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特開2024-115004ユーザ端末、プログラム及び決済システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115004
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】ユーザ端末、プログラム及び決済システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20240819BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20240819BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20240819BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
G06Q20/40
G06Q20/20
G06Q20/18
G07G1/12 321P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020430
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】萩原 弘佳
(72)【発明者】
【氏名】小林 統
(72)【発明者】
【氏名】木村 夢菜
【テーマコード(参考)】
3E142
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
3E142CA17
3E142FA02
3E142HA14
3E142JA01
3E142JA03
5L020AA38
5L020AA42
5L020AA73
5L055AA38
5L055AA42
5L055AA73
(57)【要約】
【課題】導入費用を抑えつつもユーザの生体情報による決済を実現することを可能にしたユーザ端末、プログラム及び決済システムを提供する。
【解決手段】ユーザ端末1は、決済金額及び店舗端末8に係る端末情報を含む決済情報を、店舗端末8から取得する決済情報取得部22と、取得した決済情報に対して使用する券種情報を、券種情報記憶部34から取得する券種取得部24と、ユーザの顔画像データである取得画像を、カメラ36を介して取得する顔画像取得部25と、取得した決済情報と、券種情報と、取得画像とを含む承認情報を、顔認証を行った後に決済処理を行う決済サーバ4に送信する承認情報送信部26と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済処理で用いる券種情報を記憶する券種情報記憶部と、
決済金額及び店舗端末に係る端末情報を含む決済情報を、前記店舗端末から取得する決済情報取得手段と、
前記決済情報取得手段が取得した前記決済情報に対して使用する前記券種情報を、前記券種情報記憶部から取得する券種取得手段と、
ユーザの顔画像データである取得画像を、撮影部を介して取得する顔画像取得手段と、
前記決済情報取得手段が取得した前記決済情報と、前記券種取得手段が取得した前記券種情報と、前記顔画像取得手段が取得した前記取得画像とを含む承認情報を、予め前記ユーザの顔画像データである照合用顔画像が記憶され、前記照合用顔画像を用いた照合後に前記決済処理を行う決済装置に送信する承認情報送信手段と、
を備える、ユーザ端末。
【請求項2】
請求項1に記載のユーザ端末において、
前記決済装置から承認結果を受信する承認結果受信手段と、
前記承認結果受信手段が受信した前記承認結果を、前記店舗端末が取得可能な態様で前記店舗端末に対して出力する承認結果出力手段と、
を備える、ユーザ端末。
【請求項3】
請求項1に記載のユーザ端末において、
前記撮影部を介して前記照合用顔画像を取得する照合画像取得手段と、
前記決済装置において前記ユーザを認証可能な認証情報の入力を受け付ける認証情報受付手段と、
前記照合画像取得手段が取得した前記照合用顔画像と、前記認証情報受付手段が受け付けた前記認証情報とを、前記決済装置に送信する照合画像送信手段と、
前記照合画像送信手段が送信した前記照合用顔画像を、記憶部から削除する画像削除手段と、
を備える、ユーザ端末。
【請求項4】
請求項3に記載のユーザ端末において、
前記決済装置から前記券種情報を受信する券種受信手段と、
前記券種受信手段が受信した前記券種情報を、前記券種情報記憶部に登録する券種登録手段と、
を備える、ユーザ端末。
【請求項5】
請求項1に記載のユーザ端末において、
前記券種情報記憶部に記憶された前記券種情報を、表示部に出力する券種出力手段を備え、
前記券種取得手段は、前記券種出力手段に出力された前記券種情報のうち前記ユーザにより選択された前記券種情報を取得する、ユーザ端末。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれかに記載のユーザ端末において、
前記決済情報取得手段は、前記店舗端末との間で通信を確立した後に、前記店舗端末から前記決済情報を取得する、ユーザ端末。
【請求項7】
請求項1から請求項5までのいずれかに記載のユーザ端末において、
前記決済情報取得手段は、前記店舗端末の表示部に出力された前記決済情報のコードを読取部が読み取ることで、前記店舗端末から前記決済情報を取得する、ユーザ端末。
【請求項8】
コンピュータを、
決済金額及び店舗端末に係る端末情報を含む決済情報を、前記店舗端末から取得する決済情報取得手段と、
前記決済情報取得手段が取得した前記決済情報に対して使用する券種情報を、決済処理で用いる前記券種情報を記憶する券種情報記憶部から取得する券種取得手段と、
ユーザの顔画像データである取得画像を、撮影部を介して取得する顔画像取得手段と、
前記決済情報取得手段が取得した前記決済情報と、前記券種取得手段が取得した前記券種情報と、前記顔画像取得手段が取得した前記取得画像とを含む承認情報を、予め前記ユーザの顔画像データである照合用顔画像が記憶され、前記照合用顔画像を用いた照合後に前記決済処理を行う決済装置に送信する承認情報送信手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項9】
店舗端末と、ユーザ端末と、決済処理を行う決済装置とを備えた決済システムであって、
