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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115116
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】端子台
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/22 20060101AFI20240819BHJP
   H01R 13/405 20060101ALI20240819BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
H01R9/22
H01R13/405
H01R13/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020606
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 章義
(72)【発明者】
【氏名】増田 椋圭
【テーマコード(参考)】
5E021
5E086
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA14
5E021FB07
5E021FC33
5E021FC38
5E021KA08
5E086CC46
5E086LL17
5E087EE07
5E087GG02
5E087GG35
5E087JJ03
5E087MM05
5E087RR04
(57)【要約】
【課題】体格の大型化を抑えること。
【解決手段】第1端子接続部11及び第1電気接続部12を有する第1端子金具10と、第2端子接続部21及び第2電気接続部22を有する第2端子金具20と、一対のインターロック端子付き電線30と、ハウジング40と、を備え、ハウジングは、第1端子金具と第2端子金具とに対して成形された一次成形樹脂体40Aと、一次成形樹脂体に対して成形された二次成形樹脂体40Bと、を有し、一次成形樹脂体は、第1端子接続部と第2端子接続部とを間隔を空けて並べて突出させ、かつ、第1電気接続部と第2電気接続部とを間隔を空けて並べて突出させた端子保持部46と、一対のインターロック端子付き電線のそれぞれの電線31を電線引出口45aから第1電気接続部と第2電気接続部との間に引き出させるインターロックハウジング部45と、を有し、二次成形樹脂体は、第1端子収容部41と第2端子収容部42を有すること。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置対象物の第1接続部に対して物理的且つ電気的に接続させる第1電気接続部を有する第1端子金具と、
前記設置対象物の第2接続部に対して物理的且つ電気的に接続させる第2電気接続部を有する第2端子金具と、
電線の端末にインターロック端子を取り付け、かつ、コネクタが備える相手方インターロックコネクタの一対の嵌合検知端子部に各々対応させて設けたインターロック端子付き電線と、
挿入させた前記コネクタの第1相手方端子金具を前記コネクタとの完全嵌合位置で前記第1端子金具の第1端子接続部に嵌合接続させる第1端子収容室が設けられた第1端子収容部、挿入させた前記コネクタの第2相手方端子金具を前記完全嵌合位置で前記第2端子金具の第2端子接続部に嵌合接続させる第2端子収容室が設けられた第2端子収容部、及び、前記第1端子収容部と前記第2端子収容部との間で一対の前記インターロック端子付き電線を収容し、かつ、それぞれに挿入させた前記嵌合検知端子部を前記完全嵌合位置で前記インターロック端子に嵌合接続させるインターロックハウジング部を有するハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、前記第1端子金具と前記第2端子金具とに対して一体になるよう成形された一次成形樹脂体と、前記一次成形樹脂体に対して一体になるよう成形された二次成形樹脂体と、を有し、
前記一次成形樹脂体は、前記第1端子接続部と前記第2端子接続部とを間隔を空けて並べて突出させ、かつ、前記第1電気接続部と前記第2電気接続部とを間隔を空けて並べて突出させて、前記第1端子金具と前記第2端子金具を保持する端子保持部と、一対の前記インターロック端子付き電線のそれぞれの前記電線を電線引出口から前記第1電気接続部と前記第2電気接続部との間に引き出させる前記インターロックハウジング部と、を有し、
