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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115072
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】搬送装置及び搬送システム
(51)【国際特許分類】
   A47F 10/06 20060101AFI20240819BHJP
   B65G 17/12 20060101ALI20240819BHJP
   B65G 23/02 20060101ALI20240819BHJP
   B65G 54/02 20060101ALI20240819BHJP
   A47G 23/08 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
A47F10/06
B65G17/12 Z
B65G23/02 A
B65G54/02
A47G23/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020536
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】591186176
【氏名又は名称】株式会社 ゼンショーホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】葛山 貴生
【テーマコード(参考)】
3B115
3F021
3F034
【Fターム(参考)】
3B115CB07
3B115CB11
3F021AA06
3F021CA01
3F021DA04
3F034FA02
3F034FA05
(57)【要約】
【課題】店舗レイアウトの自由度を向上させることができる搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置1は、第1隅部231、第2隅部232、第3隅部233及び第4隅部234のそれぞれに設けられた第1プーリP1、第2プーリP2、第3、4プーリP3,P4及び第5、6プーリP5,6と、第1方向に延在する第1ガイドレール5と、第1ガイドレール5にガイドされた第1スライダ部6と、第2方向に延在して第1スライダ部6に設けられた第2ガイドレール7と、第2ガイドレール7の一端側及び他端側のそれぞれに設けられた第7、8プーリP7,8及び第9、10プーリP9,10と、第2ガイドレール7にガイドされた第2スライダ部8と、第1、3、5、7、9プーリP1,3,5,7,9及び第2、4、6、8、10プーリP2,4,6,8,10のそれぞれに掛け回された第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2と、備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店に用いられる搬送装置であって、
第1方向に沿って延在する一対の辺と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って延在する他の一対の辺と、を有し、鉛直面に沿って延在する矩形搬送面が形成されたベースと、
前記矩形搬送面の第1隅部に設けられ、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に沿って延在する第1駆動軸を有する第1駆動部と、
前記第1駆動軸と連結された第1回転体と、
前記矩形搬送面の前記第1隅部と隣り合う第2隅部に設けられ、前記第3方向に沿って延在する第2駆動軸を有する第2駆動部と、
前記第2駆動軸と連結された第2回転体と、
前記矩形搬送面の前記第1隅部と隣り合う第3隅部に設けられた第3回転体及び第4回転体と、
前記矩形搬送面の前記第2隅部と隣り合う第4隅部に設けられた第5回転体及び第6回転体と、
前記第1駆動部と前記第2駆動部との間に位置するとともに前記第1方向に沿って延在するように前記矩形搬送面に設けられた第1ガイド部と、
前記第1方向に沿って移動可能に前記第1ガイド部にガイドされた第1スライダ部と、
前記第2方向に沿って延在するように前記第1スライダ部に設けられた第2ガイド部と、
前記第2ガイド部の一端側に設けられた第7回転体及び第8回転体と、
前記第2ガイド部の他端側に設けられた第9回転体及び第10回転体と、
前記第2方向に沿って移動可能に前記第2ガイド部にガイドされた第2スライダ部と、
前記第2スライダ部に支持された搬送部と、
前記第2スライダ部と連結され、前記第1回転体、前記第3回転体、前記第5回転体、前記第7回転体及び前記第9回転体に掛け回された第1無端状部材と、
前記第2スライダ部と連結され、前記第2回転体、前記第4回転体、前記第6回転体、前記第8回転体及び前記第10回転体に掛け回された第2無端状部材と、備える、
搬送装置。
【請求項2】
前記搬送部は、前記第2スライダ部に固定された搬送台である、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記矩形搬送面と対向するように設けられた仕切板をさらに備え、
前記第2スライダ部には、第1磁石が設けられ、
前記搬送部には、前記第1磁石と吸着する第2磁石が設けられ、
前記仕切板は、前記第1無端状部材又は前記第2無端状部材と前記搬送部との間に位置する、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
飲食店に用いられる搬送装置であって、
第1方向に沿って延在する一対の辺と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って延在する他の一対の辺と、を有し、水平面に沿って延在する矩形搬送面が形成されたベースと、
前記矩形搬送面の第1隅部に設けられ、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に沿って延在する第1駆動軸を有する第1駆動部と、
前記第1駆動軸と連結された第1回転体と、
前記矩形搬送面の前記第1隅部と隣り合う第2隅部に設けられ、前記第3方向に沿って延在する第2駆動軸を有する第2駆動部と、
前記第2駆動軸と連結された第2回転体と、
前記矩形搬送面の前記第1隅部と隣り合う第3隅部に設けられた第3回転体及び第4回転体と、
前記矩形搬送面の前記第2隅部と隣り合う第4隅部に設けられた第5回転体及び第6回転体と、
前記第1駆動部と前記第2駆動部との間に位置するとともに前記第1方向に沿って延在するように前記矩形搬送面に設けられた第1ガイド部と、
前記第1方向に沿って移動可能に前記第1ガイド部にガイドされた第1スライダ部と、
前記第2方向に沿って延在するように前記第1スライダ部に設けられた第2ガイド部と、
前記第2ガイド部の一端側に設けられた第7回転体及び第8回転体と、
前記第2ガイド部の他端側に設けられた第9回転体及び第10回転体と、
前記第2方向に沿って移動可能に前記第2ガイド部にガイドされた第2スライダ部と、
前記第3方向に沿って延在するように前記第2スライダ部に設けられた第3ガイド部と、
前記第3方向に沿って移動可能に前記第3ガイド部にガイドされた第3スライダ部と、
前記第3スライダ部に支持された搬送部と、
前記第2スライダ部と連結され、前記第1回転体、前記第3回転体、前記第5回転体、前記第7回転体及び前記第9回転体に掛け回された第1無端状部材と、
前記第2スライダ部と連結され、前記第2回転体、前記第4回転体、前記第6回転体、前記第8回転体及び前記第10回転体に掛け回された第2無端状部材と、
前記第3ガイド部にガイドされた前記第3スライダ部を前記第3方向に沿って移動させる駆動機構と、を備える、
搬送装置。
【請求項5】
前記駆動機構は、
前記第1隅部又は前記第2隅部に設けられ、前記第3方向に沿って延在する第3駆動軸を有する第3駆動部と、
前記第3駆動軸と連結された第11回転体と、
前記第4隅部に設けられた第12回転体と、
前記第3隅部に設けられた第13回転体と、
前記第2ガイド部の他端側に設けられた第14回転体と、
前記第2ガイド部の一端側に設けられた第15回転体と、
前記第2スライダ部に設けられた第16回転体と、
軸線が前記第3方向に沿って延在するとともに前記第3スライダ部と螺合されるように前記第16回転体と連結されたねじと、
前記第11回転体、前記第12回転体、前記第13回転体、前記第14回転体、前記第15回転体及び前記第16回転体に掛け回された第3無端状部材と、を有する、
請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記駆動機構は、平面視において前記第16回転体を挟んで前記第2方向に沿って配列されるように前記第2スライダ部に設けられた第17回転体及び第18回転体をさらに有し、
前記第3無端状部材は、前記第16回転体と前記第17回転体との間に挟持された部分と、前記第16回転体と前記第18回転体との間に挟持された部分と、を有する、
請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
飲食店に用いられる搬送装置であって、
第1方向に沿って延在する一対の辺と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って延在する他の一対の辺と、を有し、水平面に沿って延在する矩形搬送面が形成されたベースと、
前記矩形搬送面の第1隅部に設けられ、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に沿って延在する第1駆動軸を有する第1駆動部と、
