(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115098
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20240819BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240819BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20240819BHJP
G09G 5/32 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
G07G1/01 301D
G07G1/01 301E
G09G5/00 550B
G06F3/14 360D
G09G5/32 640Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020576
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 淳
(72)【発明者】
【氏名】武田 拓樹
(72)【発明者】
【氏名】持田 裕彦
【テーマコード(参考)】
3E142
5B069
5C182
【Fターム(参考)】
3E142DA07
3E142DA08
5B069AA05
5B069BA04
5B069CA10
5C182AA13
5C182AB11
5C182AC02
5C182BA03
5C182BA68
5C182BA72
5C182BB02
5C182BB13
5C182CB52
5C182CC15
5C182CC16
5C182DA65
5C182FA03
5C182FA72
5C182FA77
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、表示部の表示可能範囲を超える情報を読み易く表示することが可能な商品販売データ処理装置およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の商品販売データ処理装置は、情報を表示する表示部と、1行に表示すべき情報が前記表示部の1行に表示可能な文字数を超えているかを判断する第1判断手段と、前記第1判断手段が前記表示部の1行に表示可能な文字数を超えていると判断した場合に、前記表示部の1行に表示可能な第1情報および同じ行にさらに表示すべき第2情報があることを示すマークを同時に表示し、前記第1情報を所定時間表示した後に前記第1情報および前記マークに代えて前記第2情報を表示する表示制御手段と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示部と、
1行に表示すべき情報が前記表示部の1行に表示可能な文字数を超えているかを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段が前記表示部の1行に表示可能な文字数を超えていると判断した場合に、前記表示部の1行に表示可能な第1情報および同じ行にさらに表示すべき第2情報があることを示すマークを同時に表示し、前記第1情報を所定時間表示した後に前記第1情報および前記マークに代えて前記第2情報を表示する表示制御手段と、
を備えた商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記マークは、表示された前記第1情報と同じ行に表示される、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記マークは、表示された前記第1情報の末尾の位置に表示される、
請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記所定時間は変更可能である、
請求項1乃至3のいずれか一に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記第1判断手段が前記1行に表示すべき情報が前記表示部の1行に表示可能な文字数を超えていると判断した場合に、前記1行に表示すべき情報を行方向にスクロールして表示し、
前記第1判断手段が前記表示部の1行に表示可能な文字数を超えていると判断した場合に、前記表示制御手段が、前記1行に表示すべき情報を前記第1情報および前記第2情報として表示するか行方向にスクロールして表示するか、を判断する第2判断手段、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記第2判断手段が前記1行に表示すべき情報を前記第1情報および前記第2情報として表示すると判断した場合には、前記表示部の1行に表示可能な第1情報および同じ行にさらに表示すべき第2情報があることを示すマークを同時に表示し、前記第1情報を所定時間表示した後に前記第1情報および前記マークに代えて前記第2情報を表示し、前記第2判断手段が行方向にスクロールして表示すると判断した場合には、前記1行に表示すべき情報を行方向にスクロール表示する、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
