(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114868
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】設問作成システム、端末装置、設問作成方法、設問作成プログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G09B 19/14 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
G09B19/14
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024103540
(22)【出願日】2024-06-27
(62)【分割の表示】P 2019198968の分割
【原出願日】2019-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】藤野 留佐子
(72)【発明者】
【氏名】岩堀 耕史
(57)【要約】
【課題】安全運転に関する設問を効率的に作成することができる設問作成システム、端末装置、設問作成方法、設問作成プログラム、及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】設問作成システム10が、イベントが移動体で発生した時の移動体の動作を取得するサーバ側動作取得部105と、移動体の動作の結果生じた結果事象を取得するサーバ側結果取得部106と、イベントの発生前に撮影された移動体の周辺のイベント前画像を設問画像に設定し、サーバ側動作取得部105で取得された動作に基づいて設問文を作成し、サーバ側結果取得部106で取得された結果事象に基づいて設問文に対する回答の選択肢を作成することで設問を作成する設問作成部107と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められたイベントが移動体で発生した時の前記移動体の動作を取得する動作取得部と、
前記移動体の前記動作の結果生じた結果事象を取得する結果取得部と、
前記動作取得部で取得された前記動作及び前記結果取得部で取得された前記結果事象を所定のサーバ装置に引き渡す引渡し部と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の安全運転に関する設問を作成する設問作成システム、端末装置、設問作成方法、設問作成プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両などの移動体に搭載され周辺画像を撮影するドライブレコーダが普及しつつある。このようなドライブレコーダで得られる撮影画像には、例えば事故等が発生した際の状況に関する情報が豊富に含まれている。そこで、事故等の際の撮影画像を事故解析会社等で解析して安全運転に関する教育に用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ドライブレコーダで得られる撮影画像を安全運転に関する教育に用いるに当たっては、教材としての設問を撮影画像に基づいて作成し、被提供者としての運転者に提供して回答させる等といったことが考えられる。しかしながら、このような設問の作成については、例えば撮影画像に対する解析作業者等といった多くの人手を介しているのが現状であり、安全運転に関する設問を効率的に作成するシステムの構築が求められている。
【0005】
したがって、本発明の課題は、安全運転に関する設問を効率的に作成することができる設問作成システム、端末装置、設問作成方法、設問作成プログラム、及び記憶媒体を提供すること等が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決し目的を達成するために、本発明の設問作成システムは、予め定められたイベントが移動体で発生した時の前記移動体の動作を取得する動作取得部と、前記移動体の前記動作の結果生じた結果事象を取得する結果取得部と、前記イベントの発生前に撮影された前記移動体の周辺のイベント前画像を設問画像に設定し、前記動作取得部で取得された前記動作に基づいて設問文を作成し、前記結果取得部で取得された前記結果事象に基づいて前記設問文に対する回答の選択肢を作成することで設問を作成する設問作成部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、前述した課題を解決し目的を達成するために、本発明の端末装置は、予め定められたイベントが移動体で発生した時の前記移動体の動作を前記運転者自身から取得する動作取得部と、前記移動体の前記動作の結果生じた結果事象を取得する結果取得部と、前記動作取得部で取得された前記動作及び前記結果取得部で取得された前記結果事象を所定のサーバ装置に引き渡す引渡し部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、前述した課題を解決し目的を達成するために、本発明の設問作成方法は、ソフトウェアの制御によってコンピュータが行う設問作成方法であって、予め定められたイベントが移動体で発生した時の前記移動体の動作を取得する動作取得工程と、前記移動体の前記動作の結果生じた結果事象を取得する結果取得工程と、前記イベントの発生前に撮影された前記移動体の周辺のイベント前画像を設問画像に設定し、前記動作取得工程で取得された前記動作に基づいて設問文を作成し、前記結果取得工程で取得された前記結果事象に基づいて前記設問文に対する回答の選択肢を作成することで設問を作成する設問作成工程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、前述した課題を解決し目的を達成するために、本発明の設問作成プログラムは、上述の設問作成方法を、コンピュータにより実行させることを特徴とする。
