(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115034
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20240819BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20240819BHJP
【FI】
A63F13/80 E
A63F13/533
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020472
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パズル盤面に配置されたピースに対するユーザの移動操作の支援を改善する。
【解決手段】複数のピースが配置されたパズル盤面を表示し、複数のピースの中から第1ピースに対するユーザの選択操作を受け付け、第1ピースの選択を受け付けた状態で、第1ピースに対するユーザの移動操作を受け付け、ユーザの移動操作に基づいて第1ピースを移動させて、第1ピースの位置を第2ピースの位置と入れ替え、入れ替えられた第1ピースと第3ピースとの位置関係がマッチ条件を満たす場合、マッチ条件に応じたゲーム効果を発揮させ、第1ピースの選択を受け付けた際、複数のピースの中から、第1ピースの移動によりマッチ条件を満たすことが可能な第3ピースを特定し、第3ピースが特定された状態で第1ピースの移動操作が受け付けられた場合、移動操作の方向に関わらず、マッチ条件を満たす位置関係となる方向に第1ピースを移動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
複数のピースが配置されたパズル盤面を表示する表示制御手段、
前記複数のピースの中から第1ピースに対するユーザの選択操作を受け付ける選択受付手段、
前記第1ピースの選択を受け付けた状態で、前記第1ピースに対する前記ユーザの移動操作を受け付ける移動受付手段、
前記ユーザの移動操作に基づいて前記第1ピースを移動させて、前記第1ピースの位置を前記パズル盤面における第2ピースの位置と入れ替える移動制御手段、
前記入れ替えられた前記第1ピースと、前記第1ピースおよび前記第2ピースとは異なる第3ピースとの位置関係がマッチ条件を満たす場合、前記マッチ条件に応じたゲーム効果を発揮する実行手段、として機能させ、
前記コンピュータを、前記第1ピースの選択を受け付けた際、前記複数のピースの中から、前記第1ピースの移動により前記マッチ条件を満たすことが可能な前記第3ピースを特定する特定手段としてさらに機能させ、
前記移動制御手段は、前記第3ピースが特定された状態で前記第1ピースの移動操作が受け付けられた場合、前記移動操作の方向に関わらず、前記マッチ条件を満たす前記位置関係となる方向に前記第1ピースを移動させる、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記特定手段は、前記第1ピースにおいて前記選択操作が解除されることなく前記移動操作が受け付けられた場合、前記複数のピースの中から、移動させる前記第1ピースの入れ替え先となる前記第2ピースを特定し、
前記移動制御手段は、前記選択操作を解除することにより、前記第1ピースと前記第2ピースとの入れ替えを実行する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記移動制御手段は、前記移動操作の方向に関わらず、前記移動操作による前記第1ピースの移動量に基づいて、前記マッチ条件を満たす前記位置関係となる方向に前記第1ピースを移動させる、
請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記移動制御手段は、前記位置関係となる位置まで第1ピースが移動した後の更なる前記移動操作により前記位置関係が成立しない状態で前記選択操作を解除した場合、前記第1ピースの移動をキャンセルする、
請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記移動制御手段は、
前記位置関係となる位置まで第1ピースが移動した場合、更なる前記移動操作による移動量に基づいて前記第1ピースを更に移動させない状態にし、
前記状態における更なる前記移動操作による移動量が閾値を超えた場合、前記第1ピースを再び移動させる、
請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記特定手段は、前記特定された第3ピースと前記第1ピースとの位置関係が複数パターン存在する場合、複数パターンの前記位置関係の中からマッチ対象とする位置関係を特定し、
前記移動制御手段は、前記移動操作の方向に関わらず、前記特定された位置関係となる方向に前記第1ピースを移動させる、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記特定手段は、前記移動操作の方向に基づいて、前記複数パターンの位置関係の中からマッチ対象とする位置関係を特定する、
請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記特定手段は、前記複数パターンの位置関係それぞれが満たす前記マッチ条件に応じたゲーム効果に基づいて、前記マッチ対象とする位置関係を特定する、
請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、前記ユーザの操作入力に基づいて、前記マッチ対象とする位置関係に関する設定情報を登録する登録手段としてさらに機能させ、
前記特定手段は、前記設定情報に基づいて、前記マッチ対象とする位置関係を特定する、
請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
複数のピースが配置されたパズル盤面を表示する表示制御手段、
前記複数のピースの中から第1ピースに対するユーザの選択操作を受け付ける選択受付部と、
前記第1ピースの選択を受け付けた状態で、前記第1ピースに対する前記ユーザの移動操作を受け付ける移動受付部と、
前記ユーザの移動操作に基づいて前記第1ピースを移動させて、前記第1ピースの位置を前記パズル盤面における第2ピースの位置と入れ替える移動制御部と、
前記入れ替えられた前記第1ピースと、前記第1ピースおよび前記第2ピースとは異なる第3ピースとの位置関係がマッチ条件を満たす場合、前記マッチ条件に応じたゲーム効果を発揮する実行部と、を備え、
前記第1ピースの選択を受け付けた際、前記複数のピースの中から、前記第1ピースの移動により前記マッチ条件を満たすことが可能な前記第3ピースを特定する特定部をさらに備え、
前記移動制御部は、前記第3ピースが特定された状態で前記第1ピースの移動操作が受け付けられた場合、前記移動操作の方向に関わらず、前記マッチ条件を満たす前記位置関係となる方向に前記第1ピースを移動させる、
ゲーム装置。
【請求項11】
複数のピースが配置されたパズル盤面を表示する表示制御手段、
前記複数のピースの中から第1ピースに対するユーザの選択操作を受け付ける選択受付部と、
前記第1ピースの選択を受け付けた状態で、前記第1ピースに対する前記ユーザの移動操作を受け付ける移動受付部と、
前記ユーザの移動操作に基づいて前記第1ピースを移動させて、前記第1ピースの位置を前記パズル盤面における第2ピースの位置と入れ替える移動制御部と、
