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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115203
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】冷却部材
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/08 20060101AFI20240819BHJP
   A41D 13/002 20060101ALI20240819BHJP
   A41D 13/005 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
F04D25/08 307G
F04D25/08 301A
A41D13/002 105
A41D13/005 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020769
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】517297094
【氏名又は名称】株式会社ZETALPHA DEVICE JAPAN
(74)【代理人】
【識別番号】110003937
【氏名又は名称】弁理士法人前川知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉原 秀彦
【テーマコード(参考)】
3B011
3B211
3H130
【Fターム(参考)】
3B011AC02
3B011AC03
3B211AC02
3B211AC03
3H130AA13
3H130AB05
3H130AB06
3H130AB26
3H130AC25
3H130BA33Z
3H130BA69Z
3H130CA23
3H130DD05Z
3H130DF09Z
3H130DJ01X
3H130DJ06Z
3H130EA07A
3H130EA07Z
(57)【要約】
【課題】ファンによる冷涼感を快適に得ることができる冷却部材を提供すること。
【解決手段】冷却部材は、装身ベルトに対して間隔を空けて直接又は間接に取り付けられるファン固定部と、装身ベルトとの間に、冷却部を配置する。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装身ベルトに対して間隔を空けて直接又は間接に取り付けられるファン固定部と、前記装身ベルトとの間に、冷却部を配置した冷却部材。
【請求項2】
吸水部材の収容部と、前記収容部に接続され且つ前記装身ベルトに対して直接又は間接に取り付けられる取付部と、を更に備え、
前記冷却部は、前記収容部と接続されて吸水部材を内部に収容する、
請求項1に記載の冷却部材。
【請求項3】
前記取付部は、棒状本体部及び前記棒状本体部の先端にT字状に接続された板部を有し、
前記ファン固定部は、前記装身ベルトに取り付けられるベルト取付部材に設けられ、
前記ベルト取付部材は、前記板部を係脱可能な溝部と、前記溝部の縁部に形成されて前記棒状本体部を係脱可能な切欠部を有する、
請求項2に記載の冷却部材。
【請求項4】
前記冷却部は、側面の一部に複数の開口を有する筒状に形成され、内部に吸水部材を収容する請求項1に記載の冷却部材。
【請求項5】
前記冷却部は、前記ファン固定部に固定されたファンの送風方向に対して交差するように延設され、
前記開口は、前記送風方向及び前記冷却部の延設方向とは異なる方向の側面に設けられる。
る請求項4に記載の冷却部材。
【請求項6】
前記冷却部は、ファンの外周部を支持して収容する前記ファン固定部の開口縁に沿って前記ファンの風下に配置される請求項1に記載の冷却部材。
【請求項7】
