(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115039
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/509 20210101AFI20240819BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20240819BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20240819BHJP
H01M 50/207 20210101ALI20240819BHJP
H01M 50/502 20210101ALI20240819BHJP
【FI】
H01M50/509
H01M50/507
H01M50/296
H01M50/207
H01M50/502
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020479
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】森井 壮一
(72)【発明者】
【氏名】山田 保雄
(72)【発明者】
【氏名】荻原 泰史
(72)【発明者】
【氏名】武富 春美
(72)【発明者】
【氏名】坂本 英樹
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA01
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY06
5H040AY08
5H040DD05
5H040DD07
5H040NN03
5H043AA05
5H043AA13
5H043AA19
5H043CA05
5H043DA06
5H043FA04
5H043FA24
5H043LA21F
(57)【要約】
【課題】モジュールブロック相互間の接続形態を変更する切り替え回路のレイアウトを簡素化し小型化し、さらに、充電装置側の仕様による充電電圧に適合させることができる電池パックを提供すること。
【解決手段】第1のモジュールブロック4および第2のモジュールブロック5が並置された電池パック1の第1のモジュールブロックと第2のモジュールブロックとの接続を直列接続と並列接続とに選択的に切り替える直列用スイッチ素子8および並列用スイッチ素子9、10を含む接続切替回路7を備え、接続切替回路7は、直列接続における中点に設けられる直列用スイッチ素子8が、電池パック1におけるモジュールブロックが配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に位置するように配置され、第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6は、接続切替回路7に接続されるモジュールの端子が接続切替回路7寄りに配置されている電池パック1。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルが電気的に接続されたモジュールを電気的に複数接続して構成され相互に区分されるモジュールブロックである第1のモジュールブロックおよび第2のモジュールブロックが並置された電池パックであって、
前記第1のモジュールブロックと前記第2のモジュールブロックとの接続を直列接続と並列接続とに選択的に切り替える直列用スイッチ素子および並列用スイッチ素子を含む接続切替回路を備え、
前記接続切替回路は、前記直列接続における中点に設けられる前記直列用スイッチ素子が、前記電池パックにおける前記モジュールブロックが配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に位置するように配置され、
前記第1のモジュールブロックおよび第2のモジュールブロックは、前記接続切替回路に接続されるモジュールの端子が前記接続切替回路寄りに配置されている、
電池パック。
【請求項2】
前記第1のモジュールブロックおよび前記第2のモジュールブロックは、自己の一方の端子が前記接続切替回路に接続されている前記モジュールである切替側モジュール群と、自己の一方の端子が前記第1のモジュールブロックおよび前記第2のモジュールブロックによる総出力が現れる端子である総出力端子になっている総出力側モジュール群とを含み、
前記切替側モジュール群は、前記接続切替回路に接続されている端子である切替端子を有する前記モジュールを含み、
前記切替端子は、前記切替側モジュール群の前記モジュールにおける前記総出力側モジュール群に近い側のモジュール端部に配置され、
前記総出力端子は、前記総出力側モジュール群の前記モジュールにおける前記切替側モジュール群に近い側のモジュール端部に配置されている、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記総出力端子は前記電池パック用のジャンクションボードに電気的に接続され、
前記第1のモジュールブロックおよび前記第2のモジュールブロックそれぞれの前記総出力端子は、前記総出力側モジュール群の相互に近接した前記モジュールそれぞれにおける近接側のモジュール端部に設けられている請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記接続切替回路は、直列用スイッチ素子としての直列用コンタクタを備え、
前記切替端子は、前記切替側モジュール群の相互に近接した前記モジュールそれぞれにおける近接側のモジュール端部に設けられ、
前記直列用コンタクタは前記第1のモジュールブロックの前記切替端子と前記第2のモジュールブロックの前記切替端子の間に配置され、前記直列用コンタクタとそれぞれの前記切替端子とが電気的に接続されている請求項2に記載の電池パック。
【請求項5】
前記切替端子と前記総出力端子との間に配置され、前記総出力端子および前記切替端子に電気的に接続された前記並列用スイッチ素子としての複数の並列用コンタクタを備えた請求項2に記載の電池パック。
【請求項6】
前記直列用スイッチ素子、前記直列用スイッチ素子と前記第1のモジュールブロックとを結ぶ導体、および、前記直列用スイッチ素子と前記第2のモジュールブロックとを結ぶ導体が一体的なモジュールとして構成される請求項1に記載の電池パック。
【請求項7】
前記直列用スイッチ素子、2つの前記並列用スイッチ素子、前記直列用スイッチ素子と前記第1のモジュールブロックとを結ぶ導体、前記直列用スイッチ素子と前記第2のモジュールブロックとを結ぶ導体、一方の前記並列用スイッチ素子と前記第1のモジュールブロックとを結ぶ導体、および、他方の前記並列用スイッチ素子と前記第2のモジュールブロックとを結ぶ導体が一体的なモジュールとして構成される請求項1に記載の電池パック。
