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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114676
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電子制御ユニット
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20240816BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20240816BHJP
   B60R 21/01 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H05K5/02 L
H01R13/52 301H
B60R21/01 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024019016
(22)【出願日】2024-02-09
(31)【優先権主張番号】202310108001.7
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ウェイトン ジャン
(72)【発明者】
【氏名】シャオチアン リウ
【テーマコード(参考)】
4E360
5E087
【Fターム(参考)】
4E360AB08
4E360AB09
4E360AB33
4E360BD02
4E360EA03
4E360EA24
4E360ED02
4E360EE02
4E360EE20
4E360GA11
4E360GA29
4E360GC03
4E360GC08
5E087EE02
5E087EE14
5E087FF03
5E087LL04
5E087LL12
5E087MM04
5E087MM08
5E087QQ04
5E087RR06
5E087RR12
(57)【要約】
【課題】本発明は、電子制御ユニットに関する。
【解決手段】本電子制御ユニットは、載置領域と、載置領域の側部に設けられた取付領域とを含む底板であって、前記取付領域に、当該底板を貫通する少なくとも1つのガイド孔が設けられる底板と、底板の載置領域に取り付けられ、頂壁及び側壁を含むハウジングであって、側壁が頂壁の縁部から下方に延在して頂壁の周りに連続して設けられ、頂壁及び側壁は、当該ハウジングの収容空間を共同して画定するハウジングと、底板とハウジングとの間で収容空間に収容されるプリント基板と、プリント基板に電気的に接続され、一方の側壁に設けられた開口を介して露出して前記ガイド孔の上方に位置する電気コネクタと、を備える電子制御ユニットである。本発明に係る電子制御ユニットは、向上した防水能力を有し、貯留した水が電子制御ユニット内部に浸入することを効果的に防止することにより、電子制御ユニットの使用寿命及び操作精度を向上させることができる。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置領域(101)と、前記載置領域(101)の側部に設けられた取付領域(102)とを含む底板(10)であって、前記取付領域(102)には、当該底板(10)を貫通する少なくとも1つのガイド孔(103)が設けられる、底板(10)と、
前記底板(10)の載置領域(101)に取り付けられ、頂壁(201)及び側壁(202)を含むハウジング(20)であって、前記側壁(202)は、前記頂壁(201)の縁部から下方に延在して前記頂壁(201)の周りに連続して設けられ、前記頂壁(201)及び前記側壁(202)は、当該ハウジング(20)の収容空間を共同して画定するハウジング(20)と、
前記底板(10)と前記ハウジング(20)との間で前記収容空間に収容されるプリント基板(30)と、
前記プリント基板(30)に電気的に接続され、一方の側壁に設けられた開口(203)を介して露出して前記ガイド孔(103)の上方に位置する電気コネクタ(40)と、
を備える電子制御ユニット(1)。
【請求項2】
前記底板(10)は、金属材質の一体プレス材であり、前記載置領域(101)にリブ(1011)が設けられ、前記リブ(1011)は、前記載置領域(101)を囲み、且つ、前記載置領域(101)が所在する平面と垂直に前記プリント基板(30)に向かって突出するように構成される、請求項1に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項3】
前記側壁(202)の下部の内周輪郭は、組立状態で、前記ハウジング(20)の側壁(202)が前記リブ(1011)を隙間嵌めで囲むように、前記リブ(1011)の外周輪郭と整合する、請求項2に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項4】
前記載置領域(101)は、複数の取付ボス(1012)をさらに含み、前記取付ボス(1012)は、組立状態で前記プリント基板(30)と前記底板(10)との間に隙間が存在するように、前記リブ(1011)で囲まれた領域に設けられ、且つ、前記リブ(1011)の突出方向と同一の方向に沿って突出している、請求項3に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項5】
前記リブ(1011)の、前記電気コネクタ(40)と前記底板(10)との間に位置する一部は、前記開口(203)が開く方向に沿って見たときに、当該一部のリブが前記プリント基板(30)と前記底板(10)との間の隙間を遮蔽するように、前記リブ(1011)の他の部分よりも高くされている、請求項4に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項6】