前記入れ替えられた前記第1ピースと、前記第1ピースおよび前記第2ピースとは異なる第3ピースとの位置関係がマッチ条件を満たす場合、前記マッチ条件に応じたゲーム効果を発揮する実行部と、を備え、
前記第1ピースの選択を受け付けた際、前記複数のピースの中から、前記第1ピースの移動により前記マッチ条件を満たすことが可能な前記第3ピースを特定する特定部をさらに備え、
前記移動制御部は、前記第3ピースが特定された状態で前記第1ピースの移動操作が受け付けられた場合、前記移動操作の方向に関わらず、前記マッチ条件を満たす前記位置関係となる方向に前記第1ピースを移動させる、
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パズル盤面に配置されたピースを移動させて、移動させたピースを含むピース群がマッチ条件を満たした場合にゲーム効果(例えば、マッチ条件を満たしたピース群を消去するなど)を発揮するパズルゲームの技術が知られている(特許文献1参照)。この技術では、例えば、複数のピースのうちのいずれかを選択する操作をユーザが行うと、選択されたピースから連続して選択可能なピースを他のピースと異なる態様で表示することで、ユーザの選択操作を支援することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のゲームでは、ピースに対するユーザの選択操作を支援することはできるものの、ピースに対するユーザの移動操作の支援に関しては改善の余地がある。
【0005】
本開示は、パズル盤面に配置されたピースに対するユーザの移動操作の支援を改善できるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、コンピュータを、複数のピースが配置されたパズル盤面を表示する表示制御手段、複数のピースの中から第1ピースに対するユーザの選択操作を受け付ける選択受付手段、第1ピースの選択を受け付けた状態で、第1ピースに対するユーザの移動操作を受け付ける移動受付手段、ユーザの移動操作に基づいて第1ピースを移動させて、第1ピースの位置をパズル盤面における第2ピースの位置と入れ替える移動制御手段、入れ替えられた第1ピースと、第1ピースおよび第2ピースとは異なる第3ピースとの位置関係がマッチ条件を満たす場合、マッチ条件に応じたゲーム効果を発揮する実行手段、として機能させ、コンピュータを、第1ピースの選択を受け付けた際、複数のピースの中から、第1ピースの移動によりマッチ条件を満たすことが可能な第3ピースを特定する特定手段としてさらに機能させ、移動制御手段は、第3ピースが特定された状態で第1ピースの移動操作が受け付けられた場合、移動操作の方向に関わらず、マッチ条件を満たす位置関係となる方向に第1ピースを移動させるゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、特定手段は、第1ピースにおいて選択操作が解除されることなく移動操作が受け付けられた場合、複数のピースの中から、移動させる第1ピースの入れ替え先となる第2ピースを特定し、移動制御手段は、選択操作を解除することにより、第1ピースと第2ピースとの入れ替えを実行することができる。
【0008】
また、第1の側面において、移動制御手段は、移動操作の方向に関わらず、移動操作による第1ピースの移動量に基づいて、マッチ条件を満たす位置関係となる方向に第1ピースを移動させることができる。
【0009】
また、第1の側面において、移動制御手段は、位置関係となる位置まで第1ピースが移動した後の更なる移動操作により位置関係が成立しない状態で選択操作を解除した場合、第1ピースの移動をキャンセルすることができる。
【0010】
また、第1の側面において、移動制御手段は、位置関係となる位置まで第1ピースが移動した場合、更なる移動操作による移動量に基づいて第1ピースを更に移動させない状態にし、状態における更なる移動操作による移動量が閾値を超えた場合、第1ピースを再び移動させることができる。
【0011】
また、第1の側面において、特定手段は、特定された第3ピースと第1ピースとの位置関係が複数パターン存在する場合、複数パターンの位置関係の中からマッチ対象とする位置関係を特定し、移動制御手段は、移動操作の方向に関わらず、特定された位置関係となる方向に第1ピースを移動させることができる。
【0012】
また、第1の側面において、特定手段は、移動操作の方向に基づいて、複数パターンの位置関係の中からマッチ対象とする位置関係を特定することができる。
【0013】
また、第1の側面において、特定手段は、複数パターンの位置関係それぞれが満たすマッチ条件に応じたゲーム効果に基づいて、マッチ対象とする位置関係を特定することができる。
【0014】
また、第1の側面において、コンピュータを、ユーザの操作入力に基づいて、マッチ対象とする位置関係に関する設定情報を登録する登録手段としてさらに機能させ、特定手段は、設定情報に基づいて、マッチ対象とする位置関係を特定することができる。
【0015】
第2の側面は、複数のピースが配置されたパズル盤面を表示する表示制御手段、複数のピースの中から第1ピースに対するユーザの選択操作を受け付ける選択受付部と、第1ピースの選択を受け付けた状態で、第1ピースに対するユーザの移動操作を受け付ける移動受付部と、ユーザの移動操作に基づいて第1ピースを移動させて、第1ピースの位置をパズル盤面における第2ピースの位置と入れ替える移動制御部と、入れ替えられた第1ピースと、第1ピースおよび第2ピースとは異なる第3ピースとの位置関係がマッチ条件を満たす場合、マッチ条件に応じたゲーム効果を発揮する実行部と、を備え、第1ピースの選択を受け付けた際、複数のピースの中から、第1ピースの移動によりマッチ条件を満たすことが可能な第3ピースを特定する特定部をさらに備え、移動制御部は、第3ピースが特定された状態で第1ピースの移動操作が受け付けられた場合、移動操作の方向に関わらず、マッチ条件を満たす位置関係となる方向に第1ピースを移動させるゲーム装置である。
【0016】
第3の側面は、複数のピースが配置されたパズル盤面を表示する表示制御手段、複数のピースの中から第1ピースに対するユーザの選択操作を受け付ける選択受付部と、第1ピースの選択を受け付けた状態で、第1ピースに対するユーザの移動操作を受け付ける移動受付部と、ユーザの移動操作に基づいて第1ピースを移動させて、第1ピースの位置をパズル盤面における第2ピースの位置と入れ替える移動制御部と、入れ替えられた第1ピースと、第1ピースおよび第2ピースとは異なる第3ピースとの位置関係がマッチ条件を満たす場合、マッチ条件に応じたゲーム効果を発揮する実行部と、を備え、第1ピースの選択を受け付けた際、複数のピースの中から、第1ピースの移動によりマッチ条件を満たすことが可能な第3ピースを特定する特定部をさらに備え、移動制御部は、第3ピースが特定された状態で第1ピースの移動操作が受け付けられた場合、移動操作の方向に関わらず、マッチ条件を満たす位置関係となる方向に第1ピースを移動させるゲームシステムである。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、パズル盤面に配置されたピースに対するユーザの移動操作の支援を改善できるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態におけるパズルゲームのピースの移動操作とピースの移動との関係を模式的に示す図である。