前記第1駆動軸と連結された第1回転体と、
前記矩形搬送面の前記第1隅部と隣り合う第2隅部に設けられ、前記第3方向に沿って延在する第2駆動軸を有する第2駆動部と、
前記第2駆動軸と連結された第2回転体と、
前記矩形搬送面の前記第1隅部と隣り合う第3隅部に設けられた第3回転体及び第4回転体と、
前記矩形搬送面の前記第2隅部と隣り合う第4隅部に設けられた第5回転体及び第6回転体と、
前記第1駆動部と前記第2駆動部との間に位置するとともに前記第1方向に沿って延在するように前記矩形搬送面に設けられた第1ガイド部と、
前記第1方向に沿って移動可能に前記第1ガイド部にガイドされた第1スライダ部と、
前記第2方向に沿って延在するように前記第1スライダ部に設けられた第2ガイド部と、
前記第2ガイド部の一端側に設けられた第7回転体及び第8回転体と、
前記第2ガイド部の他端側に設けられた第9回転体及び第10回転体と、
前記第2方向に沿って移動可能に前記第2ガイド部にガイドされた第2スライダ部と、
前記第2スライダ部と連結され、前記第1回転体、前記第3回転体、前記第5回転体、前記第7回転体及び前記第9回転体に掛け回された第1無端状部材と、
前記第2スライダ部と連結され、前記第2回転体、前記第4回転体、前記第6回転体、前記第8回転体及び前記第10回転体に掛け回された第2無端状部材と、
前記矩形搬送面と対向するように設けられた仕切板と、
水平移動可能に前記仕切板に載置された移動体と、前記第3方向に沿って延在するように前記移動体に設けられた第3ガイド部と、前記第3方向に沿って移動可能に前記第3ガイド部にガイドされた第3スライダ部と、前記第3スライダ部に支持された搬送板と、を有する搬送部と、
前記第3ガイド部にガイドされた前記第3スライダ部を前記第3方向に沿って移動させる駆動機構と、を備え、
前記仕切板は、前記第1無端状部材又は前記第2無端状部材と前記搬送部との間に位置する、
搬送装置。
【請求項8】
前記駆動機構は、
前記第1隅部又は前記第2隅部に設けられ、前記第3方向に沿って延在する第3駆動軸を有する第3駆動部と、
前記第3駆動軸と連結された第11回転体と、
前記第4隅部に設けられた第12回転体と、
前記第3隅部に設けられた第13回転体と、
前記第2ガイド部の他端側に設けられた第14回転体と、
前記第2ガイド部の一端側に設けられた第15回転体と、
前記第2スライダ部に設けられた第16回転体と、
前記第16回転体と連結された第1磁石と、
前記第11回転体、前記第12回転体、前記第13回転体、前記第14回転体、前記第15回転体及び前記第16回転体に掛け回された第3無端状部材と、
前記第1磁石と吸着することで前記第3方向に延在する軸周りに回転可能に前記移動体に設けられた第2磁石と、
軸線が前記第3方向に沿って延在するとともに前記第3スライダ部と螺合されるように前記第2磁石と連結されたねじと、を有する、
請求項7に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記駆動機構は、平面視において前記第16回転体を挟んで前記第2方向に沿って配列されるように前記第2スライダ部に設けられた第17回転体及び第18回転体をさらに有し、
前記第3無端状部材は、前記第16回転体と前記第17回転体との間に挟持された部分と、前記第16回転体と前記第18回転体との間に挟持された部分と、を有する、
請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の搬送装置と、
トレイを載置可能であり、かつ、前記搬送部が通過可能であるように搬送元に設けられた搬送元トレイ載置部と、
トレイを載置可能であり、かつ、前記搬送部が通過可能であるように搬送先に設けられた搬送先トレイ載置部と、を備える、
搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及び搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、トレイを搬送路に沿って搬送する複数の第1搬送ベルトと、隣り合う第1搬送ベルトの間に配置された回転テーブルに設けられた第2搬送ベルトと、を備える搬送システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-180829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の搬送システムでは、搬送ベルトの設置によってデッドスペースが生じるため、店舗レイアウトが制限されてしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑み、この問題点に着目してなされたものであり、店舗レイアウトの自由度を向上させることができる搬送装置及び搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、飲食店に用いられる搬送装置であって、第1方向に沿って延在する一対の辺と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って延在する他の一対の辺と、を有し、鉛直面に沿って延在する矩形搬送面が形成されたベースと、前記矩形搬送面の第1隅部に設けられ、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に沿って延在する第1駆動軸を有する第1駆動部と、前記第1駆動軸と連結された第1回転体と、前記矩形搬送面の前記第1隅部と隣り合う第2隅部に設けられ、前記第3方向に沿って延在する第2駆動軸を有する第2駆動部と、前記第2駆動軸と連結された第2回転体と、前記矩形搬送面の前記第1隅部と隣り合う第3隅部に設けられた第3回転体及び第4回転体と、前記矩形搬送面の前記第2隅部と隣り合う第4隅部に設けられた第5回転体及び第6回転体と、前記第1駆動部と前記第2駆動部との間に位置するとともに前記第1方向に沿って延在するように前記矩形搬送面に設けられた第1ガイド部と、前記第1方向に沿って移動可能に前記第1ガイド部にガイドされた第1スライダ部と、前記第2方向に沿って延在するように前記第1スライダ部に設けられた第2ガイド部と、前記第2ガイド部の一端側に設けられた第7回転体及び第8回転体と、前記第2ガイド部の他端側に設けられた第9回転体及び第10回転体と、前記第2方向に沿って移動可能に前記第2ガイド部にガイドされた第2スライダ部と、前記第2スライダ部に支持された搬送部と、前記第2スライダ部と連結され、前記第1回転体、前記第3回転体、前記第5回転体、前記第7回転体及び前記第9回転体に掛け回された第1無端状部材と、前記第2スライダ部と連結され、前記第2回転体、前記第4回転体、前記第6回転体、前記第8回転体及び前記第10回転体に掛け回された第2無端状部材と、備える搬送装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
この態様によれば、店舗レイアウトの自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る搬送システムを示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態において、トレイが搬送元トレイ載置部に載置された状態を示す状態説明図である。
図3図3は、第1実施形態において、トレイが搬送台により持ち上げられた状態を示す状態説明図である。
図4図4は、第1実施形態において、トレイが搬送台により水平搬送された状態を示す状態説明図である。
図5図5は、第1実施形態において、トレイが搬送台により搬送先トレイ載置部に搬送された状態を示す状態説明図である。
図6図6は、第1変形例に係る搬送システムを示す斜視図である。
図7図7は、第1変形例において、搬送部及び仕切板を取り外した搬送装置を示す斜視図である。
図8図8は、第1変形例に係る搬送部を示す斜視図である。
図9図9は、第2実施形態に係る搬送システムを示す斜視図である。
図10図10は、第2実施形態において、搬送台を取り外した搬送装置を示す斜視図である。
図11図11は、第2実施形態において、第3スライダ部を取り外した第2スライダ部を示す平面図である。
図12図12は、第2実施形態において、トレイが搬送元トレイ載置部に載置された状態を示す状態説明図である。
図13図13は、第2実施形態において、トレイが搬送台により持ち上げられた状態を示す状態説明図である。
図14図14は、第2実施形態において、トレイが搬送台により第2方向に水平搬送された状態を示す状態説明図である。
図15図15は、第2実施形態において、トレイが搬送台により第1方向に水平搬送された状態を示す状態説明図である。
図16図16は、第2実施形態において、トレイが搬送台により搬送先トレイ載置部の上方に搬送された状態を示す状態説明図である。
図17図17は、第2実施形態において、トレイが搬送台により搬送先トレイ載置部に載置された状態を示す状態説明図である。
図18図18は、第2変形例に係る搬送システムを示す斜視図である。
図19図19は、第2変形例において、搬送部及び仕切板を取り外した搬送装置を示す斜視図である。
図20図20は、第3変形例に係る搬送部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態(以下、単に実施形態とも称する。)について説明する。なお、本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。
【0010】
(第1実施形態)
次に、図1を参照しながら第1実施形態に係る搬送システム100について説明する。
【0011】