各取付ボス(1012)の頂部に取付孔(1013)が設けられており、前記取付孔(1013)を貫通し、前記ハウジング(20)及び前記プリント基板(30)に設けられた対応する取付孔を貫通する締結具(123)によって、前記底板(10)、前記ハウジング(20)及び前記プリント基板(30)が一体に固定され、前記載置領域(101)における前記取付ボス(1012)の間に突条部(1014)が設けられ、前記突条部(1014)は、前記取付ボス(1012)と同一の突出方向に沿って突出し、且つ、その突出高さは、前記取付ボス(1012)の突出高さよりも小さい、請求項4又は5に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項7】
前記ハウジング(20)は、組立状態で前記電気コネクタ(40)を覆うつば(21)と、前記電気コネクタ(40)を遮蔽する第1の遮蔽部(22a)及び第2の遮蔽部(22b)とを含み、前記つば(21)は、それぞれ前記第1の遮蔽部(22a)及び前記第2の遮蔽部(22b)に接続され、前記電気コネクタ(40)が所在する側に近い取付領域(102)には、前記開口(203)が開く方向に対して横方向に延在する第1の突出リブ(1023)が設けられ、前記ガイド孔(103)は、前記開口(203)が開く方向に沿って前記リブ(1011)と前記第1の突出リブ(1023)との間に位置決めされており、前記第1の突出リブ(1023)の横方向の延在距離は、前記電気コネクタ(40)の前記開口(203)が開く方向に対する横方向における長さに対応し、且つ、間隔が最も遠い2つのガイド孔(103)同士間の距離よりも大きく、且つ、
組立状態で、前記つば(21)、第1の遮蔽部(22a)及び第2の遮蔽部(22b)は、底板(10)のガイド孔(103)が設けられた側の取付領域(102)と共同して、前記開口(203)から露出する電気コネクタ(40)を囲む、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項8】
前記第1の遮蔽部(22a)及び前記第2の遮蔽部(22b)は、前記開口(203)が開く方向に対して横方向に前記第1の突出リブ(1023)を囲むまで、前記開口(203)が開く方向に沿って延在している、請求項7に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項9】
前記取付領域(102)は、複数の位置決め凹部(1021)と、各位置決め凹部(1021)の底部に設けられたホルダ取付孔(1022)と、第2の突出リブ(1024)とをさらに含み、前記第2の突出リブ(1024)は、前記電気コネクタ(40)が所在する側から離れる取付領域(102)において前記開口(203)が開く方向に対して横方向に延在し、前記複数の位置決め凹部(1021)は、それぞれ前記第1の突出リブ(1023)及び前記第2の突出リブ(1024)から、対応する取付領域(102)の縁部又は角部に向かって延在している、請求項7に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項10】
1つの前記位置決め凹部は、電気コネクタ(40)が所在する側に近い取付領域において、前記第1の突出リブ(1023)から当該取付領域の角部まで横方向に延在し、且つ、2つの前記位置決め凹部は、電気コネクタ(40)が所在する側から離れる取付領域において、前記第2の突出リブ(1024)からそれぞれ当該取付領域の両側の角部まで延在している、請求項9に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項11】
前記ガイド孔(103)は、前記開口(203)が開く方向に沿って前記電子制御ユニット(1)が30度傾いたときに、前記ガイド孔(103)によって77.8mL/minのガイド流量を保持し得るように、少なくとも20mmの面積を共同して占有するように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項12】
前記底板(10)のガイド孔(103)が設けられた領域は、前記底板(10)の他の平坦領域に対して段階的又は累進的に移行するように0.3乃至0.5mmの深さで凹陥している、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項13】
前記電気コネクタ(40)は、少なくとも1つの接続口(403)を有するように仕切られた絶縁本体(401)を含み、前記絶縁本体(401)には、前記ハウジング(20)の頂壁(201)に向かって上方に凸となる上縁(4011)と、それぞれ前記ハウジング(20)の側壁に向かって凸となる側縁(4012)とが設けられ、前記上縁(4011)と側縁(4012)とが接続されることにより、前記絶縁本体(401)を取り囲むフレームを形成し、前記絶縁本体(401)のフレームと前記ハウジング(20)の開口(203)との間にシール部材が設けられる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項14】
前記電気コネクタ(40)は、各接続口(403)内に収容される複数の導電端子(402)をさらに含み、前記導電端子(402)の端子ピンは、下方に延在して、前記プリント基板(30)を貫通して前記電気コネクタ(40)と前記プリント基板(30)とを電気的に接続する、請求項13に記載の電子制御ユニット(1)。
【請求項15】
車両に用いられるエアバッグの電子制御ユニットである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子制御ユニット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の電子技術の分野に関し、特に車両に用いられる電子制御ユニットに関し、より具体的には、防水性能を効果的に向上させる、エアバッグに用いられる電子制御ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子制御ユニット(ECU)は、車両分野において、通常、オープン式に設計されている。言い換えれば、ECUのハウジングと電気コネクタとの間、及び、底板と電気コネクタとの間にともに隙間がある。ECUが特別な傾斜角度を有するとき、水が上記の隙間を通って流入する可能性がある。水がECU内部に浸入すると、プリント基板に影響を与え、ECUの故障につながる。
