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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011502
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】自動車用拡張式荷台
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/34 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B60P3/34 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113515
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】522246717
【氏名又は名称】株式会社ゼロアクションアーキテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100118393
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 康裕
(72)【発明者】
【氏名】松永 裕治
(57)【要約】
【課題】本発明は、拡張された荷台空間を構成する側壁の解放/閉鎖を自由に設定できる自動車用拡張式荷台を提供することを目的とする。
【解決手段】上面部2A、底面部1A、側面部3Aからなる箱状の荷台空間を横方向と後方向に拡張できる自動車用拡張式荷台100であって、拡張された拡張上面部2Bにスライド可能に保持される第1~8拡張領域用側壁71~78を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面部、底面部、側面部からなる箱状の荷台空間を横方向と後方向の少なくとも一方向に拡張できる自動車用拡張式荷台であって、
拡張された拡張上面部にスライド可能に保持される拡張領域用側壁を備えることを特徴とする自動車用拡張式荷台。
【請求項2】
前記拡張上面部は、面一であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用拡張式荷台。
【請求項3】
拡張された拡張底面部に前記拡張領域用側壁と係合するレールを設けることを特徴とする請求項1に記載の自動車用拡張式荷台。
【請求項4】
前記荷台空間が横方向と後方向の両方向に拡張でき、
前記拡張底面部は、
第1~第4拡張床を有し、
前記第1拡張床の一端は、本体床後方にヒンジで連結され、
前記第1拡張床の他端と前記第2拡張床の一端とが、ヒンジで連結されるとともに、前記第2拡張床の他端は、前記本体床にスライドレールで連結され、
前記第3拡張床は、前記第1拡張床と横方向に伸びるスライドレールで連結され、
前記第4拡張床は、前記第2拡張床と横方向に伸びるスライドレールで連結され、
搬送状態では、
前記第3拡張床は、前記第1拡張床と重畳し、
前記第4拡張床は、前記第2拡張床と重畳し、
前記第1拡張床と前記第2拡張床とは、各前記ヒンジにより折り畳まれた状態であり、
拡張状態では、
前記第1拡張床と前記第2拡張床とは、各前記ヒンジにより展開された状態であり、
前記第3拡張床は、前記第1拡張床から横方向にスライドし、
前記第4拡張床は、前記第2拡張床から横方向にスライドした状態であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用拡張式荷台。
【請求項5】
前記上面部又は前記拡張上面部は、上方向に移動可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用拡張式荷台。
【請求項6】
車両へ着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用拡張式荷台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の荷台に関して、詳しくは、荷台空間を拡張することができる自動車用拡張荷台に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~特許文献4や非特許文献1に示されるように、荷台空間を拡張できる自動車用拡張荷台を備えた自動車が考えられ、実際に使用されている。特許文献1~特許文献3と非特許文献1は荷台空間が横方向に拡張し、特許文献4は荷台空間が横方向と後方向の両方に拡張し、更には上方向にも拡張する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-63448号公報
【特許文献2】特表2019-506325号公報
【特許文献3】特許7010518号公報
