(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114669
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】半導体スイッチングデバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20240816BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H01L29/78 652F
H01L29/78 652T
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024018754
(22)【出願日】2024-02-09
(31)【優先権主張番号】18/108,230
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506388923
【氏名又は名称】ジーイー・アビエイション・システムズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】コリン・ウィリアム・ヒッチコック
(72)【発明者】
【氏名】ステーシー・ジェイ・ケネリー
(72)【発明者】
【氏名】リュビサ・ディー・ステヴァノヴィク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ドリフト領域、ウェル領域およびチャネル領域を有する半導体セルのための方法並びに装置を提供する。
【解決手段】半導体デバイスセルの配列を備えるシステム70において、半導体セル72は、階段状のステップを規定する面4を有する半導体層を含み、階段状ステップが第1の方向23に向けられ、ドリフト領域及びウェル領域18がウェル領域セグメント17の組を規定する。ソース領域20は、ウェル領域に隣接してウェル領域に囲まれて配設される。チャネル領域28は、半導体層の面に近接したチャネル領域セグメント28aの組を規定し、チャネル領域セグメントは、第1の方向23を横断する第2の方向25に延びるそれぞれの第1の長手軸31aを有する。ウェル領域、ソース領域及びチャネル領域は、面を横切って延びる第1の軸の長さD1を協働して規定する。半導体層の面は、第2の方向よりも第1の方向に、より高い電気抵抗を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスセル(72)を備える半導体デバイスであって、前記半導体デバイスセル(72)が、
前記半導体デバイスセル(72)上の一連の平行な条線(19)であって、半導体層(2)の面を横切る第1の方向(23)に延び、前記半導体層(2)が、第1の導電型を有するドリフト領域(16)を含む、条線(19)と、
前記半導体層の面(4)に近接して配設される第2の導電型を有するウェル領域(18)であって、ウェル領域セグメント(17)の組を規定する、ウェル領域(18)と、
前記ウェル領域(18)に隣接して配設される前記第1の導電型を有するソース領域(20)であって、前記ソース領域(20)の周辺が前記ウェル領域(18)によって囲まれる、ソース領域(20)と、
前記第2の導電型を有し、前記半導体層の面(4)に近接したチャネル領域(28)であって、細長いチャネル領域セグメント(28a)の組および細長い第2のチャネル領域セグメント(28b)の組を規定し、各第1のチャネル領域セグメント(28a)が前記第1の方向(23)に延びるそれぞれの第1の長さ(L1)を有し、各第2のチャネル領域セグメント(28b)が前記第1の方向(23)に直角な第2の方向(25)に延びるそれぞれの第2の長さ(L2)を有する、チャネル領域(28)と
を含み、前記第1の長さ(L1)が前記第2の長さ(L2)より大きく、前記チャネル領域(28)の周辺が前記ウェル領域(18)によって囲まれる、半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1の方向(23)に前記半導体層(2)の前記面を横切る第1の電気抵抗(R1)が、前記半導体層(2)の前記面を横切る前記第2の方向(25)の第2の電気抵抗(R2)より小さい、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
第1のチャネル領域セグメント(28a)の前記組の前記第1の長さの第1の合計が、第2のチャネル領域セグメント(28b)の前記組の前記それぞれの第2の長さの第2の合計より大きい、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
各第1のチャネル領域セグメント(28a)が前記第2の方向(25)に延びる第1の幅(W1)をさらに備え、前記第1の長さ(L1)が前記第1の幅(W1)より大きい、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
各第2のチャネル領域セグメント(28b)が前記第1の方向(23)に延びる第2の幅(W2)をさらに備え、前記第2の長さ(L2)が前記第2の幅(W2)より大きい、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
第1のチャネル領域セグメント(28a)の前記組の前記それぞれの第1の長さプラス第2のチャネル領域セグメント(28b)の前記組の前記それぞれの第2の幅の第3の合計が、第2のチャネル領域セグメント(28b)の前記組の前記それぞれの第2の長さプラス第1のチャネル領域セグメント(28a)の前記組の前記それぞれの第1の幅の第4の合計より大きい、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記ウェル領域(18)、前記ソース領域(20)、および前記チャネル領域(28)が、前記半導体層(2)の面を横切って延びる第1のスパン(D1)を協働して規定する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
JFET領域(29)をさらに備え、前記JFET領域(29)の一部が前記チャネル領域(28)によって囲まれる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
直接隣のチャネル領域セグメント(28a)の対が、互いに離隔されて、それらの間に間隙(33)を規定し、前記間隙(33)がそれぞれの第3のスパン(D3)を規定して前記第2の方向(25)に延び、それぞれのウェル領域セグメント(17)が前記間隙(33)内に配設される、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1のスパン(D1)が6ミクロンと18ミクロンの範囲内である、請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記第3のスパン(D3)が0.3ミクロンから1.6ミクロンの範囲内である、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記第3のスパン(D3)が前記第1のスパン(D1)の8%~15%の間の範囲内である、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
各ウェル領域セグメント(17)がそれぞれの第2の長手軸(17a)を規定し、前記第1の長手軸(31)と第2の長手軸(17a)が互いに平行である、請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
チャネル領域セグメント(28a)の前記組、ウェル領域セグメント(17)の前記組、前記JFET領域(29)の部分が、一連の交番する実質的に平行な帯を規定するように配置される、請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記ウェル領域(18)の部分を覆って配設される前記第2の導電型を有する本体接点領域(44)をさらに備え、前記本体接点領域(44)が、前記面(4)によって規定される前記ソース領域の平面の実質的に中心に配設される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電流を動作可能に導通するまたは導通しないための、ドリフト領域、ウェル領域、およびチャネル領域を有する半導体デバイスおよび半導体セルのための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素(SiC)パワーデバイスなどの半導体デバイスは、負荷が消費するために電力をスイッチングまたは変換するため、従来型電気システム中で広く使用される。集積回路などの半導体デバイスは、トランジスタを含む様々なデバイスを組み込むことができる。一般的なタイプのトランジスタは、ゲート対ソースの電圧に基づいて、トランジスタのソースとドレイン間の導通を生じさせることができるチャネルから絶縁されるゲートを使用する。適したバイアスによって、チャネルの中へと電荷担体を引きつける電場が作り出され、次いでこれが、ソースとドレイン間の導通経路を実現する。そのようなトランジスタは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタまたはMOSFETと呼ばれる場合がある。
