPA(400)が前記ロック位置に移動可能となることを可能とする、コネクタ端部通路(127)と
を備える、
コネクタ(100)。
【請求項2】
前記コネクタ(100)は、前記ロック解除要素(129)と協働するためのロック要素(410)を前記コネクタ端部(114)に備え、
前記ロック要素(410)は、非解放位置と解放位置との間で前記ロック解除要素(129)により移動可能であり、
前記ロック要素(410)の前記解放位置は、前記ロック位置への前記CPA(400)の移動を可能とする、
請求項1に記載のコネクタ(100)。
【請求項3】
前記コネクタ(100)は、前記コネクタ端部(114)に阻止要素(420)を備え、
前記阻止要素(420)は、前記伝達要素(120)が前記接続解除位置にあるときに、前記ロック位置への前記CPA(400)の移動を阻止する、
請求項1または2に記載のコネクタ(100)。
【請求項4】
前記コネクタ(100)は、前記コネクタ端部(114)に係合要素(140)を備え、
前記係合要素(140)および前記CPA(400)は、前記CPA(400)の前記ロック位置において前記コネクタ(100)を前記相手側コネクタ(200)にロックする、
請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項5】
前記ロック解除要素(129)は、面取り縁部(130)を備え、
前記面取り縁部(130)は、ロック要素(410)を非解放位置から解放位置に前記嵌合方向(20)に対して垂直に移動させるように構成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項6】
ラッチ要素(300)をさらに備え、
前記ラッチ要素(300)は、少なくとも部分的に前記ハウジング(110)の前記コネクタ端部(114)に配置され、係合解除位置からラッチ位置に移動させることにより前記相手側コネクタ(200)を前記嵌合方向(20)に移動させるように配置されている、
請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項7】
前記ラッチ要素(300)は、レバーであり、
前記レバーは、前記レバーが前記係合解除位置と前記ラッチ位置との間で移動可能であるように、前記嵌合方向(20)に対して垂直なレバー軸(30)を中心として移動可能なように回転可能に装着されている、
請求項6に記載のコネクタ(100)。
【請求項8】
前記ラッチ要素(300)は、ハンドル(310)を備え、
前記ハンドル(310)は、前記ラッチ要素(300)の前記ラッチ位置において前記ハウジング(110)の前記コネクタ端部(114)に当接する、
請求項6または7に記載のコネクタ(100)。
【請求項9】
前記CPA(400)は、前記ハンドル(310)に配置され、
前記ハンドル(310)は、ハンドル通路(311)を有し、
前記ロック解除要素(129)は、前記ハンドル通路(311)を通過可能である、
請求項8に記載のコネクタ(100)。
【請求項10】
請求項2に記載のロック要素(410)および/または請求項3に記載の阻止要素(420)を備え、
前記ロック要素(410)および前記阻止要素(410)のうちの少なくとも一方は、前記ハンドル(310)に配置され、前記ラッチ要素(300)の前記ラッチ位置において前記嵌合方向(20)に突出する、
請求項8または9に記載のコネクタ(100)。
【請求項11】
前記伝達要素(120)は、伝達要素相手側コネクタ端部(125)と伝達要素コネクタ端部(128)との間で延び、
前記伝達要素相手側コネクタ端部(125)は、前記相手側コネクタ通路(124)を通って突出し、前記伝達要素相手側コネクタ端部(125)に固定要素(126)を備え、
前記固定要素(126)は、前記嵌合方向(20)における前記伝達要素(120)の移動を制限するように、前記嵌合方向(20)に対して垂直に突出する、
請求項1から10のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項12】
前記コネクタ端部(114)における前記CPA(400)は、前記開位置と前記ロック位置との間で前記嵌合方向(20)に対して垂直に移動可能である、
請求項1から11のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項13】
前記コネクタ(100)は、チャネル(122)を備え、
前記伝達要素(120)は、前記チャネル(122)に支持され、
前記チャネル(122)は、前記ハウジング(110)における線から遮断された状態で設けられている、
請求項1から12のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のコネクタ(100)と、相手側コネクタ(200)とを備える、コネクタシステム(10)。
【請求項15】
前記相手側コネクタ(200)は、ピンヘッダを備える、請求項14に記載のコネクタシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の主題は、概して、コネクタ位置保証機構(CPA)を有するコネクタに関する。特に、本主題は、相手側コネクタ、例えばピンヘッダに接続するためのコネクタに関する。そのようなコネクタは、特に、例えば自動車産業において必要とされるような高電圧接続部に用いられる。
【背景技術】
【0002】
CPAは、正しく接続されたコネクタおよび相手側コネクタをインターロックする、例えば留め付けるように設計される。インターロックは、意図的な、場合によっては必要な阻止を行うことである。CPAは、例えばユーザによる駆動によって開位置からロック位置に移動する。CPAの開位置において、コネクタおよび相手側コネクタは分離可能である。ロック位置において、コネクタおよび相手側コネクタはロックされる。
【0003】