【
図3】本実施形態におけるパズルゲームの概要を模式的に示す図である。
【
図4】本実施形態におけるパズルゲームの概要を模式的に示す図である。
【
図5】本実施形態におけるゲームシステムの一連の動作の流れを表すフロー図である。
【
図6】本実施形態におけるパズルゲームの概要を模式的に示す図である。
【
図7】本実施形態におけるパズルゲームの概要を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態]
本開示の実施形態にかかるゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0020】
<ゲームの説明>
図1に示すゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0021】
本実施形態にかかるゲームは、ゲームシステム1にて実行されるオンラインのパズルゲームである。ゲームシステム1では、ユーザがゲーム装置5を操作することにより、
図2~4に示されるようなパズルゲームをプレイすることができる。
【0022】
パズルゲームにおいて、ゲーム装置5のユーザは、仮想ゲーム空間内で、パズル盤面に配置された複数のピースを表示させ、設定されたマッチ条件を満たすために、複数のピースの中から1つのピースを選択したり、選択したピースを移動させたりする。マッチ条件は、例えば、ゲーム効果を発揮させるための条件である。本実施形態では、パズルゲームをいわゆるマッチ3ゲームとし、マッチ条件を、縦または横に同一種類のピースを3つ以上揃えることとするが、本開示の技術に係るパズルゲームおよびマッチ条件をこれに限定する趣旨ではない。例えば、マッチ条件は、縦または横に同一種類のピースを4つ以上揃えること、縦または横に限らず3つ以上のピースが一繋がりに配置されていること(L字型や十字型、四角形配置等)であってもよい。
【0023】
パズルゲームでは、例えば、ゲーム画面に次々と出現する複数種類のピースの中から、同一種類のピースをタッチオン(選択操作の一態様)して選択し、選択したピースをタッチオフせずにそのままスライド操作(移動操作の一態様)により移動させる。そして、この移動によるピースの位置関係により複数のピースを揃えて消していくものである。本実施形態では、ピースの種類として、後述する
図2~4の例で示すような「●」、「○」、「△」、および「×」が存在する例を説明する。
【0024】
本実施形態では、パズルゲームにおいて、動作モードとして通常モードと操作アシストモードの2つのモードが存在する例を説明するが、動作モードをこれに限定する趣旨ではない。操作アシストモードは、初心者などのパズルゲームに慣れていないユーザ向けのモードである。操作アシストモードが有効の際、ゲームシステム1では、マッチ条件を満たすように、ピースを一部自動で移動させ、ピースに対するユーザの移動操作を支援する。
【0025】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5、を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0026】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。
【0027】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0028】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0029】
<ゲームシステム1の構成>
以下、
図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5それぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0030】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0031】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能接続されている。
【0032】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221などの各種データなどが記憶されている。
【0033】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報(ステータスなど)、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額などが、対応づけて記憶されている。
【0034】
「消費媒体」とは、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、例えば、パズルのクエストのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。
【0035】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0036】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232として機能する。
【0037】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽せん要求、クエスト実行要求、アカウント情報などが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0038】
「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(例えば、スタミナの回復やマッチ条件を満たした際のゲーム効果を高めるアイテムなど)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽せん方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDB221に記憶され管理される。
【0039】
-照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0040】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作処理部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作処理部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0041】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0042】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0043】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続され、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0044】
