(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115115
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
H02G 3/16 20060101AFI20240819BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20240819BHJP
H01R 12/71 20110101ALN20240819BHJP
B60R 16/02 20060101ALN20240819BHJP
【FI】
H02G3/16
H05K7/14 G
H01R12/71
B60R16/02 610A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020605
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 修司
(72)【発明者】
【氏名】奥田 定治
【テーマコード(参考)】
5E223
5E348
5G361
【Fターム(参考)】
5E223AB10
5E223BA07
5E223CD01
5E223DB08
5E348AA02
5E348AA03
5E348AA40
5G361BA01
5G361BB01
5G361BC01
5G361BC02
(57)【要約】
【課題】端子の配置における設計の自由度を向上できる電気接続箱を提供する。
【解決手段】電気接続箱1は、基板2と、基板に固定される端子ホルダ3と、相手端子に接続される第一接続部41を有し、第一接続部を突出させた状態で端子ホルダによって保持され、かつ基板に接続される端子4と、基板および端子ホルダを収容する筐体5と、端子ホルダまたは筐体に固定される導体ユニット6と、を備え、導体ユニットは、枠部71を有し、かつ端子ホルダまたは筐体に固定される第一導体7と、枠部に接合される接合部と、相手端子に接続される第二接続部82と、を有する複数の第二導体8と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に固定される端子ホルダと、
相手端子に接続される第一接続部を有し、前記第一接続部を突出させた状態で前記端子ホルダによって保持され、かつ前記基板に接続される端子と、
前記基板および前記端子ホルダを収容する筐体と、
前記端子ホルダまたは前記筐体に固定される導体ユニットと、
を備え、
前記導体ユニットは、
枠部を有し、かつ前記端子ホルダまたは前記筐体に固定される第一導体と、
前記枠部に接合される接合部と、相手端子に接続される第二接続部と、を有する複数の第二導体と、
を含む
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記第一導体は、前記基板に接続される基板接続部を有し、
複数の前記第二導体は、前記基板接続部を介して前記基板に接続される
請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記端子ホルダは、複数の貫通孔を有し、かつ複数の前記貫通孔のうち一部の前記貫通孔に前記端子が挿入され、
前記第一導体は、前記第二接続部を複数の前記貫通孔のうち他の一部の前記貫通孔の延長線上に位置付けるように前記端子ホルダまたは前記筐体に固定される
請求項1または2に記載の電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレス成型されたコネクタがある。特許文献1には、メスコネクタ部と、プレス成形された板状体であり、このメスコネクタ部に対してインサートモールドされるとともに、外部と電気的接続をするための4本の接続端子とを有するコネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の端子を有する電気接続箱において、端子を配置する場合の設計の自由度を向上できることが望ましい。例えば、接続相手の端子の配置に応じて容易に設計変更できることが好ましい。
【0005】
