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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115245
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20240819BHJP
【FI】
H01L27/04 C
H01L27/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020852
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】丸井 俊治
(72)【発明者】
【氏名】沼倉 啓一郎
(72)【発明者】
【氏名】倪 威
(72)【発明者】
【氏名】早見 泰明
(72)【発明者】
【氏名】矢野 新也
(72)【発明者】
【氏名】松尾 健志
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AC03
5F038AC04
5F038AC05
5F038AC07
5F038AC10
5F038AC15
5F038BH11
5F038CA02
5F038CA05
5F038CA12
5F038CD12
5F038EZ01
5F038EZ14
5F038EZ15
5F038EZ16
5F038EZ19
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】半導体装置の製造工程における半導体基板の主面に形成された素子の破損を防止できる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、半導体基板の外周領域に素子領域を囲む環状の凸部を形成する工程と、素子領域に溝を形成する工程と、溝の内部にキャパシタ構造を形成する工程と、凸部の内側を埋め込んで層間絶縁膜を形成する工程を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に対向する第1主面と第2主面の少なくともいずれかに素子領域と前記素子領域の周囲を囲む外周領域を含む半導体基板において、前記素子領域を囲むように環状の凸部を前記外周領域に形成する工程と、
前記素子領域に、溝を前記第1主面から前記第2主面に向けて形成する工程と、
前記溝の内部に誘電層と導電層を積層したキャパシタ構造を形成する工程と、
前記凸部の内側を埋め込んで前記素子領域を覆う層間絶縁膜を形成する工程と
を備える半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記凸部の形成と同時に、製造工程で使用するマスクパターンを前記半導体基板と位置合わせするための位置合わせパターンを形成する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
研磨法を用いて前記層間絶縁膜の表面を研磨し、前記層間絶縁膜の表面と前記凸部の表面と同一平面レベルにする工程を更に備える、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
ドライエッチング法を用いて前記層間絶縁膜の表面をエッチングし、前記層間絶縁膜の表面を前記凸部の表面と同一平面レベルにする工程を更に備える、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
ウェットエッチング法を用いて前記層間絶縁膜の表面をエッチングし、前記層間絶縁膜の表面を前記凸部の表面と同一平面レベルにする工程を更に備える、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記外周領域において前記半導体基板を切断して、前記半導体基板を複数のチップに分割するチップダイシング工程を更に含み、
前記チップダイシング工程において前記凸部を除去する、
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
ドライエッチング法を用いて前記溝を形成する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
ウェットエッチング法を用いて前記溝を形成する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
相互に対向する第1主面と第2主面の少なくともいずれかに素子領域と前記素子領域の周囲を囲む外周領域とを含み、前記素子領域に前記第1主面から前記第2主面に向かう溝が形成された半導体基板と、
前記溝の内部に誘電層と導電層を積層したキャパシタ構造と、
前記素子領域の周囲を囲むように前記外周領域に配置された環状の凸部と、
前記凸部の内側を埋め込んで前記素子領域を覆って配置された層間絶縁膜と
を備える、半導体装置。
【請求項10】
前記凸部が前記半導体基板の一部である、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記凸部が前記半導体基板と異なる材料である、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記凸部が前記第1主面と前記第2主面のそれぞれに配置されている、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記溝が前記第1主面から前記第2主面まで前記半導体基板を貫通している、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記半導体基板がシリコン基板であり、