CPAにおいては、コネクタが相手側コネクタに接続されたときに結合機構が用いられることで、導電性コネクタ接続が形成されたときにコネクタおよび相手側コネクタを共に保持する。結合機構は、コネクタおよび相手側コネクタを引き離して接続を切断しようとするCPAのロック位置における力に耐えるように設計される。
【0004】
よって、CPAのロック位置においては、コネクタと相手側コネクタとの間の安全でない接触位置などの不所望な状態を防止することができる。また、損傷を生じさせ得る偶発的動作を防止することも意図されている。インターロックを解放するには、通常、慎重な操作が必要である。インターロックは、偶発的に解除することができないように設計される。しかしながら、同時に、ロック機構自体が(あまりに容易に)偶発的に作動されるべきではない。これは、例えば正しく接続されていないにも関わらず、コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているという誤った安心感を与える場合がある。
【0005】
コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているという情報を伝達するために、CPAが相手側コネクタレセプタクルの近くに設置される場合がある。例えば、CPAは、コネクタと相手側コネクタとの間の接続点の近くに配置される。コネクタおよび相手側コネクタが接続されない限り、CPAをロック位置に移動させることはできない。コネクタおよび相手側コネクタが接続されたときにCPAと係合する相手側コネクタの一部のみが、CPAをロック位置に移動させることを可能とする。
【0006】
しかしながら、一部のコネクタでは、利用可能な設置スペースが、CPAを相手側コネクタレセプタクルの近くに設置する妨げとなる。この場合、コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているという情報の伝達には、より複雑な手段が必要となるか、または、コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているという情報が伝達されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているという情報を提供するCPAを有するコネクタを提供することである。さらに、CPAを相手側コネクタレセプタクルから離れて設けることを可能とすることが課題である。さらに、コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているという情報を伝達するための複雑性を低減することが課題である。さらに、例えばラッチ要素を提供することに起因して大型であるコネクタに関して、コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているという情報を伝達することが課題である。また、既知のコネクタについての設置スペース仕様を変更することなく、コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているという情報を伝達することが可能なように、既知のコネクタを改変することを可能とすることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は、独立請求項の主題により解決される。有利なさらなる発展例が、従属特許請求項の対象である。
【0009】
これらの課題は、伝達要素、例えばロック解除ロッドがコネクタに装着されることで解決される。伝達要素は、相手側コネクタ、例えばヘッダがコネクタに接続されたときに移動する。これは、相手側コネクタおよびコネクタが接続されたときに伝達要素が接続解除位置から嵌合位置に移動するように、伝達要素が相手側コネクタと相互作用することに起因して、可能である。よって、伝達要素は、コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているという情報をコネクタに伝達する。コネクタおよび相手側コネクタが完全に嵌合すると、CPAがロック解除される。すなわち、伝達要素がその最大到達位置に移動すると、CPAを移動させることが可能となる。よって、伝達要素は、相手側コネクタおよびCPAの両方と相互作用し、それにより、コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されたときにのみ、CPAがロック位置に移動することが可能となる。
【0010】
本明細書に記載のCPAを有するコネクタの詳細な態様を、以下で詳述する。
【0011】
第1の態様は、相手側コネクタに接続するためのコネクタに関する。コネクタおよび相手側コネクタは、接続部品であり、共にコネクタシステムを形成する。コネクタシステムは、特に電線、さらには例えば光信号用の線を分離および接続するために用いられる。これらの接続部品を形状嵌めすることにより、接続部品を適切に位置合わせすることができる。
【0012】
第1の態様のコネクタは、ハウジングを備える。ハウジングは、線を収容するように機能する。コネクタおよび相手側コネクタは、接続部品を共に嵌め込むために、嵌合方向において互いに対して移動可能である。通常、嵌合方向は、例えばコネクタまたは相手側コネクタに配置されるピンコンタクトの向きと同一である。
【0013】
コネクタのハウジングは、1つの相手側コネクタ端部に相手側コネクタレセプタクルを含む。相手側コネクタレセプタクルは、コネクタが相手側コネクタとの形状嵌めを形成することを可能とする。
【0014】
さらに、ハウジングは、相手側コネクタ端部の反対側のコネクタ端部までコネクタ方向に延びる。換言すると、コネクタ端部は、相手側コネクタ端部から離れたコネクタのハウジング領域である。これにより、コネクタ端部と相手側コネクタ端部との間にコネクタのさらなる構成要素のための設置スペースを設けることが可能となる。嵌合方向に平行に延びる、コネクタ端部と相手側コネクタ端部との間の側壁が存在する。側壁は、例えばコネクタから線を引き回すためのケーブル領域のための設置スペースを提供する。側壁は、ラッチ要素を配置するためのラッチ領域のための設置スペースを提供することもできる。