前記冷却部は、側面の一部に複数の開口を有する中空状に形成され、内部に吸水部材を収容する請求項6に記載の冷却部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、身体に風を送るための道具として扇子、団扇及び扇風機が利用されている。これらのうち、扇風機は、人が手動で扇ぐ必要が無いという点で利便性を有する。例えば、特許文献1は、小型の扇風機を、水を含ませるための布製品又は吸水性ポリマーによって支持させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6630940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の扇風機は、水を含ませた布等を首に巻いて扇風機を装着させており、使用者の付け心地を損なうことがある。
【0005】
本開示は、ファンによる冷涼感を快適に得ることができる冷却部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の冷却部材は、装身ベルトに対して間隔を空けて直接又は間接に取り付けられるファン固定部と、前記装身ベルトとの間に、冷却部を配置する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によると、ファンによる冷涼感を快適に得ることができる冷却部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1の空調ユニットを使用者が装着した様子を示す図である。
図2】支持具を正面側から見た分解斜視図である。
図3】支持具を裏面側から見た分解斜視図である。
図4図1に図示した支持具のIV-IV断面図である。
図5】実施形態2の空調ユニットに適用可能な冷却部材を示す図である。
図6】IV-IV断面において図5に図示した冷却部材を装着させた支持具の断面図である。
図7】カバー部材を備える空調ユニットの変形例を示す図である。
図8】回動部を有する空調ユニットの変形例を示す図である。
図9】衣服に取り付けた第二冷却部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
本開示の実施形態1について、図面に基づいて説明する。図1は、空調ユニット1を装着した様子を示す図である。図2は、支持具を正面側から見た分解斜視図である。また、図3は、支持具を裏面側から見た分解斜視図である。空調ユニット1は、使用者の身体に装着された装身ベルト41に対して取り付けられる支持具2と、支持具2により支持されるファン3(図4等に図示)とを備える。空調ユニット1は、支持具2により支持された軸流型のファン3により使用者の身体を冷却する機能を有する。図1では、ファン3の詳細な図示は省略する。ファン3は、内部に2次電池等の電源を備えて駆動可能に構成されていてもよいし、使用者の衣服等に装着された電源から電力供給を受けて駆動可能に構成されていてもよい。
【0010】
以下の支持具2(空調ユニット1も同様)の説明において、支持具2を第一ファン支持部材6又は第二ファン支持部材7側を支持具2の正面とし、その反対側であるベルト取付部材5側を支持具2の背面とする。
【0011】
本実施形態の装身ベルト41は、使用者が身に着けるハーネスのベルトである。装身ベルト41は、使用者の両肩を介して身体の前方及び後方に配置される第一装身ベルト411及び第二装身ベルト412を有する。第一装身ベルト411及び第二装身ベルト412は、使用者の背中側に配置されるD環止め42において一束に固定され、身体の下方に延設される。従って、第一装身ベルト411及び第二装身ベルト412は、D環止め42の上方では非平行のV字状に配置及び延伸される。本実施形態の装身ベルト41は、例えば、ポリエステル繊維により、平帯状に形成される。従って、装身ベルト41は、厚み方向に対しては折り曲げ容易であり、幅方向に対しては折り曲げ困難という特性を有する。なお、装身ベルト41は、本実施形態に示す構成に限らず、その他の素材及び形状のものを採用してもよい。装身ベルト41には、肩パッド43が装着される。
【0012】
支持具2は、ベルト取付部材5、第一ファン支持部材6、第二ファン支持部材7及び第一冷却部材8を備える。ベルト取付部材5は、図2に示すように、平面視略台形の平板状の形状を有する。ベルト取付部材5は、第一被取付部51と、第一装身ベルト411を挿通する第一貫通孔52と、第二装身ベルト412を挿通する第二貫通孔53と、を有する。
【0013】
