(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115045
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
A01K 85/16 20060101AFI20240819BHJP
A01K 85/00 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
A01K85/16
A01K85/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020492
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田井中 佑基
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307AB02
2B307AB16
2B307BA42
2B307BA46
2B307BA70
(57)【要約】
【課題】容易にロールアクションを行うことができるルアーを提供する。
【解決手段】ルアー100は、中空で形成され下膨れ形状を呈するルアー本体1と、ルアー本体1の腹部10の下側に配置された錘2と、錘2よりも前方に配置され、釣糸と結ばれるラインアイ3と、を備える。ルアー本体1は、腹部10の幅L1、背部の幅L2、体高の長さL3とするとL3>L1>L2を満たすことが好ましい。また、ラインアイ3は、円環状に形成され、進行方向に対して垂直に設けられることが好ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空で形成され下膨れ形状を呈するルアー本体と、
前記ルアー本体の腹部の下側に配置された錘と、
前記錘よりも前方に配置され、釣糸と結ばれるラインアイと、
を備えることを特徴とするルアー。
【請求項2】
前記ルアー本体は、前記腹部の幅L1、背部の幅L2、体高の長さL3とするとL3>L1>L2を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載のルアー。
【請求項3】
前記ルアー本体は、前記腹部の幅L1、体高の長さL3とするとL3>L1を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載のルアー。
【請求項4】
前記ラインアイは、
円環状に形成され、進行方向に対して垂直に設けられる、
ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載のルアー。
【請求項5】
前記ラインアイは、
前記ルアー本体の上端かつ前端に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載のルアー。
【請求項6】
前記ルアー本体の顔部から前方延長線上に延伸し、正面視で当該ルアー本体と略同程度の大きさのリップをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載のルアー。
【請求項7】
前記ルアー本体の尾部に、遊泳速度を低減する抵抗部材をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載のルアー。
【請求項8】
前記ルアー本体の両側面に平坦面を備えている、
ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載のルアー。
【請求項9】
前記錘は、前記腹部の内部又は一部に成形された成形鉛で形成されている、
ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルアーに関する。
【背景技術】
【0002】
魚釣りにおいて、例えば、ルアー本体にリップ部材を着脱可能なワームルアー用リップ部材が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載されたワームルアー用リップ部材は、リップ本体を備え、ワームルアーにリップ部材を適用することで、潜水機能や揺動機能を釣り場で選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、ルアーやワームを使用し、リールをただ巻き(ストレートリトリーブ)するだけで、リップによりルアーを潜水させたり、バイブレーションによりルアーを小刻みに振動させたりすることができる。つまり、ユーザは、単にルアーを投げて巻くだけでも、ルアーに潜水機能やバイブレーションを生じさせ、釣りの対象とする魚に興味を引かせることができる。
【0005】
一方、例えば、ユーザがラインのテンション(釣糸の張り具合)をオン又はオフにすることで、ルアーをロールさせたい場合がある。ルアーをロールさせる(ロールアクション)とは、正面視した場合に進行方向軸に対してルアーの下側が左右方向に揺動することを言う。
【0006】