本発明の目的は、端子の配置における設計の自由度を向上できる電気接続箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気接続箱は、基板と、前記基板に固定される端子ホルダと、相手端子に接続される第一接続部を有し、前記第一接続部を突出させた状態で前記端子ホルダによって保持され、かつ前記基板に接続される端子と、前記基板および前記端子ホルダを収容する筐体と、前記端子ホルダまたは前記筐体に固定される導体ユニットと、を備え、前記導体ユニットは、枠部を有し、かつ前記端子ホルダまたは前記筐体に固定される第一導体と、前記枠部に接合される接合部と、相手端子に接続される第二接続部と、を有する複数の第二導体と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る電気接続箱は、端子ホルダまたは筐体に固定される導体ユニットを備え、導体ユニットは、枠部を有し、かつ端子ホルダまたは筐体に固定される第一導体と、枠部に接合される接合部と、相手端子に接続される第二接続部と、を有する複数の第二導体と、を含む。本発明に係る電気接続箱によれば、枠部に対する第二導体の位置変更が容易であり、端子の配置における設計の自由度を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電気接続箱の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る電気接続箱の断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る筐体の斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る端子ホルダの斜視図である。
【
図5】
図5は、端子を保持する端子ホルダの斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る導体ユニットの斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る第二導体の展開図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る導体ユニットの平面図である。
【
図9】
図9は、端子ホルダに組み付けられた導体ユニットの平面図である。
【
図10】
図10は、実施形態の第1変形例に係る電気接続箱の断面図である。
【
図11】
図11は、実施形態の第1変形例に係る音叉端子および基板接続部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る電気接続箱につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態]
図1から
図9を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、電気接続箱に関する。
図1は、実施形態に係る電気接続箱の斜視図、
図2は、実施形態に係る電気接続箱の断面図、
図3は、実施形態に係る筐体の斜視図、
図4は、実施形態に係る端子ホルダの斜視図、
図5は、端子を保持する端子ホルダの斜視図、
図6は、実施形態に係る導体ユニットの斜視図、
図7は、実施形態に係る第二導体の展開図、
図8は、実施形態に係る導体ユニットの平面図、
図9は、端子ホルダに組み付けられた導体ユニットの平面図である。
【0011】
図1および
図2に示すように、本実施形態の電気接続箱1は、基板2と、端子ホルダ3と、端子4と、筐体5と、導体ユニット6と、を有する。電気接続箱1は、例えば、自動車等の車両に搭載される。電気接続箱1は、例えば、車両に搭載された機器を制御する電子制御装置(ECU)を有していてもよく、この電子制御装置は、ゾーンECUであってもよい。基板2は、例えば、リジッドなプリント回路基板(PCB)である。
【0012】
図1に示す筐体5は、略直方体の形状を有し、本体51およびカバー52を有する。本体51およびカバー52は、例えば、絶縁性の合成樹脂で成型される。筐体5は、基板2、端子ホルダ3、端子4、および導体ユニット6を収容する。本体51は、平板状の部材であり、基板2を保持する。
図2に示すように、端子ホルダ3、端子4、および導体ユニット6は、基板2に組み付けられる。カバー52は、有底の角筒形状を有している。カバー52は、本体51に係合して基板2、端子ホルダ3、端子4、および導体ユニット6を覆う。
【0013】
図1に示すように、カバー52は、相手コネクタと嵌合する嵌合部53を有する。嵌合部53は、端子ホルダ3と対向する位置に配置されている。本明細書では、筐体5と相手コネクタとが嵌合する方向を嵌合方向Zと称する。嵌合方向Zは、基板2と直交する方向である。本体51およびカバー52は、嵌合方向Zに沿って互いに係合する。