【0010】
また、前述した課題を解決し目的を達成するために、本発明の記憶媒体は、上述の設問作成プログラムを記憶したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】安全運転に関する設問を作成する設問作成システムが適用される交通システムを示す模式図である。
【
図2】
図1に示された移動体に備えられている構成を表す模式的なブロック図である。
【
図3】
図1に示されたサーバ装置に構築されている設問作成システムを表す模式的なブロック図である。
【
図4】
図1に示された端末装置において、イベント発生時の移動体の動作や、その動作の結果生じた結果事象を、運転者から得るための構成を表す模式的なブロック図である。
【
図5】設問作成システムで移動体からのイベント情報が受信されると実行される、設問作成に関する準備処理を示すフローチャートである。
【
図6】設問作成システムで実行される、設問作成方法に則った処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図6に示されている提示工程と動作取得工程で端末装置の表示画面に表示される表示内容の一例を示す模式図である。
【
図8】
図6に示されている結果取得工程で端末装置の表示画面に表示される複数の事象候補の一例を示す模式図である。
【
図9】
図6に示されている結果取得工程で結果事象が選択されたときの表示画面の一例を示す模式図である。
【
図10】
図6に示されている設問作成工程で作成される安全運転に関する設問の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係る設問作成システムは、動作取得部と、結果取得部と、設問作成部と、を備えている。動作取得部は、予め定められたイベントが移動体で発生した時の移動体の動作を取得する。結果取得部は、移動体の上記の動作の結果生じた結果事象を取得する。設問作成部は、設問画像を設定し、設問文を作成し、設問文に対する回答の選択肢を作成することで設問を作成する。設問作成部は、イベントの発生前に撮影された移動体の周辺のイベント前画像を設問画像に設定する。また、設問作成部は、動作取得部で取得された動作に基づいて設問文を作成する。そして、設問作成部は、結果取得部で取得された結果事象に基づいて設問文に対する回答の選択肢を作成する。
【0013】
本実施形態の設問作成システムによれば、事故やいわゆるヒヤリハット事象等といった予め定められたイベントが発生すると、その時の移動体の動作、その動作の結果生じた結果事象、及びイベント前画像に基づいて、設問が略自動的に作成される。このように作成される設問はイベントの発生に関連したものであることから、安全運転に関する教育に有効に用いることができる。このように、本実施形態の設問作成システムによれば、安全運転に関する設問を効率的に作成することができる。
【0014】
ここで、本実施形態では、設問作成部が、イベントの発生後に撮影された移動体の周辺のイベント後画像を、設問文に対する回答画像に設定する。
【0015】
この構成によれば、設問文に対する回答を、イベントの発生後の実際の画像という説得力のある形態で提示することができる。
【0016】
また、本実施形態では、動作取得部が、イベントを発生させた運転者からイベント発生時の移動体の動作を取得し、結果取得部が、運転者から結果事象を取得する。
【0017】
この構成によれば、イベント発生の当事者である運転者から設問作成の材料となる情報が取得されるので、精度の高い設問を作成することができる。
【0018】
また、本実施形態では、運転者に対して、イベントの発生前後に亘って移動体の周辺について撮影された画像を提示する提示部、を備え、提示部により提示された画像に対して、動作取得部が運転者から動作を取得し、結果取得部が運転者から結果事象を取得する。
【0019】
この構成によれば、イベントの発生前後の画像提示によって運転者にイベント発生時の状況を思い出させた上で移動体の動作が取得されるので、一層精度の高い設問を作成することができる。
【0020】
また、本実施形態では、動作取得部は、複数の動作候補の中から運転者に選択させることでイベント発生時の移動体の動作を取得する。
【0021】
この構成によれば、複数の動作候補の中からの選択という、運転者にとって簡単な処理によってイベント発生時の移動体の動作を取得することができるので、一層効率的に設問を作成することができる。
【0022】
また、本実施形態では、動作取得部は、移動体が行い得る動作群の中から、イベントが発生した道路において可能な動作を複数の動作候補として抽出して提示する。
【0023】
