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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114956
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】パワーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024106108
(22)【出願日】2024-07-01
(62)【分割の表示】P 2021540724の分割
【原出願日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】P 2019150978
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 健一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 聡一郎
(57)【要約】
【課題】安定して動作できるパワーモジュールを提供すること。
【解決手段】パワーモジュール1Aにおいて、第1端パワー半導体素子40Aaのゲート電極43及び第1制御端子53A間の第1端制御側導電経路の長さと、第1端パワー半導体素子40Aaのソース電極42及び第1検出端子54A間の第1端駆動側導電経路の長さとの和を第1和とし、第2端パワー半導体素子40Abのゲート電極43及び第1制御端子53A間の第2端制御側導電経路の長さと、第2端パワー半導体素子40Abのソース電極42及び第1検出端子54A間の第2端駆動側導電経路の長さとの和を第2和とすると、ゲート電極43に接続された第1制御層21は、第1和と第2和とが互いに近づくように導電経路を迂回させる第1制御側迂回部21bを有する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向において互いに反対側を向く基板主面及び基板裏面を有し、電気絶縁性を有する基板と、
前記基板主面に形成された各々導電性を有する第1制御層、第2制御層、第1駆動層、第2駆動層、第1搭載層、第2搭載層、及び導電層と、
前記第1搭載層に搭載されるものであって、第1入力端子に電気的に接続される第1駆動電極が形成された第1素子裏面と、出力端子に電気的に接続される第2駆動電極、及び、制御電極が形成された第1素子主面と、を有し、前記厚さ方向からみて一方向に配列された状態で前記第1搭載層に搭載された複数の第1パワー半導体素子と、
前記第2搭載層に搭載されるものであって、前記出力端子に電気的に接続される第1駆動電極が形成された第2素子裏面と、第2入力端子に電気的に接続される第2駆動電極、及び、制御電極が形成された第2素子主面と、を有し、前記一方向に配列された状態で前記第2搭載層に搭載された複数の第2パワー半導体素子と、
前記複数の第1パワー半導体素子の制御電極と前記第1制御層とを接続するものであって、前記複数の第1パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第1制御側接続部材と、
前記複数の第1パワー半導体素子の第2駆動電極と前記第1駆動層とを接続するものであって、前記複数の第1パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第1駆動側接続部材と、
前記複数の第2パワー半導体素子の制御電極と前記第2制御層とを接続するものであって、前記複数の第2パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第2制御側接続部材と、
前記第2パワー半導体素子の第2駆動電極と前記第2駆動層とを接続するものであって、前記複数の第2パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第2駆動側接続部材と、
前記第1制御層と電気的に接続されている第1制御端子と、
前記第2制御層と電気的に接続されている第2制御端子と、
前記第1駆動層と電気的に接続されている第1検出端子と、
前記第2駆動層と電気的に接続されている第2検出端子と、を備えたパワーモジュールであって、
前記複数の第1パワー半導体素子は、前記複数の第1パワー半導体素子の配列方向の両端にある第1端パワー半導体素子及び第2端パワー半導体素子を含み、
前記第1端パワー半導体素子の前記制御電極及び前記第1制御端子間の経路を第1端制御側導電経路とし、前記第1端パワー半導体素子の前記第2駆動電極及び前記第1検出端子間の経路を第1端駆動側導電経路とし、前記第1端制御側導電経路の長さと前記第1端駆動側導電経路の長さとの和を第1和とし、
前記第2端パワー半導体素子の前記制御電極及び前記第1制御端子間の経路を第2端制御側導電経路とし、前記第2端パワー半導体素子の前記第2駆動電極及び前記第1検出端子間の経路を第2端駆動側導電経路とし、前記第2端制御側導電経路の長さと前記第2端駆動側導電経路の長さとの和を第2和とすると、
前記第1制御層及び前記第1駆動層の少なくとも一方は、前記第1和と前記第2和とが互いに近づくように導電経路を迂回させる第1迂回部を有する
パワーモジュール。
【請求項2】
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、
前記第2方向において、前記第1搭載層と前記導電層との間に前記第2搭載層が配置されており、
前記第1制御層及び前記第1駆動層はそれぞれ、前記第1搭載層に対して前記第2搭載層とは反対側に配置されており、
前記第2制御層及び前記第2駆動層はそれぞれ、前記導電層に対して前記第2搭載層とは反対側に配置されている
請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項3】
前記第1制御層及び前記第1駆動層はそれぞれ、前記第1方向に延びる第1配線部を有し、
前記第1迂回部は、前記第2方向において前記第1配線部と離間して配置されており、前記第1方向に延びている
請求項2に記載のパワーモジュール。
【請求項4】
前記第1制御層及び前記第1駆動層の少なくとも一方は、前記第1迂回部と前記第1配線部とを連結する第1連結部を有し、
前記第1配線部、前記第1迂回部、及び前記第1連結部は、一体に形成された単一部材からなる
請求項3に記載のパワーモジュール。
【請求項5】
前記第1制御層及び前記第1駆動層の少なくとも一方は、前記第1迂回部と前記第1配線部とを連結する第1連結部を有し、
前記第1連結部は、ワイヤからなる
請求項3に記載のパワーモジュール。
【請求項6】
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、
前記第2方向において、前記第1駆動層は、前記第1搭載層と隣り合うように配置されており、
前記第1制御層は、前記第1駆動層に対して前記第1搭載層とは反対側に配置されている
請求項1~5のいずれか一項に記載のパワーモジュール。
【請求項7】
前記第1制御層は、前記第1迂回部を有し、
前記第1迂回部は、前記第1制御層の第1配線部に対して前記第1駆動層とは反対側に配置されている
請求項6に記載のパワーモジュール。
【請求項8】
前記第1駆動層は、前記第1迂回部を有し、
前記第1迂回部は、前記第1制御層に対して前記第1搭載層とは反対側に配置されている
請求項6に記載のパワーモジュール。
【請求項9】
前記第1迂回部には、前記第1制御側接続部材及び前記第1駆動側接続部材が接続されていない
請求項1~8のいずれか一項に記載のパワーモジュール。
【請求項10】
前記第1制御端子と前記第1制御層とは、第1制御端子側接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1検出端子と前記第1駆動層とは、第1検出端子側接続部材によって電気的に接続されている
請求項1~9のいずれか一項に記載のパワーモジュール。
【請求項11】
前記第1制御層は、前記第1迂回部と、前記第1迂回部の先端部に形成されて前記第1制御端子側接続部材が接続されている第1接続部とを有する
請求項10に記載のパワーモジュール。
【請求項12】
前記第1駆動層は、前記第1迂回部と、前記第1迂回部の先端部に形成されて前記第1検出端子側接続部材が接続されている第2接続部とを有する
請求項10に記載のパワーモジュール。
【請求項13】
前記基板は、第1基板及び第2基板を有し、
前記第1基板及び前記第2基板の前記基板主面にはそれぞれ、前記第1制御層、前記第2制御層、前記第1駆動層、前記第2駆動層、前記第1搭載層、前記第2搭載層、及び前記導電層が配置されており、
前記第1基板の前記第1搭載層及び前記第2基板の前記第1搭載層にはそれぞれ、前記複数の第1パワー半導体素子が前記一方向に互いに離間して配置されており、
前記第1基板の前記第2搭載層及び前記第2基板の前記第2搭載層にはそれぞれ、前記複数の第2パワー半導体素子が前記一方向に互いに離間して配置されており、
前記第1基板及び前記第2基板は、前記一方向に互いに離間して配列されており、
前記第1基板の前記第1搭載層と前記第2基板の前記第1搭載層とは、第1搭載層接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1基板の前記第1制御層と前記第2基板の前記第1制御層とは、第1制御層接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1基板の前記第1駆動層と前記第2基板の前記第1駆動層とは、第1駆動層接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1基板の前記第1制御層及び前記第1駆動層の一方は、前記第1迂回部を有し、
前記第2基板の前記第1制御層及び前記第1駆動層の他方は、前記第1迂回部を有する
請求項1~12のいずれか一項に記載のパワーモジュール。
【請求項14】
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、
前記第2方向からみて、前記第1制御端子及び前記第1検出端子はそれぞれ、前記第2基板と重なるように配置されている
請求項13に記載のパワーモジュール。
【請求項15】
前記第1基板及び前記第2基板はそれぞれ、前記第2方向において前記第1駆動層が前記第1搭載層と隣り合うように配置されており、前記第1制御層が前記第1駆動層に対して前記第1搭載層とは反対側に配置されており、
前記第1基板の前記第1制御層は、前記第1迂回部を有し、
前記第2基板の前記第1駆動層は、前記第1迂回部を有し、
前記第1基板の前記第1制御層の前記第1迂回部の長さは、前記第2基板の前記第1駆動層の前記第1迂回部の長さよりも短く、
前記第1制御側接続部材の長さは、前記第1駆動側接続部材の長さよりも長い
請求項14に記載のパワーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パワーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
上記パワーモジュールの一例として、インバータ装置として構成されるパワーモジュールが知られている(例えば、特許文献1参照)。このパワーモジュールは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのトランジスタからなるパワー半導体素子を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-38803号公報
【0004】
[概要]
ところで、大電流を供給する用途のパワーモジュールでは、複数のパワー半導体素子を並列に接続した第1素子群と、複数のパワー半導体素子を並列に接続した第2素子群とを直列に接続することによって構成される場合がある。第1素子群を構成する複数のパワー半導体素子の制御端子には、パワーモジュールの1つの制御端子から制御電圧が供給され、第2素子群を構成する複数のパワー半導体素子の制御端子には、パワーモジュールの他の制御端子から制御電圧が供給される。この場合、例えば、第1素子群を構成するパワー半導体素子の配置位置によって、各パワー半導体素子の制御電極と、パワーモジュールの制御端子との間のインダクタンス値にばらつきが生じる。これにより、複数のパワー半導体素子のオンオフのタイミングがばらつくため、動作が不安定となるおそれがある。なお、第2素子群におけるパワー半導体素子についても第1素子群におけるパワー半導体素子と同様の問題が生じ得る。
【0005】
本開示の一態様によるパワーモジュールは、厚さ方向において互いに反対側を向く基板主面及び基板裏面を有し、電気絶縁性を有する基板と、前記基板主面に形成された各々導電性を有する第1制御層、第2制御層、第1駆動層、第2駆動層、第1搭載層、第2搭載層、及び導電層とを含む。前記パワーモジュールはさらに、前記第1搭載層に搭載されるものであって、第1入力端子に電気的に接続される第1駆動電極が形成された第1素子裏面と、出力端子に電気的に接続される第2駆動電極、及び、制御電極が形成された第1素子主面と、を有し、前記厚さ方向からみて一方向に配列された状態で前記第1搭載層に搭載された複数の第1パワー半導体素子と、前記第2搭載層に搭載されるものであって、前記出力端子に電気的に接続される第1駆動電極が形成された第2素子裏面と、第2入力端子に電気的に接続される第2駆動電極、及び、制御電極が形成された第2素子主面と、を有し、前記一方向に配列された状態で前記第2搭載層に搭載された複数の第2パワー半導体素子とを含む。前記パワーモジュールはさらに、前記複数の第1パワー半導体素子の制御電極と前記第1制御層とを接続するものであって、前記複数の第1パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第1制御側接続部材と、前記複数の第1パワー半導体素子の第2駆動電極と前記第1駆動層とを接続するものであって、前記複数の第1パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第1駆動側接続部材と、前記複数の第2パワー半導体素子の制御電極と前記第2制御層とを接続するものであって、前記複数の第2パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第2制御側接続部材と、前記第2パワー半導体素子の第2駆動電極と前記第2駆動層とを接続するものであって、前記複数の第2パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第2駆動側接続部材とを含む。前記パワーモジュールはさらに、前記第1制御層と電気的に接続されている第1制御端子と、前記第2制御層と電気的に接続されている第2制御端子と、前記第1駆動層と電気的に接続されている第1検出端子と、前記第2駆動層と電気的に接続されている第2検出端子とを含む。前記複数の第1パワー半導体素子は、前記複数の第1パワー半導体素子の配列方向の両端にある第1端パワー半導体素子及び第2端パワー半導体素子を含む。前記第1端パワー半導体素子の前記制御電極及び前記第1制御端子間の経路を第1端制御側導電経路とし、前記第1端パワー半導体素子の前記第2駆動電極及び前記第1検出端子間の経路を第1端駆動側導電経路とし、前記第1端制御側導電経路の長さと前記第1端駆動側導電経路の長さとの和を第1和とし、前記第2端パワー半導体素子の前記制御電極及び前記第1制御端子間の経路を第2端制御側導電経路とし、前記第2端パワー半導体素子の前記第2駆動電極及び前記第1検出端子間の経路を第2端駆動側導電経路とし、前記第2端制御側導電経路の長さと前記第2端駆動側導電経路の長さとの和を第2和とすると、前記第1制御層及び前記第1駆動層の少なくとも一方は、前記第1和と前記第2和とが互いに近づくように導電経路を迂回させる第1迂回部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態のパワーモジュールの斜視図である。
図2図2は、図1のパワーモジュールの平面図である。
図3図3は、図1のパワーモジュールの側面図である。
図4図4は、図1のパワーモジュールについて、図3とは異なる方向からみた側面図である。
図5図5は、図1のパワーモジュールについて、図3及び図4とは異なる方向からみた側面図である。
図6図6は、図1のパワーモジュールの底面図である。
図7図7は、図1のパワーモジュールの内部構造を示す平面図である。
図8図8は、図1のパワーモジュールの回路構成を示す回路図である。
図9図9は、図7の9-9線の断面図である。
図10図10は、図7の10-10線の断面図である。
図11図11は、図7の一部の拡大図である。
図12図12は、図7の一部の拡大図である。
図13図13は、図7の一部の拡大図である。
図14図14は、図7の一部の拡大図である。
図15図15は、図14の一部の拡大図である。
図16図16は、図14の一部の拡大図である。
図17図17は、図7の一部の拡大図である。
図18図18は、図17の一部の拡大図である。
図19図19は、図17の一部の拡大図である。
図20図20は、比較例のパワーモジュールの内部構造を示す平面図である。
図21図21は、図20の一部の拡大図である。
図22図22は、図20の一部の拡大図である。
図23図23は、第1実施形態のパワーモジュール及び比較例のパワーモジュールについて、各パワー半導体素子と、各パワー半導体素子のインダクタンス値との関係を示すグラフである。
図24図24は、比較例のパワーモジュールの所定のパワー半導体素子のゲート電極に印加される電圧の一例を示すグラフである。
図25図25は、本実施形態のパワーモジュールの所定のパワー半導体素子のゲート電極に印加される電圧の一例を示すグラフである。
図26図26は、第2実施形態のパワーモジュールについて、その内部構造を示す平面図である。
図27図27は、図26の一部の拡大図である。
図28図28は、図27の一部の拡大図である。
図29図29は、図27の一部の拡大図である。
図30図30は、図26の一部の拡大図である。
図31図31は、図30の一部の拡大図である。
図32図32は、図30の一部の拡大図である。
図33図33は、パワーモジュールが適用された3相交流インバータの回路図である。
図34図34は、パワーモジュールが適用された3相交流インバータの回路図である。
図35図35は、変更例のパワーモジュールについて、その内部構造の一部を拡大した平面図である。
図36図36は、変更例のパワーモジュールについて、その内部構造の一部を拡大した平面図である。
図37図37は、変更例のパワーモジュールについて、その内部構造の一部を拡大した平面図である。
図38図38は、変更例のパワーモジュールについて、その内部構造の一部を拡大した平面図である。
図39図39は、変更例のパワーモジュールについて、第1パワー半導体素子の平面図である。
【0007】
[詳細な説明]
以下、パワーモジュールの実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであり、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。以下の実施形態は、種々の変更を加えることができる。
【0008】
[第1実施形態]
図1図25を参照して、第1実施形態のパワーモジュール1Aについて説明する。
図1図6は、パワーモジュール1Aの外観形状を示している。図7は、パワーモジュール1Aの内部構造を示している。図9では、便宜上、ケース80及び端子50を省略して示している。
【0009】
図1図7に示すように、パワーモジュール1Aは、基板10、接続部材30、パワー半導体素子40、端子50、封止樹脂60(図10参照)、放熱板70、及びこれらを収容するケース80を主に備える。パワーモジュール1Aは、例えば300A以上1000A以下の電流を供給可能に構成されている。なお、図7では、便宜上、封止樹脂60を省略して示している。図1図7に示すように、基板10、接続部材30、パワー半導体素子40、及び封止樹脂60はそれぞれ放熱板70及びケース80によって収容されて外部に露出していない。一方、端子50は、一部がケース80の外部に露出又は突出した状態でケース80に収容されている。パワーモジュール1Aは、例えばインバータ装置に用いられる。図1図2、及び図7に示すように、基板10の厚さ方向からみて(以下、「平面視」という)、パワーモジュール1Aの形状は矩形状である。ここで、説明の便宜上、基板10の厚さ方向に沿う方向を「厚さ方向Z」とし、厚さ方向Zに直交する方向のうち互いに直交する2方向をそれぞれ「横方向X」及び「縦方向Y」とする。本実施形態では、パワーモジュール1Aの長辺方向が横方向Xとなり、短辺方向が縦方向Yとなる。
【0010】
図8では、本実施形態のパワーモジュール1Aの回路構成を示している。パワーモジュール1Aは、パワー半導体素子40としての複数の第1パワー半導体素子40Aからなる第1パワー半導体素子群40AT、及び複数の第2パワー半導体素子40Bからなる第2パワー半導体素子群40BTとを有する。なお、便宜上、図8では、第1パワー半導体素子群40ATとして1個の第1パワー半導体素子40Aを示し、第2パワー半導体素子群40BTとして1個の第2パワー半導体素子40Bを示している。
【0011】
第1パワー半導体素子群40ATの各第1パワー半導体素子40A及び第2パワー半導体素子群40BTの各第2パワー半導体素子40Bはそれぞれ、スイッチング素子として用いられている。各パワー半導体素子40A,40Bは、例えばSi(ケイ素)、SiC(炭化ケイ素)、又は、GaN(窒化ガリウム)やGaAs(ヒ化ガリウム)、あるいはGa(酸化ガリウム)などからなるトランジスタが用いられている。各パワー半導体素子40A,40BがSiCからなる場合、スイッチングの高速化に適している。本実施形態では、各パワー半導体素子40A,40Bは、SiCからなるN型のMOSFETが用いられている。なお、各パワー半導体素子40A,40Bは、MOSFETに限定されず、MISFET(Metal-Insulator-Semiconductor FET)を含む電界効果トランジスタ、又は、IGBTを含むバイポーラトランジスタなどのトランジスタであってもよい。各パワー半導体素子40A,40Bは、Nチャネル型のMOSFETであってもよいし、Pチャネル型のMOSFETであってもよい。
【0012】
各パワー半導体素子40A,40Bは、ドレイン電極41、ソース電極42、及びゲート電極43を有する。また各パワー半導体素子40A,40Bは、ボディダイオード44を有する。図8では図示していないが、第1パワー半導体素子群40ATの複数の第1パワー半導体素子40Aは互いに並列に接続されている。すなわち、複数の第1パワー半導体素子40Aのドレイン電極41が互いに接続されており、複数の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42が互いに接続されている。また、第2パワー半導体素子群40BTの複数の第2パワー半導体素子40Bは互いに並列に接続されている。すなわち、複数の第2パワー半導体素子40Bのドレイン電極41が互いに接続されており、複数の第2パワー半導体素子40Bのソース電極42が互いに接続されている。第1パワー半導体素子群40ATと第2パワー半導体素子群40BTは、互いに直列接続されている。具体的には、第1パワー半導体素子群40ATのソース電極42(複数の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42)が第2パワー半導体素子群40BTのドレイン電極41(複数の第2パワー半導体素子40Bのドレイン電極41)に電気的に接続されている。このように、本実施形態では、パワーモジュール1Aはインバータ回路を構成しており、第1パワー半導体素子群40ATは上側アームを構成しており、第2パワー半導体素子群40BTは下側アームを構成している。
【0013】
第1パワー半導体素子群40ATの複数の第1パワー半導体素子40A、及び第2パワー半導体素子群40BTの複数の第2パワー半導体素子40Bのそれぞれのドレイン電極41、ソース電極42、及びゲート電極43はそれぞれ端子50に接続されている。
【0014】
図1図2、及び図8に示すように、端子50は、第1入力端子51A、第2入力端子51B、第1出力端子52A、第2出力端子52B、第1制御端子53A、第2制御端子53B、第1検出端子54A、第2検出端子54B、電源電流端子55、及び一対の温度検出端子56を有する。なお、一対の温度検出端子56は、各パワー半導体素子40A,40Bと電気的に接続されていないため、便宜上、図8に示していない。
【0015】
第1入力端子51Aは、第1パワー半導体素子群40ATのドレイン電極41に電気的に接続されている。すなわち、第1入力端子51Aは、複数の第1パワー半導体素子40Aのドレイン電極41のそれぞれに電気的に接続されている。第2入力端子51Bは、第2パワー半導体素子群40BTのソース電極42に電気的に接続されている。すなわち、第2入力端子51Bは、複数の第2パワー半導体素子40Bのソース電極42のそれぞれに電気的に接続されている。各出力端子52A,52Bは、第1パワー半導体素子群40ATのソース電極42と第2パワー半導体素子群40BTのドレイン電極41との間のノードN1に電気的に接続されている。すなわち、各出力端子52A,52Bは、複数の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42と複数の第2パワー半導体素子40Bのドレイン電極41との間のノードN1に電気的に接続されている。第1制御端子53Aは、第1パワー半導体素子群40ATのゲート電極43に電気的に接続されている。すなわち、第1制御端子53Aは、複数の第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43のそれぞれに電気的に接続されている。第2制御端子53Bは、第2パワー半導体素子群40BTのゲート電極43に電気的に接続されている。すなわち第2制御端子53Bは、複数の第2パワー半導体素子40Bのゲート電極43のそれぞれに電気的に接続されている。第1検出端子54Aは、第1パワー半導体素子群40ATのソース電極42に電気的に接続されている。すなわち、第1検出端子54Aは、複数の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42のそれぞれに電気的に接続されている。第2検出端子54Bは、第2パワー半導体素子群40BTのソース電極42に電気的に接続されている。すなわち、第2検出端子54Bは、複数の第2パワー半導体素子40Bのソース電極42のそれぞれに電気的に接続されている。電源電流端子55は、第1パワー半導体素子群40ATのドレイン電極41と第1入力端子51Aとの間のノードN2に電気的に接続されている。すなわち、電源電流端子55は、複数の第1パワー半導体素子40Aのドレイン電極41のそれぞれと第1入力端子51Aとの間のノードN2に電気的に接続されている。本実施形態では、各制御端子53A,53B、各検出端子54A,54B、電源電流端子55、及び一対の温度検出端子56は、パワーモジュール1Aの外部に設けられた制御回路(図示略)に電気的に接続される。
【0016】
図1及び図2に示すように、上記端子51A,51B,52A,52B,53A,53B,54A,54B,55,56はそれぞれ、ケース80に設けられている。
図1図2、及び図7に示すように、ケース80は、平面視において、基板10、接続部材30、及びパワー半導体素子40を取り囲む枠状に形成されている。ケース80は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの電気絶縁性を有し、かつ耐熱性に優れた合成樹脂からなる。ケース80は、一対の側壁81A,81B、一対の端子台座82A,82B、複数の取付部83、電源端子台84、及び出力端子台85を備える。
【0017】
図2図6、及び図7に示すように、平面視において、一対の側壁81A,81Bは、縦方向Yにおいて互いに離間して配置されており、横方向Xに沿って延びている。図3及び図5に示すように、側面視において、一対の側壁81A,81Bはそれぞれ、厚さ方向Zに沿って延びている。図2及び図7に示すように、側壁81Aの内部には、第1制御端子53A、第1検出端子54A、電源電流端子55、及び一対の温度検出端子56が配置されている。第1制御端子53A、第1検出端子54A、電源電流端子55、及び一対の温度検出端子56はそれぞれ、側壁81Aによって支持されている。図1及び図3に示すように、第1制御端子53A、第1検出端子54A、電源電流端子55、及び一対の温度検出端子56はそれぞれ、厚さ方向Zにおいて側壁81Aから突出している。また、図2及び図7に示すように、側壁81Bの内部には、第2制御端子53B及び第2検出端子54Bが配置されている。第2制御端子53B、第2検出端子54Bはそれぞれ、側壁81Bによって支持されている。図1及び図3に示すように、第2制御端子53B、第2検出端子54Bはそれぞれ、厚さ方向Zにおいて側壁81Bから突出している。各制御端子53A,53B、各検出端子54A,54B、電源電流端子55、及び一対の温度検出端子56はそれぞれ、例えばCu(銅)を構成材料とする金属棒からなる。この金属棒の表面には、Sn(錫)めっきが施されている。なお、金属棒の表面と錫めっきとの間には、ニッケルめっきが施されていてもよい。各制御端子53A,53B、各検出端子54A,54B、電源電流端子55、及び一対の温度検出端子56は、例えば互いに同一形状であり、一例では縦方向Yに延びる第1部分と厚さ方向Zに延びる第2部分を有するL字状に形成されている。
【0018】
図7に示すように、横方向Xにおける一対の側壁81A,81Bのそれぞれの両端部には、一対の端子台座82A,82Bが繋がっている。これら一対の側壁81A,81B及び一対の端子台座82A,82Bによって、基板10、接続部材30、及びパワー半導体素子40を取り囲む枠状を構成している。一対の端子台座82A,82Bは、横方向Xにおいて互いに離間している。端子台座82Aには、その端子台座82Aから横方向Xの外側に向けて突出する電源端子台84が繋がっている。端子台座82Bには、その端子台座82Bから横方向Xの外側に向けて突出する出力端子台85が繋がっている。
【0019】
図2図4、及び図7に示すように、電源端子台84は、第1端子台84A及び第2端子台84Bを有する。第1端子台84A及び第2端子台84Bは、横方向Xに揃った状態で縦方向Yに配列されている。第1端子台84Aには、第1入力端子51Aの一部が設けられている。第1端子台84Aは、第1入力端子51Aの一部を支持している。第2端子台84Bには、第2入力端子51Bの一部が設けられている。第2端子台84Bは、第2入力端子51Bの一部を支持している。図7に示すように、第1端子台84Aの内部にはナット84Nが設けられている。また図7に示すように、第1端子台84Aと同様に、第2端子台84Bの内部にもナット84Nが設けられている。
【0020】
図7に示すように、平面視において、第1入力端子51A及び第2入力端子51Bは対称形状である。各入力端子51A,51Bは、パワーモジュール1Aの外部に露出する露出部51aと、各パワー半導体素子40A,40Bに電気的に接続するための接続部51bと、露出部51aと接続部51bとを連結する連結部51cとを有する。本実施形態では、各入力端子51A,51Bは、露出部51a、接続部51b、及び連結部51cが一体に形成された単一部品として構成されている。露出部51aには、露出部51aを厚さ方向Zに貫通する貫通孔51dが設けられている。第1入力端子51Aを縦方向Yからみた側面視において、第1入力端子51Aは階段状に形成されている。第1入力端子51Aの露出部51aは、第1端子台84Aによって支持されている。第2入力端子51Bの露出部51aは、第2端子台84Bによって支持されている。図7に示すように、第1入力端子51Aの露出部51aの貫通孔51dは、第1端子台84Aのナット84Nに対応して設けられている。第2入力端子51Bの露出部51aの貫通孔51dは、第2端子台84Bのナット84Nに対応して設けられている。接続部51bは、複数個設けられており、縦方向Yにおいて離間して配列されている。
【0021】
図2図5、及び図7に示すように、出力端子台85は、第1端子台85A及び第2端子台85Bを有する。第1端子台85A及び第2端子台85Bは、横方向Xに揃った状態で縦方向Yに配列されている。第1端子台85Aには、第1出力端子52Aの一部が設けられている。第1端子台85Aは、第1出力端子52Aの一部を支持している。第2端子台85Bには、第2出力端子52Bの一部が設けられている。第2端子台85Bは、第2出力端子52Bの一部を支持している。図7に示すように、第1端子台85Aの内部にはナット85Nが設けられている。また図7に示すように、第1端子台85Aと同様に、第2端子台85Bの内部にもナット85Nが設けられている。
【0022】
図7に示すように、平面視において、第1出力端子52A及び第2出力端子52Bは対称形状である。本実施形態では、各出力端子52A,52Bは、各入力端子51A,51Bと同じ形状である。各出力端子52A,52Bは、パワーモジュール1Aの外部に露出する露出部52aと、各パワー半導体素子40A,40Bに電気的に接続するための接続部52bと、露出部52aと接続部52bとを連結する連結部52cとを有する。本実施形態では、各出力端子52A,52Bは、露出部52a、接続部52b、及び連結部52cが一体に形成された単一部品として構成されている。露出部52aには、露出部52aを厚さ方向Zに貫通する貫通孔52dが設けられている。第1出力端子52Aを縦方向Yからみた側面視において、第1出力端子52Aは階段状に形成されている。第1出力端子52Aの露出部52aは、第1端子台85Aによって支持されている。第2出力端子52Bの露出部52aは、第2端子台85Bによって支持されている。図7に示すように、第1出力端子52Aの露出部52aの貫通孔52dは、第1端子台85Aのナット85Nに対応して設けられている。第2出力端子52Bの露出部52aの貫通孔52dは、第2端子台85Bのナット85Nに対応して設けられている。接続部52bは、複数個設けられており、縦方向Yにおいて離間して配列されている。
【0023】
図3及び図6に示すように、放熱板70は、ケース80に取り付けられることによって、ケース80の厚さ方向Zに開口する開口部の一端を塞いでいる。放熱板70は、例えばCu又はCu合金から構成されている。この場合、金属板の表面には、ニッケルめっきが施されていてもよい。図9に示すように、放熱板70は、厚さ方向Zに反対側を向く放熱主面70s及び放熱裏面70rを有する。放熱裏面70rは、パワーモジュール1Aの外部に露出している。図6に示すように、平面視において、放熱板70の四隅には、放熱板70を厚さ方向Zに貫通する支持孔71が設けられている。
【0024】
図2及び図7に示すように、複数の取付部83は、平面視において、ケース80の四隅に設けられている。各取付部83には、取付部83を厚さ方向Zに貫通する取付孔83aが設けられている。厚さ方向Zからみて、複数の取付部83は、放熱板70の四隅と重なるように配置されている。このため、複数の取付孔83aは、放熱板70の支持孔71(図6参照)と対応している。複数の取付孔83a及び支持孔71にピンなどの締結部材を嵌め込むことによって、放熱板70はケース80に支持される。