【特許文献4】特開2019-23055号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】株式会社ライズ 東京消防庁即応対処部隊運用開始、[令和4年6月20日検索]、インターネット〈https://rise-nippon.co.jp/report/11370/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の自動車用拡張式荷台では、拡張された荷台空間の側壁は、解放/閉鎖を自由に設定することができないという問題があった。拡張された荷台空間を構成する側壁の解放/閉鎖を自由に設定できれば、例えば、複数の自動車用拡張式荷台を連結し、床を往来可能にして一挙に床面積を拡張することができる。また、出入口を好みの位置に変更することができる。また、気温や天候によって側壁を開閉することで、屋台のようなオープンな環境や店内のような環境を演出することもできる。
そこで、本発明は、拡張された荷台空間を構成する側壁の解放/閉鎖を自由に設定できる自動車用拡張式荷台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の自動車用拡張式荷台は、上面部、底面部、側面部からなる箱状の荷台空間を横方向と後方向の少なくとも一方向に拡張できる自動車用拡張式荷台であって、拡張された拡張上面部にスライド可能に保持される拡張領域用側壁を備えることを特徴とする。
【0007】
このような構成により、拡張領域用側壁をスライドさせて設置できるので、拡張領域用側壁を用いて荷台空間の側面部を開放/閉鎖することができる。このため、拡張した荷台空間への出入口を所望の位置に設けることができる。また、例えば、天候にあわせて拡張した荷台空間を開放空間としたり、閉鎖空間としたりすることが簡単にできる。また、複数台の自動車用拡張式荷台の床を連通させて使用することができる。
【0008】
また、本発明の自動車用拡張式荷台は、前記拡張上面部が、面一であることが好ましい。これにより、面一となった拡張上面部の下面側において、段差のない状態で拡張領域用側壁をスライドさせることができる。
【0009】
また、本発明の自動車用拡張式荷台は、拡張された拡張底面部に前記拡張領域用側壁と係合するレールを設けることが好ましい。これにより、拡張領域用側壁の下方においてレールと係合するので、拡張領域用側壁が安定し、スライド動作を行いやすくなる。
【0010】
また、本発明の自動車用拡張式荷台は、前記荷台空間が横方向と後方向の両方向に拡張でき、前記拡張底面部は、第1~第4拡張床を有し、前記第1拡張床の一端は、本体床後方にヒンジで連結され、前記第1拡張床の他端と前記第2拡張床の一端とが、ヒンジで連結されるとともに、前記第2拡張床の他端は、前記本体床にスライドレールで連結され、前記第3拡張床は、前記第1拡張床と横方向に伸びるスライドレールで連結され、前記第4拡張床は、前記第2拡張床と横方向に伸びるスライドレールで連結され、搬送状態では、前記第3拡張床は、前記第1拡張床と重畳し、前記第4拡張床は、前記第2拡張床と重畳し、前記第1拡張床と前記第2拡張床とは、各前記ヒンジにより折り畳まれた状態であり、拡張状態では、前記第1拡張床と前記第2拡張床とは、各前記ヒンジにより展開された状態であり、前記第3拡張床は、前記第1拡張床から横方向にスライドし、前記第4拡張床は、前記第2拡張床から横方向にスライドした状態であることが好ましい。
【0011】
このような構成により、第1~第4拡張床で形成された底面部は、広く、また、本体床と面一の床とすることができる。また、スライドレールを用いて拡張できるので、軽い力で拡張作業を行うことができる。
【0012】
また、本発明の自動車用拡張式荷台は、前記上面部又は前記拡張上面部は、上方向に移動可能となっていることが好ましい。このような構成により、搬送状態での自動車用拡張式荷台を低く形成することができる。この点は、特に小型の車両に用いる場合、低い状態の自動車用拡張荷台で搬送できるので、搬送の際の車両への空気抵抗を低減することができる。また、使用状況に応じて高さを調整することができる。
【0013】
また、本発明の自動車用拡張式荷台は、車両へ着脱可能であることが好ましい。このような構成により、自動車用拡張荷台のみを販売することができる。また、搬送後に自動車用拡張式荷台を車両から取り外して使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の自動車用拡張式荷台の拡張を示す外観図である。
図2】拡張時の構成部品の移動を示す背面図である。
図3】拡張時の構成部品の移動を示す側面図である。
図4】拡張時の構成部品の移動を示す平面図である。
図5】Aは拡張の機構の要部を示す背面視での断面図であり、Bは拡張の機構の要部を示す側面視での断面図である。
図6】屋根のスライド機構の要部を示す斜視図及び断面図である。
図7】Aは拡張領域用側壁の伸縮を示す正面図であり、Bは拡張領域用側壁の伸縮機構の要部を示す斜視図である。
図8】Aは拡張領域用側壁の伸縮機構の要部を示す側面断面図であり、Bは拡張領域用側壁の伸縮機構の要部を示す平面断面図である。
