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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114663
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】野菜切り器
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/24 20060101AFI20240816BHJP
   B26D 3/18 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B26D3/24 H
B26D3/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024018645
(22)【出願日】2024-02-09
(31)【優先権主張番号】P 2023019546
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523050667
【氏名又は名称】星 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】星 雄一
(57)【要約】      (修正有)
【課題】野菜を簡単に賽の目状の小片に切断できるようにする。
【解決手段】本発明の野菜切り器は、上面8に野菜を接触させて移動可能な野菜切り器本体3と、上面8の離れた箇所に設けられた第1、第2切り部10、20とを備える。上面8は野菜を接触させて第1切り部10の入口側から出口側、第2切り部20の入口側から出口側へ順に通過させることができる。第1、第2切り部10は入口側から出口側に向かう第1、第2方向へ野菜が移動されると、野菜の底部に第1、第2方向に沿って延びる切り溝が、第1、第2方向と直交する方向に複数形成される複数の筋切り刃11、21を含む。第1、第2方向は直交している。第2切り部20の出口側にスライス刃部30が備えられており、入口側から出口側に向かう方向へ野菜が移動されると、切り溝の溝底近くで水平にスライスして、対象物が小片に切断される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に対象物の野菜を接触させて野菜切りを行なうための野菜移動経路に沿って移動可能な野菜切り器本体と、
野菜切り本体の上面の野菜移動経路上の離れた複数のN箇所に設けられた第1、第2、・・第N切り部と、
を備えており、
各第n(但し、n=1,2,・・,N)切り部は、
第n切り部に対する野菜移動経路に沿った入口側から出口側に向かう第n方向へ対象物が移動されると、対象物の底部に、第n方向に沿って延びる筋状の切り溝が、第n方向と直交する方向に複数個形成される複数の筋切り刃を含み、
第1方向、第2方向、・・第N方向は、少なくとも1つは他と異なる方向を含み、
更に、野菜切り器本体の上面の第N切り部の出口側に、スライス刃部とスライス刃部で切断された対象物を落下させる開口部とを備えており、
スライス刃部は、
スライス刃部に対する野菜移動経路に沿った入口側から出口側に向かう方向へ対象物が移動されると、N個の第1、第2、・・第N切り部による切り溝の溝底近くで水平にスライスして、対象物が小片に切断されるようにしたこと、
を特徴とする野菜切り器。
【請求項2】
Nは2であり、第1方向と第2方向は直交していること、
を特徴とする請求項1記載の野菜切り器。
【請求項3】
各第n(但し、n=1,2,・・,N)切り部に含まれる複数の筋切り刃は、
第n切り部に対応する第n方向に対し、直交する方向または斜めに交差する方向に直線的に配列されていること、
を特徴とする請求項1記載の野菜切り器。
【請求項4】
スライス刃部は、スライス刃部における野菜移動経路の方向に対し、斜めに交差する方向に配設されていること、
を特徴とする請求項1または3記載の野菜切り器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は野菜切り器に係り、とくに野菜を賽の目状またはみじん切り状などの小片に切りたい場合に好適な野菜切り器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、包丁を使わずに、ニンジンやダイコンなどを把持し、底部を板面に接触させながら直線的に移動させることで、野菜を短冊状にカットできるようにした野菜切り器が市販されている。
