(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011526
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20240118BHJP
G06F 16/17 20190101ALI20240118BHJP
【FI】
G06T1/00 200A
G06F16/17 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113563
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】522039773
【氏名又は名称】株式会社 ラセングル
(74)【代理人】
【識別番号】100153246
【弁理士】
【氏名又は名称】伊吹 欽也
(72)【発明者】
【氏名】石田 臣
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050DA04
5B050EA09
5B050FA05
(57)【要約】
【課題】
所定のファイル形式の画像に対して所望の画像処理を施し別のファイル形式に変換する処理において、該処理時間およびエラーを低減することが可能な情報処理方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、出力画像に応じて、確認用入力画像、実装用入力画像、仮実装用入力画像を用意し(ステップS31)、所定の画像処理ソフトウエアを制御して、確認用入力画像、実装用入力画像、仮実装用入力画像の各々に対して、対応する画像処理を実行し(ステップS33)、画像処理が実行された確認用入力画像、実装用入力画像、仮実装用入力画像の各々のファイル形式を第1のファイル形式から第2のファイル形式に変換する(ステップS35)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のファイル形式の第1の画像に対して所定の画像処理を施し、該画像処理が施された、前記第1のファイル形式とは異なる第2のファイル形式の第2の画像を少なくとも1つ出力する情報処理方法であって、
前記出力するべき第2の画像に応じて、前記少なくとも1つの第2の画像に対応する第1の画像を用意する工程と、
所定の画像処理ソフトウエアを制御して、前記用意された少なくとも1つの第1の画像の各々に対して、対応する画像処理を実行する工程と、
前記画像処理が実行された少なくとも1つの第1の画像の各々のファイル形式を前記第1のファイル形式から前記第2のファイル形式に変換する工程と
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
コンピュータに、
第1のファイル形式の第1の画像に対して所定の画像処理を施し、該画像処理が施された、前記第1のファイル形式とは異なる第2のファイル形式の第2の画像を少なくとも1つ出力する情報処理方法を実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
前記出力するべき第2の画像に応じて、前記少なくとも1つの第2の画像に対応する第1の画像を用意する工程と、
所定の画像処理ソフトウエアを制御して、前記用意された少なくとも1つの第1の画像の各々に対して、対応する画像処理を実行する工程と、
前記画像処理が実行された少なくとも1つの第1の画像の各々のファイル形式を前記第1のファイル形式から前記第2のファイル形式に変換する工程と
を有することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
Computer Graphics(CG)技術の発展により、ゲームやアニメの映像は益々魅力的なものとなってきている。例えばゲーム用の背景画像を生成する場合、Photoshop(登録商標)といった画像編集ソフトウエアが使われることが多く、こういった画像編集ソフトウエアにて作成された背景画像は、必要に応じて所定の画像処理が施されてUnityといったゲームエンジンに入力されることになる。
【0003】
通常ゲームやアニメにおいては、背景画像を例にとっても様々なシーンに対応するべく大量のデータが必要となる。一方で例えば、デザイナーやクリエイターによってPhotoshop(登録商標)を用いて画像を生成した場合、そのデータのファイル形式はPSD形式等で出力されることが多い。ある背景画像に対しては、このPSD形式のファイルサイズは約100MBとなり、そのゲームに必要な背景画像数が1000枚であるとすると、単純計算で背景画像だけでも約100GBのファイルサイズとなってしまう。
【0004】
上記背景画像のデータは、グループで作業するべく、オンラインストレージや開発プラットフォームにアップロードしたりダウンロードすることが頻繁に行われる。こいうった状況においてはデータの肥大化が問題となっており、背景画像のファイルサイズが大きいと、処理するPersonal Computer(PC)のスペックや回線によっては「半日かかってもダウンロードが終わらない」、といった状況が起こり得る。データのアップロードやダウンロードにかかる時間は、作業効率や工数に直結するので、適切なファイルサイズにすることは重要な要素と言えるであろう。
