(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115150
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】遠隔表示システム、遠隔表示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41F 33/00 20060101AFI20240819BHJP
【FI】
B41F33/00 280
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020671
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】堀内 智博
(72)【発明者】
【氏名】田中 貴也
(72)【発明者】
【氏名】三好 裕樹
【テーマコード(参考)】
2C250
【Fターム(参考)】
2C250EA12
2C250EA13
2C250EB39
2C250EB43
(57)【要約】
【課題】確認者が遠隔地にある対象物を自由に確認することが可能な遠隔表示システム、遠隔表示方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】第1の場所に位置する撮影装置によって前記第1の場所に位置する対象物が撮像された撮像画像に基づく表示画像を、前記第1の場所とは異なる第2の場所に位置する表示装置に表示させる遠隔表示システムであって、第1の撮像画像に基づき前記表示装置に表示された第1の表示画像を前記第2の場所にて確認する確認者から入力される要求に基づき、前記第1の撮像画像とは撮影条件が異なる第2の撮像画像を取得する撮像画像取得部と、取得された前記第2の撮像画像に基づく第2の表示画像を前記表示装置に表示させる表示制御部と、を備える遠隔表示システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の場所に位置する撮影装置によって前記第1の場所に位置する対象物が撮像された撮像画像に基づく表示画像を、前記第1の場所とは異なる第2の場所に位置する表示装置に表示させる遠隔表示システムであって、
第1の撮像画像に基づき前記表示装置に表示された第1の表示画像を前記第2の場所にて確認する確認者から入力される要求に基づき、前記第1の撮像画像とは撮影条件が異なる第2の撮像画像を取得する撮像画像取得部と、
取得された前記第2の撮像画像に基づく第2の表示画像を前記表示装置に表示させる表示制御部と、
を備える遠隔表示システム。
【請求項2】
前記撮影条件は、照明位置、撮影位置、及び撮影角度を含み、
前記撮像画像取得部は、前記照明位置、前記撮影位置、及び前記撮影角度のうち、少なくともいずれか1つが変更された前記第2の撮像画像を取得する、
請求項1に記載の遠隔表示システム。
【請求項3】
前記確認者から入力される要求に基づき、前記撮影装置における前記対象物の撮影条件を変更する撮影条件変更部、
をさらに備え、
前記撮像画像取得部は、前記撮影条件変更部によって前記撮影条件が変更された撮影装置によって撮像された第2の撮像画像を取得する、
請求項1又は請求項2に記載の遠隔表示システム。
【請求項4】
異なる複数の撮影条件ごとに前記撮影装置によって前記対象物が撮影された撮像画像を予め記憶する記憶部、
をさらに備え、
前記撮像画像取得部は、前記確認者から入力される要求に基づき、前記記憶部に記憶されている撮像画像の中から前記要求に合う撮影条件で撮影された撮像画像を第2の撮像画像として取得する、
請求項1又は請求項2に記載の遠隔表示システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記表示装置に表示される表示画面における同じ位置に、第1の対象物の表示画像と第2の対象物の表示画像とを切り替えて表示させ、表示された一方の表示画像に対する撮影条件の変更のみを受け付ける、
請求項1に記載の遠隔表示システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記表示装置に表示される表示画面における異なる位置に、第1の対象物の表示画像と第2の対象物の表示画像とをそれぞれ表示させ、表示された各表示画像に対する撮影条件の変更を受け付ける、
請求項1に記載の遠隔表示システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、同期設定がされている場合、前記表示画面に表示されている第1の対象物の表示画像と第2の対象物の表示画像とのうち、いずれか一方の表示画像に対する撮影条件の変更を他方の表示画像に対しても同様に反映させる、
請求項6に記載の遠隔表示システム。
【請求項8】
前記対象物は、印刷物であり、
前記第1の対象物と前記第2の対象物は、校正段階の異なる印刷物である、
請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の遠隔表示システム。
【請求項9】
第1の場所に位置する撮影装置によって前記第1の場所に位置する対象物が撮像された撮像画像に基づく表示画像を、前記第1の場所とは異なる第2の場所に位置する表示装置に表示させる遠隔表示システムにおける遠隔表示方法であって、
撮像画像取得部が、第1の撮像画像に基づき前記表示装置に表示された第1の表示画像を前記第2の場所にて確認する確認者から入力される要求に基づき、前記第1の撮像画像とは撮影条件が異なる第2の撮像画像を取得する撮像画像取得過程と、
表示制御部が、取得された前記第2の撮像画像に基づく第2の表示画像を前記表示装置に表示させる表示制御過程と、
を含む遠隔表示方法。
【請求項10】
コンピュータを、
第1の場所に位置する撮影装置によって前記第1の場所に位置する対象物が撮像された撮像画像に基づく表示画像を、前記第1の場所とは異なる第2の場所に位置する表示装置に表示させる遠隔表示システムとして機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
第1の撮像画像に基づき前記表示装置に表示された第1の表示画像を前記第2の場所にて確認する確認者から入力される要求に基づき、前記第1の撮像画像とは撮影条件が異なる第2の撮像画像を取得する撮像画像取得手段と、
取得された前記第2の撮像画像に基づく第2の表示画像を前記表示装置に表示させる表示制御手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔表示システム、遠隔表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物の色味や色調などが所望の仕上がりになっているかを確認するために、実際に印刷現場に赴いて印刷の作業指示を出す印刷立会が行われている。近年では、印刷立会のために印刷現場への移動にかかる時間、費用、負荷などを削減することで業務の効率化を図るために、遠隔(リモート)での印刷立会が行われ始めている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、印刷工場にて印刷物と印刷物の見本をそれぞれ撮影し、得られた各画像を印刷工場にある装置から遠隔地にある装置へ送信する技術が開示されている。遠隔地にある装置には、印刷工場にある装置から受信した印刷物の画像と見本の画像が表示される。これにより、遠隔地にいる立会人(確認者)は、遠隔地にある装置に表示された印刷物の画像と見本の画像を確認することで、印刷現場に赴かなくても印刷物の色調を確認して調整指示を出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術を用いて遠隔で行われる印刷立会では、実際に印刷現場へ赴いて行われる印刷立会と異なり、遠隔地にいる立会人が自由に印刷物を動かすことができない。このため、遠隔地にいる立会人は、光の当たり方による印刷物の質感(例えば光沢感など)や色味などの変化を自由に確認することができないという問題があった。