【0003】
MOSFETは、大電力用途の個別パワートランジスタとして、または、数百万トランジスタを有する集積回路として製造することができる。個別パワートランジスタは、典型的には、比較的大きい電流および電圧を取り扱うために、1つのパワーデバイスへと組み合わされる数千の個々のトランジスタ「セル」でできている。
【0004】
個々のトランジスタ「セル」は、デバイスを通って流れる電流に対する抵抗を生じる可能性があるいくつかの内部構成要素をやはり含む。パワーMOSFETは、典型的には、ウェハ(またはチップ)の反対側に配置されるソース端子およびドレイン端子を有する垂直構造を使用する。このことによって、ウェハを通るドレインからソースの電流の導通が生じ、このことで、電流が省かれて、オン状態の抵抗が減少する。一般的に、半導体デバイスが電流を導通しているとき、デバイスのオン状態の抵抗は、その導通損失を表し、これは、デバイスの効率およびそのコストに影響をおよぼす。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2】典型的な平面MOSFETデバイスの概略図である。
【
図3】典型的なMOSFETデバイスの様々な領域についての抵抗を図示する概略図である。
【
図4】
図2のMOSFETデバイス構造の領域の、相対的な抵抗への寄与を描くチャートである。
【
図5】ストライプセルレイアウトを有する典型的なMOSFETデバイス構造を含むSiC層の表面の上面図である。
【
図6】ストライプセルレイアウトを有する典型的なMOSFETデバイス構造を含むSiC層の表面の上面図である。
【
図7】セルラレイアウトを有する典型的なMOSFETデバイス構造を含むSiC層の表面の上面図である。
【
図8】本明細書に記載される様々な態様にしたがった半導体デバイスセルの配列を備えるシステムの上面図である。
【
図9】本明細書に記載される様々な態様にしたがった半導体デバイスセルの代替の配列を備えるシステムの上面図である。
【
図10】
図8の半導体デバイスセルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の態様は、熱発生モジュールによって実施される機能にかかわらず、熱発生モジュールを冷却するため、任意の環境、装置、または方法で実施することができる。
【0007】
本明細書で使用する、「組(set)」という用語または要素の「組」は、ただ1つを含む任意の数の要素であってよい。本開示の様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞の「a」、「an」および「the」は、1つまたは複数の要素があることを意味することが意図される。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語は、包括的であって、リスト化される要素以外の追加要素があってよいことを意味することが意図される。加えて、本開示の「1つの態様」または「態様」への言及は、言及された特徴をやはり組み込む追加態様の存在を除外すると解釈することは意図されないことを理解するべきである。
【0008】
ここで開示される特徴の形状、位置、および配置合わせは、簡略化のために、比較的理想的(たとえば、完全に真っ直ぐで位置合わせされた特徴を有する正方形、長方形、および六角形のセルおよび遮蔽領域)であるように図示および記載されることを理解することができる。しかし、当業者には理解できるように、プロセスばらつきおよび技術的制約によって、理想的形状未満のセルラ設計が生じる可能性があり、または不規則な特徴でさえ、本開示にしたがうことができる。そのため、特徴の形状、位置、または位置合わせを記載するため本明細書で使用する「実質的に」という用語は、理想的または目標の形状、位置、および位置合わせ、ならびに、当業者には理解できるように、半導体製造プロセスにおけるばらつきからもたらされる不完全に実施された形状、位置、および位置合わせを包含することを意味する。
【0009】
加えて、半導体デバイスセルは、半導体層の「表面に」、「表面中に」、「表面上に」もしくは「表面に沿って」配設または製造されると本明細書では記載される。これは、半導体層のバルク内に配設される部分、半導体層の表面に近接して配設される部分、半導体層の表面と同じ高さに配設される部分、および/または、半導体層の表面の上方もしくは上部に配設される部分を有する半導体デバイスセルを含むことが意図される。
【0010】
本明細書で使用する、「チャネル密度」という用語は、特定のデバイスセルのチャネル領域周辺の長さと、デバイスセルの全面積との比率のことを呼ぶ場合がある。
【0011】
「電圧」、「電流」、および「電力」などといった用語を本明細書で使用できる一方で、電気回路または回路動作の態様を記載するときにこれらの用語が相互に関係する場合があることは、当業者には明らかであろう。
【0012】
すべての方向についての言及(たとえば、径方向、軸方向、上、下、上向き、下向き、左、右、横、前、後、上部、底部、上方、下方、垂直、水平、時計回り、反時計回り)は、本開示の読者の理解を助けるための識別目的でのみ使用され、特にそれらの位置、方位、または使用についての制限を生じない。
【0013】
接続についての言及(たとえば、取り付けた、結合した、接続した、および連結した)は広義に解釈されるべきであり、別段の指示がない限り、要素の集合間に中間部材を含むことができ、要素間の相対的な動きを含むことができる。そのため、接続について言及は、必ずしも、2つの要素が直接接続されること、および互いに対して固定された関係であることを推定しない。非限定の例では、接続または切断は、それぞれの要素間の電気接続を設ける、イネーブルにする、ディセーブルにするなどのために選択的に構成することができる。例示的な図面は単に説明目的のためであり、ここに添付される図中に反映される寸法、位置、順番、および相対的なサイズを変える場合がある。
【0014】
本明細書で使用する、制御可能なスイッチング要素または「スイッチ」は、スイッチが非常に低い抵抗状態すなわち「オン」状態である、さもなくば、スイッチ入力からスイッチ出力に電流が流れることが意図される導通モードである第1の動作モードと、スイッチが非常に高い抵抗状態すなわち「オフ」状態である、さもなくば、スイッチ入力とスイッチ出力の間で電流が流れるのを防ぐことが意図される非導通モードである第2の動作モードとの間でトグル動作するように制御可能な電気デバイスである。非限定の例では、制御可能なスイッチング要素によりイネーブルまたはディセーブルした接続などの接続または切断は、それぞれの要素間の電気接続を設ける、イネーブルにする、ディセーブルにするなどのために選択的に構成することができる。
【0015】
さらに、記載および理解しやすいように、様々な態様を、下ではSiC MOSFETデバイスの文脈で議論できる一方で、本手法は、限定しないが、SiC DMOSFET、UMOSFET、およびVMOSFETなどといった他のタイプのMOSFETに適用可能であることを理解するべきである。様々な材料系(たとえば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、AlGaN合金、酸化ガリウム(Ga2O3)、ダイアモンド(C)、立方晶窒化ホウ素(BN)、または任意の他の好適な大きいバンドギャップ半導体)を使用できることが意図される。nチャネルまたはpチャネル設計を利用する他のタイプのデバイス構造(たとえば、UMOSFET、VMOSFET、トレンチMOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、絶縁ベースMOS制御サイリスタ(IBMCT)、または任意の他の好適なFETおよび/もしくはMOSデバイス)を様々な非限定の態様で使用できることがさらに意図される。