図1は、第1実施形態に係る搬送システム100を示す斜視図である。なお、図1において、第1方向としての搬送装置1の長手方向(以下、単に長手方向ともいう)をX軸方向とし、第3方向としての搬送装置1の厚み方向(以下、単に厚み方向ともいう)をY軸方向とし、第2方向としての搬送装置1の幅方向(以下、単に幅方向ともいう)をZ軸方向とし、第1方向、第2方向及び第3方向は、互いに直交している。
【0012】
(第1実施形態に係る搬送システムの構成)
図1に示すように、第1実施形態に係る搬送システム100は、飲食店に用いられる飲食店舗用搬送システムであって、搬送元トレイ載置部としての搬送元トレイ載置枠B1、搬送先トレイ載置部としての搬送先トレイ載置枠B2及び搬送装置1を備える。搬送装置1は、例えば、飲食物が収容された丼等(図示しない)を載置可能なトレイTを搬送元トレイ載置枠B1と搬送先トレイ載置枠B2との間で搬送する。
【0013】
搬送元トレイ載置枠B1及び搬送先トレイ載置枠B2は、後述する矩形搬送面23に臨むように設けられている。換言すれば、搬送元トレイ載置枠B1及び搬送先トレイ載置枠B2は、正面視において、矩形搬送面23の領域内に位置するように設けられている。具体的には、搬送元トレイ載置枠B1及び搬送先トレイ載置枠B2は、例えば、同一水平面上に位置するようにカウンターと一体形成されている。なお、説明の便宜上、搬送元トレイ載置枠B1と搬送先トレイ載置枠B2とは、接近して設けられている。
【0014】
搬送元トレイ載置枠B1は、トレイTを載置可能な第1載置面B11と、後述する搬送部としての搬送台9が通過可能な第1開口B12(図3参照)と、を有する。同様に、搬送先トレイ載置枠B2は、トレイTを載置可能な第2載置面B21と、後述する搬送台9が通過可能な第2開口B22と、を有する。
【0015】
トレイTを第1開口B12(又は第2開口B22)の外側に形成された第1載置面B11(又は第2載置面B21)に載置可能であるため、トレイTは、平面視において、第1開口B12(又は第2開口B22)よりも大きく形成されている。換言すれば、第1開口B12(又は第2開口B22)は、平面視において、トレイTよりも小さく形成されている。一方、搬送台9は、第1開口B12(又は第2開口B22)を通過可能であるため、平面視において、第1開口B12(又は第2開口B22)よりも小さく形成されている。
【0016】
また、第1実施形態では、搬送元トレイ載置枠B1と搬送先トレイ載置枠B2とは、同一水平面上に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、異なる水平面上に設けられてもよい。
【0017】
また、第1実施形態では、搬送先トレイ載置部は、単一の搬送先トレイ載置枠B2から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、互いに離間する複数の搬送先トレイ載置枠B2から構成されてもよい。
【0018】
(第1実施形態に係る搬送装置の構成)
図1に示すように、第1実施形態に係る搬送装置1は、ベース2、第1駆動部としての第1駆動モータ3、第2駆動部としての第2駆動モータ4、第1ガイド部としての第1ガイドレール5、第1スライダ部6、第2ガイド部としての第2ガイドレール7、第2スライダ部8、搬送部としての搬送台9、第1回転体群としての第1プーリ群PS1、第2回転体群としての第2プーリ群PS2、第1無端状部材としての第1ワイヤW1及び第2無端状部材としての第2ワイヤW2を備える。
【0019】
ベース2は、鉛直面に沿って延在するように設けられた平板である。ベース2は、長手方向(左右方向)に沿って延在する一対の辺21(21a,21b)と、幅方向(上下方向)に沿って延在する他の一対の辺22(22a,22b)と、鉛直面に沿って延在する矩形搬送面23と、を有する。
【0020】
矩形搬送面23は、第1隅部231、第1隅部231と隣り合うように第1隅部231の下方に位置する第2隅部232と、第1隅部231と隣り合うように第1隅部231の横(具体的には、右側)に位置する第3隅部233と、第2隅部232及び第3隅部233の両方と隣り合うように第3隅部233の下方に位置する第4隅部234と、を有する。
【0021】
第1駆動モータ3は、第1隅部231に設けられている。第1駆動モータ3は、厚み方向に沿って延在する第1駆動軸(図示しない)を有する。
【0022】
第2駆動モータ4は、第2隅部232に設けられている。第2駆動モータ4は、厚み方向に沿って延在する第2駆動軸(図示しない)を有する。
【0023】
第1ガイドレール5は、第1駆動モータ3と第2駆動モータ4との間(具体的には、第1駆動モータ3と第2駆動モータ4との中央)に位置するとともに長手方向(左右方向)に沿って延在するように矩形搬送面23に設けられている。そして、長手方向(左右方向)における搬送台9の移動範囲を確保するために、第1ガイドレール5は、他の一対の辺22のうちの一辺22aから他の一対の辺22のうちの他辺22bに亘って設けられている。
【0024】
第1スライダ部6は、長手方向(左右方向)に沿って移動可能に第1ガイドレール5にガイドされている。
【0025】
第2ガイドレール7は、幅方向(上下方向)に沿って延在するように第1スライダ部6に設けられている。そして、第1スライダ部6の移動に伴い、第2ガイドレール7は、第1スライダ部6と一体になり、長手方向(左右方向)に沿って移動する。
【0026】
第2スライダ部8は、幅方向(上下方向)に沿って移動可能に第2ガイドレール7にガイドされている。
【0027】
搬送台9は、水平面に沿って延在するように第2スライダ部8に固定された搬送板である。そして、第2スライダ部8の移動に伴い、搬送台9は、第2スライダ部8と一体になり、幅方向(上下方向)に沿って移動する。さらに、第1スライダ部6及び第2スライダ部8の移動に伴い、搬送台9は、長手方向(左右方向)及び幅方向(上下方向)の両方に沿って移動する。
【0028】
第1プーリ群PS1は、第1駆動軸と連結された第1回転体としての第1プーリP1と、第3隅部233に設けられた第3回転体としての第3プーリP3と、第4隅部234に設けられた第5回転体としての第5プーリP5と、第2ガイドレール7の一端側としての下端側に設けられた第7回転体としての第7プーリP7と、第2ガイドレール7の他端側としての上端側に設けられた第9回転体としての第9プーリP9と、を有する。なお、第1プーリP1は、歯付き駆動プーリであるのに対し、第3プーリP3、第5プーリP5、第7プーリP7及び第9プーリP9は、従動プーリである。なお、歯付き駆動プーリとは、歯が外周に形成された駆動プーリである。
【0029】
同様に、第2プーリ群PS2は、第2駆動軸と連結された第2回転体としての第2プーリP2と、第3隅部233に設けられた第4回転体としての第4プーリP4と、第4隅部234に設けられた第6回転体としての第6プーリP6と、第2ガイドレール7の一端側としての下端側に設けられた第8回転体としての第8プーリP8と、第2ガイドレール7の他端側としての上端側に設けられた第10回転体としての第10プーリP10と、を有する。なお、第2プーリP2は、歯付き駆動プーリであるのに対し、第4プーリP4、第6プーリP6、第8プーリP8及び第10プーリP10は、従動プーリである。
【0030】
第1プーリ群PS1と第2プーリ群PS2とは、高さが異なるように設けられている。換言すれば、第1プーリP1、第3プーリP3、第5プーリP5、第7プーリP7及び第9プーリP9は、第2プーリP2、第4プーリP4、第6プーリP6、第8プーリP8及び第10プーリP10とは異なる平面(鉛直面)上に設けられている。具体的には、第1プーリP1、第3プーリP3、第5プーリP5、第7プーリP7及び第9プーリP9は、第1鉛直面上に設けられているのに対し、第2プーリP2、第4プーリP4、第6プーリP6、第8プーリP8及び第10プーリP10は、第1鉛直面と異なる第2鉛直面上に設けられている。
【0031】
第1プーリP1及び第3プーリP3は、長手方向(左右方向)に沿って延在する第1水平線上に配列されている。第4プーリP4、第9プーリP9及び第10プーリP10は、長手方向(左右方向)に沿って延在するとともに第1水平線の下方に位置する第2水平線上に配列されている。第5プーリP5、第7プーリP7及び第8プーリP8は、長手方向(左右方向)に沿って延在するとともに第2水平線の下方に位置する第3水平線上に配列されている。第2プーリP2及び第6プーリP6は、長手方向(左右方向)に沿って延在するとともに第3水平線の下方に位置する第4水平線上に配列されている。
【0032】
また、第1プーリP1及び第2プーリP2は、幅方向(上下方向)に沿って延在する第1鉛直線上に配列されている。第9プーリP9及び第8プーリP8は、幅方向(上下方向)に沿って延在する第2鉛直線上に配列されている。第10プーリP10及び第7プーリP7は、幅方向(上下方向)に沿って延在する第3鉛直線上に配列されている。第3プーリP3、第4プーリP4、第5プーリP5及び第6プーリP6は、幅方向(上下方向)に沿って延在する第4鉛直線上に配列されている。
【0033】
第1ワイヤW1は、第2スライダ部8と連結され、第1プーリ群PS1に掛け回された歯付きワイヤである。具体的には、第1ワイヤW1は、第2スライダ部8と連結され、第1プーリP1、第3プーリP3、第5プーリP5、第7プーリP7及び第9プーリP9に掛け回されている。なお、歯付きワイヤとは、歯付き駆動プーリと噛合する歯が全体に形成されたワイヤである。
【0034】