【0003】
車両分野においてよく見られるエアバッグECUを例にとると、通常、車両のパーキングブレーキ部の下方に取り付けられ、車両コントローラからの車全体の信号を受けながら衝突信号を感知することにより、交通事故が発生した場合にエアバッグを作動させる信号を送出して車両乗員の安全を保障する。エアバッグECUの特別な取り付け位置に鑑みて、他の一般的なECUと比較して、車両が一定の勾配で走行しているとき、カップホルダに置かれた容器からの液体(水、ジュースなど)が、エアバッグECUが所在する領域にこぼれてしまいやすい。そのため、このようなECUについて、ISO認証よりも厳しい防水テスト規格に合格する必要がある。例えば、車両が急斜面(10~30度)を走行しているときに電子制御ユニット1に水又はジュースをこぼしたことを想定した防水テストIPX52(図1参照)では、4.5分以内に上方3センチから約350mLの液体がこぼれた場合、貯留した水を正常に排出してECUの正常な動作を確保することが要求される。上記の規格は、底板に特別な取付孔を有することが求められる一部のECU(例えば、底板の長さが電気コネクタ領域の長さよりも長い)にとっては、これを満たすことはより困難である。一方、従来のシール強化の解決方法は、余分な材料、プロセス、サイクルを意味し、これによりコストの増加を招いている。
【0004】
なお、「背景技術」の段落は、本発明の内容の理解を助けるためのものにすぎないため、「背景技術」の段落で開示されている内容には、当業者に知られている従来の技術を構成しないものが含まれている可能性がある。「背景技術」の段落において開示されている内容は、この内容又は本発明の1つ又は複数の実施例が解決しようとする問題が、本発明の出願前に既に当業者に知られていること又は認識されていることを意味するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の従来の技術における欠陥を克服し、防水能力を効果的に向上させる車両用電子制御ユニットを提供することにあり、当該電子制御ユニットは、向上させた防水能力を有し、貯留した水が電子制御ユニット内部に浸入することを効果的に防止することにより、電子制御ユニットの使用寿命及び操作精度を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を実現するために、載置領域と、前記載置領域の側部に設けられた取付領域とを含む底板であって、前記取付領域に、当該底板を貫通する少なくとも1つのガイド孔が設けられる底板と、前記底板の載置領域に取り付けられ、頂壁及び側壁を含むハウジングであって、前記側壁が前記頂壁の縁部から下方に延在して前記頂壁の周りに連続して設けられ、前記頂壁及び前記側壁は、当該ハウジングの収容空間を共同して画定するハウジングと、前記底板と前記ハウジングとの間で前記収容空間に収容されるプリント基板と、前記プリント基板に電気的に接続され、一方の側壁に設けられた開口を介して露出して前記ガイド孔の上方に位置する電気コネクタと、を備える、電子制御ユニットを提供する。
【0007】
好ましくは、前記底板は、金属材質の一体プレス材であり、前記載置領域にリブが設けられ、前記リブは、前記載置領域を囲み、且つ、前記載置領域が所在する平面と垂直に前記プリント基板に向かって突出するように構成される。
【0008】
好ましくは、前記側壁の下部の内周輪郭は、組立状態で、前記ハウジングの側壁が前記リブを隙間嵌めで囲むように、前記リブの外周輪郭と整合する。
【0009】
好ましくは、前記載置領域は、複数の取付ボスをさらに含み、前記取付ボスは、組立状態で前記プリント基板と前記底板との間に隙間が存在するように、前記リブで囲まれた領域に設けられ、且つ、前記リブの突出方向と同一の方向に沿って突出している。
【0010】
好ましくは、前記リブの、前記電気コネクタと前記底板との間に位置する一部は、前記開口が開く方向に沿って見たときに、当該一部のリブが前記プリント基板と前記底板との間の隙間を遮蔽するように、前記リブの他の部分よりも高くされている。
【0011】
好ましくは、各取付ボスの頂部に取付孔が設けられており、前記取付孔を貫通し、ハウジング及びプリント基板に設けられた対応する取付孔を貫通する締結具によって、前記底板、前記ハウジング及び前記プリント基板が一体に固定され、前記載置領域における取付ボスの間に突条部が設けられ、前記突条部は、前記取付ボスと同一の突出方向に沿って突出し、且つ、その突出高さは、前記取付ボスの突出高さよりも小さい。
【0012】
好ましくは、前記ハウジングは、組立状態で前記電気コネクタを覆うつばと、前記電気コネクタを遮蔽する第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部とを含み、前記つばは、それぞれ前記第1の遮蔽部及び前記第2の遮蔽部に接続され、電気コネクタが所在する側に近い取付領域には、前記開口が開く方向に対して横方向に延在する第1の突出リブが設けられ、前記ガイド孔は、前記開口が開く方向に沿って前記リブと前記第1の突出リブとの間に位置決めされており、前記第1の突出リブの横方向の延在距離は、前記電気コネクタの前記開口が開く方向に対する横方向における長さに対応し、且つ、間隔が最も遠い2つのガイド孔同士間の距離よりも大きく、且つ、組立状態で、前記つば、第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部は、底板のガイド孔が設けられた側の取付領域と共同して、前記開口から露出する電気コネクタを囲む。
【0013】
好ましくは、前記第1の遮蔽部及び前記第2の遮蔽部は、前記開口が開く方向に対して横方向に前記第1の突出リブを囲むまで、前記開口が開く方向に沿って延在している。