【0016】
MOSFETは、典型的には、フォトリソグラフィおよび化学処理ステップの複数のステップシーケンス(表面不動態化、熱酸化、平面拡散、および接合分離など)によって作られ、その期間に、シリコンなどの純粋半導体材料からできているウェハ上に、電子回路が徐々に作成される。ウェハは、典型的には、環状のダイアモンドソーなどの研磨ソーで、シリコンなどの半導体材料の単結晶インゴットまたはボウルから切断またはスライスされる。ウェハは、機械的基板と、MOSFETを形成するための半導体材料との両方として機能する。
【0017】
典型的には、ボウルは、知られている方式で、溶解したシリコンの中に置かれた種結晶から成長される。種結晶は、一般的に、集合的に格子構造を形成する「ユニットセル」と呼ばれる、規則的で良好な秩序を持って繰り返す原子構造によって規定される。製造期間に、溶解したシリコン中のシリコン原子は、種結晶と同じ結晶方位と整合し、ボウルから切断されたウェハは、この結晶方位を維持する。ウェハがボウルからスライスされると、ウェハ面の結晶は、結晶質シリコンの方位または成長面として知られているいくつかの相対的な向きのうちの1つと整合される。
【0018】
いくつかのプロセスでは、電子デバイスが半導体ウェハの中または上に直接製造される。他のプロセスでは、半導体材料の層が、ウェハ上にたとえばエピタキシーによって成長される。エピタキシャル層は、より低い不純物濃度を実現することができ、または、ウェハと異なる半導体タイプのものであってよい。電子デバイスは、典型的には、約1ミクロン厚である「活性」層として知られているもので形成される。
【0019】
説明のため、
図1Aと
図1Bを同時に参照して、SiCウェハ9が示される。
図1Aは、知られている方式でのソー切断によってボウル(図示せず)から切断されるSiCウェハ9の上面図を描く。
図1Bは、
図1AのSiCウェハ9の一部の拡大斜視図を描く。SiCウェハ9は、平坦な第1の面4(たとえば、上面)を有する。SiCウェハ9の結晶方位は、第1の面4に対して斜めであってよく、ソー切断は、結晶方位8からオフセットされた平面に沿ってよい。より具体的には、エピタキシャル成長の要件に起因して、SiCウェハ9は、結晶方位8と、SiCウェハ9の第1の面4との間に、わずかに(たとえば、4~8度の範囲で)意図的な不整合を有して切断する場合がある。
【0020】
SiCウェハ9の結晶構造に起因して、このミスカットまたは不整合によって、典型的には、SiCウェハ9の第1の面4上に規定され、SiCウェハ9の第1の面4を横切る第1の方向23に延びる、不均一で細長い平行な条線19または「階段状ステップ」がもたらされる。条線19の各々は、それぞれの、条線長手軸21を規定することができる。示されるように、各条線19は、直接隣の条線19からはオフセットされる。たとえば、各条線19は、約1~5ナノメートルの範囲で、それぞれの深さHだけ隣の条線19からオフセットすることができる。
図1Bに図示されるようにSiCウェハ9を見ると、第1の面4上に、(頁を横切って左から右、または右から左に)第2の方向25をやはり規定することができることを理解するであろう。第2の方向25は、第1の方向23にたとえば直角な横軸であってよい。
【0021】
動作において、第1の面4上に規定される一連の条線19を有するSiCウェハ9上に製造される半導体デバイスは、第1の面4を横切る、第1の方向23の(すなわち、条線19の長手軸21に平行な)第1の電流に対して第1の電気抵抗R1を有することができる。逆に、第1の面4上に条線19を有するSiCウェハ9上に製造される半導体デバイスは、第2の方向25の第2の電流に対して第2の抵抗R2を有することができる。第2の抵抗R2は、第1の抵抗R1より大きくてよい。
【0022】
一般的に、低抵抗の「オン」または導通状態であるとき、理想的パワースイッチがゼロの電気抵抗で電流を導通する一方で、実際のパワーMOSFETは、必ず有限の電気抵抗を呈することになる。したがって、所与のMOSFETチップサイズで、デバイスのオフ状態の抵抗、スイッチング速度、または両方を減らすことなく、全抵抗(たとえば、オン状態の抵抗)を可能な最小値に減らすことが望ましい。
【0023】
従来型パワーMOSFETは、典型的には、周期的なユニットセルの配列からなる。各ユニットセルがそれぞれの電気抵抗を有してよく、MOSFETのオン状態の合計の電気抵抗は、ユニットセルの抵抗を、パワーMOSFETデバイス内のユニットセルの数で割ることによって計算することができる。加えて、各ユニットセル抵抗は、直列に結合されるセルの構造用構成要素のそれぞれの抵抗値の組によって規定することができる。特定のMOSFETのオン状態の抵抗は、したがって、それぞれのセル内の様々な機能的構成要素の相対的な幾何学的構造、ならびに、セル上の機能的構成要素の相対的な方位に少なくとも部分的に基づいて規定することができる。
【0024】
MOSFETが「オン」または導通状態であるとき、電子は、SiC半導体本体の上面上の「ソース金属」から、SiC半導体本体内に規定される様々な構造を通って、本体の背面上の「ドレイン金属」の中へと、各個別セルを通って流れる。各それぞれのMOSFETユニットセル表面は、本明細書では、ソース接点領域、n+/p-ウェル領域、チャネル/蓄積領域(本明細書では、「チャネル領域」)、および接合電界効果トランジスタ(JFET)領域と呼ばれる、4つの相互に排他的で重なり合わない領域を含むことができる。4つの領域は、直列に電気的に結合することができ、それぞれのセルの実質的に全区域を占有することができる。MOSFETは、平面であると言うことができるソース、ドレイン、およびチャネルを含むことができる。というのは、それらが、基板上の共通水平面にあるためである。
【0025】
MOSFETのオン状態の電気抵抗へのソース接点およびチャネル領域の抵抗の寄与は、それらそれぞれの面積に逆比例する。MOSFETのオン状態の電気抵抗へのn+/p-ウェル領域の抵抗の寄与も、その面積に逆比例する。チャネル領域の抵抗の寄与は、n+/p-ウェル領域もしくはソース接点領域のものより比較的大きいために、MOSFETのオン状態の電気抵抗は、n+/p-ウェル領域もしくはソース接点領域に対するユニットセル中のチャネル領域の相対的な面積を最大化することによって減らすことができる。したがって、従来型技法は、典型的には、チャネル領域に対するn+/p-ウェル領域面積またはソース接点領域面積または両方の相対的な比率を最小化するようにセル幾何形状を配置することによって、チャネル領域面積の相対的な比率を最大化したMOSFET構造を採用する。
【0026】
典型的には、SiC MOSFETでは、現在の製造技術によってそのような最適化が制限を受ける場合がある。たとえば、従来の技法は、チャネル領域に対して、最小サイズのn+領域で最小サイズのソース接点領域を囲むことによって作られる周期的なセルを使用して、MOSFETのオン状態の抵抗を減らすことに焦点を当ててきた。しかし、(従来の製造技法を使用する)最小の製造可能なソース接点領域の寸法は、計算上のまたは決定された最適面積より大きい可能性がある。さらに、製造に関係するデバイス不具合を回避するために、チャネル領域は、n+/p-ウェル領域の最小幅でソース接点領域から分離されなければならない。しかし、特に、n+/p-ウェル領域の幾何形状は、そのような製造問題によって比較的に制約されない。
【0027】
したがって、本明細書でより詳細に記載されるように、非限定の態様では、セルは、n+/p-ウェル領域面積の相対的な比率を最小化する一方で、ソース接点領域面積およびチャネル領域面積を最小限に増加させるように配置することができる。この方法では、本明細書に記載される態様は、それによって、従来の技法と比較して、ソース接点領域またはn+領域または両方のサイズに対するチャネル領域の面積の、正味の相対的な比率をより大きくし、それによって、従来のデバイスに比べてそれぞれのセルについてのオン状態の抵抗の改善(すなわち、低下)を実現することができる。
【0028】