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、確認者が遠隔地にある対象物を自由に確認することが可能な遠隔表示システム、遠隔表示方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る遠隔表示システムは、第1の場所に位置する撮影装置によって前記第1の場所に位置する対象物が撮像された撮像画像に基づく表示画像を、前記第1の場所とは異なる第2の場所に位置する表示装置に表示させる遠隔表示システムであって、第1の撮像画像に基づき前記表示装置に表示された第1の表示画像を前記第2の場所にて確認する確認者から入力される要求に基づき、前記第1の撮像画像とは撮影条件が異なる第2の撮像画像を取得する撮像画像取得部と、取得された前記第2の撮像画像に基づく第2の表示画像を前記表示装置に表示させる表示制御部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る遠隔表示方法は、第1の場所に位置する撮影装置によって前記第1の場所に位置する対象物が撮像された撮像画像に基づく表示画像を、前記第1の場所とは異なる第2の場所に位置する表示装置に表示させる遠隔表示システムにおける遠隔表示方法であって、撮像画像取得部が、第1の撮像画像に基づき前記表示装置に表示された第1の表示画像を前記第2の場所にて確認する確認者から入力される要求に基づき、前記第1の撮像画像とは撮影条件が異なる第2の撮像画像を取得する撮像画像取得過程と、表示制御部が、取得された前記第2の撮像画像に基づく第2の表示画像を前記表示装置に表示させる表示制御過程と、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、第1の場所に位置する撮影装置によって前記第1の場所に位置する対象物が撮像された撮像画像に基づく表示画像を、前記第1の場所とは異なる第2の場所に位置する表示装置に表示させる遠隔表示システムとして機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、第1の撮像画像に基づき前記表示装置に表示された第1の表示画像を前記第2の場所にて確認する確認者から入力される要求に基づき、前記第1の撮像画像とは撮影条件が異なる第2の撮像画像を取得する撮像画像取得手段と、取得された前記第2の撮像画像に基づく第2の表示画像を前記表示装置に表示させる表示制御手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、確認者が遠隔地にある対象物を自由に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る遠隔表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る撮影装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る撮影装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る遠隔表示制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る表示画面の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る表示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態に係る画像表示処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図8】本実施形態に係る撮影条件設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る表示画像取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】本実施形態に係る画像表示切替処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図11】本実施形態に係る撮影条件変更処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図12】本実施形態に係る変形例における表示画面の一例を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る変形例における画像表示処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図14】本実施形態に係る変形例における撮影条件変更処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<1.遠隔表示システムの構成>
図1を参照して、本実施形態に係る遠隔表示システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る遠隔表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す遠隔表示システム1は、第1の場所に位置する撮影装置によって第1の場所に位置する対象物が撮像された撮像画像に基づく表示画像を、第1の場所とは異なる第2の場所に位置する表示装置に表示させるシステムである。第2の場所は、例えば、第1の場所から遠隔にある場所(遠隔地)である。遠隔表示システム1は、例えば、印刷現場2(第1の場所の一例)で印刷された印刷物(対象物の一例)を、印刷現場2とは異なる立会現場3(第2の場所の一例)にて遠隔(リモート)で確認するために利用される。印刷現場では、作業者によって印刷物の印刷と撮影が行われる。遠隔地では、確認者によって印刷物の色味、色調、質感(例えば光沢感など)、光の当たり方による変化(例えば表面の見え方(色)の変化)などが所望の仕上がりになっているか否かを確認する印刷立会が行われる。
図1に示すように、遠隔表示システム1は、撮影装置10と、遠隔表示制御装置20と、表示装置30とを備える。
【0014】
撮影装置10は、ネットワークNWを介して、遠隔表示制御装置20と通信可能に接続されている。遠隔表示制御装置20は、ネットワークNWを介して、撮影装置10と、表示装置30と通信可能に接続されている。表示装置30は、ネットワークNWを介して、遠隔表示制御装置20と通信可能に接続されている。
ネットワークNWには、情報の授受を行うための構成として、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等が適用される。
【0015】
(1)撮影装置10
撮影装置10は、印刷物(対象物)を撮影するための装置である。撮影装置10は、印刷現場2に設けられている。印刷現場2にて作業者は、印刷した印刷物に対して印刷立会を行う場合に当該印刷物を撮影装置10にセットし、印刷物を撮影する撮影操作を行う。撮影操作では、撮影条件の設定も行われる。撮影条件には、例えば、照明位置、撮影位置、及び撮影角度が含まれる。
【0016】
撮影装置10は、設定された撮影条件で印刷物を撮影し、印刷物が撮像された撮像画像(静止画像又は動画像)を遠隔表示制御装置20へ送信する。また、撮影装置10は、立会現場3にて印刷物の画像を確認した確認者から撮影条件の変更要求があった場合には、遠隔表示制御装置20から受信する変更指示に基づき撮影条件を変更する。撮影条件の変更後、撮影装置10は、変更後の撮影条件で印刷物を撮影して撮像画像を遠隔表示制御装置20へ送信する。
【0017】
(2)遠隔表示制御装置20
遠隔表示制御装置20は、印刷現場2の撮影装置10で撮影された印刷物の撮像画像を、印刷現場2から遠隔にある立会現場3の表示装置30に表示するための装置である。遠隔表示制御装置20は、例えば、1つ又は複数のサーバ(例えば、クラウドサーバ)で構成される。
【0018】
遠隔表示制御装置20は、印刷現場2の撮影装置10から受信した撮像画像を、画像処理によって立会現場3の表示装置30に表示するための表示画像に変換する。変換後、遠隔表示制御装置20は、立会現場3の表示装置30へ表示画像を送信し、表示させる。
