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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115132
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】コールドプレート
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20240819BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020625
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】松田 将宗
(72)【発明者】
【氏名】川原 洋司
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA05
5E322AA11
5E322FA01
5F136CB07
5F136CB08
5F136FA02
5F136FA03
5F136GA40
(57)【要約】
【課題】冷却性能を向上させたコールドプレートを提供する。
【解決手段】コールドプレートは、熱源に接触する本体部を備え、前記本体部は、冷媒が流入する流入孔と、前記冷媒が流出する流出孔と、前記流入孔および前記流出孔に連通して前記冷媒が流れる内部空間と、前記内部空間に配置されて厚み方向において積層された層状の第1熱交換部および第2熱交換部と、を有し、前記第1熱交換部は、第1方向に前記冷媒が流れる第1流路と、前記第1方向に前記冷媒が流れるとともに、前記第1方向に交差する第2方向において前記第1流路とは異なる位置に配された第2流路と、を有し、前記第2熱交換部は、前記内部空間に配置され、前記第1流路および前記第2流路に連通して前記第2方向に前記冷媒が流れる交差流路を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源に接触する本体部を備え、
前記本体部は、冷媒が流入する流入孔と、前記冷媒が流出する流出孔と、前記流入孔および前記流出孔に連通して前記冷媒が流れる内部空間と、前記内部空間に配置されて厚み方向において積層された層状の第1熱交換部および第2熱交換部と、を有し、
前記第1熱交換部は、
第1方向に前記冷媒が流れる第1流路と、
前記第1方向に前記冷媒が流れるとともに、前記第1方向に交差する第2方向において前記第1流路とは異なる位置に配された第2流路と、を有し、
前記第2熱交換部は、
前記内部空間に配置され、前記第1流路および前記第2流路に連通して前記第2方向に前記冷媒が流れる交差流路を有する、
コールドプレート。
【請求項2】
前記第2熱交換部は、前記第1方向における位置が互いに異なる複数の前記交差流路を有する、
請求項1に記載のコールドプレート。
【請求項3】
前記第1流路の前記第1方向における両端部のうち前記流出孔に近い端部には、前記第1方向における前記冷媒の流れを規制する出口閉塞部が設けられている、
請求項1または2に記載のコールドプレート。
【請求項4】
前記第1流路のうち前記出口閉塞部に隣接する部分には、前記交差流路が連通している、
請求項3に記載のコールドプレート。
【請求項5】
前記第2熱交換部は、前記第1方向における位置が互いに異なる複数の前記交差流路を有し、
前記第1流路の前記第1方向における両端部以外の部分に、前記第1方向における前記冷媒の流れを規制する第1中間閉塞部が設けられており、
前記第2流路の前記第1方向における両端部以外の部分に、前記第1方向における前記冷媒の流れを規制する第2中間閉塞部が設けられており、
前記第1方向において、前記第2中間閉塞部は前記出口閉塞部と前記第1中間閉塞部との間に位置する、
請求項3に記載のコールドプレート。
【請求項6】
前記第2流路の前記第1方向における両端部のうち前記流入孔に近い端部には、前記第1方向における前記冷媒の流れを規制する入口閉塞部が設けられている、
請求項3に記載のコールドプレート。
【請求項7】
前記本体部は、前記厚み方向において交互に積層された複数の前記第1熱交換部および複数の前記第2熱交換部を有する、
請求項1または2に記載のコールドプレート。
【請求項8】
前記厚み方向から見て前記第1流路および前記第2流路と前記交差流路とが交差する部分において、前記冷媒が前記厚み方向において移動できる範囲を制限する制限部をさらに備える、請求項7に記載のコールドプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールドプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、平行に並べられた複数のフィンを有する金属プレートと、複数のフィンを覆うカバーと、を備えるコールドプレートが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-69115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の電子部品高集積化による発熱密度の増大により、コールドプレートにはより高い冷却性能が求められるようになっている。複数のフィンを平行に並べた構造を有するコールドプレート(例えば、特許文献1を参照)においては、フィンを薄くしてフィン同士の間隔を狭めることで冷却性能を高める手法が一般に知られている。
