(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115052
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】回路基板及びこれを有する電装部品
(51)【国際特許分類】
H05K 1/14 20060101AFI20240819BHJP
【FI】
H05K1/14 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020501
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松保 諒
(72)【発明者】
【氏名】菰田 夏樹
【テーマコード(参考)】
5E344
【Fターム(参考)】
5E344AA02
5E344AA15
5E344BB02
5E344BB04
5E344CD18
5E344DD07
5E344EE17
(57)【要約】
【課題】導電性配線が形成されたフレキシブルな導電性配線基板が回路基板に接続される構成において、導電性配線基板が折れ曲がった場合に導電性配線の断線の発生を抑制する。
【解決手段】検知用配線基板20が接続される回路基板10が、検知用配線基板20が接続された場合に検知用配線22a,22bが交差する端辺11aのうち検知用配線22a,22bに対向しない領域の少なくとも一部が、端辺11aのうち検知用配線22a,22bに対向する全ての領域よりも回路基板10の外側に向かって突出した凸形状を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル基板に導電性配線が形成されてなる導電性配線基板が接続される回路基板であって、
前記導電性配線基板は、前記導電性配線が、前記回路基板に設けられた接続部に電気的に接続されるとともに、当該接続部から前記回路基板の端辺と交差して前記回路基板の外側に向かって延びるように前記回路基板に接続され、
前記回路基板は、前記導電性配線基板が当該回路基板に接続された場合に前記導電性配線が交差する端辺のうち前記導電性配線に対向しない領域の少なくとも一部が、当該端辺のうち前記導電性配線に対向する全ての領域よりも前記回路基板の外側に向かって突出した凸形状を有する、回路基板。
【請求項2】
請求項1に記載の回路基板及び導電性配線基板と、
前記回路基板上に実装されたコネクタと、を有し、
前記接続部と前記導電性配線とが、前記コネクタを介して接続されている、電装部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル基板が接続される回路基板及びこれを有する電装部品に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板を有する電装部品として、回路基板にフレキシブル基板が接続された構成が知られている。
【0003】
特許文献1には、回路基板上にコネクタが実装され、このコネクタを介して回路基板とフレキシブル基板とが接続された構成が開示されている。特許文献1に開示された技術においては、回路基板の端辺近傍にコネクタが実装されている。また、フレキシブル基板がケーブル部と電極部とから構成されている。そして、フレキシブル基板の電極部がコネクタに接続され、そこからケーブル部が回路基板の端辺と交差して回路基板の外側に向かって延びるようにフレキシブル基板が回路基板に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたものは、フレキシブル基板のケーブル部が回路基板上から回路基板の端辺と交差して回路基板の外側に向かって延びるようにフレキシブル基板が回路基板に接続されている。そのため、フレキシブル基板が回路基板側に折れ曲がった場合、ケーブル部が回路基板の端辺に接触して断線してしまう虞がある。
【0006】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、導電性配線が形成されたフレキシブルな導電性配線基板が回路基板に接続される構成において、導電性配線基板が折れ曲がった場合に導電性配線の断線の発生を抑制できる回路基板及びこれを有する電装部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、