【0025】
図1及び図2に示すように、ケース80は、天板86を備える。天板86は、放熱板70、一対の側壁81A,81B、及び一対の端子台座82A,82Bによって形成されたパワーモジュール1Aの内部領域を塞いでいる。天板86は、厚さ方向Zにおいて放熱板70及び基板10に対して離間した状態で一対の側壁81A,81Bに支持されている。
【0026】
次に、図7及び図9図19を参照して、パワーモジュール1Aの内部領域の詳細な構成について説明する。なお、図15図16図18、及び図19の二点鎖線は、各制御層及び各駆動層の位置関係を明確にするための補助線である。
【0027】
図7及び図10に示すように、パワーモジュール1Aの内部領域は、ケース80の一対の側壁81A,81B及び一対の端子台座82A,82Bによって囲まれた開口領域であり、放熱板70によって開口領域の厚さ方向Zの一端が塞がれている領域である。この内部領域には、基板10、接続部材30、パワー半導体素子40、及び封止樹脂60(図7では図示略)が収容されている。
【0028】
図10に示すように、封止樹脂60は、電気絶縁性を有する樹脂材料からなり、放熱板70及び天板86によって塞がれた内部領域に充填されている。封止樹脂60は、基板10、接続部材30、及びパワー半導体素子40を封止している。
【0029】
図9に示すように、基板10は、放熱板70の放熱主面70sに例えばAg(銀)ペーストや半田などの接合材によって接合されている。なお、接合材としては、Agペーストや半田などの導電性接合材に限られず、電気絶縁性の接合材が用いられてもよい。図7に示すように、基板10は、第1基板11及び第2基板12を有する。第1基板11及び第2基板12は、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに離間して配列されている。第1基板11は横方向Xにおいて内部領域のうちの各入力端子51A,51B側に配置されており、第2基板12は横方向Xにおいて内部領域のうちの各出力端子52A,52B側に配置されている。図10に示すように、第1基板11は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く第1基板主面11s及び第1基板裏面11rを有する。第2基板12は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く第2基板主面12s及び第2基板裏面12rを有する。
【0030】
各基板11,12は、各基板11,12上に、パワー半導体素子40が搭載されるための搭載層、及びパワー半導体素子40と電気的に接続されるための導電層が配置された電気絶縁部材である。各基板11,12の構成材料は、熱伝導性に優れたセラミックスである。このようなセラミックスとして、例えばAlN(窒化アルミニウム)が挙げられる。各基板11,12は、各基板主面11s,12s及び各基板裏面11r,12rにCu箔が接合されたDBC(Direct Bonding Copper)基板を用いることができる。DBC基板を用いることによって、各基板主面11s,12sに接合された銅箔をパターニングすることによって搭載層及び導電層などを容易に形成することができる。また、各基板裏面11r,12rに接合された銅箔は、伝熱層とすることができる。
【0031】
図7及び図11に示すように、平面視における第1基板11の形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる略矩形状である。図11に示すように、第1基板11は、第1基板側面11a、第2基板側面11b、第3基板側面11c、及び第4基板側面11dを主に有する。第1基板側面11a及び第2基板側面11bは、縦方向Yにおいて互いに反対側を向く面であり、横方向Xに沿って延びている。第1基板側面11aは第1基板11のうちの側壁81A側の側面であり、第2基板側面11bは第1基板11のうちの側壁81B側の側面である。第3基板側面11c及び第4基板側面11dは、横方向Xにおいて互いに反対側を向く面であり、縦方向Yに沿って延びている。第3基板側面11cは第1基板11のうちの端子台座82A側の側面であり、第4基板側面11dは第1基板11のうちの端子台座82B(図7参照)側の側面である。
【0032】
図11に示すように、第1基板11の第1基板主面11sには、第1搭載層13A、第2搭載層14A、導電層15A、第1制御層21、第2制御層25、第1駆動層23、第2駆動層27、及びサーミスタ搭載層16が配置されている。
【0033】
第1搭載層13A、第2搭載層14A、及び導電層15Aは、縦方向Yにおいて離間して配置されている。第1搭載層13Aは、縦方向Yにおいて第2搭載層14A及び導電層15Aよりも第1基板11の第1基板側面11a側に配置されている。導電層15Aは、縦方向Yにおいて第1搭載層13A及び第2搭載層14Aよりも第1基板11の第2基板側面11b側に配置されている。第2搭載層14Aは、縦方向Yにおいて第1搭載層13Aと導電層15Aとの間に配置されている。
【0034】
第1搭載層13Aは、横方向Xに延びる帯状の主搭載部13aと、横方向Xにおける主搭載部13aのうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部に形成された端子側接続部13bと、横方向Xにおける主搭載部13aのうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部に形成された層間接続部13cとを有する。本実施形態では、第1搭載層13Aは、主搭載部13a、端子側接続部13b、及び層間接続部13cが一体に形成された単一部材である。端子側接続部13bは、縦方向Yに延びており、主搭載部13aの縦方向Yの両側から突出している。端子側接続部13bは、横方向Xにおいて端子台座82A(図7参照)、すなわち第1入力端子51Aと隣り合うように配置されている。端子側接続部13bには、第1入力端子51Aの複数の接続部51bが接続されている。主搭載部13aの幅寸法(主搭載部13aの縦方向Yの寸法)は、第1制御層21の幅寸法(平面視において第1制御層21が延びる方向と直交する方向の寸法)よりも大きく、第1駆動層23の幅寸法(第1駆動層23の縦方向Yの寸法)よりも大きい。主搭載部13aの幅寸法は、第1制御層21の幅寸法及び第1駆動層23の幅寸法の2倍以上であり、好ましくは、4倍以上である。本実施形態では、主搭載部13aの幅寸法は、第1制御層21の幅寸法及び第1駆動層23の幅寸法の約8倍である。層間接続部13cの幅寸法(層間接続部13cの縦方向Yの寸法)は、主搭載部13aの幅寸法(主搭載部13aの縦方向Yの寸法)よりも大きい。層間接続部13cのうちの縦方向Yの第1基板11の第1基板側面11a側の端縁は、主搭載部13aのうちの縦方向Yの第1基板11の第1基板側面11a側の端縁と縦方向Yにおいて揃っている。このため、層間接続部13cは、主搭載部13aに対して第1基板11の第2基板側面11b側に突出している。
【0035】
導電層15Aは、横方向Xに延びる帯状の主導電部15aと、横方向Xにおける主導電部15aのうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部に形成された端子側接続部15bと、横方向Xにおける主導電部15aのうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部に形成された層間接続部15cとを有する。本実施形態では、導電層15Aは、主導電部15a、端子側接続部15b、及び層間接続部15cが一体に形成された単一部材である。端子側接続部15bは、縦方向Yに延びており、主導電部15aの縦方向Yの両側から突出している。主導電部15aの幅寸法(主導電部15aの縦方向Yの寸法)は、第1搭載層13Aの主搭載部13aの幅寸法(主搭載部13aの縦方向Yの寸法)と等しい。端子側接続部15bは、第1搭載層13Aの端子側接続部13bと縦方向Yに隣り合うように配置されている。また、端子側接続部15bは、横方向Xにおいて端子台座82A、すなわち第2入力端子51Bと隣り合うように配置されている。端子側接続部15bには、第2入力端子51Bの複数の接続部51bが接続されている。層間接続部15cの幅寸法(層間接続部15cの縦方向Yの寸法)は、主導電部15aの幅寸法(主導電部15aの縦方向Yの寸法)よりも大きい。層間接続部15cのうちの縦方向Yの第1基板11の第2基板側面11b側の端縁は、主導電部15aのうちの縦方向Yの第1基板11の第2基板側面11b側の端縁と縦方向Yにおいて揃っている。このため、層間接続部15cは、主導電部15aに対して第1基板11の第1基板側面11a側に突出している。
【0036】
第2搭載層14Aは、横方向Xにおいて第1搭載層13Aの端子側接続部13b及び導電層15Aの端子側接続部15bよりも第1基板11の第4基板側面11d側に配置されている。第2搭載層14Aは、縦方向Yにおいて、第1搭載層13Aの主搭載部13aと導電層15Aの主導電部15aとの間に配置されている。本実施形態では、第2搭載層14Aは、縦方向Yにおいて、第1基板11の中央部に配置されている。本実施形態では、横方向Xにおける第2搭載層14Aの第1基板11の第4基板側面11d側の端縁と、横方向Xにおける第1搭載層13Aのうちの主搭載部13aの第4基板側面11d側の端縁と、横方向Xにおける導電層15Aのうちの主導電部15aの第4基板側面11d側の端縁とは、縦方向Yに揃っている。第2搭載層14Aは、横方向Xに延びる帯状の主搭載部14aと、横方向Xにおける主搭載部14aのうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部に形成された層間接続部14bとを有する。本実施形態では、第2搭載層14Aは、主搭載部14a及び層間接続部14bが一体に形成された単一部材である。第2搭載層14Aの主搭載部14aの幅寸法(主搭載部14aの縦方向Yの寸法)は、第1搭載層13Aの主搭載部13aの幅寸法(主搭載部13aの縦方向Yの寸法)及び導電層15Aの主導電部15aの幅寸法(主導電部15aの縦方向Yの寸法)よりも大きい。層間接続部14bの幅寸法(層間接続部14bの縦方向Yの寸法)は、主搭載部14aの幅寸法よりも小さい。層間接続部14bは、主搭載部14aの縦方向Yの両端縁から縦方向Yに凹むように形成されている。
【0037】
第1制御層21及び第1駆動層23はそれぞれ、縦方向Yにおいて第1搭載層13Aの主搭載部13aよりも第1基板11の第1基板側面11a側に配置されている。また、第1制御層21及び第1駆動層23はそれぞれ、横方向Xにおいて第1搭載層13Aの端子側接続部13bよりも第1基板11の第4基板側面11d側に配置されている。第1制御層21及び第1駆動層23は、縦方向Yに離間して配置されている。第1駆動層23は、第1制御層21よりも第1搭載層13Aの主搭載部13a側に配置されている。換言すると、第1制御層21は、第1駆動層23よりも第1基板11の第1基板側面11a側に配置されている。縦方向Yからみて、第1制御層21は、第1駆動層23と重なっている。
【0038】
第2制御層25及び第2駆動層27はそれぞれ、縦方向Yにおいて導電層15Aの主導電部15aよりも第1基板11の第2基板側面11b側に配置されている。また、第2制御層25及び第2駆動層27はそれぞれ、横方向Xにおいて導電層15Aの端子側接続部15bよりも第1基板11の第4基板側面11d側に配置されている。第2制御層25及び第2駆動層27は、縦方向Yに離間して配置されている。第2駆動層27は、第2制御層25よりも導電層15Aの主導電部15a側に配置されている。換言すると、第2制御層25は、第2駆動層27よりも第1基板11の第2基板側面11b側に配置されている。縦方向Yからみて、第2駆動層27は、第2制御層25と重なっている。縦方向Yからみて、第2駆動層27は、導電層15Aの主導電部15aと重なっている。このように、第1制御層21及び第1駆動層23と、第2制御層25及び第2駆動層27とによって、縦方向Yにおいて第1搭載層13A、第2搭載層14A、及び導電層15Aは挟まれている。
【0039】
サーミスタ搭載層16は、縦方向Yにおいて第1搭載層13Aの主搭載部13aよりも第1基板11の第1基板側面11a側に配置されている。また、サーミスタ搭載層16は、横方向Xからみて、第1搭載層13Aの端子側接続部13b、第1制御層21、及び第1駆動層23に重なるように配置されている。また、サーミスタ搭載層16は、横方向Xにおいて第1制御層21及び第1駆動層23と第1搭載層13Aの端子側接続部13bとの間に配置されている。
【0040】
サーミスタ搭載層16には、温度検出素子であるサーミスタ17が実装可能である。本実施形態では、サーミスタ搭載層16にサーミスタ17が実装されている。サーミスタ搭載層16は、縦方向Yにおいて互いに離間した一対の領域を有する。一方の領域には、サーミスタ17の正極が電気的に接続可能であり、他方の領域には、サーミスタ17の負極が電気的に接続可能である。
【0041】
図7及び図12に示すように、平面視における第2基板12の形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる略矩形状である。本実施形態では、第2基板12の形状は第1基板11に対して縦方向Yに沿う中心線を中心とした対称形状であり、第2基板12の横方向X、縦方向Y、及び厚さ方向Zのサイズは第1基板11の横方向X、縦方向Y、及び厚さ方向Zのサイズと等しい。第2基板12は、第1基板側面12a、第2基板側面12b、第3基板側面12c、及び第4基板側面12dを主に有する。第1基板側面12a及び第2基板側面12bは、縦方向Yにおいて互いに反対側を向く面であり、横方向Xに沿って延びている。第1基板側面12aは第2基板12のうちの側壁81A側の側面であり、第2基板側面12bは第2基板12のうちの側壁81B側の側面である。第3基板側面12c及び第4基板側面12dは、横方向Xにおいて互いに反対側を向く面であり、縦方向Yに沿って延びている。第3基板側面12cは第2基板12のうちの端子台座82A(図7参照)側の側面であり、第4基板側面12dは第2基板12のうちの端子台座82B(図7参照)側の側面である。なお、第2基板12の形状は第1基板11と対称形状でなくてもよく、第2基板12のサイズは第1基板11のサイズと異なってもよい。
【0042】
図12に示すように、第2基板12の第2基板主面12sには、第1搭載層13B、第2搭載層14B、導電層15B、第1制御層22、第2制御層26、第1駆動層24、及び第2駆動層28が配置されている。
【0043】
第1搭載層13B、第2搭載層14B、及び導電層15Bは、縦方向Yにおいて離間して配置されている。第1搭載層13Bは、縦方向Yにおいて第2搭載層14B及び導電層15Bよりも第2基板12の第1基板側面12a側に配置されている。導電層15Bは、縦方向Yにおいて第1搭載層13B及び第2搭載層14Bよりも第2基板12の第2基板側面12b側に配置されている。第2搭載層14Bは、縦方向Yにおいて第1搭載層13Bと導電層15Bとの間に配置されている。
【0044】
第1搭載層13Bは、横方向Xに延びる帯状の主搭載部13dと、横方向Xにおける主搭載部13dのうちの第2基板12の第4基板側面12d側の端部に形成された端子側接続部13eと、横方向Xにおける主搭載部13dのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部に形成された層間接続部13fとを有する。本実施形態では、第1搭載層13Bは、主搭載部13d、端子側接続部13e、及び層間接続部13fが一体に形成された単一部材である。端子側接続部13eは、縦方向Yに延びており、縦方向Yにおいて主搭載部13dから第2基板12の第1基板側面12a側に向けて突出している。端子側接続部13eの幅寸法(端子側接続部13eの横方向Xの寸法)は、主搭載部13dの幅寸法(主搭載部13dの縦方向Yの寸法)よりも小さい。端子側接続部13eの幅寸法は、例えば第1制御層22の幅寸法(第1制御層22の縦方向Yの寸法)と等しい。主搭載部13dの幅寸法(主搭載部13dの縦方向Yの寸法)は、第1制御層22の幅寸法(第1制御層22の縦方向Yの寸法)よりも大きく、第1駆動層24の幅寸法(平面視において第1駆動層24が延びる方向と直交する方向の寸法)よりも大きい。主搭載部13dの幅寸法は、第1制御層22の幅寸法及び第1駆動層24の幅寸法の2倍以上であり、好ましくは、4倍以上である。本実施形態では、主搭載部13dの幅寸法は、第1制御層22の幅寸法及び第1駆動層24の幅寸法の約8倍である。本実施形態では、主搭載部13dの幅寸法は、第1搭載層13Aの主搭載部13a(図11参照)の幅寸法と等しい。層間接続部13fの幅寸法(層間接続部13fの縦方向Yの寸法)は、主搭載部13dの幅寸法(主搭載部13dの縦方向Yの寸法)よりも大きい。層間接続部13fのうちの縦方向Yの第2基板12の第1基板側面12a側の端縁は、主搭載部13dのうちの縦方向Yの第2基板12の第1基板側面12a側の端縁と縦方向Yにおいて揃っている。このため、層間接続部13fは、主搭載部13dに対して第2基板12の第2基板側面12b側に突出している。
【0045】
導電層15Bは、横方向Xに延びる帯状の主導電部15dと、横方向Xにおける主導電部15dのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部に形成された層間接続部15eとを有する。導電層15Bの主導電部15dの幅寸法(主導電部15dの縦方向Yの寸法)は、第1搭載層13Bの主搭載部13dの幅寸法(主搭載部13dの縦方向Yの寸法)と等しい。層間接続部15eの幅寸法(層間接続部15eの縦方向Yの寸法)は、主導電部15dの幅寸法(主導電部15dの縦方向Yの寸法)よりも大きい。層間接続部15eのうちの縦方向Yの第2基板12の第2基板側面12b側の端縁は、主導電部15dのうちの縦方向Yの第2基板12の第2基板側面12b側の端縁と縦方向Yにおいて揃っている。このため、層間接続部15eは、主導電部15dに対して第2基板12の第1基板側面12a側に突出している。
【0046】
第2搭載層14Bは、横方向Xに延びる帯状の主搭載部14cと、横方向Xにおける主搭載部14cのうちの第2基板12の第4基板側面12d側の端部に形成された端子側接続部14dと、横方向Xにおける主搭載部14cのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部に形成された層間接続部14eとを有する。本実施形態では、第2搭載層14Bは、主搭載部14c、端子側接続部14d、及び層間接続部14eが一体に形成された単一部材である。主搭載部14cは、縦方向Yにおいて第1搭載層13Bの主搭載部13dと導電層15Bとの間に配置されている。本実施形態では、主搭載部14cは、縦方向Yにおいて、第2基板12の中央部に配置されている。主搭載部14cの幅寸法(主搭載部14cの縦方向Yの寸法)は、第1搭載層13Bの主搭載部13dの幅寸法及び導電層15Bの主導電部15dの幅寸法よりも大きい。横方向Xにおける第2搭載層14Bのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端縁と、横方向Xにおける第1搭載層13Bのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端縁と、横方向Xにおける導電層15Bのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端縁とは、縦方向Yに互いに揃っている。端子側接続部14dは、縦方向Yに延びており、主搭載部14cの縦方向Yの両側から突出している。このように、平面視における第2搭載層14Bの形状は、T字状である。また、端子側接続部14dは、第1搭載層13B及び導電層15Bよりも第2基板12の第4基板側面12d側に配置されている。端子側接続部14dは、横方向Xにおいて端子台座82B、すなわち第1出力端子52A及び第2出力端子52Bと隣り合うように配置されている。端子側接続部14dには、各出力端子52A,52Bの複数の接続部52bが接続されている。層間接続部14eの幅寸法(層間接続部14eの縦方向Yの寸法)は、主搭載部14cの幅寸法よりも小さい。層間接続部14eは、主搭載部14cの縦方向Yの両端縁から縦方向Yに凹むように形成されている。
【0047】
第1制御層22及び第1駆動層24はそれぞれ、縦方向Yにおいて第1搭載層13Bの主搭載部13dよりも第2基板12の第1基板側面12a側に配置されている。また、第1制御層22及び第1駆動層24はそれぞれ、横方向Xにおいて第1搭載層13Bの端子側接続部13eよりも第2基板12の第3基板側面12c側に配置されている。第1制御層22及び第1駆動層24は、縦方向Yに離間して配置されている。第1駆動層24は、第1制御層22よりも第1搭載層13Bの主搭載部13d側に配置されている。換言すると、第1制御層22は、第1駆動層24よりも第2基板12の第1基板側面12a側に配置されている。縦方向Yからみて、第1駆動層24は、第1制御層22と重なっている。縦方向Yからみて、第1駆動層24は、第1搭載層13Bの主搭載部13dと重なっている。横方向Xからみて、第1制御層22及び第1駆動層24はそれぞれ、第1搭載層13Bの端子側接続部13e及び第2搭載層14Bの端子側接続部14dと重なっている。
【0048】
第2制御層26及び第2駆動層28はそれぞれ、縦方向Yにおいて導電層15Bよりも第2基板12の第2基板側面12b側に配置されている。また、第2制御層26及び第2駆動層28はそれぞれ、横方向Xにおいて第2搭載層14Bの端子側接続部14dよりも第2基板12の第3基板側面12c側に配置されている。第2制御層26及び第2駆動層28は、縦方向Yに離間して配置されている。第2駆動層28は、第2制御層26よりも導電層15B側に配置されている。換言すると、第2制御層26は、第2駆動層28よりも第2基板12の第2基板側面12b側に配置されている。縦方向Yからみて、第2駆動層28は、第2制御層26と重なっている。縦方向Yからみて、第2制御層26は、導電層15Bと重なっている。このように、第1制御層22及び第1駆動層24と、第2制御層26及び第2駆動層28とによって、縦方向Yにおいて第1搭載層13B、第2搭載層14B、及び導電層15Bは挟まれている。
【0049】
図7に示すように、第1搭載層13Aの主搭載部13a及び層間接続部13cと、第1搭載層13Bの主搭載部13d及び層間接続部13fとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。第2搭載層14Aの主搭載部14a及び層間接続部14bと、第2搭載層14Bの主搭載部14c及び層間接続部14eとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。導電層15Aの主導電部15a及び層間接続部15cと、導電層15Bの主導電部15d及び層間接続部15eとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。
【0050】
図13に示すように、第1搭載層13Aの層間接続部13cと第1搭載層13Bの層間接続部13fとは、第1搭載層接続部材の一例である板状の連結部材90Aによって接続されている。第2搭載層14Aの層間接続部14bと第2搭載層14Bの層間接続部14eとは、第2搭載層接続部材の一例である板状の連結部材90Bによって接続されている。導電層15Aの層間接続部15cと導電層15Bの層間接続部15eとは、板状の連結部材90Cによって接続されている。
【0051】
図13に示すとおり、平面視において、連結部材90A~90Cの形状は互いに等しい。一例では、連結部材90A~90Cはそれぞれ、Cu又はCu合金によって構成されている。連結部材90A~90Cはそれぞれ、横方向Xに延びる一対の接続部91と、縦方向Yにおいて一対の接続部91を連結する連結部92とを有する。本実施形態では、連結部材90A~90Cはそれぞれ、一対の接続部91と連結部92とが一体に形成された単一部材として構成されている。一対の接続部91は、縦方向Yにおいて互いに離間しており、それぞれが横方向Xに延びている。連結部92は、一対の接続部91の横方向Xの中央部同士を連結するように設けられている。このため、平面視における連結部材90A~90Cの形状はそれぞれ、H字状である。
【0052】
連結部材90Aの一対の接続部91は、第1搭載層13Aの層間接続部13cと、第1搭載層13Bの層間接続部13fとに接続されている。連結部材90Aの連結部92は、層間接続部13cと層間接続部13fとの横方向Xの間に位置している。このように連結部材90Aによって第1搭載層13Aと第1搭載層13Bとが電気的に接続されている。
【0053】
連結部材90Bの一対の接続部91は、第2搭載層14Aの層間接続部14bと、第2搭載層14Bの層間接続部14eとに接続されている。連結部材90Bの連結部92は、層間接続部14bと層間接続部14eとの横方向Xの間に位置している。このように連結部材90Bによって第2搭載層14Aと第2搭載層14Bとが電気的に接続されている。
【0054】
連結部材90Cの一対の接続部91は、導電層15Aの層間接続部15cと、導電層15Bの層間接続部15eとに接続されている。連結部材90Cの連結部92は、層間接続部15cと層間接続部15eとの横方向Xの間に位置している。このように連結部材90Cによって導電層15Aと導電層15Bとが電気的に接続されている。
【0055】
図11に示すように、第1搭載層13Aの主搭載部13aには、パワー半導体素子40として複数(本実施形態では5個)の第1パワー半導体素子40Aが配置されている。複数の第1パワー半導体素子40Aは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて互いに離間して配列されている。このため、複数の第1パワー半導体素子40Aの配列方向である横方向Xは、特許請求の範囲に記載の第1方向である。また、本実施形態では、厚さ方向Zからみて、横方向Xと直交する縦方向Yは、厚さ方向からみて第1方向と交差する第2方向である。複数の第1パワー半導体素子40Aはそれぞれ、縦方向Yにおける主搭載部13aのうちの第2搭載層14A側の端部に配置されている。横方向Xにおいて、複数の第1パワー半導体素子40Aは、端子側接続部13b及び層間接続部13cに配置されていない。
【0056】
図9及び図10に示すように、各第1パワー半導体素子40Aは、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く素子主面40s及び素子裏面40rを有する。ここで、第1パワー半導体素子40Aの素子主面40sは、特許請求の範囲に記載の第1素子主面であり、第1パワー半導体素子40Aの素子裏面40rは、特許請求の範囲に記載の第1素子裏面である。各第1パワー半導体素子40Aは、素子裏面40rが主搭載部13aと対面するように第1搭載層13Aに配置されている。素子裏面40rは、導電性接合材によって主搭載部13aに接合されている。導電性接合材の一例は、Agペーストや半田である。素子裏面40rには、第1駆動電極の一例であるドレイン電極41(図8参照)が形成されている。このため、ドレイン電極41は、第1搭載層13Aに電気的に接続されている。第1搭載層13Aが第1入力端子51Aと電気的に接続されているため、ドレイン電極41は、第1搭載層13Aを介して第1入力端子51Aと電気的に接続されている。
【0057】
図11に示すように、素子主面40sには、第2駆動電極の一例であるソース電極42及び制御電極の一例であるゲート電極43が形成されている。ソース電極42は、主ソース電極42A、第1ソース電極42B、及び第2ソース電極42Cを含む。
【0058】
主ソース電極42Aは、素子主面40sのうちの縦方向Yにおける第2搭載層14A側の部分に形成されている。主ソース電極42Aの平面視における形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状であり、素子主面40sの面積の半分以上を占めている。主ソース電極42Aには、接続部材30として第1素子接続部材31Aが接続されている。このため、平面視において、複数の第1素子接続部材31Aは、複数の第1パワー半導体素子40Aの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。第1素子接続部材31Aは、平面視において縦方向Yに延びる帯状に形成されている。第1素子接続部材31Aは、例えばCu又はCu合金の薄板、あるいはAl(アルミニウム)又Al合金の薄板からなる。また、第1素子接続部材31Aは、第2搭載層14Aに接続されている。より詳細には、第1素子接続部材31Aは、縦方向Yにおける第2搭載層14Aのうちの第1搭載層13A側の端部に接続されている。このように、第1素子接続部材31Aは、各第1パワー半導体素子40Aの主ソース電極42Aと第2搭載層14Aとを接続している。このため、各第1パワー半導体素子40Aのソース電極42(図8参照)は、第2搭載層14Aに電気的に接続されている。
【0059】
第1ソース電極42B、第2ソース電極42C、及びゲート電極43はそれぞれ、素子主面40sのうちの縦方向Yにおける第1駆動層23側の端部に配置されている。第1ソース電極42B、第2ソース電極42C、及びゲート電極43は、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに離間して配列されている。ゲート電極43は、横方向Xにおいて第1ソース電極42Bと第2ソース電極42Cとの間に配置されている。平面視におけるゲート電極43の形状は、矩形状である。第1ソース電極42Bは、ゲート電極43に対して第1基板11の第4基板側面11d側に配置されており、第2ソース電極42Cは、ゲート電極43に対して第1基板11の第3基板側面11c側に配置されている。平面視における第1ソース電極42Bの形状及び第2ソース電極42Cの形状は、互いに同じであり、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。
【0060】
各第1パワー半導体素子40Aにおいて、第1ソース電極42Bと第1駆動層23とは、接続部材30として第1駆動側接続部材33Aによって接続されており、ゲート電極43と第1制御層21とは、接続部材30として第1制御側接続部材32Aによって接続されている。
【0061】
第2搭載層14Aの主搭載部14aには、パワー半導体素子40として複数(本実施形態では5個)の第2パワー半導体素子40Bが配置されている。複数の第2パワー半導体素子40Bは、縦方向Yに揃った状態で横方向X(第1方向)において互いに離間して配列されている。複数の第2パワー半導体素子40Bはそれぞれ、縦方向Yにおける主搭載部14aのうちの導電層15A側の端部に配置されている。横方向Xにおいて、複数の第2パワー半導体素子40Bは、層間接続部14bに配置されていない。
【0062】
各第2パワー半導体素子40Bの構成は、第1パワー半導体素子40Aの構成と同じであるため、共通する構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。また各第2パワー半導体素子40Bと第2搭載層14Aの主搭載部14aとの接合構造は、各第1パワー半導体素子40Aと第1搭載層13Aの主搭載部13aとの接合構造と同じである。このため、各第2パワー半導体素子40Bのドレイン電極41(図8参照)は、第2搭載層14Aに電気的に接続されている。第2搭載層14Aが連結部材90B及び第2搭載層14Bを介して各出力端子52A,52Bに接続されているため、ドレイン電極41は、第2搭載層14A,14B及び連結部材90Bを介して各出力端子52A,52Bと電気的に接続されている。また、各第2パワー半導体素子40Bのドレイン電極41が第2搭載層14Aに電気的に接続されているため、ドレイン電極41は、各第1パワー半導体素子40Aのソース電極42と電気的に接続されている。
【0063】
各第2パワー半導体素子40Bの主ソース電極42Aには、接続部材30として第2素子接続部材31Bが接続されている。このため、平面視において、複数の第2素子接続部材31Bは、複数の第2パワー半導体素子40Bの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。第2素子接続部材31Bは、平面視において縦方向Yに延びる帯状に形成されている。第2素子接続部材31Bは、例えばCu又はCu合金の薄板からなる。また、第2素子接続部材31Bは、導電層15Aに接続されている。より詳細には、第2素子接続部材31Bは、縦方向Yにおける導電層15Aの主導電部15aのうちの第2搭載層14A側の端部に接続されている。このように、各第2パワー半導体素子40Bのソース電極42(図8参照)は、導電層15Aに電気的に接続されている。導電層15Aが第2入力端子51Bと電気的に接続されているため、各第2パワー半導体素子40Bのソース電極42は、第2入力端子51Bと電気的に接続されている。
【0064】
各第2パワー半導体素子40Bにおいて、第1ソース電極42Bと第2駆動層27とは、接続部材30として第2駆動側接続部材33Bによって接続されており、ゲート電極43と第2制御層25とは、接続部材30として第2制御側接続部材32Bによって接続されている。
【0065】
図12に示すように、第1搭載層13Bの主搭載部13dには、パワー半導体素子40として複数(本実施形態では5個)の第1パワー半導体素子40Aが配置されている。複数の第1パワー半導体素子40Aは、縦方向Yに揃った状態で横方向X(第1方向)において互いに離間して配列されている。複数の第1パワー半導体素子40Aはそれぞれ、縦方向Yにおける主搭載部13dのうちの第2搭載層14B側の端部に配置されている。横方向Xにおいて、複数の第1パワー半導体素子40Aは、端子側接続部13e及び層間接続部13fに配置されていない。
【0066】
各第1パワー半導体素子40Aのドレイン電極41は、第1搭載層13Bと電気的に接続されている。第1搭載層13Bが連結部材90A及び第1搭載層13Aを介して第1入力端子51Aに電気的に接続されているため、各第1パワー半導体素子40Aのドレイン電極41は、第1入力端子51Aと電気的に接続されている。
【0067】
各第1パワー半導体素子40Aの主ソース電極42Aには、接続部材30として第1素子接続部材31Aが接続されている。また、第1素子接続部材31Aは、第2搭載層14Bに接続されている。より詳細には、第1素子接続部材31Aは、縦方向Yにおける第2搭載層14Bのうちの第1搭載層13B側の端部に接続されている。このように、各第1パワー半導体素子40Aのソース電極42(図8参照)は、第2搭載層14Bに電気的に接続されている。
【0068】
