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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114838
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】救護支援装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240816BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024102885
(22)【出願日】2024-06-26
(62)【分割の表示】P 2022576279の分割
【原出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】冬野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】春山 昌司
(72)【発明者】
【氏名】片山 敦
(72)【発明者】
【氏名】土屋 直之
(57)【要約】
【課題】被救護者と救護者とのマッチングの精度を向上させること。
【解決手段】救護支援装置は、被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録手段と、所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付手段と、救護要求にかかる被救護者の情報開示条件と、救護対応条件とに基づいて、複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択手段と、選択した救護者の携帯端末へ、被救護者の救護要請を通知する通知手段と、を備え、情報開示条件は、救護者に対して追加で支払可能な謝礼金額を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録手段と、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付手段と、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択手段と、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する通知手段と、
を備え、
前記情報開示条件は、前記救護者に対して追加で支払可能な謝礼金額を含む
救護支援装置。
【請求項2】
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録手段と、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付手段と、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択手段と、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する通知手段と、
を備え、
前記救護対応条件は、前記救護者への報酬条件を含む
救護支援装置。
【請求項3】
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録手段と、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付手段と、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択手段と、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する通知手段と、
を備え、
前記通知手段は、前記救護要請に対する前記携帯端末からの応答に応じた通知内容を救急機関サーバへ通知し、
前記受付手段は、
前記救護要請を受理した前記救護者の前記携帯端末から、前記被救護者を搬送する車両の車両情報及び当該携帯端末の位置情報を受け付け、
前記通知手段は、
前記車両情報を含めた前記車両の緊急車両の許可申請を前記救急機関サーバへ通知し、
前記車両が緊急車両として許可された場合、前記位置情報から前記被救護者の搬送先までの間、前記車両を優先して通行させるための信号機制御の依頼を、所定の信号機制御システムへ送信する
救護支援装置。
【請求項4】
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録し、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付け、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択し、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知し、
前記情報開示条件は、前記救護者に対して追加で支払可能な謝礼金額を含む
救護支援方法。
【請求項5】
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録し、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付け、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択し、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知し、
前記救護対応条件は、前記救護者への報酬条件を含む
救護支援方法。
【請求項6】
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録し、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付け、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択し、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する救護支援方法であって、
前記救護要請に対する前記携帯端末からの応答に応じた通知内容を救急機関サーバへ通知し、
前記救護要請を受理した前記救護者の前記携帯端末から、前記被救護者を搬送する車両の車両情報及び当該携帯端末の位置情報を受け付け、
前記車両情報を含めた前記車両の緊急車両の許可申請を前記救急機関サーバへ通知し、
前記車両が緊急車両として許可された場合、前記位置情報から前記被救護者の搬送先までの間、前記車両を優先して通行させるための信号機制御の依頼を、所定の信号機制御システムへ送信する
救護支援方法。
【請求項7】
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録処理と、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付処理と、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択処理と、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する通知処理と、
をコンピュータに実行させ、
前記情報開示条件は、前記救護者に対して追加で支払可能な謝礼金額を含む
救護支援プログラム。
【請求項8】
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録処理と、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付処理と、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択処理と、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する通知処理と、
をコンピュータに実行させ、
前記救護対応条件は、前記救護者への報酬条件を含む
救護支援プログラム。
【請求項9】
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録処理と、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付処理と、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択処理と、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する通知処理と、
をコンピュータに実行させ、
前記通知処理は、前記救護要請に対する前記携帯端末からの応答に応じた通知内容を救急機関サーバへ通知し、
前記受付処理は、
前記救護要請を受理した前記救護者の前記携帯端末から、前記被救護者を搬送する車両の車両情報及び当該携帯端末の位置情報を受け付け、
前記通知処理は、
前記車両情報を含めた前記車両の緊急車両の許可申請を前記救急機関サーバへ通知し、
前記車両が緊急車両として許可された場合、前記位置情報から前記被救護者の搬送先までの間、前記車両を優先して通行させるための信号機制御の依頼を、所定の信号機制御システムへ送信する
救護支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、救護支援装置、救護支援システム、救護支援方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関し、特に、被救護者の救護を支援するための救護支援装置、救護支援システム、救護支援方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、不要な救急搬送の急増により、本来、優先度の高い被救護者に対する救護や救急搬送が遅れる場合が増えている。そのため、消防局以外に地域ごとに緊急の救護や搬送を手助けするサービスの必要性が高まっている。
【0003】
特許文献1には、救助要請支援装置に関する技術が開示されている。特許文献1にかかる救助要請支援サーバは、要救助者からの救助要請要求に応じて、要救助者の現在位置に基づいて、予め登録された救助候補者の中から救助者を選定する。救助要請支援サーバは、選定された救助者の端末に、要救助者の現在位置を含めた救助要請通知を送信する。併せて、救助要請支援サーバは、消防指令センタに対して緊急通報を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-034361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る技術では、被救護者と救護者とのマッチングの精度が不十分であった。救護者は救急救命の専任者ではなく、スキルや対応可能な時間帯にバラつきがあるためである。また、被救護者も救護者に対する要望があるためである。
【0006】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、被救護者と救護者とのマッチングの精度を向上させるための救護支援装置、システム及び方法並びに非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様にかかる救護支援装置は、
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録手段と、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付手段と、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択手段と、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する通知手段と、
を備える。
【0008】
本開示の第2の態様にかかる救護支援システムは、
救護支援装置と、
救急機関サーバと、を備え、
前記救護支援装置は、
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録手段と、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付手段と、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択手段と、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する通知手段と、
を備え、
前記通知手段は、前記救護要請に対する前記携帯端末からの応答に応じた通知内容を前記救急機関サーバへ通知し、
前記救急機関サーバは、前記通知内容に応じた処理を行う。
【0009】
本開示の第3の態様にかかる救護支援方法は、
コンピュータが、
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録し、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付け、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択し、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する。
【0010】
本開示の第4の態様にかかるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体は、
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録処理と、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付処理と、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択処理と、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する通知処理と、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示により、被救護者と救護者とのマッチングの精度を向上させるための救護支援装置、システム及び方法並びに非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態1にかかる救護支援装置の構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態1にかかる救護支援方法の流れを示すフローチャートである。
