(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114684
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】スポットサイズ変換器、光子デバイス及びスポットサイズ変換器の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/122 20060101AFI20240816BHJP
G02B 6/30 20060101ALI20240816BHJP
G02B 6/13 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G02B6/122 311
G02B6/30
G02B6/13
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024019681
(22)【出願日】2024-02-13
(31)【優先権主張番号】202310108343.9
(32)【優先日】2023-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523399256
【氏名又は名称】ナンジン、リコア、テクノロジーズ、カンパニー、リミテッド
【住所又は居所原語表記】NANJING LYCORE TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【弁理士】
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】リャン、ハンシアオ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、イーピン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、インツォン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ハイツァン
(72)【発明者】
【氏名】マオ、ウェンハオ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、シーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】スン、ウェイチー
(72)【発明者】
【氏名】ユイ、チンヤン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チョウユイ
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
【Fターム(参考)】
2H137AB09
2H137BA01
2H137BA36
2H137EA04
2H147AB24
2H147BA05
2H147BB02
2H147BB10
2H147BG06
2H147CA01
2H147FC01
2H147GA19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】スポットサイズ変換器、光子デバイス及びスポットサイズ変換器の製造方法である。
【解決手段】スポットサイズ変換器は第1の端面と第2の端面を有し、サブストレートはその上面と第2の端面に露出する第1の溝部を有する。隔離層はその上面と第2の端面に露出する第2の溝部と第3の溝部とを有し、第2の溝部が第1の溝部に連通する複数の第1の孔を有し、第3の溝部が第1の溝部に連通する複数の第2の孔を有し、第2の溝部と第3の溝部との間に位置する隔離層の部分は第1の方向に沿って第2の端面まで延伸する第1の伝送部を構成し、第1の方向は第1の端面と直交する。導波路層の第2の方向に沿う寸法は第2の端面に近い方向に沿って減少し、第1の伝送部の表面から突起した部分を含み、第2の方向は第1の方向と直交し、サブストレートの底面に平行である。被覆層は第1の伝送部の表面に位置し、第2の端面まで延伸する第2の伝送部を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積光導波路と結合するための第1の端面と、光ファイバと結合するために用いられ且つ前記第1の端面に平行である第2の端面とを有するスポットサイズ変換器であって、
その上面と前記第2の端面に露出する第1の溝部を有するサブストレートと、
隔離層であって、前記サブストレートの上方に位置し、その上面と前記第2の端面に露出する第2の溝部と第3の溝部とを有し、前記第2の溝部が前記第1の溝部に連通する複数の第1の孔を有し、前記第3の溝部が前記第1の溝部に連通する複数の第2の孔を有し、前記第2の溝部と前記第3の溝部との間に位置する隔離層の部分は第1の方向に沿って前記第2の端面まで延伸する第1の伝送部を構成し、ここで、前記第1の方向は前記第1の端面及び前記第2の端面と直交する隔離層と、
導波路層であって、前記隔離層の上方に位置し、第2の方向に沿う寸法が前記第2の端面に近い方向に沿って減少する傾向を呈し、前記導波路層は前記第1の伝送部の表面からリブ状に突起した部分を含み、ここで、前記第2の方向は前記第1の方向と直交し、且つ前記サブストレートの底面に平行である導波路層と、
被覆層であって、前記導波路層の上方に位置し且つ前記導波路層を被覆し、前記被覆層は前記第1の伝送部の表面に位置し、且つ前記第1の方向に沿って前記第2の端面まで延伸する第2の伝送部を含む被覆層と、
を含む、スポットサイズ変換器。
