(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011472
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】配線基板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20240118BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H05K3/46 E
H05K3/46 N
H05K1/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113452
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】桑原 雅
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA04
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC12
5E316CC13
5E316CC14
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC37
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5E316FF15
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5E338EE02
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】配線基板における良好な伝送特性を有する微細な信号伝送路の提供。
【解決手段】実施形態の配線基板1は、交互に積層されている複数の導体層21~25及び複数の絶縁層31~35を含んでいる。導体層21~25のうちの配線基板1の第1面1f側の最も外側の導体層25は、第1部品E1が搭載される第1導体パッド71、及び、第2部品E2が搭載される第2導体パッド72を含み、導体層21~25は、第1導体パッド71と第2導体パッド72とを接続する第1配線パターン14を含む第1導体層24を含み、第1導体層24における第1面1f側の表面24aは研磨面であり、第1導体層24に含まれる配線パターンの最小の配線幅は3μm以下であり、第1導体層24に含まれる配線パターン同士の最小の間隔は3μm以下であり、第1配線パターン14のアスペクト比は2.0以上、4.0以下である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面の反対面である第2面を有していて、
交互に積層されている複数の導体層及び複数の絶縁層と、
前記複数の絶縁層のいずれかを貫いて前記複数の導体層の各導体層同士を接続するビア導体と、
を含んでいる配線基板であって、
前記複数の導体層のうちの前記第1面側の最も外側の導体層は、第1部品が搭載される第1導体パッド、及び、第2部品が搭載される第2導体パッドを含み、
前記複数の導体層は、前記第1導体パッドと前記第2導体パッドとを接続する第1配線パターンを含む第1導体層を含み、
前記第1導体層における前記第1面側の表面は研磨面であり、
前記第1導体層に含まれる配線パターンの最小の配線幅は3μm以下であり、
前記第1導体層に含まれる配線パターン同士の最小の間隔は3μm以下であり、
前記第1配線パターンのアスペクト比は2.0以上、4.0以下である。
【請求項2】
請求項1記載の配線基板であって、
前記第1配線パターンの配線幅は3μm以下であり、
前記第1配線パターン同士の間隔は3μm以下である。
【請求項3】
請求項2記載の配線基板であって、前記第1配線パターンの厚さは7μm以下である。
【請求項4】
請求項1記載の配線基板であって、前記ビア導体のアスペクト比は、0.5以上、1.0以下である。
【請求項5】
請求項1記載の配線基板であって、
前記複数の導体層は、スパッタ膜からなる第1層と、前記第1層上に形成されている金属膜からなる第2層と、を含む導体層を含んでいる。
【請求項6】
請求項1記載の配線基板であって、
前記複数の絶縁層は、前記第1面側の表面に凹部を有する絶縁層を含み、
前記複数の導体層は、前記凹部内を充填する導電体によって構成されていて研磨面である前記第1面側の表面を前記複数の絶縁層それぞれの前記表面に露出させている導体層を含んでいる。
【請求項7】
請求項1記載の配線基板であって、
前記複数の導体層のうちの前記第2面側の最も外側の導体層を除く全てにおいて前記第1面側の表面が研磨面であり、
前記複数の導体層のうちの前記第2面側の最も外側の導体層を除く全てが、3μm以下の配線幅及び2.0以上、4.0以下のアスペクト比を有すると共に、隣接する配線パターンとの間に3μm以下の間隔を有する配線パターンを含んでいる。
【請求項8】
請求項1記載の配線基板であって、さらに、前記第2面に付着している支持体を含んでいる。
【請求項9】
請求項1記載の配線基板であって、前記研磨面は0.3μm以下の算術平均粗さを有している。
【請求項10】
請求項1記載の配線基板であって、
前記複数の導体層のうちの前記第2面側の最も外側の導体層は、外部の導電体に接続される第3導体パッドを含み、
前記第1導体パッド及び前記第2導体パッドのいずれか一方又は両方と前記第3導体パッドとが、積層されている複数の前記ビア導体を介して接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、積層された複数の樹脂絶縁層と、その複数の樹脂絶縁層それぞれの上に形成されている導体層と、各導体層同士を接続するビア導体とを含むプリント配線板が開示されている。最も上側の導体層の露出面や最も下側の導体層の露出面からなる複数のパッドは、集積回路(IC)チップやマザーボードと接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のプリント配線板では、プリント配線板に接続されるICチップのような電子部品の電極に応じた微細な配線や、電子部品同士の間で伝送される高周波信号に対して十分な伝送特性を有する信号線路を提供できないことがある。また、パッドにおいて適切な表面状態が得られずに、電子部品のような外部要素とプリント配線板との間で十分な接続品質が得られなかったり、伝送品質がさらに低下したりすることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の配線基板は、第1面及び前記第1面の反対面である第2面を有していて、交互に積層されている複数の導体層及び複数の絶縁層と、前記複数の絶縁層のいずれかを貫いて前記複数の導体層の各導体層同士を接続するビア導体と、を含んでいる。前記複数の導体層のうちの前記第1面側の最も外側の導体層は、第1部品が搭載される第1導体パッド、及び、第2部品が搭載される第2導体パッドを含み、前記複数の導体層は、前記第1導体パッドと前記第2導体パッドとを接続する第1配線パターンを含む第1導体層を含み、前記第1導体層における前記第1面側の表面は研磨面であり、前記第1導体層に含まれる配線パターンの最小の配線幅は3μm以下であり、前記第1導体層に含まれる配線パターン同士の最小の間隔は3μm以下であり、前記第1配線パターンのアスペクト比は2.0以上、4.0以下である。
【0006】
本発明の実施形態によれば、部品と接続される配線基板において優れた信号伝送特性を有する微細な伝送路を提供することができると共に、部品との接続に関する品質を高め得ることがある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態の配線基板の一例を示す断面図。