たとえば、非限定の態様では、従来型デバイスよりもさらに間隔を空けたセルの配列を備えるセルラ構造を採用することができる。隣接セル間の空間または面積が増えた結果、n+/p-ウェルとチャネル領域が交番する帯またはセグメントを備えることができる。この新規の配置では、n+/p-ウェル、またはソース接点領域、または両方とのチャネル領域の相対的な比率は、有利なことに、n+/p-ウェル、またはソース接点領域、またはそれらの組合せを最小化することによりチャネル面積の相対的な比率を増やす従来の技法を使用して達成可能なレベルを超えて増加させることができる。本明細書でより詳細に記載されるように、(たとえば、交番するバンドにおける)n+/p-ウェル領域の増加した面積からもたらされるオン状態の抵抗の不要な増加は、チャネル領域の面積が対応して増加したことによって達成されるオン状態の抵抗の減少に起因して、予め規定された寸法範囲内で無効にすることまたは克服することができ、それによって、従来の設計と比較してそれぞれのセルのオン状態の抵抗の正味の減少がもたらされる。
【0029】
さらに、本明細書で開示されるような態様では、半導体ウェハまたはチップを横切る第1の方向でより低い抵抗経路を利用するように、チャネル領域を向けることができる。すなわち、チャネル領域の面積を増やして配置することができ、その結果、それらを流れる電流は、(すなわち、図に示されるように頁を見たときに)主に水平である。
【0030】
図2は、DMOSFETなどの従来型平面nチャネルMOSFETのアクティブセル、以降ではMOSFETデバイス10を図示する。MOSFETデバイス10ならびに以降で議論される他のデバイスのある種の構成要素をより明瞭に図示および記載するため、ある種の一般的に理解される設計要素(たとえば、上部金属化、不動態化、端部終端など)を省略する場合があることを理解することができる。
【0031】
図2の図示されたMOSFETデバイス10は、第1の面4および第2の面6を有する半導体層2(たとえば、エピタキシャルSiC半導体層)を含む。半導体層2は、第1の導電型を有するドリフト領域16(たとえば、n型ドリフト領域16)、ドリフト領域16に隣接し第1の面4に近接して配設される第2の導電型を有するウェル領域18(たとえば、pウェル領域18)を含む。半導体層2は、ウェル領域18に隣接し第1の面4に近接し、第1の導電型を有するソース領域20(たとえば、n型ソース領域20)をやはり含む。(ゲート絶縁層またはゲート誘電体層とも呼ばれる)誘電体層24が半導体層2の第1の面4の部分に配設され、ゲート電極26が誘電体層24上に配設される。半導体層2の第2の面6は、基板層14(たとえば、SiC基板層)であり、ドレイン接点12は、基板層14に沿ってMOSFETデバイス10の底部に配設される。ソース接点22は、ソース領域20およびウェル領域18を部分的にカバーする半導体層2の上部に配設される。
【0032】
オン状態動作の期間に、(たとえばMOSFETデバイス10のしきい値電圧(VTH)以上の)好適なゲート電圧によって、キャリアの蓄積に起因して、チャネル領域28の中に形成される反転層ならびにJFET領域29の中に拡大される導電経路を生じて、電流がドレイン接点12(すなわち、ドレイン電極)からソース接点22(すなわちソース電極)に流れることを可能にすることができる。本明細書で議論されるMOSFETデバイスでは、チャネル領域28は、一般的に、ゲート電極26および誘電体層24の下に配設されるウェル領域18の上部として規定することができることを理解されたい。
【0033】
図3は、
図2のMOSFETデバイス10の概略断面図である。
図3に図示されるMOSFETデバイス10のソース接点22は、一般的に、ソース電極へのオーム接触を実現し、ソース領域20の部分とウェル領域18の部分の両方を覆って配設される。ソース接点22は、一般的に、MOSFETデバイス10のこれらの半導体部分と金属ソース電極の間に位置する1つまたは複数の金属層を備える金属界面である。分かりやすくするために、ソース接点22の下方に配置されるMOSFETデバイス10のソース領域20(たとえば、n+ソース領域20)の部分は、本明細書では、MOSFETデバイス10のソース接点領域42としてより具体的に呼ばれる。同様に、MOSFETデバイス10のウェル領域18(たとえば、pウェル領域18)の部分は、ウェル領域18の残りより高いレベルでp+ドープすることができるが、本明細書では、MOSFETデバイス10の本体領域44(たとえば、p+本体領域44)として具体的に呼ばれる。分かりやすくするために、ソース接点22の下方に配設される(たとえば、ソース接点22によってカバーされる、または、ソース接点22に直接電気的に接続される)本体領域44の部分は、本明細書では、MOSFETデバイス10の本体接点領域44(たとえば、p+本体接点領域44)と呼ばれる。一貫性を保つために、ソース接点22の部分は、本明細書では、ソース接点22の下方に配設される半導体デバイスの部分に基づいて指定される。たとえば、本体接点領域44の上方に配設されるソース接点22の部分は、本明細書では、ソース接点22の本体接点部と呼ばれる。同様に、MOSFETデバイス10のソース接点領域42の上方に配設されるソース接点22の部分は、本明細書では、ソース接点22のソース接点部と呼ばれる。
【0034】
図3に概略的に図示されるように、MOSFETデバイス10の様々な領域は、各々が関連する抵抗を有し、これらの抵抗の各々の合計として表すことができるMOSFETデバイス10の全抵抗(たとえば、オン状態の抵抗、Rds(on))を有することができる。たとえば、
図3に図示されるように、MOSFETデバイス10のオン状態の抵抗Rds(on)は、抵抗Rs30(たとえば、ソース領域20の抵抗およびソース接点22の抵抗)、抵抗Rch32(たとえば、
図3に図示されるチャネル領域28の反転チャネル抵抗)、抵抗Racc34(たとえば、誘電体層24とウェル領域18間に配置されるドリフト領域16の部分との間の蓄積層の抵抗)、抵抗RJFET36(たとえば、ウェル領域18間の非空乏ネック領域の抵抗)、抵抗Rdrift38(たとえば、ドリフト領域16についての抵抗)、および基板抵抗40の合計として概算することができる。
図3に図示される抵抗は、網羅的であることが意図されず、他の抵抗(たとえば、ドレイン接点の抵抗、拡散抵抗など)がMOSFETデバイス10内に潜在的に存在することができることに留意されたい。
【0035】
ある種の場合では、
図3に図示される1つまたは2つの抵抗成分がMOSFETデバイス10の導通損失の大半を占める場合があり、これらの要因に対処することによって、オン状態の抵抗Rds(on)に大きい影響を与えることができる。たとえば、低電圧デバイスまたは低い反転層移動度を被るデバイス(たとえば、SiCデバイス)などといった、ドリフト抵抗38、基板抵抗40、および接点抵抗が無視できるデバイスでは、チャネル抵抗(Rch32)が、デバイスの導通損失の重要な部分の原因になる場合がある。
【0036】
さらなる例による中間電圧および高電圧デバイスでは、JFET領域抵抗(RJFET36)が全導通損失の重要な部分の原因になる場合がある。いくつかの場合では、MOSFETチャネルおよびJFETが、典型的な半導体デバイスのオン状態の抵抗の約55%を含む場合がある。
【0037】
図4を参照すると、
図2のMOSFETデバイス構造の様々な領域の相対的な抵抗の寄与の例を描くチャートが図示される。各領域についての相対的な抵抗が、それぞれの領域の距離(たとえば、経路長)の関数として描かれる。チャネル領域28の反転チャネル抵抗Rch32がMOSFETデバイス10のオン状態の抵抗Rds(on)へ最大の寄与を行うものである可能性があるが、抵抗Rs30(たとえば、ソース領域20の抵抗およびソース接点22の抵抗)、および基板抵抗Rsub40(たとえば、基板層14についての抵抗)が、MOSFETデバイス10のオン状態の抵抗Rds(on)に対する最小抵抗に寄与することを理解することができる。
【0038】
図5は、従来型ストライプセルレイアウト(すなわち、非セルラレイアウト)を有するMOSFETデバイス構造41を含む従来型半導体層2の上面図を図示する。
図5の図示されるストライプレイアウトは、チャネル領域28、ソース領域20、ソース接点領域42、本体接点領域44、およびJFET領域29を含む。ソース接点領域42の組および本体接点領域44の組は、
図5の図示されるストライプレイアウトのための、半導体の表面に沿った連続ストライプとして形成できることを理解することができる。寸法の観点では、MOSFETデバイス構造41は、特定のチャネル長43、チャネル領域28からオーミック領域への距離45、オーミック領域の幅47、ならびにJFET領域の幅49を有するように記載することができる。
図5に図示される従来型ストライプセルレイアウトが良好な信頼性(たとえば、長期間の高温性能)を呈する一方で、MOSFETデバイス構造41の(
