(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024115307
(43)【公開日】2024-08-26
(54)【発明の名称】ドライヤ
(51)【国際特許分類】
A45D 20/12 20060101AFI20240819BHJP
A45D 20/10 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
A45D20/12 C
A45D20/12 Z
A45D20/10 101
A45D20/10 104
A45D20/12 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020930
(22)【出願日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】中村 凌
(72)【発明者】
【氏名】下田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】西川 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 大介
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 昌臣
(72)【発明者】
【氏名】小柳 智裕
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健志
(72)【発明者】
【氏名】吉永 愛菜
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CB07
3B040CE02
3B040CG00
3B040CK02
(57)【要約】
【課題】ドライヤを静音化する。
【解決手段】ドライヤは、それぞれ、吸気口および吹出口を有する複数の流路が形成された筐体と、複数の流路のそれぞれに配置され、該各流路の吸気口側から吹出口側に送気する電動送風機と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ、吸気口および吹出口を有する複数の流路が形成された筐体と、
前記複数の流路のそれぞれに配置され、該流路の前記吸気口側から前記吹出口側に送気する電動送風機と、を備える、ドライヤ。
【請求項2】
前記複数の流路のそれぞれに配置されたヒータをさらに備える、請求項1に記載のドライヤ。
【請求項3】
前記筐体は、前記複数の流路のうちの隣接する2つの流路間において、前記電動送風機が配置された部分よりも上流側に位置し、前記2つの流路の少なくとも一部同士を隔離する隔離部を有する、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項4】
前記筐体は、前記複数の流路のうちの隣接する2つの流路の少なくとも一方に対して設けられており、前記2つの流路の隣接方向において離れた領域から前記各流路のそれぞれの吸気口に向かって近づきながら吸気されるように導風する導風部を有する、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項5】
前記筐体は、前記複数の流路のうちの隣接する2つの流路の前記各吸気口の位置が、前記流路の延びる方向において相互に異なる、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項6】
前記筐体は、前記複数の流路の内の隣接する2つの流路の少なくとも一方に対して設けられた導風部を有し、
前記導風部は、前記2つの流路の前記吹出口間における間隔が、前記2つの流路の前記吹出口が設けられた部分よりも上流側における間隔よりも広くなるように設けられている、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項7】
前記複数の流路のうち、隣接する2つの流路の前記吹出口の、前記隣接する2つの流路の配列方向における寸法が、前記配列方向に対して垂直な方向における寸法よりも小さくなるように構成されている、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項8】
前記隣接する2つの流路は、前記隣接する2つの流路の中心軸間距離の最大値よりも、前記隣接する2つの流路の前記吹出口の中心間距離が長くなるように構成されている、請求項7に記載のドライヤ。
【請求項9】
前記筐体は、前記複数の流路の少なくとも2つの流路の下流側に位置し、当該少なくとも2つの流路に接続された1つの流路と、前記1つの流路の下流側端部を塞ぐ閉鎖部をさらに有し、
前記閉鎖部に複数の開口が形成されている、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項10】
前記複数の開口の数が、前記一つの流路に接続された流路の数よりも多い、請求項9に記載のドライヤ。
【請求項11】
前記複数の流路の内の隣接する2つの流路のそれぞれに配置された電動送風機は、相互に異なる回転方向に回転可能である、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項12】
前記筐体は、前記複数の流路のうちの少なくとも2つの流路から吹き出される風を一体化可能に構成されている、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項13】
前記筐体は、前記複数の流路のうちの少なくとも2つの流路の前記吹出口よりも下流側に位置し、前記少なくとも2つの流路の外側を包囲する壁部をさらに備える、請求項12に記載のドライヤ。
【請求項14】
前記筐体は、前記複数の流路のうちの隣接する2つの流路のそれぞれの前記吹出口からの風が下流側に向かって近寄る方向に風を導く導風部をさらに備える、請求項12に記載のドライヤ。
【請求項15】
前記筐体は、前記複数の流路のうちの隣接する2つの流路のそれぞれの前記吹出口からの風が下流側に向かって近寄る方向に風を導く導風部をさらに備える、請求項13に記載のドライヤ。
【請求項16】
前記筐体は、前記複数の流路のうちの2つの流路のそれぞれの前記吹出口が対向するように設けられている、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項17】
前記複数の流路のうちの少なくとも2つの流路において、前記電動送風機は、前記流路における気体の流れ方向において同じ位置に設けられている、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項18】
前記複数の流路のうちの少なくとも2つの流路において、前記電動送風機は、前記流路における気体の流れ方向において異なる位置に設けられている、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項19】
前記筐体は、
前記複数の流路が形成された第1の筐体片と、
前記第1の筐体片に接続されており、前記第1の筐体片に接続された細長形状を有する第2の筐体片と、を有し、
前記複数の流路に設けられた前記電動送風機のそれぞれを制御する制御部をさらに備え、
前記複数の制御部の少なくとも2つは、前記第2の筐体片内において、前記第2の筐体片の長手方向に沿って配置されている、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項20】
前記流路に帯電粒子を供給する帯電粒子供給機構をさらに備え、
前記帯電粒子供給機構は、前記少なくとも2つの流路内に帯電粒子を供給可能に設けられている、請求項1または2に記載のドライヤ。
【請求項21】
前記複数の流路のうちの少なくとも2つの流路のそれぞれに配置された前記電動送風機および前記ヒータのうちの少なくとも一方を独立して制御可能な制御部を有する、請求項2に記載のドライヤ。
【請求項22】
前記制御部は、前記少なくとも2つの流路のそれぞれに配置された電動送風機のすべてを駆動する駆動態様と、前記少なくとも2つの流路のそれぞれに配位された電動送風機のうちの一部の電動送風機を駆動せず、残りの電動送風機を駆動する駆動態様とを選択可能に構成されている、請求項21に記載のドライヤ。
【請求項23】
前記制御部は、前記少なくとも2つの流路のそれぞれに配置されたヒータのすべてを駆動する駆動態様と、前記少なくとも2つの流路のそれぞれに配置されたヒータのうちの一部のヒータを駆動せず、残りのヒータを駆動する駆動態様とを選択可能に構成されている、請求項21に記載のドライヤ。