同様に、第2ワイヤW2は、第2スライダ部8と連結され、第2プーリ群PS2に掛け回された歯付きワイヤである。具体的には、第2ワイヤW2は、第2スライダ部8と連結され、第2プーリP2、第4プーリP4、第6プーリP6、第8プーリP8及び第10プーリP10に掛け回されている。
【0035】
上述したように、第1プーリ群PS1と第2プーリ群PS2とは、異なる鉛直面上に設けられているため、第1プーリ群PS1に掛け回された第1ワイヤW1と第2プーリ群PS2に掛け回された第2ワイヤW2とは、異なる鉛直面上に設けられている。これにより、第1ワイヤW1と第2ワイヤW2との間の干渉を回避することができる。
【0036】
第1プーリP1と第3プーリP3とは、両者の間に位置する第1ワイヤW1が長手方向(左右方向)に沿って延在するように構成されている。第3プーリP3と第5プーリP5とは、両者の間に位置する第1ワイヤW1が幅方向(上下方向)に沿って延在するように構成されている。第5プーリP5と第7プーリP7とは、両者の間に位置する第1ワイヤW1が長手方向(左右方向)に沿って延在するように構成されている。第7プーリP7と第9プーリP9とは、両者の間に位置する第1ワイヤW1が幅方向(上下方向)に沿って延在するように構成されている。第1プーリP1と第9プーリP9とは、両者の間に位置する第1ワイヤW1が長手方向(左右方向)に沿って延在するように構成されている。
【0037】
同様に、第2プーリP2と第6プーリP6とは、両者の間に位置する第2ワイヤW2が長手方向(左右方向)に沿って延在するように構成されている。第4プーリP4と第6プーリP6とは、両者の間に位置する第2ワイヤW2が幅方向(上下方向)に沿って延在するように構成されている。第4プーリP4と第10プーリP10とは、両者の間に位置する第2ワイヤW2が長手方向(左右方向)に沿って延在するように構成されている。第8プーリP8と第10プーリP10とは、両者の間に位置する第2ワイヤW2が幅方向(上下方向)に沿って延在するように構成されている。第2プーリP2と第8プーリP8とは、両者の間に位置する第2ワイヤW2が長手方向(左右方向)に沿って延在するように構成されている。
【0038】
第1実施形態では、第1無端状部材は、第1ワイヤW1から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ベルト又はチェーンから構成されてもよい。この場合に、第1回転体群は、第1プーリP1、第3プーリP3、第5プーリP5、第7プーリP7及び第9プーリP9からなる第1プーリ群PS1ではなく、複数(具体的には、5つ)のローラからなる第1ローラ群、又は、複数(5つ)のスプロケットからなる第1スプロケット群から構成される。
【0039】
同様に、第1実施形態では、第2無端状部材は、第2ワイヤW2から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ベルト又はチェーンから構成されてもよい。この場合に、第2回転体群は、第2プーリP2、第4プーリP4、第6プーリP6、第8プーリP8及び第10プーリP10からなる第2プーリ群PS2ではなく、複数(具体的には、5つ)のローラからなる第2ローラ群、又は、複数(5つ)のスプロケットからなる第2スプロケット群から構成される。
【0040】
このように構成された搬送装置1では、第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4は、第1プーリP1及び第2プーリP2をそれぞれ駆動させることにより、第1プーリP1の駆動力及び第2プーリP2の駆動力をそれぞれ第1プーリ群PS1に掛け回された第1ワイヤW1及び第2プーリ群PS2に掛け回された第2ワイヤW2により第1スライダ部6及び第2スライダ部8へ伝達する。すると、第1スライダ部6及び第2スライダ部8は、それぞれ長手方向(左右方向)及び幅方向(上下方向)に沿って移動する。これにより、第2スライダ部8に固定された搬送台9を自在に矩形搬送面23の領域内において移動させることができるため、コンベア搬送に比べ店舗レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0041】
具体的には、搬送装置1では、第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4の両方を時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第2スライダ部8とともに上側に向かって移動する。逆に、第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4の両方を反時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第2スライダ部8とともに下側に向かって移動する。そして、第1駆動モータ3を反時計回りに回転させるとともに第2駆動モータ4を時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第1スライダ部6とともに右側に向かって移動する。逆に、第1駆動モータ3を時計回りに回転させるとともに第2駆動モータ4を反時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第1スライダ部6とともに左側に向かって移動する。
【0042】
矩形搬送面23は、鉛直面に沿って延在するように設けられているため、厚み方向における搬送装置1の小型化を図ることができるため、搬送装置1の設置面積を少なくすることができる。この結果、このような搬送装置1が既存の飲食店に導入されやすくなる。
【0043】
また、第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4は、それぞれ不動部としての矩形搬送面23の第1隅部231及び第2隅部232に設けられ(固定され)ているため、駆動モータが可動部としてのスライダ部に設けられた場合に比べ、電源から第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4への配線がしやすくなる。
【0044】
また、搬送台9は、第2スライダ部8に固定されているため、搬送台9を容易に支持することができる。
【0045】
(搬送装置によるトレイの搬送)
次に、図2から図5を参照しながら第1実施形態に係る搬送装置1によるトレイTの搬送について説明する。
【0046】
図2は、第1実施形態において、トレイTが搬送元トレイ載置枠B1に載置された状態を示す状態説明図である。図3は、第1実施形態において、トレイTが搬送台9により持ち上げられた状態を示す状態説明図である。図4は、第1実施形態において、トレイTが搬送台9により水平搬送された状態を示す状態説明図である。図5は、第1実施形態において、トレイTが搬送台9により搬送先トレイ載置枠B2に搬送された状態を示す状態説明図である。
【0047】
まず、図2に示すように、トレイTが搬送元トレイ載置枠B1に載置された状態において、第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4を駆動させることにより、搬送台9を搬送元トレイ載置枠B1の第1開口B12の真下に移動させる。
【0048】
続いて、第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4の両方を時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第2スライダ部8とともに上側に向かって移動する。そして、図3の矢印で示すように、搬送台9の移動に伴い、トレイTが搬送台9により持ち上げられる。
【0049】
続いて、第1駆動モータ3を反時計回りに回転させるとともに第2駆動モータ4を時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第1スライダ部6とともに右側に向かって移動する。そして、図4の矢印で示すように、搬送台9の移動に伴い、トレイTが搬送先トレイ載置枠B2の真上に位置するまでに搬送台9に水平搬送される。
【0050】
続いて、第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4の両方を反時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第2スライダ部8とともに下側に向かって移動する。そして、図5の矢印で示すように、搬送台9の移動に伴い、トレイTが搬送先トレイ載置枠B2に載置されるまでに下降搬送される。
【0051】
このように、搬送装置1は、矩形搬送面23の領域内に位置する搬送元トレイ載置枠B1に載置されたトレイTを矩形搬送面23の領域内に位置する搬送先トレイ載置枠B2へ搬送することができる。
【0052】
(第1変形例)
次に、図6から図8を参照しながら第1変形例に係る搬送装置1について説明する。なお、第1変形例では、上述した第1実施形態と一致する点については省略し、主に上述した第1実施形態と相違する点について説明する。
【0053】
図6は、第1変形例に係る搬送システム100を示す斜視図である。図7は、第1変形例において、搬送部9A及び仕切板10を取り外した搬送装置1を示す斜視図である。図8は、第1変形例に係る搬送部9Aを示す斜視図である。
【0054】
第1実施形態では、搬送装置1の搬送部は、第2スライダ部8に固定された搬送台9から構成されているのに対し、第1変形例では、搬送装置1の搬送部は、後述する仕切板10の搬送面に沿って移動する搬送部9A(図6及び図8参照)から構成されている。
【0055】
