(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011473
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】水道メータ保温材
(51)【国際特許分類】
E03B 9/10 20060101AFI20240118BHJP
G01F 1/06 20060101ALI20240118BHJP
G01F 1/00 20220101ALI20240118BHJP
【FI】
E03B9/10 F
G01F1/06
G01F1/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113453
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000151025
【氏名又は名称】株式会社タブチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 舞子
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組み立て作業が容易な水道メータ保温材を提供する。
【解決手段】水道メータを覆い、水道メータに表示される水道使用量を確認するための確認開口が形成された本体部2と、確認開口を塞ぐ蓋部5と、ヒンジ部6と、を備え、ヒンジ部6は、ヒンジ軸部61とヒンジ受部62とを備え、ヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか一方は、蓋部5に設けられ、本体部2は、ヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか他方が係合可能な本体係合部を備え、蓋部5は、ヒンジ軸部61とヒンジ受部62とが係合し、かつ、本体係合部とヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか他方とが係合した状態で本体部2に対してヒンジ軸部61周りに開閉可能に取り付けられるよう構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道メータを保温する水道メータ保温材であって、前記水道メータを覆い、前記水道メータに表示される水道使用量を確認するための確認開口が形成された本体部と、前記確認開口を塞ぐ蓋部と、ヒンジ部と、を備え、
前記ヒンジ部は、ヒンジ軸部とヒンジ受部とを備え、
前記ヒンジ軸部及び前記ヒンジ受部のいずれか一方は、前記蓋部に設けられ、
前記本体部は、前記ヒンジ軸部及び前記ヒンジ受部のいずれか他方が係合可能な本体係合部を備え、
前記蓋部は、前記ヒンジ軸部と前記ヒンジ受部とが係合し、かつ、前記本体係合部と前記ヒンジ軸部及び前記ヒンジ受部のいずれか他方とが係合した状態で前記本体部に対して前記ヒンジ軸部周りに開閉可能に取り付けられるよう構成される水道メータ保温材。
【請求項2】
前記本体部は、前記本体部の左側を構成する左側本体部と、前記本体部の右側を構成する右側本体部とを備える分割構造であり、
前記本体係合部は、前記左側本体部に設けられる左側係合部と、前記右側本体部に設けられる右側係合部と、を備え、
前記ヒンジ軸部及び前記ヒンジ受部のいずれか他方は、前記左側係合部及び前記右側係合部に係合して、前記左側本体部及び前記右側本体部を連結するよう構成される請求項1に記載の水道メータ保温材。
【請求項3】
前記左側係合部は、前記左側本体部の上面に設けられ、
前記右側係合部は、前記右側本体部の上面に設けられ、
前記ヒンジ軸部及び前記ヒンジ受部のいずれか他方は、前記左側係合部及び前記右側係合部に上方から係合して、前記左側本体部及び前記右側本体部を連結するよう構成される請求項2に記載の水道メータ保温材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道使用量を計量する水道メータを保温することで、水道メータ内部の水が凍結することを防止する水道メータ保温材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水道メータ保温材として、特許文献1に記載の保温カバーが知られている。保温カバーは、左右一対の分割部材を備え、水道メータの表示を視する開口部が形成されたカバー本体と、開口部を被蓋可能なメータ部蓋と、を備える。具体的に、メータ部蓋には、凸状のヒンジ部が設けられ、カバー本体には、ヒンジ部が遊嵌可能な凹状のヒンジ部位が設けられている。
【0003】
上記のような保温カバーによれば、水道の配管途中に設けられた水道メータについて、水道メータを左右から挟むように一対の分割部材を取付け、一対の分割部材を一体化しつつ、ヒンジ部にヒンジ部位を遊嵌させることで、カバー本体にメータ部蓋を取り付けることができる。よって、検針等の際には、メータ部蓋を回動させることで、開口部を開放し、メータを確認することができ、メータを確認する必要のないときは、メータ部蓋で開口部を塞ぎ、カバー本体及びメータ部蓋で水道メータを覆うことができるため、水道メータを保温することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような保温カバーについて、メータ部蓋をカバー本体に取り付ける際には、一対の分割部材を一体化させつつ、ヒンジ部を左右から挟むようにヒンジ部位に遊嵌させる必要がある。そのため、一対の分割部材で水道メータ及びヒンジ部を同時に挟み込む必要がある。しかしながら、ヒンジ部をヒンジ部位に挟み込むためにメータ部蓋を適切な位置に維持したまま一対の分割部材を一体化させるのは難しく、保温カバーの組み立て作業が困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、組み立て作業が容易な水道メータ保温材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる水道メータ保温材は、前記水道メータを覆い、前記水道メータに表示される水道使用量を確認するための確認開口が形成された本体部と、前記確認開口を塞ぐ蓋部と、ヒンジ部と、を備え、前記ヒンジ部は、ヒンジ軸部とヒンジ受部とを備え、前記ヒンジ軸部及び前記ヒンジ受部のいずれか一方は、前記蓋部に設けられ、前記本体部は、前記ヒンジ軸部及び前記ヒンジ受部のいずれか他方が係合可能な本体係合部を備え、前記蓋部は、前記ヒンジ軸部と前記ヒンジ受部とが係合し、かつ、前記本体係合部と前記ヒンジ軸部及び前記ヒンジ受部のいずれか他方とが係合した状態で前記本体部に対して前記ヒンジ軸部周りに開閉可能に取り付けられるよう構成される水道メータ保温材。
【0008】
かかる構成によれば、ヒンジ受部をヒンジ軸部に係合させ、かつ、本体係合部にヒンジ軸部及びヒンジ受部のいずれか他方を係合させることで、蓋部を本体部に開閉可能に取り付けることができるため、水道メータ保温材を容易に組み立てることができる。
【0009】