【0014】
好ましくは、前記取付領域は、複数の位置決め凹部と、各位置決め凹部の底部に設けられたホルダ取付孔と、第2の突出リブとをさらに含み、前記第2の突出リブは、電気コネクタが所在する側から離れる取付領域において前記開口が開く方向に対して横方向に延在し、前記複数の位置決め凹部は、それぞれ前記第1の突出リブ及び前記第2の突出リブから、対応する取付領域の縁部又は角部に向かって延在している。
【0015】
好ましくは、1つの位置決め凹部は、電気コネクタが所在する側に近い取付領域において、前記第1の突出リブから当該取付領域の角部まで横方向に延在し、且つ、2つの位置決め凹部は、電気コネクタが所在する側から離れる取付領域において、前記第2の突出リブからそれぞれ当該取付領域の両側の角部まで延在している。
【0016】
好ましくは、前記ガイド孔は、前記開口が開く方向に沿って前記電子制御ユニットが30度傾いたときに、前記ガイド孔によって77.8mL/minのガイド流量を保持し得るように、少なくとも20mmの面積を共同して占有するように構成される。
【0017】
好ましくは、前記底板のガイド孔が設けられた領域は、前記底板の他の平坦領域に対して段階的又は累進的に移行するように0.3乃至0.5mmの深さで凹陥している。
【0018】
好ましくは、前記電気コネクタは、少なくとも1つの接続口を有するように仕切られた絶縁本体を含み、前記絶縁本体には、前記ハウジングの頂壁に上方に向かって凸となる上縁と、それぞれ前記ハウジングの側壁に向かって凸となる側縁とが設けられ、前記上縁と側縁とが接続されることにより、前記絶縁本体を取り囲むフレームを形成し、前記絶縁本体のフレームと前記ハウジングの開口との間にシール部材が設けられる。
【0019】
好ましくは、前記電気コネクタは、各接続口内に収容される複数の導電端子をさらに含み、前記導電端子の端子ピンは下方に延在して、前記プリント基板を貫通して前記電気コネクタと前記プリント基板とを電気的に接続する。
【0020】
好ましくは、前記電子制御ユニットは、車両に用いられるエアバッグの電子制御ユニットである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下、図面を参照することにより、本発明の上記及び他の態様がより全般にわたって理解して認識される。
図1】電子制御ユニットの防水テストIPX52の模式図を示している。
図2A】本発明の好ましい実施例による電子制御ユニットの斜視図を示している。
図2B】本発明の好ましい実施例による電子制御ユニットの分解模式図を示している。
図3図2AにおけるYZ平面に沿って得られた本発明の好ましい実施例による電子制御ユニットの一部の断面斜視図を示している。
図4】本発明の好ましい実施例による電子制御ユニットの底板の上面図、側面図及び下面図を左から右へ順に示している。
図5】本発明の好ましい実施例による電子制御ユニットに設けられたガイド孔の形状の平面模式図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明が解決しようとする技術問題、技術案及び有益な技術効果をより明確にするために、以下、図面及び例示的な実施例を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。本明細書に記載する具体的実施例は、本発明を説明するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0023】
図2A及び図2Bを参照すると、それぞれ本発明の好ましい実施例による電子制御ユニットを組み立てた斜視図及び分解模式図を示している。当該実施例においては、車両に用いられるエアバッグの電子制御ユニットを例にとって解釈して説明しており、関連する技術案は、同様に防水要求を有する他の電子制御ユニットにも適用可能であることが当業者には理解することができる。図2Aにおいては、3次元座標系で電子制御ユニットの取付方位を示しており、X軸は車両の横方向を示し、Y軸は車両の縦方向を示すものであって、ここで、Y軸の正方向は通常の走行方向を示し、XY平面と垂直なZ軸は車両の垂直方向を示す。具体的には、電子制御ユニット1は、底板10と、底板10に取り付けられたハウジング20と、底板10とハウジング20との間に設けられたプリント基板30と、プリント基板30に電気的に接続され、外部装置(図示せず)と接続して通信するための電気コネクタ40とを含む。本発明の実施例において、ハウジング20は、プラスチック材料を用いて射出成形プロセスにより形成されており、一方、底板10は、冷間圧延用炭素構造鋼(例えば、B280VK)から作製されるものとしてもよく、冷間圧延用低炭素鋼板(例えば、DC01)から作製されるものとしてもよい。本発明の底板10は、合金鋼を含む他の金属材料が一体的にプレスされて作製されるものとしてもよい。ハウジング20は、ボックス状の構造であり、ハウジング20は、頂壁201及び側壁202を含み、側壁202は、頂壁201の縁部から頂壁201と略垂直に下方に延在して、頂壁201の周りに連続して設けられる。頂壁201と側壁202とは、ハウジング20の収容空間を形成するように囲み、プリント基板30がその上に配置された電子部品などと共に当該収容空間に収容されることにより、ハウジング20は、プリント基板30を保護することができる。ハウジング20は、プラスチック、例えば、ガラス繊維強化ポリプロピレンで射出成形されるため、ハウジング20は、外部からの衝撃を受けたときに変形し、且つ、衝撃によるエネルギーを吸収することができる。
【0024】