【請求項24】
前記制御部は、前記少なくとも2つの流路のそれぞれに配置された電動送風機に対して相互に異なる大きさの電力を入力可能に構成されている、請求項21に記載のドライヤ。
【請求項25】
前記制御部は、前記少なくとも2つの流路のそれぞれに配置されたヒータに対して相互に異なる大きさの電力を入力可能に構成されている、請求項21に記載のドライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、頭髪等に送気することによって頭髪等を乾燥させるドライヤが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ドライヤに対して、動作音を小さくして静音化したいという要望がある。本開示の目的は、例えば、ドライヤを静音化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るドライヤは、それぞれ、吸気口および吹出口を有する複数の流路が形成された筐体と、複数の流路のそれぞれに配置され、該各流路の吸気口側から吹出口側に送気する電動送風機と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、ドライヤを静音化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1に係るドライヤの外観を示す斜視図である。
【
図2】実施形態1に係るドライヤでの第1筐体および第2筐体の横断面図である。
【
図3】実施形態2に係るある例のドライヤでの第1筐体および第2筐体の横断面図である。
【
図4】実施形態2に係る別の例のドライヤでの第1筐体および第2筐体の横断面図である。
【
図5】実施形態2に係るさらに別の例のドライヤでの第1筐体および第2筐体の横断面図である。
【
図6】実施形態3に係るドライヤの第1筐体および第2筐体の横断面図である。
【
図7】実施形態3の変形例に係るドライヤを示す図である。
【
図8】実施形態4に係るドライヤの外観を示す斜視図である。
【
図9】実施形態5に係るドライヤでの第1筐体および第2筐体の横断面図である。
【
図10】実施形態6に係るドライヤでの第1筐体および第2筐体の横断面図である。
【
図11】実施形態7に係るドライヤの外観を示す斜視図である。
【
図12】実施形態8に係るあるドライヤでの第1筐体、第2筐体、第3筐体の縦断面図である。
【
図13】実施形態8に係る別のドライヤでの第1筐体、および第2筐体の横断面図である。
【
図14】実施形態9に係るドライヤの外観を示す斜視図である。
【
図15】実施形態10に係るドライヤの外観を示す斜視図である。
【
図16】実施形態11に係るドライヤの外観を示す斜視図である。
【
図17】実施形態12に係るドライヤの外観を示す斜視図である。
【
図18】実施形態13に係るドライヤの外観を示す斜視図である。
【
図19】実施形態14に係るドライヤの要部の構成を示すブロック図である。
【
図20】第1電動送風機および第2電動送風機にそれぞれ異なる大きさの電力を入力した場合に生じる風量のタイムチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0009】
本開示において、「ドライヤ」とは、頭髪等の乾燥対象物に対して風を吹き付けることにより乾燥対象物を乾燥可能な機器全般を意味するものとする。ドライヤが吹き出す風の温度は特に限定されない。ドライヤは、例えば、冷風を吹出すものであってもよいし、加熱された温風を吹出すものであってもよい。ドライヤには、乾燥機能と共に、乾燥機能以外の機能を有する機器が含まれる。例えば、ドライヤは、帯電粒子を含む低温の風を吹き付けることにより肌や頭皮等に美容効果を与える機能を有していてもよい。
【0010】
本開示において、「流れ方向」及び「流路方向」とは、それぞれ、流路の中心を結んで成る仮想線上における風の流れる方向を意味する。流路の中心とは、流路の横断面における内形の図心を意味する。「流れ方向」及び「流路方向」は、それぞれ、直線状に延びる方向であってもよいし、例えば、流路に湾曲部や屈曲がある場合には、部分的または全体的に湾曲または屈曲した仮想線に沿った方向であってもよい。このような場合には、「流れ方向」及び「流路方向」は、それぞれ、流路の中心を結んで成る仮想線(以下、この仮想線を「流路中心線」とすることがある。)の延びる方向において相互に異なる場所で相互に異なるベクトルにより構成されていてもよい。
【0011】
(ドライヤAの概要)
図1は、実施形態1に係るドライヤAの外観を示す斜視図である。ドライヤAは、筐体2を備える。筐体2は、第1筐体10と、第2筐体20と、第3筐体30と、を備える。
【0012】
第1筐体10は、それぞれ、両端に開口を有する第1筒11aおよび第2筒11bを備える。第1筒11aおよび第2筒11bのそれぞれにおける長手方向の一端は外部に空気を吹出す吹出口となっている。第1筒11aおよび第2筒11bのそれぞれの長手方向(流れ方向)における一端は、それぞれ第1吹出口12aおよび第2吹出口12bを構成している。また、第1筒11aおよび第2筒11bのそれぞれにおける長手方向の他端は第2筐体20から空気を取り入れる開口となっている。第1筒11aおよび第2筒11bのそれぞれの長手方向における他端は、それぞれ第1開口13aおよび第2開口13bを構成している。
【0013】
なお、ここでは、第1筒11aおよび第2筒11bとして、横断面が円形の構成を例示したが、第1筒11aおよび第2筒11bの断面は楕円形、長円形、多角形状等であっても良く、要は筒状であればよい。
【0014】
第2筐体20は、内部が空洞の箱状部材である。第2筐体20は、第1筐体10側に端面を有する。第2筐体20の第1筐体10と接続された端面には、第1開口13aおよび第2開口13bと接続される開口(図示せず)が形成されている。第2筐体20の内部は、第1筐体10の内部と連通している。第1筒11aおよび第2筒11bのそれぞれの内部空間は、第2筐体20の内部と接続されている。第2筐体20における第1筐体10と接続される側の面とは反対側の面(第1開口13aおよび第2開口13bに対向した面)には少なくとも1つの吸気口21が形成されている。なお、ここでは、第2筐体20として、略直方体状の形状を例示したが、第2筐体20が略直方体状である必要は必ずしもない。第2筐体20は、例えば、丸みを帯びた形状等であってもよい。
【0015】
第3筐体30は、細長形状を有する。具体的には、第3筐体30は、柱状または筒状である。より具体的には、第3筐体30は、略円柱形状である。ユーザは、例えば、第3筐体30を握り持つことによってドライヤAを把持することができる。なお、ここでは、第3筐体30として、略円柱形状を例示したが、把持し易い形状等であってもよい。また、ユーザは、筐体2のうち、第3筐体30以外の部分を把持してドライヤAを操作することもできる。
【0016】
(第1流路F1および第2流路F2)
図2は、実施形態1に係るドライヤAでの第1筐体10および第2筐体20の横断面図である。第1筐体10には、相互に独立した複数の流路が形成されている。具体的には、第1筐体10には、第1流路F1と第2流路F2とが設けられている。第1流路F1は、第1筒11aに形成されている。第2流路F2は、第2筒11bに形成されている。第1流路F1と第2流路F2とは、筐体2、具体的には、第1筒11a及び第2筒11bによって、相互に隔離されている。第1流路F1と第2流路F2とは、相互に並行である。第1流路F1と第2流路F2とは、相互に同じ流路面積を有している。換言すれば、第1流路F1と第2流路F2とは、流れ方向における同位置において、相互に同じ横断面積を有している。第1流路F1と第2流路F2とは、それぞれ、第2筐体20の内部空間(ひとつの流路)に接続されている。第1流路F1と第2流路F2とは、それぞれ、第2筐体20の内部空間を経由して吸気口21に接続されている。このため、吸気口21から吸い込まれた気体(例えば、空気)は、第2筐体20の内部空間と、第1流路F1および第2流路F2を経由して第1吹出口12aおよび第2吹出口12bから吹出される。本実施形態では、第2筐体20の内部空間は、一体に設けられている。このため、第1流路F1と第2流路F2とは、第2筐体20の内部空間において合流している。
【0017】