また、前記本体部は、前記本体部の左側を構成する左側本体部と、前記本体部の右側を構成する右側本体部とを備える分割構造であり、前記本体係合部は、前記左側本体部に設けられる左側係合部と、前記右側本体部に設けられる右側係合部と、を備え、前記ヒンジ軸部及び前記ヒンジ受部のいずれか他方は、前記左側係合部及び前記右側係合部に係合して、左側本体部及び右側本体部を連結するよう構成することもできる。
【0010】
かかる構成によれば、ヒンジ軸部及びヒンジ受部のいずれか他方を本体係合部に係合させることで、左側本体部と右側本体部との連結及び本体部への蓋部の取付けをすることができる。よって、メータ保温材の組み立てが容易になる。
【0011】
また、前記左側係合部は、前記左側本体部の上面に設けられ、前記右側係合部は、前記右側本体部の上面に設けられ、前記ヒンジ軸部及び前記ヒンジ受部のいずれか他方は、前記左側係合部及び前記右側係合部に上方から係合して、前記左側本体部及び前記右側本体部を連結するよう構成することもできる。
【0012】
かかる構成によれば、ヒンジ軸部及びヒンジ受部のいずれか他方を上方から左側係合部及び右側係合部に係合させて左側本体部及び右側本体部を連結することができるので、水道メータ保温材の組み立てが容易になる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、組み立て作業が容易な水道メータ保温材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる水道メータ保温材の斜視図である。
【
図4】同水道メータ保温材の左側本体部を表す斜視図である。
【
図5】(a)同左側本体部の平面図である。(b)(a)に示すV-V断面図である。
【
図6】同水道メータ保温材の本体部を表す平面図である。
【
図7】(a)同水道メータ保温材の蓋部を表す一次側から見た側面図である。(b)同蓋部を表す底面図である。(c)(b)に示すVII-VII断面図である。
【
図8】同水道メータ保温材のヒンジ受部を表す斜視図である。
【
図9】同水道メータ保温材の一次側から見た側面図である。
【
図12】他の実施形態にかかる水道メータ保温材を表す図である。
【
図13】第二実施形態にかかる水道メータ保温材の分解斜視図である。
【
図14】同水道メータ保温材の本体部を示す平面図である。
【
図15】同水道メータ保温材の第一の蓋部を示す側面図である。
【
図16】同水道メータ保温材の第一の蓋部を示す平面図である。
【
図17】同水道メータ保温材のヒンジ部を示す背面図である。
【
図18】同水道メータ保温材のヒンジ部を示す側面図である。
【
図19】同水道メータ保温材の第二の蓋部を示す背面図である。
【
図20】第二の蓋部を有する水道メータ保温材の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態にかかる水道メータ保温材1について
図1乃至
図11を用いて説明する。以下説明において、水流方向は、水道メータ保温材1が取付けられる水道メータMの一次側から二次側に向かう水流の方向を基準として説明する。また、左右方向は、一次側から二次側に向かっての左右方向を基準とし、上下方向は、水道メータMに水道メータ保温材1を取り付けたときの上下方向を基準として説明する。
【0016】
図1及び
図2に示すように、水道メータ保温材1は、本体部2と、蓋部5と、蓋部5を本体部2に取り付けるヒンジ部6と、を備える。また、ヒンジ部6はヒンジ軸部61と、ヒンジ受部62と、を備える。
【0017】
本体部2は、略箱型で、内部に水道メータMを収容し、水道メータMを覆うことができる。また、本体部2は、左右で2分割されている。具体的に、本体部2は、本体部2の左側を構成する左側本体部3と、本体部2の右側を構成する右側本体部4と、を備える。さらに、本体部2は、水流方向を示す水流方向指示部23を備える。本実施形態の水流方向指示部23は、本体部2に記載(刻設)された矢印である。本体部2は、水流方向指示部23が指示する方向(矢印が指し示す方向)が、水道メータMの水流方向と一致する様に水道メータMに取り付けられる。なお、水流方向指示部23は、矢印でなく、「一次側」「二次側」などの文字を記載して水流方向を示す構成とすることもできるし、本体部2全体の形状から水流方向を判別可能な構成とすることもできる。また、本体部2は、保温性のある材質で構成されており、本実施形態の本体部2は発泡樹脂で構成される。
【0018】
図4及び
図5に示すように、左側本体部3は、水道メータMの左側部分を覆うブロック状の左側胴部31と、左側係合部32と、左側胴部31から突設又は凹設される左側位置決め部33と、左側胴部31から突設される左側当接部34と、を備える。
【0019】
左側胴部31は、ブロック状の部位である。また、左側胴部31には、右側胴部41との合わせ面に水道メータMを収容可能な空間が形成されている。具体的に、左側胴部31には、右側の上下方向中央部分が通水方向に亘って切りかかれた左側メータ収容空間311と、水流方向中央部分の右上側が切りかれた左側確認開口312と、が形成されている。本実施形態の左側メータ収容空間311及び左側確認開口312は、収容する水道メータMの左側の形状に即した形状であり、例えば、左側メータ収容空間311は、一次側及び二次側の端部に形成された水流方向に延びる略半円柱状の左側端部収容空間311aと、水流方向の中央部分に形成され、両左側端部収容空間311aを連通し、かつ、上下方向に延びる略半円柱状の左側中央部収容空間311bと、を含む空間である。また、左側確認開口312は、水流方向中央部分の右上側に形成された半円状の孔であり、左側中央部収容空間311bと連通する。即ち、左側胴部31は、水道メータMに表示される水道使用量を確認するために水道メータMの一部を左側確認開口312から露出させつつ、水道メータMの左側部分を左側メータ収容空間311に収容することで、水道メータMの左側を覆う。また、左側胴部31には、左上部分が水流方向に亘って切りかかれた左側切欠き313と、右下部分が水流方向に亘って切りかかれた左側土台回避空間314と、が形成されている。
【0020】
図4及び
図5(a)に示すように、左側位置決め部33は、左側胴部31の水流方向の一次側端部及び二次側端部に設けられた凸部331又は凹部332である。また、左側胴部31は、右側胴部41と当接する当接面を備え、左側位置決め部33は、該当接面に設けられる。本実施形態で、左側位置決め部33は、左側胴部31の右側の面のうち、一次側の部分及び二次側の部分の一方に設けられた凸部331と、左側胴部31の右側の面のうち、一次側の部分及び二次側の部分の他方に設けられた凹部332と、を備える。
【0021】
図4及び