前記店舗端末は、決済金額及び前記店舗端末に係る端末情報を含む決済情報を、前記ユーザ端末が取得可能な態様で前記ユーザ端末に対して出力する決済情報出力手段を備え、
前記ユーザ端末は、
前記決済処理で用いる券種情報を記憶する券種情報記憶部と、
前記決済情報を、前記店舗端末から取得する決済情報取得手段と、
前記決済情報取得手段が取得した前記決済情報に対して使用する前記券種情報を、前記券種情報記憶部から取得する券種取得手段と、
ユーザの顔画像データである取得画像を、撮影部を介して取得する顔画像取得手段と、
前記決済情報取得手段が取得した前記決済情報と、前記券種取得手段が取得した前記券種情報と、前記顔画像取得手段が取得した前記取得画像とを含む承認情報を、前記決済装置に送信する承認情報送信手段と、
を備え、
前記決済装置は、
前記ユーザの顔画像データである照合用顔画像を記憶した照合画像記憶部と、
前記ユーザ端末から受信した前記承認情報に含まれる前記取得画像と、前記照合画像記憶部の前記照合用顔画像とを照合する顔画像照合手段と、
前記顔画像照合手段による照合結果を含む、前記券種情報に基づく承認結果を、前記ユーザ端末に送信する承認結果送信手段と、
を備え、
前記ユーザ端末は、
前記決済装置から承認結果を受信する承認結果受信手段と、
前記承認結果受信手段が受信した前記承認結果を、前記店舗端末が取得可能な態様で前記店舗端末に対して出力する承認結果出力手段と、
を備える、決済システム。
【請求項10】
請求項9に記載の決済システムにおいて、
前記ユーザ端末は、
前記撮影部を介して前記照合用顔画像を取得する照合画像取得手段と、
前記決済装置において前記ユーザを認証可能な認証情報の入力を受け付ける認証情報受付手段と、
前記照合画像取得手段が取得した前記照合用顔画像と、前記認証情報受付手段が受け付けた前記認証情報とを、前記決済装置に送信する照合画像送信手段と、
前記照合画像送信手段が送信した前記照合用顔画像を、記憶部から削除する画像削除手段と、
を備え、
前記決済装置は、
前記ユーザ端末から受信した前記認証情報に基づいて、ユーザごとの前記券種情報を記憶したユーザ券種記憶部を参照して前記ユーザを認証する認証手段と、
前記認証手段により認証ができた場合に、前記ユーザ券種記憶部に記憶された前記ユーザの前記券種情報を抽出する券種抽出手段と、
前記認証手段により認証ができた場合に、前記ユーザ端末から受信した前記照合用顔画像を前記照合画像記憶部に登録する登録手段と、
前記券種抽出手段が抽出した前記券種情報を、前記ユーザ端末に送信する券種送信手段と、
を備え、
前記ユーザ端末は、
前記決済装置から前記券種情報を受信する券種受信手段と、
前記券種受信手段が受信した前記券種情報を、前記券種情報記憶部に登録する券種登録手段と、
を備える、決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末、プログラム及び決済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗等で商品等を購入した場合に、POS(Point Of Sales)レジ(レジスタ)や決済端末を用いて決済処理を行っている。購入者であるユーザは、例えば、現金により、又は、電子マネーによる決済やクレジットカード等のカード決済等を行って、商品等を購入する。電子マネーによる決済では、ユーザが所持する携帯端末に、使用する電子マネーの二次元コードを表示させる必要がある。また、クレジットカード等のカード決済では、使用するカードを提示する必要がある。
他方、近年では、顔認証等の生体認証の技術が向上しており、例えば、顔認証を用いて決済を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7036300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムでは、店舗に設けられた認証端末が、利用者の生体情報(顔画像)を取得し、認証できた場合に決済を行っている。
しかし、特許文献1に記載のものと同様のシステムを店舗で実現しようとした場合には、生体情報に対応する決済端末や顔認証用機材を購入し、及び、設置する費用が発生する。つまり、店舗側での設備投資が必要になるため、敷居が高いものになってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、導入費用を抑えつつもユーザの生体情報による決済を実現することを可能にしたユーザ端末、プログラム及び決済システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
第1の発明は、決済処理で用いる券種情報を記憶する券種情報記憶部と、決済金額及び店舗端末に係る端末情報を含む決済情報を、前記店舗端末から取得する決済情報取得手段と、前記決済情報取得手段が取得した前記決済情報に対して使用する前記券種情報を、前記券種情報記憶部から取得する券種取得手段と、ユーザの顔画像データである取得画像を、撮影部を介して取得する顔画像取得手段と、前記決済情報取得手段が取得した前記決済情報と、前記券種取得手段が取得した前記券種情報と、前記顔画像取得手段が取得した前記取得画像とを含む承認情報を、予め前記ユーザの顔画像データである照合用顔画像が記憶され、前記照合用顔画像を用いた照合後に前記決済処理を行う決済装置に送信する承認情報送信手段と、を備える、ユーザ端末である。
第2の発明は、第1の発明のユーザ端末において、前記決済装置から承認結果を受信する承認結果受信手段と、前記承認結果受信手段が受信した前記承認結果を、前記店舗端末が取得可能な態様で前記店舗端末に対して出力する承認結果出力手段と、を備える、ユーザ端末である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明のユーザ端末において、前記撮影部を介して前記照合用顔画像を取得する照合画像取得手段と、前記決済装置において前記ユーザを認証可能な認証情報の入力を受け付ける認証情報受付手段と、前記照合画像取得手段が取得した前記照合用顔画像と、前記認証情報受付手段が受け付けた前記認証情報とを、前記決済装置に送信する照合画像送信手段と、前記照合画像送信手段が送信した前記照合用顔画像を、記憶部から削除する画像削除手段と、を備える、ユーザ端末である。