【0005】
しかしながら、フィンの薄型化には製造上の限界がある。また、フィン同士の間隔を狭めることは、圧力損失の増大等を招き、冷却性能の向上の妨げとなる場合があった。そのため、上記したような従来のコールドプレートでは、発熱量が非常に高い部品(例えば、スーパーコンピュータやメインフレーム用のCPU、GPU等)に用いるうえで要求される冷却性能を満足できない場合があった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされ、冷却性能を向上させたコールドプレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の態様1に係るコールドプレートは、熱源に接触する本体部を備え、前記本体部は、冷媒が流入する流入孔と、前記冷媒が流出する流出孔と、前記流入孔および前記流出孔に連通して前記冷媒が流れる内部空間と、前記内部空間に配置されて厚み方向において積層された層状の第1熱交換部および第2熱交換部と、を有し、前記第1熱交換部は、第1方向に前記冷媒が流れる第1流路と、前記第1方向に前記冷媒が流れるとともに、前記第1方向に交差する第2方向において前記第1流路とは異なる位置に配された第2流路と、を有し、前記第2熱交換部は、前記内部空間に配置され、前記第1流路および前記第2流路に連通して前記第2方向に前記冷媒が流れる交差流路を有する。
【0008】
本発明の態様1によれば、冷媒が流入孔から流出孔に流れる過程において、冷媒が、第1流路と第2流路との間を、交差流路を通じて移動する。これにより、例えば複数のフィンが平行に並べられることで流路が直線状に延びている従来のコールドプレートと比較して、冷媒と本体部との熱接触面積(伝熱面積)を増大させることができる。したがって、コールドプレートの冷却効率を高めることができる。
【0009】
また、本発明の態様2は、態様1のコールドプレートにおいて、前記第2熱交換部は、前記第1方向における位置が互いに異なる複数の前記交差流路を有する。
【0010】
また、本発明の態様3は、態様1または態様2のコールドプレートにおいて、前記第1流路の前記第1方向における両端部のうち前記流出孔に近い端部には、前記第1方向における前記冷媒の流れを規制する出口閉塞部が設けられている。
【0011】
また、本発明の態様4は、態様3のコールドプレートにおいて、前記第1流路のうち前記出口閉塞部に隣接する部分には、前記交差流路が連通している。
【0012】
また、本発明の態様5は、態様3または態様4のコールドプレートにおいて、前記第2熱交換部は、前記第1方向における位置が互いに異なる複数の前記交差流路を有し、前記第1流路の前記第1方向における両端部以外の部分に、前記第1方向における前記冷媒の流れを規制する第1中間閉塞部が設けられており、前記第2流路の前記第1方向における両端部以外の部分に、前記第1方向における前記冷媒の流れを規制する第2中間閉塞部が設けられており、前記第1方向において、前記第2中間閉塞部は前記出口閉塞部と前記第1中間閉塞部との間に位置する。
【0013】
また、本発明の態様6は、態様3から態様5のいずれか一つのコールドプレートにおいて、前記第2流路の前記第1方向における両端部のうち前記流入孔に近い端部には、前記第1方向における前記冷媒の流れを規制する入口閉塞部が設けられている。
【0014】
また、本発明の態様7は、態様1から態様6のいずれか一つのコールドプレートにおいて、前記本体部は、前記厚み方向において交互に積層された複数の前記第1熱交換部および複数の前記第2熱交換部を有する。
【0015】
また、本発明の態様8は、態様1から態様3のいずれか一つのコールドプレートにおいて、前記厚み方向から見て前記第1流路と前記交差流路とが交差する部分において、前記冷媒が前記厚み方向において移動できる範囲を制限する制限部をさらに備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の上記態様によれば、冷却性能を向上させたコールドプレートを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係るコールドプレートを示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るコールドプレートを示す分解図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る第1の板を示す平面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る第2の板を示す平面図である。