【0003】
けれども、従来の野菜切り器は、ニンジンやダイコンなどの対象物を賽の目状またはみじん切り状の小片に切ることはできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑みなされたもので、野菜を多数の小片に切ることが可能な野菜切り器を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明では、
上面に対象物の野菜を接触させて野菜切りを行なうための野菜移動経路に沿って移動可能な野菜切り器本体と、
野菜切り本体の上面の野菜移動経路上の離れた複数のN箇所に設けられた第1、第2、・・第N切り部と、
を備えており、
各第n(但し、n=1,2,・・,N)切り部は、
第n切り部に対する野菜移動経路に沿った入口側から出口側に向かう第n方向へ対象物が移動されると、対象物の底部に、第n方向に沿って延びる筋状の切り溝が、第n方向と直交する方向に複数個形成される複数の筋切り刃を含み、
第1方向、第2方向、・・第N方向は、少なくとも1つは他と異なる方向を含み、
更に、野菜切り器本体の上面の第N切り部の出口側に、スライス刃部とスライス刃部で切断された対象物を落下させる開口部とを備えており、
スライス刃部は、
スライス刃部に対する野菜移動経路に沿った入口側から出口側に向かう方向へ対象物が移動されると、N個の第1、第2、・・第N切り部による切り溝の溝底近くで水平にスライスして、対象物が小片に切断されるようにしたこと、
を特徴としている。
請求項2記載の発明では、
Nは2であり、第1方向と第2方向は直交していること、
を特徴としている。
請求項3記載の発明では、
各第n(但し、n=1,2,・・,N)切り部に含まれる複数の筋切り刃は、
第n切り部に対応する第n方向に対し、直交する方向または斜めに交差する方向に直線的に配列されていること、
を特徴としている。
請求項4記載の発明では、
スライス刃部は、スライス刃部における野菜移動経路の方向に対し、斜めに交差する方向に配設されていること、
を特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、例えばニンジン、ダイコン、たまねぎなどの対象物の野菜を掴持して野菜切り器本体の上面に接触させ、野菜移動経路に沿って第1切り部、第2切り部、・・第N切り部を順に通過させることで、方向の異なる短冊状の切れ溝を形成することができ、最後に、スライス刃部の入口側から出口側へ移動させることで、対象物の底部に形成された切り溝の溝底近くで水平にスライスして、対象物の野菜を小片に切断させることができる。
また、請求項2記載の発明によれば、対象物の野菜を賽の目状の小片に切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施例に係る野菜切り器の平面図である。
図2図1の正面図である。
図3図1のA-A線に沿った断面図である。
図4図1の側面図である。
図5図1のB-B線に沿った断面図である。
図6図1の野菜切り器の作用説明図である。
図7図1の野菜切り器の作用説明図である。
図8図1の野菜切り器の作用説明図である。
図9図1の野菜切り器の作用説明図である。
図10図1の野菜切り器の作用説明図である。
図11図1の野菜切り器の作用説明図である。
図12】本発明の変形例に係る野菜切り器の平面図である。
図13図12の作用説明図である。
図14】本発明の他の変形例に係る野菜切り器の平面図である。
図15】本発明の更に他の変形例に係る野菜切り器の平面図である。
図16】本発明の更に他の変形例に係る野菜切り器の平面図である。
図17】本発明の更に他の変形例に係る野菜切り器の平面図である。
図18】本発明の更に他の変形例に係る野菜切り器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しつつ実施例を用いて説明する。ただし、本発明はこれらの図面及び実施例に限定されるものではない。特に図面は本発明を概念的に説明するためのものであるから、位置、寸法、比又は数等は図面に表れているものに制限されず、適宜調整又は変更が可能であり、それらは全て本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例0009】
