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特開2024-114659電気モータを監視するための安全装置、システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114659
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電気モータを監視するための安全装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 29/024 20160101AFI20240816BHJP
【FI】
H02P29/024
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024018373
(22)【出願日】2024-02-09
(31)【優先権主張番号】102023000002343
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】524053731
【氏名又は名称】ピッツァート エレットリカ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ ピッツァート
【テーマコード(参考)】
5H501
【Fターム(参考)】
5H501AA22
5H501CC05
5H501EE08
5H501HB07
5H501JJ03
5H501JJ26
5H501LL03
5H501LL07
5H501LL20
5H501LL23
5H501LL53
(57)【要約】
【課題】電力供給ライン(100)に接続されるとともに駆動シャフト(102)を備えている電気モータ(101)を監視するための安全装置(10)。
【解決手段】安全装置(10)は、電気モータ(101)の動作に関わるとともに電気モータ(101)の動作に関連する少なくとも二つの物理量を検出するように適合された検出手段及び第1の処理部(17)によって生成された制御信号(C)を送信するように構成された信号伝達手段を有する制御部(12)を備え、第1の処理部(17)は、検出手段及び信号伝達手段に接続され、信号伝達手段によって制御信号(C)を送信するように構成されている。処理部(17)は、電気モータ(101)の動作に関わるとともに電気モータ(101)の動作に関連する少なくとも二つの物理量を互いに比較して、故障又は異常を検出するとともに前記比較に基づいて制御信号(C)を生成するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給ライン(100)に接続されるとともに駆動シャフト(102)を備えている電気モータ(101)を監視するための安全装置(10)において、
前記電気モータ(101)の動作に関わるとともに前記電気モータ(101)の動作に関連する少なくとも二つの物理量を検出するために前記電気モータ(101)に関連するように構成された検出手段であって、少なくとも二つの前記物理量は、前記電気モータ(101)の実回転速度、前記電力供給ライン(100)で測定された電圧及び前記電力供給ライン(100)で測定された周波数から選択され、前記電力供給ライン(100)の電圧を瞬時に検出するとともに検出した前記電圧に相関する少なくとも一つの第1の作業信号(W)を少なくとも一つの第1の処理部(17)に送信するために前記電気モータ(101)の前記電力供給ライン(100)に接続されるように構成された少なくとも一つの第1の入力チャネル(16)を備える、検出手段と、
少なくとも一つの前記第1の処理部(17)によって生成された制御信号(C)を送信するように構成された信号伝達手段であって、少なくとも一つの前記第1の処理部(17)によって制御されるスイッチング手段(15)を備える、信号伝達手段と、
を有する制御部(12)を備え、
少なくとも一つの前記第1の処理部(17)は、前記検出手段及び前記信号伝達手段に接続され、
少なくとも一つの前記第1の処理部(17)は、少なくとも二つの前記物理量を互いに比較するように構成され、少なくとも二つの前記物理量は、故障又は異常を検出するとともに前記比較に基づいて前記制御信号(C)を生成するために、前記電気モータ(101)の動作に関わるとともに前記電気モータ(101)の動作に関連することを特徴とする、安全装置(10)。
【請求項2】
前記検出手段は、
前記電力供給ライン(100)に印加された電圧を瞬時に検出するとともに検出した前記電圧に相関する第2の作業信号(W’)を前記安全装置(10)に含まれる少なくとも一つの第2の処理部(37)に送信するために前記電気モータ(101)の前記電力供給ライン(100)に接続されるように構成された少なくとも一つの第2の入力チャネル(36)を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の安全装置。
【請求項3】
前記第2の処理部(37)は、少なくとも一つの前記第2の入力チャネル(36)及び前記スイッチング手段(15)に接続されるとともに少なくとも一つの前記第2の作業信号(W’)に従って少なくとも一つの第2の起動信号(AV’,AF’)を生成する前記スイッチング手段(15)を制御するように構成され、前記第2の処理部(37)は、前記電気モータ(101)の動作に関わるとともに前記電気モータ(101)の動作に関連する少なくとも二つの前記物理量を比較して、故障又は異常を検出するとともに前記比較に基づいて前記制御信号(C)を生成するように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の安全装置(10)。