図6から図8に示すように、第1変形例に係る搬送装置1は、ベース2、第1駆動モータ3、第2駆動モータ4、第1ガイドレール5、第1スライダ部6、第2ガイドレール7、第2スライダ部8、第1プーリ群PS1、第2プーリ群PS2、第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2に加え、非磁性の仕切板10をさらに備える。
【0056】
図6から図8に示すように、仕切板10は、第1ワイヤW1(又は第2ワイヤW2)と搬送部9Aとの間に位置するように矩形搬送面23と対向して設けられている。仕切板10は、鉛直面に沿って延在するようにベース2と平行に設けられている。また、仕切板10は、矩形搬送面23の全体を覆うようにベース2の正面側に設けられている。これにより、矩形搬送面23に設けられた第1駆動モータ3、第2駆動モータ4、第1ガイドレール5、第1スライダ部6、第2ガイドレール7、第2スライダ部8、第1プーリ群PS1、第2プーリ群PS2、第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2等(以下、単に移動機構ともいう)を正面から視認することができなくなる。換言すれば、移動機構が正面から露出することを解消することができる。この結果、第1実施形態に係る搬送装置1に比べ、移動機構の衛生面を改善するとともに移動機構の安全性を向上させることができる。
【0057】
第1変形例では、図6に示すように、搬送元トレイ載置枠B1及び搬送先トレイ載置枠B2は、仕切板10の矩形搬送面23と対向する対向面とは反対側の搬送面に臨むように設けられている。
【0058】
図6及び図7に示すように、第2スライダ部8の仕切板10と対向する対向面には、第1磁石M1が設けられている。
【0059】
図6及び図8に示すように、搬送部9Aは、鉛直面に沿って移動可能な移動体91、仕切板10の搬送面に対し転動可能に移動体91の底部の隅に設けられた複数(ここでは、4つ)の転動体92と、仕切板10を挟んで第1磁石M1と吸着されるように移動体91の底部に設けられた第2磁石M2と、第1磁石M1と第2磁石M2とが吸着された状態において水平面に沿って延在するように移動体91の頂部に設けられた搬送板93と、を有する。
【0060】
図6から図8に示すように、第1磁石M1と第2磁石M2とが吸着された状態において、第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4を駆動させることにより、搬送部9Aは、第1スライダ部6及び第2スライダ部8の移動に伴い、仕切板10の搬送面から落下することなく、仕切板10の搬送面に沿って移動することができる。この結果、第1変形例に係る搬送装置1は、第1実施形態に係る搬送装置1と同様にトレイTを搬送元トレイ載置枠B1に載置されたトレイTを搬送先トレイ載置枠B2へ搬送することができる。
【0061】
(第2実施形態)
次に、図9から図17を参照しながら第2実施形態に係る搬送装置1について説明する。なお、第2実施形態では、上述した第1実施形態と一致する点については省略し、主に上述した第1実施形態と相違する点について説明する。
【0062】
図9は、第2実施形態に係る搬送システム100を示す斜視図である。図10は、第2実施形態において、搬送台9を取り外した搬送装置1を示す斜視図である。図11は、第2実施形態において、第3スライダ部12を取り外した第2スライダ部8を示す平面図である。なお、図9から図11おいて、第1方向としての搬送装置1の長手方向(以下、単に長手方向ともいう)をX軸方向とし、第2方向としての搬送装置1の幅方向(以下、単に幅方向ともいう)をY軸方向とし、第3方向としての搬送装置1の厚み方向(以下、単に厚み方向ともいう)をZ軸方向とし、第1方向、第2方向及び第3方向は、互いに直交している。
【0063】
上述した第1実施形態では、矩形搬送面23は、鉛直面に沿って延在するように設けられているのに対し、第2実施形態では、矩形搬送面23は、水平面に沿って延在するように設けられている(図9から図11参照)。第2実施形態に係る矩形搬送面23によれば、第1実施形態に係る矩形搬送面23に比べ、上下方向における搬送装置1の小型化を図ることができる。
【0064】
矩形搬送面23の上方には、長手方向に沿って配列される単一の搬送元トレイ載置枠B1及び複数(ここでは、2つ)の搬送先トレイ載置枠B2が設けられている。
【0065】
図9から図11に示すように、第2実施形態に係る搬送装置1は、ベース2、第1駆動モータ3、第2駆動モータ4、第1ガイドレール5、第1スライダ部6、第2ガイドレール7、第2スライダ部8、搬送台9、第1プーリ群PS1、第2プーリ群PS2、第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2に加え、第3ガイド部としての複数(ここでは、4本)のガイドポール11、第3スライダ部12及び駆動機構13をさらに備える。
【0066】
図9から図11に示すように、複数のガイドポール11は、上下方向に沿って延在するように第2スライダ部8(具体的には、第2スライダ部8の頂面の隅)に設けられている。
【0067】
図9から図11に示すように、第3スライダ部12は、上下方向に沿って移動可能に複数のガイドポール11にガイドされている。
【0068】
上述した第1実施形態では、搬送台9は、第2スライダ部8に固定されているのに対し、第2実施形態では、搬送台9は、第3スライダ部12に支持(固定)されている。
【0069】
図9から図11に示すように、駆動機構13は、複数のガイドポール11にガイドされた第3スライダ部12を上下方向に沿って移動させる機構である。具体的には、駆動機構13は、第3駆動部としての第3駆動モータ131、第3回転体群としての第3プーリ群PS3、ねじSC及び第3無端状部材としての第3ワイヤW3を有する。
【0070】
第3駆動モータ131は、第2駆動モータ4と長手方向に沿って配列されるように第2隅部232に設けられている。第3駆動モータ131は、上下方向に沿って延在する第3駆動軸131aを有する。
【0071】
第3プーリ群PS3は、第3駆動軸131aと連結された第11回転体としての第11プーリP11と、第6プーリP6と同軸となるように第4隅部234に設けられた第12回転体としての第12プーリP12と、第4プーリP4と同軸となるように第3隅部233に設けられた第13回転体としての第13プーリP13と、第10プーリP10と同軸となるように第2ガイドレール7の他端側に設けられた第14回転体としての第14プーリP14と、第8プーリP8と同軸となるように第2ガイドレール7の一端側に設けられた第15回転体としての第15プーリP15と、第2スライダ部8(具体的には、第2スライダ部8の頂面の中央)に設けられた第16回転体としての第16プーリP16(歯付きプーリ)と、平面視において第16プーリP16を挟んで幅方向に沿って配列されるように第2スライダ部8(具体的には、第2スライダ部8の頂面)に設けられた第17回転体としての第17プーリP17及び第18回転体としての第18プーリP18(図11参照)と、を有する。
【0072】
第1プーリ群PS1、第2プーリ群PS2及び第3プーリ群PS3は、高さが異なるように設けられている。
【0073】
ねじSCは、軸線が上下方向に沿って延在するとともに第3スライダ部12と螺合されるように第16プーリP16と連結されている。そして、第16プーリP16の回転に伴い、ねじSCは、第16プーリP16と一体になり、軸線周りに回転する。すると、ねじSCと螺合された第3スライダ部12は、複数のガイドポール11にガイドされながら上下方向に沿って移動する。
【0074】
第3ワイヤW3は、第3プーリ群PS3に掛け回された歯付きワイヤである。具体的には、第3ワイヤW3は、歯付き駆動プーリとしての第11プーリP11と、従動プーリとしての第12プーリP12、第13プーリP13、第14プーリP14、第15プーリP15、第16プーリP16、第17プーリP17及び第18プーリP18とに掛け回されている。
【0075】
上述したように、第1プーリ群PS1、第2プーリ群PS2及び第3プーリ群PS3は、高さが異なるように設けられているため、第1プーリ群PS1に掛け回された第1ワイヤW1と、第2プーリ群PS2に掛け回された第2ワイヤW2と、第3プーリ群PS3に掛け回された第3ワイヤW3との間の干渉を回避することができる。
【0076】
そして、第3ワイヤW3は、第16プーリP16と第17プーリP17との間に挟持された部分と、第16プーリP16と第18プーリP18との間に挟持された部分と、を有する。これにより、第3駆動モータ131は、第11プーリP11を駆動させることで、第11プーリP11の駆動力が第3プーリ群PS3に掛け回された第3ワイヤW3により伝達された第16プーリP16を確実に回転させることができる。
【0077】
第2実施形態では、第3無端状部材は、第3ワイヤW3から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ベルトから構成されてもよい。
【0078】
このように構成された搬送装置1では、第1駆動モータ3、第2駆動モータ4及び第3駆動モータ131は、第1プーリP1、第2プーリP2及び第11プーリP11をそれぞれ駆動させることにより、第1プーリP1の駆動力、第2プーリP2の駆動力及び第11プーリP11の駆動力をそれぞれ第1プーリ群PS1に掛け回された第1ワイヤW1、第2プーリ群PS2に掛け回された第2ワイヤW2及び第3プーリ群PS3に掛け回された第3ワイヤW3により第1スライダ部6、第2スライダ部8及び第3スライダ部12へ伝達する。すると、第1スライダ部6、第2スライダ部8及び第3スライダ部12は、それぞれ長手方向、幅方向及び厚み方向(上下方向)に沿って移動する。これにより、第3スライダ部12に固定された搬送台9を矩形搬送面23の領域内において三次元に移動させることができるため、コンベア搬送に比べ店舗レイアウトの自由度を向上させることができる。また、搬送位置が変わった場合でも、ソフトウェアで搬送位置を変えるだけで対応することができる。