【
図4】一実施形態の配線基板の変形例を示す断面図。
【
図5A】一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図5B】一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図5C】一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図5D】一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図5E】一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図5F】一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図5G】一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図5H】一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図5I】一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図5J】一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図5K】一実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図6】一実施形態の配線基板を用いた電子部品の製法の一例を示す断面図。
【
図7】本発明の他の実施形態の配線基板を示す断面図。
【
図9A】他の実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図9B】他の実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図9C】他の実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【
図9D】他の実施形態の配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態の配線基板が図面を参照しながら説明される。
図1には、本実施形態の配線基板の一例である配線基板1の断面図が示されている。
図2には、配線基板1の平面視での一例が示され、
図3には
図1のIII部の拡大図が示されている。なお「平面視」は、配線基板1の厚さ方向に沿う視線で対象物を見ることを意味している。なお、配線基板1は実施形態の配線基板の一例に過ぎない。例えば、実施形態の配線基板の積層構造、並びに、実施形態の配線基板に含まれる導体層及び絶縁層それぞれの数は、
図1の配線基板1の積層構造、及び配線基板1に含まれる導体層及び絶縁層それぞれの数に限定されない。また、以下の説明で参照される各図面では、開示される実施形態が理解され易いように特定の部分が拡大して描かれていることがあり、大きさや長さに関して、各構成要素が互いの間の正確な比率で描かれていない場合がある。
【0009】
図1に示されるように、配線基板1は、配線基板1の厚さ方向と直交する2つの表面(主面)のうちの一方である第1面1f及び第1面1fの反対面である第2面1sを有している。配線基板1は、交互に積層されている複数の導体層及び複数の絶縁層を含んでいる。具体的には、
図1に例示の配線基板1は、交互に積層されている導体層21~25及び絶縁層31~35を含んでいる。
図1の例において配線基板1は、導体層21~25及び絶縁層31~35を逐次形成することによって製造される、所謂ビルドアップ配線基板である。
【0010】
導体層21~25のうちで導体層21が、配線基板1の第2面1s側の最も外側に形成されている。導体層21における第2面1s側の表面以外の表面は絶縁層31に覆われている。そして、絶縁層31における第1面1f側の表面上に、第1面1fに向かって順に、導体層22、絶縁層32、導体層23、絶縁層33、導体層24、絶縁層34、導体層25、及び絶縁層35が形成されている。導体層25は、配線基板1における第1面1f側の最も外側の導体層である。配線基板1の第1面1fは、主に、導体層25を覆っている絶縁層35における導体層25と反対方向を向く表面によって構成されている。一方、配線基板1の第2面1sは、導体層21及び絶縁層31それぞれにおける導体層22と反対方向を向く表面によって構成されている。
【0011】
なお、実施形態の説明では、配線基板1の厚さ方向(積層方向)において第1面1f側は、「上側」もしくは「上方」、又は単に「上」とも称され、第2面1s側は、「下側」もしくは「下方」、又は単に「下」とも称される。さらに、各導体層及び各絶縁層において、第1面1f側を向く表面は「上面」とも称され、第2面1s側を向く表面は「下面」とも称される。なお、実施形態の配線基板の厚さ方向は「Z方向」とも称される。
【0012】
実施形態の配線基板1は、さらに、絶縁層31~34のいずれかを貫いて導体層21~25の各導体層同士を接続するビア導体4を含んでいる。
図1の配線基板1は、絶縁層31~34それぞれを貫く複数のビア導体4を含んでいる。絶縁層31を貫くビア導体4は導体層21と導体層22とを接続し、絶縁層32を貫くビア導体4は導体層22と導体層23とを接続し、絶縁層33を貫くビア導体4は導体層23と導体層24とを接続し、絶縁層34を貫くビア導体4は導体層24と導体層25とを接続している。各ビア導体4は、自身の上側に形成される導体層と一体的に形成されている。各ビア導体4は、配線基板1の第1面1f側から第2面1s側に向かって幅が細くなるテーパー形状を有している。なおビア導体4の「幅」は、ビア導体4におけるZ方向と直交する断面(又は端面)の外周上の2点間の最長距離である。
【0013】
導体層21~25は、それぞれ、所定の導体パターンを含んでいる。
図1の例において第1面1f側の最も外側の導体層である導体層25は、配線基板1の使用時に配線基板1に搭載される部品(
図1及び
図2の例において第1部品E1及び第2部品E2)と接続される複数の導体パッド71及び複数の導体パッド72を含んでいる。導体パッド71は、第1部品E1が搭載される導体パッド(第1導体パッド)であり、導体パッド72は、第1部品E1とは別の部品である第2部品E2が搭載される導体パッド(第2導体パッド)である。なお「別の部品」は、単に第1部品E1と第2部品E2とが別個の部品であることを意味し、必ずしも異種の部品であることを意味しない。第1部品E1と第2部品E2とは、同種の部品であってもよく、互いに異なる機能を有する部品であってもよい。配線基板1に搭載される第1部品E1及び第2部品E2は、例えば、マイコンやメモリなどの半導体集積回路装置のような電子部品であり得る。
【0014】
第1部品E1及び第2部品E2が搭載される配線基板1の第1面1fは、第1部品E1が配置される領域である部品搭載領域A1、及び、第2部品E2が配置される領域である部品搭載領域A2を有している。
図1及び
図2の例では、複数の導体パッド71は、全て、部品搭載領域A1に設けられており、複数の導体パッド72は、全て、部品搭載領域A2に設けられている。なお、
図2では、絶縁層34よりも上側の構成要素の描画は省略されて導体パッド71及び導体パッド72だけが示されている。
【0015】
図1の配線基板1は、さらに、導体パッド71又は導体パッド72の表面上に形成されている複数の導体ポスト5を含んでいる。導体ポスト5は、絶縁層35を貫通して、配線基板1の第1面1fを構成する絶縁層35の上面から突出している。絶縁層35の上面には、導体層は形成されておらず、導体ポスト5以外の導電体は存在しない。導体ポスト5によって、配線基板1に搭載される部品(