フレキシブル基板に導電性配線が形成されてなる導電性配線基板が接続される回路基板であって、
前記導電性配線基板は、前記導電性配線が、前記回路基板に設けられた接続部に電気的に接続されるとともに、当該接続部から前記回路基板の端辺と交差して前記回路基板の外側に向かって延びるように前記回路基板に接続され、
前記回路基板は、前記導電性配線基板が当該回路基板に接続された場合に前記導電性配線が交差する端辺のうち前記導電性配線に対向しない領域の少なくとも一部が、当該端辺のうち前記導電性配線に対向する全ての領域よりも前記回路基板の外側に向かって突出した凸形状を有する。
【0008】
上記のように構成された本発明においては、回路基板に設けられた接続部に導電性配線が電気的に接続され、導電性配線がそこから回路基板の端辺と交差して回路基板の外側に向かって延びるように導電性配線基板が回路基板に接続される。ここで、回路基板は、導電性配線基板が回路基板に接続された場合に導電性配線が交差する端辺のうち導電性配線に対向しない領域の少なくとも一部が、その端辺のうち導電性配線に対向する全ての領域よりも回路基板の外側に向かって突出した凸形状を有している。そのため、導電性配線基板が回路基板側に折れ曲がった場合、導電性配線基板は導電性配線が形成されていない領域がまず回路基板の端辺に接することになる。それにより、導電性配線基板が回路基板側に折れ曲がった場合でも、導電性配線が回路基板の端辺に接しにくくなり、導電性配線の回路基板への接触による断線の発生が抑制されることになる。
【0009】
また、上記のような回路基板を有する電装部品として、回路基板及び導電性配線基板と、回路基板上に実装されたコネクタとを有し、回路基板に設けられた接続部と導電性配線とがコネクタを介して接続されている構成とすることが考えられる。
【0010】
このような構成を有するものにおいては、上記回路基板に導電性配線基板が接続された電装部品において、コネクタを用いて導電性配線基板と回路基板とを分離可能に接続することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フレキシブルな導電性配線基板が回路基板側に折れ曲がった場合、導電性配線基板は導電性配線が形成されていない領域がまず回路基板の端辺に接することになる。それにより、導電性配線基板が回路基板側に折れ曲がった場合でも、導電性配線が回路基板の端辺に接しにくくなり、導電性配線の断線の発生を抑制できる。
【0012】
また、回路基板及び導電性配線基板と、回路基板上に実装されたコネクタとを有し、回路基板に設けられた接続部と導電性配線とがコネクタを介して接続されている電装部品においては、上記効果を得ることができるとともに、コネクタを用いて導電性配線基板と回路基板とを分離可能に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の電装部品の一実施形態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【
図2】
図1に示した回路基板の構成例を示す図である。
【
図3】
図1に示した検知用配線基板の構成例を示す図である。
【
図4】
図1に示したコネクタの構成例を示す図であり、(a)は閉じた状態の上面図、(b)は開いた状態の上面図、(c)は閉じた状態の側面図、(d)は開いた状態の側面である。
【
図5】
図1に示した水分検知用部品の使用方法の一例を説明するための図である。
【
図6】
図1に示した水分検知用部品において、回路基板が、1つの端辺が外側に向かって突出していない略四角形である場合に生じる作用を説明するための図であり、(a)は上方から見た図、(b)は側方から見た図である。
【
図7】
図1に示した水分検知用部品に生じる作用を説明するための図であり、(a)は上方から見た図、(b)は側方から見た図である。
【
図8】本発明の電装部品の他の実施形態を示す図である。
【
図9】
図8に示した水分検知用部品に生じる作用を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
〈電装部品の構成〉
図1は、本発明の電装部品の一実施形態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
図2は、
図1に示した回路基板10の構成例を示す図である。
図3は、
