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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114820
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】ALK2抗体及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/40 20060101AFI20240816BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20240816BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240816BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240816BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240816BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240816BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240816BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240816BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20240816BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240816BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20240816BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240816BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
C07K16/40 ZNA
C07K16/28
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K39/395 N
A61K48/00
A61P19/08
A61P43/00 111
A61P7/06
A61P9/00
A61P35/04
C07K16/40
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024102779
(22)【出願日】2024-06-26
(62)【分割の表示】P 2021521976の分割
【原出願日】2019-10-23
(31)【優先権主張番号】62/749,463
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519165308
【氏名又は名称】ケロス セラピューティクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】KEROS THERAPEUTICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】シーラ、ジャスバー エス.
(72)【発明者】
【氏名】ラシェイ、ジェニファー
(57)【要約】
【課題】骨疾患、貧血、HO、シェーグレン症候群、DIPG、MO、PCO、及び心肥大、心臓線維症のための医薬組成物及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ALK2抗体及びその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を特徴とする。本発明はまた、骨の疾患又は損傷、低赤血球レベル(例えば、貧血又は失血)、異所性骨化(例えば、進行性骨化性線維異形成症に起因する異所性骨化)、シェーグレン症候群(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ)、多発性骨軟骨腫、びまん性内因性橋グリオーマ、後嚢混濁、又は心肥大及び/又は心臓線維症を治療するための、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメントを使用する医薬組成物及び方法を特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメントであって:(1)軽鎖可変ドメインであって、SGSSSNIGSNYVS(配列番号1)及びSGDX(配列番号2、ここで、XはS又はNであり、XはI又はLであり、XはP、G、又はRであり、XはS、T、又はKであり、XはF、K、又はYであり、XはF、Y、又はSであり、XはA又はVであり、XはS、Y、又はHである)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域(CDR)1;アミノ酸配列XIYXRPS(配列番号3、ここで、XはV又はLであり、XはV又はLであり、XはK、R、G又はYであり、XはN又はDであり、XはN又はSであり、XはH、N、D、又はKである)を含む軽鎖CDR2;及びASWDHSDRFYV(配列番号4)、YVTAPWKSIW(配列番号5)、YSADAQQMKA(配列番号6)、QVYASVHRM(配列番号7)、及びQTYDWSHFGW(配列番号8)から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む軽鎖可変ドメイン;及び(2)アミノ酸配列GXTFXSX(配列番号9、ここで、XはG又はFであり、XはS又はNであり、XはY、H、S、又はAであり、XはG又はAであり、XはV、M、又はIであり、XはS又はHである)を含む重鎖CDR1;WMGXIIPXFGXANYAQKFQG(配列番号10、ここで、XはG又はRであり、XはH又はDであり、XはI又はTである)、WVGRIKSKXDXTTDYAAPVKG(配列番号11、ここで、XはA又はRであり、XはS又はGであり、XはG又はYである)、及びWVSVISSDGGSTYYADSVKG(配列番号12)から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;及びEIGSLDI(配列番号13)、DYGVAFAY(配列番号14)、DYGGLKFDY(配列番号15)、GPTQAIHYFAY(配列番号16)、及びAGFILGSLGVAWMDV(配列番号17)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む重鎖可変ドメインを含む、単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項2】
軽鎖CDR1が配列SGSSSNIGSNYVS(配列番号1)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項3】
軽鎖CDR1が配列SGDSIPSFFAS(配列番号18)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項4】
軽鎖CDR1が配列SGDNIGTKYAY(配列番号19)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項5】
軽鎖CDR1が配列SGDNLRKYSAH(配列番号20)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項6】
軽鎖CDR1が配列SGDSLGSKSVH(配列番号21)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項7】
軽鎖CDR2が配列VLIYKNNHRPS(配列番号24)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項8】
軽鎖CDR2が配列LVIYRDSNRPS(配列番号25)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項9】
軽鎖CDR2が配列LVIYGDSDRPS(配列番号26)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項10】
軽鎖CDR2が配列LVIYYDNKRPS(配列番号27)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項11】
軽鎖CDR2が配列LVIYRDSKRPS(配列番号28)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項12】
軽鎖CDR3が配列ASWDHSDRFYV(配列番号4)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項13】
軽鎖CDR3が配列YVTAPWKSIW(配列番号5)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項14】
軽鎖CDR3が配列YSADAQQMKA(配列番号6)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項15】
軽鎖CDR3が配列QVYASVHRM(配列番号7)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項16】
軽鎖CDR3がQTYDWSHFGW(配列番号8)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項17】
重鎖CDR1が配列GGTFSSYGVS(配列番号31)を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項18】
重鎖CDR1が配列GFTFSSHAMS(配列番号32)を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項19】
重鎖CDR1が配列GFTFNSSAMS(配列番号33)を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項20】
重鎖CDR1が配列GGTFSSYAIH(配列番号34)を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項21】
重鎖CDR1が配列GFTFSSAAMH(配列番号35)を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項22】
重鎖CDR2が配列WMGGIIPHFGIANYAQKFQG(配列番号36)を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項23】
重鎖CDR2が配列WVGRIKSKADSGTTDYAAPVKG(配列番号37)を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項24】
重鎖CDR2が配列WVGRIKSKRDGYTTDYAAPVKG(配列番号38)を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項25】
重鎖CDR2が配列WMGRIIPDFGTANYAQKFQG(配列番号39)を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項26】
重鎖CDR2が配列WVSVISSDGGSTYYADSVKG(配列番号12)を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項27】
重鎖CDR3が配列EIGSLDI(配列番号13)を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項28】
重鎖CDR3が配列DYGVAFAY(配列番号14)を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項29】
重鎖CDR3が配列DYGGLKFDY(配列番号15)を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項30】
重鎖CDR3が配列GPTQAIHYFAY(配列番号16)を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項31】
重鎖CDR3が配列AGFILGSLGVAWMDV(配列番号17)を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項32】
軽鎖CDR2が配列LVIYXDXRPS(配列番号22、ここで、XはR、G、又はYであり、XはS又はNであり、XはN、D、又はKである)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項33】
軽鎖CDR2が配列LVIYRDSXRPS(配列番号23、ここで、XはN又はKである)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項34】
重鎖CDR1が配列GFTFSSXAMX(配列番号29、ここで、XはH又はAであり、XはS又はHである)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項35】
重鎖CDR1が配列GFTFXSXAMS(配列番号30、ここで、XはS又はNであり、XはH又はSである)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項36】
軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGSSSNIGSNYVS(配列番号1)を含み、軽鎖CDR2がアミノ酸配列VLIYKNNHRPS(配列番号24)を含み、軽鎖CDR3がアミノ酸配列ASWDHSDRFYV(配列番号4)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項37】
重鎖CDR1がアミノ酸配列GGTFSSYGVS(配列番号31)を含み、重鎖CDR2がアミノ酸配列WMGGIIPHFGIANYAQKFQG(配列番号36)を含み、重鎖CDR3がアミノ酸配列EIGSLDI(配列番号13)を含む、請求項1又は36に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項38】
軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDSIPSFFAS(配列番号18)を含み、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYRDSNRPS(配列番号25)を含み、軽鎖CDR3がアミノ酸配列YVTAPWKSIW(配列番号5)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項39】
重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSSHAMS(配列番号32)を含み、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVGRIKSKADSGTTDYAAPVKG(配列番号37)を含み、重鎖CDR3がアミノ酸配列DYGVAFAY(配列番号14)を含む、請求項1又は38に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項40】
軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDNIGTKYAY(配列番号19)を含み、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYGDSDRPS(配列番号26)を含み、軽鎖CDR3がアミノ酸配列YSADAQQMKA(配列番号6)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項41】
重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFNSSAMS(配列番号33)を含み、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVGRIKSKRDGYTTDYAAPVKG(配列番号38)を含み、重鎖CDR3がアミノ酸配列DYGGLKFDY(配列番号15)を含む、請求項1又は40に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項42】
軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDNLRKYSAH(配列番号20)を含み、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYYDNKRPS(配列番号27)を含み、軽鎖CDR3がアミノ酸配列QVYASVHRM(配列番号7)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項43】
重鎖CDR1がアミノ酸配列GGTFSSYAIH(配列番号34)を含み、重鎖CDR2がアミノ酸配列WMGRIIPDFGTANYAQKFQG(配列番号39)を含み、重鎖CDR3がアミノ酸配列GPTQAIHYFAY(配列番号16)を含む、請求項1又は42に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項44】
軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDSLGSKSVH(配列番号21)を含み、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYRDSKRPS(配列番号28)を含み、軽鎖CDR3がアミノ酸配列QTYDWSHFGW(配列番号8)を含む、請求項1に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項45】
重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSSAAMH(配列番号35)を含み、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSVISSDGGSTYYADSVKG(配列番号12)を含み、重鎖CDR3がアミノ酸配列AGFILGSLGVAWMDV(配列番号17)を含む、請求項1又は44に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項46】
前記抗体は、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を除いて、配列番号67の配列のアミノ酸1~331位、配列番号68の配列のアミノ酸1~332位、配列番号69の配列のアミノ酸1~333位、配列番号70の配列のアミノ酸1~332位、又は配列番号71の配列のアミノ酸1~337位と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項47】
前記抗体が、配列番号67の配列のアミノ酸1~433位、配列番号68の配列のアミノ酸1~434位、配列番号69の配列のアミノ酸1~435位、配列番号70の配列のアミノ酸1~434位、又は配列番号71の配列のアミノ酸1~439位を含む、請求項1に記載の単離された抗体。
【請求項48】
単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメントであって:(1)軽鎖可変ドメインであって、RASQGISGNWLT(配列番号40)、SGDXRXH(配列番号64、ここで、XはN又はAであり、XはI又はLであり、XはK又はYであり、XはK又はYであり、XはY又はIであり、XはV又はAである)、及びSGSSSNIGQNYVS(配列番号58)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域(CDR)1;アミノ酸配列LXIYXS(配列番号65、ここで、XはV又はLであり、XはD、R、又はYであり、XはA、D、又はNであり、XはS又はNであり、XはK又はNであり、XはL又はRであり、XはQ又はPである)を含むか又はそれからなる軽鎖CDR2;及びHQSYRGPM(配列番号42)、SSAGRDNY(配列番号48)、QSYGPGSV(配列番号54)、及びSSWDLLSKSR(配列番号60)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む軽鎖可変ドメイン;及び(2)アミノ酸配列GXTFX(配列番号66、ここで、XはF又はGであり、XはG又はSであり、XはR、S、D、又はTであり、XはF、S、Y、又はHであり、XはV又はAであり、XはM又はIであり、XはH又はSである)を含む重鎖CDR1;WVSXIXYXSXTYYADSVKG(配列番号76、ここで、XはV又はSであり、XはG、H、又はFであり、XはS又はDであり、XはG又はSであり、XはS、E、又はNである)、及びWVSXIXYXSXTYYADSVKG(配列番号76、ここで、XはV又はSであり、XはG、H、又はFであり、XはS又はDであり、XはG又はSであり、XはS、E、又はNである)、及びWMGLIQPRFGTANYAQKFQR(配列番号62)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;及びEPGYYYPSGYYRGPGYWMDV(配列番号45)、DRYFFDV(配列番号51)、PKSYASGPFAY(配列番号57)、及びDYYGGMAY(配列番号63)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む重鎖可変ドメインを含む単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項49】
軽鎖CDR1が配列RASQGISGNWLT(配列番号40)を含む、請求項48に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項50】
軽鎖CDR1が配列SGDNIRKKYVH(配列番号46)を含む、請求項48に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項51】
軽鎖CDR1が配列SGDALRYYIAH(配列番号52)を含む、請求項48に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項52】
軽鎖CDR1が配列SGSSSNIGQNYVS(配列番号58)を含む、請求項48に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項53】
軽鎖CDR2が配列LLIYDASNLQS(配列番号41)を含む、請求項48~52のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項54】
軽鎖CDR2が配列LVIYRDSNRPS(配列番号47)を含む、請求項48~52のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項55】
軽鎖CDR2が配列LVIYYNNNRPS(配列番号53)を含む、請求項48~52のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項56】
軽鎖CDR2が配列LLIYDNSKRPS(配列番号59)を含む、請求項48~52のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項57】
軽鎖CDR3が配列HQSYRGPM(配列番号42)を含む、請求項48~56のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項58】
軽鎖CDR3が配列SSAGRDNY(配列番号48)を含む、請求項48~56のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項59】
軽鎖CDR3が配列QSYGPGSV(配列番号54)を含む、請求項48~56のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項60】
軽鎖CDR3が配列SSWDLLSKSR(配列番号60)を含む、請求項48~56のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項61】
重鎖CDR1が配列GFTFGRFVMH(配列番号43)を含む、請求項48~60のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項62】
重鎖CDR1が配列GFTFSSSAMH(配列番号49)を含む、請求項48~60のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項63】
重鎖CDR1が配列GFTFSDYAMH(配列番号55)を含む、請求項48~60のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項64】
重鎖CDR1が配列GGTFSTHAIS(配列番号61)を含む、請求項48~60のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項65】
重鎖CDR2が配列WVSVIGYSGSSTYYADSVKG(配列番号44)を含む、請求項48~64のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項66】
重鎖CDR2が配列WVSVIHYDSSETYYADSVKG(配列番号50)を含む、請求項48~64のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項67】
重鎖CDR2が配列WVSSIFYSGSNTYYADSVKG(配列番号56)を含む、請求項48~64のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項68】
重鎖CDR2が配列WMGLIQPRFGTANYAQKFQR(配列番号62)を含む、請求項48~64のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項69】
重鎖CDR3が配列EPGYYYPSGYYRGPGYWMDV(配列番号45)を含む、請求項48~68のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項70】
重鎖CDR3が配列DRYFFDV(配列番号51)を含む、請求項48~68のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項71】
重鎖CDR3が配列PKSYASGPFAY(配列番号57)を含む、請求項48~68のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項72】
重鎖CDR3が配列DYYGGMAY(配列番号63)を含む、請求項48~68のいずれか一項に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項73】
軽鎖CDR1がアミノ酸配列RASQGISGNWLT(配列番号40)を含み、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LLIYDASNLQS(配列番号41)を含み、軽鎖CDR3がアミノ酸配列HQSYRGPM(配列番号42)を含む、請求項48に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項74】
重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFGRFVMH(配列番号43)を含み、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSVIGYSGSSTYYADSVKG(配列番号44)を含み、重鎖CDR3がアミノ酸配列EPGYYYPSGYYRGPGYWMDV(配列番号45)を含む、請求項48又は73に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項75】
軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDNIRKKYVH(配列番号46)を含み、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYRDSNRPS(配列番号47)を含み、軽鎖CDR3がアミノ酸配列SSAGRDNY(配列番号48)を含む、請求項48に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項76】
重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSSSAMH(配列番号49)を含み、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSVIHYDSSETYYADSVKG(配列番号50)を含み、重鎖CDR3がアミノ酸配列DRYFFDV(配列番号51)を含む、請求項48又は75に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項77】
軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDALRYYIAH(配列番号52)を含み、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYYNNNRPS(配列番号53)を含み、軽鎖CDR3がアミノ酸配列QSYGPGSV(配列番号54)を含む、請求項48に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項78】
重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSDYAMH(配列番号55)を含み、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSSIFYSGSNTYYADSVKG(配列番号56)を含み、重鎖CDR3がアミノ酸配列PKSYASGPFAY(配列番号57)を含む、請求項48又は77に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項79】
軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGSSSNIGQNYVS(配列番号58)を含み、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LLIYDNSKRPS(配列番号59)を含み、軽鎖CDR3がアミノ酸配列SSWDLLSKSR(配列番号60)を含む、請求項48に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項80】
重鎖CDR1がアミノ酸配列GGTFSTHAIS(配列番号61)を含み、重鎖CDR2がアミノ酸配列WMGLIQPRFGTANYAQKFQR(配列番号62)を含み、重鎖CDR3がアミノ酸配列DYYGGMAY(配列番号63)を含む、請求項48又は79に記載の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【請求項81】
前記抗体は、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を除いて、配列番号72の配列のアミノ酸1~344位、配列番号73の配列のアミノ酸1~327位、配列番号74の配列のアミノ酸1~331位、又は配列番号75の配列のアミノ酸1~332位と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項48に記載の単離された抗体。
【請求項82】
前記抗体が配列番号72の配列のアミノ酸1~446位、配列番号73の配列のアミノ酸1~429位、配列番号74の配列のアミノ酸1~433位、又は配列番号75の配列のアミノ酸1~434位を含む、請求項48に記載の単離された抗体。
【請求項83】
請求項1~82のいずれか一項に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項84】
請求項83に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項85】
請求項84に記載の発現ベクターを含む細胞。
【請求項86】
請求項1~82のいずれか一項に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメント、請求項83に記載の核酸分子、又は請求項84に記載の発現ベクターと、1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項87】
前記抗体又はそのALK2結合フラグメントが治療有効量にある、請求項86に記載の医薬組成物。
【請求項88】
治療有効量の請求項1~82のいずれか一項に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメント、請求項83に記載の核酸分子、請求項84に記載の発現ベクター、又は請求項86又は87に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の骨塩密度を増加させる方法。
【請求項89】
治療有効量の請求項1~請求項82に記載のいずれか一項に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメント、請求項83に記載の核酸分子、請求項84に記載の発現ベクター、又は請求項86又は87に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の骨吸収を低減し、骨形成を増加させ、骨強度を高め、又は骨折のリスクを低減する方法。
【請求項90】
治療有効量の請求項1~82のいずれか一項に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメント、請求項83に記載の核酸分子、請求項84に記載の発現ベクター、又は請求項86又は87に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、骨疾患を発症するリスクのある対象を治療する方法。
【請求項91】
骨疾患が、原発性骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症、骨減少症、大理石骨病、骨折、骨がん又はがん転移関連の骨量減少、パジェット病、腎性骨異栄養症、治療関連の骨量減少、食事関連の骨量減少、肥満の治療に関連する骨量減少、低重力関連の骨量減少、又は不動に関連する骨量減少である、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
治療有効量の請求項1~82のいずれか一項に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメント、請求項83に記載の核酸分子、請求項84に記載の発現ベクター、又は請求項86又は87に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の赤血球レベルを上昇させ、ヘモグロビンレベルを上昇させ、赤血球数を増加させ、赤血球形成を促進し又は増加させ、ヘプシジンレベルを減少させる方法。
【請求項93】
貧血を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、治療有効量の請求項1~82のいずれか一項に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメント、請求項83に記載の核酸分子、請求項84に記載の発現ベクター、又は請求項86又は87に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項94】
前記貧血が、がん、がん治療、慢性腎疾患(chronic kidney disease)、急性腎疾患又は不全、慢性腎疾患(chronic renal disease)又は不全、骨髄異形成症候群、サラセミア、栄養不足、投薬に対する有害反応、炎症性又は自己免疫性疾患、脾臓肥大、ポルフィリア、血管炎、溶血、骨髄欠損、骨髄移植、急性肝疾患、慢性肝疾患、急性出血、慢性出血、感染症、ヘモグロビン症、薬物使用、アルコール乱用、チャーグ・ストラウス症候群、フェルティ症候群、移植片対宿主病、造血幹細胞移植、骨髄線維症、汎血球減少症、純赤血球形成不全、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、シュバッハマン症候群、高齢、輸血の禁忌、手術、外傷、創傷、潰瘍、尿路出血、消化管出血、頻繁な献血、又は重い月経出血に関連する、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記貧血が再生不良性貧血、鉄欠乏性貧血、ビタミン欠乏性貧血、炎症性貧血、IRIDA、骨髄性疾患に関連する貧血、溶血性貧血、鎌状赤血球性貧血、小球性貧血、低色素性貧血、鉄芽球性貧血、ダイアモンド・ブラックファン貧血、ファンコニ貧血、又は芽球過剰を伴う難治性貧血である、請求項93又は94に記載の方法。
【請求項96】
前記貧血がIRIDAである請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記貧血が炎症性貧血である、請求項95に記載の方法。
【請求項98】
前記貧血が上昇したヘプシジンレベルに関連している、請求項93~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
治療有効量の請求項1~82のいずれか一項に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメント、請求項83に記載の核酸分子、請求項84に記載の発現ベクター、又は請求項86又は87に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における異所性骨化を予防又は軽減する方法。
【請求項100】
前記対象が進行性骨化性線維異形成症(FOP)を有する、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
FOPを有する対象を治療する方法であって、治療有効量の請求項1~82のいずれか一項に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメント、請求項83に記載の核酸分子、請求項84に記載の発現ベクター、又は請求項86又は87に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項102】
FOPが遺伝性FOP又は散発性FOPである、請求項100又は101に記載の方法。
【請求項103】
シェーグレン症候群、多発性骨軟骨腫、びまん性内在性橋グリオーマ、PCO、心肥大、又は心臓線維症を有する対象を治療する方法であって、治療有効量の請求項1~82のいずれか一項に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメント、請求項83に記載の核酸分子、請求項84に記載の発現ベクター、又は請求項86又は請求項87に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