【0019】
また、遠隔表示制御装置20は、立会現場3にて印刷物の画像を確認した確認者から表示画像の切替要求があった場合には、表示装置30から受信する切替要求に応じた表示画像を取得する。取得後、遠隔表示制御装置20は、取得した表示画像を表示装置30へ送信し、表示させる。切替要求によって切り替えられる表示画像は、校正段階の異なる印刷物の表示画像である。校正段階の異なる印刷物は、例えば、校正前の印刷物、1回目の校正がされた印刷物(初校)、2回目の校正がされた印刷物(第2校)、現在の状態の印刷物(現在)、校正が完了した印刷物(校了)などである。
【0020】
また、遠隔表示制御装置20は、立会現場3にて印刷物の画像を確認した確認者から撮影条件の変更要求があった場合には、表示装置30から受信する変更要求に基づく変更指示を撮影装置10へ送信する。送信後、遠隔表示制御装置20は、変更指示に基づき撮影された撮像画像を撮影装置10から受信し、受信した撮像画像を変換した表示画像を表示装置30へ送信し、表示させる。
【0021】
(3)表示装置30
表示装置30は、印刷物が位置する場所から遠隔にある場所(遠隔地)にて印刷物の画像を表示するための装置である。表示装置30は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末などのディスプレイを有する装置によって実現される。当該ディスプレイは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)など、一般的な自発光型のディスプレイである。なお、表示装置30のディスプレイは、装置に内蔵されたディスプレイであってもよいし、装置に外部接続されるモニタであってもよい。
【0022】
表示装置30は、立会現場3に設けられている装置又は確認者が有する装置である。立会現場3にて確認者は、表示装置30に表示された印刷物の画像を見て、印刷物の仕上がりを確認する。この時、確認者は、印刷物の見え方を変化させたい場合には、表示装置に対して、表示画像の切替要求や撮影条件の変更要求を入力する。表示装置30は、確認者によって入力される各要求を遠隔表示制御装置20へ送信する。送信後、表示装置30は、各要求に応じた表示画像を遠隔表示制御装置20から受信したら表示する。
【0023】
表示装置30には、アプリケーション(以下、「アプリ」とも称される)によって、表示画像の表示や確認者からの入力の受け付けなどを行うための表示画面が表示される。確認者は、アプリによって表示装置30に表示される表示画面に対して操作を入力することで、表示画像の切替要求や撮影条件の変更要求を行うことができる。
本実施形態では、アプリの機能は、表示装置30にアプリをインストールすること(即ちネイティブアプリ)で提供されてもよいし、Webシステム(即ちWebアプリ)によって提供されてもよい。Webアプリの場合、その機能は例えばWebブラウザを介して提供される。
【0024】
<2.撮影装置の構成>
以上、本実施形態に係る遠隔表示システム1の構成について説明した。続いて、
図2を参照して、本実施形態に係る撮影装置10の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る撮影装置10の構成の一例を示す図である。
【0025】
図2に示すように、撮影装置10の筐体11は、天板部12と、側面部13と、底面部14とを有する。底面部14には、
図2に示すように印刷物4をセット可能である。天板部12には、少なくとも1つ以上の照明装置15が設けられている。底面部14には、支持部16が軸部17を中心として矢印A1が示す方向へ回動可能に設けられている。支持部16には、撮像装置18が支持部16上を矢印A2が示す方向へ移動可能に設けられている。底面部14には、印刷物4を任意の方向へ可動可能な可動部19が設けられている。可動部19は、印刷物4の向きを任意の方向へ可動可能であってもよい。
なお、筐体11の形状は、
図2に示すような全ての面が矩形である形状に限定されない。筐体11の形状は、底面部14にセットした対象物を覆うことができる形状であれば、半球状や四角錐などの形状であってもよい。
【0026】
照明装置15は、底面部14にセットされた印刷物4に対して光を当てることができる向きで天板部12に設けられている。照明装置15のオン又はオフを制御することで、撮影条件の1つである照明位置を変更することができる。照明位置は、印刷物4に対して光を当てる位置のことであり、照明装置15が設けられている位置とは異なる。なお、撮影装置10は、照明装置15の位置を移動することで照明位置を変更可能な構成であってもよい。
撮像装置18は、底面部14にセットされた印刷物4を撮影できる向きで支持部16に設けられている。支持部16上において撮像装置18を移動させること、又は軸部17を回転させて支持部16を回動させることで、撮影条件の1つである撮影位置を変更することができる。また、軸部17を回転させて支持部16を回動させることで撮像装置18の角度を変化させることにより、撮影条件の1つである撮影角度を変更することができる。
可動部19は、自部が可動することで、底面部14上にある印刷物4を底面部14に対する水平方向の任意の方向へ可動可能な機構を有する。また、可動部19は、自部が可動することで、底面部14上にある印刷物4を任意の方向へ傾けることが可能な機構を有する。このため、可動部19を稼働することで印刷物4の位置や傾きを変更することにより、照明装置15、支持部16、軸部17、及び撮像装置18に対する制御を行うことなく、照明位置、撮影位置、及び撮影角度の全ての撮影条件を変更することもできる。
なお、照明装置15、支持部16、軸部17、撮像装置18、及び可動部19の制御を任意に組み合わせることで、より自由度高く撮影条件を変更することができる。これにより、確認者は、考えられる任意のパターンの撮影条件を容易に設定することができ、より好ましい撮影条件で撮影された印刷物4を確認することができる。
【0027】
<3.撮影装置の機能構成>
以上、本実施形態に係る撮影装置10の構成について説明した。続いて、
図3を参照して、本実施形態に係る撮影装置10の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る撮影装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、撮影装置10は、通信部110と、入力部120と、照明部130と、撮像部140と、角度調整部150と、対象物可動部160と、記憶部170と、制御部180と、出力部190とを備える。
【0028】
(1)通信部110
通信部110は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部110は、ネットワークNWを介した遠隔表示制御装置20との通信において、撮像画像を送信し、撮影条件の変更指示を受信する。
【0029】
(2)入力部120
入力部120は、作業者からの入力を受け付ける機能を有する。入力部120は、撮影装置10がハードウェアとして備える入力装置、例えばボタン、タッチパネル、キーボード、マウス、マイクロフォン等によって構成される。作業者は、例えば、入力部120を操作して、撮影操作や撮影条件を入力する。
【0030】
(3)照明部130
照明部130は、印刷物に対して光を当てる機能を有する。照明部130の機能は、撮影装置10がハードウェアとして備える照明装置15によって実現される。
【0031】
(4)撮像部140
撮像部140は、印刷物の画像を撮像する機能を有する。撮像部140の機能は、撮影装置10がハードウェアとして備える撮像装置18によって実現される。なお、撮像装置18は、民生用デジタルカメラや産業用デジタルカメラなどのRGB画像を取得できるカメラであってもよいし、ハイパースペクトルカメラなどのマルチチャンネルのカメラであってもよい。
【0032】
(5)角度調整部150