図5(b)に示すように、左側当接部34は、左側胴部31に設けられた突起である。また、左側当接部34は、左側胴部31から右側に向かって伸びる突起である。さらに、左側当接部34は、左側胴部31のうち、右側の面から右側に向かって突出する突起である。また、左側当接部34の突出した先端面は、当接面と面一になっている。具体的に、左側当接部34は、左側本体部3及び右側本体部4を連結した際に、右側本体部4に当接する突起である。本実施形態で、左側当接部34は、右側本体部4に設けられた右側当接部44に当接するよう構成される。
【0022】
図5(a)(b)に示すように、左側係合部32は、左側本体部3に設けられ、ヒンジ部6が係合可能な部位である。左側本体部3の一次側端部に設けられる一次左側係合部321と、二次側端部に設けられる二次左側係合部322と、を備える。また、本実施形態の左側係合部32は、左側胴部31の上面に形成された左右方向に長い窪みとして構成される。さらに、左側係合部32は、左側胴部31の水流方向の両端よりも内側の位置に設けられる。また、左側係合部32は、左側の端部から内方(右側)に向かって凹設される浅溝部32aと、浅溝部32aの内側の端部から内方に向かって形成され、浅溝部32aより深くまで窪む深溝部32bと、を備える。
【0023】
図6及び
図9に示すように、右側本体部4は、右側胴部41と、右側係合部42と、右側位置決め部43と、右側当接部44と、を備える。また、右側本体部4は、左側本体部3と同一形状のものを左右に対向させた形状である。具体的に、右側胴部41には、右上部分が水流方向に亘って切りかかれた右側切欠き413と、左側の上下方向中央部分が通水方向に亘って切りかかれた右側メータ収容空間411と、水流方向中央部分の左上側が切りかれた右側確認開口412と、が形成されている。また、右側本体部4の左下部分には、水流方向に亘って切りかかれた右側土台回避空間414が形成されている。さらに、右側本体部4は、右側本体部4の一次側端部に設けられる一次右側係合部421と、二次側端部に設けられる二次右側係合部422と、を備える。また、右側係合部42には、右側の端部から内方(左側)に向かって凹設される浅溝部42aと、浅溝部42aの内側の端部から内方に向かって形成され、浅溝部42aより深くまで窪む深溝部42bと、が形成される。
【0024】
図6及び
図9に示すように、左側本体部3及び右側本体部4は、連結されることで、本体部2を構成する。即ち、本体部2は、左側胴部31及び右側胴部41を備える胴部21と、左側係合部32及び右側係合部42を備える本体係合部22と、を備える。また、本体部2には、左側確認開口312及び右側確認開口412を合わせた孔である確認開口2aと、左側メータ収容空間311及び右側メータ収容空間を合わせた空間である水道メータ収容空間2b(
図10参照)と、が形成される。即ち、本体部2は、左側本体部3及び右側本体部4を連結して形成される空間に、水道メータMに表示される水道使用量が確認できる状態で水道メータMを収容し、水道メータMを覆うことができる。さらに、本体部2の下方には、左側土台回避空間314及び右側土台回避空間414を合わせた空間である土台回避空間2cが形成される。本実施形態の水道メータ保温材1は、例えば、マンションなどのパイプシャフト内に設置された水道メータユニットUに取り付けられた水道メータMを保温することができるものである。水道メータユニットUは、水流方向に長尺の土台U1と、土台U1の長尺方向の一端部(水流方向の一次側端部)に設けられ、水道メータMの一次側接続口に接続する一次側継手と、土台U1の長尺方向の他端部(水流方向の二次側端部)に設けられ、水道メータMの二次側接続口に接続する二次側継手と、を備える。水道メータ保温材1は、このような水道メータユニットUに取り付けられた水道メータMの周囲(上下左右)を覆う。ただし、水道メータユニットUの土台U1は、水道メータ保温材1の下部において水流方向に貫通している。即ち、本実施形態の本体部2は、内部に水道メータMを収容し、下部の左右方向中央部分に水道メータユニットUの土台U1が挿通される。また、本体部2には、上部の中央に水道使用量を確認するための確認開口2aと、上部の左右の端部に蓋部5が嵌合する左側切欠き313及び右側切欠き413と、が形成される。
【0025】
図6に示すように、本体係合部22は、ヒンジ受部62が係合可能に構成される。また、本体係合部22は、本体部2に複数備えられる。さらに、各本体係合部22は、確認開口2aの周囲に間隔をあけて配置される。また、本体係合部22は、胴部21の水流方向の両端よりも内側の位置に設けられる。さらに、本体係合部22は、本体部2の上面に設けられている。本実施形態で、本体係合部22は、確認開口2aを挟んで一次側の部分と二次側の部分に配置される。具体的に、本体係合部22は、本体部2の確認開口2aよりも一次側の部分に配置される一次側係合部221と、本体部2の確認開口2aよりも二次側の位置に配置される二次側係合部222と、を備える。また、各本体係合部22は、それぞれ左側本体部3に設けられる左側係合部32と、右側本体部4に設けられる右側係合部42と、を備える。本実施形態で、一次側係合部221は、一次左側係合部321と、一次右側係合部421と、を備え、二次側係合部222は、二次左側係合部322と、二次右側係合部422と、を備える。即ち、各本体係合部22は、左側本体部3に設けられる部位と、右側本体部4に設けられる部位と、を含む。
【0026】
図1乃至
図3に示すように、蓋部5は、本体部2の確認開口2aを開閉可能に設けられる蓋部材である。また、蓋部5は、閉じた状態で確認開口2aを塞ぐことができる。具体的に、蓋部5は、閉じた状態で確認開口2aを塞ぐ板状の蓋本体部51と、ヒンジ軸部61が連結される軸連結部52と、を備える。本実施形態で、蓋部5は、平面視で本体部2の上面と略同じ形状である。また、本実施形態の軸連結部52は、蓋部5の水流方向の一方側の部分に設けられる。具体的に、軸連結部52は、蓋本体部51の水流方向の一方側の端部から水流方向一方側に向かって突出している一対の突起部分521である。さらに、蓋部5は、左側本体部3及び右側本体部4が連結した状態の本体部2に係合して、左側本体部3及び右側本体部4の連結を維持する。具体的に、
図7(a)に示すように、蓋部5は本体部2に嵌合する嵌合部53を備える。嵌合部53は、本体部2の左側切欠き313及び右側切欠き413に嵌合可能な下向きの突起である。即ち、嵌合部53は、蓋部5の左右方向の両端部に設けられた下向きの突起である。嵌合部53は、蓋部5が閉じた状態のときに、左側切欠き313及び右側切欠き413に嵌合して、左側本体部3及び右側本体部4の左右方向の移動を規制する(
図9参照)。具体的には、左側本体部3と右側本体部4を組み合わせた本体部2においては、その上面の左右両端部に左側切欠き313及び右側切欠き413が位置している。蓋部5が本体部2に上方から載置された状態では、蓋部5の嵌合部53が、左右の切り欠き(左側切欠き313及び右側切欠き413)に外嵌した状態となる。即ち、蓋部5は嵌合部53を、本体部2は被嵌合部(左側切欠き313及び右側切欠き413)を備え、嵌合部53が被嵌合部に嵌合(本実施形態では外嵌合)することで、蓋部5が本体部2の組み合わせ状態(連結状態)を維持する。さらに、蓋部5は、本体部2に対して正逆のいずれか任意の向きに取り付けることができるよう構成されている。即ち、蓋部5は、軸連結部52が本体部2の一次側になる向きで本体部2に取り付けることも、軸連結部52が本体部2の二次側になる向きで本体部2に取り付けることもできるよう構成されている。本実施形態で、蓋部5は、正逆のいずれの向きでも本体部2に嵌合することができるように構成されている。