この構成によれば、運転者の選択に供される動作候補が、イベントが発生した道路に基づいて絞り込まれるので、運転者が効率的に選択処理を行うことができる。
【0024】
また、本実施形態では、結果取得部は、複数の事象候補の中から運転者に選択させることで結果事象を取得する。
【0025】
この構成によれば、複数の事象候補の中からの選択という、運転者にとって簡単な処理によって結果事象を取得することができるので、一層効率的に設問を作成することができる。
【0026】
また、本実施形態では、結果取得部は、移動体において生じ得る事象群の中から、動作取得部で取得されたイベント発生時の移動体の動作の結果生じ得る事象を複数の事象候補として抽出して提示する。
【0027】
この構成によれば、運転者の選択に供される事象候補が、イベント発生時の移動体の動作に基づいて絞り込まれるので、運転者が効率的に選択処理を行うことができる。
【0028】
また、本実施形態では、所定のネットワークを介して移動体に接続されるサーバ装置に設置され、イベント前画像を、ネットワークを介して移動体から取得する画像取得部が備えられている。そして、動作取得部及び結果取得部は、何れもサーバ装置に設置され、イベントを発生させた運転者の端末装置及びネットワークを介して当該運転者からイベント発生時の移動体の動作及び結果事象を取得する。また、設問作成部は、サーバ装置に設置され、画像取得部で取得されたイベント前画像を設問画像に設定するとともに、当該サーバ装置上で設問文及び回答の選択肢を作成する。
【0029】
この構成によれば、移動体から取得されたイベント前画像と、運転者の端末装置で取得されたイベント発生時の移動体の動作及び結果事象がサーバ装置に集約され、これらの情報に基づいてサーバ装置において設問が作成される。このように、高い処理能力を有するサーバ装置に各種情報が集約されて設問作成処理が行われるので、一層効率的に設問を作成することができる。
【0030】
また、本発明の実施形態に係る端末装置は、動作取得部と、結果取得部と、引渡し部と、を備えている。動作取得部は、予め定められたイベントが移動体で発生した時の移動体の動作を取得する。結果取得部は、移動体のイベント発生時の動作の結果生じた結果事象を取得する。引渡し部は、動作取得部で取得された動作及び結果取得部で取得された結果事象を所定のサーバ装置に引き渡す。
【0031】
本実施形態の端末装置によれば、事故やいわゆるヒヤリハット事象等といった予め定められたイベントが発生すると、その時の移動体の動作、その動作の結果生じた結果事象、が取得されてサーバ装置に引き渡される。サーバ装置では、引き渡された各種情報に基づき、安全運転に関する教育に有効な設問が、その高い処理能力を駆使して作成されることとなる。このように、本実施形態の設問作成システムによれば、安全運転に関する設問を効率的に作成することができる。
【0032】
また、本発明の実施形態に係る設問作成方法は、動作取得工程と、結果取得工程と、設問作成工程と、を備えている。動作取得工程では、予め定められたイベントが移動体で発生した時の移動体の動作が取得される。結果取得工程では、移動体の上記の動作の結果生じた結果事象が取得される。設問作成工程では、設問画像が設定され、設問文が作成され、設問文に対する回答の選択肢が作成されることで設問が作成される。設問作成工程では、イベントの発生前に撮影された移動体の周辺のイベント前画像が設問画像に設定される。また、設問作成工程では、動作取得工程で取得された動作に基づいて設問文が作成される。そして、設問作成工程では、結果取得工程で取得された結果事象に基づいて設問文に対する回答の選択肢が作成される。
【0033】
本実施形態の設問作成方法によれば、事故やいわゆるヒヤリハット事象等といった予め定められたイベントが発生すると、その時の移動体の動作、その動作の結果生じた結果事象、及びイベント前画像に基づいて、設問が略自動的に作成される。このように作成される設問はイベントの発生に関連したものであることから、安全運転に関する教育に有効に用いることができる。このように、本実施形態の設問作成方法によれば、安全運転に関する設問を効率的に作成することができる。
【0034】
また、本発明の実施形態に係る設問作成プログラムは、上述の設問作成方法を、コンピュータにより実行させるものである。
【0035】
本実施形態の設問作成プログラムによれば、上述の設問作成方法をコンピュータにより実行させることで、安全運転に関する設問を効率的に作成することができる。
【0036】
また、本発明の実施形態に係る記憶媒体は、上述の設問作成プログラムを記憶したものである。
【0037】
本実施形態の記憶媒体によれば、上述の設問作成プログラムを読みだしてコンピュータで実行させることで、安全運転に関する設問を効率的に作成することができる。
【実施例0038】
以下、安全運転に関する設問を効率的に作成するという課題を解決するための実施例について図を参照して具体的に説明する。
【0039】
図1は、安全運転に関する設問を作成する設問作成システムが適用される交通システムを示す模式図である。
【0040】
図1に示されている交通システム1は、サーバ装置10、乗用車等の車両といった移動体20、端末装置30、及び無線ネットワーク40を備えている。この交通システム1では、複数の移動体20、各移動体20の運転者Yが操作可能な端末装置30が、無線ネットワーク40を介してサーバ装置10に接続されている。