操作処理部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0045】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。
【0046】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0047】
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、音声制御手段562、表示制御手段563、受付手段564、実行手段565、特定手段566として機能する。
【0048】
―通信手段561―
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。
【0049】
通信手段561は、操作処理部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽せん処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などを、サーバ装置2から受信する。
【0050】
―音声制御手段-
音声制御手段562は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてスピーカ62の音声出力制御を行う。
【0051】
―表示制御手段-
表示制御手段563は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示出力制御を行う。具体的には、まず、表示制御手段563は、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。次いで、表示制御手段563は、生成したゲーム画像情報をグラフィック処理部52によって処理させる。そして、表示制御手段563は、ディスプレイ61に処理後のゲーム画像を逐次表示する。
【0052】
表示制御手段563は、複数のピースが配置されたパズル盤面を含むゲーム画面を、ディスプレイ61に表示する。表示制御手段563は、例えば、ゲーム中に、
図3~4に示すパズル盤面PBをディスプレイ61に表示する。
【0053】
―受付手段-
受付手段564は、タッチパッド63および操作処理部54を介して、ユーザによる座標位置の指定を伴う入力を受け付ける。受付手段564は、例えば、動作モードを通常モードと操作アシストモードとで切り替えるためのユーザの操作入力を受け付けてもよい。
【0054】
受付手段564は、選択受付手段5641を備える。選択受付手段5641は、複数のピースの中から第1ピースに対するユーザの選択操作を受け付ける。第1ピースは、ユーザの選択操作による選択対象のピースである。
【0055】
受付手段564は、移動受付手段5642を備える。移動受付手段5642は、選択受付手段5641により第1ピースの選択を受け付けた状態で、第1ピースに対するユーザの移動操作を受け付ける。
【0056】
―実行手段-
実行手段565は、自装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行する。そして、実行手段565は、ゲーム画像上に、自装置5のユーザの操作に従ってピースやキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間のパズル盤面PBにおけるピースの移動を制御する。例えば、実行手段565は、ユーザのタッチパッド63を介した操作に応じて、ピースの移動などの動作制御を実行させる。
【0057】
実行手段565は、後述する移動制御手段5651により第2ピースと入れ替えられた際の第1ピースと、第3ピースとの位置関係がマッチ条件を満たす場合、マッチ条件に応じたゲーム効果(以下、単に「ゲーム効果」ともいう)を発揮する。
【0058】
第2ピースは、例えば、第1ピースとは異なるピースであり、第1ピースの移動により第1ピースと位置を入れ替える対象のピースある。また、第3ピースは、第1ピースおよび第2ピースとは異なるピースである。
【0059】
ゲーム効果は、例えば、位置関係がマッチ条件を満たす第1ピースと第3ピースとをパズル盤面から消去するものであってもよい。実行手段565は、例えば、消去させたピースの分、消去させたピースそれぞれについてパズル盤面の所定の方向(例えば、上方向)に位置するピースを移動させる、もしくは新たなピースを補充させてもよい。この移動または補充により、移動または補充させたピースを含む新たなピース群がマッチ条件を満たす場合、実行手段565は、ユーザが操作することなく、連続してこのピース群を消去させてもよい(いわゆる「連鎖」を発生させてもよい)。マッチ条件を満たす、(入れ替えた際の)第1ピースと第3ピースとの位置関係を、単に「位置関係」ともいう。
【0060】
実行手段565は、例えば、上記のように消去したピースに応じてユーザに消費媒体を付与、またはスコアを加算してもよい。また、実行手段565は、ピースの消去がパズルゲームのクエストのクリア条件を満たす場合、このクエストをクリアとしてもよい。クリア条件は、例えば、ターン回数以内に所定種類のピースを設定された個数消去すること、加算したスコアが閾値を超えるなどであってもよい。
【0061】
実行手段565は、移動制御手段5651を備える。移動制御手段5651は、移動受付手段5642により受け付けられたユーザの移動操作に基づいて、第1ピースを移動させる。移動制御手段5651は、この第1ピースの移動により、第1ピースの位置をパズル盤面における第2ピースの位置と入れ替える。
【0062】
例えば、マッチ条件を満たす位置関係となる位置(以下、「マッチ位置」ともいう)に第1ピースが移動させた状態で第1ピースに対する選択操作が解除された場合、移動制御手段5651は、第1ピースの位置と第2ピースの位置とを入れ替えてもよい。マッチ位置は、例えば、第2ピースと入れ替え後の第1ピースが同一種類の第3ピースと共に縦または横に3つ以上揃う位置であってもよい。
【0063】
移動制御手段5651は、例えば、後述する特定手段566により第3ピース(言い換えれば、第1ピースと共にマッチ条件を満たすためのピース)が特定された状態で第1ピースの移動操作が受け付けられた場合、ユーザの移動操作の方向に関わらず、マッチ条件を満たす位置関係となる方向に第1ピースを移動させてもよい。移動制御手段5651は、例えば、特定された第3ピース(具体的には、第3ピースと横に揃うための入れ替え対象の第2ピース)が第1ピースの上方向に配置されている場合、移動操作の方向が下方向や左右方向であってもそれに関わらず、上方向に第1ピースを移動させてもよい。
【0064】
上記構成によれば、ユーザが判断や移動操作を誤ってマッチ条件を満たせない方向に第1ピースを移動させてしまっても、マッチ条件を満たすような方向に第1ピースを移動させることができる。このため、移動制御手段5651は、ピースに対するユーザの移動操作の支援を改善できる。
【0065】
移動制御手段5651は、例えば、第1ピースに対するユーザの選択操作を解除することにより、第1ピースと、特定手段566により特定された第2ピースとの入れ替えを実行してもよい。このような構成によれば、例えば、第2ピースを入れ替えるための別の操作をすることなく、第1ピースに対するタッチオンやクリックなどの選択操作を解除するだけで第1ピースと第2ピースとの入れ替えを実行することができる。このため、ユーザの操作を単純にすることができ、ユーザはピースの入れ替えを容易に行うことができる。