第4の発明は、第3の発明のユーザ端末において、前記決済装置から前記券種情報を受信する券種受信手段と、前記券種受信手段が受信した前記券種情報を、前記券種情報記憶部に登録する券種登録手段と、を備える、ユーザ端末である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかのユーザ端末において、前記券種情報記憶部に記憶された前記券種情報を、表示部に出力する券種出力手段を備え、前記券種取得手段は、前記券種出力手段に出力された前記券種情報のうち前記ユーザにより選択された前記券種情報を取得する、ユーザ端末である。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかのユーザ端末において、前記決済情報取得手段は、前記店舗端末との間で通信を確立した後に、前記店舗端末から前記決済情報を取得する、ユーザ端末である。
第7の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかのユーザ端末において、前記決済情報取得手段は、前記店舗端末の表示部に出力された前記決済情報のコードを読取部が読み取ることで、前記店舗端末から前記決済情報を取得する、ユーザ端末である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかのユーザ端末としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
第9の発明は、店舗端末と、ユーザ端末と、決済処理を行う決済装置とを備えた決済システムであって、前記店舗端末は、決済金額及び前記店舗端末に係る端末情報を含む決済情報を、前記ユーザ端末が取得可能な態様で前記ユーザ端末に対して出力する決済情報出力手段を備え、前記ユーザ端末は、前記決済処理で用いる券種情報を記憶する券種情報記憶部と、前記決済情報を、前記店舗端末から取得する決済情報取得手段と、前記決済情報取得手段が取得した前記決済情報に対して使用する前記券種情報を、前記券種情報記憶部から取得する券種取得手段と、ユーザの顔画像データである取得画像を、撮影部を介して取得する顔画像取得手段と、前記決済情報取得手段が取得した前記決済情報と、前記券種取得手段が取得した前記券種情報と、前記顔画像取得手段が取得した前記取得画像とを含む承認情報を、前記決済装置に送信する承認情報送信手段と、を備え、前記決済装置は、前記ユーザの顔画像データである照合用顔画像を記憶した照合画像記憶部と、前記ユーザ端末から受信した前記承認情報に含まれる前記取得画像と、前記照合画像記憶部の前記照合用顔画像とを照合する顔画像照合手段と、前記顔画像照合手段による照合結果を含む、前記券種情報に基づく承認結果を、前記ユーザ端末に送信する承認結果送信手段と、を備え、前記ユーザ端末は、前記決済装置から承認結果を受信する承認結果受信手段と、前記承認結果受信手段が受信した前記承認結果を、前記店舗端末が取得可能な態様で前記店舗端末に対して出力する承認結果出力手段と、を備える、決済システムである。
第10の発明は、第9の発明の決済システムにおいて、前記ユーザ端末は、前記撮影部を介して前記照合用顔画像を取得する照合画像取得手段と、前記決済装置において前記ユーザを認証可能な認証情報の入力を受け付ける認証情報受付手段と、前記照合画像取得手段が取得した前記照合用顔画像と、前記認証情報受付手段が受け付けた前記認証情報とを、前記決済装置に送信する照合画像送信手段と、前記照合画像送信手段が送信した前記照合用顔画像を、記憶部から削除する画像削除手段と、を備え、前記決済装置は、前記ユーザ端末から受信した前記認証情報に基づいて、ユーザごとの前記券種情報を記憶したユーザ券種記憶部を参照して前記ユーザを認証する認証手段と、前記認証手段により認証ができた場合に、前記ユーザ券種記憶部に記憶された前記ユーザの前記券種情報を抽出する券種抽出手段と、前記認証手段により認証ができた場合に、前記ユーザ端末から受信した前記照合用顔画像を前記照合画像記憶部に登録する登録手段と、前記券種抽出手段が抽出した前記券種情報を、前記ユーザ端末に送信する券種送信手段と、を備え、前記ユーザ端末は、前記決済装置から前記券種情報を受信する券種受信手段と、前記券種受信手段が受信した前記券種情報を、前記券種情報記憶部に登録する券種登録手段と、を備える、決済システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、導入費用を抑えつつもユーザの生体情報による決済を実現することを可能にしたユーザ端末、プログラム及び決済システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る決済システムの全体構成を示す図である。
図2】本実施形態に係るユーザ端末の機能ブロックを示す図である。
図3】本実施形態に係る決済サーバの機能ブロックを示す図である。
図4】本実施形態に係る決済システムにおける照合画像登録処理を示すフローチャートである。
図5】本実施形態に係るユーザ端末における画面遷移の例を示す図である。
図6】本実施形態に係る決済システムにおける決済時処理を示すフローチャートである。
図7】本実施形態に係るユーザ端末における画面遷移の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0010】
(実施形態)
<決済システム100>
図1は、本実施形態に係る決済システム100の全体構成を示す図である。
決済システム100は、決済時に店舗端末8に代わって、ユーザが所持するユーザ端末1を用いてユーザの顔を撮影して、撮影した顔画像を用いた顔認証を行うことで、店舗における決済を実現するシステムである。また、決済システム100では、ユーザは、自身が所持するユーザ端末1から自身が指定する決済方法を指定して、決済を行うことができる。
決済システム100は、ユーザ端末1と、決済サーバ4(決済装置)と、店舗端末8とを備えている。ユーザ端末1と決済サーバ4との間、及び、決済サーバ4と店舗端末8との間は、通信ネットワークNを介して通信可能に接続されている。また、ユーザ端末1と店舗端末8との間は、例えば、近距離無線通信を用いた通信を行う。
【0011】
<ユーザ端末1>