図1乃至図5を参照して本発明に係る野菜切り器の実施例を説明する。図1は本発明の一実施例に係る野菜切り器の平面図、図2図1の正面図、図3図1のA-A‘線に沿った断面図、図4図1の側面図、図5図1のB-B‘線に沿った断面図である。
これらの図において、1はニンジン、ダイコン、タマネギなどの野菜を賽の目状に切断できるようにした野菜切り器である。野菜切り器1の内、2は直方体形の容器部であり、賽の目状に切断された野菜を収納する。3は容器部2の上端開口2aに嵌脱自在な方形板状の野菜切り器本体(以下、単に「本体」という)であり、中央に長方形の穴部4が形成されている。本体3の外周縁部には、断面T字状に上下に突設されて外側上突出壁5と外側下突出壁6が設けられている。外側下突出壁6は容器部2の上端部外周側に嵌脱自在になっている。本体3の穴部4の内周端縁は断面L字状に上に突設されて内側上突出壁7が設けられている。
【0010】
本体3の外側上突出壁5と内側上突出壁7の間は方形の上面8となっている。この上面8は、賽の目切りの対象とする野菜の底部の底面を接触させた状態で、野菜切りを行なうための野菜移動経路(ここでは、図1図6の左下→右下(第1方向)、右下→右上(第2方向)、右上→左上、左上→左下の経路)に沿って移動可能な摺動面となっている。
本体3の上面8の野菜移動経路上の離れた2か所に、野菜移動経路に沿って設けられた第1、第2切り部10、20が備えられている。第1、第2切り部10、20は平面的に見て各々、本体3の中央の穴部4の手前側と右側に設けられている。
本体3の上面8は、野菜の底面を接触させて第1切り部10に対する野菜移動経路に沿った入口側から出口側、第2切り部20に対する野菜移動経路に沿った入口側から出口側へ順に通過させ、更に、後述するスライス刃部に対する野菜移動経路に沿った入口側から出口側を経て、第1切り部10の入口側に戻る経路を移動可能な大きさに形成されている。
【0011】
第1切り部10は、第1切り部10に対する野菜移動経路に沿った入口側(図1図6の左側)から、出口側(図1図6の右側)に向かう第1方向(図1、6の右方向)へ対象物が移動されると、対象物の底部に、第1方向に沿って延びる筋状の切り溝(図8の符号43参照)が、第1方向と直交する方向に複数個、短冊状に並んで形成されるようにする複数の筋切り刃11を含む。ここでは、複数の筋切り刃11は、等間隔に並んで第1方向に対し、直交する方向に直線的に配列されている。
【0012】
第2切り部20は、第1切り部10の出口側から見て、第1方向と直交する第2方向(図1、6の上方向)に設けられている。第2切り部20は、第1切り部10を通過した対象物が第2切り部20に対する野菜移動経路に沿った入口側(図1図6の下側)から、出口側(図1図6の上側)に向かう第2方向へ移動されると、対象物の底部に、第2方向に沿って延びる筋状の切り溝(図11の符号44参照)が、第2方向と直交する方向に複数個、短冊状に並んで形成されるようにする複数の筋切り刃21を含む。ここでは、複数の筋切り刃21は第1切り部10の筋切り刃11と同じ間隔で等間隔に並んで、第2方向に対し、直交する方向に直線的に配列されている。
【0013】
複数の筋切り刃11、21は、同形の三角刃であり、切り溝43、44の溝底の深さD1、D2は同一である(図8(2)、図11(1)参照)。切り溝43、44の溝底の深さD1、D2は、複数の筋切り刃11、21の間隔と同じとしてもよく、異なっていてもよい。
【0014】
本体3の上面8の第2切り部20の出口側に、左右方向に延びた横長で長方形状のスライス刃部30とスライス刃部30で賽の目状に切断された対象物を容器部2へ落下させる長方形状の開口部31とが備えられている。スライス刃部30は、スライス刃部30に対する野菜移動経路に沿った入口側(図1図6の下側)から出口側(図1図6の上側)に向かう方向へ対象物が移動されると、第1切り部10と第2切り部20によるマス目状の切り溝の溝底近くで対象物の底部を水平にスライスして、対象物の底部が賽の目状に切断されるようになっている。切断により形成された多数の賽の目状の小片45は、開口部31を通して容器部3の中に落下するようになっている。スライス刃部30は、入口側の上面8から見た刃先30aの高さが、切り溝の溝底の深さD1、D2とほぼ一致するようにして本体3に装着されている。
【0015】