【請求項4】
少なくとも一つの前記第2の入力チャネル(36)は、前記第2の処理部(37)に接続された少なくとも一つの第2の測定部(39)と、前記電力供給ライン(100)に接続されるとともに少なくとも一つの第2の中間電圧信号(IV’)及び少なくとも一つの第2の中間周波数信号(IF’)を前記第2の測定部(39)に送信するように構成された第2の増幅手段(38)と、を備え、前記第2の測定部(39)は、少なくとも一つの前記第2の中間電圧信号(IV’)及び少なくとも一つの前記第2の中間周波数信号(IF’)を測定するとともに少なくとも一つの前記第2の作業信号(W’)を前記第2の処理部(37)に送信するように構成されていることを特徴とする、請求項2~3のいずれか一項に記載の安全装置(10)。
【請求項5】
前記第2のチャネル(36)は、前記第2の増幅手段(38)と前記第2の測定部(39)との間に介在するとともに前記第2の中間周波数信号(IF’)のフィルタリング回路(42)を含む第2の周波数ライン(40)と、前記第2の増幅手段(38)と前記第2の測定部(39)との間に介在するとともに前記第2の中間電圧信号(IV’)の減衰回路(46)を含む第2の電圧ライン(41)と、を更に備えることを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の安全装置(10)。
【請求項6】
前記第1の処理部(17)及び第2の処理部(37)は、互いに冗長的に接続されていることを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載の安全装置(10)。
【請求項7】
前記検出手段は、少なくとも一つの前記第1の処理部(17)及び回転センサ(61)に接続されたセンサ入力(60)を備え、前記センサ入力(60)は、前記電気モータ(101)の前記実回転速度を検出するとともに速度信号(ω)を少なくとも一つの前記第1の処理部(17)に送信するように構成されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の安全装置。
【請求項8】
前記信号伝達手段は、外部補助装置に接続されるとともに前記補助外部装置と少なくとも一つの前記第1の処理部(17)との間での前記制御信号(C)の送信を可能にするように構成された補助出力(65)を備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の安全装置。
【請求項9】
請求項1に記載の安全装置(10)を備える、電気モータ(101)の安全システムにおいて、前記信号伝達手段に接続されたコントローラ(105)を備え、前記コントローラ(105)は、前記制御信号(C)を受信するとともに前記制御信号(C)に従って前記電気モータ(101)を制御するように構成されていることを特徴とする、安全システム。
【請求項10】
電力供給ライン(100)に接続されるとともに駆動シャフト(102)を備える電気モータ(101)の安全方法において、
検出手段が、前記電気モータ(101)の動作に関連する少なくとも二つの物理量を検出し、少なくとも二つの前記物理量は、前記電気モータ(101)の実回転速度、前記電力供給ライン(100)で測定された電圧及び前記電力供給ライン(100)で測定された周波数から選択される、検出段階(S1)と、
少なくとも二つの検出された前記物理量に関わる一つ以上の信号(W,ω)が少なくとも一つの第1の処理部(17)に送信される、準備段階(S2)と、
少なくとも一つの前記第1の処理部(17)が、故障又は異常を検出するために少なくとも二つの検出された前記物理量を互いに比較し、前記故障又は前記異常を通知するために前記比較に基づいて前記信号伝達手段によって制御信号(C)を送信する、処理段階(S3)と、
を少なくとも提供することを特徴とする、安全方法。。
【請求項11】
少なくとも二つの前記物理量は、前記電気モータ(101)の前記電力供給ライン(100)の電圧、前記電気モータ(101)の前記電力供給ライン(100)の周波数及び前記駆動シャフト(102)の有効回転速度から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の安全方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータの機能を監視するための安全装置及び関連方法に関する。
【0002】
本発明による装置及び方法は、例えば、産業機械又はシステムが安全な状態にあるか否かを判断するために電気モータの速度を監視する必要がある産業機械又はシステムで使用される。
【背景技術】
【0003】
装置の電気モータの速度を監視する必要がある産業応用が知られている。
【0004】
第1の例は、電気モータが設置されている危険な領域へのユーザのアクセスを許可する又は許可しないために、電気モータが動作していないか否か、すなわち、速度がゼロに等しいか否かを判断するために電気モータの速度を監視することである。
【0005】
このケースは、例えば、帯のこ、丸のこ等の自動機械又は半自動機械の典型的な例であり、電気モータは、高い慣性を有するとともにエンジン停止後も一定時間動き続ける可能性のある負荷を移動させるために使用される。
【0006】
第2の例は、電気モータが実際に動作していないことを外部装置又はオペレータに知らせるために又は緊急事態を知らせるために、電気モータが動作していないか否か、すなわち、回転数がゼロに等しいか否かを判断するために電気モータの速度を監視することである。
【0007】