ユーザ端末1は、顔認証による決済サービスを利用したいユーザが、自身の顔画像を登録する際に使用する端末である。ユーザ端末1は、予め決済時に本人認証で使用するユーザ自身の顔画像を撮影して、決済サーバ4に送信する。また、ユーザ端末1は、店舗で顔認証による決済を行う際に、店舗端末8から決済情報を取得して、自身の顔を撮影し、決済情報と共に決済サーバ4に承認情報を送信する。そして、決済サーバ4から承認結果を受信すると、店舗端末8に承認結果を出力する。このように、ユーザ端末1は、店舗端末8と決済サーバ4との間における決済時の承認に係る処理の一部を代行する。
ユーザ端末1は、例えば、スマートフォンに代表されるコンピュータの機能を併せ持った携帯電話機である。ユーザ端末1は、その他、タブレットであってもよいし、パーソナルコンピュータ(PC)等であってもよい。ユーザ端末1は、持ち運びが可能な端末である。
【0012】
次に、ユーザ端末1の機能構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るユーザ端末1の機能ブロックを示す図である。
図2に示すように、ユーザ端末1は、制御部10と、記憶部30と、カメラ36(撮影部、読取部)と、タッチパネルディスプレイ37(表示部)と、通信インタフェース部39とを備える。
制御部10は、ユーザ端末1の全体を制御するCPU(中央処理装置)である。制御部10は、記憶部30に記憶されているオペレーティングシステム(OS)や各種アプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実現する。
制御部10は、登録処理部11と、決済処理部21とを備える。
【0013】
登録処理部11は、決済を行う前にユーザの顔画像データである照合用顔画像を取得し、決済サーバ4に送信する処理を行う。
登録処理部11は、券種指定部12と、照合画像取得部13(照合画像取得手段)と、認証情報受付部14(認証情報受付手段)と、照合画像送信処理部15(照合画像送信手段、画像削除手段)と、券種登録処理部16(券種受信手段、券種登録手段)とを備える。
券種指定部12は、ユーザが登録したい券種を指定する。券種指定部12は、例えば、決済システム100において登録が可能な複数の券種に係る情報をタッチパネルディスプレイ37に出力し、出力された複数の券種に係る情報からユーザに選択させることで、券種を指定してもよい。
【0014】
照合画像取得部13は、ユーザがカメラ36で自身の顔を撮影することで、ユーザの顔画像データである照合用顔画像を取得する。照合用顔画像は、決済時において照合する際に照合元として用いられる、ユーザの顔画像である。
認証情報受付部14は、券種指定部12で指定した券種に関し、ユーザを認証可能な認証情報の入力を受け付ける。認証情報受付部14は、認証情報として、例えば、ユーザ名やカード番号、有効期限等の入力を受け付ける。なお、認証情報はこれに限定されない。例えば、ユーザが既に決済サーバ4が提供するアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションプログラムのことを、アプリケーション、アプリ又はプログラム等という。)のログインID(IDentification)等を有している場合には、カード番号等に代えて、ログインID等であってもよい。つまり、認証情報は、決済サーバ4がユーザを認証できるものであればよい。
【0015】
照合画像送信処理部15は、照合画像取得部13が取得した照合用顔画像と、認証情報受付部14が受け付けた認証情報とを、決済サーバ4に送信する。また、照合画像送信処理部15は、決済サーバ4に送信した照合用顔画像を、記憶部30の一時記憶領域から削除する。
券種登録処理部16は、決済サーバ4から受信した券種情報を、券種情報記憶部34に記憶させる。ここで、券種情報とは、決済で使用する券種に係る情報である。券種情報は、例えば、券種名、カード番号(PAN)、有効期限等であり、決済に必要な情報を含む。なお、券種名は、例えば、VISA(登録商標)、MASTERCARD(登録商標)等のクレジットカードのブランドや、○○ペイ等のQRコード(登録商標)決済のブランド、ポイントカードやプリペイドカード、デビットカード等の各種カードのブランド等である。
【0016】
決済処理部21は、決済時において決済処理の一部処理を行う。
決済処理部21は、決済情報取得部22(決済情報取得手段)と、券種出力部23(券種出力手段)と、券種取得部24(券種取得手段)と、顔画像取得部25(顔画像取得手段)と、承認情報送信部26(承認情報送信手段)と、承認結果受信処理部27(承認結果受信手段、承認結果出力手段)とを備える。
【0017】
決済情報取得部22は、決済額(決済金額)及び店舗端末8に係る端末情報を含む決済情報を、店舗端末8から取得する。店舗端末8にユーザ端末1との間で通信可能な、例えば、近距離通信機能を有する場合に、決済情報取得部22は、店舗端末8との間で通信を確立した後に、店舗端末8から決済情報を受信することで取得する。
ここで、決済情報は、決済額と店舗端末8の端末情報とを含む電文である。また、端末情報は、店舗端末8が設置されている店舗を一意に特定可能な情報である。
【0018】
券種出力部23は、券種情報記憶部34に記憶された券種情報を、タッチパネルディスプレイ37に出力する。券種出力部23は、券種情報として、例えば、券種名等を出力する。
券種取得部24は、券種出力部23によりタッチパネルディスプレイ37に出力された券種情報のうち、ユーザが選択した券種情報を取得する。
顔画像取得部25は、ユーザの顔画像データである取得画像を、カメラ36を介して取得する。
【0019】
承認情報送信部26は、決済情報取得部22が取得した決済情報と、券種取得部24が取得した券種情報と、顔画像取得部25が取得した取得画像とを含む承認情報を、取得した券種情報に対応する決済サーバ4に送信する。承認情報は、オーソリ(オーソリゼーション)電文である。
承認結果受信処理部27は、決済サーバ4から承認結果を受信する。そして、承認結果受信処理部27は、受信した承認結果を、店舗端末8が取得可能な態様で店舗端末8に対して出力する。例えば、決済情報取得部22が通信機能を用いて決済情報を受信した場合に、承認結果受信処理部27は、同じ通信機能を用いて店舗端末8に承認結果を送信する。
【0020】
