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特開2024-115294バックボード取付構造及び車両用シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115294
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】バックボード取付構造及び車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/64 20060101AFI20240819BHJP
   A47C 7/40 20060101ALI20240819BHJP
   B60N 2/897 20180101ALI20240819BHJP
【FI】
B60N2/64
A47C7/40
B60N2/897
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020911
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高月 涼太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 利春
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084EA02
3B084EC02
3B087DC10
3B087DE03
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】バックボードの着脱が容易で且つ構成が簡素なバックボード取付構造を得る。
【解決手段】本バックボード取付構造では、シートバックパッド18の下部に形成された左右の凹部24に、バックボード26の下部に形成された左右の凸部30が挿入され、シートバックパッド18の上部及びバックボード26の上部に形成された各貫通孔にヘッドレストブッシュが挿入される。上記各貫通孔からヘッドレストブッシュが抜去された状態では、バックボード26によってシートバックパッド18の開口20が閉塞され且つ各凹部24に対して各凸部30が挿抜不能となる取付姿勢と、開口20が開放され且つ各凹部24に対して各凸部30が挿抜可能となる挿抜姿勢との間で、バックボード26がシートバックパッド18に対して回転可能となる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背部に開口が形成され、前記開口の下部の左右両側にそれぞれ凹部が形成され、上部に貫通孔が形成されたシートバックパッドと、
下部の左右両側にそれぞれ凸部が形成され、各前記凸部が各前記凹部に挿入され、前記貫通孔に連通する貫通孔が上部に形成され、前記開口を閉塞するバックボードと、
各前記貫通孔に挿入され、前記バックボードの上部を前記シートバックパッドに係止する係止具と、
を備え、
各前記貫通孔から前記係止具が抜去された状態では、前記バックボードによって前記開口が閉塞され且つ各前記凹部に対して各前記凸部が挿抜不能となる取付姿勢と、前記開口が開放され且つ各前記凹部に対して各前記凸部が挿抜可能となる挿抜姿勢との間で前記バックボードが前記シートバックパッドに対して回転可能となるバックボードの取付構造。
【請求項2】
前記係止具は、ヘッドレストの脚部をシートバックに支持させるためのヘッドレストブッシュである請求項1に記載のバックボード取付構造。
【請求項3】
乗員が着座するシートクッションと、
前記乗員の背部を支持すると共に、請求項1又は請求項2に記載のバックボード取付構造によってバックボードがシートバックパッドに取り付けられたシートバックと、
を備えた車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関し、特にシートバックのバックボード取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、シートバックが背部の開口を覆うバックボードを有し、バックボードが内面上下部に設けられた取付手段をバックフレーム側に係止してバック背部に添設される車両用シートバックのバックボード取付構造が開示されている。この構造では、取付手段は、バックボードの上側に設けられてバックフレーム側の対応部に掛け止める上フックと、バックボードの下側に設けられて、表皮材の内、下端末部に付設されバックフレーム側の対応部に掛け止められるリテーナに対し係止される下フックとからなる。
【0003】
下記特許文献2には、バックボードがバックフレーム側の対応部に取り付けられ、バック背部の開口を覆った状態に添設される車両用シートバックのバックボード取付構造が開示されている。この構造では、バックフレーム側には後方向へ向けて張り出した掛止め部が設けられる一方、バックボードの内面には該バックボードの押し力により掛止め部を本体部内に受け入れて係止し、かつ該係止状態を操作部の引き操作により解除可能なロック手段を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-142913号公報
【特許文献2】特開2002-142914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示された先行技術では、バックフレーム側の対応部にリテーナを掛け止める際や、上記対応部からリテーナを離脱させる際に、棒状の操作片を用いる必要があるため、バックボードの取付作業性および易解体性を向上させる観点で改善の余地がある。
