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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011495
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】分注装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
G01N35/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113505
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】松本 健太
(72)【発明者】
【氏名】芝吹 直伸
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CB15
2G058EA02
2G058ED20
2G058ED24
2G058ED35
(57)【要約】
【課題】液の落下による不具合を防止可能な分注装置を提供する。
【解決手段】分注装置100は、シリンジ21、アクチュエータ30、トレイ41およびトレイ保持部42を含む。シリンジ21の下端部にピペットチップ1が取り付けられる。アクチュエータ30は、第1の高さと、第1の高さの下方の第2の高さとの間でシリンジ21を昇降させる。トレイ保持部42は、シリンジ21が第1の高さにあるときにトレイ41をシリンジ21の下方の第1の位置で保持し、シリンジ21が第2の高さにあるときにトレイ41をシリンジ21とは重ならない第2の位置で保持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部にピペットチップが取り付けられるシリンジと、
第1の高さと、前記第1の高さの下方の第2の高さとの間で前記シリンジを昇降させるアクチュエータと、
トレイと、
前記シリンジが前記第1の高さにあるときに前記トレイを前記シリンジの下方の第1の位置で保持し、前記シリンジが前記第2の高さにあるときに前記トレイを前記シリンジとは重ならない第2の位置で保持するトレイ保持部とを備える、分注装置。
【請求項2】
前記トレイが前記第1の位置にある第1の状態と、前記トレイが前記第2の位置にある第2の状態との間で回動可能に前記トレイ保持部を支持する基台部をさらに備える、請求項1記載の分注装置。
【請求項3】
前記シリンジが前記第1の高さにあるときに前記第1の状態から前記第2の状態への前記トレイ保持部の回動を阻止し、前記シリンジの下降に応答して前記トレイ保持部を回動させる回動規制部をさらに備える、請求項2記載の分注装置。
【請求項4】
前記トレイ保持部に連結され、前記シリンジが前記第1の高さにあるときに前記回動規制部と当接する当接部をさらに備え、
前記回動規制部は、前記シリンジとともに昇降する、請求項3記載の分注装置。
【請求項5】
前記トレイ保持部を前記基台部に付勢する付勢部材をさらに備える、請求項2または3記載の分注装置。
【請求項6】
前記トレイを前記第2の位置で停止させるストッパをさらに備える、請求項1または2記載の分注装置。
【請求項7】
前記ストッパは、前記シリンジが前記第1の高さと前記第2の高さとの間にある所定の高さまで下降した時点で前記トレイを停止させる、請求項6記載の分注装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の容器から試料を吸引して別の容器に分注する装置として、分注装置が知られている。例えば、特許文献1には、ノズルを有する分注ユニットが記載されている。分注時には、ノズルの先端にピペットチップが装着される。この状態で、ノズルは、試薬容器から所定量の試薬をピペットチップ内に吸引する。その後、ノズルは、カートリッジ容器の位置に移動し、吸引した試薬をカートリッジ容器に分注する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3682302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
分注装置において、ノズルの搬送装置の停止時または外部からの振動により、吸引された液がピペットチップの先端から落下することがある。特に、ピペットチップの容量が大きい場合には、ピペットチップの先端の内径が大きいため、液の落下が発生しやすい。試料が収容された試験管に落下した液が混入すると、当該試験管に収容された試料を正確に分析することができない等の不具合が発生する。
【0005】
特許文献1においては、分注ユニットに隣接して受け皿が設けられる。分注ユニットのピペットチップの先端部が受け皿の位置を通過するときに、受け皿が押し出されてピペットチップの下方に位置されることにより、ピペットチップからの落下液が受け皿に受けられる。しかしながら、受け皿が設けられた位置以外の位置をピペットチップが移動する場合には、ピペットチップから落下した液は受け皿により受けられず、液の落下による不具合を防止することができない。
【0006】