記憶部30は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部30は、プログラム記憶部31と、券種情報記憶部34とを備える。
プログラム記憶部31は、各種のアプリを記憶する記憶領域である。プログラム記憶部31は、登録決済アプリ32と、個別アプリ33a、33b、・・・とを記憶している。
【0021】
登録決済アプリ32及び個別アプリ33a、33b、・・・は、例えば、通信ネットワークNを介して図示しないアプリ配信サーバに対して通信をすることで、ユーザ端末1にダウンロードされる。
登録決済アプリ32は、ユーザ端末1の制御部10が実行する各種の機能を行うためのプログラムである。なお、登録決済アプリ32は、1つのアプリである必要はなく、例えば、登録機能と決済機能とで別のアプリであってもよい。
【0022】
個別アプリ33a、33b、・・・は、決済を行う各事業者に対応したアプリである。個別アプリ33aと、個別アプリ33bとは、決済を行う事業者が異なる。なお、以降において、個々の個別アプリ33a、33b、・・・を指定しない場合には、単に個別アプリ33として説明する。
個別アプリ33は、例えば、ユーザにより指定された券種に基づき、登録決済アプリ32から呼び出されて実行される。
券種情報記憶部34は、登録処理部11の処理により決済サーバ4から受信した券種情報を記憶する記憶領域である。券種情報記憶部34は、券種情報をセキュアに記憶可能な記憶領域である。セキュアに記憶可能とは、例えば、OSと切り離されたセキュアエレメントという専用チップや、記憶された情報の漏洩に対して十分な考慮が対応されているデータ保存箇所(領域)に記憶されることをいう。
【0023】
カメラ36は、撮影装置である。カメラ36は、ユーザ端末1のタッチパネルディスプレイ37の側に有し、ユーザが自身の顔を自撮り可能なものである。
タッチパネルディスプレイ37は、液晶パネル等で構成される表示部としての機能と、ユーザの指による各種操作入力を行う入力部としての機能とを有する。
通信インタフェース部39は、通信ネットワークNを介して決済サーバ4との通信を行うためのインタフェースである。また、通信インタフェース部39は、店舗端末8との間での近距離無線通信等を行うためのインタフェースである。通信インタフェース部39は、送信部及び受信部の役割を行う。
【0024】
<決済サーバ4>
決済サーバ4は、例えば、決済を行うクレジットカード会社や、各種の決済を行う企業等の各事業者が各々有する。決済サーバ4は、例えば、クレジットカードによる決済の場合には、具体的には、決済ネットワークセンタ、アクワイアラ及びイシュアに係る処理を行うサーバである。
ここで、決済ネットワークセンタとは、例えば、決済代行会社をいい、クレジットカード決済をはじめ、携帯キャリア決済、電子マネー決済、コード決済等を仲介する。また、アクワイアラとは、クレジットカードの加盟店契約会社、つまり、店舗と契約している会社をいい、イシュアとは、クレジットカードの発行会社、つまり、カードを発行したユーザと契約している会社をいう。
【0025】
図1では、決済サーバ4は、1つのサーバとして記載しているが、実際には、上記したように、決済ネットワークセンタ、アクワイアラ、イシュア等の複数の装置によって構成されている。
決済サーバ4は、承認情報に含まれる取得画像を用いて顔認証を行い、認証ができた場合に当該ユーザの券種情報を確認の上、承認をする。また、決済サーバ4は、店舗端末8から売上電文を受信した場合には、売上電文に含まれる決済額についての決済処理を行う。
【0026】
次に、決済サーバ4の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る決済サーバ4の機能ブロックを示す図である。
図3に示すように、決済サーバ4は、制御部40と、記憶部60と、通信インタフェース部69とを備える。
【0027】
制御部40は、決済サーバ4の全体を制御するCPUである。制御部40は、記憶部60に記憶されているOSや各種アプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
制御部40は、事前処理部41と、照合処理部51と、決済処理部55とを備える。
事前処理部41は、ユーザ端末1から受信した照合用画像の登録に関する処理を行う。
事前処理部41は、認証部42(認証手段)と、券種抽出部43(券種抽出手段)と、照合画像登録部44(登録手段)と、券種送信部45(券種送信手段)とを備える。
【0028】
認証部42は、ユーザ端末1から受信した認証情報に基づいて、ユーザ券種記憶部62を参照してユーザを認証する。認証部42は、ユーザを特定するための処理を行う。
券種抽出部43は、認証部42により認証ができた場合に、当該ユーザの券種情報をユーザ券種記憶部62から抽出する。
照合画像登録部44は、ユーザ端末1から受信した照合用顔画像を、照合画像記憶部63に登録する。
券種送信部45は、券種抽出部43が抽出した券種情報を、ユーザ端末1に送信する。
【0029】
照合処理部51は、ユーザ端末1から受信した承認情報に係る承認に関する処理を行う。
照合処理部51は、承認情報受信部52と、顔画像照合部53(顔画像照合手段)と、承認結果送信部54(承認結果送信手段)とを備える。
承認情報受信部52は、ユーザ端末1から承認情報を受信する。
顔画像照合部53は、承認情報受信部52が受信した承認情報に含まれる取得画像と、照合画像記憶部63の照合用顔画像とを照合する。その際、顔画像照合部53は、承認情報に含まれる券種情報に基づいて照合用顔画像を特定する。顔画像照合部53は、例えば、取得画像と照合用顔画像との一致度合いをスコアとして算出する。そして、顔画像照合部53は、例えば、スコアが閾値以上である場合に、取得画像と照合用顔画像とが照合ができたと判定する。
【0030】
承認結果送信部54は、顔画像照合部53による照合結果を含む、券種情報に基づく承認結果を、ユーザ端末1に送信する。承認結果送信部54は、顔画像照合部53による照合ができ、かつ、券種情報が有効なものである場合に、承認する旨の承認結果を送信する。
決済処理部55は、決済に係る処理を行う。具体的には、決済処理部55は、店舗端末8から受信した決済額の売上処理を行う。
【0031】
記憶部60は、制御部40が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部60は、プログラム記憶部61と、ユーザ券種記憶部62と、照合画像記憶部63とを備える。