【0005】
そこで、デザイナー等によって生成された画像をゲームエンジンに入力する段階までに、そのファイル形式をファイルサイズがより小さい他のファイル形式に変換する処理が行われることがある。一例として上記PSD形式のファイルをPNG形式に変換することにより、例えば約100MB(PSD形式)だったファイルサイズを約1.0MB(PNG形式)に縮小することができる。
【0006】
そしてゲームによっては、ゲームエンジン入力用として上記ファイル形式を変換する前に、背景画像に対して上述のように所定の画像処理が施されることもある。このような画像処理としては例えば、カンバスサイズの変更や画像解像度の変更等がある。
【0007】
ここで上述の流れの一例を纏めると、デザイナー等がPhotoshop(登録商標)にて背景画像を作成してPSD形式の背景画像データを生成する。次いである作業者がPhotoshop(登録商標)を用いて上記PSD形式の背景画像データに対して所定の画像処理(カンバスサイズの変更や画像解像度の変更等)を実行し、PSD形式の画像処理済みの背景画像データを生成する。次いで上記作業者が適切なファイルサイズとなるゲームエンジン用のデータを生成するべく、PSD形式の画像処理済みの背景画像データのファイル形式をPNG形式に変換し、ゲームエンジン用背景画像を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Photoshopでキャンバスサイズや解像度を変える方法、インターネット<https://tutusia.com/photshop-resolution-resizing>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように画像編集ソフトウエアによって所定の画像処理(カンバスサイズの変更や画像街道度の変更等)を行う場合、それらの処理は人の手によって実行しなければならない。例えばカンバスサイズを変更する際は、作業者が、カンバスサイズ変更の実行用のウィンドウを開き、該ウィンドウにおいて変更後のカンバスサイズを入力し、実行ボタンを押下することによって、上記変更がなされる(非特許文献1参照)。また、上述のようにゲームエンジンに入力するファイル形式としては、例えば容量削減を目的として、背景画像の生成や所定の画像処理が実行されるファイル形式(例えば、PSD形式)から、PNG形式等に変更するが、該ファイル形式の変更も人の手によって行われる。
【0010】
このように画像処理やファイル形式の変換処理は人の手によって実行されるが、1つの画像においてこのような処理対象が多くなると人の手による作業数が増加するので、入力ミス等のヒューマンエラーを起こしやすくなってしまう。このようなヒューマンエラーが生じると、該エラーが発見されなかった場合は質の低下に繋がってしまうし(正しいカンバスサイズとは違うモノが紛れてしまう等)、エラーが発見された場合もエラーの発生個所の発見および修正といった余計な工数を発生させてしまう。ゲームやアニメといった大量の画像を扱う場合は、さらにそういった問題が起こり易くなってしまうであろう。
【0011】
さらに、上述のように画像処理やファイル形式の変換処理を人の手で実行する場合は、その処理を実行するためのウィンドウを開いたり、所定の入力操作をする必要があり、処理時間が増大していた。
【0012】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、所定のファイル形式の画像に対して所望の画像処理を施し別のファイル形式に変換する処理において、該処理時間およびエラーを低減することが可能な情報処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するために、本発明の第一の態様は、第1のファイル形式の第1の画像に対して所定の画像処理を施し、該画像処理が施された、前記第1のファイル形式とは異なる第2のファイル形式の第2の画像を少なくとも1つ出力する情報処理方法であって、前記出力するべき第2の画像に応じて、前記少なくとも1つの第2の画像に対応する第1の画像を用意する工程と、所定の画像処理ソフトウエアを制御して、前記用意された少なくとも1つの第1の画像の各々に対して、対応する画像処理を実行する工程と、前記画像処理が実行された少なくとも1つの第1の画像の各々のファイル形式を前記第1のファイル形式から前記第2のファイル形式に変換す
る工程とを有することを特徴とする。
