(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114731
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
B60K 35/22 20240101AFI20240816BHJP
B60K 35/40 20240101ALI20240816BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B60K35/22
B60K35/40
B60R11/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024097103
(22)【出願日】2024-06-17
(62)【分割の表示】P 2022208334の分割
【原出願日】2016-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】下平 真武
(57)【要約】
【課題】表示部の数を削減しつつ適切な位置にコンテンツ情報を表示することができる表示装置を提供する。
【解決手段】車両の運転状態に応じてセンターマルチメディアディスプレイ102の位置を移動させることで、自動運転状態においては運転者が視認しやすい第2位置に移動させ、手動運転状態においては運転者が車外を視認する際に妨げとなりにくい第1位置に移動させることができる。即ち、適切な位置にコンテンツ情報を表示することができる。このとき、自動運転状態用の表示部と手動運転状態用の表示部とを独立に設ける必要がなく、表示部の数を削減することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が自動運転状態又は手動運転状態のいずれであるかを検出する検出部と、
コンテンツ情報を表示するコンテンツ表示部と、
前記コンテンツ表示部の位置を移動させる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記検出部に検出された前記移動体の運転状態に応じて、前記コンテンツ表示部の位置を移動させることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に設けられる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両等の移動体が自動運転状態となった場合には、搭乗者が車外の情報を視認する必要性が低下することから、移動体の室内に設けられた表示部に、TV番組や映画、ビデオクリップ等の映像(コンテンツ情報)を表示させることができると考えられている。
【0003】
このような表示方法として、2つのディスプレイ(表示部)を備え、自動車(移動体)の運転モードに応じて一方のディスプレイの状態を変化させるとともにメインディスプレイを切り換える方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された方法では、手動運転モードにおいては、インダッシュディスプレイをメインディスプレイとするとともに、ダッシュボード上方のフロントディスプレイを前方非遮蔽状態(運転者の前方視界を遮らない状態)とする。一方、自動運転モードにおいては、フロントディスプレイをメインディスプレイとするとともに、フロントディスプレイを前方遮蔽状態(運転者の前方視界を遮る状態)とする。このように運転モードに応じて選択されるメインディスプレイに、コンテンツ情報が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された表示システムでは、メインディスプレイ以外のディスプレイ(特に前方非遮蔽状態となったフロントディスプレイ)を有効に利用することができず、必要なディスプレイの数が増加してしまうという不都合があった。
【0006】
したがって、本発明の課題は、表示部の数を削減しつつ適切な位置にコンテンツ情報を表示することができる表示装置を提供することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の表示装置は、移動体が自動運転状態又は手動運転状態のいずれであるかを検出する検出部と、コンテンツ情報を表示するコンテンツ表示部と、前記コンテンツ表示部の位置を移動させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記検出部に検出された前記移動体の運転状態に応じて、前記コンテンツ表示部の位置を移動させることを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例にかかる表示装置を有する表示システムの斜視図である。
【
図2】
図1に示された表示システムを運転席から見た正面図である。
【
図3】
図1に示されたウインドシールドライトと運転者との関係を示した説明図である。
【
図4】
図1に示された表示システムの機能的構成を示したブロック図である。
【