【請求項2】
前記第1の溝部の前記第2の方向に沿う寸法は、前記第2の溝部と前記第3の溝部との互いに遠く離れる2つの側壁間の距離に等しい、請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項3】
前記第1の溝部の前記第2の方向に沿う寸法は、前記第2の溝部と前記第3の溝部との互いに遠く離れる2つの側壁間の距離より小さく、且つ前記第1の溝部は、前記第2の溝部と前記第3の溝部との互いに遠く離れる2つの側壁に対して、前記第2の方向において中央に設置される、請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項4】
前記第2の伝送部の前記第2の方向に沿う寸法は、前記第1の伝送部の前記第2の方向に沿う寸法と等しい、請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項5】
前記第2の伝送部の前記第2の方向に沿う寸法は、前記第1の伝送部の、前記第2の方向に沿う寸法より小さく、且つ前記第2の伝送部は、前記第1の伝送部に対して、前記第2の方向において中央に設置される、請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項6】
前記第2の溝部内には、前記第1の方向に沿って間隔をあけて配列され且つ前記複数の第1の孔を避ける複数の第1の支持部が設けられ、前記複数の第1の支持部は、前記第2の溝部を複数の第1のサブ溝に仕切り、前記複数の第1のサブ溝のうち、前記第2の端面に近い第1のサブ溝が前記第2の端面に露出し、
前記第3の溝部内には、前記第1の方向に沿って間隔をあけて配列され且つ前記複数の第2の孔を避ける複数の第2の支持部が設けられ、前記複数の第2の支持部は、前記第3の溝部を複数の第2のサブ溝に仕切り、前記複数の第2のサブ溝のうち、前記第2の端面に近い第2のサブ溝が前記第2の端面に露出する、請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項7】
前記被覆層の前記第2の方向に沿う寸法は、前記第2の端面に近い方向に沿って減少する傾向を呈する、請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項8】
前記導波路層は、前記第2の端面まで延伸し、又は、
前記導波路層の、前記第2の端面に近い狭端は前記第2の端面との間に間隔がある、請求項1に記載のスポットサイズ変換器。
【請求項9】
請求項1に記載のスポットサイズ変換器を含む、光子デバイス。
【請求項10】
集積光導波路と結合するための第1の端面と、光ファイバと結合するために用いられ且つ前記第1の端面に平行である第2の端面とを有するスポットサイズ変換器の製造方法であって、
サブストレート基板にセパレータ層を形成することと、
前記セパレータ層に導波路層を形成し、前記導波路層の第2の方向に沿う寸法が前記第2の端面に近い方向に沿って減少する傾向を呈し、ここで、前記第2の方向は前記第1の端面と前記第2の端面に平行であり且つ前記サブストレート基板の底面に平行であることと、
前記セパレータ層と前記導波路層に被覆フィルム層を形成することと、
前記被覆フィルム層と前記セパレータ層をエッチングすることで、被覆層と隔離層の構造を形成し、ここで、前記隔離層は、その上面と前記第2の端面に露出する第2の溝部と第3の溝部とを有し、前記第2の溝部の底部には複数の第1の孔を有し、前記第3の溝部の底部には複数の第2の孔を有し、前記第2の溝部と前記第3の溝部との間に位置する前記隔離層の部分は第1の方向に沿って前記第2の端面まで延伸する第1の伝送部を構成し、前記被覆層は前記導波路層を被覆するとともに、前記第1の伝送部の表面に位置し且つ前記第1の方向に沿って前記第2の端面まで延伸する第2の伝送部を含み、ここで、前記第1の方向は前記第1の端面及び前記第2の端面と直交することと、
前記複数の第1の孔と前記複数の第2の孔を透過して、前記サブストレート基板をエッチングすることによって、サブストレートの構造を形成し、前記サブストレートは、その上面と前記第2の端面に露出する第1の溝部を有し、前記第2の溝部が前記複数の第1の孔を介して、前記第1の溝部に連通し、前記第3の溝部が前記複数の第2の孔を介して、前記第1の溝部に連通することとを含む、スポットサイズ変換器の製造方法。
【請求項11】
前記被覆フィルム層と前記セパレータ層をエッチングすることで、前記被覆層と前記隔離層の構造を形成することは、
前記被覆フィルム層と前記セパレータ層をエッチングし、前記第1の方向に沿って間隔をあけて配置される複数の第1のサブ溝と、前記第1の方向に沿って間隔をあけて配置され、且つ前記複数の第1のサブ溝と前記第2の方向において並んで配置される複数の第2のサブ溝とを形成し、隣接する第1のサブ溝の間に第1の支持部を形成し、隣接する第2のサブ溝の間に第2の支持部を形成することと、
前記複数の第1のサブ溝の底部に複数の第1の孔をエッチングし、前記複数の第2のサブ溝の底部に複数の第2の孔をエッチングすることとを含む、請求項10に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光子技術分野に関し、特に、スポットサイズ変換器、光子デバイス及びスポットサイズ変換器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光導波路は、その中に光波の伝播をガイドする誘電体デバイスであり、誘電体光導波路とも呼ばれる。光導波路は主に二種類を含み、一つは平面誘電体光導波路及びストリップ誘電体光導波路を含む集積光導波路であり、それらは通常、光電子集積デバイス中の一部とするため、集積光導波路と呼ばれるが、もう一つは円筒形光導波路であり、通常、光ファイバと呼ばれる。