図5図2のV-V線に沿う断面を示す斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態における冷媒の流れについて説明する図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る第1の板を示す斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るコールドプレートの断面を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るコールドプレートについて図面に基づいて説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係るコールドプレート100は、本体部1と、入口連結部2と、出口連結部3と、を備える。入口連結部2は、供給孔2aを有する筒状の部材である。入口連結部2には、例えば、冷媒を供給するための入口管(不図示)が連結される。出口連結部3は、排出孔3aを有する筒状の部材である。出口連結部3には、例えば、冷媒を排出するための出口管(不図示)が連結される。
【0020】
図2に示すように、本体部1は、積層部1aと、天板部1bと、底板部1cと、を有する。積層部1aは、天板部1bと底板部1cとの間に配置されている。つまり、本実施形態に係る本体部1は、底板部1c、積層部1a、天板部1bがこの順に積層された構造を有する。
【0021】
積層部1aは、複数の第1の板10と複数の第2の板20とが交互に積層された構造を有する。本実施形態に係る第1の板10、第2の板20、天板部1bおよび底板部1cは、平面視において互いに略同一の外形を有する矩形の層状部材である。なお、文言「略同一」には、製造誤差を取り除けば同一とみなせる場合も含まれる。第1の板10および第2の板20の厚みは、例えば、各々0.2mm程度である。
【0022】
第1の板10、第2の板20、天板部1bおよび底板部1cは、例えば拡散接合によって互いに接合されている。ただし、第1の板10、第2の板20、天板部1bおよび底板部1cを互いに固定する方法は拡散接合に限られず、適宜変更可能である。
【0023】
第1の板10の中央部には、複数の並行流路30(第1流路30A、第2流路30B)を有する層状の第1熱交換部11が設けられている(図3も参照)。第2の板20の中央部には、複数の交差流路40を有する層状の第2熱交換部21が設けられている(図4も参照)。本実施形態において、第1熱交換部11は第1の板10の一部であり、第2熱交換部21は第2の板20の一部である。複数の第1の板10と複数の第2の板20とが交互に積層されることにより、複数の第1熱交換部11と複数の第2熱交換部21とが交互に積層されている。
【0024】
<方向定義>
本実施形態では、第1熱交換部11(第1の板10)および第2熱交換部21(第2の板20)の厚み方向を、単に厚み方向Zと称する。厚み方向Zは、第1熱交換部11(第1の板10)および第2熱交換部21(第2の板20)が積層される方向でもある。厚み方向Zから見ることを、平面視と称する。また、厚み方向Zに交差する(例えば、直交する)一方向を、第1方向Yと称する。また、厚み方向Zおよび第1方向Yの双方に交差する(例えば、直交する)方向を、第2方向Xと称する。また、厚み方向Zにおける一つの向きを、+Zの向きまたは上方と称する。本実施形態において、「+Zの向き」は、底板部1cから積層部1aに向かう向きでもある。+Zとは反対の向きを、-Zの向きまたは下方と称する。また、第1方向Yにおける一つの向きを、+Yの向きまたは出口側と称する。+Yの向きとは反対の向きを、-Yの向きまたは入口側と称する。また、第2方向Xにおける一つの向きを、+Xの向きまたは右方と称する。+Xの向きとは反対の向きを、-Xの向きまたは左方と称する。
【0025】
第1の板10、第2の板20、天板部1bおよび底板部1cは熱伝導性の良好な材質によって形成されていることが望ましい。第1の板10、第2の板20、天板部1bおよび底板部1cの材質としては、銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属を好適に用いることができる。
【0026】
図2に示すように、本実施形態に係る第1の板10は、第1熱交換部11と、分岐孔12と、合流孔13と、枠部14と、を有する。本実施形態に係る枠部14の形状は、矩形環状である。第1熱交換部11、分岐孔12および合流孔13は、平面視において枠部14の内側に形成されている。分岐孔12および合流孔13の各々は、第1の板10を厚み方向Zに貫通している。また、本実施形態に係る第2の板20は、第2熱交換部21と、分岐孔22と、合流孔23と、枠部24と、を有する。本実施形態に係る枠部24の形状は、矩形環状である。第2熱交換部21、分岐孔22および合流孔23は、平面視において枠部24の内側に形成されている。分岐孔22および合流孔23の各々は、第2の板20を厚み方向Zに貫通している。
【0027】