各第1パワー半導体素子40Aにおいて、第1ソース電極42Bと第1駆動層24とは、接続部材30として第1駆動側接続部材33Aによって接続されており、ゲート電極43と第1制御層22とは、接続部材30として第1制御側接続部材32Aによって接続されている。
【0069】
第2搭載層14Bの主搭載部14cには、パワー半導体素子40として複数(本実施形態では5個)の第2パワー半導体素子40Bが配置されている。複数の第2パワー半導体素子40Bは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて互いに離間して配列されている。複数の第2パワー半導体素子40Bはそれぞれ、縦方向Yにおける主搭載部14cのうちの導電層15B側の端部に配置されている。横方向Xにおいて、複数の第2パワー半導体素子40Bは、端子側接続部14d及び層間接続部14eに配置されていない。
【0070】
各第2パワー半導体素子40Bのドレイン電極41(図8参照)は、第2搭載層14Bに電気的に接続されている。第2搭載層14Bが各出力端子52A,52Bに接続されているため、ドレイン電極41は、第2搭載層14Bを介して各出力端子52A,52Bと電気的に接続されている。また、各第2パワー半導体素子40Bのドレイン電極41が第2搭載層14Bに電気的に接続されているため、ドレイン電極41は、各第1パワー半導体素子40Aのソース電極42と電気的に接続されている。
【0071】
各第2パワー半導体素子40Bの主ソース電極42Aには、接続部材30として第2素子接続部材31Bが接続されている。また、第2素子接続部材31Bは、導電層15Bに接続されている。より詳細には、第2素子接続部材31Bは、縦方向Yにおける導電層15Bの主導電部15dのうちの第2搭載層14B側の端部に接続されている。このように、第1素子接続部材31Aは、各第1パワー半導体素子40Aの主ソース電極42Aと第2搭載層14Aとを接続している。このため、各第2パワー半導体素子40Bのソース電極42(図8参照)は、導電層15Bに電気的に接続されている。導電層15Bが連結部材90C及び導電層15Aを介して第2入力端子51Bと電気的に接続されているため、各第2パワー半導体素子40Bのソース電極42は、第2入力端子51Bと電気的に接続されている。
【0072】
各第2パワー半導体素子40Bにおいて、第1ソース電極42Bと第2駆動層28とは、接続部材30として第2駆動側接続部材33Bによって接続されており、ゲート電極43と第2制御層26とは、接続部材30として第2制御側接続部材32Bによって接続されている。
【0073】
次に、各制御層21,22,25,26及び各駆動層23,24,27,28の形状、並びに、各パワー半導体素子40A,40Bと各制御端子53A,53B及び各検出端子54A,54Bとの接続構造について説明する。
【0074】
図14に示すように、ケース80の側壁81Aは、縦方向Yにおいて第1制御層21、第1駆動層24、及びサーミスタ搭載層16と隣り合うように設けられている。このため、側壁81Aに設けられた第1制御端子53A、第1検出端子54A、電源電流端子55、及び一対の温度検出端子56はそれぞれ、縦方向Yにおいて第1制御層21、第1駆動層24、及びサーミスタ搭載層16と隣り合うように配置されている。
【0075】
より詳細には、第1制御端子53A及び第1検出端子54Aは、第1制御層21よりも第2基板12側に配置されており、縦方向Yにおいて第1駆動層24と隣り合うように配置されている。縦方向Yからみて、第1制御端子53A及び第1検出端子54Aはそれぞれ、第2基板12と重なるように配置されている。第1制御端子53A及び第1検出端子54Aは、横方向Xにおいて隣り合うように配置されている。第1制御端子53A及び第1検出端子54Aは、横方向Xにおいて第2基板12の第3基板側面12c寄りに配置されている。横方向Xにおいて、第1検出端子54Aは、第1制御端子53Aよりも端子台座82B側に配置されている。第1制御端子53Aと第1制御層21とは、接続部材30として第1制御端子側接続部材35Aによって接続されている。第1検出端子54Aと第1駆動層23とは、接続部材30として第1検出端子側接続部材36Aによって接続されている。
【0076】
このように、第1基板11の各第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43は、第1制御側接続部材32A、第1制御層21、及び第1制御端子側接続部材35Aを介して第1制御端子53Aに電気的に接続されている。第1制御層22が第1制御層接続部材93Aを介して第1制御層21と電気的に接続されているため、第2基板12の各第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43は、第1制御側接続部材32A、第1制御層22、第1制御層接続部材93A、第1制御層21、及び第1制御端子側接続部材35Aを介して第1制御端子53Aに電気的に接続されている。
【0077】
また、第1駆動層23が第1駆動層接続部材94Aを介して第1駆動層24と電気的に接続されているため、第1基板11の各第1パワー半導体素子40Aのソース電極42は、第1駆動側接続部材33A、第1駆動層24、第1駆動層接続部材94A、第1駆動層23、及び第1検出端子側接続部材36Aを介して第1検出端子54Aに電気的に接続されている。第2基板12の各第1パワー半導体素子40Aのソース電極42は、第1駆動側接続部材33A、第1駆動層23、及び第1検出端子側接続部材36Aを介して第1検出端子54Aに電気的に接続されている。
【0078】
電源電流端子55は、横方向Xにおいて第1制御端子53A及び第1検出端子54Aよりも端子台座82B側に配置されている。電源電流端子55は、縦方向Yにおいて第1搭載層13Bの端子側接続部13eと隣り合うように配置されている。電源電流端子55と第1搭載層13Bとは、電源電流検出側接続部材34によって接続されている。電源電流検出側接続部材34は、第1搭載層13Bの端子側接続部13eのうちの縦方向Yの第2基板12の第1基板側面12a側の端部に接続されている。
【0079】
一対の温度検出端子56の一方は、第1制御層21よりも第1基板11の第3基板側面11c側に配置されており、他方は、縦方向Yからみて第1制御層21のうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部と重なるように配置されている。一対の温度検出端子56は、縦方向Yにおいてサーミスタ搭載層16と隣り合うように配置されている。一対の温度検出端子56とサーミスタ搭載層16とは、接続部材30としてサーミスタ側接続部材37によって接続されている。サーミスタ側接続部材37は、ワイヤボンディングによって形成される2本のワイヤからなる。1本のワイヤは、サーミスタ搭載層16の一対の領域の一方の領域と一対の温度検出端子56の一方とを接続している。残りの1本のワイヤは、サーミスタ搭載層16の一対の領域の他方の領域と一対の温度検出端子56の他方とを接続している。このように、サーミスタ側接続部材37によって、サーミスタ17と温度検出端子56とが電気的に接続されている。
【0080】
図15に示すように、第1制御層21は、第1制御側配線部21a、第1制御側迂回部21b、第1制御側連結部21c、及び第1制御側接続部21dを有する。本実施形態では、第1制御層21は、第1制御側配線部21a、第1制御側迂回部21b、第1制御側連結部21c、及び第1制御側接続部21dが一体に形成された単一部材である。第1制御層21は、例えば銅箔からなる。平面視における第1制御側配線部21a、第1制御側迂回部21b、及び第1制御側連結部21cのそれぞれの形状は、細帯状である。
【0081】
第1制御側配線部21aは、横方向Xに沿って延びている。横方向Xにおける第1制御側配線部21aのうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部21eは、横方向Xにおいて、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの最も第4基板側面11d側の第1パワー半導体素子40Aaよりも第1基板11の第4基板側面11d側に位置している。端部21eは、縦方向Yからみて、第1搭載層13Aの層間接続部13cと重なっている。縦方向Yからみて、第1制御側配線部21aは、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの最も第3基板側面11c側の第1パワー半導体素子40Ab以外の4個の第1パワー半導体素子40Aと重なるように横方向Xに延びている。
【0082】
第1制御側配線部21aには、複数の第1パワー半導体素子40Aのそれぞれに接続された第1制御側接続部材32Aが接続されている。複数の第1制御側接続部材32Aは、複数の第1パワー半導体素子40Aの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Ab以外の第1パワー半導体素子40Aに接続された第1制御側接続部材32Aはそれぞれ、平面視において縦方向Yに沿って延びている。第1パワー半導体素子40Abに接続された第1制御側接続部材32Aは、第1制御側連結部21cに接続されている。第1パワー半導体素子40Abのゲート電極43が横方向Xにおいて第1制御側連結部21cよりも第1基板11の第3基板側面11c側に位置しているため、第1パワー半導体素子40Abに接続された第1制御側接続部材32Aは、第1制御側連結部21cに向かうにつれて第1基板11の第4基板側面11dに向けて斜めに延びている。
【0083】
第1制御側迂回部21bは、縦方向Yにおいて第1制御側配線部21aと離間して配置されている。第1制御側迂回部21bは、縦方向Yにおいて、第1制御側配線部21aに対して第1駆動層23側とは反対側に配置されている。第1制御側迂回部21bは、横方向Xに沿って延びている。第1制御側迂回部21bの横方向Xの長さは、第1制御側配線部21aの横方向Xの長さよりも長い。図15から分かるとおり、第1制御側迂回部21bには、第1制御側接続部材32Aが接続されていない。すなわち、第1制御側接続部材32Aは、第1制御側迂回部21bに電気的には接続されているが、物理的に接触していない。
【0084】
第1制御側連結部21cは、第1制御側配線部21aと第1制御側迂回部21bとを連結している。より詳細には、第1制御側連結部21cは、横方向Xにおける第1制御側配線部21aのうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部と、横方向Xにおける第1制御側迂回部21bのうちの第3基板側面11c側の端部とを連結している。第1制御側連結部21cは、縦方向Yに延びている。縦方向Yからみて、第1制御側連結部21cは、第1パワー半導体素子40Abのうちの横方向Xにおける第1基板11の第4基板側面11d側の端部と重なるように配置されている。
【0085】
第1制御側接続部21dは、第1制御側迂回部21bの先端部に形成されている。第1制御側接続部21dは、横方向Xにおいて、第1制御側配線部21aよりも第1基板11の第4基板側面11d側に位置している。第1制御側接続部21dは、縦方向Yに延びている。第1制御側接続部21dの幅寸法(第1制御側接続部21dの横方向Xの寸法)は、第1制御側迂回部21bの幅寸法(第1制御側迂回部21bの縦方向Yの寸法)よりも大きい。第1制御側接続部21dは、縦方向Yにおける第1制御側接続部21dのうちの第1駆動層23側の端縁が縦方向Yにおける第1制御側配線部21aのうちの第1駆動層23側の端縁と縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて第1制御側配線部21aから離間して配置されている。
【0086】
第1駆動層23は、横方向Xに沿って延びている。平面視における第1駆動層23の形状は、細帯状である。本実施形態では、第1駆動層23の幅寸法(第1駆動層23の縦方向Yの寸法)は、第1制御層21における第1制御側配線部21aの幅寸法(第1制御側配線部21aの縦方向Yの寸法)と等しい。また、第1駆動層23の幅寸法は、第1制御層21における第1制御側迂回部21bの幅寸法(第1制御側迂回部21bの縦方向Yの寸法)と等しい。
【0087】
ここで、第1駆動層23の縦方向Yの寸法と第1制御層21における第1制御側配線部21aの縦方向Yの寸法との差が例えば第1制御層21における第1制御側配線部21aの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第1駆動層23の幅寸法が第1制御層21における第1制御側配線部21aの幅寸法と等しいといえる。また、第1駆動層23の縦方向Yの寸法と第1制御層21における第1制御側迂回部21bの縦方向Yの寸法との差が例えば第1制御層21における第1制御側迂回部21bの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第1駆動層23の幅寸法が第1制御層21における第1制御側迂回部21bの幅寸法と等しいといえる。
【0088】
第1駆動層23の横方向Xの長さは、第1制御層21における第1制御側配線部21aの横方向Xの長さよりも長い。また、第1駆動層23の横方向Xの長さは、第1制御層21における第1制御側迂回部21bの横方向Xの長さよりも長い。縦方向Yからみて、横方向Xにおける第1駆動層23のうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部は、第1制御層21の第1制御側連結部21cと揃っている。縦方向Yからみて、横方向Xにおける第1駆動層23のうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部は、第1制御層21の第1制御側接続部21dと揃っている。また、縦方向Yからみて、横方向Xにおける第1駆動層23のうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部及び第1制御層21の第1制御側接続部21dはそれぞれ、第1搭載層13Aの層間接続部13cと揃っている。
【0089】
第1駆動層23には、複数の第1パワー半導体素子40Aのそれぞれに接続された第1駆動側接続部材33Aが接続されている。複数の第1駆動側接続部材33Aは、複数の第1パワー半導体素子40Aの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第1パワー半導体素子40Aに接続された第1駆動側接続部材33Aはそれぞれ、平面視において縦方向Yに沿って延びている。
【0090】
図16に示すように、第1駆動層24は、第1駆動側配線部24a、第1駆動側迂回部24b、第1駆動側連結部24c、及び第1駆動側接続部24dを有する。本実施形態では、第1駆動層24は、第1駆動側配線部24a、第1駆動側迂回部24b、第1駆動側連結部24c、及び第1駆動側接続部24dが一体に形成された単一部材である。第1駆動層24は、例えば銅箔からなる。平面視における第1駆動側配線部24a、第1駆動側迂回部24b、及び第1駆動側連結部24cのそれぞれの形状は、細帯状である。
【0091】
第1駆動側配線部24aは、横方向Xに沿って延びている。横方向Xにおける第1駆動側配線部24aのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部24eは、横方向Xにおいて、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの最も第3基板側面12c側の第1パワー半導体素子40Acよりも第2基板12の第3基板側面12c側に位置している。
【0092】
第1駆動側配線部24aには、複数の第1パワー半導体素子40Aのそれぞれに接続された第1駆動側接続部材33Aが接続されている。複数の第1駆動側接続部材33Aは、複数の第1パワー半導体素子40Aの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第1パワー半導体素子40Aに接続された第1駆動側接続部材33Aはそれぞれ、平面視において縦方向Yに沿って延びている。
【0093】
第1駆動側迂回部24bは、縦方向Yにおいて第1駆動側配線部24aと離間して配置されている。第1駆動側迂回部24bは、縦方向Yにおいて、第1制御層22に対して第1駆動側配線部24a側とは反対側に配置されている。第1駆動側迂回部24bは、横方向Xに沿って延びている。第1駆動側迂回部24bの横方向Xの長さは、第1駆動側配線部24aの横方向Xの長さよりも僅かに長い。図16から分かるとおり、第1駆動側迂回部24bには、第1駆動側接続部材33Aが接続されていない。すなわち、第1駆動側接続部材33Aは、第1駆動側迂回部24bに電気的には接続されているが、物理的に接触していない。
【0094】
第1駆動側連結部24cは、第1駆動側配線部24aと第1駆動側迂回部24bとを連結している。より詳細には、第1駆動側連結部24cは、横方向Xにおける第1駆動側配線部24aのうちの第2基板12の第4基板側面12d側の端部と、横方向Xにおける第1駆動側迂回部24bのうちの第4基板側面12d側の端部とを連結している。第1駆動側連結部24cは、縦方向Yに延びている。横方向Xにおいて、第1駆動側連結部24cは、第1搭載層13Bの端子側接続部13eと隣り合うように配置されている。縦方向Yからみて、第1駆動側連結部24cは、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの横方向Xにおける最も第2基板12の第4基板側面12d側の第1パワー半導体素子40Adと重なるように配置されている。
【0095】
第1駆動側接続部24dは、第1駆動側迂回部24bの先端部に形成されている。第1駆動側接続部24dは、横方向Xにおいて、第1駆動側配線部24aよりも第2基板12の第3基板側面12c側に位置している。第1駆動側接続部24dは、縦方向Yに延びている。縦方向Yにおいて、第1駆動側接続部24dは、第1搭載層13Bの層間接続部13fと隣り合うように配置されている。第1駆動側接続部24dの幅寸法(第1駆動側接続部24dの横方向Xの寸法)は、第1駆動側迂回部24bの幅寸法(第1駆動側迂回部24bの縦方向Yの寸法)よりも大きい。第1駆動側接続部24dは、縦方向Yにおける第1駆動側接続部24dのうちの第1搭載層13B側の端縁が縦方向Yにおける第1駆動側配線部24aのうちの第1搭載層13B側の端縁と縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて第1駆動側配線部24aから離間して配置されている。
【0096】
第1制御層22は、横方向Xに沿って延びている。平面視における第1制御層22の形状は、細帯状である。本実施形態では、第1制御層22の幅寸法(第1制御層22の縦方向Yの寸法)は、第1駆動層24における第1駆動側配線部24aの幅寸法(第1駆動側配線部24aの縦方向Yの寸法)と等しい。また、第1制御層22の幅寸法は、第1駆動層24における第1駆動側迂回部24bの幅寸法(第1駆動側迂回部24bの縦方向Yの寸法)と等しい。
【0097】
ここで、第1制御層22の縦方向Yの寸法と第1駆動層24における第1駆動側配線部24aの縦方向Yの寸法との差が例えば第1駆動層24における第1駆動側配線部24aの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第1制御層22の幅寸法が第1駆動層24における第1駆動側配線部24aの幅寸法と等しいといえる。また、第1制御層22の縦方向Yの寸法と第1駆動層24における第1駆動側迂回部24bの縦方向Yの寸法との差が例えば第1駆動層24における第1駆動側迂回部24bの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第1制御層22の幅寸法が第1駆動層24における第1駆動側迂回部24bの幅寸法と等しいといえる。
【0098】
第1制御層22の横方向Xの長さは、第1駆動層24における第1駆動側配線部24aの横方向Xの長さよりも僅かに短い。縦方向Yからみて、横方向Xにおける第1制御層22のうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部は、第1駆動層24の第1駆動側配線部24aの端部24eと揃っている。横方向Xからみて、第1制御層22は、第1駆動層24の第1駆動側接続部24dと重なっている。
【0099】
第1制御層22には、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aのそれぞれに接続された第1制御側接続部材32Aが接続されている。複数の第1制御側接続部材32Aは、複数の第1パワー半導体素子40Aの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの最も第2基板12の第4基板側面12d寄りに配置された第1パワー半導体素子40Ad以外の4個の第1パワー半導体素子40Aに接続された第1制御側接続部材32Aはそれぞれ、平面視において縦方向Yに沿って延びている。第1パワー半導体素子40Adのゲート電極43が第1制御層22よりも第2基板12の第4基板側面12d側に配置されているため、第1パワー半導体素子40Adに接続された第1制御側接続部材32Aは、第2基板12の第1基板側面12aに向かうにつれて第3基板側面12c側に向けて斜めに延びている。
【0100】
図14図16に示すように、第1制御側接続部21dには、第1制御端子側接続部材35A及び第1制御層接続部材93Aがそれぞれ接続されている。より詳細には、第1制御端子側接続部材35Aは、縦方向Yにおける第1制御側接続部21dのうちの第1基板11の第1基板側面11a側の端部に接続されている。
【0101】
第1制御層接続部材93Aは、縦方向Yにおける第1制御側接続部21dのうちの第1駆動層23側の端部に接続されている。また第1制御層接続部材93Aは、横方向Xにおける第1制御層22のうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部に接続されている。平面視において、第1制御層接続部材93Aは、横方向Xに沿って延びている。図16からわかるとおり、第1制御層接続部材93Aは、第1駆動層24の第1駆動側接続部24dを横方向Xに跨ぐように形成されている。
【0102】
第1駆動側接続部24dには、第1検出端子側接続部材36A及び第1駆動層接続部材94Aがそれぞれ接続されている。より詳細には、第1検出端子側接続部材36Aは、縦方向Yにおける第1駆動側接続部24dのうちの第2基板12の第1基板側面12a側の端部に接続されている。
【0103】
横方向Xにおける第1駆動層23のうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部には、第1駆動層接続部材94Aが接続されている。第1駆動層接続部材94Aは、縦方向Yにおける第1駆動側接続部24dのうちの第1搭載層13B側の端部に接続されている。平面視において、第1駆動層接続部材94Aは、横方向Xに沿って延びている。
【0104】
図17に示すように、ケース80の側壁81Bは、縦方向Yにおいて第2制御層26及び第2駆動層27と隣り合うように設けられている。このため、側壁81Bに設けられた第2制御端子53B及び第2検出端子54Bはそれぞれ、縦方向Yにおいて第2制御層26及び第2駆動層27と隣り合うように配置されている。
【0105】
より詳細には、第2制御端子53B及び第2検出端子54Bはそれぞれ、第2制御層26よりも第1基板11側に配置されており、縦方向Yにおいて第2駆動層27と隣り合うように配置されている。縦方向Yからみて、第2制御端子53B及び第2検出端子54Bはそれぞれ、第1基板11と重なるように配置されている。第2制御端子53B及び第2検出端子54Bは、横方向Xにおいて隣り合うように配置されている。第2制御端子53B及び第2検出端子54Bは、横方向Xにおいて第1基板11の第4基板側面11d寄りに配置されている。横方向Xにおいて、第2検出端子54Bは、第2制御端子53Bよりも端子台座82A側に配置されている。第2制御端子53Bと第2制御層26とは、接続部材30として第2制御端子側接続部材35Bによって接続されている。第2検出端子54Bと第2駆動層27とは、接続部材30として第2検出端子側接続部材36Bによって接続されている。
【0106】
このように、第2制御層25が第2制御層接続部材93Bを介して第2制御層26と電気的に接続されているため、第1基板11の各第2パワー半導体素子40Bのゲート電極43は、第2制御側接続部材32B、第2制御層25、第2制御層接続部材93B、第2制御層26、及び第2制御端子側接続部材35Bを介して第2制御端子53Bに電気的に接続されている。第2基板12の各第2パワー半導体素子40Bのゲート電極43は、第2制御側接続部材32B、第2制御層26、及び第2制御端子側接続部材35Bを介して第1制御端子53Aに電気的に接続されている。
【0107】
また、第1基板11の各第2パワー半導体素子40Bのソース電極42は、第2駆動側接続部材33B、第2駆動層27、及び第2検出端子側接続部材36Bを介して第2検出端子54Bに電気的に接続されている。また、第2駆動層28が第2駆動層接続部材94Bを介して第2駆動層27と電気的に接続されているため、第2基板12の各第2パワー半導体素子40Bのソース電極42は、第2駆動側接続部材33B、第2駆動層27、第2駆動層接続部材94B、第2駆動層28、及び第2検出端子側接続部材36Bを介して第2検出端子54Bに電気的に接続されている。
【0108】
図18に示すように、第2駆動層27は、第2駆動側配線部27a、第2駆動側迂回部27b、第2駆動側連結部27c、及び第2駆動側接続部27dを有する。本実施形態では、第2駆動層27は、第2駆動側配線部27a、第2駆動側迂回部27b、第2駆動側連結部27c、及び第2駆動側接続部27dが一体に形成された単一部材である。第2駆動層27は、例えば銅箔からなる。平面視における第2駆動側配線部27a、第2駆動側迂回部27b、及び第2駆動側連結部27cのそれぞれの形状は、細帯状である。
【0109】
第2駆動側配線部27aは、横方向Xに沿って延びている。縦方向Yにおいて、第2駆動側配線部27aは、導電層15Aと隣り合うように配置されている。横方向Xにおける第2駆動側配線部27aのうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部27eは、横方向Xにおいて、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの最も第4基板側面11d側の第2パワー半導体素子40Baよりも第1基板11の第4基板側面11d側に位置している。縦方向Yからみて、第2駆動側配線部27aは、第1基板11に配置された全ての第2パワー半導体素子40Bと重なるように横方向Xに延びている。
【0110】
第2駆動側配線部27aには、複数の第2パワー半導体素子40Bのそれぞれに接続された第2駆動側接続部材33Bが接続されている。複数の第2駆動側接続部材33Bは、複数の第2パワー半導体素子40Bの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第2パワー半導体素子40Bに接続された第2駆動側接続部材33Bはそれぞれ、平面視において縦方向Yに沿って延びている。
【0111】
第2駆動側迂回部27bは、縦方向Yにおいて第2駆動側配線部27aと離間して配置されている。第2駆動側迂回部27bは、縦方向Yにおいて、第2制御層25に対して第2駆動側配線部27a側とは反対側に配置されている。第2駆動側迂回部27bは、縦方向Yにおいて、第2制御層25よりも第1基板11の第2基板側面11b側に配置されている。縦方向Yにおいて、第2駆動側迂回部27bは、第1基板11の第2基板側面11bと隣り合うように配置されている。第2駆動側迂回部27bは、横方向Xに沿って延びている。第2駆動側迂回部27bの横方向Xの長さは、第2駆動側配線部27aの横方向Xの長さよりも僅かに長い。図18から分かるとおり、第2駆動側迂回部27bには、第2駆動側接続部材33Bが接続されていない。すなわち、第2駆動側接続部材33Bは、第2駆動側迂回部27bに電気的には接続されているが、物理的に接触していない。
【0112】
第2駆動側連結部27cは、第2駆動側配線部27aと第2駆動側迂回部27bとを連結している。より詳細には、第2駆動側連結部27cは、横方向Xにおける第2駆動側配線部27aのうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部と、横方向Xにおける第2駆動側迂回部27bのうちの第3基板側面11c側の端部とを連結している。第2駆動側連結部27cは、縦方向Yに延びている。縦方向Yからみて、第2駆動側連結部27cは、第2パワー半導体素子40Bのうちの最も第3基板側面11c側の第2パワー半導体素子40Bbのうちの横方向Xにおける第1基板11の第3基板側面11c側の端部と重なるように配置されている。
【0113】
第2駆動側接続部27dは、第2駆動側迂回部27bの先端部に形成されている。第2駆動側接続部27dは、横方向Xにおいて、第2駆動側配線部27aよりも第1基板11の第4基板側面11d側に位置している。第2駆動側接続部27dは、縦方向Yに延びている。第2駆動側接続部27dの幅寸法(第2駆動側接続部27dの横方向Xの寸法)は、第2駆動側迂回部27bの幅寸法(第2駆動側迂回部27bの縦方向Yの寸法)よりも大きい。第2駆動側接続部27dは、縦方向Yにおける第2駆動側接続部27dのうちの導電層15A側の端縁が縦方向Yにおける第2駆動側配線部27aのうちの導電層15A側の端縁と縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて第2駆動側配線部27aから離間して配置されている。
【0114】
第2制御層25は、横方向Xに沿って延びている。平面視における第2制御層25の形状は、細帯状である。本実施形態では、第2制御層25の幅寸法(第2制御層25の縦方向Yの寸法)は、第2駆動層27における第2駆動側配線部27aの幅寸法(第2駆動側配線部27aの縦方向Yの寸法)と等しい。また、第2制御層25の幅寸法は、第2駆動層27における第2駆動側迂回部27bの幅寸法(第2駆動側迂回部27bの縦方向Yの寸法)と等しい。
【0115】
ここで、第2制御層25の縦方向Yの寸法と第2駆動層27における第2駆動側配線部27aの縦方向Yの寸法との差が例えば第2駆動層27における第2駆動側配線部27aの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第2制御層25の幅寸法が第2駆動層27における第2駆動側配線部27aの幅寸法と等しいといえる。また、第2制御層25の縦方向Yの寸法と第2駆動層27における第2駆動側迂回部27bの縦方向Yの寸法との差が例えば第2駆動層27における第2駆動側迂回部27bの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第2制御層25の幅寸法が第2駆動層27における第2駆動側迂回部27bの幅寸法と等しいといえる。
【0116】
第2制御層25の横方向Xの長さは、第2駆動層27における第2駆動側配線部27aの横方向Xの長さよりも僅かに短い。縦方向Yからみて、横方向Xにおける第2制御層25のうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部25xは、第2駆動層27の第2駆動側配線部27aの端部27eと揃っている。
【0117】
第2制御層25には、複数の第2パワー半導体素子40Bのそれぞれに接続された第2制御側接続部材32Bが接続されている。複数の第2制御側接続部材32Bは、複数の第2パワー半導体素子40Bの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第2パワー半導体素子40Bに接続された第2制御側接続部材32Bはそれぞれ、平面視において縦方向Yに沿って延びている。横方向Xにおける第1駆動層23のうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部には、第1駆動層接続部材94Aが接続されている。
【0118】
図19に示すように、第2制御層26は、第2制御側配線部26a、第2制御側迂回部26b、第2制御側連結部26c、及び第2制御側接続部26dを有する。本実施形態では、第2制御層26は、第2制御側配線部26a、第2制御側迂回部26b、第2制御側連結部26c、及び第2制御側接続部26dが一体に形成された単一部材である。第2制御層26は、例えば銅箔からなる。平面視における第2制御側配線部26a、第2制御側迂回部26b、及び第2制御側連結部26cのそれぞれの形状は、細帯状である。
【0119】
第2制御側配線部26aは、横方向Xに沿って延びている。横方向Xにおける第2制御側配線部26aのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部26eは、横方向Xにおいて、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの最も第3基板側面12c側の第2パワー半導体素子40Bcよりも第2基板12の第3基板側面12c側に位置している。
【0120】
第2制御側配線部26aには、複数の第2パワー半導体素子40Bのそれぞれに接続された第2制御側接続部材32Bが接続されている。複数の第2制御側接続部材32Bは、複数の第2パワー半導体素子40Bの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第2パワー半導体素子40Bに接続された第2制御側接続部材32Bはそれぞれ、平面視において縦方向Yに沿って延びている。
【0121】
第2制御側迂回部26bは、縦方向Yにおいて第2制御側配線部26aと離間して配置されている。第2制御側迂回部26bは、縦方向Yにおいて、第2制御側配線部26aに対して第2駆動層28側とは反対側に配置されている。第2制御側迂回部26bは、縦方向Yにおいて第2基板12の第2基板側面12bと隣り合うように配置されている。第2制御側迂回部26bは、横方向Xに沿って延びている。第2制御側迂回部26bの横方向Xの長さは、第2制御側配線部26aの横方向Xの長さよりも僅かに長い。図19から分かるとおり、第2制御側迂回部26bには、第2制御側接続部材32Bが接続されていない。すなわち、第2制御側接続部材32Bは、第2制御側迂回部26bに電気的には接続されているが、物理的に接触していない。
【0122】
第2制御側連結部26cは、第2制御側配線部26aと第2制御側迂回部26bとを連結している。より詳細には、第2制御側連結部26cは、横方向Xにおける第2制御側配線部26aのうちの第2基板12の第4基板側面12d側の端部と、横方向Xにおける第2制御側迂回部26bのうちの第4基板側面12d側の端部とを連結している。第2制御側連結部26cは、縦方向Yに延びている。横方向Xにおいて、第2制御側連結部26cは、第2搭載層14Bの端子側接続部14dと隣り合うように配置されている。縦方向Yからみて、第2制御側連結部26cは、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの横方向Xにおける最も第2基板12の第4基板側面12d側の第2パワー半導体素子40Bdと重なるように配置されている。