前記二次成形樹脂体は、前記第1端子収容部と前記第2端子収容部を有することを特徴とした端子台。
【請求項2】
前記インターロックハウジング部は、筒状に形成され、かつ、前記第1電気接続部と前記第2電気接続部との間に前記電線引出口を有し、かつ、前記電線引出口側の外壁面の位置に前記第1電気接続部と前記第2電気接続部の内の一方における他方側の端面を設けることを特徴とした請求項1に記載の端子台。
【請求項3】
前記第1端子金具は、前記第1電気接続部における前記第1端子収容室側の端部を前記第1端子接続部に繋ぐ第1連結部を有し、
前記第2端子金具は、前記第2電気接続部における前記第1電気接続部側の端部を前記第2端子接続部に繋ぐ第2連結部を有し、
前記インターロックハウジング部は、筒状に形成され、かつ、前記第1電気接続部と前記第2電気接続部との間に前記電線引出口を有し、かつ、前記電線引出口側の外壁面の位置に前記第1電気接続部における前記第2電気接続部側の端面を設け、
前記端子保持部は、前記第1連結部を保持する第1保持部と、前記第2連結部を保持する第2保持部と、を有し、
前記第2保持部は、前記インターロックハウジング部における前記電線引出口側の端面から前記第1電気接続部と前記第2電気接続部との間に突出させ、前記第2電気接続部における前記第1電気接続部側の前記端部を保持する突出部を有することを特徴とした請求項1に記載の端子台。
【請求項4】
前記第1電気接続部は、前記第2電気接続部との配列方向と前記コネクタの嵌合接続方向とに直交する孔軸の貫通孔であり、前記第1接続部に螺子止め固定するための締結孔を有し、
前記第2電気接続部は、前記第1電気接続部との前記配列方向と前記嵌合接続方向とに直交する孔軸の貫通孔であり、前記第2接続部に螺子止め固定するための締結孔を有することを特徴とした請求項1,2又は3に記載の端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
端子台は、嵌合接続されたコネクタとの嵌合状態が完全嵌合状態となったときに、そのコネクタとの間で通電可能な状態になり、その嵌合状態が半嵌合状態のときに、コネクタとの間で通電が不能又は不安定な状態になる。よって、従来、その端子台とコネクタとの間には、嵌合状態が完全嵌合状態であるのか半嵌合状態であるのかを判定するインターロック機能を設けている。このインターロック機能は、端子台とコネクタにそれぞれ設けたインターロックコネクタを具備して構成されたものであり、端子台とコネクタが完全嵌合状態のときにそれぞれのインターロックコネクタのインターロック端子同士を通電させ、その電気信号を検知して嵌合検知を行う。端子台は、コネクタとの通電を担う端子金具と、この端子金具を収容するハウジングと、インターロック端子と、を備え、その端子金具に対して成形されたハウジングにインターロック端子を組み付けて形作られる。そのハウジングは、例えば、下記の特許文献1及び2に記載されているように、端子金具に対して成形された一次成形樹脂体と、この一次成形樹脂体に対して成形された二次成形樹脂体と、によって形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-098806号公報
【特許文献2】特開2022-161407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、端子台においては、そのハウジングにインターロックハウジング部が形成され、このインターロックハウジング部に対して、インターロック端子を収容し且つ保持すると共にインターロック端子に接続された電線を収容する。このため、この端子台は、その体格の大型化を如何にして抑えるのかという課題を持つ。
【0005】