【0006】
上記特許文献2に開示された先行技術では、バックフレームの掛止め部にバックボードを係止するロック手段が引き操作される操作部を有するため、ロック手段の構成が複雑になっている。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、バックボードの着脱が容易で且つ構成が簡素なバックボード取付構造及びこれを備えた車両用シートを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様のバックボード取付構造は、背部に開口が形成され、前記開口の下部の左右両側にそれぞれ凹部が形成され、上部に貫通孔が形成されたシートバックパッドと、下部の左右両側にそれぞれ凸部が形成され、各前記凸部が各前記凹部に挿入され、前記貫通孔に連通する貫通孔が上部に形成され、前記開口を閉塞するバックボードと、各前記貫通孔に挿入され、前記バックボードの上部を前記シートバックパッドに係止する係止具と、を備え、各前記貫通孔から前記係止具が抜去された状態では、前記バックボードによって前記開口が閉塞され且つ各前記凹部に対して各前記凸部が挿抜不能となる取付姿勢と、前記開口が開放され且つ各前記凹部に対して各前記凸部が挿抜可能となる挿抜姿勢との間で前記バックボードが前記シートバックパッドに対して回転可能となる。
【0009】
第1の態様のバックボード取付構造によれば、シートバックパッドの上部に形成された貫通孔及びバックボードの上部に形成された貫通孔から係止具が抜去された状態では、バックボードがシートバックパッドに対して上記の取付姿勢と挿抜姿勢との間で回転可能となる。このバックボードがシートバックパッドに取り付けられる際には、バックボードが挿抜姿勢の状態で、バックボードの下部に形成された各凸部が、シートバックパッドの開口の下部に形成された各凹部に挿入され、その後にバックボードが挿抜姿勢から取付姿勢へと回転される。これにより、各凹部からの各凸部の抜去が不能となり、バックボードの下部がシートバックパッドの下部に拘束される。その後、シートバックパッドの上部に形成された貫通孔及びバックボードの上部に形成された貫通孔に係止具が挿入され、バックボードの上部がシートバックパッドの上部に係止される。これにより、バックボードを容易にシートバックパッドに取り付けることができる。
【0010】
バックボードがシートバックパッドから取り外される際には、シートバックパッドの上部に形成された貫通孔及びバックボードの上部に形成された貫通孔から係止具が抜去される。その後、バックボードが取付姿勢から挿抜姿勢へと回転され、バックボードの下部に形成された各凸部が、シートバックパッドの開口の下部に形成された各凹部から抜去される。これにより、バックボードを容易にシートバックパッドから取り外すことができる。しかも、引き操作される操作部を有するロック手段等が不要であるため、簡素な構成にすることができる。
【0011】
第2の態様のバックボード取付構造は、第1の態様において、前記係止具は、ヘッドレストの脚部をシートバックに支持させるためのヘッドレストブッシュである。
【0012】
第2の態様のバックボード取付構造では、ヘッドレストの脚部をシートバックに支持させるためのヘッドレストブッシュが係止具として兼用されるため、一層簡素な構成にすることができる。
【0013】
第3の態様の車両用シートは、乗員が着座するシートクッションと、前記乗員の背部を支持すると共に、第1の態様又は第2の態様のバックボード取付構造によってバックボードがシートバックパッドに取り付けられたシートバックと、を備えている。
【0014】
第3の態様の車両用シートでは、シートクッションに着座する乗員の背部がシートバックによって支持される。このシートバックでは、第1の態様又は第2の態様のバックボード取付構造によってバックボードがシートバックパッドに取り付けられている。よって、第1の態様又は第2の態様と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、バックボードの着脱が容易で且つ構成が簡素になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る車両用シートの主要部を示す斜視図である。
図2】実施形態に係る車両用シートのシートバックパッドを示す斜視図である。
図3】実施形態に係る車両用シートのバックボードを示す斜視図である。
図4】実施形態におけるバックボードの取付方向を説明するための第1の説明図である。
図5】実施形態におけるバックボードの取付方法を説明するための第2の説明図である。
図6】実施形態におけるバックボードの取付方法を説明するための第3の説明図である。
図7】実施形態における車両用シートの製造途中の状態を示す第1の斜視図である。
図8】実施形態における車両用シートの製造途中の状態を示す第2の斜視図である。
図9】実施形態における車両用シートの製造途中の状態を示す第3の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1図9を参照して本発明の実施形態に係る車両用シート10について説明する。なお、各図中においては、図面を見易くする関係から一部の符号を省略している場合がある。また、各図中に適宜示される矢印FR、RH及びUPは、車両用シート10の前方、右方及び上方をそれぞれ示している。以下、単に前後左右上下の方向を用いて説明する場合、車両用シート10に対する方向を示すものとする。