第1流路F1の第1筒11a内の上流側(空気(気体)の流れ方向における上流側)部分には、第1開口13aに面するように、第1電動送風機14aが配置されている。第1流路F1の第1筒11a内の下流側(空気(気体)の流れ方向における下流側)部分には、第1ヒータ15aが配置されている。第2流路F2の第1筒11a内の上流側部分には、第2開口13bに面するように、第2電動送風機14bが配置されている。第2流路F2の第1筒11a内の下流側部分には、第2ヒータ15bが配置されている。このように、複数の流路F1、F2のそれぞれに、電動送風機14a、14bと、ヒータ15a、15bが配されている。本実施形態では、複数の流路のそれぞれに対して、電動送風機及びヒータが設けられている例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、複数の流路のうちの少なくとも2つに電動送風機が設けられていればよい。例えば、3以上の流路が設けられている場合には、少なくとも1つの流路の電動送風機が設けられていなくてもよい。複数の流路のうち、隣接する2つの流路に電動送風機が設けられていることが好ましい。複数の流路のそれぞれには、ヒータが設けられていなくてもよい。複数の流路のうち、電動送風機が設けられた少なくとも2つの流路にヒータが配置されていることが好ましい。但し、電動送風機が設けられた少なくとも2つの流路のうちの一部にヒータが設けられていなくてもよい。
【0018】
本開示において、「電動送風機」とは、電力を用いて送風する機構の総称である。例えば、電動送風機には、ファン等の気流を形成する部材を電力を用いて回転させることにより送気する機構であってもよいし、例えば、電力を用いて振動等を発生させることにより、圧力の高い部分と低い部分とを形成することにより気流を発生させるものであってもよい。具体的に、本実施形態では、電動送風機として、第1電動送風機14a及び第2電動送風機14bが設けられている。第1電動送風機14aおよび第2電動送風機14bは、それぞれ、ファンと当該ファンを駆動するモータとを備えている。ファンとモータとの流れ方向における配置関係は特に限定されない。ここでは、ファンが上流側に位置し、モータが下流側に位置するように、配置されている。
【0019】
モータとしては、例えば、ブラシレスモータ(brushless motor)や誘導モータ、シンクロナス・リラクタンス・モータ等が、好ましく用いられ、ブラシレスモータがより好ましく用いられ、ブラシレスDCモータ(brushless DC motor)がさらに好ましく用いられる。ブラシレスモータは、回転子に接触するブラシを有さない分、ブラシと回転子との接触により音が発生することを抑制し得る。従って、更なる静音化を実現し得る。ブラシレスモータには、例えば、界磁用永久磁石をロータ側に配し、電機子巻線をステータ側に配したモータ、整流子の一辺かによるブラシを用いた通電切換の代わりに、ロータ一信号検出のためのセンサ(例えば、ホールセンサなど)を用いてインバータにフィードバックして通電を制御したモータ等が含まれる。ブラシレスモータは、例えば、半導体スイッチなどのスイッチなどを用いて電流の向きを変化させることで回転磁界を生成してロータを回転させるモータであってもよい。なお、誘導モータは、電源と位相のずれた正弦波を生成させて次回を回転させるモータであってもよい。シンクロナス・リラクタンス・モータは、同期モータの一種であり、例えば、始動時には誘電モータとして回転し、運転時には電源周波数に同期して回転するモータであってもよい。
【0020】
また、ここでは、流れ方向おいて、第1流路F1における第1電動送風機14aの位置と、第2流路F2における第2電動送風機14bの位置とは、相互に同じである。このように第1および第2電動送風機14a、14bを配置することにより、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bから相互に同じ風速、同じ温度の風を吹き出しやすくできる。
【0021】
ドライヤAは、それぞれ、吸気口21および吹出口(第1吹出口12a、第2吹出口12b)を有する複数の流路が形成された筐体(第1筒11aおよび第2筒11b、第2筐体20)と、複数の流路のそれぞれに配置され、該流路の吸気口側から吹出口側に送気する電動送風機(第1電動送風機14a、第2電動送風機14b)を、備える。さらに、ドライヤAは、前記複数の流路のそれぞれに配置されたヒータ(第1ヒータ15a、第2ヒータ15b)を備える。
【0022】
第2筐体20の内部には、第1電動送風機14aおよび第1ヒータ15aを駆動する第1制御基板22aと、第2電動送風機14bおよび第2ヒータ15bを駆動する第2制御基板22bと、が設けられている。なお、第1制御基板22aと第2制御基板22bとは一体に設けられていてもよい。ここで、「制御基板」とは、制御部が搭載された基板を意味するものとする。制御部は、例えば、チップ状の制御部品と、制御部品が実装された基板とを有していてもよい。
【0023】
第1制御基板22aおよび第2制御基板22bは、それぞれ第2筐体20の内部空間の吸気口21と、第1流路F1および第2流路F2への吹出口(第1開口13aおよび第2開口13bと接続される開口)との間に配されている。このため、第1制御基板22aと第2制御基板22bとは、第2筐体20の内部を流れる風によって冷却される。第1制御基板22aと第2制御基板22bとのそれぞれの基板は、第2筐体20内における風の流れ方向と平行に配されていることが好ましい。この場合、制御基板22a、22bにより流路損失が生じにくくなる。よって、電動送風機14a、14bへの負荷が高まることを抑制できる。その結果、より優れた静音化を実現し得る。
【0024】
第1流路F1を流れる空気は、第1ヒータ15aによって加熱される。第2流路F2を流れる空気は、第2ヒータ15bによって加熱される。ヒータ15a、15bがオン状態(通電状態)であるときには、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bから温風が吹出される。ヒータ15a、15bをオフ状態(非通電状態)にすることにより、吹出口12a、12bから冷風を吹き出させ得る。なお、「加熱」とは、ヒータが設けられた領域に導かれる前の気体の温度よりも、ヒータが設けられた領域から排出される気体の温度の方が高くなることを意味するものとする。
【0025】
(静音性)
ところで、単一の電動送風機を有するドライヤでは、吹出される風の風量は、電動送風機の回転数の増加と共に大きくなる。よって、大風量を得るためには、電動送風機の回転数を高める必要がある。しかしながら、電動送風機から生じる音の大きさは、電動送風機の回転数の増加と共に高まる。よって、大風量を得るために、電動送風機の回転数を高めると必然的に電動送風機から生じる音が大きくなる傾向にある。
【0026】
電動送風機を複数設けた場合は、電動送風機をひとつのみ設けた場合と比較して、ひとつあたりから送気する風量を小さくすることができる。具体的には、電動送風機を複数設けた場合は、電動送風機をひとつのみ設けた場合と比較して、同じ風量得るために、それぞれの電動送風機で発生させる必要がある風量が、設けた電動送風機の個数の逆数倍となる。より具体的には、例えば、本実施形態のように、2つの電動送風機14a、14bを設けた場合は、ひとつの電動送風機を設けた場合と比較して、それぞれの電動送風機14a、14bで発生させる風量を1/2にした場合であっても、全体として実質的に同じ風量が得られる。以上のように、複数の電動送風機を設けることにより、電動送風機ひとつあたりで発生させる風量を小さくできるため、それぞれの電動送風機の回転数を低く設定し得る。従って、それぞれの電動送風機から生じる音を小さくできる。その結果、優れた静音性を実現し得る。
【0027】
騒音は、小さな騒音源が複数あった場合であっても、大きな騒音にならない場合がある。上記の構成によれば、電動送風機の数を複数にすることによって、ある風量を吹き出す際に生じる音の大きさを、1つの電動送風機によって吹き出す倍に1つの電動送風機から生じる音の大きさよりも小さくすることができる。これにより、ドライヤ全体での静音化が可能である。
【0028】
(頭髪を傷めずに速乾性を高める)
また、複数の流路のそれぞれにヒータが設けられている。このため、例えば、各ヒータの出力(印加電力)を相互に異ならせることにより、複数の流路から相互に異なる温度の空気を吹出し得る。よって、例えば、ドライヤAを定位置、定姿勢に維持した場合であっても、隣接する複数の領域に低温の風と高温の風とを交互に吹き付けることも可能になる。従って、頭髪の痛みを防止しながら速乾性を高めることができる。
