(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115155
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】傘
(51)【国際特許分類】
A45B 25/18 20060101AFI20240819BHJP
A45B 25/06 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
A45B25/18 A
A45B25/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020678
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】516146401
【氏名又は名称】インタービジネスブリッジ合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】深澤 建臣
(72)【発明者】
【氏名】田川 日奈子
【テーマコード(参考)】
3B104
【Fターム(参考)】
3B104AA04
3B104AA10
3B104FA03
3B104FA06
3B104FA08
3B104UA01
3B104UA03
(57)【要約】
【課題】太陽光による熱を効果的に遮断することができる傘を提供すること。
【解決手段】一端側にハンドル13を有するシャフト11の他端側に、複数本の傘骨によって主傘シート20を展開・折り畳み自在に取り付けた傘1である。主傘シート20のハンドル13を取り付けた側の面に紫外線遮蔽層23を設ける。主傘シート20の紫外線遮蔽層23を設けた側に、主傘シート20から離間して、紫外線遮蔽層23から放射される赤外線を遮蔽する副傘シート30を取り付ける。副傘シート30は、展開した状態で略平面状である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側にハンドルを有するシャフトの他端側に、複数本の傘骨によって主傘シートを展開・折り畳み自在に取り付けた傘において、
前記主傘シートの前記ハンドルを取り付けた側の面に紫外線遮蔽層を設け、
且つ前記主傘シートの前記紫外線遮蔽層を設けた側に、当該主傘シートから離間して、前記紫外線遮蔽層から放射される赤外線を遮蔽する副傘シートを取り付けたことを特徴とする傘。
【請求項2】
請求項1に記載の傘であって、
前記副傘シートは、展開した状態で略平面状であることを特徴とする傘。
【請求項3】
請求項1に記載の傘であって、
前記副傘シートの外周辺には、展開時に垂れ下がる日除け部を形成したことを特徴とする傘。
【請求項4】
請求項1に記載の傘であって、
前記主傘シートの外周部分と、前記副傘シートの外周部分の間に、通気用のスリットを設けたことを特徴とする傘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽からの熱と光を効果的に遮断することができる傘に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽からの光(紫外線)を遮断するため、日傘が広く利用されている。日傘の中には、
図9に示す日傘200のように、太陽からの紫外線をより多く遮断して遮熱するため、その傘シート201の下面(裏面)に、例えば黒色系の紫外線遮蔽層203を、コーティングやフィルムラミネートの技術を用いて形成することが行われている。これによって矢印A1で示す太陽からの直射日光は、紫外線を含めてそのほぼ100%が遮断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上記日傘200においても、以下のような課題があった。
(1)傘シート201の下面の紫外線遮蔽層203は、紫外線を含む太陽光を吸収するため、高温になるが、この高温になった紫外線遮蔽層203自体から赤外線X1が放射され、日傘200を持っている人に照射される。このため人はその分暑さを感じる。
【0005】
(2)人が日傘200を差している周囲の地面などで太陽光が反射されて反射光A2になった場合であって、さらに日傘200の下面の紫外線遮蔽層203で反射された反射光A2は、傘シート201の下面が略凹面状になっていることから、日傘200のシャフト205方向に集光する。このため当該反射光A2の多くは、この日傘200を差している人に照射される。このため人はその分暑さを感じ、また紫外線を浴びる。
【0006】
(3)いわゆる西日のような場合、日傘200を差していても、略水平方向から太陽光A3が入射するので、傘シート201によっては遮蔽できない。このため人はその分暑さを感じ、また紫外線を浴びる。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、太陽光による熱や紫外線を効果的に遮断することができる傘を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一端側にハンドルを有するシャフトの他端側に、複数本の傘骨によって主傘シートを展開・折り畳み自在に取り付けた傘において、前記主傘シートの前記ハンドルを取り付けた側の面に紫外線遮蔽層を設け、且つ前記主傘シートの前記紫外線遮蔽層を設けた側に、当該主傘シートから離間して、前記紫外線遮蔽層から放射される赤外線を遮蔽する副傘シートを取り付けたことを特徴としている。