前記半導体基板の前記第1主面の面方位が(110)であり、
前記溝の側壁の面方位が(111)である、
請求項9に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記半導体基板が導電性基板である、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記半導体基板が絶縁性基板である、請求項9に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造では、半導体製造装置の基板ステージに処理対象の半導体基板を戴置させた状態で一連の処理が行われる。この際に、真空チャックなどにより半導体基板の主面を吸引することによって、半導体基板が半導体製造装置の基板ステージに密着する。半導体基板と基板ステージの接触により半導体基板の主面に形成された素子の破損を防止するために、半導体基板の主面の素子が形成された領域(以下、「素子領域」と称する。)の周囲に段差を形成して素子領域の上方に空間を設ける構造が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-39967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、半導体基板の主面の上方に空間を設けることにより、半導体基板の主面を吸引するときに半導体基板が湾曲するなどして素子領域に形成された素子が破損する問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、半導体装置の製造工程における半導体基板の主面に形成された素子の破損を防止できる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の外周領域に素子領域を囲む環状の凸部を形成する工程と、素子領域に溝を形成する工程と、溝の内部にキャパシタ構造を形成する工程と、凸部の内側を埋め込んで層間絶縁膜を形成する工程を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、半導体装置の製造工程における半導体基板の主面に形成された素子の破損を防止できる半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的な断面図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的な平面図である。
図3A図3Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その1)。
図3B図3Bは、図3AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図4A図4Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その2)。
図4B図4Bは、図4AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図5A図5Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その3)。
図5B図5Bは、図5AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図6A図6Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その4)。
図6B図6Bは、図6AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図7A図7Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その5)。
図7B図7Bは、図7AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図8A図8Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その6)。
図8B図8Bは、図8AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図9A図9Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その7)。
図9B図9Bは、図9AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図10A図10Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その8)。
図10B図10Bは、図10AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図11A図11Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その9)。
