(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114708
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】ロータリーエンジン、その部品、および方法
(51)【国際特許分類】
F01B 31/06 20060101AFI20240816BHJP
F02B 53/00 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
F01B31/06
F02B53/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024089232
(22)【出願日】2024-05-31
(62)【分割の表示】P 2022507795の分割
【原出願日】2020-01-16
(31)【優先権主張番号】62/884,771
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/894,567
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/732,318
(32)【優先日】2020-01-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522050125
【氏名又は名称】アストロン エアロスペース エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ライリー,マシュー
(57)【要約】
【課題】ロータリーエンジン、その部品、およびそれに関連する方法を提供する。
【解決手段】エンジンは、モジュール式で、様々な要件および選好に対応するように調整可能であるこのシステムは、ハウジングとその中に位置付けられているパワーロータとを有する燃焼アセンブリを含む。パワーロータは、各燃焼プロセスの開始から各排気プロセスの終了まで、第1の方向に回転する。このシステムはまた、圧縮ロータが各吸気プロセスの開始から各圧縮プロセスの終了まで第1の方向に回転するように、燃焼アセンブリに連結された圧縮アセンブリを含む。圧縮アセンブリおよび燃焼アセンブリと流体連通するタンクアセンブリは、システムに安定性を提供するとともに、過渡的な損失を排除または低減する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃エンジンであって、
作動流体を圧縮するように構成されている、圧縮アセンブリと、
前記作動流体の膨張から動力を生成するように構成されている、燃焼アセンブリと、を備え、
前記エンジンが、前記エンジンの動作中に、吸入圧縮対動力排出比を独立して構成する能力を可能にする、エンジン。
【請求項2】
前記エンジンの各圧縮行程中に圧縮された作動流体量が、前記エンジンの各燃焼行程中に膨張した作動流体量よりも多い、請求項1に記載のエンジン。
【請求項3】
各圧縮行程中に圧縮された前記作動流体量が、各燃焼行程中に膨張した前記作動流体量の2/3である、請求項2に記載のエンジン。
【請求項4】
前記圧縮アセンブリによって前記作動流体を圧縮するために必要とされる前記動力の少なくとも一部が、前記燃焼アセンブリ内の前記作動流体の膨張によって提供される、請求項2に記載のエンジン。
【請求項5】
前記圧縮アセンブリが、圧縮構成の内外に移動可能であるように構成され、前記圧縮アセンブリが、それが前記圧縮構成にあるときに、作動流体を圧縮するように構成され、前記圧縮アセンブリが、それが前記圧縮構成にないときに、それが作動流体を圧縮しないように構成され、それにより、そのようなときに、前記圧縮アセンブリを駆動するために必要とされる前記動力量を低減する、請求項4に記載のエンジン。
【請求項6】
吸入圧縮対動力排出比を独立して構成することが、前記圧縮アセンブリを前記圧縮構成の内外に移動させることを含む、請求項5に記載のエンジン。
【請求項7】
前記圧縮アセンブリが、閉鎖構成と開放構成との間で移動可能であるリリーフポートを画定し、それにより、前記圧縮アセンブリをそれぞれ前記圧縮構成の内外に移動させる、請求項5に記載のエンジン。
【請求項8】
第1の量の前記作動流体を保持するためのタンクアセンブリをさらに備え、前記第1の量の前記作動流体が、各圧縮行程中に圧縮された前記作動流体量よりも多い、請求項2に記載のエンジン。
【請求項9】
前記第1の量の前記作動流体が、前記エンジンの各膨張行程において膨張した前記作動流体量の10倍を超える、請求項8に記載のエンジン。
【請求項10】
前記作動流体が、第1のゲージ圧で前記燃焼チャンバに進入し、前記第1のゲージ圧が、50ポンド/平方インチよりも大きい、請求項2に記載のエンジン。
【請求項11】
内燃エンジンから動力を生成する方法であって、
前記エンジンの第1の動力行程中に、前記エンジンの燃焼アセンブリ内で、第1の量の作動流体を膨張させることと、
前記エンジンの第1の圧縮行程中に、前記エンジンの圧縮アセンブリ内で、第2の量の作動流体を圧縮することであって、前記エンジンの前記第1の動力行程が、前記エンジンが第1の吸入圧縮対動力排出比を有するように、前記エンジンの前記第1の圧縮行程と同時である、圧縮することと、
前記エンジンの前記第1の圧縮行程の直後の前記エンジンの動作中に、前記エンジンの
前記吸入圧縮対動力排出比を変更することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記エンジンの各圧縮行程中に圧縮された作動流体量が、前記エンジンの各燃焼行程中に膨張した作動流体量よりも多い、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各圧縮行程中に圧縮された前記作動流体量が、各燃焼行程中に膨張した前記作動流体量の2/3である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記圧縮アセンブリによって前記作動流体を圧縮するために必要とされる前記動力の少なくとも一部が、前記燃焼アセンブリ内の前記作動流体の膨張によって提供される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記エンジンの前記第1の圧縮行程の直後に前記圧縮アセンブリを圧縮構成の外に移動させることをさらに含み、
前記圧縮アセンブリが、それが前記圧縮構成にあるときに、作動流体を圧縮するように構成され、
前記圧縮アセンブリが、それが圧縮構成にないときに、それが作動流体を圧縮しないように構成され、それにより、そのようなときに、前記圧縮アセンブリを駆動するために必要とされる前記動力量を低減し、
前記エンジンの前記第1の圧縮行程の直後に前記エンジンの前記吸入圧縮対動力排出比を変更することが、前記圧縮アセンブリを前記圧縮構成の外に移動させることを含み、
前記圧縮アセンブリを前記圧縮構成の外に移動させることが、前記圧縮アセンブリのリリーフポートを閉鎖構成から開放構成に移動させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1の量の作動流体を前記エンジンのタンクアセンブリ内に保持することをさらに含み、前記第1の量の作動流体が、前記エンジンの各圧縮行程中に圧縮された作動流体量よりも多い、請求項12に記載のエンジン。
【請求項17】
前記第1の量の作動流体が、前記エンジンの各膨張行程において膨張した前記作動流体量の10倍を超える、請求項16に記載のエンジン。
【請求項18】
前記作動流体が、第1のゲージ圧で前記燃焼チャンバに入り、前記第1のゲージ圧が、50ポンド/平方インチよりも大きい、請求項18に記載のエンジン。
【請求項19】
内燃エンジン内の熱を低減する方法であって、
前記エンジンの第1の動力行程中に、前記エンジンの燃焼アセンブリ内で、第1の量の作動流体を膨張させることと、
前記エンジンの第2の動力行程中に、前記エンジンの燃焼アセンブリ内で、第2の量の作動流体を膨張させることと、を含み、
前記第1の動力行程が、前記第1の動力行程中に第1の量の熱エネルギーが第1のチャージから前記エンジンに伝達されるように、前記第1のチャージの点火、および前記第1のチャージの作動流体の後続の膨張を含み、
前記第1のチャージが、前記第1の量の作動流体および第1の量の第1の燃料を含み、
前記第2の動力行程が、前記第1の動力行程の直後に続き、
熱エネルギーが、前記第2の動力行程中に、前記エンジンから前記第2の量の作動流体に伝達される、方法。
【請求項20】
前記第2の動力行程が、前記第2の量の作動流体を膨張させることからなる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
燃焼アセンブリを備える内燃エンジンであって、前記燃焼アセンブリが、
内部領域を画定する内面を有する燃焼ハウジングと、
前記燃焼ハウジングの前記内部領域内に位置付けられている、パワーロータであって、前記燃焼ハウジングの前記内面から変位した外面を有し、それにより、燃焼チャンバを画定する、パワーロータと、
前記パワーロータから延びる、駆動シャフトと、
前記パワーロータの前記外面から前記燃焼ハウジングの前記内面に向かって延びる、第1の膨張部材と、を備え、
前記第1の膨張部材が、前記エンジンの動力行程中に、前記燃焼チャンバを膨張セクションおよび排気セクションに区分けし、
前記排気セクションが、第1のチャージの膨張した作動流体の排出を容易にするように構成され、
前記膨張セクションが、第2のチャージの作動流体の膨張に関連する動力生成を容易にするように構成され、
前記第1の膨張部材が、前記パワーロータが第1の軸の周りを回転するときに、前記膨張部材が前記燃焼チャンバを通って移動するように前記パワーロータに結合され、前記第1の軸が、前記駆動シャフトの長手方向中心軸と一致し、
前記駆動シャフトが、前記駆動シャフトの回転速度が前記パワーロータの回転速度に等しくなるように、前記パワーロータに結合され、
前記燃焼ハウジングが、吸気ポートおよび排気ポートを画定し、前記吸気ポートが、前記燃焼チャンバの第1の端部に位置付けられ、前記排気ポートが、前記燃焼チャンバの第2の端部に位置付けられている、内燃エンジン。
【請求項22】
前記燃焼アセンブリが、前記燃焼ハウジングの前記内部領域内に少なくとも部分的に位置付けられている、燃焼アイソレータであって、前記燃焼チャンバの前記第1の端部の少なくとも一部を画定するように、前記パワーロータの前記外面に隣接して位置付けられている外面を有する、燃焼アイソレータ、をさらに含み、
前記燃焼アイソレータが、前記第1の膨張部材が前記排気ポートから前記吸気ポートに向かって移動するときに、前記第1の膨張部材を受容するように構成されている、第1のレセプタクルを画定し、それにより、前記第2のチャージの前記作動流体の前記燃焼チャンバからの排出を容易にし、
前記燃焼アイソレータが、第2の軸の周りを回転し、前記第2の軸が、前記第1の軸と平行であるが、前記第1の軸から変位している、請求項21に記載のエンジン。
【請求項23】
前記燃焼アイソレータから延びる同期シャフトをさらに備え、前記第2の軸が、前記同期シャフトの長手方向中心軸と一致し、
前記同期シャフトが、前記同期シャフトの回転速度が前記燃焼アイソレータの回転速度に等しくなるように、前記燃焼アイソレータに結合され、
前記同期シャフトの回転が、前記パワーロータの連続的な一方向回転を容易にするように、前記駆動シャフトの回転に対してタイミングがとられる、請求項22に記載のエンジン。
【請求項24】
圧縮アセンブリをさらに備え、前記圧縮アセンブリが、
内部領域を画定する内面を有する圧縮ハウジングと、
前記圧縮ハウジングの前記内部領域内に位置付けられている、圧縮ロータであって、前記圧縮ハウジングの前記内面から変位している外面を有し、それにより、圧縮チャンバを画定する、圧縮ロータと、
前記圧縮ロータの前記外面から前記圧縮ハウジングの前記内面に向かって延びる、第1の圧縮部材と、を含み、
前記第1の圧縮部材が、前記エンジンの圧縮行程中に、圧縮チャンバを吸気セクションおよび圧縮セクションに区分けし、
前記吸気セクションが、圧縮性流体を前記圧縮アセンブリの前記圧縮チャンバに引き込むことを容易にするように構成され、
前記圧縮セクションが、前記圧縮性流体の圧縮を容易にするように構成され、
前記第1の圧縮部材が、前記圧縮ロータが前記第1の軸の周りを回転するときに、前記膨張部材が前記圧縮チャンバを通って移動するように、前記圧縮ロータに結合され、
前記駆動シャフトが、前記圧縮ロータの回転速度が前記駆動シャフトの回転速度に等しくなるように、前記圧縮ロータに結合されている、請求項21に記載のエンジン。
【請求項25】
前記圧縮アセンブリが、前記圧縮ハウジングの前記内部領域内に少なくとも部分的に位置付けられている、圧縮アイソレータであって、前記圧縮チャンバの第1の端部の少なくとも一部を画定するように、前記圧縮ロータの前記外面に隣接して位置付けられている外面を有する、圧縮アイソレータ、をさらに含み、
前記圧縮アイソレータが、前記第1の圧縮部材が前記圧縮アイソレータを通過するときに、前記第1の圧縮部材を受容するように構成されている、第1のレセプタクルを画定し、
前記圧縮アイソレータが、第2の軸の周りを回転し、前記第2の軸が、前記第1の軸と平行であるが、前記第1の軸から変位している、請求項24に記載のエンジン。
【請求項26】
前記圧縮アイソレータから延びる、同期シャフトをさらに備え、前記第2の軸が、前記同期シャフトの長手方向中心軸と一致し、
前記同期シャフトが、前記同期シャフトの回転速度が前記圧縮アイソレータの回転速度に等しくなるように、前記圧縮アイソレータに結合され、
前記同期シャフトの回転が、前記圧縮ロータの連続的な一方向回転を容易にするように、前記駆動シャフトの回転に対してタイミングがとられる、請求項25に記載のエンジン。
【請求項27】
前記圧縮ロータと前記圧縮ハウジングとの間のギャップが、毎分5,000回転を超える速度で流体を圧縮するのを容易にするようなサイズであり、前記エンジンが、シーリング剤を前記圧縮チャンバに噴射するための、作用剤噴射システムをさらに備え、それにより、毎分5,000回転未満の速度で流体を圧縮するのを容易にする、請求項26に記載のエンジン。
【請求項28】
前記圧縮ハウジングの第1の位置と流体連通する、ベントシステムであって、前記第1の位置が、前記圧縮チャンバと前記駆動チューブの外面との間に、流体が前記駆動チューブの前記外面に沿って前記圧縮ハウジングから移動するのを防止するように、位置付けられている、ベントシステム、をさらに備える、請求項26に記載のエンジン。
【請求項29】
前記燃焼ハウジングの第1の位置と流体連通する、ベントシステムであって、前記第1の位置が、前記燃焼チャンバと前記駆動チューブの外面との間に、流体が前記駆動チューブの前記外面に沿って前記燃焼ハウジングから移動するのを防止するように、位置付けられている、ベントシステム、をさらに備える、請求項28に記載のエンジン。
【請求項30】
前記燃焼ハウジングの第1の位置と流体連通する、ベントシステムであって、前記第1の位置が、前記燃焼チャンバと前記駆動チューブの外面との間に、流体が前記駆動チューブの前記外面に沿って前記燃焼ハウジングから移動するのを防止するように、位置付けられている、ベントシステム、をさらに備える、請求項21に記載のエンジン。
【請求項31】
内燃エンジンを組み立てる、方法であって、
パワーロータを駆動シャフトに結合することと、
前記駆動シャフトおよび前記パワーロータが第1の軸の周りを回転することができるように、前記駆動シャフトを燃焼ハウジングと係合させることであって、前記第1の軸が、前記駆動シャフトの長手方向中心軸と一致している、係合させることと、
前記パワーロータを前記燃焼ハウジング内に封入し、それにより、封入された燃焼チャンバを生成すること、を含み、
前記燃焼ハウジングが、吸気ポートおよび排気ポートを画定し、前記吸気ポートおよび前記排気ポートのそれぞれが、前記燃焼チャンバと流体連通しており、
前記パワーロータが、前記燃焼チャンバの膨張セクションを前記燃焼チャンバの排気セクションから分離するための膨張部材を含み、前記排気ポートが、前記燃焼チャンバの前記排気セクションと流体連通しており、