【0015】
第1の態様のコネクタは、相手側コネクタに対するコネクタの接触位置を固定するためのコネクタ位置保証機構(CPA)を備える。CPAは、コネクタ端部に設けられる。換言すると、CPAは、相手側コネクタ端部から離れて設けられる。これにより、CPAと相手側コネクタレセプタクルとの間、すなわち側壁におけるスペース関連の要件を満たすことが可能となる。コネクタ端部にCPAを有するコネクタを提供することにより、様々なサイズの型のコネクタに共通の部品を用いることが可能となる。
【0016】
上記で既に説明したように、CPAは、コネクタおよび相手側コネクタが分離可能である開位置と、コネクタおよび相手側コネクタがロックされるロック位置との間で移動可能であるように構成される。
【0017】
第1の態様のコネクタは、少なくとも1つの伝達要素またはさらに複数の伝達要素を備える。伝達要素は、ハウジング内および/またはハウジング上に設けられる。よって、伝達要素がハウジング周縁部を越えて突出しない場合、コネクタについての設置スペース仕様を変更することなく、既存のコネクタを改変することができる。特に、既知のコネクタの全てのインターフェイス外形を同じままとすることができる。伝達要素は、単純な部品、例えばロッドとして実現されてよく、場合によっては変換キットを用いて、既存のハウジングに容易に設置することができる。ここで、ロッドとは特に、例えば丸いまたは略正方形の断面を有する、細く長い、特に弾性のない物体として理解される。
【0018】
伝達要素は、嵌合方向に沿って延びる。よって、伝達要素は、コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているか否かに関する情報を嵌合方向に沿って伝達することができる。さらに、伝達要素は、コネクタおよび相手側コネクタが接続される嵌合位置と、コネクタおよび相手側コネクタが接続解除される接続解除位置との間でハウジングに対して移動可能に装着される。この支持により、ハウジングに対して移動可能な伝達要素がガイド内で移動することが可能となる。例えば、伝達要素は、ハウジングのためのガイドとしてのチャネルに移動可能に装着される。チャネルは、例えば管である。管とは、通常は長さが直径よりも大幅に大きい細長の中空体である。
【0019】
第1の態様のコネクタは、ハウジングの相手側コネクタ端部に相手側コネクタ通路をさらに備える。相手側コネクタ通路は、相手側コネクタが伝達要素と協働することを可能とするように構成される。
【0020】
換言すると、嵌合方向における相手側コネクタの移動により、伝達要素の移動が生じる。例えば、相手側コネクタ通路は、伝達要素の少なくとも一部分が相手側コネクタ通路を通って嵌合方向においてガイドから突出することを可能とする、かつ/または、相手側コネクタの少なくとも一部分が相手側コネクタ通路を通って嵌合方向においてガイドへと突出することを可能とする通路である。相手側コネクタ通路はさらに、相手側コネクタがコネクタに接続されたときに、伝達要素を接続解除位置から嵌合位置に移動させるように配置される。よって、伝達要素は、コネクタおよび相手側コネクタが接続または接続解除され次第、コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているか否かに関する情報を伝達することができる。
【0021】
第1の態様のコネクタは、伝達要素に接続されるロック解除要素を通過させるためのコネクタ端部通路をハウジングのコネクタ端部にさらに備える。例えば、ロック解除要素は、伝達要素のロック解除端部である。代替的に、ロック解除要素は、CPAのロック解除部である。
【0022】
伝達要素の接続解除位置において、ロック解除要素は、CPAがロック位置に移動可能となることを防止する。例えば、ロック解除端部は、コネクタ端部通路を通って突出せず、ガイドに引っ込んでいる。代替的に、CPAのロック解除部が、コネクタ端部通路を通って突出してもよい。
【0023】
伝達要素の嵌合位置において、ロック解除要素は、CPAがロック位置に移動することを可能とする。例えば、ロック解除端部は、コネクタ端部通路を通って突出する。代替的に、CPAのロック解除部が、コネクタ端部通路を通って突出しなくてもよい。よって、伝達要素は、コネクタおよび相手側コネクタが接続または接続解除され次第、コネクタおよび相手側コネクタが正しく接続されているか否かについての情報を、機械的動作によりCPAに伝えることができる。
【0024】
第2の態様は、第1の態様のコネクタに関し、コネクタは、コネクタ端部にロック要素を備える。ロック要素は、CPAに、またはコネクタの外面に設けられてよい。ロック要素は、非解放位置と解放位置との間でロック解除要素により移動させることができ、ロック要素の解放位置は、CPAがロック位置に移動することを可能とする。例えば、ロック要素は、ロック解除要素により伝達される力によって撓むばね要素である。したがって、ロック要素は、ロック解除要素よりも弾性が高い。
【0025】
特に、ロック解除要素およびロック要素は、ロック解除要素が嵌合位置となるまで、移動可能なロック要素の位置をコネクタ、例えばCPAまたはコネクタにおける阻止要素に対して保持するロックを形成する。ロック要素は、CPAに取り付けられることが有利である。これは、コネクタのハウジングに対する改変が最小限になるためである。
【0026】