図3に示されるような)比較的大きいチャネル抵抗(Rch)32およびJFET抵抗(RJFET)36が、デバイスの電気的性能を低下させる比較的大きいオン状態の抵抗Rds(on)をもたらす。
【0039】
別の従来型デバイスレイアウトの例が
図6に図示されており、これは、セグメント化したソース/本体接点を有するストライプラダーデバイスレイアウト50(すなわち、非セルラレイアウト)の上面図すなわち平面図である。図示されるストライプラダーデバイスレイアウト50は、チャネル領域28、ソース領域20、セグメント化したソース/本体接点46(本体接点領域44とソース接点領域42を含む)の組、およびJFET領域29を含む。
図6は、図示されるストライプラダーデバイスレイアウト50についての、チャネル長43、チャネルからオーミック領域への距離45、オーミック領域の幅47、JFET領域の幅49、ソース接点領域セグメントの長さ51、本体接点領域セグメントの長さ52、点線の矩形53によって表されるデバイス区域53のサブセット、デバイス区域53のサブセット内の(クロスハッチング区域54によって表される)JFET区域54、および、JFET区域54のサブセット内のチャネルの幅55を含む、ストライプラダーデバイスレイアウト50の寸法をさらに図示する。
【0040】
さらに比較するため、従来型デバイスレイアウトの別の例が
図7に図示されており、これは、セグメント化したソース/本体接点を含まない正方形セルラデバイスレイアウト60の上面図すなわち平面図である。正方形セルラデバイスレイアウト60は、チャネル領域28、ソース領域20、本体接点領域44、ソース接点領域42、およびJFET領域29を含む。
図7は、正方形セルラデバイスレイアウト60の図示されるセルについての、チャネル長62、チャネルからオーミック領域への距離63、オーミック領域の幅64、JFET領域の幅65、本体接点領域の幅67、点線の矩形68によって表されるデバイスセル区域、クロスハッチング区域69によって表されるセル毎のJFET区域を含む、正方形セルラデバイスレイアウト60の寸法をさらに図示する。
【0041】
図7に図示されるデバイスレイアウトが、
図5に図示されるようなストライプセルレイアウトに対してよりRds(on)を可能にすることができる一方で、そのような設計は、遮断条件下で、隣接するデバイスセルのチャネル領域28の角間の、JFET領域29の部分において大幅に高い電界を有することができることが認められる。SiC MOSデバイスでは、(
図2および
図3に図示される)JFET領域29を覆って配設される誘電体層24中の電界は、デバイスセルが逆バイアス下で動作するときのSiデバイス中のものと比較して約10倍大きい場合がある。一般的にSiCがより高い電界に強い一方で、誘電体層24は、長期間の動作期間に、降伏を経験する可能性があり、SiCデバイスセルでの信頼性問題が生じる。
【0042】
以上を念頭に置いて、本実施形態は、半導体デバイス特性の改善を可能にする半導体デバイス設計およびレイアウトに向けられる。特に、デバイスのオン状態の導通損失を減少または最小化する(たとえば、オン状態の抵抗Rds(on)を最小化する)ため、本明細書に記載される態様は、有利なことに、MOSFETデバイスの構成要素の抵抗を減らすことができる。たとえば、非限定の態様は、チャネル抵抗(Rch32)を減らし、それによってオン状態の導通損失を減らすため、従来設計を超えて増加したMOSFETチャネル領域28の幅または増加したチャネル領域28の密度を実現するセルラデバイス設計およびレイアウトを含むことができる。
【0043】
下でより詳細に記載されるように、本明細書で記載されるような非限定の態様によって、デバイスピッチの減少が可能になり、したがって、MOSFETデバイスについて、単位面積当たりのチャネル周辺が増える、または、チャネル領域28の密度が増える。加えて、非限定の態様では、半導体層を横切るより低い抵抗の第1の方向(すなわち、図に示されるように頁を見ると水平)に沿って長手方向に延び、それによってオン状態の抵抗Rds(on)をさらに減らすように、チャネル領域28を向けることができる。
【0044】
図8は、非限定の態様にしたがった、半導体デバイスセル72の配列を備えるシステム70(たとえば、MOSFETなどの半導体デバイス)を図示する上面図または平面図を描く。本明細書でより詳細に記載されるように、半導体デバイスセル72は、MOSFETデバイス10のオン状態の抵抗Rds(on)を減らすことを可能にするように構成することができる。各半導体デバイスセル72は、半導体層2(たとえば、炭化ケイ素(SiC)半導体層)の第1の面4に配設することができる。第1の面4が(
図1Bに示される)一連の条線19を規定し、条線19は、たとえばy軸に沿った第1の方向23に延びる。
図8に戻って、半導体デバイスセル72は、たとえばy軸に沿った第1の方向23に、半導体デバイスセル72の第1の面4の範囲を横切って延びる、垂直ピッチまたは第1のスパンD1を規定することができる。半導体デバイスセル72は、たとえばx軸に沿った第2の方向25(すなわち、第1の方向23に直角)に、半導体デバイスセル72の第1の面4の範囲を横切って延びる、水平ピッチまたは第2のスパンD2を規定することもできる。半導体デバイスセル72の面積が、第1のスパンD1と第2のスパンD2の積に基づいて決定することができることを理解されよう。
【0045】
非限定の態様では、半導体デバイスセル72の本体接点領域44は、第1の導電型(たとえば、n型またはp型)のソース領域20によって囲まれてよい。ソース領域20の周辺は、第2の導電型(たとえば、n型またはp型の他方)のウェル領域18によって囲まれてよい。ソース接点22の下方に配設されるソース領域20の部分が、半導体デバイスセル72のソース接点領域42の部分として機能できることを理解することができる。
【0046】
半導体デバイスセル72は、第1の導電型を有するドリフト領域を含むことができる(図示せず)。第2の導電型(たとえば、p型またはn型)を有するウェル領域18をドリフト領域の隣に配設することができる。態様では、ウェル領域18は、互いに離隔した細長いウェル領域セグメント17の組を備えることができる。各ウェル領域セグメント17は、第1の方向23に延びる、それぞれ第2の、または、ウェル領域セグメントの長手軸17aを規定することができる。たとえば、図示されるように、いくつかの態様では、それぞれのウェル領域セグメントの長手軸17aは、たとえばy軸に沿って、第1の面4を横切って延びることができる。非限定の態様では、2つ以上のウェル領域セグメントの長手軸17aが、一般的に、互いに平行であってよい。ソース領域20は、ウェル領域18の直接隣に配設して、ウェル領域18に囲まれてよい。
【0047】
第2の導電型を有するチャネル領域28は、第1の面4に近接して配設することができる。チャネル領域28は、互いに離隔し、第1の方向23に延びる第1の長手軸31aを有する細長い第1のチャネル領域セグメント28aの組を備えることができる。非限定の態様では、2つ以上のチャネル領域セグメントの第1の長手軸31aが、一般的に、互いに平行であってよい。加えて、いくつかの態様では、2つ以上のチャネル領域セグメントの第1の長手軸31aが、一般的に、2つ以上のウェル領域セグメントの長手軸17aに平行であってよい。非限定の態様では、チャネル領域28は、互いに離隔し、第2の方向25に延びる第2の長手軸31bを有する細長い第2のチャネル領域セグメント28bの組をさらに備えることができる。非限定の態様では、第1のチャネル領域セグメント28aおよび第2のチャネル領域セグメント28bは、それぞれ、チャネル領域28の周辺の少なくとも一部を規定することができる。
【0048】
各第1のチャネル領域セグメント28aは、それぞれの第1の長手軸31aに沿った第1の方向23に延びる第1の長さL1および第2の方向25に延びる第1の幅W1を有することができる。第1の長さL1は第1の幅W1より大きい。加えて、各第2のチャネル領域セグメント28bは、それぞれの第2の長手軸31bに沿った第2の方向25に延びる第2の長さL2および第1の方向23に延びる第2の幅W2を有することができる。非限定の態様では、第2の長さL2は、第2の幅W2より大きい。加えて、第2の長さL2は、第1の長さL1より小さい。
【0049】