前記膨張部材が、前記排気ポートを通過して回転するように構成され、それにより、前記燃焼チャンバの前記膨張セクションを前記燃焼チャンバの排気セクションに変換する、方法。
【請求項32】
燃焼アイソレータを同期シャフトに結合することと、
前記同期シャフトおよび前記燃焼アイソレータが第2の軸の周りを回転することができるように、前記同期シャフトを前記燃焼ハウジングと係合させることであって、前記第2の軸が、前記同期シャフトの長手方向中心軸と一致している、係合させることと、
前記燃焼ハウジング内に前記燃焼アイソレータを封入することと、
前記膨張部材が前記排気ポートから前記吸気ポートに向かって移動するときに、前記燃焼アイソレータの第1のレセプタクルが前記膨張部材を受容するように、前記駆動シャフトに対して前記同期シャフトの回転のタイミングをとることと、をさらに含み、
前記第2の軸が、前記第1の軸と平行であるが、前記第1の軸から変位している、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記燃焼チャンバの第1の端部の少なくとも一部を画定するように、前記燃焼アイソレータの外面が、前記パワーロータの外面に隣接して位置付けられ、前記吸気ポートが、前記燃焼チャンバの前記第1の端部に位置付けられている、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
駆動ギアを前記駆動シャフトに結合することと、
同期ギアを前記同期シャフトに結合することと、
前記駆動ギアを前記同期ギアと噛み合わせ、それにより、前記駆動シャフトに対して前記同期シャフトの回転のタイミングをとることと、をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記圧縮ロータの回転が、前記パワーロータの回転によって少なくとも部分的に駆動することができるように、圧縮ロータを前記駆動シャフトに結合することと、
圧縮ハウジング内に前記圧縮ロータを封入し、それにより、密閉された圧縮チャンバを生成することと、を含み、
前記圧縮ハウジングが、入口ポートおよび出口ポートを画定し、前記入口ポートおよび前記出口ポートのそれぞれが、前記圧縮チャンバと流体連通しており、
前記圧縮ロータが、前記圧縮チャンバの入口セクションを前記圧縮チャンバの圧縮セクションから分離するための圧縮部材を含み、前記入口ポートが、前記圧縮チャンバの前記入口セクションと流体連通しており、
前記圧縮部材が、前記入口ポートを通過して回転するように構成され、それにより、前記圧縮チャンバの前記入口セクションを前記圧縮チャンバの圧縮セクションに変換する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
圧縮アイソレータの回転が前記圧縮ロータの回転に対してタイミングがとられるように
、前記圧縮アイソレータを前記同期シャフトに結合することと、
前記圧縮ハウジング内に前記圧縮アイソレータを封入することと、をさらに含み、
前記圧縮部材が前記出口ポートから前記入口ポートに向かって移動するときに、前記圧縮アイソレータの第1のレセプタクルが、前記圧縮部材を受容する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記圧縮部材が前記出口ポートから前記入口ポートに回転するときに、流体が前記圧縮部材と前記圧縮アイソレータとの間に閉じ込められないように、前記圧縮出口ポート、前記圧縮部材、および前記圧縮アイソレータの前記第1のレセプタクルを形作ること、をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
回転バルブを前記駆動シャフトに、前記回転バルブの開口部が前記第1の軸の周りを回転するように、結合し、それにより、前記開口部を吸気ポートと整列させるように、および整列させないように、移動させること、をさらに含み、前記開口部が前記吸気ポートと整列しているときに、前記吸気ポートが、開放構成にある、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
タンクアセンブリを、前記吸気ポートが前記開放構成にあるときに、前記タンクアセンブリが前記燃焼チャンバと流体連通するように、前記燃焼アセンブリと係合させることであって、前記タンクアセンブリが、ある量の加圧された流体を保持するように構成され、前記加圧された流体の一部分が、前記エンジンの各動力行程の開始時に前記燃焼チャンバに送り込まれ、それにより、前記動力行程に作動流体を提供する、係合させること、をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記吸気ポートが前記開放構成にあるときに、前記吸気ポートを通って前記燃焼チャンバに燃料を噴射するための燃料インジェクタを位置付けることおよび方向付けることであって、前記燃料インジェクタの少なくとも一部が前記タンクアセンブリ内に位置している、位置付けることおよび方向付けること、をさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
内燃エンジンであって、
燃焼チャンバ、吸気ポート、および排気ポートを画定する、燃焼アセンブリであって、前記吸気ポートおよび前記排気ポートが、前記燃焼チャンバと流体連通している、燃焼アセンブリと、
前記燃焼アセンブリに関連する、バルブ部材であって、前記吸気ポートを、開放構成と閉鎖構成との間で移動させるように構成されている、バルブ部材と、
前記吸気ポートが前記開放構成にあるときに、前記燃焼アセンブリと流体連通している、タンクアセンブリと、を備え、
前記タンクアセンブリが、ある量の加圧された流体を保持するように構成され、前記加圧された流体の一部分が、前記エンジンの各動力行程の開始時に前記燃焼チャンバに送り込まれ、それにより、前記動力行程に作動流体を提供し、
前記燃焼アセンブリが、前記作動流体が前記排気ポートに向かって膨張するときに、第1の軸の周りを回転するように構成されている、パワーロータであって、前記作動流体の前記膨張が、前記パワーロータを回転させるための動力を提供する、パワーロータ、を備える、内燃エンジン。
【請求項42】
前記圧縮アセンブリから延びる、駆動シャフトであって、前記第1の軸が、前記駆動シャフトの長手方向中心軸と一致している、駆動シャフト、をさらに備え、前記駆動シャフトが、前記駆動シャフトの回転速度が前記パワーロータの回転速度に等しくなるように、前記パワーロータに結合されている、請求項41に記載のエンジン。
【請求項43】
前記バルブ部材が、前記回転バルブによって画定される開口部が前記第1の軸の周りを
回転するように、前記駆動シャフトに結合された回転バルブであり、前記回転バルブの前記開口部が前記吸気ポートと整列しているときに、前記吸気ポートが、前記開放構成にある、請求項42に記載のエンジン。
【請求項44】
前記吸気ポートが前記開放構成にあるときに、前記吸気ポートを通って前記燃焼チャンバに燃料を噴射するために位置付けられている、および方向付けられている、燃料インジェクタであって、前記燃料インジェクタの少なくとも一部が、前記タンクアセンブリ内に位置付けられている、燃料インジェクタ、をさらに備える、請求項43に記載のエンジン。
【請求項45】
前記ある量の加圧された流体のゲージ圧が、30ポンド/平方インチを超える、請求項41に記載のエンジン。
【請求項46】
前記ある量の加圧された流体のゲージ圧が、約300ポンド/平方インチを超える、請求項41に記載のエンジン。
【請求項47】
前記燃焼アセンブリが点火チャンバと、前記点火チャンバと前記燃焼チャンバとの間に延びる第1の点火トンネルと、を画定し、前記点火チャンバ内の空燃混合気が、前記燃焼チャンバ内の空燃混合気よりも多い、請求項41に記載のエンジン。
【請求項48】
前記燃焼アセンブリが、チャージが前記燃焼アセンブリに送り込まれているときに、前記チャージの第1の部分が前記点火チャンバ内を循環し、それにより、前記チャージの前記第1の部分の前記空燃混合気を増加させるように、構成されている、請求項47に記載のエンジン。
【請求項49】
前記燃焼アセンブリが、前記点火チャンバから前記吸気ポートに向かって延びる第2の点火トンネルを画定し、前記エンジンが、前記吸気ポートが前記開放構成にあるときに、前記吸気ポートを通って前記燃焼チャンバに燃料を噴射するために位置付けられている、および方向付けられている、燃料インジェクタであって、前記燃料の少なくとも一部が、前記第2の点火トンネルに向けられる、燃料インジェクタ、をさらに備える、請求項47に記載のエンジン。
【請求項50】
前記燃焼アセンブリが、前記点火チャンバ内に延びる、点火手段であって、前記点火チャンバ内に位置付けられている前記チャージの一部分を点火するように構成されている、点火手段、をさらに含み、前記チャージの前記点火された部分が、前記第1の点火トンネルを通って前記燃焼チャンバ内に膨張し、それにより、前記チャージの残りの部分の点火を容易にする、請求項47に記載のエンジン。
【請求項51】
内燃エンジンから動力を生成する方法であって、
燃焼チャンバ内の第1のチャージを、前記第1のチャージの作動流体の膨張により、前記エンジンの第1の動力行程中に、第1の軸の周りで前記エンジンのパワーロータが回転するように、点火することと、
前記第1のチャージの前記作動流体の少なくとも一部分が前記燃焼チャンバの排気部分に留まっている間に、前記燃焼チャンバに第2のチャージを生成することと、
前記エンジンの最初の排気行程中に、前記燃焼チャンバの前記排気部分から前記第1のチャージの前記作動流体を排出することと、を含み、
前記第2のチャージの作動流体が、第2の動力行程中に、前記燃焼チャンバの膨張セクション内で膨張し、
前記第1の排気行程の少なくとも一部分が、前記第2の動力行程の少なくとも一部分と同時であり、
前記パワーロータの膨張部材が、前記第1の動力行程中に、前記燃焼チャンバの前記膨張セクションと前記排気セクションとの間に位置付けられている、方法。
【請求項52】
前記パワーロータの外面が、前記燃焼チャンバの内面を画定し、前記エンジンが動力を生成している間、前記パワーロータが、連続的な一方向の回転運動で移動する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第2のチャージを生成することが、前記第2のチャージの燃料を前記第2のチャージの作動流体と、前記第2のチャージの前記作動流体のゲージ圧が第1の圧力である間、混合することであって、前記第1の圧力が、30ポンド/平方インチより大きい、混合すること、を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の圧力が、約300ポンド/平方インチである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記第2のチャージの前記燃料を第1の方向で前記燃焼チャンバに噴霧することと、前記第1のチャージの前記作動流体を第2の方向で前記燃焼チャンバに送り込むことと、をさらに含み、前記第1の方向が、前記第2の方向とは正反対である、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記第2のチャージの前記作動流体を前記燃焼チャンバに送り込むことが、前記燃焼チャンバが前記エンジンのタンクアセンブリと流体連通するように、前記エンジンの吸気ポートを開放構成に移動させることであって、前記タンクアセンブリが、ある量の加圧された流体を保持するための内部容積を画定する、移動させること、からなる、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記吸気ポートを前記開放構成に移動させることが、回転バルブを、前記回転バルブによって画定される開口部が前記第1の軸の周りを回転するように、回転させること、を含み、前記回転バルブの前記開口部が前記吸気ポートと整列しているときに、前記吸気ポートが、前記開放構成にある、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記エンジンのタンクアセンブリにある量の圧縮された流体を蓄えることであって、前記燃焼チャンバの吸気ポートが開放構成にあるときに、前記タンクアセンブリが、前記燃焼チャンバと流体連通している、蓄えることと、
前記吸気ポートが前記開放構成にあるときに、前記ある量の圧縮された流体の第1の部分を前記燃焼チャンバに送り込むことであって、前記圧縮された流体の前記第1の部分が、前記第1のチャージの前記作動流体として機能する、送り込むことと、を含み、
前記ある量の圧縮された流体のゲージ圧が、30ポンド/平方インチを超える、請求項51に記載の方法。
【請求項59】
前記吸気ポートが前記開放構成にあるときに、前記吸気ポートを通って前記燃焼チャンバに燃料を噴射することであって、前記燃料インジェクタの少なくとも一部が前記タンクアセンブリ内に位置している、噴射すること、をさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記第2のチャージの第1の部分を前記エンジンの点火チャンバに向けることであって、前記点火チャンバが、第1の点火トンネルを通って前記燃焼チャンバと流体連通している、向けること、をさらに含み、前記点火チャンバ内の空燃混合気が、前記燃焼チャンバ内の空燃混合気よりも多い、請求項51に記載の方法。
【請求項61】
前記チャージの前記第1の部分が、前記点火チャンバ内を循環し、それにより、前記点火チャンバ内の前記空燃混合気を増加させる、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記第2のチャージの点火が、点火手段を利用して、前記点火チャンバ内に位置付けられている前記チャージの一部分を点火させること、を含み、前記点火した部分が、前記第1の点火トンネルを通って前記燃焼チャンバ内に膨張し、それにより、前記チャージの残りの部分の点火を容易にする、請求項60に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2019年8月9日に出願された米国仮特許出願第62/884,771号および2019年8月30日に出願された第62/894,567号に対する、35 U.S.C.119(e)に従った優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。この出願はまた、2020年1月1日に出願された米国特許出願第16/732,318号の優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般的にエンジンに関する。より具体的には、本発明は、ロータリーエンジン、その構成要素、およびそれに関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ほとんどの既存の内燃エンジンは、ガスタービンエンジンおよびレシプロエンジンの2つの主要なカテゴリに分類され、それぞれに長所と短所がある。例えば、ガスタービンエンジンは、レシプロエンジンと比較した場合、非常に高い動力対重量比を有している。ガスタービンエンジンはまた、同等の動力を備えたレシプロエンジンよりもサイズが小さい傾向がある。これらの利点により、航空機業界はほぼ独占的に(小型航空機用途を除いて)ガスタービンエンジンの使用に移行している。一方、レシプロエンジンは、燃料効率が高く、動力設定の変更に対する応答性が高い傾向がある。レシプロエンジンはまた、同等の動力を備えたガスタービンエンジンよりも安価である傾向がある。これらの利点により、自動車業界はほぼ独占的にレシプロエンジンの使用に移行している。ガスタービンエンジンとレシプロエンジンとの間には多くの違いがあるが、それぞれが燃焼プロセスに関連する流体の膨張に依存している。
【0004】
「ジェット」エンジンなどのガスタービンエンジンは、エネルギーが豊富な燃料の燃焼を利用して熱エネルギーを生成し、それが次にタービンに動力を供給するために利用される。より具体的には、燃焼プロセスからの熱エネルギーは、ある量の作動流体を加熱するために利用され、それにより、作動流体を膨張させる。膨張する作動流体は、タービンのブレードを通って導かれ、それにより、タービンを回転させる。ガスタービンの特定の用途に応じて、タービンの回転を様々な方法で利用することができる。
