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  • 特開-灯具取付構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011487
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】灯具取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/04 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B60Q1/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113495
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100122183
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】森井 信行
(72)【発明者】
【氏名】岡村 豊
(72)【発明者】
【氏名】吉見 亮
(72)【発明者】
【氏名】湯淺 春馬
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339BA14
3K339BA26
3K339BA30
3K339CA01
3K339DA01
3K339GA02
3K339GA08
3K339GB01
3K339GC01
3K339GC02
3K339GC04
(57)【要約】
【課題】灯具の耐振動性を向上できる新たな灯具取付構造を提供する。
【解決手段】灯具取付構造10は、車両用灯具と、車体の骨格を構成する第1の部材と、車体の外装を構成する第2の部材と、備える。車両用灯具は、第1の部材又は第2の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第1の取付部と、第1の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第2の取付部及び第3の取付部と、第2の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第4の取付部と、を有する。また、灯具取付構造10は、車両用灯具を鉛直方向上方から見た場合に、第1の取付部、第2の取付部、第3の取付部及び第4の取付部のそれぞれの取付位置を結んだ四角形の領域Rに該車両用灯具の重心が位置するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具と、
車体の骨格を構成する第1の部材と、
車体の外装を構成する第2の部材と、備え、
前記車両用灯具は、
前記第1の部材又は前記第2の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第1の取付部と、
前記第1の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第2の取付部及び第3の取付部と、
前記第2の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第4の取付部と、を有し、
該車両用灯具を鉛直方向上方から見た場合に、前記第1の取付部、前記第2の取付部、前記第3の取付部及び前記第4の取付部のそれぞれの取付位置を結んだ四角形の領域に該車両用灯具を構成するランプユニット又は電子制御ユニットが含まれていることを特徴とする灯具取付構造。
【請求項2】
車両用灯具と、
車体の骨格を構成する第1の部材と、
車体の外装を構成する第2の部材と、備え、
前記車両用灯具は、
前記第1の部材又は前記第2の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第1の取付部と、
前記第1の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第2の取付部及び第3の取付部と、
前記第2の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第4の取付部と、を有し、
該車両用灯具を鉛直方向上方から見た場合に、前記第1の取付部、前記第2の取付部、前記第3の取付部及び前記第4の取付部のそれぞれの取付位置を結んだ四角形の領域に該車両用灯具の重心が位置するように構成されていることを特徴とする灯具取付構造。
【請求項3】
前記車両用灯具は、車両後方から順に、前記第1の取付部、前記第2の取付部及び前記第3の取付部が設けられており、
前記第4の取付部は、前記第1の取付部と前記第3の取付部とを結んだラインよりも車両前方側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の灯具取付構造。
【請求項4】
前記第2の取付部は、前記第1の取付部と前記第3の取付部とを結んだラインよりも車両後方側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の灯具取付構造。
【請求項5】
前記第2の部材は、車両用灯具を上方から覆うように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の灯具取付構造。
【請求項6】
前記第2の部材は、車両用灯具を上方から覆うように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の灯具取付構造。
【請求項7】
前記車両用灯具は、
前記第1の取付部の取付方向が車両側方からであり、
前記第2の取付部の取付方向が車両上方からであり、