上記のような第1の板10は、例えば薄板状の部材に対しエッチング加工によって第1熱交換部11(複数の並行流路30)、分岐孔12および合流孔13を形成することにより製造することができる。同様に、第2の板20は、例えば薄板状の部材に対してエッチング加工によって第2熱交換部21(複数の交差流路40)、分岐孔22および合流孔23を形成することにより製造することができる。
【0028】
本実施形態に係る天板部1bには、流入孔1h1および流出孔1h2が形成されている。流入孔1h1および流出孔1h2の各々は、天板部1bを厚み方向Zに貫通している。入口連結部2は、供給孔2aと流入孔1h1とが連通するように、本体部1に接続されている。出口連結部3は、排出孔3aと流出孔1h2とが連通するように、本体部1に接続されている。
【0029】
本体部1は、流入孔1h1および流出孔1h2に連通する内部空間Sを有する。本実施形態において、本体部1の内部空間Sは、天板部1bと、底板部1cと、複数の枠部14、24と、によって囲まれた空間である。第1熱交換部11および第2熱交換部21は、内部空間Sに配置されている。
【0030】
また、本実施形態に係る内部空間Sは、熱交換部S1と、分岐部S2と、合流部S3と、に細分化される。分岐部S2は、複数の分岐孔12、22が厚み方向Zに積層されることによって形成される空間である。分岐部S2は、流入孔1h1に連通している。合流部S3は、複数の合流孔13、23が厚み方向Zに積層されることによって形成される空間である。合流部S3は、流出孔1h2に連通している。図示の例において、流入孔1h1および流出孔1h2は天板部1bの対角線上に位置する2つの角部に設けられているが、流入孔1h1および流出孔1h2の位置はこれに限られない。流入孔1h1が分岐部S2に連通し、流出孔1h2が合流部S3に連通していれば、流入孔1h1および流出孔1h2の位置は適宜変更可能である。
【0031】
熱交換部S1は、複数の第1熱交換部11および複数の第2熱交換部21が厚み方向Zにおいて交互に積層されることによって形成された部分である。熱交換部S1は、内部空間Sの平面視における中央部に位置する。分岐部S2、熱交換部S1および合流部S3は、入口側(-Y側)から出口側(+X側)に向けてこの順に並んでいる。
【0032】
コールドプレート100は、本体部1(例えば底板部1c)に接触した熱源あるいは伝熱部材(例えば、伝熱板)から熱を受け取り、受け取った熱を外部に放出する放熱モジュールとして機能する。供給孔2aから供給された冷媒は、流入孔1h1を通じて内部空間Sの分岐部S2に流入する。分岐部S2に流入した冷媒は、熱交換部S1が有する複数の並行流路30および複数の交差流路40(図3図4も参照)を通じて、合流部S3に到達する。このとき、冷媒は、各第1の板10および各第2の板20を介して熱源から熱を吸収する。熱を吸収した冷媒は、流出孔1h2を通じて排出孔3aに排出され、コールドプレート100の外部へと排出される。上記のプロセスにより、コールドプレート100は、熱源から熱を受け取り、受け取った熱を外部に放出することができる。
【0033】
以下、並行流路30および交差流路40の詳細な構造について説明する。前述したように、並行流路30は第1熱交換部11に形成され、交差流路40は第2熱交換部21に形成されている。
【0034】
図3に示すように、第1熱交換部11は、第2方向Xにおける位置が互いに異なる複数の並行流路30を有する。各並行流路30は、分岐孔12から合流孔13まで延びており、第1方向Yに冷媒が流れる。以下、並行流路30の両端部のうち流入孔1h1(分岐孔12)に近い端部を入口端30aと称し、並行流路30の両端部のうち流出孔1h2(合流孔13)に近い端部を出口端30bと称する(図2も参照)。つまり、入口端30aは並行流路30の入口側(-Y側)の端部であり、出口端30bは並行流路30の出口側(+Y側)の端部である。
【0035】
図3に示すように、本実施形態に係る各並行流路30は、2つの流通孔31と、2つの閉塞部32と、を含んでいる。流通孔31は、第1方向Yに延びる孔であり、冷媒が第1方向Yに流れることを許容する。本実施形態に係る流通孔31の各々は、第1熱交換部11を厚み方向Zに貫通している。閉塞部32は、流通孔31を閉塞する部分であり、冷媒が第1方向Yに流れることを規制する。このような並行流路30を有する第1熱交換部11は、例えば、層状の部材に対して流通孔31となる部分にのみエッチング加工を施し、閉塞部32となる部分にはエッチング加工を施さないことにより製造することができる。
【0036】
ここで、本実施形態に係る複数の並行流路30には、複数の第1流路30Aと、複数の第2流路30Bと、が含まれる。第2流路30Bは、第2方向Xにおいて第1流路30Aとは異なる位置に配されている。より具体的に、本実施形態に係る第1熱交換部11においては、複数の第1流路30Aと複数の第2流路30Bとが第2方向Xにおいて交互に配置されている。
【0037】
第1流路30Aと第2流路30Bとは、閉塞部32が設けられる位置において異なる。すなわち、第1流路30Aにおいては、閉塞部32が、出口端30bと、第1方向Yにおける両端部以外の部分(第1方向Yにおける中間地点)とに、1つずつ設けられている。一方、第2流路30Bにおいては、閉塞部32が、入口端30aと、第1方向Yにおける両端部以外の部分(第1方向Yにおける中間地点)とに、1つずつ設けられている。