第3の態様は、第1の態様から第2の態様において上述したコネクタに関し、コネクタは、コネクタ端部に阻止要素を備え、阻止要素は、伝達要素が接続解除位置にあるときに、ロック位置へのCPAの移動を阻止する。例えば、阻止要素は、CPAに、またはコネクタの外面に設けられる。阻止要素は、CPAに設けられることが有利である。これは、ハウジングに対する改変が最小限になるためである。例えば、阻止要素は、ロック要素と相互作用するように用いられてよい。阻止要素は、ロック要素が非解放位置にあるときに、ロック位置へのCPAの移動を阻止してよい。例えば、阻止要素は、以下では嵌合接続方向と称される嵌合方向の接続方向においてコネクタ端部から突出する。
【0027】
第4の態様は、第1の態様から第3の態様において上述したコネクタに関し、コネクタは、コネクタ端部に係合要素を備え、CPAのロック位置における係合要素およびCPAは、コネクタを相手側コネクタにロックする。特に、係合要素は、ハウジングに設けられ、嵌合接続方向に延び、CPAは、係合要素と協働するための対向係合部を備え、対向係合部は、嵌合接続解除方向、すなわち嵌合接続方向の反対方向に延びる。さらに、係合要素および対向係合部は、嵌合方向に対して垂直に延びる溝を備える。
【0028】
第5の態様は、第1の態様から第4の態様において上述したコネクタに関し、ロック解除要素は、面取り縁部を備える。よって、ロック解除要素は、面取りされた表面を有する。面取り縁部は、ロック要素を非解放位置から解放位置に嵌合方向に対して垂直に移動させるように構成される。面取り縁部は、ロック要素をロック解除要素により嵌合方向に対して垂直に移動させることを可能とし、それにより、CPAの平坦な設計が可能となる。
【0029】
第6の態様は、ラッチ要素をさらに備える、第1の態様から第5の態様において上述したコネクタに関し、ラッチ要素は、少なくとも部分的にハウジングのコネクタ端部に配置され、係合解除位置からラッチ位置に移動させることにより相手側コネクタを嵌合方向に、すなわち嵌合接続方向に移動させるように配置される。コネクタおよび相手側コネクタを接続するために、機械的な力をラッチ要素により伝達することができる。ラッチ要素をコネクタ端部に取り付けることにより、CPAがコネクタ端部に位置するラッチ要素の一部と相互作用することが可能となる。ラッチ要素をコネクタ端部に取り付けることで、スペースを節約することができる。さらに、ラッチ要素により、特に単純な方法で、すなわちさらなる機械的構成要素なしで、CPAを効果的に用いることが可能となる。
ラッチ要素は、未挿入時に閉じることができるが、CPAは移動することができず、したがってロックされたままとなる。特に、このとき、CPAのロック要素は、質量による荷重を受けない。
【0030】
第7の態様は、第6の態様に係るコネクタに関し、ラッチ要素は、レバーであり、レバーは、レバーが係合解除位置とラッチ位置との間で移動可能であるように、嵌合方向に対して垂直なレバー軸を中心として移動するように回転可能に装着される。レバー機構は、ハウジングの側壁における利用可能な設置スペースを低減する場合がある。よって、コネクタ端部に配置されるCPAは、スペースの最適化された解決策を実現する。さらに、レバーにより、コネクタおよび相手側コネクタを接続するためにてこの力を用いることが可能となる。
【0031】
第8の態様は、上記で第6の態様および第7の態様において説明したコネクタに関し、ラッチ要素は、ハンドルを備え、ハンドルは、ラッチ要素がラッチ位置にあるときにハウジングのコネクタ端部に当接する。ラッチ要素のハンドルをコネクタ端部に取り付けることにより、CPAがコネクタ端部に位置するハンドルと相互作用することが可能となる。これは、特に単純な方法で、すなわちさらなる機械的構成要素なしで、CPAを効果的に用いることができ、ユーザがハンドルによりCPAをロック解除する必要があるため、ラッチ要素のハンドルが意図した通りに駆動されない場合に、特に単純な方法でユーザに知らせることができることを意味する。
【0032】
第9の態様は、第8の態様に係るコネクタに関し、CPAは、ハンドルに配置され、ハンドルは、ハンドル通路を有し、ロック解除要素は、ハンドル通路を通過可能である。よって、CPAを特に省スペースに配置することができ、第2の態様のロック要素などの要素をCPAに設けることができる。
【0033】
第10の態様は、第8の態様から第9の態様において上述したコネクタに関し、コネクタは、第2の態様に係るロック要素および/または第3の態様に係る阻止要素を備え、ロック要素および/または阻止要素は、ハンドルに配置される。例えば、阻止要素は、ラッチ要素がラッチ位置にあるときに、嵌合方向に突出してよい。CPAにおける阻止要素およびロック要素により、両方の部品を一体に、すなわちCPAの一部として製造することが可能となり、それにより製造が簡略になる。
【0034】
第11の態様は、第1の態様から第10の態様において上述したコネクタに関し、例えばロッド形状である伝達要素は、相手側コネクタ端部とコネクタ端部との間で延び、伝達要素の相手側コネクタ端部は、相手側コネクタ通路を通って突出し、相手側コネクタ端部に固定要素を備え、固定要素は、嵌合方向における伝達要素の移動を制限するように、嵌合方向に対して垂直に突出する。これにより、伝達要素をコネクタのハウジングに固定することが可能となる。相手側コネクタに対するさらなる改変は必要ない。
【0035】
第12の態様は、第1の態様から第11の態様において上述したコネクタに関し、コネクタ端部でCPAは、開位置とロック位置との間で嵌合方向に対して垂直に移動可能である。これにより、CPAを平坦に構築することが可能となり、これはCPAの垂直な移動により実現される。
【0036】
第13の態様は、第1の態様から第12の態様において上述したコネクタに関し、コネクタは、チャネルを備え、伝達要素は、チャネルに支持され、チャネルは、ハウジングにおける線から遮断された状態で設けられる。伝達要素を有するチャネルは、通路を通って周囲に開口している。チャネルは、ハウジングのコネクタ端部から相手側コネクタ端部までのハウジング内で閉鎖された移送経路である。塵などの固体、水などの流体、または光などの電磁放射が、外部から侵入する場合がある。遮断、例えば電気的、気密的、電磁的および/または光学的な遮断により、接触点を外的影響から特に保護することができるため、チャネルが、例えば高電圧アプリケーションおよび/または情報伝送におけるアプリケーションに有利なものとなる。