本発明によれば、主傘シートの上面に太陽の直射日光が照射されるが、紫外線遮蔽層の作用が加わることで、紫外線を含む直射日光が、この紫外線遮蔽層を含む主傘シートによって、ほぼ100%遮蔽される。このため、直射日光は熱となって、主傘シートにこもり高温になる。そして高温になった主傘シートの紫外線遮蔽層自体から赤外線が下方に向けて放射されるが、この赤外線は、副傘シートによって遮蔽されるので、この傘を持っている人には、その赤外線の多くが照射されない。また主傘シートと副傘シートの間には隙間があるので主傘シートから副傘シートに直接熱伝導されず、熱の移動も制限される。これらのことから、傘を持っている人は効果的に冷涼感を得ることができる。
【0009】
本発明は、上記構成に加え、前記副傘シートは、展開した状態で略平面状であることを特徴としている。
太陽光の内、地面や建造物で反射した反射光は、傘の副傘シートにその下面側から照射されるが、副傘シートは略平面状なので、副傘シートで再度反射された光が傘の中央(シャフトの部分)に集光されることはない。これによって人への反射光の照射量(紫外線を含む)を削減することができる。
【0010】
本発明は、上記構成に加え、前記副傘シートの外周辺には、展開時に垂れ下がる日除け部を形成したことを特徴としている。
本発明によれば、日除け部を設けているので、西日等の太陽の高度が低い時の略水平方向からの太陽光が直接人の顔などに照射されることを防止することができる。
また上記主傘シートの外周近傍下部から垂れ下がる日除け部を化粧することで、効果的な傘の装飾を行うこともできる。なお主傘シートの外周辺自体に日除け部を設けることも可能であるが、本発明のように主傘シートの下面に別に設けた副傘シートに日除け部を設けて垂れ下がる構成にすると、さらに高級感のある装飾になる。
また主傘シートの外周辺自体に日除け部を設けると、この傘を畳んだときに、可撓性を有する日除け部が周囲のもの(例えばハンドルを握る人の手)に触れ易くなり、使用感触が悪くなる虞があり、このため日除け部の長さを長く取ることができなくなる。一方、本実施形態のように、副傘シートに日除け部を設けると、例えば副傘シートの外径寸法をその分小さくすることで、傘を畳んだときの日除け部を、容易に主傘シートの外周から出ないように(または少しだけ出るように)構成でき、周囲のもの(例えばハンドルを握る人の手や地面など)に触れることなどを防止でき、このため長さの長い日除け部を設けることができ、日除け効果を高めることができ、また装飾性も増進させることができる。
【0011】
本発明は、上記構成に加え、前記主傘シートの外周部分と、前記副傘シートの外周部分の間に、通気用のスリットを設けたことを特徴としている。
本発明によれば、通気用のスリットがあるので、主傘シートと副傘シートの間の隙間内で温度上昇した空気は容易に外気と取り換えられ、対流熱伝達することを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、太陽光による熱や紫外線を効果的に遮断することができ、傘を持っている人に効果的な冷涼感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図4】傘1Aを開いた傘骨(親骨50と受け骨55)等の状態を示す概略側面図である。
【
図5】傘1Aを閉じた傘骨等の状態を示す概略側面図である。
【
図6】傘1Aを開いた傘骨等とこれに取り付ける主傘シート20と副傘シート30の取付状態を説明する図である。
【
図7】傘1Aを閉じた傘骨等と主傘シート20と副傘シート30の取付状態を説明する図である。
【
図8】
図8(a)は副傘シート30を示す平面図、
図8(b)は主傘シート20を示す平面図である。
【
図9】従来の日傘200の全体概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる傘1の全体概略側断面図である。同図に示すように、傘1は、シャフト11の一端側(
図1においては下端側)にハンドル13を設け、シャフト11の他端側(
図1においては上端側)に図示しない複数本の傘骨によって展開・折り畳み自在な主傘シート20を取り付け、さらに主傘シート20の下面側(下記する紫外線遮蔽層23を設ける側)に、主傘シート20から離間するように、副傘シート30を取り付けて構成されている。この傘1は、日傘、または晴雨兼用傘として用いる。なお以下の説明において、「上」とはハンドル13から主傘シート20を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。
【0015】
シャフト(中棒)11は、傘1の中央に位置する直線状の棒であり金属、木などの素材によって構成される。ハンドル(手元)13は人が手で掴む部分である。
【0016】