そこで、本発明は、インターロックコネクタを具備させつつ体格の大型化を抑え得る端子台を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、設置対象物の第1接続部に対して物理的且つ電気的に接続させる第1電気接続部を有する第1端子金具と、前記設置対象物の第2接続部に対して物理的且つ電気的に接続させる第2電気接続部を有する第2端子金具と、電線の端末にインターロック端子を取り付け、かつ、コネクタが備える相手方インターロックコネクタの一対の嵌合検知端子部に各々対応させて設けたインターロック端子付き電線と、挿入させた前記コネクタの第1相手方端子金具を前記コネクタとの完全嵌合位置で前記第1端子金具の第1端子接続部に嵌合接続させる第1端子収容室が設けられた第1端子収容部、挿入させた前記コネクタの第2相手方端子金具を前記完全嵌合位置で前記第2端子金具の第2端子接続部に嵌合接続させる第2端子収容室が設けられた第2端子収容部、及び、前記第1端子収容部と前記第2端子収容部との間で一対の前記インターロック端子付き電線を収容し、かつ、それぞれに挿入させた前記嵌合検知端子部を前記完全嵌合位置で前記インターロック端子に嵌合接続させるインターロックハウジング部を有するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記第1端子金具と前記第2端子金具とに対して一体になるよう成形された一次成形樹脂体と、前記一次成形樹脂体に対して一体になるよう成形された二次成形樹脂体と、を有し、前記一次成形樹脂体は、前記第1端子接続部と前記第2端子接続部とを間隔を空けて並べて突出させ、かつ、前記第1電気接続部と前記第2電気接続部とを間隔を空けて並べて突出させて、前記第1端子金具と前記第2端子金具を保持する端子保持部と、一対の前記インターロック端子付き電線のそれぞれの前記電線を電線引出口から前記第1電気接続部と前記第2電気接続部との間に引き出させる前記インターロックハウジング部と、を有し、前記二次成形樹脂体は、前記第1端子収容部と前記第2端子収容部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る端子台は、第1端子金具と第2端子金具とに対して個別に一次成形樹脂体を成形するのではなく、第1端子金具と第2端子金具とに対してこれらを一体化させる1つの一次成形樹脂体を成形している。そして、この端子台は、その一次成形樹脂体に対して二次成形樹脂体を成形し、この一次成形樹脂体と二次成形樹脂体でハウジングを形成している。
【0008】
ここで、第1端子金具と第2端子金具とに対して個別に一次成形樹脂体を成形した場合、そのハウジングにおいては、第1端子金具に成形された一次成形樹脂体と第2端子金具に成形された一次成形樹脂体とに対して二次成形樹脂体が成形され、この二次成形樹脂体にインターロックハウジング部を設けることになる。このため、このハウジングにおいては、インターロックハウジング部の電線引出口側の端部にて、この端部と第1端子金具の第1電気接続部との間に当該第1端子金具の一次成形樹脂体の一部が存在する可能性があり、かつ、その端部と第2端子金具の第2電気接続部との間に当該第2端子金具の一次成形樹脂体の一部が存在する可能性がある。つまり、このハウジングにおいては、インターロックハウジング部の電線引出口側の端部の内壁面と第1電気接続部との間に第1端子金具の一次成形樹脂体の一部と二次成形樹脂体の一部とが存在し、その間の間隔がそのインターロックハウジング部の端部の肉厚と第1端子金具の一次成形樹脂体の一部の肉厚とで決まる可能性がある。また、このハウジングにおいては、インターロックハウジング部の電線引出口側の端部の内壁面と第2電気接続部との間に第2端子金具の一次成形樹脂体の一部と二次成形樹脂体の一部とが存在し、その間の間隔がそのインターロックハウジング部の端部の肉厚と第2端子金具の一次成形樹脂体の一部の肉厚とで決まる可能性がある。よって、このハウジングを持つ端子台においては、第1電気接続部と第2電気接続部の間隔が拡がり、体格の大型化を招いてしまう可能性がある。これに対して、本発明に係るハウジングにおいては、第1端子金具と第2端子金具とに対して1つの一次成形樹脂体を成形することで、この一次成形樹脂体にインターロックハウジング部を設けることができる。このため、このハウジングにおいては、インターロックハウジング部の電線引出口側の端部の内壁面と第1電気接続部との間に一次成形樹脂体の一部であるそのインターロックハウジング部の端部だけを存在させることができ、かつ、インターロックハウジング部の電線引出口側の端部の内壁面と第2電気接続部との間に一次成形樹脂体の一部であるそのインターロックハウジング部の端部だけを存在させることができる。従って、本発明に係る端子台は、第1電気接続部と第2電気接続部の間隔を狭めることができ、体格の大型化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態の端子台を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態の端子台を別角度から見た斜視図である。