【0029】
同様に、複数の流路のそれぞれに電動送風機が設けられている。このため、例えば、各電動送風機の出力(例えば、回転数)を相互に異ならせることにより、複数の流路から相互に異なる風量の空気を吹き出し得る。よって、例えば、ドライヤAを定位置、定姿勢に維持した場合であっても、隣接する複数の領域に風量の大きな風と、風量の小さな風とを交互に吹き付けることも可能である。
【0030】
ドライヤAでは、例えば、ドライヤAを定位置、定姿勢に維持した場合であっても、隣接する複数の領域に、高温で大風量な風と、低温で低風量な風とを交互に吹き付けることもできるし、高温で低風量な風と、低温で大風量な風とを交互に吹き付けることもできる。
【0031】
(電動送風機の回転方向)
なお、前記複数の流路の内の隣接する2つの流路のそれぞれに配置された電動送風機は、相互に同じ回転方向に回転可能でもあるし、相互に異なる回転方向に回転可能である。第1電動送風機14aおよび第2電動送風機14bの回転方向を、同じ回転方向に制御してもよいし、逆の回転方向に制御してもよい。例えば、第1電動送風機14aの回転方向と、第2電動送風機14bの回転方向とが、経時的に同方向となる期間と逆方向となる期間とが交互に位置するように制御することも可能である。第1電動送風機14aの回転方向と、第2電動送風機14bの回転方向とを逆にすることによって、第1電動送風機14aから発生する音の位相と、第2電動送風機14bから発生する音の位相とを相互に異ならせることができる。例えば、第1電動送風機14aの回転方向と、第2電動送風機14bの回転方向とを逆にすることによって、第1電動送風機14aから発生する音の位相と、第2電動送風機14bから発生する音の位相とを逆位相とし得る。よって、第1電動送風機14aから発生する音と、第2電動送風機14bから発生する音とを打ち消し合わせることが可能となる。また、第1電動送風機14aにおいて発生する振動と、第2電動送風機14bにおいて発生する振動とも、同様に、相互に打ち消し合わせ得る。従って、更なる静音化を図り得ると共に、ドライヤAの低振動化を実現し得る。
【0032】
なお、「回転方向」とは、電動送風機が設けられた流路の流路方向に沿って視たときに回転方向を意味するものとする。回転方向には、時計回り(右回り)と、反時計回り(左回り)が含まれるものとする。
【0033】
より好ましくは、隣接する2つの流路のそれぞれに配置された電動送風機のそれぞれに含まれるファンの形状が対称であり、かつ、それら2つの電動送風機が、相互に同じ回転方向に回転可能であってもよいし、相互に異なる回転方向に回転可能であってもよい。
【0034】
なお、筐体2は一体に設けられていてもよいし、複数の部材が組み合わされて構成されていてもよい。その場合、筐体2を構成する複数の部材の一部は、その他の部材に対して着脱可能なアタッチメントにより構成されていてもよい。
【0035】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を附し、実施形態1における説明を援用する。
【0036】
(隔離部23による分流)
図3は、実施形態2に係るある例のドライヤBでの第1筐体10および第2筐体20の横断面図である。ドライヤBは、ドライヤAに対して、第2筐体20において、隔離部23を有する点が異なり、他は同一である。
【0037】
実施形態2では、筐体2は、隣接する第1流路F1と第2流路F2との2つの流路間において、電動送風機14a、14bが配置された部分よりも上流側に位置する隔離部23が設けられている。この隔離部23により、流路F1、F2の電動送風機14a、14bが配された部分よりも上流側において、2つの流路F1、F2の少なくとも一部同士が隔離されている。このため、流路F1に吸い込まれる風と、流路F2に吸い込まれる風との干渉が隔離部23によって抑制されている。よって、流路F1、F2への風の吸い込み効率を高め得る。風の吸い込み効率を高めることにより、電動送風機14a、14bにかかる負荷を小さくし得る。よって、さらなる静音化を図り得る。
【0038】
具体的には、隔離部23は、板状部材により構成されている。隔離部23は、第2筐体20内に配置されている。隔離部23は、第2筐体20の内部空間において、第1流路F1と第2流路F2との配列方向(
図3において上下方向)に対して傾斜した方向(典型的には、垂直な方向)に沿って配されている。隔離部23は、第1筒11aと第2筒11bとの間に設けられた共通の壁部の上流側端部から、流れ方向に沿ってさらに上流側に延びている。この隔離部23により、第2筐体20の内部空間は、実質的に同じ流路面積に二分されて吸気口21に至っている。隔離部23により、吸気口21は、実質的に同面積の第1吸気口21aと第2吸気口21bとに二分されている。第1吸気口21aが第1流路F1に接続されている。第2吸気口21bが第2流路F2に接続されている。
【0039】
例えば、複数の流路のそれぞれの吸気口よりも上流側に、複数の流路のそれぞれが開口する流路をさらに設けてもよい。
【0040】
(吸気口の位置ずれによる分流)
図4は、実施形態2に係る別の例のドライヤCでの第1筐体10および第2筐体20の横断面図である。ドライヤCは、ドライヤBに対して、第1吸気口21aおよび第2吸気口21bの流路の流れ方向における位置がずれていることが異なり、他は同一である。
【0041】
複数の隣接する流路である第1流路F1および第2流路F2のそれぞれの第1吸気口21aおよび第2吸気口21bの位置が、流路の延びる方向において相互に異なる。第1吸気口21aの位置と第2吸気口21bの位置とは、長さL1だけずれている。第1吸気口21aおよび第2吸気口21bが同一の平面上に位置しておらず、異なる平面上に位置している。
【0042】
ドライヤCでは、流路の延びる方向における吸気する空気の位置が互いに異なるために、2つの吸気口21a、21b間における吸込みの相互干渉を抑制し、効率的に吸気することができる。その結果、実施形態2と同様に、さらなる静音化を実現し得る。例えば、第1吸気口21aおよび第2吸気口21bは、互いに異なる角度の平面の場合である場合などにおいても同様の効果が奏される。この場合、2つの吸気口21a、21bが流れ方向において実質的に同じ位置に位置していてもよい。
【0043】
(吹出口の位置ずれによる分流)
図5は、実施形態2に係るさらに別の例のドライヤDでの第1筐体10および第2筐体20の横断面図である。ドライヤDは、ドライヤAに対して、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの流路の流れ方向における位置がずれている点において異なる。その他の点に関しては、ドライヤAの記載を援用するものとする。
【0044】
第1吹出口12aの位置と第2吹出口12bの位置とは、長さL2ずれている。第1吹出口12aおよび第2吹出口12bが同一の平面上に位置していない。このため、第1吹出口12aから吹出される風と第2吹出口12bから吹出される風の干渉を抑制し得る。よって、吹出口12a、12bからの風の吹き出し効率を高め得る。従って、電動送風機14a、14bへの負荷が低減される。その結果、さらなる静音化を図り得る。
【0045】
〔実施形態3〕
図6は、実施形態3に係るドライヤE1の第1筐体10および第2筐体20の横断面図である。外観を示す斜視図である。ドライヤE1は、ドライヤAに対して、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの形状において異なる。その他の点に関しては、ドライヤAに関する記載をドライヤE1に援用するものとする。
【0046】
ドライヤE1では、隣接する流路F1、F2の吹出口12a、12bにおける間隔、すなわち、隣接する吹出口12a、12b間の間隔が、流路F1、F2の吹出口12a、12bが設けられた部分よりも上流側における間隔よりも広くなるように設けられている。具体的に、ドライヤE1では、第1筒11aおよび第2筒11bのそれぞれの下流側端部が、中心軸を直線状に維持しながら下流側に向かって先細る形状を有する。このため、隣接する吹出口12a、12b間の間隔が広げられている。このため、上記実施形態に係るドライヤよりもさらに好適なドレープ効果が得やすい。例えば、ドレープ効果が得られる領域を広くし得る。