このケースは、例えば、ホイスト、クレーン等の自動機械又は半自動機械に典型的であり、電気モータは、電気モータに電力が供給されなくなっても電気モータを動作させるのに十分な重量を有する吊り荷を持ち上げるために使用される。
【0008】
第3の例は、電気モータが正常に動作しているか否かを判断するとともに電気モータの速度が所定の範囲内にない場合に緊急事態を知らせるようにするために、電気モータの速度が所定の範囲内にあるか否かを判断するために電気モータの速度を監視することである。このケースは、例えば、機械の内部に保守技術者の存在を必要とする保守モードの機械又は電気モータによって動かされる部品とオペレータとの間に相互作用が想定される半自動機械のように電気モータの速度が機械の動作状態に依存する自動機械又は半自動機械に典型的である。
【0009】
電気モータが回転していないか否か、すなわち、回転数がゼロであるか否かを判断するために、米国特許第6,049,284号明細書に記載されているように、電気モータに電力が供給されていないときの電気モータの相の電圧を測定するとともに測定された電圧と基準電圧とを比較する安全装置を使用することが知られている。
【0010】
測定された電圧が基準電圧より低いとき、モータは、停止しているとみなされ、安全装置は、機械が安全な状態にあることを知らせる。
【0011】
代わりに、電気モータの回転数が所定の範囲内にあるか否かを判断するために、電気モータのシャフトに光学式又は磁気式のセンサを接続するとともに電気モータの回転数をコード化した信号を送信する装置を使用することが知られている。
【0012】
代替的に、電気モータの速度が設定範囲内にあるか否かを確認するために、電気モータの回転周波数を確認するためにモータの電源から測定された電圧をサンプリングする装置を使用することも知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この技術分野の装置の第1の不都合は、機械のエンジンが給電されていないときにエンジンが動作していないか否か及び機械のエンジンが給電されているときにその速度が安全か否かを監視する必要がある場合、少なくとも二つの独立した別個の装置が必要になることである。
【0014】
これは、機械内部に安全装置を設置するための広いスペース及びヒューマンエラーの危険性が高い複雑な配線作業を必要とするために不都合である。
【0015】
さらに、二つの独立した別個の装置を使用することによって、装置をチェックするとともに故障の有無を確認することを非常に複雑にし、装置が設置された機械の安全性を低下させる。
【0016】
先行技術の別の不都合は、二つの独立した別個の装置の一方が故障した場合に前記装置が一貫性のない情報を提供することにより装置が設置された機械の安全レベルを低下させる可能性があることである。
【0017】
さらに、米国特許公開第2018/076753号明細書に記載されているような公知の装置は、一般に、電気モータ電源の交流電流の周波数及び電気モータシャフトの実回転速度を検出するために、電気モータの電源に接続された単一の入力チャネルを設ける。
【課題を解決するための手段】
【0018】
そのような装置の特徴は、実際に、請求項1の前文に示されている。
【0019】
したがって、本発明の目的は、オペレータの安全性を高めることが可能な装置及び安全方法を実現することである。
【0020】
したがって、本発明の他の目的は、故障に対して高い堅牢性を有する安全装置及び方法を実現することである。
【0021】
したがって、本発明の他の目的は、コンパクトで設置が容易であるとともに電気モータの回転数が安全か否かの監視及び電気モータに電力が供給されていないときに電気モータ自体が実際に動いていないか否かの確認の両方を可能にする安全装置を実現することである。
【0022】
本発明の他の目的は、少なくとも一つの電気モータを備える機械又はシステムの安全レベルを高めることができる安全装置及び方法を実現することである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の実施形態による安全装置の概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態による安全装置の概略図である。
図3図3は、本発明の実施形態による安全装置の概略図である。
図4図4は、本発明の実施形態による安全装置の概略図である。
図5図5は、本発明の実施形態による安全装置の概略図である。
図6図6は、本発明の実施形態による安全装置の概略図である。
図7図7は、本発明の実施形態による安全装置の概略図である。
図8図8は、本発明の実施形態による安全装置の概略図である。
【0024】
図9図9は、本発明の実施形態による安全方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明による安全装置10は、少なくとも一つの電気モータ101が存在する機械又はシステムに関連付けられ、機械又はシステムの安全性に関する少なくとも一つの制御信号Cを外部のユーザに送信するように構成されている。
【0026】
例えば,装置10は,制御信号Cをコントローラ、例えば、機械又はシステムのPLCに送信するためにコントローラに関連付けることができる。
【0027】
代替的に又は追加的に、装置10は、制御信号Cによって、例えば、非常ブレーキ、インジケータ等の安全部品の作動を制御するために安全部品と関連付けることができる。
【0028】