図3図3は、図1のX-X線断面図である。
図4図4は、ハウジングの一次成形樹脂体と二次成形樹脂体について互いを分離して説明する斜視図である。
図5図5は、第1端子金具を示す斜視図である。
図6図6は、第2端子金具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る端子台の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
[実施形態]
本発明に係る端子台の実施形態の1つを図1から図6に基づいて説明する。
【0012】
図1から図3の符号1は、本実施形態の端子台を示す。この端子台1は、設置対象物(図示略)に設置され、コネクタ(図示略)を嵌合接続させることによって、その設置対象物とコネクタの先の電気機器(図示略)とを電気的に接続させる。例えば、ここでは、設置対象物がインバータであり、電気機器が回転機である。
【0013】
端子台1は、第1端子金具10と第2端子金具20とを備える(図1から図6)。
【0014】
第1端子金具10は、コネクタの第1相手方端子金具(図示略)を嵌合接続させ、この第1相手方端子金具に対して物理的且つ電気的に接続させる第1端子接続部11を有する(図1図4及び図5)。また、第2端子金具20は、コネクタの第2相手方端子金具(図示略)を嵌合接続させ、この第2相手方端子金具に対して物理的且つ電気的に接続させる第2端子接続部21を有する(図1図4及び図6)。第1端子接続部11は、雌端子形状と雄端子形状の内の何れか一方の形状に形成され、その内の他方の形状に形成された第1相手方端子金具に対して嵌合接続させる。また、第2端子接続部21は、雌端子形状と雄端子形状の内の何れか一方の形状に形成され、その内の他方の形状に形成された第2相手方端子金具に対して嵌合接続させる。ここで示す第1端子接続部11と第2端子接続部21は、円柱状の雄端子形状に形成されている。この端子台1においては、軸線方向を同じ向きに合わせ、かつ、互いに間隔を空けて並べて第1端子接続部11と第2端子接続部21が配置されている。端子台1においては、この第1端子接続部11と第2端子接続部21の軸線方向がコネクタの嵌合接続方向になる。
【0015】
更に、第1端子金具10は、設置対象物の第1接続部(図示略)に対して物理的且つ電気的に接続させる第1電気接続部12を有する(図1から図5)。また、第2端子金具20は、設置対象物の第2接続部(図示略)に対して物理的且つ電気的に接続させる第2電気接続部22を有する(図2図3及び図6)。この端子台1においては、その第1電気接続部12と第2電気接続部22が互いに間隔を空けて並べて配置される。ここで示す第1電気接続部12と第2電気接続部22は、第1端子接続部11及び第2端子接続部21の軸線方向と第1端子接続部11及び第2端子接続部21の配列方向とに直交する方向に間隔を空けて並べて配置されている。また、ここで示す第1電気接続部12と第2電気接続部22は、矩形の平板状に形成され、そのそれぞれの平面を第1端子接続部11と第2端子接続部21の配列方向に直交させて配置されている。第1電気接続部12と第2電気接続部22は、互いの配列方向とコネクタの嵌合接続方向とに直交する孔軸の貫通孔を有する。第1電気接続部12においては、その貫通孔を第1接続部に螺子止め固定するための締結孔12aとして利用する(図1から図5)。また、第2電気接続部22においては、その貫通孔を第2接続部に螺子止め固定するための締結孔22aとして利用する(図2図3及び図6)。
【0016】
第1端子金具10は、その第1端子接続部11と第1電気接続部12を連結させる第1連結部13を有する(図5)。この第1端子金具10においては、第1端子接続部11における第1相手方端子金具への嵌合接続方向側の端部を先端とし、この第1端子接続部11の軸線方向で第1端子接続部11の後端よりも後方に配置された第1電気接続部12に第1端子接続部11の後端を連結させる。第1連結部13は、第1電気接続部12における第1端子接続部11側(後述する第1端子収容室側)の端部を第1端子接続部11に繋ぐ。