【0041】
まず、この交通システム1における各移動体20は、次のような構成を備えている。
【0042】
図2は、
図1に示された移動体に備えられている構成を表す模式的なブロック図である。
【0043】
移動体20は、移動体側通信部21、制御部22、ドライブレコーダ23、イベント検出部24、及び位置取得部25を備えている。移動体側通信部21は、無線ネットワーク40を介してサーバ装置10と情報をやり取りする。制御部22は、移動体20における各種装置の動作を制御するとともに、ドライブレコーダ23、イベント検出部24、及び位置取得部25で取得される情報に対する処理を行う。ドライブレコーダ23は、移動体20に搭載されて、その周辺の画像を動画撮影して記録する。イベント検出部24は、加速度センサを備え、急ハンドルや急ブレーキ等のイベントの発生を検出する。位置取得部25は、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を用いて移動体20の位置を取得する。
【0044】
本実施例では、イベント検出部24でイベントの発生が検出されると、制御部22が、ドライブレコーダ23で撮影され記録された動画から、イベントの発生の7秒前から3秒後までに亘るイベント前後画像を抽出する。また、制御部22は、位置取得部25で取得された移動体20の位置のうちイベント発生時の位置を抽出する。また、制御部22は、所定の地図情報とイベント発生時の位置とを照らし合わせ、イベント発生時に移動体20が通過していた道路の種別を判別する。ここにいう道路の種別とは、その道路が、高速道路、単路、信号機無しの交差点付近、及び信号機有りの交差点付近、の何れに該当するかを表す。そして、制御部22は、イベント前後画像、その撮影日時、撮影場所としての道路の種別、及びイベントを発生させた運転者Yを示す識別子、を互いに対応付けたイベント情報を、移動体側通信部21を介してサーバ装置10に送信する。
【0045】
図3は、
図1に示されたサーバ装置に構築されている設問作成システムを表す模式的なブロック図である。
【0046】
設問作成システム100は、サーバ装置10に構築され、移動体20からのイベント情報の受信をトリガとして安全運転に関する設問を作成するシステムである。設問作成システム100は、サーバ側通信部101、イベント取得部102、記憶部103、サーバ側提示部104、サーバ側動作取得部105、サーバ側結果取得部106、及び設問作成部107を備える。
【0047】
サーバ側通信部101は、移動体20や、運転者Yの端末装置30と、無線ネットワーク40を介して情報をやり取りする。イベント取得部102は、上述のイベント前後画像を取得する画像取得部の役割を兼ね、イベント前後画像を含むイベント情報を、無線ネットワーク40及びサーバ側通信部101を介して移動体20から取得する。記憶部103は、イベント取得部102が移動体20から取得したイベント情報を記憶する。サーバ側提示部104は、端末装置30を介したサーバ側動作取得部105及びサーバ側結果取得部106による情報取得に先立って、イベント情報の識別子が示す運転者Yに、イベント情報のイベント前後画像を提示する。サーバ側提示部104によるイベント前後画像の提示は、運転者Yの識別子に対応した端末装置30に、サーバ側通信部101及び無線ネットワーク40を介してイベント前後画像を送信することで行われる。
【0048】
サーバ側動作取得部105は、イベント発生時の移動体20の、例えば直進や右左折等といった動作をイベント情報の識別子が示す運転者Yから取得する。サーバ側動作取得部105による動作の取得は、運転者Yの識別子に対応した端末装置30を介して、イベント発生時に移動体20をどのように操作していたかを運転者Yに問うて回答させることによって行われる。サーバ側結果取得部106は、サーバ側動作取得部105で取得した動作の結果、移動体20に生じた結果事象をイベント情報の識別子が示す運転者Yから取得する。サーバ側結果取得部106による結果事象の取得も、運転者Yの識別子に対応した端末装置30を介して、上記の動作の結果どのような事態が生じたかを運転者Yに問うて回答させることによって行われる。
【0049】
設問作成部107は、記憶部103に記憶されているイベント情報や、サーバ側動作取得部105及びサーバ側結果取得部106による取得情報に基づいて、安全運転に関する設問を作成する。設問は、設問画像と、設問文と、回答の選択肢と、回答画像と、を有する。設問作成部107は、記憶部103に記憶されているイベント情報のイベント前後画像から、イベントの発生5秒前からイベント発生直前までに亘るイベント前画像を抽出して設問画像に設定する。また、設問作成部107は、このイベント前後画像から、イベント前画像の直後からイベント発生3秒後までに亘るイベント後画像を抽出して回答画像に設定する。更に、設問作成部107は、サーバ側動作取得部105で取得されたイベント発生時の移動体20の動作に基づいて設問文を作成する。この設問文の作成は、サーバ側動作取得部105で取得された動作を表す文言を定型文に当てはめることで行われる。そして、設問作成部107は、サーバ側結果取得部106で取得された結果事象に基づいて設問文に対する回答の選択肢を作成する。この回答の選択肢は、サーバ側結果取得部106で取得された結果事象を正答として含んだものとなる。