図9】本実施形態における自動車用拡張式荷台の拡張手順を示すフローチャートである。
図10】Aは一部の側壁を解放した例を示す平面図であり、Bは2台の自動車用拡張式荷台を使用する例を示す平面図であり、Cは2台の自動車用拡張式荷台を使用する他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態及び図面を参照にして本発明を実施するための形態を説明するが、以下に示す実施形態は、本発明をここに記載したものに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
【0016】
[実施形態]
図1図8を用いて、実施形態の自動車用拡張式荷台100の要部の構成を説明する。図1は拡張の概要を示し、図2図4は拡張時の構成部品の移動を示し、図5図8は移動の機構を示す図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の自動車用拡張式荷台100(以下、適宜単に拡張式荷台100と記す)は、車両Tに搭載されて使用される。この車両Tは、いわゆる軽トラックと言われるような軽貨物車程度の小型の車両である。そして、拡張式荷台100は、このような車両Tの荷台部分に固定され車両Tと共に移動し(搬送時)、目的地に到着後、車両Tに固定されたままで、拡張されて使用される(拡張時)。
【0018】
拡張式荷台100も車両Tと同様に小型なものであり、搬送時の拡張式荷台100の荷台空間における内寸は、1150mm(幅)×1900mm(奥行)×1200mm(高さ)である。そして、この内寸が、拡張時では2150mm(幅)×4052mm(奥行)×2000mm(高さ)と、約6.6倍の容積増加となる。なお、拡張時の高さ2000mmは通常の人が立つことができる寸法である。
【0019】
搬送状態では、拡張式荷台100は、図2~4に示すように、箱状の荷台の底面を構成する1つの底面部1A、上面を構成する1つの上面部2A、側面を構成する4つの側面部3Aとともに、荷台内部の前後に2本ずつ配置され縮状態となっている4本の伸縮支柱4と、からなる。なお、本実施形態では伸縮支柱4が拡張式荷台100内に最初から設置されているが、伸縮支柱4を別に後で設置する構成とすることもできる。
【0020】
そして、この搬送状態における底面部1Aは、本体床5と、本体床5の下方に配置されフォーク差込口11(図1を参照)を備えるウレタン樹脂製のパレットPと、からなる。
また、搬送状態における上面部2Aは、本体屋根6と、その上に重畳された拡張屋根61と、からなる(図2参照)。
【0021】
また、搬送状態における側面部3Aは、左側面と前方側面の最外周に位置する(上方からの平面視にて)L字状の本体側壁7と、左側面にて本体側壁7と重なって位置する第1拡張領域用側壁71~第4拡張領域用側壁74と、前方側面にて本体側壁と重なって位置する第5拡張領域用側壁75~第8拡張領域用側壁78と、後方側面にて重なって位置する第1拡張床51~第4拡張床54と、右側面にて重なって位置する第5拡張床55と、第2拡張屋根62、第3拡張屋根63と、からなる(図4参照)。
【0022】
このような拡張式荷台100では、搬送時の車両Tの荷台外装として、上面を拡張屋根61、前方及び左側面を本体側壁7、後方側面を第4拡張床54、右側面を第3拡張屋根63が担っている。
【0023】
一方拡張状態では、拡張式荷台100は、図2図4に示すように、箱状の拡張荷台空間の底面を構成する1つの拡張底面部1B、上面を構成する1つの拡張上面部2B、側面を構成する4つの拡張側面部3Bとともに、伸状態となっている4本の伸縮支柱4と、からなる。
そして、この拡張状態における拡張底面部1Bは、本体床5と、第1拡張床51~第5拡張床55と、からなる(図4参照)。
また、拡張状態における拡張上面部2Bは、本体屋根6と、第1拡張屋根61~第3拡張屋根63と、からなる。
【0024】
また、拡張状態における拡張側面部3Bは、左側面と前方側面に位置するL字状の本体側壁7と、左側面に位置する第1拡張領域用側壁71と、右側面に位置する第2拡張領域用側壁72と、後方側面に位置する第3拡張領域用側壁73及び第4拡張領域用側壁74と、前方側面に位置する本体側壁7と第5拡張領域用側壁75と、右側面に位置する第6拡張領域用側壁76~第8拡張領域用側壁78と、からなる。
【0025】
なお、拡張式荷台100内に配置されている4本の伸縮支柱4は、上下方向への伸縮手段であり、具体的にはアクチュエータである。そして、図示せぬ電源によって上下に伸縮可能であり、搬送時の縮状態では上面部2Aを支え、拡張時の伸状態では拡張上面部2B(の本体屋根6)を支える。なお、この伸縮支柱4は、電動式でなく手動式でも構わないが、複数本用いて同時に伸縮できる方がよいため、電動式が好ましい。
【0026】