【0017】
第2端子金具20は、その第2端子接続部21と第2電気接続部22を連結させる第2連結部23を有する。(図5)この第2端子金具20においては、第2端子接続部21における第2相手方端子金具への嵌合接続方向側の端部を先端とし、この第2端子接続部21の軸線方向で第2端子接続部21の後端よりも後方に配置された第2電気接続部22に第2端子接続部21の後端を連結させる。第2連結部23は、第2電気接続部22における第1電気接続部12側の端部を第2端子接続部21に繋ぐ。
【0018】
この端子台1においては、嵌合接続されたコネクタとの嵌合状態が完全嵌合状態のときに、第1端子金具10と第1相手方端子金具とが物理的且つ電気的に接続されると共に、第2端子金具20と第2相手方端子金具とが物理的且つ電気的に接続されて、コネクタとの間で通電可能な状態になる。また、この端子台1においては、嵌合接続されたコネクタとの嵌合状態が半嵌合状態のときに、第1端子金具10と第1相手方端子金具とが物理的且つ電気的に接続されず又はその接続が不安定になると共に、第2端子金具20と第2相手方端子金具とが物理的且つ電気的に接続されず又はその接続が不安定になり、コネクタとの間で通電が不能又は不安定な状態になる。このため、この端子台1とコネクタとの間には、その相互間の嵌合状態が完全嵌合状態であるのか半嵌合状態であるのかを判定するインターロック構造を設ける。
【0019】
端子台1は、電線31の端末にインターロック端子32を取り付けたインターロック端子付き電線30を備える(図1から図3)。このインターロック端子付き電線30は、コネクタが備える相手方インターロックコネクタの一対の嵌合検知端子部(図示略)に各々対応させて設ける。この一対のインターロック端子付き電線30は、それぞれの電線31を外部判定回路(図示略)に接続している。一方のインターロック端子付き電線30は、そのインターロック端子32を一方の嵌合検知端子部に嵌合接続させ、このインターロック端子32を一方の嵌合検知端子部に対して物理的且つ電気的に接続させる。また、他方のインターロック端子付き電線30は、そのインターロック端子32を他方の嵌合検知端子部に嵌合接続させ、このインターロック端子32を他方の嵌合検知端子部に対して物理的且つ電気的に接続させる。
【0020】
端子台1とコネクタとの間では、その相互間が完全嵌合位置のときに、一方のインターロック端子付き電線30のインターロック端子32と一方の嵌合検知端子部を嵌合接続させ、かつ、他方のインターロック端子付き電線30のインターロック端子32と他方の嵌合検知端子部を嵌合接続させる。これにより、端子台1とコネクタとの間では、一対のインターロック端子付き電線30と相手方インターロックコネクタと外部判定回路とによって閉回路が形成される。これに対して、端子台1とコネクタとの間では、その相互間が半嵌合位置のときに、一方のインターロック端子付き電線30のインターロック端子32と一方の嵌合検知端子部を嵌合接続させず、かつ、他方のインターロック端子付き電線30のインターロック端子32と他方の嵌合検知端子部を嵌合接続させない。これにより、端子台1とコネクタとの間では、一対のインターロック端子付き電線30と相手方インターロックコネクタと外部判定回路とによる閉回路が形成されない。従って、外部判定回路は、閉回路の形成と共に流れる電気信号に基づき端子台1とコネクタが完全嵌合位置で完全嵌合状態になっていると判定し、その電気信号が検出されなければ、端子台1とコネクタが半嵌合位置で半嵌合状態になっていると判定する。
【0021】
また、この端子台1は、第1端子金具10と第2端子金具20と一対のインターロック端子付き電線30を収容し且つ保持するハウジング40を備える(図1から図4)。このハウジング40は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。
【0022】