第一被取付部51は、略三角形の平板状に形成される。第一被取付部51は、支持具2の正面側の面に、球面状に突出した突出部511と、シリンドリカル状に突出した突出部512とを有する。突出部512は、突出部511の下方に位置し、左右方向に延設される。また、第一被取付部51は、支持具2の背面側の面に、シリンドリカル状に突出した突出部513と、球面状に突出した突出部514とを有する。突出部513は、突出部514の上方に位置し、左右方向に延設される。
【0014】
第一貫通孔52及び第二貫通孔53は、細長い開口形状を有し、ベルト取付部材5の正面視においてV字状に延伸される。従って、第二貫通孔53は、第一貫通孔52に対して非平行に配置される。第一貫通孔52及び第二貫通孔53は、細長い開口形状を有するため、第一貫通孔52及び第二貫通孔53にそれぞれ挿通された平帯状の第一装身ベルト411及び第二装身ベルト412を、延伸軸周りの回動を抑制可能である。このようなベルト取付部材5の構成とすることで、使用者は、装身ベルト41をリュックのロック付きベルトやその他のベルトに着脱させることができる。また、使用者は、装身ベルト41を、ベルト取付部材5に容易に取り付け及び取り外しをすることができる。
【0015】
第一ファン支持部材6は、ベルト取付部材5、第二ファン支持部材7及び第一冷却部材8と着脱可能に接続される接続部61と、第一ファン固定部62と、第一腕部63と、を有する。接続部61は、略三角形平板状の形状を有する板状部である。第一腕部63は、接続部61及び第一ファン固定部62を接続する。
【0016】
接続部61は、三角形の2辺に相当する隣接側面に亘って切り欠かれたスリット状の第一取付部611を有する。第一取付部611は、接続部61の下部側に設けられる。図4に示される第一取付部611は、支持具2の正面側(図4の左側)の内壁に、窪み部611a及び窪み部611bを有する。窪み部611aは、球面状に窪んでおり、突出部511を係脱可能である。窪み部611bは、シリンドリカル状に窪んでおり、突出部512を係脱可能である。さらに、第一取付部611は、支持具2の背面側(図4の右側)の内壁に、窪み部611c及び窪み部611dを有する。窪み部611cは、シリンドリカル状に窪んでおり、突出部513を係脱可能である。窪み部611dは、球面状に窪んでおり、突出部514を係脱可能である。第一取付部611は、突出部511~514が窪み部611a~611dに係脱することで、ベルト取付部材5の第一被取付部51に対して安定して着脱可能に構成される。
【0017】
接続部61の外部は、第二被取付部612として機能する。第二被取付部612は、接続部61に対して、第一取付部611の反対側である上部側に設けられる。
【0018】
さらに、接続部61は、第一取付部611の開口が配置されていない側面(すなわち、第一取付部611の反対側の面)に、第三被取付部613を有する。第三被取付部613は、図2のA部拡大図に示すように、支持具2の背面側(図4の右側)に開口したスリット状の溝部613aを有する。溝部613aは、左右方向に長尺に設けられる。また、第三被取付部613は、溝部613aの上縁に、矩形の切欠部613bを有する。切欠部613bは、溝部613aの左右方向の略中央に設けられる。
【0019】
第一ファン固定部62は、円環状の枠体621と、枠体621に対して左右の両部に配置される把持部622とを有する。把持部622は、枠体621に沿って略円弧状に配置される。第一ファン固定部62(ファン固定部)は、装身ベルト41に取り付けられるベルト取付部材5に相対的に固定されるように設けられる。
【0020】
第一腕部63は、接続部61の上部と、第一ファン固定部62の把持部622の一端側とを、左右両部において接続する。換言すれば、第一腕部63は、第一取付部611又は第二被取付部612と、第一ファン固定部62とを左右両部において接続する。従って、第一ファン支持部材6は、二つの第一腕部63、第一取付部611及び第一ファン固定部62の間に開口空間S1を有する。
【0021】
第二ファン支持部材7は、第一ファン支持部材6及び第一冷却部材8と着脱可能に接続される接続部71と、第二ファン固定部72と、第二腕部73と、を有する。第二腕部73は、接続部71及び第二ファン固定部72を接続する。接続部71は、側面視において下方を開口させた略J字のフック状に形成された第二取付部711を有する。従って、第二取付部711は、接続部71の下部側に設けられる。第二取付部711は、第二被取付部612を上方から覆うようにして、第二被取付部612に対して着脱可能に構成される。