【0066】
移動制御手段5651は、例えば、ユーザの移動操作の方向に関わらず、この移動操作による第1ピースの移動量に基づいて、マッチ条件を満たす位置関係となる方向に第1ピースを移動させてもよい。移動制御手段5651は、移動操作による第1ピースの移動量に比例させて第1ピースを移動させてもよい。第1ピースの移動量は、例えば、第1ピースの移動の開始位置から終了位置までの線分の長さであってもよいし、移動の開始から終了までの第1ピースの移動距離の累計であってもよい。また、他の例として、第1ピースの移動量は、第1ピースの移動操作の継続時間(例えば、第1ピースをスライド操作し続けた時間)であってもよい。このような構成によれば、第1ピースの移動方向は自動であっても、第1ピースの移動量により第1ピースの移動を手動で制御することができる。
【0067】
移動制御手段5651は、例えば、マッチ条件を満たす位置関係となる位置まで第1ピースが移動した後の更なるユーザの移動操作によりこの位置関係が成立しない状態でユーザの選択操作を解除した場合、第1ピースの移動をキャンセルしてもよい。例えば、ユーザが、マッチ位置まで第1ピースを移動した後、さらに第1ピースの移動操作を行ってマッチ位置ではない位置(例えば、マッチ位置を通りすぎた位置やマッチ位置から引き返した位置など)で第1ピースに対する選択操作を解除した場合、移動制御手段5651は、第1ピースの移動をキャンセルしてもよい。このような構成によれば、ユーザは、第1ピースを移動させてマッチ位置に到達してしまっても、マッチ位置ではない位置まで移動させることで第1ピースの移動をキャンセルさせることができる。
【0068】
移動制御手段5651は、例えば、マッチ条件を満たす位置関係となるマッチ位置まで第1ピースが移動した場合、更なるユーザの移動操作による移動量に基づいて第1ピースを更に移動させない状態にしてもよい。具体的には、移動制御手段5651は、第1ピースが第2ピースまで到達した後は、さらにスライド操作しても第1ピースがそれ以上移動しないようにしてもよい。また、移動制御手段5651は、このような移動させない状態における更なるユーザの移動操作による移動量が閾値を超えた場合、第1ピースを再び移動させてもよい。
【0069】
上記構成によれば、第1ユーザが移動操作を多少行き過ぎても第1ピースはマッチ位置でとどまらせてマッチ条件を満たすようにすることができる。また、さらに移動操作をした場合にはその移動量に応じて第1ピースがマッチ位置を通りすぎるようにすることもできる。よって、ユーザの移動操作に余裕を持たせることができるため、使い勝手のよいパズルゲームを提供することができる。
【0070】
<ピースに対する移動操作とピースの移動との関係>
ここで
図2を用いて、ピースに対する移動操作と移動操作によるピースの移動との関係の一例を説明する。本例では、スライド操作による移動距離に対して、第1閾値t1と第2閾値t2を設定するものとする。この移動距離は、例えば、スライド操作の開始位置(言い換えれば、第1ピースP1のタッチオン(
図2では、「ON」と表記)の位置)と終了位置との間の線分の距離とする。本例では、第1閾値t1と第2閾値t2との間の範囲においてスライド操作の終了位置がある場合に、マッチ条件を満たす位置関係が成立したと判定するものとする。言い換えれば、第1閾値t1と第2閾値t2との間の範囲内が第1ピースP1のマッチ位置となる。
【0071】
本例では、以下の(1)~(4)のケースについて説明する。いずれのケースにおいても、ユーザは、第1ピースP1をタッチオンで選択し、そのままスライド操作して第1ピースP1を移動させるものとする。
(1)第1閾値tに到達する手前の位置までスライド操作してタッチオフ(
図2では、「OFF」と表記)した場合
(2)第1閾値t1を超え、かつ第2閾値t2に到達する手前の位置(すなわちマッチ位置)までスライド操作してタッチオフした場合
(3)第1閾値t1を超えて、さらにスライド操作して第2閾値t2を超えた位置(すなわち、マッチ位置を超えた位置)までスライド操作してタッチオフした場合
(4)第1閾値t1を超え、かつ第2閾値t2に到達する手前の位置でUターンして、上記(1)と同じ位置まで戻ってタッチオフした場合
【0072】
上記(1)のケースの場合、ユーザは、第1ピースP1を移動させて、第1閾値t1に到達する手前の位置で第1ピースP1からタッチオフする。これにより、移動制御手段5651は、マッチ条件を満たす位置関係が成立しない状態でユーザの選択操作が解除されたとして、第1ピースP1の移動をキャンセルする。移動がキャンセルされた場合、移動制御手段5651は、第1ピースP1を移動の開始位置まで移動させて、元の位置に戻させてもよい。
【0073】
上記(2)のケースの場合、ユーザは、第1ピースP1を移動させて、第1閾値t1と第2閾値t2との間の範囲で第1ピースP1からタッチオフする。これにより、移動制御手段5651は、マッチ条件を満たす位置関係が成立する状態でユーザの選択操作が解除されたとして、第1ピースの移動を確定し、第2ピースP2(不図示)との入れ替えを実行する。
【0074】
上記(3)のケースの場合、ユーザは、第1ピースP1を移動させて、第1閾値t1と第2閾値t2との間の範囲を超えた位置で第1ピースP1からタッチオフする。これにより、移動制御手段5651は、マッチ条件を満たす位置関係が成立しない状態でユーザの選択操作が解除されたとして、第1ピースP1の移動をキャンセルする。移動がキャンセルされた場合、移動制御手段5651は、第1ピースP1を移動の開始位置まで移動させてもよい。なお、第1閾値t1と第2閾値t2との間の範囲内でスライドしている際、移動制御手段5651は、スライド操作に応じて第1ピースP1を移動させないように表示、すなわち第1ピースP1を固定して表示させてもよい。
【0075】
上記(4)のケースの場合、ユーザは、第1ピースP1を移動させて、第1閾値t1と第2閾値t2との間の範囲内でスライド操作をUターンして上記(1)と同様に第1閾値t1の手前の位置で第1ピースP1からタッチオフする。これにより、移動制御手段5651は、マッチ条件を満たす位置関係が成立しない状態でユーザの選択操作が解除されたとして、第1ピースP1の移動をキャンセルする。移動がキャンセルされた場合、移動制御手段5651は、第1ピースP1を移動の開始位置まで移動させてもよい。なお、上記(3)のケースと同様に、第1閾値t1と第2閾値t2との間の範囲内にいる際は、移動制御手段5651は、スライド操作をしても第1ピースP1を移動させないように表示させてもよい。
【0076】
例えば、ユーザがマッチ位置まで第1ピースP1を移動させた後で、マッチ条件を満たさずに(すなわち、ゲーム効果を発揮させずに)別のピースを選択し直したい場合がある。上記構成によれば、さらなるスライド操作により第1ピースP1の移動をキャンセルできるため、ユーザにとって使い勝手のよいパズルゲームを提供することができる。
【0077】
本例のようにスライド操作の開始位置と終了位置との位置関係、すなわち第1ピースP1のタッチオンの位置とタッチオフの位置との位置関係に基づいて第1ピースの移動を確定またはキャンセルを判定するような場合、表示制御手段563は、これらの位置関係を識別可能な態様で表示させてもよい。
【0078】