【0047】
なお、流路F1,F2の下流側端部の先細り部における流路中心線は、先細り部よりも上流側部分における流路中心線と同一直線状である必要は必ずしもない。例えば、先細り部の流路中心線は、下流側に向かって近寄っていてもよいし、離れていてもよい。
【0048】
隣り合う吹出口より出た風が吹出口を出てすぐに合流すると、後述するドレープ現象が発生し難くなる場合がある。上記構成によれば、導風部57を設けることによって、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの吹出口間の間隔を広げることができる。これにより、吹き出された風がすぐに合流することを防いでドレープ現象を効果的に生じさせて、速乾性を高めることができる。
【0049】
(第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの形状変化)
図7は、実施形態3の変形例に係るドライヤE2を示す図である。
図7では、異なる方向から視た2つのドライヤE2を記載している。便宜上、
図7の斜視したドライヤE2をドライヤ701とし、正面視したドライヤE2をドライヤ702とすることとする。
図7に示すように、ドライヤE2は、複数の流路のうち、隣接する2つの流路の第1吹出口12aおよび第2吹出口12bは、隣接する2つの流路の配列方向における寸法が、配列方向に対して垂直な方向における寸法よりも小さくなるように構成されている。吹出口12aおよび12bは、流路F1、F2の配列方向における寸法が、配列方向に対して垂直な方向における寸法よりも小さくなる形状に設けられている。第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの長手方向は流路F1、F2の配列方向に対して傾斜した方向である。第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの長手方向は、流路F1、F2の配列方向に対して垂直であることが好ましい。
【0050】
そのため、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの間隔L3を広げることができる。これにより、吹き出された風がすぐに合流することを防いでドレープ現象を効果的に生じさせて、速乾性を高めることができる。第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの間は、空気が吹出さない閉塞領域となる。
【0051】
また、
図7に示すように、ドライヤE2は、隣接する2つの流路F1、F2は、隣接する2つの流路F1および流路F2の中心軸間距離の最大値よりも、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの中心間距離が長くなるように構成されていてもよい。第1吹出口12aおよび第2吹出口12bを、互いに離れる方向にずらして配置してもよい。なお、2つの流路の「中心間距離」とは、2つの流路のそれぞれの流路中心間の最短距離を言うものとする。
【0052】
これにより、そのため、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの間隔L3をより広げることができる。そのため後述するドレープ現象をより一層効果的に生じさせて、速乾性を高めることができる。さらに効果的なドレープ現象を発生させる観点から、吹出口12a、12b間の間隔が短いところがないように吹出口12a、12bを設けることが好ましい。この観点からは、吹出口12a、12bは、それぞれ、長辺の延びる方向が相互に平行な矩形状に設けられていることが好ましい。あるいは、吹出口12a、12bは、それぞれ、流路F1、F2の配列方向において対向する辺が相互に平行な形状を有していることが好ましい。
【0053】
(ドレープ現象)
第1吹出口12aおよび第2吹出口12bからは、第1電動送風機14aおよび第2電動送風機14bによって生じた風が吹き出す。この時、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bからは放射状に高風速領域が形成され、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの間からは閉塞されているために風が吹き出さない。この閉塞領域における空気は、高風速領域によって巻き込まれることで、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの間は頭髪に向けて空気が流れる低風速領域となる。このように複数の高風速領域に挟まれるように低風速領域が形成されると、吹き出された風に乱れが生じ、低風速領域に渦を巻くような風の乱流が発生する。乱流が発生すると、頭髪は乱流により巻き上げられ、高い乾燥速度で頭髪を乾かすことができる。また、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bから吹き出された風は頭皮にあたり、跳ね返ることによって、低風速領域に頭髪が頭皮から離れるような風が発生し、さらに乱流を生じさせる。
【0054】
高風速領域の気体が当てられている頭髪は、頭皮(頭部)に対し風圧によって押し当てられる。対して、乱流が発生した低風速領域の頭髪は、乱流によって巻き上げられ、頭皮(頭部)から離間し、浮き上がる。その結果、ドライヤE1(E2)に対向した領域で頭髪が波打つ現象が発生する。本開示では、このような現象をドレープ現象と称する。また、ドレープ現象を発生させる、高風速領域と低風速領域とを生じる風のことを、本開示ではドレープ風と称する。
【0055】
ドライヤE1(E2)では、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの間が閉塞しているため、ドレープ風を発生させることができる。そのため、ドレープ風を起こすドライヤEを用いることによって、頭髪に対しドレープ現象を発生させることができる。ドレープ現象を発生させることができるために、頭髪がより多くの空気に触れることによって、頭髪を高い乾燥速度で乾かすことができる。
【0056】
〔実施形態4〕
実施形態1では、異なる流路から出た風でもって頭髪を乾かすことを想定する例について説明した。実施形態4では、頭髪をセットすることにも適したドライヤFについて説明する。ドライヤFは、複数の流路を一体化する構造を採用している点でドライヤAと異なる。他の点に関しては、ドライヤAに関する説明をドライヤFに援用するものとする。
【0057】
(流路の一体化)
図8は、実施形態4に係るドライヤFの外観を示す斜視図である。ドライヤFは、壁部40をさらに備える。壁部40は、第1筒11aおよび第2筒11bの外側の全体を覆う筒である。壁部40は、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bよりもさらに下流側まで至っている。壁部40は、第1筐体10に含まれる第1筒11aおよび第2筒11bよりも下流側に位置しする部分を有する。この壁部40により、少なくとも2つの流路の外側が包囲されている。壁部40は、2つの流路の第1吹出口12aおよび第2吹出口12bよりも下流側まで伸びている。ここで、「包囲」は、完全に全周にわたって囲っている態様のみならず、実質的に全体を囲っている態様を含むものとする。例えば、壁部40は、馬蹄状に設けられていてもよい。
【0058】
壁部40によって、前記複数の流路のうちの少なくとも2つの流路から吹き出される風を一体化可能である。壁部40の内部において、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bから吹き出した空気は合流する。なお、壁部40は、唯一の吹出口41を備えており、該吹出口41から、一体化した風が吹き出されることになる。
【0059】
複数の電動送風機で生じた風が一体化されることによって、吹き出された空気の当たる位置を調整し易く、ユーザは頭髪のセットを容易におこなうことができる。なお、壁部40を他の部分に対して着脱可能な別の部材とし、壁部40を吹き出される空気を束ねたい時のみアタッチメントとして取り付けるようにしてもよい。
【0060】
〔実施形態5〕
実施形態1では、第1流路F1および第2流路F2からの風が、第1筒11aおよび第2筒11bの延伸方向に沿って吹き出される例について説明した。但し本発明は、この構成に限定されない。