【0022】
さらに、接続部71は、第二取付部711の第二取付部711との反対側に、第四被取付部712を有する。第四被取付部712は、図3のB部拡大図に示すように、支持具2の背面側(図4の右側)に開口したスリット状の溝部712aを有する。溝部712aは、左右方向に長尺に設けられる。また、第四被取付部712は、溝部712aの上縁に、切欠部712bを有する。切欠部712bは、溝部712aの左右方向の略中央に設けられる。
【0023】
第二ファン固定部72は、縁環状の枠体721と、枠体721に対して左右の両部に配置される把持部722とを有する。把持部722は、枠体721に沿って略円弧状に配置される。
【0024】
第二腕部73は、支持具2の正面視において逆V字状となるように配置して、接続部71の上部と、第二ファン固定部72の把持部722の一端側の左右両部とを、接続する。換言すれば、第二腕部73は、第二取付部711又は第四被取付部712と、第二ファン固定部72の左右両部とを接続する。従って、第二ファン支持部材7は、二つの第二腕部73、第二取付部711及び第二ファン固定部72の間に開口空間S2を有する。
【0025】
図4のIV-IV断面図に示すように、第二ファン支持部材7は、第二腕部73を開口空間S1に挿通させて、第二取付部711を上方から引っ掛けるようにして第二被取付部612に装着可能に構成される。第一ファン固定部62及び第二ファン固定部72は、上下の異なる高さに配置される。また、第一ファン固定部62及び第二ファン固定部72に固定されたファン3の風向きをベルト取付部材5側に設定する。
【0026】
ファン3は、軸流ファンの外装ケース、インペラ及びモータ等を含む略短円柱状の本体部31と、本体部31の外周面の一部に形成された雄螺子部に対して、螺合可能な雌螺子部を内周面に有する略円環状の固定部材32とを有する。本体部31は、一端側に外形方向に突出した略円環状の鍔部311を有する。また、固定部材32は、一端側に外径方向に突出した略円環状の鍔部321を有する。鍔部311と鍔部321の外径は、略同径である。ファン3は、第一ファン支持部材6及び第二ファン支持部材7に固定される。具体的な取り付け手順としては、まず、本体部31が、それぞれ第一ファン固定部62及び第二ファン固定部72の開口に吸気側から挿入される。このとき、本体部31の鍔部311と、第一ファン固定部62及び第二ファン固定部72の各枠体621,721との間には、円環状のスペーサ33が配置される。スペーサ33は金属などの硬質な材料により形成される。次いで、固定部材32は、それぞれ第一ファン固定部62及び第二ファン固定部72の排気側から本体部31の外周部に螺合される。
【0027】
これにより、鍔部311及び鍔部321は枠体621,721を挟持ことができるため、ファン3は、第一ファン支持部材6及び第二ファン支持部材7に確実に固定される。また、本体部31の固定にスペーサ33を利用することで、第一ファン固定部62及び第二ファン固定部72が柔軟な材料により構成した場合であっても、ファン3(本体部31)が第一ファン固定部62及び第二ファン固定部72に対して意図せず移動したり、外れてしまうことが防止され、ファン3を安定して固定することができる。
【0028】
なおスペーサ33は、金、カーボン又はクロム等のメッキを施してもよいが、これに限らない。
【0029】
第一ファン固定部62に固定されたファン3及び第二ファン固定部72に固定されたファン3の送風軸P及び送風軸Qは、異なる角度に設定される。支持具2は、装身ベルト41に対して相対的に固定された複数のファン3を利用することにより、使用者の身体にたいして広範囲に送風することができる。従って、空調ユニット1を使用する使用者の冷涼感等を向上させることができる。
【0030】
第一冷却部材8は、収容部81と、第三被取付部613又は第四被取付部712に対して着脱可能な取付部82と、収容部81と接続された冷却部83(第一冷却部)と、を有する。本実施形態の冷却部83は、例として、第一ファン固定部62に固定されたファン3の風下に配置される。