図1の例では第1部品E1及び第2部品E2)と導体パッド71又は導体パッド72とが接続される。導体ポスト5を介して第1部品E1及び第2部品E2が配線基板1に接続されるので、各部品の搭載が容易になることや、導体パッド71同士の短絡や導体パッド72同士の短絡が防がれることがある。
【0016】
導体ポスト5における導体層25と反対側の端面には、導体ポスト5の端面の保護層として、及び/又は、第1部品E1若しくは第2部品E2と導体ポスト5との接合層として、機能し得る機能層6が形成されている。機能層6は、例えばニッケル、すず、パラジウム、又は金などのめっき膜によって形成されている。
【0017】
導体層25は、導体パッド71及び導体パッド72以外にも、導体パターン17及び複数の配線パターン15を含んでいる。
図1に示されるように導体パターン17は、導体パッド71と導体パッド72とを接続している。配線パターン15は、図示されていないが、導体層21~25のいずれかが含む任意の導体パッド同士を接続して電気信号を伝播させる信号線路である。
【0018】
導体層24は複数の配線パターン14を含み、導体層23は導体パターン16及び複数の配線パターン13を含み、そして導体層22は複数の配線パターン12を含んでいる。導体層23が含む導体パターン16の両端は、それぞれ、ビア導体4を介して1つの導体パッド71及び1つの導体パッド72に接続されている。これら導体パッド71と導体パッド72とは、導体パターン16を介して互いに接続されている。導体層24が含む複数の配線パターン14、導体層23が含む複数の配線パターン13、及び、導体層22が含む複数の配線パターン12は、それぞれ、配線パターン15と同様に、任意の導体パッド同士を接続して電気信号を伝播させる信号線路である。
【0019】
一方、
図1の例において配線基板1の第2面1s側の最も外側の導体層である導体層21は、導体パッド73を含んでいる。導体パッド73は、配線基板1の外部の導電体(図示せず)に接続される導体パッド(第3導体パッド)である。導体パッド73と接続される外部の導電体は、例えば、第1部品E1及び第2部品E2と同様に半導体集積回路装置のような電子部品の電極であり得る。導体パッド73は、半導体集積回路装置に限らず、任意の電子部品の電極や、電子機器のマザーボードのような配線基板1以外の配線基板のパッド、又は任意の導電性の機構部品などと、接続され得る。
【0020】
図1の例では、導体層25の導体パッド71と導体層21の導体パッド73とが、積層されている複数のビア導体4(所謂スタックビア導体)を介して接続されている。同様に、導体パッド72と導体パッド73とが、積層されている複数のビア導体4を介して接続されている。そのため、導体パッド71及び導体パッド72と、導体パッド73とが、略最短距離で接続されている。従って、配線基板1の使用時には、第1部品E1及び第2部品E2と、例えばマザーボードのような導体パッド73と接続される部材とが、短い経路で接続され得る。そのため意図通りの電気的特性が得られ易いと考えられる。なお、
図1の例と異なり、導体パッド71及び導体パッド72のいずれか一方だけが、所謂スタックビア導体を介して導体パッド73と接続されていることもあり、導体パッド71、72のいずれもが導体パッド73と接続されていないこともある。
【0021】
図2には、導体層24が含む複数の配線パターン14が破線で示されている。
図2に示されるように、複数の配線パターン14は、それぞれ、複数の導体パッド71の1つの真下と、複数の導体パッド72の1つの真下との間に延びている。そして、各配線パターン14の両端は、それぞれ、ビア導体4を介して、導体パッド71又は導体パッド72に接続されている。すなわち、複数の導体パッド71のいずれかと、複数の導体パッド72のいずれかとは、配線パターン14を介して接続されている。
【0022】
このように、実施形態の配線基板1が含む複数の導体層(
図1の例では導体層21~25)は、導体パッド71と導体パッド72とを接続する配線パターンを含む導体層(
図1及び
図2の例では配線パターン14を含む導体層24)を含んでいる。なお、実施形態の説明では、第1部品E1が搭載される導体パッド71のような第1導体パッドと、第2部品E2が搭載される導体パッド72のような第2導体パッドとを接続する、配線パターン14のような配線パターンは、他の配線パターンとの区別のために適宜「第1配線パターン」とも称される。また、「第1配線パターン」を含む導体層24のような導体層は、他の導体層との区別のために適宜「第1導体層」とも称される。
【0023】
前述したように、導体パターン16及び導体パターン17も、導体パッド71と導体パッド72とを接続している。導体パターン16、17は、所謂グランドプレーンや電源プレーンとして機能する、又は配線パターン14のシールドとして機能する、所謂ベタパターンであり得る。しかし、導体パターン16、17は、配線パターン14のように電気信号を伝播させる配線パターンであってもよい。導体パターン16、17が配線パターンである場合、導体パターン16、17も、それぞれ「第1配線パターン」であり得る。配線パターン12、配線パターン13、及び、配線パターン15も、それぞれが導体パッド71と導体パッド72とを接続していてもよく、その場合は、配線パターン12、13、15も「第1配線パターン」であり得る。従って、導体層22、23、25も、それぞれ「第1導体層」であり得る。すなわち、実施形態の配線基板は「第1配線パターン」を含む1以上の任意の数の「第1導体層」を含み得る。また「第1導体層」は1以上の任意の数の「第1配線パターン」を含み得る。
【0024】
そして実施形態の配線基板において、配線基板1の導体層24のような「第1導体層」における第1面1f側の表面24aは、研磨で仕上げられた状態を有する研磨面である。そのため表面24aは、例えば、金属の析出によって形成されたままのめっき膜の面粗度よりも低い面粗度を有し得る。そのため、導体層24が含む配線パターン14などでは、高周波信号の伝送において見られる表皮効果による実質的な導体抵抗の増大による信号伝送特性の低下や電圧降下の増大が生じ難いと考えられる。例えば、導体層24のような「第1導体層」が第1面1f側の表面として有する研磨面は、0.3μm以下の算術平均粗さを有し得る。そのような面粗度が得られていると、上記のような伝送特性に関する好ましい効果が得られることがある。
【0025】
また、研磨面である表面24aは、導体層24全体に渡って均一な高さ(例えば第2面1sからの距離)を有し易い。そのため、導体層24上に形成されるビア導体4の高さも揃いやすく、さらにその上に形成される導体ポスト5の高さも揃い易い。結果として、第1部品E1及び/又は第2部品E2が安定して配線基板1に搭載されると考えられる。また、表面24aが研磨面であると、配線パターン14などの厚さが、その全長に渡って略一定になり易く、もって、配線パターン14の特性インピーダンスに変動が生じ難い。そのため、配線パターン14における反射損失が抑制されることがある。
【0026】
図3に示されるように、配線基板1の導体層24が含む配線パターン14は、配線幅W1、及び隣接する配線パターン14との間に間隔Gを有している。本実施形態では、配線パターン14のような導体パッド71と導体パッド72とを接続する配線パターンを含む導体層24のような「第1導体層」は、実施形態の配線基板が含む配線パターンの中で、比較的微細なピッチで配置される配線パターンを含んでいる。本実施形態の配線基板において「第1導体層」が含む配線パターンの配線幅W1の最小値は1μm以上、3μm以下であり、その配線パターン同士の間隔Gの最小値は1μm以上、3μm以下である。すなわち、「第1導体層」は、3μm以下の配線幅を有し、且つ、隣接する配線パターンとの間に3μm以下の間隔を有する配線パターンを含んでいる。