【請求項8】
前記直列用スイッチ素子、2つの前記並列用スイッチ素子、前記直列用スイッチ素子と前記第1のモジュールブロックとを結ぶ導体、前記直列用スイッチ素子と前記第2のモジュールブロックとを結ぶ導体、一方の前記並列用スイッチ素子と前記第1のモジュールブロックとを結ぶ導体、および、他方の前記並列用スイッチ素子と前記第2のモジュールブロックとを結ぶ導体、ならびに、前記第1のモジュールブロックと前記第2のモジュールブロックとの隣接部位に配置されたジャンクションボードが一体的なコンタクタ・バスバーモジュールとして構成される請求項1に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のセルが電気的に接続されたモジュールを直列接続して構成される複数のモジュールブロック間の接続形態を放電時と充電時とで切り替える電池パックが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の電池パックでは、モジュールブロックへの充電が始まる際にモジュールブロックの接続形態を変更することにより、充電時中のモジュールブロックの発熱を低減できると共に、放電時にはモジュールブロックから負荷に供給される電力の電圧を最適化できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の提案では、充電装置側の仕様による充電電圧に適合させるという観点や、モジュールブロック相互間の接続形態を変更する切り替え回路のレイアウトを簡素化しサイズを縮小するという技術課題、延いては、この技術課題に対処するための方途は示されない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされものであり、複数のセルが電気的に接続されたモジュールを電気的に複数接続して構成される電池パックにおいて、モジュールブロック相互間の接続形態を変更する切り替え回路のレイアウトを簡素化し、サイズを縮小することができ、さらに、充電装置側の仕様による充電電圧に適合させることができる電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 複数のセル(例えば、後述するセル2)が電気的に接続されたモジュール(例えば、後述するモジュール3)を電気的に複数接続して構成され相互に区分されるモジュールブロックである第1のモジュールブロック(例えば、後述する第1のモジュールブロック5)および第2のモジュールブロック(例えば、後述する第2のモジュールブロック6)が並置された電池パック(例えば、後述する電池パック1)であって、前記第1のモジュールブロックと前記第2のモジュールブロックとの接続を直列接続と並列接続とに選択的に切り替える直列用スイッチ素子(例えば、後述する直列用コンタクタ8)および並列用スイッチ素子(例えば、後述する正極接続用コンタクタ9、負極接続用コンタクタ10)を含む接続切替回路(例えば、後述する接続切替器7)を備え、前記接続切替回路は、前記直列接続における中点に設けられる前記直列用スイッチ素子が、前記電池パックにおける前記モジュールブロックが配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に位置するように配置され、
前記第1のモジュールブロックおよび第2のモジュールブロックは、前記接続切替回路に接続されるモジュールの端子(例えば、後述する正極端子231、負極端子262、正極端子271、負極端子302)が前記接続切替回路寄りに配置されている、
電池パック。
【0007】
(2) 前記第1のモジュールブロックおよび前記第2のモジュールブロックは、自己の一方の端子が前記接続切替回路に接続されている前記モジュールである切替側モジュール群(例えば、後述する切替側モジュール群31)と、自己の一方の端子が前記第1のモジュールブロックおよび前記第2のモジュールブロックによる総出力が現れる端子である総出力端子(例えば、後述する総出力端子170)になっている総出力側モジュール群(例えば、後述する総出力側モジュール群33)とを含み、前記切替側モジュール群は、前記接続切替回路に接続されている端子である切替端子(例えば、後述する切替端子32)を有する前記モジュールを含み、前記切替端子は、前記切替側モジュール群の前記モジュールにおける前記総出力側モジュール群に近い側のモジュール端部に配置され、前記総出力端子は、前記総出力側モジュール群の前記モジュールにおける前記切替側モジュール群に近い側のモジュール端部に配置されている(1)の電池パック。
【0008】
(3) 前記総出力端子は前記電池パック用のジャンクションボード(例えば、後述するジャンクションボード34)に電気的に接続され、前記第1のモジュールブロックおよび前記第2のモジュールブロックそれぞれの前記総出力端子は、前記総出力側モジュール群の相互に近接した前記モジュールそれぞれにおける近接側のモジュール端部に設けられている(2)の電池パック。
【0009】
(4) 前記接続切替回路は、オンのとき前記第1のモジュールブロックと前記第2のモジュールブロックとを直列に接続する直列用コンタクタ(例えば、後述する直列用コンタクタ8)を備え、前記切替端子は、前記切替側モジュール群の相互に近接した前記モジュールそれぞれにおける近接側のモジュール端部に設けられ、前記直列用コンタクタは前記第1のモジュールブロックの前記切替端子と前記第2のモジュールブロックの前記切替端子の間に配置され、前記直列用コンタクタとそれぞれの前記切替端子とが電気的に接続されている(2)の電池パック。
【0010】
(5) 前記切替端子と前記総出力端子との間に配置され、前記総出力端子および前記切替端子に電気的に接続された前記並列用スイッチ素子としての複数の並列用コンタクタ(例えば、後述する正極接続用コンタクタ9、負極接続用コンタクタ10)を備えた(2)の電池パック。
【0011】
(6) 前記直列用スイッチ素子、前記直列用スイッチ素子と前記第1のモジュールブロックとを結ぶ導体(例えば、後述するバスバー11a)、および、前記直列用スイッチ素子と前記第2のモジュールブロックとを結ぶ導体(例えば、後述するバスバー11b)が一体的なモジュール(例えば、後述するコンタクタモジュール71)として構成される(1)の電池パック。
【0012】