【0005】
米国特許第2,168,726号は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるが、圧縮機に動力を供給するタービンを有する「ターボジェット」を教示している。圧縮機は、ターボジェットの前部に流体(空気)の流れを引き込み、ターボジェットの後部から流体を排出し、それにより、推力を生成する。圧縮された流体の流れの一部は、燃焼プロセスを可能にし、かつ後続の膨張プロセス中に作動流体として機能するために、燃焼チャンバに迂回される。タービンを通って膨張し、それにより、圧縮機に動力を供給した後、作動流体は、主流と再結合する。その結果、高速の排気ガスが発生する(「ジェット推進力」)。
【0006】
米国特許第2.478,206号(「Redding」)、第2,504,414号(「Hawthorne」)、第2,505,660号(「Baumann」)、第2,526,409号(「Price」)、第2,526,941号(「Fishbein」)、第2,541,098号(「Redding」)、第2,702,985号(「Howell」)、および第3,153、907号(「Griffith」)は、それぞれの開示全体が参照により本明細書に組み込まれるが、「ターボプロップ(turboprop
)」の様々な構成を教示している。一般的に言えば、ターボプロップは、ターボジェットに似ているが、ターボプロップが流体の流れの大部分を利用してプロペラを駆動する点で異なる。したがって、ターボジェットのジェット推進力と比較した場合、ジェット推進力は低下する。同様の方法で、ターボシャフト(ヘリコプタのロータまたは発電機に動力を供給するために使用されるものなど)は、さらに多くの流体の流れを利用し、それにより、ジェット推進力をさらに低下させ、または排除する。逆に、「ターボファン」(高バイパスまたは低バイパス)は、ジェット推進力を増加させるか、さもなければ変更する目的で、流体の流れを利用して大きなファンを駆動する。
【0007】
レシプロエンジンもエネルギーの豊富な燃料の燃焼を利用して熱エネルギーを生成するが、このエネルギーは、タービンに動力を供給するのではなく、燃焼チャンバを膨張するために使用される。燃焼チャンバが膨張すると、ピストンは、上死点位置から下死点位置まで直線的に駆動される。ある時点で、エンジンの構成に応じて、膨張するガスがシリンダから排出されるため、後続の燃焼プロセスのために、より多くの燃料および空気(「チャージ」)をチャンバに引き込むことができる。レシプロエンジンは、外部の圧縮源(スーパーチャージャ、ターボチャージャなどによる)を利用できるが、圧縮は、一般的に、燃焼前にピストンを下死点から上死点に移動させることによって得られる。このようにして、ピストンは下死点と上死点との間を往復し、エンジンにその名を与える。
【0008】
レシプロエンジンの往復動作は、その複雑な機械的運動(タービンの比較的単純な回転とは対照的に)のためにコストおよびメンテナンスを増加させるが、その燃焼チャンバは、間欠な燃焼期間のみにさらされ、それにより、燃焼チャンバを冷却することができる、および/または燃焼チャンバの過熱を防止する。逆に、ガスタービンエンジンは、連続燃焼を利用し(ガスタービンエンジンの燃焼チャンバは、「バーナ」と呼ばれることもある)、エンジンが長期間の高温に耐えられるようにするために、高価な材料および定期的なメンテナンスが必要になることがよくある。したがって、複雑な機械的運動を必要とせずに間欠燃焼を可能にするためのシステムおよび方法を有することは有益であろう。
【0009】
ガスタービンエンジンは、圧縮機、バーナ(燃焼チャンバ)、および膨張タービンを必要とする定圧サイクルであるブレイトンサイクルを使用して動作する。ブレイトンサイクルの効率は、環境圧力に対する燃焼チャンバ内の圧力に大きく依存する。一方、レシプロエンジンは、一般的にオットーサイクルまたはディーゼルサイクルを使用して動作し、それぞれの効率は同じ圧縮比に大きく依存する。
【0010】
米国特許第367,496号(「Atkins」)は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるが、その圧縮比よりも大きい膨張比を有し、それにより、現在アトキンソンサイクルとして知られている熱力学的サイクルを利用する、レシプロエンジンを教示している(Atkinsは、2対1の比が「良い結果を与える」ことを見出した)。アトキンソンサイクルは、同等のオットーサイクルエンジンよりも燃費が向上するが、低速での動力低下に悩まされる。米国特許第2,817,322号(「Miller」)は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるが、圧縮行程中に、燃焼中に「シリンダの全容積容量よりも実質的に少ない空気が閉じ込められる」ように、シリンダから空気を「退ける」(圧縮行程の第1の部分の間に、バルブを開いたままにするなど)過給エンジンを教示している。このようにして、ミラーサイクルは、低速での動力損失がない(または少ない)アトキンソンサイクルと同様に、圧縮比を超える膨張比を取得する。残念ながら、ミラーサイクルは、レシプロエンジンの一般的な非効率性や、ミラーサイクルの実質的に延長された吸気行程に関連する特定の非効率性など、依然として非効率性に悩まされている。したがって、内燃エンジンの効率を最大化するためのシステムおよび方法を有することは有益であろう。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、そのコストおよび重量を最小限に抑えながら、かつその保守要件を最小限に抑えながら、内燃エンジンの効率を最大化するためのシステムおよび方法を含む。このシステムは、流体を燃焼に必要とされる圧力(220psi超など)に圧縮するための圧縮アセンブリと、大量の圧縮された流体を保持するためのタンクアセンブリと、を備える。本発明の燃焼アセンブリは、各動力行程に対して圧縮された量の空気のごく一部分を受容するように構成されている。このようにして、エンジンの動力行程は、エンジンの圧縮行程とは無関係であり、それにより、それに関連する遷移損失を排除するか、さもなければ最小化する。
【0012】
ブレイトンサイクルを利用するガスタービンとは異なり、本発明は、タービンを回転させるために連続燃焼を必要としないサイクル(「ライリーサイクル:Riley cycle」)を利用する。代わりに、ライリーサイクルは、往復運動を必要とせずに連続的な回転運動を維持することに関連して間欠的な燃焼を可能にする。このようにして、ライリーサイクルは、ガスタービンエンジンの利点とともにレシプロエンジンの利点を実現する。
【0013】
オットーおよびディーゼルサイクルを使用するレシプロエンジンとは異なり、本発明は、膨張行程を圧縮行程と交互にすることを必要としない。代わりに、ライリーサイクルでは、繰り返しの膨張行程が可能であり、各膨張行程は、パワーロータの部分的な回転に関連付けられている。このようにして、ライリーサイクルを利用するエンジンは、製造が容易で、燃料効率が高く、メンテナンスが少なくて済む。
【0014】
アトキンソンサイクルと同様に、ライリーサイクルは、燃料の膨張比を最大化することができる。ただし、アトキンソンサイクルとは異なり、ライリーサイクルは、複雑な往復コンポーネントを必要としない。代わりに、ライリーサイクルは、入口バルブが開いている時間の長さを制御することによって膨張率を最大化することができ、それにより、チャージのサイズを制御する。このようにして、ライリーサイクルは、必要および/または所望とする場合およびそれに応じて、代替燃料を使用するための、および/または燃料を変更するための柔軟性をユーザに提供する。
【0015】
ミラーサイクルを使用するエンジンと同様に、本発明は、入口バルブが開いたままである時間を制御することによって、システムの効率を制御する。しかしながら、ミラーサイクルは、圧縮チャンバが収縮している間、入口バルブを開放位置に維持することによってこの利点を獲得する。言い換えれば、ミラーサイクルは、チャージの圧縮前にチャージの一部分を燃焼チャンバから排出させることによってその効率を得る。このアプローチでは、必然的に、チャージの排出された部分が、チャンバから排出される前に、最初にチャンバに引き込まれる必要がある。ライリーサイクルでは、チャージのいかなる部分も排出する必要はない。代わりに、ライリーサイクルは、チャージの最初のサイズを制御することによって(入口バルブを開くタイミングを制御し、さらに入口バルブを開いている時間を制御することによって)効率を高め、それにより、チャージのある部分を排出する必要性を排除する。
【0016】
本発明の燃焼アセンブリは、第1のブレードを有するパワーロータを含む。第1のチャージが第1のブレードに隣接して点火されると、第1のブレードは、排気ポートに向かって送り込まれ、それにより、パワーロータを駆動する。燃焼アセンブリは、第1のブレードの排気ポートへの移動が、第1のチャージからの使用可能なエネルギー(膨張)を最大化するように構成されている。第1のブレードが排気ポートを通過すると、第1のチャージの膨張した流体が排気ポートから排出される。いくつかの実施形態では、パワーロータは、第2のチャージの点火に続くなど、排気ポートを通って第1のチャージを排出するよ
うに構成されている第2のブレードを含む複数のブレードを含む。いくつかの実施形態では、第1のブレードは、第2のチャージの点火に続くなど、排気ポートを通って第1のチャージを排出するように構成されている。
【0017】
本発明の燃焼アセンブリは、点火点の後ろに位置付けられ、かつそれぞれのブレードから離れるチャージの膨張を防止するか、さもなければ抑制するように構成されている、第1のアイソレータロータをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のアイソレータロータは、排気ガスが排気ポートを迂回するのを防止するように、排気ポートのすぐ先に位置付けられている。いくつかの実施形態では、燃焼アセンブリは、排気ガスが排気ポートを迂回するのを防止するように、排気ポートのすぐ先に位置付けられている第2のアイソレータロータを含む、複数のアイソレータロータを含む。各アイソレータロータは、パワーロータの1つ以上のブレードを受容するための少なくとも1つのレセプタクルを含み、それにより、パワーロータがアイソレータロータを超えて回転することを可能にする。このようにして、燃焼アセンブリは、連続的に繰り返す動力行程を実行することができ、同時に、必要および/または所望とする場合およびそれに応じて、1つ以上の動力行程をスキップすることができる。
【0018】
本発明は、既存の技術を改良および/または組み込む。いくつかの実施形態では、エンジンは、毎分2,500回転でのアイドリングが可能である。いくつかの実施形態では、エンジンは、線形出力およびトルク曲線を有する。いくつかの実施形態では、エンジンは、毎分30,000回転以上で過回転する。いくつかの実施形態では、エンジンは、サイクルごとの噴射に対する独立した制御を容易にする。いくつかの実施形態では、寄生損失は、既存の技術よりも劇的に低減される。いくつかの実施形態では、エンジンは、層状噴射および点火が可能である。いくつかの実施形態では、エンジンは、往復確率に関連する問題を回避する。いくつかの実施形態では、エンジンは、圧縮機の失速に関連する問題を回避する。いくつかの実施形態では、エンジンは、シーリングに関連する問題を回避する。いくつかの実施形態では、エンジンは、予室燃焼を容易にすることを可能にする。いくつかの実施形態では、エンジンは、オンザフライ適応圧縮比機能、オンザフライ高度補償機能、および/またはオンザフライ適応燃料技術を含む。いくつかの実施形態では、エンジンは、空冷式である。いくつかの実施形態では、エンジンの熱特性は、事実上存在しない。いくつかの実施形態では、エンジンは、既存の技術と比較した場合に、改善された動力対重量比および/または改善された排出物を提供する。いくつかの実施形態では、エンジンは、実質的にNOx排出物を排出せずに作動する。
【0019】
前述の目的および他の目的は、本発明を例示することを意図しており、限定的な意味を意味するものではない。本発明の多くの可能な実施形態が成し得、以下の明細書およびその一部を含む添付の図面を検討すると容易に明らかになるであろう。本発明の様々な特徴およびサブコンビネーションは、他の特徴およびサブコンビネーションを参照せずに使用され得る。本発明の他の目的および利点は、本発明の実施形態およびその様々な特徴を例示および例として示す添付の図面に関連して取られた以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
出願人が原理を適用することを企図した最良の様式を例示する本発明の好ましい実施形態は、以下の説明に記載され、図面に示され、特別にかつ明確に指摘され、添付の特許請求の範囲に記載される。
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態の断面概略図であり、この実施形態は、圧縮アセンブリと燃焼アセンブリとの間に位置付けられているタンクアセンブリを有し、示されている実施形態は、インペラを含まない。
【
図2】本発明の一実施形態の概略図であり、この実施形態は、燃焼アセンブリに直接隣接して位置付けられている圧縮アセンブリを有し、示される実施形態は、エンジンの周りの流体の流れの方向に延びる排気システムを有する。
【
図3】リリーフバルブおよび出口バルブを有する圧縮アセンブリの一実施形態の概略図であり、リリーフバルブが閉鎖構成にあり、出口バルブが開放構成にある。
【
図4】リリーフバルブおよび出口バルブを有する圧縮アセンブリの一実施形態の概略図であり、リリーフバルブが開放構成にあり、出口バルブが閉鎖構成にある。
【
図5】複数の排気分岐と、どの分岐排気を排出するかを制御するための排気バルブと、を有する排気システムを示す燃焼アセンブリの一実施形態の概略図であり、排気バルブが、触媒コンバータを通過して燃焼排気を排出するための第1の構成にある。
【
図6】複数の排気分岐と、どの分岐排気を排出するかを制御するための排気バルブと、を有する排気システムを示す燃焼アセンブリの一実施形態の概略図であり、排気バルブが、非燃焼排気を、それが触媒コンバータを通過して排出されないように、排出するための第2の構成にある。
【
図7】本発明の圧縮アセンブリの断面図であり、燃焼アセンブリの特定の実施形態は、実質的に同じ構成を有する。
【
図8】本発明の圧縮ロータの端面図であり、パワーロータの特定の実施形態は、実質的に同じ構成を有する。
【
図10】本発明の圧縮ハウジングの断面図であり、燃焼ハウジングの特定の実施形態は、実質的に同じ構成を有する。
【
図12】本発明の圧縮アセンブリの断面図であり、圧縮アセンブリが、最初の吸気行程の前に示されている。
【
図13-16】それぞれは、最初の吸気行程中の異なる時間における、
図12と同じ断面図を示す。
【
図17-20】最初の圧縮行程中の異なる時間における、
図12と同じ断面図をそれぞれ示す。
【
図21】本発明の燃焼アセンブリの断面図であり、燃焼アセンブリが、最初の動力行程の前に示されている。
【
図22-25】それぞれは、最初の動力行程中の異なる時間における、
図21と同じ断面図を示す。
【
図26-29】それぞれは、最初の排気行程中の異なる時間における、
図21と同じ断面図を示す。
【
図30-31】それぞれは、本発明の圧縮アセンブリの断面図を示しており、燃焼アセンブリの特定の実施形態は、実質的に同じ構成を有する。
【
図32-33】それぞれは、本発明の圧縮アセンブリの断面図を示しており、燃焼アセンブリの特定の実施形態は、実質的に同じ構成を有する。
【
図35】本発明の一実施形態の断面概略図であり、この実施形態は、対向する前部と後部のファンアセンブリと、それらの間に延びるシュラウドと、を有する。
【
図36】本発明の一実施形態の断面概略図であり、この実施形態は、後部ファンアセンブリと、そこから延びるシュラウドと、を有する。
【
図37】本発明の一実施形態の断面概略図であり、この実施形態は、前部ファンアセンブリと、そこから延びるシュラウドと、を有する。