図1~
図3の例では、第1配線パターンである配線パターン14の配線幅W1が1μm以上、3μm以下であり、配線パターン14同士の間隔Gが1μm以上、3μm以下である。
【0027】
本実施形態では、導体層24のような「第1導体層」が、このように微細な最小配線幅及び微細な最小配線間隔を有する配線パターンを含み、特に、配線パターン14のような「第1配線パターン」が微細な最小配線幅及び微細な最小配線間隔を有している。そのため、第1部品E1と第2部品E2とが、占有面積の小さい複数の信号線路で接続されると考えられる。従って、実施形態の配線基板1は、従来の配線基板と比べて小さく実現され得ることがある。また、部品と接続される導体パッド間に、このように微細な配線幅及び配線間隔の配線パターンを有する実施形態の配線基板の設計では、2つの部品の配置に関する自由度が高いことがある。
【0028】
加えて、本実施形態では、このように微細な配線幅を有し得る配線パターン14のような「第1配線パターン」は、配線幅W1よりも大きな厚さTを有している。そのため、本実施形態において第1配線パターンは、比較的大きなアスペクト比(第1配線パターンの厚さT/第1配線パターンの幅W1)を有している。具体的には、配線パターン14のような「第1配線パターン」のアスペクト比は2.0以上、4.0以下である。このようなアスペクト比を有する第1配線パターンは、小さな配線幅の割に低い導体抵抗を有し得る。そのため、導体パッド71と導体パッド72とを接続する配線パターン14の挿入損失が低いと考えられる。そのため、第1部品E1と第2部品E2との間で、少ない伝送損失で信号を伝播させることができ、すなわち良好な伝送効率が得られることがある。また、第1部品E1と第2部品E2とを接続する信号線路において所望の特性インピーダンスがされ易く、さらに挿入損失を低減し得ることがある。
【0029】
図1~
図3の例において第1配線パターンである配線パターン14の厚さT、すなわち、第1導体層である導体層24の厚さは、4μm以上、7μm以下であり得る。このような厚さが得られていると、実施形態の配線基板の厚さを顕著に増大させずに、前述したような挿入損失の低減などの効果が得られることがある。
【0030】
前述したように、本実施形態では、導体層22~25のいずれもが、比較的微細なピッチで配置される配線パターン14のような配線パターンを含み得る。そのため、小さなピッチで並ぶビア導体4、すなわち、小さな幅を有するビア導体4が好ましいことがあり、その観点から、大きなアスペクト比を有するビア導体4が好ましいことがある。実施形態の配線基板1では、ビア導体4のアスペクト比は、例えば、0.5以上、1.0以下であり得る。微細なピッチで並ぶ配線パターン14のような配線パターンが、その配線パターンを含む導体層と異なる導体層の配線パターンと、導体層間の接続部においても比較的微細なピッチを保って接続され得ることがある。なお、ビア導体4のアスペクト比は、
図3に示される、(ビア導体4によって接続される2つの導体層のZ方向における間隔D)/(第1面1f側の導体層との界面におけるビア導体4の幅W2)である。
【0031】
前述したように、配線基板1では、導体層22、23、25も「第1導体層」であり得る。従って、実施形態の配線基板1が含む複数の導体層のうちの第2面1s側の最も外側の導体層(
図1~
図3の例における導体層21)を除く全てにおいて、第1面1f側の表面が研磨面であってもよい。各導体層において、前述したような良好な伝送特性などの効果が得られることがある。また、前述したように、導体層22、23、25も、導体層24の配線パターン14のような「第1配線パターン」を含み得る。従って、実施形態の配線基板1が含む複数の導体層のうちの第2面1s側の最も外側の導体層を除く全てが、1μm以上、3μm以下の配線幅及び2.0以上、4.0以下のアスペクト比を有する配線パターンを含んでいてもよい。さらに、第2面1s側の最も外側の導体層を除く全ての導体層が、隣接する配線パターンとの間に1μm以上、3μm以下の間隔を有する配線パターンを含んでいてもよい。各導体層において挿入損失の小さい配線パターンが得られ、加えて、実施形態の配線基板が、一層高い自由度の下で設計され、そして従来の配線基板と比べて一層小さく実現され得ることがある。
【0032】
絶縁層31~34は、2つの導体層の間に介在する層間絶縁層であり、それぞれ、絶縁性樹脂を用いて形成され得る。絶縁性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、又はフェノール樹脂のような熱硬化性樹脂、及び、フッ素樹脂、液晶ポリマー(LCP)、フッ化エチレン(PTFE)樹脂、ポリエステル(PE)樹脂、及び変性ポリイミド(MPI)樹脂のような熱可塑性樹脂が例示される。絶縁層31~34は、シリカ、アルミナなどの無機フィラー(図示せず)を含み得る。絶縁層31~34は、図示されないガラス繊維などの補強材(芯材)を含んでいてもよい。しかし、補強材を含まない方が、微細なピッチで並ぶ配線パターンの形成の容易性の面で、好ましいことがある。
【0033】
絶縁層31~34が無機フィラーを含む場合、含まれる無機フィラーとしては、粒径(無機フィラーの表面上の2点間の最長距離)の小さな無機フィラーが好ましいと考えられる。例えば、絶縁層31~34は、最大でも1μm以下の粒径を有する複数の無機フィラーを含み得る。各絶縁層に含まれる無機フィラーの粒径が小さいと、例えば、配線パターン14のように、微細なピッチで並ぶ配線パターン間においても、無機フィラーに沿ったリーク経路などによる短絡不良が生じ難いことがある。また、微小なビア導体4の形成や、後に参照される
図7などに例示の形態の配線パターンの形成が容易なことがある。
【0034】
また、配線基板1に含まれる導体層21~25それぞれが含む配線パターンにおいて良好な高周波信号の伝送特性を得るべく、低い誘電率及び誘電損失を有している絶縁層31~34が好ましい。例えば、5.8GHzの周波数において絶縁層31~34それぞれの比誘電率は、3.0以上、4.0以下程度であり、誘電正接は、0.001以上、0.005以下程度である。
【0035】
導体層25を覆う絶縁層35も、絶縁層31~34と同様の絶縁性樹脂を用いて形成され得る。しかし、配線基板1の第1面1fを構成する絶縁層35は、ソルダーレジストとして機能する絶縁層であってもよい。その場合、絶縁層35は、絶縁層31~34と主成分又は添加剤が異なる材料で形成されていてもよい。例えば絶縁層35は、感光剤を含むエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを用いて形成されていてもよい。
【0036】
導体層21~25、ビア導体4、及び導体ポスト5は、例えば銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて形成されている。導体層21~25、ビア導体4及び導体ポスト5は、
図1では、簡略化されて1つの層だけを有するように描かれているが、拡大図である
図3に示されるように、それぞれめっきもしくはスパッタリングなどで形成される2つ以上の金属膜を含む多層構造を有していてもよい。
【0037】