角度調整部150は、被写体(印刷物)を撮影する角度を調整する機能を有する。角度調整部150の機能は、撮影装置10がハードウェアとして備える支持部16と軸部17によって実現される。
【0033】
(6)対象物可動部160
対象物可動部160は、印刷物を可動する機能を有する。対象物可動部160の機能は、撮影装置10がハードウェアとして備える可動部19によって実現される。
【0034】
(7)記憶部170
記憶部170は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部170は、撮影装置10がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0035】
(8)制御部180
制御部180は、撮影装置10の動作全般を制御する機能を有する。制御部180は、例えば、撮影装置10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図3に示すように、制御部180は、照明制御部181と、撮影制御部182と、角度制御部183と、出力制御部184とを備える。
【0036】
(8-1)照明制御部181
照明制御部181は、照明位置を制御する機能を有する。照明制御部181は、通信部110が遠隔表示制御装置20から受信した撮影条件の変更指示に照明位置の変更指示が含まれている場合、当該変更指示に応じて照明位置を制御する。例えば、照明制御部181は、照明部130に対して、照明装置15のオン又はオフを切り替える指示、あるいは、照明装置15の位置を移動させる指示を入力し、照明位置を変更する。
【0037】
(8-2)撮影制御部182
撮影制御部182は、撮影位置を制御する機能を有する。撮影制御部182は、通信部110が遠隔表示制御装置20から受信した撮影条件の変更指示に撮影位置の変更指示が含まれている場合、当該変更指示に応じて撮影位置を制御する。例えば、撮影制御部182は、撮像部140に対して支持部16上を移動させる指示、又は支持部16に対して軸部17を中心に回動させる指示を入力し、撮影位置を変更する。
【0038】
(8-3)角度制御部183
角度制御部183は、撮影角度を制御する機能を有する。角度制御部183は、通信部110が遠隔表示制御装置20から受信した撮影条件の変更指示に撮影角度の変更指示が含まれている場合、当該変更指示に応じて撮影角度を制御する。例えば、角度制御部183は、撮像部140に対して撮像装置18の向きを変える指示、支持部16に対して軸部17を中心に回動させる指示、又は底面部14に対して角度を変える指示を入力し、撮影角度を変更する。
【0039】
(8-4)出力制御部184
出力制御部184は、各種画面や情報の出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部184は、撮像部140が撮像した撮像画像を通信部110から遠隔表示制御装置20へ送信させる。
【0040】
(9)出力部190
出力部190は、各種情報を出力する機能を有する。出力部190は、撮影装置10がハードウェアとして備える出力装置、例えばディスプレイ装置やタッチスクリーン(タッチパネル)などの表示装置やスピーカなどの音声出力装置によって構成される。
【0041】
<4.遠隔表示制御装置の機能構成>
以上、本実施形態に係る撮影装置10の機能構成について説明した。続いて、
図4を参照して、本実施形態に係る遠隔表示制御装置20の機能構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る遠隔表示制御装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、遠隔表示制御装置20は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを備える。
【0042】
(1)通信部210
通信部210は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部210は、ネットワークNWを介した撮影装置10との通信において、撮像画像を受信し、撮影条件の変更指示を送信する。また、通信部210は、ネットワークNWを介した表示装置30との通信において、表示画像を送信し、表示画像の切替要求や撮影条件の変更要求を受信する。
【0043】
(2)記憶部220
記憶部220は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部220は、遠隔表示制御装置20がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0044】
(3)制御部230
制御部230は、遠隔表示制御装置20の動作全般を制御する機能を有する。制御部230は、例えば、遠隔表示制御装置20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図4に示すように、制御部230は、撮像画像取得部231と、再現色予測部232と、画像変換部233と、表示制御部234と、撮影条件変更部235とを備える。
【0045】
(3-1)撮像画像取得部231
撮像画像取得部231は、撮像画像を取得する機能を有する。例えば、撮像画像取得部231は、通信部210が撮影装置10から受信した撮像画像を取得する。撮像画像取得部231が取得する撮像画像には、作業者が撮影装置10に対して撮影操作を入力することで取得される画像と、確認者が表示装置30に対して撮影条件の変更要求を入力することで取得される画像とがある。
作業者が撮影装置10に対して撮影操作を入力することで取得される画像は、当該撮影操作に伴い撮影装置10にて設定された撮影条件で撮影された撮像画像である。確認者が表示装置30に対して撮影条件の変更要求を入力することで取得される画像は、当該変更要求に伴い撮影装置10にて変更された撮影条件で撮影された撮像画像である。
【0046】
撮影条件の変更要求は、変更要求前に撮像された第1の撮像画像に基づき表示装置30に表示された第1の表示画像を確認した確認者によって、表示装置30へ入力される。入力された変更要求は、表示装置30から遠隔表示制御装置20へ送信され、後述する撮影条件変更部235によって撮影装置10における撮影条件が変更される。変更後、撮影装置10では、第1の撮像画像とは撮影条件が異なる第2の撮像画像が撮像され、当該第2の撮像画像が遠隔表示制御装置20へ送信される。撮像画像取得部231は、通信部210が撮影装置10から受信した第2の撮像画像を取得する。撮像画像取得部231が取得する第2の撮像画像は、変更要求に伴い照明位置、撮影位置、及び撮影角度のうち、少なくともいずれか1つが変更された撮像画像である。
以下では、第1の撮像画像は「変更前撮像画像」、第1の表示画像は「変更前表示画像」、第2の撮像画像は「変更後撮像画像」、第2の表示画像は「変更後表示画像」とも称される。
【0047】
(3-2)再現色予測部232
再現色予測部232は、取得された撮像画像の再現色を予測する機能を有する。例えば、再現色予測部232は、撮影装置10によって撮影された撮像画像から、撮影装置10によって撮影された印刷物の色を予測する。撮像装置18としてRGBカメラが用いられた場合、例えば、測色値が分かっているカラーチャートの撮像画像を用いるような一般的な手法を用いて予めプロファイルを作成し、記憶部220に記憶しておく。再現色予測部232は、撮像画像取得部231によって撮像画像が取得されると、記憶部220に記憶されているプロファイルを用いることで、取得された撮像画像のRGBから印刷物の測色値を予測することができる。
【0048】
(3-3)画像変換部233
画像変換部233は、取得された撮像画像を表示画像に変換する機能を有する。例えば、画像変換部233は、再現色予測部232によって予測された再現色(測色値)と表示装置30のディスプレイ特性とに基づき、一般的に用いられる手法によって撮像画像を表示装置30へ表示するための表示画像に変換する。また、画像変換部233は、撮影条件に応じた台形補正やシェーディング補正等の画像補正を行っても良い。台形補正では、対象に対して斜め方向から撮影した際に生じた画像の歪みを正対して撮影したように補正する処理が行われる。シェーディング補正では、照明ムラによる画像中の明るさの不均一性を、例えば同一撮影条件で撮影した白紙撮影画像の画素値で除算することで補正する処理が行われる。