主傘シート20は、複数枚の小間からなり、図示しない傘骨に、展開・折り畳み(開閉)自在に取り付けられるものである。主傘シート20は、ポリエステル、ナイロン、T/C(ポリエステルと綿の混紡)、綿、麻などを素材とした生地によって構成されており、その下面には、紫外線遮蔽層23が設けられている。紫外線遮蔽層23は、主傘シート20の下面に、紫外線遮光材をコーティングまたはフィルムラミネートすることによって設けられる。
【0017】
副傘シート30も、複数枚の小間からなり、図示しない傘骨に、展開・折り畳み(開閉)自在に取り付けられるものである。副傘シート30も、ポリエステル、ナイロン、T/C、綿、麻などを素材とした生地によって構成されており、赤外線を遮蔽するものである。
【0018】
主傘シート20と副傘シート30の間には、この傘1を開いた際に、所定の隙間S1が形成され、さらに主傘シート20の外周部分20aと、副傘シート30の外周部分30aの間には通気用のスリット35が設けられる。
【0019】
また副傘シート30は、
図1に示すように、これを展開した状態で略平面状になるように構成されている。また副傘シート30の外周辺には、展開時に垂れ下がる日除け部37が形成されている。
【0020】
上記構成の傘1において、これを開いて日傘として使用した場合、主傘シート20の上面には、太陽の直射日光A1が照射されるが、紫外線遮蔽層23の作用が加わることで、紫外線を含む直射日光A1が、この紫外線遮蔽層23を含む主傘シート20によって、ほぼ100%遮蔽される。
【0021】
このため、直射日光A1は熱となって、主傘シート20にこもり高温になる。そして高温になった主傘シート20の紫外線遮蔽層23自体から赤外線X1が下方に向けて放射されるが、この赤外線X1は、副傘シート30によって遮蔽されるので、この傘1を持っている人には、その赤外線X1の多くが照射されない。
【0022】
また主傘シート20と副傘シート30の間には隙間S1があるので主傘シート20から副傘シート30に熱が直接熱伝導されることはなく、さらに通気用のスリット35があるので、前記隙間S1内で温度上昇した空気は容易に外気と取り換えられ、対流熱伝達することも防止できる。
【0023】
また太陽光の内、地面や建造物で反射した反射光A2は、傘1の副傘シート30にその下面側から照射されるが、副傘シート30は略平面状なので、副傘シート30で再度反射された光が傘1の中央(シャフト11の部分)に集光されることはない。この点からも人への反射光A2の照射量(紫外線を含む)を削減できる。
【0024】
さらに上記傘1においては、日除け部37を設けているので、
図1に示す西日等の太陽の高度が低い時の略水平方向からの太陽光A3(紫外線を含む)が直接人の顔などに照射されることも防止することができる。
【0025】
以上のように、傘1を持つ人に対して、直射日光A1は紫外線遮蔽層23を有する主傘シート20によって確実に遮蔽でき、また熱くなった紫外線遮蔽層23からの赤外線X1の照射も副傘シート30によって防止でき、また隙間S1によって主傘シート20から副傘シート30への熱の移動も制限でき、またスリット35によって隙間S1内で温められた空気も容易に取り換えられ、また反射光A2の照射量も低減でき、さらに略水平方向から入射してくる太陽光A3も遮蔽でき、これらの作用によって、傘1を持っている人は効果的に冷涼感を得ることができる。
【0026】
またこの主傘シート20の外周部分20a近傍から垂れ下がる日除け部37を化粧することで、効果的な傘1の装飾を行うこともできる。即ち、主傘シート20の外周辺自体に日除け部を設けることも可能であるが、本実施形態のように主傘シート20の下面に別に設けた副傘シート30に日除け部37を設けて垂れ下げる構成にすると、さらに高級感(立体感)のある装飾になる。またもし主傘シート20の外周辺自体に日除け部37を設けると、この傘を畳んだときに、可撓性を有する日除け部が周囲のもの(例えばハンドルを握る人の手)に触れ易くなり、使用感触が悪くなる虞があり、このため日除け部の長さを長く取ることができなくなる。一方、本実施形態のように、副傘シート30に日除け部37を設けると、例えば副傘シート30の外径寸法をその分小さくすることで、傘を畳んだときの日除け部37を、容易に主傘シート20の外周から出ないように(または少しだけ出るように)構成でき、周囲のものに触れる虞を防止でき、このため長さの長い日除け部を設けることができ、日除けの効果を高めることができ、また装飾性も増進することができる。日除け部37の形状、デザインなどは種々の変更が可能である。
【0027】
図2乃至
図8は、上記実施形態にかかる傘1を、具体的な傘1Aとして構成した場合の一例を説明するための図であり、
図2は傘1Aを開いた状態の側面図、
図3は傘1Aを閉じた状態の側面図、
図4は傘1Aを開いた傘骨(親骨50と受け骨55)等の状態を示す概略側面図、
図5は傘1Aを閉じた傘骨等の状態を示す概略側面図、
図6は傘1Aを開いた傘骨等とこれに取り付ける主傘シート20と副傘シート30の取付状態を説明する図、
図7は傘1Aを閉じた傘骨等とこれに取り付ける主傘シート20と副傘シート30の取付状態を説明する図、
図8(a)は副傘シート30を示す平面図、
図8(b)は主傘シート20を示す平面図である。なお
図5と