【0050】
図4は、
図1に示された端末装置において、イベント発生時の移動体の動作や、その動作の結果生じた結果事象を、運転者から得るための構成を表す模式的なブロック図である。
【0051】
端末装置30は、端末側通信部31、端末側提示部32、端末側動作取得部33、端末側結果取得部34、引渡し部35、及び表示画面36、を備えている。端末側通信部31は、無線ネットワーク40を介してサーバ装置10と情報をやり取りする。端末側提示部32は、サーバ側提示部104からの指示を受けて表示画面36にイベント前後画像を表示することで運転者Yに当該イベント前後画像を提示する。
【0052】
端末側動作取得部33は、サーバ側動作取得部105からの指示を受けて表示画面36にイベント発生時の移動体20の動作を問うメッセージを表示し運転者Yから回答の入力を受けることで当該動作を取得する。端末側結果取得部34は、サーバ側結果取得部106からの指示を受けて表示画面36に、上記の動作の結果、移動体20に生じた結果事象を問うメッセージを表示し運転者Yから回答の入力を受けることで当該結果事象を取得する。
【0053】
引渡し部35は、端末側動作取得部33で取得された動作及び端末側結果取得部34で取得された結果事象を、端末側通信部31を介してサーバ装置10(設問作成システム100)に引き渡す。表示画面36は、上記のイベント前後画像や、イベント発生時の移動体20の動作や結果事象の取得に関連したメッセージを表示する役割を担っている。
【0054】
以上に説明した交通システム1のサーバ装置10に構築された設問作成システム100において、移動体20からのイベント情報の受信をトリガとして安全運転に関する設問を作成する一連の処理の流れについて以下に説明する。
【0055】
まず、設問作成システム100において、移動体20からのイベント情報が受信されると、設問作成に関する準備処理が実行される。
【0056】
図5は、設問作成システムで移動体からのイベント情報が受信されると実行される、設問作成に関する準備処理を示すフローチャートである。
【0057】
イベント情報が受信されると、まず、イベント取得部102がサーバ側通信部101での受信を介してイベント情報を取得し、記憶部103がそのイベント情報を記憶するイベント取得工程(ステップS11)が実行される。次に、設問作成の準備工程(ステップS12)が、サーバ側提示部104及びサーバ側動作取得部105によって実行される。この準備工程(ステップS12)では、まず、サーバ側提示部104が、上記のイベント情報におけるイベント前後画像を提示画像に設定する。
【0058】
ここで、本実施例では、イベント発生時の移動体20の動作を取得するに当たり、サーバ側動作取得部105は、複数の動作候補の中から運転者Yに選択させることで上記の動作を取得する。そして、準備工程(ステップS12)において、サーバ側動作取得部105は、上記の複数の動作候補を、移動体20が行い得る動作群の中から、イベントが発生した道路において可能な動作を複数の動作候補として抽出する。具体的には、サーバ側動作取得部105は、上記のイベント情報における道路の種別において可能な動作を複数の動作候補として抽出する。
【0059】
準備工程(ステップS12)では、最後に、イベント発生時の移動体20の動作及び結果事象を運転者Yから取得する準備が整ったことを表すアイコン画像を、サーバ側提示部104が上記のイベント情報における識別子に対応した端末装置30に送信する。この送信は、サーバ側通信部101を介して行われる。アイコン画像を受信した端末装置30の表示画面36にはこのアイコン画像が表示される。端末装置30において、運転者Yが、このアイコン画像をクリックすると、以下に説明する設問作成方法に則った処理が設問作成システムで実行される。
【0060】
図6は、設問作成システムで実行される、設問作成方法に則った処理の流れを示すフローチャートである。
【0061】
上述したように、この
図6のフローチャートが示す処理は、端末装置30において、運転者Yが上記のアイコン画像をクリックすると開始される。処理が開始されると、まず、サーバ側提示部104が端末側提示部32に指示を出して、上記の準備工程(ステップS12)で提示画像に設定したイベント前後画像を端末装置30の表示画面36に表示する提示工程(ステップS21)が実行される。更に、サーバ側動作取得部105が端末側動作取得部33に指示を出して、イベント発生時の移動体20の動作を取得する動作取得工程(ステップS22)が実行される。動作取得工程(ステップS22)では、まず、上記の準備工程(ステップS12)で抽出された複数の動作候補が、イベント前後画像と並べられて表示画面36に表示される。
【0062】
図7は、
図6に示されている提示工程と動作取得工程で端末装置の表示画面に表示される表示内容の一例を示す模式図である。
【0063】
この
図7に示されているように、提示工程(ステップS21)及び動作取得工程(ステップS22)では、撮影日時や撮影場所とともにイベント前後画像361が表示画面36に表示される。
【0064】