図3】本実施形態2にかかる救護支援システムの全体構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態2にかかる認証装置の構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態2にかかる顔情報登録処理の流れを示すフローチャートである。
図6】本実施形態2にかかる認証装置による顔認証処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本実施形態2にかかる救護支援装置の構成を示すブロック図である。
図8】本実施形態2にかかる被救護者の事前登録画面の例を示す図である。
図9】本実施形態2にかかる自治体消防局連携画面の例を示す図である。
図10】本実施形態2にかかる救護者の事前登録画面の例を示す図である。
図11】本実施形態2にかかる消防局サーバの構成を示すブロック図である。
図12】本実施形態2にかかる救護支援装置の救護支援処理の流れを示すフローチャートである。
図13】本実施形態2にかかる救護支援処理の流れを示すシーケンス図である。
図14】本実施形態2にかかる救護要請表示画面の例を示す図である。
図15】本実施形態2にかかる救護要請の回答画面の例を示す図である。
図16】本実施形態2にかかる被救護者の救護待ち画面の例を示す図である。
図17】本実施形態2にかかる被救護者のお礼入力画面の例を示す図である。
図18】本実施形態2にかかる救護者のお礼確認画面の例を示す図である。
図19】本実施形態3にかかる救護支援システムの全体構成を示すブロック図である。
図20】本実施形態3にかかる消防局サーバの構成を示すブロック図である。
図21】本実施形態3にかかる救急搬送処理の流れを示すシーケンス図である。
図22】本実施形態3にかかる信号機制御の概念を説明するための図である。
図23】本実施形態4にかかる救護支援システムの全体構成を示すブロック図である。
図24】本実施形態4にかかる救護支援装置の構成を示すブロック図である。
図25】本実施形態4にかかる救急搬送処理の流れを示すシーケンス図である。
図26】搬送先候補の表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0014】
<実施形態1>
図1は、本実施形態1にかかる救護支援装置1の構成を示すブロック図である。救護支援装置1は、被救護者の救護を支援するためのコンピュータである。ここで、救護支援装置1は、通信ネットワーク(不図示、以降、通信ネットワークを単にネットワークとも称する)を介して、被救護者が所持する情報端末及び複数の救護候補者のそれぞれが所持する複数の携帯端末と接続されている。尚、ネットワークは、有線か無線であるかを問わないし、通信プロトコルの種別を問わない。
【0015】
救護支援装置1は、登録部11と、受付部12と、選択部13と、通知部14とを備える。登録部11は、被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する。尚、登録部11は、情報開示条件と救護対応条件とを同一又は異なる記憶装置に格納するものとする。そして、当該記憶装置は、救護支援装置1に内蔵されているか、直接又はネットワークを介して救護支援装置1と接続されたものであればよい。また、情報開示条件とは、被救護者に関する情報について、救護候補者に対して開示を許可する情報や開示先に関する定義情報である。被救護者に関する情報とは、個人情報、健康情報、救護の希望条件等を含むものであってもよい。また、救護対応条件とは、各救護候補者が対応可能な救護内容や希望する被救護者の条件等の定義情報である。
【0016】
受付部12は、所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける。ここで、救護要求には、情報端末の現在位置を示す位置情報を含んでも良い。また、救護要求には、情報端末の識別情報、又は、被救護者の本人特定情報を含んでも良い。
【0017】
選択部13は、救護要求にかかる被救護者の情報開示条件と、救護対応条件とに基づいて、複数の救護候補者の中から救護者を選択する。
【0018】
通知部14は、選択した救護者の携帯端末へ、被救護者の救護要請を通知する。ここで、救護要請には、被救護者の現在位置や情報開示条件を満たす情報を含めても良い。
【0019】
図2は、本実施形態1にかかる救護支援方法の流れを示すフローチャートである。まず、登録部11は、被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する(S11)。例えば、登録部11は、被救護者の情報端末から情報開示条件を受信し、所定の記憶装置に登録する。また、登録部11は、各救護候補者の携帯端末から救護対応条件を受信し、所定の記憶装置に登録する。
【0020】
次に、受付部12は、所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける(S12)。そして、選択部13は、救護要求にかかる被救護者の情報開示条件と、救護対応条件とに基づいて、複数の救護候補者の中から救護者を選択する(S13)。その後、通知部14は、選択した救護者の携帯端末へ、被救護者の救護要請を通知する(S14)。
【0021】
本実施形態にかかる救護支援装置1は、緊急時に救護を求めるユーザである被救護者と、条件付きで被救護者を救護することが可能である救護候補者とを対象とするものである。特に、救護候補者は、救急救命の専任者ではなく、スキルや対応可能な時間帯にバラつきがあるものとする。救護支援装置1は、被救護者から入力された情報開示条件を予め登録する。また、救護支援装置1は、複数の救護候補者のそれぞれから入力された救護対応条件を予め登録する。そして、救護支援装置1は、救護要請に応じて情報開示条件と救護対応条件とを満たす救護者を、複数の救護候補者の中から選択する。そのため、本実施形態では、救護要請にかかる被救護者と各救護候補者の双方の要望を満たすことができる。例えば、被救護者は、救護要請のために自身の情報を開示する対象者として所定のスキルを有する救護候補者を指定できる。つまり、情報開示条件に救護候補者のスキル等を指定してもよい。そのため、救護支援装置1は、複数の救護候補者の中から、救護要求にかかる被救護者が指定した情報開示条件を満たす者を救護者として選択できる。よって、被救護者の要望を満たす救護者を選択できる。また、救護候補者は、自身が対応可能な救護内容や時間帯を救護対応条件として指定できる。そのため、救護候補者は、救護支援装置1により救護者として救護要請される場合には、自身の救護対応条件を満たす場合となる。よって、被救護者と救護者とのマッチングの精度を向上させることができる。そして、救護支援装置1は、このように選択された救護者の携帯端末へ救護要請を通知する。そのため、救護を効果的に支援できる。
【0022】
尚、救護支援装置1は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えるものである。また、当該記憶装置には、本実施形態にかかる救護支援方法の処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。そして、当該プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムを前記メモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行する。これにより、前記プロセッサは、登録部11、受付部12、選択部13及び通知部14の機能を実現する。
【0023】
または、登録部11、受付部12、選択部13及び通知部14は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0024】
また、救護支援装置1の各構成要素の一部又は全部が複数の救護支援装置や回路等により実現される場合には、複数の救護支援装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、救護支援装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、救護支援装置1の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0025】
<実施形態2>
本実施形態2は、上述した実施形態1の具体例である。図3は、本実施形態2にかかる救護支援システム1000の全体構成を示すブロック図である。救護支援システム1000は、被救護者U1に対する救護を、複数の救護候補者U21からU2m(mは2以上の自然数。)や救急隊員により行うことを支援するための情報システムである。救護支援システム1000は、情報端末100、認証装置200、救護支援装置300、携帯端末41、42、・・・及び4m、並びに、消防局サーバ500を備える。情報端末100、認証装置200、救護支援装置300、携帯端末41、42、・・・及び4m、並びに、消防局サーバ500のそれぞれは、ネットワークNを介して接続される。ここで、ネットワークNは、有線又は無線の通信回線、例えばインターネットである。
【0026】
尚、以下の説明では、被救護者の本人特定処理のための認証を生体認証の一例である顔認証とし、本人特定情報を生体情報の一例である顔特徴情報とする。但し、生体認証及び生体情報は撮影画像を利用する他の技術を適用可能である。例えば、生体情報は、指紋、声紋、静脈、網膜、瞳の虹彩の模様(パターン)といった個人に固有の身体的特徴から計算されるデータ(特徴量)を用いても構わない。また、本人特定処理は生体認証以外であってもよく、本人特定情報も生体情報以外であってもよい。
【0027】
被救護者U1は、緊急時に救護を求める人物である。被救護者U1は、例えば、高齢者や持病保持者である。被救護者U1は、情報端末100を所持している。情報端末100は、例えば、被救護者U1が装着する携帯型端末(ウェアラブルデバイス、バイタル端末)であるか、被救護者U1が操作する携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末等である。情報端末100は、救護支援装置300との通信を行うためのアプリケーションがインストールされ、当該アプリケーションが動作しているものとする。
【0028】
情報端末100は、被救護者U1により入力された個人情報、健康情報、条件情報等を含む登録要求を、ネットワークNを介して救護支援装置300へ送信する。個人情報は、被救護者U1の氏名、住所、生年月日、性別、同居家族の情報、身分証明書、障害者又は要介護者情報、支払手段情報、生体情報等である。支払手段情報は、クレジットカード情報や金融機関の引き落とし口座情報であればよい。生体情報は、被救護者U1の顔を含む領域が撮影された顔画像であってもよい。健康情報は、被救護者U1の既往歴(心筋梗塞等)、アレルギーに関する情報(甲殻類等)、血液型等である。また、健康情報は、バイタル情報を含んでも良い。バイタル情報は、例えば、体表温度、血圧、心拍数等である。条件情報は、救護要求の通知条件、開示情報種別及び開示先属性等を含む。開示情報種別は、被救護者U1が救護候補者に対して開示を許可する被救護者U1に関する情報(被救護者情報)の種別である。開示先属性は、被救護者情報の開示先とする被救護者の属性情報である。また、条件情報は、救護者に対して追加で支払い可能な謝礼金額等を含んでも良い。尚、上記登録要求は、情報端末100以外の情報処理装置により行われていても良い。
【0029】
情報端末100は、GPS(Global Positioning System)衛星(不図示)等から定期的にGPS情報を受信することにより、GPS情報を現在位置を示す位置情報として取得する。情報端末100は、所定の通知条件を満たす場合に、被救護者U1の救護要求(アラート)をネットワークNを介して救護支援装置300へ送信する。救護要求には、情報端末100の現在位置と被救護者U1の本人特定情報とが含まれる。尚、本人特定情報は、被救護者U1の生体情報やユーザID等の識別情報であってもよい。または、救護要求には、本人特定情報の代わりに、情報端末100の識別情報やIP(Internet Protocol)アドレス等の端末識別情報を含めても良い。また、救護要求には、以下で計測されたバイタル情報を含めても良い。
【0030】
情報端末100がバイタル端末である場合、情報端末100は、被救護者U1の健康状態を監視する。例えば、情報端末100は、被救護者U1の体表温度、血圧、心拍数等のバイタル情報を定期的に計測し、計測値が所定条件を満たすか否かを判定する。具体的には、情報端末100は、計測値が所定範囲外であるか否か、所定値以上もしくは所定値以下等を所定条件として判定する。例えば、情報端末100は、計測した心拍数が異常値を示す場合、計測値が所定条件を満たすと判定する。情報端末100は、計測値が所定条件を満たす場合、被救護者U1の健康状態が悪くなった(例えば、体調が急変した)ことを検出する。そして、情報端末100は、計測値が所定条件を満たす場合、所定の通知条件を満たすとし、被救護者U1の救護要求を送信する。
【0031】
または、情報端末100が携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末等である場合、情報端末100は、上述したアプリケーションに対する被救護者U1の操作に応じて、救護要求を送信してもよい。この場合、所定の通知条件は、情報端末100に対する被救護者U1による救護要求の操作となる。例えば、情報端末100は、上述したアプリケーションにより画面に表示されるアラートボタンに対する押下操作を被救護者U1による救護要求の操作としてもよい。尚、被救護者U1は、自身の健康状態に限らず、事故や怪我の際、又は、地震や洪水などで被災し一人で避難できない際等に、救護要求の操作を行っても良い。
【0032】
または、被救護者U1が心臓にペースメーカを装着している場合、情報端末100は、ペースメーカの異常を検出した場合に、所定の通知条件を満たすと判定してもよい。その他、情報端末100は、被救護者U1が一定時間以上、動作しなくなったことや倒れたことを検出した場合に、所定の通知条件を満たすと判定してもよい。尚、情報端末100は、救護要求に事故や怪我の有無を含めてもよい。
【0033】