本発明の装置10は、電気モータ101の動作に関連する少なくとも二つの検出された物理量を互いに比較することができる。これら少なくとも二つの物理量は、電気モータ101の駆動軸102の回転速度並びに電気モータの電力供給ラインで測定された電圧及び周波数であり、電気モータ101のスリップ又はブロッキングのような故障状況又は異常状況を検出するために比較が行われる。
【0029】
少なくとも二つの物理量が電源装置100で検出された周波数及び電圧である場合、故障を検出するために比較が行われる。この場合、電源装置100でゼロより大きい周波数及びゼロの電圧が検出されると、故障が通知される。
【0030】
又は、検出された少なくとも二つの量が回転速度及び電源100の電圧である場合、故障を検出するために比較が行われる。この場合、回転速度がゼロより大きいこと及び電源装置100の電圧がゼロであることが検出されると、故障が通知される。又は、少なくとも二つの検出された量が電源装置100の周波数及び回転速度である場合、異常なブロッキング状況又はスリップ状況を検出するために比較が行われる。この場合、電源装置100の周波数がゼロより大きいとともに回転速度がゼロであると、ブロッキング状況が通知される。代わりに、電源100の周波数が、電気モータ101の駆動軸102で実際に測定された回転速度よりも高い速度又は低い速度に対応する場合、スリップ状況が通知される。
【0031】
装置10は、電気モータ101の動作に関連する前記少なくとも二つの物理量を検出するために電気モータ101に関連付けられるように構成された検出手段を備える。
【0032】
添付の図1~7を参照すると、装置10は、電気モータ101の電力供給網100に接続された入力部13及び制御信号Cを送信するように構成された安全部14を有する制御部12を含む少なくとも一つのケース11に設けられる。
【0033】
検出手段は、電源100の電圧を検出するとともに検出した電圧に相関する少なくとも一つのワーク信号Wを安全部14に送信するように構成された入力部13を備える。
【0034】
本明細書及び以下において、「電源の電圧」が電気モータ101の給電の際の瞬時的な電圧値を意味し、交流電流によって電気モータ101が給電される場合、瞬時的な電圧値が、振幅が電気モータ101の供給電圧の値であるとともに周期が電気モータ101の供給電圧の逆数である略正弦波関数に従って時間的に変化することに留意すべきである。
【0035】
さらに、安全部14は、以下に詳述するように、ワーク信号Wを処理するとともにワーク信号Wに応じて少なくとも一つの制御信号Cを送信するように構成されている。
【0036】
図1に模式的に示す第1の実施形態では、入力部13は、第1の入力チャネル16を備え、安全部14は、第1の入力チャネル16に接続された第1の処理部17を備える。
【0037】
第1の入力チャネル16は、電源100自体の電圧を瞬時に検出するとともに当該検出電圧に相関する第1のワーク信号Wを第1の処理部17に送信するために電気モータ101の電源100に接続されるように構成されている。
【0038】
例えば、電気モータ101の電源100が三相タイプである場合、第1の入力チャネル16を、使用時に電源100の二つの相L1,L2に接続することができる。
【0039】
好適には、第1の入力チャネル16は、第1の増幅手段18と、第1の測定部19と、を備える。
【0040】
第1の増幅手段18は、検出した電圧より低い電圧値を有する少なくとも一つの第1の中間電圧信号IVを第1の測定部19に送信するために、検出した電圧をスケーリングするために電源100に接続されるように構成されている。
【0041】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、「増幅」という用語は、信号が1未満の値で増幅される場合、したがって、信号が減衰する場合も含まれることに留意すべきである。
【0042】
本明細書で提供される例では、第1の中間電圧信号IVは、電気モータ101の電源100の二つの相L1,L2の間で測定された電圧の経時的傾向に相関する矩形波である。
【0043】
例として、第1の増幅手段18は、それ自体既知の差動増幅器を備え、詳細な説明を省略する。
【0044】
さらに、増幅手段18は、第1の周波数ライン20及び第1の電圧ライン21によって第1の測定部19に接続されている。
【0045】
第1の周波数ライン20は、有利には、ノイズによってフィルタリングされるとともに第1の測定部19によって許容可能な最大値を有する第1の中間周波数信号IFを第1の測定部19に供給するように構成された第1のフィルタリング回路22を備える。前記第1のフィルタリング回路22は、それ自体既知のタイプの直列に配置された1次フィルタ23、ヒステリシスを有するコンパレータ24及び分圧器25を備え、詳細な説明を省略する。
【0046】
電圧ライン21は、測定部19によって許容される最大値を有する第1の中間電圧信号IVを第1の測定部19に供給するように構成された減衰回路26を備える。特に、減衰回路26は、それ自体既知であり、詳細な説明を省略する分圧電圧27を備える。
【0047】
第1の測定部19は、第1の中間周波数信号IF及び第1の中間電圧信号IVをサンプリングするように構成されている。さらに、第1の測定部19は、電気モータ101の周波数情報を取得するために第1の中間周波数信号IFの測定を行うように構成されている。この場合、この測定は、第1の中間周波数信号IFの周期の測定、したがって、その周波数の測定を提供する。
【0048】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、「周波数」という用語が電気モータ101の回転速度に相関する量を意味することに留意すべきである。