【0014】
嵌合部53は、筒状部54と、底壁55と、を有する。筒状部54は、角筒形状を有し、カバー52の頂面52aから嵌合方向Zに向けて突出している。底壁55は、筒状部54を閉塞する壁部であり、嵌合方向Zにおいて端子ホルダ3と対向する。
図2および
図3に示すように、底壁55には、複数の貫通孔55aが設けられている。複数の貫通孔55aは、端子4の第一接続部41、および導体ユニット6の第二接続部82が挿入可能に配置されている。本実施形態の貫通孔55aは、格子状に配置されている。
【0015】
図4に示すように、本実施形態の端子ホルダ3は、直方体形状を有している。端子ホルダ3は、例えば、絶縁性の合成樹脂で成型される。端子ホルダ3は、複数の貫通孔31を有する。本実施形態の貫通孔31は、格子状に配置されている。すなわち、複数の貫通孔31は、互いに直交する二方向に配列されている。本明細書では、貫通孔31が配列される一つの方向を「第一方向X」と称し、他の一つの方向を「第二方向Y」と称する。第二方向Yは、第一方向Xと直交している。また、第一方向Xおよび第二方向Yは、何れも嵌合方向Zと直交している。
【0016】
端子ホルダ3には、貫通孔31の列32が複数設けられている。複数の列32は、第二方向Yに等間隔で配置されている。それぞれの列32は、第一方向Xに等間隔で並ぶ複数の貫通孔31を有する。例示された端子ホルダ3は、五つの列32を有する。それぞれの列32は、四つの貫通孔31を有している。なお、一つの列32が有する貫通孔31の数、および端子ホルダ3が有する列32の数は、任意である。
【0017】
図2および
図5に示すように、端子4は、第一接続部41および基板接続部42を有する。例示された端子4は、オス端子であり、角筒形状または角柱形状を有する。
図5に示すように、端子4は、端子ホルダ3の貫通孔31に挿入され、端子ホルダ3によって保持される。端子ホルダ3は、第一接続部41および基板接続部42を端子ホルダ3から突出させるように端子4を保持する。第一接続部41は、貫通孔31から嵌合方向Zの一方側に突出する。基板接続部42は、貫通孔31から嵌合方向Zの他方側に突出する。基板接続部42は、基板2のスルーホール21に挿入され、基板2の回路にはんだ付けされる。
【0018】
図5に示すように、端子4は、複数の貫通孔31のうち一部の貫通孔31に挿入される。他の一部の貫通孔31には、端子4は挿入されずに中空のまま残される。他の一部の貫通孔31には、後述する第二導体8の第二接続部82が位置付けられる。
【0019】
図6に示すように、導体ユニット6は、第一導体7および第二導体8を有する。第一導体7および第二導体8は、導電性の金属で形成される。第一導体7および第二導体8は、例えば、金属板に対するプレス加工により形成される。
【0020】
第一導体7は、枠部71および基板接続部72を有する。枠部71は、枠状に形成されている。
図6に例示された枠部71は、矩形の枠形状を有する。枠部71は、四つの辺73を有する。枠部71は、閉じていてもよく、一部が途切れていてもよい。例えば、四つの辺73の何れか一つに切れ目が設けられていてもよい。辺73の幅Wd1は、一様であってもよい。本実施形態の枠部71では、四つの辺73が同じ幅Wd1を有する。
【0021】
基板接続部72は、基板2の回路に接続される部分である。例示された基板接続部72は、L字形状に屈曲しており、基端部72aおよび先端部72bを有する。基端部72aは、枠部71の外縁につながっており、嵌合方向Zと直交する方向に突出している。先端部72bは、基端部72aから嵌合方向Zに向けて突出している。
【0022】
第二導体8は、枠部71に接合され、枠部71に対して電気的に接続される。第二導体8は、接合部81と、第二接続部82と、繋ぎ部83と、を有する。接合部81は、枠部71に対して接合される部分であり、平板形状を有する。第二接続部82は、相手端子に接続される部分であり、筒形状または棒形状を有する。繋ぎ部83は、接合部81と第二接続部82とをつなぐ部分である。第二導体8は、繋ぎ部83を端子ホルダ3に接触させるように屈曲した屈曲部84を有している。屈曲部84は、繋ぎ部83を枠部71と同一面上に位置付ける。
【0023】
図7には、第二導体8の展開図の一例が示されている。本実施形態の第二接続部82は、金属板を筒状に折り曲げて形成される。第二接続部82の形状は、例えば、第一接続部41と同様の角筒形状である。繋ぎ部83の形状は、端子4を迂回しながら接合部81と第二接続部82とをつなぐ形状である。