【
図40】本発明のエンジンアセンブリの一実施形態の等角図である。
【
図43】
図40のエンジンアセンブリの等角断面図であり、エンジンアセンブリが、
図41の線43-43に沿って切断されている。
【
図44】
図40のエンジンアセンブリの上面断面図であり、エンジンアセンブリが、
図42の線44-44に沿って切断されている。
【
図45】
図40のエンジンアセンブリの側面断面図であり、エンジンアセンブリが、
図42の線45-45に沿って切断されており、明確にするために、ファンアセンブリが取り外されている。
【
図46-53】本発明のエンジンの分解斜視図であり、明確にするために、各図から特定の構成要素が確認できる。
【
図55】本発明のエンジン斜視図であり、燃焼ハウジング、タンクハウジング、圧縮ハウジング、およびギアハウジングが、それぞれの中に位置付けられている構成要素の視覚化を容易にするために透明な状態で示されている。
【
図59】本発明の一実施形態の圧縮アセンブリの部分図であり、圧縮アセンブリが、第1の圧縮行程中に閉鎖構成にあることが示されている。
【
図60-61】それぞれは、
図14Aの圧縮アセンブリの部分図を示し、出口ポートの一部が、圧縮アセンブリのアイソレータロータのレセプタクルによって生成されたボイドと流体連通にあることが示されており、各図において、圧縮アセンブリが、閉鎖構成に残ったままである。
【
図62-64】それぞれは、
図59の圧縮アセンブリの部分図を示し、圧縮アセンブリが、各図において、開放構成にある。
【
図65】
図59の圧縮アセンブリの部分図であり、圧縮アセンブリが、第1の圧縮行程の終わりに閉鎖構成にある。
【
図66】
図59の圧縮アセンブリの部分図であり、圧縮アセンブリが、第2の圧縮行程の開始時にあることが示されている。
【
図67】本発明の一実施形態の断面図であり、吸気ポートが、開放構成にあることが示されている。
【
図68-72】本発明の様々な実施形態の燃焼ハウジングの部分半透明図であり、ハウジングが、点火チャンバおよび点火トンネルを画定している。
【
図73】本発明の一実施形態のタンクハウジングの等角図であり、タンクハウジングが、支持レッジを有する。
【
図75】本発明の実施形態の回転バルブの等角図であり、回転バルブが、
図73のタンクハウジングと嵌合するように構成されている。
【
図78】内径に凹んだ領域を有するハウジングの一部分を示す。
【
図79】
図78のハウジング内に位置付けられている
図77のロータを示し、凹んだ領域が整列し、ベントシステムがそれと流体連通している。
【
図80】内径付近に凹んだ領域を有するロータを示す。
【
図81】内径付近に凹んだ領域を有するハウジングの一部分を示す。
【
図82】
図81のハウジング内に位置付けられている
図80のロータを示し、凹んだ領域が整列し、ベントシステムがそれと流体連通している。
【
図83】3つの燃料インジェクタを有する本発明の一実施形態を示す部分半透明図であり、各燃料インジェクタが、圧縮アセンブリ、タンクアセンブリ、および燃焼アセンブリのうちの1つに関連付けられ、それにより、それぞれへの燃料の噴射を容易にする。
【発明を実施するための形態】
【0022】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示される。しかしながら、開示された実施形態は、様々な形態で具体化され得る本発明の原理の単なる例示であることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は、限定的であると解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、および事実上任意の適切に詳細な構造で本発明を様々に使用することを当業者に教えるための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0023】
図1~2を参照すると、本発明の特定の実施形態は、ジェット推進力14を生成することができる内燃エンジン10を含む。いくつかの実施形態では、ジェット推進力の少なくとも一部は、1つ以上の駆動シャフト20、同期シャフト30などを通って流体の流れ(「バイパス流体」)12を引き込むように構成されている、インペラ13によって生成される。いくつかの実施形態では、1つ以上のシャフトは、エンジンからの熱エネルギーがバイパス流体に伝達され、それにより、エンジンを冷却するように、エンジンを通って延びる。いくつかの実施形態では、エンジンは、水冷システム、ヒートシンクシステム、別個の空冷システムなどの、(前述の空冷システムに加えておよび/またはその代わりに)1つ以上の他の冷却手段を含み、および/またはそれらに関連付けられる。いくつかの実施形態では、本発明は、現在知られている、または後で開発されるシステムなどのアフターバーナシステム500を含み、および/またはそれを操作することができる。
【0024】
本発明のエンジン10は、圧縮性流体(「空気」)を第1の圧力(「入口圧力」)から第2の圧力(「出口圧力」)に圧縮するための圧縮アセンブリ100を含む。入口圧力は、周囲空気圧とすることができるが、入口圧力は、周囲空気圧力よりも高くても低くてもよいことが理解されよう。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、圧縮アセンブリ100を、圧縮タービン、遠心圧縮機などの、現在知られているかまたは後に開発される1つ以上の他の圧縮手段で補足または置換するように構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上のターボチャージャ、スーパーチャージャなどを含み、および/またはそれらに関連付けられる。
【0025】
図7~10を参照すると、圧縮アセンブリ100は、圧縮ハウジング110と、その中に位置付けられている圧縮ロータ120と、を含む。圧縮ハウジング110は、内面112を画定し、圧縮ロータ120は、圧縮アセンブリがそれらの間に位置付けられている少なくとも1つの圧縮チャンバ115を画定するように、そこから変位した対応する外面122を画定する。いくつかの実施形態では、圧縮ハウジング110は、第1の圧縮プレート114と第2の圧縮プレート116との間に位置付けられている圧縮シュラウド113を含む。いくつかの実施形態では、第1の圧縮プレート114は、第2の圧縮プレート116と平行である。いくつかの実施形態では、圧縮ハウジング110は、1つ以上の入口ポート111および/または1つ以上の出口ポート119、例えば、圧縮シュラウド113および/または1つ以上の圧縮プレートによって画定される1つ以上のポートを画定する。いくつかの実施形態では、入口ポートは、現在知られている、または後に開発されるブリーザシステムなどのブリーザシステムと流体連通している。
【0026】
図40~45を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、空気または他の流体を圧縮アセンブリ100に向けるための1つ以上のエアスクープ72を有するブリーザシステム70を含んでいる。いくつかの実施形態では、各エアスクープ72は、ある量の空気を受容し、それを圧縮アセンブリと流体連通しているチューブシステムに向けるように構成されている、前部分を含む。いくつかの実施形態では、エアスクープ72は、過剰な流体および/または破片をエアスクープから排出することができるように、チュービングシステムを超えて延びる後部分をさらに含み、それにより、それがチュービングシステムに入るのを防止するか、さもなければ抑制する。いくつかの実施形態では、エアスクープ72
は、カウル、ナセルなどのエンジンシュラウド60の外面から延びる。
【0027】
いくつかの実施形態では、エアスクープ72の前部分は、第1の断面を画定し、第2の部分の少なくとも一部は、第1の断面よりも小さい第2の断面を画定し、それにより、チューブシステムへの流体の流れを増加させる。いくつかの実施形態では、チュービングシステムは、エンジンシュラウド60の円周の周りに少なくとも部分的に延びる円周チューブ74を含む。いくつかの実施形態では、チュービングシステムは、エンジンシュラウド60と圧縮アセンブリ100との間に延びる少なくとも1つのラジアルチューブ75を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のラジアルチューブ75は、内燃エンジン10をエンジンシュラウド60に対して所定の位置に保持するための構造的支持を提供する。
【0028】
いくつかの実施形態では、ファンアセンブリは、ファンハブ65から延びる複数のファンブレード62を含むファンブレードなど、シュラウド60内に少なくとも部分的に位置付けられている。いくつかの実施形態では、ファンハブ65は、空気をエンジンに向けて、例えば、エンジンのインペラ13、エンジンの1つ以上のシャフトの内部容積などに向けるように構成されている、開放中心セクションを画定する。いくつかの実施形態では、ファンハブの内面は、ファンハブの遠位端(すなわち、ハブの前端)における第1の断面積が、ファンハブの遠位端(すなわち、ハブの後端、および/またはハブの後端と前端の間の領域)から変位した第2の断面積よりも大きくなるように湾曲した傾斜を画定する。このようにして、ファンハブは、空気がインペラ、シャフト、またはエンジンの他の機能(すなわちラム誘導など)に向けられるときに、空気を圧縮することができる。
【0029】
再び
図7~10を参照すると、圧縮ロータ120は、圧縮ロータ120の外面122から圧縮ハウジング110の内面112に向かって延び、それにより、チャンバ115の圧縮セクションの第1の端部を画定する、フィン、ブレードなどの圧縮部材125を含む。圧縮ロータ120は、圧縮チャンバ115の吸気セクションの第2の端部を画定する膨張部材をさらに含む。いくつかの実施形態では、圧縮ロータ120の1つ以上の圧縮部材125は、各圧縮部材125が隣接する吸気セクションから圧縮セクションを分離するように、膨張部材としても機能することが理解されよう。いくつかの実施形態では、ハウジング110および圧縮ロータ120は、圧縮ハウジング110の内面112と圧縮部材125(および/または該当する場合は膨張部材)の遠位端との間に小さなギャップが存在するように構成されている。小さなギャップは、隣接する圧縮セクションと吸気セクションとの間の空気の流れを最小限に抑えながら、クリアランスを提供するように設計されている。圧縮ロータが圧縮ハウジング内で回転するとき、圧縮チャンバ115の特定のセクションは、吸気セクションの一部であるか、圧縮セクションであるかを交互に繰り返すことが理解されよう。
【0030】
圧縮ロータ120が吸気行程中に回転すると、膨張部材は、圧縮チャンバ115の吸気セクションの容積が増加するように、それぞれの入口ポート111から離れて移動し、それにより、その中の流体の量が増加する。いくつかの実施形態では、入口ポート111は、圧縮チャンバの吸気セクションの第1の端部またはその近くに位置付けられている。吸気セクションの各吸気行程は、隣接する圧縮セクションの圧縮行程と同時に実行できることが理解されよう。
【0031】
圧縮行程中に圧縮ロータ120が回転すると、圧縮部材は、圧縮チャンバ115の圧縮部の容積が減少し、それにより、その中の圧力が増加するように、それぞれの出口ポート119に向かって移動する。いくつかの実施形態では、出口ポート119は、圧縮チャンバの圧縮セクションの第2の端部またはその近くに位置付けられている。いくつかの実施形態では、出口ポートは、開放構成と閉鎖構成との間で移動可能であり(例えば、出口バルブ150などを介して、
図3を参照)、それにより、圧縮行程が完了するまで、流体が
、圧縮セクションから移動するのを防止するか、さもなければ抑制する。いくつかの実施形態では、出口バルブ150は、スライドバルブ、ボールバルブ、回転バルブ、または他の任意の電気的、機械的、油圧、および/または他の(現在知られている、または後で開発される)機構および/または手段の、単独のものまたは同じものの1つ以上と組み合わせたものである。
【0032】
いくつかの実施形態では、圧縮アセンブリ100は、圧縮ハウジングによって画定されるリリーフポート169を選択的に開閉することなどによって、圧縮行程中の圧力上昇を排除するか、さもなければ低減するための1つ以上のリリーフバルブ160を含む。このようにして、システムは、追加の流体圧縮が必要とされない場合に、流体の圧縮に関連する動力要件を選択的に排除するか、さもなければ低減するように構成されている。いくつかの実施形態では、リリーフポート169は、出口ポート119に、またはその近くになど、チャンバの圧縮セクションの第2の端部に向かって位置付けられている。いくつかの実施形態では、リリーフポートを開くと、リリーフポートが大気と流体連通し、それによって過剰な圧力が大気に排出されるようになる。いくつかの実施形態では、リリーフポートを開くと、リリーフポートが低圧保持容器などの保持容器と流体連通し、それにより、流体の貯蔵を容易にする。いくつかの実施形態では、圧縮アセンブリは、複数のリリーフポートおよび/またはリリーフバルブを含む。
【0033】
図3および4を参照すると、1つ以上のロータが出口ポートを効果的に開閉するために利用される場合の以下で論じられるものなどの本発明のいくつかの実施形態は、出口ポート119に対して正反対の少なくとも1つのリリーフポート169を含む。いくつかの実施形態では、リリーフポート169のプロファイルは、圧縮サイクル中に閉じ込められた空気を最小限に抑えるように構成されている。いくつかの実施形態では、リリーフポート169のプロファイルは、対向する出口ポート119のプロファイルと一致する。いくつかの実施形態では、リリーフバルブ160は、リリーフポートおよび出口ポートのうちの一方のみが常に開いているように出口ポートと同期され、それにより、リリーフバルブ169を通るタンクアセンブリ300の通気を防止する。他の実施形態では、リリーフポート169および出口ポート119を同時に開くことにより、圧縮アセンブリ100を通るタンクアセンブリ300の通気を容易にする。
【0034】
再び
図7~10を参照すると、圧縮アセンブリ100は、圧縮チャンバ115をさらに区分けするために、1つ以上のアイソレータ130を含む。各アイソレータ130は、外面132およびそこから凹んだ1つ以上のレセプタクル135を画定する。各アイソレータロータは、レセプタクルが圧縮部材を受容することができるように、それぞれの圧縮ロータに対して位置付けられ、およびタイミングがとられ、それにより、圧縮部材が圧縮チャンバのセクション間を移動できるようにする。本発明の特定の実施形態は、サイジング、動力、およびタイミングの要件および/または選好に対応するために、様々な数のアイソレータロータ、圧縮部材などを含むことが理解されよう。本発明の特定の実施形態は、丸みのある、四角い、角張ったフィレット、ガセットなどの様々なサイズおよび構成を有する圧縮部材を含むことがさらに理解されよう。
【0035】
アイソレータロータの各レセプタクル135は、圧縮行程の終わりに圧縮部材を受容するように構成され、それにより、圧縮部材が圧縮チャンバの圧縮セクションの第2の端部を超えて移動することを可能にする。他のすべての時間では、アイソレータの外面は、圧縮チャンバの圧縮セクションの前端部を画定するように、圧縮ロータの外面に隣接して位置付けられている(上記のように小さなギャップ)。いくつかの実施形態では、アイソレータは、圧縮チャンバの入口セクションの第1の端部をさらに画定する。
【0036】
いくつかの実施形態では、圧縮チャンバの各セクションは、ロータ間および/またはロ
ータとハウジングとの間のそれぞれのギャップを通るなどして、隣接する各セクションと常に流体連通している。このようにして、システムは、圧縮の生成および流体の取り込みを容易にしながら、システム間の一定の流体連通を提供する。いくつかの実施形態では、ハウジングは、各アイソレータのすぐ先に位置付けられている入口ポート111を含む。圧縮(または他の)部材が、対応する入口ポートを通過すると、結果として生じる真空により、流体が圧縮チャンバの入口セクションに流れ込む。