図1に戻って説明を続ける。実行手段565は、例えば、受付手段564が受け付けたユーザの操作入力に応じて動作モード(通常モードと操作アシストモード)を切り替えてもよい。
【0079】
―特定手段-
特定手段566は、第1ピースの選択を受け付けた際、複数のピースの中から、第1ピースの移動によりマッチ条件を満たすことが可能な第3ピースを特定する。
【0080】
特定手段566は、例えば、第1ピースにおいて選択操作が解除されることなく移動操作が受け付けられた場合、複数のピースの中から、移動させる第1ピースの入れ替え先となる第2ピースを特定してもよい。特定手段566は、この特定された第2ピースと入れ替えた第1ピースに対して、マッチ条件を満たすことが可能な第3ピースを特定してもよい。
【0081】
<受付処理、移動処理、実行処理および表示処理>
図3~4を用いて、受付手段564、実行手段565および表示制御手段563の処理について具体的に説明する。
図3~4は、受付手段568、実行手段565および表示制御手段563の処理を説明するための、ディスプレイ61に表示されるゲーム画面に含まれるパズル盤面PBとパズル盤面PBに配置された複数のピースの一例を示す図である。パズル盤面PBにはマス目があり、1つのマスにつき1つのピースが配置されている。本例では、ユーザが選択する第1ピースP1は上下左右方向に移動可能であり、この選択した第1ピースP1と隣接するピースを、第2ピースP2として入れ替え対象とする。
【0082】
図3~4の例では、第1ピースP1と同一種類の「●」の第3ピースP3(P31、P32)が、第1ピースP1の上方向に互いに隣接して並んで配置されている。また、第1ピースP1と第3ピースP3と異なる種類の「△」の第2ピースP2が、第3ピースP31、P32と同じ横一例に第3ピースP31に隣接して並んで配置されている。
【0083】
図3は、通常モードの場合の一例を説明するための図である。
図3(a)に示すように、ユーザは、パズル盤面PBに配置された複数のピースの中から、ディスプレイ61にタッチオンして第1ピースP1を選択する。選択受付手段5641は、第1ピースP1に対するユーザの選択操作を受け付ける。表示制御手段563は、選択した第1ピースP1と、第1ピースP1を移動させることでマッチ条件を満たすことができる第3ピースP3(P31、P32)のマス目の背景色を、目立たせるように他のピースが配置されたマス目の背景色と異なるように表示させてもよい。
【0084】
ユーザは、第1ピースと入れ替え先の第2ピースとを入れ替えるために、ディスプレイ61に表示された第1ピースをタッチオンしたまま、すなわち第1ピースに対する選択を解除しないままパズル盤面PBの上方向に指をスライド操作する。移動受付手段5642は、第1ピースP1の選択を受け付けた状態で、第1ピースP1に対するユーザのスライド操作を受け付ける。
【0085】
図3(b)に示すように、移動制御手段5651は、上記のスライド操作に基づいて第1ピースP1を移動させて、第1ピースP1の位置をパズル盤面PBにおける第2ピースP2の位置と入れ替える。実行手段565は、入れ替えられた第1ピースP1と、第3ピースP3(P31、P32)との位置関係がマッチ条件を満たす、すなわち横に3つ以上同一種類の「●」のピースが揃うため、このマッチ条件に応じたゲーム効果として、第1ピースP1と第3ピースP3とをパズル盤面PBから消去する。
【0086】
図4は、操作アシストモードの場合のピースの移動の一例を説明するための図である。
図4(a)に示すように、ユーザは、パズル盤面PBに配置された複数のピースの中から、タッチオンして第1ピースP1を選択する。選択受付部5641は、第1ピースP1に対するユーザの選択操作を受け付ける。選択受付手段5641が第1ピースP1の選択を受け付けた際、特定手段566は、複数のピースの中から、第1ピースP1の移動によりマッチ条件を満たすことが可能な第3ピースP31、P32を特定する。
【0087】
例えば、ユーザが、判断や移動操作等を誤って、第1ピースP1をタッチオンしたままパズル盤面PBの下方向に指をスライド操作したとする。この場合、第1ピースP1を仮に下方向に移動させて他のピースPoと入れ替えても、縦または横に3つ以上の同一種類のピースが揃わないため、マッチ条件は満たされない。このため、移動制御手段5651は、第3ピースP31、P32が特定された状態で第1ピースP1の移動操作が受け付けられた場合、ユーザの移動操作の方向が下方向であってもそれに関わらず、マッチ条件を満たす位置関係となる方向、すなわち上方向に第1ピースP1を移動させる。他方、ユーザの移動操作の方向が上方向の場合は、移動制御手段5651は、第1ピースP1を移動操作の方向に応じて移動させて、第1ピースP1の位置をパズル盤面PBにおける第2ピースP2の位置と入れ替えてもよい。実行手段565は、入れ替えられた第1ピースP1と、第3ピースP31、P32との位置関係がマッチ条件を満たすため(横に3つ同一種類のピースが揃うため)、第1ピースP1と第3ピースP31、P32とをパズル盤面PBから消去する。
【0088】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図5を参照して、ゲームシステム1における処理の流れについて説明する。
図5は、パズル盤面PBに表示された複数のピースの中から第1ピースを選択して移動させて、マッチ条件を満たしてゲーム効果を発揮するまでの流れを示すフローチャートである。
【0089】
まず、表示制御手段563は、ディスプレイ61に表示されたゲーム画面600に、複数のピースが配置されたパズル盤面PBを表示する(ステップst1)。
【0090】
次いで、選択受付手段5641は、複数のピースの中から第1ピースP1に対するユーザの選択操作を受け付ける(ステップst2)。
【0091】
次いで、特定手段566は、選択受付手段5641が第1ピースP1の選択を受け付けた際、複数のピースの中から、第1ピースP1の移動によりマッチ条件を満たすことが可能な第3ピースP3を特定する(ステップst3)。
【0092】
次いで、移動受付手段5642は、第1ピースP1の選択を受け付けた状態で、第1ピースP1に対するユーザの移動操作を受け付ける(ステップst4)。
【0093】
次いで、移動制御手段5651は、第3ピースP3が特定された状態で第1ピースP1の移動操作が受け付けられた場合、この移動操作の方向に関わらず、マッチ条件を満たす位置関係となる方向に第1ピースを移動させる(ステップst5)。
【0094】
次いで、移動制御手段5651は、上記第1ピースの移動により、第1ピースP1の位置をパズル盤面PBにおける第2ピースP2の位置と入れ替える(ステップst6)。
【0095】
次いで、実行手段565は、上記入れ替えられた第1ピースP1と、第3ピースP3との位置関係がマッチ条件を満たす場合、マッチ条件に応じたゲーム効果を発揮する(ステップst7)。
【0096】