【0079】
具体的には、搬送装置1では、第3駆動モータ131のみを反時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第3スライダ部12とともに上側に向かって移動する。逆に、第3駆動モータ131のみを時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第3スライダ部12とともに下側に向かって移動する。そして、第1駆動モータ3、第2駆動モータ4及び第3駆動モータ131を時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第2スライダ部8とともに幅方向の後側に向かって移動する。逆に、第1駆動モータ3、第2駆動モータ4及び第3駆動モータ131を反時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第2スライダ部8とともに幅方向の前側に向かって移動する。そして、第1駆動モータ3を反時計回りに回転させるとともに第2駆動モータ4及び第3駆動モータ131を時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第1スライダ部6とともに右側に向かって移動する。逆に、第1駆動モータ3を時計回りに回転させるとともに第2駆動モータ4及び第3駆動モータ131を反時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第1スライダ部6とともに左側に向かって移動する。
【0080】
第2実施形態では、駆動機構13は、第3駆動モータ131、第3プーリ群PS3、ねじSC及び第3ワイヤW3を有して構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第3駆動モータ及びねじSCのみから構成されてもよい。この場合に、第3駆動モータは、第2スライダ部8に設けられた扁平モータから構成されている。
【0081】
また、第2実施形態では、第3駆動モータ131は、第2駆動モータ4と長手方向に沿って配列されるように第2隅部232に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、第1駆動モータ3と長手方向に沿って配列されるように第1隅部231に設けられてもよい。
【0082】
次に、図12から図17を参照しながら第2実施形態に係る搬送装置1によるトレイTの搬送について説明する。
【0083】
図12は、第2実施形態において、トレイTが搬送元トレイ載置枠B1に載置された状態を示す状態説明図である。図13は、第2実施形態において、トレイTが搬送台9により持ち上げられた状態を示す状態説明図である。図14は、第2実施形態において、トレイTが搬送台9により幅方向に水平搬送された状態を示す状態説明図である。図15は、第2実施形態において、トレイTが搬送台9により長手方向に水平搬送された状態を示す状態説明図である。図16は、第2実施形態において、トレイTが搬送台9により搬送先トレイ載置枠B2の上方に搬送された状態を示す状態説明図である。図17は、第2実施形態において、トレイTが搬送台9により搬送先トレイ載置枠B2に載置された状態を示す状態説明図である。
【0084】
まず、図12に示すように、トレイTが搬送元トレイ載置枠B1に載置された状態において、第1駆動モータ3、第2駆動モータ4及び第3駆動モータ131を駆動させることにより、搬送台9を搬送元トレイ載置枠B1の第1開口B12の真下に移動させる。
【0085】
続いて、第3駆動モータ131のみを反時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第3スライダ部12とともに上側に向かって移動する。そして、図13の矢印で示すように、搬送台9の移動に伴い、トレイTが搬送台9により持ち上げられる。
【0086】
続いて、第1駆動モータ3、第2駆動モータ4及び第3駆動モータ131を時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第2スライダ部8とともに幅方向の後側に向かって移動する。そして、図14の矢印で示すように、搬送台9の移動に伴い、搬送元トレイ載置枠B1から離間するように搬送台9に水平搬送される。
【0087】
続いて、第1駆動モータ3を反時計回りに回転させるとともに第2駆動モータ4及び第3駆動モータ131を時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第1スライダ部6とともに右側に向かって移動する。そして、図15の矢印で示すように、搬送台9の移動に伴い、トレイTが搬送先トレイ載置枠B2の後側に位置するように水平搬送される。
【0088】
続いて、第1駆動モータ3、第2駆動モータ4及び第3駆動モータ131を反時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第2スライダ部8とともに前側に向かって移動する。そして、図16の矢印で示すように、搬送台9の移動に伴い、トレイTが搬送先トレイ載置枠B2の真上に位置するように水平搬送される。
【0089】
続いて、第3駆動モータ131のみを時計回りに回転させることにより、搬送台9は、第3スライダ部12とともに下側に向かって移動する。そして、図17の矢印で示すように、搬送台9の移動に伴い、トレイTが搬送先トレイ載置枠B2に載置されるまでに下降搬送される。
【0090】
このように、搬送装置1は、矩形搬送面23の領域内に位置する搬送元トレイ載置枠B1に載置されたトレイTを矩形搬送面23の領域内に位置する搬送先トレイ載置枠B2へ搬送することができる。
【0091】
(第2変形例)
次に、図18から図20を参照しながら第2変形例に係る搬送装置1について説明する。なお、第2変形例では、上述した第2実施形態と一致する点については省略し、主に上述した第2実施形態と相違する点について説明する。
【0092】
図18は、第2変形例に係る搬送システム100を示す斜視図である。図19は、第2変形例において、搬送部9B及び仕切板10を取り外した搬送装置1を示す斜視図である。図20は、第2変形例に係る搬送部9Bを示す斜視図である。
【0093】
第2実施形態では、搬送装置1の搬送部は、第3スライダ部12に固定された搬送台9から構成されているのに対し、第2変形例では、搬送装置1の搬送部は、後述する仕切板10の搬送面に沿って移動する搬送部9B(図18及び図20参照)から構成されている。
【0094】
図18から図20に示すように、第2変形例に係る搬送装置1は、ベース2、第1駆動モータ3、第2駆動モータ4、第3駆動モータ131、第1ガイドレール5、第1スライダ部6、第2ガイドレール7、第2スライダ部8、第1プーリ群PS1、第2プーリ群PS2、第3プーリ群PS3、第1ワイヤW1、第2ワイヤW2及び第3ワイヤW3に加え、非磁性の仕切板10をさらに備える。
【0095】
図18から図20に示すように、仕切板10は、第1ワイヤW1(又は第2ワイヤW2、第3ワイヤW3)と搬送部9Bとの間に位置するように矩形搬送面23と対向して設けられている。仕切板10は、水平面に沿って延在するようにベース2と平行に設けられている。また、仕切板10は、矩形搬送面23の全体を覆うようにベース2の上方に設けられている。これにより、矩形搬送面23に設けられた第1駆動モータ3、第2駆動モータ4、第3駆動モータ131、第1ガイドレール5、第1スライダ部6、第2ガイドレール7、第2スライダ部8、第1プーリ群PS1、第2プーリ群PS2、第3プーリ群PS3、第1ワイヤW1、第2ワイヤW2及び第3ワイヤW3等(以下、単に移動機構ともいう)を上面から視認することができなくなる。換言すれば、移動機構が上面から露出することを解消することができる。この結果、第2実施形態に係る搬送装置1に比べ、移動機構の衛生面を改善するとともに移動機構の安全性を向上させることができる。
【0096】
第2変形例では、図18に示すように、単一の搬送元トレイ載置枠B1及び複数(ここでは、2つ)の搬送先トレイ載置枠B2は、仕切板10の矩形搬送面23と対向する対向面とは反対側の搬送面に臨むように設けられている。換言すれば、単一の搬送元トレイ載置枠B1及び複数の搬送先トレイ載置枠B2は、長手方向に沿って配列されるように仕切板10の上方に設けられている。
【0097】
図18及び図19に示すように、第16プーリP16の仕切板10と対向する対向面(すなわち、第16プーリP16の先端面)には、第1磁石M1(マグネットカップリング)が設けられている。
【0098】
図18及び図20に示すように、搬送部9Bは、水平面に沿って移動可能な移動体91、仕切板10の搬送面に対し転動可能に移動体91の底部の隅に設けられた複数(ここでは、4つ)の転動体92と、上下方向に沿って延在するように移動体91の頂部の隅に設けられた複数のガイドポール11と、上下方向に沿って移動可能に複数のガイドポール11にガイドされた第3スライダ部12と、第3スライダ部12と螺合され上下方向に沿って延在する軸線周りに回転可能に移動体91に支持されたねじSCと、水平面に沿って延在するように第3スライダ部12の頂部に設けられた搬送板93と、移動体91の底部に設けられたベアリング94と、仕切板10を挟んで第1磁石M1と吸着されるとともにねじSCと連結された状態で上下方向に沿って延在する軸線周りに回転可能にベアリング94に支持された第2磁石M2(マグネットカップリング)と、を有する。