【0018】
図1に示されるように、本実施形態に係る車両用シート10は、車両の乗員が着座するシートクッション12と、乗員の背部を支持するシートバック14とを備えている。シートバック14の上端部には、乗員の頭部を支持する図示しないヘッドレストが連結される構成になっている。
【0019】
図1図9に示されるように、シートバック14は、クッション材であるシートバックパッド18と、シートバックパッド18の背部に取り付けられたバックボード26とを備えている。シートバックパッド18は、シートバック14の骨格を構成するシートバックフレーム16(図7参照)に被せられ、図示しないシートバック表皮によっておおわれる構成になっている。
【0020】
シートバックパッド18は、例えばウレタンフォーム等の発泡体によって構成されている。バックボード26は、例えば樹脂の射出成形によって製造されたものであり、略長尺板状をなしている。このバックボード26は、本発明の実施形態に係るバックボード取付構造によってシートバックパッド18の背部に取り付けられている。シートバックフレーム16は、例えば金属によって構成されており、シートクッション12の骨格を構成するシートクッションフレームに連結されている。シートバック表皮は、例えば布材、表皮、合成皮革からなる複数枚の表皮片が縫製されて袋状に構成されている。
【0021】
図2に示されるように、シートバックパッド18の背部には、開口20が形成されている。開口20は、前後方向から見て上下方向を長手とする略長尺矩形状をなしており、後方側及び下方側が開放されている。この開口20は、バックボード26によって閉塞されている。図3に示されるように、バックボード26は、前後方向を板厚方向とし且つ上下方向を長手方向とする長尺板状のボード本体26Aと、ボード本体26Aの上端部から前方側へ突出した上壁部26Bと、ボード本体26Aの左右の端部の下部から前方側へ突出した左右の側壁部26Cとを有している。上壁部26Bは、シートバックパッド18の上端面に重ね合わされており、左右の側壁部26Cは、開口20の内側に嵌合しており、ボード本体26Aによって開口20が閉塞されている。
【0022】
上壁部26Bには、上壁部26Bを上下方向に貫通した左右2つの貫通孔28が左右方向に並んで形成されている。上壁部26Bに対して下方側から接触したシートバックパッド18の上端部には、左右2つの貫通孔28と対向する箇所に左右2つの貫通孔22(図2参照)が形成されている。左右の貫通孔28は、シートバックパッド18の開口20に対するバックボード26の嵌合方向(前後方向)と交差する方向(ここでは上下方向)に上壁部26Bを貫通しており、左右の貫通孔22は、上記嵌合方向と交差する方向(ここでは上下方向)にシートバックパッド18の上端部を貫通している。左右の貫通孔22は、開口20の内周面(上面)で開口すると共に、シートバックパッド18の上端面で開口している。
【0023】
左右の貫通孔22の下方でシートバックフレーム16の上端部には、左右2つのヘッドレストブラケット17(図7参照)が設けられている。左右のヘッドレストブラケット17は、上下方向を軸方向とする筒状をなしている。左右の貫通孔28と、左右の貫通孔22と、左右のヘッドレストブラケット17とは、同軸上に配置されている。
【0024】
左右の貫通孔28と、左右の貫通孔22と、左右のヘッドレストブラケット17とには、図示しないヘッドレストの左右の脚部をシートバック14に支持させるための左右2つのヘッドレストブッシュ34が挿入されている。左右のヘッドレストブッシュ34は、例えば樹脂の射出成形によって筒状に成形されたものであり、左右のヘッドレストブラケット17内に同軸的に挿入され、左右のヘッドレストブラケット17に保持されている。左右のヘッドレストブッシュ34内には、ヘッドレストの左右の脚部が挿入され、左右のヘッドレストブッシュ34によって左右の脚部が保持される。左右のヘッドレストブッシュ34は、本発明における「係止具」に相当しており、シートバックパッド18の上端部に上壁部26Bを係止する機能を有している。
【0025】
図2に示されるように、開口20の下部の左右両側の面には、それぞれ凹部24が形成されている。左右の凹部24は、左右方向の外側へ向けて凹んでおり、左右方向の内側へ向けて開口している。左右の凹部24は、シートバックパッド18の長手方向(略上下方向)を長手とする長尺状の縦延凹部24Aと、縦延凹部24Aの上部側から後方側かつ上方側へ向けて斜めに延びる後延凹部24Bとによって構成されている。後延凹部24Bは、縦延凹部24Aに連通しており、後方側へ向けて開口している。左右の凹部24の上方側で、開口20の左右両側の面には、バックボード26の左右の側壁部26Cを嵌合させる嵌合凹部25が形成されている。
【0026】
上記のシートバックパッド18は、左右の凹部24の周辺部の強度がそれ以外の部分の強度よりも高く構成されてもよい。その場合、このシートバックパッド18の製造方法としては、例えば以下の(1)~(3)が挙げられる。
(1)左右の凹部24の周辺部を硬質ウレタンフォームで成形したものをシートバックパッド18の発泡成形型にセットし、シートバックパッド18として一体発泡成形する。
(2)シートバックパッド18の発泡成形型において、左右の凹部24の周辺部を成形する箇所にフェルトをセットし、シートバックパッド18として一体発泡成形する。
