(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114666
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】イーサネットベースの無線による不連続伝送機会の自律的判定
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20240816BHJP
H04W 92/04 20090101ALI20240816BHJP
H04W 24/08 20090101ALI20240816BHJP
【FI】
H04W52/02 110
H04W92/04
H04W24/08
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024018745
(22)【出願日】2024-02-09
(31)【優先権主張番号】63/484,399
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519383544
【氏名又は名称】アナログ・ディヴァイシス・インターナショナル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラミ・アリ・アル-オバイディ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・グロンディス
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067EE10
5K067GG02
5K067LL01
(57)【要約】
【課題】イーサネットベースの無線によって不連続伝送機会を自律的に判定するためのシステム及び技法を提供する。
【解決手段】一態様において、無線周波数通信のための無線ユニットは、複数のパケットを受信するように構成された入力部であって、パケットのうちの少なくとも1つがユーザプレーンデータを含む、入力部と、ユーザプレーンデータを受信し、かつ1つ以上のアンテナにRF信号を出力するように構成された1つ以上の伝送経路と、を含む。無線ユニットは、ユーザプレーンデータを受信し、かつユーザプレーンデータに基づいて、1つ以上の伝送経路の各々について不連続伝送状態を判定するように構成された不連続伝送監視構成要素を更に含むことができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数通信のための無線ユニットであって、
複数のパケットを受信するように構成された入力部であって、前記パケットのうちの少なくとも1つが、ユーザプレーンデータを含む、入力部と、
前記ユーザプレーンデータを受信し、かつ1つ以上のアンテナ上で伝送するための無線周波数(RF)信号を出力するように構成された1つ以上の伝送経路と、
前記ユーザプレーンデータを受信し、かつ前記ユーザプレーンデータに基づいて、前記1つ以上の伝送経路の各々について不連続伝送状態を判定するように構成された不連続伝送監視構成要素と、を備える、無線ユニット。
【請求項2】
前記1つ以上の伝送経路の各々が、前記対応する不連続伝送状態に基づいて、オン及びオフになるように更に構成されている、請求項1に記載の無線ユニット。
【請求項3】
前記入力部から前記ユーザプレーンデータを受信し、かつ前記1つ以上の伝送経路の各々及び前記不連続伝送監視構成要素に前記ユーザプレーンデータを提供するように構成されたデータジッタバッファを更に備える、請求項1に記載の無線ユニット。
【請求項4】
前記データジッタバッファが、実質的に一定のレートで、前記ユーザプレーンデータを出力するように更に構成されている、請求項3に記載の無線ユニット。
【請求項5】
前記不連続伝送監視構成要素が、前記不連続伝送状態を、前記ユーザプレーンデータがデータを含まないことに応答して、前記対応する伝送経路がオフにされる第1の不連続伝送状態、又は前記ユーザプレーンがデータを含むことに応答して、前記対応する伝送経路がオンにされる第2の不連続伝送状態のうちの1つであるように設定するように更に構成されている、請求項1に記載の無線ユニット。
【請求項6】
前記不連続伝送監視構成要素が、前記1つ以上のアンテナに結合された1つ以上の電力増幅器に前記不連続伝送状態を提供するように更に構成されている、請求項1に記載の無線ユニット。
【請求項7】
前記入力部が、イーサネットを介して分散ユニットから前記パケットを受信するように更に構成されている、請求項1に記載の無線ユニット。
【請求項8】
無線ユニット内の不連続伝送状態を導出する方法であって、
無線ユニットの入力部で複数のパケットを受信することであって、前記パケットのうちの少なくとも1つが、ユーザプレーンデータを含む、受信することと、
1つ以上の伝送経路を使用して前記ユーザプレーンデータを処理して、1つ以上のRF伝送信号を生成することと、
1つ以上のアンテナを使用して、前記RF伝送信号を伝送することと、