【0099】
第2実施形態では、ガイドポール11及びねじSCは、いずれも第2スライダ部8に設けられているのに対し、第2変形例では、ガイドポール11及びねじSCは、いずれも搬送部9Bの移動体91に設けられている。
【0100】
また、第2実施形態では、駆動機構13は、第3駆動モータ131、第3プーリ群PS3、ねじSC及び第3ワイヤW3を有して構成されているのに対し、第2変形例では、駆動機構13は、第3駆動モータ131、第3プーリ群PS3、ねじSC及び第3ワイヤW3に加え、第1磁石M1、第2磁石M2をさらに有して構成されている。
【0101】
第2変形例では、第16プーリP16の回転に伴い、第1磁石M1は、第16プーリP16と一体になり、軸線周りに回転する。すると、第1磁石M1の回転に伴い、第1磁石M1と吸着された第2磁石M2は、ねじSCと一体になり、軸線周りに回転する。すると、ねじSCと螺合された第3スライダ部12は、複数のガイドポール11にガイドされながら上下方向に沿って移動する。
【0102】
このように構成された搬送装置1では、第2実施形態と同様に、第1駆動モータ3、第2駆動モータ4及び第3駆動モータ131は、第1プーリP1、第2プーリP2及び第11プーリP11をそれぞれ駆動させることにより、第1プーリP1の駆動力、第2プーリP2の駆動力及び第11プーリP11の駆動力を第1スライダ部6、第2スライダ部8及び第3スライダ部12へ伝達する。すると、第1スライダ部6、第2スライダ部8及び第3スライダ部12は、それぞれ長手方向、幅方向及び厚み方向(上下方向)に沿って移動する。これにより、第3スライダ部12に固定された搬送台9を矩形搬送面23の領域内において三次元に移動させることができるため、コンベア搬送に比べ店舗レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0103】
第2変形例では、駆動機構13は、第2隅部232に設けられた第3駆動モータ131、第3プーリ群PS3、第1磁石M1、第3ワイヤW3、第2磁石M2、及びねじSCを有して構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、搬送部9B(具体的には、移動体91)に設けられた第3駆動モータ及びねじSCのみから構成されてもよい。
【0104】
(作用効果)
次に、各実施形態及び各変形例による作用効果について説明する。
【0105】
第1実施形態に係る搬送装置1は、飲食店に用いられる搬送装置1であって、長手方向に沿って延在する一対の辺21と、幅方向に沿って延在する他の一対の辺22と、を有し、鉛直面に沿って延在する矩形搬送面23が形成されたベース2と、矩形搬送面23の第1隅部231に設けられ、厚み方向に沿って延在する第1駆動軸を有する第1駆動モータ3と、第1駆動軸と連結された第1プーリP1と、矩形搬送面23の第1隅部231と隣り合う第2隅部232に設けられ、厚み方向に沿って延在する第2駆動軸を有する第2駆動モータ4と、第2駆動軸と連結された第2プーリP2と、矩形搬送面23の第1隅部231と隣り合う第3隅部233に設けられた第3プーリP3及び第4プーリP4と、矩形搬送面23の第2隅部232と隣り合う第4隅部234に設けられた第5プーリP5及び第6プーリP6と、第1駆動モータ3と第2駆動モータ4との間に位置するとともに長手方向に沿って延在するように矩形搬送面23に設けられた第1ガイドレール5と、長手方向に沿って移動可能に第1ガイドレール5にガイドされた第1スライダ部6と、幅方向に沿って延在するように第1スライダ部6に設けられた第2ガイドレール7と、第2ガイドレール7の一端側に設けられた第7プーリP7及び第8プーリP8と、第2ガイドレール7の他端側に設けられた第9プーリP9及び第10プーリP10と、第2方向に沿って移動可能に第2ガイドレール7にガイドされた第2スライダ部8と、第2スライダ部8に支持された搬送台9と、第2スライダ部8と連結され、第1プーリP1、第3プーリP3、第5プーリP5、第7プーリP7及び第9プーリP9に掛け回された第1ワイヤW1と、第2スライダ部8と連結され、第2プーリP2、第4プーリP4、第6プーリP6、第8プーリP8及び第10プーリP10に掛け回された第2ワイヤW2と、備える。
【0106】
この構成によれば、第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4は、第1プーリP1及び第2プーリP2をそれぞれ駆動させることにより、第1プーリP1の駆動力及び第2プーリP2の駆動力をそれぞれ第1プーリ群PS1に掛け回された第1ワイヤW1及び第2プーリ群PS2に掛け回された第2ワイヤW2により第1スライダ部6及び第2スライダ部8へ伝達する。すると、第1スライダ部6及び第2スライダ部8は、それぞれ長手方向(左右方向)及び幅方向(上下方向)に沿って移動する。これにより、第2スライダ部8に固定された搬送台9を自在に矩形搬送面23の領域内において移動させることができるため、コンベア搬送に比べ店舗レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0107】
また、矩形搬送面23は、鉛直面に沿って延在するように設けられているため、厚み方向における搬送装置1の小型化を図ることができるため、搬送装置1の設置面積を少なくすることができる。この結果、このような搬送装置1が既存の飲食店に導入されやすくなる。
【0108】
また、第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4は、それぞれ不動部としての矩形搬送面23の第1隅部231及び第2隅部232に設けられ(固定され)ているため、駆動モータが可動部としてのスライダ部に設けられた場合に比べ、電源から第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4への配線がしやすくなる。
【0109】
また、第1実施形態では、搬送台9は、第2スライダ部8に固定された搬送台である。
【0110】
この構成によれば、搬送台9を容易に支持することができる。
【0111】
第1実施形態に係る搬送システム100は、上述した搬送装置1と、トレイTを載置可能であり、かつ、搬送台9が通過可能であるように搬送元に設けられた搬送元トレイ載置枠B1と、トレイTを載置可能であり、かつ、搬送台9が通過可能であるように搬送先に設けられた搬送先トレイ載置枠B2と、を備える。
【0112】
この構成によれば、搬送装置1は、矩形搬送面23の領域内に位置する搬送元トレイ載置枠B1に載置されたトレイTを矩形搬送面23の領域内に位置する搬送先トレイ載置枠B2へ搬送することができる。
【0113】
第1実施形態の第1変形例では、搬送装置1は、矩形搬送面23と対向するように設けられた仕切板10をさらに備え、第2スライダ部8には、第1磁石M1が設けられ、搬送部9Aには、第1磁石M1と吸着する第2磁石M2が設けられ、仕切板10は、第1ワイヤW1又は第2ワイヤW2と搬送部9Aとの間に位置する。
【0114】
この構成によれば、矩形搬送面23に設けられた第1駆動モータ3、第2駆動モータ4、第1ガイドレール5、第1スライダ部6、第2ガイドレール7、第2スライダ部8、第1プーリ群PS1、第2プーリ群PS2、第1ワイヤW1及び第2ワイヤW2等(以下、単に移動機構ともいう)を正面から視認することができなくなる。換言すれば、移動機構が正面から露出することを解消することができる。この結果、第1実施形態に係る搬送装置1に比べ、移動機構の衛生面を改善するとともに移動機構の安全性を向上させることができる。
【0115】
また、第1磁石M1と第2磁石M2とが吸着された状態において、第1駆動モータ3及び第2駆動モータ4を駆動させることにより、搬送部9Aは、第1スライダ部6及び第2スライダ部8の移動に伴い、仕切板10の搬送面から落下することなく、仕切板10の搬送面に沿って移動することができる。
【0116】
第2実施形態に係る搬送装置1は、飲食店に用いられる搬送装置1であって、長手方向に沿って延在する一対の辺21と、幅方向に沿って延在する他の一対の辺22と、を有し、水平面に沿って延在する矩形搬送面23が形成されたベース2と、矩形搬送面23の第1隅部231に設けられ、厚み方向に沿って延在する第1駆動軸を有する第1駆動モータ3と、第1駆動軸と連結された第1プーリP1と、矩形搬送面23の第1隅部231と隣り合う第2隅部232に設けられ、厚み方向に沿って延在する第2駆動軸を有する第2駆動モータ4と、第2駆動軸と連結された第2プーリP2と、矩形搬送面23の第1隅部231と隣り合う第3隅部233に設けられた第3プーリP3及び第4プーリP4と、矩形搬送面23の第2隅部232と隣り合う第4隅部234に設けられた第5プーリP5及び第6プーリP6と、第1駆動モータ3と第2駆動モータ4との間に位置するとともに長手方向に沿って延在するように矩形搬送面23に設けられた第1ガイドレール5と、長手方向に沿って移動可能に第1ガイドレール5にガイドされた第1スライダ部6と、幅方向に沿って延在するように第1スライダ部6に設けられた第2ガイドレール7と、第2ガイドレール7の一端側に設けられた第7プーリP7及び第8プーリP8と、第2ガイドレール7の他端側に設けられた第9プーリP9及び第10プーリP10と、第2方向に沿って移動可能に第2ガイドレール7にガイドされた第2スライダ部8と、厚み方向に沿って延在するように第2スライダ部8に設けられたガイドポール11と、厚み方向に沿って移動可能にガイドポール11にガイドされた第3スライダ部12と、第3スライダ部12に支持された搬送台9と、第2スライダ部8に支持された搬送台9と、第2スライダ部8と連結され、第1プーリP1、第3プーリP3、第5プーリP5、第7プーリP7及び第9プーリP9に掛け回された第1ワイヤW1と、第2スライダ部8と連結され、第2プーリP2、第4プーリP4、第6プーリP6、第8プーリP8及び第10プーリP10に掛け回された第2ワイヤW2と、ガイドポール11にガイドされた第3スライダ部12を厚み方向に沿って移動させる駆動機構13と、備える。