【0037】
第14の態様は、第1の態様から第13の態様において上述したコネクタと、相手側コネクタとを備えるコネクタシステムに関する。
【0038】
第15の態様は、第14の態様に係るコネクタシステムに関し、相手側コネクタは、ピンヘッダを備え、またはピンヘッダである。ここで、コネクタが既にCPAを備えているため、安全性要件を伴うさらなる装置を有しないピンヘッダをコネクタに接続することができる。よって、相手側コネクタを、単純なもの、すなわちピンヘッダとすることができる。
【0039】
ピンヘッダは、例えば直列に配置された複数のピンコンタクトを有する相手側コネクタである。その目的は、相手側コネクタからコネクタへの多数のコンタクトとの接続を確立することである。
【0040】
本発明のより良好な理解のために、以下の図面に示す実施形態に関連して本発明をより詳細に説明する。同じ部分には、同じ参照符号および同じ構成要素名が付されている。さらに、図示および説明されている様々な実施形態におけるいくつかの特徴または特徴の組み合わせが、独立な発明的解決策または本発明に係る解決策に相当する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】ラッチ要素が係合解除位置にある、コネクタシステムの斜視図である。
【
図2】ラッチ要素がラッチ位置にあり、CPAが開位置にある、
図1のコネクタシステムの斜視図である。
【
図3】CPAがロック位置にある、
図2のコネクタシステムの斜視図である。
【
図4】コネクタおよび相手側コネクタが接続されておらず、CPAのロック位置が解放されていない、
図2におけるコネクタシステムの切断軸V-Vに対応する断面図である。
【
図5】CPAのロック位置が解放されている、
図2の切断軸V-Vに沿ったコネクタシステムの断面図である。
【
図8】コネクタおよび相手側コネクタが接続されておらず、CPAのロック位置が解放されていない、
図2のコネクタシステムの切断軸IX-IXに対応する断面図である。
【
図9】CPAのロック位置が解放されている、
図2の切断軸IX-IXに沿ったコネクタシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
ここで、図面を助けとして、コネクタについて説明する。
図1~
図3は、コネクタ100および相手側コネクタ200を有するコネクタシステム10の斜視図を示す。
【0043】
図1は、ラッチ要素300が係合解除位置にある、コネクタシステム10の斜視図である。
図2は、ラッチ要素がラッチ位置にあり、CPA400が開位置にある、
図1のコネクタシステムの斜視図である。
図3は、CPA400がロック位置にある、
図2のコネクタシステムの斜視図である。
【0044】
例えば、
図1に示すように、コネクタ100は、ハウジング110を有する。ハウジング110は、
図1~
図3において相手側コネクタ200が接続される相手側コネクタ端部112とその反対側のコネクタ端部114との間で嵌合方向20に延びる。
図1~
図3において、コネクタ100の相手側コネクタレセプタクルは、相手側コネクタ200により完全に塞がれている。
【0045】
ハウジング110は、外面および反対側の内面を有する。内面は内部空間を取り囲み、それにより、内部空間は、コネクタの線を相手側コネクタの線と接触させるために用いられる。
【0046】
例えば
図1に示すように、ハウジング110は、嵌合方向20に平行に延びる側壁を有する。ここで、嵌合方向に平行な側壁は、コネクタ100から線を引き回すためのケーブル領域を有するケーブル側壁116を含む。さらに、ハウジング110は、ラッチ要素300を配置するためのラッチ領域を有する第1のレバー接触壁118を有する。ケーブル側壁116の反対側の後部側壁、および第1のレバー接触壁の反対側の第2のレバー接触壁は、斜視図では隠れている。よって、コネクタ端部114は、相手側コネクタ端部112の反対側にあるため、相手側コネクタ端部112から離れたコネクタ100のハウジング領域である。
【0047】
図2に示すように、ラッチ要素300は、少なくとも部分的にハウジングのコネクタ端部114に配置され、すなわち、ラッチ位置において、ハンドル310がコネクタ端部114に当接する。ハンドル310は、ユーザによる駆動のためのものである。
図1に示すように、ラッチ要素は、係合解除位置も取るように配置され、例えばユーザにより、
図2および
図3に示すラッチ位置に移動させることができる。
【0048】
図1~
図3に示すように、ラッチ要素300は、レバーであってよく、レバーは、レバーが係合解除位置とラッチ位置との間で移動可能であるように、嵌合方向20に対して垂直なレバー軸30を中心として移動するように回転可能に装着される。
【0049】
さらに、コネクタ100は、コネクタ端部114に設けられる、接触位置を固定するためのコネクタ位置保証機構(CPA)400を含む。
図2に示すように、CPA400は、コネクタおよび相手側コネクタが分離可能である開位置にあってよい。さらに、
図3に示すように、CPA400は、コネクタおよび相手側コネクタがロックされるロック位置にあってよい。
【0050】
特に
図4および
図5を参照して、まずコネクタ100の伝達要素120について説明する。
図4は、
図2とは異なり、コネクタ100および相手側コネクタ200が接続されていない、線V-Vに沿った
図2のコネクタシステムに対応する断面図である。よって、CPAのロック位置が解放されていない。特に、