情報を表示する表示部を備えた商品販売データ処理装置としてのコンピュータを、
1行に表示すべき情報が前記表示部の1行に表示可能な文字数を超えているかを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段が前記表示部の1行に表示可能な文字数を超えていると判断した場合に、前記表示部の1行に表示可能な第1情報および同じ行にさらに表示すべき第2情報があることを示すマークを同時に表示し、前記第1情報を所定時間表示した後に前記第1情報および前記マークに代えて前記第2情報を表示する表示制御手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
量販店やコンビニエンスストアや飲食店等の店舗において、店舗の店員は、店内に設置されたPOS(Point of Sales)端末やECR(Electronic Cash Resister)等の商品販売データ処理装置を使用して、店舗で販売する商品について商品登録処理や決済処理を実行している。このような商品販売データ処理装置は、店員に情報を表示する店員用表示部と顧客に情報を表示する顧客用表示部を備える。
【0003】
店員用表示部は、販売に係る種々の情報を表示するため大型の表示器を使用することが多いが、顧客用表示部は表示する文字数が少ないため、例えば数行分の表示を行う小型の表示器を使用することがある。
【0004】
このような小型の顧客用表示部は、行方向(横方向)に表示する文字数に限りがあるため、表示器に一度に表示可能な文字数を超える情報を表示する場合には、当該情報をスクロールさせながら表示させていた。顧客用表示部の表示をスクロールさると、表示が動くこと、動く表示に表示器の機能が追い付かず、残像が残る尾引きした表示となる、等の理由で読み難い表示となっていた。なお、店員用表示部に小型の表示器を使用する場合には、店員用表示部においても同様の問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、表示部の一度に表示可能な文字数を超える情報を読み易く表示することが可能な商品販売データ処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の商品販売データ処理装置は、情報を表示する表示部と、1行に表示すべき情報が前記表示部の1行に表示可能な文字数を超えているかを判断する第1判断手段と、前記第1判断手段が前記表示部の1行に表示可能な文字数を超えていると判断した場合に、前記表示部の1行に表示可能な第1情報および同じ行にさらに表示すべき第2情報があることを示すマークを同時に表示し、前記第1情報を所定時間表示した後に前記第1情報および前記マークに代えて前記第2情報を表示する表示制御手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態のPOS端末の外観を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、POS端末の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、POS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、POS端末の表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、顧客用表示部の表示例を示す図である。
【
図8】
図8は、顧客用表示部の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。実施形態では、商品販売データ処理装置の一例としてPOS端末を用いて説明する。また、顧客用表示部を表示部の一例として説明する。なお、実施形態の説明によって本発明が限定されるものではない。
【0009】
POS端末10は、顧客が購入する商品について、取得した商品を特定する商品特定情報である商品コードに基づいて商品登録処理を実行する。商品登録処理とは、読み取ったコードシンボルから取得した商品コードに基づいて当該商品の商品名や価格等の商品情報を表示し、当該商品情報をRAM等に記憶する処理をいう。
【0010】
また、POS端末10は、商品登録処理を行った商品について決済処理を実行する。決済処理とは、商品登録処理した商品の商品情報に基づいて、顧客との取引に係る合計金額や釣銭額を表示し、決済を行う処理をいう。