図3の例において、導体層21は、例えば電解めっき膜からなる1層の金属膜で形成されている。導体層21は絶縁層31に埋め込まれて第2面1s側の表面だけを露出させている。一方、導体層22~25、及び導体ポスト5は、それぞれ、第1層20aと、第1層20a上に形成されている第2層20bとを含んでおり、これら2層の金属膜によって構成される2層構造を有している。第2層20bは、全面的に、第1層20aの上に、すなわち、配線基板1の第1面1f側に形成されている。第2層20bにおける第1面1f側の表面が、前述した導体層22~25それぞれが有し得る研磨面である。
【0038】
第1層20aは、例えば無電解めっき膜又はスパッタ膜のような金属膜からなる。第2層20bは、例えばめっきなどによって形成される金属膜からなる。第2層20bは、第1層20aを給電層として用いる電解めっきによって形成された金属膜であってもよい。第1層20aは、第2層20bと、各導体層の下側の各絶縁層との間に介在している。第1層20aがスパッタ膜からなる場合、導体層22~25及び導体ポスト5それぞれと絶縁層31~35それぞれとの強固な密着性が得られていることがある。また、導体層22~25及び導体ポスト5それぞれの上面の平坦性が高いことがある。
【0039】
図3に示されるように、機能層6も多層構造を有し得る。
図3の例において機能層6は、導体ポスト5における導体層25と反対側の端面(上面)上に直接形成されている下層61と、下層61上に形成されている上層62とを有している。上層62は、例えば、すず、パラジウム、金、又はこれらの合金によって形成されている。上層62は、導体ポスト5の保護膜、及び/又は、導体ポスト5と第1部品E1又は第2部品E2(
図1参照)との接合材として機能する。下層61は、例えばニッケルなどの適切な性状を有する金属で形成されており、上層62と導体ポスト5との間のバリア膜及び/又は両者の密着性の強化膜として機能し得る。
【0040】
図4には、本実施形態の配線基板1の変形例である配線基板1aが示されている。
図4は、配線基板1aにおける、
図1に示される配線基板1の断面図と同様の箇所での断面図である。
図4に示されるように、配線基板1aは、
図1の例の配線基板1に加えて、支持体8を含んでいる。
図4の例の配線基板1aは、支持体8を備えている点を除いて、
図1の例の配線基板1と同様の構造を有している。従って、既に説明された
図1の配線基板1の各構成要素と共通の構成要素には、
図4において、
図1に付されている符号と同じ符号が付されるか適宜省略され、それらの構成要素についての説明は省略される。
【0041】
図4に示されるように、支持体8は、
図1の例の配線基板1の第2面1sに付着している。換言すると、支持体8の一面上に配線基板1が形成されている。
図4の例の支持体8は、基材81と、基材81の両面それぞれに積層されている第1金属膜層82と、第1金属膜層82上に形成されている剥離層83と、剥離層83上に積層されている第2金属膜層84と、を含んでいる。
【0042】
基材81は、例えば、適切な剛性を有するガラス、シリコンなどの無機素材、又は、ガラス繊維などの補強材に含侵されたエポキシ樹脂などの有機素材からなる。第1及び第2の金属膜層82、84は、例えば、銅、又は銅/チタン合金、などの任意の金属で構成され得る。剥離層83は、第1金属膜層82と第2金属膜層84同士を、所定の状況下で付着させることができ、そして、特定の処理を受けることによって、付着している第1金属膜層82と第2金属膜層84とを分離させることが可能な任意の材料で形成されている。例えば、特定の処理によって、軟化又は脆弱化したり、粘着性を喪失したりする材料が、剥離層83に用いられる。剥離層83は、例えば加熱によって軟化する熱可塑性の接着剤や、紫外線の照射によって変質する感光性の接着剤などで形成され得る。なお、絶縁層31と第2金属膜層84とは、例えば絶縁層31の形成時の絶縁層31自身の粘着性によって付着しており、導体層21と第2金属膜層84とは、例えばめっきによる導体層21の形成時の金属間結合によって付着している。
【0043】
支持体8は、配線基板1よりも高い剛性を有している。そのため支持体8によって配線基板1が支持される。従って、
図4の例の配線基板1aには、安定して、第1部品E1及び第2部品E2(
図1参照)のような部品が実装され得る。さらに、実装された部品の樹脂などによる封止も容易に行われ得る。配線基板1を含む、例えばマルチチップパッケージデバイスのような、高集積度且つ小型の半導体集積回路装置が容易に製造されると考えられる。なお、部品実装後又は封止後に、例えば前述した加熱や紫外線照射などの適切な処理を経て第1金属膜層82と第2金属膜層84とが剥離層83を境に分離される。配線基板1側に残る第2金属膜層84は、例えばエッチングなどによって除去され得る。
図4に例示の支持体8は、本実施形態の配線基板1aが含み得る支持体の一例に過ぎない。配線基板1を支持し得る、任意の材料、構造、及び形体の部材が、支持体8として用いられ得る。
【0044】
つぎに、
図5A~
図5Kを参照して、
図1に例示の配線基板1が製造される場合を例に、本実施形態の配線基板を製造する方法の一例が説明される。なお、先に為された配線基板1の各構成要素の材料の説明と異なる説明がない限り、各構成要素は、各構成要素について先に説明された材料のいずれかを用いて形成され得る。
【0045】
図5Aに示されるように、支持体8が用意され、その一面8aに導体層21が形成される。
図5Aに示される例では、先に参照された
図4に例示の支持体8が用意されている。すなわち、
図5Aの例では、先に説明されたように、基材81と、第1金属膜層82と、剥離層83と、第2金属膜層84と、を含む支持体8が用意されている。
【0046】
導体層21は、例えば、電解めっきを用いるパターンめっきによって形成される。支持体8の一面8aを構成する第2金属膜層84上に、導体層21に含まれるべき導体パッド73などの導体パターンの形成位置に応じた開口を有するめっきレジスト(図示せず)が設けられる。そして、第2金属膜層84を給電層として用いる電解めっきによって、めっきレジストの開口内に銅などの金属が析出され、その析出される金属からなる導体パターンを含む導体層21が形成される。その後めっきレジストが除去される。なお、めっきレジストの除去の前に導体層21の上面(支持体8と反対側の表面)が、例えば化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)などの任意の方法により研磨されてもよい。導体層21においても、前述したように良好な伝送特性が得られることがある。この研磨の際には、除去される前のめっきレジストの上面付近が、導体層21の上面と共に研磨されてもよい。
【0047】
図5Bに示されるように、導体層21を覆う絶縁層31が、第2金属膜層84上に形成される。絶縁層31は、例えば、フィルム状のエポキシ樹脂を第2金属膜層84及び導体層21上に積層し、熱圧着することによって形成される。前述したように、絶縁層31(及び後工程で形成される絶縁層32~34(
図5F参照))は、エポキシ樹脂以外にも、BT樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、又はフッ素樹脂やLCPなどの熱可塑性樹脂を用いて形成され得る。なお、
図5B、及び、以下で参照される
図5C~
図5Kでは、支持体8の一面8a側と反対側の描写は省略されている。しかし、支持体8の一面8a側と反対側においても、
図5Aに示される工程で導体層21が形成され、さらに、
図5B~
図5Kを参照して説明される処理や各構成要素の形成が行われてもよい。
【0048】
絶縁層31には、ビア導体4(