【0003】
集積光導波路と光ファイバとの結合技術は、光通信、マイクロ波光電子、レーザービーム偏向、波面変調などの分野で非常に広く且つ重要な用途があり、その中、端面結合は集積光導波路とファイバとの結合には良く使われる方式の1つである。
【0004】
しかしながら、集積光導波路と光ファイバとのスポットサイズの差が大きいため、両者の結合効率をどのように向上させうるかは、従来から、当業者にとって重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施例は、集積光導波路と光ファイバとの間の結合効率を向上させるために、スポットサイズ変換器、光子デバイス及びスポットサイズ変換器の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、集積光導波路と結合するための第1の端面と、光ファイバと結合するために用いられ且つ第1の端面に平行である第2の端面とを有するスポットサイズ変換器を提供し、スポットサイズ変換器は、その上面と第2の端面に露出する第1の溝部を有するサブストレートと、隔離層であって、サブストレートの上方に位置し、その上面と第2の端面に露出する第2の溝部と第3の溝部とを有し、第2の溝部が第1の溝部に連通する複数の第1の孔を有し、第3の溝部が第1の溝部に連通する複数の第2の孔を有し、第2の溝部と第3の溝部との間に位置する隔離層の部分は第1の方向に沿って第2の端面まで延伸する第1の伝送部を構成するものと、導波路層であって、隔離層の上方に位置し、且つ幅が第2の端面に近い方向に沿って減少する傾向を呈し、導波路層は第1の伝送部の表面からリブ状に突起した部分を含むものと、被覆層であって、導波路層の上方に位置し且つ導波路層を被覆し、被覆層は第1の伝送部の表面に位置し、且つ第1の方向に沿って第2の端面まで延伸する第2の伝送部を含むものとを含み、ここで、第1の方向は第1の端面及び第2の端面と直交し、第2の方向は第1の端面と第2の端面に平行であり且つサブストレートの底面に平行である。
【0007】
いくつかの実施例において、第1の溝部の第2の方向に沿う寸法は第2の溝部と第3の溝部との互いに遠く離れる2つの側壁間の距離に等しい。
【0008】
いくつかの実施例において、第1の溝部の第2の方向に沿う寸法は第2の溝部と第3の溝部との互いに遠く離れる2つの側壁間の距離より小さく、且つ第1の溝部は第2の溝部と第3の溝部との互いに遠く離れる2つの側壁に対して、第2の方向において中央に設置される。
【0009】
いくつかの実施例において、第2の伝送部の第2方向に沿う寸法は第1の伝送部の第2方向に沿う寸法と等しい。
【0010】
いくつかの実施例において、第2の伝送部の第2の方向に沿う寸法は第1の伝送部の、第2の方向に沿う寸法より小さく、且つ第2の伝送部は第1の伝送部に対して、第2の方向において中央に設置される。
【0011】
いくつかの実施例において、第2の溝部内には、第1方向に沿って間隔をあけて配列され且つ複数の第1の孔を避ける複数の第1の支持部が設けられ、複数の第1の支持部は、第2の溝部を複数の第1のサブ溝に仕切り、複数の第1のサブ溝のうち、第2の端面に近い第1のサブ溝が第2の端面に露出し、第3の溝部には、第1方向に沿って間隔をあけて配列され且つ複数の第2の孔を避ける複数の第2の支持部が設けられ、複数の第2の支持部は、第3の溝部を複数の第2のサブ溝に仕切り、複数の第2のサブ溝のうち、第2の端面に近い第2のサブ溝が第2の端面に露出する。
【0012】
いくつかの実施例において、被覆層の第2の方向に沿う寸法は第2の端面に近い方向に沿って減少する傾向を呈する。
【0013】
いくつかの実施例において、導波路層は第2の端面まで延伸し、又は、導波路層の、第2の端面に近い狭端は第2の端面との間に間隔がある。
【0014】
本開示の一態様によれば、前記いずれか一つの実施例のスポットサイズ変換器を含む光子デバイスを提供する。
【0015】
本開示の一態様によれば、スポットサイズ変換器は集積光導波路と結合するための第1の端面と、光ファイバと結合するために用いられ且つ第1の端面に平行である第2の端面とを有するスポットサイズ変換器の製造方法を提供し、製造方法は、
サブストレート基板にセパレータ層を形成することと、
セパレータ層に導波路層を形成し、導波路層の第2の方向に沿う寸法が第2の端面に近い方向に沿って減少する傾向を呈し、ここで、第2の方向は第1の端面と第2の端面に平行であり且つサブストレート基板の底面に平行であることと、
セパレータ層と導波路層に被覆フィルム層を形成することと、
被覆フィルム層とセパレータ層をエッチングすることで、被覆層と隔離層の構造を形成し、ここで、隔離層はその上面と第2の端面に露出する第2の溝部と第3の溝部とを有し、第2の溝部の底部には複数の第1の孔を有し、第3の溝部の底部には複数の第2の孔を有し、第2の溝部と第3の溝部との間に位置する隔離層の部分は第1の方向に沿って第2の端面まで延伸する第1の伝送部を構成し、被覆層は導波路層を被覆するとともに、第1の伝送部の表面に位置し且つ第1の方向に沿って第2の端面まで延伸する第2の伝送部を含み、ここで、第1の方向は第1の端面及び第2の端面と直交することと、