また、拡張底面部1Bを構成する第1拡張床51~第5拡張床55を支えるため、複数の脚8が各床の下面側に配置される。この脚8は、各床に対して着脱可能な構成や、折り畳み式で床面に収容可能な構成としてもよい。また、この脚8は地面と各床との距離にあわせて長さが調整可能となっている。
【0027】
また、拡張式荷台100を形成する床等の板材は、主として、PS(ポリスチレン)の角材をフレームとし、内部を押出し発泡ポリスチレン(例えば、商品名スタイロフォーム(登録商標)。断面図である図5のくねくねしたハッチングの部分。)とし、外装側をアルミアルマイト、内装側をラワンベニヤやポリエチレン板(例えば、株式会社 LINK PLANETのPSL-7)を用いた軽量材としている。また、拡張領域用側壁71~78は、主として、内部が見えるアルミサッシとしている。
【0028】
このような構成からなる拡張式荷台100は、車両Tに搭載されて使用される物であり、搭載の際には、底面部1AのパレットPのフォーク差込口11にフォークリフトのフォークを差し込んで作業が行われる。このように拡張式荷台100は、車両Tとは別体となっているため、拡張式荷台100単体としても流通させることができるので、安価で提供することができる。また、複数の拡張式荷台100を所有し、必要な数のみを車両Tで運搬することができる。また、拡張式荷台100を車両Tから降ろして、使用することも可能である。
【0029】
なお、拡張式荷台100が、車両Tに搭載されるときは、底面部1A(本体床5とパレットP)を貫通する6つの取付孔12(図4図5B参照)により車両Tにねじ止めされる構成となっている。
【0030】
次に図2図8を用いて、拡張の方法を具体的に説明する。
[屋根]
第1拡張屋根61は、図3に示すよう拡張時に本体屋根6の後方へとスライド可能に重畳されている。図6はこのスライドを可能にするスライド機構を示す図である。
【0031】
スライド機構は、両端がスライドすることで伸縮する第1スライドレール21(例えば、ROLLON TelescopicRail DE43)を2本並走設置して備えている。また、本体屋根6には、第1スライドレール21を配置するためのレール配置溝C6が設けられており、第1拡張屋根61には、第1スライドレール21の位置にあわせて、図6に示すように、レール受け溝C61が設けられている。
【0032】
そして、第1スライドレール21は本体屋根6に設けられたレール配置溝C6内に配置され、第1スライドレール21の一端がレール配置溝C6の側面にネジ止めされる。また、第1スライドレール21の他端は、上方に重畳する第1拡張屋根61の後方側においてレール受け溝C61の側面に第1リンク22を介して接続される。
【0033】
この第1リンク22は、角丸長方形の板材からなり、図6に示すように一端が第1スライドレール21に対して回動可能に連結され、他端が第1拡張屋根61のレール受け溝C61の側面に第1スペーサ23を介して回動可能に連結されている。
【0034】
また、図5Bに示すように、第1拡張屋根61の前方側の下面には第1ローラ24が配設されており、拡張時には本体屋根6の上面を第1拡張屋根61が転がるようになっている。
【0035】
本体屋根6の後端6aと第1拡張屋根61の前端61aとは、図5Bに示すように傾斜面となっており、この本体屋根6の傾斜面6aには第2ローラ25が配設されており、第2ローラ25は傾斜面6aから一部を露出する。このため拡張時には、第1拡張屋根61の傾斜面61aが本体屋根6の傾斜面6aを転がって、互いの傾斜面同士が対向することになる。
【0036】
また、第1拡張屋根61の後方側には、バネ式の把手26(図5B参照、TAKIGEN ステンレススプリング付き取手A-1087-1)が取り付けられている。
【0037】
このようなスライド機構によって1拡張屋根61の拡張が行われる。具体的には、まず把手26を持って第1拡張屋根61が後方に引かれると、垂直状態の第1リンク22を介して本体屋根6から第1スライドレール21が伸展する。そして、第1拡張屋根61の傾斜面61aが本体屋根6の傾斜面6aの位置に達すると、傾斜面61aが本体屋根6の傾斜面6a表面を滑り落ち始め、同時に垂直状態の第1リンク22が水平状態へと移り始める。そして、本体屋根6の傾斜面6aと第1拡張屋根61の傾斜面61aとが対面した状態になると、第1リンク22も水平状態となり、第1スライドレール21も下降してきた第1拡張屋根61のレール受け溝C61へと収まることになる。
【0038】
第1拡張屋根61はこのようにスライドして拡張する。また、本体屋根6と第1拡張屋根61とは、回動可能な第1リンク22を介して接続されているため、拡張した第1拡張屋根61が本体屋根61と面一となる。
【0039】
また、第1拡張屋根61の拡張を行うスライド機構においては、第1ローラ24や第2ローラ25も備わっていることから、拡張時だけでなく、拡張状態から搬送状態へと戻す収納時においても非常に作業しやすくなっている。
【0040】