【0123】
第2制御側接続部26dは、第2制御側迂回部26bの先端部に形成されている。第2制御側接続部26dは、横方向Xにおいて、第2制御側配線部26aよりも第2基板12の第3基板側面12c側に位置している。第2制御側接続部26dは、縦方向Yに延びている。縦方向Yにおいて、第2制御側接続部26dは、第2駆動層28と隣り合うように配置されている。第2制御側接続部26dの幅寸法(第2制御側接続部26dの横方向Xの寸法)は、第2制御側迂回部26bの幅寸法(第2制御側迂回部26bの縦方向Yの寸法)よりも大きい。第2制御側接続部26dは、縦方向Yにおける第2制御側接続部26dのうちの第2駆動層28側の端縁が縦方向Yにおける第2制御側配線部26aのうちの第2駆動層28側の端縁と縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて第2制御側配線部26aから離間して配置されている。
【0124】
第2駆動層28は、横方向Xに沿って延びている。平面視における第2駆動層28の形状は、細帯状である。本実施形態では、第2駆動層28の幅寸法(第2駆動層28の縦方向Yの寸法)は、第2制御層26における第2制御側配線部26aの幅寸法(第2制御側配線部26aの縦方向Yの寸法)と等しい。また、第2駆動層28の幅寸法は、第2制御層26における第2制御側迂回部26bの幅寸法(第2制御側迂回部26bの縦方向Yの寸法)と等しい。
【0125】
ここで、第2駆動層28の縦方向Yの寸法と第2制御層26における第2制御側配線部26aの縦方向Yの寸法との差が例えば第2制御層26における第2制御側配線部26aの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第2駆動層28の幅寸法が第2制御層26における第2制御側配線部26aの幅寸法と等しいといえる。また、第2駆動層28の縦方向Yの寸法と第2制御層26における第2制御側迂回部26bの縦方向Yの寸法との差が例えば第2制御層26における第2制御側迂回部26bの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第2駆動層28の幅寸法が第2制御層26における第2制御側迂回部26bの幅寸法と等しいといえる。
【0126】
第2駆動層28の横方向Xの長さは、第2制御層26における第2制御側配線部26aの横方向Xの長さよりも長い。縦方向Yからみて、横方向Xにおける第2駆動層28のうちの第2基板12の第4基板側面12d側の端部は、第2制御層26の第2制御側連結部26cと揃っている。縦方向Yからみて、横方向Xにおける第2駆動層28のうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部は、第2制御層26の第2制御側接続部26dと揃っている。
【0127】
第2駆動層28には、第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bのそれぞれに接続された第2駆動側接続部材33Bが接続されている。複数の第2駆動側接続部材33Bは、複数の第2パワー半導体素子40Bの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第2パワー半導体素子40Bに接続された第2駆動側接続部材33Bは、平面視において縦方向Yに沿って延びている。
【0128】
図17図19に示すように、第2駆動側迂回部27bには、第2検出端子側接続部材36Bが接続されている。より詳細には、第2検出端子側接続部材36Bは、第2駆動側迂回部27bのうちの第2駆動側接続部27d側の端部に接続されている。
【0129】
第2駆動側接続部27dには、第2駆動層接続部材94Bがそれぞれ接続されている。より詳細には、第2駆動層接続部材94Bは、縦方向Yにおける第2駆動側接続部27dのうちの導電層15A側の端部に接続されている。また、第2駆動層接続部材94Bは、横方向Xにおける第2駆動層28のうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部に接続されている。平面視において、第2駆動層接続部材94Bは、横方向Xに沿って延びている。
【0130】
第2制御層25のうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部25xには、第2制御層接続部材93Bが接続されている。また、第2制御層接続部材93Bは、第2制御層26の第2制御側接続部26dに接続されている。第2制御層接続部材93Bは、縦方向Yにおける第2制御側接続部26dのうちの第2駆動層28側の端部に接続されている。平面視において、第2制御層接続部材93Bは、横方向Xに沿って延びている。また、図18に示すとおり、第2制御層接続部材93Bは、第2駆動層27の第2駆動側接続部27dを横方向Xに跨ぐように形成されている。
【0131】
第2制御側接続部26dには、第2制御端子側接続部材35Bが接続されている。より詳細には、第2制御端子側接続部材35Bは、縦方向Yにおける第2制御側接続部26dのうちの第2基板12の第2基板側面12b側の端部に接続されている。
【0132】
図11図19に示すように、各制御側接続部材32A,32B、各駆動側接続部材33A,33B、電源電流検出側接続部材34、各制御端子側接続部材35A,35B、各検出端子側接続部材36A,36B、サーミスタ側接続部材37、各制御層接続部材93A,93B、及び各駆動層接続部材94A,94Bはそれぞれ、Au(金)、Au合金、Al、Al合金、Cu、又はCu合金からなるワイヤである。
【0133】
(導電経路)
次に、各パワー半導体素子40A,40Bと各制御端子53A,53Bとの間の第1導電経路である制御側導電経路と、各パワー半導体素子40A,40Bと各検出端子54A,54Bとの間の第2導電経路である駆動側導電経路とについて説明する。
【0134】
図14に示すように、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43から第1制御端子53Aまでの第1制御側導電経路は、第1制御側接続部材32A、第1制御層21、及び第1制御端子側接続部材35Aによって構成されている。このため、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1制御側導電経路は、第1パワー半導体素子40Abから第1パワー半導体素子40Aaに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Aa及び第2端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Abのそれぞれに関する第1制御側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第1パワー半導体素子40Aaの第1制御側導電経路である第1端制御側導電経路の長さが最も長く、第1パワー半導体素子40Abの第1制御側導電経路である第2端制御側導電経路の長さが最も短い。
【0135】
第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42から第1検出端子54Aまでの第1駆動側導電経路は、第1駆動側接続部材33A、第1駆動層23、第1駆動層接続部材94A、第1駆動層24の第1駆動側接続部24d、及び第1検出端子側接続部材36Aによって構成されている。このため、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1駆動側導電経路は、第1パワー半導体素子40Aaから第1パワー半導体素子40Abに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Aa及び第2端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Abのそれぞれに関する第1駆動側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第1パワー半導体素子40Aaの第1駆動側導電経路である第1端駆動側導電経路の長さが最も短く、第1パワー半導体素子40Abの第1駆動側導電経路である第2端駆動側導電経路の長さが最も長い。
【0136】
第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43から第1制御端子53Aまでの第1制御側導電経路は、第1制御側接続部材32A、第1制御層22、第1制御層接続部材93A、第1制御層21の第1制御側接続部21d、及び第1制御端子側接続部材35Aによって構成されている。このため、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1制御側導電経路は、第1パワー半導体素子40Acから第1パワー半導体素子40Adに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Ac及び第2端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Adのそれぞれに関する第1制御側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第1パワー半導体素子40Acの第1制御側導電経路である第1端制御側導電経路の長さが最も短く、第1パワー半導体素子40Adの第1制御側導電経路である第2端制御側導電経路の長さが最も長い。
【0137】
第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42から第1検出端子54Aまでの第1駆動側導電経路は、第1駆動側接続部材33A、第1駆動層24、及び第1検出端子側接続部材36Aによって構成されている。このため、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1駆動側導電経路は、第1パワー半導体素子40Adから第1パワー半導体素子40Acに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Ac及び第2端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Adのそれぞれに関する第1駆動側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第1パワー半導体素子40Acの第1駆動側導電経路である第1端駆動側導電経路の長さが最も長く、第1パワー半導体素子40Adの第1駆動側導電経路である第2端駆動側導電経路の長さが最も短い。
【0138】
このように、本実施形態では、第1制御側導電経路の長さと第1駆動側導電経路の長さの合計の長さの複数の第1パワー半導体素子40Aの間でのばらつきを低減するように、第1制御側迂回部21b及び第1駆動側迂回部24bがそれぞれ形成されている。すなわち、本実施形態のパワーモジュール1Aは、第1制御側迂回部21b及び第1駆動側迂回部24bによって、第1導電経路の一例である第1制御側導電経路の長さと、第2導電経路の一例である第1駆動側導電経路の長さとの和が複数の第1パワー半導体素子40Aの間で互いに近づくように構成されている。
【0139】
また、本実施形態では、第1端制御側導電経路の長さと第1端駆動側導電経路の長さとの合計の長さと、第2端制御側導電経路の長さと第2端駆動側導電経路の長さとの合計の長さとのばらつきを低減するように、第1制御側迂回部21b及び第1駆動側迂回部24bがそれぞれ形成されている。
【0140】
なお、第1端制御側導電経路の長さと第1端駆動側導電経路の長さとの合計の長さは、特許請求の範囲に記載の第1和の一例である。また、第2端制御側導電経路の長さと第2端駆動側導電経路の長さとの合計の長さは、特許請求の範囲に記載の第2和の一例である。このため、本実施形態のパワーモジュール1Aは、第1制御側迂回部21b及び第1駆動側迂回部24bによって、第1和と第2和とが互いに近づくように構成されている。
【0141】
図17に示すように、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bのゲート電極43から第2制御端子53Bまでの第2制御側導電経路は、第2制御側接続部材32B、第2制御層25、第2制御層接続部材93B、第2制御層26の第2制御側接続部26d、及び第2制御端子側接続部材35Bによって構成されている。このため、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bに関する第3導電経路の一例である第2制御側導電経路は、第2パワー半導体素子40Baから第2パワー半導体素子40Bbに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Ba及び第2端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bbのそれぞれに関する第2制御側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第2パワー半導体素子40Baの第2制御側導電経路である第3端制御側導電経路の長さが最も短く、第2パワー半導体素子40Bbの第2制御側導電経路である第4端制御側導電経路の長さが最も長い。
【0142】
第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bのソース電極42から第2検出端子54Bまでの第2駆動側導電経路は、第2駆動側接続部材33B、第2駆動層27、及び第2検出端子側接続部材36Bによって構成されている。このため、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bに関する第4導電経路の一例である第2駆動側導電経路は、第2パワー半導体素子40Bbから第2パワー半導体素子40Baに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Ba及び第2端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bbのそれぞれに関する第2駆動側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第2パワー半導体素子40Baの第2駆動側導電経路である第3端駆動側導電経路の長さが最も長く、第2パワー半導体素子40Bbの第2駆動側導電経路である第4端駆動側導電経路の長さが最も短い。
【0143】
第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bのゲート電極43から第2制御端子53Bまでの第2制御側導電経路は、第2制御側接続部材32B、第2制御層26、及び第2制御端子側接続部材35Bによって構成されている。このため、第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bに関する第3導電経路の一例である第2制御側導電経路は、第2パワー半導体素子40Bdから第2パワー半導体素子40Bcに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bc及び第2端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bdのそれぞれに関する第2制御側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第2パワー半導体素子40Bcの第2制御側導電経路である第3端制御側導電経路の長さが最も長く、第2パワー半導体素子40Bdの第2制御側導電経路である第4端制御側導電経路の長さが最も短い。
【0144】
第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bのソース電極42から第2検出端子54Bまでの第2駆動側導電経路は、第2駆動側接続部材33B,第2駆動層28、第2駆動層接続部材94B、第2駆動層27の第2駆動側接続部27d、及び第2検出端子側接続部材36Bによって構成されている。このため、第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bに関する第4導電経路の一例である第2駆動側導電経路は、第2パワー半導体素子40Bcから第2パワー半導体素子40Bdに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bc及び第2端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bdのそれぞれに関する第2駆動側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第2パワー半導体素子40Bcの第2駆動側導電経路である第3端駆動側導電経路の長さが最も短く、第2パワー半導体素子40Bdの第2駆動側導電経路である第4端駆動側導電経路の長さが最も長い。
【0145】
このように、本実施形態では、第2制御側導電経路の長さと第2駆動側導電経路の長さの合計の長さの複数の第2パワー半導体素子40Bの間でのばらつきを低減するように、第2制御側迂回部26b及び第2駆動側迂回部27bがそれぞれ形成されている。すなわち、本実施形態のパワーモジュール1Aは、第2制御側迂回部26b及び第2駆動側迂回部27bによって、第3導電経路の一例である第2制御側導電経路の長さと、第4導電経路の一例である第2駆動側導電経路の長さとの和が複数の第2パワー半導体素子40Bの間で互いに近づくように構成されている。
【0146】
また、本実施形態では、第3端制御側導電経路の長さと第3端駆動側導電経路の長さとの合計の長さと、第4端制御側導電経路の長さと第4端駆動側導電経路の長さとの合計の長さとのばらつきを低減するように、第1制御側迂回部21b及び第1駆動側迂回部24bがそれぞれ形成されている。
【0147】
なお、第3端制御側導電経路の長さと第3端駆動側導電経路の長さとの合計の長さは、特許請求の範囲に記載の第3和の一例である。また、第4端制御側導電経路の長さと第4端駆動側導電経路の長さとの合計の長さは、特許請求の範囲に記載の第4和の一例である。このため、本実施形態のパワーモジュール1Aは、第2制御側迂回部26b及び第2駆動側迂回部27bによって、第3和と第4和とが近づくように構成されている。
【0148】
(作用)
本実施形態のパワーモジュール1Aの作用について説明する。なお、図20は、比較例のパワーモジュール1Xの内部構造を示している。図20では、便宜上、ケース80を省略して示している。以下では、まず、比較例のパワーモジュール1Xの構成について説明する。
【0149】
図20に示すように、パワーモジュール1Xは、本実施形態のパワーモジュール1Aと比較して、各制御層及び各駆動層の構成が異なる。便宜上、パワーモジュール1Xでは、パワーモジュール1Aの各制御層21,22,25,26、及び各駆動層23,24,27,28と対応する各制御層及び各駆動層について符号の後に「X」を付す。
【0150】
図21に示すように、第1制御層21X及び第1駆動層23Xは、縦方向Yに離間して配置されている。第1駆動層23Xは、第1制御層21Xに対して第1搭載層13A側に配置されている。第1制御層21X及び第1駆動層23Xはともに、横方向Xに延びている。第1制御層21Xと第1制御端子53Aとは、第1制御端子側接続部材35Aによって電気的に接続されている。第1制御層21Xと、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43のそれぞれとは、第1制御側接続部材32Aによって電気的に接続されている。第1駆動層23Xと、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42のそれぞれとは、第1駆動側接続部材33Aによって電気的に接続されている。
【0151】
第1制御層22X及び第1駆動層24Xは、縦方向Yに離間して配置されている。第1駆動層24Xは、第1制御層22Xに対して第1搭載層13B側に配置されている。第1制御層22X及び第1駆動層24Xはともに、横方向Xに延びている。第1制御層22Xと第1制御層21Xとは、第1制御層接続部材93Aによって電気的に接続されている。第1駆動層24Xと第1駆動層23Xとは、第1駆動層接続部材94Aによって電気的に接続されている。第1駆動層24Xと第1検出端子54Aとは、第1検出端子側接続部材36Aによって電気的に接続されている。第1制御層22Xと、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43のそれぞれとは、第1制御側接続部材32Aによって電気的に接続されている。第1駆動層24Xと、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42のそれぞれとは、第1駆動側接続部材33Aによって電気的に接続されている。
【0152】
第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43から第1制御端子53Aまでの第1制御側導電経路は、第1制御側接続部材32A、第1制御層21X、及び第1制御端子側接続部材35Aによって構成されている。このため、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1制御側導電経路は、第1パワー半導体素子40Aaから第1パワー半導体素子40Abに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Aa及び第2端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Abのそれぞれに関する第1制御側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第1パワー半導体素子40Aaの第1制御側導電経路である第1端制御側導電経路の長さが最も短く、第1パワー半導体素子40Abの第1制御側導電経路である第2端制御側導電経路の長さが最も長い。
【0153】
第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42から第1検出端子54Aまでの第1駆動側導電経路は、第1駆動側接続部材33A、第1駆動層23X、第1駆動層接続部材94A、第1駆動層24X、及び第1検出端子側接続部材36Aによって構成されている。このため、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1駆動側導電経路は、第1パワー半導体素子40Aaから第1パワー半導体素子40Abに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Aa及び第2端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Abのそれぞれに関する第1駆動側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第1パワー半導体素子40Aaの第1駆動側導電経路である第1端駆動側導電経路の長さが最も短く、第1パワー半導体素子40Abの第1駆動側導電経路である第2端駆動側導電経路の長さが最も長い。
【0154】
第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43から第1制御端子53Aまでの第1制御側導電経路は、第1制御側接続部材32A、第1制御層22X、第1制御層接続部材93A、第1制御層21X、及び第1制御端子側接続部材35Aによって構成されている。このため、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1制御側導電経路は、第1パワー半導体素子40Acから第1パワー半導体素子40Adに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Ac及び第2端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Adのそれぞれに関する第1制御側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第1パワー半導体素子40Acの第1制御側導電経路である第1端制御側導電経路の長さが最も短く、第1パワー半導体素子40Adの第1制御側導電経路である第2端制御側導電経路の長さが最も長い。
【0155】
第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42から第1検出端子54Aまでの第1駆動側導電経路は、第1駆動側接続部材33A、第1駆動層24X、及び第1検出端子側接続部材36Aによって構成されている。このため、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1駆動側導電経路は、第1パワー半導体素子40Acから第1パワー半導体素子40Adに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Ac及び第2端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Adのそれぞれに関する第1駆動側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第1パワー半導体素子40Acの第1駆動側導電経路である第1端駆動側導電経路の長さが最も短く、第1パワー半導体素子40Adの第1駆動側導電経路である第2端駆動側導電経路の長さが最も長い。
【0156】
このように、パワーモジュール1Xにおいては、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aの第1制御側導電経路と第1駆動側導電経路とがともに、第1パワー半導体素子40Aaから第1パワー半導体素子40Abに向かうにつれて順に長くなるため、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aにおける第1制御側導電経路と第1駆動側導電経路との合計のばらつきが大きい。特に、第1パワー半導体素子40Aaの第1制御側導電経路の長さが最も短く、かつ第1パワー半導体素子40Aaの第1駆動側導電経路の長さが最も短い。第1パワー半導体素子40Abの第1制御側導電経路の長さが最も長く、かつ第1パワー半導体素子40Abの第1駆動側導電経路の長さが最も長い。このため、第1パワー半導体素子40Aaにおける第1制御側導電経路の長さと第1駆動側導電経路の長さとの和と、第1パワー半導体素子40Abにおける第1制御側導電経路の長さと第1駆動側導電経路の長さとの和とのばらつきが大きい。
【0157】
また、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aの第1制御側導電経路と第1駆動側導電経路とがともに、第1パワー半導体素子40Acから第1パワー半導体素子40Adに向かうにつれて順に長くなるため、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aにおける第1制御側導電経路と第1駆動側導電経路との合計のばらつきが大きい。特に、第1パワー半導体素子40Acの第1制御側導電経路の長さが最も短く、かつ第1パワー半導体素子40Acの第1駆動側導電経路の長さが最も短い。第1パワー半導体素子40Adの第1制御側導電経路の長さが最も長く、かつ第1パワー半導体素子40Adの第1駆動側導電経路の長さが最も長い。このため、第1パワー半導体素子40Acにおける第1制御側導電経路の長さと第1駆動側導電経路の長さとの和と、第1パワー半導体素子40Adにおける第1制御側導電経路の長さと第1駆動側導電経路の長さとの和とのばらつきが大きい。
【0158】
図22に示すように、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bのゲート電極43から第2制御端子53Bまでの第2制御側導電経路は、第2制御側接続部材32B、第2制御層25X、第2制御層接続部材93B、第2制御層26X、及び第2制御端子側接続部材35Bによって構成されている。このため、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bに関する第2制御側導電経路は、第2パワー半導体素子40Baから第2パワー半導体素子40Bbに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Ba及び第2端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bbのそれぞれに関する第2制御側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第2パワー半導体素子40Baの第2制御側導電経路である第3端制御側導電経路の長さが最も短く、第2パワー半導体素子40Bbの第2制御側導電経路である第4端制御側導電経路の長さが最も長い。
【0159】
第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bのソース電極42から第2検出端子54Bまでの第2駆動側導電経路は、第2駆動側接続部材33B、第2駆動層27X、及び第2検出端子側接続部材36Bによって構成されている。このため、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bに関する第2駆動側導電経路は、第2パワー半導体素子40Baから第2パワー半導体素子40Bbに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Ba及び第2端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bbのそれぞれに関する第2駆動側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第2パワー半導体素子40Baの第2駆動側導電経路である第3端駆動側導電経路の長さが最も短く、第2パワー半導体素子40Bbの第2駆動側導電経路である第4端駆動側導電経路の長さが最も長い。
【0160】
第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bのゲート電極43から第2制御端子53Bまでの第2制御側導電経路は、第2制御側接続部材32B、第2制御層26X、及び第2制御端子側接続部材35Bによって構成されている。このため、第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bに関する第2制御側導電経路は、第2パワー半導体素子40Bcから第2パワー半導体素子40Bdに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bc及び第2端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bdのそれぞれに関する第2制御側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第2パワー半導体素子40Bcの第2制御側導電経路である第3端制御側導電経路の長さが最も短く、第2パワー半導体素子40Bdの第2制御側導電経路である第4端制御側導電経路の長さが最も長い。
【0161】
第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bのソース電極42から第2検出端子54Bまでの第2駆動側導電経路は、第2駆動側接続部材33B,第2駆動層28X、第2駆動層接続部材94B、第2駆動層27X、及び第2検出端子側接続部材36Bによって構成されている。このため、第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bに関する第2駆動側導電経路は、第2パワー半導体素子40Bcから第2パワー半導体素子40Bdに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bの配列方向(横方向X)の両端である第1端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bc及び第2端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bdのそれぞれに関する第2駆動側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第2パワー半導体素子40Bcの第2駆動側導電経路である第3端駆動側導電経路の長さが最も短く、第2パワー半導体素子40Bdの第2駆動側導電経路である第4端駆動側導電経路の長さが最も長い。
【0162】
このように、パワーモジュール1Xにおいては、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bの第2制御側導電経路と第2駆動側導電経路とがともに、第2パワー半導体素子40Baから第2パワー半導体素子40Bbに向かうにつれて順に長くなるため、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bにおける第2制御側導電経路と第2駆動側導電経路との合計である総導電経路の長さのばらつきが大きい。特に、第2パワー半導体素子40Baの第2制御側導電経路の長さが最も短く、かつ第2パワー半導体素子40Baの第2駆動側導電経路の長さが最も短い。第2パワー半導体素子40Bbの第2制御側導電経路の長さが最も長く、かつ第2パワー半導体素子40Bbの第2駆動側導電経路の長さが最も長い。このため、第2パワー半導体素子40Baにおける第2制御側導電経路の長さと第2駆動側導電経路の長さとの和と、第2パワー半導体素子40Bbにおける第2制御側導電経路の長さと第2駆動側導電経路の長さとの和とのばらつきが大きい。
【0163】
また、第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bの第2制御側導電経路と第2駆動側導電経路とがともに、第2パワー半導体素子40Bcから第2パワー半導体素子40Bdに向かうにつれて順に長くなるため、第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bにおける第2制御側導電経路と第2駆動側導電経路との合計である総導電経路の長さのばらつきが大きい。特に、第2パワー半導体素子40Bcの第2制御側導電経路の長さが最も短く、かつ第2パワー半導体素子40Bcの第2駆動側導電経路の長さが最も短い。第2パワー半導体素子40Bdの第2制御側導電経路の長さが最も長く、かつ第2パワー半導体素子40Bdの第2駆動側導電経路の長さが最も長い。このため、第2パワー半導体素子40Bcにおける第2制御側導電経路の長さと第2駆動側導電経路の長さとの和と、第2パワー半導体素子40Bdにおける第2制御側導電経路の長さと第2駆動側導電経路の長さとの和とのばらつきが大きい。