図1参照)の形成位置に、炭酸ガスレーザー光などの照射によって貫通孔4aが形成される。貫通孔4aの形成後、好ましくは、貫通孔4a内に残る樹脂屑(スミア)を除去するデスミア処理が行われる。デスミア処理は、過マンガン酸塩溶液などの薬液への浸漬を含むウェット処理であってもよいが、例えば、アルゴン、四フッ化メタン、四フッ化メタンと酸素との混合気、又は、六フッ化硫黄などのプラズマガスを用いるプラズマ処理のようなドライ処理であってもよい。例えばプラズマ処理によるデスミア処理では、ウェット処理と比べて絶縁層31の表面の浸食が抑制されることがある。
【0049】
そして、貫通孔4a内及び絶縁層31の表面の全面に、例えば、スパッタリングや無電解めっきによって、例えば銅やニッケルなどからなる金属膜20aaが形成される。スパッタリングで金属膜20aaが形成されると、絶縁層31との間で高い密着性を示す金属膜20aaが形成されることがある。金属膜20aaの一部は、絶縁層31上に形成される導体層22の第1層20a(
図3参照)となり得る。
【0050】
図5Cに示されるように、金属膜20aa上に、開口R11を有するめっきレジストR1が設けられる。めっきレジストR1は、例えば金属膜20aa上へのドライフィルムレジストのラミネートにより形成され、開口R11は、例えばフォトリソグラフィ技術により形成される。開口R11は、絶縁層31上に形成される導体層22(
図3参照)が含むべき導体パターンに対応するパターンで形成される。
【0051】
導体層22に含まれる配線パターン12(
図3参照)などの各導体パターンは、前述したように、3μm以下の配線幅を有することがある。各開口R11は、各開口R11内に形成される配線パターン12などの各導体パターンが有するべき配線幅に応じた開口幅で形成される。また、前述したように、導体層22の配線パターンは、2.0以上、4.0以下のアスペクト比を有することがある。従って、
図5Cに例示の方法では、好ましくは、形成される配線パターンが有するべきアスペクト比を満たす配線パターンの厚さ(高さ)以上の厚さ(高さ)を有するめっきレジストR1が形成される。
【0052】
金属膜20aaを給電層として用いる電解めっきによって、例えば銅やニッケルなどからなる金属膜20baがめっきレジストR1の開口R11内に形成される。金属膜20baの一部は、絶縁層31上に形成される導体層22の第1層20b(
図3参照)となり得る。絶縁層31の開口4a内にはビア導体4が形成される。金属膜20baは、
図5Cの例のように、開口R11内を全て充填し、さらにめっきレジストR1の上面よりも上側に向かって突出する湾曲した上面を有するように形成されてもよい。所望の厚さ及びアスペクト比を有する導体パターンをより確実に形成し得ることがある。
【0053】
図5Dに示されるように、金属膜20baの上面側の一部が研磨によって除去される。少なくともめっきレジストR1の上面からの金属膜20baの突出部分は除去される。金属膜20baは、金属膜20aaとの合計の厚さが、絶縁層31上に形成される導体層22(
図5E参照)に求められる厚さに達するまで、例えば、7μm以下となるように研磨される。
図5Dの例のように、めっきレジストR1の上面側の一部も金属膜20baの一部と共に除去されてもよい。金属膜20baの研磨は、例えばCMPなどの任意の方法により行われる。研磨の結果、金属膜20baの上面は、0.3μm以下の算術平均粗さを有し得る。
【0054】
金属膜20baの研磨後、めっきレジストR1が除去される。さらに、金属膜20aaのうちの金属膜20baに覆われていない部分が、例えばクイックエッチングなどによって除去される。
【0055】
その結果、
図5Eに示されるように、配線パターン12などの互いに分離された所定の導体パターンを含む導体層22が得られる。
図5Eでは、
図1と同様に、導体層22が1つの層だけを有するように示されているが、導体層22は、
図5Dに示される金属膜20ba、及び、前述されたように
図5Dの状態から一部が除去された後の金属膜20aaによって構成されている。
【0056】
図5Fに示されるように、絶縁層31及び導体層22の上に、絶縁層32~34及び導体層23~25が交互に形成される。絶縁層32~34は、例えば絶縁層31の形成方法と同様の方法で形成され得る。また、導体層23~25は、例えば導体層22の形成方法と同様の方法で形成され得る。導体層23~25は、それぞれ、導体層22に対するめっきレジストR1(
図5C参照)のような、配線パターン13~15などの各導体層が含むべき導体パターンに対応する開口を有するめっきレジストを用いて形成される。
【0057】
図5G~
図5Iに示されるように、導体ポスト5(
図5I参照)が形成される。導体ポスト5は、例えばセミアディティブ法などの一般的な導体層の形成方法によって形成され得るが、
図5G~
図5Iには、先に説明された導体層22の形成方法と同様の研磨を含む方法が示されている。すなわち、まず
図5Gに示されるように、導体層25及び絶縁層34の上に絶縁層35が形成される。絶縁層35は、例えば、絶縁層31の形成と同様にフィルム状のエポキシ樹脂の熱圧着によって形成される。絶縁層35は、前述したように、ソルダーレジストとして機能する絶縁層である場合、絶縁層31~34とは異なる方法で、例えば、感光剤を含むエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを用いたスプレーイングやカーテンコーティングなどの方法で形成されてもよい。
【0058】
形成された絶縁層35に、例えば炭酸ガスレーザー光の照射や、フォトリソグラフィによって貫通孔5aが形成される。貫通孔5aは、導体ポスト5(
図5I参照)が形成されるべき位置に形成される。貫通孔5aの形成後、プラズマ処理などによるデスミア処理が行われてもよい。そして、貫通孔5a内、及び絶縁層35の表面の全面に、例えば銅やニッケルなどからなる金属膜20abがスパッタリングや無電解めっきによって形成される。
【0059】
図5Hに示されるように、金属膜20ab上にめっきレジストR2が、例えばドライフィルムレジストのラミネートなどによって形成される。めっきレジストR2には、導体ポスト5に対応する開口R21がフォトリソグラフィなどによって形成される。そして、開口R21内、及び開口R21内に露出する貫通孔5a内に、金属膜20abを給電層として用いる電解めっきによって銅やニッケルなどの金属が析出され、析出される金属からなる金属膜20bbが形成される。開口R21及び貫通孔5aの内部が金属膜20bbで充填される。金属膜20bbは、
図5Hの例のように、めっきレジストR2の上面よりも上側に向かって突出する湾曲した上面を有するように形成されてもよい。
【0060】
図5Iに示されるように、金属膜20bbの上面側の一部が、例えば、CMPによって除去される。めっきレジストR2の上面側の一部も金属膜20bbの一部と共に除去されてもよい。金属膜20bbは、導体層25の上面から金属膜20bbの上面までの高さが、導体ポスト5に求められる所定の高さになるまで研磨される。その結果、金属膜20abの一部と研磨後の金属膜20bbとで構成され、所定の高さを有する導体ポスト5が形成される。金属膜20ab、20bbは、それぞれ、導体ポスト5を構成する第1層20a、第2層20b(
図3参照)となり得る。
【0061】
図5Jに示されるように、機能層6が、例えば金属膜20abを給電層として用いる電解めっきによって導体ポスト5の上に形成される。例えば、ニッケル、すず、パラジウム、又は金などからなる1層又は2層以上の金属膜が、機能層6として形成される。その後、めっきレジストR2が除去され、さらに、金属膜20abのうちの金属膜20bbに覆われていない部分が例えばクイックエッチングによって除去される。電気的に分離された個々の導体ポスト5が得られる。
【0062】