【0049】
(3-4)表示制御部234
表示制御部234は、表示画像の表示を制御する機能を有する。例えば、表示制御部234は、表示装置30に表示画像を表示するための表示画面を表示させる。表示制御部234は、作業者又は確認者による操作に応じて、当該表示画面内に表示画像を表示させる。
【0050】
撮影装置10に対して作業者による撮影操作の入力があった場合、表示制御部234は、撮影操作に伴い撮像された撮像画像に基づく表示画像を、表示装置30の表示画面に表示させる。
表示装置30に対して確認者による表示画像の切替操作の入力があった場合、表示制御部234は、切替操作に伴い取得した表示画像を、表示装置30に表示させる。この場合、表示制御部234は、記憶部220に記憶されている表示画像の中から、切替操作によって選択された校正段階の表示画像を取得する。取得後、表示制御部234は、表示画面に表示されている表示画像を取得した表示画像に切り替えて表示する。
表示装置30に対して確認者による撮影条件の変更操作の入力があった場合、表示制御部234は、変更要求に伴い取得された変更後撮像画像に基づく変更後表示画像を表示装置30の表示画面に表示させる。
【0051】
ここで、
図5を参照して、表示装置30に表示される表示画面について説明する。
図5は、本実施形態に係る表示画面の一例を示す図である。なお、
図5に示す例では、第1の対象物が「初校」の印刷物であり、第2の対象物が「現在」の印刷物であるとする。
【0052】
図5に示す表示画面40では、表示領域41内に表示画像42が表示される。プルダウン43a及び43bでは、切替対象となる表示画像の校正段階を指定することができる。例えば、プルダウン43aには「初校」が設定され、プルダウン43bには「現在」が設定されている。このため、確認者は、「初校」の表示画像と「現在」の表示画像とを切り替えて表示領域41に表示させることができる。表示画像の切替は、ラジオボタン44a及び44bを操作することで可能である。
図5に示す例の場合、ラジオボタン44aを選択すると表示領域41に「初校」の表示画像が表示され、ラジオボタン44bを選択すると表示領域41にと「現在」の表示画像が表示される。
図5ではラジオボタン44bが選択されているため、表示領域41に表示されている表示画像42は「現在」の印刷物の表示画像である。
また、表示画面40には、撮影条件を変更するための操作ボタンが設けられている。確認者は、照明の位置(照明位置)を変更する場合には操作ボタン45、カメラの位置(撮影位置)を変更する場合には操作ボタン46、被写体の向き(撮影角度)を変更する場合には操作ボタン47を操作することで各撮影条件を変更することができる。確認者が操作ボタンを操作して変更後の撮影条件を確定すると、当該撮影条件にて撮像された撮像画像に基づく表示画像が表示領域41に表示される。
【0053】
図5に示すように、表示制御部234は、表示装置30に表示される表示画面における同じ位置に、第1の対象物の表示画像と第2の対象物の表示画像とを切り替えて表示させる。第1の対象部と第2の対象物は、校正段階の異なる印刷物である。このため、確認者は、操作ボタン45~47を操作することで、表示領域41に表示されている表示画像のみに対して、撮影条件の変更要求を入力することができる。即ち、表示制御部234は、確認者によって操作ボタン45~47が操作された場合、第1の対象部の表示画像と第2の対象物の表示画像のうち、表示領域41に表示された一方の表示画像に対する撮影条件の変更のみを受け付ける。
なお、操作ボタンは、
図5に示す操作ボタン45~47のように矢印で位置や角度を変更する操作ボタンに限定されない。操作ボタンは、筐体11の形状や照明装置15の構成に応じて、撮影装置10を操作するために適した操作ボタンであってもよい。例えば、照明装置15のようにあらかじめ照明が配置されている場合、点灯する照明装置を操作ボタンによって変更するのではなく、照明装置のオンオフを切り替えられるチェックボックスを操作することで照明条件を変更できるような操作ボタンであってもよい。この場合、複数箇所から照明する照明条件を設定することができる。
【0054】
(3-5)撮影条件変更部235
撮影条件変更部235は、撮影条件を変更する機能を有する。例えば、撮影条件変更部235は、確認者から入力される撮影条件の変更要求に基づき、撮影装置10における対象物の撮影条件を変更する。具体的に、撮影条件変更部235は、通信部210が表示装置30から受信する撮影条件の変更要求から、変更を要求されている撮影条件を特定し、特定した撮影条件を変更する指示を通信部210から撮影装置10へ送信する。
【0055】
<5.表示装置の機能構成>
以上、本実施形態に係る遠隔表示制御装置20の構成について説明した。続いて、
図6を参照して、本実施形態に係る表示装置30の機能構成について説明する。
図6は、本実施形態に係る表示装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、表示装置30は、通信部310と、入力部320と、記憶部330と、制御部340と、出力部350とを備える。
【0056】
(1)通信部310
通信部310は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部310は、ネットワークNWを介した遠隔表示制御装置20との通信において、表示画像を受信し、表示画像の切替要求や撮影条件の変更要求を送信する。
【0057】
(2)入力部320
入力部320は、確認者からの入力を受け付ける機能を有する。入力部320は、表示装置30がハードウェアとして備える入力装置、例えばボタン、タッチパネル、キーボード、マウス、マイクロフォン等によって構成される。確認者は、例えば、入力部320を操作して、表示画像の切替要求や撮影条件の変更要求を入力する。
【0058】
(3)記憶部330
記憶部330は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部330は、表示装置30がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0059】
(4)制御部340
制御部340は、表示装置30の動作全般を制御する機能を有する。制御部340は、例えば、表示装置30がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図6に示すように、制御部340は、表示画像取得部341と、入力処理部342と、出力制御部343とを備える。
【0060】
(4-1)表示画像取得部341
表示画像取得部341は、表示画像を取得する機能を有する。例えば、表示画像取得部341は、通信部310は遠隔表示制御装置20から受信する表示画像を取得する。
【0061】
(4-2)入力処理部342
入力処理部342は、入力処理を行う機能を有する。例えば、入力処理部342は、確認者によって入力部320へ入力される表示画像の切替要求や撮影条件の変更要求を受け付け、各要求を通信部310から遠隔表示制御装置20へ送信させる。
【0062】
(4-3)出力制御部343
出力制御部343は、各種画面や情報の出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部343は、表示画面を出力部350に表示させ、通信部310が遠隔表示制御装置20から受信する表示画像を表示画面に表示させる。
【0063】
(5)出力部350
出力部350は、各種情報を出力する機能を有する。出力部350は、表示装置30がハードウェアとして備える出力装置、例えばディスプレイ装置やタッチスクリーン(タッチパネル)などの表示装置やスピーカなどの音声出力装置によって構成される。