図1に示した検知用配線基板20の構成例を示す図である。
【0016】
本実施形態は
図1に示すように、回路基板10と、検知用配線基板20と、コネクタ30とを有する水分検知用部品1である。
【0017】
回路基板10は、リジット基板11上に2つの接続パターン12a,12bが形成されて構成されている。
【0018】
リジット基板11は、例えば、ガラス布にエポキシ樹脂を含侵させたガラスエポキシ基板であって、可撓性を有さない。なお、リジット基板11の種類としては、紙にフェノール樹脂を含侵させた紙フェノール基板や、紙にエポキシ樹脂を含侵させた紙エポキシ基板等、可撓性を有さないものであればガラスエポキシ基板に限らない。リジット基板11は、1つの端辺11aがリジット基板11の外側に向かって突出した凸形状を有し、それにより、その端辺11aに、回路基板10の外側に向かって突出した頂点11bを有している。接続パターン12a,12bは、本願発明の接続部の一例となるものであって、リジット基板11の一方の面に導電性材料が塗工されることで形成され、互いに電気的に離隔している。
【0019】
検知用配線基板20は、本願発明にて導電性配線基板の一例となるものであって、フレキシブル基板21上に2本の検知用配線22a,22b及び2つの接続端子23a,23bが形成されて構成されている。
【0020】
フレキシブル基板21は、ポリカーボネートや、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、ポリプロピレン等の可撓性のある薄い絶縁体から構成され、帯状形状を有していればよい。なお、本構成例では、フレキシブル基板21は透明なポリカーボネートから構成されているが、それに限定されるものではない。本構成例では、
図1(a)及び
図3に示すように、上面から見た場合に、検知用配線22a,22b及び接続端子23a,23bがフレキシブル基板21を介して視認可能となっている。検知用配線22a,22bは、本願発明にて導電性配線の一例となるものであって、フレキシブル基板21上にフレキシブル基板21の長手方向に互いに並行して延びるように形成されている。接続端子23a,23bは、検知用配線22a,22bそれぞれの一方の端部に接続されている。これら検知用配線22a,22b及び接続端子23a,23bは、フレキシブル基板21の一方の面に、例えば導電性インクを用いた印刷によって形成されている。また、検知用配線22a,22b上に樹脂等を塗工することで、保護層を形成してもよい。これにより、検知用配線22a,22bを外部からの衝撃から保護することができる。ここで、本実施形態における水分検知用部品1は、後述するように、検知用配線22a,22b間が水分によって電気的に導通することを検出することで水分の発生を検知するものである。そのため、保護層は、検知用配線22a,22bの少なくとも一部が表出するように形成することが好ましい。例えば、検知用配線22a,22bが延びる方向に複数の保護層を等間隔に島状に形成することが考えられる。
【0021】
図4は、
図1に示したコネクタ30の構成例を示す図であり、(a)は閉じた状態の上面図、(b)は開いた状態の上面図、(c)は閉じた状態の側面図、(d)は開いた状態の側面である。
【0022】
コネクタ30は
図4に示すように、ベース部32と、蓋部33と、接続部31とを有している。ベース部32と蓋部33とは、互いに重ね合わされた状態から、それぞれの1つの端辺が支点30aとなってこの支点30aを中心として開閉自在となっている。ベース部32には、蓋部33が重ね合わされる面に2つの接続端子34a,34bが設けられている。接続端子34a,34bは、導電性材料からなり、互いに電気的に離隔している。接続部31は、接続端子34a,34bのそれぞれと電気的に導通している。
【0023】
上記のように構成されたコネクタ30は、リジット基板11の接続パターン12a,12bが形成された面上に実装されている。その際、コネクタ30の接続部31のリジット基板11への搭載面には、接続端子34a,34bにそれぞれ個別に接続された2つの接続端子(不図示)が設けられている。そして、この2つの接続端子が、リジット基板11の接続パターン12a,12bに個別に接続されるように、コネクタ30がリジット基板11に搭載されている。これにより、リジット基板11の接続パターン12aとコネクタ30の接続端子34aとが電気的に接続され、また、リジット基板11の接続パターン12bとコネクタ30の接続端子34bとが電気的に接続された状態となっている。