【0038】
以下、並行流路30の入口端30aに設けられる閉塞部32を入口閉塞部32aと称し、並行流路30の出口端30bに設けられる閉塞部32を出口閉塞部32bと称する。また、並行流路30の両端部(入口端30a、出口端30b)以外の部分に設けられる閉塞部32を中間閉塞部32cと称する。さらに、第1流路30Aに設けられる中間閉塞部32cを第1中間閉塞部32c1と称し、第2流路30Bに設けられる中間閉塞部32cを第2中間閉塞部32c2と称する。本実施形態において、第1流路30Aには出口閉塞部32bおよび第1中間閉塞部32c1が設けられ、第2流路30Bには入口閉塞部32aおよび第2中間閉塞部32c2が設けられている。
【0039】
また、本実施形態に係る第1流路30Aには、入口閉塞部32aが設けられていない。つまり、本実施形態に係る第1流路30Aは、分岐孔12に開口しており、流入孔1h1に連通している(図2も参照)。そして、本実施形態に係る第2流路30Bには、出口閉塞部32bが設けられていない。つまり、本実施形態に係る第2流路30Bは、合流孔13に開口しており、流出孔1h2に連通している(図2も参照)。
【0040】
図4に示すように、本実施形態に係る第2熱交換部21は、第1方向Yにおける位置が互いに異なる複数の交差流路40を有する。各交差流路40には、第2方向Xに冷媒が流れる。
【0041】
具体的に、各交差流路40は、第2方向Xにおいて交互に配された複数の接続孔41および複数の非接続部42を含んでいる。接続孔41は、第2方向Xに延びる孔であり、冷媒が第2方向Xに流れることを許容する。本実施形態に係る接続孔41の各々は、第2熱交換部21を厚み方向Zに貫通している。非接続部42は、接続孔41を閉塞する部分であり、冷媒が第2方向Xに流れることを規制する。このような交差流路40を有する第2熱交換部21は、例えば、層状の部材に対して接続孔41となる部分にのみエッチング加工を施し、非接続部42となる部分にはエッチング加工を施さないことにより製造することができる。
【0042】
図5および図6に示すように、各接続孔41は、平面視において第1流路30Aおよび第2流路30Bと重なるように配置されている。より具体的には、接続孔41の左端部(-X端部)が平面視において第1流路30Aと重なり、接続孔41の右端部(+X端部)が平面視において第2流路30Bと重なっている。これにより、各接続孔41(交差流路40)は、第1流路30Aおよび第2流路30Bと連通している。また、冷媒が、接続孔41を通じて、第2方向Xにおいて隣接する1つの第1流路30Aと1つの第2流路30Bとの間を移動可能となっている。また、図5に示すように、平面視で並行流路30と接続孔41とが重なる部分(並行流路30と交差流路40とが交差する部分)においては、冷媒が、本体部1に含まれる全ての板10、20の間を厚み方向Zに移動可能となっている。
【0043】
以下、上記したような並行流路30および交差流路40が形成された熱交換部S1(第1熱交換部11および第2熱交換部21)における冷媒の流れを、図6に基づいて説明する。
【0044】
まず、流入孔1h1(図2参照)から分岐部S2に供給された冷媒が、入口端30aから複数の第1流路30Aの各々に流入する(流れF1として図示)。これは、第2流路30Bの入口端30aには入口閉塞部32aが設けられており、かつ、交差流路40が有する各接続孔41は分岐部S2(分岐孔22)に開口していないからである。流入した冷媒は、第1流路30Aの流通孔31中を第1方向Yに流れ、第1中間閉塞部32c1によってせき止められる。
【0045】
第1中間閉塞部32c1によってせき止められた冷媒は、図5に示すように、厚み方向Zに移動し、複数の第2の板20のうちいずれかに形成された交差流路40(接続孔41)に到達する(流れF2として図示)。そして、冷媒は、図6に示すように、交差流路40の接続孔41中を第2方向X(右方)に移動する(流れF3として図示)。そして、冷媒は、複数の第1の板10のうちいずれかに形成された第2流路30Bに到達する。具体的に、冷媒は、第1方向Yにおいて入口端30aと第1中間閉塞部32c1との間に位置する複数の接続孔41を通じて第2流路30Bに移動する。第2流路30Bに移動した冷媒は、第2流路30Bの流通孔31中を第1方向Yに流れ、第2中間閉塞部32c2によってせき止められる(流れF4として図示)。
【0046】
第2中間閉塞部32c2によってせき止められた冷媒は、前述の場合と同様に、交差流路40の接続孔41を通じて第1流路30Aに移動する(流れF5として図示)。具体的に、冷媒は、第1方向Yにおいて第1中間閉塞部32c1と第2中間閉塞部32c2との間に位置する複数の接続孔41を通じて第1流路30Aに移動する。第1流路30Aに移動した冷媒は、第1流路30Aの流通孔31中を第1方向Yに流れ、出口閉塞部32bによってせき止められる(流れF6として図示)。
【0047】