健康な骨は、骨の破壊及び骨の成長の両方を伴う絶え間ないリモデリングを受ける。骨の成長は骨芽細胞種によって仲介されるのに対し、破骨細胞は骨を吸収する。病状は、これらのシステムが同化プログラムのダウンレギュレーション、異化システムのアップレギュレーションのいずれか、又は両方の組み合わせによってバランスを崩し、正味の骨量減少をもたらすときに生じる。したがって、骨リモデリングのバランスを制御することは、骨への損傷の治癒を促進するだけでなく、骨量の減少や骨の脱灰に関連する骨粗鬆症などの障害の治療に役立つ可能性がある。
【0002】
骨の損傷は、加齢やがんに関連する骨量減少、遺伝的条件、薬物治療の有害な副作用など、様々な根本原因から生じ得る。世界保健機関は、骨粗鬆症だけでも米国、ヨーロッパ及び日本で7500万人が罹患しており、骨損傷の重大な危険因子であると推定している。一般に、骨量減少の全体は、効果的な治療法がほとんどない病的状態を表している。代わりに、治療は、骨の成長を直接促進し、骨密度を増加させる薬剤ではなく、固定、運動、及び食事の変更に重点を置いている。骨粗鬆症に関しては、エストロゲン、カルシトニン、ビタミンKと併用したオステオカルシン、又は食品としての高用量のカルシウムがいずれも治療的介入として使用される。骨粗鬆症に対する他の治療的アプローチには、ビスホスホナート、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)、カルシウム模倣薬、スタチン、アナボリックステロイド、ランタン及びストロンチウム塩、及びフッ化ナトリウムが含まれる。しかしながら、そのような治療剤はしばしば望ましくない副作用を伴う。
【0003】
貧血は、罹患率と死亡率の両方に影響を与える健康への影響を伴う世界的な健康問題である。米国だけでも、貧血の有病率は2003年から2012年にかけて2倍近くになった。貧血の症状には、倦怠感、脱力感、息切れ、動悸、認知能力の低下などがあり、子供、妊婦、生殖年齢の女性、高齢者が貧血を発症するリスクが最も高いことがわかっている。貧血の最も一般的な形態は鉄欠乏性貧血であるが、貧血は慢性疾患、失血、及び赤血球の破壊によっても引き起こされ得る。鉄欠乏性貧血は鉄サプリメントで治療できるが、再生不良性貧血、慢性疾患の貧血、溶血性貧血など、他の多くの形態の貧血には輸血が必要な場合がある。
【0004】
異所性骨化(HO)は、軟部組織における骨格外骨の病理学的形成である。このプロセスは、大面積の火傷、筋骨格系損傷、整形外科手術、脊髄損傷などの重度の外傷を伴う患者集団、及び進行性骨化性線維異形成症(FOP)として知られる遺伝性疾患を有する患者集団で生じる。FOPは、I型骨形成タンパク質(BMP)受容体アクチビンA受容体I型(ACVR1)の過剰活性化変異によって引き起こされ、FOPの患者は、筋肉、腱、靭帯、及びその他の結合組織に、実質的な外傷を伴わない異所性骨病変を発症する可能性がある。これらの病理学的異所性骨形成の臨床的後遺症には、外傷の状況か遺伝子変異かにかかわらず、非治癒性の創傷、慢性的な痛み、及び関節の不動が含まれる。FOPの場合、異所性骨の形成は、関節を横断して発達する骨の橋をもたらす可能性があり、動きを徐々に制限し、進行性の骨化が胸郭のコンプライアンスの喪失により死をもたらす可能性がある。
【0005】
外科的切除後に骨が再発することが多いため、HOの治療オプションは限られており、余分な骨を外科的に除去しようとすると、さらに骨が成長する可能性がある。さらに、一部の患者は、傷つきやすい位置にHOを有するため切除不能な場合がある。特に再発に直面した場合、手術のリスクは切除の利益を上回る可能性がある。リスクのある患者でHOが最初に発生する前にHOを予防し、及び/又はHOの量を減らし、HOの再発を低減し、又はFOPの患者でさらなる異所性骨形成を予防することができる治療オプションが必要である。現在、FOPの承認された治療法はない。
【0006】
シェーグレン症候群は、ドライアイと口渇という2つの最も一般的な症状によって識別される全身性自己免疫疾患である。また、関節の痛み、腫れ、こわばり、唾液腺の腫れ、皮膚の発疹や乾燥肌、膣の乾燥、持続性の乾いた咳、長時間の倦怠感を特徴とする場合がある。シェーグレン症候群はまた、腎臓、胃腸系、血管、肺、肝臓、膵臓、中枢神経系などの臓器の機能障害を引き起こす可能性がある。これは最も一般的な自己免疫疾患の1つであり、400万人を超えるアメリカ人がこの疾患に苦しんでおり、その9割が女性である。シェーグレン症候群に関連するドライアイは、免疫抑制剤とステロイド点眼薬で治療され得る。ただし、眼圧の上昇や易感染性などの副作用があるため、ステロイド点眼薬は長期間使用するべきではない。
【0007】
びまん性内在性橋グリオーマ(DIPG)は、橋に由来する小児脳腫瘍であり、すべての小児脳腫瘍の約20%を占める。DIPGは、生存期間の中央値が10~11ヵ月であり、不治のままである。DIPGの成功する治療法を特定できないのは、腫瘍が傷つきやすい場所にあるため、生検が最近まで一般的に行われていなかったために、この疾患の生物学的理解の欠如に起因している可能性がある。その結果、これまでの多くの試験は成人神経膠芽腫に見られる遺伝的変化に基づいたものであり、最近になって、これはDIPGとは分子的に異なることが判明した。
【0008】
先天性多発性外骨腫とも呼ばれる多発性骨軟骨腫(MO)は、骨軟骨腫と呼ばれる複数の良性(非がん性)骨腫瘍を、多くの場合、脚、腕、指の長骨の成長端(骨幹端)及び腰や肩甲骨などの扁平骨に発症することを特徴とする稀な遺伝性疾患である。骨軟骨腫の数及びそれらが位置する骨は、罹患した個人間で大きく異なる。骨軟骨腫は出生時には存在しないが、罹患した個人の約96%が12歳になるまでに複数の骨軟骨腫を発症する。これらの骨軟骨腫は通常、思春期の直後まで成長し続け、骨変形、骨格異常、手足の長さの違い、低身長、痛み、可動域の減少、ならびに、神経、血管、脊髄、及び骨軟骨腫の周囲の組織への圧力を引き起こす可能性がある。先天性多発性骨軟骨腫は常染色体優性遺伝病として遺伝し、エキソストシン-1(EXT1)又はエキソストシン-2(EXT2)遺伝子の変異に関連している。現在の治療オプションには、「経過観察」アプローチ(症状がない場合)、骨軟骨腫の外科的除去、矯正骨切り術、及び骨端線閉鎖術又は下肢延長術が含まれる。
【0009】
後嚢混濁(PCO)は、白内障手術及び眼内レンズ移植後の視力低下に関連する最も頻繁な合併症である。白内障手術では、眼の天然の水晶体が人工の眼内レンズに置換され、これは水晶体嚢の内側に配置される。PCOは、水晶体上皮細胞が後嚢に向かって移動し、増殖して分化し、嚢の裏側まで成長して嚢を厚くさせ、わずかに不透明になったときに発生する。これにより、網膜に到達できる光の量が減少し、ぼやけた又は曇った視界、又は明るい光やまぶしさの問題をもたらし得る。PCOはNd:YAGレーザー嚢切開術を使用して治療できるが、潜在的な合併症と治療のかなりのコストは、新しいPCO療法を特定することの重要性を明確に示している。
【0010】
心肥大は、心筋細胞のサイズの増加及び細胞外マトリックスなどの他の心筋成分の変化に起因する心筋の異常な肥大又は肥厚である。心肥大は、運動又は妊娠に応答して発生する生理学的なものであるか、又は高血圧又は心臓弁膜症などのストレス(例えば、血行動態ストレス)に応答して発生する病理学的なものであり得る。また、心臓線維症は、心臓線維芽細胞の不適切な増殖又は心筋における細胞外マトリックスの過剰な沈着による心臓弁の異常な肥厚を特徴とする場合がある。これは、より硬く、コンプライアンスの低い筋肉をもたらし、心不全への進行中に発生する可能性がある。心臓線維症を軽減又は逆転させるための有効な治療法が不足しており、アドレナリン拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬などのレニン-アンジオテンシン系モジュレーター、及びアンジオテンシン受容体遮断薬などの心肥大に対する既存の治療法は、一部の患者では有効性の欠如、さらには退行を特徴とする天井効果をもたらす可能性がある。
【0011】
骨疾患、貧血、HO(例えば、FOPに起因するHO)、シェーグレン症候群(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ)、DIPG、MO、PCO、及び心肥大及び/又は心臓線維症に対する新規かつ効果的な治療の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0012】
本明細書に記載されているのは、アクチビン受容体様キナーゼ-2(ALK2、アクチビンA受容体タイプI(ACVR1)としても知られている)抗体、例えばALK2中和抗体及びそのALK2結合フラグメントである。本明細書に記載のALK2抗体及びその抗原結合フラグメントは、ヒト対象などの対象に投与するための医薬組成物に製剤化することができる。本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント及び組成物は、骨疾患(例えば、原発性骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症、骨減少症、大理石骨病、骨折、骨がん又はがん転移関連の骨量減少、パジェット病、腎性骨異栄養症、治療関連の骨量減少、食事関連の骨量減少、肥満の治療に関連する骨量減少、低重力関連の骨量減少、又は不動に関連する骨量減少などの骨損傷を伴う疾患又は状態)、低赤血球レベル(例えば、低ヘモグロビンレベル又は低赤血球数、例えば、貧血)、異所性骨化(HO)、例えば、進行性骨化性線維異形成症(FOP)に起因する異所性骨化、シェーグレン症候群(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ)、びまん性内在性橋グリオーマ(DIPG)、多発性骨軟骨腫(MO)、後嚢混濁(PCO)、又は心肥大及び/又は心臓線維症を治療又は予防するために、ヒト対象などの対象に投与することができる。
【0013】
本発明の例示的な実施形態は、以下に列挙される段落に記載されている。
E1.以下を含む単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント:(1)軽鎖可変ドメインであって、SGSSSNIGSNYVS(配列番号1)及びSGDX(配列番号2、ここで、XはS又はNであり、XはI又はLであり、XはP、G、又はRであり、XはS、T、又はKであり、XはF、K、又はYであり、XはF、Y、又はSであり、XはA又はVであり、XはS、Y、又はHである)から選択されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる軽鎖相補性決定領域(CDR)1;アミノ酸配列XIYXRPS(配列番号3、ここで、XはV又はLであり、XはV又はLであり、XはK、R、G又はYであり、XはN又はDであり、XはN又はSであり、XはH、N、D、又はKである)を含むか又はそれからなる軽鎖CDR2;及びASWDHSDRFYV(配列番号4)、YVTAPWKSIW(配列番号5)、YSADAQQMKA(配列番号6)、QVYASVHRM(配列番号7)、及びQTYDWSHFGW(配列番号8)から選択されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる軽鎖CDR3を含む軽鎖可変ドメイン;及び(2)アミノ酸配列GXTFXSX(配列番号9、ここで、XはG又はFであり、XはS又はNであり、XはY、H、S、又はAであり、XはG又はAであり、XはV、M、又はIであり、XはS又はHである)を含むか又はそれからなる重鎖CDR1;WMGXIIPXFGXANYAQKFQG(配列番号10、ここで、XはG又はRであり、XはH又はDであり、XはI又はTである)、WVGRIKSKXDXTTDYAAPVKG(配列番号11、ここで、XはA又はRであり、XはS又はGであり、XはG又はYである)、及びWVSVISSDGGSTYYADSVKG(配列番号12)から選択されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる重鎖CDR2;及びEIGSLDI(配列番号13)、DYGVAFAY(配列番号14)、DYGGLKFDY(配列番号15)、GPTQAIHYFAY(配列番号16)、及びAGFILGSLGVAWMDV(配列番号17)から選択されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる重鎖CDR3を含む重鎖可変ドメイン。
【0014】
E2.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E3.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0015】
E4.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがIである、E1~E3のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E5.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがLである、E1~E3のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0016】
E6.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがPである、E1~E5のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E7.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがGである、E1~E5のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0017】
E8.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがRである、E1~E5のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E9.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E1~E8のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0018】
E10.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがTである、E1~E8のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E11.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがKである、E1~E8のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0019】
E12.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがFである、E1~E11のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E13.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがKである、E1~E11のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0020】
E14.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがYである、E1~E11のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E15.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがFである、E1~E14のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0021】
E16.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがYである、E1~E14のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E17.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E1~E14のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0022】
E18.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがAである、E1~E17のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E19.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがVである、E1~E17のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0023】
E20.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E1~E19のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E21.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがYである、E1~E19のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0024】
E22.軽鎖CDR1が配列番号2の配列を含むか又はそれからなり、XがA又はVであり、XがHである、E1~E19のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0025】
E23.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがVである、E1~E22のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E24.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがLである、E1~E22のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0026】
E25.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがVである、E1~E24のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E26.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがLである、E1~E24のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0027】
E27.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがKである、E1~E26のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E28.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがRである、E1~E26のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0028】
E29.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがGである、E1~E26のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E30.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがYである、E1~E26のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0029】
E31.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E1~E30のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E32.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがDである、E1~E30のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0030】
E33.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E1~E32のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E34.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E1~E32のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0031】
E35.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがHである、E1~E34のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E36.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E1~E34のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0032】
E37.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがDである、E1~E34のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E38.軽鎖CDR2が配列番号3の配列を含むか又はそれからなり、XがKである、E1~E34のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0033】
E39.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがGである、E1~E38のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E40.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがFである、E1~E38のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0034】
E41.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E1~E40のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E42.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E1~E40のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0035】
E43.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがYである、E1~E42のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E44.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがHである、E1~E42のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0036】
E45.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E1~E42のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E46.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがAである、E1~E42のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0037】
E47.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがGである、E1~E46のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E48.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがAである、E1~E46のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0038】
E49.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがVである、E1~E48のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E50.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがMである、E1~E48のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0039】
E51.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがIである、E1~E48のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E52.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E1~E51のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0040】
E53.重鎖CDR1が配列番号9の配列を含むか又はそれからなり、XがHである、E1~E51のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E54.重鎖CDR2が配列番号10の配列を含むか又はそれからなり、XがGである、E1~E53のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0041】
E55.重鎖CDR2が配列番号10の配列を含むか又はそれからなり、XがRである、E1~E53のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0042】
E56.重鎖CDR2が配列番号10の配列を含むか又はそれからなり、XがHである、E1~E55のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0043】
E57.重鎖CDR2が配列番号10の配列を含むか又はそれからなり、XがDである、E1~E55のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0044】
E58.重鎖CDR2が配列番号10の配列を含むか又はそれからなり、XがIである、E1~E57のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0045】
E59.重鎖CDR2が配列番号10の配列を含むか又はそれからなり、XがTである、E1~E57のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0046】
E60.重鎖CDR2が配列番号11の配列を含むか又はそれからなり、XがAである、E1~E53のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0047】
E61.重鎖CDR2が配列番号11の配列を含むか又はそれからなり、XがRである、E1~E53のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0048】
E62.重鎖CDR2が配列番号11の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E1~E53、E60、及びE61のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0049】
E63.重鎖CDR2が配列番号11の配列を含むか又はそれからなり、XがGである、E1~E53、E60、及びE61のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0050】
E64.重鎖CDR2が配列番号11の配列を含むか又はそれからなり、XがGである、E1~E53及びE60~E63のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0051】
E65.重鎖CDR2が配列番号11の配列を含むか又はそれからなり、XがYである、E1~E53及びE60~E63のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0052】
E66.軽鎖CDR1が配列SGSSSNIGSNYVS(配列番号1)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E67.軽鎖CDR1が配列SGDSIPSFFAS(配列番号18)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0053】
E68.軽鎖CDR1が配列SGDNIGTKYAY(配列番号19)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E69.軽鎖CDR1が配列SGDNLRKYSAH(配列番号20)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0054】
E70.軽鎖CDR1が配列SGDSLGSKSVH(配列番号21)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E71.軽鎖CDR2が配列VLIYKNNHRPS(配列番号24)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E70のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0055】
E72.軽鎖CDR2が配列LVIYRDSNRPS(配列番号25)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E70のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0056】
E73.軽鎖CDR2が配列LVIYGDSDRPS(配列番号26)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E70のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0057】
E74.軽鎖CDR2が配列LVIYYDNKRPS(配列番号27)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E70のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0058】
E75.軽鎖CDR2が配列LVIYRDSKRPS(配列番号28)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E70のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0059】
E76.軽鎖CDR3が配列ASWDHSDRFYV(配列番号4)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E75のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0060】
E77.軽鎖CDR3が配列YVTAPWKSIW(配列番号5)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E75のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0061】
E78.軽鎖CDR3が配列YSADAQQMKA(配列番号6)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E75のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0062】
E79.軽鎖CDR3が配列QVYASVHRM(配列番号7)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E75のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0063】
E80.軽鎖CDR3がQTYDWSHFGW(配列番号8)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E75のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0064】
E81.重鎖CDR1が配列GGTFSSYGVS(配列番号31)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E80のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0065】
E82.重鎖CDR1が配列GFTFSSHAMS(配列番号32)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E80のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0066】
E83.重鎖CDR1が配列GFTFNSSAMS(配列番号33)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E80のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0067】
E84.重鎖CDR1が配列GGTFSSYAIH(配列番号34)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E80のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0068】
E85.重鎖CDR1が配列GFTFSSAAMH(配列番号35)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E80のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0069】
E86.重鎖CDR2が配列WMGGIIPHFGIANYAQKFQG(配列番号36)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E85のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0070】
E87.重鎖CDR2が配列WVGRIKSKADSGTTDYAAPVKG(配列番号37)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E85のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0071】
E88.重鎖CDR2が配列WVGRIKSKRDGYTTDYAAPVKG(配列番号38)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E85のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0072】
E89.重鎖CDR2が配列WMGRIIPDFGTANYAQKFQG(配列番号39)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E85のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0073】
E90.重鎖CDR2が配列WVSVISSDGGSTYYADSVKG(配列番号12)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E85のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0074】
E91.重鎖CDR3が配列EIGSLDI(配列番号13)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E90のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0075】
E92.重鎖CDR3が配列DYGVAFAY(配列番号14)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E90のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0076】
E93.重鎖CDR3が配列DYGGLKFDY(配列番号15)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E90のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0077】
E94.重鎖CDR3が配列GPTQAIHYFAY(配列番号16)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E90のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0078】
E95.重鎖CDR3が配列AGFILGSLGVAWMDV(配列番号17)を含むか又はそれからなる、E1及びE66~E90のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0079】
E96.軽鎖CDR2が配列LVIYXDXRPS(配列番号22、ここで、XはR、G、又はYであり、XはS又はNであり、XはN、D、又はKである)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0080】
E97.軽鎖CDR2が配列番号22の配列を含むか又はそれからなり、XがRである、E96の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E98.軽鎖CDR2が配列番号22の配列を含むか又はそれからなり、XがGである、E96の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0081】