プログラム記憶部61は、各種のプログラムを記憶する記憶領域である。プログラム記憶部61は、例えば、決済サーバ4の制御部40が実行する後述する各種の機能を行うためのプログラムを記憶している。
【0032】
ユーザ券種記憶部62は、ユーザごとの券種情報等を記憶する記憶領域である。ユーザ券種記憶部62は、券種情報の他、例えば、ユーザの口座情報等を記憶しており、決済処理において、決済額を口座情報の口座から引き落とす等の処理を行う。
照合画像記憶部63は、照合用顔画像を記憶する記憶領域である。照合画像記憶部63は、ユーザ券種記憶部62のユーザに対応付けて照合用顔画像を記憶する。
通信インタフェース部69は、通信ネットワークNを介してユーザ端末1及び店舗端末8との間の通信を行うためのインタフェースである。
【0033】
<店舗端末8>
図1に示す店舗端末8は、例えば、各店舗に有するPOSレジや決済端末である。店舗端末8は、例えば、近距離通信機能を備えた一般的なレジスタであってよい。
店舗端末8は、図示しないが、制御部、記憶部、表示部、入力部、通信インタフェース部等を備える。
【0034】
通信ネットワークNは、各種のサーバ間や各種の端末間のネットワークであり、インターネット回線や携帯端末通信網等である。
ここで、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、ユーザ端末1、決済サーバ4及び店舗端末8は、それぞれ制御部、記憶部等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
【0035】
次に、決済システム100の処理について説明する。
初めに、ユーザが決済時に顔認証を用いるために行う、照合情報を登録する処理について説明する。
図4は、本実施形態に係る決済システム100における照合画像登録処理を示すフローチャートである。
図5は、本実施形態に係るユーザ端末1における画面遷移の例を示す図である。
【0036】
まず、決済システム100が提供するサービスを利用したいユーザは、決済で用いる券種情報に対応した登録決済アプリ32をユーザ端末1にダウンロードさせておく。そして、ユーザは、ユーザ端末1にダウンロードされた登録決済アプリ32を起動させる操作をすることで、図4のステップS(以降、「ステップS」を単に「S」という。)11において、ユーザ端末1の制御部10は、登録決済アプリ32を起動させる。
【0037】
登録決済アプリ32が起動されると、ユーザ端末1のタッチパネルディスプレイ37には、例えば、図5(a)に示すサービスメニューの画面70が出力される。画面70は、事前登録を行うためのボタン70aと、決済を行う際のボタン70bとを含む。ユーザは、画面70においてボタン70aを選択すると、ユーザ端末1の制御部10は、次に、図5(b)に示す画面71を出力し、その後、図5(c)に示す画面72を出力する。図5(b)の画面71は、決済の種類を選択するためのものであり、図5(c)の画面72は、決済の種類を選択後に券種を選択するためのものである。画面71及び72は、決済システム100で提供可能なサービスの種類が出力される。ユーザは、画面の案内にしたがって登録したい券種を選択する操作をする。そうすることで、図4のS12において、制御部10(券種指定部12)は、券種指定を受け付ける。
【0038】
制御部10は、券種指定を受け付けると、図5(d)に示す画面73をタッチパネルディスプレイ37に出力する。画面73は、認証情報に係る入力画面である。認証情報は、ユーザを認証するための情報であり、例えば、ユーザ自身の氏名や券種情報に関するものである。ユーザは、画面73の内容にしたがって情報を入力し、次に進むためのボタン73aを選択する。
そうすることで、図4のS13において、制御部10(認証情報受付部14)は、認証情報を受け付ける。
【0039】
制御部10は、認証情報を受け付けると、次に、図5(e)に示す画面74をタッチパネルディスプレイ37に出力する。そこで、ユーザは、自身の顔が枠内に収まるように、ユーザ端末1のカメラ36の位置を調整する。そして、例えば、顔が枠内に収まることをユーザ端末1が検知すると、次に、ユーザ端末1は、タッチパネルディスプレイ37に、図5(f)に示す画面75を出力する。そこで、ユーザが瞬きをすると、図4のS14において、制御部10(照合画像取得部13)は、瞬きを検出した後にカメラ36を起動させて撮影した、ユーザの顔画像を取得する。取得画像を得ると、制御部10は、図5(g)に示す画面76をタッチパネルディスプレイ37に出力する。
【0040】
S15において、制御部10(照合画像送信処理部15)は、取得したユーザの顔画像を照合用顔画像として、S13の処理で受け付けた認証情報と共に決済サーバ4に送信し、登録を依頼する。
S16において、制御部10(照合画像送信処理部15)は、記憶部30に一時記憶されている照合用顔画像を削除する。そのようにすることで、照合時に記憶部30に一時記憶された、登録処理で用いた照合用顔画像が不正に使用されることがないようにしている。
【0041】
他方、決済サーバ4の制御部40(事前処理部41)は、照合用顔画像と認証情報とをユーザ端末1から受信すると、S21において、決済サーバ4の制御部40(認証部42)は、認証処理を行う。具体的には、ユーザ端末1から受信した認証情報に基づいて、ユーザ券種記憶部62を参照し、認証情報に合致するユーザの存在を確認する。
S22において、制御部40(認証部42)は、認証ができたか否かを判断する。認証ができた場合(S22:YES)には、制御部40は、処理をS23に移す。他方、認証ができなかった場合には、制御部40は、処理をS25に移す。
【0042】
S23において、制御部40(券種抽出部43)は、認証ができた当該ユーザの券種情報を、ユーザ券種記憶部62から抽出する。
S24において、制御部40(照合画像登録部44)は、受信した照合用顔画像を、照合画像記憶部63に登録する。その際、制御部40は、S23で抽出したユーザ券種記憶部62の当該ユーザのレコードを、照合用顔画像に対応付ける。
S25において、制御部40は、処理結果をユーザ端末1に送信する。S23の処理で券種情を抽出した場合には、制御部40(券種送信部45)は、抽出した券種情報を含んで処理結果を送信する。