図11B図11Bは、図11AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図12A図12Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その10)。
図12B図12Bは、図12AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図13A図13Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その11)。
図13B図13Bは、図13AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図14A図14Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その12)。
図14B図14Bは、図14AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図15A図15Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その13)。
図15B図15Bは、図15AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図16図16は、第1比較例基板の構成を示す模式的な断面図である。
図17図17は、第2比較例基板の構成を示す模式的な断面図である。
図18A図18Aは、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である。
図18B図18Bは、図18AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図19図19は、第3の実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的な断面図である。
図20図20は、第4の実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的な断面図である。
図21図21は、その他の実施形態に係る半導体装置の凸部を示す模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる部分を含んでいる。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0010】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置は、図1および図2に示すように、相互に対向する第1主面110から第2主面120に向かう溝10が形成された素子領域と、素子領域の周囲を囲む領域(以下、「外周領域」と称する。)を含む半導体基板1を備える。図1は、図2のI-I方向に沿った断面図である。以下において、第1主面110と第2主面120のそれぞれを限定しない場合は主面と表記する。
【0011】
第1の実施形態に係る半導体装置は、溝10の内部に誘電層と導電層を積層したキャパシタ構造を備える。図1に示したキャパシタ構造は、第1誘電層31、第1導電層41、第2誘電層32、第2導電層42、第3誘電層33、第3導電層43、第4誘電層34、第4導電層44、第5誘電層35、第5導電層45をこの順に積層した構造である。以下において、第1誘電層31~第5誘電層35のそれぞれを限定しない場合は、誘電層30と表記する。第1導電層41~第5導電層45のそれぞれを限定しない場合は、導電層40と表記する。
【0012】
図2に示すように、第1主面110の法線方向から見て(以下、「平面視」ともいう。)、半導体基板1の素子領域に複数の溝10が配置されている。そして、第1主面110の外周領域に、溝10が形成された素子領域の周囲を囲むように環状の第1凸部11が配置されている。第2主面120の外周領域に、素子領域の周囲を囲むように環状の第2凸部12が配置されている。以下において、第1凸部11と第2凸部12のそれぞれを限定しない場合は凸部と表記する。凸部は、半導体基板1の外周領域に、素子領域を取り囲むようにリッジ状に形成されている。
【0013】
半導体基板1の主面には、第1層間絶縁膜51、第2層間絶縁膜52および第3層間絶縁膜53が積層されている。第1層間絶縁膜51は、凸部の内側を埋め込んで素子領域を覆って配置されている。図1に示した第1層間絶縁膜51の表面と凸部の表面とは同一平面レベルである。第1層間絶縁膜51および凸部の表面を覆って第2層間絶縁膜52が配置されている。第2層間絶縁膜52の表面を覆って第3層間絶縁膜53が配置されている。以下において、第1層間絶縁膜51、第2層間絶縁膜52および第3層間絶縁膜53を総称して層間絶縁膜50と表記する。
【0014】
第1主面110側の第3層間絶縁膜53の表面に、第1電極21が配置されている。第2主面120側の第3層間絶縁膜53の表面に、第2電極22が配置されている。半導体装置が半導体コンデンサとして機能するために、第1電極21と第2電極は、溝10の内部に形成されたキャパシタ構造の導電層40と電気的に接続する。
【0015】