【0117】
また、第2実施形態では、駆動機構13は、第1隅部231又は第2隅部232に設けられ、厚み方向に沿って延在する第3駆動軸131aを有する第3駆動モータ131と、第3駆動軸131aと連結された第11プーリP11と、第4隅部234に設けられた第12プーリP12と、第3隅部233に設けられた第13プーリP13と、第2ガイドレール7の他端側に設けられた第14プーリP14と、第2ガイドレール7の一端側に設けられた第15プーリP15と、第2スライダ部8に設けられた第16プーリP16と、軸線が厚み方向に沿って延在するとともに第3スライダ部12と螺合されるように第16プーリP16と連結されたねじSCと、第11プーリP11、第12プーリP12、第13プーリP13、前記第14プーリP14、第15プーリP15及び第16プーリP16に掛け回された第3ワイヤW3と、を有する。
【0118】
これらの構成によれば、第1駆動モータ3、第2駆動モータ4及び第3駆動モータ131は、第1プーリP1、第2プーリP2及び第11プーリP11をそれぞれ駆動させることにより、第1プーリP1の駆動力、第2プーリP2の駆動力及び第11プーリP11の駆動力をそれぞれ第1プーリ群PS1に掛け回された第1ワイヤW1、第2プーリ群PS2に掛け回された第2ワイヤW2及び第3プーリ群PS3に掛け回された第3ワイヤW3により第1スライダ部6、第2スライダ部8及び第3スライダ部12へ伝達する。すると、第1スライダ部6、第2スライダ部8及び第3スライダ部12は、それぞれ長手方向、幅方向及び厚み方向(上下方向)に沿って移動する。これにより、第3スライダ部12に固定された搬送台9を矩形搬送面23の領域内において三次元に移動させることができるため、コンベア搬送に比べ店舗レイアウトの自由度を向上させることができる。また、搬送位置が変わった場合でも、ソフトウェアで搬送位置を変えるだけで対応することができる。
【0119】
また、第2実施形態では、駆動機構13は、平面視において第16プーリP16を挟んで幅方向に沿って配列されるように第2スライダ部8に設けられた第17プーリP17及び第18プーリP18をさらに有し、第3ワイヤW3は、第16プーリP16と第17プーリP17との間に挟持された部分と、第16プーリP16と第18プーリP18との間に挟持された部分と、を有する。
【0120】
この構成によれば、第3駆動モータ131は、第11プーリP11を駆動させることで、第11プーリP11の駆動力が第3プーリ群PS3に掛け回された第3ワイヤW3により伝達された第16プーリP16を確実に回転させることができる。
【0121】
第2変形例に係る搬送装置1は、飲食店に用いられる搬送装置1であって、長手方向に沿って延在する一対の辺21と、幅方向に沿って延在する他の一対の辺22と、を有し、水平面に沿って延在する矩形搬送面23が形成されたベース2と、矩形搬送面23の第1隅部231に設けられ、厚み方向に沿って延在する第1駆動軸を有する第1駆動モータ3と、第1駆動軸と連結された第1プーリP1と、矩形搬送面23の第1隅部231と隣り合う第2隅部232に設けられ、厚み方向に沿って延在する第2駆動軸を有する第2駆動モータ4と、第2駆動軸と連結された第2プーリP2と、矩形搬送面23の第1隅部231と隣り合う第3隅部233に設けられた第3プーリP3及び第4プーリP4と、矩形搬送面23の第2隅部232と隣り合う第4隅部234に設けられた第5プーリP5及び第6プーリP6と、第1駆動モータ3と第2駆動モータ4との間に位置するとともに長手方向に沿って延在するように矩形搬送面23に設けられた第1ガイドレール5と、長手方向に沿って移動可能に第1ガイドレール5にガイドされた第1スライダ部6と、幅方向に沿って延在するように第1スライダ部6に設けられた第2ガイドレール7と、第2ガイドレール7の一端側に設けられた第7プーリP7及び第8プーリP8と、第2ガイドレール7の他端側に設けられた第9プーリP9及び第10プーリP10と、第2方向に沿って移動可能に第2ガイドレール7にガイドされた第2スライダ部8と、第2スライダ部8と連結され、第1プーリP1、第3プーリP3、第5プーリP5、第7プーリP7及び第9プーリP9に掛け回された第1ワイヤW1と、第2スライダ部8と連結され、第2プーリP2、第4プーリP4、第6プーリP6、第8プーリP8及び第10プーリP10に掛け回された第2ワイヤW2と、矩形搬送面23と対向するように設けられた仕切板10と、水平移動可能に仕切板10に載置された移動体91と、厚み方向に沿って延在するように移動体91に設けられたガイドポール11と、厚み方向に沿って移動可能に前記ガイドポール11にガイドされた第3スライダ部12と、第3スライダ部12に支持された搬送板93と、を有する搬送部9Bと、ガイドポール11にガイドされた第3スライダ部12を厚み方向に沿って移動させる駆動機構13と、備え、仕切板10は、第1ワイヤW1又は第2ワイヤW2と搬送部9Bとの間に位置する。
【0122】
また、第2変形例では、駆動機構13は、第1隅部231又は第2隅部232に設けられ、厚み方向に沿って延在する第3駆動軸131aを有する第3駆動モータ131と、第3駆動軸131aと連結された第11プーリP11と、第4隅部234に設けられた第12プーリP12と、第3隅部233に設けられた第13プーリP13と、第2ガイドレール7の他端側に設けられた第14プーリP14と、第2ガイドレール7の一端側に設けられた第15プーリP15と、第2スライダ部8に設けられた第16プーリP16と、第16プーリP16と連結された第1磁石M1と、第11プーリP11、第12プーリP12、第13プーリP13、第14プーリP14、第15プーリP15及び第16プーリP16に掛け回された第3ワイヤW3と、第1磁石M1と吸着することで厚み方向に延在する軸周りに回転可能に移動体91に設けられた第2磁石M2と、軸線が厚み方向に沿って延在するとともに第3スライダ部12と螺合されるように第2磁石M2と連結されたねじSCと、を有する。
【0123】
これらの構成によれば、第1駆動モータ3、第2駆動モータ4及び第3駆動モータ131は、第1プーリP1、第2プーリP2及び第11プーリP11をそれぞれ駆動させることにより、第1プーリP1の駆動力、第2プーリP2の駆動力及び第11プーリP11の駆動力をそれぞれ第1プーリ群PS1に掛け回された第1ワイヤW1、第2プーリ群PS2に掛け回された第2ワイヤW2及び第3プーリ群PS3に掛け回された第3ワイヤW3により第1スライダ部6、第2スライダ部8及び第3スライダ部12へ伝達する。すると、第1スライダ部6、第2スライダ部8及び第3スライダ部12は、それぞれ長手方向、幅方向及び厚み方向(上下方向)に沿って移動する。これにより、第3スライダ部12に固定された搬送台9を矩形搬送面23の領域内において三次元に移動させることができるため、コンベア搬送に比べ店舗レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0124】
また、矩形搬送面23に設けられた第1駆動モータ3、第2駆動モータ4、第3駆動モータ131、第1ガイドレール5、第1スライダ部6、第2ガイドレール7、第2スライダ部8、第1プーリ群PS1、第2プーリ群PS2、第3プーリ群PS3、第1ワイヤW1、第2ワイヤW2及び第3ワイヤW3等(以下、単に移動機構ともいう)を上面から視認することができなくなる。換言すれば、移動機構が上面から露出することを解消することができる。この結果、第2実施形態に係る搬送装置1に比べ、移動機構の衛生面を改善するとともに移動機構の安全性を向上させることができる。
【0125】
以上、各実施形態及び各変形例について説明したが、上述した実施形態及び各変形例は、本発明の適用例を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上述した実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0126】
1 搬送装置
2 ベース
3 第1駆動モータ(第1駆動部)
4 第2駆動モータ(第2駆動部)
5 第1ガイドレール(第1ガイド部)
6 第1スライダ部
7 第2ガイドレール(第2ガイド部)
8 第2スライダ部
9 搬送台(搬送部)
23 矩形搬送面
100 搬送システム
231 第1隅部
232 第2隅部
233 第3隅部
234 第4隅部
P1 第1プーリ
P2 第2プーリ
P3 第3プーリ
P4 第4プーリ
P5 第5プーリ
P6 第6プーリ
P7 第7プーリ
P8 第8プーリ
P9 第9プーリ
P10 第10プーリ
T トレイ
W1 第1ワイヤ(第1無端状部材)
W2 第2ワイヤ(第2無端状部材)
図1
図2
図3
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図5
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図20