プリント基板30は、平面状のデバイスであり、プリント基板30は、その上に取り付けられた、エアバッグの作動を制御する電子部品を含む。図2Bを参照するに、プリント基板30は電気コネクタ40に接続される。電気コネクタ40は、絶縁本体401と複数の導電端子402とを含み、絶縁本体401は、接続対象に応じていくつかの接続口403を有するように仕切り、合成樹脂、例えば、PBTプラスチック(Polybutylene Terephthalate、熱可塑性ポリエステル)からなる一体部品である。図示の実施例において、絶縁本体401は、それぞれ外部装置と接続される併設された2つの接続口403を含む。当業者は、実際の必要に応じて、数がより多い又はより少ない接続口を設定可能であることを理解することができる。これに応じて、ハウジング20は、一方の側壁に上記収容空間と挿接方向(すなわち、Y軸正方向)に沿って連通している開口203を有し、2つの接続口403は、前記開口203を介してハウジング20の外部に向かい、ハーネスによって外部装置に接続される。言い換えれば、電気コネクタは、一方の側壁に設けられた開口203を介して露出する。図2A及び図2Bに示す取付方向を例にとると、開口が設けられた側壁は、車両の横方向に沿って延在している。一方、電気コネクタ40は、図3における電子制御ユニットのYZ平面に沿って得られた一部の断面斜視図に示すように、2つの接続口403内に収容される複数の導電端子402を有し、複数の導電端子402は、プリント基板30における配線回路パターンに電気的に接続される。電気コネクタ40は、複数の導電端子402の端子ピンが下方に延在してプリント基板30に設けられた孔を貫通することにより、プリント基板30に固定される。また、ビスなどの締結具を用いて電気コネクタ40をプリント基板30に固定するものとしてもよい。
【0025】
図2B図2Aに係る電子制御ユニットの分解斜視図を示している。図から分かるように、締結具123(例えば、ビス又はボルト)によって、底板10、ハウジング20及びプリント基板30を一体に固定する。組み立てられた状態で、プリント基板30は、それに電気的に接続される電気コネクタ40と共に、底板10とハウジング20との間で上記収容空間に収容されており、電気コネクタ40は、ハウジング20の開口203を介して露出することにより、例えば、センサ類、アクチュエータ類などの外部装置とのさらなる電気的接続を容易にする。図から分かるように、底板10、ハウジング20及びプリント基板30には、締結具が貫通する取付孔がそれぞれ4つ設けられており、ハウジング20の側壁202には、その底部に上記取付孔を設けやすくなるように、収容空間に向かって窪む窪み部が対応して設けられる。取付孔の数は、4つに限定されるものではなく、且つ、それを設ける位置も実際の必要に応じて修正可能であり、上記部材をしっかりと固定することができればよいことが想定される。
【0026】
さらに図4を参照するに、図2Bにおける電子制御ユニット1の底板10の上面図、側面図及び下面図を左から右へ順に示している。底板10は、載置領域101及び取付領域102を含む。載置領域101は、略矩形である。取付領域102は、前記載置領域101の側部にて車両の横方向に沿って延在しており、本実施例において、取付領域102は、載置領域101の電気コネクタ40に近い側とその反対側にそれぞれ設けられる。このうち、電気コネクタが所在する側に近い取付領域において、特に当該取付領域の電気コネクタ40の下方に位置する領域において、底板10を貫通するガイド孔103が別途設けられる。前記ガイド孔103は、底板に貯留する可能性のある水を排出するために用いられる。本発明においては、前記防水テスト規格を満たす場合、ガイド孔103の形状、数及び位置を柔軟に設定可能である。例えば、水の流量が77.8mL /min(すなわち、4.5分間に350mLの液体がこぼれた)場合、ガイド孔103が占有する領域の総面積は、少なくとも20mmよりも大きく確保する必要がある。図5に示すガイド孔の形状を例にとると、対応する取付領域に直径3.6mmを超える円形の孔を2つ設けるものとしてもよい。これに代えて、ガイド孔の形状を長円形にするものとしてもよい。製造プロセスを考慮すると、上記長円形のガイド孔の切欠きサイズを、3×4mm又は2×5.4mmを超えるようにするものとしてもよい。好ましくは、長円形のガイド孔を2つ設けた場合、3×4.8mmの切欠きサイズを採用可能であり、この時、ガイド孔が占有する領域の総面積は、少なくとも25mmである。図2B及び図4から分かるように、複数のガイド孔103(例えば、2つ以上)を設けた場合、間隔が最も遠い2つのガイド孔間の距離は、電気コネクタ40の車両の幅方向の幅に合わせる(例えば、図示する実施例の電気コネクタが2つの接続口を有する場合、間隔が最も遠い2つのガイド孔間のピッチは約36mmである)必要がある。すなわち、電気コネクタが所在する場所の防水性能を強化するために、すべてのガイド孔を電気コネクタに対応する領域に設けることにより、水がその流路に溜まらないように確保する必要がある。図3の断面斜視図から分かるように、組み立てられた状態で、ガイド孔103は、電気コネクタ40のほぼ真下に位置する。
【0027】
さらに、載置領域101は、リブ1011、複数の取付ボス1012及び複数の取付孔1013を含む。リブ1011は、載置領域101を囲み、且つ、載置領域101が所在する平面と垂直に上方に突出し、すなわち、組立状態でプリント基板30が所在する方向に向かって突出するように構成される。さらに、ハウジング20の側壁202の下部の内周輪郭は、組立状態で、ハウジング20の側壁202がリブ1011を隙間嵌めで囲むように、リブ1011の外周輪郭と整合する。当業者は、ハウジング側壁の内周が一部のポイントでリブ外周に接触し、他の部位に一定の隙間(例えば、0.15乃至0.45mm)が存在するものとしてもよく、又は、ハウジング側壁の内周とリブの外周との間にシールを設けてハウジングと上記リブとの間の全面的なシールを実現し得ることを想定することができる。載置領域101の周囲にリブ1011を設けることによって、底板10に貯留する可能性のある水をリブ1011に沿って載置領域101の周囲から排出することにより、貯留した水がリブ1011を越えてプリント基板30と底板10との間の隙間を介して電子制御ユニット1に浸入して損傷を与えることを回避することができる。