救護候補者U21、U22、・・・及びU2mは、条件付きで被救護者を救護することが可能である人物である。救護候補者U21等は、例えば、医師、看護師、准看護師、上級救命講習受講者、普通救命講習受講者、車両による支援希望者、自治体の消防防災関係者等である。救護候補者U21等は、例えば、医師や看護師等が勤務時間外(休日や夜間等)に、近所の被救護者の救護を支援することとしてもよい。また、救護候補者U21等の一部は、自家用車等の車両を利用して救護を行っても良い。例えば、救護候補者U22は、車両421を救護に利用できるものとし、救護候補者U2mは、車両4m1を救護に利用できるものとする。
【0034】
救護候補者U21等は、携帯端末41等を所持している。具体的には、救護候補者U21は携帯端末41、救護候補者U22は携帯端末42、・・・救護候補者U2mは携帯端末4mを所持しているものとする。携帯端末41等は、例えば、所持する救護候補者U21等が操作する携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末等である。携帯端末41等は、救護支援装置300との通信を行うためのアプリケーションがインストールされ、当該アプリケーションが動作しているものとする。
【0035】
携帯端末41は、救護候補者U21により入力された個人情報、端末情報、属性情報、救護対応条件等を含む登録要求を、ネットワークNを介して救護支援装置300へ送信する。個人情報は、救護候補者U21の氏名、住所、生年月日、性別、謝礼金の振込先口座情報等である。個人情報は、救護候補者U21の生体情報等の本人特定情報を含んでも良い。端末情報は、携帯端末41の識別情報やIPアドレス等である。属性情報は、救護候補者U21の職業や資格等を示す情報である。属性情報は、医師、看護師、准看護師、上級もしくは普通救命講習受講者を示す情報を含む。また、属性情報は、自動車運転免許を保有することを含んでもよい。救護対応条件は、救護可能な地理的範囲、対応可能な救護内容、時間帯、除外条件、報酬条件等を含む。尚、携帯端末42等についても同様である。尚、上記登録要求は、携帯端末41等以外の情報処理装置により行われていても良い。
【0036】
携帯端末41等は、GPS衛星等から定期的にGPS情報を受信することにより、GPS情報を現在位置を示す位置情報として取得する。携帯端末41等は、定期的に現在位置と端末識別情報又はユーザIDとを含む位置報告を、ネットワークNを介して救護支援装置300へ送信する。尚、ユーザIDは、携帯端末41等による登録要求時に救護候補者U21等に対して発行されたユーザの識別情報である。
【0037】
被救護者U1及び救護候補者U21からUmは、救護支援システム1000のユーザといえる。
【0038】
認証装置200は、複数の人物(ユーザ、被救護者U1等)の顔特徴情報を記憶する情報処理装置である。また、認証装置200は、外部から受信した顔認証要求に応じて、当該要求に含まれる顔画像又は顔特徴情報について、各ユーザの顔特徴情報と照合を行い、照合結果(認証結果)を要求元へ返信する。
【0039】
図4は、本実施形態2にかかる認証装置200の構成を示すブロック図である。認証装置200は、顔情報DB(DataBase)210と、顔検出部220と、特徴点抽出部230と、登録部240と、認証部250とを備える。顔情報DB210は、ユーザID211と当該ユーザIDの顔特徴情報212とを対応付けて記憶する。顔特徴情報212は、顔画像から抽出された特徴点の集合である。尚、認証装置200は、顔特徴情報212の登録ユーザからの要望に応じて、顔特徴DB210内の顔特徴情報212を削除してもよい。または、認証装置200は、顔特徴情報212の登録から一定期間経過後に削除してもよい。
【0040】
顔検出部220は、顔情報を登録するための登録画像に含まれる顔領域を検出し、特徴点抽出部230に出力する。特徴点抽出部230は、顔検出部220が検出した顔領域から特徴点を抽出し、登録部240に顔特徴情報を出力する。また、特徴点抽出部230は、ユーザ端末101等や救護支援装置300等から受信した顔画像に含まれる特徴点を抽出し、認証部250に顔特徴情報を出力する。
【0041】
登録部240は、顔特徴情報の登録に際して、ユーザID211を新規に発行する。登録部240は、発行したユーザID211と、登録画像から抽出した顔特徴情報212とを対応付けて顔情報DB210へ登録する。認証部250は、顔特徴情報212を用いた顔認証を行う。具体的には、認証部250は、顔画像から抽出された顔特徴情報と、顔情報DB210内の顔特徴情報212との照合を行う。認証部250は、照合に成功した場合、照合された顔特徴情報212に対応付けられたユーザID211を特定する。認証部250は、顔特徴情報の一致の有無を顔認証結果として要求元に返信する。顔特徴情報の一致の有無は、認証の成否に対応する。尚、顔特徴情報が一致する(一致有)とは、一致度が閾値以上である場合をいうものとする。また、顔認証結果は、顔認証に成功した場合、特定されたユーザIDを含むものとする。
【0042】
図5は、本実施形態2にかかる顔情報登録処理の流れを示すフローチャートである。ここで、情報登録端末(不図示)は、ユーザの顔を含む身体を撮影し、撮影画像(登録画像)を含む顔情報登録要求をネットワークNを介して認証装置200へ送信する。情報登録端末は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末等の救護支援装置である。例えば、情報登録端末は、情報端末100や携帯端末41等であってもよい。または、情報登録端末は、情報端末100等から顔情報登録要求を受け付けた救護支援装置300であってもよい。
【0043】
まず、認証装置200は、顔情報登録要求に含まれる登録画像を取得する(S21)。例えば、認証装置200は、顔情報登録要求を、情報登録端末からネットワークNを介して受け付ける。次に、顔検出部220は、登録画像に含まれる顔領域を検出する(S22)。次に、特徴点抽出部230は、ステップS22で検出した顔領域から特徴点を抽出し、登録部240に顔特徴情報を出力する(S23)。最後に、登録部240は、ユーザID211を発行し、当該ユーザID211と顔特徴情報212とを対応付けて顔情報DB210に登録する(S24)。なお、認証装置200は、情報登録端末から顔特徴情報212を受信し、ユーザID211と対応付けて顔情報DB210に登録してもよい。また、登録部240は、登録(発行)したユーザIDを情報登録端末や救護支援装置300へ通知してもよい。
【0044】
図6は、本実施形態2にかかる認証装置200による顔認証処理の流れを示すフローチャートである。まず、特徴点抽出部230は、顔認証要求に含まれる認証用の顔画像を取得する(S31)。例えば、認証装置200は、救護支援装置300からネットワークNを介して顔認証要求を受信し、顔認証要求に含まれる顔画像からステップS21からS23のように顔特徴情報を抽出する。または、認証装置200は、救護支援装置300から顔特徴情報を受信してもよい。次に、認証部250は、取得した顔特徴情報を、顔情報DB210の顔特徴情報212と照合する(S32)。顔特徴情報が一致した場合、つまり、顔特徴情報の一致度が閾値以上である場合(S33のYes)、認証部250は、顔特徴情報が一致したユーザのユーザID211を特定し(S34)、顔認証に成功した旨と特定したユーザID211とを救護支援装置300に返信する(S35)。一致する顔特徴情報が存在しない場合(S33のNo)、認証部250は、顔認証に失敗した旨を救護支援装置300に返信する(S36)。
【0045】
図3に戻り説明を続ける。救護支援装置300は、上述した救護支援装置1の一例である。救護支援装置300は、被救護者情報及び救護候補者情報の登録、救護要求に応じた救護者の選択、救護要請の通知、及び、消防局サーバ500への通知を行う情報処理装置である。救護支援装置300は、複数台のサーバに冗長化されてもよく、各機能ブロックが複数台のコンピュータで実現されてもよい。
【0046】
次に、救護支援装置300について詳細に説明する。図7は、本実施形態2にかかる救護支援装置300の構成を示すブロック図である。救護支援装置300は、記憶部310、メモリ320、通信部330及び制御部340を備える。記憶部310は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置の一例である。記憶部310は、プログラム311、被救護者情報312及び救護候補者情報313を記憶する。プログラム311は、本実施形態2にかかる救護支援装置300における救護支援方法の処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0047】
被救護者情報312は、被救護者に関する管理情報である。被救護者情報312は、ユーザID3121、個人情報3122、健康情報3123及び条件情報3124が対応付けられている。被救護者情報312は、ユーザID3121に情報端末100の端末識別情報がさらに対応付けられても良い。ユーザID3121は、被救護者の識別情報であり、本人特定情報の一例である。また、ユーザID3121は、上述した認証装置200の顔情報DB210で管理されるユーザID211と対応するものである。個人情報3122は、上述した情報端末100からの登録要求に含まれる個人情報である。尚、個人情報3122は、生体情報を除いたものであってもよい。健康情報3123は、上述した情報端末100からの登録要求に含まれる健康情報である。また、健康情報3123は、被救護者から定期的に測定されたバイタル情報を含んでも良い。
【0048】
条件情報3124は、上述した情報端末100からの登録要求に含まれる条件情報である。条件情報3124は、上述した情報開示条件の一例である。条件情報3124は、通知条件31241、開示情報種別31242及び開示先属性31243を含む。通知条件31241は、情報端末100が救護要求を通知する条件を定義した情報である。具体的には、通知条件31241は、被救護者U1が装着する情報端末100において検出された被救護者U1のバイタル情報が所定条件を満たす場合を含んでも良い。また、通知条件31241は、情報端末100で動作するアプリケーション上のアラートボタンに対する押下操作を検出した場合を含んでも良い。また、通知条件31241は、ペースメーカの異常を検出した場合を含んでも良い。
【0049】
開示情報種別31242は、被救護者U1が救護候補者に対して開示を許可する被救護者情報の種別である。例えば、開示情報種別31242は、年齢、性別、持病の疾患名、位置情報、かかりつけの医師の情報等である。尚、かかりつけの医師の情報は、被救護者U1のかかりつけの医師が所属する医療機関の名称や位置等の情報である。開示先属性31243は、開示情報種別31242が示す情報種別に対応する被救護者情報の開示先とする被救護者の属性情報である。例えば、開示先属性31243は、上級救命講習受講者、看護師、医師、車両による支援希望者等である。尚、条件情報3124は、上述したように救護者に対して追加で支払い可能な謝礼金額等を含んでも良い。
【0050】
救護候補者情報313は、救護候補者に関する管理情報である。救護候補者情報313は、ユーザID3131、属性情報3132、救護対応条件3133、現在位置3134、端末情報3135、救護履歴3136及び評価情報3137が対応付けられている。ユーザID3131は、救護候補者の識別情報である。属性情報3132は、上述した携帯端末41等からの登録要求に含まれる属性情報である。救護対応条件3133は、救護候補者における対応可能な救護内容である。救護対応条件3133は、上述した携帯端末41等からの登録要求に含まれる救護対応条件である。例えば、対応可能な救護内容は、看護師としての応急処置対応、AED(Automated External Defibrillator)操作、車両での搬送等である。除外条件は、除外する救護内容であり、例えば、事故や怪我の対応等である。報酬条件は、救護者に対して追加で支払われる謝礼の希望額等である。
【0051】
現在位置3134は、上述した携帯端末41等から定期的に受信する携帯端末41等の位置情報である。端末情報3135は、上述した携帯端末41等からの登録要求に含まれる端末情報である。
【0052】
救護履歴3136は、救護候補者が救護を行った履歴情報である。救護履歴3136は、例えば、救護対応の識別情報、被救護者情報、救護者情報、救護状況の経過を示す日時及び救護内容、謝礼金額、評価、被救護者からのコメント等を対応付けた情報である。
【0053】
評価情報3137は、救護候補者に対する被救護者による評価や、被救護者U1が在住する自治体からの評価を示す情報である。評価情報3137は、スコアやレベル値であってもよい。
【0054】
メモリ320は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、制御部340の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部330は、ネットワークNとの通信インタフェースである。
【0055】
制御部340は、救護支援装置300の各構成を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部340は、記憶部310からプログラム311をメモリ320へ読み込ませ、プログラム311を実行する。これにより、制御部340は、登録部341、受付部342、特定部343、選択部344、通知部345及び更新部346の機能を実現する。
【0056】
登録部341は、上述した登録部11の一例である。登録部341は、情報端末100から登録要求を受信した場合、登録要求に含まれる被救護者U1の個人情報から、被救護者U1の生体情報としての顔画像を抽出する。そして、登録部341は、抽出した顔画像を含めた顔情報登録要求を、ネットワークNを介して認証装置200へ送信する。登録部341は、認証装置200からネットワークNを介して、被救護者U1に対して発行されたユーザIDを受信する。そして、登録部341は、受信したユーザID3121と、登録要求に含まれる個人情報3122、健康情報3123及び条件情報3124とを対応付けて被救護者情報312として記憶部310に登録する。
【0057】