具体的には、第1電極21が、第1コンタクトホール211を介して第1導電層41と電気的に接続し、第2コンタクトホール212を介して第3導電層43と電気的に接続し、第3コンタクトホール213を介して第5導電層45と電気的に接続する。また、第2電極22が、第4コンタクトホール221を介して導電性を有する半導体基板1と電気的に接続し、第5コンタクトホール222を介して第2導電層42と電気的に接続し、第6コンタクトホール223を介して第4導電層44と電気的に接続する。
【0016】
第1コンタクトホール211は、層間絶縁膜50と、第2誘電層32~第5誘電層35および第2導電層42~第5導電層45を貫通する。第2コンタクトホール212は、層間絶縁膜50と、第4誘電層34~第5誘電層35および第4導電層44~第5導電層45を貫通する。第3コンタクトホール213は、層間絶縁膜50を貫通する。第4コンタクトホール221は、層間絶縁膜50と、第1誘電層31~第5誘電層35および第1導電層41~第5導電層45を貫通する。第5コンタクトホール222は、層間絶縁膜50と、第3誘電層33~第5誘電層35および第3導電層43~第5導電層45を貫通する。第6コンタクトホール223は、層間絶縁膜50と、第5誘電層35および第5導電層45を貫通する。
【0017】
以下において、第1電極21と第2電極22のそれぞれを限定しない場合は、単に電極と表記する。また、第1コンタクトホール211~第6コンタクトホール223を総称してコンタクトホールと表記する。誘電層30、導電層40および層間絶縁膜50を貫通するコンタクトホールの内部に、電極が埋め込まれている。コンタクトホールの側面は第3層間絶縁膜53によって被覆されており、電極はコンタクトホールの底面に露出した半導体基板1又は導電層40とのみ電気的に接続する。
【0018】
以下に、半導体装置の動作について説明する。第1電極21に負の電圧、第2電極22に正の電圧を印加すると、第1導電層41、第3導電層43および第5導電層45に正電荷が充電され、第2導電層42および第4導電層44に負電荷が充電される。このとき、導電層40の間に配置された誘電層30の内部で分極が起こり、静電容量が発生する。また、半導体基板1が導電性基板の場合に、半導体基板1をキャパシタ構造の電極として機能させてもよい。すなわち、半導体基板1と第1導電層41の間に配置された第1誘電層31の内部で分極が起こり、半導体基板1に負電荷が充電される。このように、半導体基板1をキャパシタ構造の電極とすることにより、キャパシタ構造の容量値を増やすことができる。なお、第1電極21と第2電極22に印加する電圧の正負は上記と逆でもよい。
【0019】
図2に示すように、平面視で隣接する溝10の間にコンタクトホールが配置されている。溝10の間にコンタクトホールを配置することにより、半導体基板1の外周領域にコンタクトホールを配置する場合に比べて、コンタクトホールの個数を多くすることができる。また、半導体基板1の中心付近に形成した溝10の近傍にコンタクトホールを配置することができるため、電極と導電層40の間の等価直列抵抗(ESR)を低減することができる。
【0020】
第1の実施形態に係る半導体装置では、半導体基板1に形成した溝10の内部に複数の誘電層30を導電層40と交互に積層し、それぞれの誘電層30で静電容量を発生できる。このため、半導体基板1の面積あたりの容量密度を向上することができる。
【0021】
以下に、図3A図3B図15A図15Bを参照して、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。図3B図12Bは、図3A図12AのB-B方向に沿った断面図である。なお、以下に述べる半導体装置の製造方法は一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能である。
【0022】
まず、相互に対向する第1主面110と第2主面120を有する半導体基板1を準備する。第1主面110と第2主面120は、素子領域と素子領域の周囲を囲む外周領域を含むように定義される。そして、図3Aおよび図3Bに示すように、半導体基板1の第1主面110において、素子領域を囲むように環状の第1凸部11を外周領域に形成する。第1凸部11は、第1主面110上に堆積させた第1マスク材71をパターニングして形成したエッチングマスクを用いて、第1主面110を選択的にエッチングして形成される。
【0023】
マスク材としては、例えばシリコン酸化膜を用いることができる。マスク材の堆積方法としては、熱化学気相成長法(熱CVD法)やプラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)を用いることができる。マスク材のパターニングは、例えばマスク材の表面に形成したフォトレジスト膜をフォトリソグラフィ技術によりパターニングし、フォトレジスト膜をエッチングマスクとしてマスク材をエッチングして行う(以下のマスク材のパターニングにおいて同様。)。マスク材をパターニングした後、フォトレジスト膜は酸素プラズマや硫酸などにより除去される。
【0024】
次いで、図4Aおよび図4Bに示すように、半導体基板1の第2主面120において、素子領域を囲むように環状の第2凸部12を外周領域に形成する。第2凸部12は、第2主面120上に堆積させた第2マスク材72をパターニングして形成したエッチングマスクを用いて、第2主面120を選択的にエッチングして形成される。
【0025】