図7は、それぞれ
図4と
図6を上下逆さにした状態で示している。以下、前記
図1で示す傘1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0028】
図4に示すように、シャフト11には、ハンドル13側から、第1ろくろ41と、第2ろくろ45が取り付けられている。第1ろくろ41には、複数本の親骨50の端部が取り付けられている。第2ろくろ45には、複数本の受け骨55の端部が取り付けられている。親骨50は、この例では8本であり、第1ろくろ41に、この第1ろくろ41を中心にして等間隔に放射状に取り付けられている。受け骨55は、この例では8本であり、第2ろくろ45に、この第2ろくろ45を中心にして等間隔に放射状に取り付けられている。各受け骨55の先端は、各親骨50の中間位置に、傘骨連結部(だぼ)60によって連結されている。これによって、親骨50は第1ろくろ41を中心に上下方向に揺動自在に、受け骨55は第2ろくろ45を中心に上下方向に揺動自在に、受け骨55は親骨50に対して傘骨連結部60を中心に上下方向に揺動自在に構成されている。
【0029】
図6に示すように、主傘シート20は、上側に位置する受け骨55と、その外側に位置する親骨50の上面側を覆うように張設されている。即ち、第2ろくろ45から親骨50の先端までを覆うように張設されている。主傘シート20は、
図8(b)に示すように、8枚の略三角形状の小間20-1~8を具備し、これら各小間20-1~8の左右両側辺を、8本の親骨50の位置で連結して構成されている。主傘シート20は、
図1を用いて説明したように、下面に紫外線遮蔽層23を有している。
【0030】
図6に示すように、副傘シート30は、親骨50の下面側を覆うように張設されている。即ち、第1ろくろ41から親骨50の先端までを覆うように張設されている。副傘シート30は、
図8(a)に示すように、8枚の略三角形状の小間30-1~8を具備し、これら各小間30-1~8の左右両側辺を、8本の親骨50の位置で連結して構成されている。各小間30-1~8の外周側の辺には円弧状に突出する前記日除け部37が設けられている。
【0031】
傘1Aが開いているときは、シャフト11の上部に設けられた図示しない係止片(はじき)によって第1ろくろ41は
図6に示す位置に係止されている。
【0032】
そして傘1Aを閉じる際は、前記第1ろくろ41の部分を摘まんで、前記係止片の係止を外して下方向に移動させる。これによって、第1ろくろ41は下降し、
図7に示すように、シャフト11のハンドル13近傍に設けた図示しない係止片(はじき)によって係止される。このとき、副傘シート30が傘1Aの表面側に露出する。またこのとき、
図7に示すように、ハンドル13を上側にした状態で、親骨50の先端がシャフト11の石突きよりも下側に位置し、8本ある親骨50の先端が地面に当接することで、この傘1Aを立ったまま置くことができる。このとき、
図3に示すように、各日除け部37は傘1Aの外側に位置するが、その先端が地面に付着して汚れたりしないように、その突出高さを設定している。また日除け部37を設ければ、
図3に示すように、傘1Aを閉じた際に、内側に位置する主傘シート20の外周辺(下端辺)まで、日除け部37によって覆うことができる。これによって閉じた状態の傘1Aの見栄えを良くすることができる(主傘シート20の外周辺の裏生地を隠せる)と同時に、この傘1Aを雨天時に使用した場合に濡れる主傘シート20をその外周下端辺まで、濡れていない副傘シート30によって完全に覆うことができ、周囲への水の付着をより効果的に防止することができる。
【0033】
そしてこの傘1Aは、上記
図1に示す傘1と同一の作用効果を発揮する。
【0034】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記傘1Aでは、折り畳んだ際に親骨の先端が上方(ハンドルとは逆方向)を向く構造の傘骨を有する傘としたが、折り畳んだ際に親骨が下方(ハンドル方向)を向く傘骨を有する傘に適用しても良い。また折り畳み傘に適用しても良い。紫外線遮蔽層は、黒色でなく、銀色などの他の各種色彩であっても良い。また紫外線遮蔽層は、主傘シートの下面全体に形成せず、その一部に形成しても良い。副傘シートも、主傘シートの下面全体を覆うように形成せず、その一部を覆うように形成しても良い。日除け部も、副傘シートの外周全体に形成せず、その外周の一部に形成しても良い。また日除け部、または日除け部を設けた副傘シート、または日除け部を設けない副傘シートを、吸水性があり揮発性の高い生地で構成し、これに水を含ませ、濡れた生地の気化作用で日除け部や副傘シートの温度を下げ、さらには気化熱によって冷えた空気が人の顔にかかることでさらに冷涼感を出すように構成しても良い。
【0035】
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0036】
1,1A…傘、11…シャフト、13…ハンドル、20…主傘シート、20a…外周部分、23…紫外線遮蔽層、30…副傘シート、30a…外周部分、35…スリット、37…日除け部、50…親骨(傘骨)、55…受け骨(傘骨)。