複数の第1の孔と複数の第2の孔を透過して、サブストレート基板をエッチングすることによって、サブストレートの構造を形成し、サブストレートは、その上面と第2の端面に露出する第1の溝部を有し、第2の溝部が複数の第1の孔を介して、第1の溝部に連通し、第3の溝部が複数の第2の孔を介して、第1の溝部に連通することとを含む。
【0016】
いくつかの実施例において、被覆フィルム層とセパレータ層をエッチングすることで、被覆層と隔離層の構造を形成することは、
被覆フィルム層とセパレータ層をエッチングし、第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数の第1のサブ溝と、第1方向に沿って間隔をあけて配置され、且つ複数の第1のサブ溝と第2方向において並んで配置される複数の第2のサブ溝とを形成し、隣接する第1のサブ溝の間に第1の支持部を形成し、隣接する第2のサブ溝の間に第2の支持部を形成することと、
複数の第1のサブ溝の底部に複数の第1の孔をエッチングし、複数の第2のサブ溝の底部に複数の第2の孔をエッチングすることとを含む。
【0017】
上述スポットサイズ変換器の構成設計又は製造方法は、集積光導波路と光ファイバとの間の結合効率を向上させ、スポットサイズ変換の光損失を低減することができるだけでなく、スポットサイズ変換器の構造確実性を向上させることもでき、製造プロセスも簡単で実現可能である。
【0018】
理解すべきこととして、該部分に説明される内容は、本開示の実施例の要点又は重要な特徴を識別することを意図しておらず、本開示の保護範囲を限定するためのものではない。本開示の他の特徴は、以下の明細書によって容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面を参照して例示的な実施例への以下のような説明において、本開示のより多くの詳細、特徴、及び利点を開示し、図面は以下のとおりである。
【
図1】本開示のいくつかの例示的な実施例によるスポットサイズ変換器の立体構造概略図である。
【
図2】本開示のいくつかの例示的な実施例によるスポットサイズ変換器の導波路層の平面構造概略図である。
【
図3】本開示の別のいくつかの例示的な実施例によるスポットサイズ変換器の立体構造概略図である。
【
図4】本開示のさらに別のいくつかの例示的な実施例によるスポットサイズ変換器の立体構造概略図である。
【
図5A】本開示のいくつかの例示的な実施例によるスポットサイズ変換器の製造方法のフローチャートである。
【
図5B】本開示のいくつかの例示的な実施例によるスポットサイズ変換器の製造方法のいくつかのステップの概略図である。
【
図6】本開示のいくつかの例示的な実施例によるスポットサイズ変換器の製造方法のいくつかのステップの概略図である。
【
図7】本開示のいくつかの例示的な実施例による光子デバイスの構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、いくつかの例示的な実施例のみを簡潔に説明する。当業者が認識できるように、本開示の範囲又は精神から逸脱することなく、記述された実施例を様々な異なる方式で修正することができる。そのため、図面と記述は制限的なものではなく、本質的に例示的なものであると考えられる。
【0021】
既存のスポットサイズ変換器が集積光導波路と光ファイバとの機能上の結合を実現できるにもかかわらず、集積光導波路と光ファイバとのスポットサイズが大きく異なるため、両者の結合効率は高くなく、光エネルギーの損失は大きい。例えば、集積光導波路のスポットサイズは通常、百ナノメートルレベルであるが、光ファイバの、例えば、フラット光ファイバのスポットサイズは十ミクロンレベルであり、損失した光エネルギーにより結合端面に酷い熱が発生するため、デバイスの確実性と耐用年数に影響を与える。ここで、結合効率は、集積光導波路による光パワーと光ファイバによって受けられる光パワーの比、又は、光ファイバによる光パワーと集積光導波路によって受けられる光パワーの比であると理解されてもよい。
【0022】
本開示の実施例は、集積光導波路と光ファイバとの間の結合効率を向上させ、スポットサイズ変換の光損失を低減するために、スポットサイズ変換器、光子デバイス及びスポットサイズ変換器の製造方法を提供する。
【0023】
図1と
図2に示すように、本開示のいくつかの実施例によるスポットサイズ変換器100は、集積光導波路(図示せず)との結合のための第1の端面100aと、光ファイバ(図示せず)との結合に用いられ且つ第1の端面100aと平行である第2の端面100bとを有する。スポットサイズ変換器100は順に配置されているサブストレート101、隔離層102、導波路層103及び被覆層104を含む。サブストレート101はその上面と第2の端面100bに露出する第1の溝部11を有する。隔離層102はサブストレート101の上方に位置し、その上面と第2の端面100bに露出する第2の溝部22と第3の溝部23とを有し、第2の溝部22が第1の溝部11に連通する複数の第1の孔220を有し、第3の溝部23が第1の溝部11に連通する複数の第2の孔230を有し、第2の溝部22と第3の溝部23との間に位置する隔離層102の部分は第1の方向に沿って第2の端面100bまで延伸する第1の伝送部21を構成する。導波路層103は隔離層102の上方に位置し、第2の方向に沿う寸法が第2の端面100bに近い方向に沿って減少する傾向を呈し(