出口閉塞部32bによってせき止められた冷媒は、交差流路40の接続孔41を通じて第2流路30Bに移動する(流れF7として図示)。具体的に、冷媒は、第1方向Yにおいて第2中間閉塞部32c2と出口閉塞部32bとの間に位置する複数の接続孔41を通じて第2流路30Bに移動する。第2流路30Bに移動した冷媒は、第2流路30Bの流通孔31中を第1方向Yに流れ、出口端30bから合流部S3(合流孔13)に流出する(流れF8として図示)。複数の第2流路30Bの各々から流出した冷媒は、合流部S3で合流し、流出孔1h2(図2参照)から本体部1の外部へと流出する。
【0048】
このように、本実施形態に係るコールドプレート100においては、冷媒が熱交換部S1中を第1方向Yに移動する過程で、冷媒が、第1の板10に形成された第1流路30Aと第2流路30Bとの間を、第2の板20に形成された交差流路40を通じて移動する。つまり、冷媒が、第1方向Yだけでなく、第2方向Xおよび厚み方向Zにも移動する。これにより、例えば複数のフィンが平行に並べられることで冷媒が一方向にのみ流れる従来のコールドプレートと比較して、冷媒と本体部1との熱接触面積(伝熱面積)を増大させることができる。また、第1熱交換部11および第2熱交換部21が薄い(例えば、0.2mm程度)層状に形成されていることで、温度境界層が薄くなり、冷媒と本体部1との間の伝熱効率を高めることができる。したがって、コールドプレート100の冷却効率を高めることができる。
【0049】
なお、上記のように冷媒が第1流路30Aと第2流路30Bとの間を蛇行するように流れるのは、第2中間閉塞部32c2が、第1中間閉塞部32c1よりも出口側に位置するためである(図6参照)。言い換えれば、第1方向Yにおいて、第2中間閉塞部32c2が、第1中間閉塞部32c1と出口閉塞部32bとの間に位置するためである。これにより、第2流路30Bに配置される入口閉塞部32a、第1流路30Aに配置される第1中間閉塞部32c1、第2流路30Bに配置される第2中間閉塞部32c2、そして第1流路30Aに配置される出口閉塞部32bというように、入口側から出口側に向かう向きにおいて、第1流路30Aと第2流路30Bとに対して閉塞部32が交互に配置される。言い換えれば、1つの第1流路30Aと1つの第2流路30Bからなる流路組が、複数(本実施形態においては4つ)の閉塞部32を有しており、当該流路組において、当該複数の閉塞部32が、第1方向Yに見た時に第1流路30Aと第2流路30Bとに交互に配される。これにより、上記のような冷媒の蛇行が実現される。
【0050】
また、図6に示すように、本実施形態に係る熱交換部S1においては、各閉塞部32(例えば、出口閉塞部32b)の近傍に少なくとも一つの接続孔41(交差流路40)が開口(連通)するように、各接続孔41(交差流路40)が配置されている。より具体的には、第1流路30Aのうち閉塞部32(出口閉塞部32b、第1中間閉塞部32c1)と第1方向Yにおいて隣接する部分(空間)には、接続孔41(交差流路40)が開口(連通)している。また、第2流路30Bのうち閉塞部32(第2中間閉塞部32c2、入口閉塞部32a)と第1方向Yにおいて隣接する部分(空間)には、接続孔41(交差流路40)が開口(連通)している。これにより、閉塞部32付近における冷媒の滞留を抑制できる。言い換えれば、第1流路30Aと第2流路30Bとの間における冷媒の移動を促進することができる。なお、「閉塞部32の近傍」「閉塞部32と隣接する」とは、閉塞部32付近における冷媒の滞留を抑制できる程度に、閉塞部32と接続孔41(交差流路40)とが近接していることを意味する。
【0051】
なお、並行流路30に中間閉塞部32cが設けられなくてもよい。この場合、第2熱交換部21は、第1流路30Aと第2流路30Bとに連通する交差流路40を少なくとも一つ有すればよい。このような構成であっても、交差流路40を通じて冷媒を第1流路30Aと第2流路30Bとの間で第2方向Xに移動させることができる。
【0052】
また、第1流路30Aに出口閉塞部32bが設けられず、第2流路30Bに入口閉塞部32aが設けられなくてもよい。この場合でも、少なくとも一部の冷媒は交差流路40を通じて第1流路30Aと第2流路30Bとの間を移動すると考えられる。ただし、第1流路30Aに出口閉塞部32bが設けられる構成は、第1流路30Aから第2流路30Bに向けた冷媒の移動が必ず発生し、冷媒と本体部1との熱接触面積をより確実に増大させることができるという点で好適である。
【0053】
また、第1の板10(第1熱交換部11)および第2の板20(第2熱交換部21)は少なくとも1層ずつあればよい。この場合であっても、交差流路40を通じて冷媒を第1流路30Aと第2流路30Bとの間で移動させて熱接触面積を増大させるとの目的を達することは可能である。
【0054】
以上説明したように、本実施形態に係るコールドプレート100は、熱源に接触する本体部1を備え、本体部1は、冷媒が流入する流入孔1h1と、冷媒が流出する流出孔1h2と、流入孔1h1および流出孔1h2に連通して冷媒が流れる内部空間Sと、内部空間Sに配置されて厚み方向Zにおいて積層された層状の第1熱交換部11および第2熱交換部21と、を有し、第1熱交換部11は、第1方向Yに冷媒が流れる第1流路30Aと、第1方向Yに冷媒が流れるとともに、第1方向Yに交差する第2方向Xにおいて第1流路30Aとは異なる位置に配された第2流路30Bと、を有し、第2熱交換部21は、内部空間Sに配置され、第1流路30Aおよび第2流路30Bに連通して第2方向Xに冷媒が流れる交差流路40を有する。