【0031】
収容部81は、中空の略直方体の形状を有する。収容部81は、上部の一部に矩形状の開口部811を有する。収容部81は、内部に吸水部材84を収容する。吸水部材84は、例えば、布、綿、スポンジ、吸水性ポリマー等である。吸水部材84は、冷却部83に配置されてもよい。
【0032】
また、冷却部83(後述する第二冷却部材9の冷却部92も同様)には、液体窒素、ドライアイス、氷、水等を収容してもよい。この場合、収容部81の内容物の漏洩を防止するために、冷却部83は開口831(又は、開口921)を備えない構成とすることができる。
【0033】
取付部82は、収容部81に接続され且つ装身ベルト41に対して、接続部61、接続部71及びベルト取付部材5を介して、間接に取り付けられる。取付部82は、棒状本体部821及び棒状本体部821の先端にT字状に接続された板部822を有する。溝部712aは、板部822を係脱可能に構成される。また、切欠部712bは、溝部712aの上縁部に形成されて棒状本体部821を係脱可能に構成される。
【0034】
第一冷却部材8は、上段に3個及び下段に4個の冷却部83を、左右方向に交互に並ぶように配列する。冷却部83は、筒状に形成される。冷却部83は、側面の一部に複数の開口831を有する。本実施形態の冷却部83は、左右の側面に合計6個の開口831を有する。なお、冷却部83の数、及び、冷却部83に設けられる開口831の数は、一つ又は複数の本実施形態とは異なる数とすることができる。収容部81と冷却部83とは、内部空間が接続されている。冷却部83は、内部に収容部81から連続して吸水部材84を収容する。
【0035】
図4のIV-IV断面図に示すように、冷却部83は、ファン固定部(第一ファン固定部62)に固定されたファン3の送風方向(送風軸Pに沿った方向)に対して交差するように延設される。図4では、第一ファン固定部62のファン3の送風方向と、冷却部83の延設方向とは略直交するように配置される。
【0036】
また、開口831は、ファン3の送風方向及び冷却部83の延設方向とは異なる方向の左右の側面に設けられる。このため、ファン3から送られた風は、冷却部83の凹凸の少ない表面に直接当たり、比較的均等に分散しながら身体側に運ばれる。また、冷却部83は、吸水部材84の気化熱により冷却される。ファン3から送られた風は、冷却部83との接触により冷却されるため、空調ユニット1を装着した使用者は、身体への送風によりより効率よく冷涼感を得ることができる。
【0037】
(実施形態2)
次に第二冷却部材9を用いた実施形態2の支持具2について説明する。なお実施形態の説明において、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付す等して説明を省略又は簡略化する。
【0038】
図5は、第二冷却部材9を示す図である。また、図6は、IV-IV断面において図5に図示した冷却部材を装着させた支持具2(又は空調ユニット1)の断面図である。図5の第二冷却部材9において、第二冷却部材9-1は平面斜視図を示し、第二冷却部材9-2は背面斜視図を示している。また、本実施形態の支持具2は、実施形態1に比べて相対的にやや小さいファン3を使用する例について説明する。
【0039】
第二冷却部材9は、図5に示すように略円環状の本体部91と、冷却部92(第二冷却部)とを有する。本体部91は、円形の外周壁911を有する。また外周壁911は、一方の開口端縁から外径方向に突出した円環状の鍔部912を有する。鍔部912は、例えば、ミシン等で衣服等(図9の衣服901参照)に縫合可能な素材である。
【0040】
冷却部92は、第一ファン固定部62の枠体621の開口縁に沿って配置される。冷却部92の内周部は、ファン3の外周部の一部を支持して収容する機能を有する。換言すれば、冷却部92は、第一ファン固定部62に固定されるファン3の側縁に沿って円弧状に配置される。冷却部92は、中空状に形成される。冷却部92は、外壁及び内壁に複数の開口921を有する。また、冷却部92は、内部に第一冷却部材8に設けた吸水部材84と同様の構成を有する吸水部材93を収容する。