(3)左右の凹部24の周辺部を発泡ポリプロピレンで成形したものをシートバックパッド18の発泡成形型にセットし、シートバックパッド18として一体発泡成形する。
【0027】
図3に示されるように、左右の側壁部26Cの下方側で、バックボード26の下部の左右両側には、それぞれ凸部30が形成されている。左右の凸部30は、バックボード26の下部の左右両側に形成された左右の前方突出部32を介してボード本体26Aに接続されている。左右の前方突出部32は、直方体状をなしており、ボード本体26Aの下部の左右両側から前方側へ向けて突出している。左右の凸部30は、左右の前方突出部32における左右方向の外側の面から左右方向の外側へ向けて突出しており、左右方向から見てシートバック14の長手方向(略上下方向)を長手とする略長円形状をなしている。左右の凸部30は、左右の凹部24に挿入されている。これにより、バックボード26の下部がシートバックパッド18の下部に拘束(保持)されている。
【0028】
左右の貫通孔28及び左右の貫通孔22から左右のヘッドレストブッシュ34が抜去された状態では、バックボード26が図1に示される取付姿勢と図5に示される挿抜姿勢との間でシートバックパッド18に対して回転可能となるように構成されている。
【0029】
バックボード26が取付姿勢の状態では、シートバックパッド18の開口20がバックボード26によって塞がれると共に、バックボード26の左右の凸部30が、シートバックパッド18の左右の凹部24の各縦延凹部24A内に配置される。この状態では、左右の凹部24に対して左右の凸部30が挿抜不能となる。バックボード26が挿抜姿勢の状態では、開口20が開放されると共に、左右の凸部30が左右の凹部24の各後延凹部24Bに沿って配置される。この状態では、図4及び図5に示されるように、左右の凸部30が左右の凹部24に対して各後延凹部24Bの傾斜方向に沿って挿抜可能となる。
【0030】
図6に示されるように、左右の凸部30が左右の凹部24挿入された状態では、バックボード26が左右の凸部30を回転中心としてシートバックパッド18に対して上記の挿抜姿勢と取付姿勢との間で回転可能となる。
【0031】
上記構成の車両用シート10において、シートバック14が製造される際には、図7に示されるように、シートバックフレーム16に対してシートバックパッド18が取り付けられる。次いで、図8に示されるように、シートバックパッド18に対してバックボード26が取り付けられる。この際には、図4に示されるように、挿抜姿勢のバックボード26がシートバックパッド18に対して後方側から近づけられ、左右の凸部30が左右の凹部24に挿入される(図5参照)。次いで、図6に矢印Rで示されるように、バックボード26が挿抜姿勢から取付姿勢へと回転される。これにより、各凹部24からの各凸部30の抜去が不能となり、バックボード26の下部がシートバックパッド18の下部に拘束される。その後、図9に示されるように、バックボード26の左右の貫通孔28及びシートバックパッド18の左右の貫通孔22に左右のヘッドレストブッシュ34が挿入され、バックボード26の上部がシートバックパッド18の上部に係止される。これにより、専用の工具等を用いることなく、バックボード26を容易にシートバックパッド18に取り付けることができる。
【0032】
バックボード26がシートバックパッド18から取り外される際には、バックボード26の左右の貫通孔28及びシートバックパッド18の左右の貫通孔22から左右のヘッドレストブッシュ34が抜去される。その後、バックボード26が取付姿勢から挿抜姿勢へと回転され、左右の凸部30が左右の凹部24から抜去される。これにより、バックボード26を容易にシートバックパッド18から取り外すことができる。その結果、シートバック14の解体が容易になる。さらに、背景技術の欄で説明したような操作部を有するロック手段等が不要であるため、簡素な構成にすることができる。また、本実施形態では、ヘッドレストの脚部をシートバック14に支持させるための左右のヘッドレストブッシュ34が係止具として兼用されているため、一層簡素な構成にすることができる。
【0033】
なお、上記実施形態では、左右のヘッドレストブッシュ34が係止具として兼用された構成にしたが、これに限らず、ヘッドレストブッシュ34とは別の係止具を用いる構成にしてもよい。その場合、係止具としては、シートバックパッド18を構成する樹脂と同じ種類の樹脂(例えばウレタン系の樹脂)によって構成されたものを用いることが好ましい。それにより、リサイクルが容易になる。また、係止具としては、バックボード26及びシートバックパッド18の貫通孔に挿入し易く且つ車両用シートの製造作業者が挿入方向を間違えにくいテーパ形状(例えば、円錐形状、円錐台形状、角錐形状、角錐台形状)をなしたものが好ましい。そのような係止具は、例えばラジオペンチ等の工具を用いてバックボード26及びシートバックパッド18の貫通孔から引き抜かれる。
【0034】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0035】
10 車両用シート
12 シートクッション
14 シートバック
18 シートバックパッド
20 開口
22 貫通孔
24 凹部
26 バックボード
28 貫通孔
30 凸部
34 ヘッドレストブッシュ(係止具)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9