また、登録部341は、携帯端末41等から登録要求を受信した場合、登録要求に含まれる個人情報に基づき、救護候補者U21等のユーザIDを発行する。登録部341は、発行したユーザID3131と、登録要求に含まれる個人情報、属性情報3132、救護対応条件3133及び端末情報3135とを対応付けて救護候補者情報313として記憶部310に登録する。尚、登録要求に含まれる個人情報に救護候補者U21等の顔画像が含まれる場合、登録部341は、上記同様に、認証装置200に対して顔情報登録要求を送信し、救護候補者U21等に対して発行されたユーザIDを受信してもよい。
【0058】
図8は、本実施形態2にかかる被救護者の事前登録画面610の例を示す図である。被救護者の事前登録画面610は、情報端末100で動作するアプリケーションにより情報端末100の表示部に表示されたものである。被救護者の事前登録画面610は、特に、情報開示条件を登録する画面例を示す。被救護者の事前登録画面610は、通知条件選択欄611、開示情報種別選択欄612、開示先属性選択欄613及び登録ボタン614を備える。通知条件選択欄611は、情報端末100が救護要求を救護支援装置300へ通知するための通知条件の選択を受け付ける欄である。ここでは、「ウェアラブルデバイスの心拍数の異常値が出たとき」(バイタル情報が所定条件を満たす場合)と「アプリのアラートボタンを押したとき」(アラートボタンに対する押下操作を検出した場合)とが選択されたことを示す。開示情報種別選択欄612は、開示情報種別の選択を受け付ける欄である。ここでは、開示情報種別として「年齢」、「性別」、「持病の疾患名」及び「位置情報」が挙げられているが、これらに限定されない。開示先属性選択欄613は、開示先属性の選択を受け付ける欄である。ここでは、開示先属性として「救命講習受講者」、「看護師」、「車利用の救護者希望」、「医師」が挙げられているが、これらに限定されない。登録ボタン614は、押下された際に、各選択欄で選択された情報を登録するためのボタンである。つまり、情報端末100は、登録ボタン614の押下時に各選択欄で選択済みの項目を含めた登録要求を認証装置200へ送信する。これに応じて、救護支援装置300の登録部341は、受信した登録要求に応じた登録を行う。
【0059】
図9は、本実施形態2にかかる自治体消防局連携画面620の例を示す図である。自治体消防局連携画面620は、情報端末100で動作するアプリケーションにより情報端末100の表示部に表示されたものである。例えば、自治体消防局連携画面620は、被救護者の事前登録画面610で登録ボタン614が押下された後に、表示される。自治体消防局連携画面620は、既存の消防防災システム(例えば、消防局サーバ500)と被救護者及び救護者の情報や救護状況をデータ連携することについての同意を求めるための画面である。自治体消防局連携画面620は、メッセージ表示欄621、非同意ボタン622及び同意ボタン623を備える。メッセージ表示欄621は、データ連携の同意を求めるメッセージの表示欄である。メッセージ表示欄621は、例えば、「通知条件に合致してアラートが出たとき、被救護者及び救護者の情報や救護状況を消防局サーバとデータ連携することに同意しますか?」とのメッセージを表示しているが、これに限定されない。非同意ボタン622は、データ連携に同意しない旨を回答するためのボタンである。つまり、情報端末100は、非同意ボタン622の押下時にデータ連携に同意しない旨を救護支援装置300へ送信する。尚、非同意ボタン622が押下された場合、救護支援システム1000による救護支援を受けることができない。この場合、登録部341は、記憶部310から該当する被救護者U1の被救護者情報312を削除してもよい。同意ボタン623は、データ連携に同意する旨を回答するためのボタンである。つまり、情報端末100は、同意ボタン623の押下時にデータ連携に同意する旨を救護支援装置300へ送信する。この場合、登録部341は、該当する被救護者U1の被救護者情報312にデータ連携同意を示すフラグを追加登録してもよい。
【0060】
図10は、本実施形態2にかかる救護者の事前登録画面630の例を示す図である。救護者の事前登録画面630は、携帯端末41等で動作するアプリケーションにより携帯端末41等の表示部に表示されたものである。救護者の事前登録画面630は、特に、救護対応条件を登録する画面例を示す。救護者の事前登録画面630は、対応内容選択欄631、条件選択欄632、時間帯選択欄633及び登録ボタン634を備える。対応内容選択欄631は、救護候補者U21等が対応可能な救護内容の選択を受け付ける欄である。ここでは、「上級救命講習の人命救助対応」が選択されていることを示す。対応内容選択欄631は、その他、「看護師の初期対応」(看護師としての応急処置対応)、「車で病院まで運ぶ支援のみ」(車両での搬送)が挙げられているが、これらに限定されない。条件選択欄632は、救護対応条件のうち救護候補者U21等が救護可能な地理的範囲、対応可能な報酬条件、除外条件の選択を受け付ける欄である。ここでは、地理的範囲として「1キロ以内等」、報酬条件として「5千円以上」、除外条件として「事故」が選択されていることを示す。時間帯選択欄633は、救護対応条件のうち救護候補者U21等が対応可能な時間帯の選択を受け付ける欄である。ここでは、曜日として「土日」、時間帯として「9:00-18:00」が選択されていることを示す。尚、対応内容選択欄631、条件選択欄632及び時間帯選択欄633の選択項目や選択内容はこれらに限定されない。登録ボタン634は、押下された際に、各選択欄で選択された情報を登録するためのボタンである。つまり、携帯端末41等は、登録ボタン634の押下時に各選択欄で選択済みの項目を含めた登録要求を認証装置200へ送信する。これに応じて、救護支援装置300の登録部341は、受信した登録要求に応じた登録を行う。
【0061】
尚、携帯端末41等は、救護者の事前登録画面630で登録ボタン634が押下された後に、上述した自治体消防局連携画面620相当が表示される。そして、携帯端末41等は、非同意ボタン622又は同意ボタン623が押下された際に、上記同様の処理を行う。つまり、携帯端末41等は、非同意ボタン622の押下時にデータ連携に同意しない旨を救護支援装置300へ送信する。尚、非同意ボタン622が押下された場合、救護支援システム1000は、当該救護候補者U21等を救護者として選択しない。この場合、登録部341は、記憶部310から該当する救護者の救護候補者情報313を削除してもよい。同意ボタン623は、データ連携に同意する旨を回答するためのボタンである。つまり、携帯端末41等は、同意ボタン623の押下時にデータ連携に同意する旨を救護支援装置300へ送信する。この場合、登録部341は、該当する救護候補者U21等の救護候補者情報313にデータ連携同意を示すフラグを追加登録してもよい。
【0062】
図7に戻り説明を続ける。
受付部342は、上述した受付部12の一例である。受付部342は、情報端末100から救護要求を受け付ける。例えば、受付部342は、被救護者U1が装着する情報端末100において検出された被救護者U1のバイタル情報が所定条件を満たす場合に救護要求を受け付ける。このとき、救護要求には、情報端末100において検出された被救護者U1のバイタル情報を含んでも良い。また、受付部342は、後述する通知部345による救護要請に対する携帯端末からの応答を受け付ける。また、受付部342は、携帯端末41等から上述した位置報告を受け付ける。
【0063】
特定部343は、受信した救護要求に含まれる本人特定情報を用いて被救護者を特定する。例えば、本人特定情報がユーザIDである場合、特定部343は、受信した救護要求からユーザIDを抽出する。また、本人特定情報が生体情報である場合、特定部343は、受信した救護要求に含まれる生体情報について、生体認証を行うことにより被救護者U1を特定する。例えば、生体情報が顔画像である場合、特定部343は、顔画像について、認証装置200に対して顔認証を行わせる。そのため、特定部343は、認証制御部と呼んでも良い。具体的には、特定部343は、受信した救護要求から顔画像を抽出する。そして、特定部343は、抽出した顔画像を含めた顔認証要求を、ネットワークNを介して認証装置200へ送信する。尚、特定部343は、顔画像からユーザの顔領域を検出し、顔領域の画像を顔認証要求に含めてもよい。または、特定部343は、顔領域から顔特徴情報を抽出し、顔特徴情報を顔認証要求に含めてもよい。その後、特定部343は、認証装置200からネットワークNを介して、顔認証結果を受信する。そして、特定部343は、顔認証結果が成功を示す場合、顔認証結果に含まれるユーザIDを特定する。尚、救護要求に本人特定情報の代わりに端末識別情報が含まれる場合、特定部343は、被救護者情報312の端末識別情報に対応付けられたユーザID3121を特定する。
【0064】
選択部344は、上述した選択部13の一例である。選択部13は、救護要求にかかる被救護者U1の開示情報種別31242及び開示先属性31243と、属性情報3132及び救護対応条件3133とに基づいて、複数の救護候補者の中から救護者を選択する。具体的には、選択部344は、複数の救護候補者の中から、開示先属性31243に含まれる属性情報により対応可能な救護内容を救護対応条件3133とする救護候補者を救護者として選択するとよい。または、選択部344は、開示先属性31243に含まれる属性情報と一致する属性情報3132の救護候補者を救護者として選択してもよい。
【0065】
また、選択部344は、複数の救護候補者の中から、開示情報種別31242に含まれる情報種別に対応する被救護者情報312が、救護対応条件3133を満たす救護候補者を救護者として選択するとよい。また、選択部344は、救護要求に含まれる現在位置と、各救護候補者の現在位置3134と、救護対応条件3133に含まれる地理的範囲とをさらに加味して、救護者を選択するとよい。また、選択部344は、救護要求に含まれるバイタル情報をさらに加味して、救護者を選択するとよい。
【0066】
また、選択部344は、特定部343により特定された被救護者に対応する条件情報3124を用いて、救護者を選択する。また、選択部344は、複数の消防局の中から、救護要求に含まれる現在位置を管轄とする消防局を選択し、当該消防局に属する消防局サーバ500を選択してもよい。
【0067】
通知部345は、上述した通知部14の一例である。通知部345は、選択部344により選択した救護者の携帯端末へ、被救護者の救護要請を通知する。具体的には、通知部345は、救護候補者情報313の中から、選択部344により選択した救護者の端末情報3135を特定する。また、通知部345は、被救護者U1の開示情報種別31242に含まれる情報を、被救護者情報312の中から取得する。そして、通知部345は、特定した端末情報3135に対応するIPアドレスに対して、被救護者U1に関する取得した情報を含めた救護要請をネットワークNを介して送信する。
【0068】
また、通知部345は、救護要請に対する携帯端末からの応答に応じた通知内容を消防局サーバ500へ通知する。携帯端末からの応答が救護要請に対して受理する旨を示す場合、通知部345は、被救護者U1に関する情報及び受理した救護候補者情報313を通知内容として消防局サーバ500へ通知する。一方、携帯端末からの応答が救護要請に対して不受理の旨を示す場合、通知部345は、被救護者U1に関する情報を通知内容として消防局サーバ500へ通知する。被救護者U1に関する情報は、被救護者情報312と救護要求に含まれる現在位置とを含む。尚、通知部345は、選択部344により選択された消防局サーバ500へ通知するものとする。
【0069】
更新部346は、受付部342が受け付けた位置報告に応じて、該当する救護候補者情報313の現在位置3134を更新する。具体的には、更新部346は、位置報告から現在位置及び端末識別情報等を抽出し、端末識別情報等に対応する救護候補者情報313を特定する。そして、更新部346は、抽出した現在位置を、特定した救護候補者情報313の現在位置3134として更新する。また、更新部346は、救護者の携帯端末から救護完了の旨を受け付けた場合、該当する救護候補者情報313の救護履歴3136を更新する。
【0070】
図3に戻り説明を続ける。
消防局サーバ500は、救急機関サーバの一例であり、被救護者の現在位置を管轄とする消防局で運用される情報処理装置である。消防局サーバ500は、救護要請に対する前記携帯端末からの応答に応じた通知内容を受付、通知内容に応じた処理を行う。具体的には、消防局サーバ500は、救護支援装置300から受信した通知内容を救護状況として登録する。また、消防局サーバ500は、救護中の携帯端末41等から救護状況を受信し、救護状況を更新する。例えば、救護支援装置300において救護要請した携帯端末から受理した旨が受信された場合、消防局サーバ500は、救護支援装置300から被救護者に関する情報及び救護者情報を通知内容(救護状況)として受け付ける。そして、消防局サーバ500は、救護者の携帯端末から、被救護者の状況報告を受け付けた場合、当該状況報告により救護状況を更新する。また、救護支援装置300において救護要請した各携帯端末のいずれからも不受理が受信された場合、消防局サーバ500は、救護支援装置300から被救護者U1に関する情報を通知内容(救護要請)を受信する。そして、消防局サーバ500は、受信した通知内容に基づき、被救護者の救護のために救急車両の出発を指示する。
【0071】
図11は、本実施形態2にかかる消防局サーバ500の構成を示すブロック図である。消防局サーバ500は、記憶部510、メモリ520、通信部530及び制御部540を備える。記憶部510は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置の一例である。記憶部510は、プログラム511及び救護状況情報512を記憶する。プログラム511は、本実施形態2にかかる消防局サーバ500における救護支援方法の処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0072】
救護状況情報512は、救護状況を管理する情報である。救護状況情報512は、被救護者情報5121、救護者情報5122、救護状況5123及び現在位置5124が対応付けられている。被救護者情報5121は、救護支援装置300から通知された被救護者の情報である。救護者情報5122は、救護支援装置300から通知された救護者の情報である。救護状況5123は、被救護者に対する救護者により救護の状況を示す情報である。救護状況5123は、例えば、日時、救護者の救護内容、被救護者の健康状態等を含む。現在位置5124は、救護者の携帯端末の位置情報である。