素子領域の表面から凸部の表面までの主面の法線方向に沿った長さ(以下、「凸部の高さ」と称する。)は、例えば2μm程度である。なお、凸部を形成するためにエッチングにより主面の法線方向に後退させた半導体基板1の表面についても、第1主面110および第2主面120と称する。
【0026】
その後、図5Aおよび図5Bに示すように、半導体基板1の第1主面110から第2主面120に向けて複数の溝10を形成する。溝10は、例えば、第1主面110上に堆積させたマスク材をパターニングして形成したエッチングマスクを用いたエッチングにより形成される。
【0027】
溝10を形成するためのエッチング方法としては、水酸化カリウム(KOH)をエッチング液に用いたウェットエッチング法や、反応性イオンエッチングなどのドライエッチング法を用いることができる。
【0028】
溝10を形成した後、溝10の内部に誘電層30と導電層40を積層したキャパシタ構造を形成する。まず、図6Aおよび図6Bに示すように、半導体基板1の表面に第1誘電層31を堆積する。誘電層30として、例えばシリコン酸化膜を用いてもよい。誘電層30の堆積方法として、熱酸化法又は熱CVD法を用いてもよい。熱CVD法を用いる場合は、減圧条件で誘電層30を堆積することによって、溝10が深い場合にもカバレッジ良くシリコン酸化膜を溝10の内部に堆積できる。
【0029】
次に、図7Aおよび図7Bに示すように、第1誘電層31を覆うように第1導電層41を堆積する。導電層40として、例えばポリシリコン膜を用いてもよい。ポリシリコン膜の堆積方法に、減圧CVD法を用いてもよい。なお、ポリシリコン膜を堆積した後に、オキシ塩化リン(POCl3)中で950℃のアニール処理することで、n型のポリシリコン膜を形成し、導電層40に導電性を持たせてもよい。或いは、金属膜およびシリサイド膜を導電層40に用いてもよい。
【0030】
その後、第1誘電層31および第1導電層41の形成と同様にして、第2誘電層32、第2導電層42、第3誘電層33、第3導電層43、第4誘電層34、第4導電層44、第5誘電層35、第5導電層45を順次積層する。溝10は第5導電層45により埋め込まれる。これにより、図8Aおよび図8Bに示すように、溝10の内部に誘電層30と導電層40を5層ずつ堆積した構造が形成される。
【0031】
次いで、凸部の内側を埋め込んで素子領域を覆う層間絶縁膜を形成する。すなわち、図9Aおよび図9Bに示すように、第5導電層45を覆って第1層間絶縁膜51を堆積する。第1層間絶縁膜51に、例えばシリコン酸化膜を用いてもよい。
【0032】
その後、図10Aおよび図10Bに示すように、凸部の表面が露出するまで第1層間絶縁膜51の表面をエッチングして平坦化する。第1層間絶縁膜51の表面を平坦化することにより、第1層間絶縁膜51の表面と凸部の表面とが同一平面レベルになる。例えば、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)法を用いて第1層間絶縁膜51の表面を平坦化してもよい。
【0033】
第1層間絶縁膜51の表面を平坦化した後、図11Aおよび図11Bに示すように、第1層間絶縁膜51の表面に第2層間絶縁膜52を形成する。第2層間絶縁膜52に、例えばシリコン酸化膜を用いてもよい。
【0034】
第2層間絶縁膜52を形成した後、図12Aおよび図12Bに示すように、第1層間絶縁膜51、第2層間絶縁膜52および導電層40のすべての層又は一部の層を、図示を省略したエッチングマスクを用いてエッチングして、コンタクトホールを形成する。例えば、エッチングマスクにフォトレジスト膜を用いてもよいし、ドライエッチング法によってコンタクトホールを形成してもよい。第1コンタクトホール211の底部に、第1導電層41の表面が露出する。第2コンタクトホール212の底部に、第3導電層43の表面が露出する。第3コンタクトホール213の底部に、第5導電層45の表面が露出する。第4コンタクトホール221の底部に、半導体基板1の主面が露出する。第5コンタクトホール222の底部に、第2導電層42の表面が露出する。第6コンタクトホール223の底部に、第4導電層44の表面が露出する。
【0035】
上記のように、第1コンタクトホール211~第6コンタクトホール223のそれぞれに応じて、エッチングにより除去する層が異なる。このため、例えば各層を貫通する工程ごとにコンタクトホールを形成するためのマスク材のパターンを作り変えてもよい。
【0036】
コンタクトホールを形成した後、第3層間絶縁膜53を形成する。第3層間絶縁膜53は、第2層間絶縁膜52の表面と、コンタクトホールの側面および底面を覆う。その後、図13Aおよび図13Bに示すように、コンタクトホールの底面の第3層間絶縁膜53を除去する。例えば、ドライエッチング法によってコンタクトホールの底面の第3層間絶縁膜53を除去してもよい。
【0037】
次いで、図14Aおよび図14Bに示すように、第3層間絶縁膜53の表面に第1電極21と第2電極22を形成する。第1電極21と第2電極22により、コンタクトホールは埋め込まれる。これにより、電極は導電層40および半導体基板1と電気的に接続する。電極の材料に、例えばチタン(Ti)/アルミニウム(Al)膜を用いてもよい。電極の形成方法には、スパッタ法、電子ビーム(EB)蒸着法、原子層体積(Atomic Layer Deposition:ALD)法などを使用可能である。
【0038】