しかし、ユーザがルアーをロールさせたい場合にラインのテンションをオンにしても、ルアーをロールさせることが困難になったり、ルアーの動きが不安定になったりすることがある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、容易にロールアクションを行うことができるルアーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るルアーは、中空で形成され下膨れ形状を呈するルアー本体と、前記ルアー本体の腹部の下側に配置された錘と、前記錘よりも前方に配置され、釣糸と結ばれるラインアイと、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ルアー本体が、高さ方向にアンバランスな下膨れ形状になっており、錘の位置よりも前方において、ユーザによって左右方向の力が入力される。これにより、ルアー本体が横向きに傾きやすくなっている。一方、錘がルアー本体の腹部の下側に配置されているため、傾いたルアー本体の姿勢を復元する力が働く。これにより、容易にロールアクションを行うことができる。
【0010】
また、前記ルアー本体は、前記腹部の幅L1、背部の幅L2、体高の長さL3とするとL3>L1>L2を満たすことが好ましい。
【0011】
本発明によれば、ルアー本体の体高が比較的大きくなるため、ルアー本体が横向きにより傾きやすくなる。これにより、より容易にロールアクションを行うことができる。
【0012】
また、前記ルアー本体は、前記腹部の幅L1、体高の長さL3とするとL3>L1を満たすことが好ましい。
【0013】
本発明によれば、ルアー本体の体高が比較的大きくなるため、ルアー本体がより横向きに傾きやすくなる。これにより、より容易にロールアクションを行うことができる。
【0014】
また、前記ラインアイは、円環状に形成され、進行方向に対して垂直に設けられることが好ましい。
【0015】
本発明によれば、ルアー本体に対して、左右方向(横方向)の力を加えやすくなるため、より容易にロールアクションを行うことができる。
【0016】
また、前記ラインアイは、前記ルアー本体の上端かつ前端に取り付けられることが好ましい。
【0017】
本発明によれば、ルアー本体の背部がロールアクションを行う際の回転軸となるため、バランスよくロールアクションを行うことができる。
【0018】
また、前記ルアー本体の顔部から前方延長線上に延伸し、正面視で当該ルアー本体と略同程度の大きさのリップをさらに備えることが好ましい。
【0019】
本発明によれば、ルアー本体と略同程度の大きさのリップを備えることで、リールが巻かれた際、ルアーの直進を抑制するブレーキとして機能する。これにより、ルアーが早期に回収されるのを防ぎ、ユーザは、ルアーに十分なロールアクションを行わせることができる。
【0020】
また、前記ルアー本体の尾部に、遊泳速度を低減する抵抗部材をさらに備えることが好ましい。
【0021】
本発明によれば、抵抗部材を備えることで、リールが巻かれた際、ルアーの直進を抑制するブレーキとして機能する。これにより、ルアーが早期に回収されるのを防ぎ、ユーザは、ルアーに十分なロールアクションを行わせることができる。
【0022】
また、前記ルアー本体の両側面に平坦面を備えていることが好ましい。
【0023】
本発明によれば、ルアー本体の両側面に平坦面を備えることで、ロールアクション時にフラッシング効果(明滅効果)を生じさせ、集魚性を高めることができる。
【0024】
また、前記錘は、腹部の内部又は一部に成形された成形鉛で形成されていることが好ましい。
【0025】
本発明によれば、錘を所望の位置に容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るルアーによれば、容易にロールアクションを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図3】本実施形態に係るルアーの断面図であり、(a)は、
図1のA-A線に沿う断面図、(b)は、
図1のB-B線に沿う断面図、(c)は、
図1のC-C線に沿う断面図である。
【
図4】本実施形態に係るルアーの正面に関する説明図であり、(a)は、ルアーの正面図、(b)は、
図1のD-D線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は、適宜、省略する。以下の説明において、「前後」、「左右」、「上下」は、ルアーの遊泳方向を基準とし、
図1,2の矢印に従う。
【0029】
<本実施形態>
[ルアーの構成]
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係るルアー100は、ルアー本体1と、前側釣針6と、後側釣針9と、抵抗部材5と、リング部材17,18とを備えている。ルアー100は、ユーザがリールを巻きながら、一定の振り幅やリズムでロッドを動かすことにより、ルアーにロールアクションをさせるものである。
【0030】
まず、ルアー100のルアー本体1について説明する。
ルアー本体1は、腹部10と、背部11と、顔部12と、尾部13と、ラインアイ3と、リップ4と、後側釣針用アイ7と、前側釣針用アイ8とを備えている。ルアー本体1は、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、ポリカーボネート、塩化ビニルなどの合成樹脂材料又は木材によって形成される。なお、ルアー本体1は、他の材料で形成されてもよい。
【0031】
ルアー本体1は、魚を模した形状を有するとともに、中空で形成され下膨れ形状を呈している。下膨れ形状とは、ルアー本体1の上部よりも下部が膨らんでいる形状のことを言う。具体的には、
図2及び
図3(c)に示すように、下膨れ形状とは、腹部10の幅L1が背部11の幅L2よりも大きいことを意味する。
【0032】
図3(a)から