前記ユーザプレーンデータに基づいて、前記1つ以上の伝送経路の各々について不連続伝送状態を導出することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記対応する不連続伝送状態に基づいて、前記1つ以上の伝送経路の各々をオン及びオフにすることを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
データジッタバッファで前記入力部から前記ユーザプレーンデータを受信することと、
前記データジッタバッファから、前記1つ以上の伝送経路の各々に、前記ユーザプレーンデータを提供することと、を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記データジッタバッファから、実質的に一定のレートで、前記ユーザプレーンデータを出力することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記不連続伝送状態を前記導出することが、前記不連続伝送状態を、
前記ユーザプレーンデータがデータを含まないことに応答して、前記対応する伝送経路がオフにされる第1の不連続伝送状態、又は
前記ユーザプレーンがデータを含むことに応答して、前記対応する伝送経路がオンにされる第2の不連続伝送状態のうちの1つに設定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上のアンテナに結合されている1つ以上の電力増幅器に、前記不連続伝送状態を提供することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のパケットを前記受信することが、イーサネットを介して分散ユニットから前記パケットを受信することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
オープン無線アクセスネットワーク(O-RAN)であって、
複数のパケットを出力するように構成された分散ユニットであって、前記パケットのうちの少なくとも1つが、ユーザプレーンデータを含む、分散ユニットと、
前記分散ユニットから前記パケットを受信し、かつ前記ユーザプレーンデータに基づいて無線周波数(RF)信号を生成するように構成された無線ユニットと、
前記無線ユニットから前記RF信号を受信し、かつ前記RF信号を無線伝送するように構成された1つ以上のアンテナと、を備え、
前記無線ユニットが、
前記ユーザプレーンデータを受信し、かつ前記RF信号を生成するように構成された1つ以上の伝送経路と、
前記ユーザプレーンデータを受信し、かつ前記ユーザプレーンデータに基づいて、前記1つ以上の伝送経路の各々について不連続伝送状態を判定するように構成された不連続伝送監視構成要素と、を備える、オープン無線アクセスネットワーク(O-RAN)。
【請求項16】
前記1つ以上の伝送経路の各々が、前記対応する不連続伝送状態に基づいて、オン及びオフになるように更に構成されている、請求項15に記載のO-RAN。
【請求項17】
前記ユーザプレーンデータを受信し、かつ前記1つ以上の伝送経路の各々及び前記不連続伝送監視構成要素に前記ユーザプレーンデータを提供するように構成されたデータジッタバッファを更に含む、請求項15に記載のO-RAN。
【請求項18】
前記データジッタバッファが、実質的に一定のレートで、前記ユーザプレーンデータを出力するように更に構成されている、請求項17に記載のO-RAN。
【請求項19】
前記不連続伝送監視構成要素が、前記不連続伝送状態を、前記ユーザプレーンデータがデータを含まないことに応答して、前記対応する伝送経路がオフにされる第1の不連続伝送状態、又は前記ユーザプレーンがデータを含むことに応答して、前記対応する伝送経路がオンにされる第2の不連続伝送状態のうちの1つであるように設定するように更に構成されている、請求項15に記載のO-RAN。
【請求項20】
前記不連続伝送監視構成要素が、前記1つ以上のアンテナに結合された1つ以上の電力増幅器に前記不連続伝送状態を提供するように更に構成されている、請求項15に記載のO-RAN。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願とともに出願された出願データシートにおいて、外国又は国内の優先権主張が特定されたあらゆる出願は、37CFR1.57に基づいて参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
この出願は、2023年2月10日に提出された米国仮出願第63/484,399号の優先権の利益を主張し、その開示全体が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
開示される技術は、一般に、無線に関するものであり、より具体的には、イーサネットベースの無線によって使用される不連続な伝送信号に関するものである。
【0004】
[関連技術の説明]