図4に示すように、コネクタ100の相手側コネクタ端部112に設けられた相手側コネクタレセプタクル102は、相手側コネクタ200を完全に受け入れていない。したがって、コネクタ100および相手側コネクタ200は、正しく接続されていない。特に、これは、ラッチ要素300が
図2および
図3に示す係合位置にあっても生じる場合がある。
【0051】
次いで、
図5は、
図2の切断軸V-Vに沿ったコネクタシステムの断面図を示す。ここで、コネクタ100および相手側コネクタ200は、正しく接続されている。このとき、伝達要素120は、CPA400のロック位置を解放することを可能とする。
【0052】
図4および
図5に示すように、伝達要素120は、嵌合方向20に沿って延びる。
図4は、コネクタ100および相手側コネクタ200が接続解除されている接続解除位置にある伝達要素120を示す。
図5は、コネクタ100および相手側コネクタ200が接続されている嵌合位置にある伝達要素120を示す。
【0053】
図6は、
図4の詳細VIを示し、
図7は、
図5の詳細VIIを示す。
図6および
図7において見ることができるように、伝達要素120は、コネクタ100のチャネル122に移動可能に装着される。伝達要素120の位置は、相手側コネクタ200により固定される。チャネル122は、ハウジングにおける不図示の線、例えば高電圧電気接続部から遮断された状態で設けられてよい。
【0054】
ここで示すように、伝達要素120は、ロッド形状であってよい。これは、伝達要素相手側コネクタ端部125と伝達要素コネクタ端部128との間で延びる。ロッドは、嵌合方向20に長く、嵌合方向20に対して垂直な方向に細い。
【0055】
相手側コネクタ通路124が、ハウジングの相手側コネクタ端部112に設けられる。換言すると、チャネル122は、相手側コネクタ端部112において相手側コネクタレセプタクル102に対して開口している。相手側コネクタ通路124により、相手側コネクタ200が伝達要素120と相互作用することが可能となる。
【0056】
伝達要素相手側コネクタ端部125は、相手側コネクタ通路124を通って突出してよく、伝達要素相手側コネクタ端部124に固定要素126を含んでよい。固定要素126は、嵌合方向20における伝達要素120の移動を制限するように、嵌合方向20に対して垂直に突出する。
図6および
図7において、固定要素126は、嵌合方向20およびレバー軸に対して垂直である。
【0057】
図6に示すように、伝達要素120は、接続解除位置にあってよい。相手側コネクタ200は、伝達要素120と接触していない。換言すると、相手側コネクタ200は、相手側コネクタレセプタクル102に完全に受け入れられていない。換言すると、相手側コネクタ200は、伝達要素120、特に伝達要素相手側コネクタ端部124に接触しない。
【0058】
図7に示すように、伝達要素120は、嵌合位置にあってよい。相手側コネクタ200およびコネクタ100は、正しく接続されている。よって、相手側コネクタレセプタクルは、相手側コネクタ200により塞がれている。換言すると、相手側コネクタは、伝達要素120、特に伝達要素相手側コネクタ端部124と接触している。
【0059】
コネクタ端部通路127が、ハウジングのコネクタ端部114に設けられる。換言すると、チャネル122は、コネクタ端部114においてハウジングの外面に対して開口している。コネクタ端部通路127は、ロック解除要素129が通過することを可能とする。ロック解除要素129は、伝達要素120に接続される。ここで、ロック解除要素129は、伝達要素120と一体に形成される。
【0060】
図6に示し、
図8~
図10を参照して後述するように、ロック解除要素129は、伝達要素120が接続解除位置にあるときに、CPA400がロック位置に移動可能となることを防止する。特に、ここで、伝達要素コネクタ端部128は、コネクタ端部114においてハウジングから突出しない。CPA400は、ロック解除要素129による作用を受けていない。
【0061】
図7に示し、
図8~
図10と併せて後述するように、伝達要素120の嵌合位置にあるロック解除要素129は、CPA400がロック位置に移動することを可能とする。ここで、伝達要素コネクタ端部128は、ハウジングからコネクタ端部114において、すなわちCPA400へと突出する。よって、CPA400は、ロック解除要素129による作用を受ける。
【0062】
ここで、特に
図8~
図10と併せて、コネクタ100のCPAについて説明する。
図8は、コネクタ100および相手側コネクタ200が接続されておらず、CPAのロック位置が解放されていない、線IX-IXに沿った
図2のコネクタシステムに対応する断面図である。これは、各構成要素が
図4および
図6において説明したのと同じ位置にあることを意味する。
【0063】
図9は、コネクタ100および相手側コネクタ200が正しく接続されている、
図2の切断軸IX-IXに沿ったコネクタシステムの断面図を示す。伝達要素120は、CPAのロック位置を解放することを可能とする。これは、各構成要素が
図5および
図7において説明したのと同じ位置にあることを意味する。
【0064】
図8~
図10において、CPAは、ハンドル310に配置される。ハンドル310は、ハンドル通路311を有し、ロック解除要素129は、ハンドル通路311を通過することができる。特に、ハンドル通路311は、ロック解除要素129が通過可能であるように、ラッチ要素300が係合位置にあるときにコネクタ通路と位置合わせされる。
【0065】
特に、CPAは、ロック解除要素129と相互作用するためのロック要素410を有する。
図8は、非解放位置にあるロック要素410を示す。
図9は、解放位置にあるロック要素410を示す。
図9に示すように、ロック解除要素129は、ロック要素410を非解放位置および解放位置から移動させる。
【0066】