【0043】
S26において、ユーザ端末1の制御部10は、処理結果を受信する。そして、処理結果に券種情報を含む場合には、制御部10(券種登録処理部16)は、券種情報を券種情報記憶部34に登録する。ユーザ端末1は、図5(h)に示す画面77を、タッチパネルディスプレイ37に出力する。なお、認証ができなかった場合には、処理結果として認証ができなかった旨が決済サーバ4から送信されるので、制御部10は、図示しないエラー画面を出力する。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0044】
当該処理により、ユーザは、自身が決済で用いる券種情報に対応する決済サーバ4に、決済時の認証で用いる照合用顔画像を登録させることができる。また、ユーザ端末1は、決済で用いる券種情報を、券種情報記憶部34に登録させることができる。
【0045】
次に、決済時の処理について説明する。
図6は、本実施形態に係る決済システムにおける決済時処理を示すフローチャートである。
図7は、本実施形態に係るユーザ端末1における画面遷移の例を示す図である。
ユーザが、当該決済システム100のサービスが利用可能な店舗で商品等を購入する場合に、図6のS31において、店舗端末8の制御部は、決済額を受け付ける。決済額は、例えば、商品等に付されたバーコードを読み取る等をして得ることができる。
【0046】
S32において、店舗端末8の制御部は、近距離通信を確立するための電波を送出する処理を行う。
他方、ユーザは、ユーザ端末1にダウンロードされた登録決済アプリ32を起動させる操作をすることで、S41において、ユーザ端末1の制御部10は、登録決済アプリ32を起動させる。
【0047】
登録決済アプリ32が起動されると、ユーザ端末1のタッチパネルディスプレイ37には、上記した、例えば、図7(a)に示すサービスメニューの画面70が出力される。ユーザは、画面70においてボタン70bを選択すると、ユーザ端末1の制御部10は、次に、図7(b)に示す画面91を出力する。画面91は、店舗端末8との接続方法に関する指定であり、例えば、近距離無線通信に関する指定することで、図6のS42において、制御部10は、近距離通信を確立するための電波を受信する処理を行う。ここで、近距離無線通信の例としては、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)を用いるものがあるが、これらに限定されない。制御部10は、近距離通信が確立されるまでの間、例えば、図7(c)に示す画面92をタッチパネルディスプレイ37に出力する。
なお、画面70においてボタン70bが選択された際に、制御部10は、複数の近距離無線通信を受信可能に制御すれば、画面91は省略可能である。
【0048】
店舗端末8とユーザ端末1との間で通信が確立できると、S33において、店舗端末8の制御部は、決済情報を送出する。
ユーザ端末1の制御部10(決済情報取得部22)は、決済情報を受信すると、図6のS43において、制御部10(券種出力部23)は、例えば、図7(d)に示す券種情報の画面93タッチパネルディスプレイ37に出力する。画面93は、券種情報記憶部34に記憶された券種情報であり、例えば、券種名を出力する。
ユーザが画面93において、決済で使用する券種を選択することで、図6のS44において、制御部10(券種取得部24)は、券種の選択を受け付ける。なお、券種情報記憶部34に券種情報が1つのみ登録されている場合には、制御部10は、画面93に代わって「この券種を使用します」等の券種確認画面を出力してもよい。
【0049】
制御部10は、券種の選択を受け付けると、図7(e)に示す画面94をタッチパネルディスプレイ37に出力する。そこで、ユーザは、自身の顔が枠内に収まるように、ユーザ端末1のカメラ36の位置を調整する。そして、例えば、顔が枠内に収まることをユーザ端末1が検知すると、次に、ユーザ端末1は、タッチパネルディスプレイ37に、図7(f)に示す画面95を出力する。そこで、ユーザが瞬きをすると、図6のS45において、制御部10(顔画像取得部25)は、瞬きを検出した後にカメラ36を起動させて撮影した、ユーザの顔画像である取得画像を得る。取得画像を得ると、制御部10は、図7(g)に示す画面96をタッチパネルディスプレイ37に出力する。
【0050】
図6のS46において、制御部10(承認情報送信部26)は、承認情報を決済サーバ4に対して送信する。
決済サーバ4の制御部40(承認情報受信部52)は、ユーザ端末1が送信した承認情報を受信すると、S47において、制御部40(顔画像照合部53)は、受信した承認情報に含まれる取得画像と、照合画像記憶部63の照合用顔画像とを照合する顔画像照合処理を行う。
【0051】
S48において、制御部40(承認結果送信部54)は、承認結果をユーザ端末1に送信する。
S49において、ユーザ端末1の制御部10(承認結果受信処理部27)は、決済サーバ4から承認結果を受信すると、受信した承認結果を送出する。その際、制御部10は、図7(h)に示す画面97をタッチパネルディスプレイ37に出力する。
店舗端末8の制御部は、承認結果を受信すると、図6のS50において完了通知を送出する。ユーザ端末1の制御部10は、完了通知を受信すると、店舗端末8との通信を切断し、図示しない、処理が完了した旨の画面をタッチパネルディスプレイ37に出力する。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0052】
承認結果を受信した店舗端末8の制御部は、承認結果が承認できた旨である場合には、決済サーバ4に対して決済依頼を行う。決済サーバ4の制御部40(決済処理部55)は、店舗端末8から決済依頼(売上電文)を受信すると、一般的な決済の際と同様に決済処理を行う。
【0053】
このように、本実施形態によれば、決済システム100は、以下のような効果がある。
(1)ユーザ端末1は、決済額及び店舗端末8に係る端末情報を含む決済情報を、店舗端末8から取得し、取得した決済情報に対して使用する券種情報を、券種情報記憶部34から取得し、ユーザの顔画像データである取得画像を、カメラ36を介して取得し、取得した決済情報と券種情報と取得画像とを含む承認情報を、決済サーバ4に送信する。