図5】前記表示装置の制御部が実行する表示部移動処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の変形例にかかる表示装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係る表示装置は、移動体が自動運転状態又は手動運転状態のいずれであるかを検出する検出部と、コンテンツ情報を表示するコンテンツ表示部と、コンテンツ表示部の位置を移動させる制御部と、を備える。制御部は、検出部に検出された移動体の運転状態に応じて、コンテンツ表示部の位置を移動させる。
【0010】
移動体の運転状態に応じてコンテンツ表示部の位置を移動させることで、自動運転状態においては、コンテンツ表示部を搭乗者が視認しやすい位置に移動させ、手動運転状態においては、コンテンツ表示部を、搭乗者が移動体の外を視認する際に妨げとなりにくい位置に移動させることができる。即ち、適切な位置にコンテンツ情報を表示することができる。このとき、自動運転状態用の表示部と手動運転状態用の表示部とを独立に設ける必要がなく、表示部の数を削減することができる。尚、手動運転状態においては、コンテンツ表示部にコンテンツ情報を表示してもよいし表示しなくてもよい。
【0011】
制御部は、移動体が自動運転状態である場合、コンテンツ表示部に表示するコンテンツ情報が選択された後に、コンテンツ表示部の位置を移動させることが好ましい。それにより、搭乗者によるコンテンツ情報の選択操作の後にコンテンツ表示部の位置が移動することとなり、演出性を向上させることができる。また、自動運転状態においてコンテンツ情報を表示しない場合にはコンテンツ表示部の位置は移動せず、搭乗者が移動体の外を視認しやすく、例えば移動体周辺の状況に応じて迅速に手動運転に切り換えることができる。
【0012】
移動体の運行情報を表示する運行情報表示部をさらに備え、制御部は、移動体が自動運転状態である場合、コンテンツ表示部を運行情報表示部と水平方向に隣り合う位置に移動させることが好ましい。それにより、自動運転状態において、搭乗者はコンテンツ情報を視認しつつ、運行情報を視認しやすくなる。従って、例えば搭乗者が運行情報に応じて自動運転に切り換えるといった判断をしやすくなる。
【0013】
光の点灯又は点滅により情報を表示する光情報表示部をさらに備え、制御部は、移動体が自動運転状態である場合、コンテンツ表示部を、搭乗者の視線上において光情報表示部と隣り合う位置に移動させることが好ましい。それにより、自動運転状態において、搭乗者はコンテンツ情報を視認しつつ、光情報表示部を視認しやすくなる。光情報表示部は、例えば移動体の方向指示器やハザードランプ、ブレーキランプと同期して点灯又は点滅したり、移動体と周辺物(他の移動体や歩行者、路面上の障害物等)との接近を警告するために点灯又は点滅したりするものであればよい。このとき、光情報表示部に表示される情報は、上記の運行情報表示部に表示される情報と重複していてもよいし、異なるものであってもよい。また、光情報表示部は、表示する情報に応じた色で点灯又は点滅してもよい。また、光情報表示部は例えば線状に形成されてもよく、この線上の各位置で点灯タイミングをずらすことにより、光が一方向に向かって移動するような演出で点灯又は点滅してもよい。
【0014】
移動体の座席のリクライニング角度を取得する角度取得部をさらに備え、制御部は、移動体が自動運転状態である場合、コンテンツ表示部を、角度取得部が取得したリクライニング角度に応じた位置に移動させることが好ましい。座席のリクライニング角度が変化すると、着座者(搭乗者)の視線の向きも変化する。リクライニング角度に応じた位置にコンテンツ表示部を移動させることで、コンテンツ表示部を搭乗者に視認させやすくすることができる。
【0015】
本発明の実施形態に係る表示装置の制御方法は、移動体が自動運転状態又は手動運転状態のいずれであるかを検出し、検出した移動体の運転状態に応じ、コンテンツ情報を表示するコンテンツ表示部の位置を移動させる。このような方法によれば、上記のように表示部の数を削減しつつ適切な位置にコンテンツ情報を表示することができる。
【0016】
このような表示装置の制御方法をコンピュータにより実行させる制御プログラムとしてもよい。また、この制御プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このようにすることにより、当該プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができ、バージョンアップ等も容易に行える。
【実施例0017】
本発明の一実施例にかかる表示装置を
図1乃至
図5を参照して説明する。
図1は、本実施例にかかる表示装置を有する表示システム100の斜視図である。表示システム100は、移動体の一例として車両の運転席SHの周りに設置される複数の表示部(ディスプレイ)を備える。
図2は、運転席SHから前方を見た正面図である。
【0018】
運転席SHには、その前方にハンドルHが設けられ、その奥側には運行情報表示部としてのドライバーディスプレイ101が設けられている。ドライバーディスプレイ101には、速度計や燃料計及び後述する車外情報取得部2が取得した車外情報(移動体の運行情報)等が文字や画像等により表示される。
【0019】