【0024】
検知用配線基板20は、検知用配線22a,22bが形成された面が回路基板10のコネクタ30が搭載された面に対向する向きでその一部が回路基板10に重ね合わされる。その際まず、コネクタ30のベース部32と蓋部33とが支点30aを中心として開かれ、ベース部32上の接続端子34a,34bと、検知用配線基板20の接続端子23a,23bとがそれぞれ接するように検知用配線基板20が回路基板10に重ね合わされる。
【0025】
その後、コネクタ30のベース部32と蓋部33とが支点30aを中心として閉じられる。ベース部32と蓋部33とは、閉じた場合に互いに係合する係合部(不図示)を有しており、この係合部が互いに係合することで閉じた状態が保持される。これにより、コネクタ30の接続端子34aと、検知用配線基板20の接続端子23aとが電気的に接続され、また、コネクタ30の接続端子34bと、検知用配線基板20の接続端子23bとが電気的に接続された状態となる。ここで、上述したように、リジット基板11の接続パターン12aとコネクタ30の接続端子34aとは電気的に接続されており、また、リジット基板11の接続パターン12bとコネクタ30の接続端子34bとは電気的に接続されている。また、上述したように、接続端子23a,23bは、検知用配線22a,22bそれぞれの一方の端部に接続されている。そのため、検知用配線基板20が上述したように回路基板10上に重ね合わされてコネクタ30が閉じられると、回路基板10の接続パターン12aと、検知用配線基板20の検知用配線22aとが電気的に接続される。また、回路基板10の接続パターン12bと、検知用配線基板20の検知用配線22bとが電気的に接続された状態となる。
【0026】
このようにして検知用配線基板20が回路基板10に接続された状態においては、検知用配線基板20の検知用配線22a,22bが、接続端子23a,23bによってコネクタ30を介して回路基板10の接続パターン12a,12bに接続されている。そして、検知用配線22a,22bは、そこからリジット基板11の端辺11aと交差して回路基板10の外側に向かって延びるような状態となっている。ここで、リジット基板11は、端辺11aが回路基板10の外側に向かって突出した凸形状を有しており、端辺11aのうち検知用配線22a,22b間に対向する領域に、凸形状による頂点11bが位置している。これにより、回路基板10は、端辺11aのうち検知用配線22a,22bに対向しない領域が、端辺11aのうち検知用配線22a,22bに対向する領域よりも回路基板10の外側に向かって突出した凸形状を有するものとなっている。
【0027】
〈電装部品の使用形態〉
以下に、上記のように構成された水分検知用部品1を用いて水分の漏れを検知する方法について説明する。
【0028】
図5は、
図1に示した水分検知用部品1の使用方法の一例を説明するための図である。
【0029】
図1に示した水分検知用部品1は、例えば、配管に取り付けられ、配管からの水分の漏れを検知するために使用される。
【0030】
その場合はまず、上述したように、検知用配線基板20を回路基板10上に載置してコネクタ30を閉じ、回路基板10の接続パターン12a,12bと、検知用配線基板20の検知用配線22a,22bとをそれぞれ電気的に接続する。
図5に示すように、回路基板10の接続パターン12aにはケーブル3aが接続され、回路基板10の接続パターン12bにはケーブル3bが接続されている。ケーブル3a,3bの他端には、RFIDタグ4が接続されている。これにより、検知用配線22a,22bがコネクタ30及びケーブル3a,3bを介してRFIDタグ4と電気的に接続された状態となる。
【0031】
このように検知用配線22a,22bがコネクタ30及びケーブル3a,3bを介してRFIDタグ4と電気的に接続された水分検知用部品1を配管に取り付け、2本の検知用配線22a,22b間の導通状態を検査する。具体的には、RFIDタグ4と非接触通信が可能な検査装置2からRFIDタグ4に電力を供給することで、RFIDタグ4からケーブル3a,3b及びコネクタ30を介して検知用配線22a,22bに電流を供給して抵抗値を検出する。配管にて水分の漏れが発生していない場合は、2本の検知用配線22a,22b間は導通しておらず、そのため、検査装置2からRFIDタグ4を介して検知用配線22a,22bに電流が供給されても検知用配線22a,22bには電流が流れない。それにより、検査装置2にてRFIDタグ4を介して検出される抵抗値は、ほぼ無限大となる。