【0073】
メモリ520は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、制御部540の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部530は、ネットワークNとの通信インタフェースである。
【0074】
制御部540は、消防局サーバ500の各構成を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部540は、記憶部510からプログラム511をメモリ520へ読み込ませ、プログラム511を実行する。これにより、制御部540は、受付部541、更新部542及び許可部543の機能を実現する。
【0075】
受付部541は、救護支援装置300から通知内容を受け付ける。通知内容は、被救護者に関する情報、たとえば、被救護者情報312や被救護者U1の現在位置を含む。特に、救護者が救護を受理した場合、通知内容は、救護候補者情報313を含む。また、受付部541は、救護支援装置300救護中の携帯端末41等から救護状況を受け付ける。特に、受付部541は、救護中の携帯端末41等から現在位置を受け付ける。また、救護支援装置300において救護要請した各携帯端末のいずれからも不受理が受信された場合、受付部541は、救護支援装置300から被救護者U1に関する情報を通知内容(救護要請)を受け付ける。
【0076】
更新部542は、受け付けた通知内容に基づき救護状況情報512を更新する。具体的には、更新部542は、通知内容に含まれる被救護者情報5121、救護者情報5122及び救護状況5123を対応付けて救護状況情報512を生成し、記憶部510に登録する。また、更新部542は、受け付けた救護状況5123及び現在位置5124により救護状況情報512を更新する。
【0077】
許可部543は、救護支援装置300から救護要請を受け付けた場合、通知内容に含まれる被救護者U1の現在位置に基づき、被救護者の救護のために救急車両の出発を指示する。
【0078】
尚、本実施形態2にかかる救護支援装置300とデータ連携を行う救急機関としては、上述した各自治体の消防局以外に救急相談センター(日本国の場合、電話番号#7119でつながる先等)が挙げられる。その場合、消防局サーバ500と共に、又は、消防局サーバ500の代わりに、救急相談センターのサーバを用いても良い。そして、図9で示した自治体消防局連携画面620において、救急相談センターとのデータ連携の非同意又は同意を受け付けても良い。
【0079】
図12は、本実施形態2にかかる救護支援装置300の救護支援処理の流れを示すフローチャートである。まず、受付部342は、情報端末100からネットワークNを介して救護要求を受け付ける(S410)。次に、特定部343は、受け付けた救護要求に基づき、被救護者特定処理を行う(S420)。例えば、特定部343は、上述したように顔認証により被救護者を特定する。または、特定部343は、救護要求に含まれる本人特定情報又は端末識別情報に基づき、上述したように被救護者を特定する。
【0080】
続いて、選択部344は、特定した被救護者の被救護者情報312と、救護対応条件3133とに基づき救護者を選択する(S430)。ここで、条件情報3124及び救護対応条件3133を満たす救護候補者が複数存在する場合、選択部344は、条件の一致度がより高い救護候補者を救護者として選択するものとする。例えば、選択部344は、救護候補者U21を選択したものとする。そして、通知部345は、選択した救護者U21の携帯端末41へ救護要請を通知する(S440)。つまり、受付部342は、救護要請をネットワークNを介して携帯端末41へ送信する。これに応じて、携帯端末41は、救護候補者U21の入力に応じて救護要請の受理又は不受理の旨を応答する。
【0081】
そして、受付部342は、携帯端末41からネットワークNを介して救護要請の受理又は不受理の旨を受け付ける。そして、受付部342は、救護要請が受理されたか否かを判定する(S450)。救護要請が受理された場合、通知部345は、ネットワークNを介して消防局サーバ500へ、被救護者U1の被救護者情報312と救護候補者U21の救護候補者情報313を通知する(S460)。
【0082】
ステップS450において救護要請が受理されないと判定した場合、選択部344は、他の救護者が選択可能か否かを判定する(S470)。例えば、選択部344は、ステップS430において、複数の救護候補者が条件を満たし、未選択の救護候補者が存在するか否かを判定する。他の救護者が選択可能と判定された場合、ステップS430へ進む。
【0083】
一方、ステップS470において他の救護者が選択可能でない場合、通知部345は、ネットワークNを介して消防局サーバ500へ、被救護者U1の救護要請を通知する(S480)。尚、ステップS470において他の救護者が選択可能でない場合に限らず、ステップS440の初回の救護要請から一定時間(例えば数十分)以上経過してもいずれの救護者からも受理されなかった場合、通知部345は、ステップS480を実行してもよい。例えば、ステップS450において一定時間以上、通知先の携帯端末から応答がなかった場合、通知部345は、ステップS480を実行してもよい。
【0084】
図13は、本実施形態2にかかる救護支援処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、被救護者U1の情報端末100は、バイタル端末であるものとする。また、被救護者U1は、通知条件選択欄611において「ウェアラブルデバイスの心拍数の異常値が出たとき」を選択していたものとする。
【0085】
まず、情報端末100は、被救護者U1のバイタル情報を計測し、計測値が所定範囲外であることを検出する。つまり、情報端末100は、被救護者U1の体調変化を検知する(S511)。そして、情報端末100は、被救護者U1を事前に撮影し、内部に保存されていた顔画像を取得する。また、情報端末100は、最新の現在位置を取得する。そして、情報端末100は、顔画像と現在位置を含めた救護要求を、ネットワークNを介して救護支援装置300へ送信する(S512)。これに応じて、救護支援装置300の受付部342は、情報端末100から救護要求を受け付ける。そして、特定部343は、受信した救護要求から顔画像を抽出し、抽出した顔画像を含めた顔認証要求を、ネットワークNを介して認証装置200へ送信する(S513)。これに応じて、認証装置200は、救護支援装置300から顔認証要求を受信し、上述したように顔認証処理を行う(S514)。ここでは、顔認証に成功したものとし、認証装置200は、顔認証に成功した旨と被救護者U1のユーザID211とを顔認証結果に含める。そして、認証装置200は、顔認証結果を、ネットワークNを介して救護支援装置300へ送信する(S515)。
【0086】
救護支援装置300の特定部343は、認証装置200から顔認証結果を受け付け、顔認証結果に含まれるユーザIDを特定する。そして、特定部343は、特定したユーザID3121に対応する被救護者情報312を特定する(S516)。尚、図13では被救護者特定処理として顔認証を行った場合を示すが、救護要求に顔画像以外の本人特定情報や情報端末100の端末識別情報が含まれてもよい。その場合、特定部343は、ステップS513からS516の代わりに、救護要求に含まれる本人特定情報又は端末識別情報に基づき、上述したように被救護者のユーザIDを特定する。そして、選択部344は、上述したように救護者を選択する(S517)。例えば、被救護者U1は、開示情報種別選択欄612において「持病の疾患名」を選択しており、開示先属性選択欄613において「救命講習受講者」を選択していたものとする。そのため、特定部343は、被救護者U1の開示情報種別31242として持病の疾患名、開示先属性31243として救命講習受講者を特定する。そして、選択部344は、複数の救護候補者から、救護対応条件3133に「上級救命講習の人命救助対応」を含み、救護要求に含まれる現在位置が救護対応条件3133の地理的範囲に含み、救護要求を受け付けた日時が救護対応条件3133の時間帯に含まれる者を選択する。尚、選択部344は、開示先属性31243に対応する属性情報3132をさらに選択する条件に加えても良い。ここでは、救護候補者U21が選択されたものとする。
【0087】
そこで、通知部345は、救護候補者情報313の中から、救護候補者U21の端末情報3135(携帯端末41)を特定する。また、通知部345は、被救護者U1の開示情報種別31242に含まれる情報を、被救護者情報312の中から取得する。そして、通知部345は、携帯端末41に対して、被救護者U1に関する取得した情報を含めた救護要請をネットワークNを介して送信する(S518)。これに応じて、携帯端末41は、受信した救護要請に応じて救護要請表示画面を表示する。
【0088】
図14は、本実施形態2にかかる救護要請表示画面640の例を示す図である。救護要請表示画面640は、救護要請概要641及び詳細表示ボタン642を備える。救護要請概要641は、救護要請の概要を示す情報である。ここでは、救護要求又は救護要請が通知された時刻、携帯端末41の近隣である点、被救護者が持病を有する旨、及び、緊急性が高い旨が表示されていることを示す。但し、救護要請概要641の表示内容をこれらに限定されない。詳細表示ボタン642は、救護要請にかかる被救護者の詳細情報を表示するためのボタンである。携帯端末41は、救護候補者U21により詳細表示ボタン642の押下を受け付けると、救護要請の回答画面を表示する。
【0089】
図15は、本実施形態2にかかる救護要請の回答画面650の例を示す図である。救護要請の回答画面650は、アラートメッセージ651、被救護者概要位置652、詳細情報653、受理ボタン654及び不受理ボタン655を備える。アラートメッセージ651は、例えば「近くで救護アラート!持病があり緊急性高」とのメッセージを表示しているが、これに限定されない。被救護者概要位置652は、情報端末100の周辺の地図上で情報端末100の現在位置、つまり、被救護者U1の所在位置を示す。詳細情報653は、救護要請の詳細情報を示す。例えば、被救護者U1と救護候補者U21が同じホテルに滞在していること、被救護者U1の心筋梗塞の既往症があること、アラートが9時23分に送信されたこと、お礼として1万円を確約すること等を示す。また、被救護者U1の開示情報種別31242にかかりつけの医師の情報が含まれる場合、詳細情報653は、被救護者U1のかかりつけの医師が所属する医療機関の名称や位置等を含んでも良い。但し、詳細情報653は、これらに限定されない。受理ボタン654は、救護要請を受理する旨を回答するためのボタンである。不受理ボタン655は、救護要請を受理しない旨(不受理)を回答するためのボタンである。携帯端末41は、受理ボタン654又は不受理ボタン655の押下時にその旨を救護支援装置300へ送信する。ここでは、救護候補者U21は受理ボタン654を押下したものとする。そのため、携帯端末41は、救護要請を受理する旨を、ネットワークNを介して救護支援装置300へ送信する(S519)。
【0090】
そこで、救護支援装置300の受付部342は、救護要請に対する応答(ここでは受理の旨)を携帯端末41から受け付ける。そして、通知部345は、被救護者U1の被救護者情報312と救護候補者U21の救護候補者情報313とを含めた通知内容を、ネットワークNを介して消防局サーバ500へ送信する(S520)。これに応じて、消防局サーバ500は、受信した通知内容を救護状況情報512として記憶部510に登録する(S521)。
【0091】
その後、救護候補者U21は、携帯端末41を所持したまま被救護者概要位置652に示された場所へ移動する。ここで、携帯端末41は、救護候補者U21が救護要請を受理した後、定期的に、携帯端末41の現在位置を、ネットワークNを介して救護支援装置300や消防局サーバ500へ救護状況として送信してもよい。
【0092】
そして、救護候補者U21は、被救護者U1のもとに到着し、救護を行う。救護候補者U21は、救護中に、被救護者U1の状態(意識や呼吸の確認)やAEDの使用等を、都度、携帯端末41を用いて入力してもよい。尚、救護候補者U21が到着した際に意識のない人物がいた(例えば倒れていた)場合、救護候補者U21は、携帯端末41により当該人物の顔を撮影して顔認証により被救護者U1の本人特定を行っても良い。その場合、携帯端末41は、意識のない人物の顔の撮影画像を含む顔認証要求、ネットワークNを介して救護支援装置300へ送信する。救護支援装置300は、ステップS513からS516のように顔認証を制御し、認証結果を携帯端末41へ返信する。
【0093】
そして、携帯端末41は、救護候補者U21の入力に応じた救護状況を、ネットワークNを介して救護支援装置300や消防局サーバ500へ送信する(S522)。これに応じて、消防局サーバ500は、受信した救護状況により救護状況情報512(救護状況5123や現在位置5124)を更新する(S523)。尚、救護候補者U21は、携帯端末41のアプリケーションの代わりに、電話により最寄りの消防局へ救護状況を報告してもよい。これらにより、必要に応じて、消防局側は、救急車の出動の判断を精緻に行うことができる。
【0094】
尚、ステップS520と併せて、救護支援装置300の通知部345は、救護要請を受理した救護者の現在位置や救護者の到着予定時刻を、ネットワークNを介して情報端末100へ送信してもよい。この場合、情報端末100は、情報端末100の周辺の地図上における救護者の現在位置や救護者の到着予定時刻を救護待ち画面に表示する。尚、救護支援装置300は、救護者の現在位置と被救護者U1の現在位置とに基づいて、到着予定時刻を算出してもよい。または、携帯端末41は、救護候補者U21から到着予定時刻の入力を受け付け、ステップS519において救護支援装置300へ送信してもよい。また、携帯端末41は、救護候補者U21が被救護者U1のもとへ移動中に、定期的又は救護候補者U21の入力に応じて、携帯端末41の現在位置や到着予定時刻の最新情報を救護支援装置300へ送信してもよい。そして、救護支援装置300は、受信した現在位置や到着予定時刻の最新情報を、適宜、情報端末100へ送信してもよい。そして、情報端末100は、受信した最新情報である現在位置や到着予定時刻を表示するように救護待ち画面を更新する。これにより、被救護者U1は、救護要請時に意識がある場合、情報端末100を介して救護者の現在位置や救護者の到着予定時刻をリアルタイムに把握できる。