オープン無線アクセスネットワーク(O-RAN)は、O-RAN無線ユニット(O-RU)とO-RAN分散ユニット(O-DU)との間の通信にイーサネットを採用することができる通信規格である。
【発明の概要】
【0005】
[本開示のいくつかの態様の概要]
一態様において、無線周波数通信のための無線ユニットは、複数のパケットを受信するように構成された入力部であって、パケットのうちの少なくとも1つが、ユーザプレーンデータを含む、入力部と、ユーザプレーンデータを受信し、かつ1つ以上のアンテナ上で伝送するための無線周波数(RF)信号を出力するように構成された1つ以上の伝送経路と、ユーザプレーンデータを受信し、かつユーザプレーンデータに基づいて、1つ以上の伝送経路の各々について不連続伝送状態を判定するように構成された不連続伝送監視構成要素と、を備える。
【0006】
いくつかの実施形態では、1つ以上の伝送経路の各々は、対応する不連続伝送状態に基づいて、オン及びオフになるように更に構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、無線ユニットは、入力部からユーザプレーンデータを受信し、かつユーザプレーンデータを1つ以上の伝送経路の各々及び不連続伝送監視構成要素に提供するように構成されたデータジッタバッファを更に備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、データジッタバッファは、実質的に一定のレートで、ユーザプレーンデータを出力するように更に構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、不連続伝送監視構成要素は、不連続伝送状態を、ユーザプレーンデータがデータを含まないことに応答して、対応する伝送経路がオフにされる第1の不連続伝送状態、又はユーザプレーンがデータを含むことに応答して、対応する伝送経路がオンにされる第2の不連続伝送状態のうちの1つであるように設定するように更に構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、不連続伝送監視構成要素は、1つ以上のアンテナに結合された1つ以上の電力増幅器に不連続伝送状態を提供するように更に構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、入力部は、イーサネットを介して分散ユニットからパケットを受信するように更に構成されている。
【0012】
別の態様において、無線ユニット内の不連続伝送状態を導出する方法であって、無線ユニットの入力部で複数のパケットを受信することであって、パケットのうちの少なくとも1つが、ユーザプレーンデータを含む、受信することと、1つ以上の伝送経路を使用してユーザプレーンデータを処理して、1つ以上のRF伝送信号を生成することと、1つ以上のアンテナを使用して、RF伝送信号を伝送することと、ユーザプレーンデータに基づいて、1つ以上の伝送経路の各々について不連続伝送状態を導出することと、を含む方法。
【0013】
いくつかの実施形態では、本方法は、対応する不連続伝送状態に基づいて、1つ以上の伝送経路の各々をオン及びオフにすることを更に含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法は、データジッタバッファで入力部からユーザプレーンデータを受信することと、データジッタバッファから、1つ以上の伝送経路の各々に、ユーザプレーンデータを提供することと、を更に含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、データジッタバッファから、実質的に一定のレートで、ユーザプレーンデータを出力することを更に含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、不連続伝送状態を導出することは、不連続伝送状態を、ユーザプレーンデータがデータを含まないことに応答して、対応する伝送経路がオフにされる第1の不連続伝送状態、又はユーザプレーンがデータを含むことに応答して、対応する伝送経路がオンにされる第2の不連続伝送状態のうちの1つに設定することを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上のアンテナに結合されている1つ以上の電力増幅器に、不連続伝送状態を提供することを更に含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、複数のパケットを受信することは、イーサネットを介して分散ユニットからパケットを受信することを含む。
【0019】