【0032】
一方、配管にて水分の漏れが発生している場合は、2本の検知用配線22a,22b間が水分によって導通する。それにより、検査装置2からRFIDタグ4を介して検知用配線22a,22bに電流が供給されると検知用配線22a,22bに電流が流れ、検査装置2にてRFIDタグ4を介して一定の抵抗値が検出されることになる。
【0033】
検査装置2においては、このようにしてRFIDタグ4を介して検出した抵抗値に基づいて配管に水分の漏れが発生しているかどうかを判断することになる。
【0034】
また、
図1に示した水分検知用部品1においては、油分を検出する構成に使用することもできる。その場合、油分の漏れが発生すると、検知用配線22a,22bが断線したり、検知用配線22a,22bの抵抗値が大きくなったりすることを検出するため、検知用配線22a,22bのコネクタ30と接続される端部とは反対側の端部を、接続部材を用いて電気的に接続しておくことになる。
【0035】
〈電装部品に生じる作用〉
以下に、上述した水分検知用部品1に生じる作用について説明する。
【0036】
まず、
図1に示した水分検知用部品において、回路基板が、1つの端辺が外側に向かって突出していない略四角形である場合に生じる作用について説明する。
【0037】
図6は、
図1に示した水分検知用部品において、回路基板が、1つの端辺が外側に向かって突出していない略四角形である場合に生じる作用を説明するための図であり、(a)は上方から見た図、(b)は側方から見た図である。
【0038】
上述したような水分検知用部品1は、検知用配線基板20が回路基板10に接続された状態においては、検知用配線基板20の検知用配線22a,22bの一端がコネクタ30を介して回路基板10の接続パターン12a,12bに接続されている。そして、検知用配線22a,22bが、そこからリジット基板11の端辺11aと交差して回路基板10の外側に向かって延びるような状態となっている。すなわち、検知用配線基板20は、検知用配線基板20が回路基板10に接続された状態においては、回路基板10に重なる領域と回路基板10に重ならない領域とを有している。そのため、検知用配線基板20は、回路基板10に重ならない領域にて折れ曲がることが可能となっている。その際、検知用配線基板20が回路基板10側に折れ曲がると、検知用配線22a,22bが交差するリジット基板11の端辺11aに検知用配線基板20が強く押し付けられたり、擦れたりする虞がある。また、リジット基板11の端辺11aを支点として検知用配線基板20が折れ曲がることも考えられる。
【0039】
図1に示した水分検知用部品において、回路基板が、1つの端辺が外側に向かって突出していない略四角形である場合、上述したように検知用配線基板20が折れ曲がると、
図6に示すように、検知用配線基板20の検知用配線22a,22bが形成された領域がリジット基板511の端辺511aに接触する虞がある。そして、検知用配線基板20の検知用配線22a,22bが形成された領域がリジット基板511の端辺511aに強く押し付けられたり、擦れたりする虞がある。ここで、本実施形態においては、検知用配線基板20は、検知用配線22a,22bが形成された面が回路基板510のコネクタ30が搭載された面に対向する向きでその一部が回路基板510に重ね合わされている。そのため、検知用配線基板20の検知用配線22a,22bが形成された領域がリジット基板511の端辺511aに接触すると、検知用配線22a,22bがリジット基板511の端辺511aに直接接触することになる。これにより、検知用配線22a,22bが、リジット基板511の端辺511aに強く押し付けられたり擦れたりし、断線してしまう虞がある。また、上述したように検知用配線基板20が折れ曲がると、折れ曲がりによる力が検知用配線基板20のリジット基板511の端辺511aと対向する領域に大きく加わる。そのため、検知用配線22a,22bが形成された面と反対側の面が回路基板510のコネクタ30が搭載された面に対向する向きで検知用配線基板20が回路基板510に重ね合わされて検知用配線22a,22bがリジット基板511の端辺511aに直接接触しない場合であっても、検知用配線22a,22bが断線してしまう虞がある。
