(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114685
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】嗅覚障害改善剤および嗅覚障害改善効果を有する月桃茶
(51)【国際特許分類】
A61K 36/9062 20060101AFI20240816BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20240816BHJP
A61K 31/01 20060101ALI20240816BHJP
A61K 31/35 20060101ALI20240816BHJP
A61K 31/045 20060101ALI20240816BHJP
A61K 31/216 20060101ALI20240816BHJP
A61K 33/30 20060101ALI20240816BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240816BHJP
A23F 3/34 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
A61K36/9062
A61P11/02
A61K31/01
A61K31/35
A61K31/045
A61K31/216
A61K33/30
A23L33/105
A23F3/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2024026978
(22)【出願日】2024-02-05
(31)【優先権主張番号】P 2023032285
(32)【優先日】2023-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523075268
【氏名又は名称】合同会社IBC
(72)【発明者】
【氏名】江村 真理子
【テーマコード(参考)】
4B018
4B027
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018MD61
4B018ME14
4B018MF01
4B027FB15
4B027FK08
4C086AA01
4C086BA08
4C086GA17
4C086HA03
4C086MA04
4C086MA16
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA34
4C088AB81
4C088AC01
4C088BA09
4C088BA11
4C088CA05
4C088MA16
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZA34
4C206AA01
4C206BA03
4C206BA04
4C206BA05
4C206CA08
4C206CA13
4C206CA14
4C206DB20
4C206KA18
4C206MA04
4C206MA36
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZA34
(57)【要約】
【課題】嗅覚障害発症後に短期間で回復しなかった嗅覚障害は完治するまで長期に至る場合があるが短期間で回復できる聴覚障害改善剤を提供する。
【解決手段】ショウガ科ハナミョウガ属植物体である月桃を加工した月桃茶から抽出された茶湯に含有する成分から成る嗅覚障害改善剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショウガ科ハナミョウガ属植物体である月桃を加工した月桃茶から抽出した茶湯の成分を含有する嗅覚障害改善剤。
【請求項2】
ショウガ科ハナミョウガ属植物体である月桃を加工した嗅覚障害改善月桃茶。
【請求項3】
請求項1記載の嗅覚障害改善剤の成分または請求項2記載の嗅覚障害改善月桃茶から抽出した茶湯を含有する飲料品。
【請求項4】
嗅覚障害改善を有する成分は、月桃茶から抽出した茶湯において水に可溶な成分と、水と乳化する成分と、水に不溶な成分のうち、少なくとも1つの成分を含有することを特徴とする請求項1記載の嗅覚障害改善剤。
【請求項5】
嗅覚障害改善を有する成分は、月桃茶から抽出した茶湯をガスクロマトグラフフィー質量分析法により検出したピークに該当する成分の少なくとも1つの成分を含有することを特徴とする請求項4記載の嗅覚障害改善剤。
【請求項6】
月桃茶から抽出した茶湯をガスクロマトグラフフィー質量分析法により検出したピークに該当する成分は、α-ピネン、α-テルピネン、(s)-リモネン、1,8シオネール、p-シメン、テルピネン4-オール、テルピネオール、ボルネオール、ゲラニオール、経皮酸メチル、ポリフェノールおよび定性分析できなかった成分であり、ポリフェノール単独成分を除く少なくとも1つの成分を含有することを特徴とする請求項5記載の嗅覚障害改善剤。
【請求項7】