このハウジング40は、挿入させた第1相手方端子金具をコネクタとの完全嵌合位置で第1端子金具10の第1端子接続部11に嵌合接続させる第1端子収容室が設けられた第1端子収容部41と、挿入させた第2相手方端子金具をコネクタとの完全嵌合位置で第2端子金具20の第2端子接続部21に嵌合接続させる第2端子収容室が設けられた第2端子収容部42と、を有する(図1及び図4)。第1端子収容部41は、第1端子接続部11と同軸の円筒状に形成され、その内方に第1端子接続部11を収容する。第1端子収容部41においては、その内方に第1相手方端子金具が挿入され、端子台1とコネクタの嵌合状態が完全嵌合状態となったときに第1相手方端子金具を第1端子接続部11に嵌合接続させる。また、第2端子収容部42においては、その内方に第2相手方端子金具が挿入され、端子台1とコネクタの嵌合状態が完全嵌合状態となったときに第2相手方端子金具を第2端子接続部21に嵌合接続させる。
【0023】
ハウジング40は、コネクタとの嵌合接続方向で一端に設けたハウジング本体43と、コネクタとの嵌合接続方向で他端に設けて、第1端子収容部41と第2端子収容部42を内方に収めた筒状のフード部44と、を有する(図1から図4)。コネクタのハウジング(図示略)は、そのフード部44の内方で第1端子収容部41と第2端子収容部42との間にできた隙間に挿入嵌合される。
【0024】
また、ハウジング40は、第1端子収容部41と第2端子収容部42との間で一対のインターロック端子付き電線30を収容し、かつ、それぞれに挿入させた嵌合検知端子部をコネクタとの完全嵌合位置でインターロック端子32に嵌合接続させるインターロックハウジング部45を有する(図1から図4)。インターロックハウジング部45は、筒状に形成され、かつ、その筒軸方向をコネクタとの嵌合接続方向に合わせて配置される。このインターロックハウジング部45は、その内方で一対のインターロック端子付き電線30のそれぞれのインターロック端子32を個別の部屋に収容し且つその部屋で保持する。そして、このインターロックハウジング部45は、その内方で一対のインターロック端子付き電線30のそれぞれの電線31を共通の部屋に通し、このそれぞれの電線31を一端の開口(以下、「電線引出口」という。)45aから外に引き出させる(図2から図4)。このインターロックハウジング部45は、ハウジング本体43とフード部44の内方に配置され、その一端の電線引出口45a側をハウジング本体43から突出させると共に、その他端をフード部44の中で第1端子収容部41と第2端子収容部42との間に配置させる。このインターロックハウジング部45においては、その他端の開口からそれぞれの嵌合検知端子部を内方に挿入させ、このそれぞれの嵌合検知端子部を内方のそれぞれのインターロック端子32に嵌合接続させる。
【0025】
ここで、このハウジング40は、第1端子金具10と第2端子金具20とに対して一体になるよう成形された一次成形樹脂体40Aと、この一次成形樹脂体40Aに対して一体になるよう成形された二次成形樹脂体40Bと、を有する(図1から図4)。例えば、一次成形樹脂体40Aは、金型内の第1端子金具10と第2端子金具20に対してインサート成形される。そして、二次成形樹脂体40Bは、その第1端子金具10と第2端子金具20に成形された一次成形樹脂体40Aに対してインサート成形される。
【0026】
一次成形樹脂体40Aは、第1端子接続部11と第2端子接続部21とを間隔を空けて並べて突出させ、かつ、第1電気接続部12と第2電気接続部22とを間隔を空けて並べて突出させて、第1端子金具10と第2端子金具20を保持する端子保持部46を有する(図1から図4)。この端子保持部46は、第1連結部13と第2連結部23を内方に配置した形で第1端子金具10と第2端子金具20に対して成形される。よって、この端子保持部46は、第1連結部13を保持する第1保持部46aと、第2連結部23を保持する第2保持部46bと、を有している(図1から図4)。
【0027】
また、一次成形樹脂体40Aは、インターロックハウジング部45を有している(図1から図4)。このインターロックハウジング部45は、一対のインターロック端子付き電線30のそれぞれの電線31を電線引出口45aから第1電気接続部12と第2電気接続部22との間に引き出させる(図2及び図3)。このインターロックハウジング部45は、その第1電気接続部12と第2電気接続部22との間に電線引出口45aを有している(図2及び図3)。そして、このインターロックハウジング部45は、その電線引出口45a側の外壁面45bの位置に第1電気接続部12と第2電気接続部22の内の一方における他方側の端面を設ける。ここでは、このインターロックハウジング部45における電線引出口45a側の端部45cの外壁面45bの位置に第1電気接続部12における第2電気接続部22側の端面12bを設けている(図3)。