【0041】
第二冷却部材9は、第一ファン固定部62に対してファン3と共に固定される。図6の第二冷却部材9を固定した支持具2の例では、冷却部92は、装身ベルト41に対して間隔を空けて間接に取り付けられる第一ファン固定部62と、装身ベルト41との間に配置される。これにより、冷却部92は、第一ファン固定部62に固定されたファン3の風下に配置される。
【0042】
なお、第二冷却部材9は、第二ファン固定部72にファン3と共に固定されてもよい。この場合、支持具2は、第二冷却部材9を複数設けてもよいし、第二ファン固定部72側にのみ配置してもよい。第二冷却部材9を複数設けた場合は、ファン3による冷却効果をより高めることができる。
【0043】
以上で本開示の実施形態について説明したが、本開示の態様はこの実施形態に限定されるものではない。
【0044】
例えば、実施形態1の支持具2は、ベルト取付部材5、第一ファン支持部材6、第二ファン支持部材7及び第一冷却部材8を組み合わせた構成について説明した。また実施形態2の支持具2は、実施形態1の支持具2の構成に第二冷却部材9を加えた例について説明した。しかし、装身ベルト41に取り付けるファン3の支持具2は、ベルト取付部材5及び第一ファン支持部材6を組み合わせた構成、ベルト取付部材5、第一ファン支持部材6及び第二ファン支持部材7を組み合わせた構成、ベルト取付部材5、第一ファン支持部材6及び第一冷却部材8を組み合わせた構成、ベルト取付部材5、第一ファン支持部材6及び第二冷却部材9を組み合わせた構成、ベルト取付部材5、第一ファン支持部材6、第二ファン支持部材7及び第二冷却部材9を組み合わせた構成、の何れの構成を採用してもよい。
【0045】
また、実施形態2で説明した第二冷却部材9は、被覆に設けた開口部に固定して、ファン3を固定することにより、空調ユニット1の別の形態を構成してもよい。
【0046】
支持具2は、第一冷却部材8の取付部82と、接続部61又は接続部71と、ベルト取付部材5とを一体の部材として構成する等して、取付部82は、収容部81に接続され且つ装身ベルト41に対して直接取り付けられる構成としてもよい。また、支持具2は、接続部61又は接続部71と、ベルト取付部材5とを一体の部材として構成する等することで、第一ファン固定部62又は第二ファン固定部72は、装身ベルト41に対して間隔を空けて直接に取り付けられてもよい。
【0047】
また、実施形態2において、第二冷却部材9は、支持具2に取り付けた構成について説明したが、第二冷却部材9は、ファン3とともに、作業着等の衣服に設けた空調孔に取り付けて使用してもよい。
【0048】
また、図7の空調ユニット1Aに示すように、空調ユニット10は、カバー部材11を備える。カバー部材11は、空調ユニット1Aを介して使用者側に流入する空気が、使用者の身体に十分行き渡る前に漏洩しないように空調ユニット1Aの周辺の隙間を封止する。具体的には、カバー部材11は、空調ユニット1Aのファンが取り付けられる第一ファン支持部材6及び第二ファン支持部材7の各枠体621,721の外周縁と、使用者の衣服又は装身ベルト41との間の隙間を封止する。図7の例では、カバー部材11の周縁111の他の部材との接続状態の図示は省略しているが、カバー部材11の周縁111は、例えば使用者の衣服の背中の周辺の設けた貫通孔に縫合することができる。これにより、空調ユニット1Aの第一ファン支持部材6及び第二ファン支持部材7に取り付けられたファンにより流入する空気が、使用者の身体に十分行き渡る前に漏洩することを防止できる。また、身体側に、ファンを介さずに外部の熱気が侵入することを防止できる。さらに、カバー部材11は、紫外光を反射又は吸収する部材により構成してもよい。
【0049】
また、第二冷却部材9を用いた空調ユニット1,1Aにおいて、ファンが取り付けられる枠体621,721側の部材を第二冷却部材9よりも固い素材で構成し、使用者の身体に近い部材を第二冷却部材9よりも柔らかい部材で構成してもよい。
【0050】