更に別の態様では、オープン無線アクセスネットワーク(O-RAN)は、複数のパケットを出力するように構成された分散ユニットであって、パケットのうちの少なくとも1つが、ユーザプレーンデータを含む、分散ユニットと、分散ユニットからパケットを受信し、かつユーザプレーンデータに基づいて無線周波数(RF)信号を生成するように構成された無線ユニットと、無線ユニットからRF信号を受信し、かつRF信号を無線伝送するように構成された1つ以上のアンテナと、を備え、無線ユニットが、ユーザプレーンデータを受信し、かつRF信号を生成するように構成された1つ以上の伝送経路と、ユーザプレーンデータを受信し、かつユーザプレーンデータに基づいて、1つ以上の伝送経路の各々について不連続伝送状態を判定するように構成された不連続伝送監視構成要素と、を備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、1つ以上の伝送経路の各々は、対応する不連続伝送状態に基づいて、オン及びオフになるように更に構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、O-RANは、ユーザプレーンデータを受信し、かつ1つ以上の伝送経路の各々及び不連続伝送監視構成要素にユーザプレーンデータを提供するように構成されたデータジッタバッファを更に含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、データジッタバッファは、実質的に一定のレートで、ユーザプレーンデータを出力するように更に構成されている。
【0023】
いくつかの実施形態では、不連続伝送監視構成要素は、不連続伝送状態を、ユーザプレーンデータがデータを含まないことに応答して、対応する伝送経路がオフにされる第1の不連続伝送状態、又はユーザプレーンがデータを含むことに応答して、対応する伝送経路がオンにされる第2の不連続伝送状態のうちの1つであるように設定するように更に構成されている。
【0024】
いくつかの実施形態では、不連続伝送監視構成要素は、1つ以上のアンテナに結合された1つ以上の電力増幅器に不連続伝送状態を提供するように更に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
これらの図面及び本明細書に関連する説明は、本発明の特定の実施形態を例示するために提供され、限定することを意図するものではない。
【
図1A】例示的な無線電気通信システムを例示する。
【
図2】電気通信システムの一部として使用することができるO-RANの一例を例示する。
【
図3】O-RANシステムを使用して無線周波数信号を伝送するときの分散ユニットと無線ユニットとの間の通信の例示を提供する。
【
図4A】本開示の態様による、無線ユニットの1つの例示的な実施形態を例示する。
【
図4B】本開示の態様による、無線ユニットの構成要素間の接続の1つの例示的な実施形態を例示する。
【
図5】本開示の態様による、不連続伝送状態を導出するための方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
新規のシステム、装置、及び方法の様々な態様は、添付の図面を参照して、以下により完全に説明される。しかしながら、本開示の態様は、多くの異なる形態で具現化され得、本開示を通して提示される任意の特定の構造又は機能に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が綿密かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。本明細書の教示に基づいて、当業者は、本開示の範囲が、本明細書に開示される新規のシステム、装置、及び方法の任意の態様を、任意の他の態様から独立して、又は任意の他の態様と組み合わせて実装されるかどうかにかかわらず、網羅することを意図することを理解するであろう。例えば、本明細書に記載される任意の数の態様を使用して、装置を実装してもよく、又は方法を実施してもよい。加えて、範囲は、本明細書に記載される様々な態様に加えて、又はそれ以外に、他の構造、機能性、若しくは構造及び機能性を使用して実施されるそのような装置又は方法を包含することが意図される。本明細書に開示される任意の態様は、特許請求の範囲の1つ以上の要素によって具現化され得ることを理解されたい。
【0027】
特定の態様が本明細書に記載されるが、これらの態様の多くの変形及び変更は、本開示の範囲内にある。好ましい態様のいくつかの利益及び利点が言及されるが、本開示の範囲は、特定の利益、使用、又は目的に限定されることを意図するものではない。むしろ、本開示の態様は、異なる有線及び無線技術、システム構成、光ネットワーク、ハードディスク、及び伝送プロトコルを含むネットワークに広く適用可能であるように意図されており、それらのいくつかは、図及び好ましい態様の以下の説明において例として例示される。詳細な説明及び図面は、限定するのではなく、本開示の例示にすぎず、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物によって定義される。
【0028】
この説明では、図面に対して言及され、そこでは、同様の参照番号が同一又は機能的に類似の要素を示すことができる。図において例示される要素は、必ずしも縮尺通りに描かれないことを理解されたい。また、ある特定の実施形態は、図面に例示されているよりも多くの要素及び/又は図面に示されている要素のサブセットを含むことができることを理解されたい。更に、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面から特徴の任意の好適な組み合わせを組み込むことができる。