また、このイベント前後画像361と並べられて、この撮影時の移動体20の動作、即ち、運転者Yがこの撮影時に行おうとしていた操作を問うメッセージ362とともに、準備工程(ステップS12)で抽出された複数の動作候補363が表示される。
【0065】
運転者Yは、イベント前後画像361を見てイベント発生時の状況を振り返りつつ、複数の動作候補363の中から、イベント発生時の移動体20の動作を選択する。表示画面36の右下隅には、回答ボタン364が配置されており、運転者Yは、動作候補363の中から一の動作を選択してこの回答ボタン364をクリックすることとなる。運転者Yによるこのような画面操作を受けて端末側動作取得部33で取得された一の動作は、引渡し部35によってサーバ側動作取得部105に引き渡される。
【0066】
図6のフローチャートが表す処理では、以上の動作取得処理(ステップS22)に続いて、サーバ側結果取得部106が端末側結果取得部34に指示を出して、上記の一の動作の結果生じた結果事象を取得する結果取得工程(ステップS23)が実行される。
【0067】
結果取得工程(ステップS23)では、複数の事象候補を提示し、その中から運転者Yにイベント発生時の結果事象を選択させる。動作取得処理(ステップS22)で一の動作が取得されると、サーバ側結果取得部106は、移動体20において生じ得る事象群の中から、上記の一の動作の結果生じ得る事象を複数の事象候補として抽出する。サーバ側結果取得部106は、端末側結果取得部34に指示を出して、その抽出した複数の事象候補を運転者Yに対して提示させる。
【0068】
図8は、
図6に示されている結果取得工程で端末装置の表示画面に表示される複数の事象候補の一例を示す模式図である。
【0069】
この
図8の例では、イベント発生時の移動体20の動作として「直進」が選択されており、これに応じて抽出された複数の事象候補365が、表示画面36の下方に複数段に亘ってスクロール可能に表示されている。運転者Yは、複数の事象候補365の中から、イベント発生時の移動体20の動作「直進」の結果としての一の結果事象を選択する。尚、表示画面36には、複数の事象候補365の下方に自由記載欄366が設けられている。運転者Yが、複数の事象候補365のうち「その他の問題が起こった」又は「何も問題が起きなかった」を選択した場合に、運転者Yが、自分の把握している状況をこの自由記載欄366に具体的に記載できるようになっている。ただし、この後に続く設問作成に反映されるのは、あくまでも事象候補365のうちの上記二項目以外の結果事象であり、これらの二項目や自由記載欄366の内容が反映されることはない。運転者Yが、事象候補365の中から結果事象を選択して回答ボタン364をクリックすることで、端末側結果取得部34は結果事象を取得する。この結果事象が引渡し部35によってサーバ側結果取得部106に引き渡される。
【0070】
図9は、
図6に示されている結果取得工程で結果事象が選択されたときの表示画面の一例を示す模式図である。
【0071】
この
図9の例では、イベント発生時の移動体20の動作として「直進」が動作候補363の中から選択され、そのときの結果事象として「対向車と衝突しそうになった」という事象が事象候補365の中から選択されている。そして、画面中央に、最終的な回答確認のための確認欄367が表示されており、この確認欄367で「はい」が選択されて回答ボタン364がクリックされると端末装置30での処理が終了する。他方、確認欄367で「戻る」が選択された場合には、表示画面36での表示内容が
図7の内容に戻り、動作取得処理(ステップS22)から処理が繰り返される。
【0072】
図6のフローチャートが表す処理では、以上の結果取得処理(ステップS23)に続き、設問作成部107が設問作成工程(ステップS24)を実行する。設問作成工程(ステップS24)では、設問画像及び回答画像が設定され、設問文が作成され、その設問文に対する回答の選択肢が作成されることで設問が作成される。上述したように、設問画像は、イベント情報のイベント前後画像のうち、イベントの発生5秒前からイベント発生直前までに亘るイベント前画像がこれに当たる。また、回答画像は、イベント前画像の直後からイベント発生3秒後までに亘るイベント後画像がこれに当たる。設問文は、動作取得工程(ステップS22)で取得された動作を表す文言を定型文に当てはめることで作成される。回答の選択肢は、結果取得工程(ステップS23)で取得された結果事象を正答として含んだものが設定される。
【0073】
図10は、
図6に示されている設問作成工程で作成される安全運転に関する設問の一例を示す模式図である。
【0074】
この設問50は、被提供者の端末装置30の表示画面36に表示される画像や文章で構成されており、回答前には設問画像51、設問文52、回答の選択肢53、及び回答ボタン54が表示され、回答後には回答画像55が表示される。設問画像51は上述したようにイベント前画像がこれに当たる。設問文52は、「AAAしようとしていますが、この運転で発生する可能性がある事故は?」という定型文のAAAの部分に、動作取得工程(ステップS22)で取得された動作を表す文言を当てはめることで作成される。