(7) 前記直列用スイッチ素子、2つの前記並列用スイッチ素子、前記直列用スイッチ素子と前記第1のモジュールブロックとを結ぶ導体(例えば、後述するバスバー11a)、前記直列用スイッチ素子と前記第2のモジュールブロックとを結ぶ導体(例えば、後述するバスバー11b)、一方の前記並列用スイッチ素子と前記第1のモジュールブロックとを結ぶ導体(例えば、後述するバスバー12a)、および、他方の前記並列用スイッチ素子と前記第2のモジュールブロックとを結ぶ導体(例えば、後述するバスバー13a)が一体的なモジュール(例えば、後述するコンタクタモジュール72)として構成される(1)の電池パック。
【0013】
(8) 前記直列用スイッチ素子、2つの前記並列用スイッチ素子、前記直列用スイッチ素子と前記第1のモジュールブロックとを結ぶ導体(例えば、後述するバスバー11a)、前記直列用スイッチ素子と前記第2のモジュールブロックとを結ぶ導体(例えば、後述するバスバー11b)、一方の前記並列用スイッチ素子と前記第1のモジュールブロックとを結ぶ導体(例えば、後述するバスバー12a)、および、他方の前記並列用スイッチ素子と前記第2のモジュールブロックとを結ぶ導体(例えば、後述するバスバー13a)、ならびに、前記第1のモジュールブロックと前記第2のモジュールブロックとの隣接部位に配置されたジャンクションボード(例えば、後述するジャンクションボード34)が一体的なコンタクタ・バスバーモジュールとして構成される(1)の電池パック。
【発明の効果】
【0014】
(1)の電池パックでは、接続切替回路の回路素子である直列用スイッチ素子が第1のモジュールブロックと第2のモジュールブロックとの直列接続における中点に設けられ、かつ、この直列用スイッチ素子が、電池パックにおけるモジュールブロックが配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に位置するように配置され、さらに、第1のモジュールブロックおよび第2のモジュールブロックは、接続切替回路に接続されるモジュールの端子が前記接続切替回路寄りに配置されている。このため第1のモジュールブロックと第2のモジュールブロックとを直列と並列のいずれかに切り替えるためのスイッチ素子および導体が、電池パックにおけるモジュールブロックが配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に集中してコンパクトに配置され、電池パック全体の回路サイズが小さくなる。
【0015】
(2)の電池パックでは、接続切替回路に必要なスイッチ素子を近い位置に集めることができるので、切り替え回路のサイズが小さくなる。また、接続切替回路と総出力端子との位置が近いため、接続切替回路を含めた電池パック全体の回路サイズが小さくなる。回路サイズが小さくなるためパック及びパック周辺のレイアウトの自由度が向上する。回路構成が複雑にならないのでバスバー等の導体の長さが短縮され引き回しが簡素化される。
【0016】
(3)の電池パックでは、総出力端子同士が離れている場合に比べて、ジャンクションボードへの導体接続がコンパクトになる。
【0017】
(4)の電池パックでは、第1のモジュールブロックの切替端子と第2のモジュールブロックの切替端子、及び直列用コンタクタが近い位置関係となり、切替端子と直列用コンタクタを接続する導体を短くすることができる。
【0018】
(5)の電池パックでは、並列用コンタクタ、総出力端子、切替端子が近い位置関係となり、並列用コンタクタ、総出力端子、切替端子を接続する導体を短くすることができる。
【0019】
(6)の電池パックでは、接続切替回路周りの回路要素の一部がモジュール化されるため、第1のモジュールブロックと第2のモジュールブロックとを直列と並列のいずれかに切り替えるためのスイッチ素子および導体が、電池パックにおけるモジュールブロックが配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に集中してコンパクトに配置しやすくなり、また、製造が容易になる。
【0020】
(7)の電池パックでは、接続切替回路の全てのスイッチ素子を含む当該接続切替回路周りの回路要素がモジュール化されるため、第1のモジュールブロックと第2のモジュールブロックとを直列と並列のいずれかに切り替えるためのスイッチ素子および導体が、電池パックにおけるモジュールブロックが配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に集中してコンパクトに配置しやすくなり、また、製造が一層容易になる。
【0021】
(8)の電池パックでは、接続切替回路の全てのスイッチ素子を含む当該接続切替回路周りの回路要素およびジャンクションボードがモジュール化されるため、第1のモジュールブロックと第2のモジュールブロックとを直列と並列のいずれかに切り替えるためのスイッチ素子および導体が、電池パックにおけるモジュールブロックが配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に集中してコンパクトに配置しやすくなり、また、製造がなお一層容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の電池パックにおけるモジュールブロックが直列接続された状態を示す回路図である。
【
図2】本開示の電池パックにおけるモジュールブロックが並列接続された状態を示す回路図である。
【
図3】本開示の電池パックにおける回路要素のレイアウトの一例を示す図である。
【
図4】本開示の電池パックにおける接続切替器まわりの回路要素のレイアウトをより具体的に示す図である。
【
図5】本開示の電池パックにおける回路要素のレイアウトの他の例を示す図である。
【
図6】本開示の電池パックにおける回路要素のレイアウトのさらに他の例を示す図である。
【
図7】図本開示の電池パックにおける回路要素のレイアウトのさらに他の例を示す図である。
【
図8】本開示の電池パックにおける回路要素のレイアウトの変形例を示す図である。
【
図9】本開示の電池パックにおける回路要素のレイアウトの他の変形例を示す図である。
【
図10】本開示の電池パックにおける回路要素のレイアウトのさらに他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に示す各図において、同一部分ないし対応部分には同一の符号を附してある。
図1および
図2は、本開示の電池パック1に係る回路図である。
図1および
図2において、電池パック1は、複数のセル2が電気的に接続されたモジュール3をさらに電気的に複数接続して構成されるモジュールブロック4を複数含んで構成される。図示の例では、モジュールブロック4は2つ設けられ、第1のモジュールブロック5と第2のモジュールブロック6とに区分される。