【0011】
図1は、実施形態のPOS端末10の外観を示す斜視図である。POS端末10は、本体部16と金銭収納部19とを備えている。本体部16は、電源部や回路基盤を内蔵しており、操作部11、印字部12、店員用表示部13、顧客用表示部14、鍵スイッチ部15、等を有する。また本体部16は、読取部17を接続している。金銭収納部19は、四角状筐体に出没可能なドロワ(引き出し)を備えており、顧客から渡された金銭(硬貨、紙幣)や、釣銭として店舗が準備した金銭を収納する。
【0012】
操作部11は、商品登録を終了して締め処理を宣言する締めキー111(
図3参照)等を含む、多数の数値キーや文字キーや機能キーを備えたキーボードである。
【0013】
印字部12は、サーマルヘッドや搬送部等を備え、搬送部が搬送したレシート用紙にサーマルヘッドが商品情報や決済情報を印字する。POS端末10は、印字部12で印字したレシートを発行する。
【0014】
店員用表示部13は、取得した商品コードに対応した商品の商品情報(商品名、商品の価格等)や決済情報やメッセージ等を、POS端末10を操作する操作者(例えば店員)に対して表示する。顧客用表示部14は、商品情報や今まで商品登録処理された商品の合計金額を顧客に対して表示する。
【0015】
鍵スイッチ部15は、POS端末10の電源をオン・オフするための鍵を挿入するためのスイッチ部である。鍵を鍵スイッチ部15に挿入して、挿入した鍵をオンの位置に回転させると、POS端末10は起動する。また、挿入した鍵をオフの位置に回転させると、POS端末10の電源はオフしてPOS端末10は停止する。
【0016】
読取部17は、LED(Light Emitting Diode)等で構成され、光を発光する発光部と、CCD(Charge Coupled Device)等で構成され、光を受光する受光部を備える。読取部17は、発光部から発光された光が、商品に付されたバーコードで反射し、反射光を受光部で受光することで、商品に付されたバーコード等のシンボルを読み取る。なお、読取部17は、シンボルを撮像して読み取る構成ものであってもよい。
【0017】
図2は、POS端末10の顧客用表示部14を示す図である。
図2において、顧客用表示部14は、一例として、上下2段の表示領域(上段が表示領域A。下段が表示領域B)を備えている。表示領域Aは、1行分の文字やマークの情報を一度に所定文字数を表示可能である。ここで文字は、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字、記号等を含む。諸外国の文字を表示する場合は、文字に当該国の言語を含む。所定文字数(表示可能な文字数)は、例えば16文字である。すなわち、表示領域Aは、16文字までの文字やマークであれば一度に表示可能である。なお、マーク1個は1文字分に相当する。空白(スペース)も1文字分に相当する。表示領域Bも同様に例えば16文字までの文字やマークを表示することが可能である。
【0018】
例えば顧客へのメッセージとして「いらっしゃいませ ABCストアへようこそ」と「本日特売日です!!」を顧客用表示部14に表示する場合、表示領域Aに「いらっしゃいませ ABCストアへようこそ」を表示し、表示領域Bに「本日特売日です!!」を表示する。この場合、「いらっしゃいませ ABCストアへようこそ」は21文字であり、所定文字数を超える。そのため、実施形態では「いらっしゃいませ ABCストアへようこそ」を2回に分割して表示領域Aに表示する。そして、1回目の表示の際に、まだ表示する文字があることを示すマークを、1回目の表示とともに表示領域Aに表示する。詳細な表示の仕方は後述する。また、「本日特売日です!!」は所定文字数以内のため、そのまま(分割せずに)表示領域Bに表示する。
【0019】
図3はPOS端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末10は、
図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、メモリ部24等を備えている。CPU21は、プロセッサの一例であり、制御主体となる。ROM22は、各種プログラムを記憶する。RAM23は、各種データを展開する。メモリ部24は、各種プログラムを記憶する。CPU21、ROM22、RAM23、メモリ部24は、互いにデータバス25を介して接続されている。CPU21とROM22とRAM23とメモリ部24が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU21がROM22やメモリ部24に記憶されRAM23に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するPOS端末10の制御処理を実行する。