本発明の目的は、液の落下による不具合を防止可能な分注装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、下端部にピペットチップが取り付けられるシリンジと、第1の高さと、前記第1の高さの下方の第2の高さとの間で前記シリンジを昇降させるアクチュエータと、トレイと、前記シリンジが前記第1の高さにあるときに前記トレイを前記シリンジの下方の第1の位置で保持し、前記シリンジが前記第2の高さにあるときに前記トレイを前記シリンジとは重ならない第2の位置で保持するトレイ保持部とを備える、分注装置に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、液の落下による不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態に係る分注装置の外観を示す斜視図である。
図2図1の分注装置を示す側面図である。
図3図1の分注装置の拡大斜視図である。
図4図1の分注装置の動作を説明するための図である。
図5図1の分注装置の動作を説明するための図である。
図6図1の分注装置の動作を説明するための図である。
図7図1の分注装置の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)分注装置の構成
以下、本発明の実施の形態に係る分注装置について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る分注装置の外観を示す斜視図である。図2は、図1の分注装置100を示す側面図である。図1および図2に示すように、分注装置100は、基台部10、シリンジユニット20、アクチュエータ30およびトレイユニット40を備える。
【0011】
シリンジユニット20は、複数のシリンジ21、シリンジ保持部22および一対の回動規制部23を含み、昇降可能に基台部10に取り付けられる。本例では、4個のシリンジ21が、下方を向く状態で2行2列に配列される。各シリンジ21の下端部には、使い捨てのピペットチップ1が取り付けられる。シリンジ保持部22は、複数のシリンジ21を保持する。一対の回動規制部23は、例えば板金等のプレートであり、複数のシリンジ21の上方の空間を挟んで対向する状態で、シリンジユニット20の上部に設けられる。図1および図2では、一方の回動規制部23のみが現れている。
【0012】
アクチュエータ30は、例えば回転軸を有するステッピングモータであり、基台部10に取り付けられる。図1には、アクチュエータ30の回転軸のみが図示されている。アクチュエータ30の回転は、プーリおよびベルト等の伝達部材を介してシリンジユニット20に伝達される。そのため、アクチュエータ30が一方向に回転することにより、シリンジユニット20が下降する。また、アクチュエータ30が他方向に回転することにより、シリンジユニット20が上昇する。
【0013】
トレイユニット40は、トレイ41、一対のトレイ保持部42、一対のプレート43、連結部44、一対の当接部45および一対の付勢部材46を含む。通常状態において、トレイ41は、複数のシリンジ21の下方に位置する。シリンジ21による試料の吸引または吐出時には、トレイ41は、シリンジ21の下方の第1の位置から、その側方の第2の位置に移動するように回動する。基台部10の下端部には、板形状を有するストッパ11が設けられる。第2の位置でトレイ41がストッパ11に当接することにより、トレイ41の過剰な回動が防止される。
【0014】
一対のトレイ保持部42は、一方向に延びるアームであり、シリンジユニット20を挟んで対向する。各トレイ保持部42の上端部は、回動可能に基台部10に取り付けられる。これにより、各トレイ保持部42は、上端部を回動軸47として回動する。トレイ41は、一対のトレイ保持部42の下端部の間に保持される。一対のプレート43は、一対のトレイ保持部42とともに回動可能に一対のトレイ保持部42の上端部にそれぞれ取り付けられる。図1および図2には、一方のプレート43のみが現れている。
【0015】
連結部44は、例えばロッドであり、一対のプレート43間に取り付けられる。連結部44には、一対の当接部45が所定の間隔で取り付けられる。一対の当接部45は、例えばローラであり、一対の回動規制部23にそれぞれ対応する。図1には、一方の当接部45のみが現れている。図2において、連結部44および当接部45は、プレート43の奥に位置する。
【0016】
各付勢部材46は、例えばバネ部材である。各付勢部材46は、ゴム部材等であってもよい。一対の付勢部材46の一端部は、一対のトレイ保持部42の上下方向における略中央部にそれぞれ取り付けられる。一対の付勢部材46の他端部は、基台部10に取り付けられる。これにより、一対のトレイ保持部42は、回動軸47を中心に一方向(図2においては反時計回り)に付勢される。
【0017】
図3は、図1の分注装置100の拡大斜視図である。図3に示すように、通常状態において、シリンジユニット20の回動規制部23は、下方からトレイユニット40の当接部45に当接する。これにより、付勢部材46による付勢に抗して、トレイ保持部42が回動することが阻止されている。
【0018】
(2)分注装置の動作
図4図7は、図1の分注装置100の動作を説明するための図である。上記のように、図2に示す分注装置100の通常状態においては、トレイ41は複数のシリンジ21の下方に位置する。この状態で、分注装置100は、図示しない搬送装置により試料が収容された複数の試験管の上方に搬送される。このときのシリンジ21の高さが第1の高さの例である。また、トレイ保持部42の状態が第1の状態の例である。本例では、複数の試験管は、複数のシリンジ21にそれぞれ対応するように、2行2列に配列されている。
【0019】