【0095】
図16は、本実施形態2にかかる被救護者の救護待ち画面680の例を示す図である。尚、図16の例では、救護者(救護候補者U21)は被救護者U1とは(同じホテルではなく)異なる場所におり、携帯端末41を携帯して徒歩で被救護者U1のもとへ移動しているものとする。被救護者の救護待ち画面680は、救護者の現在位置681、メッセージ682及び到着予定時刻683を備える。尚、被救護者の救護待ち画面680の構成は、これらに限定されない。救護者の現在位置681は、救護要請を受理した救護者の現在位置を、地図上で示したものである。メッセージ682は、救護者が救護要請を受理した旨を被救護者に伝えるためのメッセージである。到着予定時刻683は、上述した救護者の到着予定時刻である。
【0096】
図13に戻り説明を続ける。
その後、救護候補者U21は、被救護者U1に対する救護を完了したものとする。そして、救護候補者U21は、救護完了の旨を携帯端末41に入力する。これに応じて、携帯端末41は、救護完了の旨を、ネットワークNを介して救護支援装置300(及び消防局サーバ500)へ送信する(S524)。そして、救護支援装置300の受付部341は、携帯端末41から救護完了の旨を受け付ける。そして、更新部346は、救護候補者U21の救護候補者情報313の救護履歴3136を登録(更新)する(S525)。尚、更新部346は、消防局サーバ500と同様に、救護状況を受け付ける度に、救護履歴3136を更新してもよい。
【0097】
そして、救護支援装置300の通知部345は、被救護者U1の情報端末100に対してネットワークNを介して、お礼入力要求を送信する(S526)。例えば、通知部345は、被救護者U1の救護完了の後、救護候補者U21による被救護者U1に対する救護履歴3136、救護対応条件3133の報酬条件(謝礼の希望額)、救護候補者U21の個人情報等を取得する。そして、通知部345は、これらを含めてお礼入力要求とする。また、通知部345は、被救護者U1の情報端末100の端末識別情報に基づき、ネットワークNを介して情報端末100へお礼入力要求を送信する。情報端末100は、救護支援装置300から受信したお礼入力要求に基づき、被救護者のお礼入力画面を表示する。
【0098】
図17は、本実施形態2にかかる被救護者のお礼入力画面660の例を示す図である。被救護者のお礼入力画面660は、救護者情報661、救護記録662、謝礼情報663、評価情報664、コメント665及び送信ボタン666を備える。救護者情報661は、被救護者U1の救護を行った救護者の表示欄である。ここでは、救護候補者U21の情報が表示されていることを示す。救護記録662は、救護候補者U21による被救護者U1の救護状況の表示欄である。ここでは、救護記録662は、時刻と被救護者U1の状態、救護内容等を含むが、これらに限定されない。謝礼情報663は、被救護者U1が救護候補者U21へ支払う規定の謝礼金の表示欄及び追加で支払う謝礼金の選択欄である。ここでは、追加の謝礼金(お気持ち料)として1万円が選択されていることを示す。評価情報664は、被救護者U1による救護候補者U21に対する救護対応の評価の入力欄である。ここでは、評価情報664は、5段階評価の例を示すが、これに限定されない。コメント665は、被救護者U1による救護候補者U21に対するお礼のコメントの入力欄である。送信ボタン666は、謝礼情報663、評価情報664及びコメント665の入力内容を送信するためのボタンである。つまり、情報端末100は、送信ボタン666の押下時に謝礼情報663、評価情報664及びコメント665の入力内容をお礼情報として、ネットワークNを介して救護支援装置300へ送信する(S527)。
【0099】
これに応じて、救護支援装置300の受付部342は、情報端末100からお礼情報を受け付ける。そして、更新部346は、お礼情報に基づき、救護候補者U21の評価情報3137を更新する(S528)。このとき、更新部346は、お礼情報に含まれる評価情報に基づいて、被救護者U1が在住する自治体からの評価ポイントを算出してもよい。例えば、更新部346は、救護候補者U21の救護履歴3136から救護人数や各救護対応における評価情報に基づき所定の算出式により評価ポイントを算出する。また、更新部346は、被救護者U1が在住する自治体における救護候補者内の評価ポイントのランキングを算出してもよい。さらに、更新部346は、救護人数が一定数以上、又は、評価ポイントが一定値以上となった場合、自治体から追加で奨励金が給付されてもよい。または、更新部346は、奨励金の代わりに、自治体から表彰状や地域通貨等のインセンティブが付与されてもよい。そして、更新部346は、算出した評価ポイント及びランキングを評価情報3137に含めて更新する。
【0100】
そして、救護支援装置300は、お礼情報に含まれる謝礼金について救護候補者の口座へ送金処理を行う(S529)。例えば、救護支援装置300は、被救護者U1の個人情報3122に含まれる支払手段情報から、救護候補者U21の個人情報に含まれる振込先口座情報へ、謝礼金の送金依頼を金融機関のサーバ(不図示)へ送信する。
【0101】
その後、通知部345は、お礼報告を、ネットワークNを介して携帯端末41へ送信する(S530)。具体的には、通知部345は、被救護者U1の個人情報3122と救護候補者U21の評価情報3137とお礼情報とを含めてお礼報告を生成する。そして、通知部345は、救護候補者U21の端末情報3135(携帯端末41)を宛先としてお礼報告を送信する。これに応じて、携帯端末41は、救護支援装置300から受信したお礼報告に基づき、救護者のお礼確認画面を表示する。
【0102】
図18は、本実施形態2にかかる救護者のお礼確認画面670の例を示す図である。救護者のお礼確認画面670は、被救護者情報671、謝礼情報672、評価情報673、コメント674、ポイント情報675及び確認ボタン676を備える。被救護者情報671は、被救護者U1の氏名等の個人情報の一部の表示欄である。謝礼情報672は、被救護者U1から救護候補者U21への謝礼金の合計額や内訳の表示欄である。評価情報673は、被救護者U1による救護候補者U21に対する評価情報の表示欄である。コメント674は、被救護者U1による救護候補者U21に対するコメントの表示欄である。ポイント情報675は、被救護者U1が在住する自治体による救護候補者U21に対する評価情報の表示欄である。ここでは、ポイント情報675は、救護人数、評価ポイント、ランキング等を示すが、これらに限定されない。例えば、ポイント情報675の代わりに、又は、ポイント情報675と共に、自治体の地域通貨の残高が表示されてもよい。確認ボタン676は、救護候補者U21がお礼報告を確認したことを通知するためのボタンである。つまり、携帯端末41は、確認ボタン676の押下時にお礼報告を確認した旨を、ネットワークNを介して救護支援装置300へ送信する。これに応じて、救護支援装置300は、お礼報告を確認した旨を受信し、救護履歴3136を更新してもよい。
【0103】
尚、救護支援装置300は、救護後に、被救護者が今回の救護者をお気に入り登録できるようにし、その後、同一の被救護者からの救護要請時に、お気に入り登録された被救護者を優先的に選択して救護要請してもよい。その場合、例えば、図17の被救護者のお礼入力画面660は、救護者のお気に入り登録の選択入力欄を備える。そして、被救護者U1により救護者のお気に入り登録が選択された場合、情報端末100は、送信ボタン666の押下時に、お礼情報と共に救護者のお気に入り登録申請(救護者のユーザID)を、ネットワークNを介して救護支援装置300へ送信する。これに応じて、救護支援装置300の受付部342は、情報端末100からお礼情報及びお気に入り登録申請を受け付ける。そして、更新部346は、お気に入り登録申請に含まれる救護(候補)者のユーザIDを、被救護者U1の条件情報3124に仮登録する。そして、ステップS530において、通知部345は、お礼報告と共にお気に入り登録の承認依頼を、ネットワークNを介して携帯端末41へ送信する。これに応じて、携帯端末41は、被救護者U1の救護者としてのお気に入り登録の承認依頼を救護者のお礼確認画面を表示する。例えば、図18の救護者のお礼確認画面670は、救護者としてのお気に入り登録の承認依頼を示すメッセージをさらに表示し、確認ボタン676を承認ボタンとしてもよい。そして、携帯端末41は、承認ボタンの押下時にお礼報告を確認した旨と承認の旨を、ネットワークNを介して救護支援装置300へ送信する。これに応じて、救護支援装置300は、救護履歴3136の更新と共に、被救護者U1の条件情報3124に仮登録された救護(候補)者のユーザIDを本登録へ更新する。尚、仮登録は省略してもよい。その後、被救護者U1から2回目以降の救護要請があった場合、救護支援装置300は、お気に入り登録された救護(候補)者のユーザIDを加味して、救護者の選択を行う。つまり、お気に入り登録された救護候補者に対して優先的に救護要請を行っても良い。
【0104】
また、救護支援装置300は、同一の被救護者からの2回目以降の救護要請時に、救護履歴3136から前回の救護者を特定し、当該救護者を優先的に選択して救護要請してもよい。
【0105】
このように本実施形態により、被救護者が開示を許可する救護候補者の中から、救護者を選択できる。また、各救護候補者は、自身の救護対応条件を満たす場合に救護要請が通知される。そのため、本実施形態2においても上述した実施形態1と同様に、被救護者と救護者とのマッチングの精度を向上させることができる。そして、救急救命の専任者ではなくても、条件を満たす被救護者により迅速かつ効果的に救護を行うことができる。また、救護状況について最寄りの消防局サーバと共有できるため、救急救命情報として活用できる。さらに、救護候補者は、報酬条件として追加の謝礼金の希望金額を登録できる。例えば、救護支援装置300は、被救護者U1が登録した追加の謝礼金額を救護要請に含めても良い。そのため、救護候補者U21等は、救護要請の回答画面650の詳細情報653に表示された追加の謝礼金額を事前に確認できるため、受理し易くなる。よって、積極的な救護が促進される。さらに、救護候補者U21等は、救護者のお礼確認画面670のポイント情報675により、救護対応に対する自身の評価を把握できる。よって、救護候補者U21等の次回の救護へのモチベーションが向上される。
【0106】
<実施形態3>
本実施形態3は、上述した実施形態2の改良例である。例えば、被救護者U1の容態によっては、救命講習受講者では対応が困難な場合がある。一方、救護対応が可能な医師が被救護者U1の近辺にいるとは限らない。その場合、被救護者U1の実質的な救護対応を病院等の医療機関に頼る必要がある。そのため、救護者は自家用車等の車両で被救護者U1を医療機関へ搬送することとなる。但し、救護者の車両は普通車であるため、医療機関への搬送中に信号機等の交通規則に従う必要があり、迅速な救護を実現できない可能性がある。そこで、本実施形態3では、消防局等が、救護者が利用する車両を一時的に緊急車両として許可し、当該車両が医療機関までの道路を迅速に通行できるように支援するものである。
【0107】
図19は、本実施形態3にかかる救護支援システム1000aの全体構成を示すブロック図である。救護支援システム1000aは、上述した救護支援システム1000と比べて、消防局サーバ500aが変更され、信号機制御システム700、信号機710及び720が追加されたものである。信号機制御システム700は、交通管制センターにより運用される情報システムである。信号機制御システム700は、所定の信号機710、720等に対して点灯させる信号の制御を行う。また、図19は、救護要請を救護候補者U22が受理した後に、救護候補者U22の車両421に被救護者U1を乗せて、被救護者U1を医療機関へ搬送している状況を示す。その他の構成は、救護支援システム1000と同様であるため、重複する説明及び図示は適宜、省略する。
【0108】
図20は、本実施形態3にかかる消防局サーバ500aの構成を示すブロック図である。消防局サーバ500aは、上述した消防局サーバ500と比べて、プログラム511a及び許可部543aが変更され、信号制御部544が追加されたものである。プログラム511aは、本実施形態3にかかる消防局サーバ500aにおける救護支援方法の処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0109】
受付部541は、救護要請を受理した救護者の携帯端末から、被救護者を搬送する車両の車両情報及び当該携帯端末の位置情報を受け付ける。許可部543aは、車両情報に基づき当該車両を緊急車両として許可する。信号制御部544は、位置情報から被救護者の搬送先までの間、当該車両を優先して通行させるための信号機制御の依頼を、信号機制御システム700へ送信する。また、受付部541は、車両が被救護者を搬送中に(当該車両に搭載された)携帯端末から位置情報を受け付ける。そして、信号制御部544は、受け付けた位置情報を信号機制御システム700へ送信する。
【0110】
ここで、被救護者U1は、予め、開示先属性選択欄613において「車利用の救護者希望」を選択しているものとする。そして、図13のステップS516において、特定部343は、被救護者U1の開示先属性31243として車両による支援希望者を特定する。そして、選択部344は、複数の救護候補者から、救護対応条件3133に「車両での搬送」を含み、救護要求に含まれる現在位置が救護対応条件3133の地理的範囲に含み、救護要求を受け付けた日時が救護対応条件3133の時間帯に含まれる者を選択する(S517)。尚、選択部344は、属性情報3132に自動車運転免許を保有することをさらに選択する条件に加えても良い。ここでは、救護候補者U22が選択されたものとする。
【0111】
そのため、通知部345は、救護候補者U22が所持する携帯端末42に対して救護要請を送信し(S518)、携帯端末42は、救護要請の受理を返信したものとする(S519)。その後、救護候補者U22は、携帯端末42を所持したまま車両421を運転し、被救護者概要位置652に示された場所へ移動する。
【0112】