複数の取付ボス1012は、リブ1011で囲まれた領域に設けられ、且つ、リブ1011が突出する方向と同一の方向に沿って突出している。複数の取付ボス1012を設けたことの技術効果は、ハウジング20とプリント基板30が底板10に取り付けられた後、ハウジング20とプリント基板30の受ける力が均一になり、受ける力の不均一によるハウジング20とプリント基板30への損傷を防止することにある。上記の複数の取付ボス1012は、載置領域101の他の部分に比較して、例えば約1mmの高さで突出している。複数の取付ボス1012のそれぞれは、頂部に1つの取付孔1013が設けられる。締結具123は、ハウジング20とプリント基板30に設けられた孔と、対応する取付孔1013とを貫通して底板10、ハウジング20及びプリント基板30を一体に固定する。リブ1011と複数の取付ボス1012を設けて、且つ、同一方向に沿って突出させたことの技術効果は、載置領域101の剛性とねじり強度が向上し、且つ、ハウジング20とプリント基板30が底板10に取り付けられた後、実際にハウジング20とプリント基板30に接触する部分がリブ1011の頂部と複数の取付ボス1012の頂部だけになることにある。このように、底板10とハウジング20及びプリント基板30との接触面積が小さいことにより、車両に振動が発生したときにハウジング20とプリント基板30が受ける影響を小さくする。図示する実施例において、載置領域101は、4つの取付ボス1012及び対応する4つの取付孔1013を含む。取り付けの需要を満たすことができれば、載置領域101は、他の数の取付ボス及び取付孔を含むものとしてもよいことを理解すべきである。
【0028】
取付領域102は、複数の位置決め凹部1021、複数のホルダ取付孔1022、第1の突出リブ1023及び第2の突出リブ1024を含む。位置決め凹部1021は、取付領域102の角部に設けられ、且つ、リブ1011が突出する方向とは反対の方向に沿って凹陥しており、凹陥している深さは約1mmである。図示する実施例においては、3つの位置決め凹部が存在するものが示されており、そのうちの1つの位置決め凹部は、電気コネクタが所在する側に近い取付領域のうちの1つの角部に位置するように設けられ、他の2つの位置決め凹部は、電気コネクタが所在する側から離れる取付領域の2つの角部に位置する。各位置決め凹部1021は、それぞれ底部にホルダ取付孔1022が設けられる。底板10は、複数のホルダ取付孔1022を貫通する締結具(図示せず)を介して車両に固定する。本実施例において、エアバッグECUについて、底板10が車体フレームに固定され、車体フレームの対応する位置に締結具が貫通する取付孔が設けられる。当業者は、底板に固定された車両の対応部位における取付孔の数によっては、取付領域の4つの角部のいずれにも対応する位置決め凹部を設けるものとしてもよいことを理解することができる。また、底板に固定された車両の対応部位における取付孔の位置によっては、上記位置決め凹部を取付領域の縁部に設けるものとしてもよい。複数の位置決め凹部1021を設け、且つ、リブ1011が突出する方向とは反対の方向に沿って凹陥させたことの技術効果は、底板10を車体フレームに取り付けた後、実際に車体フレームに接触する部分が複数の位置決め凹部1021の底部だけになることにある。このように、車体フレームと底板10の接触面積が小さくなり、そして底板10全体が車体フレームの取付平面よりも約1mm高くなることにより、車両に振動が生じたときに底板10が受ける影響を小さくする。
【0029】
図4に示すように、第1の突出リブ1023及び第2の突出リブ1024は、それぞれ載置領域の両側の取付領域において、開口203が開く方向に対して横方向に延在し、且つ、第1の突出リブ1023及び第2の突出リブ1024の各々は、対応する位置決め凹部1021まで延在していることが好ましい。本実施例において、第1の突出リブ1023は、電気コネクタが所在する側に近い取付領域において、角部に位置する位置決め凹部1021まで横方向に延在し、そして第2の突出リブ1024は、電気コネクタが所在する側から離れる取付領域において、対応する2つの位置決め凹部の間で横方向に延在していることが分かる。第1の突出リブ1023及び第2の突出リブ1024を設けたことの技術効果は、取付領域102の剛性とねじり強度が向上することにある。それに加えて、さらに図に示すように、第1の突出リブ1023の横方向における延在距離は、電気コネクタ40の横方向(すなわち、開口203が開く方向に対する横方向)における延在長さに対応し、且つ、ガイド孔の数が複数である場合に、間隔が最も遠い2つのガイド孔同士間の距離よりも大きいことから、これにより第1の突出リブ1023は、取付領域102の剛性とねじり強度を向上させることができる他、こぼれた水を速やかに阻止する役割を果たすこともできる。
【0030】
次に、本実施例の電子制御ユニット1の組立過程を説明する。ハウジング20は、射出成形によって上記開口203及び収容空間を形成する。電気コネクタ40を導電端子402によってプリント基板30と電気的に接続してから、プリント基板30をハウジング20の下方から収容空間に差し込んで組み立てる。例えば、ハウジング20の内側壁にプリント基板30を係止する凹溝を設け、プリント基板30を上記凹溝に係止することによって、ハウジング20同士間の位置が相対的に固定される効果を達成するものとしてもよい。その後、予め組み立てられたハウジング20及びプリント基板30を、それと電気的に接続される電気コネクタ40と共に底板10の載置領域101に配置することにより、ハウジングとプリント基板に設けられた取付孔と底板の載置領域における取付ボスに設けられた取付孔を位置合わせした後、締結具123によってハウジング20、プリント基板30及び底板10を一体に固定する。電子制御ユニット1の組み立てが完了した後、さらに、底板10の位置決め凹部1021におけるホルダ取付孔1022を貫通する追加の締結具(図示せず)を用いて、組み立て済みの電子制御ユニットを車両部材(例えば、車体フレーム)に取り付ける。組み立て済みの電子制御ユニット1の一部の断面構造を図3に示す。