【0024】
図1には、第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6が直列接続された状態が示され、
図2には、第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6が並列接続された状態が示されている。
【0025】
図1および
図2において、電池パック1には、第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6の電気的接続形態を直列または並列に切り替える接続切替回路としての接続切替器7が設けられる。接続切替器7は、直列用スイッチ素子としての直列用コンタクタ8と、一方の並列用スイッチ素子としての正極接続用コンタクタ9と、他方の並列用スイッチ素子としての負極接続用コンタクタ10とを含んで構成される。
【0026】
直列用コンタクタ8は、第1のモジュールブロック5の負極と第2のモジュールブロック6の正極とを接続する導体11に介挿され、オンのとき第1のモジュールブロック5と第2のモジュールブロック6とを直列に接続する。
図1におけるように、直列用コンタクタ8がオンのときに、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10はオフにされて、第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6の直列接続体が形成される。
【0027】
正極接続用コンタクタ9は、第1のモジュールブロック5の正極と第2のモジュールブロック6の正極とを接続する導体12に介挿される。負極接続用コンタクタ10は、第1のモジュールブロック5の負極と第2のモジュールブロック6の負極とを接続する導体13に介挿される。
図2におけるように、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10がオンのときに、直列用コンタクタ8はオフにされて、第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6の並列接続体が形成される。
【0028】
接続切替器7によって第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6の直列接続体が形成されるとき、電池パック1は、充電電圧が単一のモジュールブロックにおける定格充電電圧の2倍の高電圧仕様の充電装置を利用して充電することができる。一方、接続切替器7によって第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6の並列接続体が形成されるとき、電池パック1は、充電電圧が単一のモジュールブロックにおける定格充電電圧相当の低電圧仕様の充電装置を利用して充電することができる。即ち、電池パック1は、接続切替器7によって、第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6の直列接続と並列接続とを切り替えることにより、仕様上の充電電圧を異にする充電装置に対して選択的に適合することができる。
【0029】
図1における第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6の直列接続体の出力、および、
図2における第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6の並列接続体の出力は、何れも、第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6の接続体に係る総出力である。この総出力が正極出力導体15および負極出力導体16間に出力され、外部接続端子である総出力外部端子17に現れる。総出力外部端子17は正極出力導体15側の正極総出力外部端子18、および、負極出力導体16側の負極総出力外部端子19を有する。
【0030】
第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6の接続体の総出力は、正極出力導体15および負極出力導体16間に生起する。即ち、総出力は、第2のモジュールブロック6の正極および第1のモジュールブロック5の負極間に生起する。この観点から、後述するように、第2のモジュールブロック6における第1モジュール23の正極端子231が総出力正極端子であり、第1のモジュールブロック5における第8モジュール30の負極端子302が総出力負極端子である。
【0031】
正極出力導体15の正極総出力外部端子18と上述の導体12との間に正極出力コンタクタ20が介挿される。負極出力導体16の負極総出力外部端子19と上述の導体13との間に負極出力コンタクタ21が介挿される。なお、正極出力コンタクタ20には、突入電流を緩和するためのプリチャージ抵抗を有するプリチャージコンタクタ22が並設される。
【0032】
図3は、本開示の電池パック1における回路要素のレイアウトの一例を示す図である。
図3の電池パック1は、図示しない車両に搭載される仕様のものであり、第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6を構成する各モジュール3は、平面視における長手方向が上述の車両における矢線Aで示す前後方向に沿うように配置される。
図3の電池パック1は、図示にて上側(上述の車両における右側)に位置する第1のモジュールブロック5と、図示にて下側(上述の車両における左側)に位置する第2のモジュールブロック6とに対し、接続切替器7と総出力外部端子17とが配されている。
【0033】
第1のモジュールブロック5は、第5モジュール27、第6モジュール28、第7モジュール29および第8モジュール30の4つのモジュールが直列接続されて構成されている。
図3のとおり、第5モジュール27、第6モジュール28、第7モジュール29および第8モジュール30は、いずれも平面視で矩形の相似形状であり、それらの正極と負極とのモジュール端子が対角線上に離隔した端部寄りに対を成して設けられている。
【0034】
第2のモジュールブロック6は、第1モジュール23、第2モジュール24、第3モジュール25および第4モジュール26の4つのモジュールが直列接続されて構成されている。
図3のとおり、第1モジュール23、第2モジュール24、第3モジュール25および第4モジュール26は、いずれも平面視で矩形の相似形状であり、それらの正極と負極とのモジュール端子が対角線上に離隔した端部寄りに対を成して設けられている。