図5Kに示されるように、支持体8が除去される。例えば、加熱や紫外線の照射などによって、支持体8に備えられている剥離層83の粘着性が喪失されたり、剥離層83自体が軟化したりしている状態で、基材81及び第1金属膜層82が、第2金属膜層84から引き離される。その後、第2金属膜層84が、エッチングなどによって除去される。導体層21及び絶縁層31における導体層22と反対側の表面が露出する。以上の工程を経ることによって
図1の例の配線基板1が完成する。
【0063】
なお、
図4に例示の配線基板1aが製造される場合は、
図5Jに示される状態から、めっきレジストR2が除去され、その後、金属膜20abのうちの金属膜20bbに覆われていない部分が除去される工程までを経ることによって、配線基板1aが完成する。
【0064】
図6には、
図4に例示の配線基板1aを用いた電子部品(マルチチップパッケージデバイス)の製造工程内の状態の一例が示されている。
図6に示されるように、マルチチップパッケージデバイスEMの製造工程では、配線基板1aに、例えばマイコンやメモリなどである第1部品E1及び第2部品E2が、リフロー処理やフリップチップボンディングなどによって実装される。すなわち、支持体8を備えたままの配線基板1aに第1部品E1及び第2部品E2が実装される。導体層25などの各導体層及び絶縁層35などの各導体層が支持体8に支持されているので、安定した状態で第1部品E1及び第2部品E2を実装することができる。従って、第1部品E1及び第2部品E2と配線基板1aとが良好な品質と高い信頼性を備えて接続され得ると考えられる。
【0065】
図6の例では、さらに、エポキシ樹脂などを含むモールド樹脂Mによって第1部品E1及び第2部品E2が封止されている。第1部品E1及び第2部品E2は例えばトランスファモールドやコンプレッションモールドによって封止される。この封止工程も、配線基板1aが支持体8を備えた状態で行われ得る。そのため、封止時の部品実装済み配線基板1aの取り扱いが容易であり、成型機内での配線基板1aの挙動も少なく安定した状態で第1部品E1及び第2部品E2が封止されると考えられる。従って、樹脂封止に関する不具合の発生が少ないと考えられる。
【0066】
<第2実施形態>
つぎに、第2実施形態の配線基板が
図7及び
図8を参照して説明される。
図7には、第2実施形態の配線基板の一例である配線基板10の断面図が示されており、
図8には、
図7のVIII部の拡大図が示されている。なお、配線基板10は、主に、導体層22~25の構造に関して、
図1などに例示の第1実施形態の配線基板1と異なっている。以下では、配線基板10における配線基板1との相違点が主に説明され、配線基板1と同様の構造や使用材料についての説明は省略される。
【0067】
図7に示されるように、配線基板10では、導体層22~25は、いずれも、下側(すなわち配線基板10の第2面1s側)で接している絶縁層31~34内に埋設されている。導体層22は、絶縁層31の上面(配線基板10の第1面1f側の表面)付近に埋め込まれていてその上面に導体層22の上面(第1面1f側の表面)を露出させている。同様に、導体層23~25は、それぞれ、絶縁層32~34それぞれの上面(第1面1f側の表面)付近に埋め込まれており、その上面に各導体層の上面(第1面1f側の表面)を露出させている。
【0068】
本実施形態の配線基板10においても、
図1及び
図2に示される配線基板1と同様に、第1面1f側の最も外側の導体層である導体層25は、第1部品E1及び第2部品E2(
図1参照)がそれぞれ搭載される導体パッド71及び導体パッド72を含んでいる。図示されていないが、配線基板10においても、
図1などに示される配線基板1と同様に、導体層24が含む配線パターン14は、導体パッド71と導体パッド72とをビア導体4を介して接続している。すなわち、配線基板10においても配線パターン14は、前述された「第1配線パターン」であり、導体層24は、前述された「第1導体層」である。
【0069】
そして、配線基板10においても、「第1導体層」である導体層24に含まれる配線パターンの最小の配線幅(例えば「第1配線パターン」である配線パターン14の配線幅)は1μm以上、3μm以下である。また、導体層24に含まれる配線パターン同士の最小の間隔(例えば配線パターン14同士の間隔)は、1μm以上、3μm以下であり、配線パターン14のアスペクト比は2.0以上、4.0以下である。さらに、本実施形態では、導体層24の表面24aを含めて、導体層22~25全てにおける配線基板10の第1面1f側の表面は研磨面である。なお、配線基板10において、導体層22、23、25それぞれが含む配線パターン12、13、15が、導体パッド71と導体パッド72とを接続していてもよい。従って、導体層22、23、25それぞれが「第1導体層」であってもよく、配線パターン12、13、15それぞれが「第1配線パターン」であってもよい。
【0070】
図8に示されるように、絶縁層31~34は、それぞれ、配線基板10の第1面1f側の表面に凹部11を有している。例えば絶縁層31は表面31aに凹部11を有し、絶縁層33は表面33aに凹部11を有している。ビア導体4は、各絶縁層を貫いて凹部11と連通する貫通孔4b内に形成されている。一方、導体層22~25は、それぞれ、各絶縁層が有する凹部11内を充填する導電体によって構成されている。すなわち、導体層22は、絶縁層31の凹部11内に形成されており、同様に、導体層23~25は、それぞれ絶縁層32~34の凹部11内に形成されている。このような構造を有する各導体層では、配線パターン14のような各導体パターン間に導電体の残渣が存在し難く、そのため短絡不良が生じ難いと考えられる。そして、一層微細なピッチで並ぶ配線パターンの実現が可能なことがある。
【0071】
図1~
図3の配線基板1と同様に、導体層22~25は、例えばスパッタ膜である第1層20aと、第1層20a上に形成されている例えば電解めっき膜である第2層20bとによって構成されている。そして配線基板10において第1層20aは、凹部11の底面及び壁面に沿って形成されている。すなわち導体層22~25それぞれが有する例えば配線パターン14のような導体パターンにおいて第1層20aは第2層20bの下面及び側面を覆っている。第1層20aは、第2層20bと、各導体層が埋設されている絶縁層との間に介在している。
【0072】
前述したように、導体層22~25における配線基板10の第1面1f側の表面(上面)は研磨面である。絶縁層31~34の第1面1f側の表面も研磨面であってもよい。導体層22~25は、それぞれ、研磨面である第1面1f側の表面を絶縁層31~35における第1面1f側の表面に露出させている。また、導体層22~25における第1面1f側の表面は、それぞれ、絶縁層31~34における第1面1f側の表面と略面一である。例えば導体層22は表面22aを絶縁層31の表面31aに露出させていて表面22aと表面31aとは略面一であり、導体層24は表面24aを絶縁層33の表面33aに露出させて表面24aと表面33aとは略面一である。このように、導体層22~25それぞれの露出面(研磨面)が、各導体層が埋設されている絶縁層の表面と面一なので、これら導体層と絶縁層との積層体である配線基板10の第1面1fにおいて高い平坦性が得られると考えられる。配線基板10に安定して第1部品E1及び第2部品E2(
図1参照)などの部品が搭載され得ると考えられる。
【0073】
図7では省略されているが、本実施形態において絶縁層31~34は、
図8に示されるようにバリア層30aを含むことがある。バリア層30aにおける配線基板10の第1面1f側の表面は凹部11の底面、すなわち、導体層22~25それぞれにおける配線基板10の第2面1s側の表面に接している。