【0029】
無線アクセスネットワーク(RAN)の概要
図1Aは、例示的な無線電気通信システム100を例示する。無線電気通信システム100は、1つ以上の無線デバイス102、無線アクセスネットワーク(RAN)104、及びコアネットワーク(CN)106を含む。本明細書で使用されるとき、RAN104は、一般に、無線電気通信システム100の一部として使用されるネットワークを指す。RAN104は、携帯電話などの1つ以上の無線デバイス102を電気通信システム100のCN106に接続するために使用することができる。
【0030】
図1Bは、RAN104の一例を例示する。いくつかの実施形態では、RAN104は、1つ以上のアンテナ108の近くに位置決めされた1つ以上の遠隔無線ユニット(RRU)110に接続されているベースバンドユニット(BBU)112を含むことができる。BBU112は、CN106と通信するように構成することができる、一方、アンテナ108は、無線デバイス102と通信するように構成することができる。
【0031】
図2は、電気通信システムの一部として使用することができるO-RAN200の一例を例示する。本明細書で使用されるとき、O-RAN200は、一般に、とりわけ、O-RAN200の構成要素間の通信のためにイーサネットを採用することができるRANの種類を指す。いくつかの実施形態では、RANからのBBUは、O-RAN200内の2つの構成要素、分散ユニット(DU、O-DUとも称される)202及び中央ユニット(CU、O-CUとも称される)204と置き換えることができる。いくつかの実施形態では、分散ユニット202及び中央ユニット204は、イーサネットを介して接続され、通信することができる。
【0032】
O-RAN200は、無線周波数(RF)信号を使用して伝送又は受信される別個の制御プレーン(CP)及びユーザプレーン(UP)情報を、無線ユニット(RU、O-RUとも称される)110と通信することができる。制御プレーンは、ダウンリンクデータスケジューリングの存在又は不在を通信するために使用することができる。ユーザプレーンは、伝送されるデータを提供することができる。本明細書で説明されるように、無線ユニット110は、ユーザプレーンデータを、1つ以上のアンテナ108によって伝送することができるRF信号に増幅及び/又は変換するように構成されたRF回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、RF回路は、例えば、高速フーリエ変換(FFT)ブロック、デジタル-アナログ変換器(DAC)、ミキサ、可変利得増幅器、位相調整器、電力増幅器などを含むことができる。伝送経路は、無線RF通信に使用される距離に対して十分な電力にRF信号を増幅するために比較的大量の電力を使用し得、したがって、伝送経路がRF通信に現在使用されていないときに伝送経路をオフにすることで、O-RAN200の消費電力を低減することができる。
【0033】
O-RAN200内でのイーサネットの使用は、ある特定の課題をもたらす可能性がある。例えば、イーサネットはパケットベースの通信規格であるため、個々のパケットが失われる可能性がある。これは、無線ユニット110などの構成要素が、予想される失われたデータパケットを受信しない場合、システムの望ましくない機能性をもたらし得る。
【0034】
O-RAN200はまた、無線ユニット110の所与のアンテナ108又はチャネルによって無線周波数信号が伝送されていないときに、電力消費を低減するために、不連続伝送(DTX)を採用することができる。O-RAN200はまた、無線ユニット110の所与のアンテナ108又はチャネルによって無線周波数信号が受信されていないときに、高感度構成要素を保護するために、不連続受信(DRX)を採用することができる。
【0035】
O-RANでの不連続伝送シグナリング
図3は、O-RAN200システムを使用して無線周波数信号を伝送するときの分散ユニット202と無線ユニット110との間の通信の例示を提供する。分散ユニット202は、不連続伝送信号、すなわちDTX信号を提供することができ、これは、無線で伝送されるデータ(例えば、ユーザプレーン内のデータ)がないときに、無線ユニット110の対応するチャネル又は伝送経路のRF回路のある特定の構成要素をオフにするために、無線ユニット110によって使用することができる。
【0036】
不連続伝送信号の状態は、所定のスケジュール(例えば、時分割二重化又はTDD伝送/受信スケジュール)又はリアルタイム制御情報などの制御情報から直接判定又は導出することができる。O-RANの文脈において、イーサネットベースのネットワークは、例えば、分散ユニット202を介して、制御プレーン及びユーザプレーン情報を無線ユニット110に提供することができる。制御プレーンは、ユーザプレーン内で従うようにダウンリンクデータスケジューリングの不在又は存在をシグナリングする、又はそれを示すために使用することができる。ユーザプレーンは、伝送されるデータを提供することができる。