図7に示す繋ぎ部83の形状は、L字形状である。
【0024】
図8には、
図6に示す端子4の配置に対応する導体ユニット6が示されている。
図8の導体ユニット6は、三つの第二導体8を有する。第二導体8は、枠部71の四つの辺73の何れにも接合可能である。
図8に示す導体ユニット6では、基板接続部72を有する辺73に対して二つの第二導体8が接合される。他の一つの第二導体8は、基板接続部72と対向する辺73に接合される。接合部81は、枠部71に対して溶接等によって接合される。なお、枠部71に対する接合部81の接合方法は溶接には限定されず、圧接等であってもよい。枠部71には、接合部81を位置決めする目印が設けられることが好ましい。目印は、例えば、ケガキ線やポイント打ちである。
【0025】
導体ユニット6は、端子ホルダ3に載置されて端子ホルダ3に固定される。導体ユニット6は、端子ホルダ3に係合する係合部を有していてもよい。
図9には、端子ホルダ3に組み付けられた導体ユニット6が示されている。第二導体8は、第一接続部41および第二接続部82が格子状に並ぶように枠部71に固定されている。第二導体8の繋ぎ部83は、配列された端子4の間を延在する。つまり、第二導体8は、繋ぎ部83が並び合う二つの端子4の中間に位置付けられるように枠部71に接合される。
図2に示すように、第二接続部82は、貫通孔31の延長線上に位置付けられる。つまり、導体ユニット6は、端子4が挿入されない貫通孔31の延長線上に第二接続部82を位置付ける。
【0026】
導体ユニット6と組み付けられた端子ホルダ3は、基板2に固定される。端子ホルダ3が基板2の所定箇所に載置されると、端子4の基板接続部42、および導体ユニット6の基板接続部72が基板2のスルーホール21に挿入される。端子ホルダ3は、ペグによって基板2に固定されてもよい。端子4の基板接続部42、および導体ユニット6の基板接続部72は、基板2の回路にはんだ付けされる。端子ホルダ3と組み付けられた基板2は、筐体5の本体51に固定される。
【0027】
第二導体8は、GND用のオス端子であってもよい。この場合、グランド端子としての複数の第二導体8が枠部71によって互いに電気的に接続される。複数の第二導体8は、基板接続部72を介して基板2の回路に接続される。
【0028】
本実施形態の電気接続箱1では、第二接続部82を端子ホルダ3の任意の貫通孔31に位置付けることが可能である。繋ぎ部83は、端子4と干渉しないように屈曲しており、第二接続部82を貫通孔31の延長線上に位置付ける。相手コネクタのグランドの端子位置は、車両や仕様によって異なる。本実施形態の電気接続箱1は、相手コネクタに応じて容易に第二接続部82の位置を変更できるため、設計自由度が高く、かつ低コスト化が可能である。また、複数のグランド端子を接続するジョイントパターンを基板2に設ける必要がない。このため、基板2の低コスト化、および基板2の省スペース化が可能である。
【0029】
以上説明したように、本実施形態の電気接続箱1は、基板2と、端子ホルダ3と、端子4と、筐体5と、導体ユニット6と、を有する。端子ホルダ3は、基板2に固定される。端子4は、相手端子に接続される第一接続部41を有する。端子4は、第一接続部41を突出させた状態で端子ホルダ3によって保持され、かつ基板2に接続される。筐体5は、基板2および端子ホルダ3を収容する。本実施形態の導体ユニット6は、端子ホルダ3に固定される。
【0030】
導体ユニット6は、枠部71を有する第一導体7と、複数の第二導体8と、を含む。本実施形態の第一導体7は、端子ホルダ3に固定される。第二導体8は、枠部71に接合される接合部81と、相手端子に接続される第二接続部82と、を有する。本実施形態の電気接続箱1は、第一導体7の枠部71に対して複数の第二導体8が接合される。接続相手の端子位置に応じて第二導体8を自由に配置することが可能である。よって、本実施形態の電気接続箱1は、高い設計自由度を有する。
【0031】
本実施形態の第一導体7は、基板2に接続される基板接続部72を有する。複数の第二導体8は、基板接続部72を介して基板2に接続される。複数の第二導体8が基板接続部72を介して基板2に接続されることで、基板2における回路の簡素化や、基板2の小型化が可能である。
【0032】