その後、図15Aおよび図15Bに示すように、半導体基板1を複数のチップに分割するチップダイシング工程を行う。チップダイシング工程では、例えばダイシングブレードBLによって、凸部に重なるダイシングラインDLに沿って半導体基板1を外周領域において切断する。ダイシングブレードBLの刃幅よりも凸部の幅が広いことにより、チップ化された半導体装置の断面に凸部の一部が残存する。凸部の幅は、半導体基板1の断面図における主面と平行な凸部の長さである。例えば、ダイシングブレードBLの刃幅は100μmであり、凸部の幅は120μm~150μm程度である。
【0039】
チップダイシング工程により形成されたチップの側面に、半導体基板1、誘電層30、導電層40、層間絶縁膜50の端面が露出する。以上により、図1に示した半導体装置が完成する。
【0040】
上記では、CMP法を用いて第1層間絶縁膜51の表面を研磨して、第1層間絶縁膜51の表面を凸部の表面と同一平面レベルにする方法を説明した。CMP法などの研磨法を用いて第1層間絶縁膜51と凸部の高さを一致させることにより、第1層間絶縁膜51および凸部の表面の平坦度を高くすることができる。第1層間絶縁膜51および凸部の表面を平坦度の高い同一平面レベルにすることにより、その後の成膜工程が容易である。例えば、第1層間絶縁膜51および凸部の上方に形成される第1電極21および第2電極22のステップカバレッジの低下を抑制できる。
【0041】
或いは、誘導結合プラズマ-反応性イオンエッチング(ICP-RIE)法などのドライエッチング法を用いて第1層間絶縁膜51の表面をエッチングして、第1層間絶縁膜51の表面を凸部の表面と同一平面レベルにしてもよい。ドライエッチング法を用いて第1層間絶縁膜51と凸部の高さを一致させることにより、高い精度でエッチング範囲を画定させることができる。
【0042】
また、ウェットエッチング法を用いて第1層間絶縁膜51の表面をエッチングして、第1層間絶縁膜51の表面を凸部の表面と同一平面レベルにしてもよい。ウェットエッチング法を用いて第1層間絶縁膜51と凸部の高さを一致させることにより、ドライエッチング法よりも低コストで第1層間絶縁膜51の表面と凸部の表面を同一平面レベルにすることができる。
【0043】
なお、上記では第1層間絶縁膜51を平坦化した後に第2層間絶縁膜52を形成する方法を説明したが、第1層間絶縁膜51を厚く形成してその表面を平坦化してもよい。これにより、第2層間絶縁膜52の形成を省略し、製造工程を短縮することができる。ただし、第1層間絶縁膜51を平坦化してから第2層間絶縁膜52を形成する方法によれば、層間絶縁膜の表面を平坦化しやすい。
【0044】
半導体基板1に溝10を形成するエッチングには、ドライエッチング法を用いてもよいし、ウェットエッチング法を用いてもよい。ドライエッチング法を用いることにより、深い溝10を容易に形成することができる。ウェットエッチング法を用いることにより、ドライエッチング法よりも安いコストで溝10を形成することができる。
【0045】
上記の一連の半導体装置の製造方法において、半導体製造装置によって半導体基板1の第1主面110の処理を行う場合には、第2主面120が半導体製造装置の基板ステージに吸着される。図1に示す半導体装置によれば、第1主面110に素子を形成する工程において、基板ステージに吸着される第2主面120に第2凸部12が形成されていることにより、第2主面120の素子領域が基板ステージに密着することが防止される。このため、第2主面120に形成された素子が破損することが抑制される。そして、第2主面120に素子を形成する工程において、基板ステージに吸着される第1主面110に第1凸部11が形成されていることにより、第1主面110の素子領域が基板ステージに密着することが防止される。このため、第1主面110に形成された素子が破損することが抑制される。
【0046】
これに対し、図16に示す凸部を有さない第1比較例基板1Aでは、第1主面110に素子を形成する工程において、第2主面120の素子領域が基板ステージ300に密着する。このため、第2主面120に形成された素子が破損するおそれがある。また、第1比較例基板1Aの第2主面120に素子を形成する工程において、第1主面110の素子領域が基板ステージ300に密着する。このため、第1主面110に形成された素子が破損するおそれがある。
【0047】
上記のように、第1の実施形態に係る半導体装置によれば、半導体基板1の第1主面110と第2主面120のそれぞれに凸部を配置することによって段差を設けることにより、素子領域が基板ステージに密着することが防止される。このため、第1主面110と第2主面120の素子領域に形成した素子の破損を抑制することができる。
【0048】
また、図17に示す第2比較例基板1Bのように主面に凸部を形成した場合に、第1凸部11の内側および第2凸部12の内側が空洞であると、第2比較例基板1Bの主面を吸着するときに第2比較例基板1Bが湾曲する。その結果、第2比較例基板1Bに形成されたコンデンサ構造などの素子が破壊されるおそれがある。しかし、図1に示した半導体装置によれば、凸部の内側を第1層間絶縁膜51で埋め込むことにより、半導体基板1の主面を吸着するときに半導体基板1が湾曲することを抑制できる。
【0049】