非限定の態様では、各第1のチャネル領域セグメント28aの第1の長さL1は、各第2のチャネル領域セグメント28bの第2の長さL2より大きい。態様では、半導体デバイスセル72上の第1のチャネル領域セグメント28aの組の第1の長さL1の第1の合計が、半導体デバイスセル72上の第2のチャネル領域セグメント28bの第2の長さL2の第2の合計より大きい。追加または代替として、第1のチャネル領域セグメント28aの組の第1の長さL1と第2のチャネル領域セグメント28bの組の第2の幅W2の第3の合計が、第2のチャネル領域セグメント28bの組の第2の長さL2と第1のチャネル領域セグメント28aの組の第1の幅W1の第4の合計より大きい。
【0050】
態様では、第1の面4を横切る第2の方向25に沿った第2の電気抵抗R2が、第1の面4を横切る第1の方向23に沿った第2の電気抵抗R2より大きい。したがって、非限定の態様では、第1のチャネル領域セグメント28aおよび第2のチャネル領域セグメント28bは、第1の面4を横切って第1の方向23に延びるチャネル領域28の部分を最大化し、第2の方向25に延びるチャネル領域28の部分を最小化して、動作においてチャネル領域28の実効電気抵抗を減少または最小化するように配置される。この方式では、第1のチャネル領域セグメント28aと第2のチャネル領域セグメント28bが協働して、第2の方向25よりも、半導体デバイスセル72の第1の面4を横切る第1の方向23に、純粋により低い抵抗経路を実現する。
【0051】
非限定の態様では、直接隣の第1のチャネル領域セグメント28aの対が、それぞれの長手軸31aに沿って互いに離隔されて、それらの間に間隙33を規定することができる。各間隙33は、第2の方向25に(すなわち、それぞれの第1の長手軸31aに直角に)、それぞれの第3のスパンD3を規定することができる。非限定の態様では、それぞれのウェル領域セグメント17を間隙33内に配設することができ、ウェルそれぞれのウェル領域セグメントの長手軸17aは、それぞれの第1の長手軸31aに平行であってよい。
【0052】
加えて、第1のチャネル領域セグメント28aは、ウェル領域18によって少なくとも部分的に囲まれてよい。たとえば、非限定の態様では、第1のチャネル領域セグメント28aの周辺は、それぞれのウェル領域セグメント17およびJFET領域29によって、協働して囲まれてよい。
図8に図示されるように、第1のチャネル領域セグメント28aの組の周辺、ウェル領域セグメント17の組、JFET領域29の部分は、一連の交番する実質的に平行で細長い帯またはストライプを規定するように配置することができる。したがって、非限定の態様は、従来の技法を超えて、単位セル面積当たりの導通チャネル領域28の密度を上げる一方で、第1の方向23にチャネル領域28を横切る電流に対する電気抵抗を減らすことができる。
【0053】
非限定の態様では、第2の導電型を有する本体接点領域44は、ウェル領域18の部分を覆って配設することができる。非限定の態様では、本体接点領域44は、第1の面4によって規定されるソース領域20の実質的に中心に配設することができる。
【0054】
非限定の態様では、ウェル領域18、ソース領域20、およびチャネル領域28は、半導体デバイスセル72の第1の面4を横切って延びる第1のスパンD1またはピッチを、協働してまたは累積的に規定することができる。非限定の態様では、第1のスパンD1は、第1のチャネル領域セグメントの第1の長手軸31aまたはウェル領域セグメントの長手軸17aまたは両方と実質的に平行であってよい。態様では、第1のスパンD1は、半導体デバイスセル72の第1の面4の実質的に全長に延びることができる。非限定の態様では、各ウェル領域セグメント17は、たとえばy軸に沿って、第1の面4を横切って延びる、それぞれの第3のスパンD3またはピッチを規定することができる。
【0055】
非限定の態様では、第1のスパンD1は、6ミクロンと18ミクロンの範囲内であってよい。いくつかの非限定の態様では、第3のスパンD3は、0.3ミクロンから1.6ミクロンの範囲内であってよい。さらに他の非限定の態様では、第3のスパンD3は、第1のスパンD1の5%~20%の間の範囲内であってよい。他の態様はそのように制限されず、第1のスパンD1または第3のスパンD3または両方の寸法は、本明細書の開示の範囲から逸脱することなく、様々な用途のために所望に応じて変えることができる。
【0056】
第1のスパンD1および第3のスパンD3の寸法または互いに対する相対的な寸法または両方にかかわらず、第1のスパンD1および第3のスパンD3の具体的な寸法および第1のチャネル領域セグメント28aの長手方位は、ウェル領域18の抵抗寄与が結果として比較的小さく増加するということを犠牲にしてさえ、チャネル領域28の抵抗寄与を低下させる(すなわち、反転チャネル抵抗の抵抗寄与を比較的高くする)という特定の目的で配置または規定される。
【0057】
図9は、別の非限定の態様にしたがった、半導体デバイスセル72を含むシステム80の配列を図示する上面図または平面図を描く。
図9の非限定の態様は、半導体デバイスセル72がセルラタイプのレイアウトで配置されるという1つの違いがあるが、
図8に描かれる態様と同様である。線IX-IXに沿って取られた
図8の半導体デバイスセル72の断面図を描く
図10への同時参照が、やはり行われることになる。
【0058】
図9および
図10に図示される非限定の態様では、半導体デバイスセル72は、システム80のオン状態の抵抗Rds(on)を減らすことを可能にするように構成される。各半導体デバイスセル72は、半導体層2(たとえば、SiC半導体層2)の第1の面4に配設される。第1の面4が(
図1Bに示される)一連の条線19を規定し、条線19は、たとえばy軸に沿った第1の方向23に延びてよい。
図8に戻って、半導体デバイスセル72は、たとえばy軸に沿った第1の方向23に、半導体デバイスセル72の第1の面4の範囲を横切って延びる、水平ピッチまたは第1のスパンD1を規定することができる。半導体デバイスセル72は、たとえばx軸に沿った第2の方向25に、半導体デバイスセル72の第1の面4の範囲を横切って延びる、垂直ピッチまたは第2のスパンD2を規定することもできる。半導体デバイスセル72の面積が、第1のスパンD1と第2のスパンD2の積に基づいて決定することができることを理解されよう。
【0059】
誘電体層24(たとえば、ゲート絶縁層)が半導体層2の第1の面4の部分に配設され、ゲート電極26が誘電体層24上に配設される。
【0060】
半導体デバイスセル72の本体接点領域44は、第1の導電型(たとえば、n型またはp型)のソース領域20によって囲まれる。第1の導電型のソース領域20の周辺は、第2の導電型のウェル領域18によって囲まれてよい。ソース接点22の下方に配設されるソース領域20の部分は、半導体デバイスセル72のソース接点領域42の部分として機能できる。半導体デバイスセル72は、第1の導電型を有するドリフト領域16を含むことができる。
【0061】
第2の導電型を有するウェル領域18は、JFET領域29に隣接して配設することができる。態様では、ウェル領域18は、互いに離隔して、それぞれのウェル領域セグメントの長手軸17aを規定するウェル領域セグメント17の組を備えることができる。各ウェル領域セグメント17は、第1の方向23に延びる、それぞれのウェル領域セグメントの長手軸17aを規定することができる。たとえば、図示されるように、いくつかの態様では、それぞれのウェル領域セグメントの長手軸17aは、たとえばy軸に沿って、第1の面4を横切って延びることができる。非限定の態様では、2つ以上のウェル領域セグメントの長手軸17aが、一般的に、互いに平行であってよい。ソース領域20は、ウェル領域18の直接隣に配設して、ウェル領域18に囲まれてよい。
【0062】
第2の導電型を有するチャネル領域28は、第1の面4に近接して配設される。チャネル領域28は、互いに離隔し、第1の方向23に延びる第1の長手軸31aを有する細長い第1のチャネル領域セグメント28aの組を備える。非限定の態様では、2つ以上のチャネル領域セグメントの第1の長手軸31aが、一般的に、互いに平行であってよい。加えて、いくつかの態様では、2つ以上のチャネル領域セグメントの第1の長手軸31aが、一般的に、2つ以上のウェル領域セグメントの長手軸17aに平行であってよい。非限定の態様では、チャネル領域28は、互いに離隔し、第2の方向25に延びる第2の長手軸31bを有する細長い第2のチャネル領域セグメント28bの組をさらに備える。非限定の態様では、第1のチャネル領域セグメント28aおよび第2のチャネル領域セグメント28bは、それぞれ、チャネル領域28の周辺の少なくとも一部を規定する。
【0063】