第2拡張屋根62は、図5Aに示すように、本体屋根6に第1ヒンジ27で連結されている。そして、第2拡張屋根62は、図2に示すように、搬送時には右側面(車両Tの右側)へと倒された状態となっており、拡張時には起こされて水平状態となることで、横方向へ拡張することになる。また、本体屋根6と第2拡張屋根62とは、第1ヒンジ27を用いて接続されており、拡張した第2拡張屋根62が本体屋根61と面一となる。
【0041】
第3拡張屋根63は、図5Aに示すように、第1拡張屋根61に第2ヒンジ28で連結されている。そして、第3拡張屋根63は、搬送時には右側面へと倒された状態となっており、拡張時には第1拡張屋根61が後方へスライドされると、第1拡張屋根61と共に後方へ移動し、その後起こされて水平状態となることで、横方法へ拡張することになる。また、第1拡張屋根61と第3拡張屋根63とは、第2ヒンジ28を用いて接続されており、拡張した第3拡張屋根63は第1拡張屋根61と共に、本体屋根6や第2拡張屋根62と面一となる。
【0042】
また、本体屋根6は、本体床5に配置されている4つの伸縮支柱4により支えられている。そして、搬送時には伸縮支柱4は縮状態となり、拡張時には伸縮支柱4は伸状態となる。この伸縮支柱4の伸縮動作に伴って本体屋根6も上下に移動する。なお、本体屋根6と直接的、間接的に接続する第1拡張屋根61~第3拡張屋根63についても、本体屋根6の上下移動に伴って上下に移動することになる。
【0043】
[床]
第1拡張床51は、図3図5Bに示すように、一端(前方端)が本体床5の後方に第1隠しヒンジ13(例えば、LAMP HES3D-120DC)を3つ用いて連結されている。また、その第1拡張床51の他端(後方端)は、第2拡張床52の一端(前方端)と、第2隠しヒンジ14を3つ用いて連結される。
【0044】
そして、第2拡張床52は、図3に示すよう拡張時に本体床5の後方へスライド動作によって垂直状態から水平状態へと展開して拡張する構成となっている。具体的には、並走するように配置された2本の第2スライドレール15が用いられており、第2拡張床52の他端(後方端)には、図5Bに示すように、この第2スライドレール15の一端が第2リンク16を介して連結されている。また、第2スライドレール15の他端は本体床5の下面側においてパレットPへネジ止めされて連結されている(図5A参照)。
【0045】
この第2リンク16は、角丸長方形の板材からなり、一端が第2スライドレール15に対して回動可能に連結され、他端が第2拡張床52の他端に図示せぬ第2スペーサを介して回動可能に連結されている。
【0046】
なお、拡張状態において、第2スライドレール15は、本体床5、第1拡張床51、第2拡張床52の下に位置することになる。また、本体床5の下方に位置するパレットPには、2本の第2スライドレール15を配置する配置溝が設けられている。
【0047】
第3拡張床53は、拡張時に第1拡張床51の横方向へとスライド可能なように重畳されている。このスライドを可能にするスライド機構については、先に説明した第1拡張屋根61が本体屋根6に対してスライドする構造と同じ構成を採用しており、図4に示すようにスライドレールとして第3スライドレール17を2本用いている。このように第3拡張床53は、横方向に伸びる2本の第3スライドレール17で第1拡張床51と連結されている。
【0048】
また、第4拡張床54も、拡張時に第2拡張床52の横方向へとスライド可能なように重畳されており、第3スライドレール17を2本用いて同様のスライド機構となっている。したがって、第4拡張床54も、横方向に伸びる2本の第3スライドレール17で第2拡張床52と連結されている。
【0049】
このような第1拡張床51~第4拡張床54は、搬送時は、図3に示すように、第3拡張床53は第1拡張床51に、第4拡張床54は第2拡張床52にそれぞれ重畳されたまま、第1拡張床51と第2拡張床52とは第1隠しヒンジ13と第2隠しヒンジ14により折り畳まれた状態となり、拡張式荷台100の後方に立設されている。この時、第4拡張床54が拡張式荷台100の後方を塞ぐことになり、第4拡張床54の上面が車両Tの荷台外装となっている。
また、第2拡張床52と第4拡張床54の後端の一部が切り欠かれ、その切欠きに図1に示すように掴み18が形成されている。
【0050】
拡張時は、まずこの掴み口18によって、第4拡張床54が重畳されたままの第2拡張床52をスライドさせて引き出す。この時第2拡張床52に第2隠しヒンジ14で連結されている第1拡張床51も、これに重畳されている第3拡張床53と共に引き出されることになる。
【0051】
そして、第1拡張床51~第4拡張床54が後方に引き出された後、第3拡張床53と第4拡張床54が横方向に引き出されることになる。この時、第1拡張床51からの第3拡張床53のスライド及び第2拡張床52からの第4拡張床54のスライドは、先に説明した第1拡張屋根61が本体屋根6に対してスライドする構造と同じ構成を採用している。また第1拡張床51と第2拡張床52も、第1隠しヒンジ13と第2隠しヒンジ14によって接続されている。このため、拡張時の第1拡張床51~第4拡張床54の表面は、面一となっている。