E99.軽鎖CDR2が配列番号22の配列を含むか又はそれからなり、XがYである、E96の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E100.軽鎖CDR2が配列番号22の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E96~E99のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0082】
E101.軽鎖CDR2が配列番号22の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E96~E99のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0083】
E102.軽鎖CDR2が配列番号22の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E96~E101のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0084】
E103.軽鎖CDR2が配列番号22の配列を含むか又はそれからなり、XがDである、E96~E101のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0085】
E104.軽鎖CDR2が配列番号22の配列を含むか又はそれからなり、XがKである、E96~E101のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0086】
E105.軽鎖CDR2が配列LVIYRDSXRPS(配列番号23、ここで、XはN又はKである)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0087】
E106.軽鎖CDR2が配列番号23の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E105の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E107.軽鎖CDR2が配列番号23の配列を含むか又はそれからなり、XがKである、E105の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0088】
E108.重鎖CDR1が配列GFTFSSXAMX(配列番号29、ここで、XはH又はAであり、XはS又はHである)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0089】
E109.重鎖CDR1が配列番号29の配列を含むか又はそれからなり、XがHである、E108の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E110.重鎖CDR1が配列番号29の配列を含むか又はそれからなり、XがAである、E108の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0090】
E111.重鎖CDR1が配列番号29の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E108~E110のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0091】
E112.重鎖CDR1が配列番号29の配列を含むか又はそれからなり、XがHである、E108~E110のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0092】
E113.重鎖CDR1が配列GFTFXSXAMS(配列番号30、ここで、XはS又はNであり、XはH又はSである)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0093】
E114.重鎖CDR1が配列番号30の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E113の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E115.重鎖CDR1が配列番号30の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E113の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0094】
E116.重鎖CDR1が配列番号30の配列を含むか又はそれからなり、XがHである、E113~E115のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0095】
E117.重鎖CDR1が配列番号30の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E113~E115のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0096】
E118.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGSSSNIGSNYVS(配列番号1)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列VLIYKNNHRPS(配列番号24)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列ASWDHSDRFYV(配列番号4)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0097】
E119.重鎖CDR1がアミノ酸配列GGTFSSYGVS(配列番号31)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WMGGIIPHFGIANYAQKFQG(配列番号36)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列EIGSLDI(配列番号13)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0098】
E120.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGSSSNIGSNYVS(配列番号1)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列VLIYKNNHRPS(配列番号24)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列ASWDHSDRFYV(配列番号4)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GGTFSSYGVS(配列番号31)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WMGGIIPHFGIANYAQKFQG(配列番号36)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列EIGSLDI(配列番号13)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0099】
E121.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGSSSNIGSNYVS(配列番号1)からなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列VLIYKNNHRPS(配列番号24)からなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列ASWDHSDRFYV(配列番号4)からなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GGTFSSYGVS(配列番号31)からなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WMGGIIPHFGIANYAQKFQG(配列番号36)からなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列EIGSLDI(配列番号13)からなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0100】
E122.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDSIPSFFAS(配列番号18)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYRDSNRPS(配列番号25)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列YVTAPWKSIW(配列番号5)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0101】
E123.重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSSHAMS(配列番号32)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVGRIKSKADSGTTDYAAPVKG(配列番号37)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列DYGVAFAY(配列番号14)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0102】
E124.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDSIPSFFAS(配列番号18)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYRDSNRPS(配列番号25)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列YVTAPWKSIW(配列番号5)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSSHAMS(配列番号32)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVGRIKSKADSGTTDYAAPVKG(配列番号37)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列DYGVAFAY(配列番号14)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0103】
E125.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDSIPSFFAS(配列番号18)からなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYRDSNRPS(配列番号25)からなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列YVTAPWKSIW(配列番号5)からなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSSHAMS(配列番号32)からなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVGRIKSKADSGTTDYAAPVKG(配列番号37)からなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列DYGVAFAY(配列番号14)からなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0104】
E126.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDNIGTKYAY(配列番号19)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYGDSDRPS(配列番号26)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列YSADAQQMKA(配列番号6)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0105】
E127.重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFNSSAMS(配列番号33)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVGRIKSKRDGYTTDYAAPVKG(配列番号38)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列DYGGLKFDY(配列番号15)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0106】
E128.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDNIGTKYAY(配列番号19)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYGDSDRPS(配列番号26)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列YSADAQQMKA(配列番号6)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFNSSAMS(配列番号33)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVGRIKSKRDGYTTDYAAPVKG(配列番号38)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列DYGGLKFDY(配列番号15)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0107】
E129.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDNIGTKYAY(配列番号19)からなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYGDSDRPS(配列番号26)からなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列YSADAQQMKA(配列番号6)からなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFNSSAMS(配列番号33)からなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVGRIKSKRDGYTTDYAAPVKG(配列番号38)からなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列DYGGLKFDY(配列番号15)からなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0108】
E130.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDNLRKYSAH(配列番号20)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYYDNKRPS(配列番号27)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列QVYASVHRM(配列番号7)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0109】
E131.重鎖CDR1がアミノ酸配列GGTFSSYAIH(配列番号34)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WMGRIIPDFGTANYAQKFQG(配列番号39)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列GPTQAIHYFAY(配列番号16)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0110】
E132.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDNLRKYSAH(配列番号20)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYYDNKRPS(配列番号27)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列QVYASVHRM(配列番号7)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GGTFSSYAIH(配列番号34)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WMGRIIPDFGTANYAQKFQG(配列番号39)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列GPTQAIHYFAY(配列番号16)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0111】
E133.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDNLRKYSAH(配列番号20)からなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYYDNKRPS(配列番号27)からなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列QVYASVHRM(配列番号7)からなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GGTFSSYAIH(配列番号34)からなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WMGRIIPDFGTANYAQKFQG(配列番号39)からなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列GPTQAIHYFAY(配列番号16)からなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0112】
E134.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDSLGSKSVH(配列番号21)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYRDSKRPS(配列番号28)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列QTYDWSHFGW(配列番号8)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0113】
E135.重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSSAAMH(配列番号35)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSVISSDGGSTYYADSVKG(配列番号12)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列AGFILGSLGVAWMDV(配列番号17)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0114】
E136.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDSLGSKSVH(配列番号21)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYRDSKRPS(配列番号28)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列QTYDWSHFGW(配列番号8)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSSAAMH(配列番号35)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSVISSDGGSTYYADSVKG(配列番号12)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列AGFILGSLGVAWMDV(配列番号17)を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0115】
E137.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDSLGSKSVH(配列番号21)からなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYRDSKRPS(配列番号28)からなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列QTYDWSHFGW(配列番号8)からなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSSAAMH(配列番号35)からなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSVISSDGGSTYYADSVKG(配列番号12)からなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列AGFILGSLGVAWMDV(配列番号17)からなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0116】
E138.前記抗体は、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を除いて、配列番号67の配列のアミノ酸1~331位と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上)の配列同一性、又は配列番号67の配列のアミノ酸1~331位と少なくとも95%の配列同一性、又は配列番号67の配列のアミノ酸1~331位と少なくとも98%の配列同一性を有する、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0117】
E139.前記抗体は、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を除いて、配列番号68の配列のアミノ酸1~332位と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上)の配列同一性、又は配列番号68の配列のアミノ酸1~332位と少なくとも95%の配列同一性、又は配列番号68の配列のアミノ酸1~332位と少なくとも98%の配列同一性を有する、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0118】
E140.前記抗体は、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を除いて、配列番号69の配列のアミノ酸1~333位と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上)の配列同一性、又は配列番号69の配列のアミノ酸1~333位と少なくとも95%の配列同一性、又は配列番号69の配列のアミノ酸1~333位と少なくとも98%の配列同一性を有する、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0119】
E141.前記抗体は、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を除いて、配列番号70の配列のアミノ酸1~332位と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上)の配列同一性、又は配列番号70の配列のアミノ酸1~332位と少なくとも95%の配列同一性、又は配列番号70の配列のアミノ酸1~332位と少なくとも98%の配列同一性を有する、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0120】
E142.前記抗体は、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を除いて、配列番号71の配列のアミノ酸1~337位と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上)の配列同一性、又は配列番号71の配列のアミノ酸1~337位と少なくとも95%の配列同一性、又は配列番号71の配列のアミノ酸1~337位と少なくとも98%の配列同一性を有する、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0121】
E143.前記抗体が、配列番号67の配列のアミノ酸1~433位を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E144.前記抗体が、配列番号68の配列のアミノ酸1~434位を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0122】
E145.前記抗体が、配列番号69の配列のアミノ酸1~435位を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E146.前記抗体が、配列番号70の配列のアミノ酸1~434位を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0123】
E147.前記抗体が、配列番号71の配列のアミノ酸1~439位を含むか又はそれからなる、E1の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E148.以下を含む単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント:(1)軽鎖可変ドメインであって、RASQGISGNWLT(配列番号40)、SGDXRXH(配列番号64、ここで、XはN又はAであり、XはI又はLであり、XはK又はYであり、XはK又はYであり、XはY又はIであり、XはV又はAである)、及びSGSSSNIGQNYVS(配列番号58)から選択されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる軽鎖相補性決定領域(CDR)1;アミノ酸配列LXIYXS(配列番号65、ここで、XはV又はLであり、XはD、R、又はYであり、XはA、D、又はNであり、XはS又はNであり、XはK又はNであり、XはL又はRであり、XはQ又はPである)を含むか又はそれからなる軽鎖CDR2;及びHQSYRGPM(配列番号42)、SSAGRDNY(配列番号48)、QSYGPGSV(配列番号54)、及びSSWDLLSKSR(配列番号60)から選択されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる軽鎖CDR3を含む軽鎖可変ドメイン;及び(2)アミノ酸配列GXTFX(配列番号66、ここで、XはF又はGであり、XはG又はSであり、XはR、S、D、又はTであり、XはF、S、Y、又はHであり、XはV又はAであり、XはM又はIであり、XはH又はSである)を含むか又はそれからなる重鎖CDR1;WVSXIXYXSXTYYADSVKG(配列番号76、ここで、XはV又はSであり、XはG、H、又はFであり、XはS又はDであり、XはG又はSであり、XはS、E、又はNである)、及びWVSXIXYXSXTYYADSVKG(配列番号76、ここで、XはV又はSであり、XはG、H、又はFであり、XはS又はDであり、XはG又はSであり、XはS、E、又はNである)、及びWMGLIQPRFGTANYAQKFQR(配列番号62)から選択されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる重鎖CDR2;及びEPGYYYPSGYYRGPGYWMDV(配列番号45)、DRYFFDV(配列番号51)、PKSYASGPFAY(配列番号57)、及びDYYGGMAY(配列番号63)から選択されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる重鎖CDR3を含む重鎖可変ドメイン。
【0124】
E149.軽鎖CDR1が配列番号64の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E150.軽鎖CDR1が配列番号64の配列を含むか又はそれからなり、XがAである、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0125】
E151.軽鎖CDR1が配列番号64の配列を含むか又はそれからなり、XがIである、E148~E150のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0126】
E152.軽鎖CDR1が配列番号64の配列を含むか又はそれからなり、XがLである、E148~E150のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0127】
E153.軽鎖CDR1が配列番号64の配列を含むか又はそれからなり、XがKである、E148~E152のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0128】
E154.軽鎖CDR1が配列番号64の配列を含むか又はそれからなり、XがYである、E148~E152のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0129】
E155.軽鎖CDR1が配列番号64の配列を含むか又はそれからなり、XがKである、E148~E154のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0130】
E156.軽鎖CDR1が配列番号64の配列を含むか又はそれからなり、XがYである、E148~E154のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0131】
E157.軽鎖CDR1が配列番号64の配列を含むか又はそれからなり、XがYである、E148~E156のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0132】
E158.軽鎖CDR1が配列番号64の配列を含むか又はそれからなり、XがIである、E148~E156のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0133】
E159.軽鎖CDR1が配列番号64の配列を含むか又はそれからなり、XがVである、E148~E158のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0134】
E160.軽鎖CDR1が配列番号64の配列を含むか又はそれからなり、XがAである、E148~E158のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0135】
E161.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがVである、E148~E160のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0136】
E162.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがLである、E148~E160のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0137】
E163.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがDである、E148~E162のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0138】
E164.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがRである、E148~E162のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0139】
E165.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがYである、E148~E162のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0140】
E166.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがAである、E148~E165のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0141】
E167.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがDである、E148~E165のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0142】
E168.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E148~E165のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0143】
E169.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E148~E168のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0144】
E170.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E148~E168のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0145】
E171.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがKである、E148~E170のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0146】
E172.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E148~E170のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0147】
E173.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがLである、E148~E172のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0148】
E174.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがRである、E148~E172のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0149】
E175.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがQである、E148~E174のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0150】
E176.軽鎖CDR2が配列番号65の配列を含むか又はそれからなり、XがPである、E148~E174のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0151】
E177.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがFである、E148~E176のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0152】
E178.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがGである、E148~E176のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0153】
E179.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがGである、E148~E178のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0154】
E180.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E148~E178のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0155】
E181.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがRである、E148~E180のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0156】
E182.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E148~E180のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0157】
E183.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがDである、E148~E180のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0158】
E184.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがTである、E148~E180のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0159】
E185.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがFである、E148~E184のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0160】
E186.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E148~E184のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0161】