スライス刃部30の出口側の上面8は、入口側より切り溝の溝底の深さ分だけ一段高くなっており、スライス刃部30でスライス後の対象物の底面と上面8との間に隙間がほとんど開かず、対象物の底面を上面8に接触させながら円滑に水平移動できるようになっている。上面8は図1のC1、C2の範囲が水平であり、C3の範囲が一段分の下りスロープになっている。
【0016】
次に、図6乃至図11を参照して上記した野菜切り器1の作用を説明する。
ニンジン、ダイコン、タマネギなどの対象物40を賽の目切りにしたい場合、最初、対象物40を把持して底面41を本体3の上面8の左手前に着け(図6の符号40a、図7(1)参照)、底面41を上面8に接触させたまま第1方向である右方向へ移動し、対象物40の底部42を第1切り部10の入口側から出口側へ通過させる(図6の符号40b、40c、図7(2)、(3)参照)。すると、第1切り部10により対象物40の底部42に、第1方向に沿って延びる筋状の切り溝43が、第1方向と直交する方向に複数個、短冊状に形成される(図8(1)、(2)参照)。
【0017】
対象物40が第1切り部20の出口側を過ぎ、上面8の右手前に来たら(図6の符号40c、図7(3)、図9(1))、対象物40を把持して底面41を上面8に接触させたまま対象物40を回転することなく、水平面内での移動方向を90度変えて第2の方向としての図6の上方向へ移動し、対象物40の底部42を第2切り部20の入口側から出口側へ通過させ(図6の符号40c、40d、40e、図9(1)、(2)、図10(1)参照)、続いてスライス刃部30の入口側から出口側へ通過させる(図6の符号40e、40f、図9(2)、図10(1)、(2)参照)。
【0018】
すると、まず第2切り部20により対象物40の底部42に、第2方向に沿って延びる筋状の切り溝44が、第2方向と直交する方向に複数個、短冊状に形成される(図11(1)の符号44参照)。続いて、第2切り部20の出口側にあるスライス刃部30により、対象物40の底部42がマス目状の切り溝43、44の溝底近くで水平にスライスされて、多数の賽の目状の小片45に切断されていく(図11(2)参照)。
【0019】
対象物40の底面41はスライス刃部30を通過した部分が一段高くなった上面8と隙間無く接触することができるので、対象物40をそのまま円滑に第2の方向へ移動し続けることができる。対象物40の底面41の全部がスライス刃部30を通過し終わると、底部42の一回分の切断が完了することになる。切断により形成された多数の賽の目状の小片45は、開口部31を通して容器部3の中に落下する(図10(1)参照)。
【0020】
対象物40が図6の右上隅の位置に来たら(符号40f参照)、対象物40を把持して底面41を上面8に接触させたまま対象物40を回転することなく図6の左方向へ移動し、図6の左上隅の位置に来たら(符号40g参照)、図6の下方向へ移動し、スタート地点に戻る(符号40a)。この際、本体3の上面8の内、図1のC3部分を通過する間に対象物40の高さが一段下がってぃる。以下、同様の作業を繰り返すことにより、対象物40を順次、多数の賽の目状の小片45に切断し、容器部2に収納させることができる。
【0021】
この実施例によれば、例えばニンジン、ダイコン、タマネギなどの野菜の対象物40を掴持して本体3の上面8に接触させ、第1切り部10の入口側から出口側へ第1の方向へ移動させることで、短冊状の切れ溝43を入れることができ、続いて第2切り部20の入口側から出口側へ第1の方向とは直交する第2の方向へ移動させることで、切れ溝43と直交する方向に短冊状の切れ溝44を追加して、マス目状の切れ溝を形成することができる。最後に、スライス刃部30の入口側から出口側へ移動させることで、対象物40の底部42に形成されたマス目状の切り溝43、44の溝底近くで水平にスライスして、多数の賽の目状の小片45に切断させることができる。
複数の筋切り刃11、21の間隔を細かくしておくことで、大きさの揃った細かなみじん切り状に切断することも可能である。
【0022】
なお、上記した実施例では、野菜切り器本体や上面を長方形状としたが、本発明は何らこれに限定されず、例えば、野菜切り器本体や上面を円形、楕円形、トラック形、直角三角形形などとしても良い。
また、下の容器部2は省略しても良い。
また、第1方向を図1の下方向、第2方向を図1の右方向としたり、第1方向を図1の上方向、第2方向を図1の右方向としたり、第1方向を図1の右方向、第2方向を図1の下方向としても良い。或いは、第1方向を図1の左方向、第2方向を図1の上方向としたり、第1方向を図1の上方向、第2方向を図1の右方向としたり、第1方向を図1の右方向、第2方向を図1の下方向としても良い。