【0037】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、各アイソレータの直前に位置付けられている出口ポート119を含む。圧縮部材が、対応する出口ポートを通過すると、対応する圧縮チャンバが閉じられる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバルブ(リードバルブ、回転バルブなど)は、圧縮セクションが閉じられる直前(圧力が最大となるとき)に出口ポートを通る流体の流れを容易にするように、出口ポートに関連付けられている。いくつかの実施形態では、圧縮アセンブリは、他の時間に出口ポートを通る流体の流れを防止するか、さもなければ抑制するように構成されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上のバルブアセンブリの一部として1つ以上の回転バルブ320を含む。
図11を参照すると、回転バルブの特定の実施形態は、1つ以上の適切な時間に圧縮アセンブリから流体が流出することを可能にする一方、他の時間にはそのような流体の流れを防止するか、さもなければ抑制するように、設計された1つ以上の開口部を画定する。いくつかの実施形態では、バルブアセンブリは、1つ以上の調整機構または他の調整手段、例えば、電気的、機械的、油圧、および/または他の(現在知られている、または後で開発される)機構および/または手段の、単独のものまたは同じものの1つ以上と組み合わせたものを通るなどの、そのタイミングを進めるおよび/または遅らせるための1つ以上の機構および/または手段を含む。
【0039】
図59~66を参照すると、本発明のいくつかのアイソレータ130は、圧縮チャンバ115の圧縮セクションに対して、開放構成と閉鎖構成との間で出口ポートを移動させるように構成されている。このようにして、別個のバルブは必要とされず、圧縮部材を対応するレセプタクルと係合させることに関連する圧力の蓄積を排除するか、さもなければ低減することができる。いくつかの実施形態では、各圧縮部材は、先行部分および対向する後続部分を含み、圧縮部材115が圧縮チャンバのあるセクションから別のセクションに移動するときに、それぞれがそれぞれのレセプタクルのそれぞれの先行部分および後続部分と係合するように構成されている。
【0040】
いくつかの実施形態では、本発明は、圧縮された流体を保持するためのタンクアセンブリ300を含む。いくつかの実施形態では、タンクアセンブリ300は、その相対セクションが最大圧力にまたはその近くにあるとき(圧縮セクションが閉じられる直前など)、圧縮チャンバと流体連通している。いくつかの実施形態では、タンクアセンブリの容積は、圧縮チャンバの容積よりも著しく大きく、それにより、システムに安定性を提供する。いくつかの実施形態では、タンクアセンブリは、圧力を最大閾値未満に維持する1つ以上の圧力解放または他の手段を含み、それにより、圧縮アセンブリの動作に関連する過圧を防止し、および/またはその圧力最適化を容易にする。いくつかの実施形態では、リリーフバルブは、大気と流体連通している。いくつかの実施形態では、リリーフバルブは、高圧保持容器などの保持容器と流体連通している。
【0041】
本発明は、地上および高所などの様々な環境で使用するように構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上の圧力リリーフバルブなどを含めることなどによって、高度の変化を補償する手段を含む。いくつかの実施形態では、圧力リリーフバルブ、または圧力を調整する1つ以上の他の手段を調整して(それをオンのままにするなどして)、エンジンの性能を最大化するか、さもなければ最適化することができる。いくつ
かの実施形態では、圧力リリーフバルブは、流れの制限がほとんどなく、エンジンがちょうど惰走することを可能にするように、開いたままにされるように構成されている。いくつかのそのような実施形態では、システムがほとんどまたは全く制限なしに巨大な空気ポンプとして機能することを可能にすることなど、システムは、燃料を遮断するように構成されている(および/またはシステムは、それを可能にする)。いくつかの実施形態では、システムは、タンクアセンブリが最大または他の閾値圧力にまたはその近くにあるときなど、圧縮チャンバから空気をそらすように構成されている。いくつかのそのような実施形態では、システムは、1つ以上の圧縮チャンバを開放構成に維持するように構成され、それにより、圧縮チャンバ内の圧力上昇を防止することによってシステム全体の負荷を低減させる。いくつかの実施形態では、システムは、必要または所望のときに、動力を増加させるように構成されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、1つ以上の圧縮アセンブリが(機能的におよび/または文字通りに)1つ以上の他の圧縮アセンブリに積み重ねられ、それにより、さらに高い圧力の生成を容易にし、および/またはより短い時間で所望の圧力を生成する(すなわち直列に積み重ねられる)ことが理解されよう。いくつかの実施形態では、1つ以上の圧縮アセンブリが、(機能的におよび/または文字通りに)1つ以上の他の圧縮アセンブリに隣接して動作する(すなわち、並列である)ことがさらに理解されよう。さらに、必要にまたは所望に応じて、1つ以上の圧縮アセンブリをアクティブ化および/または非アクティブ化して、汎用性を提供できることがさらに理解されよう。このようにして、本発明は、優れた動力性能および優れた効率を可能にする。いくつかの実施形態では、システムは、第1の圧力で動作する一次ロータと、第1の圧力よりも低い第2の圧力で動作する二次ロータと、を含む。このようにして、システムには、同じものの使用に関連する多様性が含まれている。
【0043】
いくつかの実施形態では、タンクアセンブリ300は、第1のタンクプレートと第2のタンクプレートとの間に位置付けられているタンクシュラウド311を含む。いくつかの実施形態では、第1のタンクプレートは、第2のタンクプレートと平行である。いくつかの実施形態では、タンクアセンブリ300は、1つ以上のリリーフポート、例えば、タンクシュラウド311および/または1つ以上のタンクプレートによって画定される1つ以上のポートを画定する。いくつかの実施形態では、タンクアセンブリは、第1のタンクプレートが第2の圧縮プレート116などの圧縮ハウジング110の一部としても機能するように、圧縮アセンブリ100から延びている。いくつかの実施形態では、タンクアセンブリ300は、第2のタンクプレートが第1の燃焼プレート214などの燃焼ハウジング210の一部としても機能するように、燃焼アセンブリ200から延びている。
【0044】
図1~2に戻ると、本発明のロータリーエンジン10のいくつかの実施形態は、内燃を容易にするための燃焼アセンブリ200を含む。燃焼アセンブリ200は、高圧タンクプレート300、圧縮アセンブリ100、圧縮タービン(図示せず)などの高圧流体の供給源と流体的に連通している。いくつかの実施形態では、高圧流体の供給源のゲージ圧は、30ポンド/平方インチよりも大きい。いくつかの実施形態では、ゲージ圧は、50ポンド/平方インチよりも大きい。いくつかの実施形態では、ゲージ圧は、約300ポンド/平方インチである。いくつかの実施形態では、ゲージ圧は、燃焼チャンバ内の流体の圧縮を必要とせずに燃焼を容易にするように、圧縮された流体をエンジンの燃焼チャンバに送り込むのに十分である。いくつかの実施形態では、ゲージ圧は、膨張セクションが膨張している間(膨張部材が吸気ポートから離れて移動している間)、圧縮された流体をエンジンの燃焼チャンバの膨張セクションに送り込み、かつ膨張セクションの膨張をさらに行わせるように燃焼チャンバの膨張セクション内の燃焼を容易にするのに、十分である。
【0045】
圧縮アセンブリについて上で論じたのと同様の方法で、燃焼アセンブリ200は、燃焼
ハウジング210と、その中に位置付けられているパワーロータ220と、を含む。燃焼ハウジング210は、内面を画定し、パワーロータは、燃焼アセンブリがその間に位置付けられている燃焼チャンバ215を画定するように、そこから変位した対応する外面を画定する。いくつかの実施形態では、燃焼ハウジング210は、第1の燃焼プレート214と第2の燃焼プレート216との間に位置付けられている燃焼シュラウド213を含む。いくつかの実施形態では、第1の燃焼プレート214は、第2の燃焼プレート216と平行である。いくつかの実施形態では、燃焼ハウジング210は、1つ以上の吸気ポート211および/または1つ以上の出口ポート219、例えば、燃焼シュラウド213および/または1つ以上の燃焼プレートによって画定される1つ以上のポートを画定する。
【0046】
パワーロータ220は、パワーロータの外面から燃焼ハウジングの内面に向かって延びる、フィン、ブレードなどの膨張部材225を含み、それにより、燃焼チャンバ215の膨張セクションの第2の端部を画定する。パワーロータ220は、燃焼チャンバ215の排気セクションの第1の端部を画定する排気部材をさらに含む。いくつかの実施形態では、パワーロータ120の1つ以上の膨張部材125は、各膨張部材125が隣接する排気セクションから燃焼セクションを分離するように、排気部材としても機能することが理解されよう。いくつかの実施形態では、燃焼ハウジング210およびパワーロータ220は、燃焼ハウジング210の内面と膨張部材225(および/または該当する場合は排気部材)の遠位端との間に小さなギャップが存在するように構成されている。小さなギャップは、燃焼ブローバイを最小限に抑えながらクリアランスを提供するように設計されている。パワーロータが燃焼ハウジング内で回転するとき、燃焼チャンバ215の特定のセクションは、燃焼セクションの一部であるか、排気セクションであるかを交互に繰り返すことが理解されよう。
【0047】
パワーロータ120が動力行程中に回転すると、膨張部材は、燃焼チャンバ215の燃焼セクションの容積が増加するように、それぞれの吸気ポート211から離れて移動し、それにより、エンジンの動力行程中に、燃焼力を機械的エネルギーに変換する手段を提供する。いくつかの実施形態では、吸気ポート211は、燃焼チャンバの膨張セクションの第1の端部またはその近くに位置付けられている。いくつかの実施形態では、燃焼チャンバの各動力行程は、燃焼チャンバの排気行程と同時に実行できることが理解されよう。
【0048】
排気行程中にパワーロータ220が回転すると、排気部材は、排気ガスが燃焼チャンバから排出されるように、それぞれの排気ポート219に向かって移動する。いくつかの実施形態では、排気ポート219は、燃焼チャンバ215の排気セクションの第2の端部またはその近くに位置付けられている。
【0049】
図5および6を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、触媒コンバータ605または排出物を低減する他の手段を有する排気システム600を含む。いくつかの実施形態では、排気システム600は、流体を触媒コンバータ605を通過させるための第1の分岐610と、流体を触媒コンバータを通過させない第2の分岐620と、を含む。いくつかの実施形態では、排気システムは、第1の分岐610および第2の分岐620のそれぞれに結合された排気トランク630と、それに関連する排気バルブ650と、を含む。いくつかのそのような実施形態では、排気バルブ650は、第1の構成と第2の構成との間を移動するように構成され、それにより、排気がそれぞれ第1の分岐610または第2の分岐620を通って向けられる。このようにして、排気システムは、触媒コンバータ605の望ましくない冷却を引き起こさずに第2の分岐620を通る燃焼排気の排出(第1の分岐を通って)および非燃焼排気の排出(例えば、圧縮された流体が燃焼アセンブリを通って送り込まれて、低負荷要件のときに、燃焼ロータを駆動する場合)を容易にする。
【0050】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、リラクタホイール、ホール効果センサ
、電子デジタル光学センサ、デジタル機械的油圧制御、または任意の他の電気的、機械的、油圧的、および/または他の(現在知られている、または後で開発される)機構および/または手段の、単独のものまたは同じものの1つ以上と組み合わせたものを利用する。
【0051】
図7~10に戻って参照すると、燃焼アセンブリは、燃焼チャンバ215をさらに区分けするために、1つ以上のアイソレータ230を含む。各アイソレータ230は、外面およびそこから凹んだ1つ以上のレセプタクル235を画定する。各アイソレータロータは、レセプタクルが膨張部材を受容することができるように、それぞれのパワーロータに対して位置付けられ、およびタイミングがとられ、それにより、膨張部材が燃焼チャンバのセクション間を移動できるようにする。本発明の特定の実施形態は、サイジング、動力、およびタイミングの要件および/または選好に対応するために、様々な数のアイソレータロータ、膨張部材などを含むことが理解されよう。さらに、本発明の特定の実施形態は、丸みのある、四角い、角張ったフィレット、ガセットなどの様々なサイズおよび構成を有する膨張部材を含むことが理解されよう。
【0052】
アイソレータロータの各レセプタクル235は、排気行程の終わりに膨張部材を受容するように構成され、それにより、膨張部材が燃焼チャンバの排気セクションの第2の端部を超えて移動することを可能にする。他のすべての時間では、アイソレータの外面は、燃焼チャンバの排気セクションの第2の端部を画定するように、パワーロータの外面に隣接して位置付けられている(上記のように小さなギャップ)。いくつかの実施形態では、アイソレータは、燃焼チャンバの膨張セクションの第1の端部をさらに画定する。
【0053】
いくつかの実施形態では、燃焼チャンバの各セクションは、ロータ間および/またはロータとハウジングとの間のそれぞれのギャップを通るなどして、隣接する各セクションと常に流体連通している。このようにして、システムは、動力の生成および排気を容易にしながら、システム間の一定の流体連通を提供する。いくつかの実施形態では、ハウジングは、各アイソレータの直前に位置付けられている排気ポートを含む。膨張部材が、対応する排気ポートを通過すると、チャンバの対応する排気セクションが閉じられる。
【0054】
いくつかの実施形態では、燃焼ハウジング210は、各アイソレータのすぐ先に位置付けられている吸気ポート211を含む。燃焼(または他の)部材が、対応する吸気ポートを通過するとき、ある量の圧縮された流体(「作動流体」)が、エンジンの動力行程に関連して燃焼チャンバの吸気セクションに流入することが可能になる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバルブ(リードバルブ、回転バルブなど)は、膨張セクションが開かれること(一般に点火の前に)に関連して吸気ポートを通る流体の流れを容易にするように、吸気ポートに関連付けられている。いくつかの実施形態では、圧縮アセンブリは、他の時間に吸気ポートを通る流体の流れを防止するか、さもなければ抑制するように構成されている。
【0055】
いくつかの実施形態では、バルブアセンブリは、作動流体が1つ以上の適切な時間に燃焼アセンブリに流入しながら、他の時間にそのような流体の流れを防止または抑制することを可能にするように設計された1つ以上の回転バルブ310を含む。いくつかの実施形態では、バルブアセンブリは、1つ以上の調整機構または他の調整手段、例えば、電気的、機械的、油圧、および/または他の(現在知られている、または後で開発される)機構および/または手段の、単独のものまたは同じものの1つ以上と組み合わせたものを通るなどの、そのタイミングを進めるおよび/または遅らせるための1つ以上の機構および/または手段を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、システムは、様々な燃料タイプおよび点火システムを利用するように構成され、および/または本発明は、さもなければ、関連する要件および/また