図10の例では、AAAの部分には、取得された動作に加え、イベント情報における道路の種別も当てはめられることとなっている。即ち、AAAの部分には、「単路を直進」なる文言が当てはめられている。また、回答の選択肢53は、結果取得工程(ステップS23)で取得された結果事象を正答531として含んだ4つの選択肢が設定されている。そして、回答画像55は上述したようにイベント後画像がこれに当たる。
【0075】
回答前の設問画像51を見た被提供者は、4つの選択肢の中から一の回答を選択して回答ボタン54をクリックすることとなる。正答であれば表示画面36に丸印が表示されて回答画像55が表示される。また、間違いであれば表示画面36にバツ印が表示されて回答画像55が表示される。
図10の例では、「対向車と衝突しそうになった」という正答531に対して「前方車へ衝突しそうになった」なる選択肢が選択されており、これに対してバツ印が表示されている。
【0076】
図6に示されている設問作成工程(ステップS24)において、以上のような設問50が作成されると、その設問50を記憶部103が記憶する設問記憶工程(ステップS25)が実行され、このフローチャートが表す処理が終了する。記憶された設問50は、後日に端末装置30を介して被提供者に提供されて安全運転に関する教育に用いられることとなる。
【0077】
尚、ここにいう被提供者は、本実施例の設問作成システム100が適用された
図1の交通システム1を構成する何れかの移動体20の運転者Yに限るものではない。何等かの移動体を運転する機会のある者であれば、誰であっても上記の設問50の提供を受ける被提供者になり得る。
【0078】
本実施例では、
図6のフローチャートで表される設問作成方法をコンピュータにより実行させる設問作成プログラムが、サーバ装置10の記憶部103や、サーバ装置10とは別体の記憶媒体に記憶されている。また、この設問作成プログラムを記憶する記憶媒体は、サーバ装置10に設置された記憶媒体に限らず、公知の可搬記憶媒体や、ネットワークを介してサーバ装置10に接続される更に別のサーバに設置された記憶媒体であってもよい。
【0079】
以上に説明した実施例によれば、事故やヒヤリハット事象等といった予め定められたイベントが発生すると、その時の移動体20の動作、その動作の結果生じた結果事象、及びイベント前画像に基づいて、安全運転に関する設問50が略自動的に作成される。即ち、本実施例によれば、安全運転に関する設問50を効率的に作成することができる。
【0080】
ここで、本実施例では、イベントの発生後に撮影された移動体20の周辺のイベント後画像が回答画像55に設定される。この構成によれば、設問文52に対する回答を、イベントの発生後の実際の画像という説得力のある形態で提示することができる。
【0081】
また、本実施例では、イベントを発生させた運転者Yからイベント発生時の移動体20の動作が取得され、この運転者Yから結果事象が取得される。この構成によれば、イベント発生の当事者である運転者Yから設問作成の材料となる情報が取得されるので、精度の高い設問50を作成することができる。
【0082】
また、本実施例では、運転者Yに対して、イベントの発生前後に亘って移動体20の周辺について撮影された画像が提示され、この画像提示に続いて運転者Yからイベント発生時の移動体20の動作が取得される。この構成によれば、イベントの発生前後の画像提示によって運転者Yにイベント発生時の状況を思い出させた上で移動体20の動作が取得されるので、一層精度の高い設問50を作成することができる。
【0083】
また、本実施例では、複数の動作候補363の中から運転者Yに選択させることでイベント発生時の移動体20の動作を取得する。この構成によれば、複数の動作候補363の中からの選択という、運転者Yにとって簡単な処理によってイベント発生時の移動体20の動作を取得することができるので、一層効率的に設問50を作成することができる。
【0084】
また、本実施例では、移動体20が行い得る動作群の中から、イベントが発生した道路において可能な動作が複数の動作候補363として抽出されて提示される。この構成によれば、運転者Yの選択に供される動作候補363が、イベントが発生した道路に基づいて絞り込まれるので、運転者Yが効率的に選択処理を行うことができる。
【0085】
また、本実施例では、複数の事象候補365の中から運転者Yに選択させることで結果事象が取得される。この構成によれば、複数の事象候補365の中からの選択という、運転者Yにとって簡単な処理によって結果事象を取得することができるので、一層効率的に設問を作成することができる。
【0086】
また、本実施例では、移動体20において生じ得る事象群の中から、イベント発生時の移動体20の動作の結果生じ得る事象が複数の事象候補365として抽出されて提示される。この構成によれば、運転者Yの選択に供される事象候補365が、イベント発生時の移動体20の動作に基づいて絞り込まれるので、運転者Yが効率的に選択処理を行うことができる。
【0087】