本発明の第二の態様は、コンピュータに、第1のファイル形式の第1の画像に対して所定の画像処理を施し、該画像処理が施された、前記第1のファイル形式とは異なる第2のファイル形式の第2の画像を少なくとも1つ出力する情報処理方法を実行させるプログラムであって、前記情報処理方法は、前記出力するべき第2の画像に応じて、前記少なくとも1つの第2の画像に対応する第1の画像を用意する工程と、所定の画像処理ソフトウエアを制御して、前記用意された少なくとも1つの第1の画像の各々に対して、対応する画像処理を実行する工程と、前記画像処理が実行された少なくとも1つの第1の画像の各々のファイル形式を前記第1のファイル形式から前記第2のファイル形式に変換する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、所定のファイル形式の画像に対して所望の画像処理を施し別のファイル形式に変換する処理において、該処理時間およびエラーを低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る入力画像から出力画像になるまでの流れを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る所定の画像処理およびファイル形式の変換の処理手順を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態に係る画像処理の方法を指定するための情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0017】
本発明の一実施形態では、第1のファイル形式(例えば、PSD形式)であるゲームやアニメの所定の画像(例えば、背景画像)に対して所定の画像編集ソフトウエアによって所定の画像処理(例えば、カンバスサイズの変更)を施し、第1のファイル形式とは異なる第2のファイル形式(PNG形式)に変換するものであって、上記画像処理およびファイル形式の変換を自動で行うものである。上記第1のファイル形式の所定の画像は、本発明の一実施形態に係る処理(上記自動で実行される画像処理およびファイル形式の変換)に対して入力される画像であるので“入力画像”とも言うことにする。また、上記第2のファイル形式の画像は、本発明の一実施形態に係る処理によって出力される画像であるので“出力画像”とも言うことにする。
【0018】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置100の概略構成を示す図である。
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、GPU(Graphics Processing Unit)102、ストレージ103、メモリ104、出力インタフェース(I/F)105、リーダ106、リーダインタフェース(I/F)107、入力インタフェース(I/F)108、通信モジュール109を備えている。情報処理装置100には、出力I/F105を介して表示部110が接続され、また入力I/F108を介して入力部111が接続される。
【0019】
CPU101は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するものであり、例えばストレージ103から所定のプログラムをメモリ104にロードし、該プログラムに含まれる一連の命令を実行することによって、様々な処理を実行するよう機能する。GPU102は、画像処理を行うためのプロセッサであって、CPU101からの所定の命令に応じて画像を描画し、表示部110に画像を表示させる。
【0020】
ストレージ103は、CPU101が読み出して実行するためのプログラム(例えば、
図3に示すプログラム、画像編集ソフトウエアとしてのPhotoshop(登録商標)等)及び各種のデータが格納されている。メモリ104は、データ及びプログラムを一時的に保持する。メモリ104は、揮発性メモリであり、CPU101やGPU102の処理動作中のデータや入力データ、さらにはリーダ106にて読み取られたデータ(画像等)を一時的に格納するものであって、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0021】
出力I/F105は、CPU101やGPU102の指令に従って、ディスプレイといった表示部110に映像を表示する。リーダ106は、情報処理装置100に設けられ、背景画像といった入力画像が格納されたメモリカードやDVD(Digital Versatile Disc)といった外部記憶媒体を装着可能に構成され、該装着された外部記憶媒体から所定のデータ(入力画像等)を読み取る。リーダI/F107は、CPU101からの指令に応じて、リーダ106に装着された外部記憶媒体からのデータの読み取りを行う。入力I/F108は、キーボード等の入力部111を介してプレイヤが操作することによって入力された操作に関する入力信号を受付ける。通信モジュール109は、通信回路網に接続されて、通信回路網に接続されている他のコンピュータと通信する。この通信は有線であっても無線であってもよい。通信モジュール109を介して入力画像といった所定のデータを取得しても良い。
【0022】
本実施形態では、ゲームの背景画像に関するものであり、クリエイターによって生成された入力画像に対して所定の画像処理を施し、ファイル形式を変換してゲームエンジンに入力するための出力画像を出力するものである。本実施形態では、第1のファイル形式をPSD形式(入力画像のファイル形式)とし、第2のファイル形式をPNG形式(出力画像のファイル形式)とし、所定の画像処理に用いる画像編集ソフトウエアをPhotoshop(登録商標)とする。また、出力画像として、確認用画像、実装用画像、仮実装用画像の3種類を出力可能とするものである。