【0055】
この構成によれば、冷媒が流入孔1h1から流出孔1h2に流れる過程において、冷媒が、第1熱交換部11に形成された第1流路30Aと第2流路30Bとの間を、第2熱交換部21に形成された交差流路40を通じて移動する。これにより、例えば複数のフィンが平行に並べられることで流路が直線状に延びている従来のコールドプレートと比較して、冷媒と本体部1との熱接触面積(伝熱面積)を増大させることができる。したがって、コールドプレート100の冷却効率を高めることができる。また、第1熱交換部11および第2熱交換部21が薄い(例えば、0.2mm程度)層状に形成されていることで、温度境界層が薄くなり、冷媒と本体部1との間の伝熱効率を高めることもできる。
【0056】
また、第2熱交換部21は、第1方向Yにおける位置が互いに異なる複数の交差流路40を有する。この構成により、例えば第2熱交換部21が1つのみの交差流路40を有している場合と比較して、第1流路30Aと第2流路30Bとの間における冷媒の移動を促進し、コールドプレート100の冷却効率をより高めることができる。
【0057】
また、第1流路30Aの第1方向Yにおける両端部のうち流出孔1h2に近い端部(出口端30b)には、第1方向Yにおける冷媒の流れを規制する出口閉塞部32bが設けられている。この構成により、第1流路30Aから第2流路30Bに向けた冷媒の移動が必ず発生し、コールドプレート100の冷却効率をより確実に高めることができる。
【0058】
また、第1流路30Aのうち出口閉塞部32bに隣接する部分には、交差流路40が連通している。つまり、第1流路30Aのうち出口閉塞部32bの近傍には、交差流路40が連通している。この構成により、出口閉塞部32b付近における冷媒の滞留を抑制できる。なお、上記実施形態においては、並行流路30に設けられた閉塞部32の全てについて、その近傍に交差流路40が設けられている。この構成により、並行流路30に設けられた閉塞部32の全てについて、その近傍における冷媒の滞留を抑制できる。
【0059】
また、第2熱交換部21は、第1方向Yにおける位置が互いに異なる複数の交差流路40を有し、第1流路30Aの第1方向Yにおける両端部(入口端30aおよび出口端30b)以外の部分に、第1方向Yにおける冷媒の流れを規制する第1中間閉塞部32c1が設けられており、第2流路30Bの第1方向Yにおける両端部(入口端30aおよび出口端30b)以外の部分に、第1方向Yにおける冷媒の流れを規制する第2中間閉塞部32c2が設けられており、第1方向Yにおいて、第2中間閉塞部32c2は出口閉塞部32bと第1中間閉塞部32c1との間に位置する。この構成により、例えば並行流路30に中間閉塞部32c1、32c2が設けられていない場合と比較して、第1熱交換部11の剛性を高めることができる。また、入口側から出口側に向かう向きにおいて第1流路30Aと第2流路30Bとに対して閉塞部32を交互に配置することで、中間閉塞部32cが冷媒の流れを妨げにくくなる。
【0060】
また、第2流路30Bの第1方向Yにおける両端部のうち流入孔1h1に近い端部(入口端30a)には、第1方向Yにおける冷媒の流れを規制する入口閉塞部32aが設けられている。例えば図6に示す例において、第2流路30Bに入口閉塞部32aが設けられていないとすると、分岐部S2に供給された冷媒は、第1流路30Aおよび第2流路30Bの双方に流入し得る。ここで、第1中間閉塞部32c1の存在により、第1流路30Aにおいて冷媒に生じる抵抗は、第2流路30Bにおいて冷媒に生じる抵抗よりも大きくなる。このような流路抵抗の差異に起因して、分岐部S2に供給された冷媒のほとんどは、第1流路30Aには流入せず第2流路30Bのみに流入することとなる。その結果、図6に示す流れF1、F3が生じにくくなる。第2流路30Bに入口閉塞部32aを設けることで、上記のような流路抵抗の差異に起因する問題の発生を防ぐことができる。
【0061】
また、本体部1は、厚み方向Zにおいて交互に積層された複数の第1熱交換部11および複数の第2熱交換部21を有する。この構成により、例えば本体部1が1つのみの第1熱交換部11と1つのみの第2熱交換部21とを有している場合と比較して、本体部1の冷却効率を高めることができる。
【0062】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。本実施形態では、第1熱交換部11Aの構造が第1実施形態における第1熱交換部11の構造と異なる。
【0063】