また、本実施例では、イベント前画像が、無線ネットワーク40を介して移動体20から取得される。そして、イベントを発生させた運転者Yの端末装置30及び無線ネットワーク40を介して当該運転者Yからイベント発生時の移動体20の動作及び結果事象が取得される。また、サーバ装置10上でイベント前画像が設問画像51に設定されるとともに、当該サーバ装置10上で設問文52及び回答の選択肢53が作成される。この構成によれば、移動体20から取得されたイベント前画像と、運転者Yの端末装置30で取得されたイベント発生時の移動体20の動作及び結果事象がサーバ装置10に集約され、これらの情報に基づいてサーバ装置10において設問50が作成される。このように、高い処理能力を有するサーバ装置10に各種情報が集約されて設問作成処理が行われるので、一層効率的に設問を作成することができる。
【0088】
尚、本発明は、以上に説明した実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0089】
例えば、上述した実施例では、乗用車のような車両としての移動体20が例示されている。しかしながら、移動体は、乗用車等に限るものではなく、トラックやバス等の大型車両等であってもよく、移動体の具体的な種類を問うものではない。
【0090】
また、上述した実施例では、イベント前画像、イベント前後画像、及びイベント後画像をドライブレコーダ23で動画撮影されて記録された画像から抽出する形態が例示されている。しかしながら、上記の各種画像は動画に限らず静止画であってもよく、また、その取得もドライブレコーダによるものに限るものではない。画像の取得は、例えば、道路脇に設置されたカメラでの撮影等によるものであってもよい。また、サーバ装置への集約も、無線ネットワークを介したものに限らず、例えば可搬型の記憶媒体等を介して行ってもよい。
【0091】
また、上述した実施例では、設問文52に対する回答画像55を設問50に設定する形態が例示されている。しかしながら、このような回答画像を設問に設定しないこととしてもよい。ただし、回答画像を設定することで、設問文に対する回答を説得力のある形態で提示することができる点は上述した通りである。
【0092】
また、上述した実施例では、イベントを発生させた運転者Yからイベント発生時の移動体20の動作を取得し、この運転者Yから結果事象を取得する形態が例示されている。しかしながら、これらの情報の取得は、運転者Yから行うのではなく、例えばこのような運転者Yとは異なる他者から行ってもよく、あるいは、ドライブレコーダの記録画像等に対する画像分析に基づいて自動的に取得することとしてもよい。ただし、イベントを発生させた運転者Yから上記の情報を取得することで、精度の高い設問50を作成することができる点も上述した通りである。
【0093】
また、上述した実施例では、運転者Yに対するイベント前後画像の提示に続いて各種情報の取得を行う形態が例示されている。しかしながら、このような画像提示は行わずに情報の取得を行ってもよい。ただし、画像提示に続いて各種情報の取得を行うことで、一層精度の高い設問50を作成することができる点も上述した通りである。
【0094】
また、上述した実施例では、複数の動作候補363の中からイベント発生時の移動体20の動作を運転者Yに選択させる形態が例示されている。しかしながら、このような選択操作は行わず、例えば運転者Yが移動体20の動作を直接入力することとしてもよい。ただし、上記の選択操作を採用することで、一層効率的に設問50を作成することができる点も上述した通りである。
【0095】
また、上述した実施例では、移動体20が行い得る動作群の中からイベントが発生した道路の種別等に基づいて複数の動作候補363を抽出する形態が例示されている。しかしながら、このような抽出は行わず、例えば移動体20が行い得る動作群の中から運転者Yに一の動作を選択させることとしてもよい。ただし、運転者Yの選択に供される動作候補363を、イベントが発生した道路に基づいて絞り込むことで、運転者Yが効率的に選択処理を行うことができる点も上述した通りである。
【0096】
また、上述した実施例では、複数の事象候補365の中から運転者Yに選択させることで結果事象が取得される形態が例示されている。しかしながら、結果事象についてもこのような選択操作は行わず、例えば運転者Yが直接入力することとしてもよい。ただし、上記の選択操作を採用することで、一層効率的に設問50を作成することができる点も上述した通りである。
【0097】
また、上述した実施例では、移動体20において生じ得る事象群の中から、イベント発生時の移動体20の動作に基づいて複数の事象候補365を抽出する形態が例示されている。しかしながら、事象候補についてもこのような抽出は行わず、例えば移動体20において生じ得る事象群の中から運転者Yに結果事象を選択させることとしてもよい。ただし、運転者Yの選択に供される事象候補365を、イベント発生時の移動体20の動作に基づいて絞り込むことで、運転者Yが効率的に選択処理を行うことができる点も上述した通りである。
【0098】
また、本実施例では、移動体20から取得されたイベント前画像と、運転者Yの端末装置30で取得されたイベント発生時の移動体20の動作及び結果事象がサーバ装置10に集約されて設問50が作成される形態が例示されている。しかしながら、設問の作成をサーバ装置10で行うのではなく、移動体20の制御部22や端末装置30で行うこととしてもよい。ただし、高い処理能力を有するサーバ装置10に各種情報を集約して設問作成処理を行うことで、一層効率的に設問を作成することができる点も上述した通りである。