【0023】
本実施形態において、「確認用画像」とは、プロジェクト管理ツール等で他の作業者や他の部門のメンバーとのやり取りにおいて、ゲーム画面上で表示される比率での見た目を確認・比較・評価などをするための参考用の画像である。「実装用画像」とは、ゲームに適した矩形サイズに整形された画像であって、実際にゲームに組み込んで使用される画像である。「仮実装用画像」とは、基本的な仕様は実装用画像と同一であるが、まだ背景の内容が決定されていない場合などに、“これは仮であること”が認識されるように文字列や図形を描き込んだ画像である。なお、本実施形態では出力画像として上記3つの画像を挙げているが、これらに限定されない。すなわち、本実施形態では、出力画像が何かであったり、その種類の数が重要ではなく、用途に応じて様々な種類の画像(少なくとも1つの画像)を出力画像(第2のファイル形式の画像)として出力できることが重要なのである。
【0024】
図2は、本実施形態に係る入力画像から出力画像になるまでの流れを示す図である。
図2において、入力画像201は、クリエイターによって生成された画像であって、PSD形式(第1のファイル形式)のデータである。出力画像202は、入力画像201に対して所定の画像処理が実行され、第2のファイル形式であるPNG形式に変換された画像である。本実施形態では、出力画像202として確認用画像202a、実装用画像202b、および仮実装用画像202cが出力されるので、入力画像201として確認用画像202aに対応する確認用入力画像201a、実装用画像202bに対応する実装用入力画像201b、および仮実装用画像202cに対応する仮実装用入力画像201cが用意される。これら確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、および仮実装用入力画像201cはそれぞれ入力画像201と同一のものである。一方、確認用画像202a、実装用画像202b、および仮実装用画像202cは、上述のようにそれぞれ異なる役割を持つ異なる画像である。
【0025】
情報処理装置100は、例えば入力画像201をコピーするなどして、出力画像として必要な種類の数だけ入力画像201と同一の画像(確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、仮実装用入力画像201c)を用意する。次いで情報処理装置100は、用意された確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、および仮実装用入力画像201cに対して、画像編集ソフトウエア(ここでは、Photoshop(登録商標))にそれぞれの入力画像に対応する画像処理202を実行させる。次いで、情報処理装置100は、画像処理が施された、確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、および仮実装用入力画像201cの各々のファイル形式をPSD形式からPNG形式に変換する。これによって、所定の画像処理が施され、かつファイル形式がPNG形式の確認用画像202a、実装用画像202b、および仮実装用画像202cが取得されるのである。
【0026】
図3は、本実施形態に係る所定の画像処理およびファイル形式の変換の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、CPU101がストレージ103に格納された
図3に示すプログラムを読み出し、該プログラムを実行することによって行われる。なお、本発明の前提として、
図3に示す本実施形態に係る処理が実現される前から、本実施形態に係るゲームは稼働しており、該実現前においては、クリエイターが生成した背景画像に対する画像処理は所定の画像編集ソフトウエア(ここではPhotoshop(登録商標)とする)を用いて人の手によって実行されていたとする。
【0027】
本実施形態では、情報処理装置100は、リーダ107に装着された外部記憶媒体や通信モジュール109を介してPSD形式の入力画像201を取得する。あるいは、入力部111を駆使してクリエイターによって情報処理装置100にて入力画像201が生成されても良い。このようにして取得された入力画像201はメモリ104に格納される。作業者が入力部111を介して本処理を開始する指示を入力すると、ステップS31にてCPU101は、確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、および仮実装用入力画像201cを各々取得する。すなわち、本実施形態では出力画像として確認用画像202a、実装用画像202b、および仮実装用画像202cの3種類の画像を生成することになるので、入力画像201と同一の画像を3つ用意する必要がある。よって、CPU101は、メモリ104に格納された入力画像201のコピー画像を3つ作成することにより、確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、および仮実装用入力画像201c(それぞれPSD形式)を生成する。
【0028】