図2に示すように)、導波路層103は第1の伝送部21の表面からリブ状に突起した部分を含む。被覆層104は導波路層103の上方に位置し且つ導波路層103を被覆し、被覆層104は第1の伝送部21の表面に位置し且つ第1の方向に沿って第2の端面100bまで延伸する第2の伝送部41を含む。本開示の実施例において、第1の方向は第1の端面100aと第2の端面100bと直交し、第2の方向は第1の方向に直交し(即ち、第1の端面100aと第2の端面100bに平行である)且つサブストレート101の底面に平行である。
【0024】
本開示の実施例において、
図1を参照すると、サブストレート101の、隔離層102から遠く離れる一側面をその底面、隔離層102に近い一側面をその上面として定義し、これを方位参考として、ある層構造の、サブストレート101の底面からより遠く離れる一側をその上方、サブストレート101の底面により近い一側をその下方として定義することができる。説明すべきこととして、本開示の実施例において、定義された「頂」、「底」、「上」、「下」などは、絶対的な方位を指すものではないが、例えば、実際において、サブストレート101の底面は水平面と平行である必要がなく、水平面と任意の夾角をなしてもよい。
【0025】
本開示の実施例において、第1の端面100aと第2の端面100bに直交する方向を第1の方向として定義し、これは導波路層103における光の主な伝送方向でもあり、第2の方向は第1の端面100aと第2の端面100bに平行であり(第1の方向に直交する)且つサブストレート101の底面に平行である。第2の方向における寸法は即ち、以下で言及する幅の寸法である。
【0026】
図1に示すように、第1の端面100a及び第2の端面100bのほか、スポットサイズ変換器100はさらに、第1の端面100a及び第2の端面100bと交差する第1の側面100c及び第2の側面100dを含む。一つの実施例において、第1の側面100c及び第2の側面100dは第1の端面100a及び第2の端面100bに直交するが、本開示の実施例は、これに限定されるものではない。
【0027】
スポットサイズ変換器100の第1の端面100aはスポットサイズ変換器100の光送入側の端面として、第2の端面100bはスポットサイズ変換器100の光送出側の端面としてもよく、光は第1の端面100aにおける導波路層103の広い端からスポットサイズ変換器100に入り、第1の伝送部21と第2の伝送部41の、第2の端面100bに位置する端部から送出される。スポットサイズ変換器100の第1の端面100aはさらに、スポットサイズ変換器100の光送出側の端面として、第2の端面100bはスポットサイズ変換器100の光送入側の端面としてもよく、光は第1の伝送部21と第2の伝送部41の、第2の端面100bに位置する端部からスポットサイズ変換器100に入り、導波路層103にガイドされて、導波路層103の広い端から送出される。
【0028】
導波路層103の、第2の方向に沿う寸法は第2の端面100bに近い方向に沿って勾配減少する傾向を呈し、このように、導波路層103において伝送される光に対して、比較的緩やかなスポットサイズ変調を行うことができ、これにより、光伝送損失をできるだけ減少し、スポットサイズ変換器100の結合効率を向上させる。「導波路層103の、第2の方向に沿う寸法は第2の端面100bに近い方向に沿って勾配減少する傾向を呈する」ことは、導波路層103の、第2の方向に沿う寸法(即ち、幅)はその変化法則に応じて、少なくとも2つの部分に大別され、各部分は等幅設計又は幅漸進的変化設計を採用し、且つ第2の端面100bに近い部分ほど、その幅の平均値は小さくなる。
【0029】
本開示の他の実施例において、導波路層の、第2の方向に沿う寸法は第2の端面100bに近い方向に沿って、漸進的に減少する傾向を呈してもよく、これにより、導波路層の、第1の方向に沿う任意の2つの位置に対して、そのうち、第2の端面100bにより近い位置での幅の値はより小さくなる。
【0030】
第1の伝送部21と第2の伝送部41は第2の溝部22と第3の溝部23との間に位置し、且つ第1の溝部11の上方に位置することにより、第1の溝部11、第2の溝部22と第3の溝部23は光モードフィールドの第2方向における拡散を防止する役割を果たすことができ、これにより、光を第1の伝送部21と第2の伝送部41及び導波路層103内に集中させ伝播するように制限することができ、このように、光伝送損失を低減し、スポットサイズ変換器100の結合効率を向上させることにも有利である。
【0031】
そのため、本開示の実施例によるスポットサイズ変換器100の構造設計を採用して、集積光導波路と光ファイバとの間の結合効率を向上させ、スポットサイズ変換の光損失を低減することができる。
【0032】
スポットサイズ変換器の製造には通常、マイクロナノ加工技術が使用される。マイクロナノ加工とは寸法がサブミリメートル、ミクロン、ナノメートルスケールの素子及びこれらの素子で構成される部品又はシステムの最適化設計、加工、組立、システム統合及び応用技術を指す。本開示の実施例において、スポットサイズ変換器100を製造する場合、サブストレート基板(パターン化されず)にセパレータ層(パターン化されず)、導波路層103(パターン化)と被覆フィルム層(パターン化されず)を順に形成する必要がある。その後、上から下まで被覆フィルム層の一部とセパレータ層の一部をエッチングし除去することで、パターン化された被覆層104と隔離層102を形成し、即ち、第2の溝部22、第3の溝部23、複数の第1の孔220と複数の第2の孔230を形成する。そして、エッチングガス(プラズマガスなど)は複数の第1の孔220と複数の第2の孔230を通過し、サブストレート基板をエッチングすることにより、第1の溝部11を有するサブストレート101を形成する。従って、本開示の実施例の設計はさらにスポットサイズ変換器100のマイクロナノ加工プロセスを簡単かつ実現可能にする。