【0052】
また、第5拡張床55は、図2図4示すように、その一端(左側端)が本体床5の右端に第3隠しヒンジ19を5つ用いて連結されている。そして、搬送時には図2に示すように、右側面へと立設された状態となっており、拡張時には図4に示すように水平状態に展開することで、横方向へ拡張することになる。また、本体床5と第5拡張床55とは、第3隠しヒンジ19を用いて接続されているため、拡張した第5拡張床55の表面が本体床5の表面と面一となっている。
【0053】
このように、第1拡張床51~第5拡張床55をスライドや立設状態からの展開によって拡張できるので、容易に広い床面を形成することができる。また、展開された第1拡張床51~第5拡張床55の表面は、本体床5の表面と面一となっているため、人が段差でつまずくことがなく、また、机や椅子などをぐらつき無く設置することができる。
【0054】
また、第3拡張床53と第4拡張床54の展開は、ヒンジによる展開ではなくて、第3スライドレール17を用いたスライドによる展開となっているので、軽い力で拡張することができる。このような構成は、特に力の弱い女性や高齢者にとっても作業が容易となり、好ましい。なお、本実施形態では、第3拡張床53と第4拡張床54の展開は、第3スライドレール17を用いて行う構成であったが、ヒンジを用いて展開する構成を採用することもできる。
【0055】
[側壁]
本体側壁7は、図4に示すように、本体床5から立設された前方側面と左側面とを形成するL字形の側壁である。また、この本体側壁7は、図2図3に示すように上本体側壁71Uと下本体側壁7Dからなる。
【0056】
そして、下本体側壁7Dは本体床51から立設すると共に上本体側壁7Uに嵌入しており、上本体側壁7Uは図5に示すように本体屋根6と係合している。このような構成の本体側壁7では伸縮支柱4の伸縮動作に伴う上面部2Aの昇降にあわせて上本体側壁7Uも昇降することになるため、本体側壁7も伸縮支柱4の伸縮動作に伴い伸縮することになる。
【0057】
第1拡張領域用側壁71は、上下方向にスライド可能に保持される伸縮可能なアルミサッシとなっている。具体的には、第1拡張領域用側壁71は、図7図8に示すように、上側壁Uと下側壁Dとで形成されている。
この上側壁Uは、アルミ製の角パイプからなる上フレームU1に上透明パネルU2(例えば、ポリカーボネイト板)がはめ込まれたものである。
【0058】
また、下側壁Dは、アルミ製の角パイプからなる下フレームD1の上方に下透明パネルD2がはめ込まれ、下方に不透明パネルD3(例えば、防虫網付きのアルミパンチングメタル)が取り付けられたものである。
【0059】
そして、図7B図8に示すように、下側壁Dの下フレームD1が、上側壁Uの上フレームU1に嵌入されており、上側壁Uが下側壁Dに対して昇降可能になっている。また、この上フレームU1と下フレームD1が抜けないように、抜け止めピンD4が下フレームD1の側面に設けられ、この抜け止めピンD4の移動範囲を規制する係合長孔U3が上フレームU1の側面に設けられている。
このような構成により、第1拡張領域用側壁71は、本体側壁7と同様に伸縮支柱4の伸縮動作に伴い伸縮可能となっている。
【0060】
また、第1拡張領域用側壁71には、図7Aに示すように、上端の左右2箇所にランナー33が配設され、ランナー33と同一線上の下端の2箇所にガイド34が配設されている。
【0061】
そして、本体屋根6と第1拡張屋根61~第3拡張屋根63からなる拡張上面部2Bの下面側には、図8Aに示すように、第1拡張領域用側壁71のランナー33が係合可能な溝状の上レール31(例えば、岡田装飾D30)が、拡張上面部2Bの4辺に沿って配設されている。
【0062】
また、本体床5と第1拡張床51~第5拡張床55からなる拡張底面部1Bの上面側には、図8Aに示すように、第1拡張領域用側壁71のガイド34が係合可能な溝状の下レール32(例えば、アトムSW-500U)が、上レール31と対向して配設されている。
これにより、第1拡張領域用側壁71は、上レール31と下レール32に沿ってスライド可能に保持される。
【0063】
また、第2拡張領域用側壁72~第8拡張領域用側壁78についても、第1拡張領域用側壁71と同様の構成となっており、これらの側壁も上レール31と下レール32に沿ってスライド可能に保持される。一方で、第1拡張領域用側壁71~第8拡張領域用側壁78は、拡張時の拡張領域において設置される場所が異なることから、その幅(スライド方向の長さ)は後述する設置場所に伴い異なっている。本実施形態において、第1拡張領域用側壁71は約2030mm、第2拡張領域用側壁72と第5拡張領域用側壁75~第8拡張領域用側壁78は約1080mm、第3拡張領域用側壁73は約950mm、第4拡張領域用側壁74は約1370mmとなっている。
【0064】