本実施形態の端子ホルダ3は、複数の貫通孔31を有する。複数の貫通孔31のうち一部の貫通孔31に端子4が挿入される。第一導体7は、第二接続部82を複数の貫通孔31のうち他の一部の貫通孔31の延長線上に位置付けるように端子ホルダ3に固定される。従って、本実施形態の電気接続箱1は、配列される複数の第一接続部41の一部を第二接続部82に置き換えることができる。
【0033】
なお、第二導体8は、グランド用の端子には限定されない。第二導体8は、電源用の端子であってもよく、信号用の端子であってもよく、その他の端子であってもよい。第二導体8は、複数の第二接続部82を有していてもよい。この場合、複数の第二接続部82が一つの接合部81によって枠部71に接続される。平面視における繋ぎ部83の形状は、L字形状には限定されない。繋ぎ部83の形状は、端子4の第一接続部41を迂回する任意の形状である。
【0034】
[実施形態の第1変形例]
図10および
図11を参照して、実施形態の第1変形例について説明する。
図10は、実施形態の第1変形例に係る電気接続箱の断面図、
図11は、実施形態の第1変形例に係る導体ユニットを示す図である。
図10に示す電気接続箱1において、上記実施形態の電気接続箱1と異なる点は、例えば、第一導体7が筐体5によって保持される点である。
【0035】
図10に示すように、実施形態の第1変形例に係る筐体5は、第一導体7を保持する保持部56を有する。例示された保持部56は、カバー52の嵌合部53に設けられている。保持部56は、例えば、枠部71の外縁部が挿入される溝や凹部である。保持部56は、枠部71を係止する爪56aを有している。爪56aは、筒状部54の内側面から突出している。枠部71は、例えば、嵌合方向Zに沿って保持部56に係合される。このときに、第二導体8の第二接続部82は、筐体5の貫通孔55aに挿入される。保持部56は、第二接続部82を端子ホルダ3の貫通孔31の延長線上に位置付けるように第一導体7を保持する。保持部56によって保持された第一導体7は、嵌合方向Zにおいて嵌合部53の底壁55と対向する。
【0036】
上記実施形態の電気接続箱1と同様に、端子4は、端子ホルダ3の複数の貫通孔31のうち、一部の貫通孔31に挿入される。第二接続部82に対応する貫通孔31には、端子4が挿入されずに空洞とされる。
【0037】
実施形態の第1変形例に係る導体ユニット6は、音叉端子74を有する。基板接続部72は、音叉端子74を介して基板2に接続される。音叉端子74は、端子ホルダ3に設けられた保持孔33に挿入され、保持孔33によって保持される。音叉端子74は、一対の挟持片74aと、基板接続部74bと、を有する。一対の挟持片74aは、第一導体7の基板接続部72を挟持するように構成されている。基板接続部74bは、基板2のスルーホール21に挿入され、基板2の回路にはんだ付けされている。
【0038】
筐体5の本体51に対してカバー52が係合するときに、
図11に示すように第一導体7の基板接続部72が一対の挟持片74aの間に差し込まれる。これにより、第一導体7は音叉端子74を介して基板2の回路に接続される。
【0039】
[実施形態の第2変形例]
実施形態の第2変形例について説明する。導体ユニット6の第一導体7は、基板接続部72を有していなくてもよい。この場合、第二導体8の第二接続部82には、ジョイントコネクタが接続されてもよい。第二導体8がグランド用の端子である場合、第二導体8はジョイントコネクタを介して車両のボデーに接地される。
【0040】
第二導体8は、グランド用の端子には限定されない。第二導体8に接続されるジョイントコネクタは、イルミネーションの電源線を接続するものであってもよく、LIN通信の信号線を接続するものであってもよく、その他の電源線や信号線を接続するものであってもよい。
【0041】
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
【符号の説明】
【0042】
1:電気接続箱
2:基板、 3:端子ホルダ、 4:端子、 5:筐体
6:導体ユニット、 7:第一導体、 8:第二導体
21:スルーホール
31:貫通孔、 32:列
41:第一接続部、 42:基板接続部
51:本体、 52:カバー、 52a:頂面、 53:嵌合部、 54:筒状部
55:底壁、 55a:貫通孔、 56:保持部
71:枠部、 72:基板接続部、 72a:基端部、 72b:先端部、 73:辺
74:音叉端子、 74a:挟持片、 74b:基板接続部
81:接合部、 82:第二接続部、 83:繋ぎ部
X:第一方向、 Y:第二方向、 Z:嵌合方向