【0061】
(第1吹出フィン16aおよび第2吹出フィン16bによる整流)
図9は、実施形態5に係るドライヤGでの第1筐体10および第2筐体20の横断面図である。ドライヤGでは、筐体2が、第1吹出口12aの近傍に第1吹出フィン16a(導風部材)を備え、第2吹出し口12bの近傍に第2吹出フィン16b(導風部材)を備える。
【0062】
第1吹出フィン16aおよび第2吹出フィン16bは、それぞれ空気の流れ方向を制御したり、空気の流れを整流するための導風部材である。第1吹出フィン16aおよび第2吹出フィン16bは、それぞれ、筐体2に固定されていてもよいし、ユーザが手動で各フィンの角度を変更することができてもよいし、電動によって自動で角度を変更することができてもよい。
【0063】
第1吹出フィン16aおよび第2吹出フィン16bによって、風の流れを制御することによって、例えば、複数の流路のうちの隣接する2つの流路のそれぞれの吹出口からの風が下流側に向かって近寄る方向に風を導き得る。第1流路F1と第2流路F2との風を、第1吹出フィン16aおよび第2吹出フィン16bによって、互いに近寄る方向に送風することができ、これにより、風の流れを混じり合わせ、流路F1およびF2から吹き出された風を一体化させることができる。これにより、ユーザは頭髪のセットを容易に行い得る。
【0064】
また、フィン16a、16bの機能は、例えば、風を一体化するだけに限定されない。例えば、風が広がる方向に吹出すようにフィン16a、16bを配置したり姿勢変化可能にしてもよい。この場合、頭髪との距離によってはドレープ現象を発生し易くし得る。なお、ドライヤGとユーザの頭髪との距離を測る距離センサを備えても良く、この場合、頭髪との距離に応じて、第1吹出フィン16aおよび第2吹出フィン16bの角度を制御可能としてもよい。
【0065】
〔実施形態6〕
実施形態2では、吸気口21の位置を第1流路F1と第2流路F2とで異ならせることによって、第1電動送風機14aおよび第2電動送風機14bが効率的に空気を吸気できる例について説明した。実施形態6では、同様のことを別の方法で実現する他の例について説明する。なお、下記の点を除いては、実施形態2における説明を本実施形態に援用するものとする。
【0066】
(第1吸気フィン24aおよび第2吸気フィン24bによる整流)
図10は、実施形態6に係るドライヤHでの第1筐体10および第2筐体20の横断面図である。実施形態6では、実施形態2にとは異なり、第1吸気口21aの近傍に第1吸気フィン24a(導風部)を備え、第2吸気口21bの近傍に第2吸気フィン24b(導風部)を備える。
【0067】
第1吸気フィン24aおよび第2吸気フィン24bは、それぞれ空気の流れ方向を制御したり、空気の流れを整流するための導風部材である。第1吸気フィン24aおよび第2吸気フィン24bは、それぞれ、固定されていてもよいし、ユーザが手動で各フィンの角度を変更することができてもよいし、電力等のエネルギーによって自動で角度を変更することができてもよい。
【0068】
第1吸気フィン24aおよび第2吸気フィン24bは、第1流路F1および第2流路F2の隣接方向において離れた領域から第1吸気口21aおよび第2吸気口21bに向かって近づきながら吸気されるように導風可能に設けられている。第1吸気フィン24aおよび第2吸気フィン24bの角度を互いに対し、異ならせることによって、吸気する空気の方向を異ならせることができる。そのため、例えば吸い込まれる空気の相互干渉を抑制し、流路F1,F2のそれぞれに効率的に空気を吸引させ得る。第1吸気フィン24aおよび第2吸気フィン24bの少なくとも一方が設けられていることが好ましい。隣接する2つの流路の少なくとも一方に対して吸気フィンが設けられていることが好ましい。
【0069】
第1吸気フィン24aおよび第2吸気フィン24bによって、第1電動送風機14aおよび第2電動送風機14bが配置された部分よりも上流側において、隣接する2つの流路に給気される風のながれを相互に分離することができる。そのために、第1電動送風機14aおよび第2電動送風機14bの吸込みに伴う、相互干渉を抑制できるため、吸込効率を向上できる。
【0070】
〔実施形態7〕
実施形態7のドライヤは、第1筒11aおよび第2筒11bが曲がっており、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bが互いに対向する配置になっている点で実施形態1のドライヤAと異なる。その他の点に関しては、ドライヤAに関する記載を援用するものとする。
【0071】
(吹出口の対向配置)
図11は、実施形態7に係るドライヤIの外観を示す斜視図である。第1流路F1および第2流路F2のうちの2つの流路は、2つの流路のそれぞれの吹出口である、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bが対向するように配置されている。例えば、対向した第1吹出口12aおよび第2吹出口12bの間に頭部や頭髪、手などの乾燥対象物を挿入することによって、乾燥対象物に対し、複数の方向から風を当てることができる。そのため、乾燥対象物の表面のうち、風が吹き付けられる領域の面積を大きくすることができる。よって、速乾性をさらに高め得る。なお、2つの吹出口が対向しているということは、例えば、2つの流路が、それぞれの吹出口において、流れ方向が対向するように設けられていることを含む。流れ方向が対向は、流れ方向が、完全に180°異なる場合のみならず、90°未満、好ましくは60°以下、より好ましくは45°以下、さらに好ましくは30°以下の範囲で傾斜している場合を含むものとする。
【0072】
第1筒11aおよび第2筒11bの間の間隔を調整できるように、第1筒11aおよび第2筒12bの一部の下流側の湾曲している部分が可動する構成であってもよい。あるいは、第1筒11aおよび第2筒12bの一部の部分がフレキシブルな配管となっていてもよい。換言すれば、第1筒11aおよび第2筒12bの少なくとも一部が、姿勢変化可能な可動部又は可撓部により構成されていてもよい。この場合、様々な頭部の大きさに合わせて調整することができる。
【0073】
〔実施形態8〕
実施形態8では、第1電動送風機14a、第2電動送風機14b、第1ヒータ15a、および第2ヒータ15bの配置において第1の実施形態に係るドライヤAと異なる。その他の点に関しては、ドライヤAに関する説明を援用するものとする。
【0074】
(第3筐体30への配置)
図12は、実施形態8に係るあるドライヤJでの第1筐体10、第2筐体20、第3筐体30の縦断面図である。なお、ドライヤJでは、第1流路F1および第2流路F2が縦方向に積層された形をしている。
【0075】
第1筒11aは、実施形態1と同様に直管であるが、第2筒11bは、実施形態1と異なり曲がった管である。第2筒11bは曲がった先において、第3筐体30と接続している。第1筒11aにおける第1吹出口12aに対する逆端部に第1電動送風機14aが配置されているのは他と同様である。第2筒11bにおける第2吹出口12bに対する逆端部に第2電動送風機14bが配置されているのは他と同様である。第1制御基板22aは、第2筐体20に配置される。第2制御基板22bは、第3筐体30に配置される。第2筐体20は、第2制御基板22bに配置されず、第3筐体30に配置されている。
【0076】
第1筐体10と第2筐体20とが直線状に並んで配置されることで形成される第1流路F1と、第1筐体10と第3筐体30とが直角に並んで配置されることで形成される第2流路F2と、設けられている。第2流路F2の一部を第3筐体30に配置することによって、持ち手部分を細くして握持しやすくしたり、ドライヤJ全体をコンパクトにまとめたりすることができる。
【0077】
また、第2流路F2を曲げたことによって、第1流路F1上の第1電動送風機14aの位置(第1吹出口12aから第1電動送風機14aまでの第1流路F1上の距離)と、第2流路F2乗の第2電動送風機14bの位置(第2吹出口12bから第2電動送風機14bまでの第2流路F2上の距離)と、は異なっている。複数の流路のうちの少なくとも2つの流路において、電動送風機は、流路における気体の流れ方向において異なる位置に設けられてもよい。
【0078】
(電動送風機の配置位置ずれ)
図13は、実施形態8に係る別のドライヤKでの第1筐体10、および第2筐体20の横断面図である。
【0079】