ロック解除要素129がロック要素410を非解放位置から解放位置にコネクタ方向に対して垂直に移動させることを可能とするために、ロック解除要素は、面取り縁部130を有する。よって、この配置により、コネクタ端部でCPAを嵌合方向に対して垂直に開位置とロック位置との間で移動可能とすることが可能となる。
【0067】
さらに、CPAは、阻止要素420を備える。阻止要素420は、CPAを介してハンドル310に接続される。
図8~
図10に示すように、阻止要素420は、ラッチ要素がラッチ位置にあるときに、嵌合方向に突出する。
【0068】
図8に示すように、伝達要素が接続解除位置にあるとき、阻止要素420は、ロック位置へのCPAの移動を阻止し、よってここでは、ロック解除要素129がCPAへと突出しない。
図9に示すように、伝達要素が嵌合位置にあるとき、阻止要素420は、ロック位置へのCPAの移動を阻止せず、よってここでは、ロック解除要素129がCPAへと突出する。したがって、ロック要素410は解放位置にあり、
図10に示すロック位置へのCPAの移動が可能である。
【0069】
さらに、
図9に示すように、コネクタは、コネクタ端部に係合要素140を備える。CPAは、対応する対向係合部440を備える。係合要素140および対向係合部440は、嵌合方向に対して垂直な溝を有する。
【0070】
図10に示すように、係合要素140および対向係合部440は、コネクタが相手側コネクタにロックされるように、CPAのロック位置において相互作用する。特に、ハンドル310を係合解除位置に移動させることができなくなる。ユーザは、CPAをロック位置から開位置に意図的に移動させる必要がある。
【0071】
図11は、
図5のさらなる斜視図である。
図12は、
図11の詳細XIIを示す。特に、
図12から、阻止要素420がハンドル310と一体に製造されてよいことがわかる。ロック要素410も、ハンドル310と一体に製造されてよい。
【0072】
さらに、CPA400が、ユーザの指によりCPAを容易に移動させるための指駆動ユニットを備えることがわかる。ここで、CPA400は、ハンドル310に取り外し不可能に接続されてもよい。取り外し不可能に接続されるとは、力を用いることにより例えば部品を破壊することなく、2つの構成要素を接続解除することができないことを意味する。
【0073】
さらに、固定要素126および対向固定要素126’が、嵌合位置と接続解除位置との間での伝達要素の移動を制限することがわかる。特に、伝達要素およびハウジングは、取り外し不可能に接続される。
【0074】
図面には示さない場合であっても、ラッチ要素は、必ずしも設けられる必要はない。さらに、ラッチ要素としてのレバーに代えて、摺動要素などの代替的なラッチ要素がラッチ要素として設けられてもよい。
【0075】
図面には示さない場合であっても、ロック解除要素は、必ずしも伝達要素と一体に形成される必要はない。これは、CPAの一部であってもよい。
【0076】
図面には示さないが、相手側コネクタは、ピンヘッダを備えてもよく、またはピンヘッダであってもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 コネクタシステム
20 嵌合方向
30 レバー軸
100 コネクタ
102 相手側コネクタレセプタクル
110 ハウジング
112 相手側コネクタ端部
114 コネクタ端部
116 ケーブルサイドパネル
118 レバーシステム壁
120 伝達要素
122 チャネル
124 相手側コネクタ通路
125 伝達要素相手側コネクタ端部
126 固定要素
126` 対向固定要素
127 コネクタ端部通路
128 伝達要素コネクタ端部
129 ロック解除要素
130 面取り縁部
140 係合要素
200 相手側コネクタ
300 ラッチ要素
310 ハンドル
311 ハンドル通路
400 CPA
410 ロック要素
420 阻止要素
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタ(200)に接続するためのコネクタであって、
前記コネクタ(100)は、
- 前記相手側コネクタ(200)への接続のための相手側コネクタ端部(112)と、前記相手側コネクタ端部(112)とは反対側のコネクタ端部(114)との間で嵌合方向(20)に延びる、ハウジング(110)と、
- 前記相手側コネクタ(200)への前記コネクタ(100)の接触位置を固定するためのコネクタ位置保証機構、CPA(400)であって、前記CPA(400)は、前記コネクタ端部(114)に設けられ、前記CPA(400)は、前記コネクタ(100)および前記相手側コネクタ(200)が分離可能である開位置と、前記コネクタ(100)および前記相手側コネクタ(200)がロックされるロック位置との間で移動可能であるように構成されている、CPA(400)と、
- 前記嵌合方向(20)に沿って延び、前記コネクタ(100)および前記相手側コネクタ(200)が接続される嵌合位置と、前記コネクタ(100)および前記相手側コネクタ(200)が接続解除される接続解除位置との間で前記ハウジング(110)に対して移動可能に装着されている伝達要素(120)と、
- 前記ハウジング(110)の前記相手側コネクタ端部(112)にある相手側コネクタ通路(124)であって、前記相手側コネクタ通路(124)は、前記相手側コネクタ(200)および前記コネクタ(100)が接続されたときに前記伝達要素(120)が前記接続解除位置から前記嵌合位置に移動するように、前記相手側コネクタ(200)を前記伝達要素(120)と協働させるように配置されている、相手側コネクタ通路(124)と、