【0027】
図7(a)(b)及び(c)に示すように、蓋本体部51は、板状の部材であり、中央部分に裏側(下側)に向かって突出する円環状の突起である確認開口嵌合部511を備える。確認開口嵌合部511は、確認開口2aに嵌合可能な突起である(
図10参照)。確認開口嵌合部511は、確認開口2aに嵌合するので、水道メータMの保温性が高まる。また、蓋本体部51の裏側のうち確認開口嵌合部511の内側の部分(確認開口嵌合部511に囲まれた部分)には、蓋本体部51の裏側のうち確認開口嵌合部511の外側の部分(確認開口嵌合部511に囲まれていない部分)よりも上側に窪んでいるメータ回避空間511aが形成される。メータ回避空間511aは、蓋部5を閉じた際に、水道メータMのうち、確認開口2aから露出する部分に蓋部5が当接することを防止する。さらに、蓋本体部51には、水流方向の他方側の部分に指掛け部512が設けられている。指掛け部512は、蓋部5を閉じた状態で指などを掛けることができる部分であり、本実施形態では、蓋本体部51の水流方向の他方側の部分に形成された凹部である。また、指掛け部512は、水流方向で軸連結部52が設けられる側とは反対側に設けられている。なお、指掛け部512は、蓋本体部51の水流方向の他方側の部分に設けられる突起として構成されてもよいし、蓋本体部51は、指掛け部512を備えないこととしてもよい。
【0028】
図2に示すように、ヒンジ部6は、本体部2及び蓋部5を、蓋部5が本体部2に対して開閉可能となるように連結する。具体的に、ヒンジ部6は、ヒンジ軸部61と、ヒンジ受部62と、を備える。ヒンジ受部62及びヒンジ軸部61は、係合して(ヒンジ連結して)、ヒンジ軸部61がヒンジ受部62に対してヒンジ軸部61周りに相対回動可能となるように構成される。本実施形態で、ヒンジ軸部61は、蓋部5の軸連結部52に設けられ、ヒンジ受部62は、本体係合部22に係合可能なように本体部2とは別部材として構成される。また、
図3及び
図7(b)に示すように、ヒンジ軸部61は、蓋部5の一対の突起部分521の間に亘るように設けられた、水流方向に対して略直交する方向(左右方向)に伸びる軸体である。さらに、本実施形態で、ヒンジ軸部61は、蓋部5と一体として構成されている。
【0029】
図8に示すように、ヒンジ受部62は、ヒンジ軸部61に係合する軸係合部621と、本体係合部22に係合するヒンジ係合部622と、を備える。本実施形態の軸係合部621は、半円筒形状であり、軸係合部621の内部の空間にヒンジ軸部61を収容することでヒンジ連結するように構成される。また、ヒンジ受部62は、ヒンジ軸部61に上方から被せることができる形状である。ヒンジ係合部622は、本体係合部22に嵌合可能な一対の足部6221を備える。また、ヒンジ係合部622は、左側係合部32及び右側係合部42に係合可能である。具体的に、一対の足部6221のうち、一方の足部6221は、左側係合部32に係合可能であり、他方の足部6221は、右側係合部42に係合可能である。さらに、ヒンジ係合部622は、一方の足部6221が左側係合部32の深溝部32bに係合した状態で、他方の足部6221が右側係合部42の深溝部42bに係合可能なように構成される。本実施形態で、ヒンジ受部62は、左右対称に構成されている。また、ヒンジ軸部61は、発泡樹脂で構成され、ヒンジ受部62は、無発泡樹脂で構成されている。即ち、ヒンジ受部62は、本体部2、蓋部5、ヒンジ軸部61よりも硬く構成されている。
【0030】
以上のような水道メータ保温材1の組み立て方について説明する。水道メータ保温材1は、左側本体部3及び右側本体部4を連結し本体部2を組み立てる本体部組み立て工程と、組み立てた本体部2に蓋部5を嵌合させる蓋部嵌合工程と、本体係合部22にヒンジ受部62を係合させるヒンジ部取付工程と、の3工程で組み立てられる。また、水道メータ保温材1は、内部に水道メータMを収容する様に組み立てられる。
【0031】
本体部組み立て工程は、左側本体部3及び右側本体部4を連結する工程である。また、本体部組み立て工程は、左側本体部3及び右側本体部4で水道メータMを挟むように連結する工程である。具体的に、
図6に示すように、左側位置決め部33及び右側位置決め部43の凹部及び凸部が嵌合するように左側本体部3及び右側本体部4を連結させる。また、水流方向指示部23が指し示す方向と水道メータMの水流方向とが一致する様に、左側メータ収容空間311で水道メータMの左側を覆い、右側メータの右側メータ収容空間411で水道メータMの右側を覆うように左側本体部3及び右側本体部4を連結する。
図9に示すように、本体部2の連結が完了したときには、左側胴部31及び右側胴部41の左右の当接面、並びに、左側当接部34及び右側当接部44が当接した状態となる。また、
図10に示すように、連結した本体部2には、水道メータMの表示部が確認開口2aから露出した状態で、水道メータ収容空間2bに水道メータMが収容され、水道メータMを支える水道メータユニットUの土台U1が土台回避空間2cに収容される。
【0032】
蓋部嵌合工程は、本体部2に蓋部5を嵌合する工程である。具体的に、蓋部嵌合工程では、
図9に示すように、本体部2に形成された左側切欠き313及び右側切欠き413に、嵌合部53を嵌合させる。また、
図10に示すように、蓋部嵌合工程では、確認開口嵌合部511を確認開口2aに嵌合させる。即ち、蓋部嵌合工程では、本体部2に蓋部5を上から被せることで、本体部2に蓋部5を嵌合させる。さらに、本実施形態の蓋部嵌合工程では、ヒンジ部6を本体部2の一次側の端部に設けるか二次側の端部に設けるかを選択することができる。即ち、蓋部嵌合工程では、蓋部5に設けられたヒンジ軸部61の位置が本体部2の一次側の端部になるように蓋部5を本体部2に嵌合させるか、本体部2の二次側の端部になるように蓋部5を本体部2に嵌合させるか、を選択することができる。以下の説明では、ヒンジ軸部61の位置が本体部2の二次側の端部になるように蓋部5を本体部2に嵌合させる場合について説明する。
図3に示すように、本体部2に蓋部5を嵌合させたとき、確認開口2aが蓋部5によって塞がれている。また、
図9に示すように、嵌合部53が左側切欠き313及び右側切欠き413に嵌合するので、左側本体部3及び右側本体部4の左右方向の動きが規制される。
【0033】
ヒンジ部取付工程は、本体部2にヒンジ受部62を係合させる工程である。また、本工程で、蓋部5は本体部2に連結する。具体的に、ヒンジ部取付工程では、