出力部350は、例えば、表示画面や表示画像を表示する。
【0064】
<6.処理の流れ>
以上、本実施形態に係る表示装置30の機能構成について説明した。続いて、
図7から
図11を参照して、本実施形態に係る処理の流れについて説明する。
【0065】
(1)画像表示処理の流れ
図7を参照して、本実施形態に係る画像表示処理の流れについて説明する。
図7は、本実施形態に係る画像表示処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0066】
図7に示すように、まず、作業者は、撮影装置10に対して印刷物をセットする(ステップS101)。次いで、作業者は、撮影装置10に対して撮影操作を入力する(ステップS102)。
【0067】
撮影操作が入力された撮影装置10は、撮影条件設定処理を行う(ステップS103)。撮影条件設定処理の詳細については、
図8を参照して後述する。
撮影条件設定処理後、撮影装置10の撮像部140は、設定された撮影条件で印刷物を撮影する(ステップS104)。
次いで、撮影装置10の出力制御部184は、撮影された印刷物の撮像画像を通信部110から遠隔表示制御装置20へ送信する(ステップS105)。
【0068】
撮影装置10による撮像画像の送信後、遠隔表示制御装置20は、表示画像取得処理を行う(ステップS106)。表示画像取得処理の詳細については、
図9を参照して後述する。
表示画像取得処理後、遠隔表示制御装置20の表示制御部234は、表示画像取得処理によって得られた表示画像を、通信部210から表示装置30へ送信する(ステップS107)。
【0069】
表示装置30の表示画像取得部341は、通信部310が遠隔表示制御装置20から受信した表示画像を取得する(ステップS108)。
次いで、表示装置30の出力制御部343は、出力部350に表示画面を表示し、当該表示画面内に表示画像を表示する(ステップS109)。
【0070】
(2)撮影条件設定処理の流れ
図8を参照して、本実施形態に係る撮影条件設定処理の流れについて説明する。
図8は、本実施形態に係る撮影条件設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。撮影装置10は、作業者による撮影操作にて行われる撮影条件の設定に基づき、撮影条件設定処理を行う。
【0071】
図8に示すように、まず、撮影装置10の照明制御部181は、撮影条件の設定に照明位置の変更指示がある否かを確認する(ステップS201)。変更指示がある場合(ステップS201/YES)、処理はステップS202へ進む。一方、変更指示がない場合(ステップS201/NO)、処理はステップS203へ進む。
処理がステップS202へ進んだ場合、照明制御部181は、照明位置を変更する(ステップS202)。
【0072】
処理がステップS203へ進んだ場合、撮影装置10の撮影制御部182は、撮影条件の設定に撮影位置の変更指示があるか否かを確認する(ステップS203)。変更指示がある場合(ステップS203/YES)、処理はステップS204へ進む。一方、変更指示がない場合(ステップS203/NO)、処理はステップS205へ進む。
処理がステップS204へ進んだ場合、撮影制御部182は、撮影位置を変更する(ステップS204)。
【0073】
処理がステップS205へ進んだ場合、撮影装置10の角度制御部183は、撮影条件の設定に撮影角度の変更指示があるか否かを確認する(ステップS205)。変更指示がある場合(ステップS205/YES)、処理はステップS206へ進む。一方、変更指示がない場合(ステップS205/NO)、撮影条件設定処理は終了する。
処理がステップS206へ進んだ場合、角度制御部183は、撮影角度を変更する(ステップS206)。変更後、撮影条件設定処理は終了する。
なお、上述した撮影条件設定処理における照明制御部181による照明位置の変更、撮影制御部182による撮影位置の変更、及び角度制御部183による撮影角度の変更は、それぞれ照明部130(照明装置15)、撮像部140(撮像装置18)、及び角度調整部150(支持部16及び軸部17)を制御することによって行われてもよいし、対象物可動部160(可動部19)を制御することによって行われてもよい。
【0074】
(3)表示画像取得処理の流れ
図9を参照して、本実施形態に係る表示画像取得処理の流れについて説明する。
図9は、本実施形態に係る表示画像取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0075】
図9に示すように、まず、遠隔表示制御装置20の撮像画像取得部231は、通信部210が撮影装置10から受信した撮像画像を取得する(ステップS301)。
次いで、遠隔表示制御装置20の記憶部220は、取得された撮像画像を記憶する(ステップS302)。
次いで、遠隔表示制御装置20の再現色予測部232は、取得された撮像画像と記憶部220に記憶されているプロファイルとに基づき印刷物の再現色を予測する(ステップS303)。
次いで、遠隔表示制御装置20の画像変換部233は、再現色予測部232によって予測された再現色(測色値)と表示装置30のディスプレイ特性とに基づき、撮像画像を表示画像に変換する(ステップS304)。
次いで、記憶部220は、画像変換部233による変換処理によって得られた表示画像を記憶する(ステップS305)。記憶後、表示画像取得処理は終了する。
【0076】
(4)画像表示切替処理の流れ
図10を参照して、本実施形態に係る画像表示切替処理の流れについて説明する。
図10は、本実施形態に係る画像表示切替処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0077】
図10に示すように、まず、確認者は、表示装置30に表示された表示画像を確認する(ステップS401)。次いで、確認者は、表示装置30に対して表示画像の切替操作を入力する(ステップS402)。
切替操作が入力された表示装置30の入力処理部342は、表示画像の切替要求を受け付け、表示画像の切替要求を通信部310から遠隔表示制御装置20へ送信させる(ステップS403)。
【0078】
遠隔表示制御装置20の表示制御部234は、記憶部220に記憶されている表示画像の中から、表示画像の切替要求に対応する表示画像を切替後表示画像として取得する(ステップS404)。
取得後、表示制御部234は、取得した切替後表示画像を通信部210から遠隔表示制御装置20へ送信する(ステップS405)。
【0079】
表示装置30の表示画像取得部341は、通信部310が遠隔表示制御装置20から受信した切替後表示画像を取得する(ステップS406)。
次いで、表示装置30の出力制御部343は、出力部350の表示画面に表示されている切替前表示画像を切替後表示画像に切り替えて表示する(ステップS407)。
確認者は、表示装置30に表示された切替後表示画像を確認する(ステップS408)。
【0080】
(5)撮影条件変更処理の流れ
図11を参照して、本実施形態に係る撮影条件変更処理の流れについて説明する。
図11は、本実施形態に係る撮影条件変更処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0081】
図11に示すように、まず、確認者は、表示装置30に表示された表示画像を確認する(ステップS501)。次いで、確認者は、表示装置30に対して撮影条件の変更操作を入力する(ステップS502)。
撮影条件の変更操作が入力された表示装置30の入力処理部342は、撮影条件の変更要求を受け付け、撮影条件の変更要求を通信部310から遠隔表示制御装置20へ送信させる(ステップS503)。
遠隔表示制御装置20の撮影条件変更部235は、通信部210が表示装置30から受信する撮影条件の変更要求から、変更を要求されている撮影条件を特定し、特定した撮影条件を変更する指示を通信部210から撮影装置10へ送信する(ステップS504)。
【0082】