嗅覚障害改善を有する成分は、請求項6記載のα-ピネン、α-テルピネン、(s)-リモネン、1,8シオネール、p-シメン、テルピネン4-オール、テルピネオール、ボルネオール、ゲラニオール、経皮酸メチル、ポリフェノールおよび定性分析できなかった成分であり、ポリフェノール単独成分を除く少なくとも1つの成分と、亜鉛を含有することを特徴とする請求項4記載の嗅覚障害改善剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嗅覚障害改善剤および嗅覚障害改善効果を有する月桃茶に関する。
【背景技術】
【0002】
ショウガ科ハナミョウガ属植物体である月桃について、原産地は東南アジアなどの熱帯から亜熱帯アジアに分布し、日本では九州南部、特に沖縄県に広く群生している。束生直立した茎は高さが約3mとなり、葉は楕円状針形で緑色であり、やや硬くて艶がある。また、花の蕾が桃のような形状をしていることから月桃と名付けられている。
【0003】
月桃の葉部、茎部、種子などには強力な抗炎・抗菌作用を有するために月桃から得られる蒸留エキス、精油などは防虫剤、防カビ剤、抗炎・抗菌剤などに使用されている。また、月桃から抽出された精油の成分には肌を引き締め、新陳代謝を高めて肌を活性化させ、シミやシワを改善する効果や、細胞中のコラーゲン合成を促す作用があることも最近になって分かってきており食用品や化粧品などにも使用されている。
【0004】
月桃成分の活用例として、特許文献1には、抗炎剤として月桃から抽出した液体をアルコールにより溶解した溶液を布類又は紙類に浸透させ、鼻孔に接近させ強く吸引又は目の患部に接近させ、瞬きを繰り返すことにより、花粉症又はアレルギー鼻炎体質のような鼻孔及び咽喉等の患部に応急的な好適な症状緩和剤となることが記載されている。
【0005】
特許文献2には、月桃の種子を乾燥・焙煎してなる月桃茶には健胃整腸、食欲増進、毒虫刺され、咳止め等の伝承効能だけでなく、血栓予防成分の存在も確認されており、当該特許文献には亜鉛が豊富に含まれていることにより味覚障害の防止などにも効果があると記載されている。
【0006】
月桃の独特な香りはアロマオイルとしても利用されており、非特許文献1には月桃の葉の香りは鎮静作用を持ち、ストレスや不安を和らげる働きがあることが記載、また、月桃エッセンシャルオイルもストレス・うつ・不安神経症などのメンタルトラブル軽減に取り入れることがあり芳香浴を楽しむことでリラックス状態に導くことが期待されている。
【0007】
ところで、2019年11月に中国湖北省武漢市で発見されたSARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因となり2020年に入って以降、未だに世界的流行を引き起こしている。非特許文献2は、第99回東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議の動画像であるが当該会議に使用された資料にオミクロン株119事例とデルタ株230事例による後遺症の内訳が報告されているが、オミクロン株で最も多かった症状は倦怠感で46%、咳22%、頭痛18%、息切れと嗅覚障害は10%、味覚障害8%の順番であった。一方、デルタ株では嗅覚障害については16%、味覚障害では12%という高い割合で症状が観察されることが新型コロナウイルス感染症の特徴である。
【0008】
また、新型コロナウイルス感染症後の後遺症発症率は1ケ月未満が約82%であり、改善率については後遺症発症後2か月から6か月の間に症状が改善した割合は約30%であり、残り約70%は症状が継続となっている。嗅覚障害に着目すると、当該症状発生後2か月から6か月の間に症状が改善した割合は25%であり、残り75%は症状が継続していることがわかる。
【0009】
嗅覚障害の療法については原因によって異なるが、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が原因と考えられる場合には鼻洗浄や点鼻薬、内服薬の処方など、好酸球性副鼻腔が原因の嗅覚障害は手術などの後も定期的な内服や再手術を要することが多い。感冒後の嗅覚障害についてはウイルスによる神経炎を生じることに起因するが完治には数年(自然回復率は1年以内での3割程度、3年近くで6割以上)を要する疾患であるため根気よくリハビリテーションを続けていくのが重要であると言われている。
【0010】
一方、新型コロナウイルス感染症後の嗅覚障害については、鼻腔粘膜に強く発現したACE2受容体とSARSコロナウイルス2が結合し、鼻腔粘膜を通り抜け細胞内に感染していく過程で嗅覚神経経路がダメージを受けることによるものと考えられている。ACE2受容体を発現している嗅上皮支持細胞、繊毛細胞、ボウマン腺細胞、水平基底細胞、嗅球周波細胞などがSARSコロナウイルス2のターゲットとなっている可能性が高く、嗅覚上皮や嗅球の支持細胞や血管周辺細胞にウイルスが感染して、その結果嗅神経ニューロンの機能を低下させていることがわかってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平10-330276号公報
【特許文献2】特開2003-199541号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】https://d-nagaya.com/aroma/post-449/