図10に示すように、本体部2に取り付けられた蓋部5に設けられたヒンジ軸部61に軸係合部621を係合させて、本体係合部22にヒンジ係合部622を係合させることで、本体部2にヒンジ受部62を取り付け、ヒンジ部6を介して蓋部5を本体部2に連結する。本実施形態のヒンジ部取付工程では、ヒンジ軸部61が本体部2の二次側の端部に設けられるので、ヒンジ係合部622を本体部2の二次側の端部に設けられる本体係合部22(二次側係合部222)に係合させる。また、本実施形態では、ヒンジ受部62をヒンジ軸部61に被せることでヒンジ受部62及びヒンジ軸部61を係合(ヒンジ連結)させ、ヒンジ受部62と本体係合部22とを凹凸の嵌合によってヒンジ受部62及び本体係合部22を係合させる。即ち、本体部2及び本体部2に嵌合した蓋部5の上方からヒンジ受部62が連結される。具体的に、ヒンジ係合部622の一方の足部6221を二次左側係合部322に嵌め、他方の足部6221を二次右側係合部422に嵌めることで、ヒンジ受部62は本体部2に係合される。
図11に示すように、一対の足部6221が、いずれも深溝部32b・42bに嵌合したときに、ヒンジ受部62は本体部2に取り付けられた状態となる。また、一対の足部6221が左側本体部3及び右側本体部4にそれぞれ係合するので、左側本体部3及び右側本体部4がヒンジ受部62によって連結される。なお、ヒンジ軸部61が本体部2の一次側の端部に設けられる場合には、ヒンジ係合部622を一次側係合部221に係合させる。具体的に、一次側の端部に設けられるヒンジ軸部61をヒンジ受部62に係合させ、ヒンジ係合部622の他方の足部6221を一次左側係合部321に嵌め、一方の足部6221を一次右側係合部421に嵌めることで、ヒンジ受部62と本体部2を係合させる。また、本工程により、ヒンジ部6を介して蓋部5は本体部2に取り付けられる。
【0034】
以上のような水道メータ保温材1によれば、ヒンジ受部62をヒンジ軸部61に係合させ、かつ、本体係合部22にヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか他方(本実施形態ではヒンジ受部62)を係合させることで、蓋部5を本体部2に開閉可能に取り付けることができるため、水道メータ保温材1を容易に組み立てることができる。
【0035】
また、各本体係合部22(一次側係合部221及び二次側係合部222)は、それぞれ確認開口2aの周囲に間隔をあけて配置される(本実施形態では、確認開口2aの一次側と二次側に対向して配置される)ので、ヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか他方の本体部2に対する係合位置を選択することができる。よって、本体部2に対するヒンジ軸部61を取り付ける位置を選択できるので、蓋部5の開閉動作の回動軸心の位置を変更できるため、例えばパイプシャフト内の配置に応じて蓋部5の開閉方向を選択できる。本実施形態の場合、ヒンジ受部62を二次側係合部222に係合させたときには、蓋部5の回動軸心を本体部2の二次側の端部にすることができ、ヒンジ受部62を一次側係合部221に係合させたときには、蓋部5の回動軸心を本体部2の一次側の端部にすることができる。
【0036】
さらに、ヒンジ受部62を本体係合部22に係合させることで、左側本体部3と右側本体部4との連結及び本体部2への蓋部5の取付けをすることができる。よって、水道メータ保温材1の組み立てが容易になる。
【0037】
また、本体係合部22は、胴部21の水流方向の両端よりも内側に設けられるので、水道メータMに接続する一次側や二次側の配管と本体係合部22の間に距離を確保できるため、ヒンジ軸部61又はヒンジ受部62のいずれか他方を本体係合部22に係合させやすくなる。
【0038】
さらに、左側本体部3及び右側本体部4は、ヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか他方(本実施形態ではヒンジ受部62)と左側係合部32及び右側係合部42との凹凸嵌合によって連結されるので、例えば、接着剤や面ファスナで連結した場合と比べて経年劣化の影響を受けづらく、誤って連結が解除されることを抑止できる。また、左側本体部3及び右側本体部4を確実に連結できるので、マンションやビルのパイプシャフトなど、風が強い場所において好適に利用されうる。
【0039】
また、蓋部5は、左側本体部3及び右側本体部4が連結した状態の本体部2に係合可能であり、本体部2に嵌合して、左側本体部3及び右側本体部4の連結状態を維持するので、左側本体部3及び右側本体部4を連結し、蓋部5を本体部2に嵌合させることで、左側本体部3及び右側本体部4の連結が蓋部5によって維持される。よって、左側本体部3及び右側本体部4が連結し、本体部2に蓋部5が嵌合した状態で、ヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか他方(本実施形態ではヒンジ受部62)を本体係合部22に係合させることができるので、水道メータ保温材1の組み立てが容易になる。
【0040】
さらに、本体係合部22には、左右方向に延びるよう凹設される浅溝部32a・42aと、浅溝部32a・42aの内方の端部から左右方向の内方に向かって浅溝部32a・42aよりも深く凹設される深溝部32b・42bと、が形成されているので、足部6221を浅溝部32a・42aに嵌合させることで、ヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか他方(本実施形態ではヒンジ受部62)の本体部2に対する水流方向の位置合わせをし、左右方向の位置を調整することで、ヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか他方(本実施形態ではヒンジ受部62)を本体係合部22に係合させることができる。よって、水道メータ保温材1の組み立てが容易になる。
【0041】
また、ヒンジ軸部61は、発泡樹脂で構成され、ヒンジ受部62は、無発泡樹脂で構成されるので、ヒンジ受部62がヒンジ軸部61よりも硬くなるため、蓋部5の開閉などによってヒンジ受部62が破損しづらい。よって、水道メータ保温材1の耐久性が向上する。
【0042】
さらに、本体部2は、左側本体部3及び右側本体部4を備える左右2分割の構造であり、本体係合部22は、左側本体部3に設けられる左側係合部32と、右側本体部4に設けられる右側係合部42と、を備え、左側係合部32は、左側本体部3の上面に設けられ、右側係合部42は右側本体部4の上面に設けられ、ヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか他方は、左側係合部32及び右側係合部42に上方から係合して、左側本体部3及び右側本体部4を連結する。よって、ヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか他方を上方から本体係合部22に係合させて、左側本体部3及び右側本体部4を連結することができるので、水道メータ保温材1の組み立てが容易になる。また、蓋部5は、左側本体部3及び右側本体部4が連結した状態の本体部2に係合可能であり、ヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか他方が本体部2及び本体部2に係合した蓋部5の上方から左側係合部32及び右側係合部42に係合して左側本体部3及び右側本体部4を連結する。よって、ヒンジ軸部61及びヒンジ受部62のいずれか他方を本体部2に係合した蓋部5の上方から本体係合部22に係合させて、左側本体部3及び右側本体部4を連結することができるので、水道メータ保温材1の組み立てが容易になる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0044】