撮影条件の変更指示を受信した撮影装置10は、撮影条件設定処理を行う(ステップS505)。ステップS505における撮影条件設定処理は、
図8を参照して説明した処理と同様であるため、その説明を省略する。
撮影条件設定処理後、撮影装置10の撮像部140は、設定された撮影条件で印刷物を撮影する(ステップS506)。
次いで、撮影装置10の出力制御部184は、撮影された印刷物の変更後撮像画像を通信部110から遠隔表示制御装置20へ送信する(ステップS507)。
【0083】
撮影装置10による変更後撮像画像の送信後、遠隔表示制御装置20は、表示画像取得処理を行う(ステップS508)。ステップS508における表示画像取得処理は、
図9を参照して説明した処理と同様であるため、その説明を省略する。なお、ステップS508にて取得される表示画像は、変更後表示画像である。
表示画像取得処理後、遠隔表示制御装置20の表示制御部234は、表示画像取得処理によって得られた変更後表示画像を、通信部210から表示装置30へ送信する(ステップS509)。
【0084】
表示装置30の表示画像取得部341は、通信部310が遠隔表示制御装置20から受信した変更後表示画像を取得する(ステップS510)。
次いで、表示装置30の出力制御部343は、出力部350の表示画面に表示されている変更前表示画像を変更後表示画像に変更して表示する(ステップS511)。
確認者は、表示装置30に表示された変更後表示画像を確認する(ステップS512)。
【0085】
以上説明したように、本実施形態に係る遠隔表示システム1は、印刷現場2(第1の場所)に位置する撮影装置10によって印刷現場2に位置する印刷物(対象物)が撮像された撮像画像に基づく表示画像を、印刷現場2とは異なる立会現場3(第2の場所)に位置する表示装置30に表示させるシステムであって、変更前撮像画像(第1の撮像画像)に基づき表示装置30に表示された変更前表示画像(第1の表示画像)を立会現場3にて確認する確認者から入力される要求に基づき、変更前撮像画像とは撮影条件が異なる変更後撮像画像(第2の撮像画像)を取得する撮像画像取得部231と、取得された変更後撮像画像に基づく変更後表示画像(第2の表示画像)を表示装置30に表示させる表示制御部234と、を備える。
【0086】
かかる構成により、立会現場3にいる確認者は、表示装置30に表示されている表示画像が示す印刷物の見え方を変化させたい場合に、表示装置30に操作を入力することで印刷物の見え方が変化した表示画像を表示装置30に表示させることができる。これにより、確認者は、印刷現場2にいる作業者に依頼することなく、自分の意思で自由に印刷物を確認することができる。
よって、本実施形態に係る遠隔表示システム1は、確認者が遠隔地にある対象物を自由に確認することを可能とする。
【0087】
<7.変形例>
以上、実施形態について説明した。続いて、上述した実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0088】
上述した実施形態では、遠隔表示システム1が印刷物の仕上がりの確認のために用いられる例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、遠隔表示システム1は、自動車の塗板や化粧品などを対象物として、その仕上がりの確認のために用いられてもよい。
【0089】
また、上述した実施形態では、表示画面には表示画像が1枚のみ表示される例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、表示画面には、複数の表示画像が表示されてもよい。以下では、
図12を参照して、表示画面に複数の表示画像が表示される例について説明する。
図12は、本実施形態に係る変形例における表示画面の一例を示す図である。なお、
図12に示す例では、
図5を参照して説明した例と同様に、第1の対象物が「初校」の印刷物であり、第2の対象物が「現在」の印刷物であるとする。
【0090】
図12に示す表示画面50では、表示領域51a内に表示画像52aが表示され、表示領域51b内に表示画像52bが表示される。プルダウン53aでは、表示領域51aに表示させる表示画像の校正段階を指定することができる。プルダウン53bでは、表示領域51bに表示させる表示画像の校正段階を指定することができる。例えば、プルダウン53aでは「初校」が指定され、プルダウン53bには「現在」が指定されている。このため、表示領域51aに表示されている表示画像52aは「初校」の対象物の表示画像であり、表示領域51bに表示されている表示画像52bは「現在」の対象物の表示画像である。
また、表示画面50には、撮影条件を変更するための操作ボタンが表示領域ごとに設けられている。確認者は、表示領域51aに表示されている表示画像52aについて照明の位置(照明位置)を変更する場合には操作ボタン54a、カメラの位置(撮影位置)を変更する場合には操作ボタン55a、被写体の向き(撮影角度)を変更する場合には操作ボタン56aを操作することで各撮影条件の変更を入力することができる。また、確認者は、表示領域51bに表示されている表示画像52bについて照明の位置(照明位置)を変更する場合には操作ボタン54b、カメラの位置(撮影位置)を変更する場合には操作ボタン55b、被写体の向き(撮影角度)を変更する場合には操作ボタン56bを操作することで各撮影条件の変更を入力することができる。
即ち、遠隔表示制御装置20の表示制御部234は、表示装置30に表示される表示画面における異なる位置に、第1の対象物の表示画像と第2の対象物の表示画像とをそれぞれ表示させ、表示された各表示画像に対する撮影条件の変更を受け付ける。これにより、確認者は、表示画面に校正段階の異なる対象物の表示画像を同時に表示することができ、切り替えることなく校正による違いを確認することができる。また、確認者は、表示された表示画像ごとに撮影条件を変更して比較することができる。
【0091】
また、表示画面50には、同期設定のオン又はオフを切り替えるためのチェックボックス57が設けられている。同期設定は、表示画面に複数の表示画像が表示されている場合、いずれかの表示画像に対して撮影条件の変更操作が入力された場合に、他の表示画像に対しても同様の変更操作を反映させるための設定である。例えば、チェックボックス57がチェックされて同期設定がオンになっている場合に、確認者が操作ボタン54a~56aのいずれかを操作すると、表示制御部234は、操作ボタン54b~56bに対しても同様の操作が行われたと認識して処理する。
即ち、遠隔表示制御装置20の表示制御部234は、同期設定がされている場合、表示画面に表示されている第1の対象物の表示画像と第2の対象物の表示画像とのうち、いずれか一方の表示画像に対する撮影条件の変更を他方の表示画像に対しても同様に反映させる。これにより、確認者は、2枚の表示画像を同じ撮影条件で比較する場合に、一方の表示画像に対して撮影条件の変更を入力した際に他方の表示画像に対しても同様の変更を入力する手間を省くことができる。
【0092】
また、上述した実施形態では、確認者が表示装置30に表示された表示画面に対して撮影条件の変更操作を入力するたびに、変更後の変更条件で印刷物が撮像された撮像画像が取得され、当該撮像画像に基づく表示画像が表示される例について説明したが、かかる例に限定されない。
例えば、多様な撮影条件にて撮像された複数の撮像画像が予め用意されていてもよい。この場合、作業者は、撮影操作において、撮影条件が異なる撮像画像を複数撮影する。撮影操作の終了後、撮影装置10は、撮影条件が異なる複数の撮像画像を遠隔表示制御装置20へ送信する。遠隔表示制御装置20の記憶部220は、通信部210が撮影装置10から受信した複数の撮像画像を記憶することで、異なる複数の撮影条件ごとに撮影された撮像画像を予め記憶する。この状態で、変更前撮像画像に基づき表示装置30に表示された変更前表示画像を確認した確認者が、表示装置30に対して撮影条件の変更操作を入力したとする。この場合、遠隔表示制御装置20の撮像画像取得部231は、確認者から入力される撮影条件の変更要求に基づき、変更前撮像画像とは撮影条件が異なる変更後撮像画像を取得する。即ち、撮像画像取得部231は、確認者から入力される要求に基づき、記憶部220に記憶されている撮像画像の中から変更要求に合う撮影条件で撮影された撮像画像を変更後撮像画像として取得する。そして、遠隔表示制御装置20の変更後撮像画像に基づき変更後表示画像を表示装置30に表示させる。