ドライヤKでは、第1流路F1における第1電動送風機14aの位置と、第2流路F2における第2電動送風機14bの位置とが異なり、第1流路F1における第1制御基板22aの位置と、第2流路F2における第2制御基板22bの位置とが異なる。複数の流路のうちの少なくとも2つの流路において、電動送風機は、流路における気体の流れ方向において異なる位置に設けられてもよい。これにより、物理的なスペースを必要とする、電動送風機や基板を相互に異なる位置に配置し得、ドライヤK全体での省スペース化が可能となる。
【0080】
なお、第1ヒータ15aおよび第2ヒータ15bをも互い違いに配置しても構わない。複数の流路のうちの少なくとも2つの流路において、ヒータは、流路における気体の流れ方向において異なる位置に設けられてもよい。
【0081】
〔実施形態9〕
実施形態9では、帯電粒子を供給する帯電粒子供給機構を、流路上に配置することによって、吹出口から吹き出される風に帯電粒子を含有させることができる例について説明する。帯電粒子供給機構が設けられたこと以外の点に関しては、実施形態1のドライヤAに関する記載を援用するものとする。
【0082】
(帯電粒子供給機構)
帯電粒子とは、電気的に中性ではない粒子、電気的に中性ではない状態に活性化した活性種を意味する。帯電粒子は、電荷を有する粒子に限定されず、例えば、電荷を有していないものの、不対電子を有する原子、分子などの粒子等も含まれる。具体的には、帯電粒子には、例えば、正または負の電荷を有するイオン、正または負の電荷を有するイオンの錯体、ラジカル、電子、陽子等が含まれる。
【0083】
帯電粒子供給(発生)機構は、例えば、1種の帯電粒子のみを供給(発生)させる機構であってもよいし、複数種類の帯電粒子を供給(発生)させる機構であってもよい。帯電粒子供給(発生)機構は、例えば、正イオンまたは正イオンの錯体(例えば、正イオンに水分子等の極性分子が配位した錯体)と、負イオンまたは負イオンの錯体(例えば、負イオンに水分子等の極性分子が配位した錯体)との両方を供給(発生)させるものであってもよい。帯電粒子供給(発生)機構は、例えば、正および負イオンの錯体の一方のみを供給(発生)させるものであってもよい。
【0084】
図14は、実施形態9に係るドライヤLの外観を示す斜視図である。ドライヤLは、ドライヤAに対し、帯電粒子供給機構50をさらに備える点が異なり、他は同様である。単一の帯電粒子供給機構50は、第1流路F1内において帯電粒子を供給する第1電極対51aと、第2流路F2内において帯電粒子を供給する第2電極対51bと、を備える。ひとつの帯電粒子供給機構が、第1流路F1および第2流路F2に跨ってもうけられている。そのひとつの帯電粒子供給部から各流路F1、F2のそれぞれに、帯電粒子が供給される。
【0085】
これにより、複数の流路に対し、共通の帯電粒子供給機構を用いることによって、ドライヤ全体での小型化、構造簡易化、および複数の流路における帯電粒子の均一性を実現することができる。なお、
図14では、帯電粒子供給機構50を、第1筒11aおよび第2筒11bにおける第1吹出口12および第2吹出口12bの位置に設けたが、帯電粒子供給機構50の配置位置は何らこの位置に限定されるものではない。例えば、ヒータ15aと電動送風機14aとの間、ヒータ15bと電動送風機14bとの間のそれぞれに帯電粒子供給機構50を配置してもよい。
【0086】
〔実施形態10〕
実施形態3では、各流路から吹き出された複数の風を用いて、ドレープ現象を発生させる場合に関して示した。また、実施形態4では、複数の風を一体化させる場合に関して示した。実施形態10では、複数の風を一体化させたうえで、ドレープ現象を発生させ得る複数の風を吹き出す例について説明する。その他の点に関しては上記実施形態に係るドライヤに関する記載を援用するものとする。
【0087】
(閉鎖部60と閉鎖部60における複数の開口61)
図15は、実施形態10に係るドライヤMの外観を示す斜視図である。第1筐体10には、第1筒11aおよび第2筒11bのそれぞれに設けられた流路F1、F2の下流側に位置し、2つの流路F1、F2のそれぞれに接続された1つの流路の下流側端部を閉鎖する閉鎖部60を備える。閉鎖部60は、該1つの流路の下流側端部を防ぐ。また、閉鎖部60には、複数の開口61が形成されている。複数の開口61のそれぞれは、1つの流路と、外気とを接続する、閉鎖部に設けられた貫通孔である。
【0088】
複数の開口61の数は、1つの流路に上流側から接続された流路の本数よりも多いことが好ましく、1以上多いことが好ましい。例えば、本実施形態では、1つの流路に対して第1流路F1、F2という2本の流路が接続されている。閉鎖部60には、2よりも多い4つの開口(貫通孔)61が形成されている。複数の開口61は、例えば、一の方向に沿って配列された複数の開口と、それら複数の開口のうちの少なくともひとつと、一の方向とは異なる他の方向に沿って配列された開口との3つ以上を含むことが好ましい。複数の開口61は、例えば、二次元に沿ってマトリクス状に配されていることが好ましい。複数の開口61は、開口61の開口方向から視たときに、例えば、正多角形の角部上に位置するように配されていることが好ましい。開口61の数は、例えば、3以上であることが好ましい。開口61の数は、例えば、8以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。詳細には、本実施形態では、4つの開口61が形成されている。複数の開口61は一辺がL4、他辺がL5である矩形に配置されている。なお、L4とL5は等しくてもよい。複数の開口61は、4つに制限されず、
これにより、複数の流路を流れる風は、一つの流路にて合流された後、閉鎖部60に設けられた複数の開口61から吹き出す。複数の開口61から、高速な空気を吐出することによって、各高速な空気の間に低速な空気がある領域が生じるために、低速な空気の領域において頭髪が巻き上げられ、頭髪の乾かすいあたり速乾性が得られる。なお、複数の開口61が開いているため、様々なドライヤの姿勢において、速乾性を得ることができる。
【0089】
〔実施形態11〕
実施形態1では、第3筐体30の上に、第1筐体10および第2筐体20が配置された例について説明した。実施形態11では、第1筐体10、第2筐体20、および第3筐体30が全て一直線上に配置されている例について説明する。その他の点に関しては、実施形態1に係るドライヤAの記載を援用するものとする。
【0090】
図16は、実施形態11に係るドライヤNの外観を示す斜視図である。ユーザは、第3筐体30を握持する。第3筐体30には、長手方向に沿った直列配置で第1制御基板22aおよび第2制御基板22bが配置されていてもよい。また、第3筐体30の端部には、吸気口21が形成されている。
【0091】
第2筐体20は、第3筐体30および第1筐体10と、を接続する部位である。第1筐体10は、第1筒11aおよび第2筒11bの先端部を除く実質的に全体がともに一の方向に沿って延びるように設けられており、先端部が屈曲している。第1筐体10、第2筐体20、および第3筐体30が一の方向に沿って一列に配置されている。第1筐体10の先端部が、その他の部分に対して湾曲しているため、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bは、筐体10、20、30の長手方向に対して傾斜した方向(典型的には、垂直な方向)に風が吹き出される。
【0092】
本実施形態の構成を採用することにより、使用時にユーザが把持する第3筐体30を細くすることができ、持ちやすさや使用性を改善し得る。
【0093】
〔実施形態12〕
実施形態1から11では、全て流路が2つの場合に関して示してきたが、流路は2つに限定されない。
【0094】
図17は、実施形態12に係るドライヤの外観を示す斜視図である。実施形態12に係るドライヤは、第1筐体10に、第1筒11a、および第2筒11bに加えて、第3筒11cを備える。第3筒11cは、端部に第3吹出口12cを備える。実施形態12に係るドライヤは、3つの流路を有する。
【0095】
流路の数が2つから3つに増えることによって、同様の風量を得るための、各電動送風機の必要な回転数が低下する。そのため、各電動送風機における騒音が低減し、実施形態12に係るドライヤ全体でのさらなる静音化が見込める。
【0096】
なお、流路の数は、3つに限定されない。
【0097】
〔実施形態13〕