【0020】
RAM23は、店員用表示部13や顧客用表示部14に表示させる情報や、読取部17で読み取った商品コードに基づいて、メモリ部24に記憶された商品マスタから読み出して展開された商品情報等を記憶する。
【0021】
メモリ部24は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disk)あるいは不揮発性メモリであって、プログラム部241、フラグ部242、切替時間部243を有する。フラグ部242は、情報を分割して表示するか、スクロールして表示するかを示すフラグの情報が記憶される。フラグ部242に記憶されるフラグの情報は、変更することができる。切替時間部243は、分割して表示する情報の第1情報の表示から第2情報の表示へ切り替えるまでの時間を示す所定時間を記憶する。切替時間部243に記憶されている所定時間は、設定することおよび変更することができる。
【0022】
また、コントローラ26は、操作部11、印字部12、店員用表示部13、顧客用表示部14、読取部17に接続され、制御部100からの指令に基づいて各部への制御を実行する。操作部11は、締めキー111を有する。締めキー111は、商品登録処理した商品について、決済処理を実行する場合に操作する。
【0023】
次に実施形態のPOS端末10の機能構成について説明する。
図4は、POS端末10の機能構成を示す機能ブロック図である。POS端末10の制御部100は、CPU21がROM22やメモリ部24のプログラム部241に記憶された制御プログラムに従い動作することで、第1判断手段101、表示制御手段102、第2判断手段103として機能する。
【0024】
第1判断手段101は、1行に表示すべき情報が顧客用表示部14の1行に表示可能な文字数を超えているかを判断する機能を有する。具体的には、第1判断手段101は、1行に表示すべき情報の文字数がメモリ部24に記憶されている所定文字数を超えているかを判断する。なお、顧客用表示部14の1行に表示可能な文字数は、表示する文字の大きさや表示する文字間の間隔によって異なるため、メモリ部24には、文字の大きさや文字間隔別に所定文字数を記憶するようにしてもよい。例えば、文字の大きさをX軸とし文字間隔をY軸としたマトリクス状のテーブルをメモリ部24に作成し、その交点に文字の大きさと文字間隔に基づいたそれぞれの所定文字数を記憶するようにしてもよい。第1判断手段101は、文字の大きさと文字間隔に基づいて所定文字数を特定し、特定した所定文字数に基づいて表示可能な文字数を超えているかを判断する。
【0025】
表示制御手段102は、第1判断手段101が顧客用表示部14の1行に表示可能な文字数を超えていると判断した場合に、1行に表示すべき情報のうち、顧客用表示部14の1行に表示可能な文字数(所定文字数)で構成される第1情報1421(
図7を参照)と、第1情報1421で表示しきれなかった第2情報があることを示すマーク144(
図7を参照)を同時に表示し、第1情報1421を所定時間表示した後に第1情報1421およびマーク144の表示に代えて、1行に表示すべき情報のうち第1情報として表示できなかった残りの第2情報1422を表示する機能を有する。具体的には、表示制御手段102は、所定文字数を超えていると判断した場合に、顧客用表示部14の表示領域Aに、第1情報1421および同じ行にさらに表示すべき第2情報1422があることを示すマーク144を同時に表示し、第1情報を所定時間表示した後に第1情報1421およびマーク144に代えて第2情報1422を表示する機能を有する。なお、実施形態では、第1情報の文字数は顧客用表示部14が表示可能な文字数(所定文字数)より1文字少なく、マーク144を加えて顧客用表示部14が表示可能な文字数(所定文字数)となる。
【0026】
第2判断手段103は、第1判断手段101が顧客用表示部14の1行に表示可能な文字数を超えていると判断した場合に、表示制御手段102が、1行に表示すべき情報を第1情報および第2情報に分割して表示するか行方向にスクロールして表示するか、を判断する機能を有する。具体的には、第2判断手段103は、第1判断手段101が1行に表示すべき情報の文字数が表示可能な文字数(所定文字数)を超えていると判断した場合に、表示制御手段102が、1行に表示すべき情報を第1情報および第2情報に分割して表示するか行方向にスクロールして表示するかを、フラグ部242に記憶されているフラグに基づいて判断する機能を有する。第2判断手段103は、フラグ部242に記憶されているフラグが例えば「0」の場合は、1行に表示すべき情報を第1情報および第2情報に分割して表示すると判断し、フラグ部242に記憶されているフラグが例えば「1」の場合は、1行に表示すべき情報を行方向にスクロールして表示すると判断する。