【0035】
なお、
図1および
図2を参照して説明したように、接続切替器7は、直列用コンタクタ8、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10を含む。ここで、直列用コンタクタ8が配される電気回路上の部位は、2つの回路要素を接続する点であり、「中点」と称されることがある。本開示では、第1のモジュールブロック5と第2のモジュールブロック6との異極性の端子相互間を結んで両モジュールブロック5,6を直列接続する回路部分を中点と称する。
図1および
図2の回路では、直列用コンタクタ8によるこの部位の電気的オン・オフにより、第1のモジュールブロック5と第2のモジュールブロック6とが直列接続された状態と並列接続可能な状態とに切り替わる。また、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10は、それらの電気的オン・オフにより、第1のモジュールブロック5と第2のモジュールブロック6とが並列接続された状態と直列接続可能な状態とに切り替わる。本開示では、上述の観点から、第1のモジュールブロック5と第2のモジュールブロック6とを直列接続された状態と並列接続された状態とに切り替え可能に接続する接続切替器7を含む回路部分を接続切替回路81と称する。
【0036】
図1から
図3を参照して、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10と、該当するモジュールとの接続について説明する。正極接続用コンタクタ9の一方の端子に第1モジュール23の正極端子231が接続され、正極接続用コンタクタ9の他方の端子に第5モジュール27の正極端子271が接続されている。また、負極接続用コンタクタ10の一方の端子に第4モジュール26の負極端子262が接続され、負極接続用コンタクタ10の他方の端子に第8モジュール30の負極端子302が接続されている。
【0037】
第4モジュール26および第5モジュール27は、自己の一方の端子が接続切替回路81における接続切替器7の直列用コンタクタ8に接続されているモジュールである。この観点から、第4モジュール26および第5モジュール27を切替側モジュール群31と総称する。
【0038】
また、第4モジュール26の負極端子262および第5モジュール27の正極端子271は、接続切替回路81における接続切替器7の直列用コンタクタ8に接続されている端子である。この観点から、第4モジュール26の負極端子262および第5モジュール27の正極端子271を切替端子32と総称する。
【0039】
また、第1モジュール23の正極端子231は、総出力外部端子17の正極総出力外部端子18に接続され、第8モジュール30の負極端子302は、総出力外部端子17の負極総出力外部端子19に接続されている。
【0040】
上述のように、第2のモジュールブロック6における第1モジュール23の正極端子231が総出力正極端子であり、第1のモジュールブロック5における第8モジュール30の負極端子302が総出力負極端子である。このため、総出力正極端子たる正極端子231および総出力負極端子たる負極端子302を総出力端子170と総称する。
【0041】
即ち、第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6の各モジュールのうち、第1モジュール23および第8モジュール30は、自己の一方の端子が総出力端子170になっている。この観点で、第1モジュール23および第8モジュール30を総出力側モジュール群33と総称する。
【0042】
図1および
図2における正極出力導体15および負極出力導体16は、
図3におけるバスバー15aおよびバスバー16aにより構成される。バスバー15aおよびバスバー16aは、その過半の部分が第1モジュール23と第8モジュール30の隣接部位に配置されたジャンクションボード34上の導体として構成される。バスバー15aが外部回路に接続される部位に正極総出力外部端子18が設けられ、バスバー16aが外部回路に接続される部位に負極総出力外部端子19が設けられる。ジャンクションボード34には、
図1および
図2における接続で、正極出力コンタクタ20および負極出力コンタクタ21が設けられる。これにより電池パック1の総出力が不用意に正極総出力外部端子18および負極総出力外部端子19間に現れることが回避され、製造時やメンテナンス時における正規の取り扱いに馴染む。
【0043】
図4に、本開示の電池パック1における接続切替器7まわりの回路要素のレイアウトがより具体的に示されている。第1モジュール23の正極端子231から導出されるバスバー15aが、第1モジュール23と第8モジュール30との隣接部位に沿って上述の正極総出力外部端子18に向けて直線状に延びるように配設される。また、第8モジュール30の負極端子302から導出されるバスバー16aが、第1モジュール23と第8モジュール30との隣接部位に沿ってバスバー15aと並行して上述の負極総出力外部端子19に向けて直線状に延びるように配設される。正極端子231および負極端子302が総出力端子170に該当する。
【0044】
総出力側モジュール群33に属する第1モジュール23および第8モジュール30、ならびに、切替側モジュール群31に属する第4モジュール26および第5モジュール27が相互に隣接する部位に臨んで、接続切替器7を構成する直列用コンタクタ8、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10が配置される。この配置では、直列用スイッチ素子である直列用コンタクタ8が、電池パック1におけるモジュールブロック(第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック6)が配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に位置する。
【0045】
直列用コンタクタ8の一方の端子が導体11を構成する一方のバスバー11aで第5モジュール27の正極端子271に接続される。また、直列用コンタクタ8の他方の端子が導体11を構成する他方のバスバー11bで第4モジュール26の負極端子262に接続される。負極端子262は
図4の視点では見えないが、便宜上、破線の引出線にて符号を附している。
【0046】
正極接続用コンタクタ9の一方の端子が、導体12を構成する一方のバスバー12aを介してバスバー15aに接続される形態で第1モジュール23の正極端子231に接続される。また、正極接続用コンタクタ9の他方の端子が、導体12を構成する他方のバスバー12bで第5モジュール27の正極端子271に接続される。