運転席SHの右側(助手席側)にはコントロールパネル104が設けられている。コントロールパネルは104、エアコンやナビゲーションシステムの設定の操作入力がされたり、TV番組や映画、ビデオクリップ等の映像(コンテンツ情報)の選択、再生等の操作入力がされたりする。
【0020】
コントロールパネル104の上側(ドライバーディスプレイ101の右側)には、コンテンツ表示部としてのセンターマルチメディアディスプレイ102が設けられている。センターマルチメディアディスプレイ102は、ナビゲーションシステムの地図及び案内の表示や、例えば自動運転時には上述したコンテンツ情報等が表示される。
【0021】
センターマルチメディアディスプレイ102は、移動部105によって後述するような方向に移動可能に構成されている。移動部105は、例えば、センターマルチメディアディスプレイ102の裏面に設けられた突起状の被案内部と、被案内部を案内するガイドレールと、被案内部を移動させるためのモータ等の駆動部と、によって構成され、ガイドレールに沿ってセンターマルチメディアディスプレイ102を移動させる。本実施例では、移動部105は、センターマルチメディアディスプレイ102を、上下方向に沿うとともに、上方側に向かうにしたがって前方側に向かうような傾斜を有した方向に移動させる。
【0022】
光情報表示部としてのウインドシールドライト103は、例えばLED(発光ダイオード)や有機EL(Electro Luminescence)等の発光素子で構成され、複数の発光色で発光可能となっている。本実施例では、
図2に示したように運転者から見て左右方向に細長い形状であるがそれに限らない。但し、ウインドシールドライト103の大きさ(長さ)は、ドライバーディスプレイ101内に表示されるアイコンやインジケータ、文字等よりも大きいことが好ましい。
【0023】
ウインドシールドライト103は、
図3に示したように、ドライバーディスプレイ101の奥側のダッシュボード内に埋め込まれている。ウインドシールドライト103は、ダッシュボードからウインドシールドW(フロントガラスともいう)に向かって点灯又は点滅することでウインドシールドWに当該点灯等が写りこんで(
図3のW1)運転者Dからはドライバーディスプレイ101の上方に表示されているように視認できる。また、ダッシュボード内からのウインドシールドライト103の点灯等と当該点灯等が写りこむ
図3のW1の光路中に、拡散板を設置してもよい。これによりウインドシールドWに写りこんだ当該点灯等の視認性を改善することができる。本実施例では、ウインドシールドライト103は、運転席から見て右側と左側の2か所に一対(103a、103b)が設けられている(
図2を参照)。
【0024】
なお、ウインドシールドライト103は、ダッシュボード内に埋め込むに限らず、ウインドシールドWの下方であって、運転者が直接視認できる位置(ダッシュボード上など)に配置してもよい。又はドライバーディスプレイ101の上部に設置してもよい。即ち、運転席の前方に配置されていればよい。また、例えばドライバーディスプレイ101からの視線移動が少ない位置に配置されることが好ましい。
【0025】
次に、上述した構成の表示システム100の機能的構成について
図4を参照して説明する。
図4に示したように、表示システム100は、上述したドライバーディスプレイ101、センターマルチメディアディスプレイ102、ウインドシールドライト103、コントロールパネル104および移動部105に加えて、車外情報取得部2と、車内情報取得部3と、コンテンツ情報取得部4と、検出部5と、制御部6と、を備えている。
【0026】
車外情報取得部2は、例えばLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging、Laser Illuminated Detection and Ranging)またはLiDAR(Light Detection and Ranging)や車外を撮影するカメラ等の周囲の状況を検出するセンサ等により得られた車両外部の情報(周囲の車両の有無、歩行者を含む障害物等の有無等)を取得する。車外情報取得部2は、具体的にはLIDAR等のセンサのインタフェース回路等が機能する。
【0027】
車内情報取得部3は、例えば走行速度、燃料の残量等の車両に設置された各センサから取得した情報、自動運転中に自動的に操作されるブレーキや方向指示器等の運転制御情報や運転者の眠気等の運転者自身に関する情報等を取得する。車内情報取得部3は、具体的には車内の各センサや自動運転の制御装置等とのインタフェース回路等が機能する。
【0028】
コンテンツ情報取得部4は、センターマルチメディアディスプレイ102に表示するためのコンテンツ情報を、不図示のハードディスク等の記憶装置、DVDドライブ等の光学装置や車外のコンテンツサーバ等から取得する。コンテンツ情報取得部4は、具体的には記憶装置とのインタフェース回路等や外部との通信装置等が機能する。
【0029】
検出部5は、例えばハンドルHに設けられた運転状態切換用の操作部から信号を受信することにより、移動体としての車両が自動運転状態と手動運転状態とのいずれであるかを検出する。尚、車内情報取得部3が検出部として機能してもよい。
【0030】