は選好を満たすことができる。いくつかの実施形態では、システムは、調整可能な点火タイミングシステムおよび/または調整可能な噴射タイミングシステムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のタイミングまたは他のシステムは、デジタル的、機械的、油圧的、またはその他の方法で調整することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、システムは、複数の燃焼チャンバを含む。いくつかのそのような実施形態では、システムは、巡航高度などの戦略的な時間に、1つ以上の燃焼チャンバでの燃焼を選択的に低減および/または排除するように構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、離陸中または上昇中など、他の時間に燃焼を追加または増加するように構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、ポート燃料噴射を利用する。他の実施形態では、システムは、直接燃料噴射を利用する。いくつかの実施形態では、システムは、直接噴射式の予室燃焼を容易にするための1つ以上のチャンバを含む。いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上のスロットルボディを利用する。
【0058】
図7を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、1つ以上のアイソレータが位置付けられている長方形の空洞を有する燃焼および/または圧縮アセンブリを含む。いくつかのそのような実施形態では、関連するアセンブリは、それぞれのアイソレータをそれぞれの圧縮ロータ、パワーロータなどに対して所定の位置にバイアスするためのバイアス部材で構成されている。このようにして、システムは、それぞれのチャンバ内で発生する、および/またはそれぞれのチャンバ内に移動する破片に対していくらかの許容を提供するように構成されている。
【0059】
さらに
図7を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、アイソレータロータなどのロータ上の炭素または他の蓄積を防止する、またはそうなければ抑制するための洗浄特徴構成138を含む。いくつかの実施形態では、洗浄特徴構成は、関連するアセンブリのハウジングから延びるブレード、スクレーパなどである。いくつかのそのような実施形態では、洗浄特徴構成138の遠位端は、ロータの外面および/またはハウジングの内面と係合して、拭き取り動作などを容易にすることなどによって、その蓄積をなくすようにするように構成されている。
【0060】
いくつかの実施形態では、システムは、5,000rpmを超えるなどの高回転数で動作するように構成されている。いくつかの実施形態では、ロータ、ロータブレード、内壁などの間のギャップなどのシステム内のギャップは、システムが高回転で動作しているときに、1つ以上のチャンバからの、および/または1つ以上のバリアを横切る、空気流および/または圧縮損失を排除するか、さもなければ最小化するように、サイズ決定および構成されている。いくつかの実施形態では、水などのようなシーリング剤は、圧縮アセンブリ、燃焼アセンブリなどの1つ以上の内部領域に噴射され、および/またはさもなければ提供される。いくつかのそのような実施形態では、システムは、システムが5,000rpm未満などの低回転で動作しているときに、シーリング剤が、1つ以上のチャンバからの、および/または1つ以上のバリアを横切る、空気流および/または圧縮損失を排除するか、さもなければ最小化するためのシールを作成するように構成されている。いくつかの実施形態では、シーリング剤は、システムへの腐食または他の悪影響を最小限に抑えるように特別に構成されている。いくつかの実施形態では、1つ以上の構成要素が材料から形成され、および/またはその材料は、流体に関連する腐食または他の悪影響を最小限に抑えるように処理される。
【0061】
図1に戻って参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、エンジンの前部入口領域に位置付けられているギアアセンブリなどのギアアセンブリ400を含む。いくつかの実施形態では、ギアアセンブリは、それぞれのロータに関連付けられている複数のギアを含み、それにより、その回転を同期させる手段を提供する。いくつかの実施形態では、ギアは
、各ロータが他の各ロータと同じ速度で回転するように構成されている。いくつかの実施形態では、ギアは、1つ以上のアイソレータロータが、それぞれのアイソレータロータがレセプタクルを含むよりも多くのブレードを含む構成の場合など、それぞれのパワーロータまたは圧縮ロータよりも速いまたは遅い速度で回転するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、1つのレセプタクルを有するアイソレータロータは、2つのブレードを有する関連するパワーロータの2倍の速度で回転し、その結果、アイソレータの単一のレセプタクルは、パワーロータの1回転中にパワーロータの2つの部材のそれぞれと係合する。いくつかの実施形態では、それぞれのギアは、それぞれのシャフトの回転を駆動するように構成され、それにより、それぞれのインペラ、ロータなどの回転を駆動する。いくつかの実施形態では、単一のシャフトが複数のロータに結合され、それにより、それぞれの回転を駆動する。
【0062】
図35、36、37、38、および39を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、エンジンの後端部、エンジンの前端部、またはその両方に位置付けられているファンアセンブリ80などの1つ以上のファンアセンブリ80を含む。いくつかの実施形態では、ファンアセンブリ80は、パワー(および/または圧縮)ロータを通って延びるチューブ、1つ以上のアイソレータロータを通って延びるチューブなど、本発明の1つ以上のシャフトと機械的係合されている。このようにして、システムは、シャフトの周りの複数のファンブレードの回転を駆動するように構成され、それにより、エンジンの外面を横切って空気を引き込み(エンジンを冷却するためなど)、および/またはエンジンから空気を引き込む(推進力に関してなど)。いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上のファンアセンブリ80から延びる、および/またはその間に延びるエンジンシュラウド60をさらに含む。このようにして、ファンブレードは、エンジンシュラウド60によって画定される内部領域に流体を引き込む、および/または流体を押し出すように構成されている。いくつかの実施形態では、エンジンの少なくとも一部は、エンジンシュラウド60によって画定される内部領域内に位置付けられている。
【0063】
図46~54を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、エンジンを組み立てる方法を含む。いくつかの実施形態では、この方法は、1つ以上の駆動シャフト20を、1つ以上の駆動ギア22および/または同期ギア32などの1つ以上の同期シャフト30と関連付けることを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のシャフトは、長手方向中心軸を有する円筒形を画定する。いくつかの実施形態では、1つ以上のシャフトは、対向する前部と後部の開口部と、それらの間に延びる中空の内部領域とを画定し、それにより、シャフトを通る空気の流れを容易にする。いくつかの実施形態では、この方法は、各シャフトを、ギアプレート、ギアシュラウドなどのギアハウジング410と係合させることを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、1つ以上のシャフトを、ギアハウジングによって画定されるそれぞれの穴を通って延ばすことを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、圧縮アセンブリ100の前部プレート114がギアハウジング410の後部プレートを兼ねるように、圧縮アセンブリ100の前部プレート114をギアハウジング410に設置することなどによって、ギアハウジング410内にギアを封入することをさらに含む。他の実施形態では、ギアハウジングは、圧縮アセンブリの前部プレート114から独立している後部プレート(図示せず)を含むことが理解されよう。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態は、圧縮アセンブリ100を組み立てる方法を含む。いくつかの実施形態では、この方法は、1つ以上のシャフトを、圧縮ハウジング110の前部プレート114によって画定される開口部を通って延ばすことを含む。いくつかの実施形態では、前部プレート114は、それぞれのシャフトの周りの気密シールを容易にするように構成されている、穴など、互いに変位した2つの穴を画定する。いくつかの実施形態では、圧縮アセンブリを組み立てる方法は、圧縮ロータ120を、パワーシャフト20、同期シャフト30などのような第1のシャフトに固定することを含む。いくつかのそのよ
うな実施形態では、この方法は、アイソレータロータ130を、パワーシャフト20、同期シャフト30などの第2のシャフトに固定することをさらに含む。この方法はさらに、ギアアセンブリなどを介してなど、第1のシャフトを第2のシャフトに関連付けることと、圧縮ロータが第1のシャフトの中心軸を周りに第1の回転方向(時計回りまたは反時計回り)に回転し、アイソレータロータが第2のシャフトの中心軸を周りに第2の回転方向(反時計回りまたは時計回り)に回転し、それにより、圧縮ロータの連続的な一方向回転を容易にするときに、圧縮ロータの1つ以上の圧縮部材が周期的にアイソレータロータの1つ以上のレセプタクルによって受容されるように、アイソレータロータに対して圧縮ロータを計時することと、を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、圧縮アセンブリを組み立てる方法は、圧縮ロータに関連する第1のボイドおよびアイソレータロータに関連する第2のボイドなど、圧縮ハウジング110の圧縮シュラウド113によって画定されるそれぞれのボイドを通って1つ以上のシャフトを延ばすことを含む。いくつかの実施形態では、各ボイドは、圧縮ロータに関連する第1の半径によって画定される第1の湾曲した内壁および/またはアイソレータロータに関連する第2の半径によって画定される第2の湾曲した内壁などの、圧縮シュラウドが複数の湾曲した内壁112を画定するように、円筒形である。いくつかの実施形態では、第2のボイドは、1つ以上のアイソレータロータの移動を容易にするためなど、流体貯蔵などを容易にするために、上記で論じたように、長方形であることが理解されよう。いくつかの実施形態では、第1および第2のボイドは、ボイドの組み合わせが8の字に似るように互いに交差する。いくつかの実施形態では、ボイドは、圧縮ロータ、アイソレータロータなどの1つ以上のそれぞれのシャフトに結合された1つ以上のロータ上に圧縮シュラウドを設置できるように構成されている。いくつかの実施形態では、ボイドは、1つ以上のロータがそのようなボイドを通って延びるそれぞれのシャフトに設置されることを可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、この方法は、圧縮ハウジング110の後部プレート116を設置することなどによって、圧縮ハウジング110内にロータを封入することをさらに含み、それにより、流体を圧縮チャンバに流入させ、圧縮チャンバから流出させることにそれぞれ関連する入口ポート111および出口ポート119を有する1つ以上の圧縮チャンバを画定する。いくつかの実施形態では、入口ポートの幅は、圧縮チャンバの幅(すなわち、エンジンのパワーシャフトの長手方向軸の距離に沿って測定される)に等しいか、または実質的に等しい。他の実施形態では、入口ポートの幅は、圧縮チャンバの幅よりも小さい。さらに他の実施形態では、入口ポートの幅は、圧縮チャンバの幅よりも大きい。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態は、燃焼アセンブリ200を組み立てる方法を含む。いくつかの実施形態では、この方法は、1つ以上のシャフトを、燃焼ハウジング210の前部プレート214によって画定される開口部を通って延ばすことを含む。いくつかの実施形態では、前部プレート214は、それぞれのシャフトの周りの気密シールを容易にするように構成されている、穴など、互いに変位した2つの穴を画定する。いくつかの実施形態では、燃焼アセンブリを組み立てる方法は、パワーロータ220を、パワーシャフト20などの第1のシャフトに固定することを含む。いくつかのそのような実施形態では、この方法は、アイソレータロータ230を、同期シャフト30などの第2のシャフトに固定することをさらに含む。この方法はさらに、ギアアセンブリなどを介してなど、第1のシャフトを第2のシャフトに関連付けることと、パワーロータが第1のシャフトの中心軸を周りに第1の回転方向(時計回りまたは反時計回り)に回転し、アイソレータロータが第2のシャフトの中心軸を周りに第2の回転方向(反時計回りまたは時計回り)に回転するときに、パワーロータの1つ以上の膨張部材が周期的にアイソレータロータの1つ以上のレセプタクルによって受容されるように、アイソレータロータに対してパワーロータを計時することと、を含み、それにより、パワーロータの連続的な一方向回転を容易にする。
【0067】
いくつかの実施形態では、燃焼アセンブリを組み立てる方法はパワーロータに関連する第1のボイドおよびアイソレータロータに関連する第2のボイドなど、燃焼ハウジング210の燃焼シュラウド213によって画定されるそれぞれのボイドを通って1つ以上のシャフトを延ばすことを含む。いくつかの実施形態では、各ボイドは、パワーロータに関連する第1の半径によって画定される第1の湾曲した内壁および/またはアイソレータロータに関連する第2の半径によって画定される第2の湾曲した内壁などの、燃焼シュラウドが複数の湾曲した内壁212を画定するように、円筒形である。いくつかの実施形態では、第2のボイドは、1つ以上のアイソレータロータの移動を容易にするためなど、流体貯蔵などを容易にするために、上記で論じたように、長方形であることが理解されよう。いくつかの実施形態では、第1および第2のボイドは、ボイドの組み合わせが8の字に似るように互いに交差する。いくつかの実施形態では、ボイドは、パワーロータ、アイソレータロータなどの1つ以上のそれぞれのシャフトに結合された1つ以上のロータ上に燃焼シュラウドを設置できるように構成されている。いくつかの実施形態では、ボイドは、1つ以上のロータがそのようなボイドを通って延びるそれぞれのシャフトに設置されることを可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、この方法は、燃焼ハウジング210の後部プレート216を設置することなどによって、燃焼ハウジング210内にロータを封入することをさらに含み、それにより、流体を燃焼チャンバに流入させ、燃焼チャンバから流出させることにそれぞれ関連する吸気ポート211および排気ポート219を有する1つ以上の燃焼チャンバを画定する。いくつかの実施形態では、排気ポートの幅は、燃焼チャンバの幅(すなわち、エンジンのパワーシャフトの長手方向軸の距離に沿って測定される)に等しいか、または実質的に等しい。他の実施形態では、排気ポートの幅は、燃焼チャンバの幅よりも小さい。さらに他の実施形態では、排気ポートの幅は、燃焼チャンバの幅よりも大きい。いくつかの実施形態では、排気システム(および/または排気システムの1つ以上の分岐)の断面は、スカベンジングを容易にするか、さもなければ燃焼チャンバから排気を引き出すのを助けるためになど、先細りになり、および/またはさもなければ燃焼チャンバの断面よりも大きい。いくつかの実施形態では、排気システム(および/または排気システムの1つ以上の分岐)の断面は、排気を制限する、および/または様々なタイプの制御された燃焼を容易にするためなど、先細りになり、および/またはさもなければ燃焼チャンバの断面よりも大きい。いくつかの実施形態では、排気システムは、排気システムを通過して流れる空気が、排気システムの周りの流体の流れに対して排気システムの出口ポートを向けることなどによって、燃焼チャンバの排気セクションから排気流体を引き出すのを助けるように構成されている。