E187.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがYである、E148~E184のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0162】
E188.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがHである、E148~E184のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0163】
E189.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがVである、E148~E188のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0164】
E190.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがV又はAである、E148~E188のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0165】
E191.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがMである、E148~E190のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0166】
E192.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがIである、E148~E190のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0167】
E193.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがHである、E148~E192のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0168】
E194.重鎖CDR1が配列番号66の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E148~E192のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0169】
E195.重鎖CDR2が配列番号76の配列を含むか又はそれからなり、XがVである、E148~E194のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0170】
E196.重鎖CDR2が配列番号76の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E148~E194のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0171】
E197.重鎖CDR2が配列番号76の配列を含むか又はそれからなり、XがGである、E148~E196のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0172】
E198.重鎖CDR2が配列番号76の配列を含むか又はそれからなり、XがHである、E148~E196のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0173】
E199.重鎖CDR2が配列番号76の配列を含むか又はそれからなり、XがFである、E148~E196のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0174】
E200.重鎖CDR2が配列番号76の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E148~E199のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0175】
E201.重鎖CDR2が配列番号76の配列を含むか又はそれからなり、XがDである、E148~E199のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0176】
E202.重鎖CDR2が配列番号76の配列を含むか又はそれからなり、XがGである、E148~E201のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0177】
E203.重鎖CDR2が配列番号76の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E148~E201のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0178】
E204.重鎖CDR2が配列番号76の配列を含むか又はそれからなり、XがSである、E148~E203のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0179】
E205.重鎖CDR2が配列番号76の配列を含むか又はそれからなり、XがEである、E148~E203のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0180】
E206.重鎖CDR2が配列番号76の配列を含むか又はそれからなり、XがNである、E148~E203のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0181】
E207.軽鎖CDR1が配列RASQGISGNWLT(配列番号40)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E208.軽鎖CDR1が配列SGDNIRKKYVH(配列番号46)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0182】
E209.軽鎖CDR1が配列SGDALRYYIAH(配列番号52)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E210.軽鎖CDR1が配列SGSSSNIGQNYVS(配列番号58)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0183】
E211.軽鎖CDR2が配列LLIYDASNLQS(配列番号41)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E210のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0184】
E212.軽鎖CDR2が配列LVIYRDSNRPS(配列番号47)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E210のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0185】
E213.軽鎖CDR2が配列LVIYYNNNRPS(配列番号53)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E210のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0186】
E214.軽鎖CDR2が配列LLIYDNSKRPS(配列番号59)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E210のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0187】
E215.軽鎖CDR3が配列HQSYRGPM(配列番号42)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E214のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0188】
E216.軽鎖CDR3が配列SSAGRDNY(配列番号48)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E214のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0189】
E217.軽鎖CDR3が配列QSYGPGSV(配列番号54)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E214のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0190】
E218.軽鎖CDR3が配列SSWDLLSKSR(配列番号60)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E214のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0191】
E219.重鎖CDR1が配列GFTFGRFVMH(配列番号43)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E218のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0192】
E220.重鎖CDR1が配列GFTFSSSAMH(配列番号49)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E218のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0193】
E221.重鎖CDR1が配列GFTFSDYAMH(配列番号55)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E218のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0194】
E222.重鎖CDR1が配列GGTFSTHAIS(配列番号61)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E218のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0195】
E223.重鎖CDR2が配列WVSVIGYSGSSTYYADSVKG(配列番号44)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E222のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0196】
E224.重鎖CDR2が配列WVSVIHYDSSETYYADSVKG(配列番号50)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E222のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0197】
E225.重鎖CDR2が配列WVSSIFYSGSNTYYADSVKG(配列番号56)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E222のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0198】
E226.重鎖CDR2が配列WMGLIQPRFGTANYAQKFQR(配列番号62)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E222のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0199】
E227.重鎖CDR3が配列EPGYYYPSGYYRGPGYWMDV(配列番号45)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E226のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0200】
E228.重鎖CDR3が配列DRYFFDV(配列番号51)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E226のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0201】
E229.重鎖CDR3が配列PKSYASGPFAY(配列番号57)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E226のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0202】
E230.重鎖CDR3が配列DYYGGMAY(配列番号63)を含むか又はそれからなる、E148及びE207~E226のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0203】
E231.軽鎖CDR1がアミノ酸配列RASQGISGNWLT(配列番号40)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LLIYDASNLQS(配列番号41)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列HQSYRGPM(配列番号42)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0204】
E232.重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFGRFVMH(配列番号43)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSVIGYSGSSTYYADSVKG(配列番号44)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列EPGYYYPSGYYRGPGYWMDV(配列番号45)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0205】
E233.軽鎖CDR1がアミノ酸配列RASQGISGNWLT(配列番号40)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LLIYDASNLQS(配列番号41)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列HQSYRGPM(配列番号42)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFGRFVMH(配列番号43)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSVIGYSGSSTYYADSVKG(配列番号44)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列EPGYYYPSGYYRGPGYWMDV(配列番号45)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0206】
E234.軽鎖CDR1がアミノ酸配列RASQGISGNWLT(配列番号40)からなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LLIYDASNLQS(配列番号41)からなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列HQSYRGPM(配列番号42)からなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFGRFVMH(配列番号43)からなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSVIGYSGSSTYYADSVKG(配列番号44)からなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列EPGYYYPSGYYRGPGYWMDV(配列番号45)からなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0207】
E235.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDNIRKKYVH(配列番号46)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYRDSNRPS(配列番号47)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列SSAGRDNY(配列番号48)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0208】
E236.重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSSSAMH(配列番号49)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSVIHYDSSETYYADSVKG(配列番号50)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列DRYFFDV(配列番号51)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0209】
E237.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDNIRKKYVH(配列番号46)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYRDSNRPS(配列番号47)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列SSAGRDNY(配列番号48)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSSSAMH(配列番号49)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSVIHYDSSETYYADSVKG(配列番号50)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列DRYFFDV(配列番号51)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0210】
E238.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDNIRKKYVH(配列番号46)からなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYRDSNRPS(配列番号47)からなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列SSAGRDNY(配列番号48)からなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSSSAMH(配列番号49)からなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSVIHYDSSETYYADSVKG(配列番号50)からなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列DRYFFDV(配列番号51)からなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0211】
E239.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDALRYYIAH(配列番号52)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYYNNNRPS(配列番号53)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列QSYGPGSV(配列番号54)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0212】
E240.重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSDYAMH(配列番号55)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSSIFYSGSNTYYADSVKG(配列番号56)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列PKSYASGPFAY(配列番号57)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0213】
E241.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDALRYYIAH(配列番号52)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYYNNNRPS(配列番号53)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列QSYGPGSV(配列番号54)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSDYAMH(配列番号55)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSSIFYSGSNTYYADSVKG(配列番号56)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列PKSYASGPFAY(配列番号57)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0214】
E242.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGDALRYYIAH(配列番号52)からなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LVIYYNNNRPS(配列番号53)からなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列QSYGPGSV(配列番号54)からなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GFTFSDYAMH(配列番号55)からなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WVSSIFYSGSNTYYADSVKG(配列番号56)からなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列PKSYASGPFAY(配列番号57)からなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0215】
E243.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGSSSNIGQNYVS(配列番号58)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LLIYDNSKRPS(配列番号59)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列SSWDLLSKSR(配列番号60)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0216】
E244.重鎖CDR1がアミノ酸配列GGTFSTHAIS(配列番号61)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WMGLIQPRFGTANYAQKFQR(配列番号62)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列DYYGGMAY(配列番号63)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0217】
E245.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGSSSNIGQNYVS(配列番号58)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LLIYDNSKRPS(配列番号59)を含むか又はそれからなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列SSWDLLSKSR(配列番号60)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GGTFSTHAIS(配列番号61)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WMGLIQPRFGTANYAQKFQR(配列番号62)を含むか又はそれからなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列DYYGGMAY(配列番号63)を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0218】
E246.軽鎖CDR1がアミノ酸配列SGSSSNIGQNYVS(配列番号58)からなり、軽鎖CDR2がアミノ酸配列LLIYDNSKRPS(配列番号59)からなり、軽鎖CDR3がアミノ酸配列SSWDLLSKSR(配列番号60)からなり、重鎖CDR1がアミノ酸配列GGTFSTHAIS(配列番号61)からなり、重鎖CDR2がアミノ酸配列WMGLIQPRFGTANYAQKFQR(配列番号62)からなり、重鎖CDR3がアミノ酸配列DYYGGMAY(配列番号63)からなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0219】
E247.前記抗体は、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を除いて、配列番号72の配列のアミノ酸1~344位と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上)の配列同一性を有するか、又は配列番号72の配列のアミノ酸1~344位と少なくとも95%の配列同一性を有するか、又は配列番号72の配列のアミノ酸1~344位と少なくとも98%の配列同一性を有する、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0220】
E248.前記抗体は、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を除いて、配列番号73の配列のアミノ酸1~327位と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上)の配列同一性を有するか、又は配列番号73の配列のアミノ酸1~327位と少なくとも95%の配列同一性を有するか、又は配列番号73の配列のアミノ酸1~327位と少なくとも98%の配列同一性を有する、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0221】
E249.前記抗体は、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を除いて、配列番号74の配列のアミノ酸1~331位と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上)の配列同一性を有するか、又は配列番号74の配列のアミノ酸1~331位と少なくとも95%の配列同一性を有するか、又は配列番号74の配列のアミノ酸1~331位と少なくとも98%の配列同一性を有する、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0222】
E250.前記抗体は、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3ならびに重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を除いて、配列番号75の配列のアミノ酸1~332位と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上)の配列同一性を有するか、又は配列番号75の配列のアミノ酸1~332位と少なくとも95%の配列同一性を有するか、又は配列番号75の配列のアミノ酸1~332位と少なくとも98%の配列同一性を有する、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0223】
E251.前記抗体が配列番号72の配列のアミノ酸1~446位を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E252.前記抗体が配列番号73の配列のアミノ酸1~429位を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0224】
E253.前記抗体が配列番号74の配列のアミノ酸1~433位を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E254.前記抗体が配列番号75の配列のアミノ酸1~434位を含むか又はそれからなる、E148の単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0225】
E255.前記抗体がモノクローナル抗体である、E1~E254のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E256.前記抗体がヒト化抗体である、E1~E255のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0226】
E257.ALK2結合フラグメントがFabである、E1~E256のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E258.ALK2結合フラグメントがFab’である、E1~E256のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0227】
E259.ALK2結合フラグメントがF(ab’)である、E1~E256のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E260.ALK2結合フラグメントがFvである、E1~E256のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0228】
E261.前記抗体が14nM以下のK値でヒトALK2に結合する、E1~E260のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E262.前記抗体が5nM以下のK値でヒトALK2に結合する、E1~E261のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0229】
E263.前記抗体が1nM以下のK値でヒトALK2に結合する、E1~E262のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
E264.前記抗体が0.5nM以下のK値でヒトALK2に結合する、E1~E263のいずれか1つの単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。
【0230】
E265.E1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
E266.E265の核酸分子を含む発現ベクター。
【0231】
E267.E266の発現ベクターを含む細胞。
E268.E1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、又はE266の発現ベクターと、1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む医薬組成物。
【0232】
E269.前記抗体又はそのALK2結合フラグメントが治療有効量にある、E268の医薬組成物。
E270.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象の骨塩密度を増加させる方法。
【0233】
E271.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象の骨吸収(例えば、骨量減少)を低減する方法。
【0234】
E272.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象の骨形成を増加させる方法。
【0235】
E273.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象の骨強度を高める方法。
【0236】
E274.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象の骨折のリスクを低減する方法。
【0237】
E275.対象が原発性骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症、骨減少症、大理石骨病、骨折、骨がん又はがん転移関連の骨量減少、パジェット病、腎性骨異栄養症、治療関連の骨量減少、食事関連の骨量減少、肥満の治療に関連する骨量減少、低重力関連の骨量減少、又は不動に関連する骨量減少を有するか、又はそれらを発症するリスクがある、E270~E274のいずれか1つの方法。
【0238】
E276.対象が原発性骨粗鬆症を有するか又は発症するリスクがある、E275の方法。
E277.対象が続発性骨粗鬆症を有するか又は発症するリスクがある、E275の方法。
【0239】
E278.対象が骨減少症を有するか又は発症するリスクがある、E275の方法。
E279.骨疾患を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0240】
E280.骨疾患が、原発性骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症、骨減少症、大理石骨病、骨折、骨がん又はがん転移関連の骨量減少、パジェット病、腎性骨異栄養症、治療関連の骨量減少、食事関連の骨量減少、肥満の治療に関連する骨量減少、低重力関連の骨量減少、又は不動に関連する骨量減少である、E279の方法。
【0241】
E281.骨疾患が原発性骨粗鬆症であるE280の方法。
E282.骨疾患が続発性骨粗鬆症であるE280の方法。
E283.骨疾患が骨減少症であるE280の方法。
【0242】
E284.原発性骨粗鬆症を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、E1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0243】
E285.続発性骨粗鬆症を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、E1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0244】
E286.骨減少症を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、E1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0245】
E287.骨折を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、E1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0246】
E288.骨がん又はがん転移関連の骨量減少を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0247】
E289.パジェット病を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0248】
E290.腎性骨異栄養症を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0249】
E291.治療関連の骨量減少を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0250】
E292.食事関連の骨量減少を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0251】
E293.低重力関連の骨量減少を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0252】
E294.不動に関連する骨量減少を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0253】
E295.原発性骨粗鬆症が、加齢性骨粗鬆症又はホルモンに関連する骨粗鬆症である、E275、E276、E280、E281、及びE284のいずれか1つの方法。
E296.続発性骨粗鬆症が、不動化誘発性骨粗鬆症又はグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症である、E275、E278、E280、E282、及びE285のいずれか1つの方法。
【0254】
E297.前記がんが多発性骨髄腫である、E275、E280、及びE288のいずれか1つの方法。
E298.前記治療がFGF-21治療、GLP-1治療、がん治療、あるいは肥満又は2型糖尿病の治療である、E275、E280、及びE291のいずれか1つの方法。
【0255】
E299.食事関連の骨量減少がくる病である、E275、E280、及びE292のいずれか1つの方法。
E300.前記対象に骨折のリスクがある、E270~E299のいずれか1つの方法。
【0256】
E301.前記方法は前記対象において骨形成を増加させる、E270~E300のいずれか1つの方法。
E302.前記方法は前記対象において骨吸収(例えば、骨量減少)を低下させる、E270~E301のいずれか1つの方法。
【0257】
E303.前記方法は骨芽細胞活性又は骨芽細胞形成を高める、E270~E302のいずれか1つの方法。
E304.前記方法は破骨細胞活性を低下させるか、又は破骨細胞形成を低下させる、E270~E303のいずれか1つの方法。
【0258】
E305.前記方法は骨折のリスクを低下させる、E270~E304のいずれか1つの方法。
E306.前記方法は骨塩密度を増加させる、E270~E305のいずれか1つの方法。
【0259】
E307.骨が皮質骨である、E270~E306のいずれか1つの方法。
E308.骨が小柱骨である、E270~E306のいずれか1つの方法。