【0031】
以下、図3を参照しながら、本発明に係る電子制御ユニットの防水原理を解釈する。図3を参照するに、リブ1011の一部(具体的には、底板と電気コネクタとの間に対応する部分領域)は、当該リブの他の部分よりも高くされており、本実施例においては、約1mm高くされていることが分かる。これに応じて、前述したように、載置領域の複数の取付ボス1012は、載置領域の他の部分に比較して、例えば約1mmの高さで突出しているため、組立状態で、プリント基板30と底板10の取付ボス1012を除く領域との間には約1mmの隙間が存在する。車両の縦方向(すなわち、開口203が開く方向に沿って)に沿って見ると、この高くなった領域のリブ1011は、底板10とプリント基板30との間の隙間を遮蔽し、水がリブを越えて上記隙間を介して電子制御ユニット内部に浸入することを防止することができる。この場合、底板10に設けられた上方に突出する第1の突出リブ1023及びリブ1011は、2つの防水バリアを構成するとともに、両者の間の取付領域には貯留した水を排出するガイド孔103が設けられることに相当する。図示のように、車両が下り坂を走行しているとき、この時、電子制御ユニットは、カップホルダ容器からこぼれた液体(例えば、水又はジュースなどの飲料)の影響を受けやすい。流量が相対的に小さい場合、水は底板10に設けられた第1の突出リブ1023によって阻止され、底板の取付領域を除く両側領域に導かれる。逆に、流量が勾配の増加(例えば、防水テストにおける限界角度30度)に伴って徐々に増加すると、水は、走行方向(すなわち、Y軸正方向)に沿って第1の突出リブ1023を越えてリブ1011に向かってさらに流れる。この時、電気コネクタが所在する側に近い取付領域にガイド孔103が別途設けられるため、溜まった水は、ガイド孔103を介して底板の下端から優先的に流出可能であり、そして余分な水は、さらにリブ1011によって阻止され、当該リブに沿って底板の取付領域を除く両側の領域に導かれる。なお、図示する実施例において、ガイド孔は、底板の比較的平らな面に設けられるが、底板のガイド孔が設けられた領域を底板の他の領域に対して一定の深さ(例えば、0.3乃至0.5mm)で下方に凹陥させるものとしてもよく、その下方に凹陥させる形態は、段差式又は階段的な移行形態を採用するものとしてもよい。この場合、過剰な水は、第1の突出リブを越えた後、下方に凹陥させた領域にあるガイド孔に流れやすくなり、その部分の水を導きやすくなることから、防水効果が向上する。
【0032】
水が底板10とプリント基板30との間の隙間を介して電子制御ユニット1に流入することを防止する以上の防水構造に加えて、本発明に係る電子制御ユニット1には、水が電気コネクタ40とハウジング20との間の隙間を介して電子制御ユニットに浸入することを防止し、水が直接上方から電気コネクタ40にこぼれることを防止する防水構造がさらに設けられる。図2Bに示すように、電気コネクタ40は、接続口403を取り囲むフレームを有し、フレームは電気コネクタ40が開口203に取り付けられたときにハウジング20に当接させるために用いられる。具体的には、電気コネクタ40の絶縁本体401にハウジングの頂壁201に向かって上方に凸となる上縁4011と、それぞれ側壁202に向かって凸となる側縁4012とが設けられ、上縁4011と側縁4012とが接続されて、絶縁本体401を取り囲むフレームを形成する。本実施形態において、上縁4011及び側縁4012は、一平面に形成されて絶縁本体401を取り囲むフレームを構成するものとしてもよく、他の実施形態において、上縁4011及び側縁4012は異なる平面に形成されるものとしてもよいことを理解すべきである。好ましくは、フレームには1つ又は複数の留め具が設けられ、そして、ハウジングの内側壁には、対応する留め具溝が設けられ、電気コネクタのフレームは、留め具によって留め具溝内に係止されることにより、電気コネクタをハウジングの開口203でハウジングと相対的に固定することができる。高い防水規格を達成するために、電気コネクタ40とハウジング20との間、特に電気コネクタのフレームとハウジング20の開口203との間にシール部材を設けるものとしてもよい。シール部材は、例えばゴム又は熱可塑性エラストマーの材質からなる。シール部材の形状は、電気コネクタのフレームの外部輪郭に適合させることを想定することができる。これにより、電気コネクタのフレームとハウジングの開口との間の隙間を封止し、水が上記隙間を介して電子制御ユニットに浸入することを防止する。また、ハウジング20の頂壁201は、前記電気コネクタが前記開口に取り付けられたときに前記電気コネクタを遮蔽するつば21を有し、前記ハウジングは、電気コネクタが前記開口に取り付けられたときに前記電気コネクタを遮蔽する第1の遮蔽部22a及び第2の遮蔽部22bをさらに有し、前記つば21は、前記第1の遮蔽部22a及び前記第2の遮蔽部22bをそれぞれ連結し、且つ、前記つば21、第1の遮蔽部22a及び第2の遮蔽部22bは、組み立てられた状態で、底板のガイド孔が設けられた側の取付領域と共同して開口から露出する電気コネクタを囲む。この場合、電気コネクタ40は、つば21、第1の遮蔽部22a、第2の遮蔽部22b及び底板10によって共同で囲まれるため、水が直接上方からこぼれることを回避することができる。また、図2A及び図2Bから分かるように、第1の遮蔽部22a及び第2の遮蔽部22bは、さらに、開口203が開く方向に対して横方向に第1の突出リブ1023を囲むまで、車両の縦方向(すなわち、開口203が開く方向に沿って)に沿って延在している。この場合、第1の突出リブを越える可能性のある水を、ガイド孔が設けられた領域に集めるとともにガイド孔を介して排出するように制限して、両側から流れ出ることを防止することができる。また、ガイド孔103が設けられた領域は、電気コネクタ40の下方に位置し、さらに横方向で第1の遮蔽部22a及び第2の遮蔽部22bにより遮蔽されて、縦方向で第1の突出リブ1023により遮蔽されるため、上記底板を貫通するガイド孔が外観上見えなくなり、これにより、より審美的な需要に合致する。