なお、第1主面110と第2主面120に同様の構造の素子が対称に形成される場合には、半導体基板1に反りは発生しにくい。しかしながら、第1主面110に形成される素子と第2主面120に形成される素子の構造の相違に起因して、半導体基板1に反りが発生することが一般的である。半導体基板1に発生する反り量を抑制するために、第1層間絶縁膜51について第1主面110に形成する膜厚と第2主面120に形成する膜厚を調整してもよい。すなわち、第1主面110に形成する第1凸部11の高さと第2主面120に形成する第2凸部12の高さを調整して、半導体基板1の反り量を抑制してもよい。例えば、第1主面110が凹むように半導体基板1が反りやすい場合には、第1主面110の第1層間絶縁膜51の膜厚を、第2主面120の第1層間絶縁膜51の膜厚よりも厚くしてもよい。
【0050】
以上に説明したように、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置では、主面の外周領域に凸部を環状に設けることにより、製造工程において基板ステージに主面が押し付けられることに起因して素子が破損することを抑制できる。また、凸部の内側を埋め込んで素子領域を覆って層間絶縁膜が形成されているため、半導体基板1の反りの発生を抑制することができる。このため、第1の実施形態に係る半導体装置によれば、主面に形成された素子の破損を防止することができる。
【0051】
上記のように、第1の実施形態に係る半導体装置では、主面の素子領域をエッチングにより半導体基板1の厚さ方向に後退させることにより、凸部を形成する。つまり、凸部は半導体基板1の一部であり、凸部は半導体基板1と同一の材料である。このように半導体基板1を加工して凸部を形成し、半導体基板1と凸部が一体化していることにより、凸部を形成した後の半導体基板1の剛性を向上させることができる。すなわち、凸部の形成された部分では半導体基板1が厚くなり、半導体基板1の剛性が高くなる。
【0052】
図1に示したように、溝10は、第1主面110から第2主面120まで半導体基板1を貫通してもよい。溝10が半導体基板1を貫通することにより、溝10の内部の導電層40の面積が増大し、半導体基板1の単位面積当たりの容量密度を上げることができる。
【0053】
半導体基板1に、シリコン基板を用いてもよい。安価なシリコン基板を半導体基板1に使用することにより、半導体装置の製造コストを低減することができる。
【0054】
半導体基板1にシリコン基板を用いた場合に、半導体基板1の第1主面110の面方位を(110)とし、溝10の側壁の面方位を(111)としてもよい。半導体基板1がシリコン基板の場合には、(111)面に沿って半導体基板1が劈開しやすい。このため、溝10の長手方向の側壁を(111)面にすることにより、半導体基板1の(111)面が溝10の長手方向の側壁を横切ることを防止できる。その結果、溝10を分断する劈開の発生を抑制できる。また、第1主面110が(110)面であり溝10の側壁が(111)面である場合に、溝10の側壁が第1主面110と直交する。つまり、第1主面110から垂直に溝10が深さ方向に延伸する。
【0055】
上記では、半導体基板1が導電性基板である場合について説明したが、半導体基板1が絶縁性基板であってもよい。半導体基板1が絶縁性であることにより、半導体基板1に複数の素子を形成した場合に、素子間を絶縁分離する分離領域を形成する必要がない。つまり、素子分離が容易である。なお、半導体基板1が絶縁性基板である場合には、半導体基板1と電極とを電気的に接続するコンタクトホールは不要である。
【0056】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置では、チップダイシング工程において使用するダイシングブレードBLの刃幅よりも凸部の幅を狭く設定する。この場合、図18Aに示すようにダイシングブレードBLによって凸部に重なるダイシングラインDLに沿って半導体基板1を外周領域において切断することにより、第1凸部11および第2凸部12が削除される。その結果、図18Bに示すように、チップ化された後の半導体装置では一方の端部から他方の端部まで主面が同一平面レベルである。例えば、ダイシングブレードBLの刃幅は100μmであり、凸部の幅は50μm~80μm程度である。その他の構成については、第2の実施形態に係る半導体装置は、第1の実施形態と同様である。
【0057】
第2の実施形態に係る半導体装置においても、主面の外周領域に凸部を環状に設けることにより、製造工程において基板ステージに素子領域が押し付けられることに起因して素子が破損することを抑制できる。また、凸部の内側を埋め込んで素子領域を覆って層間絶縁膜が形成されているため、半導体基板1の反りの発生を抑制することができる。
【0058】
更に、第2の実施形態に係る半導体装置によれば、第1凸部11および第2凸部12の幅を狭くすることにより、半導体基板1の主面における素子領域の割合を上げることができる。その結果、半導体装置の製造コストを低減することができる。他は、第2の実施形態に係る半導体装置は第1の実施形態と実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。
【0059】
(第3の実施形態)
図19に示す第3の実施形態に係る半導体装置は、凸部が半導体基板1と異なる材料である点が、凸部が半導体基板1と同じ材料である第1の実施形態と異なる。その他の構成については、第3の実施形態に係る半導体装置は、第1の実施形態と同様である。