E309.前記方法は、前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物を投与する前に、前記対象の骨塩密度を評価する(例えば、二重エネルギーX線吸収測定法などの標準的なテストを使用して骨塩密度を評価する)ことをさらに含む、E270~E308のいずれか1つの方法。
【0260】
E310.前記方法は、前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物を投与した後に、前記対象の骨塩密度を評価する(例えば、二重エネルギーX線吸収測定法などの標準的なテストを使用して骨塩密度を評価する)ことをさらに含む、E270~E309のいずれか1つの方法。
【0261】
E311.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象における赤血球レベルを増加させる方法。
【0262】
E312.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象におけるヘモグロビンレベル(例えば、血清ヘモグロビンレベル)を増加させる方法。
【0263】
E313.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象における赤血球数を増加させる方法。
【0264】
E314.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象における赤血球形成を促進し又は増加させる方法。
【0265】
E315.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象におけるヘプシジンレベル(例えば、血清ヘプシジン濃度)を低下させる方法。
【0266】
E316.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象における鉄レベル(例えば、血清鉄レベル)を増加させる方法。
【0267】
E317.前記対象が貧血又は失血を有するか又はそれらを発症するリスクがある、E311~E316のいずれか1つの方法。
E318.前記貧血又は失血が、がん、がん治療、腎疾患又は腎不全(例えば、慢性腎疾患又は急性腎疾患又は不全)、骨髄異形成症候群、サラセミア、栄養不足、投薬に対する有害反応、炎症性又は自己免疫性疾患、脾臓肥大、ポルフィリア、血管炎、溶血、骨髄欠損、骨髄移植、糖尿病、肝疾患(例えば、急性肝疾患又は慢性肝疾患)、出血(例えば、急性又は慢性出血)、感染症、ヘモグロビン症、薬物使用、アルコール乱用、高齢、チャーグ・ストラウス症候群、フェルティ症候群、移植片対宿主病、造血幹細胞移植、骨髄線維症、汎血球減少症、純赤血球形成不全、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、シュバッハマン症候群(例えば、シュバッハマン・ダイアモンド症候群)、輸血の禁忌、手術、外傷、創傷、潰瘍、尿路出血、消化管出血、頻繁な献血、又は重い月経出血に関連する、E317の方法。
【0268】
E319.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、貧血を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法。
【0269】
E320.いくつかの実施形態において、前記貧血が、がん、がん治療、腎疾患又は腎不全(例えば、慢性腎疾患又は急性腎疾患又は不全)、骨髄異形成症候群、サラセミア、栄養不足、投薬に対する有害反応、炎症性又は自己免疫性疾患、脾臓肥大、ポルフィリア、血管炎、溶血、骨髄欠損、骨髄移植、糖尿病、肝疾患(例えば、急性肝疾患又は慢性肝疾患)、出血(例えば、急性又は慢性出血)、感染症、ヘモグロビン症、薬物使用、アルコール乱用、高齢、チャーグ・ストラウス症候群、フェルティ症候群、移植片対宿主病、造血幹細胞移植、骨髄線維症、汎血球減少症、純赤血球形成不全、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、シュバッハマン症候群(例えば、シュバッハマン・ダイアモンド症候群)、輸血の禁忌、手術、外傷、創傷、潰瘍、尿路出血、消化管出血、頻繁な献血、又は重い月経出血に関連する、E319の方法。
【0270】
E321.前記貧血が再生不良性貧血、鉄欠乏性貧血、ビタミン欠乏性貧血、炎症性貧血(慢性疾患の貧血とも呼ばれ、例えば、感染症などの炎症性疾患又は症状(例えば、HIV/AIDS又は結核などの慢性感染症)、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ又はループス)、がん(例えば、がん又はがん治療)、炎症性腸疾患(例えば、クローン病又は潰瘍性大腸炎)、及び慢性腎疾患)によって引き起こされる貧血)、骨髄性疾患に関連する貧血、溶血性貧血、鎌状赤血球性貧血、小球性貧血、低色素性貧血、鉄芽球性貧血、ダイアモンド・ブラックファン貧血、ファンコニ貧血、又は芽球過剰を伴う難治性貧血である、E317~320の方法。
【0271】
E322.前記貧血がIRIDAであるE321の方法。
E323.前記貧血が炎症性貧血である、E322の方法。
E324.前記貧血が上昇したヘプシジンレベルに関連している、E311~E323のいずれか1つの方法。
【0272】
E325.前記対象がエリスロポエチン(EPO)による治療に十分に反応しないか、又はEPOの悪影響を受けやすい、E311~E324のいずれか1つの方法。
E326.前記方法は、赤血球形成、赤血球数、ヘマトクリット、又はヘモグロビンレベルを高める、E311~E325のいずれか1つの方法。
【0273】
E327.前記方法は、ヘプシジンレベルの上昇を予防又は低減する、E311~E326のいずれか1つの方法。
E328.前記方法は鉄レベルを増加させる、E311~E327のいずれか1つの方法。
【0274】
E329.前記方法は、前記対象の輸血の必要性を低減する、E311~E328のいずれか1つの方法。
E330.前記方法は、前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物を投与する前に、前記対象の赤血球レベル、ヘモグロビンレベル、赤血球数、ヘプシジンレベル、又は鉄レベルを評価する(例えば、血液検査などの標準的な検査を使用して、血球レベル、ヘモグロビンレベル、赤血球数、ヘプシジンレベル、又は鉄レベルを評価する)ことをさらに含む、E311~E329のいずれか1つの方法。
【0275】
E331.前記方法は、前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物を投与した後に、前記対象の赤血球レベル、ヘモグロビンレベル、赤血球数、ヘプシジンレベル、又は鉄レベルを評価する(例えば、血液検査などの標準的な検査を使用して、血球レベル、ヘモグロビンレベル、赤血球数、ヘプシジンレベル、又は鉄レベルを評価する)ことをさらに含む、E311~E330のいずれか1つの方法。
【0276】
E332.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象における異所性骨化を予防又は軽減する方法。
【0277】
E333.前記対象が進行性骨化性線維異形成症(FOP)を有する、E332の方法。
E334.FOPが遺伝性FOP又は散発性FOPである、E333の方法。
【0278】
E335.治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することにより、FOPを有する対象を治療する方法。
【0279】
E336.FOPが遺伝性FOP又は散発性FOPである、E335の方法。
E337.前記方法は、FOPの進行を遅らせるか又は阻害する、E332~E336のいずれか1つの方法。
【0280】
E338.前記方法は、FOPの発症を遅らせる(例えば、異所性骨化の発症を遅らせる)、E332~E337のいずれか1つの方法。
E339.前記方法は、異所性骨化を予防する(例えば、異所性骨化を発症するリスクのある対象における異所性骨化を予防する、又は異所性骨の外科的切除後の異所性骨化の再発を予防する)、E332~E338のいずれか1つの方法。
【0281】
E340.前記方法は、異所性骨化を低減する(例えば、対象における異所性骨化の量を低減する、対象における異所性骨化の発生を低減する、又は異所性骨の外科的切除後の異所性骨化の再発を低減する)、E332~E339のいずれか1つの方法。
【0282】
E341.前記方法は異所性骨の形成を減少させる、E332~E340のいずれか1つ方法。
E342.前記方法は、(例えば、外科的切除後の)異所性骨の再発を低減する、E332~E341のいずれか1つの方法。
【0283】
E343.前記方法は、前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物を投与する前に、前記対象の異所性骨化(例えば、異所性骨の量又は位置)を評価する(例えば、放射線撮影(例えば、X線)、CT(コンピュータ断層撮影)、及び/又はMRI(磁気共鳴画像法)などの標準的なテストを使用して異所性骨化を評価する)ことをさらに含む、E332~E342のいずれか1つの方法。
【0284】
E344.前記方法は、前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物を投与した後に、前記対象の異所性骨化(例えば、異所性骨の量又は位置)を評価する(例えば、放射線撮影(例えば、X線)、CT(コンピュータ断層撮影)、及び/又はMRI(磁気共鳴画像法)などの標準的なテストを使用して異所性骨化を評価する)ことをさらに含む、E332~E343のいずれか1つの方法。
【0285】
E345.前記方法は、前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物を投与する前に、前記対象がALK2(ACVR1)に活性化突然変異を保有しているか否かを決定することをさらに含む、E332~E344のいずれか1つの方法。
【0286】
E346.シェーグレン症候群を有する対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0287】
E347.前記方法はシェーグレン症候群の症状を軽減又は改善する、E346の方法。
E348.前記症状が、ドライアイ、口渇、眼の刺激、涙腺の線維症、涙腺の炎症、かすみ目、全身性炎症、関節痛、又は倦怠感である、E347の方法。
【0288】
E349.前記症状がドライアイである、E348の方法。
E350.シェーグレン症候群を有する対象のドライアイを治療又は軽減する(シェーグレン症候群に関連するドライアイを治療する)方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療又は軽減する方法。
【0289】
E351.前記方法は涙液の産生を増加させる(例えば、産生される涙液量を増加させる)、E346~E350のいずれか1つの方法。
E352.前記方法は眼の刺激を軽減する、E346~E351のいずれか1つの方法。
【0290】
E353.前記方法は視覚を改善する(例えば、視力を向上させる)、E346~E352のいずれか1つの方法。
E354.前記方法は涙腺の線維症を軽減する、E346~E353のいずれか1つの方法。
【0291】
E355.前記方法は涙腺の炎症を軽減する、E346~E354のいずれか1つの方法。
E356.前記方法は唾液の産生量又は唾液流量を増加させる、E346~E355のいずれか1つの方法。
【0292】
E357.前記方法は全身性炎症を軽減する、E346~E356のいずれか1つの方法。
E358.前記方法は関節痛を軽減する、E346~E357のいずれか1つの方法。
【0293】
E359.前記方法は倦怠感を軽減する、E346~E358のいずれか1つの方法。
E360.多発性骨軟骨腫(MO)を有する対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することにより治療する方法。
【0294】
E361.MOを有する対象における骨軟骨腫の形成を予防又は軽減する(例えば、まだ骨軟骨腫を発症していないMOを有する対象における骨軟骨腫の形成を予防するか、1つ又は複数の骨軟骨腫をすでに発症しているMOを有する対象における骨軟骨種の形成を低下させ又は防止する)方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
【0295】
E362.MOを有する対象の骨軟骨腫のサイズを縮小する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
【0296】
E363.MOを有する対象における骨軟骨腫の成長を遅らせるか又は阻害する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
【0297】
E364.MOを有する対象における骨軟骨腫の数を減少させる方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
【0298】
E365.骨軟骨腫が長骨上に形成される、E360~E364のいずれか1つの方法。
E366.骨軟骨腫が扁平骨上に形成される、E360~E364のいずれか1つの方法。
【0299】
E367.骨軟骨腫が骨の成長端(骨幹端)に形成される、E360~E366のいずれか1つの方法。
E368.びまん性内在性橋グリオーマ(DIPG)を有する対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
【0300】
E369.前記方法は対象の生存時間を延長させる(例えば、寿命を延ばす)、方法E368。
E370.前記方法は腫瘍増殖を減少させる、E368又はE369の方法。
【0301】
E371.前記方法は腫瘍体積を減少させる、E368~E370のいずれか1つの方法。
E372.前記方法は腫瘍転移を減少させる、E368~E371のいずれか1つの方法。
【0302】
E373.前記方法は、前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物を投与する前に、前記対象がALK2(ACVR1)に突然変異を保有しているか否かを決定することをさらに含む、E368~E372のいずれか1つの方法。
【0303】
E374.対象における後嚢混濁(PCO)の発症を低減又は予防する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法。
【0304】
E375.PCOを有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
【0305】
E376.前記対象が白内障手術を受けたか、又は間もなく受けることになっている(例えば、対象は、6ヵ月、5ヵ月、4ヵ月、3ヵ月、2ヵ月、1ヵ月、2週、1週間、又はそれよりも近いうちに白内障手術を受ける予定である)、E374又はE375の方法。
【0306】
E377.前記方法は視力を改善する、E374~E376のいずれか1つの方法。
E378.前記方法は光感受性又はまぶしさを低減する、E374~E377のいずれか1つの方法。
【0307】
E379.前記方法は線維症(例えば、後嚢上又はその付近の線維症、例えば、移植された水晶体付近の線維症)を軽減又は阻害する、E374~E378のいずれか1つの方法。
【0308】
E380.前記方法は眼の炎症を軽減又は阻害する、E374~E379のいずれか1つの方法。
E381.心肥大を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
【0309】
E382.心肥大の発症を遅らせるか又は予防する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することを含む方法。
【0310】
E383.前記対象は、高血圧症又は弁膜症を有することが特定されている、E381又はE382の方法。
E384.心臓線維症を有するか又は発症するリスクのある対象を治療する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
【0311】
E385.心臓線維症の発症を遅らせるか又は予防する方法であって、治療有効量のE1~E264のいずれか1つの抗体又はそのALK2結合フラグメント、E265の核酸分子、E266の発現ベクター、又はE268又はE269の医薬組成物を対象に投与することを含む方法。
【0312】
E386.前記対象は、高血圧、糖尿病性肥大型心筋症、又は特発性拡張型心筋症を有することが特定されているか、又は前記対象は心筋梗塞を有する、E384又はE385の方法。
【0313】
E387.前記方法は心臓線維症を軽減又は逆転させる、E381~E386のいずれか1つの方法。
E388.前記方法は心肥大又は心臓線維症の1つ以上の症状を改善する、E381~E387のいずれか1つの方法。
【0314】
E389.心肥大又は心臓線維症の症状が、運動能力の低下、血液駆出量の低下、左心室拡張末期圧の上昇、肺毛細血管楔入圧の上昇、心拍出量の低下、心係数の低下、肺動脈圧の上昇、左心室の収縮末期及び拡張期の寸法の増加、左心室及び右心室の壁応力の増加、壁張力及び/又は壁の厚さの増加、心筋収縮性の減少、心筋細胞面積の増加、又は心筋における細胞外マトリックス沈着の増加である、E388の方法。
【0315】
E390.前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物が、骨塩密度を増加させ、骨吸収を減少させ(例えば、骨量減少を低下させ)、骨折のリスクを減らし、骨強度を高め、骨吸収速度を低下させ(例えば、骨量減少速度を低下させ)、骨形成を増加させ、骨形成速度を上げ、破骨細胞活性を低下させ、骨芽細胞活性を高め、又は骨疾患を治療するのに十分な量で投与される、E270~E310のいずれか1つの方法。
【0316】
E391.前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物が、赤血球レベルを上昇させ、ヘモグロビンレベルを上昇させ、赤血球形成を増加させ、赤血球数を増加させ、ヘマトクリット値を増加させ、輸血の必要性の減少させ、鉄レベルを上昇させ、鉄欠乏を減少させ、ヘプシジンレベルの上昇を減少させ、又は貧血を治療するのに十分な量で投与される、E311~E331のいずれか1つの方法。
【0317】
E392.前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物が、FOPを治療し、FOPの進行を遅らせるか又は停止し、FOPの発症を遅らせ、異所性骨化を予防し、異所性骨化を軽減し、異所性骨形成を予防又は軽減し、又は異所性骨の再発を予防又は軽減するのに十分な量で投与される、E332~E345のいずれか1つの方法。
【0318】
E393.前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物が、シェーグレン症候群を治療し、シェーグレン症候群に関連するドライアイを治療又は軽減し、シェーグレン症候群の症状を軽減又は改善し、涙液の産生を増加させ、眼の刺激を軽減し、視覚を改善し、涙腺の線維症を軽減し、涙腺の炎症を軽減し、あるいは唾液の産生量又は唾液流量を増加させるのに十分な量で投与される、E346~E359のいずれか1つの方法。
【0319】
E394.前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物が、MOを治療し、骨軟骨腫の形成を予防し、骨軟骨腫の形成を減少させ、骨軟骨腫のサイズを縮小し、骨軟骨腫の成長を低下させ、又は骨軟骨腫の数を減少させるのに十分な量で投与される、E360~E367のいずれか1つの方法。
【0320】
E395.前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物が、DIPGを治療し、生存期間を延長し(例えば、寿命を延ばし)、腫瘍の増殖を減少させ、腫瘍の体積を減少させ、又は腫瘍の転移を減少させるのに十分な量で投与される、E368~E373のいずれか1つの方法。
【0321】
E396.前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物が、PCOを治療し、PCOの発症を予防し、視力を改善し、光感受性又はまぶしさを減少させ、線維症を軽減又は阻害し、あるいは眼の炎症を軽減又は阻害するのに十分な量で投与される、E374~E380のいずれか1つの方法。
【0322】
E397.前記抗体又はそのALK2結合フラグメント、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は前記医薬組成物が、心肥大を治療し、心臓線維症を治療し、心肥大の発症を遅らせ又は予防し、心臓線維症の発症を遅らせ又は予防し、又は心臓線維症の症状を改善するのに十分な量で投与される、E381~E3889のいずれか1つの方法。
【0323】
定義
本願で使用される場合、「約」という用語は、記載されている値から10%上又は下の範囲内にある値を指す。
【0324】
本願で使用される場合、「投与」は、任意の有効な経路によって、対象に治療薬(例えば、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント))を提供し又は与えることを指す。例示的な投与経路は本明細書で後述する。
【0325】
「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、具体的には、完全形のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの完全形の抗体から形成される多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及びそれらが所望の生物学的活性を示す限り、抗体フラグメントを包含する。
【0326】
「抗体フラグメント」は、完全形の抗体の一部、好ましくは完全形の抗体の抗原結合領域又は可変領域を含む。抗体フラグメントの例には、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFvフラグメント;ダイアボディ;線状抗体(linear antibody)(Zapata et al.Protein Eng.8(10):1057-1062(1995));一本鎖抗体分子;及び抗体フラグメントから形成された多重特異性抗体が含まれる。
【0327】
本願で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団に含まれる個々の抗体は、自然に発生する可能性のある少量で存在し得る突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は非常に特異性が高く、単一の抗原部位を対象とする。
【0328】
本願で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、具体的には、特定の種に由来する、あるいは特定の抗体クラス又はサブクラスに属する抗体の対応する配列と重鎖及び/又は軽鎖の一部が同一又は相同であり、一方で、鎖の残りの部分は、別の種に由来する、あるいは別の抗体クラス又はサブクラスに属する抗体の対応する配と列同一又は相同である「キメラ」抗体、ならびに、所望の生物学的活性を示す限り、そのような抗体のフラグメントを含む(米国特許第4,816,567号;Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))。
【0329】
非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、キメラ抗体、抗体鎖又はそれらのフラグメント(抗体のFv、Fab、Fab’、F(ab’)又は他の抗原結合部分配列など)であり、これらは非ヒト抗体に由来する最小配列を含む。ほとんどの場合、ヒト化抗体はヒト抗体(レシピエント抗体)であり、レシピエントの相補性決定領域(CDR)由来の残基は、所望の特異性、親和性、容量を有するマウス、ラット、ウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基で置換されている。場合によっては、ヒト抗体のFvフレームワーク領域(FR)残基が、対応する非ヒト残基に置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、インポートされたCDRやフレームワーク配列にも見られない残基を含み得る。
【0330】
本願で使用される場合、「骨塩密度(BMD)」、「骨密度」、及び「骨量」という用語は、骨組織中の骨塩(例えば、カルシウム)の量の尺度を指す。BMDは、当業者に知られている十分に確立された臨床技術によって(例えば、単一エネルギー又は二重エネルギー光子又はX線吸収測定法(DEXA)によって)測定することができる。BMDの概念は、骨の単位体積あたりのミネラルの質量に関連しているが、臨床的には、イメージング時に骨表面の1平方センチメートルあたりの光学密度に従ってプロキシによって測定される。BMD測定は、骨粗鬆症及び骨折リスクの間接的な指標として臨床医学で使用される。いくつかの実施形態では、BMD試験結果は、Tスコアとして提供され、ここで、Tスコアは、健康な30歳の成人の理想的な又はピークの骨塩密度と比較した対象のBMDを表す。スコア0は、BMDが健康な若年成人の通常の参照値に等しいことを示す。対象の測定されたBMDと健康な若年成人の参照値のBMDとの差は、標準偏差単位(SD)として測定される。したがって、+1SDから-1SDまでのTスコアは正常なBMDを示す可能性があり、-1SDから-2.5SDまでのTスコアは低骨量(例えば、骨減少症)を示す可能性があり、-2.5SD未満のTスコアは、骨粗鬆症又は重度の骨粗鬆症を示す可能性がある。いくつかの実施形態において、本発明のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、それを必要とする対象に投与され、ここで、患者は、低骨量(例えば、-1SDから-2.5SDのTスコア)を有する。いくつかの実施形態において、本発明のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、それを必要とする対象に投与され、ここで、患者は、骨粗鬆症(例えば、-2.5SD未満のTスコア)を有する。いくつかの実施形態において、本発明のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)の投与は、対象のBMDを増加させる(例えば、対象のTスコアを増加させる)ことによって対象を治療する。
【0331】
本願で使用される場合、「骨強度」という用語は、骨塩密度に加えて骨の質によって決定される骨の測定値を指す。骨の質は、骨の形状、微細構造、及び構成組織の特性に影響される。骨強度は、骨折のリスクを評価するために使用できる。
【0332】
本願で使用される場合、「骨疾患」という用語は、骨損傷(例えば、骨塩密度の低下、骨強度の低下、及び/又は骨量減少)を特徴とする状態を指す。そのような疾患又は状態は、骨芽細胞及び/又は破骨細胞活性の不均衡(例えば、骨吸収の増加又は骨形成の減少)によって引き起こされ得る。骨疾患には、原発性骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症、骨減少症、大理石骨病、骨折、骨がん又はがん転移関連の骨量減少(例えば、多発性骨髄腫に関連する骨量減少)、パジェット病、腎性骨異栄養症、治療関連の骨量減少、食事関連の骨量減少、肥満の治療に関連する骨量減少、低重力関連の骨量減少、及び不動に関連する骨量減少が含まれる。
【0333】
本願で使用される場合、「骨リモデリング」又は「骨代謝」という用語は、古い骨の個別の部分を新しく合成されたタンパク質性マトリックスのパケットで置き換えることによって骨強度及びイオン恒常性を維持するためのプロセスを指す。骨は破骨細胞によって吸収され、骨化と呼ばれるプロセスで骨芽細胞によって沈着する。骨細胞の活動は、このプロセスで重要な役割を果たす。骨量の減少をもたらす状態は、吸収の増加又は骨化の減少のいずれかによって引き起こされ得る。健康な人では、小児期の間は骨形成が吸収を上回る。老化プロセスが始まると、吸収が形成を上回る。骨吸収速度はまた、閉経に関連するエストロゲン欠乏のために、閉経後の年配の女性では通常はるかに高い。
【0334】
本願で使用される場合、「骨吸収」又は「骨異化活性」という用語は、破骨細胞が骨の組織を分解し、ミネラルを放出し、その結果、ミネラル(例えば、カルシウム)が骨組織から血液に移動するプロセスを指す。骨吸収速度の増加は、閉経後の女性を含め、加齢に関連している。骨吸収速度が高いこと、又は骨化速度を超える骨吸収速度は、骨減少症及び骨粗鬆症を含む骨塩密度の低下などの骨障害に関連しており、骨量減少をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、対象における骨吸収(例えば、対象における骨吸収速度)を減少させるために、それを必要とする対象に投与される。
【0335】
本願で使用される場合、「骨形成」、「骨化」、「骨生成」、又は「骨同化活性」という用語は、骨芽細胞によって新しい骨組織を形成するプロセスを指す。いくつかの実施形態において、本発明のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、骨形成を増加させる(例えば、対象における骨形成又は骨生成の速度を増加させる)ために、それを必要とする対象に投与される。
【0336】
本願で使用される場合、「細胞型」という用語は、遺伝子発現データに基づいて統計的に分離可能な表現型を共有する細胞のグループを指す。例えば、共通の細胞型の細胞は、類似の遺伝子活性化パターン及び抗原提示プロファイルなどの、類似の構造的及び/又は機能的特徴を共有し得る。共通の細胞型の細胞には、共通の組織(例えば、上皮組織、神経組織、結合組織、骨組織、又は筋肉組織)から単離された細胞、及び/又は、共通の器官、組織系、血管、又は他の構造及び/又は一生物の共通の領域から単離された細胞が含まれ得る。
【0337】
本願で使用される場合、「保存的突然変異」、「保存的置換」、及び「保存的アミノ酸置換」という用語は、1つ以上のアミノ酸の、同様の物理化学的特性、例えば極性、静電荷、及び立体体積を示す1つ以上の異なるアミノ酸への置換を指す。天然に存在する20個のアミノ酸それぞれについてのこれらの特性を、以下の表1に要約する。
【0338】
【表1】
【0339】
この表から、保存的アミノ酸ファミリーには、(i)G、A、V、L及びI;(ii)D及びE;(iii)C、S及びT;(iv)H、K及びR;(v)N及びQ;(vi)F、Y、及びWが含まれることが分かる。したがって、保存的突然変異又は置換は、1つのアミノ酸を同じアミノ酸ファミリーのメンバーで置換するものである(例えば、SerをThrに、LysをArgに置換)。
【0340】
本願で使用される場合、「単離された抗体」という用語は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す(例えば、ALK2に結合する単離された抗体は、夾雑物、例えば、ALK2に結合しない抗体を実質的に含まない)。さらに、「単離された」抗体は、その自然環境の成分から同定され、分離され、及び/又は回収されたものである。その自然環境の夾雑成分は、抗体の診断的又は治療的用途を妨げる可能性のある物質であり、酵素、ホルモン、及びその他のタンパク質性又は非タンパク質性溶質を含み得る。
【0341】
本願で使用される場合、「増加する」及び「減少する」という用語は、参照と比較して、それぞれ、より多い又はより少ない量の、測定対象の機能、発現、又は活性をもたらす調節を指す。例えば、本明細書に記載の方法で本発明のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を投与した後、本明細書に記載の測定対象のマーカーの量(例えば、赤血球レベル、骨塩密度、涙液産生、生存時間)は、投与前のマーカーの量に対して、又は未治療の対象に対して、対象において増加し得る。あるいは、本明細書に記載の測定対象のマーカーの量(例えば、異所性骨化、又は、骨軟骨腫のサイズ、数、又は形成)は、投与前のマーカーの量に対して、又は未治療の対象に対して、対象において減少し得る。
【0342】
主として、測定対象は、投与後に投与が記載された効果を有した時点、例えば、治療レジメンが開始された後、少なくとも1週間、1ヵ月、3ヵ月、又は6ヵ月で測定される。
本願で使用される場合、「赤血球レベルの増加」及び「赤血球形成の促進」という用語は、ヘマトクリット値、赤血球数、及びヘモグロビン測定値の増加などの臨床的に観察可能な測定対象を指し、そのような変化が起こるメカニズムについては中立的な立場にあることを意図している。本願で使用される「低赤血球レベル」という用語は、対象の年齢及び性別から正常と見なされる値の範囲を下回る赤血球数、ヘマトクリット値、及び/又はヘモグロビン測定値を指す。いくつかの実施形態において、本発明のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、赤血球レベルを増加させる(例えば、ヘモグロビンレベル又は赤血球数を増加させる)ために、対象(例えば、貧血を有する対象)に投与される。
【0343】
本願で使用される場合、「赤血球形成」及び「赤血球生成」という用語は、赤血球が骨髄で生産される赤血球生成のプロセスなどの赤血球の生成を指す。
本願で使用される場合、「貧血」という用語は、血中の酸素レベルの低下をもたらすヘモグロビン又は赤血球の異常を指す。貧血は、赤血球及び/又はヘモグロビンの異常な産生、プロセシング、又は働きに関連している可能性がある。貧血という用語は、正常な血中レベルと比較して、赤血球の数及び/又は血中のヘモグロビンのレベルが低下することを指す。
【0344】
本願で使用される場合、「炎症性貧血」という用語は、炎症性サイトカインによって引き起こされ、十分な鉄分貯蔵があるにもかかわらず、主にヘプシジンの上昇に起因する低鉄血症を特徴とする貧血のタイプを指す。骨形成タンパク質(BMP)は、ALK2を介してSMADシグナル伝達経路を活性化することにより、ヘプシジンをアップレギュレートする。炎症性貧血は慢性疾患の貧血とも呼ばれる。炎症性貧血を引き起こす慢性状態には、感染症(例えば、HIV/AIDS又は結核などの慢性感染症)、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ又はループス)、がん(例えば、がん又はがん治療)、炎症性腸疾患(例えば、クローン病又は潰瘍性大腸炎)、及び慢性腎疾患が含まれる。
【0345】
本願で使用される場合、「鉄剤不応性鉄欠乏性貧血」及び「IRIDA」という用語は、遺伝性の形態の鉄欠乏性貧血を指す。IRIDAの主な特徴には、生涯にわたる貧血(ヘモグロビン6~9g/dL);赤血球サイズが非常に小さく(小球性)、平均赤血球容積(MCV)が45~65fLであること;血中の鉄レベルが非常に低いこと(トランスフェリン飽和度<5%);異常な経口鉄吸収-経口鉄サプリメントへの反応がない、又は「経口鉄チャレンジ(oral iron challenge)」の失敗;異常な鉄の利用-非経口鉄(静脈内注射された鉄)に対するゆっくりとした、不完全な、一時的な反応;及び常染色体劣性遺伝パターンを持つ罹患した家族が他にいること含まれる。IRIDAの診断は、血中のヘプシジンのレベルを測定することで確認できる。TMPRSS6の突然変異は、IRIDAに関連していることが判明した。
【0346】
本願で使用される場合、「異所性骨化」及び「異所性骨形成」という用語は、筋肉、腱、及び他の軟部組織などの非骨格組織における骨の異常な成長を指す。「異所性骨」は、非骨格組織で形成された骨を指す。異所性骨化は、FOPを有する対象で発症し得る。
【0347】
本願で使用される場合、「進行性骨化性線維異形成症」及び「FOP」という用語は、骨格筋及び腱や靭帯などの結合組織が徐々に骨に置き換わる(骨化する)障害を指す。この状態は、骨格の外側の骨形成(骨格外又は異所性骨)につながり、動きを制限する。このプロセスは、一般的に幼児期に顕著になり、首と肩から始まり、胴体へ下って四肢に伝わっていく。FOPの人は、異常な足の親指(外反母趾)を持って生まれるので、診断はしやすい。転倒や侵襲的な医療処置などの外傷、又はウイルス性疾患は、筋肉の腫れや炎症(筋炎)の症状を引き起こす可能性がある。これらの再燃は数日から数ヵ月続き、多くの場合、損傷した領域で永続的な骨の成長をもたらす。FOPはACVR1遺伝子の突然変異によって引き起こされ、常染色体優性遺伝する。
【0348】
本願で使用される場合、「線維症」という用語は、線維性結合組織の過剰な形成の病理学的プロセスを指す。線維症は、特定の組織における通常の沈着を超える線維芽細胞の蓄積及びコラーゲン沈着を特徴とする。炎症又は組織の損傷に応答して、近くの線維芽細胞は創傷に移動し、増殖し、大量のコラーゲン性細胞外マトリックスを生成することができる。損傷に応答して線維症が発生する場合、「瘢痕」という用語を同義語として使用することができる。線維症は、例えば、肺、皮膚、肝臓、腎臓、心臓、眼、涙腺、腱、軟骨、膵臓組織、子宮組織、神経組織、精巣、卵巣、副腎、動脈、静脈、結腸、小腸及び大腸、胆道、及び腸を含む、体の多くの組織で発症する可能性がある。
【0349】
本願で使用される場合、「心肥大」という用語は、成人の心筋細胞が肥大型成長を介して応力に応答するプロセスから生じる心筋の異常な拡大又は肥厚を指す。このような成長は、細胞分裂を伴わない細胞サイズの増大、力の生成を最大化するための細胞内の追加のサルコメアの集合、及び胎児心臓遺伝子プログラムの活性化を特徴とする。心肥大は、罹患率及び死亡率のリスクの増加と関連していることが多く、細胞外マトリックス足場の変化(例えば、心臓線維症)を伴う心間質における線維性組織沈着と関連していることが見出されている。
【0350】
本願で使用される場合、心筋線維症としても知られる「心臓線維症」という用語は、心筋の線維症を指し、壁の硬化、収縮性の低下、及び全体的な心臓機能の悪化を特徴とする。心臓筋線維芽細胞は、間質腔における結合組織(例えば、細胞外マトリックス)の過剰な沈着によって線維症を媒介する。心臓線維症は、心肥大に合併してしばしば見られる。
【0351】
本願で使用される場合、「ドライアイ」という用語は、眼が十分な涙液を産生しない場合(例えば、涙液の産生又は涙液量の減少)、又は涙液が急速に蒸発する場合に発生する慢性状態を指す。ドライアイは、眼の不快感や異常な視覚機能を伴う場合がある。
【0352】
本願で使用される「シェーグレン症候群」という用語は、口渇、流涙の減少、及び他の乾燥粘膜を特徴とする全身性炎症性障害を指す。眼と口の乾燥は、この症候群の最も一般的な症状である。
【0353】
本願で使用される場合、「シェーグレン症候群に関連するドライアイ」は、原発性シェーグレン症候群に関連するドライアイ及び続発性シェーグレン症候群に関連するドライアイを指す。シェーグレン症候群に関連するドライアイは、一般に、涙液分泌が低下したドライアイとして分類される。
【0354】
本願で使用される場合、「多発性骨軟骨腫」又は「MO」という用語は、骨、例えば長骨の端部又は扁平骨での骨軟骨腫の形成に関連する状態又は疾患を指す。MOを有する対象は、しばしばEXT1又はEXT2などのエキソストシン遺伝子に機能喪失型変異を保有する。MOは、先天性多発性外骨腫、ベッセル・ハーゲン病、多発性骨軟骨性外骨症、多発性軟骨性外骨腫、多発性先天性外骨腫、及び先天性多発性骨軟骨腫としても知られている。
【0355】
本願で使用される場合、「骨軟骨腫」という用語は、小児期又は青年期に発症する良性(非がん性)腫瘍を指す。これは、軟骨と骨の異常な過増殖であり、通常、成長板付近の骨の表面に形成される。骨軟骨腫は、ほとんどの場合、脚と腕の長骨、及び骨盤や肩甲骨などの扁平骨上に形成される。