以上をまとめると、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、複数のピースが配置されたパズル盤面を表示する表示制御手段563、複数のピースの中から第1ピースに対するユーザの選択操作を受け付ける選択受付手段5641、第1ピースの選択を受け付けた状態で、第1ピースに対するユーザの移動操作を受け付ける移動受付手段5642、ユーザの移動操作に基づいて第1ピースを移動させて、第1ピースの位置をパズル盤面における第2ピースの位置と入れ替える移動制御手段5651、入れ替えられた第1ピースと、第1ピースおよび第2ピースとは異なる第3ピースとの位置関係がマッチ条件を満たす場合、マッチ条件に応じたゲーム効果を発揮する実行手段565、として機能させ、コンピュータを、第1ピースの選択を受け付けた際、複数のピースの中から、第1ピースの移動によりマッチ条件を満たすことが可能な第3ピースを特定する特定手段566としてさらに機能させ、移動制御手段5651は、第3ピースが特定された状態で第1ピースの移動操作が受け付けられた場合、移動操作の方向に関わらず、マッチ条件を満たす位置関係となる方向に第1ピースを移動させるものである。
【0097】
<効果>
本実施形態によれば、ユーザが判断や移動操作を誤ってマッチ条件を満たせない方向に第1ピースを移動させてしまっても、マッチ条件を満たすような方向に第1ピースを移動させることができる。このため、ピースに対するユーザの移動操作の支援を改善できる。
【0098】
例えば、ユーザはパズル盤面PBを観察して、いずれのピースを移動させて消去することが最良かを判断して、移動させるべきピースを選択する。この判断を行うことがユーザにとって当該パズルゲームを楽しむことであり、その通りにピースを正確に移動させたかどうかは、単なる作業である。この作業を誤ったとしてもユーザにとってはストレスになるばかりか、正確に行ったこと自体に喜びを感じることはゲーム本来の楽しみではない。従って、本実施形態によれば、ユーザをゲーム本来の楽しみに集中させ、ストレスとなり得る作業から解放することによって、ゲームの興趣性を改善できる。
【0099】
[変形例]
なお、本開示の技術を上記実施形態に基づいて説明してきたが、本開示の技術は、上記実施形態に限定されない。以下のような場合も本開示の技術に含まれる。
【0100】
[第1変形例]
上記実施形態にかかるゲームでは、マッチ条件を満たしうる第1ピースと第3ピースとの位置関係が1つのパターンである存在する例を説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。マッチ条件を満たす位置関係は、複数のパターンが存在してもよい。
【0101】
特定手段566は、例えば、特定手段566により特定された第3ピースP3と、第1ピースP1(特に、第2ピースP2と入れ替えた際の第1ピースP1)との位置関係が複数パターン存在する場合、複数パターンの位置関係の中からマッチ対象とする位置関係を特定してもよい。この特定された第3ピースP3と第1ピースP1との位置関係のパターンを、単に「パターン」ともいう。移動制御手段5651は、例えば、ユーザの移動操作の方向に関わらず、この特定された位置関係となる方向に第1ピースP1を移動させてもよい。
【0102】
パズルゲームにおいてマッチ関係を満たすような位置関係のパターンが複数存在することはよくあることである。上記構成によれば、このように複数のパターンが存在しても、ユーザの移動操作を支援することができる。
【0103】
特定手段566は、例えば、ユーザの移動操作の方向に基づいて、複数パターンの位置関係の中からマッチ対象とする位置関係を特定してもよい。このように移動操作の方向に基づいて位置関係を特定する方法を、以下、「移動操作方向重視」ともいう。このような構成によれば、移動操作の方向をふまえてどの位置関係のパターンを採用するか特定することができる。このため、マッチ条件を満たすように第1ピースを移動させつつ、ユーザの意向をある程度くみ取ることができる。
【0104】
特定手段566は、例えば、複数パターンの位置関係それぞれが満たすマッチ条件に応じたゲーム効果に基づいて、マッチ対象とする位置関係を特定してもよい。このマッチ条件に応じたゲーム効果について、例えば、(a)一度に消去できるピースの数が多い(以下、「個数重視」ともいう)、(b)ピースの消去が連鎖する数が多い(以下、「連鎖重視」ともいう)という2つのケースが考えらえる。
【0105】
上記(a)の場合、特定手段566は、例えば、複数パターンの中から、マッチ条件を満たした際により多くのピースの数を消去できるパターンをマッチ対象とする位置関係として特定してもよい。また、上記(b)の場合、特定手段566は、例えば、複数パターンの中から、マッチ条件を満たした際により多く連鎖してピースを消去できるパターンをマッチ対象とする位置関係として特定してもよい。
【0106】
制御部56は、例えば、各種プログラムを実行することにより、登録手段(不図示)として機能してもよい。登録手段は、ユーザの操作入力に基づいて、マッチ対象とする位置関係に関する設定情報を登録する。なお、設定情報は、ユーザの操作入力により設定されたものでなく、ゲームシステム1においてデフォルト値などとして予め設定されたものであってもよい。設定情報は、例えば、パターンを特定する方法として、移動操作方向重視、個数重視、または個数重視のいずれかを設定するものであってもよい。
【0107】
設定情報は、例えば、残りのターン回数(いわゆる、残りの手数)が閾値未満の場合は連鎖重視を採用し、残りのターン回数が閾値を超える場合は個数重視とするように設定するものであってもよい。例えば、クリア条件が「設定されたターン回数以内に所定種類のピースを設定された個数消去すること」であるような場合、少ないターン回数でより多くのピースを消去したい場合がある。このような構成によれば、残りのターン回数が少ない場合に一度に多くのピースを消去できるため、残りのターン回数に応じてユーザを適切に支援することができる。
【0108】
他の例として、設定情報は、残りの時間が閾値未満の場合は個数重視を採用し、残りの時間が閾値を超える場合は連鎖重視とするように設定するものであってもよい。例えば、クリア条件が「設定された時間以内に所定種類のピースを設定された個数消去すること」であるような場合、少ない時間でより多くのピースを消去したい場合がある。このような構成によれば、残りの時間が少ない場合に一度に多くのピースを消去できるため、残りの時間に応じてユーザを適切に支援することができる。
【0109】
<複数パターンにおける受付処理、移動処理、実行処理および表示処理>
図6~7を用いて、マッチ条件を満たす位置関係が複数パターン存在する際の受付手段564、実行手段565および表示制御手段563の処理について具体的に説明する。本例においても、
図3~4の例と同様に、ユーザが選択する第1ピースP1は上下左右方向に移動可能であり、この選択した第1ピースP1と隣接するピースを第2ピースP2として入れ替え可能とする。
【0110】
図6は、操作アシストモード、かつパターンの特定方法として移動操作方向重視が設定されている場合のピースの移動の一例を説明するための図である。
図6(a)に示すように、ユーザは、パズル盤面PBに配置された複数のピースの中から、タッチオンして第1ピースP1を選択する。選択受付部5641は、第1ピースP1に対するユーザの選択操作を受け付ける。特定手段566は、特定された第3ピースP3と第1ピースP1との位置関係のパターンを特定する。
【0111】
本例では、上記特定されたパターンを第1パターンと第2パターンの2つのパターンとし、かつ、それぞれのパターンが上下方向に分かれている例を説明する。具体的には、第1パターンは第1ピースP1、および第3ピースP31a、32aの組み合わせとし、第2パターンは第1ピースP1、および第3ピースP31b、32bの組み合わせとする。