【0049】
さらに、第1の測定部19は、電源100に印加される電圧に相関する電圧情報を取得するために第1の中間電圧信号IVの測定を行うように構成されている。この場合、第1の測定部19は、第1の中間電圧信号IVの電圧を瞬時に測定し、その測定値は、前記電圧情報に対応する。
【0050】
第1の測定部19は、好適には、前記周波数情報及び前記電圧情報を含む前記第1のワーク信号Wをデジタル形式で第1の処理部17に送信するように構成されている。
【0051】
好適な実施形態では、検出手段は、例えば、制御部12に統合された、第1の処理部17に接続されたセンサ入力部60(図6及び図7)と、前記入力センサ60に接続されるとともに電気モータ101の駆動軸102に対応して配置されるように構成された回転センサ61と、を備える。
【0052】
回転センサ61は、経時的な位置を確認することによって駆動シャフト102の実回転速度を計算する又は第1の処理部17に計算させるとともに速度信号ωを第1の処理部17に送信するように構成されているる。速度信号ωが駆動シャフト102の実速度に関する情報又は経時的な駆動シャフト102の角度位置に関する情報を含むことができることに留意すべきである。
【0053】
例えば、回転センサ61は、誘導センサ、ダイナモ又はエンコーダを備えることができる。
【0054】
第1の処理部17は、後述するように、故障又は異常を検出するとともに前記制御信号Cを生成するために電気モータ101の動作に関連する少なくとも二つの量を比較するように構成されている。
【0055】
装置10は、前記制御信号Cを装置10の外部のユーザに送信するように構成された信号伝達手段も有する。
【0056】
いくつかの実施形態では、信号伝達手段は、第1の処理部17によって制御されるとともにアクティブ状態から非アクティブ状態への切り替え及びその逆の切り替えに適したスイッチング手段15を備える。この場合、制御信号Cは、スイッチング手段15のアクティブ状態又は非アクティブ状態に対応する。代替的に又は追加的に、信号伝達手段は、第1の処理部17に接続されるとともに処理部17によって生成されるデジタル形式の信号を外部ユーザに送信できるように構成された補助出力部65を備える。この場合、制御信号Cは、処理部17によって生成されたデジタル信号に対応する。例として、補助出力部65は、第1の処理部17に接続された、好適には、USB-CタイプのUSBコネクタを備えることができる。代替的に又は追加的に、補助出力部65は、例えば、第1の処理部17に接続されたI/Oリンクバスのような産業用フィールドバス又はポイントツーポイント通信バスを備えることができる。
【0057】
一実施形態では、第1の処理部17は、電圧情報と前記第1のワーク信号Wに含まれる周波数情報と比較するように構成されている。
【0058】
この場合、電圧情報が下限電圧未満であるときに周波数情報も、例えば、1Hzに対応する下限周波数未満であることを確認するために比較が行われる。この条件が確認されない場合、第1の処理部17は、故障を知らせる制御信号Cを生成するように構成されている。前記制御信号Cを、前記スイッチング手段15をアクティブ状態からオフ状態に切り替えるために又はその逆に切り替えるために前記スイッチング手段15を制御することによって送信することができる。そうでない場合、前記制御信号Cを、補助出力部65によってデジタル形式で外部ユーザに送信することができる。
【0059】
別の実施形態では、第1の処理部17は、前記第1のワーク信号Wに含まれる電圧情報と速度信号ωとを比較するように構成されている。この場合、第1の処理部17は、電圧情報がゼロである場合に速度信号ωもゼロであることを確認するために比較が行われる。この条件が確認されない場合、第1の処理部17は、故障を知らせる制御信号Cを生成するように構成されている。前記制御信号Cを、スイッチング手段15をアクティブ状態からオフ状態に切り替えるために又はその逆に切り替えるためにスイッチング手段15を制御することによって送信することができる。そうでない場合、前記制御信号Cを、補助出力部65によってデジタル形式で外部ユーザに送信することができる。
【0060】
別の実施形態では、第1の処理部17は、前記第1のワーク信号Wに含まれる周波数情報と速度信号ωとを比較するように構成されている。この場合、異常なブロッキング状況又はスリップ状況を検出するために比較が行われる。第1の処理部17が、電源100の周波数がゼロより大きいとともに回転速度がゼロであることを検出する場合、第1の処理部17は、ブロッキング状況を示す制御信号Cを生成する。代わりに、第1の処理部17が、電源100の周波数が駆動シャフト102で実際に測定された回転速度よりも高い速度又は低い速度に対応することを検出した場合、第1の処理部17は、スリップ状況を示す制御信号Cを生成する。この場合、制御信号Cを、スイッチング手段15をアクティブ状態からオフ状態に切り替えるように又はその逆に切り替えるように指令することによって生成することができる。そうでない場合、制御信号Cを、補助出力部65によってデジタル形式で外部ユーザに送信し、場合によっては、スリップの程度も通知する。
【0061】
図4に示す可能な変形実施形態では、第1の増幅手段18を、好適には、第1のワーク信号Wをアナログ形式で第1の処理部17に送信するために第1の処理部17に直接接続することができる。この場合、第1の処理部17を、周波数情報を取得するためにFFT(高速フーリエ変換)アルゴリズムを実行するように構成することができる。
【0062】