【0164】
その結果、図23に示すように、各第1パワー半導体素子40Aにおける第1パワー半導体素子40Aと第1制御端子53Aとの間のインダクタンス値と第1パワー半導体素子40Aと第1検出端子54Aとの間のインダクタンス値との合計のインダクタンス値がばらつく。図23から分かるとおり、第1搭載層13Aに搭載された複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aaのインダクタンス値が最も小さく、第1パワー半導体素子40Abのインダクタンス値が最も大きい。すなわち、第1パワー半導体素子40Aaのインダクタンス値と第1パワー半導体素子40Abのインダクタンス値とのばらつきが最も大きくなる。第1搭載層13Bに搭載された複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Acのインダクタンス値が最も小さく、第1パワー半導体素子40Adのインダクタンス値が最も大きい。すなわち、第1パワー半導体素子40Acのインダクタンス値と第1パワー半導体素子40Adのインダクタンス値とのばらつきが最も大きくなる。
【0165】
また、各第2パワー半導体素子40Bにおける第2パワー半導体素子40Bと第2制御端子53Bとの間のインダクタンス値と第2パワー半導体素子40Bと第2検出端子54Bとの間のインダクタンス値との合計のインダクタンス値がばらつく。図23から分かるとおり、第2搭載層14Aに搭載された複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Baのインダクタンス値が最も小さく、第2パワー半導体素子40Bbのインダクタンス値が最も大きい。すなわち、第2パワー半導体素子40Baのインダクタンス値と第2パワー半導体素子40Bbのインダクタンス値とのばらつきが最も大きくなる。第2搭載層14Bに搭載された複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bcのインダクタンス値が最も小さく、第2パワー半導体素子40Bdのインダクタンス値が最も大きい。すなわち、第2パワー半導体素子40Bcのインダクタンス値と第2パワー半導体素子40Bdのインダクタンス値とのばらつきが最も大きくなる。
【0166】
これにより、各第1パワー半導体素子40A及び各第2パワー半導体素子40Bにゲート電圧Vgを印加する場合、インダクタンス値のばらつきに起因してゲート電圧Vgの波形が揺れてしまう場合がある。特に、パワーモジュール1Xにおいて、各第1パワー半導体素子40A及び各第2パワー半導体素子40BとしてSiCMOSFETを用いて、高速スイッチングを行う場合、図24に示すように、リンギングを生じる場合がある。
【0167】
このような点に鑑みて、本実施形態では、上述のように、複数の第1パワー半導体素子40Aにおいて、第1制御側導電経路の長さと第1駆動側導電経路の長さの合計のばらつきを低減するように、第1制御側迂回部21b及び第1駆動側迂回部24bがそれぞれ形成されている。また、複数の第2パワー半導体素子40Bにおいて、第2制御側導電経路の長さと第2駆動側導電経路の長さの合計のばらつきを低減するように、第2制御側迂回部26b及び第2駆動側迂回部27bがそれぞれ形成されている。このため、図23に示すように、各第1パワー半導体素子40Aにおける第1パワー半導体素子40Aと第1制御端子53Aとの間のインダクタンス値と第1パワー半導体素子40Aと第1検出端子54Aとの間のインダクタンス値との合計のインダクタンス値のばらつきが低減されている。また、各第2パワー半導体素子40Bにおける第2パワー半導体素子40Bと第2制御端子53Bとの間のインダクタンス値と第2パワー半導体素子40Bと第2検出端子54Bとの間のインダクタンス値との合計のインダクタンス値のばらつきが低減されている。これにより、本実施形態のパワーモジュール1Aにおいて、各第1パワー半導体素子40A及び各第2パワー半導体素子40BとしてSiCMOSFETを用いて、高速スイッチングを行う場合であっても図25に示すように、リンギングの発生を抑制できる。
【0168】
(効果)
本実施形態のパワーモジュール1Aによれば、以下の効果が得られる。
(1-1)第1制御層21は第1制御側迂回部21bを有し、第1駆動層24は第1駆動側迂回部24bを有する。このため、複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1制御側導電経路の長さと第1駆動側導電経路の長さの合計のばらつきが抑えられるため、これら長さに起因するインダクタンス値のばらつきを抑制できる。したがって、複数の第1パワー半導体素子40Aにおいてリンギングの発生を抑制できるため、パワーモジュール1Aが安定して動作できる。
【0169】
(1-2)平面視において、パワーモジュール1Aは、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる形状を有する。第1制御層21の第1制御側迂回部21bは、縦方向Yにおいて第1制御側配線部21aと離間して配置されており、横方向Xに沿って延びている。第1駆動層24の第1駆動側迂回部24bは、縦方向Yにおいて第1駆動側配線部24aと離間して配置されており、横方向Xに沿って延びている。第2駆動層27の第2駆動側迂回部27bは、縦方向Yにおいて第2駆動側配線部27aと離間して配置されており、横方向Xに沿って延びている。第2制御層26の第2制御側迂回部26bは、縦方向Yにおいて第2制御側配線部26aと離間して配置されており、横方向Xに沿って延びている。このように、各迂回部21b,24b,26b,27bは、パワーモジュール1Aの長辺方向となる横方向Xに延びているため、パワーモジュール1Aの縦方向Yの大型化を抑制できる。
【0170】
(1-3)第1制御層21は、第1制御側配線部21a、第1制御側迂回部21b、及び第1制御側連結部21cが一体に形成された単一部材からなる。この構成によれば、例えば第1制御側配線部21a、第1制御側迂回部21b、及び第1制御側連結部21cが個別に形成され、第1制御側配線部21aと第1制御側迂回部21bと第1制御側連結部21cとの間をワイヤで接続する構成と比較して、第1基板11に第1制御層21が形成し易くなる。
【0171】
また、第1駆動層24は、第1駆動側配線部24a、第1駆動側迂回部24b、及び第1駆動側連結部24cが一体に形成された単一部材からなる。この構成によれば、例えば第1駆動側配線部24a、第1駆動側迂回部24b、及び第1駆動側連結部24cが個別に形成され、第1駆動側配線部24aと第1駆動側迂回部24bと第1駆動側連結部24cとの間をワイヤで接続する構成と比較して、第2基板12に第1駆動層24が形成し易くなる。
【0172】
また、第2駆動層27は、第2駆動側配線部27a、第2駆動側迂回部27b、及び第2駆動側連結部27cが一体に形成された単一部材からなる。この構成によれば、例えば第2駆動側配線部27a、第2駆動側迂回部27b、及び第2駆動側連結部27cが個別に形成され、第2駆動側配線部27aと第2駆動側迂回部27bと第2駆動側連結部27cとの間をワイヤで接続する構成と比較して、第1基板11に第2駆動層27が形成し易くなる。
【0173】
また、第2制御層26は、第2制御側配線部26a、第2制御側迂回部26b、及び第2制御側連結部26cが一体に形成された単一部材からなる。この構成によれば、例えば第2制御側配線部26a、第2制御側迂回部26b、及び第2制御側連結部26cが個別に形成され、第2制御側配線部26aと第2制御側迂回部26bと第2制御側連結部26cとの間をワイヤで接続する構成と比較して、第2基板12に第2制御層26が形成し易くなる。
【0174】
(1-4)縦方向Yにおいて、第1駆動層23は、第1制御層21よりも第1搭載層13A側に配置されている。この構成によれば、第1駆動層23と第1基板11の各第1パワー半導体素子40Aのソース電極42とを接続する第1駆動側接続部材33Aの長さを短くできる。したがって、第1駆動側接続部材33Aに起因するインダクタンスを低減できる。
【0175】
また、縦方向Yにおいて、第1駆動層24は、第1制御層22よりも第1搭載層13B側に配置されている。この構成によれば、第1駆動層24と第2基板12の各第1パワー半導体素子40Aのソース電極42とを接続する第1駆動側接続部材33Aの長さを短くできる。したがって、第1駆動側接続部材33Aに起因するインダクタンスを低減できる。
【0176】
また、縦方向Yにおいて、第2駆動層27は、第2制御層25よりも導電層15A側に配置されている。この構成によれば、第2駆動層27と第1基板11の各第2パワー半導体素子40Bのソース電極42とを接続する第2駆動側接続部材33Bの長さを短くできる。したがって、第2駆動側接続部材33Bに起因するインダクタンスを低減できる。
【0177】
また、縦方向Yにおいて、第2駆動層28は、第2制御層26よりも導電層15B側に配置されている。この構成によれば、第2駆動層28と第2基板12の各第2パワー半導体素子40Bのソース電極42とを接続する第2駆動側接続部材33Bの長さを短くできる。したがって、第2駆動側接続部材33Bに起因するインダクタンスを低減できる。
【0178】
(1-5)第1制御層21の第1制御側迂回部21bは、縦方向Yにおいて第1制御側配線部21aに対して第1駆動層23とは反対側に配置されている。この構成によれば、第1制御側迂回部21bは、ケース80の側壁81A側、すなわち縦方向Yにおいて第1制御端子53Aに近い側に配置されている。このため、第1制御側迂回部21bの先端部に形成された第1制御側接続部21dと、第1制御端子53Aとを接続する第1制御端子側接続部材35Aの長さを短くできる。したがって、第1制御端子側接続部材35Aに起因するインダクタンスを低減できる。
【0179】
また、第2制御層26の第2制御側迂回部26bは、縦方向Yにおいて第2制御側配線部26aに対して第2駆動層28とは反対側に配置されている。この構成によれば、第2制御側迂回部26bは、ケース80の側壁81B側、すなわち縦方向Yにおいて第2制御端子53Bに近い側に配置されている。このため、第2制御側迂回部26bの先端部に形成された第2制御側接続部26dと、第2制御端子53Bとを接続する第2制御端子側接続部材35Bの長さを短くできる。したがって、第2制御端子側接続部材35Bに起因するインダクタンスを低減できる。
【0180】
(1-6)第1駆動層24の第1駆動側迂回部24bは、縦方向Yにおいて第1制御層22に対して第1駆動側配線部24aとは反対側に配置されている。この構成によれば、第1駆動側迂回部24bは、ケース80の側壁81A側、すなわち縦方向Yにおいて第1検出端子54Aに近い側に配置されている。このため、第1駆動側迂回部24bの先端部に形成された第1駆動側接続部24dと、第1検出端子54Aとを接続する第1検出端子側接続部材36Aの長さを短くできる。したがって、第1検出端子側接続部材36Aに起因するインダクタンスを低減できる。
【0181】
また、第2駆動層27の第2駆動側迂回部27bは、縦方向Yにおいて第2制御層25に対して第2駆動側配線部27aとは反対側に配置されている。この構成によれば、第2駆動側迂回部27bは、ケース80の側壁81A側、すなわち縦方向Yにおいて第2検出端子54Bに近い側に配置されている。このため、第2駆動側迂回部27bの先端部に形成された第2駆動側接続部27dと、第2検出端子54Bとを接続する第2検出端子側接続部材36Bの長さを短くできる。したがって、第2検出端子側接続部材36Bに起因するインダクタンスを低減できる。
【0182】
(1-7)第1制御層21の第1制御側迂回部21bには、第1制御側接続部材32Aが接続されていない。第1制御側接続部材32Aは、第1制御側配線部21aに接続されている。この構成によれば、第1基板11の第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43と第1制御端子53Aとの間の第1制御側導電経路の長さが、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの最も第3基板側面11c側の第1パワー半導体素子40Abから最も第4基板側面11d側の第1パワー半導体素子40Aaに向かって順に長くなる。一方、第1基板11の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42と第1検出端子54Aとの間の第1駆動側導電経路の長さが第1パワー半導体素子40Aaから第1パワー半導体素子40Abに向かって順に長くなるため、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aにおける第1制御側導電経路の長さと第1駆動側導電経路の長さとの合計の長さのばらつきを抑制できる。
【0183】
また、第1駆動層24の第1駆動側迂回部24bには、第1駆動側接続部材33Aが接続されていない。第1駆動側接続部材33Aは、第1駆動側配線部24aに接続されている。この構成によれば、第1パワー半導体素子40Aのソース電極42と第1検出端子54Aとの間の第1駆動側導電経路の長さが、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの最も第4基板側面12d側の第1パワー半導体素子40Adから最も第3基板側面12c側の第1パワー半導体素子40Acに向かって順に長くなる。一方、第2基板12の第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43と第1制御端子53Aとの間の第1制御側導電経路の長さは、第1パワー半導体素子40Acから第1パワー半導体素子40Adに向かって順に長くなるため、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aにおける第1制御側導電経路の長さと第1駆動側導電経路の長さとの合計の長さのばらつきを抑制できる。
【0184】
また、第2駆動層27の第2駆動側迂回部27bには、第2駆動側接続部材33Bが接続されていない。第2駆動側接続部材33Bは、第2駆動側配線部27aに接続されている。この構成によれば、第1基板11の第2パワー半導体素子40Bのソース電極42と第2検出端子54Bとの間の第2駆動側導電経路の長さが、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの最も第3基板側面11c側の第2パワー半導体素子40Bbから最も第4基板側面11d側の第2パワー半導体素子40Baに向かって順に長くなる。一方、第1基板11の第2パワー半導体素子40Bのゲート電極43と第2制御端子53Bとの間の第2制御側導電経路の長さは、第2パワー半導体素子40Baから第2パワー半導体素子40Bbに向かって順に長くなるため、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bにおける第2制御側導電経路の長さと第2駆動側導電経路の長さとの合計の長さのばらつきを抑制できる。
【0185】
また、第2制御層26の第2制御側迂回部26bには、第2制御側接続部材32Bが接続されていない。第2制御側接続部材32Bは、第2制御側配線部26aに接続されている。この構成によれば、第2基板12の第2パワー半導体素子40Bのゲート電極43と第2制御端子53Bとの間の第2制御側導電経路の長さが、第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの最も第4基板側面12d側の第2パワー半導体素子40Bdから最も第3基板側面12c側の第2パワー半導体素子40Bcに向かって順に長くなる。一方、第2基板12の第2パワー半導体素子40Bのソース電極42と第2検出端子54Bとの間の第2駆動側導電経路の長さが第2パワー半導体素子40Bcから第2パワー半導体素子40Bdに向かって順に長くなるため、第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bにおける第2制御側導電経路の長さと第2駆動側導電経路の長さとの合計の長さのばらつきを抑制できる。
【0186】
(1-8)複数の第1パワー半導体素子40Aにそれぞれ接続された第1制御側接続部材32Aは、縦方向Yに沿って延びている。複数の第1パワー半導体素子40Aにそれぞれ接続された第1駆動側接続部材33Aは、縦方向Yに沿って延びている。複数の第2パワー半導体素子40Bにそれぞれ接続された第2制御側接続部材32Bは、縦方向Yに沿って延びている。複数の第2パワー半導体素子40Bにそれぞれ接続された第2駆動側接続部材33Bは、縦方向Yに沿って延びている。これらの構成によれば、ワイヤボンディングによって各接続部材32A,32B,33A,33Bが形成し易くなる。
【0187】
(1-9)第1制御層21の第1制御側接続部21dは、縦方向Yに延びており、横方向Xからみて、第1制御層22と重なっている。このため、第1制御側接続部21dと第1制御層22とを接続する第1制御層接続部材93Aが横方向Xに沿って形成され易くなる。
【0188】
また、第1駆動層24の第1駆動側接続部24dは、縦方向Yに延びており、横方向Xからみて、第1駆動層23と重なっている。このため、第1駆動側接続部24dと第1駆動層23とを接続する第1駆動層接続部材94Aが横方向Xに沿って形成され易くなる。
【0189】
また、第2駆動層27の第2駆動側接続部27dは、縦方向Yに延びており、横方向Xからみて、第2駆動層28と重なっている。このため、第2駆動側接続部27dと第2駆動層28とを接続する第2駆動層接続部材94Bが横方向Xに沿って形成され易くなる。
【0190】
また、第2制御層26の第2制御側接続部26dは、縦方向Yに延びており、横方向Xからみて、第2制御層25と重なっている。このため、第2制御側接続部26dと第2制御層25とを接続する第2制御層接続部材93Bが横方向Xに沿って形成され易くなる。
【0191】
[第2実施形態]
図26図32を参照して、第2実施形態のパワーモジュール1Bについて説明する。本実施形態のパワーモジュール1Bは、第1実施形態のパワーモジュール1Aと比較して、主に、制御層及び駆動層の構成がそれぞれ異なる。以下では、第1実施形態のパワーモジュール1Aと異なる点を詳細に説明し、第1実施形態のパワーモジュール1Aと共通した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。なお、図28図29図31、及び図32の二点鎖線は、各制御層及び各駆動層の位置関係を明確にするための補助線である。
【0192】
図26図28に示すように、第1制御層21は、第1制御側配線部21a、第1制御側迂回部21b、及び第1制御側連結部21cを有する。本実施形態では、第1制御側配線部21a、第1制御側迂回部21b、及び第1制御側連結部21cは個別に形成されている。第1制御側配線部21a及び第1制御側迂回部21bはそれぞれ、例えば銅箔からなる。第1制御側連結部21cは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤからなる。第1制御側連結部21cは、例えばAu、Au合金、Al、Al合金、Cu、又はCu合金からなる。
【0193】
第1制御側配線部21a及び第1制御側迂回部21bはそれぞれ、横方向Xに延びている。第1制御側迂回部21bは、縦方向Yにおいて第1制御側配線部21aに対して第1駆動層23側とは反対側に配置されている。横方向Xにおける第1制御側配線部21aのうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部と、横方向Xにおける第1制御側迂回部21bのうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部とは、横方向Xにおいて揃っている。これら端部は、縦方向Yからみて、第1搭載層13Aの層間接続部13cと揃っている。すなわちこれら端部は、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの最も第1基板11の第4基板側面11d側の第1パワー半導体素子40Aaよりも第1基板11の第4基板側面11d側に位置している。第1制御側配線部21aの横方向Xの長さは、第1制御側迂回部21bの横方向Xの長さよりも長い。すなわち、横方向Xにおける第1制御側配線部21aのうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部は、横方向Xにおける第1制御側迂回部21bのうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部よりも第3基板側面11c側に位置している。
【0194】
第1制御側配線部21aは、縦方向Yからみて、複数の第1パワー半導体素子40Aと重なるように形成されている。横方向Xにおける第1制御側配線部21aのうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部は、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの最も第1基板11の第3基板側面11c側の第1パワー半導体素子40Abにおける横方向Xの第1基板11の第4基板側面11d側の端部と重なるように形成されている。
【0195】
第1制御側配線部21aには、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aのそれぞれに接続された第1制御側接続部材32Aが接続されている。複数の第1制御側接続部材32Aは、複数の第1パワー半導体素子40Aの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの最も第1基板11の第3基板側面11c側に配置された第1パワー半導体素子40Ab以外の4個の第1パワー半導体素子40Aに接続された第1制御側接続部材32Aはそれぞれ、平面視において縦方向Yに沿って延びている。第1パワー半導体素子40Abのゲート電極43が第1制御側配線部21aよりも第1基板11の第3基板側面11c側に配置されているため、第1パワー半導体素子40Abに接続された第1制御側接続部材32Aは、第1基板11の第1基板側面11aに向かうにつれて第4基板側面11d側に向けて斜めに延びている。
【0196】
第1制御側迂回部21bは、縦方向Yからみて、第1パワー半導体素子40Ab以外の第1パワー半導体素子40Aと重なるように形成されている。すなわち、横方向Xにおける第1制御側迂回部21bのうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部は、第1パワー半導体素子40Abよりも第1基板11の第4基板側面11d側に位置している。図26図28からわかるとおり、第1制御側迂回部21bには、第1制御側接続部材32Aが接続されていない。
【0197】
第1制御側連結部21cは、横方向Xにおける第1制御側配線部21aのうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部と、横方向Xにおける第1制御側迂回部21bのうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部とを接続している。これにより、第1制御側配線部21aと第1制御側迂回部21bとが電気的に接続されている。第1制御側連結部21cは、第1パワー半導体素子40Abに接続された第1制御側接続部材32Aよりも第1基板11の第3基板側面11c側に配置されている。第1制御側連結部21cは、第1基板11の第1基板側面11a側に向かうにつれて第4基板側面11d側に向けて斜めに延びている。
【0198】
第1駆動層23は、横方向Xに沿って延びている。第1駆動層23は、縦方向Yにおいて第1搭載層13Aと隣り合うように配置されている。縦方向Yにおいて、第1駆動層23は、第1制御側配線部21aと第1搭載層13Aとの間に配置されている。第1駆動層23の横方向Xの長さは、第1制御側配線部21aの横方向Xの長さ及び第1制御側迂回部21bの横方向Xの長さよりも長い。横方向Xにおける第1駆動層23のうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部は、縦方向Yにおいて、横方向Xにおける第1制御側配線部21aのうちの第4基板側面11d側の端部及び第1制御側迂回部21bのうちの第4基板側面11d側の端部と揃っている。縦方向Yからみて、第1駆動層23は、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aと重なっている。また、縦方向Yからみて、第1駆動層23は、サーミスタ搭載層16と重なっている。
【0199】
第1駆動層23には、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aのそれぞれに接続された第1駆動側接続部材33Aが接続されている。複数の第1駆動側接続部材33Aは、複数の第1パワー半導体素子40Aの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの最も第1基板11の第3基板側面11c側に配置された第1パワー半導体素子40Ab以外の4個の第1パワー半導体素子40Aに接続された第1駆動側接続部材33Aはそれぞれ、平面視において縦方向Yに沿って延びている。第1パワー半導体素子40Abに接続された第1駆動側接続部材33Aは、第1基板11の第1基板側面11aに向かうにつれて第4基板側面11d側に向けて斜めに延びている。
【0200】
サーミスタ搭載層16は、第1実施形態のサーミスタ搭載層16と比較して、第1基板11に対する配置向きが異なる。サーミスタ搭載層16は、第1実施形態のサーミスタ搭載層16に対して時計回り方向に90°回転させた状態となるように配置されている。横方向Xからみて、サーミスタ搭載層16は、第1制御層21と重なっている。縦方向Yにおいて、サーミスタ搭載層16は、第1駆動層23よりも第1基板11の第1基板側面11a側に配置されている。
【0201】
図27及び図29に示すように、第1駆動層24は、第1駆動側配線部24a、第1駆動側迂回部24b、第1駆動側連結部24c、及び第1駆動側接続部24dを有する。本実施形態では、第1駆動側配線部24a、第1駆動側迂回部24b、及び第1駆動側連結部24cは個別に形成されており、第1駆動側迂回部24b及び第1駆動側接続部24dは一体に形成されている。第1駆動側配線部24a、第1駆動側迂回部24b、及び第1駆動側接続部24dはそれぞれ、例えば銅箔からなる。第1駆動側連結部24cは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤからなる。第1駆動側連結部24cは、例えばAu、Au合金、Al、Al合金、Cu、又はCu合金からなる。
【0202】
第1駆動側配線部24a及び第1駆動側迂回部24bはそれぞれ、横方向Xに延びている。第1駆動側迂回部24bは、縦方向Yにおいて第1駆動側配線部24aに対して第1駆動層24側とは反対側に配置されている。横方向Xにおける第1駆動側配線部24aのうちの第2基板12の第4基板側面12d側の端部と、横方向Xにおける第1駆動側迂回部24bのうちの第2基板12の第4基板側面12d側の端部とは、横方向Xにおいて揃っている。これら端部は、縦方向Yからみて、第1搭載層13Bの層間接続部13fと隣り合っている。第1駆動側迂回部24bの横方向Xの長さは、第1駆動側配線部24aの横方向Xの長さよりも僅かに長い。
【0203】
第1駆動側配線部24aは、縦方向Yからみて、複数の第1パワー半導体素子40Aと重なるように形成されている。横方向Xにおける第1駆動側配線部24aのうちの第2基板12の第4基板側面12d側の端部は、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの最も第2基板12の第4基板側面12d側の第1パワー半導体素子40Adにおける横方向Xの第2基板12の第3基板側面12c側の端部と重なるように形成されている。
【0204】
第1駆動側配線部24aには、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aのそれぞれに接続された第1駆動側接続部材33Aが接続されている。複数の第1駆動側接続部材33Aは、複数の第1パワー半導体素子40Aの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Ad以外の4個の第1パワー半導体素子40Aに接続された第1駆動側接続部材33Aはそれぞれ、平面視において縦方向Yに沿って延びている。第1パワー半導体素子40Adのゲート電極43が第1駆動側配線部24aよりも第2基板12の第4基板側面12d側に配置されているため、第1パワー半導体素子40Adに接続された第1駆動側接続部材33Aは、第2基板12の第1基板側面12aに向かうにつれて第3基板側面12c側に向けて斜めに延びている。
【0205】
第1駆動側迂回部24bは、縦方向Yからみて、第1パワー半導体素子40Aと重なるように形成されている。図26図27、及び図29からわかるとおり、第1駆動側迂回部24bには、第1駆動側接続部材33Aが接続されていない。
【0206】
第1駆動側連結部24cは、横方向Xにおける第1駆動側配線部24aのうちの第2基板12の第4基板側面12d側の部分と、横方向Xにおける第1駆動側迂回部24bのうちの第2基板12の第4基板側面12d側の部分とを連結している。平面視において、第1駆動側連結部24cは、縦方向Yに沿って延びている。第1駆動側連結部24cは、第1制御層22を跨ぐように形成されている。
【0207】
第1駆動側接続部24dは、横方向Xにおける第1駆動側迂回部24bのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部に形成されている。第1駆動側接続部24dは、横方向Xにおいて、第1駆動側配線部24aよりも第2基板12の第3基板側面12c側に位置している。第1駆動側接続部24dは、縦方向Yに延びている。縦方向Yにおいて、第1駆動側接続部24dは、第1搭載層13Bの層間接続部13fと隣り合うように配置されている。第1駆動側接続部24dの幅寸法(第1駆動側接続部24dの横方向Xの寸法)は、第1駆動側迂回部24bの幅寸法(第1駆動側迂回部24bの縦方向Yの寸法)よりも大きい。第1駆動側接続部24dは、縦方向Yにおける第1駆動側接続部24dのうちの第1搭載層13B側の端縁が縦方向Yにおける第1駆動側配線部24aのうちの第1搭載層13B側の端縁と縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて第1駆動側配線部24aから離間して配置されている。
【0208】
第1制御層22は、縦方向Yにおいて第1駆動層24における第1駆動側配線部24aと第1駆動側迂回部24bとの間に配置されている。第1制御層22は、横方向Xに沿って延びている。平面視における第1制御層22の形状は、細帯状である。本実施形態では、第1制御層22の幅寸法(第1制御層22の縦方向Yの寸法)は、第1駆動層24における第1駆動側配線部24aの幅寸法(第1駆動側配線部24aの縦方向Yの寸法)と等しい。また、第1制御層22の幅寸法は、第1駆動層24における第1駆動側迂回部24bの幅寸法(第1駆動側迂回部24bの縦方向Yの寸法)と等しい。
【0209】
ここで、第1制御層22の縦方向Yの寸法と第1駆動層24における第1駆動側配線部24aの縦方向Yの寸法との差が例えば第1駆動層24における第1駆動側配線部24aの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第1制御層22の幅寸法が第1駆動層24における第1駆動側配線部24aの幅寸法と等しいといえる。また、第1制御層22の縦方向Yの寸法と第1駆動層24における第1駆動側迂回部24bの縦方向Yの寸法との差が例えば第1駆動層24における第1駆動側迂回部24bの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第1制御層22の幅寸法が第1駆動層24における第1駆動側迂回部24bの幅寸法と等しいといえる。
【0210】
第1制御層22の横方向Xの長さは、第1駆動層24における第1駆動側配線部24aの横方向Xの長さと等しい。縦方向Yからみて、横方向Xにおける第1制御層22のうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部は、第1駆動層24の第1駆動側配線部24aの端部24eと揃っている。また、横方向Xにおける第1制御層22のうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部は、横方向Xにおいて第1搭載層13Bの層間接続部13fと隣り合っている。横方向Xからみて、第1制御層22は、第1駆動層24の第1駆動側接続部24dと重なっている。
【0211】
第1制御層22には、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aのそれぞれに接続された第1制御側接続部材32Aが接続されている。複数の第1制御側接続部材32Aは、複数の第1パワー半導体素子40Aの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの最も第2基板12の第4基板側面12d寄りに配置された第1パワー半導体素子40Ad以外の4個の第1パワー半導体素子40Aに接続された第1制御側接続部材32Aはそれぞれ、平面視において縦方向Yに沿って延びている。第1パワー半導体素子40Adのゲート電極43が第1制御層22よりも第2基板12の第4基板側面12d側に配置されているため、第1パワー半導体素子40Adに接続された第1制御側接続部材32Aは、第2基板12の第1基板側面12aに向かうにつれて第3基板側面12c側に向けて斜めに延びている。
【0212】
図26図29に示すように、横方向Xにおける第1制御側迂回部21bのうちの第1基板11の第4基板側面11d側の部分には、第1制御端子側接続部材35Aが接続されている。縦方向Yからみて、第1制御端子側接続部材35Aは、第1パワー半導体素子40Aaと重なるように形成されている。
【0213】