【0037】
しかしながら、不連続伝送シグナリングを駆動するために制御又は所定のスケジュールに依存することは、ユーザプレーンに含まれるユーザデータに直接依存することよりも正確ではない場合がある。これは、対応する制御プレーンパケットが、無線ユニット110によって受信される一方で、ユーザデータを含むパケットが最後に失われる、又は破棄される可能性があるため、特に、イーサネットなどのパケットベースのネットワークを使用する場合に当てはまる。これは、ユーザプレーン上でデータが受信されない場合であっても、無線ユニット110が、アクティブな伝送経路を維持するように指示されることをもたらし得る。伝送経路は、無線RF通信に使用される距離でRF信号を伝送するために比較的大量の電力を使用し得る。したがって、伝送経路が、いかなるデータも伝送することなくオンのままであるとき、これらの伝送経路は、いかなるRF信号も伝送することなく電力を消費し得る。
【0038】
図3は、ユーザプレーンデータを含むパケットが失われたときに、パケット損失により、無線ユニット110の1つ以上の伝送経路がオンのままであり得る1つの例示的な状況を例示する。特に、分散ユニット202は、複数のシンボルM、M+1、…、Nに対する制御プレーンメッセージ302を無線ユニット110に提供することができる。分散ユニット202はまた、シンボルM、M+1、…、Nに対するユーザプレーンメッセージを含むパケット304
M、304
M+1、…、304
Nを無線ユニット110に提供することができる。いくつかの実施形態では、制御プレーンメッセージ302及びパケット304
M、304
M+1、…、304
Nの各々は、分散ユニット202から出力されることと、無線ユニット110によって受信されることとの間に、ある程度のネットワーク遅延306を経験し得る。制御プレーンメッセージ302を受信することと、第1のパケット304
Mを受信することとの間の時間遅延308は、無線ユニット110が分散ユニット202から受信した第1のパケット304
Mを処理するために準備しなければならない最小時間量であり得る。
【0039】
一例では、シンボルM+1に対するユーザプレーンデータを含むパケット304M+1は、失われ得る。しかしながら、制御プレーンデータ302は、分散ユニット202が、シンボルM+1に対するユーザプレーンデータとともにパケット304M+1を送信することを示したので、シンボルM+1に対するユーザプレーンデータが、予想される時間に受信されなくても、無線ユニット110は、制御プレーンデータ302に基づいて、対応する伝送経路を残し得る。
【0040】
本開示の態様は、ユーザプレーンデータから直接不連続伝送状態を導出することによって、ユーザプレーン上にデータがないときに伝送経路をオフにすることによって、無線ユニット110の効率を高めることができる。いくつかの実施形態では、RF伝送信号をオフ状態に増幅するために使用される電力増幅器をバイアスすることによって、伝送経路をオフにすることができる。ユーザプレーンデータから直接不連続伝送状態を導出することによって、ユーザプレーンデータ停止を引き起こし得るイーサネットベースのネットワークの輻輳などの状況において、無線ユニット110は、電力を節約するために不連続伝送状態をアサートすることができる。一方、不連続伝送状態が、所定のスケジュール又は制御プレーン302情報から導出される実施態様では、無線ユニット110は、ユーザプレーン上でデータが受信されない場合でもアクティブな伝送状態を維持し得る。
【0041】
図4Aは、本開示の態様による、無線ユニット110の1つの例示的な実施形態を例示する。
図4Bは、本開示の態様による、無線ユニット110の構成要素間の接続の1つの例示的な実施形態を例示する。
図4A及び
図4Bを参照すると、無線ユニット110は、無線ヘッド402(無線周波数集積回路(RFIC)とも称される)を含む。無線ヘッド402は、入力部404(例えば、イーサネットポート)、データジッタバッファ406、複数の伝送経路408、不連続伝送状態監視構成要素410、1つ以上の不連続伝送制御出力412、及び1つ以上のRF出力414を含む。入力部404は、ユーザプレーンデータ418を含むパケット304を受信するように構成されている。いくつかの実施形態では、ユーザプレーンデータ418は、周波数ドメインIQサンプルを含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、ユーザデータ418は、本開示の態様から逸脱することなく、他の形態で提供することができる。
【0042】