また、図8の分解斜視図に示すように、空調ユニット1の各部材は、回動部Rを介して互いに角度調整可能に接続されてもよい。回動部Rは例えば、左右方向に配置された回動軸を有する。これにより、図8の回動部Rの配置例では、第一ファン支持部材6は、接続部61と第一腕部63とを相対的に回動可能であり、第一腕部63と第一ファン固定部62とを相対的に回動可能に構成することができる。また、第二ファン支持部材7は、接続部71と第二腕部73とを相対的に回動可能であり、第二腕部73と第二ファン固定部72とを相対的に回動可能に構成することができる。従って、使用者は、身体に対するファンの送風方向を変更することができる。回動部Rは、回動軸と軸受とにより構成されてもよいし、変形させた形状の維持が可能な軟質な金属等の部材により構成されてもよい。
【0051】
また、図9に示すように、第二冷却部材9は、衣服901に直接取り付けることもできる。衣服901は、例えば、上着又はズボンである。衣服901は、空気の流入口として利用される開口部902を有する。第二冷却部材9の鍔部912は、開口部902の周縁部と、縫合又は接着等により接続する。これにより、第二冷却部材9は、衣服901に対して、取り付けられる。衣服901に取り付けられた第二冷却部材9にファンを固定することで、第二冷却部材9による冷却機能とファンによる送風機能を備えたファンの支持具を小型に構成することができる。
【0052】
また、空調ユニット1,1Aを構成する各部材は、紫外光を反射又は吸収する部材により構成することができる。また、スペーサ33を除く部位については、スペーサ33よりも軟質な部材により構成してもよい。
【0053】
本開示の構成を例示すると、以下のとおりである。
[1]
装身ベルトに対して間隔を空けて直接又は間接に取り付けられるファン固定部と、前記装身ベルトとの間に、冷却部を配置した冷却部材。
[2]
吸水部材の収容部と、前記収容部に接続され且つ前記装身ベルトに対して直接又は間接に取り付けられる取付部と、を更に備え、
前記冷却部は、前記収容部と接続されて吸水部材を内部に収容する、
[1]に記載の冷却部材。
[3]
前記取付部は、棒状本体部及び前記棒状本体部の先端にT字状に接続された板部を有し、
前記ファン固定部は、前記装身ベルトに取り付けられるベルト取付部材に設けられ、
前記ベルト取付部材は、前記板部を係脱可能な溝部と、前記溝部の縁部に形成されて前記棒状本体部を係脱可能な切欠部を有する、
[2]に記載の冷却部材。
[4]
前記冷却部は、側面の一部に複数の開口を有する筒状に形成され、内部に吸水部材を収容する[1]に記載の冷却部材。
[5]
前記冷却部は、前記ファン固定部に固定されたファンの送風方向に対して交差するように延設され、
前記開口は、前記送風方向及び前記冷却部の延設方向とは異なる方向の側面に設けられる。
る[4]に記載の冷却部材。
[6]
前記冷却部は、ファンの外周部を支持して収容する前記ファン固定部の開口縁に沿って前記ファンの風下に配置される[1]に記載の冷却部材。
[7]
前記冷却部は、側面の一部に複数の開口を有する中空状に形成され、内部に吸水部材を収容する[6]に記載の冷却部材。
【符号の説明】
【0054】
1 空調ユニット
2 支持具
3 ファン
5 ベルト取付部材
6 第一ファン支持部材
7 第二ファン支持部材
8 第一冷却部材
9,9-1,9-2 第二冷却部材
11 カバー部材
111 周縁
41 装身ベルト
42 D環止め
43 肩パッド
51 第一被取付部
52 第一貫通孔
53 第二貫通孔
61 接続部
62 第一ファン固定部
63 第一腕部
71 接続部
72 第二ファン固定部
73 第二腕部
81 収容部
82 取付部
83 冷却部
84 吸水部材
91 本体部
92 冷却部
93 吸水部材
411 第一装身ベルト
412 第二装身ベルト
511~514 突出部
611 第一取付部
611a~611d 窪み部
612 第二被取付部
613 第三被取付部
613a 溝部
613b 切欠部
621 枠体
622 把持部
711 第二取付部
712 第四被取付部
712a 溝部
712b 切欠部
721 枠体
722 把持部
811 開口部
821 棒状本体部
822 板部
831 開口
911 外周壁
912 鍔部
921 開口
P,Q 送風軸
S1,S2 開口空間
R 回動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9