【非特許文献2】https://tokyodouga.jp/nOlwscvkxko.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述したように、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔が原因の嗅覚障害では鼻洗浄や点鼻薬、内服薬の処方、場合によっては手術も行うが、感冒後や新型コロナウイルス感染症の発症後1ケ月以内であればステロイドの内服治療など行われ。しかし、発症から時間が経過(3ケ月以上)しても改善が見られない場合には、漢方薬、ビタミンB12や亜鉛が含まれている薬剤、アロマオイルの吸引によるリハビリテーションなどが行われている。
【0014】
アロマオイルの吸引によるリハビリテーションには一般的には水蒸気蒸留法により抽出された精油を希釈したアロマオイルが用いられている。水蒸気蒸留により抽出した月桃の精油には1,8シオネール、p-シメン、テルピネン4-オール、ボルネオール、ゲラニオール、経皮酸メチルなどの匂い成分が含有されているが当該匂い成分の吸引だけでは嗅覚障害を改善することができないことを意味している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題に鑑み、発明者は誠意工夫の結果、ショウガ科ハナミョウガ属植物体である月桃を加工した月桃茶から抽出される茶湯を飲用することで嗅覚障害を改善する効果があることを見出した。尚、本発明の「月桃茶」とは、月桃の葉、茎、又は種子の少なくとも一つの部位を含有する乾燥前の月桃茶および乾燥後の月桃茶を意味する。
【0016】
月桃茶の加工については、収穫した月桃の葉、茎、種子を洗浄し、葉、茎については幅2~5mmのサイズで裁断し生茶としての利用も可能であるが、好ましくは当該裁断された月桃を天日干し、若しくは加熱により乾燥茶とすることで月桃の植物細胞が壊れやすくなり有効成分を効率よく抽出できる。尚、茶葉サイズについては前記幅2~5mmサイズに限定するものでなく粉末状にすることも可能であり、乾燥方法についてはフリーズドライ法を使用することなども可能である。
【0017】
本発明の第一実施形態は、ショウガ科ハナミョウガ属植物体である月桃を加工した月桃茶から抽出した茶湯に存在する成分を含有する嗅覚障害改善剤であり、月桃から抽出した茶湯を加熱濃縮や減圧濃縮すればよい。性状としては液状を呈し、医薬品としては経口剤としてカプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、錠剤等の剤型をとる。または、月桃の葉、茎、種子を乾燥・粉末化させ粉薬として使用することも可能である。
【0018】
本発明の第二実施形態は、ショウガ科ハナミョウガ属植物体である月桃を加工した嗅覚障害改善月桃茶であり、月桃茶を水もしくは湯により抽出した茶湯を飲用すればよい。粉末乾燥された月桃茶の場合に於いては、月桃茶粉末を抹茶粉のように食品に散布・添加して食するなどすれば本発明の効果が得られるものと推察している。
【0019】
本発明の第三実施形態は、第一実施形態である嗅覚障害改善剤または第二実施形態である月桃茶から抽出された茶湯を含有してなる飲料品であり、嗅覚障害改善剤を紅茶やハーブ茶などに混合する方法、月桃茶から抽出させた茶湯を緑茶や紅茶などと混合させる方法である。或いは、月桃乾燥粉末を緑茶や紅茶などと混合させた飲料としてもよい。
【0020】
上述したように感冒後や新型コロナウイルス感染症後に発症した嗅覚障害者に対して、水蒸気蒸留法により製造された月桃から抽出した精油を使用したアロマオイルの匂いを嗅ぐリハビリテーションにて短期間にて回復した事例がない。従い、月桃による嗅覚障害の改善については、当該アロマオイルから昇華する匂い成分だけでなく、月桃茶として抽出された茶湯に存在する成分が効果を有していることが分かる。
【0021】
月桃茶として抽出された茶湯に存在する成分については、水に可溶な成分だけでなく、水と乳化する成分や水に不溶な成分が含まれており、上記3成分の少なくとも1つの成分が嗅覚障害を改善するものと考えている。
【0022】
月桃には亜鉛と水溶性のポリフェノールが多く含まれると特許文献2に記載されているが、赤ワインも上記2つの成分が豊富に多く含まれる。しかし、ワイン消費量の多いアメリカ、フランス、イタリアおよびドイツなどに於いて新型コロナウイルス感染症後に発症する嗅覚障害者数が少ないという報告や赤ワインが嗅覚改善の効果があるとの報告はないことから、ポリフェノールと亜鉛を単独若しくは両方を飲用するだけでは嗅覚障害改善効果は期待できないということである。
【0023】
従って、月桃から抽出された茶湯に含まれる嗅覚障害改善効果を期待できる成分としては、ポリフェノールと亜鉛を除いた他の抽出成分の少なくとも一方の成分、若しくはポリフェノールと亜鉛の少なくとも一方の成分と前記他の抽出成分の少なくとも一方の成分を組み合わせた成分であると推察される。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、嗅覚障害を早期に改善することができるために長期治療やリハビリテーションを必要とせず患者への負担を大幅に低減できる。また、一般的な医薬とは異なり古くから月桃は飲用物や漢方薬などとして使用してきたこともあり安心・安全に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に使用した長崎県産の月桃を水蒸気蒸留にて抽出したエキスのガスクロマトグラフィー質量分析法によって得られたクロマトグラム