横方向Xにおける第1制御側迂回部21bのうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部には、第1制御層接続部材93Aが接続されている。第1制御層接続部材93Aは、第1パワー半導体素子40Aaよりも第1基板11の第4基板側面11d側に位置している。また、第1制御層接続部材93Aは、横方向Xにおける第1制御層22のうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部に接続されている。縦方向Yにおいて第1制御側迂回部21bが第1制御層22よりもケース80の側壁81A側に位置しているため、平面視において、第1制御層接続部材93Aは、第1制御層22から第1制御層21に向かうにつれて側壁81A側に向けて斜めに延びている。図26からわかるとおり、第1制御層接続部材93Aは、第1駆動層24の第1駆動側接続部24dを横方向Xに跨ぐように形成されている。
【0214】
第1駆動側迂回部24bには、第1検出端子側接続部材36Aが接続されている。より詳細には、第1検出端子側接続部材36Aは、横方向Xにおける第1駆動側迂回部24bのうちの第1駆動側接続部24d側の端部に接続されている。
【0215】
横方向Xにおける第1駆動層23のうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部には、第1駆動層接続部材94Aが接続されている。第1駆動層接続部材94Aは、縦方向Yにおける第1駆動側接続部24dのうちの第1搭載層13B側の端部に接続されている。平面視において、第1駆動層接続部材94Aは、横方向Xに沿って延びている。
【0216】
図30及び図31に示すように、第2駆動層27は、第2駆動側配線部27a、第2駆動側迂回部27b、第2駆動側連結部27c、及び第2駆動側接続部27dを有する。本実施形態では、第2駆動側配線部27a、第2駆動側迂回部27b、及び第2駆動側連結部27cが個別に形成されており、第2駆動側迂回部27b及び第2駆動側接続部27dが一体に形成されている。第2駆動側配線部27a、第2駆動側迂回部27b、及び第2駆動側接続部27dはそれぞれ、例えば銅箔からなる。第2駆動側連結部27cは、ワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。平面視における第2駆動側配線部27a及び第2駆動側迂回部27bのそれぞれの形状は、細帯状である。
【0217】
第2駆動側配線部27aは、横方向Xに沿って延びている。縦方向Yにおいて、第2駆動側配線部27aは、導電層15Aと隣り合うように配置されている。横方向Xにおける第2駆動側配線部27aのうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部27eは、横方向Xにおいて、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの最も第4基板側面11d側の第2パワー半導体素子40Baよりも第1基板11の第4基板側面11d側に位置している。横方向Xにおける第2駆動側配線部27aのうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部27fは、横方向Xにおいて、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの最も第3基板側面11c側の第2パワー半導体素子40Bbよりも第1基板11の第3基板側面11c側に位置している。すなわち、縦方向Yからみて、第2駆動側配線部27aは、第1基板11に配置された全ての第2パワー半導体素子40Bと重なるように横方向Xに延びている。
【0218】
第2駆動側配線部27aには、複数の第2パワー半導体素子40Bのそれぞれに接続された第2駆動側接続部材33Bが接続されている。複数の第2駆動側接続部材33Bは、複数の第2パワー半導体素子40Bの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第2パワー半導体素子40Bに接続された第2駆動側接続部材33Bはそれぞれ、平面視において縦方向Yに沿って延びている。
【0219】
第2駆動側迂回部27bは、縦方向Yにおいて第2駆動側配線部27aと離間して配置されている。第2駆動側迂回部27bは、縦方向Yにおいて、第2駆動側配線部27aに対して導電層15A側とは反対側に配置されている。第2駆動側迂回部27bは、縦方向Yにおいて、第2制御層25よりも第1基板11の第2基板側面11b側に配置されている。縦方向Yにおいて、第2駆動側迂回部27bは、第1基板11の第2基板側面11bと隣り合うように配置されている。第2駆動側迂回部27bは、横方向Xに沿って延びている。第2駆動側迂回部27bの横方向Xの長さは、第2駆動側配線部27aの横方向Xの長さよりも僅かに長い。図31から分かるとおり、第2駆動側迂回部27bには、第2駆動側接続部材33Bが接続されていない。
【0220】
第2駆動側連結部27cは、第2駆動側配線部27aと第2駆動側迂回部27bとを連結している。より詳細には、第2駆動側連結部27cは、横方向Xにおける第2駆動側配線部27aのうちの第1基板11の第3基板側面11c側の端部と、横方向Xにおける第2駆動側迂回部27bのうちの第3基板側面11c側の端部とを連結している。第2駆動側連結部27cは、縦方向Yに延びている。縦方向Yからみて、第2駆動側連結部27cは、第2パワー半導体素子40Bのうちの最も第3基板側面11c側の第2パワー半導体素子40Bbのうちの横方向Xにおける第1基板11の第3基板側面11c側の端部と重なるように配置されている。横方向Xにおいて、第2駆動側連結部27cは、第2パワー半導体素子40Bbに接続されている第2制御側接続部材32B及び第2駆動側接続部材33Bよりも第1基板11の第3基板側面11c側に配置されている。
【0221】
第2駆動側接続部27dは、第2駆動側迂回部27bの先端部に形成されている。第2駆動側接続部27dは、横方向Xにおいて、第2駆動側配線部27aよりも第1基板11の第4基板側面11d側に位置している。第2駆動側接続部27dは、縦方向Yに延びている。第2駆動側接続部27dの幅寸法(第2駆動側接続部27dの横方向Xの寸法)は、第2駆動側迂回部27bの幅寸法(第2駆動側迂回部27bの縦方向Yの寸法)よりも大きい。第2駆動側接続部27dは、縦方向Yにおける第2駆動側接続部27dのうちの導電層15A側の端縁が縦方向Yにおける第2駆動側配線部27aのうちの導電層15A側の端縁と縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて第2駆動側配線部27aから離間して配置されている。
【0222】
第2制御層25は、横方向Xに沿って延びている。平面視における第2制御層25の形状は、細帯状である。縦方向Yにおいて、第2制御層25は、第2駆動側配線部27aと第2駆動側迂回部27bとの間に配置されている。本実施形態では、第2制御層25の幅寸法(第2制御層25の縦方向Yの寸法)は、第2駆動層27における第2駆動側配線部27aの幅寸法(第2駆動側配線部27aの縦方向Yの寸法)と等しい。また、第2制御層25の幅寸法は、第2駆動層27における第2駆動側迂回部27bの幅寸法(第2駆動側迂回部27bの縦方向Yの寸法)と等しい。
【0223】
ここで、第2制御層25の縦方向Yの寸法と第2駆動層27における第2駆動側配線部27aの縦方向Yの寸法との差が例えば第2駆動層27における第2駆動側配線部27aの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第2制御層25の幅寸法が第2駆動層27における第2駆動側配線部27aの幅寸法と等しいといえる。また、第2制御層25の縦方向Yの寸法と第2駆動層27における第2駆動側迂回部27bの縦方向Yの寸法との差が例えば第2駆動層27における第2駆動側迂回部27bの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第2制御層25の幅寸法が第2駆動層27における第2駆動側迂回部27bの幅寸法と等しいといえる。
【0224】
第2制御層25の横方向Xの長さは、第2駆動層27における第2駆動側配線部27aの横方向Xの長さと等しい。縦方向Yにおいて、第2制御層25の横方向Xの両端部は、第2駆動層27の第2駆動側配線部27aの横方向Xの両端部と揃っている。
【0225】
第2制御層25には、複数の第2パワー半導体素子40Bのそれぞれに接続された第2制御側接続部材32Bが接続されている。複数の第2制御側接続部材32Bは、複数の第2パワー半導体素子40Bの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第2パワー半導体素子40Bに接続された第2制御側接続部材32Bは、平面視において縦方向Yに沿って延びている。横方向Xにおける第1駆動層23のうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部には、第1駆動層接続部材94Aが接続されている。
【0226】
図30及び図32に示すように、第2制御層26は、第2制御側配線部26a、第2制御側迂回部26b、及び第2制御側連結部26cを有する。本実施形態では、第2制御側配線部26a、第2制御側迂回部26b、及び第2制御側連結部26cが個別に形成されている。第2制御側配線部26a、第2制御側迂回部26b、及び第2制御側接続部26dはそれぞれ、例えば銅箔からなる。第2制御側連結部26cは、ワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。平面視における第2制御側配線部26a及び第2制御側迂回部26bのそれぞれの形状は、細帯状である。
【0227】
第2制御側配線部26aは、横方向Xに沿って延びている。横方向Xにおける第2制御側配線部26aのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部26eは、横方向Xにおいて、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの最も第3基板側面12c側の第2パワー半導体素子40Bcよりも第2基板12の第3基板側面12c側に位置している。横方向Xにおける第2制御側配線部26aのうちの第2基板12の第4基板側面12d側の端部26fは、横方向Xにおいて、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの最も第4基板側面12d側の第2パワー半導体素子40Bdよりも第2基板12の第4基板側面12d側に位置している。
【0228】
第2制御側配線部26aには、複数の第2パワー半導体素子40Bのそれぞれに接続された第2制御側接続部材32Bが接続されている。複数の第2制御側接続部材32Bは、複数の第2パワー半導体素子40Bの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第2パワー半導体素子40Bに接続された第2制御側接続部材32Bは、平面視において縦方向Yに沿って延びている。
【0229】
第2制御側迂回部26bは、縦方向Yにおいて第2制御側配線部26aと離間して配置されている。第2制御側迂回部26bは、縦方向Yにおいて、第2制御側配線部26aに対して第2駆動層28側とは反対側に配置されている。第2制御側迂回部26bは、縦方向Yにおいて第2基板12の第2基板側面12bと隣り合うように配置されている。第2制御側迂回部26bは、横方向Xに沿って延びている。第2制御側迂回部26bの横方向Xの長さは、第2制御側配線部26aの横方向Xの長さと等しい。第2制御側迂回部26bの横方向Xの両端部は、第2制御側配線部26aの横方向Xの両端部と揃っている。図32から分かるとおり、第2制御側迂回部26bには、第2制御側接続部材32Bが接続されていない。
【0230】
第2制御側連結部26cは、第2制御側配線部26aと第2制御側迂回部26bとを連結している。より詳細には、第2制御側連結部26cは、横方向Xにおける第2制御側配線部26aのうちの第2基板12の第4基板側面12d側の端部と、横方向Xにおける第2制御側迂回部26bのうちの第4基板側面12d側の端部とを連結している。第2制御側連結部26cは、縦方向Yに延びている。縦方向Yからみて、第2制御側連結部26cは、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの横方向Xにおける最も第2基板12の第4基板側面12d側の第2パワー半導体素子40Bdと重なるように配置されている。横方向Xにおいて、第2制御側連結部26cは、第2パワー半導体素子40Bdに接続された第2制御側接続部材32B及び第2駆動側接続部材33Bよりも第2基板12の第4基板側面12d側に位置している。
【0231】
第2駆動層28は、横方向Xに沿って延びている。平面視における第2駆動層28の形状は、細帯状である。縦方向Yにおいて、第2駆動層28は、導電層15Bと隣り合うように配置されている。本実施形態では、第2駆動層28の幅寸法(第2駆動層28の縦方向Yの寸法)は、第2制御層26における第2制御側配線部26aの幅寸法(第2制御側配線部26aの縦方向Yの寸法)と等しい。また、第2駆動層28の幅寸法は、第2制御層26における第2制御側迂回部26bの幅寸法(第2制御側迂回部26bの縦方向Yの寸法)と等しい。
【0232】
ここで、第2駆動層28の縦方向Yの寸法と第2制御層26における第2制御側配線部26aの縦方向Yの寸法との差が例えば第2制御層26における第2制御側配線部26aの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第2駆動層28の幅寸法が第2制御層26における第2制御側配線部26aの幅寸法と等しいといえる。また、第2駆動層28の縦方向Yの寸法と第2制御層26における第2制御側迂回部26bの縦方向Yの寸法との差が例えば第2制御層26における第2制御側迂回部26bの縦方向Yの寸法の5%以内であれば、第2駆動層28の幅寸法が第2制御層26における第2制御側迂回部26bの幅寸法と等しいといえる。
【0233】
第2駆動層28の横方向Xの長さは、第2制御層26における第2制御側配線部26aの横方向Xの長さと等しい。横方向Xにおける第2駆動層28の両端部は、横方向Xにおける第2制御層26の第2制御側配線部26aの両端部と揃っている。また、第2駆動層28の横方向Xの長さは、第2制御層26における第2制御側迂回部26bの横方向Xの長さと等しい。横方向Xにおける第2駆動層28の両端部は、横方向Xにおける第2制御層26の第2制御側迂回部26bの両端部と揃っている。
【0234】
第2駆動層28には、第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bのそれぞれに接続された第2駆動側接続部材33Bが接続されている。複数の第2駆動側接続部材33Bは、複数の第2パワー半導体素子40Bの配列方向と同一方向である横方向Xに互いに離間して配列されている。複数の第2パワー半導体素子40Bに接続された第2駆動側接続部材33Bは、平面視において縦方向Yに沿って延びている。
【0235】
図30図32に示すように、第2駆動側迂回部27bには、第2検出端子側接続部材36Bが接続されている。より詳細には、第2検出端子側接続部材36Bは、横方向Xにおける第2駆動側迂回部27bのうちの第2駆動側接続部27d側の端部に接続されている。
【0236】
第2駆動側接続部27dには、第2駆動層接続部材94Bが接続されている。より詳細には、第2駆動層接続部材94Bは、縦方向Yにおける第2駆動側接続部27dのうちの導電層15A側の端部に接続されている。また、第2駆動層接続部材94Bは、横方向Xにおける第2駆動層28のうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部に接続されている。平面視において、第2駆動層接続部材94Bは、横方向Xに沿って延びている。
【0237】
第2制御側迂回部26bには、第2制御端子側接続部材35B及び第2制御層接続部材93Bがそれぞれ接続されている。第2制御端子側接続部材35Bは、横方向Xにおける第2制御側迂回部26bのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の部分に接続されている。第2制御層接続部材93Bは、横方向Xにおける第2制御側迂回部26bのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部26eに接続されている。また、第2制御層接続部材93Bは、横方向Xにおける第2制御層25のうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部25xに接続されている。縦方向Yにおいて、第2制御側迂回部26bの端部26eが第2制御層25の端部25xよりも第2基板12の第2基板側面12b側に位置しているため、平面視において、第2制御層接続部材93Bは、第2制御層25の端部25xから第2制御側迂回部26bの端部26eに向かうにつれて第2基板12の第2基板側面12b側に向けて斜めに延びている。図32から分かるとおり、第2制御層接続部材93Bは、第2駆動層27の第2駆動側接続部27dを跨ぐように形成されている。
【0238】
(導電経路)
次に、各パワー半導体素子40A,40Bと各制御端子53A,53Bとの間の第1導電経路である制御側導電経路と、各パワー半導体素子40A,40Bと各検出端子54A,54Bとの間の第2導電経路である駆動側導電経路とについて説明する。
【0239】
図27に示すように、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43から第1制御端子53Aまでの第1制御側導電経路は、第1制御側接続部材32A、第1制御層21、及び第1制御端子側接続部材35Aによって構成されている。このため、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1制御側導電経路は、第1パワー半導体素子40Abから第1パワー半導体素子40Aaに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aの配列方向の両端である第1端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Aa及び第2端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Abのそれぞれに関する第1制御側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第1パワー半導体素子40Aaの第1制御側導電経路である第1端制御側導電経路の長さが最も長く、第1パワー半導体素子40Abの第1制御側導電経路である第2端制御側導電経路の長さが最も短い。
【0240】
第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42から第1検出端子54Aまでの第1駆動側導電経路は、第1駆動側接続部材33A、第1駆動層23、第1駆動層接続部材94A、第1駆動層24の第1駆動側接続部24d、及び第1検出端子側接続部材36Aによって構成されている。このため、第1基板11の複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1駆動側導電経路は、第1パワー半導体素子40Aaから第1パワー半導体素子40Abに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aの配列方向の両端である第1端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Aa及び第2端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Abのそれぞれに関する第1駆動側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第1パワー半導体素子40Aaの第1駆動側導電経路である第1端駆動側導電経路の長さが最も短く、第1パワー半導体素子40Abの第1駆動側導電経路である第2端駆動側導電経路の長さが最も長い。
【0241】
第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aのゲート電極43から第1制御端子53Aまでの第1制御側導電経路は、第1制御側接続部材32A、第1制御層22、第1制御層接続部材93A、第1制御層21、及び第1制御端子側接続部材35Aによって構成されている。このため、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1制御側導電経路は、第1パワー半導体素子40Acから第1パワー半導体素子40Adに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aの配列方向の両端である第1端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Ac及び第2端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Adのそれぞれに関する第1制御側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第1パワー半導体素子40Acの第1制御側導電経路である第1端制御側導電経路の長さが最も短く、第1パワー半導体素子40Adの第1制御側導電経路である第2端制御側導電経路の長さが最も長い。
【0242】
第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aのソース電極42から第1検出端子54Aまでの第1駆動側導電経路は、第1駆動側接続部材33A、第1駆動層24、及び第1検出端子側接続部材36Aによって構成されている。このため、第2基板12の複数の第1パワー半導体素子40Aに関する第1駆動側導電経路は、第1パワー半導体素子40Adから第1パワー半導体素子40Acに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第1パワー半導体素子40Aのうちの第1パワー半導体素子40Aの配列方向の両端である第1端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Ac及び第2端パワー半導体素子としての第1パワー半導体素子40Adのそれぞれに関する第1駆動側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第1パワー半導体素子40Acの第1駆動側導電経路である第1端駆動側導電経路の長さが最も長く、第1パワー半導体素子40Adの第1駆動側導電経路である第2端駆動側導電経路の長さが最も短い。
【0243】
このように、本実施形態では、第1制御側導電経路の長さと第1駆動側導電経路の長さの合計の長さの複数の第1パワー半導体素子40Aの間でのばらつきを低減するように、第1制御側迂回部21b及び第1駆動側迂回部24bがそれぞれ形成されている。すなわち、本実施形態のパワーモジュール1Bは、第1制御側迂回部21b及び第1駆動側迂回部24bによって、第1導電経路の一例である第1制御側導電経路の長さと、第2導電経路の一例である第1駆動側導電経路の長さとの和が複数の第1パワー半導体素子40Aの間で互いに近づくように構成されている。
【0244】
また、本実施形態では、第1端制御側導電経路の長さと第1端駆動側導電経路の長さとの合計の長さと、第2端制御側導電経路の長さと第2端駆動側導電経路の長さとの合計の長さとのばらつきを低減するように、第1制御側迂回部21b及び第1駆動側迂回部24bがそれぞれ形成されている。
【0245】
なお、第1端制御側導電経路の長さと第1端駆動側導電経路の長さとの合計の長さは、特許請求の範囲に記載の第1和の一例である。また、第2端制御側導電経路の長さと第2端駆動側導電経路の長さとの合計の長さは、特許請求の範囲に記載の第2和の一例である。このため、本実施形態のパワーモジュール1Bは、第1制御側迂回部21b及び第1駆動側迂回部24bによって、第1和と第2和とが近づくように構成されている。
【0246】
図30に示すように、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bのゲート電極43から第2制御端子53Bまでの第2制御側導電経路は、第2制御側接続部材32B、第2制御層25、第2制御層接続部材93B、第2制御層26の第2制御側接続部26d、及び第2制御端子側接続部材35Bによって構成されている。このため、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bに関する第3導電経路の一例である第2制御側導電経路は、第2パワー半導体素子40Baから第2パワー半導体素子40Bbに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bの配列方向の両端である第1端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Ba及び第2端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bbのそれぞれに関する第2制御側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第2パワー半導体素子40Baの第2制御側導電経路である第3端制御側導電経路の長さが最も短く、第2パワー半導体素子40Bbの第2制御側導電経路である第4端制御側導電経路の長さが最も長い。
【0247】
第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bのソース電極42から第2検出端子54Bまでの第2駆動側導電経路は、第2駆動側接続部材33B、第2駆動層27、及び第2検出端子側接続部材36Bによって構成されている。このため、第1基板11の複数の第2パワー半導体素子40Bに関する第4導電経路の一例である第2駆動側導電経路は、第2パワー半導体素子40Bbから第2パワー半導体素子40Baに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bの配列方向の両端である第1端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Ba及び第2端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bbのそれぞれに関する第2駆動側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第2パワー半導体素子40Baの第2駆動側導電経路である第3端駆動側導電経路の長さが最も長く、第2パワー半導体素子40Bbの第2駆動側導電経路である第4端駆動側導電経路の長さが最も短い。
【0248】
第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bのゲート電極43から第2制御端子53Bまでの第2制御側導電経路は、第2制御側接続部材32B、第2制御層26、及び第2制御端子側接続部材35Bによって構成されている。このため、第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bに関する第3導電経路の一例である第2制御側導電経路は、第2パワー半導体素子40Bdから第2パワー半導体素子40Bcに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bの配列方向の両端である第1端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bc及び第2端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bdのそれぞれに関する第2制御側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第2パワー半導体素子40Bcの第2制御側導電経路である第3端制御側導電経路の長さが最も長く、第2パワー半導体素子40Bdの第2制御側導電経路である第4端制御側導電経路の長さが最も短い。
【0249】
第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bのソース電極42から第2検出端子54Bまでの第2駆動側導電経路は、第2駆動側接続部材33B,第2駆動層28、第2駆動層接続部材94B、第2駆動層27の第2駆動側接続部27d、及び第2検出端子側接続部材36Bによって構成されている。このため、第2基板12の複数の第2パワー半導体素子40Bに関する第4導電経路の一例である第2駆動側導電経路は、第2パワー半導体素子40Bcから第2パワー半導体素子40Bdに向かうにつれて順に長くなる。換言すると、複数の第2パワー半導体素子40Bのうちの第2パワー半導体素子40Bの配列方向の両端である第1端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bc及び第2端パワー半導体素子としての第2パワー半導体素子40Bdのそれぞれに関する第2駆動側導電経路の長さの差が最も大きくなる。この場合、第2パワー半導体素子40Bcの第2駆動側導電経路である第3端駆動側導電経路の長さが最も短く、第2パワー半導体素子40Bdの第2駆動側導電経路である第4端駆動側導電経路の長さが最も長い。
【0250】
このように、本実施形態では、第2制御側導電経路の長さと第2駆動側導電経路の長さの合計の長さの複数の第2パワー半導体素子40Bの間でのばらつきを低減するように、第2制御側迂回部26b及び第2駆動側迂回部27bがそれぞれ形成されている。すなわち、本実施形態のパワーモジュール1Bは、第2制御側迂回部26b及び第2駆動側迂回部27bによって、第3導電経路の一例である第2制御側導電経路の長さと、第4導電経路の一例である第2駆動側導電経路の長さとの和が複数の第2パワー半導体素子40Bの間で互いに近づくように構成されている。
【0251】
また、本実施形態では、第3端制御側導電経路の長さと第3端駆動側導電経路の長さとの合計の長さと、第4端制御側導電経路の長さと第4端駆動側導電経路の長さとの合計の長さとのばらつきを低減するように、第1制御側迂回部21b及び第1駆動側迂回部24bがそれぞれ形成されている。
【0252】
なお、第3端制御側導電経路の長さと第3端駆動側導電経路の長さとの合計の長さは、特許請求の範囲に記載の第3和の一例である。また、第4端制御側導電経路の長さと第4端駆動側導電経路の長さとの合計の長さは、特許請求の範囲に記載の第4和の一例である。このため、本実施形態のパワーモジュール1Bは、第2制御側迂回部26b及び第2駆動側迂回部27bによって、第3和と第4和とが近づくように構成されている。
【0253】
(効果)
本実施形態のパワーモジュール1Bによれば、第1実施形態のパワーモジュール1Aの効果と同様の効果に加え、以下の効果が得られる。
【0254】
(2-1)第1制御層21の第1制御側連結部21cはワイヤからなる。また第1駆動層24の第1駆動側連結部24cはワイヤからなる。この構成によれば、基板10に設けられた他の配線を跨ぐことができるため、第1制御側連結部21c及び第1駆動側連結部24cの配置の自由度が高くなる。したがって、第1制御層21及び第1駆動層24のそれぞれのレイアウトを設計し易くなる。
【0255】
[パワーモジュールの適用例]
パワーモジュール1A,1Bを用いて構成される回路構成例について説明する。なお、図33及び図34では、便宜上、ボディダイオード44を省略して示している。
【0256】
上記回路構成の第1例として、図33は、パワーモジュール1A,1Bを用いて構成される3相交流インバータ200を示している。3相交流インバータ200では、U相インバータを構成するパワーモジュール1A、V相インバータを構成するパワーモジュール1A、及びW相インバータを構成するパワーモジュール1Aが互いに並列に接続されている。3相交流インバータ200は、パワー半導体素子40としてSiCMOSFETを適用し、電源端子PLと接地端子NLとの間にスナバコンデンサCを接続した構成である。なお、パワー半導体素子40としてIGBTを適用し、電源端子PLと接地端子NLとの間にスナバコンデンサCを接続した3相交流インバータ(図示略)を実現することもできる。この場合、3相交流インバータ200は、IGBTに逆並列に接続されるダイオードをさらに備える。
【0257】
図33に示すように、パワーモジュール1A,1Bを電源Eに接続し、スイッチング動作を行うと、SiCMOSFETのスイッチング速度が速いため、接続ラインの有するインダクタンスLによって大きなサージ電圧Ldi/dtを生じる。例えば、電流変化di=300Aとし、スイッチングに伴う時間変化dt=100nsecとすると、di/dt=3×10(A/s)となる。
【0258】
インダクタンスLの値により、サージ電圧Ldi/dtの値は変化するが、電源Eに、このサージ電圧Ldi/dtが重畳される。電源端子PLと接地端子NLとの間に接続されるスナバコンデンサCによって、このサージ電圧Ldi/dtを吸収できる。
【0259】
上記回路構成の第2例として、図34は、パワーモジュール1A,1Bを用いて構成される3相交流インバータ210を示している。
3相交流インバータ210は、ゲートドライバ211に接続されたパワーモジュール部212と、電源もしくは蓄電池213と、コンバータ214とを備え、3相交流モータ部215の駆動を制御する。パワーモジュール部212は、3相交流モータ部215のU相、V相、W相に対応して、U相インバータ、V相インバータ、W相インバータが接続されている。
【0260】
ゲートドライバ211は、U相インバータを構成するパワーモジュール1Aの第1パワー半導体素子群40ATのゲート電極43及び第2パワー半導体素子群40BTのゲート電極43と、V相インバータを構成するパワーモジュール1Aの第1パワー半導体素子群40ATのゲート電極43及び第2パワー半導体素子群40BTのゲート電極43と、W相インバータを構成するパワーモジュール1Aの第1パワー半導体素子群40ATのゲート電極43及び第2パワー半導体素子群40BTのゲート電極43とにそれぞれ接続されている。またゲートドライバ211は、U相インバータを構成するパワーモジュール1Aの第1パワー半導体素子群40ATのソース電極42及び第2パワー半導体素子群40BTのソース電極42と、V相インバータを構成するパワーモジュール1Aの第1パワー半導体素子群40ATのソース電極42及び第2パワー半導体素子群40BTのソース電極42と、W相インバータを構成するパワーモジュール1Aの第1パワー半導体素子群40ATのソース電極42及び第2パワー半導体素子群40BTのソース電極42とにそれぞれ接続されている。
【0261】
パワーモジュール部212は、電源もしくは蓄電池(E)213が接続されたコンバータ214のプラス端子(+)Pとマイナス端子(-)Nとの間に接続されており、U相インバータを構成するパワーモジュール1Aの各パワー半導体素子群40AT,40BT、V相インバータを構成するパワーモジュール1Aの各パワー半導体素子群40AT,40BT、及びW相インバータを構成するパワーモジュール1Aの各パワー半導体素子群40AT,40BTを備える。