データジッタバッファ406は、ユーザプレーンデータ418をバッファリングして、例えば、イーサネット通信によって導入されたジッタが、データジッタバッファ406から下流の構成要素に影響を与えるのを防ぐように構成されている。データジッタバッファ406は、バッファリングされたユーザプレーンデータ418を、伝送経路408及び不連続伝送監視構成要素410に、伝送経路408によって予想されるレートで提供することができる。いくつかの実施形態では、データジッタバッファ406は、実質的に一定のレートで、バッファリングされたユーザプレーンデータ418を提供することができる。
【0043】
伝送経路408は、データジッタバッファ406からユーザプレーンデータ418を受信し、データを、1つ以上のアンテナ108によって伝送することができるRF信号に、増幅/変換するように構成されている。いくつかの実施形態では、伝送経路408の各々は、FFTブロック、デジタル-アナログ変換器(DAC)、ミキサ、可変利得増幅器、位相調整器、電力増幅器420などを含むことができる。これらの構成要素は、ユーザデータの周波数ドメインIQサンプルを、アンテナによって伝送されることができるRFでのアナログ信号に変換するように構成することができる。伝送経路408は、データジッタバッファ406からデータを受信することと、RF出力414を介してアンテナにRFデータを出力することとの間の実質的に一定の待ち時間を有し得る。いくつかの実施形態では、伝送経路408の各々は、物理アンテナ経路を介してアンテナ108のうちの対応する1つに結合されることができる。
【0044】
不連続伝送監視構成要素410は、データジッタブロック406から受信したユーザプレーンデータ418から不連続伝送状態を判定又は導出するように構成されている。例えば、不連続伝送監視構成要素410は、ユーザプレーンがデータを含まないことに応答して、対応する伝送経路408がオフにされる第1の不連続伝送状態を判定又は導出することができる。いくつかの場合では、制御プレーンメッセージが、ユーザプレーンメッセージがスケジュールされていないことを示すとき、ユーザプレーンはデータを含み得ない。他の場合では、ユーザプレーンデータを含むパケットが失われたとき、ユーザプレーンは、データを含み得ない。
【0045】
同様に、不連続伝送監視構成要素410は、ユーザプレーンデータ418が、伝送されるデータを含むことに応答して、対応する伝送経路がオンにされる第2の不連続伝送状態を判定又は導出することができる。次いで、不連続伝送監視構成要素410は、判定された不連続伝送状態を示す複数の不連続伝送制御信号を生成することができる。不連続伝送信号の各々は、伝送経路408によって生成されたRF出力414のうちの1つに対応し得る。不連続伝送監視構成要素410は、不連続伝送制御信号を、対応する伝送経路408に提供することもできる。例えば、
図4Bに示すように、不連続伝送監視構成要素410は、伝送されるユーザデータがないときに伝送経路408をオフにすることができるように、伝送経路408に含まれる電力増幅器420(及び/又はRF出力414から下流の電力増幅器)に不連続伝送制御信号を提供することができる。
【0046】
実施形態に応じて、不連続伝送監視構成要素410は、ハードウェア(例えば、ディスクリート迂遠を使用して)及び/又はプロセッサ又は他の回路(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス)上で動作するソフトウェアで実装され得る。
【0047】
無線ユニット110内の一定待ち時間伝送経路408へのユーザプレーンデータの転送を監視することによって、不連続伝送監視構成要素410は、各物理アンテナ経路/伝送経路408について独立して、不連続伝送状態を判定又は導出することができる。無線ユニット110は、アンテナ経路ごとの不連続伝送状態制御信号を、MISCと一致するように構成可能な遅延で出力することができる。
【0048】
図5は、本開示の態様による、不連続伝送状態を判定又は導出するための方法500を例示する。方法500の1つ以上のブロックは、例えば、無線ユニット(例えば、
図4の無線ユニット110)及び/又はO-RAN(例えば、
図2のO-RAN200)によって実装され得る。
【0049】
ブロック502において、無線ユニットの入力部は、複数のパケットを受信することができる。パケットのうちの少なくとも1つは、ユーザプレーンデータを含むことができる。いくつかの実施形態では、入力部は、パケットを受信するように構成されたイーサネットポートを含むことができる。
【0050】
ブロック504において、1つ以上の伝送経路は、ユーザプレーンデータを処理して、1つ以上のRF伝送信号を生成することができる。伝送経路は、RF伝送信号を、無線通信に十分な電力レベルに増幅するように構成された1つ以上の電力増幅器を含むことができる。ブロック506において、1つ以上のアンテナは、RF伝送信号を伝送することができる。
【0051】
ブロック508において、無線ユニットは、ユーザプレーンデータに基づいて、1つ以上の伝送経路の各々について不連続伝送状態を判定することができる。いくつかの実施形態では、無線ユニットは、不連続伝送状態を判定するように構成されている不連続伝送監視構成要素を含むことができる。電力増幅器は、判定された不連続伝送状態に基づいて、オン又はオフにされて、電力を節約するように構成され得る。