【0028】
この一次成形樹脂体40Aにおいて、端子保持部46の第2保持部46bは、インターロックハウジング部45における電線引出口45a側の端部45cの端面から第1電気接続部12と第2電気接続部22との間に突出させ、その第2電気接続部22における第1電気接続部12側の端部を保持する突出部46cを有している(図2から図4)。この突出部46cは、インターロックハウジング部45と同等の肉厚でインターロックハウジング部45における電線引出口45a側の端部45cの端面から突出させ、インターロックハウジング部45の外壁面45bの延長線上に第2電気接続部22における第1電気接続部12側の端面22bを設けている(図3)。
【0029】
一方、二次成形樹脂体40Bは、第1端子収容部41と第2端子収容部42とハウジング本体43とフード部44を有している(図1から図4)。この二次成形樹脂体40Bは、一次成形樹脂体40Aにおける端子保持部46とインターロックハウジング部45に対して成形されたハウジング本体43によって、この一次成形樹脂体40Aに対して一体となった形で成形される。
【0030】
以上示したように、本実施形態の端子台1は、第1端子金具10と第2端子金具20とに対して個別に一次成形樹脂体を成形するのではなく、第1端子金具10と第2端子金具20とに対してこれらを一体化させる1つの一次成形樹脂体40Aを成形している。そして、この端子台1は、その一次成形樹脂体40Aに対して二次成形樹脂体40Bを成形し、この一次成形樹脂体40Aと二次成形樹脂体40Bでハウジング40を形成している。
【0031】
ここで、第1端子金具10と第2端子金具20とに対して個別に一次成形樹脂体を成形した場合、そのハウジングにおいては、第1端子金具10に成形された一次成形樹脂体と第2端子金具20に成形された一次成形樹脂体とに対して二次成形樹脂体が成形され、この二次成形樹脂体にインターロックハウジング部を設けることになる。このため、このハウジングにおいては、インターロックハウジング部の電線引出口側の端部にて、この端部と第1端子金具10の第1電気接続部12との間に当該第1端子金具10の一次成形樹脂体の一部が存在する可能性があり、かつ、その端部と第2端子金具20の第2電気接続部22との間に当該第2端子金具20の一次成形樹脂体の一部が存在する可能性がある。つまり、このハウジングにおいては、インターロックハウジング部の電線引出口側の端部の内壁面と第1電気接続部12との間に第1端子金具10の一次成形樹脂体の一部と二次成形樹脂体の一部とが存在し、その間の間隔がそのインターロックハウジング部の端部の肉厚と第1端子金具10の一次成形樹脂体の一部の肉厚とで決まる可能性がある。また、このハウジングにおいては、インターロックハウジング部の電線引出口側の端部の内壁面と第2電気接続部22との間に第2端子金具20の一次成形樹脂体の一部と二次成形樹脂体の一部とが存在し、その間の間隔がそのインターロックハウジング部の端部の肉厚と第2端子金具20の一次成形樹脂体の一部の肉厚とで決まる可能性がある。よって、このハウジングを持つ端子台においては、第1電気接続部12と第2電気接続部22の間隔が拡がり、体格の大型化を招いてしまう可能性がある。これに対して、本実施形態のハウジング40においては、第1端子金具10と第2端子金具20とに対して1つの一次成形樹脂体40Aを成形することで、この一次成形樹脂体40Aにインターロックハウジング部45を設けることができる。このため、このハウジング40においては、インターロックハウジング部45の電線引出口45a側の端部45cの内壁面45dと第1電気接続部12との間に一次成形樹脂体40Aの一部であるそのインターロックハウジング部45の端部45cだけを存在させることができ、かつ、インターロックハウジング部45の電線引出口45a側の端部45cの内壁面45dと第2電気接続部22及び第2連結部23との間に一次成形樹脂体40Aの一部であるそのインターロックハウジング部45の端部45cだけを存在させることができる(図3)。従って、本実施形態の端子台1は、第1電気接続部12と第2電気接続部22の間隔(即ち、第1電気接続部12の締結孔12aと第2電気接続部22の締結孔22aのピッチ)を狭めることができ、体格の大型化を抑えることができる。