図3(c)に示すように、ルアー本体1は、腹部10の幅L1、背部11の幅L2、体高の長さL3とするとL3>L1>L2を満たしている。なお、幅L1は、腹部10の最大幅を意味する。また、腹部10の幅L2及び体高の長さL3は、前後方向において幅L1と同じ位置を計測するものである。
【0033】
また、
図3(b)、(c)に示すように、ルアー本体1の両側面には、平坦面10a,10bがそれぞれ形成されている。平坦面は、一面で構成されていてもよいし、3面以上で構成されていてもよい。腹部10の下面は、下側に凸となるように湾曲している。
【0034】
腹部10の下部において、左右方向の中心には、錘2が設けられている。錘2の設置位置は、腹部10の内部又は一部であって、かつ、腹部10の下側であることが好ましい。錘2の質量は、水中でルアー本体1が傾倒した際に、錘2の質量によって元の姿勢に復帰するように設定されている。元の姿勢とは、水中でルアー本体1の上下方向軸と鉛直方向軸とが重なっている状態を言う。
【0035】
なお、錘2の形状は特に制限されないが、例えば、ルアー本体1の体形に沿う成形錘を成形し、ルアー本体1と一体成形されることが好ましい。また、錘2は、例えば、ルアー本体1の外表面に板状錘を張り付けてもよい。この際、板状錘を調整することで、ルアー100が遊泳する深さやロールアクションのキレなどを容易に調整することができる。
【0036】
背部11は、
図2及び
図3(a)から
図3(c)に示すように、概ね一定の幅になっている。背部11の幅L2は、腹部10の幅L1に比べて小さく、顔部12から尾部13まで直線的にかつ上方にわずかに凸となるように湾曲して形成されている。背部11は、顔部12から尾部13に向けて直線的に形成されることで、ロールアクション時の回転軸となり、背部11を中心にして腹部10の下側が左右に揺動する。
【0037】
顔部12は、
図1に示すように、魚の顔を模して形成されており、例えば、眼、口、鰓(えら)が形成されている。また、
図2に示すように、顔部12の眼と鰓は、立体的な形状になっている。顔部12の上端と、腹部10の上端(背部11)との高さ位置は、概ね同じ位置になっている。
【0038】
尾部13は、魚の尾を模して形成されている。尾部13は、腹部10から後方に向かうにつれて細くなるように形成されている。尾部13の上端と、腹部10の上端(背部11)との高さ位置は、概ね同じ位置になっている。
【0039】
ラインアイ3は、錘2よりも前方に配置され、釣糸と結ばれる部位である。ラインアイ3は、円環状に形成され、進行方向に対して垂直に設けられている。つまり、ラインアイ3の軸心が前後方向と平行になっている。ラインアイ3の取り付け位置は、錘2よりも前方であればよいが、本実施形態ではルアー本体1の上端の前端32に取り付けられている。これにより、ルアー100は、ユーザの操作による入力位置と、ロールアクション時の回転軸となる背部11とが同じ高さ位置で一直線上になり、左右に揺動する時のバランスを取りやすくなっている。また、ルアー100は、ラインアイ3がルアー本体1の上端の前端32に取り付けられることで、ルアー本体1が尻上がり姿勢(顔部12に対して尾部13側が上がってしまう姿勢)となることを防いでいる。
【0040】
リップ4は、ルアー本体1の顔部12から前方延長線上に延伸し、正面視で当該ルアー本体1と略同程度の大きさで形成されている。リップ4は、
図1に示すように、顔部12の顎から前方斜め下方向に突出している。また、リップ4の上辺4aと下辺4bは互いに近接するように湾曲している。また、
図4(b)に示すように、リップ4の横断面は下側に向けて先細りとなるようになっている(概ね三角形状になっている)。なお、リップ4は、任意の構成要素であり、省略してもよい。
【0041】
後側釣針用アイ7は、尾部13の後端に設けられている。後側釣針用アイ7には、リング部材17を介して後側釣針9が取り付けられている。さらに、後側釣針9には、抵抗部材5が取り付けられている。抵抗部材5は、本実施形態ではフェザーを用いているが、水流抵抗になる部材であれば他の部材であってもよい。なお、抵抗部材5は、任意の構成要素であり、省略してもよい。
【0042】
前側釣針用アイ8は、腹部10の下部に設けられている。前側釣針用アイ8には、リング部材18を介して前側釣針6が取り付けられている。なお、釣針用アイの個数や位置は、適宜設定すればよい。
【0043】
[作用・効果]
次に、本実施形態に係るルアー100の作用効果について説明する。ユーザは、ラインにテンションをかけて竿先を左右方向に動かす(シェイクする)ことで、ルアー100のルアー本体1をローリングさせることができる。
【0044】
ここで、従来のルアーの場合、ルアー本体の上下の形状が均等なものが多く、ルアーをロールさせることが難しいという問題があった。
【0045】
これに対し、本実施形態によれば、ルアー100は、高さ方向にアンバランスな下膨れ形状になっており、錘2の位置よりも前方においてユーザによって左右方向の力が入力される。これにより、ルアー本体1の浮力も相まって、ルアー本体1が横向きに傾きやすくなっている。換言すると、ルアー本体1の初動の倒れがよく、重心のバランスを不安定にする最初のきっかけを与えやすくなっている。
【0046】
一方、錘2がルアー本体1の腹部10の下側に配置されているため、傾いたルアー本体1の姿勢を復元する力が働く。これにより、ルアー100は、容易にロールアクションを行うことができる。
【0047】
また、本実施形態のルアー本体1は、腹部10の幅L1、背部11の幅L2、体高の長さL3とするとL3>L1>L2を満たしている。これにより、幅L1及び幅L2に対して体高の長さL3が比較的大きいため、ルアー本体1が横向きにより傾きやすくなる。これにより、ルアー100は、より容易にロールアクションを行うことができる。