次に、図1のアクチュエータ30が一方向に回転することにより、図4に示すように、シリンジユニット20の下降が開始される。この場合、回動規制部23の下降が開始されることにより、回動規制部23により阻止されていたトレイ保持部42の回動が開始される。したがって、当接部45が回動規制部23と当接しつつ、回動軸47を中心としたトレイ41、トレイ保持部42、プレート43、連結部44および当接部45の一体的な回動が開始される。
【0020】
図5に示すように、シリンジユニット20が下降するほどトレイ41、トレイ保持部42、プレート43、連結部44および当接部45が大きく回動する。これにより、トレイ41が複数のシリンジ21の下方の第1の位置から第2の位置に移動する。その後、図6に示すように、トレイ41が基台部10のストッパ11に当接することにより、トレイ41、トレイ保持部42、プレート43、連結部44および当接部45の回動が停止する。このときのトレイ保持部42の状態が第2の状態の例である。
【0021】
以降、シリンジユニット20がさらに下降することにより、当接部45と回動規制部23とが離間し、図7に示すように、各シリンジ21に取り付けられたピペットチップ1の下端部がトレイ41よりも下方に移動する。ここで、各ピペットチップ1の下端部が対応する試験管に挿入される。このときのシリンジ21の高さが第2の高さの例である。この状態で、図示しないシリンジ用アクチュエータが動作することにより、各試験管に収容されていた試料が対応するピペットチップ1内に吸引される。
【0022】
その後、図1のアクチュエータ30が他方向に回転することにより、シリンジユニット20が上昇し、図6図5および図4の状態を順次経て、分注装置100が図2の通常状態に戻る。この場合、トレイ41は複数のシリンジ21の下方に位置するため、吸引された試料の液がピペットチップ1から落下した場合でも、液はトレイ41により受け止められる。したがって、落下した液が他の試験管等の容器に混入することがない。
【0023】
試料の吸引後、分注装置100は、搬送装置により分注先である複数のバイアルの上方に搬送される。本例では、複数のバイアルは、複数のシリンジ21にそれぞれ対応するように、2行2列に配列されている。次に、図4図7の分注装置100の動作が行われることにより、各ピペットチップ1の下端部が対応するバイアルに挿入される。この状態で、シリンジ用アクチュエータが動作することにより、各ピペットチップ1内に吸引されていた試料が対応するバイアルに吐出される。
【0024】
試料の吐出後、分注装置100は、図6図5および図4の状態を順次経て、分注装置100が図2の通常状態に戻る。その後、分注装置100は、搬送装置によりピペットチップ1の廃棄部に搬送される。廃棄部において、使用済みの各ピペットチップ1が対応するシリンジ21から取り外され、廃棄される。また、各シリンジ21に新たなピペットチップ1が取り付けられる。
【0025】
以上のピペットチップ1による試料の吸引、ピペットチップ1による試料の吐出、使用済みのピペットチップ1の廃棄および新たなピペットチップ1の取り付けが繰り返される。なお、使用済みのピペットチップ1の廃棄および新たなピペットチップ1の取り付け時にも、上記の図4図7の分注装置100の動作が行われることにより、トレイ41が複数のシリンジ21の下方の第1の位置から第2の位置に移動する。
【0026】
(3)効果
本実施の形態に係る分注装置においては、シリンジ21が第2の高さにあるときには、トレイ41がトレイ保持部42によりシリンジ21とは上下方向に重ならない第2の位置で保持される。この場合、シリンジ21による吸引動作、吐出動作、ピペットチップ1の取り外し、またはピペットチップ1の取り付け等がトレイ41により阻害されることがない。
【0027】
また、シリンジ21が第1の高さにあるときには、トレイ41がトレイ保持部42によりシリンジ21の下方の第1の位置で保持される。そのため、吸引された液がシリンジ21の搬送時等にピペットチップ1から落下した場合でも、液はトレイ41により受け止められる。したがって、落下した液が他の試験管等の容器に混入することがない。その結果、液の落下による不具合を防止することができる。
【0028】
トレイ保持部42は、トレイ41が第1の位置にある第1の状態と、トレイ41が第2の位置にある第2の状態との間で回動可能に基台部10により支持される。この場合、簡単な構成で、トレイ41を第1の位置と第2の位置との間で移動させることができる。
【0029】
シリンジ21が第1の高さにあるときに第1の状態から第2の状態へのトレイ保持部42の回動は回動規制部23により阻止される。また、シリンジ21の下降に応答してトレイ保持部42は回動規制部23により回動される。この場合、単一のアクチュエータ30を用いてシリンジ21の昇降およびトレイ41の移動を容易に行うことができる。
【0030】
具体的には、当接部45が連結部44を介してトレイ保持部42に連結され、シリンジ21が第1の高さにあるときに回動規制部23と当接する。また、回動規制部23は、シリンジ21とともに昇降する。この場合、回動規制部23によるトレイ保持部42の回動の規制を容易に行うことができる。さらに、トレイ保持部42は、付勢部材46により基台部10に付勢される。これにより、トレイ保持部42を容易に第1の状態から第2の状態に回動可能に設けることができる。
【0031】