【0262】
各相インバータの各パワー半導体素子群40AT,40BTのソース電極42とドレイン電極41との間には、フリーホイールダイオード216がそれぞれ逆並列に接続されている。
【0263】
[変更例]
上記各実施形態は本開示に関するパワーモジュールが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に関するパワーモジュールは、上記各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、上記各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、又は上記各実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下の変更例において、上記各実施形態と共通する部分については、上記各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0264】
・上記第1実施形態において、第1制御層21及び第1駆動層23を入れ替え、第1制御層22及び第1駆動層24を入れ替えることができる。
一例では、図35に示すように、第1基板11では、縦方向Yにおいて、第1制御層21が第1搭載層13Aと隣り合うように配置されており、第1駆動層23が第1制御層21に対して第1搭載層13Aとは反対側に配置されている。
【0265】
第1制御層21は、横方向Xに延びている。第1制御層21の形状は、第1実施形態の第1駆動層23の形状と同じである。第1制御層21には、第1基板11の各第1パワー半導体素子40Aに接続された第1制御側接続部材32Aが接続されている。
【0266】
第1駆動層23の形状は、第1実施形態の第1制御層21の形状と同じである。第1駆動層23は、第1駆動側配線部23a、第1駆動側迂回部23b、第1駆動側連結部23c、及び第1駆動側接続部23dを有する。第1駆動層23は、第1駆動側配線部23a、第1駆動側迂回部23b、第1駆動側連結部23c、及び第1駆動側接続部23dが一体に形成された単一部材である。縦方向Yにおいて、第1駆動側迂回部23bは、第1駆動側配線部23aに対して第1制御層21とは反対側に配置されている。第1駆動層23の第1駆動側配線部23aには、第1基板11の各第1パワー半導体素子40Aに接続された第1駆動側接続部材33Aが接続されている。図35に示すとおり、第1駆動側迂回部23bには、第1基板11の各第1パワー半導体素子40Aに接続された第1駆動側接続部材33Aが接続されていない。第1駆動側接続部23dには、第1検出端子側接続部材36A及び第1駆動層接続部材94Aが接続されている。
【0267】
また、第2基板12では、縦方向Yにおいて、第1制御層22が第1搭載層13Bと隣り合うように配置されており、第1駆動層24が第1制御層22に対して第1搭載層13Bとは反対側に配置されている。
【0268】
第1制御層22の形状は、第1実施形態の第1駆動層24の形状と同じである。第1制御層22は、第1制御側配線部22a、第1制御側迂回部22b、第1制御側連結部22c、及び第1制御側接続部22dを有する。第1制御層22は、第1制御側配線部22a、第1制御側迂回部22b、第1制御側連結部22c、及び第1制御側接続部22dが一体に形成された単一部材である。縦方向Yにおいて、第1制御側迂回部22bは、第1駆動層24に対して第1制御側配線部22aとは反対側に配置されている。第1制御側配線部22aには、第2基板12の各第1パワー半導体素子40Aに接続された第1制御側接続部材32Aが接続されている。図35に示すとおり、第1制御側迂回部22bには、第2基板12の各第1パワー半導体素子40Aに接続された第1制御側接続部材32Aが接続されていない。第1制御側接続部22dには、第1制御端子側接続部材35A及び第1制御層接続部材93Aが接続されている。平面視において、第1制御層接続部材93Aは、横方向Xに延びている。
【0269】
第1駆動層24の形状は、第1実施形態の第1制御層22の形状と同じである。第1駆動層24は、横方向Xに延びている。縦方向Yにおいて、第1駆動層24は、第1制御側配線部22aと第1制御側迂回部22bとの間に配置されている。横方向Xにおける第1駆動層24のうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部には、第1駆動層接続部材94Aが接続されている。平面視において、第1駆動層接続部材94Aは、横方向Xに延びている。
【0270】
また、図35に示すように、第1制御端子53A及び第1検出端子54Aの横方向Xにおける配置位置を上記第1実施形態と逆配置としてもよい。これにより、平面視において、第1制御端子側接続部材35Aと第1検出端子側接続部材36Aとが交差することを回避できる。
【0271】
・上記第1実施形態において、第2制御層25及び第2駆動層27を入れ替え、第2制御層26及び第2駆動層28を入れ替えることができる。
一例では、図36に示すように、第1基板11では、縦方向Yにおいて、第2制御層25が導電層15Aと隣り合うように配置されており、第2駆動層27が第2制御層25に対して導電層15Aとは反対側に配置されている。
【0272】
第2制御層25の形状は、第1実施形態の第2駆動層27の形状と同じである。第2制御層25は、第2制御側配線部25a、第2制御側迂回部25b、第2制御側連結部25c、及び第2制御側接続部25dを有する。第2制御層25は、第2制御側配線部25a、第2制御側迂回部25b、第2制御側連結部25c、及び第2制御側接続部25dが一体に形成された単一部材である。縦方向Yにおいて、第2制御側迂回部25bは、第2駆動層27に対して第2制御側配線部25aとは反対側に配置されている。第2制御側配線部25aには、第1基板11の各第2パワー半導体素子40Bに接続された第2制御側接続部材32Bが接続されている。図36に示すとおり、第2制御側迂回部25bには、第1基板11の各第2パワー半導体素子40Bに接続された第2制御側接続部材32Bが接続されていない。第2制御側接続部25dには、第2制御端子側接続部材35B及び第2制御層接続部材93Bが接続されている。
【0273】
第2駆動層27の形状は、第1実施形態の第2制御層25の形状と同じである。第2駆動層27は、横方向Xに延びている。縦方向Yにおいて、第2駆動層27は、第2制御層25における第2制御側配線部25aと第2制御側迂回部25bとの間に配置されている。横方向Xにおける第2駆動層27のうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部には、第2駆動層接続部材94Bが接続されている。
【0274】
また、第2基板12では、縦方向Yにおいて、第2制御層26が導電層15Bと隣り合うように配置されており、第2駆動層28が第2制御層26に対して導電層15Bとは反対側に配置されている。
【0275】
第2駆動層28の形状は、第1実施形態の第2制御層26の形状と同じである。第2駆動層28は、第2駆動側配線部28a、第2駆動側迂回部28b、第2駆動側連結部28c、及び第2駆動側接続部28dを有する。第2駆動層28は、第2駆動側配線部28a、第2駆動側迂回部28b、第2駆動側連結部28c、及び第2駆動側接続部28dが一体に形成された単一部材である。縦方向Yにおいて、第2駆動側迂回部28bは、第2駆動側配線部28aに対して第2制御層26とは反対側に配置されている。第2駆動側配線部28aには、第2基板12の各第2パワー半導体素子40Bに接続された第2駆動側接続部材33Bが接続されている。図36に示すとおり、第2駆動側迂回部28bには、第2基板12の各第2パワー半導体素子40Bに接続された第2駆動側接続部材33Bが接続されていない。第2駆動側接続部28dには、第2検出端子側接続部材36B及び第2駆動層接続部材94Bが接続されている。平面視において、第2駆動層接続部材94Bは、横方向Xに延びている。
【0276】
第2制御層26の形状は、第1実施形態の第2駆動層28の形状と同じである。第2制御層26は、横方向Xに延びている。縦方向Yにおいて、第2制御層26は、第2駆動側配線部28aと第2駆動側迂回部28bとの間に配置されている。横方向Xにおける第2駆動層28のうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部には、第2制御層接続部材93Bが接続されている。平面視において、第2制御層接続部材93Bは、横方向Xに延びている。
【0277】
また、図36に示すように、第2制御端子53B及び第2検出端子54Bの横方向Xにおける配置位置を上記第1実施形態と逆配置としてもよい。これにより、平面視において、第2制御端子側接続部材35Bと第2検出端子側接続部材36Bとが交差することを回避できる。
【0278】
・上記第2実施形態において、第1制御層21及び第1駆動層23を入れ替え、第1制御層22及び第1駆動層24を入れ替えることができる。
一例では、図37に示すように、第1基板11では、縦方向Yにおいて、第1制御層21が第1搭載層13Aと隣り合うように配置されており、第1駆動層23が第1制御層21に対して第1搭載層13Aとは反対側に配置されている。
【0279】
第1制御層21は、横方向Xに延びている。第1制御層21の形状は、第2実施形態の第1駆動層23の形状と同じである。第1制御層21には、第1基板11の各第1パワー半導体素子40Aに接続された第1制御側接続部材32Aが接続されている。
【0280】
第1駆動層23の形状は、第2実施形態の第1制御層21の形状と同じである。第1駆動層23は、第1駆動側配線部23a、第1駆動側迂回部23b、及び第1駆動側連結部23cを有する。第1駆動側配線部23a、第1駆動側迂回部23b、及び第1駆動側連結部23cは、個別に形成されている。第1駆動側配線部23a及び第1駆動側迂回部23bはそれぞれ、例えば銅箔からなる。第1駆動側連結部23cは、例えばワイヤボンディングからなるワイヤである。縦方向Yにおいて、第1駆動側迂回部23bは、第1駆動側配線部23aに対して第1制御層21とは反対側に配置されている。第1駆動層23の第1駆動側配線部23aには、第1基板11の各第1パワー半導体素子40Aに接続された第1駆動側接続部材33Aが接続されている。図37に示すとおり、第1駆動側迂回部23bには、第1基板11の各第1パワー半導体素子40Aに接続された第1駆動側接続部材33Aが接続されていない。第1駆動側接続部23dには、第1検出端子側接続部材36A及び第1駆動層接続部材94Aが接続されている。
【0281】
また、第2基板12では、縦方向Yにおいて、第1制御層22が第1搭載層13Bと隣り合うように配置されており、第1駆動層24が第1制御層22に対して第1搭載層13Bとは反対側に配置されている。
【0282】
第1制御層22の形状は、第1実施形態の第1駆動層24の形状と同じである。第1制御層22は、第1制御側配線部22a、第1制御側迂回部22b、第1制御側連結部22c、及び第1制御側接続部22dを有する。第1制御側配線部22a、第1制御側迂回部22b、第1制御側連結部22c、及び第1制御側接続部22dは、個別に形成されており、第1制御側迂回部22b及び第1制御側接続部22dが一体に形成されている。第1制御側配線部22a、第1制御側迂回部22b、及び第1制御側接続部22dはそれぞれ、例えば銅箔からなる。第1制御側連結部22cは、例えばワイヤボンディングからなるワイヤである。縦方向Yにおいて、第1制御側迂回部22bは、第1駆動層24に対して第1制御側配線部22aとは反対側に配置されている。第1制御側配線部22aには、第2基板12の各第1パワー半導体素子40Aに接続された第1制御側接続部材32Aが接続されている。図37に示すとおり、第1制御側迂回部22bには、第2基板12の各第1パワー半導体素子40Aに接続された第1制御側接続部材32Aが接続されていない。第1制御側接続部22dには、第1制御端子側接続部材35A及び第1制御層接続部材93Aが接続されている。平面視において、第1制御層接続部材93Aは、横方向Xに延びている。
【0283】
第1駆動層24の形状は、第1実施形態の第1制御層22の形状と同じである。第1駆動層24は、横方向Xに延びている。縦方向Yにおいて、第1駆動層24は、第1制御側配線部22aと第1制御側迂回部22bとの間に配置されている。横方向Xにおける第1駆動層24のうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部には、第1駆動層接続部材94Aが接続されている。
【0284】
また、図37に示すように、第1制御端子53A及び第1検出端子54Aの横方向Xにおける配置位置を上記第1実施形態と逆配置としてもよい。これにより、平面視において、第1制御端子側接続部材35Aと第1検出端子側接続部材36Aとが交差することを回避できる。
【0285】
・上記第2実施形態において、第2制御層25及び第2駆動層27を入れ替え、第2制御層26及び第2駆動層28を入れ替えることができる。
一例では、図38に示すように、第1基板11では、縦方向Yにおいて、第2制御層25が導電層15Aと隣り合うように配置されており、第2駆動層27が第2制御層25に対して導電層15Aとは反対側に配置されている。
【0286】
第2制御層25の形状は、第2実施形態の第2駆動層27の形状と同じである。第2制御層25は、第2制御側配線部25a、第2制御側迂回部25b、第2制御側連結部25c、及び第2制御側接続部25dを有する。第2制御側配線部25a、第2制御側迂回部25b、及び第2制御側連結部25cは個別に形成されており、第2制御側迂回部25b及び第2制御側接続部25dは一体に形成されている。縦方向Yにおいて、第2制御側迂回部25bは、第2駆動層27に対して第2制御側配線部25aとは反対側に配置されている。第2制御側配線部25aには、第1基板11の各第2パワー半導体素子40Bに接続された第2制御側接続部材32Bが接続されている。図38に示すとおり、第2制御側迂回部25bには、第1基板11の各第2パワー半導体素子40Bに接続された第2制御側接続部材32Bが接続されていない。第2制御側接続部25dには、第2制御端子側接続部材35B及び第2制御層接続部材93Bが接続されている。
【0287】
第2駆動層27の形状は、第2実施形態の第2制御層25の形状と同じである。第2駆動層27は、横方向Xに延びている。縦方向Yにおいて、第2駆動層27は、第2制御層25における第2制御側配線部25aと第2制御側迂回部25bとの間に配置されている。横方向Xにおける第2駆動層27のうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部には、第2駆動層接続部材94Bが接続されている。
【0288】
また、第2基板12では、縦方向Yにおいて、第2制御層26が導電層15Bと隣り合うように配置されており、第2駆動層28が第2制御層26に対して導電層15Bとは反対側に配置されている。
【0289】
第2駆動層28の形状は、第2実施形態の第2制御層26の形状と同じである。第2駆動層28は、第2駆動側配線部28a、第2駆動側迂回部28b、及び第2駆動側連結部28cを有する。第2駆動側配線部28a、第2駆動側迂回部28b、及び第2駆動側連結部28cは、個別に形成されている。縦方向Yにおいて、第2駆動側迂回部28bは、第2駆動側配線部28aに対して第2制御層26とは反対側に配置されている。第2駆動側配線部28aには、第2基板12の各第2パワー半導体素子40Bに接続された第2駆動側接続部材33Bが接続されている。図38に示すとおり、第2駆動側迂回部28bには、第2基板12の各第2パワー半導体素子40Bに接続された第2駆動側接続部材33Bが接続されていない。第2駆動側接続部28dには、第2検出端子側接続部材36B及び第2駆動層接続部材94Bが接続されている。
【0290】
第2制御層26の形状は、第2実施形態の第2駆動層28の形状と同じである。第2制御層26は、横方向Xに延びている。縦方向Yにおいて、第2制御層26は、第2駆動側配線部28aと第2駆動側迂回部28bとの間に配置されている。横方向Xにおける第2駆動層28のうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部には、第2制御層接続部材93Bが接続されている。平面視において、第2制御層接続部材93Bは、横方向Xに延びている。
【0291】
また、図38に示すように、第2制御端子53B及び第2検出端子54Bの横方向Xにおける配置位置を上記第1実施形態と逆配置としてもよい。これにより、平面視において、第2制御端子側接続部材35Bと第2検出端子側接続部材36Bとが交差することを回避できる。
【0292】
・上記第2実施形態において、第1制御層21は、第1実施形態のように第1制御側接続部21dを有してもよい。第1制御側接続部21dは、横方向Xにおける第1制御側迂回部21bのうちの第1基板11の第4基板側面11d側の端部に形成される。この場合、第1制御層21の第1制御側配線部21aの横方向Xの長さを短くする。第1制御側接続部21dによって、平面視において第1制御層接続部材93Aが横方向Xに沿って延びるように形成できる。
【0293】
・上記第2実施形態において、第2制御層26は、第1実施形態のように第2制御側接続部26dを有してもよい。第2制御側接続部26dは、横方向Xにおける第2制御側迂回部26bのうちの第2基板12の第3基板側面12c側の端部に形成される。この場合、第2制御層26の第2制御側配線部26aの横方向Xの長さを短くする。第2制御側接続部26dによって、平面視において第2制御層接続部材93Bが横方向Xに沿って延びるように形成できる。
【0294】
・上記第2実施形態において、第1制御層21の第1制御側連結部21cをワイヤに代えて帯状の薄板によって形成されてもよい。帯状の薄板の材料としては、Cu又はCu合金、あるいはAl又はAl合金が用いられる。
【0295】
・上記第2実施形態において、第1駆動層24の第1駆動側連結部24cをワイヤに代えて帯状の薄板によって形成されてもよい。帯状の薄板の材料としては、Cu又はCu合金、あるいはAl又はAl合金が用いられる。
【0296】
・上記第2実施形態において、第2制御層26の第2制御側連結部26cをワイヤに代えて帯状の薄板によって形成されてもよい。帯状の薄板の材料としては、Cu又はCu合金、あるいはAl又はAl合金が用いられる。
【0297】
・上記第2実施形態において、第2駆動層27の第2駆動側連結部27cをワイヤに代えて帯状の薄板によって形成されてもよい。帯状の薄板の材料としては、Cu又はCu合金、あるいはAl又はAl合金が用いられる。
【0298】
・上記各実施形態において、第1素子接続部材31A及び第2素子接続部材31Bの少なくとも1つを1本又は複数本のワイヤで構成してもよい。
・上記各実施形態において、連結部材90A~90Cのうちの少なくとも1つを1本又は複数本のワイヤで構成してもよい。
【0299】
・上記各実施形態において、パワー半導体素子40(40A,40B)の構成は任意に変更可能である。一例では、図39に示すように、第1パワー半導体素子40Aの素子主面40sには、ソース電極42及びゲート電極43が形成されている。ソース電極42は、素子主面40sの大部分にわたり形成されている。本実施形態では、ソース電極42は、第1ソース電極42D及び第2ソース電極42Eを含む。平面視において、第1ソース電極42D及び第2ソース電極42Eは、横方向Xに離間して配置されている。平面視において、ゲート電極43は、ソース電極42に形成された凹部42x内に配置されている。図39では、第1駆動側接続部材33Aが第2ソース電極42Eに接続されている。なお、第1駆動側接続部材33Aは、第1ソース電極42Dに接続されてもよい。また、第2パワー半導体素子40Bも図39のように変更できる。
【0300】
・上記各実施形態において、第1出力端子52A及び第2出力端子52Bのいずれかを省略してもよい。
・上記各実施形態において、基板10として、第1基板11及び第2基板12が一体に形成された構成であってもよい。この場合、連結部材90A~90Cが省略される。また、第1制御層21と第1制御層22とを一体化してもよい。この場合、第1制御層接続部材93Aが省略される。また、第1駆動層23と第1駆動層24とを一体化してもよい。この場合、第1駆動層接続部材94Aが省略される。また、第2制御層25と第2制御層26とを一体化してもよい。この場合、第2制御層接続部材93Bが省略される。また、第2駆動層27と第2駆動層28とを一体化してもよい。この場合、第2駆動層接続部材94Bが省略される。
【0301】
・上記各実施形態において、基板10から第1基板11及び第2基板12のいずれかを省略してもよい。基板10から第2基板12が省略された場合、第1搭載層13B、第2搭載層14B、導電層15B、第1制御層22、第1駆動層24、第2制御層26、第2駆動層28、及び第2基板12の各パワー半導体素子40A,40Bが主に省略される。また、基板10から第1基板11が省略された場合、第1搭載層13A、第2搭載層14A、導電層15A、第1制御層21、第1駆動層23、第2制御層25、第2駆動層27、及び第1基板11の各パワー半導体素子40A,40Bが主に省略される。
【0302】
・上記各実施形態において、電源電流端子55を省略してもよい。この場合、電源電流検出側接続部材34が省略される。
・上記各実施形態において、サーミスタ17を省略してもよい。加えて、サーミスタ搭載層16、一対の温度検出端子56、及び一対のサーミスタ側接続部材37を省略してもよい。
【0303】
・上記各実施形態において、パワーモジュールは、1個の基板と、基板の基板主面に配置された搭載層、導電層、制御層、及び駆動層と、搭載層に配置された複数のパワー半導体素子と、制御端子及び検出端子と、を備える構成であってもよい。この場合、制御層及び駆動層の少なくとも一方に、複数のパワー半導体素子における制御側導電経路の長さと駆動側導電経路の長さとの合計の長さが互いに近づくように迂回部が形成される。
【0304】
(付記)
次に、上記各実施形態及び上記各変更例から把握できる技術的思想について説明する。
(付記1)
厚さ方向において互いに反対側を向く基板主面及び基板裏面を有し、電気絶縁性を有する基板と、
前記基板主面に形成された各々導電性を有する搭載層、制御層、及び駆動層と、
前記搭載層に搭載されているものであって、前記搭載層と電気的に接続された第1駆動電極が形成された素子裏面と、第2駆動電極及び制御電極が形成された素子主面と、を有するパワー半導体素子と、
前記制御電極と前記制御層とを接続する制御側接続部材と、
前記第2駆動電極と前記駆動層とを接続する駆動側接続部材と、
前記制御層と電気的に接続されている制御端子と、
前記駆動層と電気的に接続されている検出端子と、を備えたパワーモジュールであって、
前記パワー半導体素子は、前記厚さ方向からみて一方向に配列された状態で前記搭載層に設けられた複数のパワー半導体素子のうちの1つであり、
前記制御側接続部材は、各々前記複数のパワー半導体素子の1つに対応する複数の制御側接続部材のうちの1つであり、
前記駆動側接続部材は、各々前記複数のパワー半導体素子の1つに対応する複数の駆動側接続部材のうちの1つであり、
前記制御電極及び前記制御端子間の経路を第1導電経路とし、前記第2駆動電極及び前記検出端子間の経路を第2導電経路とし、
前記制御層及び前記駆動層の少なくとも一方は、前記第1導電経路の長さと前記第2導電経路の長さとの和が前記複数のパワー半導体素子の間で互いに近づくように迂回する迂回部を有する
パワーモジュール。
【0305】
(付記2)
厚さ方向において互いに反対側を向く基板主面及び基板裏面を有し、電気絶縁性を有する基板と、
前記基板主面に形成された各々導電性を有する搭載層、制御層、及び駆動層と、
前記搭載層に搭載されているものであって、前記搭載層と電気的に接続された第1駆動電極が形成された素子裏面と、第2駆動電極及び制御電極が形成された素子主面と、を有し、前記厚さ方向からみて一方向に配列された状態で前記搭載層に搭載された複数のパワー半導体素子と、
前記複数のパワー半導体素子の前記制御電極と前記制御層とを接続するものであって、前記複数のパワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の制御側接続部材と、
前記複数のパワー半導体素子の前記第2駆動電極と前記駆動層とを接続するものであって、前記複数のパワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の駆動側接続部材と、
前記制御層と電気的に接続されている制御端子と、
前記駆動層と電気的に接続されている検出端子と、を備えたパワーモジュールであって、
前記複数のパワー半導体素子は、前記配列方向の両端にある第1端パワー半導体素子及び第2端パワー半導体素子を含み、
前記第1端パワー半導体素子の前記制御電極及び前記制御端子間の経路を第1制御側導電経路とし、前記第1端パワー半導体素子の前記第2駆動電極及び前記検出端子間の経路を第1駆動側導電経路とし、前記第1制御側導電経路の長さと前記第1駆動側導電経路の長さとの和を第1和とし、
前記第2端パワー半導体素子の前記制御電極及び前記制御端子間の経路を第2制御側導電経路とし、前記第2端パワー半導体素子の前記第2駆動電極及び前記検出端子間の経路を第2駆動側導電経路とし、前記第2制御側導電経路の長さと前記第2駆動側導電経路の長さとの和を第2和とすると、
前記制御層及び前記駆動層の少なくとも一方は、前記第1和と前記第2和とが互いに近づくように導電経路を迂回させる迂回部を有する
パワーモジュール。
【0306】
(付記3)
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、
前記制御層及び前記駆動層はそれぞれ、前記第1方向に延びる配線部を有し、
前記迂回部は、前記第2方向において前記配線部と離間して配置されており、前記第1方向に延びている
付記1又は2に記載のパワーモジュール。
【0307】
(付記4)
前記制御層及び前記駆動層の少なくとも一方は、前記迂回部と前記配線部とを連結する連結部を有し、
前記配線部、前記迂回部、及び前記連結部は、一体に形成された単一部材からなる
付記3に記載のパワーモジュール。
【0308】
(付記5)
前記制御層及び前記駆動層の少なくとも一方は、前記迂回部と前記配線部とを連結する連結部を有し、
前記連結部は、ワイヤからなる
付記3に記載のパワーモジュール。
【0309】
(付記6)
前記駆動層は、前記制御層よりも前記搭載層側に配置されている
付記1~5のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0310】
(付記7)
前記制御層は、前記迂回部を有し、
前記迂回部は、前記制御層の配線部に対して前記駆動層とは反対側に配置されている
付記6に記載のパワーモジュール。
【0311】
(付記8)
前記駆動層は、前記迂回部を有し、
前記迂回部は、前記制御層に対して前記搭載層とは反対側に配置されている
付記6に記載のパワーモジュール。
【0312】
(付記9)
前記迂回部には、前記制御側接続部材及び前記駆動側接続部材が接続されていない
付記1~8のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0313】
(付記10)
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、
前記厚さ方向からみて、前記制御側接続部材及び前記駆動側接続部材の少なくとも一方は、前記第2方向に延びている
付記1~9のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0314】
(付記11)
前記制御端子と前記制御層とは、制御端子側接続部材によって電気的に接続されており、
前記検出端子と前記駆動層とは、検出端子側接続部材によって電気的に接続されている
付記1~10のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0315】
(付記12)
前記制御層は、前記迂回部と、前記迂回部の先端部に形成されて前記制御端子側接続部材が接続されている第1接続部とを有する
付記11に記載のパワーモジュール。
【0316】
(付記13)
前記駆動層は、前記迂回部と、前記迂回部の先端部に形成されて前記検出端子側接続部材が接続されている第2接続部とを有する
付記11又は12に記載のパワーモジュール。
【0317】
(付記14)
前記基板は、第1基板及び第2基板を有し、
前記第1基板及び前記第2基板の前記基板主面にはそれぞれ、前記搭載層、前記制御層、及び前記駆動層が配置されており、
前記第1基板の前記搭載層及び前記第2基板の前記搭載層にはそれぞれ、前記複数のパワー半導体素子が前記一方向に配列されており、
前記第1基板及び前記第2基板は、前記一方向に互いに離間して配列されており、
前記第1基板の前記搭載層と前記第2基板の前記搭載層とは、搭載層接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1基板の前記制御層と前記第2基板の前記制御層とは、制御層接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1基板の前記駆動層と前記第2基板の前記駆動層とは、駆動層接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1基板の前記制御層及び前記駆動層の一方は、前記迂回部を有し、
前記第2基板の前記制御層及び前記駆動層の他方は、前記迂回部を有する
付記1~13のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0318】
(付記15)
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、
前記第2方向からみて、前記制御端子及び前記検出端子はそれぞれ、前記第2基板と重なるように配置されている
付記14に記載のパワーモジュール。
【0319】
(付記16)
前記パワー半導体素子は、SiCMOSFETからなり、
前記第1駆動電極はドレイン電極であり、前記第2駆動電極はソース電極であり、前記制御電極はゲート電極である
付記1~15のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0320】
(付記17)
厚さ方向において互いに反対側を向く基板主面及び基板裏面を有し、電気絶縁性を有する基板と、
前記基板主面に形成された各々導電性を有する第1制御層、第2制御層、第1駆動層、第2駆動層、第1搭載層、第2搭載層、及び導電層と、
前記第1搭載層に搭載されるものであって、第1入力端子に電気的に接続される第1駆動電極が形成された第1素子裏面と、出力端子に電気的に接続される第2駆動電極、及び、制御電極が形成された第1素子主面と、を有する第1パワー半導体素子と、
前記第2搭載層に搭載されるものであって、前記出力端子に電気的に接続される第1駆動電極が形成された第2素子裏面と、第2入力端子に電気的に接続される第2駆動電極、及び、制御電極が形成された第2素子主面と、を有する第2パワー半導体素子と、
前記第1パワー半導体素子の制御電極と前記第1制御層とを接続する第1制御側接続部材と、
前記第1パワー半導体素子の第2駆動電極と前記第1駆動層とを接続する第1駆動側接続部材と、
前記第2パワー半導体素子の制御電極と前記第2制御層とを接続する第2制御側接続部材と、
前記第2パワー半導体素子の第2駆動電極と前記第2駆動層とを接続する第2駆動側接続部材と、
前記第1制御層と電気的に接続されている第1制御端子と、
前記第2制御層と電気的に接続されている第2制御端子と、
前記第1駆動層と電気的に接続されている第1検出端子と、
前記第2駆動層と電気的に接続されている第2検出端子と、を備えたパワーモジュールであって、
前記第1パワー半導体素子は、前記厚さ方向からみて一方向に配列された状態で前記第1搭載層に設けられた複数の第1パワー半導体素子のうちの1つであり、
前記第1制御側接続部材は、各々前記複数の第1パワー半導体素子の1つに対応する複数の第1制御側接続部材のうちの1つであり、
前記第1駆動側接続部材は、各々前記複数の第1パワー半導体素子の1つに対応する複数の第1駆動側接続部材のうちの1つであり、
前記第1パワー半導体素子の制御電極及び前記第1制御端子間の経路を第1導電経路とし、前記第1パワー半導体素子の第2駆動電極及び前記第1検出端子間の経路を第2導電経路とし、
前記第1制御層及び前記第1駆動層の少なくとも一方は、前記第1導電経路の長さと前記第2導電経路の長さとの和が前記複数の第1パワー半導体素子の間で互いに近づくように迂回する第1迂回部を有する
パワーモジュール。
【0321】
(付記18)
厚さ方向において互いに反対側を向く基板主面及び基板裏面を有し、電気絶縁性を有する基板と、
前記基板主面に形成された各々導電性を有する第1制御層、第2制御層、第1駆動層、第2駆動層、第1搭載層、第2搭載層、及び導電層と、
前記第1搭載層に搭載されるものであって、第1入力端子に電気的に接続される第1駆動電極が形成された第1素子裏面と、出力端子に電気的に接続される第2駆動電極、及び、制御電極が形成された第1素子主面と、を有し、前記厚さ方向からみて一方向に配列された状態で前記第1搭載層に搭載された複数の第1パワー半導体素子と、
前記第2搭載層に搭載されるものであって、前記出力端子に電気的に接続される第1駆動電極が形成された第2素子裏面と、第2入力端子に電気的に接続される第2駆動電極、及び、制御電極が形成された第2素子主面と、を有し、前記一方向に配列された状態で前記第2搭載層に搭載された複数の第2パワー半導体素子と、
前記複数の第1パワー半導体素子の制御電極と前記第1制御層とを接続するものであって、前記複数の第1パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第1制御側接続部材と、
前記複数の第1パワー半導体素子の第2駆動電極と前記第1駆動層とを接続するものであって、前記複数の第1パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第1駆動側接続部材と、
前記複数の第2パワー半導体素子の制御電極と前記第2制御層とを接続するものであって、前記複数の第2パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第2制御側接続部材と、
前記第2パワー半導体素子の第2駆動電極と前記第2駆動層とを接続するものであって、前記複数の第2パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第2駆動側接続部材と、
前記第1制御層と電気的に接続されている第1制御端子と、
前記第2制御層と電気的に接続されている第2制御端子と、
前記第1駆動層と電気的に接続されている第1検出端子と、