【0027】
次に、POS端末10の制御について説明する。
図5は、POS端末10の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、POS端末10の制御部100は、顧客との取引を開始する前に顧客へのメッセージを顧客用表示部14に表示する(S11)。顧客へのメッセージは、例えば「いらっしゃいませ ABCストアへようこそ」と「本日特売日です!!」の2種類である。制御部100は、「いらっしゃいませ ABCストアへようこそ」のメッセージを表示領域Aに表示する。また制御部100は、「本日特売日です!!」のメッセージを表示領域Aに表示する。S11においてメッセージを表示する際、顧客用表示部14への表示の仕方に係り、制御部100は
図6のフローチャートに基づく制御を行う。
【0028】
図6において、制御部100は、顧客用表示部14に表示するメッセージを行毎に生成する(S21)。顧客用表示部14に表示するメッセージが予め記憶されている場合は、S21においてそのメッセージを読み出す。生成した(あるいは読み出した)メッセージに基づいて、制御部100は、顧客用表示部14の各行に表示する文字の内容と文字数を行毎に把握する。なお、制御部100は、生成した文字の大きさと文字間隔の情報も把握する。
【0029】
次に第1判断手段101は、顧客用表示部14の行毎に、生成したメッセージが所定文字数を超えているかを行毎に判断する(S22)。第1判断手段101は、把握した文字数とメモリ部24に記憶されている1行に表示可能な所定文字数とを行毎に比較して、行毎に、生成したメッセージの文字数が所定文字数を超えているかを判断する。実施形態の場合、第1判断手段101は、表示領域Aに表示されるメッセージ142(1行に表示すべき情報)と、表示領域Bに表示されるメッセージ143(1行に表示すべき情報)について、それぞれ文字数が所定文字数を超えているかを判断する。
【0030】
第1判断手段101が、すべての行においてメッセージが所定文字数を超えていないと判断した場合には(S22のNo)、表示制御手段102は、生成したメッセージを顧客用表示部14の各行に表示する(S23)。
【0031】
また、生成したメッセージの文字数が所定文字数を超えている行があると判断した場合には(S22のYes)、次に第2判断手段103は、フラグ部242に記憶されているフラグが「0」であるか「1」であるかを判断する(S24)。フラグ部242に記憶されているフラグが「1」であると判断した場合には(S24のYes)、表示制御手段102は、所定文字数を超えていると判断した行について、当該行に表示するメッセージを行方向にスクロールしながら表示する(S25)。また、所定文字数を超えていないと判断した行については、当該行に該当メッセージを表示する(S25)。
【0032】
実施形態の場合、表示領域Aに表示するメッセージ142「いらっしゃいませ ABCストアへようこそ」は、表示領域Aが表示可能な所定文字数を超えているため、当該メッセージを行方向(
図2における左右方向)にスクロール(右側から左側にスクロール)しながら表示する(S25)。スクロールの仕方は、まず表示領域Aに一度に表示可能なメッセージ「いらっしゃいませ ABCストア」を表示し、当該表示を右から左にスクロールしながら残りの「へようこそ」を表示するようにしてもよいし、「いらっしゃいませ ABCストアへようこそ」のすべてを右から左にスクロールするように表示してもよい。
【0033】
また、フラグ部242に記憶されているフラグが「0」であると判断した場合には(S24のNo)、表示制御手段102は、当該行に表示可能な第1情報1421を表示する(S31)。実施形態の場合、第1情報1421である「いらっしゃいませ ABCストア」を表示領域Aに表示する。また、表示領域Bには、「本日特売日です!!」のメッセージ143が表示される。
【0034】
また表示制御手段102は、第1情報1421以外に表示すべき第2情報1422が存在することを示すマーク144を表示する。マーク144は、第1情報1421が表示された行と同じ行に表示され、さらに第1情報1421の末尾の位置に表示される。なおマーク144は、第1情報1421以外の第2情報があることを示すものであるため、必ずしも第1情報1421と同じ行に表示されなくてもよい。また、必ずしも第1情報1421の末尾の位置に表示されなくてもよい。また、表示可能な文字数を超えない行については、当該行に当該メッセージを表示する。実施形態では、表示領域Aに表示された第1情報1421である「いらっしゃいませ ABCストア」のメッセージの末尾の位置に、第2情報1422があることを示すマーク144が表示される。