【0047】
負極接続用コンタクタ10の一方の端子が、導体13を構成する一方のバスバー13b(
図4では見えない)で第4モジュール26の負極端子262に接続される。また、負極接続用コンタクタ10の他方の端子が、導体13を構成する他方のバスバー13aを介してバスバー16aに接続される形態で第8モジュール30の負極端子302に接続される。
【0048】
換言すると、正極接続用コンタクタ9は、切替端子32である正極端子271と、総出力端子170のうちの一方の端子である正極端子231との間に配置され、正極端子231および正極端子271とに電気的に接続される。また、負極接続用コンタクタ10は、切替端子32である負極端子262と、総出力端子170のうちの他方の端子である負極端子302に接続される。
【0049】
従って、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10は、切替端子32と総出力端子170との間に配置され、総出力端子170および切替端子32に電気的に接続された複数の並列用コンタクタ190である。
【0050】
上述の正極端子231、負極端子262、正極端子271および負極端子302のうち、切替端子32に該当する負極端子262および正極端子271は、切替側モジュール群31に該当する第4モジュール26および第5モジュール27それぞれにおける、総出力側モジュール群33に該当する第1モジュール23および第8モジュール30に近い側のモジュール端部に設けられる。
【0051】
一方、第1モジュール23の正極端子231および第8モジュール30の負極端子302で構成される総出力端子170は、総出力側モジュール群33に該当するモジュールそれぞれの各端子のうち、切替側モジュール群31に該当する第4モジュール26および第5モジュール27に近い側のモジュール端部に設けられる。
【0052】
上述のような構成を有する本開示の電池パック1では、接続切替器7を構成する直列用コンタクタ8、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10を近い位置に集めて配置することができる。このため、接続切替器7のサイズを小さくすることができる。また、接続切替器7の構成要素である正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10と、総出力端子170を構成する正極端子231および負極端子302との位置を近付けることができる。このため、接続切替器7を含めた電池パック1全体の回路サイズ小さくすることができる。また、回路サイズが小さくなるため電池パック1および電池パック1を搭載する対象物における電池パック1周辺のレイアウトの自由度が向上する。さらに、接続切替器7まわりの回路構成が複雑にならないのでバスバー等の長さが抑えられて引き回しが簡素化されるため、生産性が向上し、延いては、製品としての信頼性が十分に確保される。
【0053】
図5は、
図1から
図4を参照して説明した電池パック1における回路要素のレイアウトの他の例を示す図である。
図5の例は、電気回路としては
図3と等価であり、
図3との対応部位に同一の符号を附して示し、
図1から
図4における説明を援用する。
図5の例における
図3との相違点は、各モジュールにおけるモジュール端子の配置形態である。
【0054】
図5の例では、第5モジュール27、第6モジュール28、第7モジュール29および第8モジュール30の4つのモジュールが直列接続されて構成される第1のモジュールブロック5において、
図5のとおり、第5モジュール27、第6モジュール28、第7モジュール29および第8モジュール30は、正極と負極とのモジュール端子が、平面視で矩形のモジュールにおける一方の短辺寄りのモジュール端部に設けられている。
【0055】
また、第1モジュール23、第2モジュール24、第3モジュール25および第4モジュール26の4つのモジュールが直列接続されて構成される第2のモジュールブロック6において、
図5のとおり、第1モジュール23、第2モジュール24、第3モジュール25および第4モジュール26は、正極と負極とのモジュール端子が、平面視で矩形のモジュールにおける一方の短辺寄りのモジュール端部に設けられている。
【0056】
図5の例における作用効果は、
図1から
図4における例と同様である。即ち、本発明は、モジュール端子の配置が
図5のような形態を有する場合においても、
図3におけるようなモジュール端子の配置形態を有するモジュールで構成される電池パック1におけると同様の作用効果を奏する。
【0057】
図6は、
図1から
図4を参照して説明した電池パック1における回路要素のレイアウトの他の例を示す図である。
図6の例は、電気回路としては
図3と等価であり、
図3との対応部位に同一の符号を附して示し、
図1から
図4における説明を援用する。
図6の例における
図3との相違点は、各モジュールの形態である。即ち、各モジュールにおける平面視で長手方向が車両の前後方向と直交する方向に沿っている点である。
図6では、接続切替器7を構成する直列用コンタクタ8、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10について、それらの端子と接片が表記してある。
【0058】
図6の例における第1のモジュールブロック5は、第5モジュール27、第6モジュール28、第7モジュール29および第8モジュール30の4つのモジュールが直列接続されて構成されている。
図6のとおり、第5モジュール27、第6モジュール28、第7モジュール29および第8モジュール30は、正極と負極とのモジュール端子が、平面視で矩形のモジュールにおける対角線上に離隔したモジュール端部寄りに設けられている。
【0059】
図6の例における第2のモジュールブロック6は、第1モジュール23、第2モジュール24、第3モジュール25および第4モジュール26の4つのモジュールが直列接続されて構成されている。
図6のとおり、第1モジュール23、第2モジュール24、第3モジュール25および第4モジュール26は、正極と負極とのモジュール端子が、平面視で矩形のモジュールにおける対角線上に離隔したモジュール端部寄りに設けられている。
【0060】
図6の例における作用効果は、
図1から
図4における例と同様である。即ち、本発明は、電池パック1におけるモジュールの形態が
図6のような形態である場合においても、
図1から
図4を参照して説明した電池パック1におけると同様の作用効果を奏する。