【0048】
また、本実施形態のラインアイ3は、円環状31に形成され、進行方向に対して垂直に設けられている。これにより、ユーザは、ルアー本体1に対して、左右方向(横方向)の力を伝達させやすくなり、ルアー100にロールアクションを起こしやすくなる。また、ルアー100は、顔部12の上端、背部11及び尾部13の上端が一直線上に同じ高さ位置に形成されるとともに、ラインアイ3が上端かつ前端32に取り付けられている。これにより、ユーザの操作による入力位置と、ロールアクションの回転軸とが一直線上に並ぶため、ユーザは、安定してルアー100を揺動させることができる。
【0049】
また、本実施形態のリップ4は、ルアー本体1の顔部12から前方延長線上に延伸し、正面視でルアー本体1と略同程度の大きさで形成されている。これにより、ルアー100は、ユーザによってリールが巻かれても、リップ4が抵抗になってブレーキの機能を果たす。つまり、リップ4によってルアー100の進む速度がゆっくりになる。これにより、ルアー100がユーザ側に早期に到達するの(手前に早く寄ってくること)を防ぎ、ユーザは、ルアー100に十分なロールアクションを行わせることができる。また、ルアー100は、リップ4が正面視でルアー本体1と略同程度の大きさで形成されているため、キャスト時の空気抵抗を低減することができ、リップ4を設けることに起因する飛距離の低減を防いでいる。さらに、リップ4が顔部12から前方延長線上に延伸し、先細りとなるように形成されているため、ルアー100は、キャスト時の空気抵抗をより低減することができる。
【0050】
また、本実施形態の尾部13は、遊泳速度を低減する抵抗部材5をさらに備えている。これにより、ルアー100は、ユーザによってリールが巻かれても、抵抗部材5が抵抗になってブレーキの機能を果たす。これにより、ルアー100がユーザ側に早期に到達するのを防ぎ、ユーザは、ルアー100に十分なロールアクションを行わせることができる。
【0051】
また、例えば、抵抗部材5をフェザーにすることで、集魚効果も備えることができる。抵抗部材5をフェザーにすることで、抵抗部材5が水と絡み、ルアー100のブレーキとしての機能、即ち、ユーザの手前に寄ってくる速度を減速させる機能を高めることができる。なお、抵抗部材5はフェザーに限定されるものではなく、例えば、ティンセルを使用してもよい。この場合であっても、ユーザは、ルアー100を手前にゆっくり寄せることができる。
【0052】
また、本実施形態のルアー本体1の両側面に平坦面14a,14bを備えている。これにより、ルアー100は、ロールアクション時のフラッシング効果(明滅効果)により、集魚性を高めることができる。
【0053】
また、錘2は、腹部10の内部又は一部に成形された成形鉛で形成されている。本実施形態のように、ルアー本体1の体形に沿う成形錘を成形し、ルアー本体1と一体成形することで容易に製造することができる。錘2の形状は、特に制限されないが、例えば、錘2が球体であると、錘2とルアー本体1の下面との間に隙間が発生し重心が上がってしまう。この点、本実施形態では、ルアー100は、腹部10の下面において錘2をルアー本体1の体形に沿うように板状又は略直方体にすることで、球体である場合に比べてルアー本体1の重心を下げることができるので、ルアー本体1の元の姿勢に復帰しやすくなっている。
【0054】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、上記したルアー本体1の断面形状は概ね台形としたが、他の形状であってもよい。例えば、ルアー本体1は、横断面が略三角形状を呈し、腹部10の幅L1、体高の長さL3とするとL3>L1を満たすことで、下膨れ形状を実現してもよい。つまり、ルアー本体1の横断面を略三角形状とし、L3>L1を満たすようにしても、上記した実施形態と同じ効果を奏することができる。
【0055】
また、ラインアイ3の設置位置は、必ずしもルアー本体1の上端である必要はなく、ロールアクション可能な範囲で適宜設置すればよい。また、ラインアイ3は、進行方向と平行に取り付けてもよい。
【0056】
また、背部11の幅L2は、
図2に示すように、腹部10の幅L1の半分程度の大きさになっているが、これに限定されるものではない。例えば、背部11の幅L2は、極めて細く形成されてもよく、この場合、ルアー本体1は、背部11が尖った形状を備えることができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、ユーザは、竿をシェイクするだけで、ルアー100を容易にローリングさせることができる。そのため、例えば、本実施形態に係るルアー100をミッドストローリング(Mid Strolling:所謂、ミドスト)用のルアーに適用することで、ルアー100に中層を漂う魚のようなロールアクションをさせることができる。このように、本実施形態に係るルアー100は、ユーザによるシェイクに応じてローリングし、水中において中層を漂うことができるので、ミッドストローリング用のルアーに適用することが好適である。
【符号の説明】
【0058】
1 ルアー本体
2 錘
3 ラインアイ
4 リップ
5 抵抗部材
6 前側釣針
7 後側釣針用アイ
8 前側釣針用アイ
9 後側釣針
10 腹部
11 背部
12 顔部
13 尾部
17,18 リング部材
100 ルアー