【0035】
図7に、S31で表示制御手段102が顧客用表示部14に表示したメッセージを示す。
図7に示すように、表示領域Aに「いらっしゃいませ ABCストアへようこそ」のメッセージ142のうちの最初に表示する「いらっしゃいませ ABCストア」の第1情報1421が表示される。また表示領域Aの第1情報1421の末尾の位置に、さらに第2情報があることを示す指型のマーク144が表示される。なお、マーク144は、さらに第2情報1422があることを示すマークであればよく、指型に限定されるものではない。例えば、星形や米印のマークであってもよい。また、表示領域Bには、「本日特売日です!!」のメッセージ143が表示される。なお、表示領域Bに表示するメッセージ143は、所定文字数を超えていないため、メッセージ143の末尾の位置に第2情報1422があることを示すマークは表示されない。
【0036】
図6の説明に戻る。次に制御部100は、図示しないタイマーを起動させて、切替時間部243に記憶されている所定時間が経過したかを判断する(S32)。制御部100は、所定時間が経過するまで待機する(S32のNo)。待機している間は、表示制御手段102は第1情報1421およびマーク144を表示し続ける。
【0037】
所定時間が経過した(すなわち、第1情報を所定時間表示した)と判断した場合には(S32のYes)、表示制御手段102は、表示領域Aに表示されている第1情報1421とマーク144の表示を非表示とし、代わりに第2情報を表示する(S33)。表示領域Bに表示されているメッセージ143は引き続き表示される。
【0038】
図8に、表示制御手段102がS33で顧客用表示部14に表示したメッセージを示す。
図8に示すように、表示領域Aに「いらっしゃいませ ABCストアへようこそ」メッセージ142のうちの「へようこそ」の第2情報1422が表示される。また表示領域Aの第2情報1422の末尾の位置には、さらに第2情報1422があることを示す指型のマーク144は表示されない。なお、表示領域Bには、「本日特売日です!!」のメッセージ143が引き続き表示される。
【0039】
図5の説明に戻る。次に制御部100は、読取部17が読み取ったシンボルに基づいて商品コードを取得したかを判断する(S12)。商品コードを取得したと判断した場合には(S12のYes)、制御部100は、取得した商品コードに基づいて当該商品に係る商品登録処理を実行する(S13)。そして制御部100は、商品登録処理した商品の商品情報を、店員用表示部13と顧客用表示部14に表示する(S14)。S14において商品情報を顧客用表示部14に表示する場合に、例えば表示領域Aに商品情報(商品名、商品の価格、等)を表示し、表示領域Bに、今まで商品登録処理した商品の合計金額を表示する。表示領域Aと表示領域Bに表示する情報について、制御部100はS11と同様の処理を行い(すなわち
図6の処理を行い)、表示すべき情報の文字数が顧客用表示部14に表示可能な文字数を超えている場合には、当該行に係る表示を第1情報およびマークの表示とその後の第2情報の表示に分割して表示する。そして制御部100はS12に戻る。制御部100は、新たな商品コードを取得する度に、S12~S14の処理を行う。
【0040】
また、商品コードの取得ではないと判断した場合には(S12のNo)、制御部100は、締めキー111が操作されたかを判断する(S15)。締めキー111が操作されたと判断した場合には(S15のYes)、制御部100は、当該取引において商品登録処理された商品に係る決済処理を実行する(S16)。そして制御部100は、決済処理した決済情報を店員用表示部13と顧客用表示部14に表示する(S17)。S17において決済情報を顧客用表示部14に表示する場合に、例えば表示領域Aに顧客が支払う金額情報を表示し、表示領域Bに預かり金額や釣銭情報を表示する。表示領域Aと表示領域Bに表示する情報について、制御部100はS11と同様の処理を行い(すなわち
図6の処理を行い)、表示すべき情報の文字数が顧客用表示部14に表示可能な文字数を超えている場合には、当該行に係る表示を第1情報およびマークの表示とその後の第2情報の表示に分けて表示する。そして制御部100は処理を終了する。
【0041】
また、締めキー111の操作ではないと判断した場合には(S15のNo)、制御部100はS11に戻る。
【0042】
以上説明したように、実施形態のPOS端末10は、情報を表示する顧客用表示部14と、1行に表示すべき情報が顧客用表示部14の1行に表示可能な文字数を超えているかを判断する第1判断手段101と、第1判断手段101が顧客用表示部14の1行に表示可能な文字数を超えていると判断した場合に、顧客用表示部14の1行に表示可能な第1情報1421および同じ行にさらに表示すべき第2情報1422があることを示すマーク144を同時に表示し、第1情報1421を所定時間表示した後に第1情報1421およびマーク144に代えて第2情報1422を表示する表示制御手段102と、を備える。