例えば、本実施形態において、本体部2は左右に2分割されるものとして説明したが、3分割以上(例えば右下本体部、右上本体部、左下本体部、左上本体部の4分割)とすることもできるし、本体部2が分割されておらず、1つの部材で水道メータMを覆う構成とすることもできる。
【0045】
また、左側本体部3及び右側本体部4は、同じ形状のものを左右対向させたものであるとして説明したが、左右対称に構成することもできる。
【0046】
さらに、本体係合部22は、左側本体部3に設けられる左側係合部32と、右側本体部4に設けられる右側係合部42と、を備えるものとして説明したが、本体係合部22は、左側本体部3または右側本体部4の一方のみに設けられる構成とすることもできる。
【0047】
また、本体係合部22は、本体部2の水流方向の一端部及び他端部(一次側の端部及び二次側の端部)に設けられるものとして説明したが、これに限らない。例えば、本体係合部22は、本体部2の左側及び右側(即ち、水平面における水流方向に直交する幅方向の一方側及び他方側)に設けられる構成とすることもできるし、本体部2の二次側の端部のみに備えられる構成とすることもできるし、一次側の端部、二次側の端部、左側の部分及び右側の部分の4か所に設けられる構成とすることもできる。
【0048】
さらに、ヒンジ軸部61は、蓋部5と一体として構成されているとして説明したが、ヒンジ軸部61は、蓋部5に着脱可能に設けられるように構成することもできる。
【0049】
また、本体係合部22は、凹部であり、ヒンジ受部62が備える突起部(足部6221)と嵌合するものとして説明したが、これに限らず、本体係合部22は、本体部2に設けられた突起部であり、ヒンジ受部62に形成された凹部と嵌合する構成とすることもできるし、本体係合部22は、凹部が形成されていない平面部として構成され、平面部にヒンジ受部62が備える突起部を突き刺すことで、ヒンジ受部62と本体係合部22とが係合するよう構成することもできる。なお、ヒンジ受部62を接着剤や面ファスナなどを介して本体係合部22に係合することもできる。
【0050】
さらに、ヒンジ軸部61は、蓋部5の水流方向の一方側端部に一つ設けられるものとして説明したが、例えば、蓋部5の水流方向の一方及び他方の端部のそれぞれにヒンジ軸部61を備える構成とすることもできる。このような構成によれば、ヒンジ受部62が本体係合部22に係合する位置に合わせて、ヒンジ受部62で受けるヒンジ軸部61を選択することができるので、蓋部5の向きを気にすることなく水道メータ保温材1を組み立てることができる。
【0051】
また、本体部2、蓋部5及びヒンジ軸部61は、発泡性樹脂で構成され、ヒンジ受部62は、無発泡樹脂で構成されるとして説明したが、これに限らず、本体部2及び蓋部5とヒンジ受部62を同じ素材で構成することもできる。
【0052】
さらに、本体部2には、水道メータMに即した形状の水道メータ収容空間2bが形成される場合について説明したが、水道メータMが収容可能であればその他の形状を採用するともできる。
【0053】
また、軸係合部621は、半円筒形状である場合について説明したが、ヒンジ軸部61が軸として回転できるようにヒンジ軸部61に係合可能なその他の形状を採用することもできる。
【0054】
さらに、ヒンジ軸部61は、軸体である場合について説明したが、これに限らず、ヒンジ受部62と係合可能な形状であればよく、例えば、一対の軸連結部52のそれぞれから内側に突出する突起として構成することもできる。
【0055】
また、蓋部5は、本体部2に嵌合可能であるとして説明したが、本体部2に嵌合しないように構成することもできる。例えば、蓋部5が嵌合部53を備えずに、閉じられた状態のときに、単に本体部2の上面に載って確認開口2aを閉じるように構成することもできる。
【0056】
本発明にかかる水道メータ保温材1の他の実施形態について
図12を用いて説明する。ここでは、
図1乃至
図11の実施形態と異なる構成について説明し、共通の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0057】
本実施形態にかかる水道メータ保温材1のヒンジ部7は、本体係合部22に係合可能なヒンジ軸部71と、蓋部5の水流方向の一方に設けられたヒンジ受部72と、を備える。
【0058】
ヒンジ軸部71は、本体部2に対して着脱可能な別部材として構成され、本体係合部22に係合可能なヒンジ係合部711と、軸本体部712と、を備える。本実施形態のヒンジ係合部711は、本体係合部22に係合可能な一対の足部である。足部の構成は、
図1乃至
図11の実施形態と同様である。
【0059】
ヒンジ受部72は、蓋部5の水流方向の一方側の端部に設けられた半円筒形状の部位である。また、ヒンジ受部72は、本体係合部22に係合した状態のヒンジ軸部71の軸本体部712に係合可能である。具体的に、ヒンジ受部72は、周方向の一部に開口部が形成された筒状であり、開口部は、軸本体部712をヒンジ受部72の内部に入れることができるよう構成されている。例えば、開口部72aは、軸本体部712の直径よりも小さい開口として形成されたり、弾性によって開口の大きさを変更可能なように構成されたりすることができる。
【0060】
このような構成の水道メータ保温材1の組み立て方について説明する。水道メータ保温材1は、左側本体部3及び右側本体部4を連結し本体部2を組み立てる本体部組み立て工程と、本体係合部22にヒンジ軸部71を係合させるヒンジ軸部取付工程と、蓋部5を取り付ける蓋部取付工程と、の3工程で組み立てられる。また、水道メータ保温材1は、内部に水道メータMを収容する様に組み立てられる。本体部組立工程は、
図1乃至
図11に記載の実施形態と同様である。
【0061】
ヒンジ軸部取付工程は、組みたてた本体部2の本体係合部22に、ヒンジ軸部71を係合させる工程である。具体的には、本体係合部22の深溝部に、ヒンジ軸部71の足部を嵌合させることで、本体係合部22にヒンジ軸部71を係合させる。本体係合部22にヒンジ軸部71を係合させると、本体部2に対して軸本体部712が上側に浮いた状態で取り付けられる。
【0062】