【0033】
本開示の実施例において、第2の溝部22及び第3の溝部23と第1の溝部11との間は隔離層102の一部によって間隔をあけられ、この部分は平板状で一定の厚みもあるので、前述したように複数の第1の孔220と複数の第2の孔230を介して、第1の溝部11に対するエッチングを実現することができる一方、スポットサイズ変換器100の構造に対して補強の役割を果たすこともでき、このように、スポットサイズ変換器100の構造全体としての確実性を向上させ、機械的衝撃に耐える能力が高くなる。
【0034】
従って、関連技術と比較して、本開示の実施例によるスポットサイズ変換器100の設計は、集積光導波路と光ファイバとの間の結合効率を向上させ、スポットサイズ変換の光損失を低減することができるだけでなく、スポットサイズ変換器100の構造確実性を向上させることもでき、製造プロセスも簡単で実現可能である。
【0035】
図2に示すように、導波路層103はリブ導波路を採用することができ、平板層31と、平板層31の、サブストレート101から離れる側に位置するリブ状突出層32とを含む。リブ導波路は、ドミナントモードのカットオフ周波数が低い、広い周波数帯域と低インピーダンスという特徴がある。本開示のいくつかの実施例において、導波路層103の屈折率n1、被覆層104の屈折率n2及び隔離層102の屈折率n3は、n1>n2、n1>n3を満たす。隔離層102と被覆層104の屈折率は導波路層103の屈折率より小さいことにより、光を主にリブ導波路で伝送するように制限させ、リブ導波管の上記の利点を十分に発揮させることができる。
【0036】
本開示の他の実施例において、導波路層103は、上記の平板層31を含まず、上記のリブ状突出層32のみを含んでもよい。
【0037】
導波路層103の具体的な構造形式は制限がない。
図2に示すように、いくつかの実施例において、導波路層103の平板層31は第2の端面100bから離れる方向に沿って順に設置される第1の等幅部分301、第1の幅漸増部分306、第2の等幅部分302、第2の幅漸増部分307、第3の等幅部分303を含み、リブ状突出層32は第2の端面100bから離れる方向に沿って順に設置される第4の等幅部分304、第3の幅漸増部分308、第5の等幅部分305を含み、ここで、各等幅部分の幅は処処で同じであり、各幅漸増部分の幅は第2の端面100bから離れる方向に沿って線形的又は非線形的に漸進的増加を呈する。
【0038】
図1に示す実施例では、導波路層103は第2の端面100bまで延伸する。本開示の別のいくつかの実施例において、導波路層の、第2の端面100bに近い狭端は第2の端面100bとの間に間隔があってもよい。なお、
図2に示すように、リブ状突出層32の狭端と平板層31の狭端との間には所定の間隔があってもよい。
【0039】
図1に示すように、本開示のいくつかの実施例において、第2の伝送部41の第2の方向に沿う寸法C2は第1の伝送部21の第2の方向に沿う寸法C1より小さく、即ち、第2の伝送部41は第1の伝送部21の表面からリブ状に突起することにより、光モードフィールドに対して、沈み込ませ変調する効果があるので、それを隔離層102により多く沈み込み入ることができ、第2の端面100bに形成されたスポットサイズの寸法がほぼ光ファイバのスポットサイズの寸法にマッチングするようにし、それによってスポットサイズ変換の光損失を低減し、結合効率を向上させる。
【0040】
図3に示すように、本開示の他のいくつかの実施例において、第2の伝送部41の第2方向に沿う寸法C2は第1の伝送部21の第2方向に沿う寸法C1と等しくてもよい。このように、エッチングプロセスが簡略化され、加工の難易度を低下させ、製造プロセスへの制御がより容易になり、より高い製造精度を得ることができる。
【0041】
本開示のいくつかの実施例において、第1の溝部の第2の方向に沿う寸法は第2の溝部と第3の溝部との互いに遠く離れる2つの側壁間の距離に等しい。即ち、第2の溝部と第3の溝部との互いに遠く離れる2つの側壁の、サブストレートの底面における正投影は第1の溝部の二つの側壁のとほぼ重なる。このような設計は、スポットサイズ変換器の結合効率需要を満たすだけでなく、上部構造に対するサブストレートの支持性を補強することもできることによって、構造の確実性と機械的衝撃に耐える能力をさらに向上させる。
【0042】
図1に示すように、本開示の別のいくつかの実施例において、第1の溝部11の第2の方向に沿う寸法C3は第2の溝部22と第3の溝部23との互いに遠く離れる2つの側壁間の距離C4より小さく、且つ第1の溝部11は第2の溝部22と第3の溝部23との互いに遠く離れる2つの側壁に対して、第2の方向において中央に設置される。即ち、第1の溝部11の二つの側壁のサブストレート101の底面における正投影は第2の溝部22と第3の溝部23との互いに遠く離れる2つの側壁のサブストレート101の底面における正投影の間に位置し、且つ中央のところに位置する。
【0043】