【0040】
次に、
図1に示した水分検知用部品1に生じる作用について説明する。
【0041】
図7は、
図1に示した水分検知用部品1に生じる作用を説明するための図であり、(a)は上方から見た図、(b)は側方から見た図である。
【0042】
図1に示した水分検知用部品1は、上述したように、リジット基板11が、端辺11aが回路基板10の外側に向かって突出した凸形状を有しており、端辺11aのうち検知用配線22a,22b間に対向する領域に、凸形状による頂点11bが位置している。これにより、回路基板10は、端辺11aのうち検知用配線22a,22bに対向しない領域が、端辺11aのうち検知用配線22a,22bに対向する領域よりも回路基板10の外側に向かって突出した凸形状を有するものとなっている。
【0043】
そのため、検知用配線基板20が回路基板10側に折れ曲がった場合、
図7に示すように、検知用配線基板20は、検知用配線22a,22bが形成されていない領域がまずリジット基板11の端辺11a(頂点11b)に接することになる。それにより、検知用配線基板20が回路基板10側に折れ曲がった場合でも、検知用配線基板20の検知用配線22a,22bが形成された領域がリジット基板11の端辺11aに接しにくくなり、検知用配線22a,22bの断線の発生が抑制されることになる。特に、検知用配線基板20が、検知用配線22a,22bが形成された面が回路基板10のコネクタ30が搭載された面に対向する向きで回路基板10に重ね合わされている場合には、検知用配線22a,22bがリジット基板11の端辺11aに直接接触しにくくなる。これにより、検知用配線22a,22bの断線の発生が抑制されることになる。
【0044】
ここで、フレキシブル基板21は、可撓性のある薄い絶縁体から構成されていればよく、例えば0.3mm以上の厚さを有するポリカーボネートから構成されたものを利用することが考えられる。その場合、検知用配線基板20が回路基板10側に折れ曲がった場合、
図7(b)に示すように、検知用配線基板20の検知用配線22a,22bが形成された領域が回路基板10から浮き上がる。これにより、検知用配線22a,22bがリジット基板11の端辺11aにさらに接しにくくなる。
【0045】
なお、本実施形態においては、リジット基板11の端辺11aの頂点11bが、検知用配線22a,22b間に対向する領域に位置している。これにより、回路基板10は、端辺11aのうち検知用配線22a,22bに対向しない領域が、端辺11aのうち検知用配線22a,22bに対向する領域よりも回路基板10の外側に向かって突出した凸形状を有するものとなっている。しかしながら、リジット基板11の端辺11aの頂点11bが位置する領域は、検知用配線22a,22b間に対向する領域に限らない。例えば、検知用配線22a,22bに対してフレキシブル基板21の端辺側の領域に対向する領域に頂点が位置するようにしてもよい。これによっても、回路基板10は、端辺11aのうち検知用配線22a,22bに対向しない領域が、端辺11aのうち検知用配線22a,22bに対向する領域よりも回路基板10の外側に向かって突出した凸形状を有するものとなる。
【0046】
(他の実施の形態)
図8は、本発明の電装部品の他の実施形態を示す図である。
【0047】
本実施形態は
図8に示すように、
図1に示したものに対して回路基板110の構成が異なる水分検知用部品101である。
【0048】
本実施形態における回路基板110は、リジット基板111の端辺111aが、回路基板110の外側に向かって突出した3つの頂点111b-1~111b-3を有している。このように構成された回路基板110に、
図1に示したものと同様にして検知用配線基板20がその一部にて重ね合わされ、コネクタ30を介して接続されている。
【0049】