これにより、確認者が撮影条件の変更操作を入力するたびに行われていた撮影装置10による対象物の撮影処理が省略される。よって、遠隔表示システム1における処理負荷を軽減することができる。
なお、遠隔表示制御装置20は、予め用意された複数の撮像画像から、各撮像画像に対応する表示画像を予め用意して記憶部220に記憶しておいてもよい。これにより、確認者が撮影条件の変更操作を入力するたびに行われていた表示画像への変換処理も省略される。よって、遠隔表示システム1における処理負荷をさらに軽減することができる。
また、確認者が撮影条件の変更操作を入力するたびに行われていた撮影装置10による対象物の撮影処理や遠隔表示制御装置20による表示画像への変換処理が省略されることで、例えばパラパラ漫画のように、表示画像を連続的に変化させながら確認することもできる。
【0093】
以下では、
図13及び
図14を参照して、多様な撮影条件にて撮像された複数の撮像画像が予め用意される場合の処理の流れについて説明する。
図13は、本実施形態に係る変形例における画像表示処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図14は、本実施形態に係る変形例における撮影条件変更処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0094】
図13に示すように、まず、作業者は、撮影装置10に対して印刷物をセットする(ステップS601)。次いで、作業者は、撮影装置10に対して撮影操作を入力する(ステップS602)。
【0095】
撮影操作が入力された撮影装置10は、撮影条件設定処理を行う(ステップS603)。撮影条件設定処理の詳細については、
図8を参照して説明した処理と同様であるため、その説明を省略する。
撮影条件設定処理後、撮影装置10の撮像部140は、設定された撮影条件で印刷物を撮影する(ステップS604)。
次いで、撮影装置10の出力制御部184は、撮影された印刷物の撮像画像を通信部110から遠隔表示制御装置20へ送信する(ステップS605)。
次いで、撮影装置10は、次の撮影操作があるか否かを確認する(ステップS606)。次の撮影操作がある場合(ステップS606/YES)、処理はステップS603から繰り返される。一方、次の撮影操作がない場合(ステップS606/NO)、処理はステップS607へ進む。
【0096】
処理がステップS607へ進んだ場合、遠隔表示制御装置20は、表示画像取得処理を行う(ステップS607)。表示画像取得処理の詳細については、
図9を参照して説明した処理と同様であるため、その説明を省略する。なお、表示画像取得処理は、撮影装置10から受信した複数の撮像画像ごとに行われる。
表示画像取得処理後、遠隔表示制御装置20の表示制御部234は、表示画像取得処理によって得られた表示画像を、通信部210から表示装置30へ送信する(ステップS608)。この時、表示制御部234は、表示画像取得処理にて記憶部220に記憶された複数の表示画像のうち、任意の1枚の表示画像(例えば表示画面の初期表示に対応する表示画像)を表示装置30へ送信する。
【0097】
表示装置30の表示画像取得部341は、通信部310が遠隔表示制御装置20から受信した表示画像を取得する(ステップS609)。
次いで、表示装置30の出力制御部343は、出力部350に表示画面を表示し、当該表示画面内に表示画像を表示する(ステップS610)。
【0098】
次いで、
図14に示すように、確認者は、表示装置30に表示された表示画像を確認する(ステップS701)。次いで、確認者は、表示装置30に対して撮影条件の変更操作を入力する(ステップS702)。
変更操作が入力された表示装置30の入力処理部342は、撮影条件の変更要求を受け付け、撮影条件の変更要求を通信部310から遠隔表示制御装置20へ送信させる(ステップS703)。
【0099】
遠隔表示制御装置20の表示制御部234は、記憶部220に記憶されている表示画像の中から、撮影条件の変更要求に対応する表示画像を変更後表示画像として取得する(ステップS704)。
取得後、表示制御部234は、取得した変更後表示画像を通信部210から遠隔表示制御装置20へ送信する(ステップS705)。
【0100】
表示装置30の表示画像取得部341は、通信部310が遠隔表示制御装置20から受信した変更後表示画像を取得する(ステップS706)。
次いで、表示装置30の出力制御部343は、出力部350の表示画面に表示されている変更前表示画像を変更後表示画像に切り替えて表示する(ステップS707)。
確認者は、表示装置30に表示された変更後表示画像を確認する(ステップS708)。
【0101】
また、上述した実施形態では、複数の撮像画像に基づき、印刷物のCG(Computer Graphics)画像が表示画像として作成されてもよい。この場合、例えば、複数の撮影画像とその撮影条件をもとに最適化処理を行って質感情報(シェーダパラメタ)を推定し、CGにおけるシェーディング計算を行い、任意の撮影条件における被写体の画像を生成することができる。この場合、遠隔表示制御装置20は、確認者から撮影条件の変更要求があった場合に、変更要求に応じた撮像画像や表示画像を新たに取得する必要はなく、変更要求に合わせてCG画像を表示画面に表示させればよい。
これにより、確認者が撮影条件の変更操作を入力するたびに行われていた撮影装置10による対象物の撮影処理や遠隔表示制御装置20による表示画像への変換処理が省略される。よって、遠隔表示システム1における処理負荷を軽減することができる。また、変更後の撮影条件に対応する撮像画像が取得できないような場合において、CG画像を用いることで当該撮影条件に対応する表示画像を補完することができる。
【0102】
また、上述した実施形態では、確認者による表示画像の切替要求や撮影条件の変更要求アプリを介して行われる例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、印刷現場2と立会現場3とをWeb会議ツールによってつなぎ、確認者は表示画像の切替要求や撮影条件の変更要求を口頭で作業者に伝える。そして、作業者は、口頭で受けた要求に対応する操作を撮影装置10に対して入力してもよい。
【0103】
以上、本実施形態の変形例について説明した。なお、上述した実施形態における遠隔表示システム1、撮影装置10、遠隔表示制御装置20、及び表示装置30の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0104】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0105】
1…遠隔表示システム、2…印刷現場、3…立会現場、4…印刷物、10…撮影装置、11…筐体、12…天板部、13…側面部、14…底面部、15…照明装置、16…支持部、17…軸部、18…撮像装置、19…可動部、20…遠隔表示制御装置、30…表示装置、40…表示画面、50…表示画面、110…通信部、120…入力部、130…照明部、140…撮像部、150…角度調整部、160…対象物可動部、170…記憶部、180…制御部、181…照明制御部、182…撮影制御部、183…角度制御部、184…出力制御部、190…出力部、210…通信部、220…記憶部、230…制御部、231…撮像画像取得部、232…再現色予測部、233…画像変換部、234…表示制御部、235…撮影条件変更部、310…通信部、320…入力部、330…記憶部、340…制御部、341…表示画像取得部、342…入力処理部、343…出力制御部、350…出力部、NW…ネットワーク