蓋部取付工程は、ヒンジ軸部71とヒンジ受部72を係合(ヒンジ連結)させ、蓋部5を本体部2に対して取り付ける工程である。具体的には、ヒンジ受部72が軸本体部712を巻き込むようにヒンジ受部72をヒンジ軸部71に取り付ける。即ち、蓋部取付工程は、蓋部5に設けられたヒンジ受部72がヒンジ軸部71周りに回動可能なようにヒンジ受部72をヒンジ軸部71に取り付ける工程である。本工程により、ヒンジ部7を介して蓋部5は本体部2に取り付けられる。
【0063】
以上の3工程により、本実施形態にかかる水道メータ保温材1は組み立てられる。
【0064】
本発明の第二実施形態について
図13乃至
図20を参照して説明する。上述の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0065】
図13に示すように、本実施形態の水道メータ保温材1は、本体部2と、蓋部5と、蓋部5を本体部2に取り付けるヒンジ部6と、を備える。また、ヒンジ部6はヒンジ軸部61と、ヒンジ受部62と、を備える。
【0066】
図13及び
図14に示すように、本体部2は、左右に分割で構成されており、本体部2は、本体部2の左側を構成する左側本体部3と、本体部2の右側を構成する右側本体部4と、を備える。左側本体部3及び右側本体部4の構成は、後述する本体係合部22及び嵌合突起部25の構成を除いて第一実施形態と同様である。左側本体部3及び右側本体部4は、位置決め部の構成を除いて左右対称の形状であり、組み合わせられた際に、水道メータMを内部に収容できる。また、本実施形態の本体係合部22は、本体部2(左側本体部3及び右側本体部4)の二次側にのみ設けられる。
【0067】
左側本体部3は、水道メータMの左側部分を覆うブロック状の左側胴部31と、左側係合部32と、左側胴部31から突設又は凹設される左側位置決め部33と、左側胴部31から突設される左側当接部34と、ヒンジ部6(ヒンジ受部62)の下端部が嵌合可能な左側嵌合突起部35と、を備える。
【0068】
左側係合部32は、左側本体部3に設けられ、ヒンジ部6が係合可能な部位である。本実施形態の左側本体部3の二次側端部に設けられる二次左側係合部322を備える。本実施形態の左側係合部32は、左側胴部31の上面に形成された左右方向に長い窪みとして構成される。さらに、左側係合部32は、左側胴部31の水流方向の両端よりよりも内側の位置に設けられる。また、左側係合部32は、左側の端部から内方(右側)に向かって凹設された溝部として構成され、本実施形態では深さが略均一の溝である。
【0069】
左側嵌合突起部35は、左側胴部31の上面から上方に突出する突起である。具体的に、左側嵌合突起部35は、水流方向において、左側係合部32と左側胴部31の端部との間に設けられる突起であり、本実施形態では水流方向において、左側係合部32よりも二次側且つ左側胴部31の二次側の端部よりも一次側に設けられる。また、左側嵌合突起部35は、左右方向の内方(右側)から外方(左側)に向かって延びる突起である。
【0070】
右側本体部4は、左側位置決め部33と凹凸が対称に形成されている点を除いて、左側本体部3と対称の形状である。具体的に、右側本体部4は、水道メータMの右側部分を覆うブロック状の右側胴部41と、右側係合部42と、右側胴部41から突設又は凹設され、左側位置決め部33に対して嵌合可能な右側位置決め部43と、右側胴部41から突設される右側当接部44と、ヒンジ部6(ヒンジ受部62)の下端部が嵌合可能な右側嵌合突起部45と、を備える。本実施形態の右側本体部4は、右側胴部41の上面に形成された左右方向に長い窪みであり、二次側端部に設けられる二次右側係合部422を備える。また、右側嵌合突起部45は、右側胴部41の上面から上方に突出する突起である。
【0071】
図14に示すように、左側本体部3及び右側本体部4は、連結されることで、本体部2を構成する。具体的に、本体部2は、左側係合部32及び右側係合部42を備える本体係合部22と、左側嵌合突起部35及び右側嵌合突起部45を備える嵌合突起部25と、を備える。本実施形態の本体係合部22は、胴部21の水流方向の両端よりも内側の位置に設けられる。また、本体係合部22は、本体部2の上面に設けられている。本実施形態で、本体係合部22は、水流方向の端部(具体的には二次側の端部)と確認開口2aの間に配置される。
【0072】
嵌合突起部25は、本体部2の上面に設けられ、胴部21から上方に突出するように設けられている。また、嵌合突起部25は、左右方向で本体係合部22の間の位置を含むように設けられ、水流方向で本体係合部22と胴部21における本体係合部22が設けられる側の端部(具体的には二次側の端部)との間に設けられている。さらに、本実施形態の嵌合突起部25は、左右方向において左側嵌合突起部35と右側嵌合突起部45が連続するように設けられている。即ち、嵌合突起部25は、左右方向の中央部分において左右方向に連続して延びるように設けられた突起である。
【0073】
図15及び16に示すように、蓋部5は、閉じた状態で確認開口2aを塞ぐ板状の蓋本体部51と、蓋本体部51の水流方向一方側に設けられ、ヒンジ軸部61が連結される軸連結部52と、を備える。蓋本体部51は、板状の部材であり、中央部分に裏側(下側)に向かって突出する円環状の突起である確認開口嵌合部511と、水流方向の他方側の部分に設けられる指掛け部512と、を備える。また、軸連結部52の下方には、回動回避空間が形成される。回動回避空間は、蓋本体部51の水流方向一方側の端部のうち軸連結部52よりも下方の部分が水流方向他方側に切りかかれて形成された空間である。
【0074】
このような蓋部5は、ヒンジ軸部61周りで本体部2に対して180度以上開くように回動することができる。具体的には、蓋部5がヒンジ軸部61周りで回動する際に、回動回避空間によって蓋部5と本体部2との当接を抑制することができるので、結果としてヒンジ軸部61周りで本体部2に対して180度以上開くことができる。このような構成によれば、蓋部5を本体部2に対して開いた際に、蓋部5が本体部2に対して立ち上がった状態となることを抑制できるため、風などの影響で意図せず蓋部5が倒れ、確認開口2aを閉じることを抑制できる。
【0075】
ヒンジ部6は、ヒンジ軸部61と、ヒンジ受部62と、を備える。ヒンジ軸部61は、蓋部5の軸連結部52に設けられ、ヒンジ受部62は、本体係合部22に係合可能なように本体部2とは別部材として構成される。ヒンジ軸部61は、軸連結部52の一対の突起部分521の間に設けられる。本実施形態のヒンジ軸部61は、左右2分割構造であり、具体的には、左側の突起部分521から右側に向かって延びる左側分割軸部611と、右側の突起部分521から左側に向かって延びる右側分割軸部612と、を備える。即ち、本実施形態のヒンジ軸部61は、左右方向における中央部分が切り取られた形状の軸である。
【0076】