又は、図5に示す可能な変形実施形態では、第1の増幅手段18を、単一の中間信号Iを第1の測定部19に送信するために第1の測定部19に直接接続することができる。この場合、第1の測定部19を、周波数情報を取得するためにFFT(高速フーリエ変換)アルゴリズムを実行するように構成することができる。
【0063】
図3又は図7に概略的に示す本発明の別の実施形態では、入力部13は、第2の入力チャネル36も備え、安全部14は、第2の入力チャネル36と信号伝達手段の両方に接続された、装置10の一部である第2の処理部37も備える。
【0064】
有利なことに、二つの入力チャネルが存在することによって、第1の入力チャネル16及び/又は第2の入力チャネル36における故障の存在を推測することができ、したがって、本発明による装置10によって提供される安全性のレベルを高めることができる。
【0065】
更に有利なことに、第1の処理部17及び第2の処理部37は、第1の入力チャネル16及び第2の入力チャネル36が同一の値を検出していることを確認するために、第1の入力チャネル16及び第2の入力チャネル36によってそれぞれ検出された値を交換及び比較することができる。
【0066】
同様に有利なことに、処理部17,37は、同一の決定を下すことを保証するために、それぞれの入力チャネル16,36によって検出された値に基づいて下す決定を交換及び比較することができる。
【0067】
これらの態様によって、安全性が向上させることができるとともに装置の故障の可能性を検出することができる。
【0068】
第2の入力チャネル36は、電気モータ101に印加された電圧を瞬時に検出するとともに検出した電圧に相関する第2のワーク信号W’を第2の処理部37に送信するために電気モータ101の電源100に接続されるように構成されている。
【0069】
本明細書及び以下において、「電源の電圧」が電気モータ101の給電の際の瞬時的な電圧値を意味し、交流電力モータの場合、瞬時的な電圧値が、振幅が電気モータ101の供給電圧の値であるとともに周期が電気モータ101の供給電圧の逆数である略正弦波関数に従って時間的に変化することに留意すべきである。
【0070】
例えば、電気モータ101の電源100が三相タイプである場合、第2の入力チャネル36を、使用時に電源100の二つの相L1,L3に接続することができる。好適には、使用時に第2の入力チャネル36が接続される二つの相L1,L3の少なくとも一方は、使用時に第1の入力チャネル16が接続される二つの相L1,L2と異なる。
【0071】
好適には、第2の入力チャネル36は、第2の増幅手段38と、第2の測定部39と、を備える。
【0072】
第2の増幅手段38は、電源100に接続されるように構成されているとともに検出電圧よりも低い電圧値を有する少なくとも一つの第2の中間電圧信号IV’を第2の測定部39に送信するために検出電圧をスケーリングするように構成されている。
【0073】
例えば、第2の中間電圧信号IV’は、電気モータ101の電源100の二つの相L1,L3の間で測定された電圧の経時的傾向に相関する矩形波である。
【0074】
単なる例として、第2の増幅手段38は、それ自体既知の差動増幅器を備え、詳細な説明を省略する。
【0075】
図3又は図7に示す例では、第2の増幅手段38は、第2の周波数ライン40及び第2の電圧ライン41によって第2の測定部39に接続されている。
【0076】
第2の周波数ライン40は、ノイズによってフィルタリングされるとともに第2の測定部39によって許容される最大値を有する第2の中間周波数信号IF’を第2の測定部39に供給するように構成された第2の中間信号の第2のフィルタリング回路42を備える。本明細書に示す例では、第2のフィルタリング回路42は、それ自体既知である1次フィルタ43、ヒステリシスを有するコンパレータ44及び分圧器45を備え、詳細な説明を省略する。当業者は、第2のフィルタリング回路42が本実施例で説明するものとは異なるものであってもよいことを容易に理解する。
【0077】
電圧ライン41は、第2の測定部39が許容できる最大電圧値を有する第2の中間電圧信号IV’を第2の測定部39に供給するように構成された減衰回路46を備える。特に、減衰回路46は、それ自体公知の分圧器47を備え、詳細な説明を省略する。この場合も、当業者は、第2の減衰回路46がこの実施例で説明したものとは異なるものであってもよいことを容易に理解する。
【0078】
第2の測定部39は、第2の中間周波数信号IF’及び第2の中間電圧信号IV’をサンプリングするように構成されている。さらに、第2の測定部39は、前記電気モータ101の周波数情報を取得するために第2の中間周波数信号IF’を処理するように構成されている。この処理により、第2の中間周波数信号IF’の周期の測定、したがって、その周波数の測定を行うことができる。
【0079】
さらに、第2の測定部39は、電源100で測定された電圧に相関する電圧情報を取得するために第2の中間電圧信号IV’を処理するように構成されている。本明細書で提供される例では、第2の測定部39は、第2の中間電圧信号IV’の電圧を瞬時に測定し、測定された値は、前記電圧情報に対応する。
【0080】
第2の測定部39は、好適には、前記周波数情報及び前記電圧情報を含む前記第2のワーク信号W’をデジタル形式で第2の処理部37に送信するように構成されている。
【0081】
また、第2の処理部37は、電圧情報と前記第2のワーク信号W’に含まれる周波数情報とを比較するように構成されている。
【0082】