制御部6は、車外情報取得部2、車内情報取得部3、コンテンツ情報取得部4、検出部5が取得した各種情報に基づいてドライバーディスプレイ101、センターマルチメディアディスプレイ102、ウインドシールドライト103の表示、及び、移動部105の制御を行う。制御部6は、具体的にはCPU(Central Processing Unit)等の制御回路が
機能する。
【0031】
制御部6は、車内情報取得部3が取得した走行速度や燃料の残量或いは運転者の眠気等の情報や、車外情報取得部2が取得した車両周囲の情報等を、数値や画像等によりドライバーディスプレイ101に表示する。また、制御部6は、後述するように、コンテンツ情報取得部4が取得したコンテンツ情報を再生してセンターマルチメディアディスプレイ102に表示する。
【0032】
また、制御部6は、自動運転中に車外情報取得部2及び車内情報取得部3が取得した情報の一部をウインドシールドライト103の点灯や点滅により表示させる。例えば、自動運転中はウインドシールドライト103a、103bとも青色に点灯する。また、例えば、自動運転と手動運転が走行する経路等により切り替わる場合は、手動運転への切り替わり地点までの時間に基づいて、自動運転終了の所定時間前からは紫色で点滅する。即ち、自動運転終了の所定時間以内であることを表示する。なお、自動運転終了の所定距離前からとしてもよい。
【0033】
また、ウインドシールドライト103a、103bは、方向指示器として機能してもよいし、ハザードランプの点灯、ブレーキ、後退、緊急停止等を表示してもよい。また、車両の周囲に障害物等を検知した場合は、当該障害物に近いウインドシールドライトを例えば紫色に点滅させ、障害物から遠いウインドシールドライトを、自動運転中を示す青色で点灯させてもよい。また、ウインドシールドライト103a、103bは、車両の周囲の状況に関する情報に加え、目的地への到着等のナビゲーションシステムの案内情報や運転者の眠気の状態といった運転者の状態を示す情報を表示するようにしてもよい。ウインドシールドライト103a、103bは、これらを表示する際、点灯色と、点灯又は点滅と、の組み合わせによって運転者又は同乗者に伝達すればよい。なお、これらの情報は、ウインドシールドライト103a、103bによる表示に加えて、ドライバーディスプレイ101に文字や画像等で詳細内容を表示してもよい。
【0034】
また、制御部6は、検出部5が検出した運転状態に応じて移動部105を制御し、センターマルチメディアディスプレイ102の位置を移動させる。具体的には、車両が手動運転状態である場合には、移動部105によってセンターマルチメディアディスプレイ102を
図2(A)に示す第1位置に移動させる。第1位置は、センターマルチメディアディスプレイ102が、ハンドルHと水平方向に並び、且つ、ウインドシールドWよりも低くなる位置(即ち、搭乗者としての運転者Dが車外を視認する際に妨げとなりにくい位置)である。
【0035】
車両が自動運転状態である場合には、コントロールパネル104等に操作入力がされることでセンターマルチメディアディスプレイ102に表示するコンテンツ情報が選択された後に、移動部105によってセンターマルチメディアディスプレイ102を
図2(B)に示す第2位置に移動させる。第2位置は、センターマルチメディアディスプレイ102が、ドライバーディスプレイ101と水平方向に隣り合うとともに、運転者Dの視線上においてウインドシールドライト103bの下方側に隣り合う位置(即ち、運転者Dが視認しやすい位置)である。
【0036】
以上説明したドライバーディスプレイ101と、センターマルチメディアディスプレイ102と、ウインドシールドライト103と、移動部105と、検出部5と、制御部6と、が本発明の一実施例にかかる表示装置1を構成する。
【0037】
ここで、制御部6が実行する表示部移動処理の一例について、
図5のフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートを制御部6が実行するコンピュータプログラムとして構成することで表示制御プログラムとすることができる。
【0038】
制御部6は、車両が運行開始することで表示部移動処理を開始し、車両が手動運転状態であるか否かを判定する(ステップS1)。車両が手動運転状態である場合(ステップS1でY)、制御部6は、移動部105を制御してセンターマルチメディアディスプレイ102を第1位置に移動させる(ステップS2)。ステップS2に次いで、制御部6は、車両が自動運転状態であるか否かを判定する(ステップS3)。また、車両が手動運転状態でない場合(ステップS1でN)、制御部6はステップS3に進む。
【0039】
車両が自動運転状態である場合(ステップS3でY)、制御部6は、コンテンツ情報が選択されたか否かを判定する(ステップS4)。コンテンツ情報が選択された場合(ステップS4でY)、制御部6は、移動部105を制御してセンターマルチメディアディスプレイ102を第2位置に移動させ(ステップS5)、ステップS1に戻る。コンテンツ情報が選択されない場合(ステップS4でN)、制御部6はステップS3に戻る。また、車両が自動運転状態でない場合(ステップS3でN)、制御部6はステップS1に戻る。
【0040】