【0068】
圧縮チャンバおよび燃焼チャンバのそれぞれの容積は、圧縮チャンバの容積を、それぞれの燃焼チャンバの容積よりも大きい、と等しい、またはよりも小さいものにすることなどによって、様々な要件を満たすように変更できることが理解されよう。さらに、複数の燃焼チャンバおよび/または圧縮チャンバの総容積は、1つ以上のそのようなチャンバを追加または削除すること、および/またはそれを再構成、無効化(すなわち、リリーフバルブを開く)、再設計、またはさもなければ変更することなどによって、変更できることが理解されよう。さらにまた、各チャンバの容積は、ロータの幅(すなわち、エンジンのパワーシャフトの長手方向軸の距離に沿って測定される)、ロータの外径、出口/排気ポートに対する入口/吸気ポートの位置付け、および/またはそれぞれのハウジングの内面の直径などのそれぞれのアセンブリの1つ以上のパラメータを変更することによって、変更できることが理解されよう。いくつかの実施形態では、シャフトの直径は、シャフトの長さに沿って変化し、それにより、必要または所望に応じて、より大きなまたはより小さなロータの使用を容易にする。いくつかのそのような実施形態では、シャフトは、機械加工されるか、または様々な直径で形成される単一の部品である。他の実施形態では、シャフトは、第2の部分から延びる第1の部分を含み、第1の部分は、第2の部分の外径よりも小さい外径を有する。いくつかの実施形態では、追加の機構を駆動するため、および/または低動力要件のときに、圧縮された空気でパワーロータを駆動することを容易にする
ためなど、過剰な圧縮空気を貯蔵するために、より大きな圧縮機容積(単一または複合)が利用される。他の実施形態では、燃焼アセンブリの容積は、圧縮アセンブリの容積よりも大きく、それにより、膨張行程中の動力捕捉の最大化に関連する効率(すなわち、アトキンスおよびミラーサイクルがレシプロエンジンで得ようとする効率)を実現する。
【0069】
いくつかの実施形態では、本発明のタンクアセンブリは、タンクアセンブリが燃焼アセンブリに対して開いているときに、タンクアセンブリ内の圧力が流体を燃焼チャンバに送り込むのに十分高いままであるように(すなわち、無視できる圧力降下)、複数のチャージのために作動流体を保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、タンクアセンブリは、タンクアセンブリが燃焼アセンブリに対して開いているときに、タンクアセンブリ内の圧力が流体を、燃焼を容易にするのに十分な高さである(すなわち、許容可能な圧力降下)、ある圧力で燃焼チャンバに送り込むのに十分であるように、十分に高い圧力で流体を保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、燃焼チャンバを、タンクアセンブリに対して開くと、流体を燃焼チャンバ内に送り込むタンクアセンブリ内の加圧された流体に関連するタンクアセンブリ内に圧力降下が生じる。いくつかの実施形態では、1つ以上の圧縮アセンブリは、タンクアセンブリが燃焼チャンバに開いている間に流体をタンクアセンブリに送り込み、それにより、燃焼チャンバをタンクアセンブリに対して開くことに関連する少なくともいくらかの圧力降下を打ち消す。いくつかの実施形態では、1つ以上の機構を利用して、タンクアセンブリの内部領域の容積を選択的に増減させ、それにより、燃焼アセンブリの吸気ポートが開放構成と閉鎖構成との間を移動する間、タンクアセンブリ内の比較的一定の圧力を維持することを容易にする。
【0070】
いくつかの実施形態では、燃焼アセンブリを組み立てる方法は、本発明の燃焼チャンバ215と流体連通している点火チャンバ250を画定することを含む(
図68を参照)。いくつかの実施形態では、第1の点火トンネル252は、点火チャンバ250と燃焼チャンバ215との間に延び、それにより、点火チャンバ内での点火に続く点火チャンバから燃焼チャンバ内への膨張を容易にし、それにより、燃焼チャンバ内での点火を容易にする。いくつかの実施形態では、プラズマプラグなどの点火手段16は、点火チャンバ内での点火を容易にするように、点火チャンバ250内に延びる。いくつかの実施形態では、システムは、点火チャンバに延びる点火手段の代わりに、またはそれに加えて、燃焼チャンバに延びる点火手段を含むことが理解されよう。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、点火チャンバを含まず、および/または点火チャンバは、燃焼チャンバと同一であることが理解されよう。
【0071】
いくつかの実施形態では、燃料インジェクタなどの燃料15を提供する手段は、点火チャンバ内に延び、および/またはさもなければ、良好な点火能力を有する点火チャンバ250内で空燃比を生成するように、点火チャンバ250に対して近接して位置付けられている。いくつかの実施形態では、点火チャンバ250内の空燃比は、燃焼チャンバ内の空燃比よりも大きい。いくつかの実施形態では、チャージの少なくとも一部(燃料、圧縮された作動流体、および/または同様のものなど)は、第2の点火トンネル254を通って点火チャンバに向けられる。いくつかの実施形態では、燃焼アセンブリは、チャージの少なくとも一部が点火の直前に点火チャンバ内を循環し、それにより、空気および燃料の混合を容易にし、および/またはさもなければ点火を容易にするように構成されている(例えば、好ましい空燃混合気の取得を容易にすることなどによって。いくつかの実施形態では、その循環は、点火チャンバ内の空燃混合気を増加させる。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態は、タンクアセンブリ300を組み立てる方法を含む。いくつかの実施形態では、この方法は、1つ以上のシャフトを、タンクハウジング310の前部プレートによって画定される開口部を通って延ばすことを含む。いくつかの実施形態では、タンクアセンブリの前部プレートは、圧縮ハウジング110の後部プレート116
としても機能することが理解されよう。いくつかの実施形態では、前部プレートは、それぞれのシャフトの周りの気密シールを容易にするように構成されている、穴などの、互いに変位した2つの穴を画定する。いくつかの実施形態では、タンクアセンブリ300を組み立てる方法は、回転バルブ320をパワーシャフト20などの第1のシャフトに固定することを含む。この方法はさらに、パワーロータを第1のシャフトに結合することなどによって、第1のシャフトを燃焼アセンブリのパワーロータと関連付けることと、第1のシャフトが第1のシャフトの中心軸の周りに第1の回転方向(時計回りまたは反時計回り)に回転し、それにより、開放構成と閉鎖構成との間の燃焼アセンブリ200の吸気ポート211を移動させて、タンクアセンブリから燃焼アセンブリの燃焼チャンバ215への流体の流れを制御するときに、回転バルブ320の1つ以上の開口部321が、燃焼アセンブリの1つ以上の吸気ポートと周期的に整列されるように、パワーロータに対して回転バルブを時計回りに回転させることと、を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の燃料インジェクタは、燃焼アセンブリの吸気ポートに対して整列され(位置付けられ、および方向付けられ)、吸気ポートが開放構成にあるときに、燃料を燃焼アセンブリに噴射するように構成されている。いくつかの実施形態では、燃料インジェクタは、タンクアセンブリの内部容積内に少なくとも部分的に位置付けられ、タンクアセンブリからの流体が吸気ポートを通って送り込まれて、それにより、それと燃料を送り込みながら、燃料を吸気ポートに向けることなどによって、燃料がタンクアセンブリ内に留まるのを防止するか、さもなければ抑制するように構成されている。
【0073】
いくつかの実施形態では、タンクアセンブリを組み立てる方法は、1つ以上のシャフト(動力チューブ、同期チューブ、および/または同様のものなど)を、タンクハウジング310のタンクシュラウド313によって画定されるボイドを通って延ばすことを含む。いくつかの実施形態では、ボイドは、タンクシュラウドが回転バルブの上に設置されることを可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、ボイドは、回転バルブがそのようなボイドを通って延びるシャフトに設置されることを可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、この方法は、タンクハウジングの後部プレートを設置することなどによって、タンクハウジング310を封入することをさらに含み、それにより、加圧された流体を蓄えるための1つ以上のタンクチャンバを画定し、タンクチャンバは、関連する圧縮アセンブリの出口ポートなどの、流体が受容される少なくとも1つのポート、ならびに関連する燃焼アセンブリの吸気ポートなどの、流体がタンクアセンブリから排出される少なくとも1つのポートを有する。
【0074】
図73~76を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、吸気ポートからのブローバイを防止するか、さもなければ低減させる1つ以上の手段を含む。いくつかの実施形態では、回転バルブ320は、追加の支持および/または剛性を提供するためのテーパ領域を含む。いくつかの実施形態では、タンクハウジングは、回転バルブに追加の支持を提供するために、対応するテーパ領域などの対応する領域を含む。いくつかの実施形態では、タンクハウジングのテーパ領域は、開口部が燃焼アセンブリの吸気バルブと整列しているときに、流体が回転バルブの開口部に向かって流れることを可能にするように経路を画定し、それにより、燃焼アセンブリの燃焼チャンバへの流体の流れを容易にする。いくつかの実施形態では、エンジンは、タンクアセンブリに流入する流体が、それが燃焼アセンブリの吸気ポートに向かって流れるときに、エンジンの1つ以上のシャフトの周りを流れなければならないように構成されている。このようにして、シャフトと流体との間の熱伝達を増加させることができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、1つ以上の燃焼アセンブリが、(機能的および/または文字通りに)1つ以上の他の燃焼アセンブリに積み重ねられる(すなわち、直列に積み重ねられる)ことが理解されよう。いくつかの実施形態では、1つ以上の燃焼アセンブリが、(機能的におよび/または文字通りに)1つ以上の他の燃焼アセンブリに隣接して動作する
(すなわち、並列である)ことがさらに理解されよう。さらに、必要または所望に応じて、1つ以上の燃焼アセンブリを(部分的または完全に)アクティブ化および/または非アクティブ化して、汎用性を提供できることがさらに理解されよう。このようにして、本発明は、優れた動力性能および優れた効率を可能にする。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態は、1つ以上のタンクアセンブリおよび/または1つ以上の燃焼アセンブリの前に位置付けられている1つ以上の圧縮アセンブリを含むことが理解されよう。さらに、いくつかの実施形態では、1つ以上の燃焼アセンブリが、空気の予熱が必要および/または望まれる場合などに、1つ以上のタンクアセンブリおよび/または圧縮アセンブリの前に位置付けられていることが理解されよう。いくつかのそのような実施形態では、1つ以上の排気マニホルドが、エンジンの前方部分からエンジンの後部に向かって延びる。本発明のいくつかの実施形態は、1つ以上の燃焼アセンブリ、タンクアセンブリ、および/または圧縮アセンブリの前、後ろ、および/または内部に位置付けられているギアを含むことをさらに理解されたい。
【0077】
本発明のエンジンは、第1の方向(すなわち、時計回り方向に回転するパワーシャフト)または第2の方向(反時計回り)で動作するように構成することができることが理解されよう。本発明のいくつかの実施形態は、第1および第2のエンジンを航空機の対向する左右の翼に位置付けることなどによって、第1の方向で動作する第1のエンジンを第2の方向で動作する第2のエンジンとペアリングすることを含み、それにより、それに関連するトルク効果を排除するか、さもなければ低減させることがさらに理解されよう。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態は、燃焼アセンブリ200を有する内燃エンジン10を含む。燃焼アセンブリ200は、内部領域を画定する内面212を有する燃焼ハウジング210を含む。パワーロータ220は、燃焼ハウジング210の内部領域内に位置付けられ、パワーロータ220は、燃焼ハウジング210の内面212から変位した外面222を有し、それにより、燃焼チャンバ215を画定する。膨張部材225は、パワーロータ220の外面222から該燃焼ハウジング210の内面212に向かって延び、それにより、エンジンの動力行程中に燃焼チャンバを膨張セクションと排気セクションとに区分けする。排気セクションは、第1のチャージ、第2のチャージなどの作動流体などの膨張した作動流体、およびそれに関連する燃焼副産物の排出を容易にするように構成されている。膨張セクションは、第1のチャージ、第2のチャージなどの作動流体などの作動流体の膨張に関連する動力の生成を容易にするように構成されている。いくつかの実施形態では、燃焼アセンブリは、複数のパワーロータを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のパワーロータは、複数の膨張部材を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、膨張部材225は、パワーロータ220が第1の軸の周りを回転するときに、膨張部材が燃焼チャンバ215を通って移動するように、パワーロータ220に結合されている。いくつかの実施形態では、膨張部材225の遠位端は、パワーロータ220が第1の軸の周りを回転するときに、第1の軸から第1の距離のままである。いくつかの実施形態では、第1の軸は、エンジンの燃焼ハウジング210に対して固定されたままである。いくつかの実施形態では、第1の軸は、スパークプラグ、グロープラグ、プラズマプラグなどの燃焼アセンブリの点火手段16に対して固定されたままである。いくつかの実施形態では、第1の軸は、燃焼アセンブリの燃焼チャンバ215に対して固定されたままである。いくつかの実施形態では、第1の軸は、燃焼アセンブリの吸気ポート211および/または排気ポート219に対して固定されたままであり、吸気ポート211は、燃焼チャンバ215の第1の端部に位置付けられ、排気ポート219は、該燃焼チャンバ215の第2の端部に位置付けられている。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態は、燃焼ハウジング210の内部領域内に少なくとも部分