【0356】
本願で使用される場合、「びまん性内在性橋グリオーマ」という用語は、橋で発生し、すべての小児脳腫瘍の約20%を占める、非常に進行が速く治療が困難な脳腫瘍を指す。びまん性内在性橋グリオーマ(DIPG)の小児の全生存期間の中央値は9~11ヵ月で、1年生存率及び2年生存率はそれぞれ約30%及び10%未満である。DIPGは、成人のグリオーマとは分子的に異なることが分かっており、ヒストンバリアントをコードする遺伝子に突然変異を有することが多い。ALK2(ACVR1)の突然変異もDIPGで観察されている。
【0357】
本願で使用される場合、「後嚢混濁」という用語は、患者の20%~40%で発生する白内障手術の最も一般的な術後合併症を指す。後嚢混濁(PCO)では、後嚢は水晶体上皮細胞の移動、増殖、及び分化によって二次混濁を起こす。PCOは、特に中心視軸が関わる場合に重大な視覚症状を引き起こす可能性があり、後嚢(例えば、レンズインプラントの後方)での線維症(瘢痕組織など)の形成によって識別できる。PCOの症状には、視力の漸進的な低下、かすみ目、日光への過敏症、グレアや光の周りの光輪が見えることなどがある。
【0358】
参照ポリペプチド配列に対する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列をアラインメントし、比較長さ全体で配列同一性の最大パーセントを達成するために必要に応じてギャップ導入をした後の、参照ポリペプチド配列のアミノ酸残基と同一である候補配列のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。ここで、保存的置換は配列同一性の一部として考慮しない。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的でのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNやMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公に利用可能なコンピューターソフトウェアを使用して、当技術分野の技術の範囲内の様々な方法で達成することができる。特定の実施形態において、本アミノ酸配列同一性は、少なくとも80%、90%、95%、98%、又は99%である。
【0359】
本願で使用される場合、「親和性」又は「結合親和性」という用語は、2つの分子間の結合相互作用の強さを指す。主として、結合親和性は、分子とその結合パートナーとの間の、例えば、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)とALK2タンパク質との間の非共有相互作用の合計の強さを指す。別様に規定されない限り、結合親和性とは、結合ペアのメンバー間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。2つの分子間の結合親和性は、一般に解離定数(K)又は親和定数(K)で表される。互いに低い結合親和性を有する2つの分子は、概してゆっくりと結合し、容易に解離する傾向があり、大きいKを示す。互いに高い親和性を有する2つの分子は、一般に容易に結合し、結合状態が長くなる傾向があり、小さいKを示す。2つの相互作用する分子のKは、当技術分野で周知の方法及び技術、例えば、表面プラズモン共鳴を使用して決定することができる。Kは、koff/konの比として計算される。
【0360】
本願で使用される場合、抗体又はそのALK2結合フラグメント(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)、又はFvフラグメント)の「特異的結合」という用語は、標的分子ではない分子への結合とは測定可能に異なる標的分子への結合である。本願で使用される場合、特異的結合は、バックグラウンド(「非特異的」)結合に対する特定の抗原の結合への95%を超える優先度を指す。「実質的に特異的な」結合とは、バックグラウンドに対する特定の抗原の結合への約80%を超える優先度を指す。結合は、ウエスタンブロット、イムノブロット、酵素結合免疫吸着アッセイ(「ELISA」)、ラジオイムノアッセイ(「RIA」)、免疫沈降、表面プラズモン共鳴、バイオレイヤー干渉法、化学発光、蛍光偏光、リン光、免疫組織化学的分析、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型(「MALDI-TOF」)質量分析、マイクロサイトメトリー、マイクロアレイ、顕微鏡、蛍光活性化セルソーティング(「FACS」)及びフローサイトメトリーを含むがこれらに限定されない様々な方法を使用して測定することができる。特定の実施形態において、標的(例えば、ALK2)に特異的に結合する抗体は、0.1nM、0.15nM、0.2nM、0.3nM、0.5nM、0.7nM、1.0nM、2.0nM、4.0nM、5.0nM、7.0nM、10.0nM、14.0nM、又は15.0nMを上限とする解離定数(K)を有する。
【0361】
本願で使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、モノマーがアミド結合を介して互いに共有結合しているアミノ酸残基である単一のポリマーを表す。ポリペプチドは、天然に存在する、組換えの、又は合成的に生成された任意のアミノ酸配列を包含することを意図している。
【0362】
本願で使用される場合、本明細書に記載の組成物又はALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)の「有効量」、「治療有効量」、及び「十分な量」という用語は、対象に投与したとき、臨床結果を含む、有益な又は所望の結果をもたらすのに十分な量を指す。したがって、その「有効量」又はその同義語は、それが適用されている状況に依存する。例えば、骨疾患(例えば、骨粗鬆症、又は骨損傷を伴う状態、例えば、原発性骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症、骨減少症、大理石骨病、骨折、骨がん又はがん転移関連の骨量減少、パジェット病、腎性骨異栄養症、治療関連の骨量減少、食事関連の骨量減少、肥満の治療に関連する骨量減少、低重力関連の骨量減少、又は不動に関連する骨量減少)、低赤血球レベルを伴う疾患又は状態(例えば、貧血又は失血)、異所性骨化(例えば、FOPに起因する異所性骨化)、シェーグレン症候群(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ)、DIPG、MO、PCO、又は心肥大及び/又は心臓線維症などの疾患を有する又は発症するリスクのある患者を治療する場合、それは、組成物又はALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を投与せずに得られた応答と比較して治療応答を達成するのに十分な組成物又はALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)の量である。そのような量に相当する本明細書に記載の所与の組成物の量は、所与の薬剤、製剤、投与経路、疾患又は障害のタイプ、対象の固有性(例えば、年齢、性別、体重)又は治療される宿主などの様々な因子に応じて変動するが、それにかかわらず、当業者は、当技術分野で知られている日常的な方法によって当然に決定することができる。投与計画は、最適な治療反応を提供するように調整され得る。
【0363】
本願で使用される場合、「局所的に」又は「局所投与」は、全身的効果ではなく局所的効果を目的とした体の特定の部位への投与を意味する。局所投与の例は、経皮、吸入、関節内、髄腔内、膣内、硝子体内、子宮内、病変内投与、リンパ節投与、腫瘍内投与、及び対象の粘膜への投与であり、投与は全身的効果ではなく局所的効果を目的としたものである。
【0364】
本願で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、対象に影響を与える、又は影響を与える可能性のある特定の疾患又は状態を予防し、治療し、又はコントロールするために対象に投与される、任意選択で1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、及び/又は担体と組み合わせた治療薬を含む混合物を指す。医薬組成物は、経口投与用の錠剤又はカプセル形態、あるいは静脈内又は皮下投与用の水性形態であり得る。
【0365】
本願で使用される場合、「薬学的に許容される担体又は賦形剤」という用語は、医薬組成物中の賦形剤又は希釈剤を指す。薬学的に許容される担体は、製剤の他の成分と適合性があり、合理的な利益/リスク比に見合った過度の毒性、刺激、アレルギー反応、及び他の問題となる合併症がなく、対象の組織との接触に適したものである必要がある。本発明において、薬学的に許容される担体又は賦形剤は、本発明のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)に十分な薬学的安定性を提供する必要がある。担体又は賦形剤の性質は、投与方法によって異なる。例えば、静脈内投与には主として水溶液担体が使用されるが、経口投与の場合は固体担体が好ましい。
【0366】
本願で使用される場合、「サンプル」という用語は、対象から単離された標本(例えば、血液、血液成分(例えば、血清又は血漿)、尿、唾液、羊膜液、脳脊髄液、組織(例えば、神経組織、胎盤組織、又は皮膚組織)、膵液、絨毛膜標本、及び細胞(例えば、血液細胞又は骨細胞)を指す。
【0367】
本願で使用される場合、疾患又は状態に関しての「治療」は、有益な又は所望の結果、例えば、臨床結果を得るためのアプローチを指す。有益な又は所望の結果には、限定するものではないが、1つ以上の症状又は状態の軽減又は改善;疾患又は状態の程度の減少;疾患、障害、又は状態の安定した(すなわち、悪化していない)状態;疾患又は状態の拡大の抑制;疾患又は状態の進行の遅延又は緩慢化;疾患又は状態の改善又は緩和;及び寛解(部分的又は完全)が含まれ、検出可能か検出不可能かは問わない。疾患又は状態を「改善する」又は「緩和する」とは、疾患、障害、又は状態の程度及び/又は望ましくない臨床症状が、治療していない場合の上記程度と比較して弱くなること、及び/又は、進行の時間経過が治療していない場合の時間経過と比較して遅くなり又は長期化することを意味する。「治療」はまた、治療を受けない場合に予想される生存期間と比較して生存期間を延長することを意味する場合がある。治療が必要な人には、すでに病状又は障害がある人、ならびに病状又は障害を患いやすい人、あるいは病状又は障害を予防する必要がある人が含まれる。
【0368】
本願で使用される場合、「対象」及び「患者」という用語は、哺乳動物、例えば、ヒトを指す。哺乳動物には、限定するものではないが、ヒトならびに飼育動物及び家畜、例えばサル(例えば、カニクイザル)、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、及びウシなどが含まれる。本明細書に記載の方法に従って治療される対象は、骨疾患(例えば、骨粗鬆症、骨減少症、大理石骨病、骨折、骨がん又はがん転移関連の骨量減少、パジェット病、腎性骨異栄養症、治療関連の骨量減少、食事関連の骨量減少、肥満の治療に関連する骨量減少、低重力関連の骨量減少、又は不動に関連する骨量減少などの骨損傷を伴う疾患又は状態)、低血球レベルを伴う疾患(例えば、貧血又は失血)、異所性骨化(例えば、FOPに起因する異所性骨化)、シェーグレン症候群(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ)、DIPG、MO、PCO、又は心肥大及び/又は心臓線維症と診断された対象、又はこれらの症状を発症するリスクがあると診断された対象であり得る。診断は、当技術分野で知られている任意の方法又は技術によって実施することができる。当業者は、本開示に従って治療される対象が、標準的な試験を受けた対象であってもよいし、上記疾患や状態に関連する1つ以上のリスクファクターが存在するため、検査を行わずにリスクがあると特定された対象でもよいことを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0369】
図1A図1A~1Bは、SMAD1ルシフェラーゼレポーターを用いてC2C12細胞でした抗ALK2 fABのBMP6阻害用量反応曲線を示す一連のグラフである。Graphpad Prismの3及び4パラメータカーブフィットの50%阻害値(IC50)を、各グラフの横に示す。図1Aは、生成した最初の4つのfABの用量反応曲線のグラフである。
図1B図1A~1Bは、SMAD1ルシフェラーゼレポーターを用いてC2C12細胞でした抗ALK2 fABのBMP6阻害用量反応曲線を示す一連のグラフである。Graphpad Prismの3及び4パラメータカーブフィットの50%阻害値(IC50)を、各グラフの横に示す。図1Bは、Rapid Pool Maturationから生成された5つの第2ラウンドfABの用量反応曲線のグラフである。
図2】IRIDAのマウスモデルにおけるヘモグロビンレベルに対するALK2抗体による処理の効果を示すグラフである。ALK2抗体による処理は、TMPRSS6欠損に関連するヘモグロビンの減少を防ぐ(=p≦0.05;**=p≦0.01)。
図3A図3A~3Cは、IRIDAのマウスモデルにおけるヘモグロビンレベル、ヘプシジン濃度、及び鉄レベルに対するALK2抗体による処理の効果を示す一連のグラフである。ALK2抗体での処理は、TMPRSS6欠損に関連するヘモグロビンの減少を逆転させる(=p≦0.05;**=p≦0.01)。
図3B図3A~3Cは、IRIDAのマウスモデルにおけるヘモグロビンレベル、ヘプシジン濃度、及び鉄レベルに対するALK2抗体による処理の効果を示す一連のグラフである。ALK2抗体での処理は、TMPRSS6欠損に関連する血清ヘプシジンの増加を逆転させる(**=p≦0.01)。
図3C図3A~3Cは、IRIDAのマウスモデルにおけるヘモグロビンレベル、ヘプシジン濃度、及び鉄レベルに対するALK2抗体による処理の効果を示す一連のグラフである。ALK2抗体での処理は、TMPRSS6欠損に関連する血清鉄の減少を逆転させる(=p≦0.05;**=p≦0.01)。
図4】骨粗鬆症のマウスモデルにおける骨塩密度に対するALK2抗体による処理の効果を示すグラフである。ALK2抗体による処理は、精巣摘除術に関連する骨塩密度を増加させる(骨量減少を減少させる)(=p≦0.05;****=p≦0.0001)。
図5】抗体1のアミノ酸配列(配列番号67)を示し、軽鎖及び重鎖のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメインが強調表示され、アミノ酸位置が提供されている。可変軽鎖、定常軽鎖、可変重鎖、CH1ドメイン、EcoRIリンカー、Flagタグ、タグリンカー、及び6アミノ酸のヒスチジンタグの開始アミノ酸と終了アミノ酸も提供される。
図6】抗体2のアミノ酸配列(配列番号68)を示し、軽鎖及び重鎖のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメインが強調表示され、アミノ酸位置が提供されている。可変軽鎖、定常軽鎖、可変重鎖、CH1ドメイン、EcoRIリンカー、Flagタグ、タグリンカー、及び6アミノ酸のヒスチジンタグの開始アミノ酸と終了アミノ酸も提供される。
図7】抗体3のアミノ酸配列(配列番号69)を示し、軽鎖及び重鎖のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメインが強調表示され、アミノ酸位置が提供されている。可変軽鎖、定常軽鎖、可変重鎖、CH1ドメイン、EcoRIリンカー、Flagタグ、タグリンカー、及び6アミノ酸のヒスチジンタグの開始アミノ酸と終了アミノ酸も提供される。
図8】抗体4のアミノ酸配列(配列番号70)を示し、軽鎖及び重鎖のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメインが強調表示され、アミノ酸位置が提供されている。可変軽鎖、定常軽鎖、可変重鎖、CH1ドメイン、EcoRIリンカー、Flagタグ、タグリンカー、及び6アミノ酸のヒスチジンタグの開始アミノ酸と終了アミノ酸も提供される。
図9】抗体5のアミノ酸配列(配列番号71)を示し、軽鎖及び重鎖のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメインが強調表示され、アミノ酸位置が提供されている。可変軽鎖、定常軽鎖、可変重鎖、CH1ドメイン、EcoRIリンカー、Flagタグ、タグリンカー、及び6アミノ酸のヒスチジンタグの開始アミノ酸と終了アミノ酸も提供される。
図10】抗体6のアミノ酸配列(配列番号72)を示し、軽鎖及び重鎖のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメインが強調表示され、アミノ酸位置が提供されている。可変軽鎖、定常軽鎖、可変重鎖、CH1ドメイン、EcoRIリンカー、Flagタグ、タグリンカー、及び6アミノ酸のヒスチジンタグの開始アミノ酸と終了アミノ酸も提供される。
図11】抗体7のアミノ酸配列(配列番号73)を示し、軽鎖及び重鎖のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメインが強調表示され、アミノ酸位置が提供されている。可変軽鎖、定常軽鎖、可変重鎖、CH1ドメイン、EcoRIリンカー、Flagタグ、タグリンカー、及び6アミノ酸のヒスチジンタグの開始アミノ酸と終了アミノ酸も提供される。
図12】抗体8のアミノ酸配列(配列番号74)を示し、軽鎖及び重鎖のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメインが強調表示され、アミノ酸位置が提供されている。可変軽鎖、定常軽鎖、可変重鎖、CH1ドメイン、EcoRIリンカー、Flagタグ、タグリンカー、及び6アミノ酸のヒスチジンタグの開始アミノ酸と終了アミノ酸も提供される。
図13】抗体9のアミノ酸配列(配列番号75)を示し、軽鎖及び重鎖のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメインが強調表示され、アミノ酸位置が提供されている。可変軽鎖、定常軽鎖、可変重鎖、CH1ドメイン、EcoRIリンカー、Flagタグ、タグリンカー、及び6アミノ酸のヒスチジンタグの開始アミノ酸と終了アミノ酸も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0370】
発明の詳細な説明
本明細書に記載されているのは、骨疾患、貧血、異所性骨化(例えば、FOPに起因する異所性骨化)、シェーグレン症候群(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ)、DIPG、MO、PCO、又は心肥大及び/又は心臓線維症を治療するための組成物及び方法である。本発明は、ALK2抗体(例えば、中和抗体)及びその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)、ならびに抗体又はそのALK2結合フラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子、及び抗体又はそのALK2結合フラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む発現ベクターを特徴とする。本発明はまた、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント、核酸分子、発現ベクター、及び組成物を使用して、骨疾患(例えば、原発性骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症、骨減少症、大理石骨病、骨折、骨がん又はがん転移関連の骨量減少、パジェット病、腎性骨異栄養症、治療関連の骨量減少、食事関連の骨量減少、肥満の治療に関連する骨量減少、低重力関連の骨量減少、又は不動に関連する骨量減少などの骨損傷を伴う疾患又は状態)、低赤血球レベル(例えば、低ヘモグロビンレベル又は低赤血球数、例えば、貧血)、異所性骨化(例えば、FOPに起因する異所性骨化)、シェーグレン症候群(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ)、DIPG、MO、PCO、又は心肥大及び/又は心臓線維症を、ヒト対象などの対象において治療又は予防する方法を特徴とする。
【0371】
ALK2抗体
ALK2(ACVR1としても知られている)は、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)スーパーファミリーの骨形成タンパク質(BMP)受容体である。ALK2は、胚発生時に多くの組織で広く発現し、出生後の発達時に骨で高度に発現し、骨形成及び軟骨形成の両方に不可欠な役割を果たしていると考えられている。ALK2における機能獲得型変異には、c.617G>A(p.R206H)、c.619C>G(p.Q207E)、c.1067G>A(p.G356D)、c.982G>T(p.G328W)、c.983G>A(p.G328E)、c.982G>A(p.G328R)、c.774G>C/c.774G>T(P.R258S)、c.1124G>C(p.R375P)、c.587T>C(p.L196P)、c.590-592delCTT(p.P197_F198delinsL)、及びc.605G>T(p.R202l)が含まれ、これらはFOPを有する対象で発見されており、Alk2R206H変異マウスを使用した研究では、ALK2が間葉系幹細胞の骨形成分化を調節することが示唆されている。ALK2の活性化変異は、DIPG患者の約25%でも観察されており、小分子ALK2阻害剤は、同所性DIPG異種移植モデルで生存期間を延長し細胞充実度を低下させることが判明した。ALK2を介したSMADシグナル伝達経路のBMP活性化は、炎症性貧血(慢性疾患の貧血としても知られる)及び鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)に関与する鉄ホメオスタシスのマスターレギュレーターであるヘプシジンのアップレギュレーションを誘導するため、ALK2は貧血にも関与している可能性がある。ALK2はまた、発生中の水晶体上皮細胞の増殖を促進する。したがって、ALK2の阻害は、PCOにつながる水晶体上皮細胞の異常な増殖を予防又は軽減する可能性がある。さらに、小分子ALK2阻害剤は、確立されたマウスモデルで炎症を軽減し、シェーグレン症候群の症状を治療し、MOのマウスモデルを使用した複数の研究で骨軟骨腫の形成、成長、及びサイズを低下させることが判明した。さらに、小分子ALK2阻害剤による処理及びALK2の心筋細胞特異的欠失の両方が、マウスの心肥大及び左心室線維症を軽減した。さらに、ALK2リガンドの線維症を促進する効果は、線維症が病状に寄与する疾患又は状態(例えば、PCOにおける後嚢の線維症、シェーグレン症候群における涙腺の線維症、及び心臓線維症及び/又は心肥大における線維症)の治療にALK2の阻害が使えることを示唆している。
【0372】
本発明は、本明細書に記載のALK2抗体が、IRIDAのマウスモデルにおいてヘモグロビンレベル、ヘプシジン濃度、及び鉄レベルを回復させ、骨粗鬆症のマウスモデルで骨密度を増加させた(例えば、骨量減少を低下させた)という発見に部分的に基づいている。理論に縛られることを望まないが、TMPRSS6はヘプシジン分泌及び貧血を抑制するように作用し、炎症性貧血はヘプシジンレベルの上昇を特徴とすることが多いため、ALK2抗体がIRIDAのTMPRSS6ノックダウンモデルでヘモグロビンレベルを回復させたという発見は、本明細書に記載のALK2抗体が炎症性貧血の治療に使用できることを示唆している。FOP及びDIPGの患者で特定されたALK2の機能獲得型変異を考えると、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメントは、FOP治療のために、及び/又は異所性骨化を予防又は治療するために、及びDIPGを治療し又はDIPGを有する対象の生存期間を延長するためにも使用され得る。以前の研究では、小分子ALK2阻害剤を使用して、シェーグレン症候群、MO(例えば、骨軟骨腫の形成、成長、又はサイズの低下)、ならびに心肥大及び心臓線維症の症状を治療できることも示されている。したがって、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメントはまた、これらの状態を治療するためにも使用され得る。最後に、水晶体上皮細胞の増殖を促進するためのALK2の必要性は、ALK2阻害がPCOの治療に有効である可能性があることを示唆している。したがって、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント)、核酸分子、発現ベクター、及び組成物は、骨疾患(例えば、原発性骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症、骨減少症、大理石骨病、骨折、骨がん又はがん転移関連の骨量減少、パジェット病、腎性骨異栄養症、治療関連の骨量減少、食事関連の骨量減少、肥満の治療に関連する骨量減少、低重力関連の骨量減少、又は不動に関連する骨量減少などの骨損傷を伴う疾患又は状態)、貧血(例えば、IRIDA、炎症性貧血)、異所性骨化(例えば、FOPに起因する異所性骨化)、シェーグレン症候群(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ)、DIPG、MO、PCO、又は心肥大及び/又は心臓線維症を治療又は予防するために、ヒト対象などの対象に投与することができる。
【0373】
ベクター、宿主細胞、及びタンパク質産生
本明細書に記載のALK2抗体及びその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、宿主細胞から産生することができる。宿主細胞とは、本明細書に記載の抗体及びその抗原結合フラグメントを対応する核酸から発現するために必要な、必須細胞成分、例えば、細胞小器官を含む媒体(vehicle)を指す。核酸は、核酸ベクターに含ませてもよく、この核酸ベクターを当技術分野で知られている従来の技術(例えば、形質転換、トランスフェクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、直接マイクロインジェクション、感染など)によって宿主細胞に導入することができる。核酸ベクターの選択は、使用する宿主細胞に部分的に依存する。概して、好ましい宿主細胞は、真核生物(例えば、哺乳動物)又は原核生物(例えば、細菌)のいずれかに由来するものである。
【0374】
核酸ベクターの構築及び宿主細胞
本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)のアミノ酸配列をコードする核酸配列は、当技術分野で知られている様々な方法によって調製することができる。これらの方法には、限定するものではないが、オリゴヌクレオチド媒介(又は部位特異的)突然変異誘発及びPCR突然変異誘発が含まれる。本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする核酸分子は、標準的な技術、例えば、遺伝子合成を使用して得ることができる。あるいは、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする核酸分子は、当技術分野における標準的な技術、例えば、QuikChange(商標)突然変異誘発を使用して、特定のアミノ酸置換を含むように突然変異され得る。核酸分子は、ヌクレオチドシンセサイザー又はPCR技術を使用して合成することができる。
【0375】
本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)をコードする核酸配列は、原核生物又は真核生物の宿主細胞においてその核酸分子を複製及び発現することができるベクターに挿入され得る。多くのベクターが当技術分野で利用可能であり、本発明の目的のために使用することができる。各ベクターは、特定の宿主細胞との適合性のために調整及び最適化され得る様々な構成要素を含み得る。例えば、ベクターの構成要素は、限定するものではないが、複製起点、選択マーカー遺伝子、プロモーター、リボソーム結合部位、シグナル配列、目的のタンパク質をコードする核酸配列、及び転写終結配列を含み得る。
【0376】
いくつかの実施形態において、哺乳動物細胞は、本発明の宿主細胞として使用され得る。哺乳動物細胞種の例には、限定するものではないが、ヒト胎児腎臓(HEK)(例えば、HEK293、HEK293F)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、HeLa、COS、PC3、Vero、MC3T3、NS0、Sp2/0、VERY、BHK、MDCK、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT20、T47D、NS0(免疫グロブリン鎖を内因的に産生しないマウス骨髄腫細胞株)、CRL7O3O、及びHsS78Bst細胞が含まれる。いくつかの実施形態において、大腸菌細胞も、本発明の宿主細胞として使用され得る。大腸菌株の例には、限定するものではないが、大腸菌294(ATCC(登録商標)31,446)、大腸菌λ1776(ATCC(登録商標)31,537)、大腸菌BL21(DE3)(ATCC(登録商標)BAA-1025)、及び大腸菌RV308(ATCC(登録商標)31,608)が含まれる。異なる宿主細胞は、翻訳後プロセシング及びタンパク質産物の修飾(例えば、グリコシル化)のための特徴的かつ特異的なメカニズムを持っている。発現されたポリペプチドの正しい修飾及びプロセシングを確実にするために、適切な細胞株又は宿主系を選択することができる。上記の発現ベクターは、当技術分野における従来の技術、例えば、形質転換、トランスフェクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、及び直接マイクロインジェクションを使用して、適切な宿主細胞に導入することができる。ベクターがタンパク質産生のために宿主細胞に導入されると、宿主細胞は、プロモーターの誘導、形質転換体の選択、又は所望の配列をコードする遺伝子の増幅のために適切に改変された従来の栄養培地で培養される。治療用タンパク質の発現方法は当技術分野で知られており、例えば、Paulina Baibas、Argelia Lorence(編)Recombinant Gene Expression:Reviews and Protocols(Methods in Molecular Biology)、Humana Press;第2版 2004年及びVladimir Voynov and Justin A.Caravella(編)Therapeutic Proteins:Methods and Protocols(Methods in Molecular
Biology)Humana Press;第2版 2012年を参照されたい。
【0377】
タンパク質の産生、回収、及び精製
本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を産生するために使用される宿主細胞は、当技術分野で知られている、選択された宿主細胞の培養に適した培地で増殖させることができる。哺乳動物宿主細胞に適した培地の例には、最小必須培地(MEM)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、Expi293(商標)発現培地、ウシ胎児血清(FBS)を添加したDMEM、及びRPMI-1640が含まれる。細菌宿主細胞に適した培地の例には、選択剤、例えばアンピシリンなどの必要な添加物を加えたルリアブロス(LB)が含まれる。宿主細胞は、約20℃~約39℃、例えば、25℃~約37℃、好ましくは37℃などの適切な温度及び5~10%などのCOレベルで培養される。培地のpHは、主に宿主生物に応じて、大抵は約6.8~7.4、例えば7.0である。本発明の発現ベクターにおいて誘導性プロモーターが使用される場合、タンパク質発現は、プロモーターの活性化に適した条件下で誘導される。
【0378】
いくつかの実施形態において、使用される発現ベクター及び宿主細胞に応じて、発現されたタンパク質は、宿主細胞(例えば、哺乳動物宿主細胞)から細胞培養培地に分泌され得る。タンパク質の回収には、細胞培養培地をろ過して細胞破片を除去することが含まれる場合がある。タンパク質をさらに精製してもよい。本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、当技術分野で知られているタンパク質精製の任意の方法によって、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、及びサイズ排除カラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差によって、又はタンパク質精製のための他の標準的な技術によって精製することができる。例えば、プロテインAカラム(例えば、POROSプロテインAクロマトグラフィー)などのアフィニティーカラムを適切に選択しクロマトグラフィーカラム(例えば、POROS HS-50陽イオン交換クロマトグラフィー)、濾過、限外濾過、塩析及び透析手順と組み合わせて、タンパク質を単離及び精製することができる。
【0379】
他の実施形態において、宿主細胞を、例えば、浸透圧ショック、超音波処理、又は溶解によって破壊し、発現されたタンパク質を回収してもよい。細胞を破壊したら、細胞破片を遠心分離又はろ過により除去してもよい。場合によっては、ポリペプチドをペプチドなどのマーカー配列に結合させて、精製を容易にすることができる。マーカーアミノ酸配列の一例は、ヘキサヒスチジンペプチド(His-tag)であり、これはマイクロモーラーの親和性でニッケル官能化アガロースアフィニティーカラムに結合する。精製に有用な他のペプチドタグには、限定するものではないが、インフルエンザのヘマグルチニンタンパク質に由来するエピトープに相当するヘマグルチニン「HA」タグが含まれる(Wilson et al.,Cell 37:767,1984)。
【0380】
あるいは、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、例えば、遺伝子治療の状況においては、ベクター(例えば、本明細書に記載の抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする核酸分子を含むウイルスベクター(例えば、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ポックスウイルスベクター(例えば、改変ワクシニアアンカラ(MVA)などのワクシニアウイルスベクター)、アデノ随伴ウイルスベクター、及びアルファウイルスベクター))を投与することにより、対象(例えば、ヒト)の細胞によって産生することができる。ベクターは、対象の細胞内に入ると(例えば、形質転換、トランスフェクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、直接マイクロインジェクション、感染などによって)、抗体又はその抗原結合フラグメントの発現を促進し、その後、細胞から分泌される。疾患又は障害の治療が望ましい結果である場合、それ以上の手段は必要ないかもしれない。タンパク質の収集が望まれる場合、血液を対象から収集し、当技術分野で知られている方法によってタンパク質を血液から精製することができる。
【0381】
医薬組成物及び調製物
本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、骨疾患、低赤血球レベル(例えば、低ヘモグロビンレベル又は低赤血球数、例えば、貧血)、異所性骨化(例えば、FOPに起因する異所性骨化)、シェーグレン症候群(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ)、MO、DIPG、PCO、又は心肥大及び/又は心臓線維症に苦しむヒト患者などの患者に投与するための媒体に組み込むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む医薬組成物は、治療法において他の薬剤(例えば、生物学的治療薬及び/又は小分子)又は組成物と組み合わせて使用され得る。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物は、当技術分野で知られている方法を使用して調製することができる。例えば、そのような組成物は、例えば、生理学的に許容される担体、賦形剤又は安定剤(Remington:The Science and Practice of Pharmacology 第22版、Allen,L.編、2013年、参照により本明細書に組み込まれる)を用い、所望の形態、例えば、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で調製することができる。いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、本明細書に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメントをコードする核酸分子(DNA又はRNA、例えば、mRNA)、又はそのような核酸分子を含むベクターを含む。
【0382】
医薬組成物中の許容可能な担体及び賦形剤は、使用される投与量及び濃度ではレシピエントに対して無毒である。許容される担体及び賦形剤には、リン酸塩、クエン酸塩、HEPES、及びTAEなどの緩衝剤、アスコルビン酸及びメチオニンなどの抗酸化剤、塩化ヘキサメトニウム、オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム、レゾルシノール、及び塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤、ヒト血清アルブミン、ゼラチンなどのタンパク質、デキストラン、及び免疫グロブリン、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、グリシン、グルタミン、ヒスチジン、リジンなどのアミノ酸、及びグルコース、マンノース、スクロース、ソルビトールなどの炭水化物が含まれ得る。本発明の医薬組成物は、注射可能な製剤の形態で非経口的に投与することができる。注射用の医薬組成物は、媒体として滅菌溶液又は任意の薬学的に許容される液体を使用して製剤化することができる。薬学的に許容される媒体には、限定するものではないが、滅菌水、生理食塩水、及び細胞培養培地(例えば、ダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)、α-改変イーグル培地(a-MEMI)が含まれる。
【0383】
ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)の混合物は、1つ以上の賦形剤、担体、又は希釈剤と適切に混合された水中で調製され得る。分散液もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物、ならびに油中で調製することができる。通常の保管及び使用条件下では、これらの製剤は微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含んでもよい。注射可能な用途に適した剤形には、無菌の水溶液又は分散液、及び無菌の注射可能な溶液又は分散液の即時調製のための無菌の粉末が含まれる(米国特許第5,466,468号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる)。いずれにせよ、製剤は無菌とすることができ、容易な注射可能性が存在する程度に流動性であり得る。製剤は、製造及び保管の条件下で安定であり得、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用から保護され得る。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、及び/又は植物油を含む溶媒又は分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散の場合に必要な粒子サイズの維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の予防は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらすことができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖又は塩化ナトリウムを含めることが好ましいであろう。注射可能な組成物の長期吸収は、組成物中に、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを使用することによってもたらすことができる。
【0384】
例えば、本明細書に記載の医薬組成物を含む溶液は、必要に応じて適切に緩衝され得、液体希釈剤は、最初に十分な生理食塩水又はグルコースで等張にされる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、及び腹腔内投与に特に適している。これに関連して、使用することができる滅菌水性媒体は、本開示に照らして当業者に知られるであろう。例えば、1回の投与量は1mlの等張NaCl溶液に溶解させて1000mlの皮下注射液に加えてもよいし、注入の提案された部位に注射してもよい。投与量のいくらかの変動は、治療される対象の状態に応じて必然的に発生する。
【0385】
本発明の医薬組成物は、ヒドロキシルメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル及びポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセルなどのマイクロカプセル内に調製することができる。本発明の医薬組成物はまた、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、及びナノカプセルなどの他の薬物送達システムにおいて調製され得る。そのような技術は、Remington:The Science and Practice of Pharmacology 第22版、Allen,L.編(2013年)に記載されている。インビボ投与に使用される医薬組成物は、無菌でなければならない。これは、滅菌ろ過膜によるろ過によって容易に達成される。
【0386】
本発明の医薬組成物はまた、徐放性製剤として調製され得る。徐放性調製物の適切な例には、本発明のポリペプチドを含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれる。徐放性マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリアクチド、L-グルタミン酸とγエチル-L-グルタミン酸のコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)などの分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、及びポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が含まれる。いくつかの徐放性製剤は、数ヵ月、例えば、1~6ヵ月にわたる分子の放出を可能にし、他の製剤は、より短い期間、例えば、数日から数週間にわたり本発明の医薬組成物を放出する。
【0387】
医薬組成物は、必要に応じて単位剤形で形成することができる。医薬調製物に含まれる本明細書に記載の活性成分、例えば、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)の量は、指定された範囲内の適切な用量が提供されるようにするものである(例えば、0.01~100mg/kg体重の範囲内の用量)。
【0388】
遺伝子治療のための医薬組成物は、許容可能な希釈剤中にあるか、又は遺伝子送達媒体が埋め込まれている徐放性マトリックスを含み得る。流体力学的注射が送達方法として使用される場合、本明細書に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメントをコードする核酸分子、又はその核酸分子を含むベクター(例えば、ウイルスベクター)を含む医薬組成物は、静脈内に大量の流体で急速に送達される。インビボ遺伝子送達媒体として使用できるベクターには、限定するものではないが、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ポックスウイルスベクター(例えば、改変ワクシニアアンカラなどのワクシニアウイルスベクター)、アデノ随伴ウイルスベクター、及びアルファウイルスベクターが含まれる。
【0389】
経路、用量、及び投与
治療薬として本発明のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む医薬組成物は、静脈内、非経口、皮内、経皮(transdermal)、筋肉内、鼻腔内、皮下、経皮(percutaneous)、局所、気管内、腹腔内、動脈内、血管内、髄腔内、脳室内、吸入、灌流、洗浄(lavage)、及び経口投与などの様々な経路によることができる。医薬組成物はまた、経口、眼、鼻、スプレー、エアロゾル、直腸、又は膣への投与用に製剤化されるか、又はそれらを介して投与され得る。注射可能な製剤については、様々な効果的な医薬担体が当技術分野で知られている。例えば、ASHP Handbook on Injectable Drugs,Toissel,第18版(2014年)を参照されたい。眼への投与の場合、製剤は、注射(例えば、眼内注射)によって全身的に、又は局所的に(例えば、溶液、懸濁液、又は軟膏として点眼(例えば、点眼薬)などによって)送達され得る。
【0390】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメントをコードする核酸分子又はそのような核酸分子を含むベクターを含む医薬組成物は、遺伝子送達によって投与され得る。遺伝子送達の方法は、当業者によく知られている。インビボ遺伝子送達及び発現に使用できるベクターには、限定するものではないが、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ポックスウイルスベクター(例えば、改変ワクシニアアンカラ(MVA)などのワクシニアウイルスベクター)、アデノ随伴ウイルスベクター、及びアルファウイルスベクターが含まれる。いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドをコードするmRNA分子は、対象に直接投与され得る。
【0391】
本発明のいくつかの実施形態において、本明細書に記載のポリペプチドをコードする核酸分子又はそのような核酸分子を含むベクターは、流体力学的注入プラットフォームを使用して投与され得る。流体力学的注入法では、本明細書に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメントをコードする核酸分子は、操作されたプラスミド(例えば、ウイルスプラスミド)中の強力なプロモーターの制御下に置かれる。プラスミドは、多くの場合、大量の液体で静脈内に急速に送達される。流体力学的注入は、静脈内の制御された流体力学的圧力を使用して細胞透過性を高め、大量の流体の急速な注入による高圧が静脈からの流体及びプラスミドの血管外漏出をもたらすようにする。核酸分子の発現は主に肝臓によって促進される。マウスでは、流体力学的注入は、プラスミドを尾静脈に注射することによって行われることが多い。特定の実施形態において、本明細書に記載の抗体又はそのALK2結合フラグメントをコードするmRNA分子は、流体力学的注入を使用して投与され得る。
【0392】
所与の場合における投与に最も適切な経路及び用量は、投与される特定の組成物、患者、製剤方法、投与方法(例えば、投与時間及び投与経路)、患者の年齢、体重、性別、治療中の疾患の重症度、患者の食事、及び患者の排泄率に依存する。本発明の医薬組成物は、0.01~500mg/kg(例えば、0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500mg/kg))の範囲の本発明のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)の用量を含み得る。また、より具体的な実施形態では、約0.1~約30mg/kgであり、より具体的な実施形態では、約0.3~約30mg/kgである。用量は、疾患の程度及び対象の異なるパラメータなどの従来の要因に従って、医師によって適合させることができる。
【0393】
医薬組成物は、剤形と適合性のある方法で、そして症状の改善又は緩和をもたらすのに治療上有効であるような量で投与される。医薬組成物は、様々な剤形、例えば、静脈内剤形、皮下剤形、及び経口剤形(例えば、摂取可能な溶液、薬物放出カプセル)で投与される。概して、治療用抗体は、0.1~100mg/kg、例えば、1~50mg/kgで投与される。本発明のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む医薬組成物は、それを必要とする対象に、例えば、毎日、毎週、隔週、毎月、隔月、四半期、隔年、毎年に1回以上(例えば、1~10回またはそれ以上)、又は医学的に必要な場合に投与することができる。いくつかの実施形態において、本発明のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む医薬組成物は、それを必要とする対象に、毎週、隔週、毎月、隔月、又は四半期ごとに投与され得る。用量は、単一又は複数の投薬計画のいずれかで提供され得る。投与のタイミングは、病状が改善するにつれて減少するか、患者の健康が低下するにつれて増加する可能性がある。
【0394】
治療法
本明細書に記載の組成物及び方法は、病状、例えば、骨疾患、貧血、又は低赤血球レベル(例えば、低ヘモグロビンレベル又は低赤血球数)、異所性骨化(例えば、FOPに起因する異所性骨化)、シェーグレン症候群(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ)、DIPG、MO、PCO、又は心肥大及び/又は心臓線維症を治療及び/又は予防する(例えば、そのように診断された対象の発症を予防し又はその対象を治療する)ために使用することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のALK2抗体(例えば、中和抗体)又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、それを必要とする対象の骨塩密度を増加させ、骨形成を増加させ、骨強度を高め、骨吸収(例えば、骨量減少)を減少させ、又は骨折のリスクを低下させるために投与される。本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療前に得られた測定値と比較して、又は未治療の対象において通常観察される骨塩密度、骨強度、骨形成、骨吸収、又は骨折のリスクと比較して、骨塩密度を増加させ、骨形成を増加させ、骨強度を高め、骨吸収(例えば、骨量減少)を減少させ、又は骨折のリスクを減少させ得る。いくつかの実施形態において、対象は、骨損傷(例えば、骨粗鬆症又は骨減少症)をもたらす疾患を有するか、又はそれを発症するリスクを有し得る。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、対象は、骨損傷(例えば、原発性骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症、骨減少症、大理石骨病、骨折、骨がん又はがん転移関連の骨量減少、パジェット病、腎性骨異栄養症、治療関連の骨量減少、食事関連の骨量減少、肥満の治療に関連する骨量減少、低重力関連の骨量減少、又は不動に関連する骨量減少)を伴う疾患又は状態を有するか又はそれを発症するリスクがある。本発明はまた、原発性骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症、骨減少症、大理石骨病、骨折、骨がん又はがん転移関連の骨量減少、パジェット病、腎性骨異栄養症、治療関連の骨量減少、食事関連の骨量減少、肥満の治療に関連する骨量減少、低重力関連の骨量減少、又は不動に関連する骨量減少を有するか又はそれを発症するリスクのある対象を、本明細書に記載の有効量のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメントをその対象に投与することによって治療する方法を含む。
【0395】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、骨疾患(例えば、骨損傷)を有する又は発症するリスクのある対象は、原発性骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症、骨減少症、大理石骨病、骨折、骨がん又はがん転移関連の骨量減少、パジェット病、腎性骨異栄養症、治療関連の骨量減少、食事関連の骨量減少、肥満の治療に関連する骨量減少、低重力関連の骨量減少、又は不動に関連する骨量減少を含む疾患又は状態を有するか又は発症するリスクがある。いくつかの実施形態において、原発性骨粗鬆症は、加齢性骨粗鬆症又はホルモンに関連する骨粗鬆症である(例えば、エストロゲンの低下に関連する)。いくつかの実施形態では、続発性骨粗鬆症は、不動化誘発性骨粗鬆症又はグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症である。いくつかの実施形態では、骨がんは多発性骨髄腫であるか、又はがん転移関連の骨量減少は多発性骨髄腫によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、治療関連の骨量減少は、FGF-21又はGLP-1による治療、治療薬を含むFGF-21又はGLP-1による治療、2型糖尿病及び/又は肥満の治療、又はがん治療(例えば、化学療法又は放射線療法)により生じる。いくつかの実施形態では、食事関連の骨量減少は、くる病(例えば、ビタミンD欠乏症)である。いくつかの実施形態では、低重力関連の骨量減少は、負荷に関連する骨量減少の欠如である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、骨塩密度を増加させる(例えば、骨量を増加させる)。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、骨吸収を減少させる(例えば、骨異化活性を低減するか、又は骨量減少を低減する)、例えば、治療前に得られた測定値と比較して、又は未治療の対象で通常観察される骨吸収と比較して、骨吸収を減少させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、骨形成を増加させる(例えば、骨同化活性を増加させるか、又は骨生成を増加させる)、例えば、治療前に得られた測定値と比較して、又は未治療の対象で通常観察される骨形成と比較して、骨形成を増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、骨芽細胞活性又は骨芽細胞形成を高める、例えば、治療前に得られた測定値と比較して、又は未治療の対象で通常観察される骨芽細胞活性又は骨芽細胞形成と比較して、骨芽細胞活性又は骨芽細胞形成を高める。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、破骨細胞活性又は破骨細胞形成を減少させる、例えば、治療前に得られた測定値と比較して、又は未治療の対象で通常観察される破骨細胞活性又は破骨細胞形成と比較して、破骨細胞活性又は破骨細胞形成を減少させる。いくつかの実施形態では、骨は皮質骨又は小柱骨である。
【0396】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、それを必要とする対象において、赤血球レベルを増加させる(例えば、ヘモグロビンレベルを増加させる、赤血球数を増加させる、又は赤血球の形成又は産生を増加させる)ために投与される。本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療前に得られた測定値と比較して、又は未治療の対象で通常観察される赤血球レベルと比較して、赤血球レベルを増加させ得る(例えば、ヘモグロビンレベル、赤血球数、又は赤血球形成を増加させる)。いくつかの実施形態において、対象は、低赤血球レベルに関連する疾患又は状態(例えば、貧血又は失血)を有し得る。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、対象は、低赤血球レベルを伴う疾患又は状態(例えば、貧血又は失血、例えば再生不良性貧血、鉄欠乏性貧血、鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)、又は炎症性貧血(慢性疾患の貧血とも呼ばれ、例えば、感染症(例えば、HIV/AIDS又は結核などの慢性感染症)、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ又はループス)、がん(例えば、がん又はがん治療)、炎症性腸疾患(例えば、クローン病又は潰瘍性大腸炎)、及び慢性腎疾患)によって引き起こされる貧血)を有するか又は発症するリスクがある。本発明はまた、低赤血球レベル(例えば、低ヘモグロビンレベル又は低赤血球数、例えば、貧血)を有する又は発症するリスクのある対象を、本明細書に記載の有効量のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)をその対象に投与することにより治療する方法を含む。本明細書に記載の方法は、本明細書に記載の組成物での治療又はその投与の前に、貧血に関連することが知られている遺伝子の1つ以上の突然変異(例えば、IRIDAに関連するTMPRSS6の突然変異)について対象をスクリーニングする工程を含み得る。当業者に知られている標準的な方法(例えば、遺伝子検査)を使用して、対象を遺伝子突然変異についてスクリーニングすることができる。
【0397】
本発明はまた、本明細書に記載の有効量のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を対象に投与することにより、貧血又は失血を有する又は発症するリスクのある対象を治療する方法を含む。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、低い赤血球レベル(例えば、低いヘモグロビンレベル又は低い赤血球数)を有するか又は発症するリスクのある対象は、貧血又は失血を有するか又は発症するリスクがある。いくつかの実施形態において、貧血は、栄養不足(例えば、ビタミン欠乏)、骨髄欠損(例えば、発作性夜間ヘモグロビン尿症)、投薬(例えば、抗レトロウイルスHIV薬)に対する有害反応、骨髄異形成症候群、骨髄移植、がん(例えば、乳がん、肺がん、結腸がんなどの固形腫瘍;慢性リンパ球白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫などのリンパ系の腫瘍;又は白血病又は多発性骨髄腫などの造血系の腫瘍)、がん治療(例えば、放射線療法又は化学療法、例えば、白金含有剤による化学療法)、炎症性又は自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、その他の炎症性関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、急性又は慢性皮膚疾患(例えば乾癬)、又は炎症性腸疾患(例えば、クローン病又は潰瘍性大腸炎)、嚢胞炎、胃炎)、特発性又は先天性状態を含む急性又は慢性腎疾患又は障害(例えば、慢性腎臓病)、急性又は慢性肝疾患、急性又は慢性出血、感染症(例えば、マラリア骨髄炎)、脾臓肥大、ポルフィリア、血管炎、溶血、尿路感染症、ヘモグロビン症(鎌状赤血球症など)、サラセミア、チャーグ・ストラウス症候群、フェルティ症候群、移植片対宿主病、造血幹細胞移植、骨髄線維症、汎血球減少症、純赤血球形成不全、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、シュバッハマン症候群(例えば、シュバッハマン・ダイアモンド症候群)、薬物使用又は乱用(例えば、アルコール乱用)、又は輸血の禁忌(例えば、高齢患者、アロ抗体又は自己抗体を持つ患者、小児患者、心肺疾患の患者、宗教上の理由で輸血に反対する患者(例えば、一部のエホバの証人))に関連している。いくつかの実施形態では、貧血は、再生不良性貧血、鉄欠乏性貧血、鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)、ビタミン欠乏性貧血、炎症性貧血(慢性疾患の貧血とも呼ばれ、例えば、感染症(例えば、HIV/AIDS又は結核などの慢性感染症)、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ又はループス)、がん、炎症性腸疾患(例えば、クローン病又は潰瘍性大腸炎)、及び慢性腎疾患)などの炎症性疾患又は状態によって引き起こされる貧血)、骨髄性疾患関連の貧血、溶血性貧血、鎌状赤血球性貧血、小球性貧血、低色素性貧血、鉄芽球性貧血、ダイアモンド・ブラックファン貧血、ファンコニ貧血、又は芽球過剰を伴う難治性貧血である。いくつかの実施形態において、貧血は、ヘプシジンレベルの上昇に関連している(例えば、貧血を有さない対象におけるヘプシジンレベルと比較して上昇している)。本明細書に記載の組成物及び方法はまた、エリスロポエチン(EPO)に十分に反応しない、又はEPOの有害作用(例えば、高血圧、頭痛、血管血栓症、インフルエンザ様症候群、シャントの閉塞、及び心筋梗塞)の影響を受けやすい対象を治療するために使用することができる。いくつかの実施形態では、失血は、手術、外傷、創傷、潰瘍、尿路出血、消化管出血、頻繁な献血、又は重い月経出血(例えば、月経過多)によるものである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、治療前に得られた測定値と比較して、又は未治療の対象で通常観察される赤血球レベルと比較して、赤血球レベル(例えば、ヘモグロビンレベル又は赤血球数)を増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、治療前に得られた測定値と比較して、又は未治療の対象で通常観察される赤血球形成と比較して、赤血球形成を増加又は誘導する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物及び方法は、対象の輸血に対する必要性を低減する(例えば、対象は、輸血をもはや必要としないか、又は対象は、本明細書に記載の組成物及び方法による治療前よりも必要な輸血の頻度が少ない)。血液を採取し、後で輸血に使用するために保存することができるように、正常な赤血球レベルを有する対象もまた、赤血球レベルを増加させるために本明細書に記載の方法及び組成物を使用して治療されてもよい。
【0398】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、FOPを治療するために、FOPの進行を遅らせる又は停止するために、FOPの発症を遅らせるために(例えば、異所性骨化の発症を遅らせるために)、又は、FOPの対象における異所性骨化などの異所性骨化を予防又は軽減する(例えば、筋肉、腱、靭帯、又は他の結合組織における骨の形成、例えば、すでに異所性骨化を経験したFOPの対象における異所性骨化を予防又は軽減する、又は異所性骨化をまだ発現していない対象においての異所性骨化の発症を予防する)ために、対象に投与され得る。FOPは、遺伝性FOP(例えば、常染色体優性突然変異などの突然変異の生殖細胞系伝達に関連するFOP)又は散発性FOP(例えば、自発的で非遺伝性の突然変異に関連するFOP)であり得る。本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、未治療又は対照治療を受けた対象で観察された異所性骨の量、異所性骨の形成、又は異所性骨の再発と比較して、異所性骨の量を減少させ、異所性骨の形成を減少させ、又は異所性骨の再発(例えば、外科的切除後の再発)を減少させ得る。本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、異所性骨の形成を予防し得る(例えば、FOPを有する対象などの異所性骨化を発症するリスクのある対象において、又は外科的切除後の再発などの、異所性骨の再発を予防し得る。いくつかの実施形態では、対象は異所性骨化を発症するリスクがある(例えば、対象はFOPに関連する遺伝子変異を有するが、FOPの症状をまだ示していない、例えば、異所性骨化をまだ示していない)。本明細書に記載の方法は、FOPに関連することが知られている遺伝子の1つ以上の突然変異(例えば、ALK2の突然変異、アクチビンAタイプI受容体(ACVR1)としても知られている)について、本明細書に記載の組成物での治療又はその投与の前に対象をスクリーニングする工程を含み得る。当業者に知られている標準的な方法(例えば、遺伝子検査)を使用して、対象を遺伝子突然変異についてスクリーニングすることができる。
【0399】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、シェーグレン症候群を治療するために(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイを治療するために)、又はシェーグレン症候群の1つ以上の症状を軽減するため(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ又は口渇を軽減するため)に、対象に投与され得る。本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療前の対象又は未治療のシェーグレン症候群の対象における眼の刺激、視覚、涙腺の炎症又は線維症、唾液の産生、涙液の産生、全身性炎症、関節痛、倦怠感、又はシェーグレン症候群の症状の重症度又は発生と比較して、眼の刺激を軽減し、涙腺の線維症を軽減し、涙腺の炎症を軽減し、視覚を改善し、唾液の産生を増加させ、涙液の産生を増加させ(例えば、涙液量を増加させ)、全身性炎症を軽減し、関節痛を軽減し、シェーグレン症候群の対象の倦怠感を軽減し、又はシェーグレン症候群の1つ以上の症状の重症度又は発生を軽減し(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ、口渇、又は関節痛を軽減し)得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、DIPGを治療し、DIPGを有する対象の生存期間(例えば、生存時間、例えば、寿命)を延長し、DIPGを有する対象の無増悪生存期間を延長し、DIPG腫瘍の増殖を減少させ、DIPG腫瘍のサイズ又は体積を減少させ、又はDIPG腫瘍の転移を予防又は減少させるために対象に投与され得る。本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、未治療又は対照治療の対象の生存期間、無増悪生存期間、腫瘍増殖、腫瘍サイズ又は体積、あるいは腫瘍転移と比較して、又は治療前の対象の腫瘍増殖、腫瘍サイズ又は体積、あるいは腫瘍転移と比較して、DIPGを有する対象の生存期間(例えば、生存時間、例えば、寿命)を延長させ、DIPGを有する対象の無進行生存期間を延長し、DIPG腫瘍の増殖を減少させ、DIPG腫瘍のサイズ又は体積を減少させ、又はDIPG腫瘍の転移を予防又は減少させる。いくつかの実施形態では、対象は、ALK2(ACVR1)に活性化突然変異を有する。本明細書に記載の方法は、本明細書に記載の組成物による治療又はその投与の前に、ALK2(ACVR1)の突然変異について対象をスクリーニングする工程を含み得る。当業者に知られている標準的な方法(例えば、遺伝子検査)を使用して、対象を遺伝子突然変異についてスクリーニングすることができる。
【0400】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、MOを治療し、MOを有する対象における骨軟骨腫の形成を低減又は予防し、MOを有する対象における骨軟骨腫の数を低減し、MOを有する対象における骨軟骨腫のサイズを減少させるか、又はMOを有する対象における骨軟骨腫の成長を遅延させるために対象に投与され得る。骨軟骨腫は、骨の成長端(骨幹端)、長骨(例えば、脚、腕、又は指の長骨)、及び/又は扁平骨(例えば、寛骨(骨盤骨)、肋骨、又は肩甲骨)に形成され得る。本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療前の対象又はMOを有する未治療の対象の骨軟骨腫の形成、骨軟骨腫の数、骨軟骨腫のサイズ、又は骨軟骨腫の成長と比較して、骨軟骨腫の形成を低減又は予防し(例えば、骨軟骨腫をまだ発症していないMOを有する対象における骨軟骨腫の形成を予防し、又はすでに1つ以上の骨軟骨腫を発症しているMOを有する対象における骨軟骨腫の形成低減又は予防し、骨軟骨腫の数を減らし、骨軟骨腫のサイズを縮小し、又は骨軟骨腫の成長を遅らせ得る。本明細書に記載の方法は、本明細書に記載の組成物による治療又はその投与の前に、EXT1又はEXT2における突然変異について対象をスクリーニングする工程を含み得る。当業者に知られている標準的な方法(例えば、遺伝子検査)を使用して、対象を遺伝子突然変異についてスクリーニングすることができる。
【0401】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、PCOを有する対象又はPCOを発症するリスクがある対象(例えば、白内障手術を受けたか、又は間もなく受けることになっている対象、例えば、6ヵ月、5ヵ月、4ヵ月、3ヵ月、2ヵ月、1ヵ月、2週、1週間、又はそれよりも近いうちに白内障手術を受ける予定である対象)において、PCOを治療し、PCOの発症を低減又は予防するために(例えば、白内障手術を受けたがまだPCTOを発症していない対象又は白内障手術を間もなく受けることになっている対象、例えば、6ヵ月、5ヵ月、4ヵ月、3ヵ月、2ヵ月、1ヵ月、2週、1週間、又はそれよりも近いうちに白内障手術を受ける予定である対象、例えば、PCOを発症するリスクのある対象)において、未治療の対象のPCOの発症、線維症(例えば、移植された水晶体付近の線維症、例えば、又は後嚢上又はその付近の線維症)、水晶体線維の分化、水晶体上皮細胞の増殖、又は眼の炎症と比較して、PCOの発症を予防し、PCOを有する対象の視力を改善し(例えば、ぼやけた視力又は曇った視力を軽減し)、PCOを有する対象の光感受性又はまぶしさを軽減し、線維症(例えば、移植された水晶体付近の線維症、例えば、後嚢上又はその付近の線維症)を軽減又は予防し、水晶体上皮細胞の増殖を減少させ又は阻害し、水晶体線維の分化を軽減又は予防し、又は眼の炎症を軽減又は予防するために、対象に投与され得る。本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、PCOを発症するリスクのある対象においてPCOの発症を軽減又は予防し、線維症(例えば、移植された水晶体付近の線維症、例えば、後嚢上又はその付近の線維症)を軽減又は予防し、水晶体線維の分化を低減又は予防し、水晶体上皮細胞の増殖を低減又は阻害し、又は眼の炎症を軽減又は予防し得る。又は、治療前の対象における視力、光感受性又はまぶしさ、線維症、眼の炎症、水晶体上皮細胞の増殖、又は水晶体線維の分化と比較して、視力を改善し(例えば、ぼやけた又は曇った視力を軽減し)、又は光感受性又はまぶしさを軽減し、線維症を軽減し、眼の炎症を軽減し、水晶体上皮細胞の増殖を軽減し、又は水晶体線維の分化を軽減し得る。
【0402】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、心肥大を治療し、心臓線維症を治療し、心肥大の発症を遅らせ又は予防し(例えば、心肥大を発症するリスクがある対象、例えば、高血圧又は弁膜症のある対象において)、心臓線維症の発症を遅らせるか又は予防し(例えば、心臓線維症を発症するリスクがある対象、例えば、高血圧の対象、心筋梗塞を患ったことのある対象、糖尿病性肥大型心筋症の対象、又は特発性拡張型心筋症の対象において)、心臓線維症を逆転させ、心臓瘢痕形成を減少又は阻害し、心臓再生を増加又は誘発し、又は心肥大又は心臓線維症の1つ以上の症状を改善する(例えば、運動能力の向上、血液駆出量の増加、左心室拡張末期圧の低下、肺毛細血管楔入圧の低下、心拍出量の増加、心係数の増加、肺動脈圧の低下、左心室の収縮末期及び拡張期の寸法の減少、左心室及び右心室の壁応力の減少、壁張力及び/又は壁の厚さの減少、心筋収縮性の増加、心筋細胞面積の減少、心筋細胞の細胞外マトリックス沈着の減少、生活の質の改善、及び/又は疾患関連の罹患率及び死亡率の低下)ために対象に投与され得る。本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療前の対象又は未治療又は対照治療を受けた対象の心肥大の発症、心臓線維症の発症、心臓線維症の程度、心臓瘢痕形成、心臓再生、又は心肥大又は心臓線維症の1つ以上の症状と比較して、心肥大又は心臓線維症を有するか又は発症するリスクのある対象における心肥大の発症を遅らせ又は予防し、心臓線維症の発症を遅らせ又は予防し、心臓線維症を逆転させ、心臓瘢痕形成を低減又は阻害し、心臓再生を増加又は誘発し、又は心肥大又は心臓線維症の1つ以上の症状を改善する。
【0403】
本明細書に記載の組成物は、骨塩密度を増加させ、骨強度、密度を増加させ、骨吸収(例えば、骨量減少)を減少させ、骨吸収(例えば、骨量減少)速度を減少させ、骨形成を増加させ、骨形成の速度を増加させ、破骨細胞活性を低下させ、骨芽細胞活性を増加させ、骨折のリスクを減少させ、赤血球レベルを増加させ、ヘモグロビンレベルを増加させ、輸血の必要性を低下させ、赤血球形成を増加させ、又は赤血球数を増加させ、貧血を治療し、鉄レベルを増加させ、鉄欠乏を減少させ、上昇したヘプシジンレベルを低下させ、FOPを治療し、異所性骨化を予防し(例えば、対象において異所性骨の初期形成を予防し、又は外科的切除後の異所性骨の再発を予防し)、FOPの進行を遅らせ又は停止し、FOPの発症を遅らせ(例えば、異所性骨化の発症を遅らせ)、異所性骨化を減少させ(例えば、対象における異所性骨の量を減らし、又は、異所性骨の初期形成などの異所性骨の形成又は外科的切除後の異所性骨の再発を減少させ)、シェーグレン症候群を治療し、シェーグレン症候群に関連するドライアイを軽減し、シェーグレン症候群に関連する口渇を軽減し、眼の炎症を軽減し、唾液の産生を増加させ、涙液の産生を増加させ、全身の炎症を軽減し、関節痛を軽減し、倦怠感を軽減し、シェーグレン症候群の症状の重症度又は発生を軽減し(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ、口渇、又は関節痛を軽減し)、DIPGを治療し、DIPGを有する対象の生存期間(例えば、生存時間、例えば、寿命)を延長し、DIPGを有する対象の無増悪生存期間を延長し、DIPG腫瘍の増殖を減少させ、DIPG腫瘍のサイズ又は体積を減少させ、DIPG腫瘍の転移を予防又は減少させ、MOを治療し、MOを有する対象における骨軟骨腫の形成を低減又は予防し、MOを有する対象における骨軟骨腫の数を低減し、MOを有する対象における骨軟骨腫のサイズを減少させ、MOを有する対象における骨軟骨腫の増殖を遅延させ、PCOの発症を低減又は予防し、PCOを有する対象の視力を改善し(例えば、ぼやけた視力又は曇った視力を軽減し)、PCOを有する対象の光感受性又はまぶしさを軽減し、線維症(例えば、移植された水晶体付近の線維症、例えば、後嚢上又はその付近の線維症)を軽減又は予防し、水晶体上皮細胞の増殖を軽減又は阻害し、水晶体線維の分化を軽減又は予防し、又はPCOを有する対象の眼の炎症を軽減又は予防し、心肥大を治療し、心臓線維症を治療し、心肥大の発症を遅らせ又は予防し、心臓線維症の発症を遅らせ又は予防し、心臓線維症を逆転させ、心臓瘢痕形成を減少又は阻害し、心臓再生を増加又は誘発し、又は心肥大又は心臓線維症の1つ以上の症状を改善する(例えば、運動能力の向上、血液駆出量の増加、左心室拡張末期圧の低下、肺毛細血管楔入圧の低下、心拍出量の増加、心係数の増加、肺動脈圧の低下、左心室の収縮末期及び拡張期の寸法の減少、左心室及び右心室の壁応力の減少、壁張力及び/又は壁の厚さの減少、心筋収縮性の増加、心筋細胞の細胞外マトリックス沈着の減少、生活の質の改善、及び/又は疾患関連の罹患率及び死亡率の低下)のに十分な量で投与される。骨塩密度は、当業者に知られている十分に確立された臨床技術を使用して評価することができる(例えば、二重エネルギーX線吸収測定法によって)。赤血球レベルは、赤血球数とヘモグロビンレベルを測定する標準的な血液検査を使用して評価できる。FOP症状(例えば、異所性骨化)及びMO(例えば、骨軟骨腫)は、放射線撮影(例えば、X線)、CT(コンピュータ断層撮影)、及び/又はMRI(磁気共鳴画像法)などの標準的な画像法を使用して評価できる。DIPG腫瘍のサイズ、増殖、体積、又は転移は、MRIなどの画像診断法を使用して評価できる。心肥大及び/又は心臓線維症の症状は、心臓機能及び形態を評価するための臨床的アプローチを使用して評価できる(例えば、ストレステスト、心エコー検査、CT、MRI、心臓磁気共鳴画像法、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法、ポジトロン放射型断層撮影法、バルーンカテーテルベースのアプローチ、又は生検の組織学的分析)。シェーグレン症候群及びPCO症状は、視覚機能を評価し、眼を画像化して炎症及び/又は線維症を評価することによって評価できる(例えば、細隙灯画像を使用して後嚢に形成された線維症を評価する)。本明細書に記載の方法はまた、本明細書に記載の組成物による治療又はその投与の前に、あるいは本明細書に記載の組成物の投与又はそれによる治療の後に、対象における骨塩密度、赤血球レベル、あるいはFOP、DIPG、MO、PCO、シェーグレン症候群、又は心肥大及び/又は心臓線維症の症状を評価する工程を含み得る。対象は、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)又は医薬組成物の投与から、治療に使用される用量及び投与経路に応じて、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月又はそれ以上後に評価され得る。評価の結果に応じて、対象は追加の治療を受ける場合がある。
【0404】
本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)をコードする核酸、又は前記核酸を含む発現ベクターもまた、本明細書に記載の任意の方法に従って投与することができる。本明細書に記載の方法のいずれにおいても、ポリペプチド、核酸、又はベクターを、医薬組成物の一部として投与することができる。
【0405】
キット