各第1のチャネル領域セグメント28aは、それぞれの第1のチャネル領域セグメントの長手軸31aに沿った第1の方向23に延びるそれぞれの第1の長さL1および第2の方向25に延びる第1の幅W1をそれぞれ有する。第1の方向23は、第2の方向25に対して直角であってよい。第1の長さL1は第1の幅W1より大きい。加えて、各第2のチャネル領域セグメント28bは、それぞれの第2のチャネル領域セグメントの長手軸31bに沿った第2の方向25に延びる第2の長さL2および第1の方向23に延びる第2の幅W2を有する。非限定の態様では、第2の長さL2は、第2の幅W2より大きい。加えて、第2の長さL2は、第1の長さL1より小さい。
【0064】
非限定の態様では、各第1のチャネル領域セグメント28aの第1の長さL1は、各第2のチャネル領域セグメント28bの第2の長さL2より大きい。態様では、半導体デバイスセル72上の第1のチャネル領域セグメント28aの組の第1の長さL1の第1の合計が、半導体デバイスセル72上の第2のチャネル領域セグメント28bの第2の長さL2の第2の合計より大きい。追加または代替として、第1のチャネル領域セグメント28aの組の第1の長さL1と第2のチャネル領域セグメント28bの組の第2の幅W2の第3の合計が、第2のチャネル領域セグメント28bの組の第2の長さL2と第1のチャネル領域セグメント28aの組の第1の幅W1の第4の合計より大きい。
【0065】
態様では、第1の面4を横切る第2の方向25に沿った第2の電気抵抗R2が、第1の面4を横切る第1の方向23に沿った第2の電気抵抗R2より大きい。したがって、非限定の態様では、第1のチャネル領域セグメント28aおよび第2のチャネル領域セグメント28bは、第1の面4を横切って第1の方向23に延びるチャネル領域28の部分を最大化し、第2の方向25に延びるチャネル領域28の部分を最小化して、動作においてチャネル領域28の実効電気抵抗を減少または最小化するように配置される。この方式では、第1のチャネル領域セグメント28aと第2のチャネル領域セグメント28bが協働して、第2の方向25よりも、チャネル領域28を通る第1の方向23に半導体層表面4を横切る、純粋により低い抵抗経路を実現する。
【0066】
非限定の態様では、1つまたは複数のそれぞれの第1のチャネル領域セグメント28aは、別の直接隣の第1のチャネル領域セグメント28aから離隔されて、それらの間に間隙33を規定することができる。各間隙33は、第2の方向25に(すなわち、それぞれの第1のチャネル領域セグメントの長手軸31aに直角に)延びる、それぞれの第3のスパンD3を規定することができる。非限定の態様では、それぞれのウェル領域セグメント17を間隙33内に配設することができ、その結果、それぞれのウェル領域セグメントの長手軸17aは、それぞれの第1のチャネル領域セグメントの第1の長手軸31aに平行であってよい。第1のチャネル領域セグメント28aの周辺は、ウェル領域18によって少なくとも部分的に囲まれてよい。たとえば、非限定の態様では、チャネル領域セグメント28aは、それぞれのウェル領域セグメント17およびJFET領域29によって、協働して囲まれてよい。第1のチャネル領域セグメント28aの組、ウェル領域セグメント17の組、JFET領域29の部分は、一連の交番する実質的に平行な帯またはストライプを規定するように配置することができる。この意味では図示されるように、半導体デバイスセル72は、第1のチャネル領域セグメント28aの反対側にウェル領域セグメント17を配設するように記載することができる。したがって、非限定の態様は、セルサイズを最小化して単位セル当たりの導通チャネル領域28の密度を上げる一方で、第1の方向23にチャネル領域28を横切る電流に対する電気抵抗を減らすことができる。
【0067】
いくつかの非限定の態様では、第2の導電型を有する本体接点領域44は、ウェル領域18の部分を覆って配設することができる。本体接点領域44は、第1の面4によって規定されるソース領域20の平面の実質的に中心に配設することができる。
【0068】
非限定の態様では、ウェル領域18、ソース領域20、およびチャネル領域28は、半導体デバイスセル72の第1の面4を横切って、たとえばy軸に沿って延びる第1のスパンD1またはピッチを、協働してまたは累積的に規定することができる。非限定の態様では、チャネル領域セグメントの長手軸31とウェル領域セグメントの長手軸17aは、実質的に平行であってよい。態様では、第1のスパンD1は、半導体デバイスセル72の第1の面4の実質的に全長におよぶことができる。非限定の態様では、各ウェル領域セグメント17は、たとえばx軸に沿って第2の方向25に、第1の面4を横切って延びる、それぞれの第3のスパンD3またはピッチを規定することができる。
【0069】
非限定の態様では、第1のスパンD1は、6ミクロンと18ミクロンの範囲内であってよい。いくつかの非限定の態様では、第3のスパンD3は、0.3ミクロンと1.6ミクロンの範囲内であってよい。さらに他の非限定の態様では、第3のスパンD3は、第1のスパンD1の5%~20%の範囲内であってよい。他の態様はそのように制限されず、第1のスパンD1または第3のスパンD3または両方の寸法は、本明細書の開示の範囲から逸脱することなく、様々な用途のために所望に応じて変えることができる。
【0070】
第1のスパンD1および第3のスパンD3の寸法または互いに対する相対的な寸法または両方にかかわらず、第1のスパンD1および第3のスパンD3の具体的な寸法および第1のチャネル領域セグメント28aおよび第2のチャネル領域セグメント28bの長手方位は、ウェル領域18の抵抗寄与が結果として比較的小さく増加するということを犠牲にしてさえ、チャネル領域28の抵抗寄与を低下させる(すなわち、反転チャネル抵抗の抵抗寄与を比較的高くする)という特定の目的で配置または規定される。特に、本態様は、チャネル幅を増やすことおよび/またはチャネル密度を高くすること、ならびに、チャネル抵抗を減らすためにセルを横切るチャネル方位を配置することによって、デバイス状態損失を低下させる(たとえば、オン状態の抵抗Rds(on)を最小化する)。
【0071】
事前に記載されない限り、様々な態様の異なる特徴および構造を、所望に応じて互いに組み合わせて使用することができる。1つの態様がすべての態様に図示されない場合があるということは、それができないと解釈されることを意味せず、記載を簡潔にするために行われている。したがって、異なる態様の様々な特徴は、新しい態様が明示的に記載されるか否かにかかわらず、新しい態様を形成するために所望に応じて混合および整合させることができる。本明細書に記載される特徴の組合せまたは置換は、本開示によってカバーされる。
【0072】
本説明は例を使用して、最良の形態を含む本開示の態様を開示し、また、当業者が、任意のデバイスまたはシステムを作成して使用することおよび任意の組み込まれる方法を実施することを含む、本開示の態様を実施するのを可能にする。本開示の特許請求の範囲は請求項によって規定され、当業者が想到する他の例を含むことができる。そのような他の例は、請求項の文字通りの言葉遣いと変わらない構造的要素を有する場合、または、請求項の文字通りの言葉遣いとごくわずかな差異しかない等価な構造的要素を含む場合、請求項の範囲内となることが意図される。
【0073】
上の記載、以下の請求項、および/または添付図面に開示される特徴は、個別、およびそれらの組合せの両方で、それらの多様な形で実施形態を実現するために関連することができる。
【0074】
本開示の様々な特性、態様、および利点は、限定しないが、列挙される態様に規定されるような以下の技術的解決策を含む、本開示の態様の任意の並べ替えで具体化することもできる。
【0075】
1.半導体デバイスセル(72)を備える半導体デバイスであって、半導体デバイスセル(72)が、半導体デバイスセル(72)上の一連の平行な条線(19)であって、半導体層(2)の面を横切る第1の方向(23)に延び、半導体層(2)が、第1の導電型を有するドリフト領域(16)を含む、条線(19)と、半導体層の面(4)に近接して配設される第2の導電型を有するウェル領域(18)であって、ウェル領域セグメント(17)の組を規定する、ウェル領域(18)と、ウェル領域(18)に隣接して配設される第1の導電型を有するソース領域(20)であって、ソース領域(20)の周辺がウェル領域(18)によって囲まれる、ソース領域(20)と、第2の導電型を有し、半導体層の面(4)に近接したチャネル領域(28)であって、細長いチャネル領域セグメント(28a)の組および細長い第2のチャネル領域セグメント(28b)の組を規定し、各第1のチャネル領域セグメント(28a)が第1の方向(23)に延びるそれぞれの第1の長さ(L1)を有し、各第2のチャネル領域セグメント(28b)が第1の方向(23)に直角な第2の方向(25)に延びるそれぞれの第2の長さ(L2)を有する、チャネル領域(28)とを含み、第1の長さ(L1)が第2の長さ(L2)より大きく、チャネル領域(28)の周辺がウェル領域(18)によって囲まれる、半導体デバイス。