前述の実施形例と比較して、他のパラメータが変化しない前提で、この実施例は第1の溝部11の第2の方向に沿う寸法をより小さく設計するため、上部構造に対するサブストレート101の支持性をさらに補強し、スポットサイズ変換器100の構造の確実性がより高くなり、機械的衝撃に耐える能力をさらに補強することができる。なお、第1の溝部11は第2の溝部22と第3の溝部23との互いに遠く離れる2つの側壁に対して、中央に設置されるため、スポットサイズ変換器100の構造の力受け及び光伝送への影響を均衡的にし、構造設計や製造プロセスの面でも、より簡単で実現可能である。
【0044】
図4に示すように、本開示のいくつかの実施例において、第2の溝部22内には、第1方向に沿って間隔をあけて配列され且つ複数の第1の孔220を避ける複数の第1の支持部241が設けられ、複数の第1の支持部241は、第2の溝部22を複数の第1のサブ溝243に仕切り、このうち、第2の端面100bに近い第1のサブ溝243が第2の端面100bに露出し、第3の溝部23には、第1方向に沿って間隔をあけて配列され且つ複数の第2の孔230を避ける複数の第2の支持部242が設けられ、複数の第2の支持部242が第3の溝部23を複数の第2のサブ溝244に仕切り、このうち、第2の端面100bに近い第2のサブ溝244が第2の端面100bに露出する。
【0045】
サブストレート基板(パターン化されず)にセパレータ層(パターン化されず)、導波路層103(パターン化)と被覆フィルム層(パターン化されず)を順に形成した後、被覆フィルム層とセパレータ層をエッチングして、第1方向に沿って間隔をあけて配列される複数の第1のサブ溝243と複数の第2のサブ溝244を形成することができ、隣接する第1のサブ溝243の間は第1の支持部241であり、隣接する第2のサブ溝244の間は第2の支持部242である。第1の支持部241と第2の支持部242はスポットサイズ変換器100の構造確実性及び機械的衝撃に耐える能力をさらに向上させ、デバイスが輸送中又は組み立て中に他の構造によって損傷される確率を低減することができる。第1の支持部241と第2の支持部242の具体的な数は限定されず、スポットサイズ変換器100の具体的な構造形式、材質、仕様、寸法などと合わせて確定することができる。
【0046】
図1、
図3と
図4に示すように、本開示のこれらの実施例において、被覆層104は第1の側面100cと第2の側面100dまで延伸するが、幅全体は変わらない。
【0047】
本開示のいくつかの実施例において、被覆層全体の第2の方向に沿う寸法は第2の端面100bに近い方向に沿って減少する傾向を呈してもよい(図示せず)。このように、より多くの光が導波路層103と第2の伝送部41に入るようにガイドされ、スポットサイズ変換器100の結合効率をさらに向上させることができる。
【0048】
図5Aと
図5Bに示すように、本開示のいくつかの実施例はスポットサイズ変換器の製造方法500をさらに提供し、ここで、スポットサイズ変換器は、前述のいずれかの実施例におけるスポットサイズ変換器100であってもよく、その製造方法は、以下のステップS1~S5を含む。
【0049】
ステップS1では、サブストレート基板1010にセパレータ層1020を形成する。
【0050】
ステップS2では、セパレータ層1020に導波路層103を形成し、導波路層103の第2の方向に沿う寸法が第2の端面100bに近い方向に沿って減少する傾向を呈し、ここで、第2の方向は第1の端面100aと第2の端面100bに平行であり且つサブストレート基板1010の底面に平行である。
【0051】
ステップS3では、セパレータ層1020と導波路層103に被覆フィルム層1040を形成する。
【0052】
ステップS4では、被覆フィルム層1040とセパレータ層1020をエッチングすることで、被覆層104と隔離層102の構造を形成する。
【0053】
このステップで形成された被覆層104と隔離層102の構造において、隔離層102はその上面と第2の端面100bに露出する第2の溝部22と第3の溝部23とを有し、第2の溝部22の底部には複数の第1の孔220を有し、第3の溝部23の底部には複数の第2の孔230を有し、第2の溝部22と第3の溝部23との間に位置する隔離層102の部分は第1の方向に沿って第2の端面100bまで延伸する第1の伝送部21を構成し、被覆層104は導波路層103を被覆するとともに、第1の伝送部21の表面に位置し且つ第1の方向に沿って第2の端面100bまで延伸する第2の伝送部41を含み、ここで、第1の方向は第1の端面100a及び第2の端面100bと直交する。
【0054】
ステップS5では、複数の第1の孔220と複数の第2の孔230を透過して、サブストレート基板1010をエッチングすることによって、サブストレート101の構造を形成し、サブストレート101は、その上面と第2の端面100bに露出する第1の溝部11を有し、第2の溝部22が複数の第1の孔220を介して、第1の溝部11に連通し、第3の溝部23が複数の第2の孔230を介して、第1の溝部11に連通する。
【0055】
本開示の実施例の方法によって製造されるスポットサイズ変換器は、関連技術に比べて、集積光導波路と光ファイバとの間の結合効率を向上させ、スポットサイズ変換の光損失を低減することができるだけでなく、スポットサイズ変換器の構造確実性を向上させることもでき、製造プロセスも簡単で実現可能である。
【0056】
図6に示すように、いくつかの実施例では、前述ステップS4は、以下のサブステップS41及びサブステップS42を含むことができる。