そして、決済サーバ4では、ユーザ端末1から受信した承認情報に含まれる取得画像と、予めユーザの顔画像データである照合用顔画像とを照合し、照合結果を含む、券種情報に基づく承認結果を、ユーザ端末1に送信する。
【0054】
よって、店舗端末8にカメラを有さずとも、カメラ36を備えたユーザ端末1を用いて決済時の顔認証のための顔画像を取得することができ、取得画像と券種情報と共に決済情報を含む承認情報を、決済サーバ4に送信できる。そして、決済サーバ4では、ユーザ端末1から受信した承認情報に含まれる取得画像を用いて顔認証を行うことができる。
その結果、店舗端末8について、カメラ等の顔認証決済用の専用顔撮影機材の導入が不要になり、導入費用を抑えつつも安価でユーザの顔画像を用いた決済を実現することができる。
また、ユーザは、ユーザ端末1を所持していれば、クレジットカード等のカード類を持ち歩いたり、決済のための二次元コードを出力したりせず、顔を撮影するだけで決済が行えるので便利である。
【0055】
(2)ユーザ端末1は、決済サーバ4から承認結果を受信し、受信した承認結果を、店舗端末8に対して出力する。
よって、店舗端末8は、決済サーバ4から決済情報に対応した承認結果を、ユーザ端末1を介して取得できる。
【0056】
(3)ユーザ端末1は、カメラ36を介して照合用顔画像を取得し、決済サーバ4においてユーザを認証可能な認証情報の入力を受け付け、取得した照合用顔画像と受け付けた認証情報とを、決済サーバ4に送信する。
そして、決済サーバ4は、認証情報を用いてユーザを認証し、認証ができた場合にユーザの券種情報を抽出してユーザ端末1に送信すると共に、照合用顔画像を照合画像記憶部63に登録する。
よって、ユーザ端末1を用いて、決済サーバ4に照合用顔画像を登録させることができる。
また、ユーザ端末1は、送信した照合用顔画像を、記憶部30から削除する。
よって、決済時に照合用顔画像を取得画像として使用されずに済み、不正な利用を回避できる。
【0057】
(4)ユーザ端末1は、決済サーバ4から券種情報を受信すると、受信した券種情報を、券種情報記憶部34に登録する。
よって、照合用顔画像が登録できた場合に決済サーバ4から受信した券種情報を、決済時に使用できる。
【0058】
(5)ユーザ端末1は、券種情報記憶部34に記憶された券種情報を、タッチパネルディスプレイ37に出力し、出力された券種情報のうちユーザにより選択された券種情報を取得する。
よって、ユーザは、使用可能な券種から決済で使用する券種を都度指定ができるので、便利である。
【0059】
(6)ユーザ端末1は、店舗端末8との間で通信を確立した後に、店舗端末8から決済情報を取得する。
よって、店舗端末8に、近傍に位置するユーザ端末1との通信が可能な通信機能を組み込むことによって、当該決済システム100によるサービスを実現できる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0061】
(変形形態)
(1)本実施形態では、取得画像と照合用顔画像とを用いた照合処理を決済サーバ4が行うものを例に説明したが、これに限定されない。照合処理自体は、照合処理を決済サーバ4とは異なる画像照合サーバ等が行い、照合処理を決済サーバ4は、画像照合サーバ等からスコアを受信するものであってもよい。また、照合結果は、照合度合いを示すスコアとして取得するものを例に説明したが、これに限定されず、他の方法による結果であってもよい。
【0062】
(2)本実施形態では、ユーザ端末1と店舗端末8との間の通信を、近距離無線通信を用いたものを例に説明したが、これに限定されない。店舗端末8にユーザ端末1との間に近距離通信機能を有さない場合には、例えば、ユーザ端末1と店舗端末8との間でやり取りする情報を、二次元コード等に変換して受け渡してもよい。
より具体的には、ユーザ端末1及び店舗端末8に、情報をコード化して表示する機能を設ける。そして、店舗端末8の表示部に決済情報をコード化した、例えば、二次元コードを表示させた状態で、ユーザ端末1の決済情報取得手段は、カメラ36を介して二次元コードを読み取り、決済情報を取得する。また、ユーザ端末1の承認結果出力手段は、承認結果をコード化した二次元コードをタッチパネルディスプレイ37に出力することで、店舗端末8に二次元コードを読み取らせる。
また、ユーザ端末1と店舗端末8とを物理的に接続して、通信を行ってもよい。
【0063】
(3)本実施形態では、ユーザ端末1が決済サーバ4から承認結果を受信したことに応じて承認結果を店舗端末8に出力し、承認結果が承認できた旨である場合、店舗端末8から売上電文を決済サーバ4に送信するものを例に説明したが、これに限定されない。ユーザ端末1は、決済サーバ4に対して承認情報を送信し、決済サーバ4から受信した承認結果が承認できた旨である場合に、続いて売上電文を決済サーバ4に送信してもよい。その場合には、ユーザ端末1は、売上処理を含めた最終的な決済結果を、店舗端末8に送出する。
【0064】
(4)本実施形態では、券種出力部23が券種情報記憶部34に記憶された券種情報を出力するものとし、例えば、券種名等を出力するものを例に説明した。券種名については、例えば、ユーザが券種情報記憶部34の券種情報に対応する分かりやすい名称を登録する機能を有し、記憶部に登録させるようにしてもよい。例えば、「メインカード」、「X店舗用」等、ユーザ自身がすぐに分かる名称を登録して出力すれば、利便性が向上する。
【符号の説明】
【0065】
1 ユーザ端末
4 決済サーバ
8 店舗端末
10,40 制御部
11 登録処理部
12 券種指定部
13 照合画像取得部
14 認証情報受付部
15 照合画像送信処理部
16 券種登録処理部
21 決済処理部
22 決済情報取得部
23 券種出力部
24 券種取得部
25 顔画像取得部
26 承認情報送信部
27 承認結果受信処理部
30,60 記憶部
32 登録決済アプリ
33、33a、33b、・・・ 個別アプリ
34 券種情報記憶部
36 カメラ
37 タッチパネルディスプレイ
41 事前処理部
42 認証部
43 券種抽出部
44 照合画像登録部
45 券種送信部
51 照合処理部
52 承認情報受信部
53 顔画像照合部
54 承認結果送信部
55 決済処理部
62 ユーザ券種記憶部
63 照合画像記憶部
100 決済システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7