トレイ41は、第2の位置でストッパ11に当接することにより停止する。これにより、トレイ41の過剰な移動を容易に防止することができる。また、ストッパ11によるトレイ41の停止は、シリンジ21が第1の高さと第2の高さとの間にある所定の高さまで下降した時点で行われる。この場合、トレイ41が第2の位置で停止された後でも、シリンジ21をさらに下降させることができる。そのため、シリンジ21の昇降範囲が大きい。したがって、上下方向に大きい寸法を有する大容量のピペットチップ1を用いて分注を行うことができる。
【0032】
(4)他の実施の形態
(a)上記実施の形態において、シリンジユニット20の回動規制部23とトレイユニット40の当接部45とが離間可能に設けられるが、実施の形態はこれに限定されない。回動規制部23と当接部45とは、離間不可能に接合されていてもよい。この構成においては、シリンジユニット20の昇降に連動して、トレイ41、トレイ保持部42、プレート43、連結部44および当接部45を一体的に回動するため、付勢部材46が設けられなくてもよい。また、シリンジ21が第2の高さに下降することによりトレイ41が第2の位置で停止するため、ストッパ11が設けられなくてもよい。
【0033】
(b)上記実施の形態において、シリンジ21の昇降とトレイ41の移動とが単一のアクチュエータ30により行われるが、実施の形態はこれに限定されない。シリンジ21の昇降とトレイ41の移動とが別個のアクチュエータにより行われてもよい。この場合、シリンジユニット20とトレイユニット40とをハードウエア的に連動させる必要がないので、回動規制部23および当接部45が設けられなくてもよい。
【0034】
(5)態様
上記の複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0035】
(第1項)一態様に係る分注装置は、
下端部にピペットチップが取り付けられるシリンジと、
第1の高さと、前記第1の高さの下方の第2の高さとの間で前記シリンジを昇降させるアクチュエータと、
トレイと、
前記シリンジが前記第1の高さにあるときに前記トレイを前記シリンジの下方の第1の位置で保持し、前記シリンジが前記第2の高さにあるときに前記トレイを前記シリンジとは重ならない第2の位置で保持するトレイ保持部とを備えてもよい。
【0036】
この分注装置においては、シリンジが第2の高さにあるときには、トレイがトレイ保持部によりシリンジとは重ならない第2の位置で保持される。この場合、シリンジの動作がトレイにより阻害されることがない。また、シリンジが第1の高さにあるときには、トレイがトレイ保持部によりシリンジの下方の第1の位置で保持される。そのため、吸引された液がシリンジの搬送時等にピペットチップから落下した場合でも、液はトレイにより受け止められる。したがって、落下した液が他の容器に混入することがない。その結果、液の落下による不具合を防止することができる。
【0037】
(第2項)第1項に記載の分注装置は、
前記トレイが前記第1の位置にある第1の状態と、前記トレイが前記第2の位置にある第2の状態との間で回動可能に前記トレイ保持部を支持する基台部をさらに備えてもよい。
【0038】
この場合、簡単な構成で、トレイを第1の位置と第2の位置との間で移動させることができる。
【0039】
(第3項)第2項に記載の分注装置は、
前記シリンジが前記第1の高さにあるときに前記第1の状態から前記第2の状態への前記トレイ保持部の回動を阻止し、前記シリンジの下降に応答して前記トレイ保持部を回動させる回動規制部をさらに備えてもよい。
【0040】
この場合、単一のアクチュエータを用いてシリンジの昇降およびトレイの移動を容易に行うことができる。
【0041】
(第4項)第3項に記載の分注装置は、
前記トレイ保持部に連結され、前記シリンジが前記第1の高さにあるときに前記回動規制部と当接する当接部をさらに備え、
前記回動規制部は、前記シリンジとともに昇降してもよい。
【0042】
この場合、回動規制部によるトレイ保持部の回動の規制を容易に行うことができる。
【0043】
(第5項)第2項または第3項に記載の分注装置は、
前記トレイ保持部を前記基台部に付勢する付勢部材をさらに備えてもよい。
【0044】
この場合、トレイ保持部を容易に第1の状態から第2の状態に回動可能に設けることができる。
【0045】
(第6項)第1項または第2項に記載の分注装置は、
前記トレイを前記第2の位置で停止させるストッパをさらに備えてもよい。
【0046】
この場合、トレイの過剰な移動を容易に防止することができる。
【0047】
(第7項)第6項に記載の分注装置において、
前記ストッパは、前記シリンジが前記第1の高さと前記第2の高さとの間にある所定の高さまで下降した時点で前記トレイを停止させてもよい。
【0048】
この場合、トレイが第2の位置で停止された後でも、シリンジをさらに下降させることができる。そのため、シリンジの昇降範囲が大きい。これにより、大容量のピペットチップを用いて分注を行うことができる。
【符号の説明】
【0049】
1…ピペットチップ,10…基台部,11…ストッパ,20…シリンジユニット,21…シリンジ,22…シリンジ保持部,23…回動規制部,30…アクチュエータ,40…トレイユニット,41…トレイ,42…トレイ保持部,43…プレート,44…連結部,45…当接部,46…付勢部材,47…回動軸,100…分注装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7