【0057】
サブステップS41では、被覆フィルム層1040とセパレータ層1020をエッチングし、第1方向に沿って間隔をあけて配置される複数の第1のサブ溝243と、第1方向に沿って間隔をあけて配置され、且つ複数の第1のサブ溝243と第2方向において並んで配置される複数の第2のサブ溝244とを形成し、隣接する第1のサブ溝243の間に第1の支持部241を形成し、隣接する第2のサブ溝244の間に第2の支持部242を形成する。
【0058】
サブステップS42では、複数の第1のサブ溝243の底部に複数の第1の孔220をエッチングし、複数の第2のサブ溝244の底部に複数の第2の孔230をエッチングする。
【0059】
この実施例の方法によって製造されるスポットサイズ変換器は、複数の第1の支持部241と複数の第2の支持部242を有し、このように、スポットサイズ変換器の構造確実性及び機械的衝撃に耐える能力をさらに向上させ、デバイスが輸送中又は組み立て中に他の構造によって損傷される可能性を低減することができる。
【0060】
図7に示すように、本開示の実施例は、前述いずれか一つの実施例のスポットサイズ変換器100を含む光子デバイス1をさらに提供する。光子デバイス1の具体的な製品の種類が限定されず、例えば、電気光学変調器、スプリッター(Splitter)、スターカプラー(Star coupler)、可変光減衰器(Variable Optical Attenuator、VOA)、光スイッチ(Optical switch)、周波数コム(frequency comb)、アレイ導波路格子(Array Waveguide Grating、AWG)などであってもよい。
【0061】
スポットサイズ変換器100は光子デバイス1に集積し設置され、スポットサイズ変換器100の結合効率が高いため、光デバイス1の光損失が低く、性能が向上し、それに、スポットサイズ変換器100の構造確実性の向上により、光子デバイス1の確実性も向上する。
【0062】
理解すべきこととして、本明細書において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって指示された方位又は位置関係又は寸法は、図面によって示された方位又は位置関係又は寸法であり、これらの用語の使用は、単に説明の便宜上のためのものであり、指した装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は示唆するものではなく、そのため、本開示の保護範囲に対する制限として理解してはいけない。
【0063】
更に、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示するものや、これらにより示される技術の特徴の数を示唆するものではない。これにより、「第1」、「第2」、「第3」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本開示の説明において、別途に明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、二つ以上を意味する。
【0064】
本開示において、別途に明確な規定と限定がない限り、用語「取り付ける」、「互いに接続する」、「接続する」、「固定する」などの用語の意味は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、或いは一体的な接続でも可能である。機械的接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、通信であってもよく、直接接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、両素子の内部の連通又は両素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本開示における具体的な意味を理解することができる。
【0065】
本開示において、別途に明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるというのは、第1の特徴と第2の特徴とが直接的に接触することを含んでもよく、又は第1の特徴と第2の特徴が直接的に接触しないが中間媒体を介して間接に接触することを含んでもよい。しかも、第1の特徴が第2の特徴「の上」、「上方」及び「上部」にあるというのは、第1の特徴が第2の特徴の直上及び斜め上方にあることを含むか、又は、第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも高いことを表すに過ぎない。第1の特徴の第2の特徴「の下」、「下方」及び「下部」にあるというのは、第1の特徴が第2の特徴の直下及び斜め下方にあることを含むか、又は、第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも低いことを表すに過ぎない。
【0066】
本明細書は本開示を実現するために用いられる複数の異なる実施形態又は実例を提供する。これらの異なる実施形態又は実例は完全に例示的なものであり、任意の方式で本開示の範囲を限定するものとして用いられないことを理解されたい。本出願の明細書に開示された内容に基づき、当業者は様々な変更や置き換えを想到でき、これらはいずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって制限される保護範囲を基準とすべきである。