この場合、電圧情報が下限電圧未満であるときに周波数情報も、例えば、1Hzに対応する下限周波数未満であることを確認するために比較が行われる。この条件が確認されない場合、第2の処理部37は、故障を知らせる制御信号Cを生成するように構成されている。前記制御信号Cを、スイッチング手段15をアクティブ状態からオフ状態に切り替えるために又はその逆に切り替えるために前記スイッチング手段15を制御することによって送信することができる。そうでない場合、前記制御信号Cを、補助出力部65によってデジタル形式で外部ユーザに送信することができる。
【0083】
別の実施形態では、第2の処理部37は、前記第2のワーク信号W’に含まれる電圧情報と速度信号ωとを比較するように構成されている。この場合、第2の処理部37は、電圧情報がゼロである場合に速度信号ωもゼロであることを確認するために比較が行われる。この条件が確認されない場合、第2の処理部37は、故障を知らせる制御信号Cを生成するように構成されている。前記制御信号Cを、スイッチング手段15をアクティブ状態からオフ状態に切り替えるために又はその逆に切り替えるためにスイッチング手段15を制御することによって送信することができる。そうでない場合、前記制御信号Cを、補助出力部65によってデジタル形式で外部ユーザに送信することができる。
【0084】
別の実施形態では、第2の処理部37は、前記第2のワーク信号W’に含まれる周波数情報と速度信号ωとを比較するように構成されている。この場合、異常なブロッキング状況又はスリップ状況を検出するために比較が行われる。第2の処理部37が、電源100の周波数がゼロより大きいこと及び回転速度がゼロであることを検出する場合、第2の処理部37は、ブロッキング状況を示す制御信号Cを生成する。代わりに、第2の処理部37が、電源100の周波数が駆動シャフト102で実際に測定された回転速度よりも高い速度又は低い速度に対応することを検出した場合、ス第2の処理部37は、リップ状況を示す制御信号Cを生成する。この場合、制御信号Cを、スイッチング手段15をアクティブ状態からオフ状態に切り替えるように又はその逆に切り替えるように指令することによって生成することができる。そうでない場合、制御信号Cを、補助出力部65によってデジタル形式で外部ユーザに送信し、場合によっては、スリップの程度も通知する。
【0085】
有利なことに、この構成により、故障又は異常の存在を冗長な方法で推論することができ、したがって、本発明の装置10によって提供される安全レベルを高めることができる。
【0086】
図4に例を示す代替的な実施形態では、第2の増幅手段38を、好適には、第2のワーク信号W’をアナログ形式で第2の処理部37に送信するために第2の処理部37に直接接続することができる。この場合、第2の処理部37を、周波数情報を取得するためにFFT(高速フーリエ変換)アルゴリズムを実行するように構成することができる。
【0087】
又は、図5に例を示す他の変形実施形態では、第2の増幅手段38を、単一の中間信号I’を第2の測定部39に送信するために第2の測定部39に直接接続することができる。この場合、第2の測定部39を、周波数情報を取得するためにFFT(高速フーリエ変換)アルゴリズムを実行するように構成することができる。
【0088】
好適には、第1の処理部17及び第2の処理部37は、第1のワーク信号W及び第2のワーク信号W’間の整合性制御を実行するために互いに冗長的に接続されている。
【0089】
有利なことに、この構成により、第1の入力チャネル16及び/又は第2の入力チャネル36における故障の存在を推測することができ、したがって、本発明の装置10によって提供される安全性のレベルを高めることができる。
【0090】
好適には、入力部13及び安全部14を単一のプリント回路から取得するとともに絶縁バリア(図示せず)によって互いに分離するが、その必要がない。有利なことに、絶縁バリアは、入力部13と安全部14との間の電気的分離を規定するためにケース11の壁と協働する。これによって、入力部13の高電圧に起因する安全部14の誤動作又は故障を回避することができ、その結果、本発明の装置10の安全レベルが向上する。
【0091】
例えば、絶縁バリアは、入力チャネル16,36と処理部17,37との間に配置された一つ以上のフォトカプラ又はオプトアイソレータで構成することができる。例えば、第1のフォトカプラを、第1のワーク信号Wを送信するために第1の測定部19と第1の処理部17との間に介在させることができ、第2のフォトカプラを、第2のワーク信号W’を送信するために第2の測定部39と第2の処理部37との間に介在させることができる。
【0092】
図8を参照すると、本発明は、電力供給ライン100に接続された電気モータ101及び前記少なくとも二つの物理量を検出するために前記電力供給ライン100に接続された前記安全装置10を備える電気モータの安全システムにも言及している。
【0093】
好適には、システムは、前記信号伝達手段に接続されたコントローラ105、例えば、PLCを有し、コントローラ105は、制御信号Cを受信するとともに制御信号Cに従って電気モータを制御するように構成されている。
【0094】
更に具体的には、コントローラ105は、通常、(図8には図示しない)インバータを制御し、インバータは、電気モータ101を制御し、安全装置10は、安全でない状況が発生した場合に電気モータ101への電力を遮断するためにコントローラ105と通信を行うとともにインバータの上流に配置された(図示しない)二つのコンタクタを直接制御する。
【0095】
また、本発明は、電気モータ101の動作に関わるとともに電気モータ101の動作に関連する少なくとも二つの量が検出される検出段階S1を提供する電気モータの安全方法にも言及している。前記少なくとも二つの物理量は、電力供給ライン100で測定された電圧、電力供給ライン100で測定された周波数及び電気モータ101の実回転速度から選択される。