前記第3の取付部の取付方向が車両上方からであり、
前記第4の取付部の取付方向が車両前方からであることを特徴とする請求項3に記載の灯具取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯具取付構造に関し、例えば、車両用灯具を車体に取り付ける灯具取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドライトをはじめとする車両用灯具を車体に取り付ける際には、ランプボディに設けられた複数のブラケットを利用してネジにより車体に固定していた。例えば、特許文献1には、ランプボディから車両後方に向けて突出した4つのブラケットが設けられており、各ブラケットを車体に固定することでヘッドランプを車体に取り付ける構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-67785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述のヘッドランプの取付構造では、全てのブラケットがランプボディの後方で車体に固定されているため、ヘッドランプの重心がブラケットよりも車両前方に偏った位置になる。そのため、ランプが上下方向に加振された際の耐振動性に改善の余地がある。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的の一つは、灯具の耐振動性を向上できる新たな灯具取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の灯具取付構造は、車両用灯具と、車体の骨格を構成する第1の部材と、車体の外装を構成する第2の部材と、備える。車両用灯具は、第1の部材又は第2の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第1の取付部と、第1の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第2の取付部及び第3の取付部と、第2の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第4の取付部と、を有する。また、灯具取付構造は、車両用灯具を鉛直方向上方から見た場合に、第1の取付部、第2の取付部、第3の取付部及び第4の取付部のそれぞれの取付位置を結んだ四角形の領域に該車両用灯具を構成するランプユニット又は電子制御ユニットが含まれている。
【0007】
この態様によると、ランプユニット又は電子制御ユニットといった比較的重いユニットが、車両用灯具を鉛直方向上方から見た場合に、4つの取付部のそれぞれの取付位置を結んだ四角形の領域に含まれている。そのため、車両用灯具に上下方向の振動が加わっても、車両用灯具全体が傾きにくくなり、耐振動性が向上する。
【0008】
本発明の別の態様もまた、灯具取付構造である。この灯具取付構造は、車両用灯具と、車体の骨格を構成する第1の部材と、車体の外装を構成する第2の部材と、備える。車両用灯具は、第1の部材又は第2の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第1の取付部と、第1の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第2の取付部及び第3の取付部と、第2の部材に直接又は他の部品を介して取り付けられる第4の取付部と、を有する。該車両用灯具を鉛直方向上方から見た場合に、第1の取付部、第2の取付部、第3の取付部及び第4の取付部のそれぞれの取付位置を結んだ四角形の領域に該車両用灯具の重心が位置するように構成されている。
【0009】
この態様によると、車両用灯具の重心が、車両用灯具を鉛直方向上方から見た場合に、4つの取付部のそれぞれの取付位置を結んだ四角形の領域に含まれている。そのため、車両用灯具に上下方向の振動が加わっても、車両用灯具全体が傾きにくくなり、耐振動性が向上する。
【0010】
車両用灯具は、車両後方から順に、第1の取付部、第2の取付部及び第3の取付部が設けられており、第4の取付部は、第1の取付部と第3の取付部とを結んだラインよりも車両前方側に配置されていてもよい。これにより、各ユニットや重心を含む比較的広範囲な四角形を実現できる。
【0011】
第2の取付部は、第1の取付部と第3の取付部とを結んだラインよりも車両後方側に配置されていてもよい。これにより、各ユニットや重心を含む比較的広範囲な四角形を実現できる。
【0012】
第2の部材は、車両用灯具を上方から覆うように配置されていてもよい。これにより、第4の取付部を車両用灯具の上方で第2の部材に固定できる。
【0013】
車両用灯具は、第1の取付部の取付方向が車両側方からであり、第2の取付部の取付方向が車両上方からであり、第3の取付部の取付方向が車両上方からであり、第4の取付部の取付方向が車両前方からであってもよい。これにより、車両用灯具を第1の部材や第2の部材に取り付ける際の作業性が向上する。
【0014】
以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を製造方法、灯具や照明などの装置、発光モジュール、光源などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、灯具の耐振動性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施の形態に係る灯具取付構造の要部を模式的に示した上面図である。
図2図1に示す灯具取付構造を矢印A方向から見た側面図である。