【0076】
2.第1の方向(23)に半導体層(2)の面を横切る第1の電気抵抗(R1)が、半導体層(2)の面を横切る第2の方向(25)の第2の電気抵抗(R2)より小さい、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0077】
3.第1のチャネル領域セグメント(28a)の組の第1の長さの第1の合計が、第2のチャネル領域セグメント(28b)の組のそれぞれの第2の長さの第2の合計より大きい、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0078】
4.各第1のチャネル領域セグメント(28a)が第2の方向(25)に延びる第1の幅(W1)をさらに備え、第1の長さ(L1)が第1の幅(W1)より大きい、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0079】
5.各第2のチャネル領域セグメント(28b)が第1の方向(23)に延びる第2の幅(W2)をさらに備え、第2の長さ(L2)が第2の幅(W2)より大きい、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0080】
6.第1のチャネル領域セグメント(28a)の組のそれぞれの第1の長さプラス第2のチャネル領域セグメント(28b)の組のそれぞれの第2の幅の第3の合計が、第2のチャネル領域セグメント(28b)の組のそれぞれの第2の長さプラス第1のチャネル領域セグメント(28a)の組のそれぞれの第1の幅の第4の合計より大きい、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0081】
7.ウェル領域(18)、ソース領域(20)、およびチャネル領域(28)が、半導体層(2)の面を横切って延びる第1のスパン(D1)を協働して規定する、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0082】
8.JFET領域(29)をさらに備え、JFET領域(29)の一部がチャネル領域(28)によって囲まれる、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0083】
9.直接隣のチャネル領域セグメント(28a)の対が、互いに離隔されて、それらの間に間隙(33)を規定し、間隙(33)がそれぞれの第3のスパン(D3)を規定して第2の方向(25)に延び、それぞれのウェル領域セグメント(17)が間隙(33)内に配設される、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0084】
10.第1のスパン(D1)が6ミクロンと18ミクロンの範囲内である、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0085】
11.第3のスパン(D3)が0.3ミクロンから1.6ミクロンの範囲内である、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0086】
12.第3のスパン(D3)が第1のスパン(D1)の8%~15%の間の範囲内である、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0087】
13.各ウェル領域セグメント(17)がそれぞれの第2の長手軸(17a)を規定し、第1の長手軸(31)と第2の長手軸(17a)が互いに平行である、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0088】
14.チャネル領域セグメント(28a)の組、ウェル領域セグメント(17)の組、JFET領域(29)の部分が、一連の交番する実質的に平行な帯を規定するように配置される、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0089】
15.ウェル領域(18)の部分を覆って配設される第2の導電型を有する本体接点領域(44)をさらに備え、本体接点領域(44)が、面(4)によって規定されるソース領域の平面の実質的に中心に配設される、任意の前項に記載の半導体デバイスセル。
【0090】
16.チャネル領域が、第2の方向よりも第1の方向に半導体層の面を横切る、純粋により低い抵抗経路を規定する、任意の前項に記載の半導体デバイス。
【0091】
17.半導体デバイスセルの組をさらに備え、半導体デバイスセルの組が、その上に一連の平行な条線を規定する面を有する半導体層であって、半導体層の面を横切る第1の方向に延び、半導体層が、第1の導電型を有するドリフト領域を含む、半導体層と、半導体層の面に近接して配設される第2の導電型を有するウェル領域であって、ウェル領域セグメントの組を規定する、ウェル領域と、ウェル領域に隣接して配設される第1の導電型を有するソース領域であって、ソース領域の周辺がウェル領域によって囲まれる、ソース領域と、第2の導電型を有して半導体層の面に近接し、細長い第1のチャネル領域セグメントの組および細長い第2のチャネル領域セグメントの組を規定し、各第1のチャネル領域セグメントが第1の方向に延びるそれぞれの第1の長さを有し、各第2のチャネル領域セグメントが第1の方向に直角な第2の方向に延びるそれぞれの第2の長さを有する、チャネル領域とをそれぞれ備え、第1の長さが第2の長さより大きく、チャネル領域の周辺がウェル領域によって囲まれる、任意の前項に記載の半導体デバイス。
【0092】
18.第1のチャネル領域セグメントの組のそれぞれの第1の長さの第5の合計が、第2のチャネル領域セグメントの組のそれぞれの第2の長さの第6の合計より大きい、任意の前項に記載の半導体デバイス。
【0093】
19.各第1のチャネル領域セグメントが第2の方向に延びる第1の幅をさらに備え、第1の長さが第1の幅より大きい、任意の前項に記載の半導体デバイス。
【0094】
20.各第2のチャネル領域セグメントが第1の方向に延びる第2の幅をさらに備え、第2の長さが第2の幅より大きい、任意の前項に記載の半導体デバイス。
【0095】
21.第1のチャネル領域セグメントの組のそれぞれの第1の長さプラス第2のチャネル領域セグメントの組のそれぞれの第2の幅の第7の合計が、第2のチャネル領域セグメントの組のそれぞれの第2の長さプラス第1のチャネル領域セグメントの組のそれぞれの第1の幅の第8の合計より大きい、任意の前項に記載の半導体デバイス。
【符号の説明】
【0096】
2 半導体層
4 第1の面、半導体層の面
6 第2の面
8 結晶方位
9 SiCウェハ
10 MOSFETデバイス
12 ドレイン接点
14 基板層
16 ドリフト領域
17 ウェル領域セグメント
17a 第2の長手軸
18 ウェル領域
19 条線、ステップ
20 ソース領域
21 条線長手軸
22 ソース接点
23 第1の方向
24 誘電体層
25 第2の方向
26 ゲート電極
28 チャネル領域
28a 第1のチャネル領域セグメント
28b 第2のチャネル領域セグメント
29 JFET領域
30 ソース領域抵抗
31 第1の長手軸
31a 第1の長手軸
31b 第2の長手軸
32 チャネル抵抗、反転チャネル抵抗
33 間隙
34 抵抗
36 JFET領域抵抗、JFET抵抗
38 ドリフト抵抗
40 基板抵抗
41 MOSFETデバイス構造
42 ソース接点領域
43 チャネル長
44 本体接点領域、本体領域
45 距離
46 ソース/本体接点
47 幅
49 幅
50 ストライプラダーデバイスレイアウト
51 セグメントの長さ
52 セグメントの長さ
53 デバイス区域
54 JFET区域
55 幅
60 正方形セルラデバイスレイアウト
62 チャネル長
63 距離
64 幅
65 幅
67 幅
68 デバイスセル区域
69 クロスハッチング区域
70 システム
72 半導体デバイスセル
80 システム
D1 第1のスパン、第1の軸の長さ
D2 第2のスパン
D3 第3のスパン
L1 第1の長さ
L2 第2の長さ
W1 第1の幅
W2 第2の幅
R1 第1の電気抵抗
R2 第2の電気抵抗
【外国語明細書】