前記第2駆動層と電気的に接続されている第2検出端子と、を備えたパワーモジュールであって、
前記複数の第1パワー半導体素子は、前記複数の第1パワー半導体素子の配列方向の両端にある第1端パワー半導体素子及び第2端パワー半導体素子を含み、
前記第1端パワー半導体素子の前記制御電極及び前記第1制御端子間の経路を第1端制御側導電経路とし、前記第1端パワー半導体素子の前記第2駆動電極及び前記第1検出端子間の経路を第1端駆動側導電経路とし、前記第1端制御側導電経路の長さと前記第1端駆動側導電経路の長さとの和を第1和とし、
前記第2端パワー半導体素子の前記制御電極及び前記第1制御端子間の経路を第2端制御側導電経路とし、前記第2端パワー半導体素子の前記第2駆動電極及び前記第1検出端子間の経路を第2端駆動側導電経路とし、前記第2端制御側導電経路の長さと前記第2端駆動側導電経路の長さとの和を第2和とすると、
前記第1制御層及び前記第1駆動層の少なくとも一方は、前記第1和と前記第2和とが互いに近づくように導電経路を迂回させる第1迂回部を有する
パワーモジュール。
【0322】
付記18によれば、第1制御端子と第1検出端子との間の電圧が制御電圧として第1パワー半導体素子の制御電極に印加されるため、第1パワー半導体素子の制御電極への制御電圧の印加タイミングは、第1パワー半導体素子の制御電極と第1制御端子との間のインダクタンス値と第1パワー半導体素子の第2駆動電極と第1検出端子との間のインダクタンス値との合計のインダクタンス値に応じて決められる。第1パワー半導体素子の制御電極及び第1制御端子間のインダクタンス値は第1パワー半導体素子の制御電極及び第1制御端子間の導電経路の長さによって主に決められ、第1パワー半導体素子の第2駆動電極及び第1検出端子間のインダクタンス値は第1パワー半導体素子の第2駆動電極及び第1検出端子間の導電経路の長さによって主に決められる。このため、第1パワー半導体素子の制御電極及び第1制御端子間の導電経路の長さと第1パワー半導体素子の第2駆動電極及び第1検出端子間の導電経路の長さとの合計の長さの複数の第1パワー半導体素子の間でのばらつきを抑えることによって、複数の第1パワー半導体素子における上記合計のインダクタンス値のばらつきを抑制できる。
【0323】
また、第1制御電極及び第1制御端子間の導電経路の長さ及び第2駆動電極及び第1検出端子間の導電経路のばらつきはそれぞれ、複数の第1パワー半導体素子の配列方向において両端の第1パワー半導体素子(第1端パワー半導体素子及び第2端パワー半導体素子)の間で最大になると考えられる。
【0324】
そこで、付記18によるパワーモジュールでは、第1迂回部が、第1端パワー半導体素子の第1端制御側導電経路の長さと第1端駆動側導電経路の長さとの和である第1和と、第2端パワー半導体素子の第2端制御側導電経路の長さと第2端駆動側導電経路の長さとの和である第2和とが互いに近づくように構成されている。これにより、第1端制御側導電経路におけるインダクタンス値及び第1端駆駆動側導電経路におけるインダクタンス値の合計のインダクタンス値と、第2端制御側導電経路におけるインダクタンス値及び第2端駆動側導電経路におけるインダクタンス値の合計のインダクタンス値とのばらつきを抑制できる。したがって、複数の第1パワー半導体素子のうちの最もインダクタンス値がばらつく第1端パワー半導体素子と第2端パワー半導体素子とのオンオフのタイミングのばらつきを抑制できるため、パワーモジュールを安定して動作できる。
【0325】
(付記19)
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、
前記第2方向において、前記第1搭載層と前記導電層との間に前記第2搭載層が配置されており、
前記第1制御層及び前記第1駆動層はそれぞれ、前記第1搭載層に対して前記第2搭載層とは反対側に配置されており、
前記第2制御層及び前記第2駆動層はそれぞれ、前記導電層に対して前記第2搭載層とは反対側に配置されている
付記17又は18に記載のパワーモジュール。
【0326】
(付記20)
前記第1制御層及び前記第1駆動層はそれぞれ、前記第1方向に延びる第1配線部を有し、
前記第1迂回部は、前記第2方向において前記第1配線部と離間して配置されており、前記第1方向に延びている
付記19に記載のパワーモジュール。
【0327】
(付記21)
前記第1制御層及び前記第1駆動層の少なくとも一方は、前記第1迂回部と前記第1配線部とを連結する第1連結部を有し、
前記第1配線部、前記第1迂回部、及び前記第1連結部は、一体に形成された単一部材からなる
付記20に記載のパワーモジュール。
【0328】
(付記22)
前記第1制御層及び前記第1駆動層の少なくとも一方は、前記第1迂回部と前記第1配線部とを連結する第1連結部を有し、
前記第1連結部は、ワイヤからなる
付記20に記載のパワーモジュール。
【0329】
(付記23)
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、
前記第2方向において、前記第1駆動層は、前記第1搭載層と隣り合うように配置されており、
前記第1制御層は、前記第1駆動層に対して前記第1搭載層とは反対側に配置されている
付記17~22のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0330】
(付記24)
前記第1制御層は、前記第1迂回部を有し、
前記第1迂回部は、前記第1制御層の第1配線部に対して前記第1駆動層とは反対側に配置されている
付記23に記載のパワーモジュール。
【0331】
(付記25)
前記第1駆動層は、前記第1迂回部を有し、
前記第1迂回部は、前記第1制御層に対して前記第1搭載層とは反対側に配置されている
付記23に記載のパワーモジュール。
【0332】
(付記26)
前記第1迂回部には、前記第1制御側接続部材及び前記第1駆動側接続部材が接続されていない
付記17~25のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0333】
(付記27)
前記第1制御端子と前記第1制御層とは、第1制御端子側接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1検出端子と前記第1駆動層とは、第1検出端子側接続部材によって電気的に接続されている
付記17~26のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0334】
(付記28)
前記第1制御層は、前記第1迂回部と、前記第1迂回部の先端部に形成されて前記第1制御端子側接続部材が接続されている第1接続部とを有する
付記27に記載のパワーモジュール。
【0335】
(付記29)
前記第1駆動層は、前記第1迂回部と、前記第1迂回部の先端部に形成されて前記第1検出端子側接続部材が接続されている第2接続部とを有する
付記27に記載のパワーモジュール。
【0336】
(付記30)
前記基板は、第1基板及び第2基板を有し、
前記第1基板及び前記第2基板の前記基板主面にはそれぞれ、前記第1制御層、前記第2制御層、前記第1駆動層、前記第2駆動層、前記第1搭載層、前記第2搭載層、及び前記導電層が配置されており、
前記第1基板の前記第1搭載層及び前記第2基板の前記第1搭載層にはそれぞれ、前記複数の第1パワー半導体素子が前記一方向に互いに離間して配置されており、
前記第1基板の前記第2搭載層及び前記第2基板の前記第2搭載層にはそれぞれ、前記複数の第2パワー半導体素子が前記一方向に互いに離間して配置されており、
前記第1基板及び前記第2基板は、前記一方向に互いに離間して配列されており、
前記第1基板の前記第1搭載層と前記第2基板の前記第1搭載層とは、第1搭載層接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1基板の前記第1制御層と前記第2基板の前記第1制御層とは、第1制御層接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1基板の前記第1駆動層と前記第2基板の前記第1駆動層とは、第1駆動層接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1基板の前記第1制御層及び前記第1駆動層の一方は、前記第1迂回部を有し、
前記第2基板の前記第1制御層及び前記第1駆動層の他方は、前記第1迂回部を有する
付記17~29のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0337】
(付記31)
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、
前記第2方向からみて、前記第1制御端子及び前記第1検出端子はそれぞれ、前記第2基板と重なるように配置されている
付記30に記載のパワーモジュール。
【0338】
(付記32)
前記第1基板及び前記第2基板はそれぞれ、前記第2方向において前記第1駆動層が前記第1搭載層と隣り合うように配置されており、前記第1制御層が前記第1駆動層に対して前記第1搭載層とは反対側に配置されており、
前記第1基板の前記第1制御層は、前記第1迂回部を有し、
前記第2基板の前記第1駆動層は、前記第1迂回部を有し、
前記第1基板の前記第1制御層の前記第1迂回部の長さは、前記第2基板の前記第1駆動層の前記第1迂回部の長さよりも短く、
前記第1制御側接続部材の長さは、前記第1駆動側接続部材の長さよりも長い
付記31に記載のパワーモジュール。
【0339】
(付記33)
前記第2パワー半導体素子は、前記厚さ方向からみて前記一方向に配列された状態で前記第2搭載層に設けられた複数の第2パワー半導体素子のうちの1つであり、
前記第2制御側接続部材は、各々前記複数の第2パワー半導体素子の1つに対応する複数の第2制御側接続部材のうちの1つであり、
前記第2駆動側接続部材は、各々前記複数の第2パワー半導体素子の1つに対応する複数の第2駆動側接続部材のうちの1つであり、
前記第2パワー半導体素子の制御電極及び前記第2制御端子間の経路を第3導電経路とし、前記第2パワー半導体素子の第2駆動電極及び前記第2検出端子間の経路を第4導電経路とし、
前記第2制御層及び前記第2駆動層の少なくとも一方は、前記第3導電経路の長さと前記第4導電経路の長さとの和が前記複数の第2パワー半導体素子の間で互いに近づくように迂回する第2迂回部を有する
付記17に記載のパワーモジュール。
【0340】
(付記34)
前記複数の第2パワー半導体素子は、前記複数の第2パワー半導体素子の配列方向の両端にある第1端パワー半導体素子及び第2端パワー半導体素子を含み、
前記複数の第2パワー半導体素子のうちの前記第1端パワー半導体素子の前記制御電極及び前記第2制御端子間の経路を第3端制御側導電経路とし、前記複数の第2パワー半導体素子のうちの前記第1端パワー半導体素子の前記第2駆動電極及び前記第2検出端子間の経路を第3端駆動側導電経路とし、前記第3端制御側導電経路の長さと前記第3端駆動側導電経路の長さとの和を第3和とし、
前記複数の第2パワー半導体素子のうちの前記第2端パワー半導体素子の前記制御電極及び前記第2制御端子間の経路を第4端制御側導電経路とし、前記複数の第2パワー半導体素子のうちの前記第2端パワー半導体素子の前記第2駆動電極及び前記第2検出端子間の経路を第4端駆動側導電経路とし、前記第4端制御側導電経路の長さと前記第4端駆動側導電経路の長さとの和を第4和とすると、
前記第2制御層及び前記第2駆動層の少なくとも一方は、前記第3和と前記第4和とが互いに近づくように導電経路を迂回させる第2迂回部を有する
付記18に記載のパワーモジュール。
【0341】
(付記35)
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、
前記第2制御層及び前記第2駆動層はそれぞれ、前記第1方向に延びる第2配線部を有し、
前記第2迂回部は、前記第2方向において前記第2配線部と離間して配置されており、前記第1方向に延びている
付記33又は34に記載のパワーモジュール。
【0342】
(付記36)
前記第2制御層及び前記第2駆動層の少なくとも一方は、前記第2迂回部と前記第2配線部とを連結する第2連結部を有し、
前記第2配線部、前記第2迂回部、及び前記第2連結部は、一体に形成された単一部材からなる
付記35に記載のパワーモジュール。
【0343】
(付記37)
前記第2制御層及び前記第2駆動層の少なくとも一方は、前記第2迂回部と前記第2配線部とを連結する第2連結部を有し、
前記第2連結部は、ワイヤからなる
付記35に記載のパワーモジュール。
【0344】
(付記38)
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、
前記第2方向において、前記第2駆動層は、前記導電層と隣り合うように配置されており、
前記第2制御層は、前記第2駆動層に対して前記導電層とは反対側に配置されている
付記33~37のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0345】
(付記39)
前記第2制御層は、前記第2迂回部を有し、
前記第2迂回部は、前記第2制御層の第2配線部に対して前記第2駆動層とは反対側に配置されている
付記38に記載のパワーモジュール。
【0346】
(付記40)
前記第2駆動層は、前記第2迂回部を有し、
前記第2迂回部は、前記第2制御層に対して前記導電層とは反対側に配置されている
付記39に記載のパワーモジュール。
【0347】
(付記41)
前記第2迂回部には、前記第2制御側接続部材及び前記第2駆動側接続部材が接続されていない
付記33~40のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0348】
(付記42)
前記第2制御端子と前記第2制御層とは、第2制御端子側接続部材によって電気的に接続されており、
前記第2検出端子と前記第2駆動層とは、第2検出端子側接続部材によって電気的に接続されている
付記33~41のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0349】
(付記43)
前記第2制御層は、前記第2迂回部と、前記第2迂回部の先端部に形成されて前記第2制御端子側接続部材が接続されている第3接続部とを有する
付記42に記載のパワーモジュール。
【0350】
(付記44)
前記第2駆動層は、前記第2迂回部と、前記第2迂回部の先端部に形成されて前記第2検出端子側接続部材が接続されている第4接続部とを有する
付記42又は43に記載のパワーモジュール。
【0351】
(付記45)
前記基板は、第1基板及び第2基板を有し、
前記第1基板及び前記第2基板の前記基板主面にはそれぞれ、前記第1制御層、前記第2制御層、前記第1駆動層、前記第2駆動層、前記第1搭載層、前記第2搭載層、及び前記導電層が配置されており、
前記第1基板の前記第1搭載層及び前記第2基板の前記第1搭載層にはそれぞれ、前記複数の第1パワー半導体素子が前記一方向に互いに離間して配置されており、
前記第1基板の前記第2搭載層及び前記第2基板の前記第2搭載層にはそれぞれ、前記複数の第2パワー半導体素子が前記一方向に互いに離間して配置されており、
前記第1基板及び前記第2基板は、前記一方向に互いに離間して配置されており、
前記第1基板の前記第2搭載層と前記第2基板の前記第2搭載層とは、第2搭載層接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1基板の前記第2制御層と前記第2基板の前記第2制御層とは、第2制御層接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1基板の前記第2駆動層と前記第2基板の前記第2駆動層とは、第2駆動層接続部材によって電気的に接続されており、
前記第1基板の前記第2制御層及び前記第2駆動層の一方は、前記第2迂回部を有し、
前記第2基板の前記第2制御層及び前記第2駆動層の他方は、前記第2迂回部を有する
付記33~44のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0352】
(付記46)
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、
前記第2方向からみて、前記第2制御端子及び前記第2検出端子はそれぞれ、前記第1基板と重なるように配置されている
付記45に記載のパワーモジュール。
【0353】
(付記47)
前記第1パワー半導体素子の前記第2駆動電極と前記第2搭載層とを接続する第1素子接続部材と、
前記第2パワー半導体素子の前記第2駆動電極と前記導電層とを接続する第2素子接続部材と、を備える
付記17~46のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0354】
(付記48)
前記第1パワー半導体素子及び前記第2パワー半導体素子はそれぞれ、SiCMOSFETからなり、
前記第1駆動電極はドレイン電極であり、前記第2駆動電極はソース電極であり、前記制御電極はゲート電極である
付記17~47のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0355】
(付記49)
厚さ方向において互いに反対側を向く基板主面及び基板裏面を有し、電気絶縁性を有する基板と、前記基板主面に形成された導電性を有する第1制御層、第2制御層、第1駆動層、第2駆動層、第1搭載層、第2搭載層、及び導電層と、前記第1搭載層に搭載されるものであって、第1入力端子に電気的に接続される第1駆動電極が形成された第1素子裏面と、出力端子に電気的に接続される第2駆動電極、及び、制御電極が形成された第1素子主面と、を有する第1パワー半導体素子と、前記第2搭載層に搭載されるものであって、前記出力端子に電気的に接続される第1駆動電極が形成された第2素子裏面と、第2入力端子に電気的に接続される第2駆動電極、及び、制御電極が形成された第2素子主面と、を有する第2パワー半導体素子と、前記第1パワー半導体素子の制御電極と前記第1制御層とを接続する第1制御側接続部材と、前記第1パワー半導体素子の第2駆動電極と前記第1駆動層とを接続する第1駆動側接続部材と、前記第2パワー半導体素子の制御電極と前記第2制御層とを接続する第2制御側接続部材と、前記第2パワー半導体素子の第2駆動電極と前記第2駆動層とを接続する第2駆動側接続部材と、前記第1制御層と電気的に接続されている第1制御端子と、前記第2制御層と電気的に接続されている第2制御端子と、前記第1駆動層と電気的に接続されている第1検出端子と、前記第2駆動層と電気的に接続されている第2検出端子と、を備えたパワーモジュールであって、前記第2パワー半導体素子は、前記厚さ方向からみて一方向に配列された状態で前記第2搭載層に複数設けられており、前記第2制御側接続部材及び前記第2駆動側接続部材は、前記複数の第2パワー半導体素子に対応させて複数設けられており、前記第2パワー半導体素子の制御電極及び前記第2制御端子間の経路を第3導電経路とし、前記第2パワー半導体素子の第2駆動電極及び前記第2検出端子間の経路を第4導電経路とし、前記第2制御層及び前記第2駆動層の少なくとも一方は、前記第3導電経路の長さと前記第4導電経路の長さとの和が前記複数の第2パワー半導体素子の間で互いに近づくように迂回する第2迂回部を有する、パワーモジュール。
【0356】
第2制御端子及び第2検出端子間の電圧が制御電圧として第2パワー半導体素子の制御電極に印加されるため、第2パワー半導体素子の制御電極への制御電圧の印加タイミングは、第2パワー半導体素子の制御電極及び第2制御端子間のインダクタンス値と第2パワー半導体素子の第2駆動電極及び第2検出端子間のインダクタンス値との合計のインダクタンス値に応じて決められる。第2パワー半導体素子の制御電極及び第2制御端子間のインダクタンス値は第3導電経路の長さによって主に決められ、第2パワー半導体素子の第2駆動電極及び第2検出端子間のインダクタンス値は第4導電経路の長さによって主に決められる。このため、第3導電経路の長さと第4導電経路の長さとの合計の長さの複数の第2パワー半導体素子の間でのばらつきを抑えることによって、上記合計のインダクタンス値の複数の第2パワー半導体素子の間でのばらつきを抑制できる。
【0357】
そこで、本パワーモジュールでは、第2迂回部によって第3導電経路の長さと第4導電経路の長さとの和を複数の第2パワー半導体素子の間で互いに近づけるように構成している。これにより、第3導電経路の長さと第4導電経路の長さとの合計の長さの複数の第2パワー半導体素子の間でのばらつきを抑制できるため、上記合計のインダクタンス値の複数の第2パワー半導体素子の間でのばらつきを抑制できる。したがって、複数の第2パワー半導体素子のオンオフのタイミングがばらつきを抑制できるため、パワーモジュールを安定して動作できる。
【0358】
(付記50)
厚さ方向において互いに反対側を向く基板主面及び基板裏面を有し、電気絶縁性を有する基板と、前記基板主面に形成された導電性を有する第1制御層、第2制御層、第1駆動層、第2駆動層、第1搭載層、第2搭載層、及び導電層と、前記第1搭載層に搭載されるものであって、第1入力端子に電気的に接続される第1駆動電極が形成された第1素子裏面と、出力端子に電気的に接続される第2駆動電極、及び、制御電極が形成された第1素子主面と、を有し、前記厚さ方向からみて一方向に配列された状態で前記第1搭載層に搭載された複数の第1パワー半導体素子と、前記第2搭載層に搭載されるものであって、前記出力端子に電気的に接続される第1駆動電極が形成された第2素子裏面と、第2入力端子に電気的に接続される第2駆動電極、及び、制御電極が形成された第2素子主面と、を有し、前記一方向に配列された状態で前記第2搭載層に搭載された複数の第2パワー半導体素子と、前記複数の第1パワー半導体素子の制御電極と前記第1制御層とを接続するものであって、前記複数の第1パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第1制御側接続部材と、前記複数の第1パワー半導体素子の第2駆動電極と前記第1駆動層とを接続するものであって、前記複数の第1パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第1駆動側接続部材と、前記複数の第2パワー半導体素子の制御電極と前記第2制御層とを接続するものであって、前記複数の第2パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第2制御側接続部材と、前記第2パワー半導体素子の第2駆動電極と前記第2駆動層とを接続するものであって、前記複数の第2パワー半導体素子の配列方向と同一方向に並んだ複数の第2駆動側接続部材と、前記第1制御層と電気的に接続されている第1制御端子と、前記第2制御層と電気的に接続されている第2制御端子と、前記第1駆動層と電気的に接続されている第1検出端子と、前記第2駆動層と電気的に接続されている第2検出端子と、を備えたパワーモジュールであって、前記複数の第2パワー半導体素子は、前記複数の第2パワー半導体素子の配列方向の両端にある第1端パワー半導体素子及び第2端パワー半導体素子を含み、前記第1端パワー半導体素子の前記制御電極及び前記第2制御端子間の経路を第3端制御側導電経路とし、前記第1端パワー半導体素子の前記第2駆動電極及び前記第2検出端子間の経路を第3端駆動側導電経路とし、前記第3端制御側導電経路の長さと前記第3端駆動側導電経路の長さとの和を第3和とし、前記第2端パワー半導体素子の前記制御電極及び前記第2制御端子間の経路を第4端制御側導電経路とし、前記第2端パワー半導体素子の前記第2駆動電極及び前記第2検出端子間の経路を第4端駆動側導電経路とし、前記第4端制御側導電経路の長さと前記第4端駆動側導電経路の長さとの和を第4和とすると、前記第2制御層及び前記第2駆動層の少なくとも一方は、前記第3和と前記第4和とが近づくように導電経路を迂回させる第2迂回部を有する、パワーモジュール。
【0359】
第2制御端子と第2検出端子との間の電圧が制御電圧として第2パワー半導体素子の制御電極に印加されるため、第2パワー半導体素子の制御電極への制御電圧の印加タイミングは、第2パワー半導体素子の制御電極と第2制御端子との間のインダクタンス値と第2パワー半導体素子の第2駆動電極と第2検出端子との間のインダクタンス値との合計のインダクタンス値に応じて決められる。第2パワー半導体素子の制御電極と第2制御端子間のインダクタンス値は第2パワー半導体素子の制御電極と第2制御端子間の導電経路の長さによって主に決められ、第2パワー半導体素子の第2駆動電極と第2検出端子間のインダクタンス値は第2パワー半導体素子の第2駆動電極と第2検出端子間の導電経路の長さによって主に決められる。このため、第2パワー半導体素子の制御電極と第2制御端子間の導電経路の長さと第2パワー半導体素子の第2駆動電極と第2検出端子間の導電経路の長さとの合計の長さの複数の第2パワー半導体素子の間でのばらつきを抑えることによって、複数の第2パワー半導体素子における上記合計のインダクタンス値のばらつきを抑制できる。
【0360】
また、第2制御電極と第2制御端子間の導電経路の長さ及び第2駆動電極と第2検出端子間の導電経路のばらつきはそれぞれ、複数の第2パワー半導体素子の配列方向において両端の第2パワー半導体素子(第1端パワー半導体素子及び第2端パワー半導体素子)の間で最大になると考えられる。
【0361】
そこで、本パワーモジュールでは、第2迂回部によって第1端パワー半導体素子の第3端制御側導電経路の長さと第3端駆動側導電経路の長さとの和である第3和と、第2端パワー半導体素子の第4端制御側導電経路の長さと第4端駆動側導電経路の長さとの和である第4和とを互いに近づけるように構成している。これにより、第3端制御側導電経路におけるインダクタンス値及び第3端駆駆動側導電経路におけるインダクタンス値の合計のインダクタンス値と、第4端制御側導電経路におけるインダクタンス値及び第4端駆動側導電経路におけるインダクタンス値の合計のインダクタンス値とのばらつきを抑制できる。したがって、複数の第2パワー半導体素子のうちの最もインダクタンス値がばらつく第1端パワー半導体素子と第2端パワー半導体素子とのオンオフのタイミングのばらつきを抑制できるため、パワーモジュールを安定して動作できる。
【0362】
(付記51)
前記一方向を第1方向とし、前記厚さ方向からみて前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、前記第2制御層及び前記第2駆動層はそれぞれ、前記第1方向に延びる第2配線部を有し、前記第2迂回部は、前記第2方向において前記第2配線部と離間して配置されており、前記第1方向に延びている、付記49又は50に記載のパワーモジュール。
【0363】
(付記52)
前記第2制御層及び前記第2駆動層の少なくとも一方は、前記第2迂回部と前記第2配線部とを連結する第2連結部を有し、前記第2配線部、前記第2迂回部、及び前記第2連結部は、一体に形成された単一部材からなる、付記51に記載のパワーモジュール。
【0364】
(付記53)
前記第2制御層及び前記第2駆動層の少なくとも一方は、前記第2迂回部と前記第2配線部とを連結する第2連結部を有し、前記第2連結部は、ワイヤからなる、付記51に記載のパワーモジュール。
【0365】
(付記54)
前記厚さ方向からみて前記複数の第2パワー半導体素子の配列方向を第1方向とし、前記第1方向と交差する方向を第2方向とすると、前記第2方向において、前記第2駆動層は、前記導電層と隣り合うように配置されており、前記第2制御層は、前記第2駆動層に対して前記導電層とは反対側に配置されている、付記49~53のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0366】
(付記55)
前記第2制御層は、前記第2迂回部を有し、前記第2迂回部は、前記第2方向において前記第2制御層の第2配線部に対して前記第2駆動層とは反対側に配置されている、付記54に記載のパワーモジュール。
【0367】
(付記56)
前記第2駆動層は、前記第2迂回部を有し、前記第2迂回部は、前記第2方向において前記第2制御層に対して前記導電層とは反対側に配置されている、付記55に記載のパワーモジュール。
【0368】
(付記57)
前記第2迂回部には、前記第2制御側接続部材及び前記第2駆動側接続部材が接続されていない、付記49~56のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0369】
(付記58)
前記第2制御端子と前記第2制御層とは、第2制御端子側接続部材によって電気的に接続されており、前記第2検出端子と前記第2駆動層とは、第2検出端子側接続部材によって電気的に接続されている、付記49~57のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0370】
(付記59)
前記第2制御層は、前記第2迂回部と、前記第2迂回部の先端部に形成されて前記第2制御端子側接続部材が接続されている第3接続部とを有する、付記58に記載のパワーモジュール。
【0371】
(付記60)
前記第2駆動層は、前記第2迂回部と、前記第2迂回部の先端部に形成されて前記第2検出端子側接続部材が接続されている第4接続部とを有する、付記59に記載のパワーモジュール。
【0372】
(付記61)
前記基板は、第1基板及び第2基板を有し、前記第1基板及び前記第2基板の前記基板主面にはそれぞれ、前記第1制御層、前記第2制御層、前記第1駆動層、前記第2駆動層、前記第1搭載層、前記第2搭載層、及び前記導電層が配置されており、前記第1基板の前記第1搭載層及び前記第2基板の前記第1搭載層にはそれぞれ、前記複数の第1パワー半導体素子が前記一方向に互いに離間して配置されており、前記第1基板の前記第2搭載層及び前記第2基板の前記第2搭載層にはそれぞれ、前記複数の第2パワー半導体素子が前記一方向に互いに離間して配置されており、前記第1基板及び前記第2基板は、前記一方向に互いに離間して配列されており、前記一方向において前記第1基板の前記第2搭載層と前記第2基板の前記第2搭載層とは、第2搭載層接続部材によって電気的に接続されており、前記第1基板の前記第2制御層と前記第2基板の前記第2制御層とは、第2制御層接続部材によって電気的に接続されており、前記第1基板の前記第2駆動層と前記第2基板の前記第2駆動層とは、第2駆動層接続部材によって電気的に接続されており、前記第1基板の前記第2制御層及び前記第2駆動層の一方は、前記第2迂回部を有し、前記第2基板の前記第2制御層及び前記第2駆動層の他方は、前記第2迂回部を有する、付記49~60のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【0373】
(付記62)
前記第1方向からみて、前記第2制御端子及び前記第2検出端子はそれぞれ、前記第1基板と重なるように配置されている、付記61に記載のパワーモジュール。
【0374】
(付記63)
前記第2パワー半導体素子は、SiCMOSFETからなる、付記49~62のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【符号の説明】
【0375】
1A,1B…パワーモジュール
10…基板
11…第1基板(基板)
11s…第1基板主面(基板主面)
11r…第1基板裏面(基板裏面)
12…第2基板(基板)
12s…第2基板主面(基板主面)
12r…第2基板裏面(基板裏面)
13A,13B…第1搭載層(搭載層)
14A,14B…第2搭載層(搭載層)
15A,15B…導電層
21,22…第1制御層(制御層)
21a…第1制御側配線部(第1配線部、配線部)
21b…第1制御側迂回部(第1迂回部、迂回部)
21c…第1制御側連結部(第1連結部、連結部)
21d…第1制御側接続部(第1接続部)
22a…第1制御側配線部(第1配線部、配線部)
22b…第1制御側迂回部(第1迂回部、迂回部)
22c…第1制御側連結部(第1連結部、連結部)
22d…第1制御側接続部(第1接続部)
23,24…第1駆動層(駆動層)
23a…第1駆動側配線部(第1配線部、配線部)
23b…第1駆動側迂回部(第1迂回部、迂回部)
23c…第1駆動側連結部(第1連結部、連結部)
23d…第1駆動側接続部(第2接続部)
24a…第1駆動側配線部(第1配線部、配線部)
24b…第1駆動側迂回部(第1迂回部、迂回部)
24c…第1駆動側連結部(第1連結部、連結部)
24d…第1駆動側接続部(第2接続部)
25,26…第2制御層(制御層)
25a…第2制御側配線部(第2配線部、配線部)
25b…第2制御側迂回部(第2迂回部、迂回部)
25c…第2制御側連結部(第2連結部、連結部)
25d…第2制御側接続部(第3接続部)
26a…第2制御側配線部(第2配線部、配線部)
26b…第2制御側迂回部(第2迂回部、迂回部)
26c…第2制御側連結部(第2連結部、連結部)
26d…第2制御側接続部(第3接続部)
27,28…第2駆動層(駆動層)
27a…第2駆動側配線部(第2配線部、配線部)
27b…第2駆動側迂回部(第2迂回部、迂回部)
27c…第2駆動側連結部(第2連結部、連結部)
27d…第2駆動側接続部(第4接続部)
28a…第2駆動側配線部(第2配線部、配線部)
28b…第2駆動側迂回部(第2迂回部、迂回部)
28c…第2駆動側連結部(第2連結部、連結部)
28d…第2駆動側接続部(第4接続部)
31A…第1素子接続部材
31B…第2素子接続部材
32A…第1制御側接続部材(制御側接続部材)
32B…第2制御側接続部材(制御側接続部材)
33A…第1駆動側接続部材(駆動側接続部材)
33B…第2駆動側接続部材(駆動側接続部材)
35A…第1制御端子側接続部材
35B…第2制御端子側接続部材
36A…第1検出端子側接続部材
36B…第2検出端子側接続部材
40…パワー半導体素子
40A…第1パワー半導体素子
40Aa,40Ac…第1パワー半導体素子(第1端パワー半導体素子)
40Ab,40Ad…第1パワー半導体素子(第2端パワー半導体素子)
40B…第2パワー半導体素子
40Ba,40Bc…第2パワー半導体素子(第1端パワー半導体素子)
40Bb,40Bd…第2パワー半導体素子(第2端パワー半導体素子)
40s…素子主面(第1素子主面、第2素子主面)
40r…素子裏面(第1素子裏面、第2素子裏面)
41…ドレイン電極(第1駆動電極)
42…ソース電極(第2駆動電極)
42A…主ソース電極
42B…第1ソース電極
42C…第2ソース電極
43…ゲート電極(制御電極)
51A…第1入力端子
51B…第2入力端子
52A…第1出力端子(出力端子)
52B…第2出力端子(出力端子)
53A…第1制御端子
53B…第2制御端子
54A…第1検出端子
54B…第2検出端子
90A…連結部材(第1搭載層接続部材)
90B…連結部材(第2搭載層接続部材)
93A…第1制御層接続部材
93B…第2制御層接続部材
94A…第1駆動層接続部材
94B…第2駆動層接続部材
X…横方向(第1方向)
Y…縦方向(第2方向)
Z…厚さ方向
図1
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