図8の例の絶縁層31~34は、バリア層30aと、バリア層30aよりも上側及び下側の部分を構成する本体層30bとによって構成されている。本体層30bは、
図1の配線基板1の各絶縁層の材料として例示されたエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂や各種の熱可塑性樹脂によって形成されている。
【0074】
一方、バリア層30aは、各絶縁層への凹部11の形成に用いられる加工手段への耐性が本体層30bの構成材料よりも高い材料で形成される。例えばエキシマレーザー光が照射されるレーザー加工で凹部11が形成される場合、バリア層30aは、シリコン酸化物、又は、シリコン窒化物で形成され得る。そのようなバリア層30aを絶縁層31~35が含んでいると、所望の深さを有する凹部11の形成が容易なことがある。なお、バリア層30aは本実施形態において各絶縁層に含まれていなくてもよい。例えば、凹部11の形成における加工条件、例えばレーザー光のパワーなどを調整することによって、所望の深さの凹部11が形成され得る。
【0075】
なお、
図8に例示のバリア層30aを含む絶縁層31~34が形成される場合は、先に説明された絶縁層31などの形成においてフィルム状の樹脂の積層及び熱圧着が2回行われ、その間にバリア層30aが形成される。すなわち、1回目のフィルム状樹脂の積層及び熱圧着によって、絶縁層31~34におけるバリア層10aよりも下側の本体層30bが形成される。その後、その本体層30b上に、例えばスパッタリングによって、バリア層30aとしてシリコン酸化膜やシリコン窒化膜が形成される。そのバリア層30a上に2回目のフィルム状樹脂の積層及び熱圧着を行うことによって、バリア層30aよりも上側の本体層30bが形成される。
【0076】
図9A~
図9Dを参照して、
図7及び
図8の配線基板10が製造される場合を例に、第2実施形態の配線基板を製造する方法が説明される。なお、前述したように、第2実施形態の配線基板は、主に導体層22~25の構造だけが
図1などに例示の第1実施形態の配線基板と異なるので、導体層22~25の形成方法(それらを代表して導体層22の形成方法)が主に説明される。
【0077】
図9Aに示されるように、先に参照された
図5Aに示される状態から、絶縁層31が形成され、絶縁層31に貫通孔4bが形成され、さらに凹部11が形成される。
図9Aに示される段階では、絶縁層31は、配線基板10の完成時に絶縁層31が有すべき厚さよりも厚く形成されていてもよい。絶縁層31の形成において、前述されたような方法でバリア層30a(
図8参照)が形成されてもよい。貫通孔4bは、例えば炭酸ガスレーザー光の照射などによってビア導体4(
図7参照)の形成位置に形成される。貫通孔4bは、バリア層30aが形成されている場合には、バリア層30aを貫いて導体層21に達するように形成される。
【0078】
貫通孔4bの形成後、導体層22(
図7参照)の各導体パターンの形成位置に凹部11が形成される。例えばエキシマレーザー光の照射によって、所定の深さの凹部11が形成される。
図8に例示のバリア層30aが形成されている場合は、バリア層30aでレーザー光の透過が防がれるため、容易に、所望の深さの凹部11を形成し得ることがある。バリア層30aが形成されていなくても、前述したように、例えばエキシマレーザー光の条件の調整などにより、所望の深さの凹部11を形成することができる。凹部11の形成後、好ましくはプラズマ処理などによるデスミア処理が行われる。
【0079】
図9Bに示されるように、金属膜20aaが、貫通孔4b及び凹部11の内部を含む絶縁層31の露出する表面の全面に形成される。
図9Bは、金属膜20aaの形成後の
図9Aに示されるIXB部の拡大図である。二点鎖線で
図9Bに示されているバリア層30aが形成されている場合は、バリア層30aの露出面上にも金属膜20aaが形成される。金属膜20aaは、例えばスパッタリングや無電解めっきによって形成される。
【0080】
図9Cに示されるように、貫通孔4bの内部、凹部11の内部、及び絶縁層31における導体層21と反対側の表面(上面)の全面に、金属膜20baが形成される。金属膜20baは、好ましくは、絶縁層31の上面における凹部11が形成されていない領域の上に所望の厚みを有するように形成される。金属膜20baは、例えば、金属膜20aa(
図9B参照)を給電層として用いる電解めっきによって形成される。凹部11が金属膜20baで充填される。貫通孔4b内も金属膜20baで充填されてビア導体4が形成される。
【0081】
図9Dに示されるように、絶縁層31の上面上の金属膜20ba及び金属膜20aa(
図9B参照)が、例えばCMPなどの任意の方法を用いる研磨によって除去される。金属膜20baは、凹部11の底面上の金属膜20aaとの合計の厚さが、導体層22に求められる厚さに達するまで研磨される。金属膜20baの研磨の際、絶縁層31の上面付近も金属膜20baと共に研磨によって除去されてもよい。導体層22の表面22aと面一な絶縁層31の表面31aが得られる。
【0082】
絶縁層31の上面上の金属膜20ba及び金属膜20aa(
図9B参照)の除去により、導体層22の各導体パターン同士が分離される。所望の導体パターンを含み、そして所望の厚さを有する導体層22が得られる。
図9A~
図9Dを参照して説明された方法では、導体層22に含まれる各導体パターンの間に形成されていた金属膜20aaのような導電体は、エッチングなどではなく研磨によってより確実に除去される。そのため、導体パターン間での短絡不良が生じ難いと考えられる。また、そのように短絡不良が生じ難いので、配線パターン同士が一層微細なピッチで配置され得ることがある。
【0083】
その後、
図9A~
図9Dを参照して説明された方法と同様の方法で、絶縁層32~34及び導体層23~25(
図7参照)が交互に形成される。その後、先に
図5G~
図5Jを参照して説明された方法で、絶縁層35、導体ポスト5、及び機能層6が形成される。さらに、
図5Kを参照して説明された方法で、支持板8及び第2金属膜層84が除去される。以上の工程を経ることによって、
図7の例の配線基板10が完成する。
【0084】
実施形態の配線基板は、各図面に例示される構造、並びに、本明細書において例示される構造、形状、及び材料を備えるものに限定されない。前述したように、実施形態の配線基板は、任意の数の導体層及び絶縁層を含み得る。実装部品が搭載される導体パッド同士を接続する配線パターン(第1配線パターン)は、1以上の任意の数の導体層に形成され得る。
図1や
図7に例示の配線基板1及び配線基板10が備える導体ポスト5及び機能層6は、実施形態の配線基板に必ずしも備えられない。
図4などに例示の支持体8は、
図4などに示される構造を必ずしも有しない。支持体8は、実施形態の配線基板に含まれる導体層及び絶縁層を少なくとも製造工程において求められる安定性で支持することができ、且つ、所望の時期に意図的に除去できるものであれば、その構造や材料について特に限定されない。
【符号の説明】
【0085】
1、1a、10 配線基板
1f 第1面
1s 第2面
11 絶縁層の表面の凹部
12~15 配線パターン
20a 導体層の第1層
20b 導体層の第2層
21~25 導体層
22a、24a 導体層の表面
31~35 絶縁層
31a、33a 絶縁層の表面
4 ビア導体
71 導体パッド(第1導体パッド)
72 導体パッド(第2導体パッド)
73 導体パッド(第3導体パッド)
8 支持体
E1 第1部品
E2 第2部品
G 配線パターン同士の間隔
W1 配線パターンの幅