検知用配線基板20が回路基板110に接続された状態においては、検知用配線22a,22bに対向しない領域に頂点111b-1~111b-3が位置する。具体的には、検知用配線22aに対向する領域を挟んだ2つの領域に頂点111b-1,111b-2がそれぞれ位置している。また、検知用配線22bに対向する領域を挟んだ2つの領域に頂点111b-2,111b-3がそれぞれ位置することになる。これにより、回路基板110は、検知用配線基板20が接続された状態において検知用配線22a,22bが交差する端辺111aのうち、検知用配線22a,22bに対向する領域を挟んだ2つの領域が検知用配線22a,22bに対向する領域よりも回路基板110の外側に向かって突出しているものとなっている。
【0050】
図9は、
図8に示した水分検知用部品101に生じる作用を説明するための図である。
【0051】
上述したように
図8に示した水分検知用部品101においては、検知用配線基板20が回路基板110に接続された状態において、検知用配線22a,22bに対向しない領域に頂点111b-1~111b-3が位置している。そのため、検知用配線基板20が回路基板110側に折れ曲がった場合、
図9に示すように、検知用配線基板20は、検知用配線22a,22bが形成されていない領域がリジット基板111の端辺111a(頂点111b-1~111b-3)に接することになる。
【0052】
これにより、検知用配線基板20が回路基板110側に折れ曲がった場合でも、検知用配線基板20の検知用配線22a,22bが形成された領域がリジット基板111の端辺111aに接しにくくなり、検知用配線22a,22bの断線の発生が抑制されることになる。特に、本実施形態においては、検知用配線22aに対向する領域を挟んだ2つの領域に頂点111b-1,111b-2がそれぞれ位置し、検知用配線22bに対向する領域を挟んだ2つの領域に頂点111b-2,111b-3がそれぞれ位置している。そのため、検知用配線基板20が回路基板110側に折れ曲がった場合でも、検知用配線基板20の検知用配線22a,22bが形成された領域がリジット基板111の端辺111aに接することがほぼなくなる。これにより、検知用配線22a,22bの断線の発生がさらに抑制されることになる。
【0053】
なお、上述した実施形態においては、導電性配線として、フレキシブル基板21に2本の検知用配線22a,22bが形成されてなる検知用配線基板20を例に挙げて説明した。しかしながら、リジット基板11の端辺11aの頂点11bが、検知用配線に対向しない領域に位置する構成であれば、検知用配線の数は2本に限らない。その場合であっても、回路基板10は、端辺11aのうち検知用配線に対向しない領域の少なくとも一部が、端辺11aのうち検知用配線に対向する全ての領域よりも回路基板10の外側に向かって突出した凸形状を有するものである必要がある。
【0054】
また、上述した実施形態においては、検知用配線基板20の検知用配線22a,22bがコネクタ30を介して回路基板10,110の接続パターン12a,12bに接続されている。しかしながら、検知用配線22a,22bをはんだ等によって接続パターン12a,12bに直接接続することで、検知用配線基板20を回路基板10,110に接続した構成としてもよい。ただし、コネクタ30を介して検知用配線基板20を回路基板10,110に接続した構成であれば、コネクタ30を用いて検知用配線基板20と回路基板10,110とを分離可能に接続することができる。特に、上述したように、配管に取り付けられ、検知用配線22a,22b間の抵抗値を検出することで配管からの水分の漏れを検知するために使用される場合、回路基板10,110よりも検知用配線基板20の方が早く劣化する可能性がある。そのため、検知用配線基板20と回路基板10,110とをコネクタ30を介して接続する構成とすることにより、劣化した検知用配線基板20のみを交換することができる。また、長手方向の長さが異なる検知用配線基板20を複数用意しておけば、水分の漏れを検知するセンシングエリアに応じた長さの検知用配線基板20を適宜選択してコネクタ30を介して回路基板10,110に交換可能に接続することができる。
【符号の説明】
【0055】
1,101 水分検知用部品
2 検査装置
3a,3b ケーブル
4 RFIDタグ
10,110 回路基板
11,111 リジット基板
11a,111a 端辺
11b,111b-1,111b-2,111b-3 頂点
12a,12b 接続パターン
20 検知用配線基板
21 フレキシブル基板
22a,22b 検知用配線
23a,23b,34a,34b 接続端子
30 コネクタ
30a 支点
31 接続部
32 ベース部
33 蓋部