図21は、本実施形態3にかかる救急搬送処理の流れを示すシーケンス図である。上記に続いて、救護候補者U22は、被救護者U1のもとに到着し、救護を開始する。そして、救護候補者U22は、被救護者U1を車両421に乗せて、携帯端末42に対して救護開始通知を入力する。このとき、携帯端末42は、救護候補者U22の入力に応じて、救護開始通知を、ネットワークNを介して消防局サーバ500aへ送信する(S601)。このとき、携帯端末42は、車両421の車両情報(車両番号等の識別情報)と、現在位置とを救護開始通知に含める。また、携帯端末42は、救護状況を救護開始通知に含めてもよい。
【0113】
これに応じて、消防局サーバ500aの受付部541は、携帯端末42から救護開始通知を受け付ける。そして、許可部543は、救護開始通知から車両情報を抽出し、抽出した車両情報に基づき車両421を緊急車両として許可する(S602)。また、許可部543は、被救護者U1の搬送先の医療機関を決定する。尚、救護開始通知に搬送先の医療機関が含まれていても良い。併せて、更新部542は、受信した救護開始通知に基づき、救護状況情報512(救護状況5123や現在位置5124)を更新する(S603)。
【0114】
そして、信号制御部544は、救護開始通知に含まれる位置情報及び搬送先を含めた信号機制御依頼を、ネットワークNを介して信号機制御システム700へ送信する(S604)。信号機制御システム700は、受信した信号機制御依頼に含まれる位置情報及び搬送先に基づき、制御先の信号機を決定する。例えば、信号機制御システム700は、位置情報から搬送先への経路において最も近い信号機710を制御先として決定する。そこで、信号機制御システム700は、ネットワークNを介して信号機710に対して、信号機制御指示を送信する(S605)。例えば、信号機制御システム700は、車両421の進行方向の信号機を青とし、周辺の他の信号機を赤にするように信号機制御指示を行っても良い。
【0115】
続いて、車両421は、救護候補者U22の運転により、搬送先の医療機関への移動(走行)を開始する。このとき、車両421は、被救護者U1と携帯端末42と救護候補者U22とを搬送することとなる。そして、携帯端末42は、定期的に位置情報を取得し、車両情報と位置情報を含めた救護状況を、ネットワークNを介して消防局サーバ500aへ送信する(S606)。これに応じて、消防局サーバ500aの受付部541は、携帯端末42から救護状況を受け付ける。そして、更新部542は、受信した救護状況により救護状況情報512(救護状況5123や現在位置5124)を更新する(S607)。そして、消防局サーバ500aは、救護状況に含まれる車両情報から、緊急車両と認識する。そのため、信号制御部544は、救護状況に含まれる位置情報及び上記で決定した搬送先を含めた信号機制御依頼を、ネットワークNを介して信号機制御システム700へ送信する(S608)。信号機制御システム700は、受信した信号機制御依頼に含まれる位置情報及び搬送先に基づき、制御先の信号機を決定する。例えば、信号機制御システム700は、位置情報から搬送先への経路において最も近い信号機720を制御先として決定し、信号機710の制御解除を決定する。そこで、信号機制御システム700は、ネットワークNを介して信号機710に対して、信号機制御指示(制御解除)を送信する(S609)。また、信号機制御システム700は、ネットワークNを介して信号機720に対して、信号機制御指示を送信する(S610)。
【0116】
その後、車両421は、救護候補者U22の運転により、搬送先の医療機関へ到着したものとする。そして、救護候補者U22は、車両421から被救護者U1を降ろし、医療機関のスタッフへ被救護者U1の救護を受け渡す。その後、救護候補者U22は、携帯端末42に対して救護完了通知を入力する。このとき、携帯端末42は、救護候補者U22の入力に応じて、救護完了通知を、ネットワークNを介して消防局サーバ500aへ送信する(S611)。これに応じて、消防局サーバ500aの受付部541は、携帯端末42から救護状況を受け付ける。そして、更新部542は、受信した救護完了通知により救護状況情報512を更新する(S612)。そして、消防局サーバ500aは、救護完了通知に含まれる車両情報から、緊急車両と認識し、かつ、救護完了を認識する。そのため、信号制御部544は、救護完了通知に含まれる位置情報及び上記で決定した搬送先を含めた信号機制御依頼を、ネットワークNを介して信号機制御システム700へ送信する(S613)。信号機制御システム700は、受信した信号機制御依頼に含まれる位置情報及び搬送先に基づき、信号機720の制御解除を決定する。そこで、信号機制御システム700は、ネットワークNを介して信号機720に対して、信号機制御指示(制御解除)を送信する(S614)。
【0117】
図22は、本実施形態3にかかる信号機制御の概念を説明するための図である。ここでは、車両421が緊急車両として許可され、搬送先である病院730へ移動中であることを示す。例えば、信号機制御システム700は、当初、信号機711を青、信号機712、713及び714を赤とするように信号制御指示を行う。そして、車両421が信号機711を通過した後、信号機制御システム700は、信号機711から714の信号制御を解除する。続いて、信号機制御システム700は、信号機721を青、信号機722、723及び724を赤とするように信号制御指示を行う。そして、車両421が病院730に到着し、携帯端末42から救護完了通知が送信された後、信号機制御システム700は、信号機721から724の信号制御を解除する。
【0118】
このように本実施形態により、救護者は自家用車等の車両で被救護者U1を医療機関へ迅速に搬送することを支援できる。特に、搬送中の位置情報を都度、消防局サーバ500a経由で信号機制御システム700へ通知するため、信号機制御システム700は、適切に当該車両の通行を優先させることができる。
【0119】
尚、携帯端末42は、適宜、救護状況を救護支援装置300に対して送信してもよい。または、消防局サーバ500aは、携帯端末42を救護状況を受信する度に、救護支援装置300へ救護状況を転送してもよい。
【0120】
<実施形態4>
本実施形態4は、上述した実施形態3の変形例である。本実施形態4は、実施形態3との違いとして、緊急車両による被救護者U1の搬送に際し、救護支援装置300bが信号機制御システム700に対して信号機制御依頼を行うものである。
【0121】
図23は、本実施形態4にかかる救護支援システム1000bの全体構成を示すブロック図である。救護支援システム1000bは、上述した救護支援システム1000aと比べて、救護支援装置300bが変更されたものである。尚、消防局サーバ500aは、許可部543aについては図20と同様であるが、信号制御部544を有さなくても良い。その他の構成や状況は、救護支援システム1000aと同様であるため、重複する説明及び図示は適宜、省略する。
【0122】
図24は、本実施形態4にかかる救護支援装置300bの構成を示すブロック図である。救護支援装置300bは、上述した救護支援装置300と比べて、プログラム311b及び通知部345bが変更され、信号制御部347が追加されたものである。プログラム311bは、本実施形態4にかかる救護支援装置300bにおける救護支援方法の処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0123】
受付部342は、救護要請を受理した救護者の携帯端末から、被救護者を搬送する車両の車両情報及び当該携帯端末の位置情報を受け付ける。通知部345bは、車両情報を含めた当該車両の緊急車両の許可申請を消防局サーバ500aへ通知する。信号制御部347は、当該車両が緊急車両として許可された場合、位置情報から被救護者の搬送先までの間、当該車両を優先して通行させるための信号機制御の依頼を、信号機制御システム700へ送信する。さらに、受付部342は、車両が被救護者を搬送中に(当該車両に搭載された)携帯端末から位置情報を受け付ける。そして、信号制御部347は、受け付けた位置情報を信号機制御システム700へ送信する。尚、信号制御部347は、通知部345bに含めても良い。
【0124】
図25は、本実施形態4にかかる救急搬送処理の流れを示すシーケンス図である。尚、救護候補者U22が被救護者U1の救護要請を受理し、車両421により被救護者U1のもとへ移動する点は、上述した通り、実施形態3と同様である。また、図25は、図21との主な違いとして、携帯端末42と信号機制御システム700との通信を救護支援装置300bが行う場合を示す。
【0125】
そこで、携帯端末42は、救護候補者U22の入力に応じて、救護開始通知を、ネットワークNを介して救護支援装置300bへ送信する(S601a)。これに応じて、救護支援装置300bの受付部342は、携帯端末42から救護開始通知を受け付ける。そして、通知部345bは、救護開始通知から車両情報及び位置情報を抽出し、抽出した車両情報及び位置情報を含めた緊急車両の許可申請を、ネットワークNを介して消防局サーバ500aへ送信する(S601b)。そして、消防局サーバ500aは、受信した許可申請に含まれる車両情報に基づき車両421を緊急車両として許可し、被救護者U1の搬送先の医療機関を決定する。消防局サーバ500aは、搬送先の医療機関の情報を含めた許可通知をネットワークNを介して救護支援装置300bへ送信する(S602a)。
【0126】
これに応じて、救護支援装置300bの受付部342は、消防局サーバ500aから許可通知を受信する。そして、更新部346は、受信した救護開始通知に基づき、救護状況(救護履歴3136)を更新する(S603a)。尚、消防局サーバ500aは、図21のステップS603と同様に、救護状況を更新してもよい。
【0127】
そして、信号制御部347は、救護開始通知に含まれる位置情報及び許可通知に含まれる搬送先を含めた信号機制御依頼を、ネットワークNを介して信号機制御システム700へ送信する(S604a)。以降、信号機制御システム700は、図21と同様にステップS605を実行する。
【0128】
続いて、車両421が搬送先へ走行中に、携帯端末42は、定期的に位置情報を取得し、車両情報と位置情報を含めた救護状況を、ネットワークNを介して救護支援装置300bへ送信する(S606a)。これに応じて、救護支援装置300bの受付部342は、携帯端末42から救護状況を受け付ける。そして、更新部346は、受信した救護状況により救護状況(救護履歴3136)を更新する(S607a)。そして、救護支援装置300bは、救護状況に含まれる車両情報から、緊急車両と認識する。そのため、信号制御部347は、救護状況に含まれる位置情報及び許可通知に含まれる搬送先を含めた信号機制御依頼を、ネットワークNを介して信号機制御システム700へ送信する(S608a)。以降、信号機制御システム700は、図21と同様にステップS609及びS610を実行する。
【0129】
その後、車両421が搬送先の医療機関へ到着し、救護候補者U22は、医療機関のスタッフへ被救護者U1の救護を受け渡す。そして、携帯端末42は、救護候補者U22の入力に応じて、救護完了通知を、ネットワークNを介して救護支援装置300bへ送信する(S611a)。これに応じて、救護支援装置300bの受付部342は、携帯端末42から救護状況を受け付ける。そして、更新部346は、受信した救護完了通知によりり救護状況(救護履歴3136)を更新する(S612a)。そして、救護支援装置300bは、救護完了通知に含まれる車両情報から、緊急車両と認識し、かつ、救護完了を認識する。そのため、信号制御部347は、救護完了通知に含まれる位置情報及び許可通知に含まれる搬送先を含めた信号機制御依頼を、ネットワークNを介して信号機制御システム700へ送信する(S613a)。以降、信号機制御システム700は、図21と同様にステップS614を実行する。
【0130】
このように本実施形態においても、実施形態3と同様の効果を奏することができる。
【0131】
尚、携帯端末42は、適宜、救護状況を消防局サーバ500aに対して送信してもよい。または、救護支援装置300bは、携帯端末42を救護状況を受信する度に、消防局サーバ500aへ救護状況を転送してもよい。
【0132】
<実施形態5>
本実施形態5は、上述した実施形態2から4の変形例である。本実施形態5は、生体認証機能を救護支援装置300に内蔵させたものである。例えば、本実施形態5にかかる救護支援装置300は、被救護者情報312のユーザID3121に、ユーザの顔画像又は顔特徴情報をさらに対応付けて保存するものである。そして、本実施形態5にかかる救護支援装置300の特定部343は、複数の人物の顔特徴情報と認証対象のユーザの顔特徴情報とを照合して顔認証を制御する。すなわち、特定部343は、ユーザの顔領域から抽出された顔特徴情報と、記憶部310に記憶された顔特徴情報とを照合して顔認証を行うことにより、顔認証結果を取得する。
【0133】
このように、本実施形態5においても上述した実施形態2から4と同様の効果を奏することができる。
【0134】
<その他の実施形態>
尚、実施形態3又は4において、救護者が被救護者を直接病院に運ぶ際の救護者支援として、被救護者に関する情報(開示情報種別を満たす開示情報)や現在の容態に基づいて搬送先候補を提示するようにしてもよい。
【0135】
例えば、実施形態3の場合、被救護者U1のもとに到着した救護候補者U22は、救護を開始する際に、携帯端末42に対して被救護者U1の容態を入力する。携帯端末42は、救護候補者U22により入力された被救護者U1の容態を、ネットワークNを介して消防局サーバ500aへ送信する。消防局サーバ500aは、ステップS520等で事前に通知された通知内容(被救護者U1の開示情報)と、携帯端末42から受信した被救護者U1の容態とに基づいて、搬送先となる医療機関の候補(搬送先候補)を決定する。このとき、消防局サーバ500aは、複数の医療機関の中から、2以上の搬送先候補を決定(選出)してもよい。そして、消防局サーバ500aは、決定(選出)した1以上の搬送先候補を、ネットワークNを介して携帯端末42へ通知する。携帯端末42は、通知された搬送先候補を画面に表示する。そのため、救護候補者U22は、携帯端末42の画面を介して、被救護者U1の搬送先候補を(自身で調べることなく迅速かつ的確に)把握できる。ここで、被救護者U1の開示情報にかかりつけの医師の医療機関が含まれる場合、消防局サーバ500aは、当該医療機関を優先して搬送先候補を決定してもよい。これにより、被救護者U1の救護としてより適した搬送先を提示できる。また、消防局サーバ500aは、被救護者U1の現在位置からの距離、被救護者U1の持病、現在の容態等を加味して、複数の医療機関の中から、決定理由(選出理由)と共に複数の搬送先候補を決定(選出)してもよい。