【0052】
上記において、実施形態の任意の1つの任意の特徴は、実施形態の任意の他の1つの任意の他の特徴と組み合わせるか、又は置き換えることができることが認識されるであろう。
【0053】
本開示の態様は、種々の電子デバイスに実装されることができる。電子デバイスの例としては、限定されないが、消費者向け電子製品、消費者向け電子製品の一部、電子テスト機器、基地局などのセルラー通信インフラストラクチャが挙げられる。電子デバイスの例としては、限定されないが、スマートフォンなどの携帯電話、スマートウォッチ又はイヤーピースなどのウェアラブルコンピューティングデバイス、電話、テレビ、コンピュータモニタ、コンピュータ、モデム、ハンドヘルドコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、電子レンジ、冷蔵庫、自動車用電子システムなどの車両用電子システム、ステレオシステム、DVDプレーヤー、CDプレーヤー、MP3プレーヤーなどのデジタル音楽プレーヤー、ラジオ、カムコーダー、デジタルカメラなどのカメラ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯/乾燥機、周辺デバイス、時計などが挙げられる。更に、電子デバイスは、未完成製品を含むことができる。
【0054】
文脈上明らかに他の解釈が必要とされない限り、明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、及び同類の単語は、排他的な意味又は網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味、すなわち「~を含むが、それに限定されない(including,but not limited to)」という意味に解釈されるべきである。「結合された(coupled)」という単語は、本明細書で概して使用される場合、直接接続され得るか、又は1つ以上の中間要素を経由して接続され得るかのいずれかである、2つ以上の要素を指す。同様に、本明細書で概して使用される「接続された(connected)」という単語は、直接接続され得るか、又は1つ以上の中間要素を経由して接続され得るかのいずれかである、2つ以上の要素を指す。加えて、「本明細書で(herein)」、「上記で(above)」、「下記で(below)」という単語、及び類似の趣旨の単語は、本明細書で使用されるとき、本明細書の任意の特定部分ではなく、本明細書全体を指すものとする。文脈が許す場合、単数又は複数を使用する上記の発明を実施するための形態における単語はまた、それぞれ、複数又は単数も含み得る。2つ以上の項目のリストに関する「又は(or)」という単語は、単語の以下の解釈の全て:リスト中の項目のうちのいずれか、リスト中の項目の全て、及びリスト中の項目の任意の組み合わせを包含する。
【0055】
更に、とりわけ、「できる(can)」、「かもしれない(could)」、「してもよい(might)」、「得る(may)」、「例えば(e.g.,)」、「例えば、(for example)」、「など(such as)」、及び同類のものなどの、本明細書で使用される条件付き言語は、別途具体的に提示されない限り、又は使用されるときに文脈内で別途理解される限り、概して、ある特定の実施形態が、ある特定の特徴、要素、及び/又は状態を含む一方で、他の実施形態が、それらを含まないことを伝えることを意図する。したがって、そのような条件付き言語は、概して、特徴、要素、及び/若しくは状態が、いかなる形であれ、1つ以上の実施形態に必要とされること、又はこれらの特徴、要素、及び/若しくは状態が、任意の特定の実施形態に含まれるのか、若しくはそこで実施されるのかを示唆することを意図しない。
【0056】
ある特定の実施形態が説明されたが、これらの実施形態は、単なる例として提示されており、本開示の範囲を限定するようには意図されない。実際に、本明細書で説明される新規の装置、方法、及びシステムは、種々の他の形態で具現化し得、更に、本開示の趣旨から逸脱することなく、本明細書で説明される方法及びシステムの形態において、種々の省略、置換、及び変更を行い得る。例えば、ブロックは、所与の配列で提示されているが、代替の実施形態は、異なる構成要素及び/又は回路トポロジを有する同程度の機能性を実施し得、いくつかのブロックを削除、移動、追加、細分化、組み合わせる、及び/又は修正し得る。これらのブロックの各々は、様々な異なる方式で実装され得る。上で説明した種々の実施形態の要素及び行為の任意の好適な組み合わせは、組み合わせて更なる実施形態を提供することができる。上で説明した種々の特徴及びプロセスは、互いに独立に実装され得るか、又は種々の方法で組み合わせ得る。本開示の特徴の全ての可能な組み合わせ及び副次的な組み合わせは、本開示の範囲に含まれることを意図する。
【外国語明細書】