ステップS32では、CPU101は、確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、および仮実装用入力画像201cの各々に対してそれぞれ適切な画像処理を施すべく、Photoshop(登録商標)に対して、上記画像処理を実行させる実行指令を発する。本実施形態では、入力画像に対する画像処理については、上述の前提のように本ゲームについて以前より人の手によって用いられていたPhotoshop(登録商標)により画像処理を行う。従って、CPU101は、画像処理については本処理の実現以前と同様のものを使うべく、Photoshop(登録商標)に画像処理をさせるのである。
【0029】
ステップS33では、CPU101は、ステップS32にて発せられた実行指令応じて、ステップS31にて取得された確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、および仮実装用入力画像201cの各々に対して、それぞれ該当する画像処理をPhotoshop(登録商標)に実行させる。すなわち、CPU101は、ストレージ103に格納されたPhotoshop(登録商標)を読み出し、ステップS31にて取得された確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、および仮実装用入力画像201cの各々に対して、それらに対応する画像処理を実行するようにPhotoshop(登録商標)を制御する。例えば、
図4に示す画像処理の方法を示す方法情報401~403をストレージ103に格納しておき、該方法情報に従ってPhotoshop(登録商標)に実行させれば良い。本実施形態では、確認用画像、実装用画像、仮実装用画像の各々に対して、画像処理として“カンバスサイズの変更”、“画像解像度の変更”を行い、仮実装用画像に対してはさらに“注意書き記入”を行うものとする。
【0030】
図4において、方法情報401は、確認用画像に対する画像処理の方法の詳細を示す情報であって、対応する画像処理を指定するものとして“カンバスサイズの変更”と“画像解像度の変更”とを示す情報と、それら処理に係るパラメータ(例えば、変更後のサイズを指定するパラメータ等)とを有する。方法情報402は、実装用画像に対する画像処理の方法の詳細を示す情報であって、対応する画像処理を指定するものとして“カンバスサイズの変更”と“画像解像度の変更”とを示す情報と、それら処理に係るパラメータとを有する。方法情報403は、仮実装用画像に対する画像処理の方法の詳細を示す情報であって、対応する画像処理を指定するものとして“カンバスサイズの変更”と“画像解像度の変更”と“注意書き記入”を示す情報と、それら処理に係るパラメータとを有する。上記“注意書き記入”とは、対象の画像に対して、例えば「これは仮データです」といった注意書きを記入する処理である。よって、方法情報403が有する“注意書き記入”に対応するパラメータとしては、「これは仮データです」という注意書きとして記入すべきテキスト情報となる。例えば、確認用入力画像201aに対して、CPU101は、ストレージ103に格納された方法情報401に従って、方法情報401にて指示された画像処理“カンバスサイズの変更”および“画像解像度の変更”を同じく方法情報401にて保持されたパラメータとなるようにPhotoshop(登録商標)を制御して確認用画像に対して求められる画像処理を実行させる。CPU101は、実装用入力画像201bおよび仮実装用入力画像201cに対しても同様に方法情報402、403に従ってそれぞれに求められる画像処理をPhotoshop(登録商標)に実行させる。このようにして、CPU101は、画像編集ソフトウエアによって画像処理が施されたPSD形式の入力画像(確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、仮実装用入力画像201c)を取得する。
【0031】
ステップS34では、CPU101は、ステップS33にて取得された画像処理済みの確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、および仮実装用入力画像201cをメモリ104に保存する。ここで保存される確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、および仮実装用入力画像201cのファイル形式はそれぞれ、第1のファイル形式であるPSD形式である。
【0032】
ステップS35では、CPU101は、メモリ104に保存された画像処理済みの入力画像(確認用入力画像201a、実装用入力画像201b、仮実装用入力画像201c)のファイル形式を第2のファイル形式であるPNG形式に変換する。このようにして、CPU101は、第2のファイル形式であるPNG形式の出力画像(確認用画像202a、実装用画像202b、仮実装用画像202c)を取得する。
【0033】
このように本実施形態によれば、入力画像に対して画像編集ソフトウエアをCPU101といった制御部が制御して所定の画像処理を施し、さらに該制御部が画像処理が施された入力画像のファイル形式を入力画像の形式である第1のファイル形式から出力画像に求める形式である第2のファイル形式に変換しているので、人の手による作業を低減させることができ、操作ミスといったヒューマンエラーや処理時間を低減することができる。