【0060】
図19に示す半導体装置の凸部は、例えば酸化膜などの絶縁材料を採用してもよい。凸部の材料として半導体基板1の主面に形成した酸化膜をパターニングして第1凸部11と第2凸部12を形成することにより、半導体基板1の主面をエッチングして凸部を形成する工程を除外できる。したがって、凸部を半導体基板1と異なる材料にすることにより、例えばドライエッチング法を用いて主面をエッチングすることによる半導体基板1のダメージを抑制できる。
【0061】
図19に示す半導体装置においても、主面の外周領域に凸部を環状に設けることにより、製造工程において基板ステージに素子領域が押し付けられることに起因して素子が破損することを抑制できる。また、凸部の内側を埋め込んで素子領域を覆って層間絶縁膜が形成されているため、半導体基板1の反りの発生を抑制することができる。他は、第3の実施形態に係る半導体装置は第1又は第2の実施形態と実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。例えば、第3の実施形態に係る半導体装置においても、チップダイシング工程において凸部を削除してもよい。
【0062】
(第4の実施形態)
図20に示す第4の実施形態に係る半導体装置は、内部にコンデンサ構造が構成された溝10が第1主面110のみに形成され、第2主面120に溝10が形成されていない。つまり、図20に示す半導体装置は、第1主面110から延伸する溝10が第2主面120に達していないことが、溝10が第1主面110から第2主面120まで半導体基板1を貫通している第1の実施形態に係る半導体装置と異なる点である。その他の構成については、第4の実施形態に係る半導体装置は、第1の実施形態と同様である。
【0063】
図20に示す半導体装置では、第1電極21と第2電極22のいずれも半導体基板1の第1主面110側の層間絶縁膜50の表面に配置されている。第1電極21と第2電極22は、コンタクトホールを介して導電層40のいずれか又は半導体基板1と電気的に接続されている。半導体基板1の第2主面120には、誘電層30と導電層40が交互に積層されている。半導体基板1の第2主面120に第2凸部12が形成され、層間絶縁膜50により平坦化されている。
【0064】
図20に示す半導体装置では、第1主面110に素子を形成する工程において、第2主面120が基板ステージに吸着される。このとき、第2凸部12によって、第2主面120の素子領域が保護される。言い換えると、第2主面120の素子領域に形成された図20には図示されていない素子の破損が抑制される。また、第1主面110と第2主面120のいずれかのみに素子領域が設定された半導体基板1を備える半導体装置であっても、素子領域の周囲を囲むように凸部を形成することにより、素子領域に形成された素子の破損を抑制できる。更に、凸部の内側を層間絶縁膜で埋め込むことにより、半導体基板1の反りの発生を抑制できる。
【0065】
以上に説明したように、第4の実施形態に係る半導体装置においても、主面の外周領域に凸部を環状に設けることにより、製造工程において基板ステージに素子領域が押し付けられることに起因して素子が破損することを抑制できる。また、凸部の内側を埋め込んで素子領域を覆って層間絶縁膜が形成されているため、半導体基板1の反りの発生を抑制することができる。
【0066】
他は、第4の実施形態に係る半導体装置は第1乃至第3の実施形態と実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。例えば、第4の実施形態に係る半導体装置においても、チップダイシング工程において凸部を削除してもよいし、凸部を半導体基板1と異なる材料にしてもよい。
【0067】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0068】
例えば、凸部の形成と同時に、製造工程で使用するマスクパターンと半導体基板1を位置合わせするための位置合わせパターンを外周領域に形成してもよい。位置合わせパターンを用いて、半導体装置のそれぞれの製造工程で使用されるマスクパターンについて半導体基板1を基準とする位置合わせが行われる。例えば、図21に示すように、凸部の表面に位置合わせパターン80を形成してもよい。凸部と同時に位置合わせパターンを形成することにより、位置合わせパターンのみを形成する工程を行う必要がなく、半導体装置の製造工程を低減することができる。
【0069】
上記では導電層40がn型のポリシリコン膜である場合を説明したが、導電層40がp型のポリシリコン膜であってもよい。或いは、導電層40が他の半導体材料であってもよいし、金属材などの導電性材料であってもよい。例えば、導電層40の材料が、導電型ポリ炭化珪素、シリコンゲルマニウム(SiGe)、アルミニウム(Al)であってもよい。また、電極の材料は、Ti/Al以外の例えば銀(Ag)、ニッケル(Ni)などの金属材であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 半導体基板
10 溝
11 第1凸部
12 第2凸部
21 第1電極
22 第2電極
30 誘電層
40 導電層
50 層間絶縁膜
110 第1主面
120 第2主面
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21