本明細書に記載の組成物は、骨疾患、貧血、FOP、シェーグレン症候群(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ)、MO、DIPG、PCO、又は心肥大及び/又は心臓線維症の治療に使用するためのキットとして提供することができる。組成物は、本明細書に記載のALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含み得、任意選択で薬学的に許容される賦形剤(例えば、生理食塩水)中、骨疾患、貧血、FOP、シェーグレン症候群(例えば、シェーグレン症候群に関連するドライアイ)、MO、DIPG、PCO、又は心肥大及び/又は心臓線維症を治療するのに十分な量の単位剤形で提供され得る。キットは、医師などのキットのユーザに、本明細書に記載の方法を実施するように指示する添付文書をさらに含み得る。キットは、任意選択で、組成物を投与するための注射器又は他のデバイスを含み得る。
【0406】
実施例
以下の実施例は、本発明のいくつかの実施形態をさらに説明するために提供されているが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。それらの例示的な性質により、当業者に知られている他の手順、方法論、又は技術を代替的に使用することができることが理解されるであろう。
【0407】
実施例1-ALK2抗体の生成
ヒトコンビナトリアルファージライブラリーからALK2を認識する抗体を選び出し、続いて2回の濃縮を行い、非特異的抗体を枯渇させるために密接に関連する抗原に対してカウンターセレクションを行うことにより、抗体を生成した。2回目の濃縮後、Rapid Pool Maturation「RAPMAT(商標)」(Prassler et al.,Immunotherapy,1(4),571-583,2009)を実施した(RAPMATはMorphoSys AGの登録商標である)。CDRの変動性が非常に多様なセットを、選択した抗体プールにクローン化したため、予備選択した抗体プールの多様性はさらに拡大した。得られた拡張抗体ライブラリーを、ALK2で選出した。このとき、高ストリンジェンシー洗浄条件を使用してさらに2回濃縮し、選出段階では抗原量の減少させ、非特異的抗体を枯渇させるために密接に関連する抗原に対してカウンターセレクションを行った。選出後、濃縮した抗体遺伝子プールをファージディスプレイベクターから細菌発現ベクターにサブクローニングし、以下の表2に示すように最終的なFab抗体フォーマットを決定した。
【0408】
【表2】
【0409】
実施例2-表面プラズモン共鳴(SPR)によるALK2抗体結合親和性の評価
GE Biacore 3000を使用して、抗ALK2抗体(リガンド)とALK2-His/ALK2-mFC(分析物)との間の相互作用の動態を測定した。フローセル1~4を、アミンカップリングキットを使用して、GEの抗ヒト捕捉抗体で固定した。次に、フローセル2~4では抗ALK2タンパク質をチップに捕捉し、フローセル1は、非特異的結合を測定及び減算するための参照セルとして空のままにした。Biacoreで動態アッセイを実施する場合、100共鳴単位(RU)の最大分析物結合応答(RMax)を許容することが最善である。これは、式RMax100=(kDa分析物/kDaリガンド)×固定化リガンドRUによって達成される。フローセル内のリガンドの密度が高すぎると、チップ表面近くの非結合分析物の濃度が人為的に低くなり、結果として得られるセンサーグラムは、リガンドと分析物との間の真の結合を表さなくなってしまう。これは物質移動効果と呼ばれ、チップ表面に結合するリガンドの適切なレベルを計算し、また、40μL/分の高流量を使用することによって防止される。ランニングバッファー及びタンパク質の希釈にはHBS-EP+を使用した。各リガンドは、デュプリケートの濃度系列で実験した。各サイクルの終わりに、チップを再生するため、結合したすべての抗ALK2及び分析物を3M MgCl2で除去した。ForteBio Octet RED384を使用して、fAB-FHフォーマットの一価fAB抗体とALK2-FCとの間の相互作用の動態も測定した。
【0410】
以下の表3に、ForteBio OctetによってALK2-FCに対して測定した抗体1、抗体2、及び抗体3のfABのK値、及びGE BiacoreによってALK2-Hisに対して測定した完全抗体のK値を示す。表4は、GE BiacoreによってALK2-mFCに対して測定した抗体2のK値を示す。表5は、ForteBio Octet RED384を使用して測定した、fAB-FHフォーマットの一価fAB抗体とALK2-FCとの間の相互作用のk、k、及びK値を示す。
【0411】
【表3】
【0412】
【表4】
【0413】
【表5】
【0414】
実施例3-遺伝子ルシフェラーゼレポーターアッセイを使用したALK2抗体の評価
C2C12-BRE-ルシフェラーゼ(SMAD1レポーター)細胞を、96ウェルプレートの2%FBSを添加したDMEMにプレーティングし、3時間以上インキュベーターに入れてプレート表面に順応させた。各fAb変異体について、2%DMEMで希釈系列を作成し、細胞に投与した。残りのウェルは、陽性対照及びバックグラウンドの複製に使用した。次に、細胞を37℃のインキュベーターに45分間入れた。ウェルを、媒体(バックグラウンド値を決定するため)、BMP6(ALK2刺激値を決定するため)、又はfABとそれに続く40ng/mL BMP6(fAbのIC50を決定するため)のいずれかで処理した。BREで刺激したルシフェラーゼの程度を、SMAD1リン酸化の代わりに測定した。プレートを一晩インキュベートした後、Promega Steady Glo及びMolecular Devices Spectramax M5eを使用して読み取った。阻害は、陽性対照ウェルと比較したシグナル損失のパーセントとして計算した。図1A~1Bは、SMAD1ルシフェラーゼレポーターを用いてC2C12細胞で実施した抗ALK2 fABのBMP6阻害用量反応曲線を示す。Graphpad Prismの3及び4パラメータカーブフィットの両方の50%抑制値(IC50)が曲線の横に表示されている。図1Aは、生成した最初の4つのfABからの結果を示し、図1Bは、Rapid Pool Maturationを使用して生成した5つの第2ラウンドfABからの結果を示している。
【0415】
実施例4-IRIDAのマウスモデルにおけるALK2抗体の効果
8週齢のオスのC57BL/6マウスを、媒体又はALK2抗体(5mg/kg抗体2、週2回、腹腔内注射)で処理した。投与開始から6日後、媒体処理マウスに、ルシフェラーゼ(対照)又はTMPRSS6(0.3mg/kg)のいずれかを標的とする脂質カプセル化siRNAを静脈内投与した。TMPRSS6は、ヘモジュベリンを切断することによってヘプシジン分泌を抑制する膜貫通型II型セリンプロテアーゼをコードしており、TMPRSS6の変異がIRIDAのヒト対象で観察されている。ALK2抗体で処理したマウスにTMPRSS6siRNA(0.3mg/kg)を投与した。siRNA投与の48時間後にマウスを安楽死させた。全血を収集し、血液学的パラメータについてアッセイした。図2に示すように、ALK2抗体による治療は、TMPRSS6欠損に関連するヘモグロビンの減少を防ぐ(=p≦0.05;**=p≦0.01)。
【0416】
第2の実験では、8週齢のメスのアルビノC57BL/6マウスに、ルシフェラーゼ(対照)又はTMPRSS6(0.75mg/kg)のいずれかを標的とする脂質カプセル化siRNAを3日ごとに静脈内投与した。TMPRSS6siRNAを投与されたコホートでヘプシジンが増加し、血清ヘモグロビン及び血清鉄が減少する時点まで、マウスはsiRNA処理を受けた。この時点で、マウスをさらにランダム化して、媒体又は抗ALK2抗体(抗体2、5mg/kg、腹腔内投与)のいずれかを投与した。最初のsiRNA投与から12日後にマウスを安楽死させた。全血を収集し、血液学的パラメータについてアッセイした。さらに、血清を収集し、ELISAによりヘプシジン濃度を、そして比色分析により総鉄含有量を分析した。図3Aに示すように、ALK2抗体での処理は、TMPRSS6欠損に関連するヘモグロビン減少を逆転させた(=p≦0.05;**=p≦0.01)。ALK2抗体処理はまた、TMPRSS6欠損に関連する血清ヘプシジンの増加(**=p≦0.01、図3B)及びTMPRSS6欠損に関連する血清鉄の減少(=p≦0.05;**=p≦0.01、図3C)を逆転させた。
【0417】
実施例5-骨粗鬆症のマウスモデルにおけるALK2抗体の効果
C57BL/6マウスに、9週齢で精巣摘除術(ORX)又は偽手術を行った。その後の6週間の回復期間の間に、ORXマウスは骨粗鬆症の表現型を発症し、ORXマウスに媒体又はALK2抗体(5mg/kg抗体2)のいずれかを週2回腹腔内注射した。全身二重X線吸収測定法(Lunar PIXImus、GE Lunar Corp.)を、投与開始から16週間後に実施した。高解像度のデジタル画像をキャプチャし、ヒドロキシアパタイトファントムを参照として、BMD(ソフトウェアバージョン2.10)を決定した。図4に示すように、ALK2抗体で処理されたORXマウスは媒体で処理されたマウスよりもBMDが大きく、ALK2抗体で処理するとBMDが改善するか骨量減少が低下することを示している。
【0418】
実施例6-MOのマウスモデルにおけるALK2抗体の効果
骨軟骨腫の形成に対するALK2抗体の効果は、MOのマウスモデルを使用して決定される。このマウスは、誘導可能かつ軟骨細胞特異的な、ホモ接合性のExt1遺伝子の破壊を有し、P8で授乳中の母動物にドキシサイクリンを単回投与すると、骨軟骨腫の形成は、変異体の100%で観察される。マウスを、P8から始まるALK2抗体(5mg/kg)又は媒体のいずれかの週2回の腹腔内注射を受ける2つの群に分ける。膝関節及び胸郭の骨軟骨腫をモニタリングするために、マイクロCT撮影を毎週実施する。4週間の処理の終わりにマウスを犠死させる。各群の一部から、全身骨格を準備し、画像化の目的でアリザリンレッド及びアルシアンブルーで染色する。残りのマウスでは、後肢と胸郭の軟骨・骨接合部のサンプルを採取する。組織を4%パラホルムアルデヒドで固定し、EDTAで脱灰し、パラフィンに包埋し、5μmの厚さに切断する。次に、サフラニンO/ファストグリーン染色を使用して、軟骨形態の変化と骨軟骨腫の発生を測定する。
【0419】
実施例7-後嚢混濁に対するALK2抗体の効果
白内障手術後の後嚢混濁(PCO)の形成に対するALK2抗体の効果は、損傷誘発性PCOのマウスモデルを使用して決定される。簡単に説明すると、10~16週齢のマウスを、ALK2抗体(5mg/kg)又は媒体のいずれかを、手術前の2週間に週2回投与する2つの群に分ける。白内障手術を麻酔下で行い、瞳孔の1つを2.5%塩酸フェニレフリン及び1%トロピカミドで拡張させる。眼科用メスを使用して、水晶体嚢内に伸びる角膜中央部を切開する。平衡塩類溶液によるハイドロダイセクションを使用して、水晶体嚢から水晶体線維塊を分離し、水晶体線維塊を取り除き、切開を閉じ、前房に平衡塩類溶液を再充填する。各群では、一部のマウスを、手術直後と手術後1、5、及び14日で安楽死させる。マウスには、安楽死させるまで、週に2回ALK2抗体又は媒体のいずれかを投与し続ける。解剖の直前に、動物に麻酔をかけ、角膜の混濁、血管新生の有無、及び瞳孔散大の程度を評価する。解剖時に、手術した眼及び手術していない眼(対照)の両方を採取して包埋し、急速凍結させ、-80°で保存する。次に、炎症細胞、線維性マーカー(αSMA、フィブロネクチン)、及び水晶体線維分化マーカー(Prox1、cMaf)の存在の程度を、免疫組織化学を使用して評価する。
【0420】
実施例8-DIPGのマウス同所性異種移植モデルにおけるALK2抗体の効果
びまん性内在性橋グリオーマ(DIPG)におけるグリオーマの増殖の阻害に対するALK2抗体の効果は、DIPGのマウス同所性異種移植モデルを使用して評価される。このモデルは、HK27M遺伝子及びACRV1遺伝子に変異を含む患者由来の細胞株(HSJD-DIPG-007)を、免疫不全NOD-SCIDマウスの第4心室に移植することを組み込んでいる。この研究の主な結果は、移植を受けた子犬の生存の持続である。簡単に説明すると、3週齢のメスのNOD-SCIDマウスに、定位手術によりHSJD-DIPG-007細胞を移植する。接種後14~21日で、マウスを2つの群にランダムに分け、媒体又はALK2抗体(5mg/kg)を週2回投与する。マウスには接種後21日以内に症状が現れると予想され、介入なしでは平均寿命は約60日と予想される。試験期間中、マウスの体重、健康、及び状態を注意深くモニタリングする。マウスの体重が20%以上減少した場合、又は健康状態の悪化や苦痛の兆候が見られた場合、マウスを安楽死させて試験から除外する。終了後、マウスの脳を注意深く解剖し、後日の組織学的評価のためにホルマリンで固定し、また、HSJD-DIPG-007細胞のインビボ増殖を測定する。
【0421】
実施例9-シェーグレン症候群のマウスモデルにおけるALK2抗体の効果
シェーグレン症候群の症状の改善に対するALK2抗体の効果は、非肥満糖尿病(NOD)自己免疫マウスモデルで決定される。膵島炎に加えて、NODマウスは外分泌腺及び唾液腺に免疫浸潤を発症し、最終的に分泌機能障害を引き起こす。これらのマウスで測定される主要な表現型の結果は、産生される涙液量である。これは、病気の進行と薬理学的介入の有効性の縦断的分析を与えるために毎週テストされる。抗体を腹腔内注射により週2回5mg/kgで投与する。簡単に説明すると、NODマウス(12週齢)のベースラインでの涙液産生を評価し、2つの群にランダム化して、媒体又はALK2抗体のいずれかを8週間投与する。この期間中、マウスの涙液産生を毎週テストする。試験の終了時に、涙腺を採取して、線維症マーカー(MMP9、MMP2、COL1A1、TIMP)及び炎症マーカー(MCP1、IL6、TNF-α)のmRNA発現を評価する。反対側の涙腺を解剖し、炎症及び線維症の組織学的分析のためにホルマリンで固定する。
【0422】
実施例10-心肥大のマウスモデルにおけるALK2抗体の効果
心肥大及び線維症の発症に対するALK2抗体の効果は、アンジオテンシンII(A2)誘発性心肥大マウスモデルを使用して決定される。マウスを、ALK2抗体(5mg/kg)又は媒体のいずれかを週2回、手術前の2週間投与される群、又は手術直後に投与を開始する群に分ける。簡単に説明すると、麻酔をかけたマウスにA2を充填した浸透圧ミニポンプを植え込み、このミニポンプは2週間又は4週間一定量のA2を放出して心肥大を誘発する。2週間又は4週間の終わりに、マウスは鎮静下で心エコー検査を受ける。心臓全体及び左心室(LV)の重量を測定し、LVを半分に分割して、液体窒素又はホルマリン中で保存する。脛骨の長さ(TL)も測定する。心臓重量の変化、心臓重量対TL比、LV重量、及びLV対TL比を評価する。さらに、脳室内中隔及び後壁の厚さ、ならびに心筋細胞の面積及び線維化を測定する。
【0423】
実施例11-ALK2抗体の投与による貧血の治療
本明細書に開示される方法によれば、当技術分野の医師は、ヘモグロビンレベルを増加させ、赤血球数を増加させ、又は鉄欠乏を減少させるように、貧血(例えば、IRIDA又は炎症性貧血)を有するヒト患者などの対象を治療することができる。治療方法は、血液学的パラメータを測定する血液検査に基づいて、治療の候補として対象を診断又は特定することを含み得る。対象を治療するために、当技術分野の医師は、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物を対象に投与することができる。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物は、貧血を治療するために、例えば、非経口注射(例えば、静脈内注射)によって対象に投与され得る。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療有効量、例えば、0.01~500mg/kg(例えば、0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500mg/kg)で投与される。いくつかの実施形態において、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、隔月、月に1回、2週間に1回、又は少なくとも週に1回以上(例えば、週に1、2、3、4、5、6、又は週7回又はそれ以上)投与される。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、ヘモグロビンレベルを増加させ、赤血球数を増加させ、又は鉄欠乏を減少させるのに十分な量で投与される。
【0424】
組成物を患者に投与した後、当技術分野の実践者は、治療に応答した患者の改善を様々な方法でモニタリングすることができる。例えば、医師は血液検査を行うことで、患者のヘモグロビンレベル、赤血球数、又は鉄欠乏をモニタリングできる。組成物の投与前の試験結果と比較して、組成物の投与後に患者が改善されたヘモグロビンレベル、赤血球数、又は鉄欠乏を示すという所見は、患者が治療に好ましく反応していることを示す。必要に応じて、その後の投与量を決定し投与することができる。
【0425】
実施例12-ALK2抗体の投与による骨疾患の治療
本明細書に開示される方法によれば、当技術分野の医師は、骨塩密度を増加させ、骨形成を増加させ、骨吸収(例えば、骨量減少)を減少させ、又は骨折のリスクを低減するように、骨疾患(例えば、骨粗鬆症又は骨減少症)を有するヒト患者などの対象を治療することができる。治療方法は、骨塩密度の標準的な臨床試験(例えば、二重X線吸収測定法)に基づいて、治療の候補として対象を診断又は特定することを含み得る。対象を治療するために、当技術分野の医師は、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物を対象に投与することができる。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物は、骨疾患を治療するために、例えば、非経口注射(例えば、静脈内注射)によって対象に投与され得る。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療有効量、例えば、0.01~500mg/kg(例えば、0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500mg/kg)で投与される。いくつかの実施形態において、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、隔月、月に1回、2週間に1回、又は少なくとも週に1回以上(例えば、週に1、2、3、4、5、6、又は週7回又はそれ以上)投与される。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、骨塩密度を増加させ、骨形成を増加させ、骨吸収を減少させ(例えば、骨量減少)、又は骨折のリスクを減少させるのに十分な量で投与される。
【0426】
組成物を患者に投与した後、当技術分野の実践者は、治療に応答した患者の改善を様々な方法でモニタリングすることができる。例えば、医師は二重X線吸収測定法を行うことで、患者の骨塩密度をモニタリングできる。組成物の投与前の試験結果と比較して、組成物の投与後に患者が骨塩密度の増加、骨形成の増加、骨吸収の減少(例えば、骨量減少)、又は骨折のリスクの減少を示すという所見は、患者が治療に好ましく反応していることを示す。必要に応じて、その後の投与量を決定し投与することができる。
【0427】
実施例13-ALK2抗体の投与によるFOPの治療
本明細書に開示される方法によれば、当技術分野の医師は、異所性骨化を予防又は軽減し、FOPの進行を遅らせ、又はFOPの発症を遅らせるように、FOPを有するヒト患者(例えば、ALK2における機能獲得型変異を有する患者)などの対象を治療することができる。治療の方法は、ALK2の突然変異の遺伝子検査に基づいて、又は放射線イメージング、CT、又はMRIを行うことに基づいて、治療の候補として対象を診断又は特定することを含み得る。対象を治療するために、当技術分野の医師は、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物を対象に投与することができる。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物は、FOPを治療するために、例えば、非経口注射(例えば、静脈内注射)によって対象に投与され得る。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療有効量、例えば、0.01~500mg/kg(例えば、0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500mg/kg)で投与される。いくつかの実施形態において、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、隔月、月に1回、2週間に1回、又は少なくとも週に1回以上(例えば、週に1、2、3、4、5、6、又は週7回又はそれ以上)投与される。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、異所性骨化を減少させ、FOPの進行を遅らせ、又はFOPの発症を遅らせるのに十分な量で投与される。
【0428】
組成物を患者に投与した後、当技術分野の実践者は、治療に応答した患者の改善を様々な方法でモニタリングすることができる。例えば、医師は、放射線撮影、CT、及び/又はMRIを使用して、患者の異所性骨化又は疾患の進行をモニタリングできる。組成物の投与前の試験結果と比較して、組成物の投与後に患者が異所性骨化の減少(例えば、異所性骨化の量又は追加の異所性骨の形成の減少)、異所性骨化が発症しないこと、又はFOPの発症の遅延又は進行の緩慢化を示すという所見は、患者が治療に好ましく反応していることを示す。必要に応じて、その後の投与量を決定し投与することができる。
【0429】
実施例14-ALK2抗体の投与によるシェーグレン症候群の治療
本明細書に開示される方法によれば、当技術分野の医師は、シェーグレン症候群の1つ又は複数の症状(例えば、ドライアイ、口渇、眼の刺激、かすみ目、涙腺の線維症、涙腺の炎症、全身性炎症、関節痛、又は倦怠感)を改善し又は軽減するように、シェーグレン症候群を有するヒト患者などの対象を治療することができる。対象を治療するために、当技術分野の医師は、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物を対象に投与することができる。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物は、シェーグレン症候群を治療するために、例えば、非経口注射(例えば、静脈内注射)によって対象に投与され得る。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療有効量、例えば、0.01~500mg/kg(例えば、0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500mg/kg)で投与される。いくつかの実施形態において、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、隔月、月に1回、2週間に1回、又は少なくとも週に1回以上(例えば、週に1、2、3、4、5、6、又は週7回又はそれ以上)投与される。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、シェーグレン症候群の1つ以上の症状を(例えば、涙液又は唾液の産生を増加させることにより、例えば、ドライアイ、口渇、眼の刺激、かすみ目、涙腺の線維症、涙腺の炎症、全身性炎症、関節痛、又は倦怠感を)改善し又は軽減するのに十分な量で投与される。
【0430】
組成物を患者に投与した後、当技術分野の実践者は、治療に応答した患者の改善を様々な方法でモニタリングすることができる。例えば、医師は、涙液の産生(例えば、涙液産生量)、唾液の産生、視覚、眼の刺激、涙腺の炎症又は線維症、又は関節痛や倦怠感についての患者の報告を評価することによって、シェーグレン症候群の患者の症状をモニタリングすることができる。組成物の投与前の症状と比較して、組成物の投与後に患者がシェーグレン症候群の1つ以上の症状(例えば、ドライアイ、口渇、眼の刺激、かすみ目、涙腺の線維症、涙腺の炎症、全身性炎症、関節痛、又は倦怠感)の軽減を示すという所見は、患者が治療に好ましく反応していることを示す。必要に応じて、その後の投与量を決定し投与することができる。
【0431】
実施例15-ALK2抗体の投与によるMOの治療
本明細書に開示される方法によれば、当技術分野の医師は、骨軟骨腫の形成を予防又は低減し、骨軟骨腫のサイズを低減し、骨軟骨腫の数を低減し、又は骨軟骨腫の成長を遅らせるように、MOを有するヒト患者などの対象を治療することができる。治療方法は、EXT1又はEXT2における突然変異の遺伝子検査に基づいて、又は放射線イメージング、CT、又はMRIを実行することに基づいて、治療の候補として対象を診断又は特定することを含み得る。対象を治療するために、当技術分野の医師は、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物を対象に投与することができる。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物は、MOを治療するために、例えば、非経口注射(例えば、静脈内注射)によって対象に投与され得る。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療有効量、例えば、0.01~500mg/kg(例えば、0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500mg/kg)で投与される。いくつかの実施形態において、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、隔月、月に1回、2週間に1回、又は少なくとも週に1回以上(例えば、週に1、2、3、4、5、6、又は週7回又はそれ以上)投与される。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、骨軟骨腫の形成を低減し、骨軟骨腫のサイズを低減し、骨軟骨腫の数を低減し、又は骨軟骨腫の成長を遅らせるのに十分な量で投与される。
【0432】
組成物を患者に投与した後、当技術分野の実践者は、治療に応答した患者の改善を様々な方法でモニタリングすることができる。例えば、医師は、放射線撮影、CT、及び/又はMRIを使用して、患者の骨軟骨腫の成長、数、又はサイズをモニタリングすることができる。組成物の投与前の試験結果と比較して、又は未治療の対象と比較して、組成物の投与後に患者が骨軟骨腫形成の減少(例えば、新しい骨軟骨腫を形成しないか、又は未治療の対象又は治療前の骨軟骨腫形成と比較して骨軟骨腫の形成が少ない)、骨軟骨腫サイズの減少、骨軟骨腫数の減少、又は骨軟骨腫成長の遅延を示すという所見は、患者が治療に好ましく反応していることを示す。必要に応じて、その後の投与量を決定し投与することができる。
【0433】
実施例16-ALK2抗体の投与によるDIPGの治療
本明細書に開示される方法によれば、当技術分野の医師は、生存時間を改善し、腫瘍増殖を低減し、腫瘍のサイズ又は体積を低減し、又は腫瘍転移を予防又は低減するように、DIPGを有するヒト患者などの対象を治療することができる。治療方法は、ALK2の活性化変異の遺伝子検査に基づいて、治療の候補として対象を診断又は特定することを含み得る。対象を治療するために、当技術分野の医師は、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物を対象に投与することができる。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物は、例えば、非経口注射(例えば、静脈内注射)によって、又は中枢神経系への局所投与(例えば、脳室内注射、髄腔内注射、又は大槽内注射)によって、対象に投与され得る。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療有効量、例えば、0.01~500mg/kg(例えば、0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500mg/kg)で投与される。いくつかの実施形態において、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、隔月、月に1回、2週間に1回、又は少なくとも週に1回以上(例えば、週に1、2、3、4、5、6、又は週7回又はそれ以上)投与される。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、生存時間を改善し、腫瘍増殖を減少させ、腫瘍のサイズ又は体積を減少させ、又は腫瘍転移を予防又は減少させるのに十分な量で投与される。
【0434】
組成物を患者に投与した後、当技術分野の実践者は、治療に応答した患者の改善を様々な方法でモニタリングすることができる。例えば、医師は、イメージング(例えば、MRI)を使用して、患者の生存時間や腫瘍のサイズ、増殖、又は転移をモニタリングすることができる。患者が、未治療の対象と比較して、又は投与前の対象における腫瘍増殖、サイズ、又は転移と比較して、腫瘍増殖の減少、腫瘍のサイズ又は体積の減少、腫瘍転移の減少、又は生存期間の増加を示すという所見は、患者が治療に好ましく反応していることを示す。必要に応じて、その後の投与量を決定し投与することができる。
【0435】
実施例17-ALK2抗体の投与によるPCOの治療又は予防
本明細書に開示される方法によれば、当技術分野の医師は、PCOの発症を予防し、PCOを軽減し、視力を改善し(例えば、ぼやけた又は曇った視力を軽減し)、光感受性又はまぶしさを軽減し、線維症(例えば、後嚢上又はその付近、例えば、移植された水晶体付近の線維症)を軽減又は予防し、水晶体線維の分化を軽減又は予防し、水晶体上皮細胞の増殖の減少させ又は阻害し、又は眼の炎症を軽減又は予防するように、PCOを有するか又は発症するリスクのあるヒト患者などの対象(例えば、PCOを有する患者又は白内障手術を受けたか、又は間もなく白内障手術を受けることになっている患者、例えば、6ヵ月、5ヵ月、4ヵ月、3ヵ月、2ヵ月、1ヵ月、2週、1週間、又はそれよりも近いうちに白内障手術を受ける予定である患者)を治療することができる。対象を治療するために、当技術分野の医師は、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物を対象に投与することができる。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物は、PCOを治療するために、例えば、非経口注射(例えば、静脈内注射)又は眼への投与(例えば、眼内注射又は局所投与)によって対象に投与され得る。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療有効量、例えば、0.01~500mg/kg(例えば、0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500mg/kg)で投与される。いくつかの実施形態において、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、隔月、月に1回、2週間に1回、又は少なくとも週に1回以上(例えば、週に1、2、3、4、5、6、又は週7回又はそれ以上)投与される。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、PCOの発症を予防し、PCOを軽減し、視力を改善し(例えば、ぼやけた又は曇った視力を軽減し)、光感受性又はまぶしさを軽減し、線維症(例えば、後嚢上又はその付近の、例えば、移植された水晶体付近の線維症)を軽減又は予防し、水晶体線維の分化を低減又は予防し、水晶体上皮細胞増殖を低減又は阻害し、又は眼の炎症を軽減又は予防するのに十分な量で投与される。
【0436】
組成物を患者に投与した後、当技術分野の実践者は、治療に応答した患者の改善を様々な方法でモニタリングすることができる。例えば、医師は患者の視力、光感受性やまぶしさ、後嚢の不透明度、又は眼の炎症をモニタリングすることができる。未治療の対象と比較して、又は治療前の患者の測定値と比較して、組成物の投与後に患者がPCOを発症しないか、視力の改善、光感受性又はまぶしさの低下、線維症の軽減、又は眼の炎症の軽減を示すという所見は、患者が治療に好ましく反応していることを示す。必要に応じて、その後の投与量を決定し投与することができる。
【0437】
実施例18-ALK2抗体の投与による心肥大及び/又は心臓線維症の治療
本明細書に開示される方法によれば、当技術分野の医師は、心肥大又は心臓線維症の発症を遅らせるか又は予防し、心臓線維症を逆転させ、心臓瘢痕形成を減少させ又は阻害し、心臓再生を増加又は誘発し、又は心肥大又は心臓線維症の1つ以上の症状の改善する(例えば、運動能力の向上、血液駆出量の増加、左心室拡張末期圧の低下、肺毛細血管楔入圧の低下、心拍出量の増加、心係数の増加、肺動脈圧の低下、左心室の収縮末期及び拡張期の寸法の減少、左心室及び右心室の壁応力の減少、壁張力及び/又は壁の厚さの減少、心筋収縮性の増加、心筋細胞の細胞外マトリックス沈着の減少、又は線維化の減少)ように、心肥大及び/又は心臓線維症を有するヒト患者などの対象を治療することができる。対象を治療するために、当技術分野の医師は、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物を対象に投与することができる。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)を含む組成物は、心肥大及び/又は心臓線維症を治療するために、例えば、非経口注射(例えば、静脈内注射)によって対象に投与され得る。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、治療有効量、例えば、0.01~500mg/kg(例えば、0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500mg/kg)で投与される。いくつかの実施形態において、ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、隔月、月に1回、2週間に1回、又は少なくとも週に1回以上(例えば、週に1、2、3、4、5、6、又は週7回又はそれ以上)投与される。ALK2抗体又はその抗原結合フラグメント(例えば、ALK2結合フラグメント)は、心肥大又は心臓線維症の発症を遅らせ又は予防し、心臓線維症を逆転させ、心臓瘢痕形成を低減又は阻害し、心臓の再生を増加又は誘導し、又は心肥大又は心臓線維症の1つ以上の症状を改善する(例えば、運動能力の向上、血液駆出量の増加、左心室拡張末期圧の低下、肺毛細血管楔入圧の低下、心拍出量の増加、心係数の増加、肺動脈圧の低下、左心室の収縮末期及び拡張期の寸法の減少、左心室及び右心室の壁応力の減少、壁張力及び/又は壁の厚さの減少、心筋収縮性の増加、心筋細胞の細胞外マトリックス沈着の減少、又は線維化の減少)のに十分な量で投与される。
【0438】
組成物を患者に投与した後、当技術分野の実践者は、治療に応答した患者の改善を様々な方法でモニタリングすることができる。例えば、医師は、心肥大又は心臓線維症の患者の症状(例えば、運動能力、血液駆出量、左心室拡張末期圧、肺毛細血管楔入圧、心拍出量、心係数、肺動脈圧、左心室の収縮末期及び拡張期の寸法、左心室及び右心室の壁応力、壁張力及び/又は壁の厚さ、又は心筋収縮性)を、ストレステスト、心エコー検査、MRI、又は他のアプローチを使用してモニタリングすることができる。組成物の投与前の試験結果と比較して、又は未治療の対象と比較して、組成物の投与後に患者が心臓線維症の減少、心臓再生の増加、又は心肥大又は心臓線維症の1つ以上の症状の改善(例えば、運動能力の向上、血液駆出量の増加、左心室拡張末期圧の低下、肺毛細血管楔入圧の低下、心拍出量の増加、心係数の増加、肺動脈圧の低下、左心室の収縮末期及び拡張期の寸法の減少、左心室及び右心室の壁応力の減少、壁張力及び/又は壁の厚さの減少、心筋収縮性の増加、心筋細胞の細胞外マトリックス沈着の減少、又は線維化の減少)を示すという所見は、患者が治療に好ましく反応していることを示す。必要に応じて、その後の投与量を決定し投与することができる。
【0439】
他の実施形態
本発明をその特定の実施形態に関して説明してきたが、それはさらなる修正が可能であり、本願は、概して、本発明の原理に従った本発明の任意の変形、使用、又は適合を包含することを意図していることが理解されよう。本開示からのそのような逸脱を含むことは、本発明が関係する当技術分野内の既知の又は慣習的な慣行の範囲内であり、前述の本質的な特徴に適用することができる。
【0440】
すべての刊行物、特許、及び特許出願は、個々の刊行物、特許、又は特許出願の全体が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0441】
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【配列表】
2024114820000001.app
【手続補正書】
【提出日】2024-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメントであって:(1)軽鎖可変ドメインであって、SGSSSNIGSNYVS(配列番号1)及びSGDX(配列番号2、ここで、XはS又はNであり、XはI又はLであり、XはP、G、又はRであり、XはS、T、又はKであり、XはF、K、又はYであり、XはF、Y、又はSであり、XはA又はVであり、XはS、Y、又はHである)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域(CDR)1;アミノ酸配列XIYXRPS(配列番号3、ここで、XはV又はLであり、XはV又はLであり、XはK、R、G又はYであり、XはN又はDであり、XはN又はSであり、XはH、N、D、又はKである)を含む軽鎖CDR2;及びASWDHSDRFYV(配列番号4)、YVTAPWKSIW(配列番号5)、YSADAQQMKA(配列番号6)、QVYASVHRM(配列番号7)、及びQTYDWSHFGW(配列番号8)から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む軽鎖可変ドメイン;及び(2)アミノ酸配列GXTFXSX(配列番号9、ここで、XはG又はFであり、XはS又はNであり、XはY、H、S、又はAであり、XはG又はAであり、XはV、M、又はIであり、XはS又はHである)を含む重鎖CDR1;WMGXIIPXFGXANYAQKFQG(配列番号10、ここで、XはG又はRであり、XはH又はDであり、XはI又はTである)、WVGRIKSKXDXTTDYAAPVKG(配列番号11、ここで、XはA又はRであり、XはS又はGであり、XはG又はYである)、及びWVSVISSDGGSTYYADSVKG(配列番号12)から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2;及びEIGSLDI(配列番号13)、DYGVAFAY(配列番号14)、DYGGLKFDY(配列番号15)、GPTQAIHYFAY(配列番号16)、及びAGFILGSLGVAWMDV(配列番号17)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を含む重鎖可変ドメインを含む、単離された抗体、又はそのALK2結合フラグメント。