【0112】
特定手段566は、上記選択された第1ピースP1と上記特定された2つのパターンに基づいて、第1ピースP1を中心とした所定のエリア(本例では、このエリアを円とする)を上下180°切り分ける。この切り分けたエリアとして、上方エリアA1(上方10°~170°)と、下方エリアA2(上方-10°~-170°)と、上方向エリアA1と下方向エリアA2との境目にある不感エリア(上方10°~-10°、および上方170°~-170°)とを設ける。
【0113】
特定手段566は、例えば、第1ピースP1をタッチオンしたまま移動させ上方エリアA1上に位置する際にユーザがタッチオフした場合、第1ピースP1の移動方向を上方向と判定して、2つのパターンの中からマッチ対象とする位置関係を第1パターンと特定してもよい。他の例として、特定手段566は、第1ピースP1をタッチオンしたまま移動させ下方エリアA2に位置する際にユーザがタッチオフした場合、第1ピースP1の移動方向を下方向と判定して、2つのパターンの中からマッチ対象とする位置関係を第2パターンと特定してもよい。他の例として、移動制御手段5651は、第1ピースP1をタッチオンしたまま移動させ不感エリア上に位置する際にユーザがタッチオフした場合、第1ピースP1の移動をキャンセルしてもよい。
【0114】
図6(b)に示すように、本例では、斜め左下方向に指をスライド操作して下方エリアA2に位置する際にユーザがタッチオフし、特定手段566が、マッチ対象とする位置関係を第2パターン、すなわち第3ピースP31b、P32bを特定する例を説明する。
【0115】
図6(c)に示すように、移動制御手段5651は、上記特定された第3ピースP31b、P32bとマッチ条件を満たすために、第1ピースP1を移動させて、第1ピースP1の位置をパズル盤面PBにおける第2ピースP2bの位置と入れ替える。実行手段565は、入れ替えられた第1ピースP1と、第3ピースP31b、P32bとの位置関係がマッチ条件を満たすため(横に3つ同一種類のピースが揃うため)、第1ピースP1と第3ピースP31b、P32bとをパズル盤面PBから消去する。
【0116】
図7は、操作アシストモード、かつパターンの特定方法として連鎖重視が設定されている場合のピースの移動の一例を説明するための図である。
図7(a)に示すように、ユーザは、パズル盤面PBに配置された複数のピースの中から、タッチオンして第1ピースP1を選択する。選択受付部5641は、第1ピースP1に対するユーザの選択操作を受け付ける。特定手段566は、特定された第3ピースP3と第1ピースP1との位置関係のパターンを特定する。
【0117】
本例では、
図6の例と同様に、上記特定されたパターンを第1パターンと第2パターンの2つのパターンとし、かつ、それぞれのパターンが上下方向に分かれている例を説明する。
【0118】
特定手段566は、上記選択された第1ピースP1と上記特定された2つのパターンに基づいて、第1パターンにおいてマッチ条件を満たした場合の連鎖数と、第2パターンにおいてマッチ条件を満たした際の連鎖数とのそれぞれを算出し、比較する。本例では、第1パターンでの連鎖数を「0」とし、第2パターンでの連鎖数を「1(第1ピースP1cと第3ピース31c、32cの組み合わせ)」とする。第1パターンより第2パターンでの連鎖数の方が多いため、特定手段566は、マッチ対象とする位置関係を第2パターン、すなわち第3ピースP31b、P32bを特定する。
【0119】
図7(b)に示すように、例えば、ユーザが、第1ピースP1について上方向に指をスライド操作してタッチオフしたものとする。しかしながら、この移動方向に関わらず、特定された第3ピースP31b、P32bとマッチ条件を満たすために、すなわち、第1ピースP1を第2ピースP2bと入れ替えるために、移動制御手段5651は、第1ピースP1を第2ピース2bと入れ替える位置まで移動させる。そして、移動制御手段5651は、第1ピースP1と第2ピース2bとを入れ替える。実行手段565は、入れ替えられた第1ピースP1と、第3ピースP31b、P32bとの位置関係がマッチ条件を満たすため(横に3つ同一種類のピースが揃うため)、第1ピースP1と第3ピースP31b、P32bとをパズル盤面PBから消去する。さらに、実行手段565は、第1ピースP1と第3ピースP31b、P32bとを消去したことによりパズル盤面PBのそれぞれのピースの上方向に位置した第1ピースPcを含むピース群が下方向に一斉に移動するため、この移動の結果、第1ピースPcと第3ピースP31c、32cとの位置関係がさらにマッチ条件を満たすため(横に3つ同一種類のピースが揃うため)、第1ピースP1cと第3ピースP31c、P32cとをパズル盤面PBから消去する。
【0120】
他の例として、パターンの特定方法として個数重視が設定されている場合、特定手段566は、上記選択された第1ピースP1と上記特定された2つのパターンに基づいて、第1パターンにおいてマッチ条件を満たした場合に消去されるピースの数と、第2パターンにおいてマッチ条件を満たした場合に消去されるピースの数とのそれぞれを算出し、比較する。本例では、第1パターンで消去されるピースの数を「4」とし、第2パターンで消去されるピースの数を「3」とする。第2パターンより第1パターンでの消去されるピースの数の方が多いため、特定手段566は、マッチ対象とする位置関係を第1パターン、すなわち第3ピースP31a、P32aを特定する。
【0121】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0122】
上記実施形態では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置5は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0123】
上記実施形態では、ゲームがパズルゲームである場合を例示したが、これに限定されない。ゲームは、シミュレーションゲーム、およびボードゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0124】
上記実施形態では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が一体となってゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。ゲームプログラムのすべての手段、すなわち、表示制御手段、受付手段、実行手段、特定手段などが、サーバ装置単体、ゲーム装置5単体、サーバ装置およびゲーム装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ゲーム装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0125】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0126】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
5 ゲーム装置
56 制御部
563 表示制御手段
564 受付手段
5641 選択受付手段
5642 移動受付手段
565 実行手段
5651 移動制御手段
566 特定手段