- 前記伝達要素(120)に接続されているロック解除要素(129)を通過させるための前記ハウジング(110)の前記コネクタ端部(114)にあるコネクタ端部通路(127)であって、前記伝達要素(120)の前記接続解除位置において、前記ロック解除要素(129)は、前記CPA(400)が前記ロック位置に移動可能となることを防止し、前記伝達要素(120)の前記嵌合位置において、前記ロック解除要素(129)は、前記CPA(400)が前記ロック位置に移動可能となることを可能とする、コネクタ端部通路(127)と
を備える、
コネクタ(100)。
【請求項2】
前記コネクタ(100)は、前記ロック解除要素(129)と協働するためのロック要素(410)を前記コネクタ端部(114)に備え、
前記ロック要素(410)は、非解放位置と解放位置との間で前記ロック解除要素(129)により移動可能であり、
前記ロック要素(410)の前記解放位置は、前記ロック位置への前記CPA(400)の移動を可能とする、
請求項1に記載のコネクタ(100)。
【請求項3】
前記コネクタ(100)は、前記コネクタ端部(114)に阻止要素(420)を備え、
前記阻止要素(420)は、前記伝達要素(120)が前記接続解除位置にあるときに、前記ロック位置への前記CPA(400)の移動を阻止する、
請求項1に記載のコネクタ(100)。
【請求項4】
前記コネクタ(100)は、前記コネクタ端部(114)に係合要素(140)を備え、
前記係合要素(140)および前記CPA(400)は、前記CPA(400)の前記ロック位置において前記コネクタ(100)を前記相手側コネクタ(200)にロックする、
請求項1に記載のコネクタ(100)。
【請求項5】
前記ロック解除要素(129)は、面取り縁部(130)を備え、
前記面取り縁部(130)は、ロック要素(410)を非解放位置から解放位置に前記嵌合方向(20)に対して垂直に移動させるように構成されている、
請求項1に記載のコネクタ(100)。
【請求項6】
ラッチ要素(300)をさらに備え、
前記ラッチ要素(300)は、少なくとも部分的に前記ハウジング(110)の前記コネクタ端部(114)に配置され、係合解除位置からラッチ位置に移動させることにより前記相手側コネクタ(200)を前記嵌合方向(20)に移動させるように配置されている、
請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項7】
前記ラッチ要素(300)は、レバーであり、
前記レバーは、前記レバーが前記係合解除位置と前記ラッチ位置との間で移動可能であるように、前記嵌合方向(20)に対して垂直なレバー軸(30)を中心として移動可能なように回転可能に装着されている、
請求項6に記載のコネクタ(100)。
【請求項8】
前記ラッチ要素(300)は、ハンドル(310)を備え、
前記ハンドル(310)は、前記ラッチ要素(300)の前記ラッチ位置において前記ハウジング(110)の前記コネクタ端部(114)に当接する、
請求項6に記載のコネクタ(100)。
【請求項9】
前記CPA(400)は、前記ハンドル(310)に配置され、
前記ハンドル(310)は、ハンドル通路(311)を有し、
前記ロック解除要素(129)は、前記ハンドル通路(311)を通過可能である、
請求項8に記載のコネクタ(100)。
【請求項10】
前記コネクタ(100)は、前記ロック解除要素(129)と協働するための前記コネクタ端部(114)におけるロック要素(410)を備え、
前記ロック要素(410)は、非解放位置と解放位置との間で前記ロック解除要素(129)により移動可能であり、
前記ロック要素(410)の前記解放位置は、前記ロック位置への前記CPA(400)の移動を可能とするように構成されており、
前記ロック要素(410)は、前記ハンドル(310)に配置され、前記ラッチ要素(300)の前記ラッチ位置において前記嵌合方向(20)に突出する、
請求項8に記載のコネクタ(100)。
【請求項11】
前記伝達要素(120)は、伝達要素相手側コネクタ端部(125)と伝達要素コネクタ端部(128)との間で延び、
前記伝達要素相手側コネクタ端部(125)は、前記相手側コネクタ通路(124)を通って突出し、前記伝達要素相手側コネクタ端部(125)に固定要素(126)を備え、
前記固定要素(126)は、前記嵌合方向(20)における前記伝達要素(120)の移動を制限するように、前記嵌合方向(20)に対して垂直に突出する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項12】
前記コネクタ端部(114)における前記CPA(400)は、前記開位置と前記ロック位置との間で前記嵌合方向(20)に対して垂直に移動可能である、
請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項13】
前記コネクタ(100)は、チャネル(122)を備え、
前記伝達要素(120)は、前記チャネル(122)に支持され、
前記チャネル(122)は、前記ハウジング(110)における線から遮断された状態で設けられている、
請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項14】
請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ(100)と、相手側コネクタ(200)とを備える、コネクタシステム(10)。
【請求項15】
前記相手側コネクタ(200)は、ピンヘッダを備える、請求項14に記載のコネクタシステム(10)。
【請求項16】
前記コネクタ(100)は、前記コネクタ端部(114)における阻止要素(420)を備え、
前記阻止要素(420)は、前記伝達要素(120)が前記接続解除位置にあるときに、前記ロック位置への前記CPA(400)の移動を阻止するように構成されており、
前記阻止要素(420)は、前記ハンドル(310)に配置され、前記ラッチ要素(300)の前記ラッチ位置において前記嵌合方向(20)に突出する、
請求項8に記載のコネクタ(100)。
【外国語明細書】