【0136】
また、救護候補者U22は、救護を開始する際に、携帯端末42により被救護者U1の身体を撮影し、撮影画像を消防局サーバ500aへ送信させてもよい。つまり、携帯端末42は、救護開始時の被救護者U1の撮影画像を、ネットワークNを介して消防局サーバ500aへ送信する。消防局サーバ500aは、受信した撮影画像を解析して、被救護者U1の容態を推定する。そして、消防局サーバ500aは、被救護者U1の開示情報と推定した容態とに基づいて、搬送先候補を決定してもよい。尚、この場合、被救護者U1は、救護時の自身の身体の撮影や撮影画像の消防局サーバ500aへの提供について、事前に同意しているものとする。
【0137】
また、実施形態4の場合、携帯端末42による被救護者U1の容態や撮影画像の送信先が、消防局サーバ500aの代わりに救護支援装置300bとなる。そして、救護支援装置300bは、消防局サーバ500aと同様に、撮影画像からの被救護者U1の容態の推定や、搬送先候補の決定及び通知を行うものとする。
【0138】
図26は、搬送先候補の表示画面690の例を示す図である。携帯端末42等は、上述したように消防局サーバ500a又は救護支援装置300bから1以上の搬出先候補及び選出理由を受信した場合に、搬送先候補の表示画面690を表示する。搬送先候補の表示画面690は、被救護者の現在位置691、搬送先候補6921~6923、選択欄693、選出理由694及び決定ボタン695を備える。被救護者の現在位置691は、地図上の被救護者U1の現在位置を示す。搬送先候補6921~6923は、消防局サーバ500a又は救護支援装置300bにより選出された搬送先候補の地図上の位置を示す。尚、搬送先候補6921~6923は、位置を示すマークや医療機関名等を示しても良い。例えば、搬送先候補6921はXXX病院、搬送先候補6922はYYY病院、搬送先候補6923はZZZ救急医療センターに対応するものとする。選択欄693は、搬送先候補の選択を受け付ける欄であり、例えば、チェックボックスである。選出理由694は、各搬送先候補が選出された理由の表示欄である。例えば、搬送先候補6921(A)はXXX病院であり、その選出理由は被救護者U1の「かかりつけ医」であることを示す。搬送先候補6922(B)はYYY病院であり、被救護者U1の現在位置から最も近いことを示す。搬送先候補6923(C)はZZZ救急医療センターであり、(距離的には少し遠いものの)被救護者U1の容態に対応可能であることを示す。決定ボタン695は、押下されると、選択欄693により選択された搬送先候補を搬送先として決定して、消防局サーバ500a又は救護支援装置300bへ通知するためのボタンである。例えば、救護候補者U21は、搬送先候補の表示画面690により搬送先候補6921~6923の位置や選出理由694を確認し、選択欄693で「A」をチェックし、決定ボタン695を押下する。これに応じて、携帯端末42は、選択された搬送先候補A「XXX病院」を搬送先として、ネットワークNを介して消防局サーバ500a又は救護支援装置300bへ通知する。
【0139】
尚、上述の実施形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0140】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0141】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0142】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記A1)
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録手段と、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付手段と、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択手段と、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する通知手段と、
を備える救護支援装置。
(付記A2)
前記情報開示条件は、開示先とする前記救護候補者の属性情報を含み、
前記救護対応条件は、各救護候補者における対応可能な救護内容を含み、
前記選択手段は、前記複数の救護候補者の中から、前記情報開示条件に含まれる属性情報により対応可能な救護内容を前記救護対応条件とする前記救護候補者を前記救護者として選択する
付記A1に記載の救護支援装置。
(付記A3)
前記情報開示条件は、前記被救護者が前記複数の救護候補者に対して開示を許可する当該被救護者の情報種別を含み、
前記選択手段は、前記複数の救護候補者の中から、前記情報開示条件に含まれる情報種別に対応する前記被救護者の情報が、前記救護対応条件を満たす前記救護候補者を前記救護者として選択する
付記A1又はA2に記載の救護支援装置。
(付記A4)
前記救護要求は、前記被救護者の現在位置を含み、
前記救護対応条件は、各救護候補者における対応可能な地理的範囲を含み、
前記選択手段は、前記救護要求に含まれる現在位置と、各救護候補者の現在位置と、前記救護対応条件に含まれる地理的範囲とをさらに加味して、前記救護者を選択する
付記A1乃至A3のいずれか1項に記載の救護支援装置。
(付記A5)
前記受付手段は、
前記被救護者が装着する前記情報端末において検出された当該被救護者のバイタル情報が所定条件を満たす場合に当該情報端末から送信された当該バイタル情報を含む前記救護要求を受け付け、
前記選択手段は、
前記救護要求に含まれるバイタル情報をさらに加味して、前記救護者を選択する
付記A1乃至A4のいずれか1項に記載の救護支援装置。
(付記A6)
前記通知手段は、前記救護要請に対する前記携帯端末からの応答に応じた通知内容を救急機関サーバへ通知する
付記A1乃至A5のいずれか1項に記載の救護支援装置。
(付記A7)
前記受付手段は、
前記救護要請を受理した前記救護者の前記携帯端末から、前記被救護者を搬送する車両の車両情報及び当該携帯端末の位置情報を受け付け、
前記通知手段は、
前記車両情報を含めた前記車両の緊急車両の許可申請を前記救急機関サーバへ通知し、
前記車両が緊急車両として許可された場合、前記位置情報から前記被救護者の搬送先までの間、前記車両を優先して通行させるための信号機制御の依頼を、所定の信号機制御システムへ送信する
付記A6に記載の救護支援装置。
(付記A8)
前記通知手段は、
前記車両が前記被救護者を搬送中に前記携帯端末から前記位置情報を受け付けた場合、当該位置情報を前記信号機制御システムへ送信する
付記A7に記載の救護支援装置。
(付記A9)
前記救護要求は、前記被救護者の本人特定情報を含み、
前記救護要求に含まれる前記本人特定情報を用いて前記被救護者を特定する特定手段をさらに備え、
前記選択手段は、前記特定された前記被救護者に対応する前記情報開示条件を用いて、前記救護者を選択する
付記A1乃至A8のいずれか1項に記載の救護支援装置。
(付記A10)
前記本人特定情報は、前記被救護者の生体情報であり、
前記特定手段は、前記救護要求に含まれる前記生体情報について、生体認証を行うことにより前記被救護者を特定する
付記A9に記載の救護支援装置。
(付記B1)
救護支援装置と、
救急機関サーバと、を備え、
前記救護支援装置は、
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録手段と、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付手段と、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択手段と、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する通知手段と、
を備え、
前記通知手段は、前記救護要請に対する前記携帯端末からの応答に応じた通知内容を前記救急機関サーバへ通知し、
前記救急機関サーバは、前記通知内容に応じた処理を行う
救護支援システム。
(付記B2)
前記通知手段は、
前記救護要請に対して受理した旨を前記携帯端末からの応答として受け付けた場合、前記被救護者及び前記救護者に関する情報を前記通知内容として前記救急機関サーバへ通知し、
前記救急機関サーバは、
受信した前記通知内容を救護状況として登録し、
前記携帯端末から、前記被救護者の状況報告を受け付けた場合、当該状況報告により前記救護状況を更新する
付記B1に記載の救護支援システム。
(付記B3)
前記通知手段は、
前記救護要請に対して不受理の旨を前記携帯端末からの応答として受け付けた場合、前記被救護者に関する情報を前記通知内容として前記救急機関サーバへ通知し、
前記救急機関サーバは、
受信した前記通知内容に基づき、前記被救護者の救護のために救急車両の出発を指示する
付記B1又はB2に記載の救護支援システム。
(付記B4)
前記救急機関サーバは、
前記救護要請を受理した前記救護者の前記携帯端末から、前記被救護者を搬送する車両の車両情報及び当該携帯端末の位置情報を受け付け、
前記車両情報に基づき前記車両を緊急車両として許可し、
前記位置情報から前記被救護者の搬送先までの間、前記車両を優先して通行させるための信号機制御の依頼を、所定の信号機制御システムへ送信する
付記B1乃至B3のいずれか1項に記載の救護支援システム。
(付記B5)
前記救急機関サーバは、
前記車両が前記被救護者を搬送中に前記携帯端末から前記位置情報を受け付けた場合、当該位置情報を前記信号機制御システムへ送信する
付記B4に記載の救護支援システム。
(付記C1)
コンピュータが、
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録し、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付け、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択し、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する、
救護支援方法。
(付記D1)
被救護者の情報開示条件と、複数の救護候補者のそれぞれの救護対応条件とを登録する登録処理と、
所定の被救護者の情報端末から救護要求を受け付ける受付処理と、
前記救護要求にかかる被救護者の前記情報開示条件と、前記救護対応条件とに基づいて、前記複数の救護候補者の中から救護者を選択する選択処理と、
前記選択した救護者の携帯端末へ、前記被救護者の救護要請を通知する通知処理と、
をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0143】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0144】
1 救護支援装置
11 登録部
12 受付部
13 選択部
14 通知部
1000 救護支援システム
1000a 救護支援システム
1000b 救護支援システム
100 情報端末
200 認証装置
210 顔情報DB
211 ユーザID
212 顔特徴情報
220 顔検出部
230 特徴点抽出部
240 登録部
250 認証部
300 救護支援装置
300b 救護支援装置
310 記憶部
311 プログラム
311b プログラム
312 被救護者情報
3121 ユーザID
3122 個人情報
3123 健康情報
3124 条件情報
31241 通知条件
31242 開示情報種別
31243 開示先属性
313 救護候補者情報
3131 ユーザID
3132 属性情報
3133 救護対応条件
3134 現在位置
3135 端末情報
3136 救護履歴
3137 評価情報
320 メモリ
330 通信部
340 制御部
341 登録部
342 受付部
343 特定部
344 選択部
345 通知部
345b 通知部
346 更新部
347 信号制御部
41 携帯端末
42 携帯端末
4m 携帯端末
421 車両
4m1 車両
500 消防局サーバ
500a 消防局サーバ
510 記憶部
511 プログラム
511a プログラム
512 救護状況情報
5121 被救護者情報
5122 救護者情報
5123 救護状況
5124 現在位置
520 メモリ
530 通信部
540 制御部
541 受付部
542 更新部
543 許可部
543a 許可部
544 信号制御部
610 被救護者の事前登録画面
611 通知条件選択欄
612 開示情報種別選択欄
613 開示先属性選択欄
614 登録ボタン
620 自治体消防局連携画面
621 メッセージ表示欄
622 非同意ボタン
623 同意ボタン
630 救護者の事前登録画面
631 対応内容選択欄
632 条件選択欄
633 時間帯選択欄
634 登録ボタン
640 救護要請表示画面
641 救護要請概要
642 詳細表示ボタン
650 救護要請の回答画面
651 アラートメッセージ
652 被救護者概要位置
653 詳細情報
654 受理ボタン
655 不受理ボタン
660 被救護者のお礼入力画面
661 救護者情報
662 救護記録
663 謝礼情報
664 評価情報
665 コメント
666 送信ボタン
670 救護者のお礼確認画面
671 被救護者情報
672 謝礼情報
673 評価情報
674 コメント
675 ポイント情報
676 確認ボタン
680 被救護者の救護待ち画面
681 救護者の現在位置
682 メッセージ
683 到着予定時刻
690 搬送先候補の表示画面
691 被救護者の現在位置
6921 搬送先候補
6922 搬送先候補
6923 搬送先候補
693 選択欄
694 選出理由
695 決定ボタン
700 信号機制御システム
710 信号機
711 信号機
712 信号機
713 信号機
714 信号機
720 信号機
721 信号機
722 信号機
723 信号機
724 信号機
730 病院
N ネットワーク
U1 被救護者
U21 救護候補者
U22 救護候補者
U2m 救護候補者
図1
図2
図3
図4
図5
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図26