【0061】
図7は、
図1から
図4を参照して説明した電池パック1における回路要素のレイアウトの他の例を示す図である。
図7の例は、電気回路としては
図3と等価であり、
図3との対応部位に同一の符号を附して示し、
図1から
図4における説明を援用する。
図7の例における
図3との相違点は、各モジュールの形態である。即ち、各モジュールにおける平面視で長手方向が車両の前後方向と直交する方向に沿っている点である。
図7では、接続切替器7を構成する直列用コンタクタ8、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10について、それらの端子と接片が表記してある。
【0062】
図7の例における第1のモジュールブロック5は、第5モジュール27、第6モジュール28、第7モジュール29および第8モジュール30の4つのモジュールが直列接続されて構成されている。
図7のとおり、第5モジュール27、第6モジュール28、第7モジュール29および第8モジュール30は、正極と負極とのモジュール端子が、平面視で矩形のモジュールにおける一方の短辺寄りのモジュール端部に設けられている。
【0063】
図7の例における第2のモジュールブロック6は、第1モジュール23、第2モジュール24、第3モジュール25および第4モジュール26の4つのモジュールが直列接続されて構成されている。
図7のとおり、第1モジュール23、第2モジュール24、第3モジュール25および第4モジュール26は、正極と負極とのモジュール端子が、平面視で矩形のモジュールにおける一方の短辺寄りのモジュール端部に設けられている。
【0064】
図7の例における作用効果は、
図1から
図4における例と同様である。即ち、本発明は、電池パック1におけるモジュールの形態が
図7のような形態である場合においても、
図1から
図4を参照して説明した電池パック1におけると同様の作用効果を奏する。
【0065】
図8は、
図1から
図4を参照して説明した電池パック1における回路要素のレイアウトの変形例を示す図である。
図8の例は、電気回路としては
図3と等価であり、
図3との対応部位に同一の符号を附して示し、
図1から
図4における説明を援用する。
図8の例においては、接続切替器7を構成する直列用コンタクタ8と、バスバー11aおよびバスバー11bが一体的なコンタクタモジュール71として構成される。
【0066】
図8の例では、
図1から
図4を参照して説明した例における作用効果に加えて、接続切替器7周りの回路要素の一部である直列用コンタクタ8およびバスバー11a、11bが、電池パック1におけるモジュールブロック(第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック)が配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に集中してコンパクトに配置しやすくなり、また、製造が一層容易になる。
【0067】
図9は、
図1から
図4を参照して説明した電池パック1における回路要素のレイアウトの他の変形例を示す図である。
図9の例は、電気回路としては
図3と等価であり、
図3との対応部位に同一の符号を附して示し、
図1から
図4における説明を援用する。
図9の例においては、接続切替器7を構成する直列用コンタクタ8、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10と、バスバー11a、バスバー11b、バスバー12aおよびバスバー13aが一体的なコンタクタモジュール72として構成される。
【0068】
図9の例では、
図1から
図4を参照して説明した例における作用効果に加えて、接続切替回路の全てのスイッチ素子である直列用コンタクタ8、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10を含む接続切替器7周りの回路要素がモジュール化されるため、第1のモジュールブロックと第2のモジュールブロックとを直列と並列のいずれかに切り替えるためのスイッチ素子および導体が、電池パック1におけるモジュールブロック(第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック)が配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に集中してコンパクトに配置しやすくなり、また、製造がなお一層容易になる。
【0069】
図10は、
図1から
図4を参照して説明した電池パック1における回路要素のレイアウトのさらに他の変形例を示す図である。
図10の例は、電気回路としては
図3と等価であり、
図3との対応部位に同一の符号を附して示し、
図1から
図4における説明を援用する。
図10の例においては、接続切替器7を構成する直列用コンタクタ8、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10と、バスバー11a、バスバー11b、バスバー12aおよびバスバー13a、ならびに、ジャンクションボード34が一体的なコンタクタ・バスバーモジュール73として構成される。
【0070】
図10の例では、
図1から
図4を参照して説明した例における作用効果に加えて、接続切替器7の全てのスイッチ素子である直列用コンタクタ8、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10を含む接続切替器7周りの回路要素ならびにジャンクションボード34がコンタクタ・バスバーモジュール73としてモジュール化されるため、第1のモジュールブロック5と第2のモジュールブロック6とを直列と並列のいずれかに切り替えるためのスイッチ素子および導体が、電池パック1におけるモジュールブロック(第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック)が配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に集中してコンパクトに配置しやすくなり、また、製造がなお一層容易になる。
【0071】
本開示の電池パック1によれば、以下の効果を奏する。
【0072】