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る実施の形態を説明するが、本発明の範囲は本実施形態に制限されるものではない。具体的には月桃を乾燥させた後に粉末とし、水に抽出することなく直接粉末として飲食することも可能である。
【実施例0027】
本発明に使用した長崎県産の月桃を水蒸気蒸留法にて抽出したエキス(精油)を新型コロナウイルス感染症後に発症した嗅覚障害者に対して、匂いを嗅ぐリハビリテーションを4週間ほど実施したが改善効果は観察されなかった。
【0028】
上述した月桃から抽出したエキスのガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS分析法)によって得られたクロマトグラムを
図1に示しているが、匂い成分である1,8シオネール、テルピネン4オール、ボルネオール、経皮酸メチルなどのピークを検出し、市販品の沖縄産月桃から抽出さる精油の成分と同類であることを確認した。
【0029】
月桃茶の加工方法については、長崎県内で栽培した月桃の葉を採取し洗浄・水気を取った後にフードカッターにて5mmサイズ程度になるように裁断、その後食品乾燥機内にて80度の熱風で5時間乾燥させた。次に、前記裁断したサイズが揃うように手もみにて調整し、内容物が1gの重さになるように前記乾燥月桃をティーパックに充填させた。
【0030】
長年臭覚障害で悩んでいる患者に前記月桃茶を飲用することを勧めたところ、飲用から2週間後に塩味とアイスクリームの味が僅かに感じ始め、3週間後には急激に嗅覚が改善、その後、継続して飲用することにより2ヶ月後には嗅覚障害が略完治したことを聞いた。具体的な摂取条件については、前記ティーパック1個を1リットルの水に投入し、加熱・煮沸後5分煮立て得られた月桃茶湯180ミリリットルを毎日1杯飲用することであった。
【0031】
月桃茶の茶湯が嗅覚障害の改善に有効であることを確認できたので、新型コロナウイルス感染症後に嗅覚障害を発症した者に対する当該有効性についての実証実験を試みた。嗅覚障害を発症した患者と未感染者(嗅覚障害なし)に前記条件で抽出した月桃茶180ミリリットルを3回/日飲用させた結果、嗅覚障害を発症した患者については飲用開始から2週間経過したあたりで嗅覚の改善がみられ始め3週間目には略完治したことを口頭にて確認した。一方、未感染者については嗅覚が更に鋭くなったとの結果は出ず現状維持とのことであった。
【0032】
発明者は本発明の月桃茶(嗅覚障害を改善する旨は謡っていない)を販売しているが、新型コロナウイルス感染症後に嗅覚障害を発症し治療を受けても治らなかった顧客が自社月桃茶を飲用したところ2週間ほど経過した時に嗅覚の改善がみられたとのことで再購入された。このことも当該月桃茶の茶湯には嗅覚障害改善効果があることを証明している。
【0033】
月桃の茎を使用した月桃茶について、ティーパック1個を1リットルの水に投入し、加熱・煮沸後5分煮立て得られた月桃茶湯を新型コロナウイルス感染症発症後に味覚障害を生じた患者に180ミリリットルを3回/日飲用した結果、飲用開始から2週間経過したあたりで嗅覚の改善がみられ、1ケ月半後には更に改善、2ヶ月後には略完治したことを口頭確認した。因みに、上記患者は味覚障害も発症していたが同時に改善効果を確認したとのことから特許文献2に記載の月桃茶に大量に含まれる亜鉛による改善効果であると推察している。
【0034】
月桃の茎を使用した月桃茶の加工方法は、洗浄・水気を取った後にフードカッターにて3mmサイズ程度になるように裁断、その後食品乾燥機内で80度の熱風で8時間乾燥し、内容物が1gの重さになるように乾燥月桃をティーパックに充填させた。月桃の種子を使用した月桃茶の製造方法については、種子を洗浄・水気を取った後に食品乾燥機内で80度の熱風で8時間乾燥させた。内容物が1gの重さになるように乾燥月桃をティーパックに充填した。
【0035】
月桃茶の茶湯の成分については、各部位から加工した月桃茶のティーパックをそれぞれ1リットルの水に投入し、加熱・煮沸後5分煮立て得られた茶湯をGC/MS分析法により測定を行ったが各部位で同じ成分が検出された。一例として、月桃の葉から加工した月桃茶の茶湯の分析結果を表1に示すが、α-ピネン、(s)-リモネン、1,8シオネール、p-シメン、テルピネン4-オール、テルピネオール、ボルネオールおよび定性できなかった複数の未知の成分が検出された。当該月桃茶の茶湯を濃縮してGC/MS分析法を行うことでα-テルピネン、ゲラニオール、経皮酸メチルも存在することを確認した。
【0036】
別の実施例として、水蒸気蒸留により抽出した月桃の精油をGC/MS分析法により測定を行った結果、リテンションタイム20.12分にポリフェノール類の一つであるレスベラトロールを含有していることも確認している。このことからスベラトロールは水溶性であるため月桃茶から抽出した茶湯の成分にもレスベラトロールが含まれるものと推察している。
【0037】