【0034】
さて、所謂オンラインゲームについては、経時的に新機能や新キャラクタの実装やストーリーの拡充、さらには不具体の解消等、様々なアップデートがなされて長期運営されることも珍しくない。すなわち、例えば5年、10年と続くゲームも多数あり、その中で開発環境の改善や進化もなされていくこともある。こういった改善や進化において背景画像のようにグラフィックスに焦点を当ててみると、こういった画像に施される画像処理によっては用いるソフトウエアを変えた場合、同じ品質となるようにパラメータを調整しても、画像の所定個所に“ずれ”が生じてしまうことがある。このような“ずれ”が発生してしまうと、例えば同じ海の背景画像であっても、以前とは見え方や雰囲気が変わってしまう、といった品質が担保されない事象が起こり得てしまう。
【0035】
例えば、画像解像度の変更について、ある画像処理の方式(例えば、バイキュービック法等)を用いる場合を例に挙げてみる。2つの異なる画像編集ソフトウエアの双方に、ある画像処理の方式が実装されていたとしても、それら2つの異なる画像編集ソフトウエアの各々では処理内容が若干異なることがあり、その結果、解像度変更後の結果画像に微差が生じてしまう。このようなことが起こってしまうと、すでにリリースしているゲームについて、開発環境の改善等により画像処理に用いる画像編集ソフトウエアや画像処理モジュールを変えた場合、その前後で画像(背景画像等)の見え方や雰囲気が変わってしまう、という事態を招きかねない。
【0036】
これに対して、本実施形態では、画像処理およびファイル形式の変換の自動化処理において、処理の自動化に伴い画像処理モジュールを新たに作成するのではなく、画像処理については既存の所定の画像編集ソフトウエアにて実行させている。よって、本実施形態で上述したように、例えばゲームリリース当初よりPhotoshop(登録商標)にて画像処理を行ってきた状況においても、画像処理をPhotoshop(登録商標)により実行することができるので、運営途中のゲームの開発に対して本発明の特徴的な自動化を実装した場合であっても、上述したような“ずれ”の発生を低減することができ、上記実装の前後における品質のバラツキを低減することができる。
【0037】
上記運営途中のゲームの開発環境の改善等は、長期運営に限ったものではなく、運営期間が短い場合であっても起こり得ることである。すなわち、本発明は、ゲーム運営の期間の長さ云々には関係なく適用できることは言うまでもない。
【0038】
なお、上述の実施形態では、第1のファイル形式がPSD形式であるとしているが、この形式に限らず、例えば、JPEG、PNG等の形式であっても良い。また、第2のファイル形式もPNG形式であるとしているが、この形式に限らず、第1のファイル形式と異なるものであれば、PSD、JPEG等の形式であっても良い。
【0039】
また、上述の実施形態では、出力画像として、確認用画像、実装用画像、仮実装用画像を挙げているが、出力画像の種類や数もいずれであっても良い。さらに、出力画像の種類や数を任意に設定できるようにしても良い。この場合は、ステップS31の前に、出力画像の種類や数を作業者に指定させるステップを設ければ良い。
【0040】
(その他の実施形態)
上述した実施形態の機能を実現するように前述した実施形態の構成を動作させるプログラム(例えば、
図3に示す処理を行うプログラム)を記憶媒体に記憶させ、該記憶媒体に記憶されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も上述の実施形態の範疇に含まれる。即ちコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も実施例の範囲に含まれる。また、前述のコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体はもちろんそのコンピュータプログラム自体も上述の実施形態に含まれる。かかる記憶媒体としてはたとえばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROM等を用いることができる。また上述の記憶媒体に記憶されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウエア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作し上述の実施形態の動作を実行するものも上述した実施形態の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
100 情報処理装置
101 CPU
103 ストレージ
104 メモリ
201 入力画像
201a 確認用入力画像
201b 実装用入力画像
201c 仮実装用入力画像
202 出力画像
202a 確認用画像
202b 実装用画像
202c 仮実装用画像
203 画像処理
204 ファイル変換処理
401 確認用画像の方法情報
402 実装用画像の方法情報
403 仮実装用画像の方法情報