(1)の電池パックでは、接続切替回路の回路素子である直列用スイッチ素子が第1のモジュールブロックと第2のモジュールブロックとの直列接続における中点に設けられ、かつ、この直列用スイッチ素子が、電池パック1におけるモジュールブロック(第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック)が配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に位置するように配置され、さらに、第1のモジュールブロックおよび第2のモジュールブロックは、接続切替回路に接続されるモジュールの端子が前記接続切替回路寄りに配置されている。このため第1のモジュールブロックと第2のモジュールブロックとを直列と並列のいずれかに切り替えるためのスイッチ素子および導体が、電池パック1におけるモジュールブロック(第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック)が配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に集中してコンパクトに配置され、電池パック全体の回路サイズが小さくなる。
【0073】
(2)の電池パック1では、切替回路である接続切替回路81に必要な直列用コンタクタ8、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10を近い位置に集めることができるので、接続切替回路81のサイズが小さくなる。接続切替回路81の正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10と、総出力端子170の正極端子231および負極端子302との位置が近いため、接続切替回路81を含めた電池パック1全体の回路サイズが小さくなる。回路サイズが小さくなるため電池パック1及び電池パック1周辺のレイアウトの自由度が向上する。回路構成が複雑にならないのでバスバー等の長さが低減され回路導体の引き回しが簡素化される。
【0074】
(3)の電池パック1では、総出力端子170の正極端子231および負極端子302との間隔が離れている場合に比べて、ジャンクションボード34への接続導体がコンパクトになる。
【0075】
(4)の電池パック1では、第1のモジュールブロック5における第5モジュール27の切替端子である正極端子271、第2のモジュールブロック6における第4モジュール26の切替端子である負極端子262および直列用コンタクタ8が近い位置関係となり、切替端子271、262と直列用コンタクタ8を接続する導体を短くすることができる。
【0076】
(5)の電池パック1では、並列用コンタクタ190、総出力端子170、切替端子32が近い位置関係となり、並列用コンタクタ190、総出力端子170、切替端子32を接続する導体を短くすることができる。
【0077】
(6)の電池パック1では、接続切替器7周りの回路要素の一部がモジュール化されるため、第1のモジュールブロック5と第2のモジュールブロック6とを直列と並列のいずれかに切り替えるための直列用コンタクタ8およびバスバー11a、11bが、電池パック1におけるモジュールブロック(第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック)が配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に集中してコンパクトに配置しやすくなり、また、製造が容易になる。
【0078】
(7)の電池パックでは、接続切替器7の全てのスイッチ素子である直列用コンタクタ8、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10を含む接続切替器7周りの回路要素がコンタクタモジュール72としてモジュール化されるため、第1のモジュールブロック5と第2のモジュールブロック6とを直列と並列のいずれかに切り替えるためのスイッチ素子および導体が、電池パック1におけるモジュールブロック(第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック)が配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に集中してコンパクトに配置しやすくなり、また、製造が一層容易になる。
【0079】
(8)の電池パックでは、接続切替器7の全てのスイッチ素子である直列用コンタクタ8、正極接続用コンタクタ9および負極接続用コンタクタ10を含む接続切替器7周りの回路要素ならびにジャンクションボード34がコンタクタ・バスバーモジュール73としてモジュール化されるため、第1のモジュールブロック5と第2のモジュールブロック6とを直列と並列のいずれかに切り替えるためのスイッチ素子および導体が、電池パック1におけるモジュールブロック(第1のモジュールブロック5および第2のモジュールブロック)が配置された領域を上方から見た状態で当該領域の内側に集中してコンパクトに配置しやすくなり、また、製造がなお一層容易になる。
【0080】
以上、本開示の電池パックについて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。例えば、上述においては、第1のモジュールブロックおよび第2のモジュールブロックは何れも4つのモジュールを直列接続した構成を採ったが、これに替えて、所定数のモジュールを直列接続したものを並列接続した構成を採ることもできる。或いはまた、第1のモジュールブロックおよび第2のモジュールブロックは何れも2つのモジュールにより構成される形態をとり得る。
【符号の説明】
【0081】
1…電池パック
2…セル
3…モジュール
4…モジュールブロック
5…第1のモジュールブロック
6…第2のモジュールブロック
7…接続切替器
8…直列用コンタクタ(直列用スイッチ素子)
9…正極接続用コンタクタ(並列用スイッチ素子)
10…負極接続用コンタクタ(並列用スイッチ素子)
11,12,13…導体
11a,12a,13a…バスバー
15…正極出力導体
15a…バスバー
16…負極出力導体
16a…バスバー
17…総出力外部端子
18…正極総出力外部端子
19…負極総出力外部端子
20…正極出力コンタクタ
21…負極出力コンタクタ
22…プリチャージコンタクタ
23…第1モジュール
24…第2モジュール
25…第3モジュール
26…第4モジュール
27…第5モジュール
28…第6モジュール
29…第7モジュール
30…第8モジュール
31…切替側モジュール群
32…切替端子
33…総出力側モジュール群
34…ジャンクションボード
71、72…コンタクタモジュール
73…コンタクタ・バスバーモジュール
81…接続切替回路
170…総出力端子
190…並列用コンタクタ
231…正極端子(総出力正極端子)
262…負極端子
271…正極端子
302…負極端子(総出力負極端子)