【0096】
検出段階S1の間、入力部13は、電源100の電圧を検出し、検出した電圧に相関する少なくとも一つのワーク信号Wを安全部14に送信する。オプションとして、検出段階S1は、センサ61が電気モータ101の駆動軸102の実回転速度を検出することも提供する。
【0097】
方法は、処理段階S3も有し、処理段階によれば、少なくとも第1の処理部17は、前記少なくとも二つの検出量を互いに比較するとともに前記比較に基づいて制御信号Cを送信する。
【0098】
例えば、少なくとも二つの量を、電源装置 100で検出した周波数及び電圧とすることができ、あらゆる故障を検出するために比較を行うことができる。この場合、電源装置100でゼロより大きい周波数及びゼロの電圧が検出されると、故障が通知される。
【0099】
代替的には、検出した少なくとも二つの量を、電気モータ101の実回転速度及び電源100の電圧とすることができ、故障を検出するために比較が行われる。この場合、電源100でゼロより大きい回転速度及びゼロの電圧が検出されると、故障が通知される。
【0100】
代替的には、検出した少なくとも二つの量を、電源100の周波数及び電気モータ101の回転速度とすることができ、異常なブロッキング状況又はスリップ状況を検出するために比較が行われる。この場合、電源100の周波数がゼロより大きいとともに回転速度がゼロであれば、ブロッキング状況が通知される。代わりに、電源100の周波数が、電気モータ101の駆動軸102で実際に測定された回転速度よりも高い速度又は低い速度に対応する場合、スリップ状況が通知される。
【0101】
図9を参照すると、段階S1では、少なくとも第1の入力チャネル16は、電気モータ101の電力供給ライン100の電圧又は周波数を検出し、続く準備段階S2では、少なくとも第1の入力チャネル16は、電力供給ライン100で検出した電圧又は周波数を処理するとともに少なくとも一つの第1の処理部17に少なくとも一つの第1のワーク信号Wを送信する。
【0102】
さらに、検出段階S1は、センサ61が電気モータ101の駆動軸102の実回転速度を検出することも提供し、準備段階S2は、センサ61が速度信号ωを生成するとともに速度信号ωを第1の処理部17に送信することも提供する。
【0103】
明らかに、安全部14に含まれるそれぞれの処理部17,37へのそれぞれのワーク信号W,W’の伝送のために、二つの入力チャネル16,36を設けることができる。さらに、速度信号ωを安全部14に含まれるそれぞれの処理部17,37に送信するために、センサ61を配置することもできる。
【0104】
オプションとして、少なくとも一つの第1のワーク信号Wの送信のために、準備段階S2は、増幅サブ段階S2.1を提供することができ、増幅サブ段階S2.1によれば、増幅手段18,38は、検出した電圧をスケーリングするとともに検出した値より低い値を有する少なくとも一つのそれぞれの中間電圧信号IV,IV’をそれぞれの測定部19,39に送信する。
【0105】
さらに、準備段階S2は、フィルタリングサブ段階S2.2を備えることもでき、フィルタリングサブ段階S2.2によれば、中間信号Iはそれぞれ、それぞれの測定部19,39にそれぞれの中間周波数信号IF,IF’を提供するために、それぞれのフィルタリング回路22,42によってフィルタリングされる。さらに、準備段階S2は、減衰サブ段階S2.3を備えることもでき、減衰サブ段階S2.3によれば、中間信号Iはそれぞれ、それぞれの減衰回路26,46によって減衰され、それぞれの中間電圧信号IV,IV’をそれぞれの測定部19,39に供給する。
【0106】
準備段階S2は、測定サブ段階S2.4も備え、測定サブ段階S2.4によれば、それぞれの測定部19,39は、周波数情報及び電圧情報を取得するために、それぞれの中間周波数信号IF,IF’及び中間電圧信号IV,IV’の測定を行う。さらに、測定サブフェーズS2.4の間に、それぞれの測定部19、39は、それぞれの周波数情報及びそれぞれの電圧情報を含むワーク信号W,W’をそれぞれの処理部17,37に送信する。
【0107】
オプションとして、測定サブフェーズS2.4が提供されている場合、測定サブフェーズS2.4の間に、電気モータ101の回転方向に関する情報を測定するために、第1の測定部19は、第2の中間周波数信号IF’も処理し、第2の測定部39は、第1の中間周波数信号IFも処理する。この場合、それぞれの測定部19,39は、回転方向に関するそれぞれの情報も含むワーク信号W,W’をそれぞれの処理部17,37に送信する。
【0108】
以上の説明から、本発明の目的である電気モータを制御するための安全装置及び方法の特徴は明らかであり、それらから得られる利点も明らかである。
【0109】
このようにして着想した本発明は、数多くの変更及び変形が可能であり、その全ては、添付の特許請求の範囲の保護範囲に含まれる。
【0110】
さらに、全ての細部は、技術的に同等な他の要素に置換することができる。実際には、使用される材料並びに付随する形状及び寸法を、付随するニーズ及び技術の状況に応じて変更することができる。
【0111】
以下の特許請求の範囲に記載された構造上の特徴及び技術に参照番号が付されている場合、かかる参照番号は、特許請求の範囲の理解を高めることのみを目的として付されたものであり、その結果、特定された各要素の解釈を制限するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】