図7に示すように、本実施形態に係る第1熱交換部11Aにおいては、流通孔31に制限部50が設けられており、流通孔31が第1熱交換部11Aを厚み方向Zに貫通していない。本実施形態に係る制限部50は、第2方向Xおよび第1方向Yに延在する膜状の形状を有する。また、制限部50の厚みは第1熱交換部11の厚みよりも小さく、制限部50は、流通孔31の厚み方向Zにおける中央部に位置する。なお、このような制限部50を有する第1熱交換部11Aは、例えば、層状の部材に対して流通孔31となる部分にハーフエッチング加工を施すことにより製造することができる。
【0064】
第1熱交換部11Aが制限部50を有することにより、図8に示すように、厚み方向Zにおける冷媒の流れF2が制限される。より具体的には、平面視で並行流路30と接続孔41とが重なる部分(並行流路30と交差流路40とが交差する部分)において、冷媒が厚み方向Zにおいて移動できる範囲が制限される。図8に示す例において、各並行流路30は、当該並行流路30と厚み方向Zに隣接する交差流路40(接続孔41)のみと連通している。つまり、並行流路30を流れる冷媒は、当該並行流路30と厚み方向Zにおいて隣接する接続孔41のみを通じて、第1流路30Aと第2流路30Bとの間を移動する。これにより、各交差流路40(接続孔41)に流れる冷媒の量を均一に近づけることができる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態に係る本体部1Aは、厚み方向Zから見て第1流路30Aおよび第2流路30Bと交差流路40とが交差する部分において、冷媒が厚み方向Zにおいて移動できる範囲を制限する制限部50をさらに備える。この構成により、各交差流路40に流れる冷媒の量のバラつきを低減し、コールドプレート100の冷却効率をより高めることができる。
【0066】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0067】
例えば、第2実施形態における制限部50は第1熱交換部11ではなく第2熱交換部21に設けられていてもよい。具体的には、交差流路40の接続孔41に膜状の制限部50が設けられていてもよい。このような制限部50を有する第2熱交換部21は、例えば、層状の部材に対して接続孔41となる部分にハーフエッチング加工を施すことにより製造することができる。あるいは、第1熱交換部11と第2熱交換部21との間に膜状の部材を挿入して当該部材に制限部50の機能を担わせてもよい。
【0068】
また、並行流路30に設けられる中間閉塞部32cの数は適宜変更可能である。この場合においても、各流路組において、複数の閉塞部32を、第1方向Yに見た時に第1流路30Aと第2流路30Bとに交互に配置することにより、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。中間閉塞部32cの数および配置によっては、第1流路30Aに入口閉塞部32aおよび出口閉塞部32bの双方が設けられた構成も実現され得る。同様に、第2流路30Bに入口閉塞部32aおよび出口閉塞部32bの双方が設けられた構成も実現され得る。
【0069】
また、図3等に示す例では複数の並行流路30が第2方向Xにおいて等間隔に配置されていたが、並行流路30同士の間隔は等間隔でなくてもよい。同様に、交差流路40同士の間隔は等間隔でなくてもよい。
【0070】
また、前記実施形態において、各接続孔41は1つの第1流路30Aと1つの第2流路30Bとに連通し、これら2つの流路30A、30Bを第2方向Xにおいて接続する役割を果たしていたが、接続孔41の構成はこれに限られない。例えば、各接続孔41は、3つ以上の並行流路30と連通するように第2方向Xに延びていてもよい。また、交差流路40に非接続部42が設けられず、1つの接続孔41が全ての並行流路30と連通していてもよい。
【0071】
また、前記実施形態においては、第1熱交換部11および第2熱交換部21は本体部1を構成する第1の板10、第2の板20の一部となっていたが、第1熱交換部11および第2熱交換部21の構成はこれに限られない。例えば、本体部1が箱状の形状を有し、第1熱交換部11および第2熱交換部21を有する熱交換部S1が、当該箱状の本体部1の内部に収容されていてもよい。あるいは、本体部1が、プレート状の本体部材と、当該本体部材に取り付けられる有頂筒状のカバー部材と、を備える構成を有していてもよい。そして、本体部材とカバー部材とによって囲まれる内部空間Sに熱交換部S1が収容されてもよい。
【0072】
また、流入孔1h1から冷媒を供給し、流出孔1h2から冷媒を排出可能であれば、コールドプレート100は入口連結部2および出口連結部3を備えていなくてもよい。
【0073】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0074】
100…コールドプレート 1、1A…本体部 1h1…流入孔 1h2…流出孔 11、11A…第1熱交換部 21…第2熱交換部 30A…第1流路 30B…第2流路 32a…入口閉塞部 32b…出口閉塞部 32c1…第1中間閉塞部 32c2…第2中間閉塞部 40…交差流路 S…内部空間 Y…第1方向 X…第2方向 Z…厚み方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8