このような構成の第1拡張領域用側壁71~第8拡張領域用側壁78は、本実施形態帯においては、搬送時、図4に示すように、第1拡張領域用側壁71~第4拡張領域用側壁74は車両Tの左側面に収容され(第2拡張領域用側壁72と第3拡張領域用側壁73は前後方向に並べて収容)、第5拡張側壁75~第8拡張側壁78は、前方側面に収容される。
【0065】
そして、拡張時は、図4に示すように、第1拡張領域用側壁71は拡張空間の左側面に、第3拡張領域用側壁73と第4拡張領域用側壁74は拡張空間の後方側面に、第2拡張領域用側壁72と第6拡張領域用側壁76~第8拡張領域用側壁78は拡張された右側面に、第5拡張領域用側壁75は拡張空間の前方側面に設置される。
【0066】
このように、拡張式荷台100の拡張状態において、第1拡張領域用側壁71~第8拡張領域用側壁78は、拡張上面部2Bにスライド可能に保持された構成となっている。これにより、拡張式荷台100への拡張時の出入口を所望の位置に設けることができる。また、例えば、天候にあわせて、拡張領域用側壁を増減させて、開放空間や閉鎖空間を設定することができる。
【0067】
また、本実施形態においては、第1~第8の拡張領域用側壁が、上端のランナー33だけでなく下端のガイド34も有し、上レール31に係合してスライドするだけでなく、下レール32にも係合してスライドする構成となっている。したがって、拡張底面部1Bと拡張上面部2Bの間を拡張領域用側壁が安定して保持されることになるので、スライド動作を安定して行うことができるだけでなく、側壁としても安定した状態を保持できる。
【0068】
また、本実施形態においては、本体側壁7と共に第1~第8の拡張領域用側壁が、伸縮支柱4の伸縮動作に伴い伸縮可能な構成となっている。つまり、上面部2Aあるいは拡張上面部2Bが昇降すると、これに伴って側壁も伸縮する(側面部3A⇔拡張側面部3B)ことになる。
【0069】
したがって、搬送時の拡張式荷台100の高さを抑えることができる。大型の車両であれば荷台が高くなっても問題は少ないが、本実施形態のような小型の車両Tの場合には、拡張式荷台100の高さが大きくなってしまうと、拡張式荷台100による搬送時の空気抵抗も大きくなってしまう。しかしながら、本実施形態のように拡張式荷台100の高さを抑えることで、空気抵抗も抑えることができる。とくに車両Tに関しては、電気自動車が今後ますます普及していくことから、空気抵抗の抑制は重要となる。
【0070】
また、用途に合わせて側壁の高さを調整することもできる。また、第1~第8の拡張領域用側壁が、上側壁Uと下側壁Dとの構成により伸縮可能となっており、単にぶら下がっている側壁が昇降する構成ではないので、拡張時に上側及び下側の両方が側壁においてカバーされるため、例えば、虫の侵入のようなことも防ぐことができる。
【0071】
なお、本実施形態で示した拡張上面部2Bにスライド可能に保持された拡張領域用側壁のスライドの構造に関しては、スライディングウォールとも呼ばれるいわゆる可動間仕切壁の構造を基にしたものではあるが、他の構造を用いることもできる。
【0072】
また、本実施形態においては、拡張領域用側壁が拡張時に保持されることになる上レール31と下レール32は、後方側面では拡張上面部2Bと拡張底面部1Bの対応する位置に2本並列して設けられており、右側面では拡張上面部2Bと拡張底面部1Bの対応する位置に3本並列して設けられており、隣接する拡張領域用側壁が異なるレール上に位置するように設置している。このため、任意の拡張領域用側壁を使用途中で簡単に移動できるようになっている。しかしながら、レールの数を異なる本数に増減させて設けても構わない。
また、本実施形態においては、拡張領域用側壁は搬送時の上面部2Aに最初から保持されていたが、拡張の途中で拡張領域用側壁を取り付けて保持する構成としても構わない。
【0073】
[自動車用拡張式荷台の拡張手順]
本実施形態の拡張式荷台100の拡張手順の一例について図9を用いて説明する。搬送時の拡張式荷台100の状態から、まず外部からのスイッチ操作により伸縮支柱4であるアクチュエータを伸展させる(S1)。
【0074】
この伸展に伴い、上面部2Aを構成する本体屋根6と拡張屋根61も上方に持ち上がると共に、これらと一緒に側面部3Aを構成する右側面の第2拡張屋根62と第3拡張屋根63も上方に持ち上がる。また更に、側面部3Aを構成する本体側壁7と左側面の第1拡張領域用側壁71~第4拡張領域用側壁74、前方側面の第5拡張領域用側壁75~第8拡張領域用側壁78も伸展することになる。
【0075】
次に、掴み18によって、第4拡張床54が重畳されたままの第2拡張床52を後方向にスライドさせて引き出す(S2)。
この引き出しに伴い、第2拡張床52と第4拡張床54だけでなく、第2拡張床52に第2隠しヒンジ14で連結されている第1拡張床51とこれに重畳されている第3拡張床53も一緒に引き出される。
【0076】
次に、第3拡張床53と第4拡張床54を右方向にスライドさせて引き出す(S3)。