【0032】
具体的に、ここで例示するハウジング40においては、インターロックハウジング部45における電線引出口45a側の端部45cの外壁面45bの位置に第1電気接続部12における第2電気接続部22側の端面12bを設けており、その端部45cの肉厚分だけがインターロックハウジング部45の電線引出口45a側の端部45cの内壁面45dと第1電気接続部12との間に存在している(図3)。また、ここで例示するハウジング40においては、一次成形樹脂体40Aにおける端子保持部46の第2保持部46bに、インターロックハウジング部45における電線引出口45a側の端部45cの端面から第1電気接続部12と第2電気接続部22との間に突出させ、その第2電気接続部22における第1電気接続部12側の端部を保持する突出部46cが設けられている(図3)。このため、このハウジング40においては、その突出部46cに第2電気接続部22における第1電気接続部12側の端面が接しており、その端面からの突出部46cの肉厚分だけが第1電気接続部12と第2電気接続部22との間に存在している。そして、このハウジング40においては、インターロックハウジング部45と同等の肉厚でインターロックハウジング部45における電線引出口45a側の端部45cの端面から突出部46cを突出させており、突出部46cにおけるインターロックハウジング部45の端部45cの外壁面45bの延長線上に第2電気接続部22における第1電気接続部12側の端面22bを位置させることで、その端面22bから第1電気接続部12までの間に、その端面22bからインターロックハウジング部45の端部45cの内壁面45dの延長線上までを肉厚とする突出部46cが一部存在することになる(図3)。よって、このハウジング40においては、その肉厚分の突出部46cの一部だけがインターロックハウジング部45の電線引出口45a側の端部45cの内壁面45dの延長線上と第2電気接続部22との間に存在している。従って、端子台1は、第1電気接続部12と第2電気接続部22の間隔を狭めることができ、体格の大型化を抑えることができる。
【0033】
また、第1端子金具10と第2端子金具20とに対して個別に一次成形樹脂体を成形した場合、そのハウジングにおいては、第1端子金具10の一次成形樹脂体に対する当該第1端子金具10の公差バラツキと、第2端子金具20の一次成形樹脂体に対する当該第2端子金具20の公差バラツキと、二次成形樹脂体に対するそれぞれの一次成形樹脂体の公差バラツキと、を考慮する必要がある。このため、このハウジングを持つ端子台においては、第1端子金具10の第1端子接続部11と第2端子金具20の第2端子接続部21の間隔について厳しい公差管理が必要になる。これに対して、本実施形態のハウジング40においては、第1端子金具10と第2端子金具20とに対して1つの一次成形樹脂体40Aを成形しており、その一次成形樹脂体40Aに対する第1端子金具10の第1端子接続部11と第2端子金具20の第2端子接続部21の公差バラツキを考慮するだけで、その第1端子接続部11と第2端子接続部21の間隔の公差管理を行うことができる。従って、本実施形態の端子台1は、第1端子接続部11と第2端子接続部21の間隔の公差管理が容易になり、その間隔のバラツキの発生を容易に低く抑えることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 端子台
10 第1端子金具
11 第1端子接続部
12 第1電気接続部
12a 締結孔
12b 端面
13 第1連結部
20 第2端子金具
21 第2端子接続部
22 第2電気接続部
22a 締結孔
23 第2連結部
30 インターロック端子付き電線
31 電線
32 インターロック端子
40 ハウジング
40A 一次成形樹脂体
40B 二次成形樹脂体
41 第1端子収容部
42 第2端子収容部
45 インターロックハウジング部
45a 電線引出口
46 端子保持部
46a 第1保持部
46b 第2保持部
46c 突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6