【0033】
再び図4を参照して、電子制御ユニットの底板構造について追加で説明する。図から分かるように、本発明の好ましい実施例において、底板10の車両の進行方向に沿う寸法と、車両の横方向に沿う寸法とは異なっており、前者は、後者に比較して大きい。これに応じて、底板の取付領域の角部に設けられた位置決め凹部のピッチについても、車両の進行方向に沿うピッチが、車両の横方向に沿うピッチよりも大きい。このような設計は、当該電子制御ユニットを車両の一部(例えば、車体フレーム)に固定する取付孔のレイアウトに適応させるためのものである。しかしながら、本発明は、上記によって限定されるものではない。言い換えれば,底板の位置決め凹部の車両の進行方向に沿うピッチは、車両の横方向に沿うピッチ以下であるものとしてもよい。両者が等しい場合、底板は、正方形と類似する構造をしているとみなすことができ、これにより、電子制御ユニットを2つの配置形態で車両に固定することができる。正常な第1の配置では、電子制御ユニットのコネクタハーネスの嵌合方向は、車両の進行方向と平行であり、すなわち、本願の図2Aに示すようになる。第2の配置では、電子制御ユニットのコネクタハーネスの嵌合方向は、車両の進行方向と垂直であり、すなわち車両の横方向と平行であるものとしてもよい。言い換えれば、図2Aに示す第1の配置と比較して、第2の配置では、電子制御ユニット全体が反時計回り又は時計回りに90度回転している。底板の位置決め凹部の車両の進行方向に沿うピッチと車両の横方向に沿うピッチとが等しいため、底板は、依然として第1の配置で底板を取り付けるための車体フレームの取付孔の一部を流用可能である。このように、車体フレームに同様の取付孔を設けた場合、底板の互いに垂直な2つの取付方向に適合させることができる。このように電子制御ユニットは、車両の実際の余白空間状況に応じて、異なる方向に沿って取り付けることにより、異なるOEMメーカの取り付け要求に対応することができる。一方、第2の配置形態で電子制御ユニットを車両に固定するとき、コネクタハーネスの嵌合方向が車両の横方向と平行である、すなわち、電子制御ユニットの電気コネクタの開放方向が車両の横方向に沿うため、水が電子制御ユニットにこぼれるリスクも低減可能であるが、これは、通常の走行において、車両の横方向に沿う傾きが進行方向に沿う上り坂、下り坂になるときの傾きよりもはるかに小さいためである。なお、エアバッグECUを例にとった電子制御ユニットについて、上述の第2の配置形態においては、内部のセンサ部品のレイアウト及び校正上の再配置が要求されるが、これは、本願における電子制御ユニットの防水性能を強化する目的との関連が少ないため、ここではさらに説明しない。
【0034】
また、図4から分かるように、底板10の載置領域101に設けられた取付ボス1012の間に突条部1014が設けられ、前記突条部1014は、同様に、プリント基板30に接触しないように、取付ボス1012の突出方向に沿って上方に0.3乃至0.5mm突出し、すなわち、取付ボス1012の突出高さを超えない。上記突条部を設けることにより、電子制御ユニットの固有周波数を低減し、そこに設けられたセンサの動作周波数からずらすことにより、センサの精度と安全性を向上させることができる。図示する実施例において、前記突条部1014は、ほぼXの形状に配置されているが、しかしながら、当業者は、電子制御ユニットの固有周波数を低減しながらプリント基板に触れないようにできれば、底板の載置領域にどのようなパターン形状で前記突条部を設けるものとしてもよいことを理解することができる。
【0035】
以上のとおり、底板に特別な取付孔の要求がある電子制御ユニット(特に電気コネクタの下方により大きいサイズの底板を有するECU)について、本発明の技術案を採用することにより、貯留した水が電子制御ユニット内部に浸入することを効果的に防止することができる。さらに、この分野で一般的に使用されているECUシールを強化する解決手法に比較して、コストを大幅に削減することができる。また、本発明に係る電子制御ユニットの底板に突出リブを設けることにより、底板の強度を効果的に向上させ、孔開けによる強度低下の問題を回避することができる。
【0036】
以上、図面を用いて、本発明に係る電子制御ユニットの実行可能でありつつも限定されるものではない実施形態について詳細に説明した。当業者は、以下の特許請求の範囲に記載された本開示の範囲と本質から逸脱することのない状況にて、技術と構造の修正と補足、及び、各実施例における特徴に対する組換えは本発明の範囲内に含まれるとみなすべきである。従って、本発明の教示の下で想到することができるこれらの修正及び補足は、すべて本開示の一部とみなすべきである。本開示の範囲は、以下に添付する特許請求の範囲によって限定され、且つ、本開示の出願日に知られている等価技術とまだ予見されていない等価の技術とが含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1 電子制御ユニット
10 底板
20 ハウジング
30 プリント基板
40 電気コネクタ
101 載置領域
102 取付領域
103 ガイド孔
1011 リブ
1012 取付ボス
1013 取付孔
1014 突条部
1021 位置決め凹部
1022 ホルダ取付孔
1023 第1の突出リブ
1024 第2の突出リブ
123 締結具
201 頂壁
202 側壁
203 開口
21 つば
22a 第1の遮蔽部
22b 第2の遮蔽部
401 絶縁本体
402 導電端子
403 接続口
4011 上縁
4012 側縁
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
【外国語明細書】