次に、把手26を持って第1拡張屋根61を後方向にスライドさせて引き出す(S4)
この引き出しに伴い、第1拡張屋根61に第2ヒンジ28で連結されている第3拡張屋根63も一緒に後方向に移動する。
次に、搬送時の側面部3Aの右側面を構成し、倒された状態となっている第2拡張屋根62と第3拡張屋根63を起こして横方向に展開する(S5)。この横方向に展開し水平状態となっている第2拡張屋根62と第3拡張屋根63は、図示せぬ固定手段によってこの水平状態を固定しておく。この状態となることで拡張式荷台100の拡張上面部2Bが完成する。
【0077】
次に、搬送時の側面部3Aの右側面を構成し、立設された状態となっている第5拡張床55を倒して横方向に展開する(S6)。この状態となることで拡張式荷台100の拡張底面部1Bが完成する。なお、この時や先述のS4の際に、脚8を各拡張床の裏面に配置して各拡張床を支えておくとよい。
【0078】
次に、第1拡張領域用側壁71~第8拡張領域用側壁78をスライドさせて所定の位置に配置する(S7)。この各拡張領域用側壁の配置が完了することで拡張式荷台100の拡張側面部3Bが完成する。
【0079】
なお、本実施形態において拡張領域用側壁の移動は、次のような順で行っている。まず、第1拡張領域用側壁71を右側面の位置へとスライドさせて配置する。次に、第2拡張領域用側壁72を右側面の位置(後方側面寄り)へとスライドさせて配置する。次に、第3拡張領域用側壁73を後方側面の位置(右側面寄り)へとスライドさせて配置する。次に、第4拡張領域用側壁74を後方側面の位置(左側面寄り)へとスライドさせて配置する。次に、第8拡張領域用側壁78を右側面の位置(第2拡張領域用側壁72の隣)へとスライドさせて配置する。次に、第7拡張領域用側壁77を右側面の位置(第8拡張領域用側壁78の隣)へとスライドさせて配置する。次に、第6拡張領域用側壁76を右側面の位置(前方側面寄り)へとスライドさせて配置する。次に、第5拡張領域用側壁55を前方足目の位置へとスライドさせて配置する。
【0080】
また、本実施形態で示した拡張式荷台100の拡張手順はあくまでも一例であり、拡張手順は異なる手順とすることも可能である。例えば、S1とS2の順番を入れかえたり、S3とS4の順番を入れかえたり、S3とS6の順番を入れ替えたりしても構わない。
【0081】
[自動車用拡張式荷台の使用例]
拡張式荷台100は、拡張時において、例えば、移動販売車やキャンピングカーとして使用できる。また、物品の展示用スペースや災害時の避難スペースとしても使用できる。
特に本実施形態の拡張式荷台100は、拡張底面部1Bは面一となっているため、段差がないことからこれらの用途に非常に適している。
【0082】
また、第1拡張領域用側壁71~第8拡張領域用側壁78は、拡張上面部2Bにスライド可能に保持された構成となっているため、拡張領域用側壁をスライドさせて、任意の位置に出入口を設けたり、拡張空間を開放空間として閉鎖空間としたりすることができ、非常に自由度が高く、様々な用途に使用できる。このような使用の具体例について、図10を用いて説明する。図10Aは拡張された右側面を全て開放して、屋台のような開放空間にした例である。
【0083】
また、拡張式荷台100は1つだけで使用するのではなく、複数個用いて使用することもできる。例えば、図10Bは2台の自動車用拡張式荷台100の右側面を連結させた例であり、図10Cは後ろ側面を連結させた例である。このような使用例においても、拡張領域用側壁を適宜スライドさせ、開放された側面を対向させることで、複数の拡張式荷台100の床を往来可能にすることができる。これにより非常に広いスペースを設けることができる。
【0084】
また、図10Bは、2台の車両が互い違いの向きとなっているが、同じ向きに複数台並べて、第1拡張床51~第4拡張床54からなる床面上の側面を互いに開放して連結しおくことで、広いステージを形成するような使用も可能となる。このような場合、
【0085】
なお、上述の実施形態では、上面部2Aと底面部1Aが後方向と横方向の両方に拡張したが、本発明の自動車用拡張式荷台は後方向と横方向のいずれか一方のみの拡張にも適用することができる。このような一方のみの拡張は、大型の車両に用いる自動車用拡張式荷台に適している。
【符号の説明】
【0086】
100:自動車用拡張式荷台(拡張式荷台)
1A:底面部
1B:拡張底面部
13:第1隠しヒンジ
14:第2隠しヒンジ
15:第2スライドレール
17:第3スライドレール
18:掴み
2A:上面部
2B:拡張上面部
21:第1スライドレール
26:把手
3A:側面部
3B:拡張側面部
31:上レール
32:下レール
4:伸縮支柱
5:本体床
51~55:第1拡張床~第5拡張床
6:本体屋根
61~63:第1拡張屋根~第3拡張屋根
7:本体側壁
71~78:第1拡張領域用側壁~第8拡張領域用屋根
8:脚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10