上記の構成により、車両の運転状態に応じてセンターマルチメディアディスプレイ102の位置を移動させることで、自動運転状態においては運転者が視認しやすい第2位置に移動させ、手動運転状態においては運転者が車外を視認する際に妨げとなりにくい第1位置に移動させることができる。即ち、適切な位置にコンテンツ情報を表示することができる。このとき、自動運転状態用の表示部と手動運転状態用の表示部とを独立に設ける必要がなく、表示部の数を削減することができる。
【0041】
車両が自動運転状態である場合に、コンテンツ情報が選択された後にセンターマルチメディアディスプレイ102の位置を移動させることで、演出性を向上させることができる。また、自動運転状態においてコンテンツ情報を表示しない場合にはセンターマルチメディアディスプレイ102は第2位置に移動せず、運転者が車外を視認しやすく、例えば車両周辺の状況に応じて迅速に手動運転に切り換えることができる。
【0042】
第2位置においてセンターマルチメディアディスプレイ102がドライバーディスプレイ101と水平方向に隣り合うことで、自動運転状態において、運転者はコンテンツ情報を視認しつつ、運行情報を視認しやすくなる。従って、例えば運転者が運行情報に応じて手動運転に切り換えるといった判断をしやすくなる。
【0043】
第2位置においてセンターマルチメディアディスプレイ102が運転者の視線上においてウインドシールドライト103bと隣り合うことで、自動運転状態において、運転者はコンテンツ情報を視認しつつ、ウインドシールドライト103bを視認しやすくなる。これにより、ウインドシールドライト103bによる警告等に運転者が気づきやすくなる。
【0044】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0045】
例えば、前記実施例では、車両が自動運転状態である場合に、センターマルチメディアディスプレイ102を、ドライバーディスプレイ101と水平方向に隣り合うとともに、運転者Dの視線上においてウインドシールドライト103bの下方側に隣り合う第2位置に移動させるものとしたが、他の位置に移動させてもよい。即ち、
図6に変形例として示すように、自動運転状態における運転席SHのリクライニング角度に応じた位置にセンターマルチメディアディスプレイ102を移動させてもよい。
【0046】
図6に示す例においては、運転席SHに、座席のリクライニング角度(背もたれの傾斜角度)を取得する角度取得部106が設けられている。角度取得部106は、背もたれの傾斜角度を実測することでリクライニング角度を取得する。尚、車両の運転状態に応じてリクライニング角度を自動的に変更するように、運転席SHに駆動部が設けられてもよく、この場合、角度取得部は、制御部6から駆動部に送信される信号に基づいてリクライニング角度を取得してもよく、運転席SHに設けられていなくてもよい。
【0047】
自動運転状態においては、運転席SHの背もたれが倒れてリクライニング角度を水平に近くすることも可能となる為、センターマルチメディアディスプレイ102は、運転席SHのリクライニング角度に応じた位置に移動させられる。これにより、センターマルチメディアディスプレイ102を搭乗者に視認させやすくすることができる。このとき、リクライニング角度によっては、センターマルチメディアディスプレイ102が第2位置と同様にドライバーディスプレイ101と水平方向に隣り合っていたり、視線上においてウインドシールドライトと隣り合っていたりしてもよいし、センターマルチメディアディスプレイ102がドライバーディスプレイ101やウインドシールドライトから離れていてもよい。また図示の例のように、ウインドシールドWと重なる位置までセンターマルチメディアディスプレイ102を移動させてもよい。また、センターマルチメディアディスプレイ102の位置に応じて、運転者Dがセンターマルチメディアディスプレイ102を視認しやすくなるように、運転席SHのリクライニング角度を図示しない駆動部によって調整してもよい。
【0048】
また、前記実施例では、車両が自動運転状態である場合にコンテンツ情報が選択された後にセンターマルチメディアディスプレイ102の位置を移動させるものとしたが、適宜なタイミングでセンターマルチメディアディスプレイ102を移動させればよく、自動運転状態であることが検出された直後にセンターマルチメディアディスプレイ102を移動させてもよい。
【0049】
また、前記実施例では、移動部105がコンテンツ表示部としてのセンターマルチメディアディスプレイ102を上下方向に沿って移動させるものとしたが、左右方向に移動させてもよい。例えば、手動運転状態においてはコンテンツ表示部を助手席の正面に移動させ、自動運転状態においては、コンテンツ表示部を運転席の正面や運転席と助手席との中間位置の正面に移動させればよい。このように移動させる場合には、手動運転状態においてコンテンツ表示部にコンテンツ情報を表示しても、運転者の視界に入りにくく運転の妨げになりにくい。
【0050】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施例に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。