【0043】
このような実施形態のPOS端末10によれば、顧客用表示部14に表示する情報の文字数が顧客用表示部14に表示可能な文字数を超える行がある場合には、まず第1情報1421を当該行に表示するとともに、当該情報に係る第2情報1422があることを示すマーク144を、同じ行の第1情報1421の末尾の位置に表示し、所定時間が経過した後に、第1情報1421とマーク144に代わり第2情報1422を同じ行に表示する。そのため、顧客用表示部14に一度に可能な文字数を超える情報を読み易く表示することが可能となる。
【0044】
また、実施形態のPOS端末10によれば、所定時間を切替時間部243に設定することおよび変更することが可能であるため、店舗にとって最適な所定時間を設定および変更することで、顧客用表示部14に一度に可能な文字数を超える情報を読み易く表示することが可能となる。
【0045】
また実施形態のPOS端末10において、表示制御手段102は、第1判断手段101が1行に表示すべき情報が顧客用表示部14の1行に表示可能な文字数を超えていると判断した場合に、1行に表示すべき情報を行方向にスクロールして表示する機能をさらに有し、第1判断手段101が顧客用表示部14の1行に表示可能な文字数を超えていると判断した場合に、表示制御手段102が1行に表示すべき情報を第1情報1421および第2情報1422として表示するか行方向にスクロールして表示するか、設定されたフラグの情報に基づいて判断する第2判断手段103、をさらに備え、表示制御手段102は、第2判断手段103が1行に表示すべき情報を第1情報1421および第2情報1422として表示すると判断した場合には、顧客用表示部14の1行に表示可能な第1情報1421および同じ行にさらに表示すべき第2情報1422があることを示すマーク144を同時に表示し、第1情報1421を所定時間表示した後に第1情報1421およびマーク144に代えて第2情報1422を表示し、第2判断手段103が行方向にスクロールして表示すると判断した場合には、1行に表示すべき情報を行方向にスクロール表示する。
【0046】
このような実施形態のPOS端末10によれば、表示する情報の文字数が顧客用表示部14の1行に表示可能な文字数を超えている場合に、第1情報1421とマーク144を表示し、その後に第2情報1422を表示するか、表示する情報をスクロールさせて表示するかを、フラグの設定を変えることで指定することができる。
【0047】
なお、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0048】
例えば、実施形態では、顧客用表示部14を表示部の一例として説明した。しかしながらこれに限らず、店員用表示部13を表示部としてもよい。また、店員用表示部13と顧客用表示部14を表示部としてもよい。
【0049】
また、実施形態では、表示する情報の文字数が顧客用表示部14の1行に表示可能な文字数を超えている場合に、第1情報1421とマーク144を表示し、その後に第2情報1422を表示するか、表示する情報をスクロールさせて表示するかを指定することができるようにした。しかしながらこの指定する機能は必須ではない。
【0050】
実施形態のPOS端末10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0051】
また、実施形態のPOS端末10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施形態のPOS端末10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0052】
また、実施形態のPOS端末10で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 POS端末
11 操作部
12 印字部
13 店員用表示部
14 顧客用表示部
16 本体部
17 読取部
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 メモリ部
100 制御部
101 第1判断手段
102 表示制御手段
103 第2判断手段
131 商品情報部
142 メッセージ
143 メッセージ
144 マーク
242 フラグ部
243 切替時間部
1421 第1情報
1422 第2情報
【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】