また、第1切り部、第2切り部の複数の筋切り刃の数は、図1と異なる個数を設けても良く、第1切り部と第2切り部とで異なる間隔や個数としても良い。
【0023】
また、上記した実施例では、対象物を第1切り部の入口側から出口側へ通過させる第1方向と、対象物を第2切り部の入口側から出口側へ通過させる第2方向を直交するようにしたが、本発明は何らこれに限定されず、図12の野菜切り器1Aに示す如く、全体を直角三角形状とし、例えば、第1切り部10を入口側から出口側へ対象物を通過させる第1方向(図12の左右方向)に対し、第2切り部20を入口側から出口側へ対象物を通過させる第2方向を135度または120度など、90度以外の異なる方向とすることにより、図13に示す如く対象物40の底部に、菱形マス目状の切り溝43、44が形成されるようにして、菱形の小片に切断可能としても良い。
【0024】
また、上記した実施例では、短冊状の切れ溝を形成する切り部を2つ設ける場合を例に挙げて説明したが、3つ以上設けるようにしても良い。例えば、図14に野菜切り器1Bは、全体を正三角形状とし、図14の底辺側に第1切り部10、右斜辺側に第2切り部20、左斜辺側に第3切り部50、第3切り部50の出口側にスライス刃部30と開口部31を設けた例を示す。第1切り部10を入口側から出口側へ対象物を通過させる第1方向(図14の左右方向)に対し、第2切り部20を入口側から出口側へ対象物を通過させる第2方向を120度異なる方向とし、更にこの第2方向に対し、第3切り部50とスライス刃部30を各々入口側から出口側へ対象物を通過させる第3方向を120度異なる方向としても良い。
【0025】
また、上記した実施例では、第1切り部に含まれる複数の筋切り刃は、対象物を第1切り部の入口側から出口側へ通過させる第1方向(図1の左下→右下の方向)に対し直交する方向に直線的に配列するようにしたが、図15の野菜切り器10Cの第1切り部100に示す如く、第1切り部100に対する野菜移動経路の入口側から出口側へ通過させる第1方向(図15の左下→右下の方向)に対し、斜めに交差する方向に複数の筋切り刃11を直線的に配列するようにしてもよく、これにより、第1切り部100を通過させる際に複数の筋切り刃11から受ける抵抗力を軽くすることができる。
同様に、上記した実施例では、第2切り部に含まれる複数の筋切り刃は、対象物を第2切り部の入口側から出口側へ通過させる第2方向(図1の右下→右上の方向)に対し直交する方向に直線的に配列するようにしたが、図15の野菜切り器10Cの第2切り部200に示す如く、第2切り部200に対する野菜移動経路の入口側から出口側へ通過させる第2方向(図15の右下→右上の方向)に対し、斜めに交差する方向に複数の筋切り刃21を直線的に配列するようにしてもよく、これにより、第2切り部100を通過させる際に複数の筋切り刃21から受ける抵抗力を軽くすることができる。
更に、上記した実施例では、スライス刃部と開口部は、スライス刃部における野菜移動経路の方向(図1の右下→右上の方向)に対し、直交する方向に配設するようにしたが、図15の野菜切り器10Cのスライス刃部300と開口部301に示す如く、スライス刃部300における野菜移動経路の方向(図15の右下→右上の方向)に対し、斜めに交差する方向に配設してもよく、これにより、スライス刃部300を通過させる際にスライス刃部300から受ける抵抗力を軽くすることができる。
【0026】
要するに、野菜切り器本体の上面の野菜移動経路上の離れた複数のN箇所に第1、第2、・・第N切り部を設け、野菜切り器本体の上面は、対象物の野菜を接触させて第1切り部の入口側から出口側、第2切り部の入口側から出口側、・・、第N切り部の入口側から出口側へ順に各第1、第2、・・第N切り部を通過させることが可能な大きさとしておき、第n(但し、n=1,2,・・,N)切り部には、第n切り部に対する野菜移動経路に沿った入口側から出口側に向かう第n方向へ対象物が移動されると、対象物の底部に、第n方向に沿って延びる筋状の切り溝が、第n方向と直交する方向に複数個、短冊状に形成される複数の筋切り刃を含むようにする。ここで第1方向、第2方向、・・第N方向は、全て異なる方向とするなど、少なくとも1つは他と異なる方向を含むようにし、更に、野菜切り器本体の上面の第N切り部の出口側に、スライス刃部とスライス刃部で切断された対象物を落下させる開口部とを備え、スライス刃部は、入口側から出口側に向かう方向へ対象物が移動されると、N個の第1、第2、・・第N切り部による切り溝の溝底近くで水平にスライスして、対象物を小片に切断するようにすれば良い。