図3図1に示すヘッドランプユニットのB-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0018】
本実施の形態に係る車両用灯具は、車両前部の左右に配置されているヘッドランプである。以下、このヘッドランプを車体に取り付ける灯具取付構造について説明する。ヘッドランプ等の車両用灯具は、車両に取り付けられるユニットとしては比較的大きく重いユニットである。そのため、車両用灯具を車体に取り付ける位置によってはユニット全体の重量バランスが偏り、車両振動の影響を受けやすくなる場合がある。そこで、本願発明者は、車両用灯具を取り付ける車体部品や位置について鋭意検討し本願発明に想到した。
【0019】
図1は、本実施の形態に係る灯具取付構造の要部を模式的に示した上面図である。図2は、図1に示す灯具取付構造を矢印A方向から見た側面図である。図3は、図1に示すヘッドランプユニットのB-B断面図である。なお、図1図2に示す車両用灯具は、右側ヘッドランプである。
【0020】
図1に示す灯具取付構造10は、ヘッドランプ12と、車体の骨格を構成する第1の部材としてのラジエーターコアサポート14と、車体の外装を構成する第2の部材としてのフェンダー16と、を備える。第1の部材としては、フロントクロスメンバーであってもよい。第2の部材としては、フェンダー周辺の他の部品であってもよい。
【0021】
ヘッドランプ12は、図3に示すように、樹脂製のランプボディ18と、ランプボディ18の開口部を覆う透明なカバー20と、ランプボディ18の内部に配置されているランプユニット22と、ランプボディ18の下部に固定されている電子制御ユニット24と、を備える。ランプユニット22は、例えば、LED等の発光素子を光源としたユニットである。
【0022】
ヘッドランプ12の一部を構成するランプボディ18は、フェンダー16に取り付けられる第1の取付部としての第1のブラケット26と、ラジエーターコアサポート14に取り付けられる第2の取付部としての第2のブラケット28及び第3の取付部としての第3のブラケット30と、フェンダー16取り付けられる第4のブラケット32と、を有する。ランプボディ18の所定位置に設けられている各ブラケットは、ラジエーターコアサポート14やフェンダー16に直接又は他の部品を介して取り付けられる。これにより、ランプボディ18が車体に固定される。例えば、第2のブラケット28は、ラジエーターコアサポート14に対してボルト等で締結される。また、第4のブラケット32は、フェンダー16の先端に固定されているフェンダーブラケット34とボルト36により締結されている。
【0023】
本実施の形態に係る灯具取付構造10は、図1に示すように、ヘッドランプ12を鉛直方向上方から見た場合に、第1のブラケット26、第2のブラケット28、第3のブラケット30及び第4のブラケット32のそれぞれの取付位置を結んだ四角形の領域Rにヘッドランプ12を構成するランプユニット22や電子制御ユニット24が含まれている。なお、領域Rにランプユニット22や電子制御ユニット24の全てが含まれていてもよいし、一部が含まれていてもよい。ランプユニット22や電子制御ユニット24の一部が含まれている場合、ランプユニット22や電子制御ユニット24の重量の半分以上が含まれているとよい。また、四角形の領域Rにヘッドランプ12の重心Gが含まれるようにヘッドランプ12の形状や重量バランス、各ブラケットの配置を選択してもよい。
【0024】
これにより、ランプユニット22や電子制御ユニット24といった比較的重いユニットが、ヘッドランプ12を鉛直方向上方から見た場合に、4つのブラケットのそれぞれの取付位置を結んだ四角形の領域Rに含まれている。そのため、ヘッドランプ12に上下方向の振動が加わっても、ヘッドランプ12全体が傾きにくくなり、耐振動性が向上する。
【0025】
ヘッドランプ12は、車両後方(図1の上方)から順に、第1のブラケット26、第2のブラケット28及び第3のブラケット30が設けられており、第4のブラケット32は、第1のブラケット26と第3のブラケット30とを結んだラインLよりも車両前方側(矢印F側)に配置されている。これにより、各ユニットや重心Gを含む比較的広範囲な四角形を実現できる。
【0026】
また、第2のブラケット28は、ラインLよりも車両後方側(矢印Fと反対側)に配置されている。これにより、各ユニットや重心Gを含む比較的広範囲な四角形を実現できる。
【0027】
本実施の形態に係るフェンダー16は、図2に示すように、ヘッドランプ12を上方から覆うように配置されている。これにより、第4のブラケット32をヘッドランプ12の上方でフェンダー16に固定できる。
【0028】
本実施の形態に係るヘッドランプ12は、第1のブラケット26の取付方向が車両側方(図1の矢印S1方向)からであり、第2のブラケット28の取付方向が車両上方(図2の矢印S2方向)からであり、第3のブラケット30の取付方向が車両上方(図2の矢印S3方向)からであり、第4のブラケット32の取付方向が車両前方(図1の矢印S4方向)からである。これにより、ヘッドランプ12をラジエーターコアサポート14やフェンダー16に取り付ける際の作業性が向上する。
【0029】
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【符号の説明】
【0030】
10 灯具取付構造、 12 ヘッドランプ、 14 ラジエーターコアサポート、 16 フェンダー、 18 ランプボディ、 20 カバー、 22 ランプユニット、 24 電子制御ユニット、 26 第1のブラケット、 28 第2のブラケット、 30 第3のブラケット、第4のブラケット32、 34 フェンダーブラケット、 36 ボルト。
図1
図2
図3