実施形態1では、第1筒11aおよび第2筒11bは、横方向に沿って並べられていたが、実施形態13では、第1筒11aおよび第2筒11bは、縦方向に沿って並べられている。ドレープ現象を発生させるためには、第1吹出口12aおよび第2吹出口12bは、横方向に並んでいることが好ましい。なお、本実施形態では、第3筐体の長手方向が鉛直方向に沿って延びるように配置された状態における方向を記載している場合がある。
【0098】
図18は、実施形態13に係るドライヤPの外観を示す斜視図である。第3筐体30の上に、鉛直方向に延伸した第2筐体20が接続されている。第2筐体20には、第1筒11aおよび第2筒11bが接続されている。第1筒11aは、第2筒11bの上に乗っかっている。すなわち、第1筒11aおよび第2筒11bは鉛直方向に並んでいる。
【0099】
第1筒11aおよび第2筒11bはそれぞれ途中で捩じれており、第1筒11aの先端の第1吹出口12aと、第2筒11bの先端の第2吹出口12bと、は、ともに横方向(水平方向)に並んでいる。
【0100】
第1筒11aおよび第2筒11bを縦方向に並べることによって、第1電動送風機14aと第2電動送風機14とが縦方向に積み重ねられた配置となる。したがって、ユーザが握持している位置からの例えば回転モーメントなどのモーメントを小さくすることができ、ユーザはドライヤPを任意の姿勢に操作することが容易になる。また、各流路が捻じれていることによって、ドレープ現象を発生させられる方向で、頭髪に対して送風することが容易となる。
【0101】
流路を捩じることによって、各流路から吹き出される風の直進性を向上し得る。そのため、各吹出口から吹き出された風がより遠方まで届くようになるといった効果、例えば、ジャイロ効果も期待できる。
【0102】
〔実施形態14〕
(ドライヤQの構成)
図19は、実施形態14に係るドライヤQの要部の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態で説明する制御の内容は、上記実施形態に係るドライヤAからドライヤP共通して参照可能なものである。
【0103】
ドライヤQは、第1ブロックQ1と第2ブロックQ2とを備える。第1ブロックQ1は、第1電動送風機14aと、第1ヒータ15aと、帯電粒子供給機構50と、第1吹出フィン16aと、第1吸気フィン24aと、制御部90と、操作部99と、を備える。第2ブロックQ2は、第1ブロックQ1と同様の構成を成している。例えば、第1ブロックQ1の制御部90は、第1逝去基板22aと一体に設けられており、第2ブロックQ2の制御部90は、第2制御基板22bと一体に設けられていてもよい。なお、帯電粒子供給機構50に関しては、第1ブロックQ1および第2ブロックQ2で共通して単一の帯電粒子供給装置を用いてもよい。また、操作部99に関しても、第1ブロックQ1および第2ブロックQ2で共通したものを用いてもよい。
【0104】
制御部90は、送風制御部91と、温度制御部92と、帯電制御部93と、整流制御部94と、を備える。送風制御部91は、第1電動送風機14aの風量を制御する。温度制御部92は、第1ヒータ15aの温度を制御する。帯電制御部93は、帯電粒子供給装置への通電のオン/オフを制御する。整流制御部94は、第1吹出フィン16aおよび第1吸気フィン24aを制御し、流路F1の流れを制御する。
【0105】
操作部99は、制御部90に対し、ユーザの操作内容を出力し、操作内容に則って制御部90の各部は適宜各部を制御する。
【0106】
なお、ドライヤQは、第1ブロックQ1と第2ブロックQ2とで別々に制御することに限定されない。単一の制御部が第1ブロックQ1と第2ブロックQ2の各部を統括的に制御しても構わない。
【0107】
(制御部90の動作)
制御部90は、複数の流路のうちの少なくとも2つの流路のそれぞれに配置された電動送風機およびヒータのうちの少なくとも一方を独立して制御可能である。制御部90は、第1流路F1に配置された第1電動送風機14aおよび第1ヒータ15aならびに第2流路F2に配置された第2電動送風機14bおよび第2ヒータ15bのうちの少なくとも一つを独立して制御可能である。すなわち、風速、風量あるいは温度を流路において異ならせることできる。そのため、様々な送風形態を実現することができる。例えば、以下の(i)から(iv)のそれぞれを制御部90は行うことができてもよい。
【0108】
(i)送風制御部91は、第1流路F1に配置された第1電動送風機14aおよび第2流路F2に配置された第2電動送風機14bを同時に駆動する駆動態様を行ってもよい。または、第1流路F1に配置された第1電動送風機14aおよび第2流路F2に配置された第2電動送風機14bの一方を駆動せず、他方を駆動する駆動態様を行ってもよい。これら駆動態様のいずれかを実行するかは選択可能に構成されてもよい。
【0109】
全ての電動送風機を用いずに一部の電動送風機のみを用いることで、限られた電力でもドライヤを動作させることができる。例えば、限られた電力の中において、複数の流路を用いる場合は、ヒータをオフにすることで大風量を実現し速乾性をえることもできるし、単一の流路を用いる場合は、ヒータに大電力を印加することで高温の風を吐出することもできる。
【0110】
(ii)温度制御部92は、第1流路F1に配置された第1ヒータ15aおよび第2流路F2に配置された第2ヒータ15bを同時に駆動する駆動態様を行ってもよい。または、第1流路F1に配置された第1電動送風機14aおよび第2流路F2に配置された第2電動送風機14bの一方を駆動せず、他方を駆動する駆動態様を行ってもよい。これら駆動態様のいずれかを実行するかは選択可能に構成されてもよい。
【0111】
一部のヒータに電力を集中して供給することにより、ヒータの温度をより高め得るため、より高温の風を送り出すことができる。また、複数のヒータへの供給電力を異ならせることにより、高温の風と低温の風とを同時に送り出し得る。例えば、過度な乾燥や頭髪等の損傷を抑制したい箇所に対して低温の風を送り、高い乾燥速度を実現したい領域に対して高温の風を送ることができる。
【0112】
例えば、複数設けられた電動送風機のうちの少なくとも一部を駆動させず、複数の電動送風機を部分的に駆動することによりセットに好適な一体的な風を送り出すことも可能になる。
【0113】
(iii)送風制御部91は、第1流路F1に配置された第1電動送風機14aおよび第2流路F2に配置された第2電動送風機14bに対して、相互に異なる大きさの電力を入力してもよい。
【0114】
図20は、第1電動送風機14aおよび第2電動送風機14bにそれぞれ異なる大きさの電力を入力した場合に生じる風量のタイムチャートの一例である。
図20に示すように、時系列において、それぞれ異なる大きさの電力を入力することができる。
【0115】
そのため、高速な空気を吹出す吹出口と、低速な空気を吹出す吹出口とを作ることができる。これにより、低速な空気の領域において、頭髪が巻き上げられるドレープ現象を発生させることができる。そのため、効率的に頭髪を乾かすことができる。
【0116】
(iv)温度制御部92は、第1流路F1に配置された第1ヒータ15aおよび第2流路F2に配置された第2ヒータ15bに対して、相互に異なる大きさの電力を入力してもよい。
【0117】
図20では、電動送風機を対象に記載したが、ヒータに関しても同様である。この場合、ヒータを時系列において、それぞれ異なる大きさの電力を入力することで、頭髪を傷めず効率的に頭髪を乾かすことができる。
【0118】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0119】
2 筐体
10 第1筐体
12a 第1吹出口
12b 第2吹出口
13a 第1開口
13b 第2開口
14a 第1電動送風機
14b 第2電動送風機
15a 第1ヒータ
15b 第2ヒータ
16a 第1吹出フィン
16b 第2吹出フィン
20 第2筐体
21 吸気口
21a 第1吸気口
21b 第2吸気口
22a 第1制御基板
22b 第2制御基板
23 隔離部
24a 第1吸気フィン
24b 第2吸気フィン
30 第3筐体
40 壁部
41 吹出口
50 帯電粒子供給装置
51a 第1電極対
51b 第2電極対
60 閉鎖部
61 開口
62 閉塞領域
90 制御部
91 送風制御部
92 温度制御部
93 帯電制御部
94 整流制御部
99操作部
A~Q ドライヤ
F1 第1流路
F2 第2流路
Q1 第1ブロック
Q2 第2ブロック