的に位置付けられている燃焼アイソレータ230を含み、燃焼アイソレータ230は、パワーロータ220の外面222に隣接して位置付けられている外面232を有して、燃焼チャンバ215の第1および/または第2の端部の少なくとも一部を画定する。いくつかの実施形態では、燃焼アイソレータ230は、膨張部材225が排気ポート219から吸気ポート211に向かって移動するときに、パワーロータ220の膨張部材225を受容して、燃焼チャンバからの、以前に点火および膨張された第1のチャージ、第2のチャージなどのチャージの作動流体の排出を容易にすること、(1つ以上のレセプタクルとの/からの膨張部材の繰り返しの係合および解放を容易にすることなどによって)パワーロータ220の連続的な一方向回転を容易にすること、後続の燃焼プロセスのために燃焼アセンブリをリセットすることを容易にすることなどをするように構成されている、レセプタクル235を画定する。いくつかの実施形態では、燃焼アセンブリは、複数のアイソレータを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアイソレータは、複数のレセプタクルを含む。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態は、圧縮アセンブリ100を含む。いくつかの実施形態では、圧縮アセンブリ100は、内部領域を画定する内面112を有する圧縮ハウジング110を含む。圧縮ロータ120は、圧縮ハウジング110の内部領域内に位置付けられ、圧縮ロータ120は、圧縮ハウジング110の内面112から変位した外面122を有し、それにより、圧縮チャンバ115を画定する。圧縮部材125は、圧縮ロータ120の外面122から該圧縮ハウジング110の内面112に向かって延び、それにより、圧縮アセンブリの圧縮行程中に圧縮チャンバを吸気セクションと圧縮セクションとに区分けする。吸気セクションは、燃焼アセンブリによって使用される作動流体などの圧縮性流体を圧縮チャンバに引き込むことを容易にするように構成されている。圧縮セクションは、燃焼チャンバ内の作動流体の圧縮が必要とされないように、流体の圧縮を容易にするように構成されている。いくつかの実施形態では、圧縮アセンブリは、複数の圧縮ロータを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の圧縮ロータは、複数の圧縮部材を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、圧縮部材125は、圧縮ロータ120が第1の軸の周りを回転するときに、圧縮部材が圧縮チャンバ115を通って移動するように、圧縮ロータ120に結合されている。いくつかの実施形態では、圧縮部材125の遠位端は、圧縮ロータ120が第1の軸の周りを回転するときに、第1の軸から第1の距離のままである。いくつかの実施形態では、第1の軸は、エンジンの圧縮ハウジング110に対して固定されたままである。いくつかの実施形態では、第1の軸は、圧縮アセンブリの圧縮チャンバ115に対して固定されたままである。いくつかの実施形態では、第1の軸は、圧縮アセンブリの入口ポート111および/または出口ポート119に対して固定されたままであり、入口ポート111は、圧縮チャンバ115の第1の端部に位置付けられ、出口ポート119は、圧縮チャンバ115の第2の端部に位置付けられている。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態は、圧縮ハウジング110の内部領域内に少なくとも部分的に位置付けられている圧縮アイソレータ130を含み、圧縮アイソレータ130は、圧縮ロータ120の外面122に隣接して位置付けられている外面132を有して、圧縮チャンバ115の第1および/または第2の端部の少なくとも一部を画定する。いくつかの実施形態では、圧縮アイソレータ130は、圧縮部材125が出力ポート119から入口ポート111に向かって移動するときに、圧縮ロータ120の圧縮部材125を受容して、圧縮チャンバからの圧縮された流体の排出を容易にすること、(1つ以上のレセプタクルとの/からの圧縮部材の繰り返しの係合および解放を容易にすることなどによって)圧縮ロータ120の連続的な一方向回転を容易にすること、後続の圧縮プロセスのために圧縮アセンブリをリセットすることを容易にすることなどをするように構成されている、レセプタクル135を画定する。いくつかの実施形態では、圧縮アセンブリは、複数のアイソレータを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアイソレータは、複数のレセプタ
クルを含む。
【0084】
図77~82を参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、空気がエンジンから排出されるのを防止するか、さもなければ抑制し、および/またはそのような排出を制御するためのベントシステムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のロータおよび/またはハウジングは、ロータがハウジング内に位置付けられているときに、1つ以上の凹んだ領域がそれぞれのチューブを取り囲む(直接または変位する)ボイドを形成するように、凹んだ領域705を画定する。このようにして、ハウジングの壁とロータとの間を移動し得るブローバイガス(圧縮された空気ブローバイ、燃焼ブローバイなど)は、シャフトに到達する前にボイドに進入する必要がある。いくつかの実施形態では、ポジティブクランクケースベンチレーション(「PCV」)システムなどのベントシステム700は、ボイドと流体連通しており、それにより、流体がシャフトに到達する前にボイドから流体を排出する。いくつかの実施形態では、ベントシステムは、PCVバルブなどのバルブ710を含み、および/またはそれに接続されている。いくつかの実施形態では、システムは、リングシールなどのシール720を利用して、ボイドを通過して移動し得る流体がシャフトとそれぞれのハウジングとの間のそれぞれのチャンバから移動するのを防止するか、さもなければ抑制する。このようにして、不要なベントを低減または排除することができる。いくつかの実施形態は、ロータではなくハウジングに形成された凹んだ領域を含み、いくつかの実施形態は、ハウジングではなくロータに形成された凹んだ領域を含み、いくつかの実施形態は、ハウジングおよびロータのそれぞれに形成された部分的または完全な凹部を含むことが理解されよう。いくつかの実施形態では、ベントシステムは、ブリーザシステムのフィルタの上流など、ブリーザシステムに少なくともいくらかの流体を戻す。いくつかの実施形態では、ベントシステムは、流体をブリーザシステムの下流にある場所に、例えば、圧縮ハウジング、タンクハウジングなどに直接向ける。
【0085】
図83を参照すると、いくつかの実施形態は、複数の燃料噴射システムを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、ブリーザシステムに燃料を噴射する手段、および/またはさもなければ圧縮アセンブリ内の空気を圧縮する前に流入する空気に燃料を噴射するための手段を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、燃料をタンクアセンブリに噴射する手段、および/またはさもなければ空気が燃焼アセンブリに入る前に燃料を圧縮空気に向けるための手段を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、燃料を、点火チャンバなどの燃焼アセンブリに、および/または燃焼チャンバに直接に噴射する手段を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、本発明の圧縮ロータは、第1の軸の周りを回転し、本発明のアイソレータは、第2の軸の周りを回転し、第1の軸は、第1の軸と平行であるが第1の軸から変位している。いくつかの実施形態では、圧縮ロータは、第1の軸が駆動シャフトの長手方向中心軸と一致するように、燃焼アセンブリから延びる駆動シャフトに結合されている。いくつかのそのような実施形態では、アイソレータロータは、第2の軸が同期シャフトの長手方向中心軸と一致するように、燃焼アセンブリから延びる同期シャフトに結合されている。他の実施形態では、圧縮ロータは、同期シャフトに結合され、および/またはアイソレータロータは、駆動シャフトに結合されている。いくつかの実施形態では、各ロータの回転速度がそれぞれのシャフトの回転速度に等しくなるように、各ロータは、それぞれのシャフトに結合されている。
【0087】
前述の説明では、簡潔さ、明確さ、および理解のために特定の用語が使用されているが、そのような用語は説明の目的で使用され、広く解釈されることを意図しているので、先行技術の要件を超えてそこから不必要とされる制限を暗示してはならない。さらに、本発明の説明および図解は一例であり、本発明の範囲は、示されるまたは説明される正確な詳細に限定されない。
【0088】
本発明の前述の詳細な説明は、例示的な実施形態を参照することによって説明されており、本発明を実施するために企図される最良のモードが示され、説明されているが、特定の変更、修正または変形が、本明細書に具体的に記載されるもの以外の、上記の発明を具体化すること、およびその構築においてなされ得、本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって達成され得ること、ならびにそのような変更、修正または変形は、本発明の全体的な範囲にあると見なされることが理解されよう。したがって、本発明と、本明細書に開示および請求される基本原理の真の精神および範囲にあるすべての変更、修正、変形、または同等物を網羅することが企図されている。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図しており、上記の説明に含まれ、添付の図面に示されるすべての事項は、限定的な意味ではなく例示として解釈されるものとする。
【0089】
ここで、本発明の特徴、発見および原理、本発明が構築および使用される方法、構築の特徴、および得られる有利で新しく有用な結果について説明した。新しく有用な構造、デバイス、要素、配置、部品、および組み合わせは、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0090】
以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載の本発明の一般的および特定の特徴のすべて、および言語の問題としてそれらの間にあると言える本発明の範囲のすべての陳述を網羅することを意図していることも理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼アセンブリを備える内燃エンジンであって、前記燃焼アセンブリが、
内部領域を画定する内面を有する燃焼ハウジングと、
前記燃焼ハウジングの前記内部領域内に位置付けられている、パワーロータであって、前記燃焼ハウジングの前記内面から変位した外面を有し、それにより、燃焼チャンバを画定する、パワーロータと、
前記パワーロータから延びる、駆動シャフトと、
前記パワーロータの前記外面から前記燃焼ハウジングの前記内面に向かって延びる、第1の膨張部材と、を備え、
前記第1の膨張部材が、前記エンジンの動力行程中に、前記燃焼チャンバを膨張セクションおよび排気セクションに区分けし、
前記排気セクションが、第1のチャージの膨張した作動流体の排出を容易にするように構成され、
前記膨張セクションが、第2のチャージの作動流体の膨張に関連する動力生成を容易にするように構成され、
前記第1の膨張部材が、前記パワーロータが第1の軸の周りを回転するときに、前記膨張部材が前記燃焼チャンバを通って移動するように前記パワーロータに結合され、前記第1の軸が、前記駆動シャフトの長手方向中心軸と一致し、
前記駆動シャフトが、前記駆動シャフトの回転速度が前記パワーロータの回転速度に等しくなるように、前記パワーロータに結合され、
前記燃焼ハウジングが、吸気ポートおよび排気ポートを画定し、前記吸気ポートが、前記燃焼チャンバの第1の端部に位置付けられ、前記排気ポートが、前記燃焼チャンバの第2の端部に位置付けられている、内燃エンジン。
【請求項2】
前記燃焼アセンブリが、前記燃焼ハウジングの前記内部領域内に少なくとも部分的に位置付けられている、燃焼アイソレータであって、前記燃焼チャンバの前記第1の端部の少なくとも一部を画定するように、前記パワーロータの前記外面に隣接して位置付けられている外面を有する、燃焼アイソレータ、をさらに含み、
前記燃焼アイソレータが、前記第1の膨張部材が前記排気ポートから前記吸気ポートに向かって移動するときに、前記第1の膨張部材を受容するように構成されている、第1のレセプタクルを画定し、それにより、前記第2のチャージの前記作動流体の前記燃焼チャンバからの排出を容易にし、
前記燃焼アイソレータが、第2の軸の周りを回転し、前記第2の軸が、前記第1の軸と平行であるが、前記第1の軸から変位している、請求項1に記載のエンジン。
【請求項3】
前記燃焼アイソレータから延びる同期シャフトをさらに備え、前記第2の軸が、前記同期シャフトの長手方向中心軸と一致し、
前記同期シャフトが、前記同期シャフトの回転速度が前記燃焼アイソレータの回転速度に等しくなるように、前記燃焼アイソレータに結合され、
前記同期シャフトの回転が、前記パワーロータの連続的な一方向回転を容易にするように、前記駆動シャフトの回転に対してタイミングがとられる、請求項2に記載のエンジン。
【請求項4】
圧縮アセンブリをさらに備え、前記圧縮アセンブリが、
内部領域を画定する内面を有する圧縮ハウジングと、
前記圧縮ハウジングの前記内部領域内に位置付けられている、圧縮ロータであって、前記圧縮ハウジングの前記内面から変位している外面を有し、それにより、圧縮チャンバを画定する、圧縮ロータと、
前記圧縮ロータの前記外面から前記圧縮ハウジングの前記内面に向かって延びる、第1の圧縮部材と、を含み、
前記第1の圧縮部材が、前記エンジンの圧縮行程中に、圧縮チャンバを吸気セクションおよび圧縮セクションに区分けし、
前記吸気セクションが、圧縮性流体を前記圧縮アセンブリの前記圧縮チャンバに引き込むことを容易にするように構成され、
前記圧縮セクションが、前記圧縮性流体の圧縮を容易にするように構成され、
前記第1の圧縮部材が、前記圧縮ロータが前記第1の軸の周りを回転するときに、前記膨張部材が前記圧縮チャンバを通って移動するように、前記圧縮ロータに結合され、
前記駆動シャフトが、前記圧縮ロータの回転速度が前記駆動シャフトの回転速度に等しくなるように、前記圧縮ロータに結合されている、請求項1に記載のエンジン。
【請求項5】
前記圧縮アセンブリが、前記圧縮ハウジングの前記内部領域内に少なくとも部分的に位置付けられている、圧縮アイソレータであって、前記圧縮チャンバの第1の端部の少なくとも一部を画定するように、前記圧縮ロータの前記外面に隣接して位置付けられている外面を有する、圧縮アイソレータ、をさらに含み、
前記圧縮アイソレータが、前記第1の圧縮部材が前記圧縮アイソレータを通過するときに、前記第1の圧縮部材を受容するように構成されている、第1のレセプタクルを画定し、
前記圧縮アイソレータが、第2の軸の周りを回転し、前記第2の軸が、前記第1の軸と平行であるが、前記第1の軸から変位している、請求項4に記載のエンジン。
【請求項6】
前記圧縮アイソレータから延びる、同期シャフトをさらに備え、前記第2の軸が、前記同期シャフトの長手方向中心軸と一致し、
前記同期シャフトが、前記同期シャフトの回転速度が前記圧縮アイソレータの回転速度に等しくなるように、前記圧縮アイソレータに結合され、
前記同期シャフトの回転が、前記圧縮ロータの連続的な一方向回転を容易にするように、前記駆動シャフトの回転に対してタイミングがとられる、請求項5に記載のエンジン。
【請求項7】
前記圧縮ロータと前記圧縮ハウジングとの間のギャップが、毎分5,000回転を超える速度で流体を圧縮するのを容易にするようなサイズであり、前記エンジンが、シーリング剤を前記圧縮チャンバに噴射するための、作用剤噴射システムをさらに備え、それにより、毎分5,000回転未満の速度で流体を圧縮するのを容易にする、請求項6に記載のエンジン。
【請求項8】
前記圧縮ハウジングの第1の位置と流体連通する、ベントシステムであって、前記第1の位置が、前記圧縮チャンバと前記駆動チューブの外面との間に、流体が前記駆動チューブの前記外面に沿って前記圧縮ハウジングから移動するのを防止するように、位置付けられている、ベントシステム、をさらに備える、請求項6に記載のエンジン。
【請求項9】
前記燃焼ハウジングの第1の位置と流体連通する、ベントシステムであって、前記第1の位置が、前記燃焼チャンバと前記駆動チューブの外面との間に、流体が前記駆動チューブの前記外面に沿って前記燃焼ハウジングから移動するのを防止するように、位置付けられている、ベントシステム、をさらに備える、請求項8に記載のエンジン。
【請求項10】
前記燃焼ハウジングの第1の位置と流体連通する、ベントシステムであって、前記第1の位置が、前記燃焼チャンバと前記駆動チューブの外面との間に、流体が前記駆動チューブの前記外面に沿って前記燃焼ハウジングから移動するのを防止するように、位置付けられている、ベントシステム、をさらに備える、請求項1に記載のエンジン。
【外国語明細書】