【0027】
本発明の野菜切り器は、要するに、以下の構成要素を含む。
(1)野菜がその上を第1方向及び第2方向にスライドする経路を含む上面を有する本体;
(2)経路を第1方向に移動する野菜において経路と対向する面に第1溝を形成する第1切り部;
(3)経路を第2方向に移動する野菜において経路と対向する面に更に第2溝を形成する第2切り部;及び
(4)野菜において第1溝及び第2溝の形成された面を含む部分をスライスし、当該野菜の小片を生成するスライス刃部。
【0028】
経路に関して、第2方向は、第1方向と同じ方向でもよいが、好ましくは第1方向とは異なる。第1方向を向く経路の出口と、第2方向を向く経路の入り口とは、一体的に接続されていることが好ましい。
経路のうち、スライス刃部の後ろ側(スライド方向の下流側)の経路は、スライス刃部の基部と概ね面一に配置され、手前側(スライド方向の上流側)の経路よりも鉛直方向の上方に位置する。
【0029】
また、経路は、環状に閉じていてもよいし、開いていてもよい。前者の例としては、略四角形状、略台形、略五角形、略三角形状、又は略円状の経路である。後者の例としては、略直線状、略L字状の経路である。例えば、略四角形状及び略L字状の経路では、第2方向は第1方向に対して概ね90°の角度をなしてもよい。略三角形状の経路では、第2方向は第1方向に対して概ね60°の角度をなしてもよい。
更にまた、経路は、その両サイドから上方へ突出し、野菜を経路に沿って案内するガイドを有してもよい。ガイドの一例は外側上突出壁及び内側上突出壁である。
【0030】
第1切り部は、第1方向を向く経路に亘って概ね等間隔に配置された複数の筋切り刃を含むことが好ましい。当該複数の筋切り刃のそれぞれは、概ね第1方向に沿って設置されており、互いに略平行である。当該複数の筋切り刃の設置間隔は、概ね1~20mmであることが好ましい。
当該複数の筋切り刃は、第1方向に対して概ね45~90°傾いて並ぶことが好ましい。第1切り部の上端の、経路からの距離(高さ)は、概ね1~20mmであることが好ましい。
【0031】
第2切り部は、第2方向を向く経路に亘って概ね等間隔に配置された複数の筋切り刃を含むことが好ましい。当該複数の筋切り刃のそれぞれは、概ね第2方向に沿って設置されており、互いに略平行である。当該複数の筋切り刃の設置間隔は、概ね1~20mmであることが好ましい。
当該複数の筋切り刃は、第2方向に対して概ね45~90°傾いて並ぶことが好ましい。第2切り部の上端の、経路からの距離(高さ)は、第1切り部の上端の高さと概ね等しいことが好ましい。
【0032】
スライス刃部は、経路と略平行で、経路よりも鉛直方向に上方に配置されている。スライス刃部の先端は、第1切り部及び第2切り部の上端と概ね同じ高さか、やや下方(例えば0.5~1mm下方)に位置することが好ましい。
スライス刃部は、第2切り部を構成する複数の筋切り刃の整列方向と概ね平行に配置されていてもよい。
【0033】
本発明の野菜切り器は、生成された小片を下方へ落下させる開口部を更に含んでもよい。開口部は、スライス刃部の刃先の鉛直下方に配置されることが好ましい。言い換えれば、開口部は、スライス刃部に沿って形成されている。
また、本発明の野菜切り器は、本体の下方に配置され、開口部から落下した小片を収容する容器を更に含んでもよい。
【0034】
更にまた、本発明の野菜切り器は、経路上に第3切り部、第4切り部・・・を更に有してもよい。また、例えば図16及び図17及び図18に示す態様も採用し得る。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の野菜切り器は、ニンジン、ダイコン、タマネギなどの野菜を賽の目切りにする場合に適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 野菜切り器
2 容器部
3 野菜切り器本体
8 上面
10 第1切り部
20 第2切り部
30スライス刃部
31 開口部
40 対象物
43、44 切り溝
45 小片
図1
図2
図3
図4
図5
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