ヒンジ受部62は、ヒンジ軸部61に係合する軸係合部621と、本体係合部22に係合するヒンジ係合部622と、を備える。また、ヒンジ受部62は、ヒンジ軸部61に上方から被せることができる形状である。本実施形態の軸係合部621は、第一実施形態と同様の構成である。即ち、軸係合部621は、半円筒形状であり、軸係合部621の内部の空間にヒンジ軸部61を収容することでヒンジ連結するように構成される。このような軸係合部621は、左右方向長さが、ヒンジ軸部61における左側分割軸部611の右側端部と右側分割軸部612の左側端部との離間距離よりも長い。ヒンジ係合部622は、本体係合部22に嵌合可能な一対の足部6221を備える。また、ヒンジ係合部622は、左側係合部32及び右側係合部42に係合可能である。具体的に、一対の足部6221のうち、一方の足部6221は、左側係合部32に係合可能であり、他方の足部6221は、右側係合部42に係合可能である。本実施形態の一対の足部6221は、板状体であり、水流方向の厚みが左側係合部32及び右側係合部42の水流方向における幅よりも大きく構成されている。また、一対の足部6221は、水流方向長さよりも左右方向長さが長いように構成されている。具体的に、足部6221は、板状で、厚み方向が水流方向と一致するように設けられた足本体部6222と、足本体部6222の水流方向の一方側に設けられ、足部6221の水流方向における厚みを増やす板状の厚み増加部6223と、を備える。さらに、足本体部6222は、水流方向の厚みが左側係合部32及び右側係合部42の水流方向における幅より小さく、厚み増加部6223の下端部は、下方が薄く上方が厚い形状となっている。本実施形態で、ヒンジ受部62は、左右対称に構成されている。また、ヒンジ軸部61は、発泡樹脂で構成され、ヒンジ受部62は、無発泡樹脂で構成されている。即ち、ヒンジ受部62は、本体部2、蓋部5、ヒンジ軸部61よりも硬く構成されている。さらに、本実施形態のヒンジ部6は、内部にリブ623が複数設けられている。
【0077】
以上のような構成の水道メータ保温材1は、第一の実施形態と同様に組み立てられる。即ち、水道メータ保温材1は、左側本体部3及び右側本体部4を連結し本体部2を組み立てる本体部組み立て工程と、組み立てた本体部2に蓋部5を嵌合させる蓋部嵌合工程と、本体係合部22にヒンジ受部62を係合させるヒンジ部取付工程と、の3工程で組み立てられる。
【0078】
ここで、本実施形態の水道メータ保温材1は、嵌合突起部25を備えるので、ヒンジ部6取付工程において、嵌合突起部25がヒンジ受部62(具体的には軸係合部621)の下端部に嵌合突起部25が嵌合する(
図20参照)。よって、ヒンジ受部62が嵌合突起部25に嵌合するので、ヒンジ受部62が本体部2に対して安定した状態となる。また、軸係合部621の下端部が嵌合突起部25によって閉じられるので、ヒンジ軸部61が軸係合部621から脱落することを抑制できる。
【0079】
以上のような構成の水道メータ保温材1によれば、ヒンジ係合部622は本体係合部22に係合する足部6221を備え、ヒンジ係合部622は、水流方向の厚みが左側係合部32及び右側係合部42の水流方向における幅よりも大きいため、ヒンジ部6が本体部2に対して安定した状態となる。
【0080】
また、足部6221は、板状で、水流方向長さよりも左右方向長さが長いので、ヒンジ部6が本体部2に対して安定した状態となる。
【0081】
さらに、足部6221は、板状の足本体部6222と、足本体部6222に設けられ、ヒンジ係合部622の水流方向における厚みを増やす板状の厚み増加部6223と、を備え、足本体部6222は、水流方向の厚みが左側係合部32及び右側係合部42の水流方向における幅より小さく、厚み増加部6223の下端部は、下方が薄く上方が厚い形状となっている。よって、左側係合部32及び右側係合部42に足部6221を係合させやすい。
【0082】
また、上記第二の実施形態の蓋部5(第一の蓋部)を
図19及び
図20に示すような蓋部5(第二の蓋部)に置き換えることもできる。
図19及び20に示す蓋部5は、メータ回避空間511aが上述の蓋部5よりも大きく構成されている。また、蓋本体部51に、メータ回避空間511aと外部とを連通する連通空間511bが形成されている。このような蓋部5は、隔測用装置が設けられる水道メータMを覆う場合に用いられる。隔測用装置は、水道メータMの上部から上方に突出するように設けられ、水道メータMの計測結果を取得する装置本体M1と、装置本体M1から延びる配線M2と、を備える。配線M2は、装置本体M1に対する給電やデータの送受信のために設けられる。本実施形態のメータ回避空間511aは、上方に突出するように設けられた装置本体M1を覆うことができる程度の大きさの空間である。
【0083】
連通空間511bは、蓋本体部51を貫通するように形成された空間であり、本実施形態では、水流方向一方側(軸連結部52が設けられる側)に設けられた切欠き部分である。また、連通空間511bは、蓋本体部51の下端部から上方に向かって延びるように形成された切欠きである。このような連通空間511bは、下端部が開放されているので、蓋部5をヒンジ軸部61周りで回動させる際に、配線M2を蓋本体部51で引っ張ることを抑制できる。
【0084】
本実施形態では、第二実施形態の胴部21に対して、2種類の蓋部5を選択的に装着することができるように構成されている。よって、保温する水道メータMの態様に合わせた蓋で確実に水道メータMを保温できる。
【0085】
なお、第二の実施形態において、本体係合部22は、確認開口2aよりも二次側に設けられる場合について説明したが、このような構成に限らず、一次側に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…水道メータ保温材、2…本体部、2a…確認開口、2b…水道メータ収容空間、2c…土台回避空間、21…胴部、22…本体係合部、221…一次側係合部、222…二次側係合部、23…水流方向指示部、25…嵌合突起部、3…左側本体部、31…左側胴部、311…左側メータ収容空間、311a…左側端部収容空間、311b…左側中央部収容空間、312…左側確認開口、313…左側切欠き、314…左側土台回避空間、32…左側係合部、32a・42a…浅溝部、32b・42b…深溝部、321…一次左側係合部、322…二次左側係合部、33…左側位置決め部、331…凸部、332…凹部、34…左側当接部、35…左側嵌合突起部、4…右側本体部、41…右側胴部、411…右側メータ収容空間、412…右側確認開口、413…右側切欠き、414…右側土台回避空間、42…右側係合部、421…一次右側係合部、422…二次右側係合部、43…右側位置決め部、44…右側当接部、45…右側嵌合突起部、5…蓋部、51…蓋本体部、511…確認開口嵌合部、511a…メータ回避空間、511b…連通空間、512…指掛け部、52…軸連結部、521…突起部分、53…嵌合部、6…ヒンジ部、61…ヒンジ軸部、611…左側分割軸部、612…右側分割軸部、62…ヒンジ受部、621…軸係合部、622…ヒンジ係合部、6221…足部、6222…足本体部、6223…厚み増加部、623…リブ